説明

ナビゲーション装置

【課題】実際の交差点に適したマップマッチングを行うことができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】地図データ記憶装置18に記憶された道路地図データに基づいて、地図データ変換部114により、複車線交差点において仮想リンクを車線ごとに作成する。そして、位置検出部112により車両の暫定現在位置を検出し、その車両の暫定現在位置に基づいて、マップマッチ処理部115により、複車線交差点を走行中の車両の確定現在位置を作成された仮想リンク上に特定する。このようにして、複車線交差点における複数の車線を考慮して作成された仮想リンクによりマップマッチングを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路地図上に車両の現在位置を表示して車両を目的地まで案内する車両用のナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置において一般的に使用されている道路地図データは、道路の交差点や分岐点などに対応するノードと、そのノード間を繋いだリンクにより、道路の位置や接続関係を表している。通常、各ノードおよびリンクは、道路の幅や車線数に関わらず、各道路の中心線に対応して設定されている。このような道路地図データに基づいてマップマッチングを行うことにより、道路を走行している車両の位置を正しく道路上に表示するようにしている。
【0003】
しかし、交差点や分岐点を通過する場合、車両は道路の中心線に沿って走行しないことから、上記のような道路地図データに基づいてマップマッチングを行うと、実際の車両の走行距離とリンクの長さが一致せずに、車両位置に誤差が生じる可能性がある。そこで、このような車両位置の誤差を解消するために、交差点において車両が実際に走行する軌跡に近い仮想リンクを作成し、この仮想リンクに基づいてマップマッチングを実行する装置が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−121180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実際の交差点では、右折車線や左折車線、直進車線など、複数の車線が存在する場合がある。しかし、特許文献1に開示される装置では、このような交差点における複数の車線を考慮して仮想リンクを作成していないため、実際の交差点に適したマップマッチングを行うことができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明によるナビゲーション装置は、複数のノードとリンクを用いて道路を表した道路地図データを記憶する道路地図データ記憶手段と、道路地図データ記憶手段により記憶された道路地図データに基づいて、交差する道路のうちいずれか少なくとも一つが複数の車線を有する複車線交差点において仮想リンクを車線ごとに作成する仮想リンク作成手段と、車両の暫定現在位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段により検出された車両の暫定現在位置に基づいて、複車線交差点を走行中の車両の確定現在位置を仮想リンク上に特定するマップマッチング手段とを備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1のナビゲーション装置において、道路地図データには道路の幅および車線数の情報が含まれており、仮想リンク作成手段は、道路地図データに含まれる道路幅および車線数の情報に基づいて仮想リンクを作成するものである。
請求項3の発明は、請求項1または2いずれかのナビゲーション装置において、道路地図データには複車線交差点における車線ごとの右左折制限情報が含まれており、仮想リンク作成手段は、道路地図データに含まれる右左折制限情報に基づいて、直進用、右折用または左折用の仮想リンクのいずれか少なくとも一つを各車線について作成するものである。
請求項4の発明は、請求項3のナビゲーション装置において、右折用または左折用の仮想リンクの形状は、円弧またはクロソイド曲線であることとするものである。
請求項5の発明は、請求項3のナビゲーション装置において、右折用または左折用の仮想リンクの形状は、車両の運転者の操舵履歴に基づいて決定されることとするものである。
請求項6の発明は、請求項1〜5いずれか一項のナビゲーション装置において、マップマッチング手段は、車両の確定現在位置を仮想リンク上に特定するときに、位置検出手段により検出されたその車両の暫定現在位置の横方向移動量に基づいて、その車両が車線変更したか否かを判定するものである。
請求項7の発明は、請求項6のナビゲーション装置において、マップマッチング手段は、複車線交差点内および複車線交差点から所定の距離範囲内にある車線変更禁止区間において、それ以外の場所に設定された車線変更可能区間よりも、車両が車線変更したと判定するための暫定現在位置の横方向移動量のしきい値を大きな値で設定するものである。
請求項8の発明は、請求項1〜7いずれか一項のナビゲーション装置において、道路地図データ記憶手段により記憶された道路地図データには、所定の位置分解能でノードの位置情報が記述されており、仮想リンク作成手段は、道路地図データにおける位置分解能よりも高い位置分解能でその位置情報が記述されたノードを用いて、作成した仮想リンクの位置と形状を表現するものである。
請求項9の発明は、請求項1〜8いずれか一項のナビゲーション装置において、外部からの情報に基づいて車両が走行している道路の車線を認識する車線認識手段をさらに備え、マップマッチング手段は、車線認識手段による車線の認識結果を反映して、車両の確定現在位置を仮想リンク上に特定するものである。
