説明

ナビゲーション装置

【課題】 自宅位置へと走行する際に予め入力された情報に基づいて所定の場所への案内を行うことにより、利用者の利便性を向上させたナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 予め立ち寄り場所を登録(S12)した状態であって、自車が自宅へと帰宅するために走行を行っていると判定された場合(S23:YES、S29:YES)に、登録された立ち寄り場所の案内を行う(S25)とともに、希望があれば立ち寄り場所への誘導経路を設定し、経路案内を行う(S27)ように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者によって入力された所定の場所への案内を行うナビゲーション装置に関し、特に、自車が利用者の自宅位置へと走行する際に予め入力された情報に基づいて所定の場所への案内を行うことにより、利用者の利便性を向上させたナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の走行案内を行い、ドライバーが所望の目的地に容易に到着できるようにしたナビゲーション装置が車両に搭載されていることが多い。ここで、ナビゲーション装置とは、GPS受信機などにより自車の現在位置を検出し、その現在位置に対応する地図データをDVD−ROMなどの記録媒体またはネットワークを通じて取得して液晶モニタに表示するとともに、利用者が設定した目的地までの推奨経路を探索して、液晶モニタに表示された地図上に重ねて表示することが可能な装置である。更に、かかるナビゲーション装置には、所望する目的地を入力すると、自車位置から目的地までの最適経路を探索する経路探索機能を備えており、ディスプレイ画面に誘導経路を表示するとともに、交差点に接近した場合等には音声による案内をすることによって、ドライバーを所望の目的地まで確実に案内するようになっている。
【0003】
また、このようなナビゲーション装置では、走行を開始する前に予め利用者が目的地を入力することが通常であるが、全国にある多数の施設等から目的地を選択して入力することは相当量の時間と、煩雑な操作が必要となっていた。そこで、従来のナビゲーション装置では、そのような利用者の操作負担を減少させるために、入力すべき目的地をナビゲーション装置が自動で予測して経路案内をすることが行われている。例えば、特開平11−230773号公報には、行先(目的地)を入力するだけで、行先への経路を探索して表示すると共に、最後の行先から自宅までの帰宅経路を自動的に探索して表示することが可能なナビゲーション装置について記載されている。
【特許文献1】特開平11−230773号公報(第2頁〜第3頁、図1〜図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のナビゲーション装置では、目的地で用を済ませた後に更に寄りたい場所があったとしても、予め寄りたい場所を現在の目的地の次の目的地として設定しなければ案内を受けることができず、更に、既に目的地を他の場所に設定していた場合には、その目的地を変更又は追加する為に再度目的地の設定をやり直さなければならなかった。従って、寄りたい場所があるからといっても通勤時等の時間に余裕がない場合に、それらの目的地設定を行うことや目的地設定を変更することは利用者にとって大きな負担となっていた。
一方、目的地を出発する際に、改めて寄りたい場所を次の目的地として新たに設定することによっても案内を受けることは可能であるが、目的地で用を済ませた後には寄りたい場所があったことを忘れてしまう虞もあり、利用者が覚えている間に予め簡単な操作で寄りたい場所を入力させておくことが望ましい。
また、前記した特許文献1に記載されたナビゲーション装置では、自宅を目的地として入力する負担を軽減することはできるものの、上記のような自宅以外の任意の場所を目的地として入力する場合に関しては同様の負担が生じていた。
【0005】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、煩雑な操作を必要とせず、利用者が自宅へと帰宅する際に所定の場所へ立ち寄ることを忘れていた場合であっても、利用者に対して所定の場所への案内を提供することが可能となり、利用者の利便性を向上させたナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本願の請求項1にナビゲーション装置は、自宅位置を記憶する自宅位置記憶手段と、所定の場所を特定する情報を入力する場所入力手段と、自車が前記自宅位置記憶手段に記憶された自宅位置へと走行するか否かを判定する走行判定手段と、前記走行判定手段によって自宅位置へと走行すると判定された場合に、前記場所入力手段により入力された情報に基づいて前記所定の場所への案内を行う案内手段と、を有することを特徴とする。
尚、「所定の場所への案内を行う」とは、所定の場所への誘導経路を設定し、経路案内を行うことの他に、例えば、所定の場所の位置を地図上に表示させることや、所定の場所に関するメッセージを画面上に表示したり、メッセージをスピーカから音声で出力すること等を含む。
【0007】
また、請求項2に係るナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置であって、目的地を設定する目的地設定手段と、前記目的地設定手段により設定された目的地までの間の経路を探索して誘導経路として設定する経路設定手段と、前記経路設定手段により設定された誘導経路に沿った走行を案内する走行案内手段と、を備え、前記走行判定手段は、前記目的地設定手段によって自宅が目的地に設定されている場合に自車が前記自宅位置記憶手段に記憶された自宅位置へと走行すると判定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係るナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置であって、自車の走行履歴を記憶する走行履歴記憶手段を備え、前記走行判定手段は、前記走行履歴記憶手段に記憶された走行履歴に基づいて自車が前記自宅位置記憶手段に記憶された自宅位置へと走行するか否かを判定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係るナビゲーション装置は、請求項3に記載のナビゲーション装置であって、前記走行履歴には自車が自宅位置へと走行した際の走行開始地点が記憶され、自車の現在位置を検出する現在地検出手段と、前記現在地検出手段によって検出された自車の現在位置に基づいて、自車が前記走行履歴記憶手段に記憶された走行開始地点から走行を開始したか否かを判定する走行開始地点判定手段と、を有し、走行開始地点判定手段によって前記走行開始地点から走行を開始したと判定された場合に、前記走行判定手段は自車が前記自宅位置記憶手段に記憶された自宅位置へ走行すると判定することを特徴とする。
