説明

フェニレンジアミン誘導体を有効成分とする眼圧下降剤

【課題】フェニレンジアミン誘導体の新たな薬理作用がある新規フェニレンジアミン誘導体を合成して、その薬理作用を見出した眼圧下降剤を提供する。
【解決手段】式(1)で表される化合物又はその塩からなる群より選択される少なくとも1つを有効成分として含有する眼圧下降剤。式中、環Aはチオフェン、ピリジン等、R1及びR2は、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基等、R1及びR2が一緒になって、置換基を有してもよい含窒素複素環を形成してもよく、R3はハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基等、mは0、1又は2を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフェニレンジアミン誘導体からなる群より選択される少なくとも1つを有効成分として含有する眼圧下降剤及び新規フェニレンジアミン誘導体に関する。同誘導体は線維柱帯細胞に対して細胞形態変化作用及び/又は眼圧下降作用を有し、房水循環及び/又は眼圧が関与するとされる疾患の予防及び/又は治療剤として有用である。
【背景技術】
【0002】
眼内における房水循環は眼圧と密接な関係があり、この房水循環が阻害されると眼圧に多大な影響を及ぼす。特に、この房水循環が妨げられると眼圧が上昇して、緑内障、高眼圧症等の眼圧が関与するとされる疾患が引き起こされる。
【0003】
通常、房水は血漿成分のろ過や能動輸送により産生されて、その大部分は線維柱帯流出経路で眼球外に流出する。すなわち、薬剤等により線維柱帯細胞の形態を変化させることで、房水流出抵抗を減弱させ、房水流出を亢進させることにより、房水循環及び/又は眼圧が関与するとされる疾患の予防及び/又は治療が可能となる。
【0004】
例えば、線維柱帯細胞の形態を変化させて、房水流出を亢進する薬物として、アクチン重合阻害剤であるラトランキュリンA、ミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)阻害剤であるH−7、Rhoキナーゼ阻害剤であるY−39983(特許文献1、特許文献2)等が知られている。
【0005】
一方、特許文献3には、フェニレンジアミン誘導体が、抗増殖作用及び分化誘導活性を有し、癌等の治療剤として、有用であることが開示されている。
【0006】
しかしながら、かかるフェニレンジアミン誘導体の線維柱帯細胞に対する細胞形態変化作用及び/又は眼圧下降作用は全く知られていない。

【特許文献1】国際公開第1997/030701号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2000/009162号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2004/069803号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
フェニレンジアミン誘導体の新たな薬理作用を見出すこと、さらに、新規フェニレンジアミン誘導体を合成して、その薬理作用を見出すことは非常に興味深い課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明者等はフェニレンジアミン誘導体の新たな薬理作用を見出す為に鋭意研究した結果、かかるフェニレンジアミン誘導体が、線維柱帯細胞に対して細胞形態変化作用及び/又は眼圧下降作用を有し、房水循環及び/又は眼圧が関与するとされる疾患の予防及び/又は治療剤として有用であることを見出した。
【0009】
さらに、線維柱帯細胞に対する細胞形態変化作用及び/又は眼圧下降作用を有する化合物を見出す為に、フェニレンジアミン誘導体の末端の置換アミノカルボニル基の置換基として、アリール基を置換基として有する低級アルキル基、複素環基を置換基として有する低級アルキル基、置換アミノ基を置換基として有する低級アルキル基等の種々の置換基を導入した新規フェニレンジアミン誘導体を多数創製した結果、それらの誘導体にも、線維柱帯細胞に対する細胞形態変化作用及び/又は眼圧下降作用を有することを見出し本発明を完成させた。
【0010】

すなわち、本発明は下記一般式(1)で表される化合物又はその塩(以下、「本化合物」とする)からなる群より選択される少なくとも1つを有効成分として含有する眼圧下降剤に関する。
【化1】

【0011】

[環Aはチオフェン、ピリジン又はベンゼンを示し;
1及びR2は同一又は異なって、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよい低級アルケニル基、置換基を有してもよい低級アルキニル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基 、ヒドロキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基、置換基を有してもよい低級アルケニルオキシ基、置換基を有してもよい低級アルキニルオキシ基、置換基を有してもよい低級シクロアルキルオキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を示し;
1及びR2が一緒になって、置換基を有してもよい含窒素複素環を形成してもよく;
3はハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基又は低級アルコキシ基を示し;
mは0、1又は2を示す。以下、同じ。]

また、本化合物の内、一般式(2)で表される化合物又はその塩(以下、「本発明化合物」とする)は文献未知の化合物である。
【化2】

【0012】

[環Bはピリジン又はベンゼンを示し;
6は置換基を有してもよいアリール基を置換基として有する低級アルキル基、置換基を有してもよい複素環基を置換基として有する低級アルキル基又は−NR9a10aを置換基として有する低級アルキル基を示し;
6及びR7が一緒になって、置換基を有してもよい含窒素複素環を形成してもよく;
7は水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよい低級アルケニル基、置換基を有してもよい低級アルキニル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ヒドロキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基、置換基を有してもよい低級アルケニルオキシ基、置換基を有してもよい低級アルキニルオキシ基、置換基を有してもよい低級シクロアルキルオキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を示し;
8はハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基又は低級アルコキシ基を示し;
9a及びR10aは同一又は異なって、水素原子又は置換基を有してもよい低級アルキル基を示し;
nは0、1又は2を示す。]
さらに、一般式(3)で表される化合物又はその塩(以下、「本発明合成中間体」とする)は、本発明化合物の合成中間体であり、本発明合成中間体も文献未知の化合物である。
【化3】