請求項10の発明は、請求項9のナビゲーション装置において、車線認識手段は、車両から出力される車線変更時の車両情報に基づいて、車両が走行している道路の車線を認識するものである。
請求項11の発明は、請求項9または10いずれかのナビゲーション装置において、車線認識手段は、車両の前方の撮影画像情報に基づいて、車両が走行している道路の車線を認識するものである。
請求項12の発明は、請求項9〜11いずれか一項のナビゲーション装置において、車線認識手段による車線の認識結果に基づいて、道路地図データ記憶手段により記憶された道路地図データを更新する道路地図データ更新手段をさらに備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、実際の交差点に適したマップマッチングを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
−第1の実施の形態−
本発明の第1の実施の形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。このナビゲーション装置は、車両に搭載されており、車両の現在位置を道路地図上に表示して、目的地まで車両を誘導する。このとき、道路地図データに基づいて車線ごとに仮想リンクを作成し、その仮想リンクに合わせてマップマッチングを行うことにより、車両の現在位置を車線単位で正確に道路地図上に表示できるようにしたものである。図1に示すナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、センサ群14、画像メモリ15、表示モニタ16、入力装置17および地図データ記憶装置18を備えている。
【0009】
制御回路11は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとして、ROM12または地図データ記憶装置18に格納された制御プログラムや道路地図データに基づいて、各種の処理を実行する。この制御回路11により、たとえば目的地を設定する際の目的地の探索処理、設定された目的地までの推奨経路の探索処理、車両の現在位置の検出処理、各種の画像表示処理、ルート案内時の音声出力処理など、ナビゲーション装置1が動作するのに必要な様々な処理が実行される。
【0010】
センサ群14は、自車両の現在位置を検出するためのセンサ類であり、たとえば、自車両の角速度を検出するための振動ジャイロセンサ14a、車速を検出するための車速センサ14b、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信するためのGPSセンサ14c等の各種センサ類からなる。ナビゲーション装置1は、このセンサ群14からの各センサ信号に基づいて車両の現在位置の検出処理を制御回路11において実行することにより、車両の現在位置を求めることができる。
【0011】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示する画像データを一時的に格納するためのメモリである。この画像メモリ15に格納される画像データは、道路地図を表示するための地図描画用データや各種の図形データ等からなり、地図データ記憶装置18に記録されている道路地図データなどに基づいて制御回路11が実行する画像表示処理により作成されたものである。表示モニタ16は液晶ディスプレイなどを用いて構成されており、画像メモリ15に格納された画像データに基づいて、道路地図など各種の画像を表示して車両の運転者に提示する。なお、表示モニタ16は、運転者から見やすい位置、たとえばダッシュボードやインストルメントパネル内などに設置されている。
【0012】
入力装置17は、ナビゲーション装置1を動作させるための様々な入力操作を運転者が行うための各種の入力スイッチ類を有している。運転者は入力装置17を操作することにより、たとえば、目的地に設定したい施設や地点の名称等を入力したり、予め登録された登録地の中から目的地を選択したり、地図をスクロールしたりすることができる。この入力装置17は、たとえば操作パネルやリモコン、表示モニタ16と一体化したタッチパネルなどによって実現される。
【0013】
地図データ記憶装置18は、道路地図データや各種の制御プログラム類を記憶するための装置である。この地図データ記憶装置18には、たとえばハードディスクや、DVD−ROM、CD−ROMなどの光学ディスクおよびそのドライブ装置、フラッシュメモリ等の不揮発性半導体メモリなどが用いられる。この地図データ記憶装置18に記憶されている道路地図データには、目的地までの経路探索に用いられる経路計算データや、交差点名称および道路名称など、選択された誘導経路に従って自車両を目的地まで誘導するために用いられる経路誘導データ、さらに道路を表す道路データなどが含まれている。また、河川や鉄道、地図上の各種施設等(ランドマーク)など、道路以外の地図形状を表す背景データなども道路地図データに含まれている。
【0014】
道路地図データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれており、各道路は複数のリンクによって構成されている。リンク同士を接続している点、すなわち各リンクの端点はノードと呼ばれ、ノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。このとき、リンク内においてノードとノードの間に必要に応じて形状補間点と呼ばれる点が設定されていることもある。形状補間点もノードと同じく、それぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードと形状補間点の位置情報によって、各リンクの形状、すなわち道路の形状が決定される。このように、地図データ記憶装置18に記憶されている道路地図データにおいて、道路は複数のノードとリンクを用いて表されている。
