説明

パターン画像表示装置およびパターン画像表示方法

【課題】コントラストの高いパターン画像の表示を低コストにて実現する。
【解決手段】パターン画像表示装置の画像取得部13は、光照射部131、ラインセンサ132、角度変更機構、および、表示対象であるガラス基板9を移動する移動機構を備える。光照射部131からは、ガラス基板9の薄膜パターンに対して透過性を有する波長の光が出射される。光照射部131からの光の照射角θ1およびラインセンサ132により撮像が行われる検出角θ2は、常に同じであり、これらの角度は角度変更機構により変更される。パターン画像表示装置では、予め画像のコントラストが高くなる照射角および検出角の設定角度が求められ、照射角および検出角が設定角度とされる。これにより、単一波長の光源を用いてコントラストの高い画像をラインセンサ132により取得し、ディスプレイに表示することができ、パターン画像表示装置の製造コストも削減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材上に形成された薄膜パターンの画像を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、様々な分野において、フィルム状または板状の基材上に形成されたパターンの検査が行われている。例えば、特許文献1に開示されるパターン検査装置では、樹脂フィルム上に形成された配線パターンの検査が行われる。パターン検査装置では、光源に波長500nm以上の光のみを放射するLED(Light Emitting Diode)が用いられることにより、コントラストの良い画像が得られる。
【0003】
なお、特許文献2に開示される膜厚測定装置では、半導体レーザから透明ポリエステルフィルムに光が照射され、シリコンフォトダイオードにて正反射光強度が検出される。半導体レーザおよびシリコンフォトダイオードは、ステッピングモータにより、0°から90°の範囲内で移動し、光入射角が変更される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−112845号公報
【特許文献2】特開2004−101505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、様々な電子機器にFPD(Flat Panel Display)が設けられる。このような表示装置の製造において透明電極等の透明なパターンの外観を観察する場合、例えば、ガラス基板に光を照射し、反射光を受光することによりパターンの画像が取得および表示される。
【0006】
パターン画像の取得では、光源にランプやLED、LD(Laser Diode)等が使用され、観察対象における光干渉によりパターンと背景との間に明るさの差、すなわち、コントラストが生じる。光干渉を利用してパターンの画像を取得する場合、パターンやその上に存在する薄膜の厚さおよび光学定数等の影響により、コントラストの良い画像が取得可能な波長が変化する。したがって、光源としてランプおよび複数の干渉フィルタを切り替える機構が設けられたり、複数の波長を出射する複数のLEDが設けられる。このような手法を採用する場合、光源が大掛かりとなり、装置の製造コストが増大する。
【0007】
また、複数の波長の光を用いる場合、光学系における色消しや収差補正を多波長に対して実現する必要があり、光学系の設計および製作の難易度が上がり、光量の増加が必要となったり、光学系の製造コストが増大する。加えて、例えば、観察対象が感光性のレジストを含む場合、短い波長域の光を照射することができず、理想的な波長の光を使用してパターンを観察することができない場合がある。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、パターンの観察において、コントラストの高いパターン画像の表示を低コストにて実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、基材上に形成された薄膜パターンの画像を表示するパターン画像表示装置であって、前記薄膜パターンに対して透過性を有する波長の光を出射する光照射部と、前記光が照射される線状の撮像領域からの光を受光するラインセンサと、前記基材を前記撮像領域と交差する方向に前記撮像領域に対して相対的に移動する移動機構と、前記光照射部から前記撮像領域に至る光軸と前記基材の法線とのなす照射角と、前記撮像領域から前記ラインセンサに至る光軸と前記法線とのなす検出角とを等しく維持しつつ前記照射角および前記検出角を変更する角度変更機構と、前記ラインセンサからの出力に基づいて前記薄膜パターンの画像を表示する表示部とを備える。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパターン画像表示装置であって、前記照射角および前記検出角と、前記薄膜パターンと背景との間のコントラストとの関係を示すプロファイルを取得するプロファイル取得部と、前記プロファイルから前記照射角および前記検出角の設定角度を求める角度決定部とをさらに備える。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のパターン画像表示装置であって、前記基材上における表示対象位置の入力を受け付ける入力受付部と、 前記表示対象位置が前記撮像領域を通過するように、前記移動機構により前記基材を前記撮像領域に対して相対的に移動する制御部とをさらに備える。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載のパターン画像表示装置であって、複数の受光素子が2次元に配列され、前記基材の補助画像を取得する補助撮像部と、前記移動機構を制御する制御部とをさらに備え、前記補助画像が前記表示部に表示され、前記補助画像が示す前記基材上の位置が前記撮像領域を通過するように、前記制御部が、前記移動機構により前記基材を前記撮像領域に対して相対的に移動する。