【0013】

[本発明合成中間体に用いられる、環B、R6、R7、R8及びnの定義並びにその好ましい基は、本発明化合物の定義と同じ。R11は置換基を有してもよい低級アルコキシ基を示す。以下、同じ]
【発明の効果】
【0014】
本発明はフェニレンジアミン誘導体からなる群より選択される少なくとも1つを有効成分として含有する眼圧下降剤及び新規フェニレンジアミン誘導体を提供する。本化合物は線維柱帯細胞に対して細胞形態変化作用及び/又は眼圧下降作用を有し、房水循環及び/又は眼圧が関与するとされる疾患の予防及び/又は治療剤として有用であり、特に、緑内障及び/又は高眼圧症の予防及び/又は治療剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本明細書中で使用される文言(原子、基、環等)の定義について以下に詳しく説明する。
【0016】
「ハロゲン原子」とは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を示す。
【0017】
「低級アルキル基」とは、炭素原子数が1〜8個、好ましくは1〜6個の直鎖又は分枝のアルキル基を示す。具体例として、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル基等が挙げられる。
【0018】
「低級アルケニル基」とは、炭素原子数が2〜8個、好ましくは2〜6個の直鎖又は分枝のアルケニル基を示す。具体例として、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−ブテニル基等が挙げられる。
【0019】
「低級アルキニル基」とは、炭素原子数が2〜8個、好ましくは2〜6個の直鎖又は分枝のアルキニル基を示す。具体例として、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、イソブチニル、イソペンチニル基等が挙げられる。
【0020】
「低級シクロアルキル基」とは、炭素原子数が3〜8個、好ましくは3〜6個のシクロアルキル基を示す。具体例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチル基が挙げられる。
【0021】
「アリール基」とは、炭素原子数が6〜14個の単環式芳香族炭化水素基又は2環式若しくは3環式の縮合多環式芳香族炭化水素から水素1原子を除いた残基を示す。具体例として、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル基等が挙げられる。
【0022】
「低級アルコキシ基」とは、ヒドロキシ基の水素原子が低級アルキル基で置換された基を示す。具体例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソペントキシ基等が挙げられる。
【0023】
「低級アルケニルオキシ基」とは、ヒドロキシ基の水素原子が低級アルケニル基で置換された基を示す。具体例として、ビニルオキシ、プロペニルオキシ、ブテニルオキシ、ペンテニルオキシ、ヘキセニルオキシ、ヘプテニルオキシ、オクテニルオキシ、イソプロペニルオキシ、2−メチル−1−プロペニルオキシ、2−メチル−2−ブテニルオキシ基等が挙げられる。
【0024】
「低級アルキニルオキシ基」とは、ヒドロキシ基の水素原子が低級アルキニル基で置換された基を示す。具体例として、エチニルオキシ、プロピニルオキシ、ブチニルオキシ、ペンチニルオキシ、ヘキシニルオキシ、ヘプチニルオキシ、オクチニルオキシ、イソブチニルオキシ、イソペンチニルオキシ基等が挙げられる。
【0025】
「低級シクロアルキルオキシ基」とは、ヒドロキシ基の水素原子が低級シクロアルキル基で置換された基を示す。具体例として、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシ基等が挙げられる。
【0026】
「アリールオキシ基」とは、ヒドロキシ基の水素原子がアリール基で置換された基を示す。具体例として、フェノキシ、ナフトキシ、アントリルオキシ、フェナントリルオキシ基等が挙げられる。
【0027】
「低級アルキルチオ基」とは、メルカプト基の水素原子が低級アルキル基で置換された基を示す。具体例として、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、n−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ、n−ヘプチルチオ、n−オクチルチオ、イソプロピルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、イソペンチルチオ基等が挙げられる。
【0028】
「低級アルキルアミノ基」とは、アミノ基の一方又は両方の水素原子が低級アルキル基で置換された基を示す。具体例として、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメルアミノ、ジエチルアミノ、エチル(メチル)アミノ基等が挙げられる。
【0029】
「低級アルキルカルボニル基」とは、ホルミル基の水素原子が低級アルキル基で置換された基を示す。具体例としてメチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル、n−ヘプチルカルボニル、n−オクチルカルボニル、イソプロピルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、イソペンチルカルボニル基等が挙げられる。
【0030】
「低級アルコキシカルボニル基」とは、ホルミル基の水素原子が低級アルコキシ基で置換された基を示す。具体例として、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル、n−ヘプチルオキシカルボニル、n−オクチルオキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、イソペントキシカルボニル基等が挙げられる。
【0031】
「低級アルキルアミノカルボニル基」とは、ホルミル基の水素原子が低級アルキルアミノ基で置換された基を示す。具体例として、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、エチルメチルアミノカルボニル基等が挙げられる。
【0032】
「低級アルキルカルボニルオキシ基」とは、ヒドロキシ基の水素原子が低級アルキルカルボニル基で置換された基を示す。具体例として、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ、n−ヘプチルカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、sec−ブチルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、イソペンチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0033】
「低級アルキルカルボニルアミノ基」とは、アミノ基の一方若しくは両方の水素原子が低級アルキルカルボニル基で置換された基又はアミノ基の一方の水素原子が低級アルキルカルボニル基で、他方の水素原子が低級アルキル基、低級アルケニル基若しくは低級アルキニル基で置換された基を示す。具体例として、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n−プロピルカルボニルアミノ、n−ブチルカルボニルアミノ、n−ペンチルカルボニルアミノ、n−ヘキシルカルボニルアミノ、n−ヘプチルカルボニルアミノ、n−オクチルカルボニルアミノ、イソプロピルカルボニルアミノ、イソブチルカルボニルアミノ、sec−ブチルカルボニルアミノ、tert−ブチルカルボニルアミノ、イソペンチルカルボニルアミノ、ジメチルカルボニルアミノ、メチルカルボニル(メチル)アミノ、メチルカルボニル(ビニル)アミノ、メチルカルボニル(エチニル)アミノ基等が挙げられる。
【0034】

「複素環」とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される1又は複数個のヘテロ原子を環内に有する飽和或いは不飽和単環式複素環又は2環式若しくは3環式の縮合多環式複素環を示す。
【0035】
飽和の単環式複素環の具体例として、窒素原子を環内に有するアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、トリアゾリジン、ピペリジン、ヘキサヒドロピリダジン、ヘキサヒドロピリミジン、ピペラジン、ホモピペリジン、ホモピペラジン等が、酸素原子を環内に有するテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、[1,4]ジオキサン、[1,2]ジオキシラン等が、硫黄原子を環内に有するテトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン等が、窒素原子と酸素原子を環内に有するオキサゾリジン、イソオキサゾリジン、モルホリン等が、窒素原子と硫黄原子を環内に有するチアゾリジン、イソチアゾリジン、チオモルホリン等が挙げられる。
【0036】
また、それらの飽和の単環式複素環はベンゼン環等と縮合してジヒドロインドール、ジヒドロインダゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロシンノリン、テトラヒドロフタラジン、テトラヒドロキナゾリン、テトラヒドロキノキサリン、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、クロマン、イソクロマン、ベンゾ[1,3]オキソール、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン、ジヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、チオクロマン、イソチオクロマン、ジヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾイソオキサゾール、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイソチアゾール、ジヒドロベンゾチアジン、キサンテン、4a−カルバゾール、ペリミジン等の2環式又は3環式の縮合多環式複素環を形成してもよい。
【0037】
不飽和の単環式複素環の具体例として、窒素原子を環内に有するジヒドロピロール、ピロール、ジヒドロピラゾール、ピラゾール、ジヒドロイミダゾール、イミダゾール、ジヒドロトリアゾール、トリアゾール、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリジン、ピリジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロピリダジン、ピリダジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロピリミジン、ピリミジン、テトラヒドロピラジン、ジヒドロピラジン、ピラジン等が、酸素原子を環内に有するジヒドロフラン、フラン、ジヒドロピラン、ピラン等が、硫黄原子を環内に有するジヒドロチオフェン、チオフェン、ジヒドロチオピラン、チオピラン等が、窒素原子と酸素原子を環内に有するジヒドロオキサゾール、オキサゾール、ジヒドロイソオキサゾール、イソオキサゾール、ジヒドロオキサジン、オキサジン等が、窒素原子と硫黄原子を環内に有するジヒドロチアゾール、チアゾール、ジヒドロイソチアゾール、イソチアゾール、ジヒドロチアジン、チアジン等が挙げられる。
【0038】
また、それらの不飽和の単環式複素環はベンゼン環等と縮合してインドール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ジヒドロキノリン、キノリン、ジヒドロイソキノリン、イソキノリン、フェナントリジン、ジヒドロシンノリン、シンノリン、ジヒドロフタラジン、フタラジン、ジヒドロキナゾリン、キナゾリン、ジヒドロキノキサリン、キノキサリン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、クロメン、イソクロメン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、チオクロメン、イソチオクロメン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサジン、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾチアジン、フェノキサンチン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン等の2環式又は3環式の縮合多環式複素環を形成してもよい。
【0039】
さらにこれらの複素環において、同一の炭素原子上に2つの水素原子を有する複素環の場合、それらの水素原子がオキソ基と置換して、2−ピロリドン、4−ピペリドン、4−チアゾリドン、ピラン−4−(4H)−オン、ピラジン−2−(3H)−オン等の複素環式ケトンを形成してもよく、この複素環式ケトンも本発明の複素環の範囲に包含される。
【0040】
「窒素原子及び酸素原子からなる群より選択される1又は複数個のヘテロ原子を環内に有する複素環」とは、前記複素環の内、窒素原子及び/又は酸素原子を1又は複数個、環内に有する複素環を示す。
【0041】
「複素環基」とは、複素環から水素1原子を除いた残基を示す。
【0042】
「含窒素複素環」とは、複素環の内、1又は複数個の窒素原子を環内に含む複素環を示す。
【0043】
「炭化水素環」とは、炭素原子数が3〜10個の飽和又は不飽和単環式炭化水素若しくは2環式炭化水素を示す。
【0044】
飽和単環式炭化水素の具体例として、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等が挙げられる。
【0045】
飽和2環式炭化水素の具体例として、オクタヒドロペンタレン、オクタヒドロインデン、デカヒドロナフタレン等が挙げられる。
【0046】
不飽和単環式炭化水素の具体例として、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ベンゼン等が挙げられる。
【0047】
不飽和2環式炭化水素の具体例として、インダン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、ナフタレン等が挙げられる。
【0048】

「低級アルキレン基」とは、炭素原子数が1〜8個、好ましくは1〜6個の直鎖又は分枝のアルキレン基を示す。具体例として、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、メチルメチレン、エチルメチレン基等が挙げられる。
【0049】

