説明

フレグランス組成物を調節する能力を有する有機化合物および組成物

シトクロムP450酵素、例えばCYP2A13およびCYP2B6を阻害するこれらの能力により、フレグランス組成物を調節する、即ち改善、増強および/または修正する能力を有する化合物が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレグランス組成物を調節する、即ち改善し、増強させ、および/または修正する能力を有する化学的化合物の群に関する。
【背景技術】
【0002】
フレグランス産業においてフレグランス組成物を作成する従来の方法は、これら自体が、有益であるかまたは良好な感じの臭気を有すると当業者により認識される化学的化合物を加えることによる。加えて、化学的化合物は、フレグランスとして適するために、いくつかの基準、例えば低い臭気しきい値を満たさなければならない。
【0003】
驚異的なことに、臭気物質化合物の知覚を調節する能力を有する新規な群の化合物が、見出された。モジュレーターは、臭気物質化合物の嗅覚知覚に影響する化合物である。モジュレーターは、強度(全体的なエンハンサーもしくはマスキング剤)、品質(嗅覚ノートの変化、特定のノートの増強もしくはマスキング)、知覚の持続期間/長期間の継続性の変化またはこれらの組み合わせをもたらし得る。モジュレーターはまた、特定の臭気物質もしくは臭気物質の混合物の全体的な知覚、または特定の嗅覚的品質/ノートを増強し得る。
【0004】
理論に束縛されずに、以下に記載する化合物の調節効果が、主にシトクロムP450酵素CYP2A13の阻害のために発生すると、考えられる。この酵素は、主にヒトの気道、例えば肺組織、気管および嗅粘膜において、発現される(Su et al., 2000, Cancer Res. 60: 5074 - 5079)。この酵素が多数の化学的化合物、例えば十分知られている臭気物質化合物であるクマリンまたは効能があるタバコに特異的なニトロソアミンである4−(メチルニトロソアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノン(NNK)の代謝の原因となることは、当該分野から知られている。NNKは、ニトロソ化によるタバコ植物の加工および養生の間に生成し、ニコチンが内因的にNNKに変換され得るとも考えられる。これは、タバコ中および、主流煙と副流煙との両方のタバコ煙中に存在する。NNKは、シトクロムP450活性により触媒されるアルファ−ヒドロキシル化によって代謝的に活性化される前発癌物質であり、生成する反応性求電子性代謝物質は、最終的にDNAをアルキル化する。
【0005】
シトクロムP450酵素は、主に分子状酸素およびその後の単一の酸素原子の挿入の2段階での還元を伴うモノオキシゲナーゼ反応を触媒するヘム−チオレート酵素のサブファミリーを構成するが、還元的代謝もまた知られている。触媒された反応には、水酸化、エポキシ化、N−酸化、スルホキシド化、N−、S−およびO−脱アルキル、脱硫酸化、脱アミノ、ならびにアゾ−、ニトロ−およびN−酸化物基の還元が含まれていた。特に、最も頻繁に、水酸化がCYP2A13の存在下で発生するが、C−メチルおよびN−メチルの脱メチル反応ならびに二重結合のエポキシ化もまた発生することが、見出されている。CYP2A13は、ヒトの鼻および気道において優性に発現されるが、他のP450酵素もまた、代謝に寄与する。特に、CYP2A6およびCYP2B6は、小分子量の基質を代謝する傾向がある。CYP2B6はまた、タバコに特異的なニトロソアミン、例えばNNKを代謝的に活性化するCYP2A13以外の第2の重要な触媒であると、確認されている(Hecht, S.S. (2008) Chem. Res. Toxicol. 21:160-171. Progress and challenges in selected areas of tobacco carcinogenesis)。CYP2A13により触媒される生化学的反応の例を、スキーム1に示す。
【0006】
【化1】

【0007】
CYP2A13は、ヒトCYP2Aファミリーの3つの成員の1つである。他の2つは、CYP2A6およびCYP2A7である。CYP2A6は、クマリンを水酸化し、ニコチンをコチニンに代謝もする、主要なヒト肝臓代謝酵素であると見られているのに対して、CYP2A7については、触媒活性は現在知られておらず、これは偽遺伝子であると考えられている。CYP2A6はまた、ヒト気道においても検出されるが、CYP2A13は優性に発現されるアイソフォームである。
【0008】
鼻において起こる臭気物質の代謝は、嗅覚感覚に影響し得、一般的に、例えば肺組織における気道代謝は、鼻を含む気道を通過する空気の交換によって、鼻後方の嗅覚感覚に影響し得、これにより、肺酵素によって生成した代謝物が嗅粘膜およびここに位置するレセプターに達し得る。代謝の原因となる酵素、特にCYP2A13を阻害することにより、鼻腔における臭気物質化合物の認識の調節を達成することができ、これは、例によりさらに詳細に示す通りである。
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明は、この観点の1つにおいて、
a)式(I)
【化2】