【0015】
ユーザが入力装置17を操作して目的地を設定すると、ナビゲーション装置1は、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、目的地までの推奨経路を探索する。そして、車両の現在位置周辺の道路地図を表示しながら、探索された推奨経路に従って車両を目的地まで誘導する。このとき、制御回路11において次に説明するような車両の現在位置の検出処理が実行されることにより、車両の現在位置が求められる。
【0016】
制御回路11において実行される車両の現在位置の検出処理について以下に説明する。図2は、車両の現在位置の検出処理を制御回路11において実行する際の機能ブロック図を示している。このとき制御回路11は、図2に示すようにセンサ処理部111、位置検出部112、地図データ読込処理部113、地図データ変換部114、マップマッチ処理部115および車両位置出力部116の各機能ブロックを機能的に有している。
【0017】
センサ処理部111には、振動ジャイロ14a、車速センサ14bおよびGPSセンサ14cからの各センサ信号が入力される。センサ処理部111は、これらの各センサ信号に対して、アナログ/デジタル変換処理などの所定の信号変換処理を実行し、その変換後の各センサ信号を位置検出部112へ出力する。
【0018】
位置検出部112は、センサ処理部111から出力される変換後の各センサ信号に基づいて、車両の現在位置を検出する。このとき、振動ジャイロ14aからの角速度信号および車速センサ14bからの車速信号に基づいて、所定の時間間隔ごとに車両の相対的な位置変化量が求められる。このような車両位置の算出方法はデッドレコニングと呼ばれる。また、GPSセンサ14cからのGPS信号に基づいて、車両の絶対的な位置が求められる。これらの車両位置の算出結果に基づいて、車両の現在位置が求められる。
【0019】
なお、上記のようにして位置検出部112により検出される車両の現在位置には、振動ジャイロ14aまたは車速センサ14bによる検出誤差や、GPS信号の精度誤差などが含まれているため、必ずしも正確な車両の現在位置が位置検出部112の検出結果として得られる訳ではない。したがって、位置検出部112によって得られる車両の現在位置はあくまで暫定的なものに過ぎない。そのため以下の説明では、位置検出部112により検出される車両の現在位置のことを暫定現在位置と称する。この車両の暫定現在位置は、マップマッチ処理部115へ出力される。
【0020】
地図データ読込制御部113は、地図データ記憶装置18から必要な道路地図データを読み込み、地図データ変換部114へ出力する。地図データ変換部114は、地図データ読込処理部113によって読み込まれた道路地図データをマップマッチング用の道路地図データへと変換する地図データ変換処理を行う。この地図データ変換処理では、元の道路地図データにおいて一つのリンクで表された複数の車線を有する道路について、その車線ごとに仮想リンクを作成する。なお、このとき一車線しかない道路については仮想リンクを作成する必要がない。こうして車線ごとに仮想リンクを作成することにより、地図データ記憶装置18から読み込まれた道路地図データをマップマッチング用の道路地図データへと変換する。
【0021】
なお、地図データ変換処理によって作成される仮想リンクの具体例については後で説明する。地図データ変換部114により作成された車線ごとの仮想リンクは、マップマッチ処理部115へと出力される。
【0022】
マップマッチ処理部115は、位置検出部112により検出された車両の暫定現在位置と、地図データ変換部114により作成された車線ごとの仮想リンクに基づいて、車両の現在位置を車線単位で正確に特定するためのマップマッチング処理を実行する。このマップマッチング処理では、車両の暫定現在位置に対して最も確からしいと思われる車両の現在位置を仮想リンク上において特定する。こうして仮想リンク上に特定される車両の現在位置は、ナビゲーション装置1において最終的に確定される車両の現在位置であり、実際の車両の現在位置を車線単位で正確に表している。そのため以下の説明では、マップマッチ処理部115によって仮想リンク上に特定される車両の現在位置のことを確定現在位置と称する。マップマッチ処理部115によって特定された車両の確定現在位置は、車両位置出力部116へ出力される。
【0023】
車両位置出力部116は、マップマッチ処理部115から出力された車両の確定現在位置を車両位置情報として出力する。この車両位置情報によって表される車両の確定現在位置は、上記のように車線単位で正確に車両の現在位置を表している。すなわち、通常の道路地図データを用いたマップマッチング処理と比べて、車線情報を含むと共に高い位置精度を有する車両位置情報が得られる。
【0024】