「置換基を有してもよい低級アルキル基」、「置換基を有してもよい低級アルケニル基」、「置換基を有してもよい低級アルキニル基」、「置換基を有してもよい低級アルコキシ基」、「置換基を有してもよい低級アルケニルオキシ基」及び/又は「置換基を有してもよい低級アルキニルオキシ基」とは、ハロゲン原子、低級シクロアルキル基、アリール基、置換基を有してもよい複素環基、ニトロ基、シアノ基、‐ORp、-CORq、-COORr、-CONRst 、-NRuv及び‐SRwからなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよい「低級アルキル基」、「低級アルケニル基」、「低級アルキニル基」、「低級アルコキシ基」、「低級アルケニルオキシ基」及び/又は「低級アルキニルオキシ基」を示す。
【0050】
「置換基を有してもよい低級シクロアルキル基」、「置換基を有してもよいアリール基」、「置換基を有してもよい低級シクロアルキルオキシ基」、「置換基を有してもよいアリールオキシ基」、「置換基を有してもよい複素環基」及び/又は「置換基を有してもよい含窒素複素環」とは、ハロゲン原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級シクロアルキル基、アリール基、複素環基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、‐ORp、-CORq、-COORr、-CONRs t 、-NRuv及び‐SRwからなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよい「低級シクロアルキル基」、「アリール基」、「低級シクロアルキルオキシ基」、「アリールオキシ基」、「複素環基」及び/又は「含窒素複素環」を示す。
【0051】

ここで、Rp、Rq、Rr、Rs、Rt、Ru、Rv及びRwは同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級シクロアルキル基、アリール基、複素環基及び低級アルキルカルボニル基からなる群より選択される基を示す。
【0052】

本発明でいう「複数個の基」とは、夫々の基が同一であっても異なるものであってもよく、その個数は2又は3個の場合が好ましく、特に2個の場合が好ましい。また、水素原子やハロゲン原子もこの「基」の概念に含まれる。
【0053】

本発明において、「l」、「m」、「n」及び/又は「o」が2又は3を示す場合、複数存在する各R4、R5、R6及びR7は同一又は異なっていてもよい。尚、「l」、「m」、「n」及び/又は「o」が0を示す場合とは、各R4、R5、R6及び/又はR7が存在しない、すなわち、それらの置換基を有さない場合を示す。
【0054】

本発明でいう「眼圧下降剤」とは、眼圧を下降させることで、緑内障及び/又は高眼圧症の予防及び/又は治療剤となる医薬組成物をいう。
【0055】

本化合物及び本発明合成中間体における「塩」とは、医薬として許容される塩であれば、特に制限はなく、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、酢酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、グルコン酸、グルコヘプト酸、グルクロン酸、テレフタル酸、メタンスルホン酸、乳酸、馬尿酸、1,2−エタンジスルホン酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、オレイン酸、パモ酸、ポリガラクツロン酸、ステアリン酸、タンニン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸ラウリルエステル、硫酸メチル、ナフタレンスルホン酸、スルホサリチル酸等の有機酸との塩、臭化メチル、ヨウ化メチル等との四級アンモニウム塩、臭素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオンとの塩、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、鉄、亜鉛等との金属塩、アンモニアとの塩、トリエチレンジアミン、2−アミノエタノール、2,2−イミノビス(エタノール)、1−デオキシ−1−(メチルアミノ)−2−D−ソルビトール、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、プロカイン、N,N−ビス(フェニルメチル)−1,2−エタンジアミン等の有機アミンとの塩等が挙げられる。
【0056】

本化合物及び本発明合成中間体に幾何異性体又は光学異性体が存在する場合は、それらの異性体も本発明の範囲に含まれる。
【0057】

また、本化合物及び本発明合成中間体は水和物又は溶媒和物の形態をとっていてもよい。
【0058】

本化合物及び本発明合成中間体にプロトン互変異性が存在する場合には、それらの互変異性体も本発明に含まれる。
【0059】

本化合物及び本発明合成中間体に結晶多形及び結晶多形群(結晶多形システム)が存在する場合には、それらの結晶多形体及び結晶多形群(結晶多形システム)も本発明に含まれる。ここで、結晶多形群(結晶多形システム)とは、それら結晶の製造、晶出、保存等の条件及び状態(尚、本状態には製剤化した状態も含む)により、結晶形が変化する場合の各段階における個々の結晶形及びその過程全体を意味する。
【0060】

(a)本化合物における好ましい例として、一般式(1)で示される化合物又はその塩において、各基が下記に示す基である化合物又はその塩が挙げられる。
【0061】

(a1)環Aがチオフェン、ピリジン又はベンゼンを示し;及び/又は
(a2)R1及びR2が同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級アルケニルオキシ基、低級アルキニルオキシ基、低級シクロアルキルオキシ基又はアリールオキシ基を示し;
該低級アルキル基、該低級アルケニル基、該低級アルキニル基、該低級シクロアルキル基、該低級アルコキシ基、該低級アルケニルオキシ基、該低級アルキニルオキシ基及び該低級シクロアルキルオキシ基は、ハロゲン原子、低級シクロアルキル基、アリール基、複素環基、低級アルキル基を置換基として有する複素環基、オキソ基を置換基として有する複素環、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、ホルミル基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルアミノカルボニル基、低級アルキルチオ基、低級アルキルカルボニルオキシ基、低級アルキルカルボニルアミノ基及び−NR4a5aからなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく;
また、該アリール基及びアリールオキシ基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子を置換基として有する低級アルキル基、低級アルケニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基及び−NR4b5bからなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく;
1及びR2が一緒になって、含窒素複素環を形成してもよく、該含窒素複素環は、低級アルキル基、アリール基を置換基として有する低級アルキル基、複素環基を置換基として有する低級アルキル基、ヒドロキシ基を置換基として有する低級アルキル基、低級アルコキシ基を置換基として有する低級アルキル基及び−NR4c5cを置換基として有する低級アルキル基からなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく;及び/又は
(a3)R3が低級アルキル基を示し;及び/又は
(a4)R4a、R5a、R4b、R5b、R4c及びR5cが同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基を置換基として有する低級アルキル基又は低級アルコキシ基を置換基として有する低級アルキル基を示し;及び/又は
(a5)mが0又は1を示す。
【0062】

すなわち、一般式(1)で示される化合物において及び上記(a1)、(a2)、(a3)、(a4)及び(a5) からなる群より選択される1又は2以上の各組み合わせからなる化合物又はその塩が挙げられる。
【0063】

(b)本化合物におけるより好ましい例として、一般式(1)で示される化合物又はその塩において、各基が下記に示す基である化合物又はその塩が挙げられる。
【0064】

(b1)環Aがピリジン又はベンゼンを示し;及び/又は
(b2)R1及びR2が同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基又はアリール基を示し、該低級アルキル基はアリール基、複素環基、低級アルキル基を置換基として有する複素環基、オキソ基を置換基として有する複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基及び−NR4a5aからなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく、また、該アリール基は1又は複数個の−NR4b5bを置換基として有してもよく;及び/又は
1及びR2が一緒になって、含窒素複素環を形成してもよく、該含窒素複素環はヒドロキシ基を置換基として有する低級アルキル基、低級アルコキシ基を置換基として有する低級アルキル基及び−NR4c5cを置換基として有する低級アルキル基からなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく;及び/又は
(b3)R3が低級アルキル基を示し;及び/又は
(b4)R4a及びR5aが同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基を置換基として有する低級アルキル基又は低級アルコキシ基を置換基として有する低級アルキル基を示し;及び/又は
(b5)R4b、R5b、R4c及びR5cが同一又は異なって、水素原子又は低級アルキル基を示し;及び/又は
(b6)mが0又は1を示す。
【0065】

すなわち、一般式(1)で示される化合物において、上記(b1)、(b2)、(b3)、(b4)、(b5)及び(b6)からなる群より選択される1又は2以上の各組み合わせからなる化合物又はその塩が挙げられる。
【0066】

(c)本化合物におけるより好ましい例として、一般式(1)で示される化合物又はその塩において、各基が下記に示す基である化合物又はその塩が挙げられる。
【0067】

(c1)環Aがピリジン又はベンゼンを示し;及び/又は
(c2)R1が低級アルキル基又はアリール基を示し、該低級アルキル基はアリール基、複素環基、低級アルキル基を置換基として有する複素環基、オキソ基を置換基として有する複素環基、ヒドロキシ基及び−NR4a5aからなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく、また、該アリール基は1又は複数個の−NR4b5bを置換基として有してもよく;
1及びR2が一緒になって、含窒素複素環を形成してもよく、該含窒素複素環はヒドロキシ基を置換基として有する低級アルキル基及び−NR4c5cを置換基として有する低級アルキル基からなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく;
2が水素原子又は低級アルキル基を示し、該低級アルキル基は複素環基、ヒドロキシ基及び−NR4a5aからなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく;及び/又は
(c3)R3が低級アルキル基を示し;及び/又は
(c4)R4a及びR5aが同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基又はヒドロキシ基を置換基として有する低級アルキル基を示し;及び/又は
(c5)R4b、R5b、R4c及びR5cが同一又は異なって、水素原子又は低級アルキル基を示し;及び/又は
(c6)mが0又は1を示す。
【0068】