【0013】
請求項5に記載の発明は、基材上に形成された薄膜パターンの画像を表示するパターン画像表示方法であって、前記薄膜パターンに対して透過性を有する波長の光を出射する光照射部から線状の撮像領域に至る光軸と前記基材の法線とのなす照射角の設定角度を求める工程と、前記照射角を前記設定角度に設定し、前記撮像領域からラインセンサに至る光軸と前記法線とのなす検出角も前記設定角度に設定する工程と、前記基材を前記撮像領域と交差する方向に前記撮像領域に対して相対的に移動する工程と、前記ラインセンサからの出力に基づいて前記薄膜パターンの画像を表示部に表示する工程とを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コントラストの高いパターン画像の表示を低コストにて実現することができる。また、請求項3および4の発明では、基材上における所望の位置の画像を容易に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施の形態に係るパターン画像表示装置の概略構成を示す図である。
【図2】画像取得部の正面図である。
【図3】画像取得部の平面図である。
【図4】画像取得部の背面図である。
【図5】パターン画像表示装置の機能構成を示すブロック図である。
【図6】パターン画像表示装置の動作の流れを示す図である。
【図7】プロファイルの例を示す図である。
【図8】ガラス基板上の複数の矩形領域を示す図である。
【図9】プロファイルの例を示す図である。
【図10】画像取得部の他の例を示す正面図である。
【図11.A】プロファイルの例を示す図である。
【図11.B】プロファイルの例を示す図である。
【図11.C】プロファイルの例を示す図である。
【図12.A】プロファイルの例を示す図である。
【図12.B】プロファイルの例を示す図である。
【図12.C】プロファイルの例を示す図である。
【図12.D】プロファイルの例を示す図である。
【図13】第2の実施の形態に係るパターン画像表示装置の機能構成の一部を示す図である。
【図14】パターン画像表示装置の動作の流れの一部を示す図である。
【図15】第3の実施の形態に係るパターン画像表示装置を示す図である。
【図16】画像取得部の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るパターン画像表示装置1の概略構成を示す図である。パターン画像表示装置1は、基材上に形成された多層の薄膜パターンの画像であるパターン画像を取得して表示する。図1では、基材はガラスの基板である。薄膜パターンは、例えば、透明電極膜であり、本実施の形態では、基材および薄膜パターンは、透明膜により覆われる。実際には、基材上に反射防止膜等の他の層も設けられる。以下の説明では、薄膜パターンを単に「パターン」と呼ぶ。基材および基材上の膜をまとめて「ガラス基板9」または「表示対象」と呼ぶ。ガラス基板9は、静電容量型のタッチパネルの製造に用いられる。
【0017】
パターン画像表示装置1は、ガラス基板9を移動する移動機構11と、膜厚計12と、画像取得部13と、補助撮像部14と、コンピュータ3とを備える。移動機構11は、ガラス基板9を上面上に保持するステージ41と、ステージ41をガラス基板9の主面に平行な図1中のX方向へと移動するX方向移動部42と、ガラス基板9の主面に平行、かつ、X方向に垂直なY方向へとX方向移動部42を移動するY方向移動部43とを備える。移動機構11はガラス基板9の主要部である基材を後述の撮像領域90に対して相対的に移動する機構である。なお、X方向およびY方向に垂直な図1中のZ方向にステージ41を移動する機構や、Z方向に平行な軸を中心としてステージ41を回動する機構が、移動機構11に追加されてもよい。
【0018】
膜厚計12は、光干渉式の分光膜厚計であり、測定光をガラス基板9に照射し、反射光のスペクトルを取得する。予め設定された膜構造を前提として、計算上の各層の膜厚を変化させ、計算により求められる分光スペクトルを測定により取得された分光スペクトルにフィッティングすることにより各層の膜厚が求められる。補助撮像部14では、複数の受光素子が2次元に配列され、ガラス基板9の画像が取得される。画像取得部13により取得される画像と区別するため、補助撮像部14により取得される画像を補助画像と呼ぶ。
【0019】
図2は、画像取得部13の正面図であり、図3は平面図であり、図4は背面図である。画像取得部13は、ガラス基板9上の撮像領域90に向かって光を出射する光照射部131と、撮像領域90からの反射光を受光するラインセンサ132と、光照射部131による光の照射角およびラインセンサ132による検出角を変更する角度変更機構133とを備える。ここで、照射角とは、光照射部131から撮像領域90に至る光軸J1とガラス基板9の法線Nとのなす角θ1である。検出角とは、撮像領域90からラインセンサ132に至る光軸J2と法線Nとのなす角θ2である。
【0020】