以上説明したようにして制御回路11の各機能ブロックが動作することにより、車両の現在位置の検出処理が実行され、車両位置情報が出力される。この車両位置情報を道路地図の表示に用いることで、車両の現在位置を車線単位で正確に道路地図上に表示することができる。さらに、元の道路地図データを用いたマップマッチングにおいて右左折時に生じる車両の位置ずれを解消することもできる。すなわち、元の道路地図データではリンクが交差点の中心で直角に交差しているため、車両が右左折する際に通る経路の長さと、元のリンクにおける右左折時の経路の長さとの間には差異が生じる。この差異によって車両の位置に誤差が生じるため、従来のナビゲーション装置でマップマッチング処理を行って表示される車両の現在位置には、右左折時において実際の車両の現在位置に対する位置ずれが生じることがある。しかし、本実施形態によるナビゲーション装置1では、前述のように車両の現在位置を車線単位で正確に道路地図上に表示することができるため、右左折時においても車両の位置ずれが発生しない。
【0025】
次に、地図データ変換部114が実行する地図データ変換処理において作成される仮想リンクの具体例について説明する。図3は、変換前の道路地図データにおいて交差点を表したリンクおよびノードの一例を示している。この交差点では、図の上下方向に延びる片側2車線の道路と、図の左右方向に延びる片側2車線の道路とが交差している。後者の道路は上下線の間に中央分離帯が設置されていると共に、交差点の手前では右折車線を含む3車線となっている。なお、この交差点のように交差する道路のうちいずれか少なくとも一つが複数の車線を有する交差点を、以下の説明では複車線交差点と呼ぶこととする。
【0026】
図3の複車線交差点では、図の上下方向に延びる道路がリンクL1、L2およびL3によって表されており、図の左右方向に延びる道路がリンクL4、L5、L6およびL7によって表されている。なお、図の左右方向に延びる道路のうち、リンクL4およびL5は右から左に向かう側に対応しており、反対にリンクL6およびL7は左から右に向かう側に対応している。これらの各リンクは、ノードN01およびN02によって互いに接続されている。
【0027】
以上説明したように、元の変換前の道路地図データでは、道路に複数の車線があるにも関わらず、図3の複車線交差点に対して上下方向に延びる道路については、リンクL1、L2およびL3からなる一本のリンク列として表される。また、左右方向に延びる道路については、リンクL4およびL5からなるリンク列と、リンクL6およびL7からなるリンク列により、その道路の上下線ごとに一本ずつのリンク列として表される。このように元の変換前の道路地図データでは、複車線交差点における車線数を考慮せずにリンクL1〜L7が設定されている。
【0028】
上記のような複車線交差点において地図データ変換部114が実行する地図データ変換処理により、元の変換前の道路地図データに対して作成される仮想リンクを図4に示す。この仮想リンクは、ノードN1〜N32のうちいずれか二つのノードを両端点としている。以下の説明では、この端点に当たるノードの番号を用いて各仮想リンクを表現するものとする。たとえば、ノードN1とN5を両端点とするリンクは、リンクL1_5と表される。このとき、ノード番号を車両の進行方向の順に並べるものとする。
【0029】
なお、図4において片側の端点のみが図中に示されており、もう一方の端点が省略されている仮想リンクについては、その省略されている端点のノード番号を0として表現するものとする。たとえば、ノードN1において上記のリンクL1_5と接続される仮想リンクは、リンクL0_1と表される。
【0030】
各道路における仮想リンクの本数と各仮想リンクの間隔は、変換前の道路地図データに含まれる車線数情報および道路幅情報に基づいて決定される。すなわち、車線数情報からその道路に何本の車線があるかを判断し、その車線数に応じて作成する仮想リンクの本数を決定する。また、道路幅情報から車線一本あたりの幅を求め、その車線幅に合わせて隣接する仮想リンクの間隔を決定する。このとき、変換前の道路地図データに含まれる道路種別情報から道路種別を判断し、その道路種別により車線の数や幅がどの程度であるかを推測するようにしてもよい。
【0031】
ノードN1〜N32は、分岐ノード、合流ノード、車線変更禁止区間開始ノードおよび車線変更禁止区間終了ノードに分類される。分岐ノードとは、1本の仮想リンクから2本以上の仮想リンクへの分岐点に位置するノードのことであり、図4に白丸で表したノードN5,N6,N9,N12,N16,N21およびN32が該当する。合流ノードとは、2本以上の仮想リンクから1本の仮想リンクへの合流点に位置するノードのことであり、図4に黒丸で表したノードN7,N8,N10,N11,N13,N14およびN15が該当する。車線変更禁止区間開始ノードとは、複車線交差点内および複車線交差点から所定の距離範囲内に対して設定された車線変更禁止区間の開始点に位置するノードのことであり、図4に二重白丸で表したノードN1,N2,N19,N20,N22,N23,N24,N29,N30およびN31が該当する。車線変更禁止区間終了ノードとは、上記の車線変更禁止区間の終了点に位置するノードのことであり、図4に二重黒丸で表したノードN3,N4,N17,N18,N25,N26,N27およびN28が該当する。
【0032】
複車線交差点において車線変更禁止区間が設定される範囲は、道路交通法などの交通法規によって定められている。たとえば、複車線交差点内およびその入口から50メートルの距離範囲内が車線変更禁止区間として設定される。この車線変更禁止区間以外の場所は、車線変更可能区間として設定される。なお、複車線交差点以外の場所において車線変更禁止区間が設定されている場合もある。
【0033】