【0010】
更に、請求項5に係るナビゲーション装置は、請求項4に記載のナビゲーション装置であって、前記走行履歴には自宅位置へと走行した際の前記走行開始地点の走行開始時刻が記憶され、現在時刻を検出する現在時刻検出手段と、前記現在時刻検出手段によって検出された現在時刻に基づいて、前記走行履歴記憶手段に記憶された出発時刻又は出発時刻の所定時間差以内に前記走行開始地点から走行を開始したか否かを判定する走行開始時刻判定手段と、を有し、前記走行開始時刻判定手段によって前記走行開始時刻又は走行開始時刻の所定時間差以内に走行を開始したと判定された場合に、前記走行判定手段は自車が前記自宅位置記憶手段に記憶された自宅位置へ走行すると判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
前記構成を有する請求項1に係るナビゲーション装置では、自車が自宅位置へと走行すると判定された場合に、入力された情報に基づいて所定の場所への案内を行うので、利用者が自宅へと帰宅する際に所定の場所へ立ち寄ることを忘れていた場合であっても、予め入力した情報に基づいて利用者に対して所定の場所への案内を行うことが可能となる。従って、煩雑な操作が必要なく、希望する立ち寄り場所に確実に立ち寄ることが可能となり、利用者の利便性を向上させることができる。
【0012】
また、請求項2に係るナビゲーション装置では、自宅に目的地に設定されている場合に自車が自宅位置へと走行すると判定するので、利用者が自宅へと帰宅する際に所定の場所へ立ち寄ることを忘れていた場合であっても、予め入力した情報に基づいて利用者に対して予定の場所への案内を行うことが可能となる。
【0013】
また、請求項3に係るナビゲーション装置では、走行履歴に基づいて自車が自宅位置へと走行するか否かを判定するので、目的地が明確に設定されていない場合であっても利用者が自宅へと帰宅するか否かを的確に判定することが可能となり、帰宅する利用者に対して予め入力された予定の場所への案内を行うことが可能となる。
【0014】
また、請求項4に係るナビゲーション装置では、走行履歴において自車が自宅位置へと走行を開始する走行開始地点に記憶された地点から走行を開始した場合に、自宅位置へ走行すると判定されるので、目的地が明確に設定されていない場合であっても走行履歴に基づいて利用者が自宅へと帰宅するか否かを的確に判定することが可能となり、帰宅する利用者に対して予め入力された予定の場所への案内を行うことが可能となる。
【0015】
更に、請求項5に係るナビゲーション装置では、走行履歴において自車が自宅位置へと走行を開始した走行開始時刻又はその所定時間差以内に走行を開始した場合に、自宅位置へ走行すると判定されるので、目的地が明確に設定されていない場合であっても走行履歴に基づいて利用者が自宅へと帰宅するか否かを的確に判定することが可能となり、帰宅する利用者に対して予め入力された予定の場所への案内を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るナビゲーション装置についてナビゲーション装置1に具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
【0017】
図1に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置を検出する現在地検出処理部(現在地検出手段)11と、各種のデータが記録されたデータ記録部(自宅位置記憶手段、走行履歴記憶手段)12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部(走行判定手段、案内手段、経路設定手段、走行案内手段走行開始地点判定手段、走行開始時刻判定手段)13と、操作者からの操作を受け付ける操作部(場所入力手段)14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、交通情報送信センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信装置17と、から構成されている。また、ナビゲーション制御部13にはエンジン、変速機、ブレーキ等の作動を制御する車両の電子制御ユニットである車両ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)21が接続される。
【0018】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部11は、GPS(現在時刻検出手段)31、地磁気センサ32、距離センサ33、ステアリングセンサ34、方位検出部としてのジャイロセンサ35、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となっている。
【0019】
具体的には、GPS31は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在地及び現在時刻を検出し、地磁気センサ32は、地磁気を測定することによって自車方位を検出し、距離センサ33は、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。ここで、距離センサ33としては、例えば、自車の車輪(図示せず)の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するセンサ、加速度を測定し、測定した加速度を2回積分して距離を検出するセンサ等を使用することができる。