すなわち、一般式(1)で示される化合物において、上記(c1)、(c2)、(c3)、 (c4)、 (c5) 及び(c6)からなる群より選択される1又は2以上の各組み合わせからなる化合物又はその塩が挙げられる。
【0069】

(d)本化合物における特に好ましい具体例として、下記の化合物又はその塩が挙げられる。
【0070】

・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)アミノカルボニル]ベンズアミド。
【0071】
・N,N’−ビス(2−アミノフェニル)テレフタル酸アミド。
【0072】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]カルボニル]ベンズアミド。
【0073】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(2−ヒドロキシエチル)アミノカルボニル]ベンズアミド。
【0074】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−(2−ヒドロキシエチル)−N’−フェニルアミノカルボニル]ベンズアミド。
【0075】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)アミノカルボニル]ベンズアミド。
【0076】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(3−モルホリノプロピル)アミノカルボニル]ベンズアミド。
【0077】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(2−メチルアミノエチル)アミノカルボニル]ベンズアミド。
【0078】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(2−ジイソプロピルアミノエチル)アミノカルボニル]ベンズアミド。
【0079】
・4−[N’−(2−アミノエチル)−N’−ベンジルアミノカルボニル]−N−(2−アミノフェニル)ベンズアミド。
【0080】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(4−ジメチルアミノブチル)アミノカルボニル]ベンズアミド。
【0081】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−(2−ジメチルアミノエチル)−N’−フェネチルアミノカルボニル]ベンズアミド。
【0082】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−フェネチルアミノカルボニル]ベンズアミド。
【0083】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[N’−ベンジル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)アミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0084】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[N’−ベンジル−N’−(2−ヒドロキシエチル)アミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0085】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−イソプロピル−N’−[2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル)エチル]アミノカルボニル]ベンズアミド。
【0086】
・N−(2−アミノ−6−メチルフェニル)−4−(2−ジイソプロピルエチルアミノカルボニル)ベンズアミド。
【0087】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[(4−ジメチルアミノベンジル)アミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0088】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジエチルアミノ−1−フェニルエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0089】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[(2−ジエチルアミノメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0090】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミノカルボニル]ベンズアミド。
【0091】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[2−(ピペリジン−1−イル)エチルアミノカルボニル]ベンズアミド。
【0092】
・N−(2−アミノフェニル)−4−(2−モルホリノエチルアミノカルボニル)ベンズアミド。
【0093】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[2−(ピペリジン−1−イル)エチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0094】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(3−モルホリノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0095】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[3−(ピロリジン−1−イル)プロピルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0096】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0097】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0098】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[4−(ピロリジン−1−イル)ブチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0099】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0100】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−(2−ジエチルアミノエチル)−N’−エチルアミノカルボニル]ベンズアミド。
【0101】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[N’−(2−ジエチルアミノエチル)−N’−エチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0102】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジエチルアミノエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0103】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[2−(N’−ブチル−N’−エチルアミノ)エチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0104】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジブチルアミノエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0105】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(3−ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0106】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(3−ジメチルアミノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0107】
・N−(2−アミノフェニル)−4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノカルボニル)ベンズアミド。
【0108】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(ピロリジン−2−オン−1−イル)プロピルアミノカルボニル]ベンズアミド。
【0109】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0110】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[N’−(2−ジエチルアミノエチル)−N’−メチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0111】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジメチルアミノエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0112】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(3−ジブチルアミノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0113】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[2−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノエチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0114】

(e)本発明化合物における好ましい例として、一般式(2)で示される化合物又はその塩において、各基が下記に示す基である化合物又はその塩が挙げられる。
【0115】

(e1)環Bがピリジン又はベンゼンを示し;及び/又は
(e2)R6がアリール基を置換基として有する低級アルキル基又は複素環基を置換基として有する低級アルキル基を示し、該複素環は1又は複数個の低級アルキル基を置換基として有してもよく;
また、R6及びR7が一緒になって、含窒素複素環を形成してもよく、該含窒素複素環は、ヒドロキシ基を置換基として有する低級アルキル基、低級アルコキシ基を置換基として有する低級アルキル基及び−NR9b10bで置換されら低級アルキル基からなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく;及び/又は
(e3)R7が水素原子又は低級アルキル基を示し、該低級アルキル基は複素環基、ヒドロキシ基及び−NR9c10cからなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく;及び/又は
(e4)R8が低級アルキル基を示し;及び/又は
(e5)R9b、R10b、R9c及びR10cが同一又は異なって、水素原子又は低級アルキル基を示し;及び/又は
(e6)nは0又は1を示す。
【0116】

すなわち、一般式(2)で示される化合物において及び上記(e1)、(e2)、(e3)、 (e4)、 (e5) 及び(e6)からなる群より選択される1又は2以上の各組み合わせからなる化合物又はその塩が挙げられる。
【0117】

(f)本発明化合物における好ましい具体例として、下記の化合物又はその塩が挙げられる。
【0118】

・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)アミノカルボニル]ベンズアミド。
【0119】
・N,N’−ビス(2−アミノフェニル)テレフタル酸アミド。
【0120】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]カルボニル]ベンズアミド。
【0121】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(2−ヒドロキシエチル)アミノカルボニル]ベンズアミド。
【0122】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−(2−ヒドロキシエチル)−N’−フェニルアミノカルボニル]ベンズアミド。
【0123】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)アミノカルボニル]ベンズアミド。
【0124】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(3−モルホリノプロピル)アミノカルボニル]ベンズアミド。
【0125】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(2−メチルアミノエチル)アミノカルボニル]ベンズアミド。
【0126】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(2−ジイソプロピルアミノエチル)アミノカルボニル]ベンズアミド。
【0127】
・4−[N’−(2−アミノエチル)−N’−ベンジルアミノカルボニル]−N−(2−アミノフェニル)ベンズアミド。
【0128】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(4−ジメチルアミノブチル)アミノカルボニル]ベンズアミド。
【0129】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−(2−ジメチルアミノエチル)−N’−フェネチルアミノカルボニル]ベンズアミド。
【0130】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−フェネチルアミノカルボニル]ベンズアミド。
【0131】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[N’−ベンジル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)アミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0132】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[N’−ベンジル−N’−(2−ヒドロキシエチル)アミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0133】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−イソプロピル−N’−[2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル)エチル]アミノカルボニル]ベンズアミド。
【0134】
・N−(2−アミノ−6−メチルフェニル)−4−(2−ジイソプロピルエチルアミノカルボニル)ベンズアミド。
【0135】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[(4−ジメチルアミノベンジル)アミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0136】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジエチルアミノ−1−フェニルエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0137】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[(2−ジエチルアミノメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0138】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミノカルボニル]ベンズアミド。
【0139】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[2−(ピペリジン−1−イル)エチルアミノカルボニル]ベンズアミド。
【0140】
・N−(2−アミノフェニル)−4−(2−モルホリノエチルアミノカルボニル)ベンズアミド。
【0141】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[2−(ピペリジン−1−イル)エチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0142】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(3−モルホリノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0143】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[3−(ピロリジン−1−イル)プロピルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0144】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0145】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0146】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[4−(ピロリジン−1−イル)ブチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0147】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0148】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−(2−ジエチルアミノエチル)−N’−エチルアミノカルボニル]ベンズアミド。
【0149】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[N’−(2−ジエチルアミノエチル)−N’−エチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0150】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジエチルアミノエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0151】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[2−(N’−ブチル−N’−エチルアミノ)エチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0152】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジブチルアミノエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0153】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(3−ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0154】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(3−ジメチルアミノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0155】