光照射部131は、パターンに対して透過性を有する波長の光を出射する。光は、少なくとも線状の撮像領域90に照射される。光照射部131は、X方向に配列された複数のLEDと、LEDからの光を均一化して撮像領域90へと導く光学系とを備える。ラインセンサ132は、1次元の撮像素子と、撮像領域90と撮像素子の受光面とを光学的に共役とする光学系とを備える。なお、光照射部131、ラインセンサ132および角度変更機構133をガラス基板9の法線Nの方向に一体的に移動するオートフォーカス機構が画像取得部13に設けられてもよい。
【0021】
後述するパターン画像の取得時には、ガラス基板9は、移動機構11により、撮像領域90と交差する方向に移動する。すなわち、移動機構11はガラス基板9の基材を撮像領域90に対して相対的に移動する機構である。本実施の形態では、ガラス基板9は撮像領域90に対して垂直なY方向に移動するが、撮像領域90は移動方向に対して傾斜してもよい。画像取得部13には移動機構11の一部が含まれると捉えられてもよい。
【0022】
なお、以下の説明では、必要に応じて基材とパターンとを区別して説明するが、表示対象(ガラス基板9)の大部分は基材であることから、表示対象の取り扱い等に関しては、表示対象と基材とは厳密に区別することなく説明を行っている。
【0023】
角度変更機構133は、照射角θ1と検出角θ2とを等しく維持しつつ照射角θ1および検出角θ2を変更する。したがって、以下の説明における検出角の大きさは照射角の大きさでもあり、照射角の大きさは検出角の大きさでもある。光照射部131およびラインセンサ132は、角度変更機構133を介して、ベース壁134に支持される。ベース壁134は、Y方向およびZ方向に平行な板部材である。
【0024】
ベース壁134には、撮像領域90を中心とする円弧状の第1開口201および第2開口202が設けられる。第1開口201には光照射部131を支持する第1支持部21が挿入される。第2開口202にはラインセンサ132を支持する第2支持部22が挿入される。第1支持部21および第2支持部22は角度変更機構133の一部である。角度変更機構133は、さらに、光照射部131を移動させるための第1ガイド部231、第1モータ241、第1ラック251、並びに、ラインセンサ132を移動させるための第2ガイド部232、第2モータ242、第2ラック252を備える。
【0025】
第1ガイド部231は、第1開口201に沿ってベース壁134の光照射部131側に設けられ、撮像領域90を中心とする円周方向に光照射部131の移動を案内する。第1支持部21の移動体211は、第1ガイド部231に沿って移動する。第1支持部21はベース壁134の光照射部131とは反対側に支持板212をさらに備え、第1モータ241は支持板212に支持される。第1ラック251は、第1開口201に沿ってベース壁134の光照射部131とは反対側に設けられる。第1ラック251は第1モータ241の出力軸に設けられたピニオンギアと歯合し、駆動力を第1支持部21に与え、光照射部131を移動させる。
【0026】
ラインセンサ132を移動させる機構は、光照射部131を移動させる機構と同様である。すなわち、第2ガイド部232は、第2開口202に沿ってベース壁134のラインセンサ132側に設けられ、撮像領域90を中心とする円周方向にラインセンサ132の移動を案内する。第2支持部22の移動体221は、第2ガイド部232に沿って移動する。第2支持部22はベース壁134のラインセンサ132とは反対側に支持板222をさらに備え、第2モータ242は支持板222に支持される。第2ラック252は、第2開口202に沿ってベース壁134のラインセンサ132とは反対側に設けられる。第2ラック252は第2モータ242の出力軸に設けられたピニオンギアと歯合し、駆動力を第2支持部22に与え、ラインセンサ132を移動させる。
【0027】
図5は、パターン画像表示装置1の機能構成を示すブロック図である。破線にて囲む構成は、図1に示す構成であり、他の構成は、コンピュータ3により実現される。パターン画像表示装置1は、膜厚計12からの出力が入力されるプロファイル取得部31、プロファイル取得部31にて求められた後述のプロファイルが入力される角度決定部32、全体を制御する全体制御部30、ラインセンサ132からの出力が入力される表示制御部33、表示部であるディスプレイ34、および、操作者等からの各種情報の入力を受け付ける入力受付部35を備える。
【0028】
図6は、パターン画像表示装置1の動作の流れ図である。パターン画像表示装置1では、まず、移動機構11が制御されることにより、ガラス基板9においてパターンが存在する領域が膜厚計12の下方に(すなわち、図1中にて二点鎖線にて示す位置に)配置され、膜厚計12により各層の膜厚が取得される。さらに、移動機構11が制御されることにより、パターンの周囲の領域である背景の領域が膜厚計12の下方に配置され、背景の領域においても各層の膜厚が取得される(ステップS11)。なお、パターンが存在する領域のみにおいて各層の膜厚が取得され、これらの膜厚から背景における各層の膜厚が推定されてもよい。
【0029】
膜厚の測定結果はプロファイル取得部31に入力される。プロファイル取得部31では、基材上における層構造および各層の膜厚に基づいて、(照射角および)検出角とコントラストとの関係を示すプロファイルが演算により求められる(ステップS12)。図7は取得されるプロファイルを例示する図である。実線811は厚さ30nmの透明電極パターン上に厚さ900nmの透明膜を形成した場合の検出角とコントラストとの関係を示す。背景では厚さ900nmの透明膜のみが存在するものとしている。照射光の波長は570nmである。