【0020】
また、ステアリングセンサ34は自車の舵(だ)角を検出する。ここで、ステアリングセンサ34としては、例えば、ステアリングホイール(図示せず)の回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
【0021】
そして、ジャイロセンサ35は自車の旋回角を検出する。ここで、ジャイロセンサ35としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、ジャイロセンサ35によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
【0022】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された走行履歴DB22(図2参照)、立ち寄り場所記憶領域23、所定のプログラム、地図データ等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、本実施形態においては、データ記録部12の外部記憶装置及び記憶媒体としてハードディスクが使用されるが、ハードディスクのほかに、フレキシブルディスク等の磁気ディスクを外部記憶装置として使用することができる。また、メモリーカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード等を外部記憶装置として使用することもできる。
【0023】
また、データ記録部12には、経路案内及び地図表示に必要な各種情報が記録されており、例えば、地図を表示するための地図データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、道路に関する道路データ、経路を探索するための探索データ、施設に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等が記録されている。更に、利用者の自宅位置を特定する座標データについても記録されている。
【0024】
また、走行履歴DB22は、自車の走行履歴を記録する記憶領域であり、自車が所定の出発地から到着地へと走行した場合において、出発地(走行開始地点)、到着地及び出発時刻(走行開始時刻)がそれぞれ走行順に記録されるDBである。尚、走行履歴DB22については後に図2を用いて詳細に説明する。
【0025】
一方、立ち寄り場所記憶領域23は利用者が自宅へと帰宅する際に立ち寄りたい場所を入力する所定の操作を行った際に、入力された立ち寄り場所に関する情報が記憶される記憶領域である。そして、立ち寄り場所記憶領域23に記憶された立ち寄り場所に基づいて後述のように帰宅時の利用者に対して立ち寄り場所への案内を行う(図5のS25、S27)。また、立ち寄り場所記憶領域23に記憶された記憶内容は後述するように入力されてから24時間後に消去される(図4のS15)。それによって、前日以前に入力された不要な立ち寄り場所へと案内を行う不具合を防止する。
【0026】
また、ナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、目的地までの経路の探索、探索した誘導経路の案内を行う経路案内処理プログラム、自車の走行履歴を記憶する走行履歴記憶処理プログラム(図3参照)、自宅へ帰る際に立ち寄りたい場所を予め登録する立ち寄り場所登録プログラム(図4参照)、立ち寄りたい場所が登録されている場合であって、且つ自車が自宅へと走行する際に、登録された場所までの経路案内を行う後述の帰路案内処理プログラム(図5参照)が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記録するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。尚、前記RAM42、ROM43、フラッシュメモリ44等としては半導体メモリ、磁気コア等が使用される。そして、演算装置及び制御装置としては、CPU41に代えてMPU等を使用することも可能である。
【0027】
また、本実施形態においては、前記ROM43に各種のプログラムが記録され、前記データ記録部12に各種のデータが記録されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置、メモリーカード等からプログラム、データ等を読み出して前記フラッシュメモリ44に書き込むこともできる。更に、メモリーカード等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。
【0028】
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0029】
操作部14は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。特に本実施形態に係るナビゲーション装置1では、操作部14を用いて「立ち寄り場所」を予め登録することにより、自宅へ向かう際に登録した立ち寄り場所への経路案内を開始する制御を行う(図5参照)。尚、操作部14としては、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック、ライトペン、スタイラスペン等を使用することもできる。更に、液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0030】
また、液晶ディスプレイ15には、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。尚、液晶ディスプレイ15の代わりに、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ等を使用したり、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することも可能である。
【0031】