尚、以下に示す化合物は公知化合物であり、本発明化合物の範囲外である。
【0156】

・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−ジメチルアミノ−2,2−ジメチルプロピルアミノカルボニル]ベンズアミド。
【0157】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(ピロリジン−2−オン−1−イル)プロピルアミノカルボニル]ベンズアミド。
【0158】
・N−(2−アミノフェニル)−4−(2−ジメチルアミノエチルアミノカルボニル)ベンズアミド。
【0159】
・N−(2−アミノフェニル)−4−(3−ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)ベンズアミド。
【0160】
・N−(2−アミノフェニル)−4−(4−ジエチルアミノ−1−メチルブチルアミノカルボニル)ベンズアミド。
【0161】
・N−(2−アミノフェニル)−4−(3−ジブチルアミノプロピルアミノカルボニル)ベンズアミド。
【0162】
・N−(2−アミノフェニル)−4−(2−ジプロピルアミノエチルアミノカルボニル)ベンズアミド。
【0163】
・N−(2−アミノフェニル)−4−フェネチルアミノカルボニルベンズアミド。
【0164】
・N−(2−アミノフェニル)−4−ベンジルアミノカルボニルベンズアミド。
【0165】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[N’−(2−ジメチルアミノエチル)−N’−エチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0166】
・N−(2−アミノフェニル)−5−[N’−(ジエチルアミノエチル)−N’−メチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0167】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(3−ジブチルアミノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0168】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(4−ジエチルアミノ−1−メチルブチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0169】
・5−(2−アセチルアミノエチルアミノカルボニル)−N−(2−アミノフェニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0170】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジメチルアミノエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0171】
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジプロピルアミノエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド。
【0172】
・N−(2−アミノフェニル)−2−(2−ジメチルアミノエチルアミノカルボニル)ピリジン−5−カルボン酸アミド。
【0173】
・2−(2−アセチルアミノエチルアミノカルボニル)−N−(2−アミノフェニル)ピリジン−5−カルボン酸アミド。
【0174】
・N−(2−アミノフェニル)−2−[N’−(2−ジエチルアミノエチル)−N’−メチルアミノカルボニル]ピリジン−5−カルボン酸アミド。
【0175】
・N−(2−アミノフェニル)−2−(3−ジブチルアミノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−5−カルボン酸アミド。
【0176】
・N−(2−アミノフェニル)−2−(2−ジプロピルアミノエチルアミノカルボニル)ピリジン−5−カルボン酸アミド。
【0177】

本化合物及び本発明合成中間体は、以下の方法により製造することができる。尚、個々の具体的な製造方法については、後述の実施例[製造例の項]で詳細に説明する。また、下記の合成経路中で使用されているBocはtert−ブトキシカルボニル基を示す。下記の式中R、R、R、R、Rに酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が含まれる場合にはこれらを汎用される方法で保護、脱保護することが出来る。
【0178】

本化合物及び本発明合成中間体の製造方法は、以下に示す方法に大別することができ、置換基の種類に応じて、適宜その方法を選択することができる。
【0179】
1) 本化合物(I)は、合成経路1に従い製造することができる。すなわち、本化合物(I)は、化合物(II)をメタノール等の有機溶媒中、塩化水素−酢酸エチル等の酸存在下、0℃から室温で30分間から3時間処理することにより得ることができる。
【化4】

【0180】

化合物(II)は、合成経路1−1に従い製造することができる。すなわち、これは、化合物(III)とアミン(IV)を塩化メチレン等の有機溶媒中、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等の縮合剤存在下、0℃から室温で30分間から24時間反応させることにより得ることができる。
【化5】

【0181】

化合物(III)は、合成経路1−2に従い製造することができる。すなわち、これは、化合物(V)をメタノール等の有機溶媒中、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ存在下、0℃から室温で30分間から24時間処理することにより得ることができる。
【化6】

【0182】

化合物(V)は、合成経路1−3に従い製造することができる。すなわち、これは、化合物(VI)と化合物(VII)をN,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」とする)等の有機溶媒中、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロフォスフェート(以下、「HATU」とする)等の縮合剤及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基存在下、室温で1時間から24時間反応させることにより得ることができる。
【化7】

【0183】

化合物(VI)は、合成経路1−4に従い製造することができる。すなわち、これは、化合物(VIII)と二炭酸ジ−tert−ブチル(IX)をテトラヒドロフラン等の有機溶媒中、トリエチルアミン等の塩基存在下、室温で1時間から24時間反応させることにより得ることができる。
【化8】

【0184】

2) 化合物(I)は、合成経路2に従い製造することができる。すなわち、これは、化合物(X)とアミン(IV)と化合物(VIII)をDMF等の有機溶媒中、HATU等の縮合剤及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基存在下、室温で1時間から24時間反応させることにより得ることができる。
【化9】

【0185】

化合物(IV)は、合成経路2−1に従い製造することができる。すなわち、アミン(XI)とアルコール(XII)をトルエン等の有機溶媒中、炭酸水素ナトリウム等の塩基、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウム(III)クロライド2量体等の触媒存在下、室温から120℃で30分間から24時間反応させることにより得ることができる。
【化10】

【0186】

また、本化合物及び本発明合成中間体は国際公開第2004/069803号パンフレットに準じて製造することもできる。
【0187】

本化合物の薬理作用については、後述の実施例「薬理試験」の項で説明するが、The Journal of Clinical Investigation, 103, 1141−1150 (1999)で報告されているCell Shape Index(以下、「CSI」とする)を指標とした評価系により、本化合物の線維柱帯細胞に対する形態変化作用を評価したところ、線維柱帯細胞に対して、優れた細胞形態変化作用を示した。
【0188】
さらに、本化合物の眼圧下降作用を評価する為、雄性日本白色ウサギを用いた薬物の前房内投与による眼圧下降作用の評価試験を実施した。その結果、本化合物は優れた眼圧下降作用を示した。
【0189】
よって、前述したとおり本化合物は線維柱帯細胞に対して、優れた細胞形態変化作用及び/又は眼圧下降作用を有しており、房水循環及び/又は眼圧が関与するとされる疾患の予防及び/又は治療剤、特に、緑内障及び/又は高眼圧症の予防及び/又は治療剤として有用である。
【0190】

本化合物は経口でも、非経口でも投与することができる。投与剤型として、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、注射剤、点眼剤等が挙げられ、それらは汎用される技術を使用して製剤化することができる。
【0191】

例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の経口剤は、乳糖、マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム等の賦形剤、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クエン酸カルシウム等の崩壊剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール、シリコーン樹脂等のコーティング剤、パラオキシ安息香酸エチル、ベンジルアルコール
等の安定化剤、甘味料、酸味料、香料等の矯味矯臭剤等を必要に応じて、必要量を使用し、調製することができる。
【0192】

また、注射剤、点眼剤等の非経口剤は、塩化ナトリウム、濃グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、塩化カリウム、ソルビトール、マンニトール等の等張化剤、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸,氷酢酸、トロメタモール等の緩衝化剤、ポリソルベート80、ステアリン酸ポリオキシ40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等の界面活性剤、クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等の安定化剤、塩化ベンザルコニウム、パラベン、塩化ベンゾトニウム、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、クロロブタノール、ソルビン酸等の防腐剤、塩酸、クエン酸、リン酸、氷酢酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤、ベンジルアルコール等の無痛化剤等を必要に応じて、必要量を使用し、調製することができる。
【0193】

本化合物の投与量は、症状、年齢、剤型等により適宜選択して使用することができる。例えば、経口剤では通常1日当たり0.01〜1000mg、好ましくは1〜100mgを1回又は数回に分けて投与することができる。また、点眼剤は通常0.0001%〜10%(w/v)、好ましくは0.01%〜5%(w/v)の濃度のものを1回又は数回に分けて投与することができる。
【0194】

以下に本化合物及び本発明合成中間体の製造例、製剤例及び薬理試験の結果を示す。尚、これらの例示は本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0195】

[製造例]
2−アミノフェニルカルバミン酸 t−ブチルエステル(参考化合物1−1)
O−フェニレンジアミン(22g,200mmol)とトリエチルアミン(30mL,210mmol)のテトラヒドロフラン(以下、「THF」とする)(150mL)溶液に二炭酸ジ−t−ブチル(44g,200mmol)のTHF(50mL)溶液を滴下し、室温で15時間撹拌した。反応液を濃縮して得られた固体を酢酸エチルでろ取し、固体を減圧下で乾燥して標記参考化合物21gを白色固体として得た。また、ろ液を濃縮して得られた固体を酢酸エチルでろ取し、減圧下で乾燥することにより、標記参考化合物11gを白色固体として得た(収率76%)。
【表1】