【0030】
ここで、コントラストとは、基材上にパターンを含む多層膜が存在する場合にラインセンサ132に入射する光の強度と、基材上に上記多層膜からパターンを除いた膜のみが存在する場合にラインセンサ132に入射する光の強度との比である。換言すれば、コントラストは、パターンと背景との間の明度比(=(パターン領域の明度)/(背景領域の明度))である。明度はその波長における反射率に対応し、明度比は反射率比でもある。もちろん、コントラストとしては、明度や反射率の差等の他の値が利用されてもよい。
【0031】
図7において、通常、コントラストが0.5以下または2以上の場合に良好なパターン表示が可能となる。実線811の場合、検出角がおよそ0°以上28°以下、または、40°以上45°以下の場合に、適切なパターン画像が取得される。ただし、45°は図7における形式的な上限にすぎない。なお、コントラストが0.77以下または1.3以上であれば、条件によってはパターン観察が可能である。好ましくは、コントラストは、0.67以下または1.5以上である。また、「コントラストが高い」とはコントラストが良好であることを指し、明暗がはっきり区別できる状態を意味する。コントラストが高いことは、必ずしもコントラストの値が大きいことを意味しない。
【0032】
図7の破線812は厚さ30nmの透明電極パターン上に厚さ960nmの透明膜を形成した場合の検出角とコントラストとの関係を示す。背景では厚さ960nmの透明膜のみが存在するものとしている。一点鎖線813は厚さ30nmの透明電極パターン上に厚さ1000nmの透明膜を形成した場合の検出角とコントラストとの関係を示す。背景では厚さ1000nmの透明膜のみが存在するものとしている。照射光の波長は570nmである。曲線811〜813にて示すように、透明膜の厚さが変化することにより、コントラストが高いパターン画像が取得される検出角が大きく変化することが判る。
【0033】
すなわち、検出角を変化させると透明な各層を経由する光の光路長が変化して光の干渉状態が変化し、これにより、特定の検出角では高いコントラストが得られない場合であっても、波長を変えることなく検出角を変化させることにより、高いコントラストを得ることが可能となる。さらに換言すれば、検出角を変化させることにより、白色光源および多数のフィルタを用いて多数の波長から波長を選択してパターン画像を取得することと同等の画像取得が実現される。
【0034】
角度決定部32では、取得されたプロファイルに基づいて、照射角および検出角の設定すべき角度(以下、「設定角度」という。)が決定される(ステップS13)。設定角度の決定では、光照射部131およびラインセンサ132の可動範囲や他の条件が考慮される。設定角度は全体制御部30へと入力され、全体制御部30が角度変更機構133を制御することにより、照射角および検出角が設定角度となる(ステップS14)。
【0035】
上記準備作業が完了すると、入力受付部35においてガラス基板9上における所望の表示対象位置を示す座標の入力が受け付けられ(ステップS15)、全体制御部30が移動機構11を制御することにより、表示対象位置が光照射部131およびラインセンサ132の下方近傍に配置される。続いて、光照射部131からの光の出射が開始され、表示対象位置が撮像領域90を通過するように、移動機構11によりガラス基板9がY方向に移動する。ガラス基板9の移動に並行して、ラインセンサ132では、線状の撮像領域90のライン画像が高速に繰り返し取得される(ステップS16)。ライン画像のデータは表示制御部33に入力され、これにより、表示対象位置における薄膜パターンを示す2次元のパターン画像がコンピュータ3のディスプレイ34に表示される(ステップS17)。なお、ステップS15にて複数の表示対象位置が設定され、複数の表示対象位置におけるパターン画像が順次取得されてディスプレイ34に表示されてもよい。
【0036】
以上のようにして、透明電極膜にて形成される透明な薄膜パターンの画像が、ラインセンサ132からの出力に基づいて表示(可視化)されることにより、当該薄膜パターンの形状等を作業者が確認することができ、薄膜パターンの形成プロセスの改善等を行うことができる。また、パターン画像表示装置1では、ディスプレイ34に表示されたパターン画像において、入力部により任意の2点を選択することにより、当該2点間の距離が表示(または出力)される。さらに、パターン画像のデータに基づいて、任意の位置における断面プロファイルを表示することも可能であり、当該断面プロファイルにおける任意の2点間の距離の表示も可能である。
【0037】
また、ステージ41上におけるガラス基板9の基準位置および向きを予め登録しておくことにより、ディスプレイ34上のパターン画像における任意の位置を指定して当該位置の座標(基準位置に対する相対的な座標)を表示することも可能である。他の測定器においてガラス基板9に対して各種測定を行う際には、薄膜パターンに合わせた測定位置を特定することが困難であるが、パターン画像表示装置1にて取得した上記座標を用いることにより、当該測定器において測定位置を容易に特定することが可能となる。
【0038】