また、スピーカ16は、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスを出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先の交差点を右折してください。」や「この先の国道○○号線が渋滞しています。」等がある。なお、スピーカ16より出力される音声としては、合成された音声のほかに、各種効果音、予めテープやメモリ等に録音された各種の案内情報を出力することもできる。
【0032】
そして、通信装置17は、情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等から送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するビーコンレシーバである。また、通信装置17としては、LAN、WAN、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系において通信を可能とするネットワーク機器であっても良い。更に、通信装置17は前記情報センタからの情報の他に、ニュース、天気予報等の情報から成るFM多重情報を、FM放送局を介してFM多重放送として受信するFM受信機を備える。尚、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0033】
また、車両ECU21は、エンジン、変速機、ブレーキ等の作動を制御する車両の電子制御ユニットであり、車速センサ等の各種センサが接続されている。また、イグニションスイッチがON又はOFFされた際には、ナビゲーション制御部13に対してイグニションスイッチがON又はOFFされたことについての検出信号を送信する。
その結果、ナビゲーション制御部13は現在の自車の車速、及びイグニションスイッチがON又はOFFされたことを、車両ECU21を介して検出することができる。
【0034】
次に、図2を用いてデータ記録部12に記録される走行履歴DB22について具体例をあげて説明する。ここで、走行履歴DB22は、自車の走行履歴を記録する記憶領域であり、自車が所定の出発地から到着地へと走行した場合において、出発地、到着地及び出発時刻がそれぞれ走行順に記録されるDBである。
【0035】
例えば、自車が○○会社を20:15に出発してその後、利用者の自宅に到着する走行を行った場合には、図2に示すように「出発地」に○○会社が記憶され、「出発時刻」に20:15が記憶され、「到着地」に自宅が記憶される。ここで、「出発地」及び「到着地」は、それぞれイグニションスイッチがON及びOFFされた時(即ち、車両のエンジンが始動及び停止された時)の自車の現在地と、データ記録部12に格納された施設データ及び自宅位置に基づいてナビゲーション制御部13が判定して記録する。また、出発時刻はイグニションスイッチがONされた時のGPS31により検出された現在時刻を記録する。尚、「出発地」及び「到着地」に関しては利用者が手動で入力するようにしても良い。
【0036】
同様に、自車が利用者の自宅を8:00に出発してその後、○○会社に到着する走行を行った場合には、「出発地」に自宅が記憶され、「出発時刻」に8:00が記憶され、「到着地」に○○会社が記憶される。また、自車が利用者の自宅を10:00に出発してその後、××デパートに到着する走行を行った場合には、「出発地」に自宅が記憶され、「出発時刻」に10:00が記憶され、「到着地」に××デパートが記憶される。また、自車が△△旅館を17:05に出発してその後、利用者の自宅に到着する走行を行った場合には、「出発地」に△△旅館が記憶され、「出発時刻」に17:05が記憶され、「到着地」に自宅が記憶される。また、自車が○○会社を20:42に出発してその後、利用者の自宅に到着する走行を行った場合には、「出発地」に○○会社が記憶され、「出発時刻」に20:42が記憶され、「到着地」に自宅が記憶される。
【0037】
ここで、図2に示すように出発地、到着地及び出発時刻に関する自車の過去の走行履歴が記録された走行履歴DB22は、その後、ナビゲーション装置1に目的地が設定されていない場合(経路案内を行っていない場合)に、自車が自宅へ帰宅するための走行を行っているか否かを判定する際に使用される。具体的には、走行履歴DB22の中で「到着地」が自宅として記憶されている履歴において、「出発地」として記録されている地点と同じ地点を「出発時刻」として記録されている時刻の前後2時間以内の時刻に出発した場合に、自車が自宅へ帰宅するために走行を行っていると判定される(図5のS28、S29)。それによって、目的地が設定されていない場合であっても、自車が自宅へと向かって走行していることを的確に判定することが可能となる。
【0038】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置1においてCPU41が実行する走行履歴処理プログラムについて図3に基づき説明する。図3は本実施形態に係る走行履歴処理プログラムのフローチャートである。ここで、走行履歴処理プログラムは、自車の走行履歴を自車が走行を行う毎に走行履歴DB22に対して記憶するプログラムである。尚、以下の図3乃至図5にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0039】
先ず、走行履歴処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41は、イグニションスイッチがOFFからONにされたか否か、即ち自車のエンジンが始動したか否かを車両ECU21から送信される検出信号に基づいて判定する。
【0040】
そして、イグニションスイッチがONされたと判定した場合(S1:YES)には、S2において、現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車の現在位置が検出され、更に、GPS31によって現在時刻が検出される。
一方、イグニションスイッチがONされていないと判定された場合(S1:NO)には、ONされるまで待機する。
【0041】
