説明

チタン触媒、有機チタン反応試剤及びそれらの製造法並びにそれらを用いた反応方法

【課題】炭素−炭素不飽和結合と求電子官能基を有する化合物又は求電子試剤との反応に用いることができる、チタン触媒及びその製造法並びに有機チタン反応試剤及びその製造法を提供すること。
【解決手段】式(1)
TiX1234 (1)〔X1,X2,X3,X4はハロゲン原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は−NRxRy基(Rx,Ryは炭素数1〜20のアルキル基等を表す)を示す。〕で表されるチタン化合物と、このチタン化合物の1〜10倍モル量の式(2) R1MgX5 (2)〔R1はβ位に水素原子を有する炭素数2〜10のアルキル基を、X5はハロゲン原子を示す。〕で表されるグリニャール試剤とから調製される、炭素−炭素不飽和結合と求電子官能基を有する化合物又は求電子試剤との反応用チタン触媒。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
TiX1234 (1)
〔式中、X1,X2,X3,X4はそれぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は−NRxRy基(Rx,Ryはそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基又はアラルキル基を表す)を示す。又は、X1,X2,X3,X4のいずれか同士が環を形成していてもよい。〕で表されるチタン化合物と、このチタン化合物の1〜10倍モル量の一般式(2)
1MgX5 (2)
〔式中、R1はβ位に水素原子を有する炭素数2〜10のアルキル基を示し、X5はハロゲン原子を示す。〕で表されるグリニャール試剤とから調製される、炭素−炭素の不飽和結合と求電子官能基を有する化合物又は求電子試剤との反応用チタン触媒。
【請求項2】
チタン化合物が不斉配位子を有するものである請求項1記載のチタン触媒。
【請求項3】
一般式(1)
TiX1234 (1)
〔式中、X1,X2,X3,X4はそれぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は−NRxRy基(Rx,Ryはそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基又はアラルキル基を表す)を示す。又は、X1,X2,X3,X4のいずれか同士が環を形成していてもよい。〕で表されるチタン化合物と、このチタン化合物の1〜10倍モル量の一般式(2)
1MgX5 (2)
〔式中、R1はβ位に水素原子を有する炭素数2〜10のアルキル基を示し、X5はハロゲン原子を示す。〕で表されるグリニャール試剤とを−78〜0℃で反応させることを特徴とする炭素−炭素の不飽和結合と求電子官能基を有する化合物又は求電子試剤との反応用チタン触媒の製造法。
【請求項4】
チタン化合物が不斉配位子を有するものである請求項3記載のチタン触媒の製造法。
【請求項5】
一般式(1)
TiX1234 (1)
〔式中、X1,X2,X3,X4はそれぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は−NRxRy基(Rx,Ryはそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基又はアラルキル基を表す)を示す。X1,X2,X3,X4のいずれか同士が環を形成していてもよい。〕で表されるチタン化合物と、このチタン化合物の1〜10倍モル量の一般式(2)
1MgX5 (2)
〔式中、R1はβ位に水素原子を有する炭素数2〜10のアルキル基を示し、X5はハロゲン原子を示す。〕で表されるグリニャール試剤、及び炭素−炭素の不飽和結合を有する化合物とから調製される有機チタン反応試剤。
【請求項6】
チタン化合物が不斉配位子を有するものである請求項5記載の有機チタン反応試剤。
【請求項7】
炭素−炭素の不飽和結合を有する化合物が、オレフィン化合物、アセチレン化合物又はアレン化合物である請求項5又は6記載の有機チタン反応試剤。
【請求項8】
一般式(1)
TiX1234 (1)
〔式中、X1,X2,X3,X4はそれぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は−NRxRy基(Rx,Ryはそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基又はアラルキル基を表す)を示す。又は、X1,X2,X3,X4のいずれか同士が環を形成していてもよい。〕で表されるチタン化合物と、このチタン化合物の1〜10倍モル量の一般式(2)
1MgX5 (2)
〔式中、R1はβ位に水素原子を有する炭素数2〜10のアルキル基を示し、X5はハロゲン原子を示す。〕で表されるグリニャール試剤、及び炭素−炭素の不飽和結合とを有する化合物とを−78〜0℃で反応させることを特徴とする有機チタン反応試剤の製造法。
【請求項9】
チタン化合物が不斉配位子を有するものである請求項8記載の製造法。
【請求項10】
炭素−炭素の不飽和結合を有する化合物が、オレフィン化合物、アセチレン化合物又はアレン化合物である請求項8又は9記載の製造法。
【請求項11】
一般式(1)
TiX1234 (1)
〔式中、X1,X2,X3,X4はそれぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は−NRxRy基(Rx,Ryはそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基又はアラルキル基を表す)を示す。又は、X1,X2,X3,X4のいずれか同士が環を形成していてもよい。〕で表されるチタン化合物、このチタン化合物の1〜10倍モル量の一般式(2)
1MgX5 (2)
〔式中、R1はβ位に水素原子を有する炭素数2〜10のアルキル基を示し、X5はハロゲン原子を示す。〕で表されるグリニャール試剤、及び炭素−炭素の不飽和結合を有する化合物を−78〜0℃で処理した後、求電子官能基を有する化合物又は求電子試剤を付加反応させることを特徴とする付加反応方法。
【請求項12】
請求項5記載の有機チタン反応試剤に、求電子官能基を有する化合物又は求電子試剤を加えて該反応試剤の炭素−炭素の不飽和結合を有する化合物と付加反応させることを特徴とする付加反応方法。
【請求項13】
求電子官能基を有する化合物を炭素−炭素の不飽和結合を有する化合物と反応させた後、更に別途求電子官能基含有化合物を添加するようにした請求項11又は12記載の方法。
【請求項14】