パターン画像表示装置1では、補助撮像部14により取得される補助画像に基づいて表示対象位置の入力が行われてもよい。例えば、図8に示すガラス基板9では、それぞれがタッチパネルとなる複数の矩形領域93が主面上に設定されており、各矩形領域93の外縁部には、金属材料にて所定のパターン(例えば、透明電極膜に接続される引き出し電極のパターンであり、以下、「可視パターン」という。)931が形成されている。このような場合、補助撮像部14による補助画像では、透明電極膜の薄膜パターンは背景と区別可能に映し出されないが、可視パターン931は視認可能である。したがって、補助画像中の可視パターン931を参照しつつ操作者が所定の入力を行うことによりガラス基板9がX方向およびY方向に移動し、ガラス基板9上の所望の領域が補助撮像部14の撮像範囲内に配置される。これにより、当該領域を示す補助画像がディスプレイ34に表示される。
【0039】
補助画像における所望の位置を表示対象位置として指示する入力を操作者が行うことにより、入力受付部35において当該入力が受け付けられ(ステップS15)、ガラス基板9上の表示対象位置が光照射部131およびラインセンサ132の下方近傍に配置される。続いて、光照射部131からの光の出射が開始され、表示対象位置が撮像領域90を通過するように、移動機構11によりガラス基板9がY方向に移動する。これにより、表示対象位置における薄膜パターンを示すパターン画像が取得されてディスプレイ34に表示される(ステップS16,S17)。なお、補助画像が示すガラス基板9上の領域のおよそ全体におけるパターン画像が取得されてもよい。また、補助画像およびパターン画像は2つのディスプレイにそれぞれ表示されてもよく、この場合、当該2つのディスプレイが表示部となる。さらに、可視パターンは、引き出し電極のパターン以外に、例えば表示装置用のパネルにおいて画素を構成する各セルの外縁部(通常、金属材料にて形成される。)等であってもよい。
【0040】
以上に説明したように、パターン画像表示装置1では、撮像領域90に照射される光の波長を変更することなく、パターンと背景との間のコントラストが高いパターン画像を取得して表示することができる。これにより、波長を変更するための複雑な構造や多波長の光に対応した光学系の設計や煩雑な調整が不要となり、パターン画像表示装置1の製造コストを削減することができる。さらに、例えば、感光性のレジストがパターン上の層に含まれる場合等であっても、使用できない波長の光を避けつつ、パターン画像の表示を容易に行うことができる。
【0041】
また、プロファイル取得部31がプロファイルを取得するため、角度決定部32にて最も好ましい角度を容易に決定することができる。膜厚計12を用いることによりプロファイルを速やかに取得することができ、効率よくパターン画像の表示を行うことができる。 パターン画像表示装置1では、入力受付部35がガラス基板9上の表示対象位置を示す入力を受け付けることにより、表示対象位置におけるパターン画像の取得が自動的に行われる。これにより、ガラス基板9上における所望の位置の画像をディスプレイ34に容易に表示することができる。また、補助撮像部14により、ガラス基板9の補助画像が取得され、補助画像が示すガラス基板9上の位置が撮像領域90を通過するように、全体制御部30により移動機構11が制御される。この場合も、ガラス基板9上における所望の位置のパターン画像をディスプレイ34に容易に表示することができる。
【0042】
図9は、パターンの膜厚が薄い場合のプロファイルを例示する図である。実線821は、30nmの透明電極膜上に650nmの透明膜を形成した場合のプロファイルを示す。長い破線822、短い破線823、一点鎖線824は、それぞれ透明電極膜の厚さを20nm、10nm、5nmに変更した場合のプロファイルを示し、透明膜の厚さは650nmである。背景では650nmの透明膜のみが存在するものとしており、以下の類似の図においても同様である。
【0043】
図9に示すように、実用上は、パターンの厚さは10nm以上であることが好ましい。また、透明電極にてパターンが形成される場合、パターンの厚さは、通常、100nm以下である。異なる膜種により透明なパターンが形成される場合でも、パターンの厚さは、通常、2000nm以下である。パターンには種々の材料が適用可能であり、例えば、クロムの薄膜でもよい。
【0044】
図10は画像取得部13の他の例を示す正面図である。図10に示す画像取得部13では、撮像領域90とラインセンサ132との間に偏光子136が配置される。これにより、ラインセンサ132にはガラス基板9からの反射光のうち、p偏光光のみが入射する。パターン画像表示装置1の他の構成は図1と同様である。
【0045】
図10の画像取得部13を含むパターン画像表示装置1では、プロファイル取得部31にてp偏光光に関するプロファイルが取得される。すなわち、パターンが形成された領域からのp偏光光の強度と背景からのp偏光光の強度との比であるコントラストが検出角に依存して変化する様子が、プロファイルとして取得される。
【0046】
図11.A、図11.Bおよび図11.Cは、それぞれ厚さ30nmの透明電極パターン上に厚さ900nm、960nmおよび1000nmの透明膜を形成した場合のプロファイルを示す。光の波長は570nmである。実線841、843、845はp偏光光によるプロファイルを示し、破線842、844、846はs偏光光によるプロファイルを示す。これれらのプロファイルから、図11.Bおよび図11.Cに示す膜構造では、p偏光光を利用すると、偏光光を利用しない場合に比べてコントラストが高いパターン画像が取得可能であることが判る。また、透明膜の厚さによって好ましい検出角が大きく変化することも判る。
