説明

パターン検査方法及び装置

【課題】ウェハに打ち込んだイオンの影響や、パターン接続の有無、パターンエッジの形状などの影響による検出画像誤差を生じることなく画像を検出する。
【解決手段】パターン検査方は、対象物基板を撮像してディジタル画像を得、このディジタル画像を用いて予め座標データで登録した領域、又は予め登録したパターンと一致するパターンをマスクして欠陥を検出し、この検出した欠陥を表示するようにした。又本発明によるパターン検査方法においては、対象物基板を撮像してディジタル画像を得、このディジタル画像を用いて欠陥を検出し、この検出した欠陥のうち登録した特徴に一致する欠陥の表示非表示を切替えるか他と識別可能なように表示するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置や液晶などの回路パターンを有する基板製造装置にかかわり、特に製造途中の基板のパターンを検査する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光学式、又は電子線式パターン検査装置は特許文献1(特開平5−258703号公報)、特許文献2(特開平11−160247号公報)、特許文献3(特開昭61−278706号公報)、特許文献4(特開平7−5116号公報)、特許文献5(特開平2−146682号公報)、特許文献6(特開平9−312318号公報)、特許文献7(特開平3−85742号公報)等に記述されている。
【0003】
電子線式パターン検査装置の例として、特許文献1(特開平5−258703号公報)の構成を図1に示す。電子線源1からの電子線2を偏向器3でX方向に偏向し、対物レンズ4を介して対象物基板5に照射し、同時にステージ6をY方向に連続で移動させながら、対象物基板5からの二次電子等7を検出器8で検出し、検出信号をA/D変換器9でA/D変換し、デジタル画像とし、画像処理回路10で本来同一である事が期待できる場所のデジタル画像と比較し、差がある場所をパターン欠陥11として検出し、欠陥位置を確定するものである。
【0004】
光学式の検査装置の例として、特許文献2(特開平11−160247号公報)に開示されている装置構成を図2に示す。光源21よりの光を対物レンズ22を介して対象物基板5に照射し、その時の反射光をイメージセンサ23で検出する。ステージ6を一定速度で移動しながら検出を繰返すことで画像を検出画像24として検出し、メモリ25に記憶する。検出画像24と同一のパターンであることが期待できるメモリ25上の記憶画像27と比較し、同一のパターンであれば正常部、パターンが異なればパターン欠陥11として検出し、欠陥位置を確定するものである。一例として、対象物基板5がウェーハ31の場合のレイアウトを図3に示す。
【0005】
ウェーハ31上に最終的に切離されて同一品種の個別の製品になるダイ32が形成されている。ステージ6を走査線33に沿って移動し、ストライプ領域34の画像を検出する。現在、検出位置Aが35の場合に、メモリ25上の検出位置B36の画像を記憶画像27として取出し、比較する。これにより、同一パターンであることが期待できるパターンと比較する。ここで、メモリ25は同一パターンであることが期待できる画像を保持可能な容量を持ち、リング状に使いまわすことで実際の回路を構成する。
以下に述べる2つの例は、2値画像で欠陥判定をする対象物に対してパターンの検出に同期してパターンが欠陥かどうかを判定すると共に特定のマスク領域の欠陥を無視して検査している。
【0006】
特許文献3(特開昭61−278706号公報)にはプリント板のスルーホールの検査の例が開示されている。予め、非検査領域にすべき領域のみに穿孔したプリント板を用意し、そのプリント板の画像を検査に先立って検出し、穿孔有り無しの2値画像にすることでマスキングの要否を検知し、マスキングデータ記憶部に画像データとして記憶する。検査時に2値画像に差異を生じている場所がマスキングデータ記憶部に記憶している画像領域である場合に差異を無視することで非検査にする。
【0007】
特許文献4(特開平7−5116号公報)には、プリント基板の検査の例が開示されている。パターン形状を検出して2値化し、検出パターンより正常/異常を判定し、検出したパターンが規則パターン中にあるかどうかを判定し、不適合パターンが規則パターン中にある場合のみに異常と判定するものである。
以下に述べる2つの例は、パターン情報よりパターン境界部分の誤差を許容する目的で境界部分に不感帯を設けて検査している。
【0008】
特許文献5(特開平2−146682号公報)には、マスクパターンを設計情報と比較する検出の例が開示されている。設計情報からパターンを一定の幅だけ縮小して得られた縮小画像と、一定の幅だけ拡大して得られた拡大画像を計算、その共通部分を取出すことで、一定の幅の不感帯を設ける。つまり、設計情報よりパターン境界部分の一定幅の誤差は無視するようにマスク領域を設定して検査している。
【0009】
特許文献6(特開平9−312318号公報)には、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope ; 以下、SEMと記す)を用いてパターンを検査する例である。予め取得している参照画像より、パターンエッジの微細なずれは欠陥ではないのでパターンエッジ近傍を致命な欠陥の生じない領域として設定し、致命的な欠陥の生じない領域の画像を取得しない。画像を取得した領域で参照画像との差異が認められた場合に欠陥として判定している。
【0010】
特許文献7(特開平3−85742号公報)には、プリント基板のパターンを比較検査する装置の例が開示されている。比較検査で得られた欠陥候補の画像をメモリに記憶し、記憶画像を基に検査と非同期で真の欠陥かどうかを判定するものである。
【0011】
【特許文献1】特開平5−258703号公報、
【特許文献2】特開平11−160247号公報、
【特許文献3】特開昭61−278706号公報、
【特許文献4】特開平7−5116号公報、
【特許文献5】特開平2−146682号公報、
【特許文献6】特開平9−312318号公報、
【特許文献7】特開平3−85742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
対象物上には、正常部であっても検出されたパターンに大きな誤差を持つ場所がある。例えば、トランジスタを形成するためにイオンを打ち込んだ領域である。トランジスタ部ではイオンを打ち込んだ場所とそうでない場所は意味を持つが、それ以外の配線部分ではイオン打ち込みの有無は特性には影響しない。従って、イオン打ち込みはラフなマスクで打ち込み領域を作成する。ところが、電子線で検査すると、配線部であっても打ち込みの有無が大きな検出画像誤差となって検出され、欠陥と誤判定される。
また、例えば冗長配線のされている電源配線層では配線の一部に接続が無くてもその他の場所で接続があれば正常である。この為、ラフにパターンを形成し、接続の無いパターンが数多く存在する場合がある。接続の有り無しで検出画像誤差が検出され、欠陥と誤判定される。
【0013】
また、例えばパターンエッジは膜厚、傾きによって検出される信号量が異なる。多少異なっていても正常であるが、大きな検出信号量誤差となり欠陥と誤検出されてしまう。これら誤検出は、誤検出ではあるが、製品のレベルを知るための1つの指標にもなる。まず、どの種類の誤検出が有るかどうかを認識し、認識した上でこれらを除外してその他の欠陥について調査することが好ましい。
特開平5−258703号公報、特開平11−160247号公報に開示されている従来の光学式、又は電子線式パターン検査装置では、非検査領域が設定できない。
【0014】
特開昭61−278706号公報、特開平7−5116号公報に開示されている技術では、非検査領域を設定しているが、特開昭61−278706号公報に開示されている例では、非常に大きい検査面積中の非検査領域をビットパターンで設定する必要がある。ウェーハ検査に適用する場合には、直径300mmの検査面積を0.1μm画素で検査することを考えると、7兆画素(7Tbit)であり、実質上不可能である。また、特開平7−5116号公報に開示されている発明では、規則パターン部以外は非検査領域となるが、ウェーハパターンの場合には非常に複雑なパターンで構成されているため、単純な規則性を利用するのみでは非検査領域を設定することは出来ない。
【0015】
特開平2−146682号公報、特開平9−312318号公報等に記述されている非検査領域はパターンエッジに限定されるため必要な場所に非検査領域を設定することは出来ない。
【0016】
特開平3−85742号公報に記述されている方式では欠陥候補部の画像情報を保存し、保存した画像情報を基に詳細に検査をし、真の欠陥かどうかを判定するもので複雑なパターン形状に対応することが出来る。しかしながら、一律の基準で欠陥かどうかを判定し、欠陥でないものは正常部と考えている。つまり、一旦正常部と考えられたものは情報が失われている。