以上説明したノードN1〜N32を端点とする各仮想リンクは、車線変更禁止区間開始ノードから車線変更禁止区間終了ノードの間、すなわち上記の車線変更禁止区間において作成される車線変更禁止区間リンクと、それ以外の場所、すなわち車線変更可能区間において作成される車線変更可能区間リンクに分けられる。車線変更禁止区間リンクは図4において実線で示されており、たとえばリンクL1_5などが該当する。一方、車線変更可能区間リンクは図4において破線で示されており、たとえばリンクL0_1などが該当する。
【0034】
上記の車線変更禁止区間リンクのうちで複車線交差点内を通過するものは、直進用の仮想リンク、右折用の仮想リンクまたは左折用の仮想リンクのいずれかに分類される。直進用の仮想リンクとは、車両が複車線交差点内を直進するときの走行経路に対応して作成されるものであり、図4においてリンクL5_10,L10_14,L6_15,L16_7,L9_8,L30_10,L23_11およびL12_13が該当する。右折用の仮想リンクとは、車両が複車線交差点において右折するときの走行経路に対応して作成されるものであり、図4においてリンクL6_11,L19_10,L29_15およびL24_3が該当する。左折用の仮想リンクとは、車両が複車線交差点において左折するときの走行経路に対応して作成されるものであり、図4においてリンクL5_8,L16_13,L9_7およびL12_14が該当する。
【0035】
上記の直進用、右折用および左折用の各仮想リンクは、いずれも変換前の道路地図データに含まれる右左折制限情報に基づいて作成される。右左折制限情報とは、道路地図データにおいて複車線交差点を構成する道路のリンクに対して設定されているものであり、その道路の各車線が直進、右折または左折のいずれの進行方向に対応するかを表している。この右左折制限情報に基づいて、直進用、右折用または左折用の仮想リンクのいずれか少なくとも一つが各車線について作成される。なお、一つの車線が複数の進行方向に対応している場合もある。
【0036】
右折用の仮想リンクおよび左折用の仮想リンクは図4に示すようなカーブ形状を有しており、このカーブ形状は車両が複車線交差点を右折または左折するときの軌跡に合わせて設定される。たとえば、円弧やクロソイド曲線を用いて右折用および左折用の仮想リンクの形状を表すことができる。なお、クロソイド曲線とは、車両の速度を一定として一定の角速度で操舵操作を行ったときの車両の走行軌跡を表した曲線である。または、その車両における運転者の操舵履歴を記録しておき、その操舵履歴に基づいて右折用および左折用の仮想リンクの形状を決定してもよい。たとえば、運転者の操舵履歴から操舵時の平均角速度を求め、その平均角速度が大きいほどカーブがきつくなるように、右折用および左折用の仮想リンクの形状を調節することができる。このような右折用および左折用の仮想リンクのカーブ形状は、ノード間に設定される形状補間点を用いて表現してもよいし、あるいは特定の関数などを用いた数式により表現してもよい。
【0037】
図2の地図データ変換部114が地図データ変換処理を実行することにより、道路地図データにおいて表された図3の各リンクに基づいて、以上説明したような仮想リンクが作成される。この仮想リンクと位置検出部112により検出された車両の暫定現在位置に基づいて、マップマッチ処理部115においてマップマッチング処理が実行され、車両の確定現在位置が仮想リンク上に特定される。
【0038】
なお、マップマッチング処理においては、車両の暫定現在位置の横方向移動量に基づいて、その車両が車線変更したか否かの判定が行われる。すなわち、複数の車線を有する道路において、その道路の進行方向に対して検出された車両の暫定現在位置が横方向に所定距離以上、たとえば車線幅の半分以上の距離を移動した場合、車両は車線変更したものと判定する。こうして車両が車線変更したと判定された場合は、車両の確定現在位置をそれまでの仮想リンク上から隣接する仮想リンク上へと移動させて特定する。
【0039】
上記のようにして車線変更を判定する際、前述の車線変更禁止区間リンクでは、車線変更可能区間リンクよりも車線変更が起こりにくいと判断する。すなわち、車線変更禁止区間においては、それ以外の場所に設定された車線変更可能区間よりも、車両が車線変更したと判定するための暫定現在位置の横方向移動量のしきい値を大きな値で設定する。これにより、交通法規に従って走行する車両の動きに合わせて車線変更の判定を行うことができる。
【0040】
なお、以上説明したようにして車線ごとに仮想リンクを作成し、その仮想リンクに合わせてマップマッチングを行う際には、必要に応じて各ノードの位置分解能を高くすることが好ましい。すなわち、元の道路地図データにおいて記述されたノードの位置情報の分解能(たとえば約1.3m)をそのまま変えずに、変換後のマップマッチング用の道路地図データにおいても各ノードの位置情報をその分解能で記述して仮想リンクの位置や形状を表現すると、隣接する車線同士を十分に分離できなかったり、右折用や左折用の仮想リンクのカーブ形状を適切に表現できなかったりする場合がある。このような場合は、変換後のマップマッチング用の道路地図データにおいて、各ノードの位置情報を記述する際の分解能を所定の割合だけ高く(たとえば数倍程度)してから作成した仮想リンクの位置と形状を表現することで、仮想リンクを正しく表現するのに適切な位置分解能を得ることができる。なお、形状補間点を用いて仮想リンクの形状を表現する場合、ノードと同様に形状補間点についてもその位置分解能を高くすることが好ましい。
【0041】