更に、S3では、前記S2で検出された自車の現在位置と、データ記録部12に記憶された地図データ、施設データ及び自宅位置に基づいて自車の走行開始地点を検出し、その結果を走行履歴DB22(図2参照)の「出発地」に記憶する。更にS4では、前記S2で検出された現在時刻(走行開始時刻)を走行履歴DB22(図2参照)の「出発時刻」に記憶する。例えば、8:00に自宅で自車のイグニションスイッチがONされた場合には、現在地検出処理部11の検出結果とデータ記録部12に記憶された自宅位置から自車が利用者の自宅敷地内にあることが検出され、それに基づいて走行履歴DB22の「出発地」に「自宅」が記憶される。また、「出発時刻」に「8:00」が記憶される。一方、20:15に○○会社で自車のイグニションスイッチがONされた場合には、現在地検出処理部11の検出結果とデータ記録部12に記憶された施設データから自車が○○会社の敷地内にあることが検出され、それに基づいて走行履歴DB22の「出発地」に「○○会社」が記憶される。また、「出発時刻」に「20:15」が記憶される。
【0042】
その後、S5ではCPU41は、イグニションスイッチがONからOFFにされたか否か、即ち自車のエンジンが停止されたか否かを車両ECU21から送信される検出信号に基づいて判定する。
【0043】
そして、イグニションスイッチがOFFされたと判定した場合(S5:YES)には、S6において現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車の現在位置が検出される。一方、イグニションスイッチがOFFされていないと判定された場合(S5:NO)には、OFFされるまで待機する。
【0044】
また、S7では、前記S6で検出された自車の現在位置と、データ記録部12に記憶された地図データ、施設データ及び自宅位置に基づいて自車の走行終了地点を検出し、走行履歴DB22(図2参照)の「到着地」に記憶する。例えば、自宅で自車のイグニションスイッチがOFFされた場合には、現在地検出処理部11の検出結果とデータ記録部12に記憶された自宅位置から自車が利用者の自宅敷地内にあることが検出され、それに基づいて走行履歴DB22の「到着地」に「自宅」が記憶される。また、○○会社で自車のイグニションスイッチがOFFされた場合には、現在地検出処理部11の検出結果とデータ記録部12に記憶された施設データから自車が○○会社の敷地内にあることが検出され、それに基づいて走行履歴DB22の「到着地」に「○○会社」が記憶される。以上より、当該走行履歴処理プログラムを終了する。
【0045】
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1においてCPU41が実行する立ち寄り場所登録処理プログラムについて図4に基づき説明する。図4は本実施形態に係る立ち寄り場所登録処理プログラムのフローチャートである。ここで、立ち寄り場所登録処理プログラムは一定時間間隔毎、例えば4ms毎に実行され、利用者が自宅へと帰宅する際に案内を行う立ち寄り場所を事前にナビゲーション装置1に登録するとともに、登録されてから24時間経過した登録情報を消去するプログラムである。
【0046】
先ず、立ち寄り場所登録処理プログラムではS11において、立ち寄り場所の入力がなされたか否か判定される。ここで、本実施形態に係るナビゲーション装置1における立ち寄り場所の入力は、例えば、液晶ディスプレイ15に表示されたメニュー画面から施設の一覧を表示させ、その後、立ち寄りたい場所に該当する施設名を操作部14によって選択したり、ナビゲーション装置1に設けられたマイク(図示せず)に対して、立ち寄りたい場所の名前を音声で入力すること等によって行われる。
【0047】
ここで、図6は立ち寄り場所の入力方法の一例について示した模式図である。
図6に示すように、立ち寄り場所の入力を行うには、先ず操作部14を操作することにより液晶ディスプレイ15にメニュー画面50を表示させる。メニュー画面50にはナビゲーション装置1に関する各種設定項目がアイコン51で一覧に表示され、特にメニュー画面50内の「立ち寄り場所入力」のアイコンを選択すると、メニュー画面50から立ち寄り場所選択画面52へと表示が切り換わる。
立ち寄り場所選択画面52には、「GS(ガソリンスタンド)」、「レストラン」、「デパート」、「コンビニ」、「レンタルビデオ」、「銀行」の6つの施設のジャンルを示すアイコン53が表示され、利用者は立ち寄りを希望する施設のジャンルのアイコン53を操作部14を用いて選択すると、液晶ディスプレイ15の表示が、立ち寄り場所選択画面52から選択したジャンルの施設一覧を表示する施設選択画面54へと切り換わる。
施設選択画面54では、立ち寄り場所選択画面52において選択されたジャンルに対応する施設の内、特に自車の現在位置から半径10km範囲に位置する施設の一覧がデータ記録部12の施設データから抽出されて表示される。そして利用者は具体的な施設名が表示されたいずれかのアイコン55を操作部14を用いて選択することによって、選択した施設を立ち寄り場所として入力する。
【0048】
また、立ち寄り場所の入力がなされたと判定された場合(S11:YES)には、入力された立ち寄り場所に関する情報をデータ記録部12の立ち寄り場所記憶領域23に記憶することにより立ち寄り場所の登録を行う。ここで、立ち寄り場所記憶領域23に記憶される情報としては、例えば、立ち寄り場所として具体的な施設名を図6のように選択した場合には選択された施設を特定する施設IDが記憶され、立ち寄り場所の名前を音声により入力した場合には入力された音声を変換した音声データが記憶される。尚、既に立ち寄り場所記憶領域23に他の立ち寄り場所に関する情報が記憶されている場合には基本的にその情報は上書きされる。
一方、立ち寄り場所の入力がないと判定された場合(S11:NO)には、S13へと移行する。
【0049】
S13では、データ記録部12の立ち寄り場所記憶領域23に立ち寄り場所に関する情報(施設IDや音声データ)が記憶されているか否か判定される。そして、立ち寄り場所に関する情報が記憶されていると判定された場合(S13:YES)には、続いて、記憶されている立ち寄り場所の情報が前記S12で登録されてから24時間経過したか否かが判定される。
【0050】
その結果、登録されてから24時間経過したと判定された場合(S14:YES)には、データ記録部12の立ち寄り場所記憶領域23に記憶された立ち寄り場所に関する情報を消去する。それによって、前日以前に入力された不要な立ち寄り場所に後述の案内処理(図5のS25、S27)によって案内されてしまう不具合を防止する。