【0196】

以下、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、参考化合物1−1の製造方法に準じて、参考化合物1−2を得た。
【表2】

【0197】

N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−メトキシカルボニルベンズアミド(参考化合物2−1)
氷冷下で2−アミノフェニルカルバミン酸 t−ブチルエステル(参考化合物1−1,1.1g,5.0mmol)とトリエチルアミン(3.0mL,21mmol)の塩化メチレン(15mL)溶液にテレフタル酸クロリド モノメチルエステル(1.1g,5.0mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。水(50mL)を加え、酢酸エチル(40mL)で2回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体を混合溶媒(ヘキサン10mL−酢酸エチル5.0mL)でろ取し、減圧下で乾燥することにより、標記参考化合物1.8gを白色固体として得た(収率99%)。
【表3】

【0198】

以下、参考化合物1−1、1−2、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、参考化合物2−1の製造方法に準じて、参考化合物2−2及び2−3を得た。
【表4】

【0199】

N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−カルボキシベンズアミド(参考化合物3−1)
N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−メトキシカルボニルベンズアミド(参考化合物2−1,340mg)のTHF(3.0mL)溶液に1.0M水酸化ナトリウム水溶液(1.0mL)を加え、室温で6時間撹拌した。1.0M塩酸(30mL)を加え、酢酸エチル(30mL)で2回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去することにより、標記参考化合物300mgを白色固体として得た(収率91%)。
【表5】

【0200】

以下、参考化合物2−2、2−3、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、参考化合物3−1の製造方法に準じて、参考化合物3−2及び3−3を得た。
【表6】

【0201】

3−ベンジルアミノ−1−ジメチルアミノプロパン(参考化合物4−1)
塩化ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウム(III)2量体(56mg,0.070mmol)と炭酸水素ナトリウム(13mg,0.15mmol)のトルエン(0.50mL)懸濁液にベンジルアルコール(0.31mL,3.0mmol)を加えた後、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.37mL,3.0mmol)を滴下し、110℃で17時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH修飾シリカゲル、クロロホルム−メタノール)で精製することにより、標記参考化合物340mgを茶色油状物質として得た(収率60%)。
【表7】

【0202】

以下、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、参考化合物4−1の製造方法に準じて、参考化合物4−2〜4−7を得た。
【表8】

【0203】

4−[N’−ベンジル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)アミノカルボニル]−N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)ベンズアミド(参考化合物5−1)
3−ベンジルアミノ−1−ジメチルアミノプロパン(参考化合物4−1,220mg,1.1mmol)、N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−カルボキシベンズアミド(参考化合物3−1,400mg,1.1mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.42mL,2.5mmol)のDMF(2.0mL)溶液にHATU(470mg,1.2mmol)を加え、室温で22時間撹拌した。水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去することにより、標記参考化合物710mgを淡茶色アモルファスとして定量的に得た。
【表9】

【0204】

以下、参考化合物3−1〜3−3、4−2〜4−7、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、参考化合物5−1の製造方法に準じて、参考化合物5−2〜5−37を得た。
【表10−1】

【表10−2】

【表10−3】

【表10−4】

【表10−5】

【表10−6】

【表10−7】

【表10−8】

【表10−9】

【表10−10】

【表10−11】

【表10−12】

【表10−13】


(実施例1)
N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)アミノカルボニル]ベンズアミド(化合物1−1)
テレフタル酸(89mg,0.50mmol)、N−ベンジル−N’,N’−ジメチルエチレンジアミン(0.097mL,0.50mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.34mL,2.0mmol)のDMF(5.0mL)溶液にHATU(190mg,0.50mmol)を加え、室温で70分間撹拌した。さらにO−フェニレンジアミン(110mg,1.0mmol)とHATU(190mg,0.50mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。飽和重曹水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水(50mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製することにより、標記化合物120mgを無色油状物質として得た(収率58%)。
【表11】

【0205】

以下、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、化合物1−1の製造方法に準じて、化合物1−2〜1−5を得た。
【表12】

【0206】

(実施例2)
N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)アミノカルボニル]ベンズアミド(化合物2−1)
氷冷下で4−[N’−ベンジル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)アミノカルボニル]−N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)ベンズアミド(参考化合物5−1,550mg,1.0mmol)の混合溶液(酢酸エチル2.0mL−メタノール2.0mL)に4.0M塩化水素−酢酸エチル(4.0mL)を滴下し、室温で2時間撹拌した。飽和重曹水(60mL)を加え、酢酸エチル(120mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(60mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製することにより、標記化合物360mgを淡黄色アモルファスとして得た(収率80%)。
【表13】

【0207】

以下、参考化合物5−2〜5−37、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、化合物2−1の製造方法に準じて、化合物2−2〜2−13、2−15〜2−25及び2−27〜2−39を得た。また、化合物2−14と2−26は、参考化合物3−1、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、参考化合物5−1の製造方法に準じた後、化合物2−1の製造方法に準じて得た。
【表14−1】

【表14−2】

【表14−3】

【表14−4】

【表14−5】

【表14−6】

【表14−7】

【表14−8】

【表14−9】

【表14−10】

【表14−11】

【表14−12】

【表14−13】


[製剤例]
本化合物の代表的な製剤例を以下に示す。
【0208】

1)錠剤(150mg中)
本化合物 1mg
乳糖 100mg
トウモロコシデンプン 40mg
カルボキシメチルセルロースカルシウム 4.5mg
ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg

上記処方の錠剤にコーティング剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール、シリコーン樹脂等の通常のコーティング剤)3mgを用いてコーティングを施し、目的とする錠剤を得ることができる。また、本化合物並びに添加物の種類及び/又は量を適宜変更することで、所望の錠剤を得ることもできる。
【0209】

2)カプセル剤(150mg中)
本化合物 5mg
乳糖 135mg
カルボキシメチルセルロースカルシウム 4.5mg
ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg

本化合物並びに添加剤の種類及び又は量を適宜変更することで、所望のカプセル剤を得ることができる。
【0210】

3)点眼剤(100ml中)
本化合物 100mg
塩化ナトリウム 900mg
ポリソルベート80 500mg
水酸化ナトリウム 適量
塩酸 適量
滅菌精製水 適量

本化合物及び添加物の種類及び/又は量を適宜変更することで、所望の点眼剤を得ることができる。
【0211】

[薬理試験]
1.線維柱帯細胞に対する形態変化作用の評価試験
細胞の形態変化を評価する方法の一つとして、Cell Shape Index(以下、「CSI」とする)を指標とした評価系が、The Journal of Clinical Investigation, 103, 1141−1150 (1999)に報告されている。そこで、前記文献記載の方法に準じ、本化合物の線維柱帯細胞に対する形態変化作用を評価した。
【0212】

(使用細胞)
Investigative Ophthalmology & Visual Science, 43, 151−161 (2002)に報告されている、ヒト線維柱帯細胞株(以下、「TM−1細胞」とする)を使用した。
【0213】

(試薬の調製)
培養液1:Dulbecco’s Modified Eagle Medium(以下、「D−MEM」とする)にウシ胎児血清(10%)、L−グルタミン(2mM)、アンフォテリシンB(2.5μg/mL)及びゲンタマイシン(25μg/mL)を添加し、培養液1とした。
【0214】
培養液2:D−MEMにウシ胎児血清(3%)、L−グルタミン(2mM)、アンフォテリシンB(2.5μg/mL)及びゲンタマイシン(25μg/mL)を添加し、培養液2とした。
【0215】
細胞染色液:Calcein−AM溶液(細胞質染色試薬、DOJINDO社製)及びHoechst 33342溶液(核染色試薬、DOJINDO社製)を、L−グルタミン(2mM)、アンフォテリシンB(2.5μg/mL)及びゲンタマイシン(25μg/mL)を添加したD−MEMで希釈し、Calcein−AM(16μM)、Hoechst 33342(40μM)の混合液を調製した。
【0216】