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)地図データ記憶装置18に記憶された道路地図データに基づいて、地図データ変換部114により、複車線交差点において仮想リンクを車線ごとに作成する。そして、位置検出部112により車両の暫定現在位置を検出し、その車両の暫定現在位置に基づいて、マップマッチ処理部115により、複車線交差点を走行中の車両の確定現在位置を仮想リンク上に特定する。このようにして、複車線交差点における複数の車線を考慮して作成された仮想リンクによりマップマッチングを行うこととしたので、実際の交差点に適したマップマッチングを行うことができる。
【0042】
(2)地図データ変換部114により仮想リンクを作成する際に、道路地図データに含まれる道路幅情報および車線数情報に基づいて仮想リンクを作成することとした。このようにしたので、実際の道路の車線に合わせて適切な本数と間隔で仮想リンクを作成することができる。
【0043】
(3)また、地図データ変換部114により仮想リンクを作成する際に、道路地図データに含まれる右左折制限情報に基づいて、直進用、右折用または左折用の仮想リンクのいずれか少なくとも一つを各車線について作成することとした。このようにしたので、実際の道路における車線の進行方向に合った正しい形状の仮想リンクを作成することができる。
【0044】
(4)上記の右折用または左折用の仮想リンクの形状は、円弧またはクロソイド曲線とすることができる。このようにすれば、仮想リンクの形状を車両が複車線交差点を右折または左折するときの軌跡に合わせたカーブ形状とすることができる。
【0045】
(5)あるいは、上記の右折用または左折用の仮想リンクの形状を、車両の運転者の操舵履歴に基づいて決定することもできる。このようにすれば、仮想リンクの形状を運転者の操舵傾向に応じて適切なカーブ形状とすることができる。
【0046】
(6)マップマッチ処理部115によりマップマッチングを行って車両の確定現在位置を仮想リンク上に特定する際に、位置検出部112により検出された車両の暫定現在位置の横方向移動量に基づいて、車両が車線変更したか否かを判定することとした。このようにしたので、車両の車線変更に応じて、車両の確定現在位置をそれまでの仮想リンク上から隣接する仮想リンク上へと移動させることができる。
【0047】
(7)上記の判定を行う際、複車線交差点内および複車線交差点から所定の距離範囲内に設定された車線変更禁止区間において、それ以外の場所に設定された車線変更可能区間よりも、車両が車線変更したと判定するための暫定現在位置の横方向移動量のしきい値を大きな値で設定することとした。このようにしたので、交通法規に従って走行する車両の動きに合わせて車線変更の判定を行うことができる。
【0048】
(8)また、地図データ変換部114により仮想リンクを作成する際には、元の変換前の道路地図データにおける位置分解能よりも高い位置分解能でその位置情報が記述されたノードを用いて、作成した仮想リンクの位置と形状を表現することが好ましい。このようにすれば、仮想リンクを正しく表現するのに適切な位置分解能を得ることができる。
【0049】
−第2の実施の形態−
本発明の第2の実施の形態によるナビゲーション装置の構成を図5に示す。このナビゲーション装置2は、車線検出装置19を備えている以外の点は、図1に示す第1の実施の形態によるナビゲーション装置1と同じである。車線検出装置19は、車両の動作状態や外部の撮影画像に基づいて車両が走行している道路の車線を検出するための装置である。ナビゲーション装置2は、仮想リンクに合わせてマップマッチングを行うときに車線検出装置19による車線の検出結果を用いることで、より正確なマップマッチング結果を得られるようにしている。
【0050】
図6は、第2の実施の形態による図5のナビゲーション装置2において、車両の現在位置の検出処理を実行する際の機能ブロック図を示している。このとき車線検出装置19は、図6に示す車両情報取得部191、カメラ192、画像処理部193、走行中車線認識部194および車線情報追加・修正部195の各機能ブロックを機能的に有している。なお、制御回路11は、図2に示す第1の実施の形態によるナビゲーション装置1と同様の各機能ブロックを機能的に有している。
【0051】
車両情報取得部191は、車両から出力される様々な車両情報のうち、車両が車線変更をしたことを検出するために必要なものを取得し、走行中車線認識部194へ出力する。この車線変更の検出に必要な車両情報には、たとえばターンシグナル、舵角、車両の各輪の車速、ヨーレートなどが含まれる。これらの車両情報は、車両に搭載された各種センサ類の検出結果などに基づいて出力される。
【0052】
カメラ192は、車両の前方の道路を撮影してその撮影画像情報を画像処理部193へ出力する。画像処理部193は、カメラ192から出力された撮影画像情報に基づいて、道路上に描かれた区画線(車道中央線、車道外側線、車線境界線等)や、進行方向の指示表示(直進矢印、左折矢印、右折矢印等)を抽出する画像処理を行う。この画像処理には、エッジ抽出やパターン認識など周知の画像処理手法を用いることができる。区画線や進行方向指示表示が抽出されたら、その抽出結果を走行中車線認識部194へ出力する。
【0053】
走行中車線認識部194は、車両情報取得部191から出力された車両情報に基づいて、車両が走行している道路の車線を認識する。すなわち、車両情報においてターンシグナルの点灯、舵角の変化、各輪の車速における差分の発生、ヨーレートの増加などのような車線変更時の特徴が表れた場合には、車両が隣の車線に移動したものと判断する。このようにして、車線変更時の車両情報に基づいて車両が走行している道路の車線を認識する。
【0054】
