説明

ナビゲーションシステム

【課題】通信コストの削減化を図ることが可能となると共に、情報センタの処理負担の軽減化を図ることが可能となるナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】情報配信センタ3のCPU11は、プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2から収集パターン51Dを要求する要求コマンドと共に、自車位置のデータ、目的地の座標データ等の各情報を受信したばあいには、収集パターンデータ51の期間51A(時期的要因)と各エリア51B、51C(地域的要因)を特定し、収集パターンデータ51から対応する収集パターン51D(制限情報)を選択して、収集パターン51Dを要求する要求コマンドを送信したナビゲーション装置2に対して送信する(S111〜S115)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステムに関し、特に、プローブカーに搭載されたナビゲーション装置から情報センタにプローブ情報が送信されるナビゲーションシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プローブカーに搭載されたナビゲーション装置から情報センタへ、収集したプローブ情報を携帯電話等を介して送信するナビゲーションシステムが種々提案されている。
例えば、情報センタは、プローブカーに搭載されたナビゲーション装置から出発地、目的地、走行ルートの情報を受信すると、イベント情報、交通事故情報、混雑変動予測情報、予定収集情報量、蓄積情報量、天気情報等に基づいて、該ナビゲーション装置が走行データを収集する区間、時間帯等の収集対象を決定し、この決定した収集対象をナビゲーション装置に指示する。そして、ナビゲーション装置は、指示された収集対象の走行データを収集して、情報センタへ送信するナビゲーションシステムがある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−146645号公報(段落(0006)〜(0029)、図1〜図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記した特許文献1に記載されたナビゲーションシステムでは、複数のナビゲーション装置から同様の走行データを重複収集しないように収集対象を決定することができるため、重複収集による過剰なデータ収集を防ぐことができる。また、収集対象を必要性の高いものに絞ることで、データ収集頻度を下げ通信コストを抑制できる。
しかしながら、ナビゲーション装置は、全ての走行データを情報センタへ送信するため、不必要な情報も情報センタへ送信することとなり、通信コストが掛かってしまうという問題がある。また、情報センタでは、収集対象を各ナビゲーション装置に振り分ける処理負担が大きくなるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ナビゲーション装置から情報センタに対して不要な情報を削減して、必要な情報のみを送信することが可能となり、通信コストの削減化を図ることが可能となると共に、情報センタの処理負担の軽減化を図ることが可能となるナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係るナビゲーションシステムは、車両(6)に搭載されたナビゲーション装置(2)と、前記ナビゲーション装置から送信されたプローブ情報を受信する情報センタ(3)と、を備えたナビゲーションシステム(1)において、前記情報センタ(3)は、所定要因に対応して、前記プローブ情報の送信内容を指示する制限情報を記憶する制限情報記憶手段(18)と、前記ナビゲーション装置に対応する所定要因を特定する要因特定手段(10)と、前記要因特定手段によって特定された所定要因に基づいて前記制限情報を選択する制限情報選択手段(10)と、前記ナビゲーション装置に選択した制限情報を送信する送信手段(17)と、を有し、前記ナビゲーション装置(2)は、前記制限情報を受信する受信手段(27)と、受信した該制限情報に基づいて、収集したプローブ情報を前記情報センタに送信するように制御する送信制御手段(23)と、を有することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係るナビゲーションシステムは、請求項1に記載のナビゲーションシステム(1)において、前記所定要因は、区域、季節、日時、曜日、道路種別のうちの少なくとも1つに対応して生成されていることを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係るナビゲーションシステムは、請求項1又は請求項2に記載のナビゲーションシステム(1)において、前記送信制御手段(23)は、受信した制限情報の履歴を受信条件に対応して記憶する履歴記憶手段(22)と、同じ制限情報を同一受信条件で所定回数受信したか否かを判定する回数判定手段(23)と、を有し、該送信制御手段(23)は、同じ制限情報を同一受信条件で所定回数受信したと判定した場合には、この受信条件になった際に、この同じ制限情報に基づいて、収集したプローブ情報を前記情報センタに送信するように制御することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係るナビゲーションシステムは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーションシステム(1)において、前記ナビゲーション装置(2)は、設定された目的地までの距離を算出する算出手段(23、21)と、前記距離を目的地までの距離情報として情報センタに送信する距離情報送信手段(23、27)と、を有し、前記情報センタ(3)は、前記ナビゲーション装置から送信された距離情報を受信する距離情報受信手段(17)を有し、前記制限情報選択手段(10)は、受信した距離情報に基づいて該ナビゲーション装置に対して前記プローブ情報の送信不許可又送信許可を指示する制限情報を選択することを特徴とする。
【0009】
更に、請求項5に係るナビゲーションシステムは、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のナビゲーションシステム(1)において、前記情報センタ(3)は、各前記ナビゲーション装置(2)から受信した狭い時間帯における同一リンクに対する前記プローブ情報から、他のプローブ情報の内容と大きく異なる内容の異常プローブ情報を検出する検出手段(10)を有し、前記制限情報選択手段(10)は、前記異常プローブ情報を検出した場合には、この異常プローブ情報を送信したナビゲーション装置に対してプローブ情報の送信停止を指示する制限情報を選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
前記構成を有する請求項1に係るナビゲーションシステムでは、情報センタは、ナビゲーション装置に対応する所定要因を特定し、この特定された所定要因に基づいて、プローブ情報の送信内容を指示する制限情報を選択する。そして、情報センタは、選択した制限情報をナビゲーション装置に対して送信する。一方、ナビゲーション装置は、受信した該制限情報に基づいて、収集したプローブ情報から指示された送信内容のプローブ情報を情報センタに送信する。
【0011】
これにより、ナビゲーション装置は、収集したプローブ情報(例えば、月、日時、リンク情報(メッシュID、リンクID、リンク長、交通信号機の有・無、道路種別等である。)、交通状況(旅行時間、渋滞度、速度などである。)、自車位置、自車位置の属する2次メッシュID、ワイパーの動作状況、車外/路面温度、天気、ABS(Antilock brake system)動作情報、路面状況、車両情報(車種、各諸元性能、車速、乗員、車重の配分率、トルクの掛かり方等)である。)から、制限情報に従って、情報センタが必要とする情報のみを選択して(例えば、月、日時、自車位置の属する2次メッシュID、リンク情報、渋滞情報のみを選択する。)、情報センタに送信することが可能となり、情報センタとの携帯電話等を介した通信時間の短縮化を図って通信コストの削減化を図ることが可能となる。また、情報センタは、ナビゲーション装置から送信される不要な情報を削減することが可能となり、処理負担の軽減化を図ることが可能となる。
【0012】
また、請求項2に係るナビゲーションシステムでは、所定要因は、区域、季節、日時、曜日、道路種別のうちの少なくとも1つに対応して生成されている。このため、地域性、時期的要因、時間的要因、道路種別要因を制限情報の選択に加味することができるので、制限情報の選択をより高精度に行うことが可能となる。
【0013】
また、請求項3に係るナビゲーションシステムでは、ナビゲーション装置は、受信した制限情報の履歴を受信条件に対応して記憶している。そして、ナビゲーション装置は、同じ制限情報を同一受信条件で所定回数受信したと判定した場合には、この受信条件になった際に、この同じ制限情報に基づいて、収集したプローブ情報を情報センタに送信する。
これにより、ナビゲーション装置は、情報センタから制限情報を受信していない場合でも、同じ制限情報を所定回数受信した受信条件になった際には、この同じ制限情報に基づいて、収集したプローブ情報を情報センタに送信することが可能となる。このため、情報センタは、制限情報をナビゲーション装置に対して送信していない場合でも、必要なプローブ情報を受信することが可能となり、処理負担の軽減化を図ることが可能となる。