式中、
nは0または1であり ;
点線は、炭素−炭素結合と共にEもしくはZ立体配置のいずれかの二重結合または単結合を表し;
は、C〜Cアルキル(例えばエチル)、C〜Cアルケニル(例えば3−メチルブタ−2−エン−1イル)、5〜7個の炭素原子を含むシクロアルキルビニル(例えばシクロプロピルエテニル)、5〜7個の炭素原子を含むアリールビニル(例えばフェニルエチレン)、フェニル、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ(例えばメトキシもしくはエトキシ)、またはC〜Cアルケニルオキシ(例えば−O−CH−CH=CH)またはエチニルであり;
【0010】
は、直鎖状または分枝状C〜Cアルキル、例えばCアルキル(n−ブチル、tert.ブチル、2−メチル−(プロピル)、ブタ−2−イル)、Cアルキル(例えばn−ペンチル、3−メチル(ブタ−1−イル))およびCアルキル(例えばn−ヘキシル)であり;
【0011】
I)Zは−CRであり、ここでR、R、Rは水素であり;RおよびRはメチルであり、Rは水素もしくはメチルであり;またはRおよびRは独立してHまたはC〜Cアルコキシ(例えばエトキシ、プロポキシ)を表し、RはC〜Cアルコキシ(例えばエトキシ、プロポキシ)であり;
【0012】
II)Zは、3〜6員単環式または6〜10員二環式炭化水素環(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンタジエニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル)であり、ここで2個まで、即ち0、1または2個のC原子は、S、OおよびNから選択されるヘテロ原子により置き換えられており(例えばフラニル、チエニル、テトラヒドロフラニル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル(例えばベンゾ−1,3−ジオキソ−5−イル)、ピリジル、イミダゾリル);
【0013】
III)Zは、3〜6員単環式または6〜10員二環式炭化水素環(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンタジエニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル)であり、ここで2個まで、即ち0、1または2個のC原子は、S、OおよびNから選択されるヘテロ原子により置き換えられており、当該環は、ヒドロキシル、CN、ハロゲン(例えばF、Cl、Br)、モノ、ジおよびトリハロゲノメチル(例えばCF)、C〜Cアルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ)、C〜Cアルキル(例えばエチル)、−COORおよび−OCOR(ここでRは水素、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルである)から選択される5個までの基(例えば1または2個の基)で置換されており、ただし当該環は、1つまでのC〜Cアルキル基のみで置換されており;
【0014】
IV)Zは、C−2と共にそれぞれシクロブタンおよびシクロペンタン環を形成する2価の残基−CH−CH−であり;あるいは
V)Zは−C(O)Rであり、ここでRはC〜Cアルキル(例えばエチル、メチル)、またはC〜Cアルコキシ(例えばエトキシ)であり;
【0015】
は、H、C〜Cアルキル(例えばメチル、エチル)、またはC−2と共にシクロプロパン環を形成する−CH−である;
で表される化合物、
式(I)で表される化合物は、少なくとも9個のC原子(例えば9、10、11、12、13、14、15、16、17個のC原子)を含む、
で表される化合物;
ならびに
b)少なくとも1種の臭気物質化合物
を含む組成物に言及する。
【0016】
本明細書中で用いる用語「臭気物質化合物」は、フレーバーの揮発性部分とフレグランス分子との両方に言及する。臭気物質化合物の例を、例えばAllured Publishing Inc.により刊行されたAllured's Flavor and Fragrance Materials 2004中に見出すことができる。
【0017】
非限定的な例は、Rがメチルであり、Rがn−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルおよびn−ヘプチルから選択され、Rが水素であり、Zがシクロプロピル、フェニル、ナフチル、フラニル、チエニルまたはテトラヒドロフラニルである、式(I)で表される化合物である。
【0018】
式(I)で表される他の非限定的な例の化合物を、Rがメチルであり、Rがn−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルおよびn−ヘプチルから選択され、Rが水素であり、ZがCN、ハロゲン(例えばF、Cl、Br)、C〜Cアルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ)、C〜Cアルキルおよび−COOR(式中Rは水素、メチル、エチル、プロピルであるかまたはイソプロピルである)から選択される1個また2個の基で置換されたフェニルである、式(I)で表される化合物のリストから選択することができる。
【0019】
他の非限定的な例は、Rがメチルであり、Rがn−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルおよびn−ヘプチルから選択され、Zが−CR(式中Rは水素であり、RおよびRは独立してC〜Cアルコキシ、例えばメトキシもしくはエトキシである)である、式(I)で表される化合物、またはRがメチルであり、Rがエチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルおよびn−ヘプチルから選択され、Zが2−メチルジオキソラン−2−イルである、式(I)で表される化合物である。
【0020】
特に、態様は、(E)−3−(シクロプロピルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(シクロプロピルメチレン)ヘプタン−2−オン;(E)−3−(シクロプロピルメチレン)ノナン−2−オン;(1E,4E)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピル−メチレン)デカ−1−エン−3−オン;(E)−3−ベンジリデンヘプタン−2−オン;(E)−3−ベンジリデンオクタン−2−オン;(1E,4E)−4−ベンジリデン−1−フェニルノン−1−エン−3−オン;(E)−3−ベンジリデンノナン−2−オン;3−フェニルメチルヘプタン−2−オン;3−フェニルメチルオクタン−2−オン;(E)−4−(2−アセチルヘプタ−1−エニル)−ベンゾニトリル;(E)−3−(ナフタレン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(チオフェン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(フラン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン;3−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)オクタン−2−オン;(E)−3−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチレン)ヘプタン−2−オン;(E)−3−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチレン)オクタン−2−オン;3−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチル)オクタン−2−オン;(E)−3−(2,2−ジメトキシエチリデン)ヘプタン−2−オン;(E)−3−(2,2−ジメトキシエチリデン)−オクタン−2−オン;3−(2,2−ジメトキシエチル)オクタン−2−オン;3−(2−メトキシエチル)オクタン−2−オン;
【0021】
(E)−3−(2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチリデン)オクタン−2−オン;3−(2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル)オクタン−2−オン;3−ペンチルヘプタン−2,6−ジオン;(E)−3−エチリデンオクタン−2−オン;1−(2−メチル−1−ペンチルシクロプロピル)エタノン;3−(プロパン−2−イリデン)オクタン−2−オン;1−ペンチルシクロペンタンカルボン酸メチル;1−(1−ペンチルシクロペンチル)エタノン;(E)−3−(シクロヘキシルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(シクロヘクサ−3−エニルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(シクロペンチルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(シクロブチルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2−フルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(3−フルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(4−フルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2,6−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2,4−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(Z)−3−(3,5−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;
【0022】
(E)−3−(3,5−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(パーフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2−メチルベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(3−メチルベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(4−メチルベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2−(トリフルオロメチル)ベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−ベンジリデンヘキサン−2−オン;(E)−3−(2−メトキシベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(3−メトキシベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(4−メトキシベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(4−メトキシベンジリデン)ヘプタン−2−オン;(E)−3−(4−メトキシベンジリデン)ヘキサン−2−オン;(E)−3−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルメチレン)オクタン−2−オン;(Z)−4−(2−アセチルヘプタ−1−エニル)安息香酸メチル;(E)−4−(2−アセチルヘプタ−1−エニル)安息香酸メチル;(E)−3−(チオフェン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(ピリジン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン;
【0023】
(E)−3−(ピリジン−3−イルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(ピリジン−4−イルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−2−(シクロプロピルメチレン)ヘプタン酸メチル;(E)−2−ベンジリデンヘプタン酸メチル;2−(シクロプロピルメチル)ヘプタン酸メチル;2−ベンジルヘプタン酸メチル;3−(シクロプロピルメチル)オクタン−2−オン;(E)−3−(1−フェニルエチリデン)オクタン−2−オン;(E)−2−(シクロプロピルメチレン)−1−フェニルヘプタン−1−オン;(E)−2−(2,2−ジメチルプロピリデン)ヘプタン酸メチル;(E)−2−(2,2−ジメチルプロピリデン)ヘプタン酸;(E)−3−(2,2−ジメチルプロピリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2−メチルプロピリデン)オクタン−2−オン;(E)−4−(シクロプロピルメチレン)ノナン−3−オン;および(E)−4−ベンジリデンノナン−3−オンからなるリストから選択された式(I)で表される化合物である。
【0024】
式(I)で表される化合物は、1つまたは2つ以上のキラル中心を含んでいてもよく、これら自体立体異性体の混合物として存在してもよく、またはこれらを、異性体的に純粋な形態として分割することができる。立体異性体を分割することにより、これらの化合物の製造および精製の複雑さが加えられ、およびしたがって、単に経済的理由のためにこれらの立体異性体の混合物として当該化合物を用いるのが、好ましい。しかし、個々の立体異性体を調製するのが望ましい場合には、これを、当該分野において知られている方法、例えば分取HPLCおよびGC、結晶化に従って、またはキラルな出発物質から出発することにより、例えばキラルプール、例えばテルペノイドからの鏡像異性体的に純粋であるかまたは富化された原料から出発することにより、および/または立体選択的合成を適用することにより、達成することができる。
【0025】
本発明の化合物は、フレグランスの性能を改善するか、または臭気物質化合物の所望されない嗅覚ノートの知覚を抑制もしくは遮蔽する。所望されないノート、例えばオフノート(off-note)の形成を抑制することにより、臭気ノートの一層清浄な全体的な印象を、達成することができる。一般的に、式(I)で表される化合物は、フレグランスアコードの嗅覚的プロフィールを、ヒトの鼻中に、および特にこれらが嗅覚レセプターに対して有効である嗅上皮中に存在する臭気物質化合物の組成を変化させることにより、修正する。
【0026】
鋭意の研究により、多数の既知の臭気物質化合物がCYP2A13の存在下で生化学的変換をうけることが示された。したがって、CYP2A酵素基質が臭気物質化合物であり、代謝物が本質的に無臭の化合物、比較的低い強度の臭気の化合物または、臭気物質化合物自体とは異なる臭気特徴を有する化合物である場合には、酵素の阻害の結果、酵素の臭気物質化合物との一層遅い反応が発生し、全体的な臭気の強化または特定の嗅覚ノートの変化がもたらされる。
【0027】
したがって、式(I)で表される化合物は、生体内変換をうけるフレグランス分子との組み合わせにおいて、特に良好に適している。例えば、
・アルコール類、例えばベータ−シトロネロール、セドロール、Ambrinol(1,2,3,4,4a,5,6,7−オクタヒドロ−2,5,5−トリメチル−2−ナフタレノール)およびノナ−2,6−ジエノール)。
・アルデヒド類およびケトン類、例えばオクタヒドロ−7−メチル−1,4−メタノナフタレン−6(2H)−オン、アルファ−イオノン、ベータ−イオノン、Cetone V(1−(2,6,6−トリメチル2−シクロヘキセン−1−イル)−1,6−ヘプタジエン−3−オン)、アルファダマスコン、Orivone(4−(1,1−ジメチル−プロピル)−シクロヘキサノン)およびPulegone(5−メチル−2−(プロパン−2−イリデン)シクロヘキサノン))。
【0028】
・エーテル類およびアセタール類、例えばメチルパンプルムース(methyl pamplemousse)(1,1−ジメトキシ−2,2,5−トリメチル−4−ヘキセン)、1,4−シネオール(1,4−エポキシ−p−メンタン)およびローズオキサイド(rose oxyde))(2−(2’−メチル−1’プロペニル)−4−メチルテトラヒドロピラン。
・エステル類およびラクトン類、例えばN−メチルアントラニル酸メチル、酢酸3−フェニルプロピル、エチルライトン(ethyl laiton)(8−エチル−1−オキサスピロ[4.5]デカン−2−オン)およびメチルライトン(8−メチル−1−オキサスピロ[4.5]デカン−2−オン))。
【0029】
・大員環、例えばVelvione(登録商標)(シクロヘキサデカ−5−エン−1−オン)、Habanolide(登録商標)(オキサシクロヘキサデカ−12−エン−2−オン)およびCosmoneTM(3−メチル−5−シクロテトラデセン−1−オン))。
・複素環式化合物、例えばイソプロピルキノリン、ピラロン(pyralone)(6−(1−メチルプロピル)キノリンおよび2−イソプロピル−4−メチルチアゾール。
【0030】
・ニトリル類、例えばシトロネリルニトリル、クミンニトリル(4−(1−メチルエチル)−ベンゾニトリル)、レモニル(lemonile)(3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリル)、テラニル(terranile)(3−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−プロペンニトリル)、デカノニトリルおよびローズニトリル(rose nitrile)(3−(4,7,7−トリメチルビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−イリデン)−プロパンニトリル))。
・炭化水素類、例えばアルファピネン、リモネン、テルピノレンおよびデルタ−3−カレン。
【0031】
フレグランス組成に依存して、このようなモジュレーターを含まない組成物と比較した完全に異なる臭気ノートは、式(I)で表される化合物の有効量の追加により達成することができる。これを、例によりさらに例示する。
【0032】
阻害剤、即ち式(I)で表される化合物は、臭気物質自体であり得、したがって鼻および/または気道代謝を阻害することに加えて、フレグランス組成物の嗅覚プロフィールに寄与し得る。このような阻害剤を、好ましくはこれらが意識的に知覚されない濃度にて、即ちこれらの感覚的しきい値濃度より低い濃度にて用いる。したがって、高い感覚的しきい値を有する化合物が、好ましい;これらを、これら自体をフレグランスアコードの嗅覚的プロフィールに寄与させずに一層高い濃度で用いることができ、一方尚P450酵素、特にCYP2A13、CYP2A6およびCYP2B6の阻害から生じる調節的な効果を示す。
【0033】
感覚しきい値濃度は、刺激の検出確率(probability)が0.5である(試験の条件下で、所定の個人により、偶然(chance)より50%高い)臭気物質化合物の濃度として、定義される。感覚しきい値濃度を、標準的な方法、例えばASTM E1432−91により測定することができ、嗅覚検査手段により、またはにおい嗅ぎビン(sniff-bottle)を用いることにより測定し、パネリストが提示されたヘッドスペースのにおいを感知するのを可能にする。また、連続的方法において提示された臭気のにおいを感知することも、可能である。
【0034】
式(I)で表される化合物がCYP2A、例えばCYP2A6およびCYP2A13、ならびにCYP2B6の酵素活性を阻害するという事実のために、これらをまた、タバコ製品と組み合わせて用いて、タバコの煙と一緒に吸入される際の気道におけるNNKの代謝を低減するかまたは阻害することができる。
【0035】
したがって、本発明は、他の観点において、式(I)で表される少なくとも1種の化合物を含むタバコ製品、例えば巻きタバコ、噛みタバコ、嗅ぎタバコ、パイプタバコおよび葉巻タバコに言及する。タバコ製品に用いる場合には、最終製品を基準として、約0.1〜2重量%、例えば約0.3〜1重量%、例えば約1重量%の添加が、効果を達成するのに十分であり得る。
【0036】
CYP2AおよびCYP2B酵素についての阻害剤としてのこれらの特性のために、これらをまた、個人におけるニコチン代謝の調節、例えばニコチン置換療法のために用いてもよい。
したがって、本発明は、さらなるこの観点において、上記で定義した式(I)で表される化合物を含む医薬組成物の調製に言及する。
【0037】
本発明の化合物を、例えば、経口、経鼻、外用、非経口、局所または吸入使用のために投与することができる。経口投与には、錠剤、カプセル、チューインガムおよびスプレーの形態における投与が含まれる。
さらに、NNKを含むタバコの煙の存在下で吸入した場合には、式(I)で表される化合物が、CYP2Aおよび/またはCYP2B酵素についての阻害剤としてのこれらの特性のために、NNK代謝プロセスを低減することが推測される。
【0038】
したがって、本発明は、他の観点において、上記で定義した式(I)で表される化合物を、タバコの煙を含む室内に散布する段階を含む方法に言及する。揮発性物質を大気中に散布することができるあらゆる手段を、用いることができる。本明細書中での用語「手段」の使用は、当該分野に十分知られているヒーターおよび/またはファンおよび噴霧化システムを含んでいてもよいすべてのタイプのエアフレッシュナー装置を包含する。
式(I)で表される数種の化合物が知られているのに対し、他の化合物は、文献中にこれまで記載されていない。
【0039】
したがって、本発明は、他の観点において、式(Ia)
【化3】