【0047】
パターン画像表示装置1では、p偏光光のプロファイルに基づいて照射角および検出角が決定される。そして、p偏光光をラインセンサ132にて受光することにより、コントラストが高い画像を取得および表示し、パターンの観察における精度が向上される。なお、s偏光光を受光する方がコントラストが高いパターン画像が取得される場合、ラインセンサ132にてs偏光光を受光するための偏光子136が設けられる。偏光光の利用は、パターンが非常に薄い場合に特に適している。
【0048】
図12.A、図12.B、図12.Cおよび図12.Dは、それぞれ30nm、20nm、10nmおよび5nmの厚さの透明電極パターンによるプロファイルを示す。光の波長は570nmである。実線851、853、855、857は、p偏光光によるプロファイルを示し、破線852、854、856、858は、s偏光光によるプロファイルを示す。これらのプロファイルにおいても、p偏光光を利用することにより、偏光光を使用しない場合よりもコントラストが高いパターン画像を取得および表示することが可能であることが判る。また、実用上、パターンの膜厚が10nm以上である場合に、コントラストを利用したパターンの観察が可能であることが判る。一般的に、パターンが薄い場合、検出角を大きくすることにより高いコントラストを得ることができる。
【0049】
図13は、第2の実施の形態に係るパターン画像表示装置1のプロファイル取得部31の周辺の機能構成を示す図である。第2の実施の形態ではパターン画像表示装置1から膜厚計12が省かれる。他の構成は第1の実施の形態と同様であり、以下、同様の構成には同符号を付す。
【0050】
プロファイル取得部31は、角度変更機構133を制御し、ラインセンサ132からの信号が入力される。プロファイルが取得される際には、まず、撮像領域90にパターンおよび背景が存在するように移動機構11がガラス基板9の位置決めを行う。次に、プロファイル取得部31が照射角および検出角を変更しつつ、ラインセンサ132が撮像領域90のライン画像を繰り返し取得する。プロファイル取得部31では、ラインセンサ132にてライン画像が取得される毎に、パターンの領域からの光強度と背景の領域からの光強度との比がコントラストとして求められる。照射角および検出角は等しく維持されたまま最小角から最大角まで変更される。これにより、検出角とコントラストとの関係を示すプロファイルが取得される(図14:ステップS21)。
【0051】
取得されたプロファイルは角度決定部32へと送られ、設定角度が決定される(図6:ステップS13)。以後、第1の実施の形態と同様の動作により、パターン画像の表示が実行される。
【0052】
第2の実施の形態においても、撮像領域90に照射される光の波長を変更することなく、パターンと背景との間のコントラストが高いパターン画像を取得および表示することができる。これにより、パターン画像表示装置1の製造コストを削減することができる。さらに、膜厚計が省かれるため、パターン画像表示装置1の製造コストをさらに削減することができる。
【0053】
図15は、第3の実施の形態に係るパターン画像表示装置1aを示す図である。パターン画像表示装置1aは、搬送機構11aと、膜厚計12と、画像取得部13と、補助撮像部14と、コンピュータ3とを備え、搬送機構11aの構造および画像取得部13の一部が図1と異なるという点を除いて第1の実施の形態と同様である。また、表示対象は、透明電極膜や透明膜等が形成された樹脂フィルムのウエブ、すなわち、連続シートである。
【0054】
搬送機構11aは、図15の右側((+Y)側)に位置する供給部111と、左側((−Y)側)に位置する回収部112とを備える。供給部111は、ウエブ9aをロール91として支持し、左方向へとウエブ9aを繰り出す。回収部112は、ウエブ9aをロール92として支持し、ウエブ9aを回収する。搬送機構11aはウエブ9aの主要部である基材を撮像領域90に対して相対的に移動する移動機構である。図15のパターン画像表示装置1aでは、撮像領域90がウエブ9aの幅のおよそ全体に亘って設けられるが、撮像領域90の長さをウエブ9aの幅よりも小さくし、画像取得部13をX方向に移動する機構が別途設けられてもよい。
【0055】
膜厚計12、補助撮像部14および画像取得部13は、供給部111から回収部112に向かってこの順で配置される。画像取得部13には、撮像領域90とラインセンサ132との間に偏光子136が配置され、光軸を中心として偏光子136を回転する回転機構137がさらに設けられる。回転機構137は、偏光子136による偏光方向を変更する偏光切替機構である。
【0056】
パターン画像の表示が行われる際には、膜厚計12の下方にウエブ9aが配置される。そして、ウエブ9aの基材上の各層の膜厚が取得される(図6:ステップS11)。続いて、プロファイル取得部31が、膜厚計12の測定結果に基づいて、プロファイルとして、p偏光光によるパターンと背景との間の第1コントラストを示す第1プロファイルと、s偏光光によるパターンと背景との間の第2コントラストを示す第2プロファイルとを取得する(ステップS12)。
【0057】
角度決定部32は、第1コントラストと第2コントラストとの積を求め、この積が1から大きく異なる角度を設定角度として決定する(ステップS13)。この手法は、第1コントラストおよび第2コントラストのいずれもが1に近いが、積が1から比較的異なる場合に適している。