【0014】
また、請求項4に係るナビゲーションシステムでは、ナビゲーション装置は、設定された目的地までの距離を算出して距離情報として情報センタに送信する。また、情報センタは、受信した距離情報に基づいて該ナビゲーション装置に対してプローブ情報の送信不許可又は送信許可を指示する制限情報を選択して、この選択した制限情報をナビゲーション装置に対して送信する。
これにより、情報センタは、より少ないナビゲーション装置から精度の高いプローブ情報を受信することが可能となり、処理負荷の更なる軽減化を図ることが可能となる。
【0015】
更に、請求項5に係るナビゲーションシステムでは、情報センタは、各ナビゲーション装置から受信した狭い時間帯における同一リンクに対するプローブ情報から、他のプローブ情報の内容と大きく異なる内容の異常プローブ情報を検出した場合には、この異常プローブ情報を送信したナビゲーション装置に対して、プローブ情報の送信停止を指示する制限情報を選択して、この選択した制限情報をナビゲーション装置に対して送信する。
これにより、情報センタは、各ナビゲーション装置から受信するプローブ情報の高精度化を図ることができ、少ないプローブ情報でも精度の高い交通情報を配信することが可能となり、処理負荷の更なる軽減化を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るナビゲーションシステムを具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0017】
先ず、本実施例に係るナビゲーションシステム1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーションシステム1を示したブロック図である。
【0018】
図1に示すように本実施例に係るナビゲーションシステム1は、各プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2と、ナビゲーション装置2に対して地図情報を更新する為の更新情報や後述の各ナビゲーション装置2から収集したプローブ情報に基づいて作成した渋滞情報等の交通情報を配信する情報センタとしての情報配信センタ3と、ネットワーク4から基本的に構成されている。そして、ナビゲーション装置2と情報配信センタ3は、ネットワーク4を介して各種の情報の送受信が可能となるように構成されている。
【0019】
また、このネットワーク4には、道路交通情報センタ(VICS(登録商標))5が接続され、ナビゲーション装置2と情報配信センタ3とは、ネットワーク4を介して、警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や交通規制情報等の交通情報を所定時間毎に受信することが可能に構成されている。また、この交通情報は、例えば、道路の渋滞等に関する道路渋滞情報、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の道路交通情報に関する詳細情報である。該詳細情報は、道路渋滞情報の場合、後述のVICSリンクID、渋滞の実際の長さ、渋滞を通過するのに要する所要時間、渋滞度(渋滞無し/混雑/渋滞の別等)、渋滞中の車速、旅行時間、渋滞車線の進行方向、渋滞解消の見込まれる時刻等であり、交通規制情報の場合、後述のVICSリンクID、道路工事、建築工事等の継続期間、通行止め、片側交互通行、車線規制等の交通規制の種類、交通規制の時間帯等である。
尚、ナビゲーション装置2の構成に関しては後に図2を用いて詳細に説明する。
【0020】
情報配信センタ3は、図1に示すようにサーバ10と、サーバ10に接続された地図情報記録部としてのセンタ側地図情報データベース(センタ側地図情報DB)14と、ナビ更新履歴情報データベース(ナビ更新履歴情報DB)15と、センタ側交通情報データベース(センタ側交通情報DB)16と、センタ側通信装置17と、収集パターンデータベース(収集パターンDB)18とを備える。また、サーバ10は、サーバ10の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU11、並びにCPU11が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM12、ナビゲーション装置2からの要求に基づいてナビゲーション装置2に記憶された地図情報の内、所定エリアの地図情報を新たなバージョンの地図情報に更新する為の更新情報をセンタ側地図情報DB14から抽出し、ナビゲーション装置2に対して配信する地図情報更新処理や、後述のプローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2に対して、情報配信センタ3へのプローブ情報の送信データ内容を指示する収集パターンを選択して、この選択した収集パターンをナビゲーション装置2の送信パターンとして送信する収集パターン送信処理(図5参照)や、ナビゲーション装置2からの要求に基づいて、現況の交通情報をネットワーク4を介して配信する交通情報配信処理等を行うための各種の制御プログラムが記録されたROM13等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ19等を備えている。尚、CPU11に代えてMPU等を使用することができる。
【0021】
また、センタ側地図情報DB14には、情報配信センタ3で作成され、ナビゲーション装置2に記憶された地図情報を更新する際の基本となる地図情報である更新用地図情報14Aがバージョン毎に区分されて記憶されている。更に、現在のナビゲーション装置2に記憶される地図情報の一部又は全部を更新用地図情報14Aに更新する為の更新情報についても記憶されている。ここで、バージョンとは地図情報が作成された時期を特定する為の作成時期情報であり、バージョンを参照することによって地図情報が作成された時期を特定することが可能となっている。
【0022】
また、センタ側地図情報DB14に記憶された更新用地図情報14Aには、ナビゲーション装置2で経路案内及び地図表示を行うのに必要な各種情報が記録されており、例えば、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(道路リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
【0023】
ここで、特に地図表示データとしては、10km×10kmで区画された2次メッシュをベースに4分割(長さ1/2)、16分割(1/4)、64分割(1/8)されたユニットで構成されており、各ユニットのデータ量が略同レベルになるように、各地のユニットが設定されている。最も小さい64分割サイズのユニットは、約1.25km四方の大きさである。
【0024】
また、ノードデータとしては、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)、各道路に曲率半径等に応じて所定の距離ごとに設定されたノード点の座標(位置)、ノードが交差点に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクの識別番号であるリンクIDのリストである接続リンク番号リスト、ノードにリンクを介して隣接するノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リスト、各ノード点の高さ(高度)等に関するデータ等が記録される。
【0025】
また、リンクデータとしては、道路を構成する各道路リンク(以下、「リンク」という。)に関してリンクの属する道路の幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、主要地方道、県道、市町村道の一般道路、また、一般道路よりも狭い街中等の細街路のほか、高速自動車国道、都市高速道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。更に、有料道路に関して、有料道路の入口及び出口の取付道(ランプウェイ)、料金所(インターチェンジ)等に関するデータが記録される。
【0026】
また、探索データとしては、設定された目的地までの経路を探索及び表示する際に使用されるデータについて記録されており、ノードを通過する際の右左折や道路を構成するリンクの距離、道幅、道路種別等によって決定される各ノードの重み付け(以下、「コスト」という。)を算出する為に使用するコストデータ、経路探索により選択された経路を液晶ディスプレイ25の地図上に表示するための経路表示データ等から構成されている。
【0027】
また、店舗データとしては、各地域のホテル、病院、ガソリンスタンド、駐車場、観光施設等のPOIに関するデータがPOIを特定するIDとともに記録される。なお、前記センタ側地図情報DB14には、所定の情報をナビゲーション装置2のスピーカ26によって出力するための音声出力データも記録される。
【0028】
そして、情報配信センタ3は、ナビゲーション装置2からの要求があったタイミングで、センタ側地図情報DB14に格納された更新用地図情報14Aの内、最もバージョンの新しい更新用地図情報14Aによってナビゲーション装置2に記憶された地図情報の更新を行う。具体的には、本実施例に係るナビゲーションシステム1では、ナビゲーション装置2から更新用地図情報14Aの配信要求があった場合には、最もバージョンの新しい更新用地図情報14Aに更新する為の更新情報をナビゲーション装置2に対して配信することにより更新が行われる。ここで、ナビゲーション装置2に対して送信される更新情報としては、最もバージョンの新しい更新用地図情報14Aの新設道路を特定するための新設道路情報を含む全情報を送信することとしても良いし、現在のナビゲーション装置に記憶される地図情報から最もバージョンの新しい更新用地図情報14Aに更新する為の必要最小限の情報(新設道路を特定するための新設道路情報を含む更新部分の情報のみ)を送信することとしても良い。