式中、
nは0または1であり;
点線は、炭素−炭素結合と共にEもしくはZ立体配置のいずれかの二重結合または単結合を表し;
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル(例えば3−メチルブタ−2−エン−1イル)、5〜7個の炭素原子を含むシクロアルキルビニル(例えばシクロプロピルエテニル)、5〜7個の炭素原子を含むアリールビニル(例えばフェニルエチレン)、フェニル、C〜Cアルコキシ(例えばメトキシまたはエトキシ)、C〜Cアルケニルオキシ(例えば−O−CH−CH=CH)またはエチニルであり;
【0040】
は、直鎖状または分枝状C〜Cアルキル、例えばCアルキル(n−ブチル、tert.ブチル、2−メチル−(プロピル)、ブタ−2−イル)、Cアルキル(例えばn−ペンチル、3−メチル(ブタ−1−イル))およびCアルキル(例えばn−ヘキシル)であり;
は、H、C〜CアルキルまたはC−2と共にシクロプロパン環を形成する−CH−であり;
【0041】
I)Zは−CRであり、ここでR、R、Rは水素であり;RおよびRはメチルであり、Rは水素もしくはメチルであり;またはRおよびRは独立してHまたはC〜Cアルコキシ(例えばエトキシ)を表し、RはC〜Cアルコキシ(例えばエトキシ)であり;
ただし、
nが0であり、Rがn−ペンチルであり、Rがメチルである場合、Zはプロパ−2−イルではなく;
【0042】
II)Zは、3〜6員単環式または6〜10員二環式炭化水素環(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンタジエニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル)であり、ここで2個まで、即ち0、1または2個のC原子は、S、OおよびNから選択されるヘテロ原子により置き換えられており(例えばフラニル、チエニル、テトラヒドロフラニル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル(例えばベンゾ−1,3−ジオキソ−5−イル)、ピリジル、イミダゾリル);
ただし、
nが0であり、Rが[n−ペンチル]直鎖状C〜Cアルキルであり、Rがメチルである場合には、Zはフェニルではなく;
nが0であり、Rが直鎖状C〜Cアルキルであり、Rがメチルである場合には、Zはメトキシフェニルではなく;
nが0であり、Rがn−ペンチルであり、Rがメトキシである場合には、Zはフェニルではなく;
nが0であり、Rがn−ヘキシルであり、Rがメチルであり、C−2とC−3との間の炭素−炭素結合は単結合である場合には、Zはシクロプロピルではなく;
【0043】
III)Zは、3〜6員単環式または二環式炭化水素環(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンタジエニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル)であり、ここで2個まで、即ち0、1または2個のC原子は、S、OおよびNから選択されるヘテロ原子により置き換えられており、当該環は、ヒドロキシル、CN、ハロゲン(例えばF、Cl、Br)、モノ、ジおよびトリハロゲノメチル(例えばCF)、C〜Cアルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ)、C〜Cアルキル、−COORおよび−OCOR(ここでRは水素、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルである)から選択される5個までの基(例えば1または2個の基)で置換されており、ただし当該環は、1つまでのC〜Cアルキル基で置換されており;
【0044】
IV)Zは、C−2と共にそれぞれシクロブタンおよびシクロペンタン環を形成する2価の残基−CH−CH−であり;あるいは
V)Zは−C(O)Rであり、ここでRはC〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである;
で表わされる化合物であって、
【0045】
式(Ia)で表される化合物は、少なくとも9個のC原子(例えば9、10、11、12、13、14、15、16、17個のC原子)を含み;
ただし、式(Ia)で表される化合物は、3−エチリデンオクタン−2−オンまたは3−(プロパン−2−イリデン)オクタン−2−オンではない、
前記化合物に言及する。
【0046】
式(Ib)で表される化合物、即ちRが水素である式(I)で表される化合物を、適切なアルデヒド(4)の、適切なヨウ化アルキル(1)の亜リン酸トリエチルとの、脱プロトン化およびアシル化によるArbuzov反応によって得られる第1のホスホン酸塩(2)を介して2段階で合成された適切なホスホン酸アシル(3)とのWittig-Horner反応により、調製することができ、これは、スキーム2に示す通りである(式中、R、RおよびZは、式(I)について上記で示すのと同一の意味を有する)。
【0047】
【化4】

【0048】
より直接的な方法は、スキーム3に示すようにメチルケトン類をアルデヒド類と縮合させることにある。
【化5】

【0049】
四置換されたオレフィン類、即ち式(Ic)で表され、式中Rが水素でない化合物を、スキーム4に示すように、当業者に知られている条件の下で、用いた酸化物(5)の異性化によるアルキル化により、調製することができる(R、R、RおよびZは、式(I)について上記で示したのと同一の意味を有する)。
【0050】
【化6】

【0051】
四置換されたオレフィン類を調製する他の選択肢は、以下のスキーム5に示すように、シリルエノールエーテル類をアルキン類と反応させることにある。
【化7】

【0052】
本発明をここで、以下の非限定的例を参照してさらに記載する。これらの例は、例示のみの目的であり、当業者により変更および修正がなされ得ることが、理解される。
【0053】
例1:CYP2A13の阻害剤としての試験化合物の評価
CYP2A13の活性を阻害する化合物を、酵素について確立されている標準的な反応を用いることにより特定する。既知の基質はクマリンであり、酵素的反応の生成物は、7−ヒドロキシ−クマリン(ウンベリフェロン)であり、これは強度に蛍光性である。化合物を標準的な反応に加え、ウンベリフェロンの生成が減少した場合に、化合物は阻害剤として特定され、これはまた、酵素の競合的基質であり得る。化合物を種々の濃度で用い、ウンベリフェロン生成の濃度依存的な減少により、酵素の活性を50%のレベルに低下させる濃度(IC50値)を決定することが可能になる。
【0054】
試験化合物(詳細は表1を参照)を、シトクロムP450還元酵素の存在下でCYP2A13と共にインキュベートした。CYP2A13およびP450還元酵素を、ミクロソームの形態で用いた。CYP2A13は、例えばWO 2006/007751中に記載されているように、当業者に知られている条件の下で、組換えバキュロウイルスを用いてSf9細胞中で生成した。P450還元酵素は、商業的に入手できる(BD Biosciences Gentest, USA)。好ましくは、2種の酵素を、同一の昆虫細胞中で同時発現させ、両方の酵素を含むミクロソームを調製した。2種の酵素を同時発現させる技術は知られており、同時発現CYP2A13およびP450還元酵素は、WO 2006/007751に記載されている。活性の可変性を、高力価の組換えウイルスバッチについて観察し、最適な感染多重度(MOI)を、当業者に知られているように決定しなければならない。組換えP450還元酵素バキュロウイルスについての3.5のMOIと組み合わされた組換え型CYP2A13バキュロウイルスについての4のMOIにより、ミクロソームが顕著な活性を伴って常習的に生成した。
【0055】
7pmoleのCYP2A13を含むミクロソームを用いた。トリス緩衝液(1M、pH7.6)および水を加えて、0.1Mの緩衝液濃度を得た。試験化合物を、アセトニトリルに溶解した50mMの原液として調製した。標準基質クマリンの濃度は、0.006mMであった。試験化合物のいくつかの試料を、種々の濃度で調製して、反応における種々の最終濃度を得た:0、0.005、0.01、0.02、0.05、0.1および0.2mM。(当業者に明らかであるように、極めて良好な阻害剤を試験した場合においては、一層低い濃度もまた用いて、試験ウェル中にIC50濃度前後の濃度が存在するようにした。)
【0056】
混合物を、37℃で10分間インキュベートし、その後50mMのNADPHを水に溶解した溶液を0.005ml加えることにより、酵素反応を開始した。最終的な合計容積は0.2mlであり、これはマイクロタイタープレート測定に適する。試料を、60分間37℃にてインキュベートした。60分後、酵素反応を、0.02mlの冷50%トリクロロ酢酸(TCA)を加えることにより停止し、15分間4℃にてインキュベートした。50mMのNADPHを水に溶解した溶液0.005mlを、対照反応物に加え、これは、試験化合物を伴わない、およびNADPHを伴わない反応に相当し、この結果、ウンベリフェロンは生成しなかった。変性したタンパク質および他の不溶性部分を、遠心分離(10分、560×g、室温)により分離した。
【0057】
試料を分光蛍光分析的に分析し、これにより、340nmの励起波長および480nmの発光波長におけるクマリンの酵素的生成物としてウンベリフェロンが生成したことを検出することが可能になる。対照に関する480nmにおける蛍光信号の低減により、代謝物が検出されなかったため、試験化合物が酵素活性に影響することが示され、阻害剤の性質が確認される。データの図解法により、濃度を計算することが可能になり、ここで試験化合物は、50%の最大活性(IC50値)のレベルまで酵素を阻害する。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
【表3】

【0061】
【表4】

【0062】
【表5】

【0063】
低いIC50値は、試験化合物が酵素の極めて有効な阻害剤であることを意味し、適用目的のために、調節効果が所望される場合、低いIC50値(例えば5より低い)を有する阻害剤が、化合物の嗅覚しきい値に依存して好適であり得る。
【0064】
例2:CYP2A6の阻害剤としての試験化合物の評価
CYP2A6の活性を阻害する試験化合物を、例1の最初の段落に記載したのと同一の原理を用いて特定する。
【0065】
試験化合物(詳細は表2を参照)を、シトクロムP450還元酵素の存在下でCYP2A6と共にインキュベートした。CYP2A6およびP450還元酵素を、ミクロソーム(BD Biosciences Gentest, USA)の形態で用いた。2pmoleのCYP2A6および87nmole/(分×タンパク質mg)のシトクロムc還元酵素活性に相当する量のNADPH−P450還元酵素を含むミクロソームを用いた。トリス緩衝液(トリス−(ヒドロキシメチル)アミノメタン、1M、pH7.6)および水を加えて、0.1Mの緩衝液濃度を得た。試験化合物を、アセトニトリルに溶解した50mMの原液として調製した。標準基質クマリンの濃度は、0.003mMであった。
【0066】
試験化合物のいくつかの試料を、種々の濃度で調製して、反応における種々の最終濃度を得た:0、0.005、0.01、0.02、0.05、0.1および0.2mM。混合物を、37℃で10分間インキュベートし、その後50mMのNADPHを水に溶解した溶液を0.005ml加えることにより、酵素反応を開始した。最終的な合計容積は0.2mlであり、これはマイクロタイタープレート測定に適する。試料を、60分間37℃にてインキュベートした。60分後、酵素反応を、0.02mlの冷50%トリクロロ酢酸(TCA)を加えることにより停止し、15分間4℃にてインキュベートした。50mMのNADPHを水に溶解した溶液0.005mlを、対照反応物に加え、これは、試験化合物を伴わない、およびNADPHを伴わない反応に相当し、この結果、ウンベリフェロンは生成しなかった。変性したタンパク質および他の不溶性部分を、遠心分離(10分、560×g、室温)により分離した。
【0067】
試料を、例1に記載した手順に従って分光蛍光分析的に分析した。
【0068】
【表6】