【0058】
なお、実質的に第1コントラストおよび第2コントラストの積が求められるのであれば、厳密な意味で第1プロファイルおよび第2プロファイルが準備される必要はない。例えば、パターンにおけるp偏光光による明度とs偏光光による明度との積と、背景におけるp偏光光による明度とs偏光光による明度との積との比を求めることにより、第1コントラストと第2コントラストとの積に相当する値が求められてもよい。このように、プロファイル取得部31と角度決定部32とは厳密に区別可能な機能である必要はない。
【0059】
照射角および検出角が設定角度に設定されると(ステップS14)、表示対象位置を示す入力が受け付けられる(ステップS15)。そして、ウエブ9a上の表示対象位置が画像取得部13の下方に配置され、光の照射およびウエブ9aの移動が開始される。これにより、表示対象位置に対してp偏光光による第1パターン画像が画像取得部13により取得される。さらに、回転機構137により偏光子136が回転され、光の照射およびウエブ9aの移動(直前の移動とは反対の方向への移動)が再度行われ、表示対象位置に対してs偏光光による第2パターン画像が取得される(ステップS16)。
【0060】
表示制御部33では、第1パターン画像の各画素の値と第2パターン画像の対応する画素の値との積が求められ、積を画素値として有する画像がパターン画像として表示される(ステップS17)。パターン画像表示装置1aでは、p偏光光の強度とs偏光光の強度との積を用いてパターン画像の表示が行われるため、パターンと背景との間でこの積の差が大きい場合に適切な画像の表示が実現される。また、種類の異なる2つの画像が利用されるため、画像におけるノイズ等の影響も低減される。パターン画像表示装置1aにおいても、光源の波長を切り替える機構が不要であるため、パターン画像表示装置1aの製造コストを削減することができる。
【0061】
パターン画像表示装置1aでは、第1の実施の形態と同様に偏光子136を設けることなくパターン画像の表示が行われてもよく、p偏光光またはs偏光光のみを用いて画像の表示が行われてもよい。また、膜厚計12が省略され、図14に示す動作が実行されてもよい。
【0062】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0063】
表示対象の基材は、フィルムやガラス基板には限定されず、樹脂板等の他の材料により形成されたものであってよい。基材上に形成される膜構造は、既述のように様々なものであってよく、通常、上記実施の形態にて例示したものよりも複雑な構造を有する。表示対象となるパターンは1種類には限定されず、複数種類であってもよい。この場合、各表示対象のパターンの表示の際に、このパターンに重なる他のパターンは、背景として扱われる。
【0064】
上記実施の形態では、背景は1種類であるものとして説明したが、背景は1種類には限定されない。背景が複数種類の場合、各背景に関してプロファイルが求められ、いずれの背景に対してもコントラストが高くなる照射角および検出角が角度決定部32にて決定される。
【0065】
薄膜パターンの組成は、照射光に対してある程度の透過性を有するのであれば、他の材料にて形成されたものであってよく、必ずしも可視光に対して透明である必要はない。パターンは透明電極には限定されず、他の用途のパターンであってもよい。ただし、パターン画像表示装置の用途としては、可視光を照射しても影ができない透明電極のパターン画像の表示に特に適している。
【0066】
例えば、図16に示す光照射部131aがパターン画像表示装置に設けられてもよい。図16の光照射部131aでは、撮像領域90を中心とする円弧状の支持部1310に複数のLED1311が配列され、複数のLED1311からの光は拡散板1312を介して撮像領域90に照射される。このように、図16の光照射部131aは、撮像領域90を中心とする所定の角度範囲αにおいて撮像領域90に向けて光を照射するものである。光照射部131aを有するパターン画像表示装置では、角度変更機構133aは、ラインセンサ132のみを移動(回動)し、光照射部131aは移動しないが、撮像領域90に垂直な面上において、ガラス基板9の法線Nから光軸J2とは反対側に撮像領域90を中心として検出角θ2だけ傾斜した角度位置が角度範囲αに含まれる限り、当該角度位置において、光照射部131aから撮像領域90に至る光軸が配置されていると捉えることができる。したがって、ラインセンサ132のみを移動する図16の角度変更機構133aも、実質的に照射角と検出角とを等しく維持しつつ照射角および検出角を変更するものである。
【0067】
基材を撮像領域に対して相対的に移動する移動機構は、基材を固定し、画像取得部13を移動する機構であってもよい。角度変更機構133は、照射角および検出角を個別に変更する機構ではなく、両角度を連動させる機構であってもよい。角度変更機構133では照射角および検出角は連続的に変化する必要はなく、例えば、数段階にのみ変更可能であってもよい。また、角度変更機構133は手動で角度を変更するものでもよい。図15では、偏光切替機構として回転機構137が設けられるが、偏光方向が異なる2つの偏光子を入れ替える機構が偏光切替機構として設けられてもよい。
【0068】