【0051】
一方、立ち寄り場所に関する情報が記憶されていないと判定された場合(S13:NO)、及び立ち寄り場所に関する情報が登録されてから24時間経過していないと判定された場合(S14:NO)には、立ち寄り場所登録処理を終了する。
【0052】
次に、前記構成を有するナビゲーション装置1においてCPU41が実行する帰路案内処理プログラムについて図5に基づき説明する。図5は本実施形態に係る帰路案内処理プログラムのフローチャートである。ここで、帰路案内処理プログラムは、前記立ち寄り場所登録処理(図4)において立ち寄り場所が登録されている場合で、且つ自車が自宅へと走行する際に登録された場所までの経路案内を行うプログラムである。
【0053】
先ず、帰路案内処理プログラムではS21において、現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車の現在位置が検出される。
その後、S22ではナビゲーション装置1において目的地の設定が行われているか否かが判定される。ここで、ナビゲーション装置1は目的地が設定されている場合には、目的地への経路探索をデータ記録部12に記録されたノードデータ等の各種情報に基づいて行い、検索された経路を誘導経路として設定するとともに、誘導経路に沿った走行を案内する。具体的には、設定された誘導経路を地図上に表示し、右左折すべき交差点や、分岐点における経路の案内を液晶ディスプレイ15に地図と併せて表示するとともに、スピーカ16から案内音声を出力する。尚、目的地が設定された場合における一般のナビゲーション機能に係る経路の検索処理及び案内処理については既に公知であるので(例えば、特開平10−281785号公報参照)、ここではその詳細は省略する。
【0054】
そして、目的地の設定がなされていると判定された場合(S22:YES)には、続いて、設定されている目的地が利用者の自宅であるか否かがデータ記録部12に記録された自宅位置に基づいて判定される(S23)。その結果、目的地が利用者の自宅に設定されていると判定された場合(S23:YES)には、自車は利用者の自宅へ向かって走行すると考えられ、S24へと移行する。一方、目的地が利用者の自宅以外に設定されていると判定された場合(S23:NO)には、自車は自宅以外の目的地へと走行すると考えられ、当該帰路案内処理を終了する。
【0055】
S24では、前記立ち寄り場所登録処理(図4)において立ち寄り場所が登録されているか否か判定される。ここで、立ち寄り場所が登録されているか否かは、具体的にはデータ記録部12の立ち寄り場所記憶領域23に立ち寄り場所に関する情報(施設IDや音声データ)が記憶されているか否かによって判定される。そして、立ち寄り場所が登録されていないと判定された場合(S24:NO)には、立ち寄り場所への案内を行うことができないので、当該帰路案内処理を終了する。
【0056】
一方、立ち寄り場所が登録されていると判定された場合(S24:YES)には、先ず登録されている立ち寄り場所があることを利用者に案内する。具体的には、液晶ディスプレイ15に表示された地図上に立ち寄り場所に登録された施設等の位置を示すマークを新たに表示したり、「××へ立ち寄って下さい。」と文字を液晶ディスプレイ15上に表示したり、マイクにより立ち寄り場所を音声で入力した場合には記憶された音声データを再生して、入力された利用者の音声をスピーカ16から出力するようにする。それによって、立ち寄り場所に立ち寄ることを忘れていた利用者に対して、立ち寄り場所へ立ち寄ることを思い出させることが可能となる。
【0057】
ここで、図7及び図8を用いて前記S25における立ち寄り場所の案内の一例について説明する。例えば、図7に示すように、前記S25で立ち寄り場所の案内が行われる以前には、液晶ディスプレイ15には通常のナビゲーション装置1が有するナビゲーション機能による通常案内画面61が表示される。通常案内画面61には、現在の自車の周囲における地図と、地図上における自車の位置と進行方向を示す自車マーク62が表示される。更に、目的地が設定されている場合には、目的地(例えば、利用者の自宅)の位置を示す目的地マーク63と、現在位置から目的地までの誘導経路64が表示される。
そして、前記S25で立ち寄り場所の案内が行われると、図8に示すように、通常案内画面61において前記立ち寄り場所登録処理(図4)において登録した立ち寄り場所の位置を地図上に示すマーク65が新たに表示される。また、マーク65には立ち寄り場所の施設種類を表す文字や模様等が表示され、例えば、ガソリンスタンドを立ち寄り場所に登録していた場合には、図8に示すように「GS」の文字が表示され、また、銀行を立ち寄り場所に登録していた場合には、「Bank」の文字が表示される。
【0058】
続いて、S26では、前記立ち寄り場所登録処理(図4)において登録された立ち寄り場所への経路案内を行うか否か判定される。ここで、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、前記S25の立ち寄り場所の案内が行われた後に、液晶ディスプレイ15上に立ち寄り場所への経路案内を行うか否かの選択肢が表示される。そして、CPU41は利用者の選択肢の選択結果を操作部14の操作情報に基づいて検出し、立ち寄り場所への経路案内を行うか否かを判定する。
【0059】
その結果、立ち寄り場所の経路案内を行うと判定された場合(S26:YES)には、立ち寄り場所への経路探索をデータ記録部12に記録されたノードデータ等の各種情報に基づいて行い、検索された経路を誘導経路として設定するとともに、誘導経路に沿った走行を案内する(S27)。具体的には、誘導経路を地図上に表示し、右左折すべき交差点や、分岐点における経路の案内を液晶ディスプレイ15に地図と併せて表示するとともに、スピーカ16から案内音声を出力する。尚、誘導経路は、目的地が自宅に設定されている場合(S23:YES)には、自宅を目的地として既に設定されている誘導経路から、登録された立ち寄り場所を経由して自宅へと向かう新たな誘導経路に設定変更され、液晶ディスプレイ15に表示されることとなる。