【0069】
例3:CYP2A阻害剤の存在下での臭気物質化合物の調節
例示目的のために、単純なオルファクトメーターを、阻害剤の存在/不存在下でにおいを臭気物質化合物から送達する装置として用いた。WO 2004/009142に記載されている分配装置を、用いた。3つのチャンネルを有するカセットを用いて、臭気物質化合物「A」を含む「チャンネル1」、阻害剤、即ち式(I)で表される化合物を含む「チャンネル2」および空の「チャンネル3」のヘッドスペースを放出させた。
【0070】
臭気物質化合物「A」として、5−イソプロペニル4,8−ジメチルビシクロ[3.3.1]ノン−7−エン−2−オンを用い、これはウッディー、フルーティ、ラズベリーであると記載されている。臭気物質化合物「A」のCYP2A13での酵素分析の間、代謝物「B」、即ち5−(3−ヒドロキシプロパ−1−エン−2−イル)−4,8−ジメチルビシクロ[3.3.1]ノン−7−エン−2−オンが酵素により生成し、これは、「A」のしきい値より10倍低い感覚的しきい値を有する極めて強力なラズベリーノートを有することが、見出された。「A」が鼻腔に到達するとき、嗅上皮中に存在するCYP2A13がまた強度なラズベリーのにおいを有する「B」に当該基質を酸化することが、可能である。
【0071】
感覚的研究を、上記の分配装置を用いて行い、ここで「A」を、阻害剤化合物ID 3 (3−(シクロプロピルメチレン)オクタン−2−オン)の存在下または不存在下でにおいを感知した。パネリストにより良好であると評価され、しきい値よりも明らかに高い濃度にて臭気物質「A」を用いた。この目的のために、10mgの臭気物質「A」を、10μlのエタノールに溶解し、10μlを、カセット中の「チャンネル1」の容器中に充填した。10μlの容積の阻害剤を用い、この結果、チャンネルの始動により臭気が認識されず、分配された成分の臭気をかいでいると知覚されるヘッドスペース濃度が得られる。
【0072】
「チャンネル1」の始動により、分配された臭気物質化合物「A」の臭気をかいだとき、パネリストは「A」をウッディーおよびラズベリーであると表現した。阻害剤を含む「チャンネル2」または空である「チャンネル3」のいずれかの始動は、無臭であると報告された。「チャンネル1」と「チャンネル2」との同時の組み合わせにより、パネリストは、ラズベリーの印象が低減するかまたは完全に喪失されることを報告した。「チャンネル1」と「チャンネル3」とを組み合わせたとき、この現象は観察されなかった。
【0073】
この結果は、臭気物質化合物「A」が主にウッディーであり、ラズベリーノートの知覚が主に、嗅上皮において酵素的に形成される代謝物「B」に由来することを示す。阻害剤を加えることにより、「B」の生成は低減し、予想されるように、臭気物質「A」の品質は変化する。
【0074】
したがって、臭気物質化合物が鼻酵素、特にCYP2A13の基質である場合、式(I)により定義される阻害剤の組み合わせは、臭気物質化合物またはこれらの混合物の嗅覚品質を変化させる。
【0075】
例4:CYP2A阻害剤の存在下でのフレグランスアコードの調節
2種のフレグランスは、選択された10種の成分からなる各々を一致させて、阻害剤による臭気調整効果を例証する。各々のパネリストについて、阻害剤を単独で試験し、これが所与の濃度にて無臭であると評価されることを確認した。
【0076】
【表7】

【0077】
【表8】

【0078】
感覚的研究を、オルファクトメーター、例えばChimia (2001) 55:401-405に記載されているVirtual Aroma Synthesizer (VAS)を用いて行う。機器は、種々の容器からの種々の試料の飽和したヘッドスペースを種々の希釈で混ぜ合わせて、ヘッドスペースにおいて生成する混合物の臭気に対する効果を判断することを可能にする。特定の例について、1つの容器において、フレグランスアコード1および2をそれぞれ(1グラム)、ビーズ(4グラム)上に吸着させ、他の容器中に、阻害剤化合物ID 3(1グラム)を、ビーズ(4グラム)上に吸着させた。
【0079】
臭気物質、アコードおよび香料の臭気をかぎ、格付し、表現し、評価することにおいて種々のレベルの経験および専門的知識を有するパネリストが、選択された。パネリストは、順不同で阻害剤を有するかまたは有しないアコードのにおいをかぎ、いずれのものが提示されたかを知らない。セッションの前後に、阻害剤のみが無臭であることが確認された。パネリストは、良好な感じの強度を有するアコードの濃度を選択することが、可能であった。
【0080】
パネリストは、香料原料に接した経験から独立して、阻害剤の存在に起因していた効果を報告した。効果は、両方のアコードについて、アコードのフルーツらしさを強化するかまたは高めるとして、表現された。
結論として、例は、鼻のCYP2A13の阻害剤として特定された成分の使用がフレグランスアコードの嗅覚品質を調節することができることを例証する。
【0081】
例5:NNK代謝の阻害
本発明の阻害剤の存在下または不存在下でのCYP2A13の触媒活性を、放射性標識した[5−H]NNKを基質として用いて、Zhang et al. (2002) J. Pharmacol. Exp. Therap. 302: 416-423に記載されているプロトコルに従って、またChemsyn Science Laboratories (Lenexa, Kansas, USA) からのNNKを用いて、試験した。
【0082】
CYP2A13依存性α−炭素水酸化経路によって[5−H]NNKから生成した、2種の代謝物、ケトアルデヒド(4−(3−ピリジル)−4−オキソブタナール)およびケトアルコール(4−ヒドロキシ−1−((3−ピリジル)−1−ブタノン)を、オンライン放射活性検出器を有する高圧液体クロマトグラフィーにより、検出することができる。
【0083】
手順:反応混合物は、100mMのリン酸ナトリウム、pH7.4、1mMのEDTA、NADPH生成システム(5mMのグルコース6−リン酸、3mMのMgCl、1mMのNADPHおよび1.5単位のグルコース−6−リン酸脱水素酵素)、10μMのNNK(1μCiの[5−H]NNKを含む)、5mMの重亜硫酸ナトリウムおよび10pmolの精製され再構成されたCYP2A13を、0.4mlの合計容積中に含んでいた。CYP2A13を、1:4(P450/還元酵素)の比率にて、ラットNADPH−P450還元酵素で再構成した。阻害剤(化合物ID 3)を、分子量を基準としてアセトニトリルで50mMに希釈し、1.2μl〜148.8μlの水を加えることにより400μMにさらに希釈した。この濃度を用いて、最終的な反応濃度に到達させた(10μlを10μMについて加え、1μlを1μMについて加えた)。アセトニトリルの最終濃度は、10μMの反応物中で0.02%であり、1μMの反応物中で0.002%であった。反応を10分間37℃にて行い、その後各々50μlの飽和水酸化バリウムおよび25%の硫酸亜鉛で終了させた。結果を以下の表3に示す。
【0084】
【表9】

【0085】
阻害結果は明らかに、当該阻害剤、即ち式(I)で表される化合物が、明らかに基質としてのNNKについて1μMより低いIC50値を有するCYP2A13の有効な阻害剤であることを例証する。その理由は、1μMにて酵素が完全に阻害されたからである。溶媒として用いたアセトニトリルは、酵素的アッセイにおいて用いた濃度にて、CYP2A13の活性にわずかに影響する。
【0086】
例6:(E)−3−(シクロプロピルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 3)
ヨウ化ヘキシル(90ml、592mmol)を亜リン酸トリエチル(434ml、2.37mol)に溶解した溶液を、8時間150℃にて加熱した。次に、反応混合物を20℃に冷却し、Vigreux蒸留装置(11mbar、浴温度:140〜160℃)を用いて蒸留し、ヘキシルホスホン酸ジエチル(111.4g、85%)を得た。沸点:126℃(11mbar)。
【0087】
【化8】

【0088】
−60℃にて、ジイソプロピルアミン(72.6ml、72%、0.515mol)をテトラヒドロフラン(250ml)に溶解した溶液を、15分以内に、n−ブチルリチウムをヘキサン(322ml、0.515mol)に溶解した1.6Mの溶液で処理した。得られた溶液を、20分間−72℃にて撹拌し、前に調製したヘキシルホスホン酸ジエチル(57.2g、0.257mol)をテトラヒドロフラン(150ml)に溶解した溶液で処理した。得られた溶液を−72℃にて1時間撹拌し、酢酸エチル(37.8ml、0.386mol)をテトラヒドロフラン(100ml)に溶解した溶液で処理した。−70℃にて1時間撹拌した後、冷却浴を取り外し、溶液を1時間撹拌し、その後メチルt−ブチルエーテル(250ml)で希釈し、水性の2MのHCl(200ml)、水性の6MのHCl(100ml)および濃HClでpH6.4に酸性化した。水性相をメチルt−ブチルエーテル(200ml)で抽出し、混ぜ合わせた有機相を水性NaCl溶液(200ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(74.3g)の短経路のVigreux蒸留(0.07mbar)により、2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(52.2g、77%)を得た。沸点:107℃(0.07mbar)。
【0089】
【化9】