光照射部131から出射される光の波長は、単一には限定されず、複数の波長の光が選択的に出射可能であってもよい。光源にはLEDではなく、LDが設けられてもよい。さらに、ハロゲンランプ等のランプとフィルタとの組み合わせが光源として設けられてもよい。膜厚計12は、分光エリプソメータであってもよい。
【0069】
表示対象における膜構造および各層の膜厚が既知であれば、これらの情報が操作者によりプロファイル取得部31に直接入力され、膜厚計12が省かれてもよい。さらには、プロファイル取得部31および角度決定部32が省かれ、別途求められた照射角および検出角が利用されてもよい。
【0070】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0071】
1,1a パターン画像表示装置
9 ガラス基板
9a ウエブ
11 移動機構
11a 搬送機構
14 補助撮像部
30 全体制御部
31 プロファイル取得部
32 角度決定部
34 ディスプレイ
35 入力受付部
90 撮像領域
131,131a 光照射部
132 ラインセンサ
133,133a 角度変更機構
J1,J2 光軸
N 法線
S13,S14,S16,S17 ステップ
θ1 照射角
θ2 検出角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に形成された薄膜パターンの画像を表示するパターン画像表示装置であって、
前記薄膜パターンに対して透過性を有する波長の光を出射する光照射部と、
前記光が照射される線状の撮像領域からの光を受光するラインセンサと、
前記基材を前記撮像領域と交差する方向に前記撮像領域に対して相対的に移動する移動機構と、
前記光照射部から前記撮像領域に至る光軸と前記基材の法線とのなす照射角と、前記撮像領域から前記ラインセンサに至る光軸と前記法線とのなす検出角とを等しく維持しつつ前記照射角および前記検出角を変更する角度変更機構と、
前記ラインセンサからの出力に基づいて前記薄膜パターンの画像を表示する表示部と、
を備えることを特徴とするパターン画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載のパターン画像表示装置であって、
前記照射角および前記検出角と、前記薄膜パターンと背景との間のコントラストとの関係を示すプロファイルを取得するプロファイル取得部と、
前記プロファイルから前記照射角および前記検出角の設定角度を求める角度決定部と、
をさらに備えることを特徴とするパターン画像表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のパターン画像表示装置であって、
前記基材上における表示対象位置の入力を受け付ける入力受付部と、
前記表示対象位置が前記撮像領域を通過するように、前記移動機構により前記基材を前記撮像領域に対して相対的に移動する制御部と、
をさらに備えることを特徴とするパターン画像表示装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載のパターン画像表示装置であって、
複数の受光素子が2次元に配列され、前記基材の補助画像を取得する補助撮像部と、
前記移動機構を制御する制御部と、
をさらに備え、
前記補助画像が前記表示部に表示され、
前記補助画像が示す前記基材上の位置が前記撮像領域を通過するように、前記制御部が、前記移動機構により前記基材を前記撮像領域に対して相対的に移動することを特徴とするパターン画像表示装置。
【請求項5】
基材上に形成された薄膜パターンの画像を表示するパターン画像表示方法であって、
前記薄膜パターンに対して透過性を有する波長の光を出射する光照射部から線状の撮像領域に至る光軸と前記基材の法線とのなす照射角の設定角度を求める工程と、
前記照射角を前記設定角度に設定し、前記撮像領域からラインセンサに至る光軸と前記法線とのなす検出角も前記設定角度に設定する工程と、
前記基材を前記撮像領域と交差する方向に前記撮像領域に対して相対的に移動する工程と、
前記ラインセンサからの出力に基づいて前記薄膜パターンの画像を表示部に表示する工程と、
を備えることを特徴とするパターン画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11.A】
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【図11.B】
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【図11.C】
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【図12.A】
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【図12.B】
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【図12.C】
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【図12.D】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−68460(P2013−68460A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205886(P2011−205886)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】