さらに走行中車線認識部194は、画像処理部193から出力された車両前方の撮影画像情報による区画線と進行方向指示表示の抽出結果に基づいて、車両が走行している道路の車線を認識することもできる。すなわち、道路上に描かれた区画線の抽出結果に基づいて車両と各区画線の位置関係を把握したり、道路上に描かれた進行方向指示表示の抽出結果に基づいて走行中の車線の進行方向を判断したりすることにより、車両が走行している車線を認識する。また、撮影画像から抽出された車線境界線を車両が越えた場合は、車両が隣の車線に移動したものと判断する。このようにして、車両の前方の撮影画像情報に基づいて車両が走行している道路の車線を認識する。
【0055】
なお、走行中車線認識部194は、車両情報取得部191から出力される車両情報と、画像処理部193による区画線や進行方向指示表示の撮影画像からの抽出結果との両方に基づいて、上記のように車両が走行している道路の車線を認識することができる。あるいは、これらのうちいずれか一方のみに基づいて、車両が走行している道路の車線を認識することもできる。さらにこれらを状況に応じて切り替えるようにしてもよい。たとえば、車両情報取得部191から車両情報が出力されており、かつ撮影画像から区画線や進行方向指示表示を正しく抽出できている場合は、その両方を用いて車両が走行している道路の車線を認識する。しかし、夜間などにおいて路面が暗いために撮影画像から区画線や進行方向指示表示を正しく抽出できなかった場合は、車両情報のみに基づいて車両が走行している道路の車線を認識する。このようにしてもよい。
【0056】
走行中車線認識部194における車線の認識結果は、制御回路11のマップマッチ処理部115へと出力される。マップマッチ処理部115は、この車線の認識結果を反映してマップマッチング処理を実行することで、地図データ変換部114により作成された仮想リンク上に車両の確定現在位置を特定する。すなわち、走行中車線認識部194において車両が走行していると認識された車線に対応する仮想リンクの上に、車両の確定現在位置を特定する。また、走行中車線認識部194において車両が隣の車線に移動したものと判断された場合は、それに応じて、隣接する仮想リンクに変更して車両の確定現在位置をその上に特定する。こうすることにより、マップマッチングの精度を向上させ、より正確なマップマッチング結果を得ることができる。
【0057】
上記のようにして、走行中車線認識部194による車線の認識結果を判定してマップマッチ処理部115により特定された車両の確定現在位置に基づいて、車両位置出力部116から精度の高い車両位置情報が出力される。この車両位置情報は、車両の進路推定やレーン誘導などに用いることができる。
【0058】
また、走行中車線認識部194における車線の認識結果は車線情報追加・修正部195へも出力される。車線情報追加・修正部195は、走行中車線認識部194による車線の認識結果を地図データ記憶装置18に記憶された道路地図データと比較する。そして、両者の内容が一致していない場合、すなわち走行中車線認識部194によって認識された車線が道路地図データにおいて記録されていない場合や、進行方向の指示表示が道路地図データにおいて記録された車線の進行方向と異なる場合などは、それを反映して地図データ記憶装置18の道路地図データを更新する。このとき、道路地図データに含まれる前述の車線数情報や道路幅情報、右左折制限情報などを書き換えて車線の追加や修正を行うことにより、地図データ記憶装置18の道路地図データを更新する。このようにして、走行中車線認識部194による車線の認識結果に基づいて、地図データ記憶装置18に記憶された道路地図データを更新する。
【0059】
以上説明した第2の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)走行中車線認識部194により、車両から出力される車線変更時の車両情報や、カメラ192により撮影された車両前方の撮影画像情報などの外部からの情報に基づいて、車両が走行している道路の車線を認識する。この車線の認識結果を反映してマップマッチ処理部115によりマップマッチング処理を実行し、車両の確定現在位置を仮想リンク上に特定することとした。このようにしたので、マップマッチングの精度を向上させてより正確なマップマッチング結果を得ることができる。
【0060】
(2)走行中車線認識部194による車線の認識結果に基づいて、車線情報追加・修正部195により、地図データ記憶手段18に記憶された道路地図データを更新することとした。このようにしたので、道路地図データの内容を実際の道路の車線に合わせて更新することができる。
【0061】
なお、以上説明した各実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【0062】
上記の各実施の形態では、道路地図データ記憶手段を地図データ記憶装置18、仮想リンク作成手段を地図データ変換部114、位置検出手段を位置検出部112、マップマッチング手段をマップマッチ処理部115、車線認識手段を走行中車線認識部194、道路地図データ更新手段を車線情報追加・修正部195によってそれぞれ実現することとした。しかし、これはあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるナビゲーション装置において車両の現在位置の検出処理を実行する際の機能ブロック図である。
【図3】変換前の道路地図データにおいて交差点を表したリンクおよびノードの一例を示す図である。
【図4】地図データ変換処理により作成される仮想リンクを示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるナビゲーション装置において車両の現在位置の検出処理を実行する際の機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