【0090】
4℃にて、NaOH(12.8g、0.32mol)を水(27ml)およびジクロロメタン(100ml)に溶解した溶液の混合物を、2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(17.0g、64.3mmol)およびシクロプロパンカルボキサルデヒド(4.9ml、64.3mmol)をジクロロメタン(20ml)に溶解した溶液で滴加処理した。得られた混合物を、89時間20℃にて撹拌し、氷/2Mの水性HCl(300ml)中に注入した。水性相を、シクロヘキサン(100ml)で抽出した。混ぜ合わせた有機相を、水(100ml)で2回洗浄し、乾燥し(NaSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(12.7g)のフラッシュクロマトグラフィー(FC)(700gのSiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル25:1)により、(E)−3−(シクロプロピルメチレン)オクタン−2−オン(6.25g、54%)を得た。沸点:85℃(0.08mbar)。
【0091】
【化10】

【0092】
例7:(E)−3−(シクロプロピルメチレン)ヘプタン−2−オン(化合物ID 1)
例6に記載したように、38%の収率で、シクロプロパンカルボキサルデヒドおよび2−オキソヘプタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ペンチルおよび亜リン酸トリエチルからペンチルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:50℃(0.09mbar)。
【0093】
【化11】

【0094】
例8:(E)−3−(シクロプロピルメチレン)ノナン−2−オン(化合物ID 2)および(1E,4E)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピルメチレン)デカ−1−エン−3−オン(化合物ID 13)
0℃にて、NaOH(14.3g、0.36mol)を水(22ml)およびジクロロメタン(50ml)に溶解した溶液の混合物を、2−オキソノナン−3−イルホスホン酸ジエチル(例6に記載したように、ヨウ化ヘプチルおよび亜リン酸トリエチルからヘプチルホスホン酸ジエチルを介して得た、19.9g、71mmol)およびシクロプロパンカルボキサルデヒド(4.9ml、64.3mmol)の溶液で滴加処理した。得られた混合物を、15時間20℃にて撹拌し、氷/2Mの水性HCl中に注入した。水性相を、ジエチルエーテルで3回抽出した。混ぜ合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(14.1g)のフラッシュクロマトグラフィー(FC)(700gのSiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル25:1)により、(1E,4E)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピルメチレン)デカ−1−エン−3−オン(0.8g、5%)および(E)−3−(シクロプロピルメチレン)ノナン−2−オン(2.3g、17%)を得た。
【0095】
(E)−3−(シクロプロピルメチレン)ノナン−2−オン(沸点:0.08mbarにて87℃):
【化12】

【0096】
(1E,4E)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピルメチレン)デカ−1−エン−3−オン(沸点:0.08mbarにて200℃):
【化13】

【0097】
例9:(E)−3−ベンジリデンヘプタン−2−オン(化合物ID 33)
例6に記載したように、ベンズアルデヒドと2−オキソヘプタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ペンチルおよび亜リン酸トリエチルからペンチルホスホン酸ジエチルを介して得た)との2:5 水/ジクロロメタン中での反応により、FCの後に、(E)−3−ベンジリデンヘプタン−2−オン(22%)および(1E,4E)−4−ベンジリデン−1−フェニルオクタ−1−エン−3−オン(19%)を得た。沸点:90℃(0.09mbar)。
【0098】
【化14】

【0099】
例10:(E)−3−ベンジリデンオクタン−2−オン(化合物ID 5)および(1E,4E)−4−ベンジリデン−1−フェニルノン−1−エン−3−オン
例6に記載したように、ベンズアルデヒドと2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)との1:2 水/ジクロロメタン中での反応により、FCの後に、(E)−3−ベンジリデンオクタン−2−オン(22%)および(1E,4E)−4−ベンジリデン−1−フェニルノン−1−エン−3−オン(30%)を得た。
【0100】
(E)−3−ベンジリデンオクタン−2−オン(沸点:80℃(0.08mbar):
【化15】

【0101】
(1E,4E)−4−ベンジリデン−1−フェニルノン−1−エン−3−オン(沸点0.07mbarにて180℃):
【化16】

【0102】
例11:(E)−3−ベンジリデンノナン−2−オン(化合物ID 6)
例6に記載したように、16%の収率で、ベンズアルデヒドおよび2−オキソノナン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘプチルおよび亜リン酸トリエチルからヘプチルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:108℃(0.08mbar)。
【0103】
【化17】

【0104】
例12:3−フェニルメチルヘプタン−2−オン
オートクレーブ中で、(E)−3−ベンジリデンヘプタン−2−オン(350mg、1.7mmol、例9に記載したように調製した)をエタノール(5ml)に溶解した溶液を、Pd/C(10%、40mg)の存在下で、水素(12bar)の下で17時間撹拌した。混合物をセライトで濾過し、溶媒を蒸発させて、3−フェニルメチルヘプタン−2−オン(350mg、99%)を得た。沸点:65℃(0.11mbar)。
【0105】
【化18】

【0106】
例13:3−フェニルメチルオクタン−2−オン(化合物ID 4)
例12に記載したように、75%の収率で、(E)−3−ベンジリデンオクタン−2−オン(400mg、1.8mmol、例10に記載したように調製した)の水素化により、調製した。沸点:70℃(0.09mbar)。
【0107】
【化19】

【0108】
例14:(E)−4−(2−アセチルヘプタ−1−エニル)ベンゾニトリル(化合物ID 7)
例6に記載したように、10%の収率で、4−シアノベンズアルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:205℃(0.07mbar)。
【0109】
【化20】

【0110】
例15:(E)−3−(ナフタレン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 8)
例6に記載したように、3%の収率で、2−ナフトアルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:220℃(0.07mbar)。
【0111】
【化21】

【0112】
例16:(E)−3−(チオフェン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 9)
例6に記載したように、22%の収率で、2−チオフェンカルボキサルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:115℃(0.08mbar)。
【0113】
【化22】

【0114】
例17:(E)−3−(フラン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン
例6に記載したように、55%の収率で、2−フランカルボキサルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:95℃(0.09mbar)。
【0115】
【化23】

【0116】
例18:3−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)オクタン−2−オン
例17に記載したように、(E)−3−(フラン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン(例12に記載したように調製した)の水素化により、30%の収率で、およびジアステレオマーの53:47混合物として調製した。沸点:80℃(0.13mbar)。
【0117】
【化24】

【0118】
例19:(E)−3−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチレン)ヘプタン−2−オン(化合物ID 10)
例6に記載したように、30%の収率で、テトラヒドロ−3−フランカルボキサルデヒドおよび2−オキソヘプタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ペンチルおよび亜リン酸トリエチルからペンチルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:75℃(0.08mbar)。
【0119】
【化25】

【0120】
例20:(E)−3−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチレン)オクタン−2−オン
例6に記載したように、20%の収率で、テトラヒドロ−3−フランカルボキサルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:0.08mbarにて80℃。
【0121】
【化26】

【0122】
例21:3−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチル)オクタン−2−オン
例12に記載したように、(E)−3−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチレン)オクタン−2−オン(例20に記載したように調製した)の水素化により、85%の収率で、およびジアステレオマーの1:1混合物として調製した。沸点:80℃(0.08mbar)。
【0123】
【化27】

【0124】
例22:(E)−3−(2,2−ジメトキシエチリデン)ヘプタン−2−オン
例6に記載したように、28%の収率で、ジメトキシアセトアルデヒドおよび2−オキソヘプタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ペンチルおよび亜リン酸トリエチルからペンチルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:50℃(0.09mbar)。
【0125】
【化28】

【0126】
例23:(E)−3−(2,2−ジメトキシエチリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 11)
例6に記載したように、30%の収率で、ジメトキシアセトアルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:60℃(0.09mbar)。
【0127】
【化29】

【0128】
例24:3−(2,2−ジメトキシエチル)オクタン−2−オンおよび3−(2−メトキシエチル)オクタン−2−オン
(E)−3−(2,2−ジメトキシエチリデン)オクタン−2−オン(例23に記載したように調製した)の水素化(例12に記載した通り)により、3−(2,2−ジメトキシエチル)オクタン−2−オンおよび3−(2−メトキシエチル)オクタン−2−オンの2:1混合物を得た。粗生成物(0.67g)のフラッシュクロマトグラフィー(FC)(70gのSiO、ヘキサン/ジエチルエーテル6:1)により、3−(2−メトキシエチル)オクタン−2−オン(0.12g、20%)および3−(2,2−ジメトキシエチル)オクタン−2−オン(0.24g、35%)を得た。
【0129】
3−(2−メトキシエチル)オクタン−2−オン(沸点:0.09mbarにて45℃):
【化30】

【0130】
3−(2,2−ジメトキシエチル)オクタン−2−オン(沸点:0.09mbarにて70℃):
【化31】

【0131】
例25:(E)−3−(2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 12)
例6に記載したように、24%の収率で、2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)アセトアルデヒド(アセト酢酸エチルからのp−トルエンスルホン酸一水和物の存在下でのトルエン中のエチレングリコールでのアセタール化により、続いて10:1ヘキサン/テトラヒドロフラン中の水素化ジイソブチルアルミニウム(ヘキサンに溶解した1M溶液)および2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよびリン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)を用いた還元により調製した)から調製した。沸点:90℃(0.09mbar)。
【0132】
【化32】

【0133】
例26:3−(2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル)オクタン−2−オン
例12に記載したように、(E)−3−(2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチリデン)オクタン−2−オン(例25に記載したように調製した)の水素化により、69%の収率で調製した。沸点:95℃(0.08mbar)。
【0134】
【化33】

【0135】
例27:3−ペンチルヘプタン−2,6−ジオン
3−(2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル)オクタン−2−オン(0.5g、2mmol、例26に記載したように調製した)をテトラヒドロフラン(20ml)に溶解した溶液を、水(0.05ml)および濃HCl(0.075ml)で処理し、20℃にて8時間撹拌した。得られた混合物を水中に注入し、ジエチルエーテルで抽出した。有機相を飽和水性NaHCO溶液で洗浄し、乾燥した(NaSO)。粗生成物(0.45g)のフラッシュクロマトグラフィー(FC)(50gのSiO、ヘキサン/ジエチルエーテル3:2)により、3−ペンチルヘプタン−2,6−ジオン(0.34g、83%)を得た。沸点:70℃(0.09mbar)。
【0136】
【化34】