【0017】
以上より、従来の検査ではウェーハなどの複雑で、大きな領域を検査する装置に対して有効な非検査領域をユーザが設定することはできず、正常部であっても検出画像に大きな誤差を持ち、欠陥と誤検出されることに対する配慮をしつつ、しかも安定な微細欠陥の検出に配慮することが充分に行われているとはいえなかった。
【0018】
本発明の目的は、上記した従来の技術の課題を解決して、大きな領域を検査する装置に対して有効な、非検査領域をユーザが容易に設定できるようにしたパターン検査方法およびその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明では、パターン検査装置を、例えば図4に示すような構成とした。ここでは電子線を用いた構成を示すが、本質的には光学式と同一である。電子線2を発生させる電子線源1、及び電子線2を偏向させる偏向器3、及び電子線2を対象物基板5上に収束させる対物レンズ4、及び対象物基板5を保持し、走査又は位置決めをするステージ6、及び対象物基板5からの二次電子等7を検出する検出器8、及び検出信号をA/D変換しデジタル画像にするA/D変換器9、及びデジタル画像より本来同一である事が期待できる場所のデジタル画像と比較し、差がある場所を欠陥候補40として検出する画像処理回路10、欠陥候補40の座標、投影長、画像情報等の特徴量を記憶する欠陥候補記憶部41、欠陥候補記憶部41に記憶されたパターン欠陥11の内、予め座標情報として指定されたマスク領域42(図5に表示)上に有るものをマスク欠陥43(図5に表示)としてフラグを立てるマスク設定部44、マスク設定部44よりのパターン欠陥11の表示と特定のパターン欠陥11の位置の画像表示とマスク領域42を表示または編集を行う操作画面45よりなる。
【0020】
次に、上記した構成の動作を説明する。まず、マスク領域42について図5を用いて説明する。
【0021】
対象物基板5上にはイオン打ち込み領域50のように正常部であっても大きな誤差を持った領域がある。イオンを打ち込むべきパターン51以外にずれた打ち込み部52にイオンが打ち込まれる。ずれた打ち込み部52はずれていても特性には影響が無い正常部であるが、パターン欠陥11として検出される。そこで、イオン打ち込み領域50を含む領域をマスク領域42に設定し、その中の欠陥をマスク欠陥43として扱う。尚、ウェーハ31では同一ダイが繰り返されているので、領域判定をする場合の座標はダイ内座標を用い、異なるダイであってもダイ内座標が同一であれば同一とみなし、ダイ内座標が指定領域に含まれていれば領域に含まれていると考える。ウェーハ31の場合には繰り返し性はダイ以外にショットがある。ショットは製造装置である露光装置の描画単位である。対象とする誤検出によってはダイではなく、ショットのほうが適切な場合がある。以降の説明ではダイのみで説明するがショットに置き換えても、ショットとダイを切り替えることのできる構成にすることに関しても記述しないが自明のことと考える。
【0022】
マスク領域42を確定させる条件出しと、検出した欠陥候補40の中でマスク領域42以外で発生した欠陥をパターン欠陥として検出する検査がある。
【0023】
条件出しはマスク領域42をクリアし、電子線源1からの電子線2を偏向器3でX方向に偏向し、対物レンズ4を介して対象物基板5に照射し、同時にステージ6をY方向に連続で移動させながら、対象物基板5からの二次電子等7を検出器8で検出し、検出信号をA/D変換器9でA/D変換し、デジタル画像とし、画像処理回路10で本来同一であることが期待出来る場所のディジタル画像と比較し、差が有る場所を欠陥候補40とし、その座標、投影長、画像情報などの特徴量、又は画像データを欠陥候補記憶部41に記憶し、それらをマスク設定部44で全てパターン欠陥11として確定し、パターン欠陥11を対象物基板5の表示と重ねて図6で示した操作画面45上のマップ表示部55に表示し、操作画面45上のパターン欠陥11(図6では真の欠陥57と検出したくない欠陥58の両方)を選択し、選択したパターン欠陥11の画像を操作画面45上の画像表示部56に表示し、画像表示部56に表示された画像に基づき、ユーザがパターン欠陥11を真の欠陥57、検出したくない欠陥58とに分類し、その結果をマップ表示部55上に記号情報として表示する。
【0024】
分類終了後に、図7で示した真の欠陥57と検出したくない欠陥58と現在位置59を拡大したマップ表示部55、現在位置59の画像を画像表示部56に表示するマスク領域42を指定する画面に切り替える。マップ表示部55上にパターン欠陥11の位置を表示する。表示されたパターン欠陥11の分類情報と現在位置の表示画像を参照しながら、検出したくない欠陥51を検出しないようマスク領域42の座標を設定する。必要に応じて、再度条件出しを行い、より細かくマスク領域42の座標を設定する。
【0025】
検査は、電子線源1からの電子線2を偏向器3でX方向に偏向し、対物レンズ4を介して対象物基板5に照射し、同時にステージ6をY方向に連続で移動させながら、対象物基板5からの二次電子等7を検出器8で検出し、検出信号をA/D変換器9でA/D変換し、デジタル画像とし、画像処理回路10で本来同一であることが期待出来る場所のディジタル画像と比較し、差が有る場所を欠陥候補40とし、その座標、投影長、画像情報などの特徴量、又は画像データを欠陥候補記憶部41に記憶し、それらを欠陥確定部43でマスク領域42の座標に指定されていない場合にパターン欠陥11として確定し、パターン欠陥11を対象物基板5の表示と重ねてマップ表示部55上に表示する。確定されなかった欠陥も保持しておき、表示を切替えることで再度表示させることを可能とする。これにより、大きな誤差を持つ正常部であっても欠陥と誤検出されることなく検査することが出来る。
【0026】
構成、及び作用では検出したくない欠陥の判断はマスク設定部44で行っている。マスク設定部44では座標を用いた例を示したが、欠陥部画像のパターン情報、特徴量を用いた識別も同様の効果が期待できる。解決すべき課題のエッジの信号量は特定の座標で発生するものではなく、パターンがエッジである特徴があるため、特徴量を用いた識別をする。
【0027】
また、マスクする方式で説明したが、単純な欠陥を検査しないマスクでなく、マスク領域相当の箇所を別の検査方式で検査する、又は別の基準で検査する方式も考えられる。この場合には、欠陥候補機億部41に記憶している欠陥候補40に対してユーザが検査後に指定した条件で再度欠陥判定を行うこともできる。
【0028】
これらにより、ウェーハなどの複雑で、大きな領域を検査する装置に対して有効な非検査領域をユーザが設定することが出来、正常部であっても検出画像に大きな誤差を持ち、欠陥と誤検出されることに対する配慮をしつつ、しかも微細な欠陥の検出できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によると、ウェーハなどの複雑で、大きな領域を検査する装置に対して有効な非検査領域をユーザが設定することが出来、正常部であっても検出画像に大きな誤差を持ち、欠陥と誤検出されることに対する配慮をしつつ、しかも微細な欠陥の検出できる特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に、本発明の実施の形態を、具体的な図を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を説明する。図8に第1の実施の形態の構成を示す。電子線2を発生させる電子線源1、及び電子線源1からの電子線2を電極で加速して取出し静電又は磁界重畳レンズで一定場所に仮想光源101を作る電子銃102と仮想光源101よりの電子線2を一定場所に収束させるコンデンサレンズ103と電子銃102で収束した位置の近傍に設置し電子線2のON/OFFを制御をするブランキングプレート104と電子線2をXY方向に偏向する偏向器105と電子線2を対象物基板5上に収束させる対物レンズ4よりなる電子光学系106、及び対象物基板であるウェーハ31を真空に保持する試料室107、及びウェーハ31を搭載し任意の位置の画像検出を可能とするリターディング電圧108を印可したステージ6、及び対象物基板5からの二次電子等7を検出する検出器8、及び検出器8で検出した検出信号をA/D変換器しデジタル画像を得るA/D変換器9、及びデジタル画像を記憶しておくメモリ109、及びメモリ109に記憶した記憶画像とA/D変換したデジタル画像を比較して、差がある場所を欠陥候補40として検出する画像処理回路10、欠陥候補40の座標、投影長、画像情報等の特徴量を記憶する欠陥候補記憶部41、装置全体の制御と欠陥候補記憶部41に記憶されたパターン欠陥11の特徴量を受け取り、マスク領域42を領域情報として持ち、マスク領域42(図5に表示)上に有るものをマスク欠陥43(図5に表示)としてフラグを立てる全体制御部110(全体制御部110からの制御線は図上では省略)、及びパターン欠陥11の表示と特定のパターン欠陥11の位置の画像表示とマスク領域42を表示または編集を行う操作画面45、及び操作を指示するキーボード120とマウス121とつまみ122(いずれも非表示)、及びウェーハ31の高さを測定し対物レンズ4の電流値をオフセット112を加算して制御することで検出されるディジタル画像の焦点位置を一定に保つZセンサ113、及びカセット114内のウェーハ31を試料室107に出し入れするローダ116(図示せず)、及びウェーハ31の外形形状を基準にウェーハ31を位置決めするオリフラ検出器117(図示せず)、及びウェーハ31上のパターンを観察する為の光学式顕微鏡118、及びステージ6上に設けた標準試料片119よりなる。