(細胞の調製)
37℃、8%炭酸ガス雰囲気下で継代培養したTM−1細胞を、後述の薬物処理24時間前にトリプシン−EDTA溶液(0.05%トリプシン、0.53mMエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム)で処理して96穴培養プレートに播種した。細胞の継代培養には培養液1を用いた。プレート播種後の細胞培養には培養液2を用いた。
【0217】


(被験化合物溶液の調製)
被験化合物をジメチルスルホキシドに溶解して5mM溶液を調製し、これを培養液2で希釈して200μMの被験化合物溶液を調製した。
【0218】

(陽性対照化合物溶液の調製)
Rhoキナーゼ阻害剤であるY−27632が線維柱帯細胞の形態変化を誘導することがInvestigative Ophthalmology & Visual Science,42,137−144(2001)に報告されている。そこでY−27632(国際公開第90/05723号パンフレットに記載の方法に従い製造)を陽性対照として設定し、被験化合物と同様にY−27632をジメチルスルホキシドに溶解して5mM溶液を調製し、これを培養液2で希釈して200μMの溶液の陽性対照化合物溶液を調製した。
【0219】

(試験方法及び測定方法)
1)96穴培養プレートに1.6×10cells/mLに調製したTM−1細胞を1穴あたり95μL(1.5×10cells)ずつ添加した。
【0220】
2)8%炭酸ガス雰囲気下、37℃で24時間培養を行った。
【0221】
3)被験化合物溶液または陽性対照化合物溶液を1穴あたり5μLずつ添加した(被験化合物または陽性対照化合物の最終濃度:10μM)。またコントロールとしては、ジメチルスルホキシド(4%)を含有する培養液2を1穴あたり5μLずつ添加した。
【0222】
4)8%炭酸ガス雰囲気下、37℃で24時間培養を行った。
【0223】
5)細胞染色液を1穴あたり10μLずつ添加した。
【0224】
6)8%炭酸ガス雰囲気下、37℃で1時間インキュベーションし細胞を染色した。
【0225】
7)37%ホルムアルデヒド溶液を1穴あたり10μLずつ添加した。
【0226】
8)室温で1時間インキュベーションし細胞を固定した。
【0227】
9)リン酸緩衝生理食塩液による洗浄を行った。
【0228】
10)Array Scan Vti HCS reader(Cellomics社製)を用いて、20倍の対物レンズで、1被験化合物添加群あたり80視野(10視野×8穴)につき染色細胞の画像を取り込んだ。
【0229】
11)各細胞につきCSIを算出し、各被験化合物添加群ごとの平均値を求めた。
【0230】

(CSIの計算式)
CSIは以下の式により算出した。
【0231】
CSI=4π×細胞の面積/(細胞周囲の長さ)

(試験結果)
被験化合物として、化合物1−1、化合物2−1、化合物2−11、化合物2−13、化合物2−14、化合物2−15、化合物2−19、化合物2−20、化合物2−28、化合物2−31、化合物2−33、化合物2−35、化合物2−37、化合物2−38及びY−27632を使用した場合のCSIを表Iに示す。
【表I】


2.眼圧下降作用の評価試験
本化合物の眼圧下降作用を評価するため、雄性日本白色ウサギを用いた本化合物の前房内投与による眼圧下降作用の評価試験を実施した。
【0232】

(被験化合物投与液の調製)
被験化合物を0.5%ジメチルスルホキシド含有生理食塩液に溶解又は懸濁させ、1mMの被験化合物投与液を調製した。
【0233】

(試験方法及び測定方法)
雄性日本白色ウサギの両眼に0.4%塩酸オキシブプロカイン点眼液を一滴ずつ点眼し局所麻酔した後、圧平式眼圧計を用いて眼圧を測定した。次いで、30G針の注射器を用い、片眼に被験化合物投与液(20μL)を前房内投与した。コントロールとしては、被験化合物の溶媒(0.5%ジメチルスルホキシド含有生理食塩液)を20μL前房内投与した。被験化合物又は溶媒を投与してから一定時間の後に、投与眼に0.4%塩酸オキシブプロカイン点眼液を一滴ずつ点眼し局所麻酔した後、圧平式眼圧計を用いて眼圧を測定した。
【0234】

(眼圧下降率の計算式)
各被験化合物の眼圧下降作用は眼圧下降率を算出することにより評価した。眼圧下降率(%)は以下の式により算出した。
【0235】
眼圧下降率(%)=100×(コントロール群の眼圧の平均値−各被験化合物投与群の眼圧の平均値)/コントロール群の眼圧の平均値

(試験結果)
被験化合物として、化合物2−33及び化合物2−35を使用した場合の眼圧下降率を表IIに示す。尚、以下の眼圧下降率は、各被験化合物を投与してから9時間後のものである(一群あたり6例)。
【表II】


表Iに示したとおり、本化合物は線維柱帯細胞に対し、陽性対照としたY−27632と同等程度又はそれ以上の優れた細胞形態変化作用を有した(尚、表Iにおいては、CSIが小さい程、細胞形態変化が大きいことを示す)。さらに表IIに示したとおり、本化合物は実際の動物モデル試験においても優れた眼圧下降作用を有していることから、眼圧下降剤として使用でき、房水循環及び/又は眼圧が関与するとされる疾患の予防及び/又は治療剤、特に、緑内障、高眼圧症等の予防及び/又は治療剤として有用であることが期待される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される化合物又はその塩からなる群より選択される少なくとも1つを有効成分として含有する眼圧下降剤。
【化1】