【0137】
例28:(E)−3−エチリデンオクタン−2−オン
A)2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(2.0g、7.6mmol)およびLiOH・HO(0.32g、7.6mmol)のテトラヒドロフラン(30ml)中の混合物を、35分間20℃にて攪拌した。アセトアルデヒド(0.37g、8.3mmol)をテトラヒドロフラン(20ml)に溶解した溶液を、次に加えた。得られた懸濁液を44時間攪拌し、飽和水性NHCl中に注入した。水性相を、ジエチルエーテルで抽出した。混ぜ合わせた有機相を、水(100ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(1.4g)のボールからボールへの(ball-to-ball)蒸留により、(E)−3−エチリデンオクタン−2−オン(0.36g、31%)を得た。
【0138】
B)例6に記載したように、40%の収率で、アセトアルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:65℃(0.4mbar)。
【0139】
【化35】

【0140】
例29:1−(2−メチル−1−ペンチルシクロプロピル)エタノン
DMSO(10ml)中のNaH(0.21g、8.6mmol)およびMeSOI(1.89g、8.6mmol)の混合物を、30分間攪拌し、(E)−3−エチリデンオクタン−2−オン(1.2g、7.8mmol、例28に記載したように調製した)で処理した。得られた混合物を、20℃にて1時間、60℃にて3時間攪拌し、冷却し、飽和水性NaHCO中に注入した。水性相を、ジエチルエーテルで抽出した。混ぜ合わせた有機相を、水(100ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(1.43g)のフラッシュクロマトグラフィー(FC)(200gのSiO、ヘキサン/ジエチルエーテル95:5)により、1−(2−メチル−1−ペンチルシクロプロピル)エタノン(0.9g、69%)を得た。沸点:100℃(10mbar)。
【0141】
【化36】

【0142】
例30:3−(プロパン−2−イリデン)オクタン−2−オン
−78℃にて、アンモニア(250ml)を、FeCl(30mg)およびナトリウム(3.45g、0.15mol)で処理した。暗い青色の混合物を短時間還流させ、得られた暗い灰色の混合物を、メシチルオキシド(15g、0.15mol)をジエチルエーテル(25ml)に溶解した溶液で滴加処理し、1時間攪拌し、ヨウ化ペンチル(30.76g、0.155mol)をジエチルエーテル(10ml)に溶解した溶液で滴加処理した。得られた混合物を1時間攪拌し、ジエチルエーテル(100ml)で処理し、アンモニアを、20℃に加温することにより蒸発させた。残留物を水(50ml)で処理し、2NのHClを加えることにより酸性化し、ジエチルエーテルで抽出した。混ぜ合わせた有機相を洗浄し、乾燥し(NaSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(27.2g)を120℃および50mbarにて蒸留することにより、画分を得、これをPTSA・HO(200mg)で処理し、1時間還流させた。得られた混合物のフラッシュクロマトグラフィー(FC)(700gのSiO、ヘキサン/ジエチルエーテル95:8)により、3−(プロパン−2−イリデン)オクタン−2−オン(3.6g、14%)を得た。沸点:45℃(0.2mbar)。
【0143】
【化37】

【0144】
例31:1−ペンチルシクロペンタンカルボン酸メチル(化合物ID 14)
A)−70℃にて、ジイソプロピルアミン(45.9ml、0.33mol)をテトラヒドロフラン(200ml)に溶解した溶液を、n−ブチルリチウムをテトラヒドロフラン(200ml、0.33mol)に溶解した1.6M溶液で、1時間以内で処理した。得られた溶液を0℃に加温し、シクロペンタンカルボン酸(14.3ml、0.13mol)をテトラヒドロフラン(25ml)に溶解した溶液で、10分以内に処理した。35分後、4℃にて攪拌して、ヨウ化ペンチル(39g、0.197mol)を加え、溶液を20℃にて19時間攪拌し、次に2Mの水性HCl(350ml)中に注入した。水性相を、メチルt−ブチルエーテル(150ml)で2回抽出した。混ぜ合わせた有機相を、水(250ml)で3回洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(33g)のフラッシュクロマトグラフィー(FC)(700gのSiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル2:1)により、1−ペンチルシクロペンタンカルボン酸(13.2g、55%)を得た。
【0145】
B)1−ペンチルシクロペンタンカルボン酸(3g、16mmol)をヘキサン(10ml)に溶解した溶液を、三臭化リン(0.61ml、6.5mmol)で処理し、20℃にて6時間攪拌した。上清を、メタノール(0.79ml、19.5mmol)およびピリジン(2.62ml、33mmol)をヘキサン(40ml)に溶解した溶液に滴加した。得られた混合物を、20℃にて17時間、50℃にて2.5時間、還流にて1.5時間攪拌し、次に2Mの水性HCl(100ml)中に注入した。水性相を、メチルt−ブチルエーテル(80ml)で2回抽出した。混ぜ合わせた有機相を、水性塩化ナトリウム溶液(100ml)で2回洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(2.6g)のフラッシュクロマトグラフィー(FC)(SiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル15:1)により、1−ペンチルシクロペンタンカルボン酸メチル(0.7g、22%)を得た。沸点:80℃(0.1mbar)。
【0146】
【化38】

【0147】
例32:1−(1−ペンチルシクロペンチル)エタノン(化合物ID 15)
−20℃にて、1−ペンチルシクロペンタンカルボン酸(例31に記載したようにして調製した、3g、16mmol)をテトラヒドロフラン(60ml)に溶解した溶液を、メチルリチウムをテトラヒドロフラン(25.4ml、41mmol)に溶解した1.6M溶液で処理した。得られた溶液を、−10℃にて4時間攪拌し、水(25ml)で、次に水性HClの2M溶液(30ml)でゆっくりと処理し、メチルt−ブチルエーテル(80ml)で2回抽出した。混ぜ合わせた有機相を、水(100ml)で2回洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(2.8g)のフラッシュクロマトグラフィー(FC)(SiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル25:1)により、1−ペンチルシクロペンタンカルボン酸メチル(0.6g、20%)を得た。沸点:70℃(0.1mbar)。
【0148】
【化39】

【0149】
例34:(E)−3−(シクロヘキシルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 16)
例6に記載したように、10%の収率で、シクロヘキサンカルバルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:119℃(0.07mbar)。
【0150】
【化40】

【0151】
例35:(E)−3−(シクロヘクサ−3−エニルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 17)
20℃にて、KCO(53.3g、0.38mol)を水(80ml)に溶解した溶液を、2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(6.0g、22.7mmol)と2,3,6−テトラヒドロベンズアルデヒド(3.9ml、34.1mmol)との混合物で5分以内に滴加処理した。次に、得られた混合物を、硫酸水素テトラブチルアンモニウム(1.3g、3.8mmol)を水(10ml)に溶解した溶液で処理し、20℃にて72時間撹拌し、氷/水(100ml)中に注入し、シクロヘキサン(100ml)で2回抽出した。混ぜ合わせた有機相を、水性の1NのHCl(50ml)、水(50ml)、飽和水性NaCl溶液(50ml)で2回洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(7.2g)のフラッシュクロマトグラフィー(FC)(400gのSiO(ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル50:1))により、(E)−3−(シクロヘクサ−3−エニルメチレン)オクタン−2−オン(1.47g、29%)を得た。沸点:123℃(0.07mbar)。
【0152】
【化41】

【0153】
例36:(E)−3−(シクロペンチルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 18)
例6に記載したように、15%の収率で、シクロペンタンカルバルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:102℃(0.08mbar)。
【0154】
【化42】

【0155】
例37:(E)−3−(シクロブチルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 19)
例35に記載したように、50%の収率で、シクロブタンカルバルデヒド(シクロブタンメタノールのPCC酸化により得た)および2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:105℃(0.07mbar)。
【0156】
【化43】

【0157】
例38:(E)−3−(2−フルオロベンジリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 20)
例35に記載したように、9%の収率で、2−フルオロベンズアルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:130℃(0.08mbar)。
【0158】
【化44】

【0159】
例39:(E)−3−(3−フルオロベンジリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 21)
例35に記載したように、40%の収率で、3−フルオロベンズアルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:126℃(0.07mbar)。
【0160】
【化45】

【0161】
例40:(E)−3−(4−フルオロベンジリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 22)
例6に記載したように、41%の収率で、4−フルオロベンズアルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:120℃(0.06mbar)。
【0162】
【化46】

【0163】
例41:(E)−3−(2,6−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 23)
0℃にて、2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(6g、22.7mmol、ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)およびDBU(5.2ml、34.1mmol)をジクロロメタン(30ml)に溶解した溶液を、2,6−ジフルオロベンズアルデヒド(4.94g、34.1mmol)をジクロロメタン(20ml)に溶解した溶液で滴加処理した。得られた溶液を、0℃にて6.5時間、また−15℃にて36時間撹拌し、氷冷水中に注入し、ヘキサン(100ml)で3回抽出した。混ぜ合わせた有機相を、飽和水性NaCl溶液で4回洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(7.5g)のボールからボールへの蒸留(9mbar、150℃まで)、続いて残留物(5.66g)のFC(280gのSiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル50:1)により、(E)−3−(2,6−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン(3.4g、60%)を得た。沸点:105℃(0.08mbar)。
【0164】
【化47】

【0165】
例42:(E)−3−(2,4−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 24)
例41に記載したように、37%の収率で、2,4−ジフルオロベンズアルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:100℃(0.08mbar)。
【0166】
【化48】

【0167】
例43:(Z)−3−(3,5−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 26)および(E)−3−(3,5−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 25)
例41に記載したように、39%の収率で、3,5−ジフルオロベンズアルデヒド(4.0g、28.4mmol)および2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(5.0g、18.9mmol、ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。粗生成物(5.57g)のFC(450gのSiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル50:1)により、(Z)−3−(3,5−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン(0.21g、4%)および(E)−3−(3,5−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン(1.85g、39%)を得た。
【0168】
(Z)−3−(3,5−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン:
沸点:110℃(0.08mbar)。
【化49】

(E)−3−(3,5−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン:
沸点:105℃(0.08mbar)。
【化50】

【0169】
例44:(E)−3−(パーフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 27)
例41に記載したように、13%の収率で、ペンタフルオロベンズアルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:100℃(0.09mbar)。
【0170】
【化51】

【0171】
例45:(E)−3−(2−メチルベンジリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 28)
例35に記載したように、16%の収率で、2−メチルベンズアルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:110℃(0.07mbar)。
【0172】
【化52】

【0173】
例46:(E)−3−(3−メチルベンジリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 29)
例35に記載したように、26%の収率で、3−メチルベンズアルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:140℃(0.09mbar)。
【0174】
【化53】

【0175】
例47:(E)−3−(4−メチルベンジリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 30)
例35に記載したように、28%の収率で、4−メチルベンズアルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:145℃(0.09mbar)。
【0176】
【化54】