【0031】
第1の実施の形態の動作を説明する。動作にはマスク領域42を確定させる条件出しと、検出した欠陥候補40の中でマスク領域42以外で発生した欠陥をパターン欠陥として検出する検査がある。
【0032】
条件出しは操作画面45に図9で示した開始画面を表示し、ユーザが対象となるウェーハ31の存在する棚番を棚番選択部品130で選択し、レシピ選定部品131で対象となるウェーハ31の品種、工程を指定し、レシピ作成開始ボタン132を押すことで条件出しを開始する。条件出しには電子光学系の条件を設定するコントラスト設定、ウェーハ31のパターンレイアウト設定、ウェーハ31のパターンの位置決めをするアライメント、ウェーハ31の信号量を的確に表現する場所で信号量の確認をするキャリブレーション、検査の各条件の設定、及びマスク領域の設定、試し検査での設定条件の確認がある。ここでは関連するコントラストの設定、マスク領域の設定、試し検査の3点について説明する。
【0033】
全体制御部110は、以下の手順で各部に動作を指示する。
まず、ローダ116(図示せず)に指示を出し、ローダ116はウェーハ31をカセット114から取出し、オリフラ検出器117(図示せず)で外形形状を基準にウェーハを位置決めし、ステージ6にウェーハ31を搭載し、試料室107内を真空にする。搭載と共に、電子光学系106とリターディング電圧108の条件を設定し、ブランキングプレート104に電圧を印可して電子線2をOFFする。ステージを標準試料片119に移動し、Zセンサ113の出力を有功にして、電子光学系106による電子線2の焦点位置をZセンサ113の検出値+オフセット112の一定に保ち、偏向器105をラスタスキャンし、スキャンに同期してブランキングプレート104の電圧を切り、電子線2を必要なときのみウェーハ31に照射し、その時ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でデジタル画像とする。オフセット112を変更してデジタル画像を複数枚検出し、検出毎に全体制御部110で最も画像の微分値の画像内総和が最高となる最適オフセット111を、現在のオフセット値として設定する。
【0034】
オフセット値を設定後、Zセンサ113の出力を無効にし、画面を図10で示したコントラスト調整画面に遷移する。コントラスト調整画面は、マップ表示とウェーハ全体又はダイ全体等とマップの表示方法を制御するボタンとマウス(図には非表示)で選択した時そこに移動する又そこの項目を選択するという動作を指示するマウス動作指示ボタン140とを備えたマップ表示部55、及び画像を表示する部分と画像の倍率と光顕118での光顕画像又は電子光学系106でのSEM画像と画像の種類を指定する画像切替ボタン141を備えた画像表示部56、及びレシピ作成項目選択ボタン142、及びレシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134より構成される。コントラスト調整画面ではマウス動作指示ボタン140を移動モードにし、マウス121クリックでマップ上を移動し、その場所の画像を画像表示部に表示する。つまみ122に電子光学系調整項目を割り当て、電子光学系106の各部を調整して適切なコントラストを得る。
【0035】
レシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134、及びレシピ作成項目選択ボタン142はそれぞれレシピ作成の終了、及びレシピ条件の保存、及び別の条件の設定と画面遷移を指示するボタンで全画面共通である。レシピ作成項目選択ボタン142を試し検査に切り替えることで図11に示す試し検査開始画面に遷移する。
【0036】
試し検査開始画面は、マップ表示部55、及びレシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134、及びレシピ作成項目選択ボタン142、及び検査開始ボタン143、及び検査終了ボタン144より構成される。マウス動作選択ボタン140は選択モードにしてある。ユーザがマップ表示部のダイをクリックすることで、試しに検査の対象となるダイの選択/非選択を切り替え、検査対象とするダイを選択する。検査対象のダイを選定後、検査開始ボタン143で試し検査の開始を指示する。試し検査を開始するとステージ6を移動し、搭載したウェーハ31の検査すべき領域の走査開始位置に移動する。オフセット112に予め測定しておいたウェーハ固有のオフセットを加算して設定し、Zセンサ113を有効にし、図3に示した走査線33に沿ってステージ6をY方向走査し、ステージ走査に同期して偏向器105をX方向に走査し、有効走査時にブランキングプレート104の電圧を切り電子線2をウェーハ31に照射、走査する。ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でストライプ領域34のデジタル画像を得、メモリ109に記憶する。ステージ6の走査終了後Zセンサ113を無効とする。ステージ走査を繰り返すことで必要な領域全面の検査をする。ウェーハ31の全面を検査する場合には図12に示した順で検査する。
【0037】
画像処理回路10で検出位置A 35を検出している場合には、メモリ109に記憶した検出位置B 36の画像と比較して差がある場所を欠陥候補40として抽出し、パターン欠陥11のリストを作成し、全体制御部110に送信する。全体制御部110では欠陥候補記憶部41からのパターン欠陥11の特徴量を受け取り、レシピに登録されているマスク領域42上に有るパターン欠陥11をマスク欠陥43として特徴量にフラグを立てる。必要な領域の検査終了後に、図13に示した欠陥確認画面を表示する。
【0038】
欠陥確認画面は、欠陥の特徴量を表示、分類を編集できる欠陥表示編集部品150、及び現在位置を示す現在位置表示59と分類番号を記号表示したパターン欠陥11をウェーハ31のレイアウト情報とともに表示したマップ表示部55、及び現在の位置の画像を表示した画像表示部56、及びマスク欠陥43の表示/非表示を切り替える表示切替ボタン151、及びすでに説明した各種ボタンで構成されている。マウス動作指示ボタン140を選択モードとし、パターン欠陥11をクリックすることでその画像を画像表示部56、特徴量を欠陥表示編集部品150に表示する。画像と特徴量を基にパターン欠陥11を分類し、欠陥表示編集部品150で分類番号をそのパターン欠陥11の特徴量に付与する。この時、マスク対象にしたい欠陥には特定の分類番号を付与し、マップ上で識別可能なよ
うにしておく。分類終了後に、レシピ作成項目選択ボタンで図14に示したマスク領域の設定画面に遷移させる。また、検査終了ボタンで試し検査初期画面に戻る。
【0039】
マスク領域設定画面は、現在位置を示す現在位置表示59と分類番号を記号表示したパターン欠陥11とマスク領域42をウェーハ31のレイアウト情報とともに表示したマップ表示部55、及び現在の位置の画像を表示した画像表示部56、及びマスク欠陥43の表示/非表示を切り替える表示切替ボタン151、及び新規のマスク領域作成を指示する新規領域ボタン160、及び領域作成の終了を指示する完了ボタン161、及びすでに説明した各種ボタンで構成されている。尚、マップ表示部55はダイ領域全体を表示し、全ダイのパターン欠陥11と現在位置表示59をダイ内の座標で表示している。
【0040】
マウス動作指示ボタン140を移動モードにし、マスクすべき欠陥の分類番号の近傍をクリックすることで、その点に移動し、画像を画像表示部56に表示する。マスクすべき領域と判断した場合には新規作成ボタン160を押し、領域作成モードとし、画像表示領域上で領域の左上と右下をクリックすることで領域を確定する。確定した領域はマップ表示部55上にマスク領域42として表示する。領域作成後、表示切替ボタン151でマスク欠陥43の表示/非表示を切り替え、マスクすべき欠陥が非表示になったことを確認する。必要なマスク領域42が設定されたらレシピ保存ボタン134を押すことでレシピにマスク領域42の情報を保存する。