【0029】
一方、ナビ更新履歴情報DB15には、ナビゲーション装置2に記憶されている地図情報について現在までに更新を行った更新履歴に関する情報が、ナビゲーション装置2を特定するナビ識別IDとともに記憶される。更新履歴としては、具体的に地図情報を構成するリンクデータやノードデータ毎にどのバージョンの地図情報が用いられているかが記憶されており、ナビゲーション装置2の地図情報の更新を行う毎に新たな更新履歴に書き換えられる。
【0030】
また、センタ側交通情報DB16には、プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2により収集されるプローブ情報(例えば、月、日時、リンク情報(メッシュID、リンクID、リンク長、交通信号機の有・無、道路種別等である。)、交通状況(旅行時間、渋滞度、速度などである。)、自車位置、自車位置の属する2次メッシュID、ワイパーの動作状況、車外/路面温度、天気、ABS(Antilock brake system)動作情報、路面状況、車両情報(車種、各諸元性能、車速、乗員、車重の配分率、トルクの掛かり方等)である。)や道路交通情報センタ(VICS(登録商標))5から受信した交通情報を収集して作成した現況の道路の渋滞等に関する情報である現況交通情報16Aが格納されている。また、このセンタ側交通情報DB16には、過去に作成された道路の渋滞等に関する統計的交通情報である統計交通情報16Bが格納されている。この統計交通情報16Bは、祭り、パレード、花火大会等のイベントの開催予定場所、予定日時等のイベント予定情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏季休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報や渋滞予測情報を含んでもよい。
【0031】
そして、情報配信センタ3は、ナビゲーション装置2からの要求があったタイミングで、センタ側交通情報DB16に格納された現況交通情報16A、統計交通情報16Bに基づいて各交差点間の交通情報等を選択して配信する。
【0032】
また、道路交通情報センタ(VICS(登録商標))5から受信した交通情報には、道路種別情報、位置、渋滞区間の距離、渋滞度等の情報とともに、VICSリンクIDが含まれる。該VICSリンクIDは、道路を所定の交差点毎に分割して規格化された走行案内用リンクとしてのVICSリンクに付与された識別番号である。なお、前記交通情報には、各VICSリンクにおける始点及び終点の座標、始点から終点までの距離等の情報も含まれている。
【0033】
ここで、センタ側地図情報DB14に記憶される道路(リンク)とVICSリンクとは同一のものではない(一般的には、道路(リンク)の方がVICSリンクよりも細分化されている。)。そこで、各道路(リンク)に識別番号として付与される道路リンクIDとVICSリンクIDとの間の変換テーブル(対照表)を有し、VICSリンクIDに基づいて、対応する道路リンクIDを特定することができるようになっている。これにより、VICSリンクIDをナビゲーション装置2において使用されている道路リンクIDに変換して、交通情報を送信することができる。
【0034】
また、情報配信センタ3は、後述のようにナビゲーション装置2に対して、情報配信センタ3へのプローブ情報の送信データ内容を指示する収集パターンを選択する際に、収集パターンDB18に格納されている収集パターンデータ51(図3参照)に基づいて、この収集パターンを決定する。
【0035】
ここで、収集パターンデータ51について図3に基づいて説明する。図3は収集パターンデータDB18に格納される収集パターンデータ51のデータ構造を説明する説明図である。
図3に示すように、収集パターンデータ51は、プローブ情報の収集期間である期間51A、特定されていない地域を表す一般エリア51B、特定されている地域を表す特定エリア51C、及び各エリア51B、51C内のナビゲーション装置2へ指示する収集パターンである制限情報としての収集パターン51Dから構成されている。
【0036】
そして、期間51Aは、収集パターン51Dを「2006年10月1日〜2006年10月31日」、「2006年11月1日〜2006年11月30日」、「2006年12月1日〜2006年12月31日」、・・・と1ヶ月毎に分けている。
また、期間51Aの下位データは、一般エリア51Bと特定エリア51Cとなっている。この一般エリア51Bと特定エリア51Cは、収集パターン51Dを各エリア毎に特定するものである。また、この特定エリア51Cは、収集パターン51Dを東京都内を表す「東京エリア」、愛知県内を表す「愛知エリア」、北海道内を表す「北海道エリア」等に分けている。
【0037】
例えば、期間51Aが「2006年10月1日〜2006年10月31日」、一般エリア51Bの場合には、収集パターン51Dとして「パターン1」が選択される。また、期間51Aが「2006年10月1日〜2006年10月31日」、特定エリア51Dが「東京エリア」の場合には、プローブカー6の1台目から100台目までに対しては、「パターン2」が選択され、プローブカー6の101台目以降に対しては、「パターン8」が選択される。また、期間51Aが「2006年11月1日〜2006年11月30日」、一般エリア51Bの場合には、収集パターン51Dとして「パターン4」が選択される。また、期間51Aが「2006年11月1日〜2006年11月30日」、特定エリア51Dが「北海道エリア」の場合には、収集パターン51Dとして「パターン7」が選択される。
従って、収集パターン51Dは、期間51A(時期的要因)、各エリア51B、51C(地域的要因)の所定要因が加味されたデータである。
【0038】
また、収集パターンDB18には、収集パターン51Dによって特定される各収集パターンに対応するプローブ情報の送信データ内容を特定する送信データテーブル61が格納されている。尚、情報配信センタ3は、この送信データテーブル61を所定期間毎に(例えば、3ヶ月毎〜6ヶ月毎である。)、各プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2へ配信する。そして、この送信データテーブル61を受信した各ナビゲーション装置2は、送信パターンDB39(図2参照)に格納して、該送信パターンDB39に格納される送信データテーブル61を更新する。
【0039】
ここで、送信データテーブル61について図4に基づいて説明する。図4は収集パターンDB18に格納される送信データテーブル61の一例を示す図である。
図4に示すように、送信データテーブル61は、各収集パターン51Dを表す「収集パターン」と、この収集パターンに対応する「送信データ内容」とから構成されている。この「送信データの内容」は、送信すべきデータの種別、収集日時、収集曜日等を特定するものである。
【0040】
例えば、「収集パターン」が「パターン1」の場合には、対応する「送信データ内容」は、ナビゲーション装置2が収集したプローブ情報(例えば、月、日時、リンク情報(メッシュID、リンクID、リンク長、交通信号機の有・無、道路種別等である。)、交通状況(旅行時間、渋滞度、速度等である。)、自車位置、自車位置の属する2次メッシュID、ワイパーの動作状況、車外/路面温度、天気、ABS(Antilock brake system)動作情報、路面状況、車両情報(車種、各諸元性能、車速、乗員、車重の配分率、トルクの掛かり方等)である。)のうちのABS動作情報、車外/路面温度を除いた全データとなっている。また、「収集パターン」が「パターン2」の場合には、対応する「送信データ内容」は、ナビゲーション装置2が収集したプローブ情報のうちの渋滞情報(リンクの旅行時間、渋滞度、走行速度)のみとなっている。また、収集パターン」が「パターン3」の場合には、対応する「送信データ内容」は、期間51A内の土曜日、日曜日及び祝日におけるナビゲーション装置2が収集したプローブ情報のうちのABS動作情報を除いた全データとなっている。また、「収集パターン」が「パターン5」の場合には、対応する「送信データ内容」は、ナビゲーション装置2が収集したプローブ情報のうちの都市高速道路の渋滞情報(リンクの旅行時間、渋滞度、走行速度)のみとなっている。また、「収集パターン」が「パターン8」の場合には、対応する「送信データ内容」は、当日におけるプローブ情報の全データの送信の停止となっている。
【0041】
尚、情報配信センタ3は、個人、企業、団体、地方自治体、政府関係機関等のいずれが運営していてもよく、道路交通情報センタ(VICS(登録商標))5が運営していてもよい。
【0042】
また、ネットワーク4としては、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。そして、放送衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信系を使用することもできる。更に、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)、狭域通信システム(DSRC)等の通信系を使用することもできる。