[環Aはチオフェン、ピリジン又はベンゼンを示し;
1及びR2は同一又は異なって、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよい低級アルケニル基、置換基を有してもよい低級アルキニル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基 、ヒドロキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基、置換基を有してもよい低級アルケニルオキシ基、置換基を有してもよい低級アルキニルオキシ基、置換基を有してもよい低級シクロアルキルオキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を示し;
1及びR2が一緒になって、置換基を有してもよい含窒素複素環を形成してもよく;
3はハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基又は低級アルコキシ基を示し;
mは0、1又は2を示す。]
【請求項2】
一般式(1) において、
環Aがチオフェン、ピリジン又はベンゼンを示し;
1及びR2が同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級アルケニルオキシ基、低級アルキニルオキシ基、低級シクロアルキルオキシ基又はアリールオキシ基を示し;
該低級アルキル基、該低級アルケニル基、該低級アルキニル基、該低級シクロアルキル基、該低級アルコキシ基、該低級アルケニルオキシ基、該低級アルキニルオキシ基及び該低級シクロアルキルオキシ基は、ハロゲン原子、低級シクロアルキル基、アリール基、複素環基、低級アルキル基を置換基として有する複素環基、オキソ基を置換基として有する複素環、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、ホルミル基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルアミノカルボニル基、低級アルキルチオ基、低級アルキルカルボニルオキシ基、低級アルキルカルボニルアミノ基及び−NR4a5aからなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく;
また、該アリール基及びアリールオキシ基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子を置換基として有する低級アルキル基、低級アルケニル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基及び−NR4b5bからなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく;
1及びR2が一緒になって、含窒素複素環を形成してもよく、該含窒素複素環は、低級アルキル基、アリール基を置換基として有する低級アルキル基、複素環基を置換基として有する低級アルキル基、ヒドロキシ基を置換基として有する低級アルキル基、低級アルコキシ基を置換基として有する低級アルキル基及び−NR4c5cを置換基として有する低級アルキル基からなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく;
3が低級アルキル基を示し;
4a、R5a、R4b、R5b、R4c及びR5cが同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基を置換基として有する低級アルキル基又は低級アルコキシ基を置換基として有する低級アルキル基を示し;
mが0又は1を示す請求項1記載の眼圧下降剤。
【請求項3】
一般式(1) において、
環Aがピリジン又はベンゼンを示し;
1及びR2が同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基又はアリール基を示し、該低級アルキル基はアリール基、複素環基、低級アルキル基を置換基として有する複素環基、オキソ基を置換基として有する複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基及び−NR4a5aからなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく、また、該アリール基は1又は複数個の−NR4b5bを置換基として有してもよく;
1及びR2が一緒になって、含窒素複素環を形成してもよく、該含窒素複素環はヒドロキシ基を置換基として有する低級アルキル基、低級アルコキシ基を置換基として有する低級アルキル基及び−NR4c5cを置換基として有する低級アルキル基からなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく;
3が低級アルキル基を示し;
4a及びR5aが同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基を置換基として有する低級アルキル基又は低級アルコキシ基を置換基として有する低級アルキル基を示し;
4b、R5b、R4c及びR5cが同一又は異なって、水素原子又は低級アルキル基を示し;
mが0又は1を示す請求項1記載の眼圧下降剤。
【請求項4】
一般式(1) において、
環Aがピリジン又はベンゼンを示し;
1が低級アルキル基又はアリール基を示し、該低級アルキル基はアリール基、複素環基、低級アルキル基を置換基として有する複素環基、オキソ基を置換基として有する複素環基、ヒドロキシ基及び−NR4a5aからなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく、また、該アリール基は1又は複数個の−NR4b5bを置換基として有してもよく;
1及びR2が一緒になって、含窒素複素環を形成してもよく、該含窒素複素環はヒドロキシ基を置換基として有する低級アルキル基及び−NR4c5cを置換基として有する低級アルキル基からなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく;
2が水素原子又は低級アルキル基を示し、該低級アルキル基は複素環基、ヒドロキシ基及び−NR4a5aからなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく;
3が低級アルキル基を示し;
4a及びR5aが同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基又はヒドロキシ基を置換基として有する低級アルキル基を示し;
4b、R5b、R4c及びR5cが同一又は異なって、水素原子又は低級アルキル基を示し;
mが0又は1を示す請求項1記載の眼圧下降剤。
【請求項5】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)アミノカルボニル]ベンズアミド、
・N,N’−ビス(2−アミノフェニル)テレフタル酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]カルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(2−ヒドロキシエチル)アミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−(2−ヒドロキシエチル)−N’−フェニルアミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)アミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(3−モルホリノプロピル)アミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(2−メチルアミノエチル)アミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(2−ジイソプロピルアミノエチル)アミノカルボニル]ベンズアミド、
・4−[N’−(2−アミノエチル)−N’−ベンジルアミノカルボニル]−N−(2−アミノフェニル)ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(4−ジメチルアミノブチル)アミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−(2−ジメチルアミノエチル)−N’−フェネチルアミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−フェネチルアミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[N’−ベンジル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)アミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[N’−ベンジル−N’−(2−ヒドロキシエチル)アミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−イソプロピル−N’−[2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル)エチル]アミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノ−6−メチルフェニル)−4−(2−ジイソプロピルエチルアミノカルボニル)ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[(4−ジメチルアミノベンジル)アミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジエチルアミノ−1−フェニルエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[(2−ジエチルアミノメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[2−(ピペリジン−1−イル)エチルアミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−(2−モルホリノエチルアミノカルボニル)ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[2−(ピペリジン−1−イル)エチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−(3−モルホリノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[3−(ピロリジン−1−イル)プロピルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[4−(ピロリジン−1−イル)ブチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−(2−ジエチルアミノエチル)−N’−エチルアミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[N’−(2−ジエチルアミノエチル)−N’−エチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジエチルアミノエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[2−(N’−ブチル−N’−エチルアミノ)エチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジブチルアミノエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−(3−ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−(3−ジメチルアミノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノカルボニル)ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(ピロリジン−2−オン−1−イル)プロピルアミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[N’−(2−ジエチルアミノエチル)−N’−メチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジメチルアミノエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−(3−ジブチルアミノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド及び
・N−(2−アミノフェニル)−5−[2−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノエチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、又はその塩からなる群より選択される少なくとも1つを有効成分として含有する眼圧下降剤。
【請求項6】
下記一般式(2)で表される化合物又はその塩。
【化2】


[環Bはピリジン又はベンゼンを示し;
6は置換基を有してもよいアリール基を置換基として有する低級アルキル基、置換基を有してもよい複素環基を置換基として有する低級アルキル基又は−NR9a10aを置換基として有する低級アルキル基を示し;
6及びR7が一緒になって、置換基を有してもよい含窒素複素環を形成してもよく;
7は水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよい低級アルケニル基、置換基を有してもよい低級アルキニル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ヒドロキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基、置換基を有してもよい低級アルケニルオキシ基、置換基を有してもよい低級アルキニルオキシ基、置換基を有してもよい低級シクロアルキルオキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を示し;
8はハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基又は低級アルコキシ基を示し;
9a及びR10aは同一又は異なって、水素原子又は置換基を有してもよい低級アルキル基を示し;
nは0、1又は2を示す。]
【請求項7】
一般式(2) において、
環Bがピリジン又はベンゼンを示し;
6がアリール基を置換基として有する低級アルキル基又は複素環基を置換基として有する低級アルキル基を示し、該複素環は1又は複数個の低級アルキル基を置換基として有してもよく;
また、R6及びR7が一緒になって、含窒素複素環を形成してもよく、該含窒素複素環は、ヒドロキシ基を置換基として有する低級アルキル基、低級アルコキシ基を置換基として有する低級アルキル基及び−NR9b10bで置換された低級アルキル基からなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく;
7が水素原子又は低級アルキル基を示し、該低級アルキル基は複素環基、ヒドロキシ基及び−NR9c10cからなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよく;
8が低級アルキル基を示し;
9b、R10b、R9c及びR10cが同一又は異なって、水素原子又は低級アルキル基を示し;
nは0又は1を示す請求項6記載の化合物又はその塩。
【請求項8】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)アミノカルボニル]ベンズアミド、
・N,N’−ビス(2−アミノフェニル)テレフタル酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]カルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(2−ヒドロキシエチル)アミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−(2−ヒドロキシエチル)−N’−フェニルアミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)アミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(3−モルホリノプロピル)アミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(2−メチルアミノエチル)アミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(2−ジイソプロピルアミノエチル)アミノカルボニル]ベンズアミド、
・4−[N’−(2−アミノエチル)−N’−ベンジルアミノカルボニル]−N−(2−アミノフェニル)ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−ベンジル−N’−(4−ジメチルアミノブチル)アミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−(2−ジメチルアミノエチル)−N’−フェネチルアミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−フェネチルアミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[N’−ベンジル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)アミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[N’−ベンジル−N’−(2−ヒドロキシエチル)アミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−イソプロピル−N’−[2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル)エチル]アミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノ−6−メチルフェニル)−4−(2−ジイソプロピルエチルアミノカルボニル)ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[(4−ジメチルアミノベンジル)アミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジエチルアミノ−1−フェニルエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[(2−ジエチルアミノメチルピロリジン−1−イル)カルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[2−(ピペリジン−1−イル)エチルアミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−(2−モルホリノエチルアミノカルボニル)ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[2−(ピペリジン−1−イル)エチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−(3−モルホリノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[3−(ピロリジン−1−イル)プロピルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[4−(ピロリジン−1−イル)ブチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[N’−(2−ジエチルアミノエチル)−N’−エチルアミノカルボニル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[N’−(2−ジエチルアミノエチル)−N’−エチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジエチルアミノエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−[2−(N’−ブチル−N’−エチルアミノ)エチルアミノカルボニル]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−(2−ジブチルアミノエチルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド、
・N−(2−アミノフェニル)−5−(3−ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミド及び
・N−(2−アミノフェニル)−5−(3−ジメチルアミノプロピルアミノカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸アミドからなる群より選択される化合物又はその塩。
【請求項9】
下記一般式(3)で表される化合物又はその塩。
【化3】


[環Bはピリジン又はベンゼンを示し;
6は置換基を有してもよいアリール基を置換基として有する低級アルキル基、置換基を有してもよい複素環基を置換基として有する低級アルキル基又は−NR9a10aを置換基として有する低級アルキル基を示し;
6及びR7が一緒になって、置換基を有してもよい含窒素複素環を形成してもよく;
7は水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよい低級アルケニル基、置換基を有してもよい低級アルキニル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ヒドロキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基、置換基を有してもよい低級アルケニルオキシ基、置換基を有してもよい低級アルキニルオキシ基、置換基を有してもよい低級シクロアルキルオキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を示し;
8はハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基又は低級アルコキシ基を示し;
9a及びR10aは同一又は異なって、水素原子又は置換基を有してもよい低級アルキル基を示し;
11は置換基を有してもよい低級アルコキシ基を示し;
nは0、1又は2を示す。]



【公開番号】特開2008−266321(P2008−266321A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−85273(P2008−85273)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000177634)参天製薬株式会社 (177)
【Fターム(参考)】