【0041】
保存終了後に、完了ボタン161で試し検査の欠陥確認画面に戻る。更に、欠陥確認画面の検査終了ボタン144で試し検査初期画面に戻る。再度試し検査の検査ダイを設定し、試し検査を行うこともできる。確認が終了で、レシピ終了ボタン133を押してレシピ作成を終了する。作成終了でウェーハ31をアンロードして元のカセット114に戻す。
【0042】
次に、マスク領域42以外で発生した欠陥をパターン欠陥として検出する検査について説明する。検査は操作画面45に図9で示した開始画面を表示し、ユーザが対象となるウェーハ31の存在する棚番を棚番選択部品130で選択し、レシピ選定部品131で対象となるウェーハ31の品種、工程を指定し、検査開始ボタン330を押すことで検査を開始する。検査はウェーハのロード、アライメント、キャリブレーションを行った後、検査処理を行い、欠陥確認、欠陥出力後、ウェーハをアンロードして終了する。ここでは、本発明に関連のある検査処理と 欠陥確認について説明する。
【0043】
検査開始ボタン330で検査の開始を指示する。検査を開始するとステージ6を移動し、搭載したウェーハ31の検査すべき領域の走査開始位置に移動する。オフセット112に予め測定しておいたウェーハ固有のオフセットを加算して設定し、Zセンサ113を有効にし、図3に示した走査線33に沿ってステージ6をY方向走査し、ステージ走査に同期して偏向器105をX方向に走査し、有効走査時にブランキングプレート104の電圧を切り電子線2をウェーハ31に照射、走査する。ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でストライプ領域34のデジタル画像を得、メモリ109に記憶する。ステージ6の走査終了後Zセンサ113を無効とする。ステージ走査を繰り返すことで必要な領域全面の検査をする。ウェーハ31の全面を検査する場合には図12に示した順で検査する。
【0044】
画像処理回路10で検出位置A 35を検出している場合にはメモリ109に記憶した検出位置B 36の画像と比較し差がある場所を欠陥候補40として抽出し、パターン欠陥11のリストを作成し、全体制御部110に送信する。全体制御部110では欠陥候補記憶部41からのパターン欠陥11の特徴量を受け取り、レシピに登録されているマスク領域42上に有るパターン欠陥11をマスク欠陥43として特徴量にフラグを立てる。必要な領域の検査終了後に図15に示した欠陥確認画面を表示する。
【0045】
欠陥確認画面は、欠陥の特徴量を表示、分類を編集できる欠陥表示編集部品150、及び現在位置を示す現在位置表示59と分類番号を記号表示したパターン欠陥11をウェーハ31のレイアウト情報とともに表示したマップ表示部55、及び現在の位置の画像を表示した画像表示部56、及びマスク欠陥43の表示/非表示を切り替える表示切替ボタン151、及び検査終了を指示する検査終了ボタン144より構成されている。
【0046】
マウス動作指示ボタン140を選択モードとし、パターン欠陥11をクリックすることでその画像を画像表示部56、特徴量を欠陥表示編集部品150に表示する。画像と特徴量を基にパターン欠陥11を分類し、欠陥表示編集部品150で分類番号をそのパターン欠陥11の特徴量に付与する。マスク欠陥43の表示/非表示を切り替える表示切替ボタン151で切り替えることにより、マスク領域42内のパターン欠陥11を非表示にすることができる。検査終了ボタン144により欠陥確認のステップを終了し、分類したパターン欠陥11とその特徴量とを全体制御部内の記憶手段(図示せず)に記憶するとともに、通信回線(図示せず)を介して外部記憶手段(図示せず)や、他の検査または観察手段(何れも図示せず)へ出力して初期画面に戻る。
【0047】
本実施の形態によると、SEM画像を用いてマスク領域42内のパターン欠陥11に惑わされること無くウェーハ全面を検査して真のパターン欠陥57のみを検出し、それらをユーザに提示できる特徴がある。
【0048】
また、本実施の形態によると、マスク領域42内にある欠陥も表示することができるため、例えば、解決すべき課題で示したラフに形成された冗長な電源配線層のような場合であっても、表示に切り替えることにより、ラフさを判定することができる特徴がある。
【0049】
また、本実施の形態によると実際の検査の条件で得られた誤検出をマスクするようにマスク領域42を設定するために必要な場所のみを確実にマスクできる特徴がある。
【0050】
また、本実施の形態によると、マスク領域42を追加することができるため、偶然誤差の小さい対象物で条件を決めた場合であっても、再度マスク領域42を追加設定することで必要な場所を確実にマスクできる。
【0051】
本実施の形態の第1変形はマスク領域の管理、マスクは全体制御を行う計算機システムで構成する代わりに、画像処理機能の一部としてハードウェアで実施する。本変形によると、本質的には同一であるが、一般にハードウェアから出力される欠陥数の制限で検査が制限される。画像処理ハードウェアでマスクをすることによりその制限を取り除くことができる特徴がある。
【0052】
本実施の形態の第2変形はマスク領域の種類は1種類のみで説明したが複数種類のマスク領域を設定することができる。本変形によると、複数種類の要因で発生する誤検出を分別管理することができ、要因別に表示の有り無しを切り替え、各要因がどのように発生しているかを認識でき、そのときの検査にとって必要最低限の誤検出のみを取り除くことができる特徴がある。
【0053】
本実施の形態の第3変形はマスクの設定はマスク領域設定画面でユーザが行うのではなく、検出したくないパターン欠陥58の投影長の2倍程度の大きさの長方形として自動で定義し、近接するマスク領域はマージすることでユーザの介在無しに分類されたパターン欠陥11の情報よりマスク領域を生成する。本変形によると、自動で生成できるのでよりきめこまかい指定ができる。例えば数百箇所に及ぶマスク領域の設定であっても自動設定であれば容易な特徴がある。また、本変形の更なる変形として自動で設定した領域を再定義、編集する構成も考えられる。
【0054】
本実施の形態の第3の変形はマスク領域は電源配線、インプラのマスク等既知のラフパターンは設計情報から得る。本変形によればユーザは入力の手間が省け、全ての誤検出の可能性のあるラフパターンを抜けなく設定できる。
【0055】
本実施の形態の第4の変形はパターン欠陥11を検査装置内に持っているレイアウト情報にオーバラップ表示するのではなく、ネットワークで接続したCAD端末上にオーバラップ表示する。本変形によるとラフパターンなのかファインパターンなのか、どの層の問題なのかを容易に知ることができる特徴がある。
【0056】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を説明する。図16に第2の実施の形態の構成を示す。電子線2を発生させる電子線源1、及び電子線源1からの電子線2を電極で加速して取出し静電又は磁界重畳レンズで一定場所に仮想光源101を作る電子銃102と仮想光源101よりの電子線2を一定場所に収束させるコンデンサレンズ103と電子銃102で収束した位置の近傍に設置し電子線2のON/OFFを制御をするブランキングプレート104と電子線2をXY方向に偏向する偏向器105と電子線2を対象物基板5上に収束させる対物レンズ4よりなる電子光学系106、及び対象物基板であるウェーハ31を真空に保持する試料室107、及びウェーハ31を搭載し任意の位置の画像検出を可能とするリターディング電圧108を印可したステージ6、及び対象物基板5からの二次電子等7を検出する検出器8、及び検出器8で検出した検出信号をA/D変換器しデジタル画像を得るA/D変換器9、及びデジタル画像を記憶しておくメモリ109、及びメモリ109に記憶した記憶画像とA/D変換したデジタル画像を比較して、指定された画像処理領域200毎に画像処理条件201を変更して差がある場所をパターン欠陥11として検出する画像処理回路202、パターン欠陥11の座標、投影長、画像情報等の特徴量203を受け取る全体制御部110(全体制御部110からの制御線は図上では省略)、及びパターン欠陥11の表示と特定のパターン欠陥11の位置の画像表示と画像処理領域200を表示または編集等を行う操作画面45、及び操作を指示するキーボード120とマウス121とつまみ122(いずれも非表示)、及びウェーハ31の高さを測定し対物レンズ4の電流値をオフセット112を加算して制御することで検出されるディジタル画像の焦点位置を一定に保つZセンサ113、及びカセット114内のウェーハ31を試料室107に出し入れするローダ116(図示せず)、及びウェーハ31の外形形状を基準にウェーハ31を位置決めするオリフラ検出器117(図示せず)、及びウェーハ31上のパターンを観察する為の光学式顕微鏡118、及びステージ6上に設けた標準試料片119よりなる。