【0043】
次に、本実施例に係るナビゲーションシステム1を構成するナビゲーション装置2の概略構成について図2を用いて説明する。図2は本実施例に係るナビゲーション装置2を示したブロック図である。
【0044】
図2に示すように本実施例に係るナビゲーション装置2は、自車の現在位置を検出する現在地検出処理部21と、各種のデータが記録されたデータ記録部22と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部23と、操作者からの操作を受け付ける操作部24と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ25と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ26と、道路交通情報センタ(VICS(登録商標))5や情報配信センタ3等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置27と、から構成されている。また、ナビゲーション制御部23には自車の走行速度を検出する車速センサ28が接続される。
【0045】
以下に、ナビゲーション装置2を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部21は、GPS31、地磁気センサ32、距離センサ33、ステアリングセンサ34、方位検出部としてのジャイロセンサ35、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となっている。
【0046】
具体的には、GPS31は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在地及び現在時刻を検出し、地磁気センサ32は、地磁気を測定することによって自車方位を検出し、距離センサ33は、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。ここで、距離センサ33としては、例えば、自車の車輪(図示せず)の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するセンサ、加速度を測定し、測定した加速度を2回積分して距離を検出するセンサ等を使用することができる。
【0047】
また、ステアリングセンサ34は自車の舵(だ)角を検出する。ここで、ステアリングセンサ34としては、例えば、ステアリングホイール(図示せず)の回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
【0048】
そして、ジャイロセンサ35は自車の旋回角を検出する。ここで、ジャイロセンサ35としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、ジャイロセンサ35によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
【0049】
また、データ記録部22は、外部記憶装置及び記憶媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶されたナビ側交通情報データベース(ナビ側交通情報DB)36、ナビ側地図情報データベース(ナビ側地図情報DB)37、走行履歴データベース(走行履歴DB)38、送信パターンデータベース(送信パターンDB)39及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、本実施例においては、データ記録部22の外部記憶装置及び記憶媒体としてハードディスクが使用されるが、ハードディスクのほかに、フレキシブルディスク等の磁気ディスクを外部記憶装置として使用することができる。また、メモリーカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード等を外部記憶装置として使用することもできる。
【0050】
ここで、ナビ側交通情報DB36には、情報配信センタ3や道路交通情報センタ(VICS)5から受信した渋滞の実際の長さ、渋滞の原因、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路渋滞情報や、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の交通情報から作成した現況交通情報36Aが格納される。また、ナビ側交通情報DB36には、過去に作成された道路の渋滞等に関する統計的交通情報である統計交通情報36Bが格納されている。この統計渋滞情報36Bは、祭り、パレード、花火大会等のイベントの開催予定場所、予定日時等のイベント予定情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏季休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報や渋滞予測情報を含んでもよい。
【0051】
また、ナビ側地図情報DB37には、ナビゲーション装置2の走行案内や経路探索に使用されるとともに情報配信センタ3による更新対象となるナビ地図情報37Aが格納されている。ここで、ナビ地図情報37Aには、更新用地図情報14Aと同様に経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOIに関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。尚、各データの詳細については既に説明したので、ここではその詳細は省略する。そして、ナビ側地図情報DB37の内容は、情報配信センタ3から通信装置27を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0052】
また、走行履歴DB38には、各リンクの走行毎に、プローブ情報(例えば、月、日時、リンク情報(メッシュID、リンクID、リンク長、交通信号機の有・無、道路種別等である。)、交通状況(旅行時間、渋滞度、速度等である。)、自車位置、自車位置の属する2次メッシュID、ワイパーの動作状況、車外/路面温度、天気、ABS(Antilock brake system)動作情報、路面状況、車両情報(車種、各諸元性能、車速、乗員、車重の配分率、トルクの掛かり方等)である。)が順次記憶される。
【0053】
また、送信パターンDB39には、情報配信センタ3から受信した上記送信データテーブル61が格納される。そして、プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2は、このプローブカー6が走行している場合には、後述のように該情報配信センタ3から指示された収集パターン51Dに対応する送信データ内容を該送信データテーブル61から読み出し、この送信データ内容に対応するプローブ情報を収集して、送信タイミングになった時に情報配信センタ3へ通信装置27を介して送信する(図6参照)。
【0054】
また、図2に示すように、ナビゲーション装置2を構成するナビゲーション制御部23は、ナビゲーション装置2の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データや情報配信センタ3から受信した交通情報等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、プローブ情報を取得して所定時間毎等に、このプローブ情報を情報配信センタ3へ送信するプローブ情報送信処理プログラム等が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。尚、前記RAM42、ROM43、フラッシュメモリ44等としては半導体メモリ、磁気コア等が使用される。そして、演算装置及び制御装置としては、CPU41に代えてMPU等を使用することも可能である。
【0055】
また、本実施例においては、前記ROM43に各種のプログラムが記憶され、前記データ記録部22に各種のデータが記憶されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置、メモリーカード等からプログラム、データ等を読み出して前記フラッシュメモリ44に書き込むこともできる。更に、メモリーカード等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。
【0056】
更に、前記ナビゲーション制御部23には、操作部24、液晶ディスプレイ25、スピーカ26、通信装置27の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0057】
操作部24は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う場合等に操作され、各種のキーや複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部23は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部24としては、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック、ライトペン、スタイラスペン等を使用することもできる。更に、液晶ディスプレイ25の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0058】