1,2 ナビゲーション装置 11 制御回路
12 ROM 13 RAM
14 センサ群 15 画像メモリ
16 表示モニタ 17 入力装置
18 地図データ記憶装置 19 車線検出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノードとリンクを用いて道路を表した道路地図データを記憶する道路地図データ記憶手段と、
前記道路地図データ記憶手段により記憶された道路地図データに基づいて、交差する道路のうちいずれか少なくとも一つが複数の車線を有する複車線交差点において仮想リンクを車線ごとに作成する仮想リンク作成手段と、
車両の暫定現在位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段により検出された車両の暫定現在位置に基づいて、前記複車線交差点を走行中の車両の確定現在位置を前記仮想リンク上に特定するマップマッチング手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1のナビゲーション装置において、
前記道路地図データには道路の幅および車線数の情報が含まれており、
前記仮想リンク作成手段は、前記道路地図データに含まれる道路幅および車線数の情報に基づいて仮想リンクを作成することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2いずれかのナビゲーション装置において、
前記道路地図データには前記複車線交差点における車線ごとの右左折制限情報が含まれており、
前記仮想リンク作成手段は、前記道路地図データに含まれる右左折制限情報に基づいて、直進用、右折用または左折用の仮想リンクのいずれか少なくとも一つを各車線について作成することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3のナビゲーション装置において、
前記右折用または左折用の仮想リンクの形状は、円弧またはクロソイド曲線であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項3のナビゲーション装置において、
前記右折用または左折用の仮想リンクの形状は、前記車両の運転者の操舵履歴に基づいて決定されることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか一項のナビゲーション装置において、
前記マップマッチング手段は、前記車両の確定現在位置を仮想リンク上に特定するときに、前記位置検出手段により検出されたその車両の暫定現在位置の横方向移動量に基づいて、その車両が車線変更したか否かを判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6のナビゲーション装置において、
前記マップマッチング手段は、前記複車線交差点内および前記複車線交差点から所定の距離範囲内にある車線変更禁止区間において、それ以外の場所に設定された車線変更可能区間よりも、前記車両が車線変更したと判定するための暫定現在位置の横方向移動量のしきい値を大きな値で設定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか一項のナビゲーション装置において、
前記道路地図データ記憶手段により記憶された道路地図データには、所定の位置分解能でノードの位置情報が記述されており、
前記仮想リンク作成手段は、前記道路地図データにおける位置分解能よりも高い位置分解能でその位置情報が記述されたノードを用いて、作成した仮想リンクの位置と形状を表現することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項1〜8いずれか一項のナビゲーション装置において、
外部からの情報に基づいて前記車両が走行している道路の車線を認識する車線認識手段をさらに備え、
前記マップマッチング手段は、前記車線認識手段による車線の認識結果を反映して、前記車両の確定現在位置を仮想リンク上に特定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項9のナビゲーション装置において、
前記車線認識手段は、前記車両から出力される車線変更時の車両情報に基づいて、前記車両が走行している道路の車線を認識することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
請求項9または10いずれかのナビゲーション装置において、
前記車線認識手段は、前記車両の前方の撮影画像情報に基づいて、前記車両が走行している道路の車線を認識することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項12】
請求項9〜11いずれか一項のナビゲーション装置において、
前記車線認識手段による車線の認識結果に基づいて、前記道路地図データ記憶手段により記憶された道路地図データを更新する道路地図データ更新手段をさらに備えることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−101972(P2008−101972A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−283710(P2006−283710)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】