求電子官能基を有する化合物を炭素−炭素の不飽和結合を有する化合物と反応させた後、求電子試剤を添加するようにした請求項11,12又は13記載の方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法において、炭素−炭素の不飽和結合を有する化合物と求電子官能基を有する化合物又は求電子試剤の代りに、炭素−炭素の不飽和結合と求電子官能基とを同一分子内に有する化合物を用いて分子内付加反応させることを特徴とする付加反応方法。
【請求項16】
炭素−炭素の不飽和結合と求電子官能基とを有する化合物を分子内付加反応させた後、更に別途求電子官能基含有化合物を添加するようにした請求項15記載の方法。
【請求項17】
炭素−炭素の不飽和結合と求電子官能基とを有する化合物を分子内付加反応させた後、求電子試剤を添加するようにした請求項15又は16記載の方法。
【請求項18】
チタン化合物が不斉配位子を有するものである請求項11乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
炭素−炭素の不飽和結合を有する化合物が、オレフィン化合物、アセチレン化合物又はアレン化合物である請求項11乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
求電子官能基が、アルデヒド基、ケトン基、イミノ基、ヒドラゾン基、脂肪族二重結合、脂肪族三重結合、アシル基、エステル基又はカーボネート基である請求項11乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
求電子試剤が、水、重水、塩素、臭素、ヨウ素、N−ブロモサクシミド、酸素、炭酸ガス又は一酸化炭素である請求項11,12,14,17,18,19又は20記載の方法。
【請求項22】
下記一般式(1)
TiX1234 (1)
〔式中、X1,X2,X3,X4はそれぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は−NRxRy(Rx,Ryはそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基又はアラルキル基を表す)を示す。又は、X1,X2,X3,X4のいずれか同士が環を形成していてもよい。〕で表されるチタン化合物と、このチタン化合物の1〜10倍モル量の下記一般式(2)
1MgX5 (2)
〔式中、R1はβ位に水素原子を有する炭素数2〜10のアルキル基を示し、X5はハロゲン原子を示す。〕で表されるグリニャール試剤とを反応させることにより得られるチタン触媒の存在下に、下記一般式(3)
23C=CR4CH2C(Ra)(COORb)2 (3)
〔式中、R2,R3,R4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、Raは炭素数1〜20の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基を示し、Rbは炭素数1〜10のアルキル基又はアラルキル基を示す。〕で表されるアリル置換マロン酸エステル誘導体を脱アリル化することを特徴とする下記一般式(4)
RaCH(COORb)2 (4)
〔式中、Ra,Rbは前記に同じ。〕で表されるマロン酸エステル誘導体の製造方法。
【請求項23】
下記一般式(5)
23C=CR4CH2CH(COORb)2 (5)
〔式中、R2,R3,R4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、Rbは炭素数1〜10のアルキル基又はアラルキル基を示す。〕で表されるアリルマロン酸エステルをアルキル化することにより、下記一般式(3)
23C=CR4CH2C(Ra)(COORb)2 (3)
〔式中、R2,R3,R4,Rbは前記に同じ。Raは炭素数1〜20の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基を示す。〕で表されるアリル置換マロン酸エステル誘導体を合成し、次いでこの誘導体を、下記一般式(1)
TiX1234 (1)
〔式中、X1,X2,X3,X4はそれぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は−NRxRy(Rx,Ryはそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基又はアラルキル基を表す)を示す。又は、X1,X2,X3,X4のいずれか同士が環を形成していてもよい。〕で表されるチタン化合物と、このチタン化合物の1〜10倍モル量の下記一般式(2)
1MgX5 (2)
〔式中、R1はβ位に水素原子を有する炭素数2〜10のアルキル基を示し、X5はハロゲン原子を示す。〕で表されるグリニャール試剤とを反応させることにより得られるチタン触媒の存在下に、脱アリル化することを特徴とする下記一般式(4)
RaCH(COORb)2 (4)
〔式中、Ra,Rbは前記に同じ。〕で表されるマロン酸エステル誘導体の製造法。
【請求項24】
2,R3,R4がそれぞれ水素原子である請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
一般式(1)
TiX1234 (1)
〔式中、X1,X2,X3,X4はそれぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は−NRxRy基(Rx,Ryはそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基又はアラルキル基を表す)を示す。又は、X1,X2,X3,X4のいずれか同士が環を形成していてもよい。〕で表されるチタン化合物、このチタン化合物の1〜10倍モル量の一般式(2)
1MgX5 (2)
〔式中、R1はβ位に水素原子を有する炭素数1〜20のアルキル基を示し、X5はハロゲン原子を示す。〕で表されるグリニャール試剤、及びイミン化合物を−78〜0℃で処理した後、求電子官能基化合物を付加反応させることを特徴とする付加反応方法。

【公開番号】特開2007−7650(P2007−7650A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−189148(P2006−189148)
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【分割の表示】特願平8−527458の分割
【原出願日】平成8年3月8日(1996.3.8)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【出願人】(000172282)
【Fターム(参考)】