また、液晶ディスプレイ25には、ナビ地図情報37Aに基づく地図が表示されて各リンク上の交通情報が表示される経路案内画面の他、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。尚、液晶ディスプレイ25の代わりに、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ等を使用したり、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することも可能である。
【0059】
また、スピーカ26は、ナビゲーション制御部23からの指示に基づいて、誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンス等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」や「この先の国道○○号線が渋滞しています。」等がある。なお、スピーカ26より出力される音声としては、合成された音声のほかに、各種効果音、予めテープやメモリ等に録音された各種の案内情報を出力することもできる。
【0060】
そして、通信装置27は、情報配信センタ3と通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、情報配信センタ3との間で最もバージョンの新しい更新地図情報や現況交通情報等の送受信を行う。また、通信装置27は、情報配信センタ3に加えて、道路交通情報センタ(VICS)5等から送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。
【0061】
次に、前記構成を有するナビゲーションシステム1において、プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2のCPU41がエンジン始動時に実行するプローブ情報の収集パターンを取得する収集パターン取得処理と、情報配信センタ3のCPU11が実行するプローブ情報の収集パターンを選択してナビゲーション装置2に配信する収集パターン配信処理について図5に基づいて説明する。図5はナビゲーションシステム1のプローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2が実行する収集パターン取得処理と情報配信センタ3が実行する収集パターン配信処理を示すフローチャートである。
【0062】
先ず、図5に基づいてプローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2のCPU41が実行する「収集パターン取得処理」について説明する。尚、図5に、S11〜S13のフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置2が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0063】
図5に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、車両ECU(図示せず)から送信される検出信号に基づいてイグニションスイッチがONか否か、即ち自車のエンジンが始動しているか否かを判定する判定処理を実行する。そして、イグニションスイッチがOFFの場合には(S11:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0064】
一方、イグニションスイッチがONの場合には(S11:YES)、CPU41は、S12の処理に移行する。S12において、CPU41は、情報配信センタ3に対して、収集パターン51Dを要求する要求コマンドと共に、現在の自車位置のデータ、目的地の座標データ等を送信する。
その後、S13において、CPU41は、情報配信センタ3から、収集パターン51Dを受信して、この収集パターン51DをRAM42に記憶後、当該処理を終了する。
【0065】
次に、図5に基づいて情報配信センタ3のCPU11が実行する「収集パターン配信処理」について説明する。尚、図5に、S111乃至S115のフローチャートで示されるプログラムは、情報配信センタ3が備えているRAM12やROM13に記憶されており、CPU11により実行される。
【0066】
先ず、S111において、CPU11は、上記S12でナビゲーション装置2から送信された収集パターン51Dを要求する要求コマンドと共に、自車位置のデータ、目的地の座標データ等の各情報を受信して、この各情報をRAM12に記憶する。また、CPU11は、受信した自車位置データと更新用地図情報14Aに格納される地図表示データに基づいて、自車位置が含まれる2次メッシュのメッシュIDを検出してRAM12に記憶する。
【0067】
そして、S112において、CPU11は、タイマ19の時刻データ等を読み込み、現在日時、現在時刻を取得し、収集パターンDB18に格納される収集パターンデータ51の現時点の期間51Aを特定してRAM12に記憶する。
例えば、現在日時が2006年10月2日7時15分の場合には、CPU11は、「2006年10月1日〜2006年10月31日」の期間51Aを特定する。
【0068】
続いて、S113において、CPU11は、ナビゲーション装置2が位置する2次メッシュのメッシュIDをRAM12から読み出し、上記S112で特定した期間51Aに対応する収集パターンデータ51の一般エリア51Bと特定エリア51Cのうちのいずれのエリアにナビゲーション装置2が位置するかを判定して、RAM12に記憶する。
【0069】
例えば、図3に示すように、期間51Aが「2006年10月1日〜2006年10月31日」で、ナビゲーション装置2から受信した自車位置が含まれる2次メッシュのメッシュIDが岐阜県内の場合には、CPU11は、ナビゲーション装置2は一般エリア51Bに位置すると判定する。また、期間51Aが「2006年10月1日〜2006年10月31日」で、ナビゲーション装置2から受信した自車位置が含まれる2次メッシュが愛知県内の場合には、CPU11は、ナビゲーション装置2は特定エリア51Cの「愛知エリア」に位置すると判定する。
【0070】
そして、S114において、CPU11は、上記S112で特定した期間51Aと、上記S113で判定した一般エリア51B又は特定エリア51Cとに対応する収集パターン51Dを、収集パターンデータ51から読み出して、RAM12に記憶する。
例えば、図3に示すように、期間51Aが「2006年10月1日〜2006年10月31日」で、自車位置が一般エリア51Bの場合には、CPU11は、「パターン1」の収集パターン51Dを収集パターンデータ51から読み出して、RAM12に記憶する。
【0071】
また、期間51Aが「2006年10月1日〜2006年10月31日」、自車位置が特定エリア51Cの「東京エリア」で、収集パターン51Dを情報配信センタ3に要求した1台目〜100台目の場合には、CPU11は、「パターン2」の収集パターン51Dを収集パターンデータ51から読み出して、RAM12に記憶する。また、期間51Aが「2006年10月1日〜2006年10月31日」、自車位置が特定エリア51Cの「東京エリア」で、収集パターン51Dを情報配信センタ3に要求した101台目以降の場合には、CPU11は、「パターン8」の収集パターン51Dを収集パターンデータ51から読み出して、RAM12に記憶する。
【0072】
続いて、S115において、CPU11は、収集パターン51Dを要求する要求コマンドを送信したナビゲーション装置2に対して、上記S114で収集パターンデータ51から読み出した収集パターン51Dを送信後、当該処理を終了する。
例えば、CPU11は、上記S114で収集パターンデータ51から読み出した収集パターン51Dが「パターン8」の場合には、この「パターン8」を収集パターン51Dとして、収集パターン51Dを要求する要求コマンドを送信したナビゲーション装置2へ送信後、当該処理を終了する。
【0073】
次に、ナビゲーション装置2のCPU41が、受信した収集パターン51Dに基づいてプローブ情報を収集して、情報配信センタ3に送信するプローブ情報送信処理について図6に基づいて説明する。図6はナビゲーション装置2のCPU41が、受信した収集パターン51Dに基づいてプローブ情報を収集して、情報配信センタ3へ送信するプローブ情報送信処理を示すフローチャートである。
【0074】
図6に示すように、先ず、S21において、CPU41は、全プローブ情報を収集して、RAM42に一時的に記憶する。
例えば、CPU41は、各リンクを通過毎に、プローブ情報として月、日時、リンク情報(メッシュID、リンクID、リンク長、交通信号機の有・無、道路種別等である。)、交通状況(旅行時間、渋滞度、速度等である。)、自車位置、自車位置の属する2次メッシュのメッシュID、車外/路面温度、天気、路面状況、車両情報(車種、各諸元性能、車速、乗員、車重の配分率、トルクの掛かり方等)等を収集して、RAM42に一時的に記憶する。また、CPU41は、所定時間毎に(例えば、1分毎〜3分毎である。)、プローブ情報としてワイパーの動作状況を収集して、RAM42に一時的に記憶する。また、CPU41は、ABS(Antilock brake system)が作動した場合には、プローブ情報としてABS動作情報を収集して、RAM42に一時的に記憶する。
【0075】