【0057】
第2の実施の形態の動作を説明する。動作には画像処理領域200とその領域の画像処理条件201を確定させる条件出しと、パターン欠陥11を検出する検査がある。
【0058】
条件出しは操作画面45に図9で示した開始画面を表示し、ユーザが対象となるウェーハ31の存在する棚番を棚番選択部品130で選択し、レシピ選定部品131で対象となるウェーハ31の品種、工程を指定し、レシピ作成開始ボタン132を押すことで条件出しを開始する。条件出しには電子光学系の条件を設定するコントラスト設定、ウェーハ31のパターンレイアウト設定、ウェーハ31のパターンの位置決めをするアライメント、ウェーハ31の信号量を的確に表現する場所で信号量の確認をするキャリブレーション、検査の各条件の設定、及び画像処理領域200とその領域の画像処理条件201を設定するの画像処理領域設定204、試し検査での設定条件の確認がある。ここでは関連するコントラストの設定、画像処理領域設定、試し検査の3点について説明する。
【0059】
開始すると全体制御部110は各部に動作を以下の手順で指示する。ローダ116(図示せず)に指示を出し、ローダ116はウェーハ31をカセット114から取出し、オリフラ検出器117(図示せず)で外形形状を基準にウェーハを位置決めし、ステージ6にウェーハ31を搭載し、試料室107内を真空にする。搭載と共に、電子光学系106とリターディング電圧108の条件を設定し、ブランキングプレート104に電圧を印可して電子線2をOFFする。ステージを標準試料片119に移動し、Zセンサ113有効として焦点をZセンサ113の検出値値+オフセット112の一定に保ち、偏向器105をラスタスキャンし、スキャンに同期してブランキングプレート104の電圧を切り、電子線2を必要なときのみウェーハ31に照射し、その時ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でデジタル画像とする。オフセット112を変更してデジタル画像を複数枚検出し、検出毎に全体制御部110で最も画像の微分値の画像内総和が最高となる最適オフセット111を現在のオフセット値として設定する。
【0060】
設定後Zセンサ113を無効にし、画面を図10で示したコントラスト調整画面に遷移する。コントラスト調整画面はマップ表示とウェーハ全体又はダイ全体等とマップの表示方法を制御するボタンとマウス(図には非表示)で選択した時そこに移動する又そこの項目を選択するという動作を指示するマウス動作指示ボタン140を備えたマップ表示部55、及び画像を表示する部分と画像の倍率と光顕118での光顕画像又は電子光学系106でのSEM画像と画像の種類を指定する画像切替ボタン141を備えた画像表示部56、及びレシピ作成項目選択ボタン142、及びレシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134より構成される。コントラスト調整画面ではマウス動作指示ボタン140を移動モードにし、マウス121クリックでマップ上を移動し、その場所の画像を画像表示部に表示する。つまみ122に電子光学系調整項目を割り当て、電子光学系106の各部を調整して適切なコントラストを得る。レシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134、及びレシピ作成項目選択ボタン142はそれぞれレシピ作成の終了、及びレシピ条件の保存、及び別の条件の設定と画面遷移を指示するボタンで全画面共通である。レシピ作成項目選択ボタン142を試し検査に切り替えることで図11に示す試し検査開始画面に遷移する。
【0061】
試し検査開始画面はマップ表示部55、及びレシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134、及びレシピ作成項目選択ボタン142、及び検査開始ボタン143、及び検査終了ボタン144より構成される。マウス動作選択ボタン140は選択モードにしてある。ユーザがマップ表示部のダイをクリックすることで試しに検査の対象となるダイの選択/非選択を切り替え、検査対象とするダイを選択する。検査対象のダイを選定後、検査開始ボタン143で試し検査の開始を指示する。試し検査を開始するとステージ6を移動し、搭載したウェーハ31の検査すべき領域の走査開始位置に移動する。
オフセット112に予め測定しておいたウェーハ固有のオフセットを加算して設定し、Zセンサ113を有効にし、図3に示した走査線33に沿ってステージ6をY方向走査し、ステージ走査に同期して偏向器105をX方向に走査し、有効走査時にブランキングプレート104の電圧を切り電子線2をウェーハ31に照射、走査する。ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でストライプ領域34のデジタル画像を得、メモリ109に記憶する。ステージ6の走査終了後Zセンサ113を無効とする。ステージ走査を繰り返すことで必要な領域全面の検査をする。ウェーハ31の全面を検査する場合には図12に示した順で検査する。
【0062】
画像処理回路200で検出位置A 35を検出している場合にはメモリ109に記憶した検出位置B 36の画像と比較し差がある場所をパターン欠陥11として抽出し、パターン欠陥11のリストを作成し、全体制御部110に送信する。必要な領域の検査終了後に図13に示した欠陥確認画面を表示する。
【0063】
欠陥確認画面は、欠陥の特徴量を表示、分類を編集できる欠陥表示編集部品150、及び現在位置を示す現在位置表示59と分類番号を記号表示したパターン欠陥11をウェーハ31のレイアウト情報とともに表示したマップ表示部55、及び現在の位置の画像を表示した画像表示部56、及びマスク欠陥43の表示/非表示を切り替える表示切替ボタン151、及びすでに説明した各種ボタンで構成されている。
【0064】
マウス動作指示ボタン140を選択モードとし、パターン欠陥11をクリックすることでその画像を画像表示部56、特徴量を欠陥表示編集部品150に表示する。画像と特徴量を基にパターン欠陥11を分類し、欠陥表示編集部品150で分類番号をそのパターン欠陥11の特徴量に付与する。この時、マスク対象にしたい欠陥には特定の分類番号を付与し、マップ上で識別可能なようにしておく。分類終了後に、レシピ作成項目選択ボタンで図17に示した画像処理領域設定画面に遷移させる。また、検査終了ボタンで試し検査初期画面に戻る。
【0065】
画像処理領域設定画面205は、現在位置を示す現在位置表示59と分類番号を記号表示したパターン欠陥11と画像処理領域200をウェーハ31のレイアウト情報とともに表示したマップ表示部55、及び現在の位置の画像を表示した画像表示部56、及びパターン欠陥11の特徴量203の画像データを用いて欠陥再表示ボタン207、及び新規のマスク領域作成を指示する新規領域ボタン160、及び領域作成の終了を指示する完了ボタン161、及びすでに説明した各種ボタンで構成されている。尚、マップ表示部55はダイ領域全体を表示し、全ダイのパターン欠陥11と現在位置表示59をダイ内の座標で表示している。マウス動作指示ボタン140を移動モードにし、画像処理条件を201を変更すべき欠陥の分類番号の近傍をクリックすることで、その点に移動し、画像を画像表示部56に表示する。
【0066】
画像処理条件201を変更すべき領域と判断した場合には新規作成ボタン160を押し、領域作成モードとし、画像表示領域上で領域の左上と右下をクリックすることで領域を確定し、その領域の画像処理条件番号206を分類番号に一致させる。画像処理条件番号206に一致する分類番号のパターン欠陥11の特徴量203の中の画像情報を参照し、画像処理回路を用いる、又は全体制御部内の計算機上のソフトウェアにて全てを欠陥として検出しないようにその画像処理条件番号206の画像処理条件201を設定する。必要に応じて手動で条件を調整する。また、検査時に画像処理条件201を適用するかどうかを特殊条件有効/無効ボタン208で指定する。確定した領域はマップ表示部55上に画像処理条件番号206とともに画像処理領域200として表示する。領域作成後、欠陥再表示ボタン207で各画像処理領域200に属するパターン欠陥11が非表示になったことを確認する。必要な画像処理領域200が設定されたらレシピ保存ボタン134を押すことでレシピに画像処理領域200、領域に対応した画像処理条件番号206、画像処理番号毎の画像処理条件201の情報を保存する。
【0067】
保存終了後に完了ボタン161で試し検査の欠陥確認画面に戻る。更に、欠陥確認画面の検査終了ボタン144で試し検査初期画面に戻る。再度試し検査の検査ダイを設定し、試し検査を行うこともできる。確認が終了で、レシピ終了ボタン133を押してレシピ作成を終了する。作成終了でウェーハ31をアンロードして元のカセット114に戻す。