【0177】
例48:(E)−3−(2−(トリフルオロメチル)ベンジリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 31)
2−オクタノン(7.4g、56.3mmol)と2−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(5g、28mmol)との酢酸(35ml)中の混合物を、硫酸(4.7ml、86mmol)で滴加処理した。得られた混合物を、40℃にて6時間撹拌し、0℃に冷却し、氷/2Nの水性NaOH溶液中に注入し、ヘキサン(100ml)で3回抽出した。混ぜ合わせた有機相を、飽和水性NaCl溶液で3回洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒および残留する出発物質を蒸発させた。残留物のボールからボールへの蒸留(0.08mbar)、続いて142℃にて蒸留する画分(3.17g)のFC(300gのSiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル25:1)により、(E)−3−(2−(トリフルオロメチル)ベンジリデン)オクタン−2−オン(1.57g、20%)を得た。沸点:140℃(0.08mbar)。
【0178】
【化55】

【0179】
例49:(E)−3−ベンジリデンヘキサン−2−オン(化合物ID 32)
例48に記載したように、44%の収率で、ベンズアルデヒドおよび2−ヘキサノンから調製した。沸点:96℃(0.08mbar)。
【0180】
【化56】

【0181】
例50:(E)−3−(2−メトキシベンジリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 34)
例35に記載したように、9%の収率で、2−メトキシベンズアルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:160℃(0.08mbar)。
【0182】
【化57】

【0183】
例51:(E)−3−(3−メトキシベンジリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 35)
例35に記載したように、25%の収率で、3−メトキシベンズアルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:175℃(0.09mbar)。
【0184】
【化58】

【0185】
例52:(E)−3−(4−メトキシベンジリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 36)
例6に記載したように、17%の収率で、4−メトキシベンズアルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:145℃(0.06mbar)。
【0186】
【化59】

【0187】
例53:(E)−3−(4−メトキシベンジリデン)ヘプタン−2−オン(化合物ID 37)
例48に記載したように、24%の収率で、4−メトキシベンズアルデヒドおよび2−ヘプタノンから調製した。沸点:140℃(0.08mbar)。
【0188】
【化60】

【0189】
例54:(E)−3−(4−メトキシベンジリデン)ヘキサン−2−オン(化合物ID 38)
例48に記載したように、35%の収率で、4−メトキシベンズアルデヒドおよび2−ヘキサノンから調製した。沸点:134℃(0.08mbar)。
【0190】
【化61】

【0191】
例55:(E)−3−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 39)
例35に記載したように、14%の収率で、ヘリオトロピンおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:145℃(0.08mbar)。
【0192】
【化62】

【0193】
例56:(Z)−4−(2−アセチルヘプタ−1−エニル)安息香酸メチル(化合物ID 41)および(E)−4−(2−アセチルヘプタ−1−エニル)安息香酸メチル(化合物ID 40)
例41に記載したように、メチル−4−ホルミル安息香酸(5.59g、34mmol)および2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(6g、22.7mmol、ヨウ化ヘキシルおよびリン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。粗生成物(8.4g)のボールからボールへの蒸留(0.08mbar)、続いて177℃にて蒸留する画分(4.3g)のFC(280gのSiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル5:1)により、(Z)−4−(2−アセチルヘプタ−1−エニル)安息香酸メチル(0.56g、9%)および(E)−4−(2−アセチルヘプタ−1−エニル)安息香酸メチル(3.15g、34%)を得た。
【0194】
(Z)−4−(2−アセチルヘプタ−1−エニル)安息香酸メチル:
沸点:150℃(0.08mbar)。
【化63】

(E)−4−(2−アセチルヘプタ−1−エニル)安息香酸メチル
沸点:150℃(0.08mbar)。
【化64】

【0195】
例57:(E)−3−(チオフェン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 42)
例35に記載したように、29%の収率で、3−チオフェンカルボキサルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:135℃(0.08mbar)。
【0196】
【化65】

【0197】
例58:(E)−3−(ピリジン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 43)
例48に記載したように、44%の収率で、2−ピリジンカルボキサルデヒドおよび2−オクタノンから調製した。沸点:120℃(0.06mbar)。
【0198】
【化66】

【0199】
例59:(E)−3−(ピリジン−3−イルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 44)
例41に記載したように、33%の収率で、3−ピリジンカルボキサルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:115℃(0.08mbar)。
【0200】
【化67】

【0201】
例60:(E)−3−(ピリジン−4−イルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 45)
例41に記載したように、32%の収率で、4−ピリジンカルボキサルデヒドおよび2−オクタノンから調製した。沸点:135℃(0.08mbar)。
【0202】
【化68】

【0203】
例61:(E)−2−(シクロプロピルメチレン)ヘプタン酸メチル(化合物ID 46)
−75℃にて、ジイソプロピルアミン(7.7ml、54.1mmol)をテトラヒドロフラン(60ml)に溶解した溶液を、n−ブチルリチウムをヘキサン(34ml、54.1mmol)に溶解した1.6Mの溶液で処理した。生成した溶液を、−75℃にて30分間撹拌し、ヘプタン酸メチル(6.0g、41.6mmol)をテトラヒドロフラン(20ml)に溶解した溶液で処理した。得られた溶液を、−75℃にて30分間撹拌し、シクロプロパンカルボキサルデヒド(12.7ml、166.4mmol)をテトラヒドロフラン(20ml)に溶解した溶液で処理した。−75℃にて2時間攪拌した後、反応混合物を、氷冷2M水性HCl(50ml)中に注入し、メチルt−ブチルエーテル(100ml)で2回抽出した。混ぜ合わせた有機相を、水(50ml)、水性NaCl溶液(50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させて、油(9.66g)を得た。この残留物の一部(4.83g)を、無水酢酸(4.5ml、47.3mmol)および酢酸ナトリウム(2.04g、24.8mmol)で処理した。
【0204】
得られた混合物を、80℃にて32時間、および20℃にて65時間撹拌し、氷冷2M NaOH溶液(50ml)中に注入し、メチルt−ブチルエーテル(50ml)で2回抽出した。混ぜ合わせた有機相を、NaHCOの飽和水溶液(25ml)、水(25ml)、水性NaCl溶液(25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させて、油(5.28g)を得た。この残留物の一部(2.6g)をトルエン(20ml)に溶解した溶液を、DBU(3.1ml、20.3mmol)をトルエン(5ml)に溶解した溶液で、20℃にて処理した。得られた溶液を、20℃にて1時間、50℃にて1時間および還流にて28時間撹拌し、氷冷2M水性HCl(50ml)中に注入し、メチルt−ブチルエーテル(50ml)で2回抽出した。混ぜ合わせた有機相を、水(50ml)、水性NaCl溶液(50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(2.1g)のFC(100gのSiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル60:1)により、(E)−2−(シクロプロピルメチレン)ヘプタン酸メチル(0.6g、29%)を得た。沸点:95℃(0.07mbar)。
【0205】
【化69】

【0206】
例62:(E)−2−ベンジリデンヘプタン酸メチル(化合物ID 47)
例61に記載したように、48%の収率で、ヘプタン酸メチルおよびベンズアルデヒドから調製した。沸点:140℃(0.08mbar)。
【0207】
【化70】

【0208】
例63:2−(シクロプロピルメチル)ヘプタン酸メチル(化合物ID 48)
(E)−2−(シクロプロピルメチレン)ヘプタン酸メチル(0.95g、4.8mmol、例61に記載したように調製した)をエタノール(30ml)に溶解した溶液を、Lindlar触媒(0.6g)、キノリン(1.2ml、8.6mmol)およびトリエチルアミン(0.8ml、6.8mmol)で処理し、得られた混合物を、72時間水素化した(5bar)。濾過後、反応混合物を、氷(50g)および2Mの水性HCl(20ml)中に注入し、メチルt−ブチルエーテル(50ml)で2回抽出した。混ぜ合わせた有機相を、水(50ml)、水性NaCl溶液(25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(0.8g)のFC(90gのSiO、ペンタン/ジエチルエーテル60:1)により、2−(シクロプロピルメチル)ヘプタン酸メチル(0.39g、41%)を得た。沸点:90℃(0.08mbar)。
【0209】
【化71】

【0210】
例64:2−ベンジルヘプタン酸メチル(化合物ID 49)
(E)−2−ベンジリデンヘプタン酸メチル(1.1g、4.7mmol、例62に記載したように調製した)および10%のPd/C(0.29g)のエタノール(40ml)中の混合物を、1.5時間水素化した(5bar)。濾過し、溶媒を蒸発させた後、粗生成物(1.14g)のFC(90gのSiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル40:1)により、2−ベンジルヘプタン酸メチル(1.09g、98%)を得た。沸点:120℃(0.08mbar)。
【0211】
【化72】

【0212】
例65:3−(シクロプロピルメチル)オクタン−2−オン(化合物ID 50)
(E)−3−(シクロプロピルメチレン)オクタン−2−オン(1.6g、8.9mmol、例6に記載したように調製した)をエタノール(30ml)に溶解した溶液を、Lindlar触媒(0.49g)、キノリン(1.0ml、7.2mmol)およびトリエチルアミン(1.5ml、12.7mmol)で処理し、得られた混合物を、6時間水素化した(1bar)。濾過後、反応混合物を、2Mの水性HCl(30ml)中に注入し、シクロヘキサン(60ml)で2回抽出した。混ぜ合わせた有機相を、水(60ml)、水性NaCl溶液(60ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(1.7g)のFC(200gのSiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル40:1)により、3−(シクロプロピルメチル)オクタン−2−オン(1.1g、68%)を得た。沸点:80℃(0.08mbar)。
【0213】
【化73】