続いて、S22において、CPU41は、RAM42に一時的に記憶した各プローブ情報について、情報配信センタ3から受信した収集パターン51Dに対応する送信データ内容に該当するか否かを判定する判定処理を実行する。具体的には、CPU41は、送信パターンDB39に格納される送信データテーブル61(図4参照)から、受信した収集パターン51Dに対応する「送信データ内容」を読み出し、RAM42に一時的に記憶した各プローブ情報について順次、この「送信データ内容」に該当するか否かを判定する。
【0076】
そして、収集した各プローブ情報の中に、この「送信データ内容」に該当するプローブ情報がある場合には(S22:YES)、CPU41は、S23の処理に移行する。S23において、CPU41は、この「送信データ内容」に該当するプローブ情報を順次、走行履歴DB38に記憶後、該各プローブ情報をRAM42から消去して、S24の処理に移行する。
一方、収集したプローブ情報の中に、この「送信データ内容」に該当するプローブ情報が無い場合には(S22:NO)、CPU41は、該各プローブ情報をRAM42から消去後、S24の処理に移行する。
【0077】
ここで、情報配信センタ3から「パターン5」の収集パターン51Dを受信した場合に、CPU41が走行履歴DB38に記憶するプローブ情報の一例を図4及び図7に基づいて説明する。図7はナビゲーション装置2のCPU41が、情報配信センタ3から「パターン5」の収集パターン51Dを受信した場合に、走行履歴DB38に記憶するプローブ情報の一例を説明する説明図である。
【0078】
図7に示すように、プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2のCPU41は、情報配信センタ3から「パターン5」の収集パターン51Dを受信した場合には、送信パターンDB39に格納される送信データテーブル61(図4参照)から、この「パターン5」に対応する「渋滞度、ABS動作情報を除いた全データ」を読み出す。そして、CPU41は、RAM42に一時的に記憶した各プローブ情報(日時、リンク情報、渋滞度、ワイパー動作情報、ABS動作情報、車外/路面温度、・・・)から「渋滞度」と「ABS動作情報」とを除いた全データを順次、走行履歴DB38に記憶後、該各プローブ情報をRAM42から消去して、S24の処理に移行する。
【0079】
続いて、S24において、CPU41は、情報配信センタ3へプローブ情報を送信する送信タイミングになったか否かを判定する判定処理を実行する。
例えば、CPU41は、情報配信センタ3に対してプローブ情報を送信した前回の時点から、所定時間(例えば、「5分」、「15分」、「30分」等である。)が経過しているか否かを判定する判定処理を実行する。または、CPU41は、情報配信センタ3に対してプローブ情報を送信した前回の時点から、所定距離(例えば、「1km」、「2km」、「3km」等である。)走行したか否かを判定する判定処理を実行する。または、CPU41は、情報配信センタ3に対してプローブ情報を送信した前回の時点から、走行履歴DB38に所定データ量(例えば、「1メガバイト」、「5メガバイト」、「10メガバイト」等である。)のプローブ情報が蓄積されたか否かを判定する判定処理を実行する。
【0080】
そして、情報配信センタ3へプローブ情報を送信する送信タイミングになったと判定した場合には(S24:YES)、CPU41は、S25の処理に移行する。S25において、CPU41は、情報配信センタ3に対してプローブ情報を送信した前回の時点から、走行履歴DB38に新たに記憶したプローブ情報を情報配信センタ3へ送信後、再度、S21以降の処理を実行する。
一方、情報配信センタ3へプローブ情報を送信する送信タイミングになっていないと判定した場合には(S24:NO)、CPU41は、再度、S21以降の処理を実行する。
【0081】
ここで、情報配信センタ3から「パターン8」の収集パターン51Dを受信した場合に、CPU41が実行するプローブ情報送信処理の具体的な一例を図4及び図8に基づいて説明する。図8はナビゲーション装置2のCPU41が、情報配信センタ3から「パターン8」の収集パターン51Dを受信した場合に、実行するプローブ情報送信処理の一例を説明する説明図である。
【0082】
図8に示すように、プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2のCPU41は、情報配信センタ3から「パターン8」の収集パターン51Dを受信した場合には、送信パターンDB39に格納される送信データテーブル61(図4参照)から、この「パターン8」に対応する「当日における全データの送信を停止」の送信データ内容を読み出す。そして、CPU41は、上記S22において、日付変更まで、情報配信センタ3へプローブ情報を送信しないと判定して(S22:NO)、収集した各プローブ情報をRAM42から消去して、S24の処理に移行する。そして、CPU41は、送信タイミングになった場合には(S24:YES)、走行履歴DB38に新たなプローブ情報を記憶していないため、S25において、情報配信センタ3へプローブ情報を送信しない。
従って、情報配信センタ3のCPU11は、該当するプローブカー6の当日のプローブ情報を必要としない場合には、「パターン8」の収集パターン51Dを当該プローブカー6に送信することによって、不必要なプローブ情報の送信を制限することができる。
【0083】
また、情報配信センタ3から東京エリアと愛知エリアに位置するプローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2にエリア毎に異なる収集パターン51Dを送信した場合に、各ナビゲーション装置2のCPU41が実行するプローブ情報送信処理の具体的な一例を図4及び図9に基づいて説明する。図9は情報配信センタ3から東京エリアと愛知エリアに位置するプローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2にエリア毎に異なる収集パターン51Dを送信した場合に、各ナビゲーション装置2のCPU41が実行するプローブ情報送信処理の具体的な一例を説明する説明図である。
【0084】
図9に示すように、東京エリア内のプローブカー6搭載されたナビゲーション装置2のCPU41は、情報配信センタ3から「パターン8」の収集パターン51Dを受信した場合には、上記図8において説明した通り、日付変更まで、情報配信センタ3へプローブ情報を送信しない。
一方、愛知エリア内のプローブカー6搭載されたナビゲーション装置2のCPU41は、情報配信センタ3から「パターン3」の収集パターン51Dを受信した場合には、送信パターンDB39に格納される送信データテーブル61(図4参照)から、この「パターン3」に対応する「土曜日、日曜日及び祝日におけるABS動作情報以外の全データ」の送信データ内容を読み出す。そして、CPU41は、タイマ45から時刻データを読み出し、当日が土曜日、日曜日及び祝日のいずれかの場合には、ABS動作情報以外のプローブ情報を順次、走行履歴DB38に記憶し(S21〜S23)、送信タイミングになった場合には、走行履歴DB38に記憶したプローブ情報を情報配信センタ3へ送信する(S24〜S25)。また、CPU41は、タイマ45から時刻データを読み出し、当日が土曜日、日曜日及び祝日のいずれでもない場合には、日付変更まで、情報配信センタ3へプローブ情報を送信しないと判定して(S22:NO)、収集した各プローブ情報をRAM42から消去して、S24の処理に移行する。そして、CPU41は、送信タイミングになった場合には(S24:YES)、走行履歴DB38にプローブ情報を記憶していないため、S25において、情報配信センタ3へプローブ情報を送信しない。従って、情報配信センタ3は、愛知エリア内のプローブカー6から、土曜日、日曜日及び祝日におけるABS動作情報以外の全データのみを収集することが可能となる。
【0085】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーションシステム1では、情報配信センタ3のCPU11は、プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2から収集パターン51Dを要求する要求コマンドと共に、自車位置のデータ、目的地の座標データ等の各情報を受信したばあいには、収集パターンデータ51の期間51A(時期的要因)と各エリア51B、51C(地域的要因)を特定し、収集パターンデータ51から対応する収集パターン51D(制限情報)を選択して、収集パターン51Dを要求する要求コマンドを送信したナビゲーション装置2に対して送信する(S111〜S115)。一方、ナビゲーション装置2のCPU41は、受信した収集パターン51D(制限情報)に対応する「送信データ内容」を、送信パターンDB39に格納される送信データテーブル61から読み出し、この読み出した「送信データ内容」に従って、プローブ情報を情報配信センタ3へ送信する(S21〜S25)。
【0086】
従って、ナビゲーション装置2のCPU41は、収集したプローブ情報(例えば、月、日時、リンク情報(メッシュID、リンクID、リンク長、交通信号機の有・無、道路種別等である。)、交通状況(旅行時間、渋滞度、速度などである。)、自車位置、自車位置の属する2次メッシュID、ワイパーの動作状況、車外/路面温度、天気、ABS(Antilock brake system)動作情報、路面状況、車両情報(車種、各諸元性能、車速、乗員、車重の配分率、トルクの掛かり方等)である。)から、収集パターン51Dに対応する「送信データ内容」に従って、情報配信センタ3が必要とする情報のみを選択して(例えば、収集パターン51Dが「パターン2」の場合には、渋滞情報のみを選択する。)、情報配信センタ3へ送信することが可能となり、情報配信センタ3との携帯電話等を介した通信時間の短縮化を図って通信コストの削減化を図ることが可能となる。また、情報配信センタ3は、プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2から送信される不要な情報を削減することが可能となり、処理負担の軽減化を図ることが可能となる。