【0068】
次に、検査について説明する。検査は操作画面45に図9で示した開始画面を表示し、ユーザが対象となるウェーハ31の存在する棚番を棚番選択部品130で選択し、レシピ選定部品131で対象となるウェーハ31の品種、工程を指定し、検査開始ボタン330を押すことで検査を開始する。検査はウェーハのロード、アライメント、キャリブレーションを行った後、検査処理を行い、欠陥確認、欠陥出力後、ウェーハをアンロードして終了する。ここでは、本発明に関連のある検査処理と 欠陥確認について説明する。
【0069】
検査開始ボタン330で検査の開始を指示する。検査を開始するとステージ6を移動し、搭載したウェーハ31の検査すべき領域の走査開始位置に移動する。オフセット112に予め測定しておいたウェーハ固有のオフセットを加算して設定し、Zセンサ113を有効にし、図3に示した走査線33に沿ってステージ6をY方向走査し、ステージ走査に同期して偏向器105をX方向に走査し、有効走査時にブランキングプレート104の電圧を切り電子線2をウェーハ31に照射、走査する。ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でストライプ領域34のデジタル画像を得、メモリ109に記憶する。ステージ6の走査終了後Zセンサ113を無効とする。ステージ走査を繰り返すことで必要な領域全面の検査をする。ウェーハ31の全面を検査する場合には図12に示した順で検査する。
【0070】
画像処理回路202で検出位置A 35を検出している場合にはメモリ109に記憶した検出位置B 36の画像と比較し差がある場所をパターン欠陥11として抽出し、パターン欠陥11のリストを作成し、全体制御部110に送信する。必要な領域の検査終了後に図15に示した欠陥確認画面を表示する。
【0071】
欠陥確認画面は、欠陥の特徴量を表示、分類を編集できる欠陥表示編集部品150、及び現在位置を示す現在位置表示59と分類番号を記号表示したパターン欠陥11をウェーハ31のレイアウト情報とともに表示したマップ表示部55、及び現在の位置の画像を表示した画像表示部56、及びマスク欠陥43の表示/非表示を切り替える表示切替ボタン151、及び検査終了を指示する検査終了ボタン144より構成されている。マウス動作指示ボタン140を選択モードとし、パターン欠陥11をクリックすることでその画像を画像表示部56、特徴量を欠陥表示編集部品150に表示する。画像と特徴量を基にパターン欠陥11を分類し、欠陥表示編集部品150で分類番号をそのパターン欠陥11の特徴量に付与する。
【0072】
画像処理領域200での画像処理条件201の表示有効/無効を切り替える表示切替ボタン209で画像処理領域200内のパターン欠陥11について画像処理条件201を適用した場合としない場合の表示を切り替えることができる。但し、検査時に画像処理条件201を適用するかどうかを特殊条件有効/無効ボタン208で有効とした領域については検査時に既に適用されているため表示状態に変化は無い。検査終了ボタン144により欠陥確認のステップを終了し、分類したパターン欠陥11とその特徴量とを全体制御部内の記憶手段(図示せず)に記憶するとともに、通信回線(図示せず)を介して外部記憶手段(図示せず)や、他の検査または観察手段(何れも図示せず)へ出力して初期画面に戻る。
【0073】
本実施の形態によると、SEM画像を用いて画像処理領域200内のパターン欠陥11に惑わされること無くウェーハ全面を検査して真のパターン欠陥57のみを検出し、それらをユーザに提示できる特徴がある。
【0074】
また、本実施の形態によると、画像処理領域200内にある欠陥も表示することができるため、例えば、解決すべき課題で示したラフに形成された冗長な電源配線層のような場合であっても、表示に切り替えることにより、ラフさを判定することができる特徴がある。
【0075】
また、本実施の形態によると実際の検査の条件で得られた誤検出を誤検出しないように画像処理条件を設定するために必要な場所のみの閾値を確実に設定できる特徴がある。
【0076】
また、本実施の形態によると、画像処理領域200を追加することができるため、偶然誤差の小さい対象物で条件を決めた場合であっても、画像処理領域200を追加設定することで必要な場所の画像処理条件を確実に設定できる。
【0077】
また、本実施の形態によると、画像処理領域200のパターン欠陥11を完全に消すのではなく、画像処理条件201を変更するため、明らかな欠陥については検査を可能としながら必要な場所のみの誤検出を防止するように画像処理条件を設定できる。
【0078】
また、本実施の形態によると、検査時に画像処理条件201をしないように特殊条件有効/無効ボタン208で指定した場合には、画像処理領域200とその画像処理条件201を変更できるため、製造プロセスが変動し適切な画像処理条件が変動した場合であっても再度画像処理条件201を変更するのみで既に取得した特徴量203より再度検査が可能である。
【0079】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態を説明する。
図18に第3の実施の形態の構成を示す。電子線2を発生させる電子線源1、及び電子線源1からの電子線2を電極で加速して取出し静電又は磁界重畳レンズで一定場所に仮想光源101を作る電子銃102と仮想光源101よりの電子線2を一定場所に収束させるコンデンサレンズ103と電子銃102で収束した位置の近傍に設置し電子線2のON/OFFを制御をするブランキングプレート104と電子線2をXY方向に偏向する偏向器105と電子線2を対象物基板5上に収束させる対物レンズ4よりなる電子光学系106、及び対象物基板であるウェーハ31を真空に保持する試料室107、及びウェーハ31を搭載し任意の位置の画像検出を可能とするリターディング電圧108を印可したステージ6、及び対象物基板5からの二次電子等7を検出する検出器8、及び検出器8で検出した検出信号をA/D変換器しデジタル画像を得るA/D変換器9、及びデジタル画像を記憶しておくメモリ109、及びメモリ109に記憶した記憶画像とA/D変換したデジタル画像を比較して、差がある場所を欠陥候補40として検出する画像処理回路10、欠陥候補40の座標、投影長、画像情報等の特徴量203を記憶しておく欠陥候補記憶部41、及び欠陥候補40の特徴量203を受け取り、予め指定された指定特徴量250に一致する欠陥候補40であるかどうかを判定する特徴量確認部251、及び特徴量確認部251で一致すると判定された欠陥候補40について特徴量毎に指定された画像処理条件201で欠陥判定を行い、パターン欠陥11を判定する詳細画像処理部252、及び詳細画像処理部252よりのパターン欠陥11を受け取る全体制御部110(全体制御部110からの制御線は図上では省略)、及びパターン欠陥11の表示と特定のパターン欠陥11の位置の画像表示と画像処理領域200を表示または編集等を行う操作画面45、及び操作を指示するキーボード120とマウス121とつまみ122(いずれも非表示)、及びウェーハ31の高さを測定し対物レンズ4の電流値をオフセット112を加算して制御することで検出されるディジタル画像の焦点位置を一定に保つZセンサ113、及びカセット114内のウェーハ31を試料室107に出し入れするローダ116(図示せず)、及びウェーハ31の外形形状を基準にウェーハ31を位置決めするオリフラ検出器117(図示せず)、及びウェーハ31上のパターンを観察する為の光学式顕微鏡118、及びステージ6上に設けた標準試料片119よりなる。
【0080】
第3の実施の形態の動作を説明する。動作には指定特徴量250とその特徴量に対する画像処理条件201を確定させる条件出しと、パターン欠陥11を検出する検査がある。
【0081】
条件出しは操作画面45に図9で示した開始画面を表示し、ユーザが対象となるウェーハ31の存在する棚番を棚番選択部品130で選択し、レシピ選定部品131で対象となるウェーハ31の品種、工程を指定し、レシピ作成開始ボタン132を押すことで条件出しを開始する。条件出しには電子光学系の条件を設定するコントラスト設定、ウェーハ31のパターンレイアウト設定、ウェーハ31のパターンの位置決めをするアライメント、ウェーハ31の信号量を的確に表現する場所で信号量の確認をするキャリブレーション、検査の各条件の設定、及び指定特徴量250とその画像処理条件201を設定するの画像処理特徴量設定253、試し検査での設定条件の確認がある。ここでは関連するコントラストの設定、画像処理特徴量設定、試し検査の3点について説明する。
【0082】