【0060】
ここで、図9を用いて前記S27における立ち寄り場所への経路案内の一例について説明する。例えば、図7及び図8に示すように、前記S27で立ち寄り場所への経路案内が行われる以前には、通常案内画面61において、現在の自車の周囲における地図と、地図上における自車の位置と進行方向を示す自車マーク62が表示される。更に、目的地が設定されている場合には、目的地(例えば、利用者の自宅)の位置を示す目的地マーク63と、現在位置から目的地までの誘導経路64が表示される。
そして、前記S27で立ち寄り場所への経路探索と誘導経路の設定が行われると、目的地までの誘導経路64が表示されていた場合にはその誘導経路64が一旦消去され、図9に示すように通常案内画面61に前記立ち寄り場所登録処理(図4)において登録した立ち寄り場所を経由した新たな誘導経路66が表示される。例えば、図9では立ち寄り場所であるガソリンスタンド(マーク65で位置を表示)を経由して自宅へと向かう誘導経路66が誘導経路64に換わって表示される。
【0061】
一方、前記S26の判定処理において、立ち寄り場所の経路案内を行わないと判定された場合(S26:NO)には、立ち寄り場所の経路案内は行わずに、当該帰路案内処理を終了する。
【0062】
また、目的地の設定がなされていないと判定された場合(S22:NO)には、以下のS28及びS29の判定処理によって自車が利用者の自宅へ帰宅するために走行を行っているか否かを判定する。具体的には、先ず、S28で走行履歴DB22の中で「到着地」が自宅として記憶されている履歴において、「出発地」として記録されている走行開始地点(例えば、図2では「○○会社」と「△△旅館」)から走行を開始したか否かを、現在地検出処理部11の検出結果と、車両ECU21から送信される車速等の走行情報、及びデータ記録部12の施設データ等に基づいて判定する。
【0063】
更に、「出発地」として記録されている地点から走行を開始したと判定された場合(S28:YES)には、続いてS29において、走行を開始した「出発地」に関連付けられて記憶された「出発時刻」の時刻(例えば、図2では「○○会社」は20:15と20:42、「△△旅館」は17:05)の所定時間差以内(本実施形態では前後2時間以内)の時刻に走行を開始したか否かが、GPS31によって検出された現在時刻に基づいて判定される。尚、対比する「出発時刻」のデータ数が多い場合には、走行開始時刻が該当する「出発時刻」の平均値±3σ(標準偏差)以内であるか否かをS29で判定することとしても良い。また、「出発時刻」と走行開始時刻の時分又は時のみが一致したか否かを判定することとしても良い。
【0064】
そして、「出発時刻」に記録された時刻の所定時間差以内の時刻に走行を開始したと判定された場合(S29:YES)には、自車が自宅へ帰宅するための走行を行っていると判定され、S24へと移行する。尚、前記S22、S23、S28、S29が走行判定手段の処理に相当する。
【0065】
また、S24では前記したように立ち寄り場所登録処理(図4)において立ち寄り場所が登録されているか否か判定され、立ち寄り場所が登録されていると判定された場合(S24:YES)には、先ず登録されている立ち寄り場所があることを利用者に案内する。
更に、S26では、前記立ち寄り場所登録処理(図4)において登録された立ち寄り場所への経路案内を行うか否か判定され、立ち寄り場所の経路案内を行うと判定された場合(S26:YES)には、立ち寄り場所への経路探索をデータ記録部12に記録されたノードデータ等の各種情報に基づいて行い、検索された経路を誘導経路として設定するとともに、誘導経路に沿った走行を案内する(S27)。尚、誘導経路は、目的地が設定されていない場合(S22:NO)には、登録された立ち寄り場所までの誘導経路を設定しても良いし、立ち寄り場所を経由した自宅までの誘導経路を設定することとしても良い。また、S25、S27が案内手段の処理に相当する。
【0066】
一方、前記S28で「出発地」として記録されている地点から走行を開始していないと判定された場合(S28:NO)、及び「出発時刻」に記録された時刻の所定時間差以外の時刻に走行を開始したと判定された場合(S29:NO)には、自車が自宅へ帰宅する走行を行っていないと判定され、当該帰路案内処理を終了する。尚、前記S28が走行開始地点判定手段の処理に相当し、S29が走行開始時刻判定手段の処理に相当する。
【0067】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、予め立ち寄り場所を登録(S12)した状態であって、且つ自車が自宅へと帰宅するために走行を行っていると判定された場合(S23:YES、S29:YES)に、登録された立ち寄り場所の案内を行う(S25)とともに、希望があれば立ち寄り場所への誘導経路を設定し、経路案内を行う(S27)ので、利用者が自宅へと帰宅する際に予定の立ち寄り場所へ寄ることを忘れていた場合であっても、予め入力した情報に基づいて利用者に立ち寄り場所への案内を提供することが可能となる。従って、煩雑な操作が必要なく、希望する立ち寄り場所に確実に寄ることが可能となり、利用者の利便性を向上させることができる。
また、走行履歴DB22に記憶された走行履歴の「出発地点」及び「出発時刻」に基づいて、自車が自宅へと走行するか否かを判定する(S28、S29)ので、目的地が明確に設定されていない場合であっても利用者が自宅へと帰宅するか否かを的確に判定することが可能となり、帰宅する利用者に対して予め入力された立ち寄り場所への案内を行うことが可能となる。
【0068】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では、既に立ち寄り場所に関する情報がデータ記録部12の立ち寄り場所記憶領域23に記憶されている場合であって、更に新たな立ち寄り場所を入力した場合には、新たに入力した立ち寄り場所に関する情報を以前の情報に上書きして立ち寄り場所記憶領域23に記憶することとしているが、複数の立ち寄り場所に関する情報を同時に記憶可能なように構成しても良い。その場合には、S25において記憶された複数の立ち寄り場所をそれぞれ同時又は所定順序で案内するとともに、S27では記憶された複数の立ち寄り場所を全て経由した誘導経路を新たに設定して案内することが望ましい。