また、情報配信センタ3のCPU11は、収集パターン51D(制限情報)を期間51A(時期的要因)と各エリア51B、51C(地域的要因)とを考慮して選択できる共に、各収集パターン51Dに対応する送信データテーブル61の「送信データ内容」には、送信すべきデータの種別(データの種類、データの道路種別)、収集日時や収集曜日(時間的要因)等が含まれるため、収集パターン51Dの選択をより高精度に行うことが可能となる。
【0087】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0088】
(1)例えば、ナビゲーション装置2のCPU41は、図6に示されるプローブ情報送信処理に替えて、図10に示されるプローブ情報送信処理を実行するようにしてもよい。図10は他の実施例に係るナビゲーション装置2のCPU41が、受信した収集パターン51Dに基づいて、収集したプローブ情報を情報配信センタ3へ送信するプローブ情報送信処理を示すフローチャートである。
具体的には、図10に示すように、先ず、S31において、CPU41は、上記S21の処理を実行する。そして、S32において、CPU41は、RAM42に一時的に記憶した各プローブ情報を走行履歴DB38に順次、記憶する。続いて、S33において、CPU41は、上記S24の処理を実行する。
【0089】
そして、情報配信センタ3へプローブ情報を送信する送信タイミングになっていないと判定した場合には(S33:NO)、CPU41は、再度、S31以降の処理を実行する。
一方、情報配信センタ3へプローブ情報を送信する送信タイミングになったと判定した場合には(S33:YES)、CPU41は、S34の処理に移行する。S34において、CPU41は、送信パターンDB39に格納される送信データテーブル61(図4参照)から、受信した収集パターン51Dに対応する「送信データ内容」を読み出し、RAM42に記憶する。そして、CPU41は、前回の送信タイミングから走行履歴DB38に記憶した各プローブ情報の中から、この「送信データ内容」に該当するプローブ情報を選択して、RAM42に記憶する。
続いて、S35において、CPU41は、この選択したプローブ情報をRAM42から順次読み出し、情報配信センタ3へ送信後、再度、S31以降の処理を実行する。
【0090】
これにより、ナビゲーション装置2のCPU41は、全プローブ情報を順次、記憶後、送信タイミングになった時に、前回の送信タイミングから走行履歴DB38に記憶した各プローブ情報の中から、受信した収集パターン51Dに対応する「送信データ内容」に該当するプローブ情報を選択して、情報配信センタ3へ送信することが可能となる。このため、収集したプローブ情報を選択することなく、全プローブ情報を一度、走行履歴DB38に記憶するため、プローブ情報の収集処理の迅速化を図ることが可能となり、CPU41の処理負荷の軽減化を図ることが可能となる。
【0091】
(2)前記実施例において、プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2のCPU41は、情報配信センタ3から収集パターン51D(制限情報)を受信した際の、受信条件(例えば、受信時の自車位置が含まれるエリア、受信時の曜日、受信時の時間等である。)を、当該収集パターン51Dと共に送信パターンDB39に記憶するように構成してもよい。そして、CPU41は、同一収集パターン51Dを同一受信条件で所定回数(例えば、3回〜6回である。)受信したと判定した場合には、この受信条件になった際に、この同じ収集パターン51Dを受信したとして、上記図6または図10に示すプローブ情報送信処理を実行するようにしてもよい。
【0092】
ここで、一例を図11に基づいて説明する。図11はプローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2のCPU41が、「パターン11」の収集パターン51Dを同一受信条件で過去5回以上受信した場合に、この受信条件になった際に、「パターン11」の収集パターン51Dに対応するプローブ情報を情報配信センタ3へ送信する一例を説明する説明図である。
図11に示すように、プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2のCPU41は、受信時の自車位置が東京、受信時の曜日が月曜日、受信時が深夜の同一受信条件で、過去5回以上、収集パターン51Dとして「パターン11」を受信して、「日時」と「リンク情報」のプローブ情報を収集して情報配信センタ3に送信した場合には、当該プローブカー6が月曜日の深夜に東京を走行している際に、「日時」と「リンク情報」のプローブ情報を収集して情報配信センタ3へ送信するように構成してもよい。
【0093】
これにより、情報配信センタ3のCPU11は、収集パターン51D(制限情報)をナビゲーション装置2のCPU41に対して送信していない場合でも、必要なプローブ情報を受信することが可能となり、処理負担の軽減化を図ることが可能となる。
【0094】
(3)前記実施例において、CPU41は、上記ステップ12で、情報配信センタ3に対して、収集パターン51Dを要求する要求コマンドと共に、現在の自車位置のデータ、目的地の座標データ、及び目的地までの距離、即ち、目的地までの走行距離等を送信するように構成してもよい。
また、情報配信センタ3のCPU11は、上記ステップ111において、ナビゲーション装置2から送信された収集パターン51Dを要求する要求コマンドと共に、現在の自車位置のデータ、目的地の座標データ、及び目的地までの距離、即ち、目的地までの走行距離等を受信して、この各情報をRAM12に記憶する。また、CPU11は、受信した自車位置データと更新用地図情報14Aに格納される地図表示データに基づいて、自車位置が含まれる2次メッシュのメッシュIDを検出してRAM12に記憶する。続いて、CPU11は、目的地までの走行距離が所定距離以上か否か(例えば、走行距離が10km以上か否かである。)を判定する判定処理を実行し、目的地までの走行距離が所定距離以上の場合には、ステップ112以降の処理を実行するように構成し、一方、目的地までの走行距離が所定距離未満の場合には、「当日における全データの送信を停止」の送信データ内容に対応する「パターン8」の収集パターン51Dを選択して、ステップ115の処理に移行して、当該「パターン8」の収集パターン51Dを送信するように構成してもよい。
これにより、情報配信センタ3のCPU11は、より少ないナビゲーション装置2から精度の高いプローブ情報を受信することが可能となり、処理負荷の更なる軽減化を図ることが可能となる。
【0095】
ここで、一例を図12に基づいて説明する。図12は情報配信センタ3のCPU11が、各ナビゲーション装置2に対して目的地までの走行距離に基づいてプローブ情報の送信不許可または送信許可を指示する一例を説明する説明図である。
図12に示すように、情報配信センタ3のCPU11は、各プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2から収集パターン51Dを要求する要求コマンドと共に、目的地までの走行距離を受信した場合には、この目的地までの走行距離が10km未満である「6km」と「0.3km」の各ナビゲーション装置2に対して、「当日における全データの送信を停止」の送信データ内容、即ち、「当日は情報必要なし」に対応する「パターン8」の収集パターン51Dを選択して送信するように構成してもよい。一方、CPU11は、目的地までの走行距離が10km以上の「15km」と「20km」の各ナビゲーション装置2に対しては、上記S112乃至S115の処理を実行するように構成してもよい。例えば、CPU11は、「温度以外の全データ」と「全データ」の送信データ内容に対応する収集パターン51Dを選択して、各ナビゲーション装置2に対して送信する。
【0096】
(4)前記実施例において、情報配信センタ3のCPU11は、各プローブカー6に搭載されたナビゲーション装置2のCPU41から受信した狭い時間帯(例えば、1分間〜5分間である。)における同一リンクに対するプローブ情報から、他のプローブ情報の内容と大きく異なる内容の異常プローブ情報を検出した場合には、上記ステップ111で、この異常プローブ情報を送信したナビゲーション装置2のCPU41から、収集パターン51Dを要求する要求コマンドを受信した場合に、「当日における全データの送信を停止」の送信データ内容に対応する「パターン8」の収集パターン51Dを選択して、ステップ115の処理に移行して、当該「パターン8」の収集パターン51Dを送信するように構成してもよい。即ち、情報配信センタ3のCPU11は、この異常プローブ情報を送信したナビゲーション装置2のCPU41に対して、プローブ情報の送信停止を指示するように構成してもよい。
これにより、情報配信センタ3のCPU11は、より少ないナビゲーション装置2から精度の高いプローブ情報を受信することが可能となり、処理負荷の更なる軽減化を図ることが可能となる。
【0097】