開始すると全体制御部110は、各部に動作を以下の手順で指示する。ローダ116(図示せず)に指示を出し、ローダ116はウェーハ31をカセット114から取出し、オリフラ検出器117(図示せず)で外形形状を基準にウェーハを位置決めし、ステージ6にウェーハ31を搭載し、試料室107内を真空にする。搭載と共に、電子光学系106とリターディング電圧108の条件を設定し、ブランキングプレート104に電圧を印可して電子線2をOFFする。ステージを標準試料片119に移動し、Zセンサ113有効として焦点をZセンサ113の検出値値+オフセット112の一定に保ち、偏向器105をラスタスキャンし、スキャンに同期してブランキングプレート104の電圧を切り、電子線2を必要なときのみウェーハ31に照射し、その時ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でデジタル画像とする。
【0083】
オフセット112を変更してデジタル画像を複数枚検出し、検出毎に全体制御部110で最も画像の微分値の画像内総和が最高となる最適オフセット111を、現在のオフセット値として設定する。設定後Zセンサ113を無効にし、画面を図10で示したコントラスト調整画面に遷移する。コントラスト調整画面はマップ表示とウェーハ全体又はダイ全体等とマップの表示方法を制御するボタンとマウス(図には非表示)で選択した時そこに移動する又そこの項目を選択するという動作を指示するマウス動作指示ボタン140を備えたマップ表示部55、及び画像を表示する部分と画像の倍率と光顕118での光顕画像又は電子光学系106でのSEM画像と画像の種類を指定する画像切替ボタン141を備えた画像表示部56、及びレシピ作成項目選択ボタン142、及びレシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134より構成される。
【0084】
コントラスト調整画面ではマウス動作指示ボタン140を移動モードにし、マウス121クリックでマップ上を移動し、その場所の画像を画像表示部に表示する。つまみ122に電子光学系調整項目を割り当て、電子光学系106の各部を調整して適切なコントラストを得る。レシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134、及びレシピ作成項目選択ボタン142はそれぞれレシピ作成の終了、及びレシピ条件の保存、及び別の条件の設定と画面遷移を指示するボタンで全画面共通である。レシピ作成項目選択ボタン142を試し検査に切り替えることで図11に示す試し検査開始画面に遷移する。
【0085】
試し検査開始画面はマップ表示部55、及びレシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134、及びレシピ作成項目選択ボタン142、及び検査開始ボタン143、及び検査終了ボタン144より構成される。マウス動作選択ボタン140は選択モードにしてある。ユーザがマップ表示部のダイをクリックすることで試しに検査の対象となるダイの選択/非選択を切り替え、検査対象とするダイを選択する。検査対象のダイを選定後、検査開始ボタン143で試し検査の開始を指示する。試し検査を開始するとステージ6を移動し、搭載したウェーハ31の検査すべき領域の走査開始位置に移動する。オフセット112に予め測定しておいたウェーハ固有のオフセットを加算して設定し、Zセンサ113を有効にし、図3に示した走査線33に沿ってステージ6をY方向走査し、ステージ走査に同期して偏向器105をX方向に走査し、有効走査時にブランキングプレート104の電圧を切り電子線2をウェーハ31に照射、走査する。ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でストライプ領域34のデジタル画像を得、メモリ109に記憶する。ステージ6の走査終了後Zセンサ113を無効とする。ステージ走査を繰り返すことで必要な領域全面の検査をする。ウェーハ31の全面を検査する場合には図12に示した順で検査する。
【0086】
画像処理回路10で検出位置A 35を検出している場合にはメモリ109に記憶した検出位置B 36の画像と比較し差がある場所を欠陥候補40として抽出し、欠陥候補40の特徴量203を欠陥候補記憶部41に記憶する。同時に、欠陥候補40が指定特徴量250を持っているかどうかを指定特徴量確認部251で確認し、指定特徴量を持っている欠陥候補40を詳細画像処理部252に送る。詳細画像処理部252では指定特徴量毎に設定された画像処理条件201で画像処理してパターン欠陥11であるかどうかを判定する。パターン欠陥11である場合にはその欠陥候補記憶部41内の識別番号253を全体制御部110に送信する。必要な領域の検査終了後に図19に示した欠陥確認画面を表示する。
【0087】
欠陥確認画面は、欠陥の特徴量を表示、分類を編集できる欠陥表示編集部品150、及び現在位置を示す現在位置表示59と分類番号を記号表示したパターン欠陥11をウェーハ31のレイアウト情報とともに表示したマップ表示部55、及び現在の位置の画像を表示した画像表示部56、及び実画像とメモリ画像表示を切り替える実/メモリ画像切替ボタン255、及びすでに説明した各種ボタンで構成されている。マウス動作指示ボタン140を選択モードとし、パターン欠陥11をクリックすることで実/メモリ画像切替ボタン255で実画像が選択されている場合にはそのパターン欠陥11の座標に移動して画像を取得し、メモリ画像が選択されている場合にはそのパターン欠陥11の画像情報を画像表示部56に表示し、特徴量を欠陥表示編集部品150に表示する。画像と特徴量を基にパターン欠陥11を分類し、欠陥表示編集部品150で分類番号をそのパターン欠陥11の特徴量に付与する。この時、検出したくない欠陥58については特定の分類番号を付与し、マップ上で識別可能なようにしておく。分類終了後に、レシピ作成項目選択ボタンで図20に示した画像処理特徴量設定画面に遷移させる。また、検査終了ボタンで試し検査初期画面に戻る。
【0088】
画像処理特徴量設定画面260は、着目する着目分類番号261を指定する分類番号指定部品262、及び着目分類番号261を持つ欠陥を順次選択する欠陥選択部品263、及び選択された欠陥の特徴量とその選択基準である指定特徴量250を指定する特徴量指定部品264、及びマップ表示部55、及び欠陥部の画像を表示する画像表示部56、及び特徴量指定部品264で選択された画像に対して適用する画像処理条件201を決める画像処理条件番号207を設定する画像処理条件設定部品265、及び欠陥候補部41の画像に対して評価画像処理部252でパターン欠陥11であるかどうかを判定し、マップ表示部55に結果を表示させる欠陥再表示ボタン207、及び指定特徴量250と対応する画像処理条件番号207の新規作成を指示する新規特徴量作成ボタン266、及び作成の終了を指示する完了ボタン161、及びすでに説明した各種ボタンで構成されている。レシピ保存ボタン134を押すことでレシピに情報を保存する。
【0089】
保存終了後に完了ボタン161で試し検査の欠陥確認画面に戻る。更に、欠陥確認画面の検査終了ボタン144で試し検査初期画面に戻る。再度試し検査の検査ダイを設定し、試し検査を行うこともできる。確認が終了で、レシピ終了ボタン133を押してレシピ作成を終了する。作成終了でウェーハ31をアンロードして元のカセット114に戻す。
【0090】
次に、検査について説明する。検査は操作画面45に図9で示した開始画面を表示し、ユーザが対象となるウェーハ31の存在する棚番を棚番選択部品130で選択し、レシピ選定部品131で対象となるウェーハ31の品種、工程を指定し、検査開始ボタン330を押すことで検査を開始する。検査はウェーハのロード、アライメント、キャリブレーションを行った後、検査処理を行い、欠陥確認、欠陥出力後、ウェーハをアンロードして終了する。ここでは、本発明に関連のある検査処理と 欠陥確認について説明する。
【0091】
検査開始ボタン330で検査の開始を指示する。検査を開始するとステージ6を移動し、搭載したウェーハ31の検査すべき領域の走査開始位置に移動する。オフセット112に予め測定しておいたウェーハ固有のオフセットを加算して設定し、Zセンサ113を有効にし、図3に示した走査線33に沿ってステージ6をY方向走査し、ステージ走査に同期して偏向器105をX方向に走査し、有効走査時にブランキングプレート104の電圧を切り電子線2をウェーハ31に照射、走査する。ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でストライプ領域34のデジタル画像を得、メモリ109に記憶する。ステージ6の走査終了後Zセンサ113を無効とする。ステージ走査を繰り返すことで必要な領域全面の検査をする。ウェーハ31の全面を検査する場合には図12に示した順で検査する。
【0092】