【0069】
また、本実施形態では走行履歴DB22に自車が出発地から走行を開始した走行開始時刻を出発時刻として記憶し(S4)、出発時刻の所定時間差以内に同一の出発地を出発した場合に自車が自宅へ帰宅するための走行を行っていると判定する(S29)が、時刻とともに走行を開始した曜日(日曜日〜土曜日)を走行履歴DB22に記憶させることとしても良い。それによって、例えば現在時刻が出発時刻の所定時間差以内で、且つ現在曜日が記憶された曜日と同一曜日である場合に、自車が自宅へ帰宅するための走行を行っていると判定するように処理することも可能となる。また、現在時刻が出発時刻の所定時間差以内で、且つ現在曜日が記憶された曜日と同じ属性(平日(月曜日〜金曜日)又は休日(土曜日〜日曜日))の曜日である場合に、自車が自宅へ帰宅するための走行を行っていると判定するように処理することも可能となる。
更に、出発時刻を判定基準として用いずに、曜日又は曜日の属性の一致のみによって自車が自宅へ帰宅するための走行を行っているかを判定することとしても良い。
【0070】
また、本実施形態では立ち寄り場所記憶領域23に記憶された立ち寄り場所に関する情報は、登録されてから24時間経過したと判定された場合(S14:YES)に消去する(S15)ように構成されているが、立ち寄り場所を登録した後に自車が登録された立ち寄り場所に立ち寄ったか否かを現在地検出処理部11等によって検出し、立ち寄り場所に立ち寄ったと判定された場合に立ち寄り場所に関する情報を消去するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】自車の走行記録が記録される走行履歴DBについて示した図である。
【図3】本実施形態に係るナビゲーション装置が実行する走行履歴処理プログラムのフローチャートである。
【図4】本実施形態に係るナビゲーション装置が実行する立ち寄り場所登録処理プログラムのフローチャートである。
【図5】本実施形態に係るナビゲーション装置が実行する帰路案内処理プログラムのフローチャートである。
【図6】液晶ディスプレイを用いて立ち寄り場所を入力する際の入力方法について示した模式図である。
【図7】目的地が自宅に設定された場合において、液晶ディスプレイに表示される案内画面について示した図である。
【図8】ステップ25で立ち寄り場所を利用者に案内する際の液晶ディスプレイに表示される案内画面について示した図である。
【図9】ステップ27で立ち寄り場所を経由した誘導経路を設定した際の液晶ディスプレイに表示される案内画面について示した図である。
【符号の説明】
【0072】
1 ナビゲーション装置
11 現在地検出処理部
12 データ記録部
13 ナビゲーション制御部
14 操作部
15 液晶ディスプレイ
16 スピーカ
21 車両ECU
22 走行履歴DB
23 立ち寄り場所記憶領域
31 GPS
41 CPU
42 RAM
43 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自宅位置を記憶する自宅位置記憶手段と、
所定の場所を特定する情報を入力する場所入力手段と、
自車が前記自宅位置記憶手段に記憶された自宅位置へと走行するか否かを判定する走行判定手段と、
前記走行判定手段によって自宅位置へと走行すると判定された場合に、前記場所入力手段により入力された情報に基づいて前記所定の場所への案内を行う案内手段と、
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
目的地を設定する目的地設定手段と、
前記目的地設定手段により設定された目的地までの間の経路を探索して誘導経路として設定する経路設定手段と、
前記経路設定手段により設定された誘導経路に沿った走行を案内する走行案内手段と、を備え、
前記走行判定手段は、前記目的地設定手段によって自宅が目的地に設定されている場合に自車が前記自宅位置記憶手段に記憶された自宅位置へと走行すると判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
自車の走行履歴を記憶する走行履歴記憶手段を備え、
前記走行判定手段は、前記走行履歴記憶手段に記憶された走行履歴に基づいて自車が前記自宅位置記憶手段に記憶された自宅位置へと走行するか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記走行履歴には自車が自宅位置へと走行した際の走行開始地点が記憶され、
自車の現在位置を検出する現在地検出手段と、
前記現在地検出手段によって検出された自車の現在位置に基づいて、自車が前記走行履歴記憶手段に記憶された走行開始地点から走行を開始したか否かを判定する走行開始地点判定手段と、を有し、
走行開始地点判定手段によって前記走行開始地点から走行を開始したと判定された場合に、前記走行判定手段は自車が前記自宅位置記憶手段に記憶された自宅位置へ走行すると判定することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記走行履歴には自宅位置へと走行した際の前記走行開始地点の走行開始時刻が記憶され、
現在時刻を検出する現在時刻検出手段と、
前記現在時刻検出手段によって検出された現在時刻に基づいて、前記走行履歴記憶手段に記憶された走行開始時刻又は走行開始時刻の所定時間差以内に前記走行開始地点から走行を開始したか否かを判定する走行開始時刻判定手段と、を有し、
前記走行開始時刻判定手段によって前記走行開始時刻又は走行開始時刻の所定時間差以内に走行を開始したと判定された場合に、前記走行判定手段は自車が前記自宅位置記憶手段に記憶された自宅位置へ走行すると判定することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−10549(P2007−10549A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−193559(P2005−193559)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】