ここで、一例を図13に基づいて説明する。図13は情報配信センタ3のCPU11が、異常プローブ情報を送信したナビゲーション装置2のCPU41に対して、プローブ情報の送信停止を指示する一例を説明する説明図である。
図13に示すように、情報配信センタ3のCPU11は、16時29分から16時30分の間の狭い時間帯に、各プローブカー6からリンクAに関する交通状況(旅行時間、渋滞度、速度等である。)等のプローブ情報を3件受信した場合に、2件が車速が時速5km未満の「重渋滞」の渋滞度のプローブ情報で、1件が車速が20km以上の「空き」の渋滞度のプローブ情報のときには、この「空き」の渋滞度のプローブ情報を異常プローブ情報であると判定するように構成してもよい。そして、CPU11は、この異常プローブ情報である「空き」の渋滞度のプローブ情報を送信したナビゲーション装置2のCPU41から、収集パターン51Dを要求する要求コマンドを受信した場合には、「当日における全データの送信を停止」の送信データ内容に対応する「パターン8」の収集パターン51Dを選択して、当該「パターン8」の収集パターン51Dを送信するように構成してもよい。即ち、情報配信センタ3のCPU11は、この異常プローブ情報を送信したナビゲーション装置2のCPU41に対して、プローブ情報の送信停止を指示するように構成してもよい。そして、この異常プローブ情報を送信したナビゲーション装置2を除く、他のナビゲーション装置2からプローブ情報を収集するように構成してもよい。
【0098】
(5)前記実施例において、収集パターンデータ51は、収集パターン51Dを、期間51A(時期的要因)として日時、各エリア51B、51C(地域的要因)として都道府県に対応して格納するようにしたが、期間として日時ではなく、曜日や季節で分けてもよいし、更に「月曜日〜金曜日」の平日と「土曜日、日曜日、祝日」の休日で分けてもよいし、エリアとして市区町村等の行政区画、地図のメッシュID等の区域で分けてもよい。
また、収集パターンデータ51は、収集パターン51Dを、期間51A(時期的要因)として日時、各エリア51B、51C(地域的要因)として都道府県に対応して格納するようにしたが、更に、天気(天候的要因)、気温(天候的要因)、ナビゲーション装置2が搭載された車種(例えば、発売開始から1年未満の車種と発売開始から1年以上の車種等である。)、道路の路面状況、道路種別(例えば、「高速道路・有料道路」、「一般道路」、「細街路」等である。)等のうちの少なくとも1つに対応して格納するようにしてもよい。
【0099】
(6)前記実施例において、CPU41は、上記ステップ11でイグニションスイッチがONの場合に、ステップ12で情報配信センタ3に対して収集パターン51Dを要求するようにしたが、イグニションスイッチがONで、且つ所定の日時、曜日である場合に、情報配信センタ3に対して収集パターン51Dを要求するようにしてもよい。例えば、所定の日時、曜日とは、月曜日等の特定の曜日であってもよいし、受信した収集パターン51Dに期間51Aが付与されている場合には、上記期間外となった日時であってもよいし、前回収集パターン51Dを受信してから1週間後の日時であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本実施例に係るナビゲーションシステムを示したブロック図である。
【図2】ナビゲーションシステムのナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図3】収集パターンデータのデータ構成の説明図である。
【図4】パターン情報の一例を示す図である。
【図5】ナビゲーションシステムのプローブカーに搭載されたナビゲーション装置が実行する収集パターン取得処理と情報配信センタが実行する収集パターン配信処理を示すフローチャートである。
【図6】ナビゲーション装置のCPUが、受信した収集パターンに基づいてプローブ情報を収集して、情報配信センタへ送信するプローブ情報送信処理を示すフローチャートである。
【図7】ナビゲーション装置のCPUが、情報配信センタから「パターン5」の収集パターンを受信した場合に、走行履歴DBに記憶するプローブ情報の一例を説明する説明図である。
【図8】ナビゲーション装置のCPUが、情報配信センタから「パターン8」の収集パターンを受信した場合に、実行するプローブ情報送信処理の一例を説明する説明図である。
【図9】情報配信センタから東京エリアと愛知エリアに位置するプローブカーに搭載されたナビゲーション装置にエリア毎に異なる収集パターンを送信した場合に、各ナビゲーション装置のCPUが実行するプローブ情報送信処理の具体的な一例を説明する説明図である。
【図10】他の実施例に係るナビゲーション装置のCPUが、受信した収集パターンに基づいて、収集したプローブ情報を情報配信センタへ送信するプローブ情報送信処理を示すフローチャートである。
【図11】プローブカーに搭載されたナビゲーション装置のCPUが、「パターン11」の収集パターンを同一受信条件で過去5回以上受信した場合に、この受信条件になった際に、「パターン11」の収集パターンに対応するプローブ情報を情報配信センタへ送信する一例を説明する説明図である。
【図12】情報配信センタのCPUが、各ナビゲーション装置に対して目的地までの走行距離に基づいてプローブ情報の送信不許可または送信許可を指示する一例を説明する説明図である。
【図13】情報配信センタのCPUが、異常プローブ情報を送信したナビゲーション装置のCPUに対して、プローブ情報の送信停止を指示する一例を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0101】
1 ナビゲーションシステム
2 ナビゲーション装置
3 情報配信センタ
4 ネットワーク
6 プローブカー
10 サーバ
11、41 CPU
12、42 RAM
13、43 ROM
16 センタ側交通情報DB
16A、36A 現況交通情報
17 センタ側通信装置
18 収集パターンDB
21 現在地検出処理部
23 ナビゲーション制御部
27 通信装置
38 走行履歴DB
39 送信パターンDB
51 収集パターンデータ
51A 期間
51B 一般エリア
51C 特定エリア
51D 収集パターン
102 送信データテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されたナビゲーション装置と、
前記ナビゲーション装置から送信されたプローブ情報を受信する情報センタと、
を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記情報センタは、
所定要因に対応して、前記プローブ情報の送信内容を指示する制限情報を記憶する 制限情報記憶手段と、
前記ナビゲーション装置に対応する所定要因を特定する要因特定手段と、
前記要因特定手段によって特定された所定要因に基づいて前記制限情報を選択する 制限情報選択手段と、
前記ナビゲーション装置に選択した制限情報を送信する送信手段と、
を有し、
前記ナビゲーション装置は、
前記制限情報を受信する受信手段と、
受信した該制限情報に基づいて、収集したプローブ情報を前記情報センタに送信す るように制御する送信制御手段と、
を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記所定要因は、区域、季節、日時、曜日、道路種別のうちの少なくとも1つに対応して生成されていることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記送信制御手段は、
受信した制限情報の履歴を受信条件に対応して記憶する履歴記憶手段と、
同じ制限情報を同一受信条件で所定回数受信したか否かを判定する回数判定手段と 、
を有し、
該送信制御手段は、同じ制限情報を同一受信条件で所定回数受信したと判定した場合には、この受信条件になった際に、この同じ制限情報に基づいて、収集したプローブ情報を前記情報センタに送信するように制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記ナビゲーション装置は、
設定された目的地までの距離を算出する算出手段と、
前記距離を目的地までの距離情報として情報センタに送信する距離情報送信手段と 、
を有し、
前記情報センタは、
前記ナビゲーション装置から送信された距離情報を受信する距離情報受信手段を有 し、
前記制限情報選択手段は、受信した距離情報に基づいて該ナビゲーション装置に対して前記プローブ情報の送信不許可又は送信許可を指示する制限情報を選択することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記情報センタは、各前記ナビゲーション装置から受信した狭い時間帯における同一リンクに対する前記プローブ情報から、他のプローブ情報の内容と大きく異なる内容の異常プローブ情報を検出する検出手段を有し、
前記制限情報選択手段は、前記異常プローブ情報を検出した場合には、この異常プローブ情報を送信したナビゲーション装置に対してプローブ情報の送信停止を指示する制限情報を選択することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−97345(P2008−97345A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−278710(P2006−278710)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】