画像処理回路202で検出位置A 35を検出している場合にはメモリ109に記憶した検出位置B 36の画像と比較し差がある場所を欠陥候補40として抽出し、欠陥候補記憶部41に記憶するとともに、指定特徴量に一致する欠陥候補を特徴量確認部251で選定し、指定特徴量に対応する画像処理条件番号207で決まる画像処理条件201を用いて詳細画像処理部252でパターン欠陥11かどうかを判断し、パターン欠陥11のリストを作成し、全体制御部110に送信する。必要な領域の検査終了後に図15に示した欠陥確認画面を表示する。
【0093】
欠陥確認画面は、欠陥の特徴量を表示、分類を編集できる欠陥表示編集部品150、及び現在位置を示す現在位置表示59と分類番号を記号表示したパターン欠陥11をウェーハ31のレイアウト情報とともに表示したマップ表示部55、及び現在の位置の画像を表示した画像表示部56、及びパターン欠陥11以外に欠陥候補41を表示するかどうかの表示/非表示を切り替える表示切替ボタン151、及び検査終了を指示する検査終了ボタン144より構成されている。マウス動作指示ボタン140を選択モードとし、パターン欠陥11をクリックすることでその画像を画像表示部56、特徴量を欠陥表示編集部品150に表示する。画像と特徴量を基にパターン欠陥11を分類し、欠陥表示編集部品150で分類番号をそのパターン欠陥11の特徴量に付与する。画像処理領域200での画像処理条件201の表示有効/無効を切り替える表示切替ボタン209で画像処理領域200内のパターン欠陥11について画像処理条件201を適用した場合としない場合の表示を切り替えることができる。但し、検査時に画像処理条件201を適用するかどうかを特殊条件有効/無効ボタン208で有効とした領域については検査時に既に適用されているため表示状態に変化は無い。検査終了ボタン144により欠陥確認のステップを終了し、分類したパターン欠陥11とその特徴量とを全体制御部内の記憶手段(図示せず)に記憶するとともに、通信回線(図示せず)を介して外部記憶手段(図示せず)や、他の検査または観察手段(何れも図示せず)へ出力して初期画面に戻る。
【0094】
本実施の形態によると、SEM画像を用いてウェーハ全面を検査して真のパターン欠陥57のみを検出し、それらをユーザに提示できる特徴がある。
【0095】
また、本実施の形態によると、例えば、解決すべき課題で示したラフに形成された冗長な電源配線層やパターンエッジのような場合であっても、表示に切り替えることにより、ラフさを判定することができる特徴がある。
【0096】
また、本実施の形態によると実際の検査の条件で得られた誤検出を誤検出しないように画像処理条件を設定するために必要な場所のみの閾値を確実に設定できる特徴がある。
【0097】
また、本実施の形態によると、画像処理領域200のパターン欠陥11を完全に消すのではなく、画像処理条件201を変更するため、明らかな欠陥については検査を可能としながら必要な誤検出を防止するように画像処理条件を設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】従来の電子線式パターン検査装置の概略構成を示す正面図である。
【図2】従来の光学式パターン検査装置の概略構成を示す正面図である。
【図3】ウェーハのレイアウトを示すウェハの平面図である。
【図4】本発明の第1の解決手段の構成を示す電子線式パターン検査装置の正面図である。
【図5】本発明の第1の解決手段の作用を説明するウェハの平面図である。
【図6】欠陥確認画面を説明する表示画面の正面図である。
【図7】マスク領域設定画面を説明する表示画面の正面図である。
【図8】第1の実施の形態の構成を示す電子線式パターン検査装置の正面図である。
【図9】第1の実施の形態の開始画面を示す表示画面の正面図である。
【図10】第1の実施の形態のレシピ作成のコントラスト設定画面を示す表示画面の正面図である。
【図11】第1の実施の形態のレシピ作成の試し検査初期画面を示す表示画面の正面図である。
【図12】第1の実施の形態の走査順を示すウェハの平面図である。
【図13】第1の実施の形態のレシピ作成の試し検査の欠陥確認画面を示す表示画面の正面図である。
【図14】第1の実施の形態のレシピ作成のマスク領域設定画面を示す表示画面の正面図である。
【図15】第1の実施の形態の検査の欠陥確認画面を示す表示画面の正面図である。
【図16】第2の実施の形態の電子線式パターン検査装置の正面図である。
【図17】第2の実施の形態の構成を示すレシピ作成の画像処理領域設定画面を示す表示画面の正面図である。
【図18】第3の実施の形態の構成を示す電子線式パターン検査装置の正面図である。
【図19】第3の実施の形態のレシピ作成の欠陥確認画面を示す表示画面の正面図である。
【図20】第3の実施の形態のレシピ作成の画像処理特徴量設定画面を示す表示画面の正面図である。
【符号の説明】
【0099】
1・・電子線源 2・・電子線 3・・偏向器 4・・対物レンズ 5・・対象物基板 6・・ステージ 7・・二次電子等 8・・検出器 9・・A/D変換器 10・・画像処理回路 11・・パターン欠陥候補 21・・光源 22・・対物レンズ 23・・イメージセンサ 24・・検出画像 25・・メモリ
27・・記憶画像 31・・ウェーハ 32・・ダイ 33・・走査線 40・・欠陥候補 41・・欠陥候補記憶部 42・・マスク領域 43・・マスク欠陥 44・・マスク設定部 45・・操作画面 55・・マップ表示部 56・・画像表示部 57・・真の欠陥 101・・仮想光源 102・・電子銃 106・・電子光学系 107・・試料室 108・・リターディング電圧 110・・全体制御部 113・・Zセンサ 118・・光学式顕微鏡 119・・標準試料片 120・・キーボード 130・・棚番選択部品 131・・レシピ選定部品 132・・レシピ作成開始部品 133・・レシピ作成終了ボタン 134・・レシピ保存ボタン 141・・画像切替ボタン 142・・レシピ作成項目選択ボタン 143・・検査開始ボタン 144・・検査終了ボタン 150・・欠陥表示編集部品 151・・表示切替ボタン 160・・新領域作成ボタン 161・・完了ボタン 200・・画像処理領域 201・・画像処理条件 205・・画像処理領域設定画面 207・・欠陥再表示ボタン 208・・特殊条件有効/無効ボタン 250・・指定特徴量 251・・特徴量確認部 252・・詳細画像処理部 255・・実/メモリ画像切り替えボタン 260・・画像処理特徴量設定画面 261・・着目分類番号 264・・特徴量指定部品 265・・画像処理条件設定部品 266・・新規特徴量作成ボタン 330・・検査開始ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物基板を撮像して該対象物基板のディジタル画像を得、該得たディジタル画像から欠陥を検出し、該検出した欠陥の情報を画面上に表示する検査方法であって、前記検出した欠陥に関する情報を出力する際に、該検出した欠陥のうち予め登録した領域の内部に存在する欠陥に関する情報、または、予め登録した形状と一致するパターンまたは予め登録した特徴量と一致するパターンの欠陥に関する情報を、他の欠陥に関する情報と区別して出力することを特徴とするパターン検査方法。
【請求項2】
前記他の欠陥の前記対象物基板の位置情報を、該他の欠陥の画像とともに画面上に表示することを特徴とする請求項1記載のパターン検査方法。
【請求項3】
対象物基板を撮像して該対象物基板のディジタル画像を得る撮像手段と、該撮像手段で撮像して得たディジタル画像から欠陥候補を検出する欠陥候補検出手段と、該欠陥候補検出手段で検出した欠陥候補の中から欠陥を抽出して該抽出した欠陥の情報を画面上に表示する欠陥抽出手段とを備えた検査装置であって、前記欠陥抽出手段は、前記欠陥候補検出手段で検出した欠陥候補のうち該欠陥抽出手段に予め登録した特徴に一致する特徴を有する欠陥を除いて画面上に表示するか、又は前記検出した欠陥候補のうち前記欠陥抽出手段に予め登録した特徴に一致する特徴を有する欠陥を他の欠陥と識別可能なように表示することを特徴とするパターン検査装置。
【請求項4】
前記欠陥抽出手段は、欠陥の画像と該欠陥の前記対象物基板上の位置情報とを画面上に表示することを特徴とする請求項3記載のパターン検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2009−53197(P2009−53197A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−234197(P2008−234197)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【分割の表示】特願2000−347443(P2000−347443)の分割
【原出願日】平成12年11月9日(2000.11.9)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】