【0214】
例66:(E)−3−(1−フェニルエチリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 51)
23℃にて、臭化ナトリウム(13.0g、124.8mmol)をDMF(230ml)に溶解した溶液を、トリメチルクロロシラン(16.1ml、124.8mmol)をDMF(20ml)に溶解した溶液で5分以内、次にトリエチルアミン(17.7ml、124.8ml)をDMF(20ml)に溶解した溶液で10分以内、次に2−オクタノン(10.0g、78.0mmol)をDMF(30ml)に溶解した溶液で処理した。得られた混合物を、23℃にて48時間撹拌して、氷冷水(100ml)中に注入し、ヘキサン(200ml)で2回抽出した。混ぜ合わせた有機相を、飽和水性NaHCO溶液(50ml)で、水(100ml)で2回洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(13g)のボールからボールへの蒸留(77〜110℃、0.08mbar)により、シリルエノールエーテル(10.4g)の画分を得、これを、1,2‐ジクロロエタン(3.5ml)に部分的に(1.0g、4.9mmol)溶解し、四塩化スズ(0.6ml、5.1mmol)で処理した。
【0215】
得られた溶液を、10分間撹拌し、四塩化スズ(0.4ml、3.4mmol)をアセトニトリル(8.0ml)に溶解した溶液を、フェニルアセチレン(0.38ml、3.3mmol)およびトリブチルアミン(1.1ml、3.3mmol)をアセトニトリル(5ml)に溶解した溶液で5分以内処理し、黄色の混合物を30分間攪拌することにより得られた混合物に滴加した。オレンジ色の反応混合物を1.5時間還流させ、氷冷飽和水性NaHCO溶液(100ml)に注入した。得られた混合物を濾過し、シクロヘキサンで洗浄し、濾液をシクロヘキサン(50ml)で2回抽出した。混ぜ合わせた有機相を、水(50ml)で2回、水性NaCl溶液(50ml)で2回洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(1.4g)のFC(100gの SiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル40:1)により、3−(シクロプロピルメチル)オクタン−2−オン(0.21g、7%)を得た。沸点:125℃(0.08mbar)。
【0216】
【化74】

【0217】
例67:(E)−2−(シクロプロピルメチレン)−1−フェニルヘプタン−1−オン(化合物ID 52)
−75℃にて、ジイソプロピルアミン(5.8ml、41.0mmol)をテトラヒドロフラン(60ml)に溶解した溶液を、n−ブチルリチウムをヘキサン(26ml、41.0mmol)に溶解した1.6Mの溶液で処理した。生成した溶液を、−70℃にて30分間撹拌し、ヘプタノフェノン(6.0g、31.5mmol)をテトラヒドロフラン(20ml)に溶解した溶液で処理した。得られた溶液を、−70℃にて30分間撹拌し、シクロプロパンカルボキサルデヒド(9.6ml、126.1mmol)をテトラヒドロフラン(20ml)に溶解した溶液で処理した。−75℃にて2時間攪拌した後、反応混合物を、氷冷2M水性HCl(50ml)中に注入し、メチルt−ブチルエーテル(100ml)で2回抽出した。混ぜ合わせた有機相を、水(50ml)、水性NaCl溶液(50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させて、油(8.73g)を得、これを、無水酢酸(6.7ml、70.4mmol)および酢酸ナトリウム(3.03g、36.9mmol)で処理した。
【0218】
得られた混合物を、80℃にて54時間、および120℃にて22時間撹拌し、氷冷2M NaOH溶液(50ml)中に注入し、メチルt−ブチルエーテル(50ml)で2回抽出した。混ぜ合わせた有機相を、NaHCOの飽和水溶液(25ml)、水(25ml)、水性NaCl溶液(25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(7.0g)のFC(300gのSiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル60:1)により、(E)−2−(シクロプロピルメチレン)−1−フェニルヘプタン−1−オン(5.9g、77%)を得た。沸点:145℃(0.07mbar)。
【0219】
【化75】

【0220】
例68:(E)−2−(2,2−ジメチルプロピリデン)ヘプタン酸メチル(化合物ID 53)
例61に記載したように、38%の収率で、ヘプタン酸メチルおよびピバルアルデヒドから調製した。沸点:75℃(0.07mbar)。
【0221】
【化76】

【0222】
例69:(E)−2−(2,2−ジメチルプロピリデン)ヘプタン酸(化合物ID 54)
(E)−2−(2,2−ジメチルプロピリデン)ヘプタン酸メチル(4g、18.8mmol、例68に記載したように調製した)およびKOH(12.4g、188mmol)のエタノール(80ml)中の混合物を、2時間還流させ、氷冷2M水性HCl(50ml)中に注入し、メチルt−ブチルエーテル(80ml)で2回抽出した。混ぜ合わせた有機相を、水(80ml)、水性NaCl溶液(80ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(3.76g)のFC(300gのSiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル7:1)により、画分(2g)を得、これを、濃水性HCl中で20分間攪拌した。ヘキサンでの抽出、続いて濃水性NaOHでの水性相の酸性化およびメチルt−ブチルエーテルでの抽出、ならびに得られた有機相の水での洗浄により、溶媒を蒸発させた後に、(E)−2−(2,2−ジメチルプロピリデン)ヘプタン酸(1.6g、43%)を得た。
【0223】
【化77】

【0224】
例70:(E)−3−(2,2−ジメチルプロピリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 55)
−30℃にて、(E)−2−(2,2−ジメチルプロピリデン)ヘプタン酸(1.4g、7.06mmol、例69に記載したように調製した)をジエチルエーテル(30ml)に溶解した溶液を、メチルリチウムをヘキサン(9.2ml、14.8mmol)に溶解した1.6M溶液で10分以内で滴加処理した。得られた混合物を、ジエチルエーテル(15ml)で希釈し、2時間20℃にゆっくりと加温し、氷冷2M水性HCl(40ml)中に注入し、ジエチルエーテル(40ml)で2回抽出した。混ぜ合わせた有機相を、水(40ml)、水性NaCl溶液(40ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(1.2g)のFC(120gのSiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル30:1)により、(E)−3−(2,2−ジメチルプロピリデン)オクタン−2−オン(0.83g、60%)を得た。沸点:66℃(0.08mbar)。
【0225】
【化78】

【0226】
例71:(E)−3−(2−メチルプロピリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 56)
例35に記載したように、14%の収率で、イソブチルアルデヒドおよび2−オキソオクタン−3−イルホスホン酸ジエチル(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからヘキシルホスホン酸ジエチルを介して得た)から調製した。沸点:47℃(0.078mbar)。
【0227】
【化79】

【0228】
例72:(E)−4−(シクロプロピルメチレン)ノナン−3−オン(化合物ID 57)
例6に記載したように、3−オキソノナン−4−イルホスホン酸ジエチルを、93%の収率で、プロピオン酸エチルおよびペンチルホスホン酸ジエチルから調製した。沸点:106℃(0.06mbar)。
【0229】
【化80】

【0230】
(E)−4−(シクロプロピルメチレン)ノナン−3−オンを、例35に記載したように、38%の収率で、ベンズアルデヒドおよび3−オキソオクタン−4−イルホスホン酸ジエチルから調製した。
沸点:90℃(0.07mbar)。
【化81】

【0231】
例73:(E)−4−ベンジリデンノナン−3−オン(化合物ID 58)
例35に記載したように、12%の収率で、ベンズアルデヒドおよび3−オキソノナン−4−イルホスホン酸ジエチル(例77に記載したようにプロピオン酸エチルおよびペンチルホスホン酸ジエチルから得た)から調製した。沸点:130℃(0.07mbar)。
【0232】
【化82】

【0233】
例74:ヒトCYP2B6の阻害
CYP2B6の活性を阻害する試験化合物を、例1の最初の段落に記載したのと同一の原理を用いて特定する。
【0234】
試験化合物(詳細は表4を参照)を、シトクロムP450還元酵素の存在下でCYP2B6と共にインキュベートした。CYP2B6およびP450還元酵素を、例1に記載したように、組換え型バキュロウイルスを用い、Sf9昆虫細胞中で2種のタンパク質を同時発現させて生成する。あるいはまた、CYP2B6および還元酵素を含むミクロソームは、商業的に入手できる(BD Biosciences Gentest, USA)。1.5pmoleのCYP2B6を含むミクロソームを用いた。リン酸カリウム緩衝液の最終濃度は、100mMであった(1M原液、pH7.4)。試験化合物を、アセトニトリルに溶解した50mMの原液として調製した。標準基質7−エトキシ−4−トリフルオロメチル−クマリンの濃度は、6μMであった。
【0235】
試験化合物のいくつかの試料を、種々の濃度で調製して、反応における異なる最終濃度を得た:0、0.005、0.01、0.02、0.05、0.1および0.2mM。(当業者に明らかであるように、極めて良好な阻害剤を試験した場合において、比較的低い濃度もまた用いて、試験ウェル中に存在するIC50濃度より高い、および低い濃度を有するようにした。)混合物を、37℃で10分間インキュベートし、その後50mMのNADPHを水に溶解した溶液を0.005ml加えることにより、酵素反応を開始した。最終的な合計容積は0.2mlであり、これはマイクロタイタープレート測定に適する。試料を、40分間37℃にてインキュベートした。40分後、酵素反応を、75μlの0.5MのTris塩基/アセトニトリル(18:72)を加えることにより停止した。50mMのNADPHを水に溶解した溶液0.005mlを、対照反応に加え、これは、試験化合物および酵素との、しかしNADPHを伴わない反応に相当し、この結果、4−トリフルオロメチル−ウンベリフェロンは生成しなかった。変性したタンパク質および他の不溶性部分を、遠心分離(5分、1800rpm、10℃にて)により分離した。
【0236】
試料を分光蛍光分析的に分析し、これにより、410nmの励起波長および510nmの発光波長における酵素的生成物として4−トリフルオロメチル−ウンベリフェロンが生成したことを検出することが可能になる。対照に関する510nmにおける蛍光信号の低減により、代謝物が検出されなかったため、試験化合物が酵素活性に影響することが示され、阻害剤の性質が確認され、これをまた、代替の基質とすることができる。データの図解法により、濃度を計算することが可能になり、ここで試験化合物は、50%の最大活性(IC50値)のレベルまで酵素を阻害する。結果を以下の表4に示す。
【0237】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)式(I)
【化1】

式中、
nは0または1であり ;
点線は、炭素−炭素結合と共にEもしくはZ立体配置のいずれかの二重結合または単結合を表し;
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、5〜7個の炭素原子を含むシクロアルキルビニル、5〜7個の炭素原子を含むアリールビニル、フェニル、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシまたはエチニルであり;
は、直鎖状または分枝状C〜Cアルキルであり;
I)Zは−CRであり、ここでR、R、Rは水素であるか;RおよびRはメチルであり、Rは水素もしくはメチルであるか;またはRおよびRは独立してHまたはC〜Cアルコキシを表し、RはC〜Cアルコキシであり;
II)Zは、3〜6員単環式または6〜10員二環式炭化水素環であり、ここで2個までのC原子は、S、OおよびNから選択されるヘテロ原子により置き換えられており;
III)Zは、3〜6員単環式または6〜10員二環式炭化水素環であり、ここで2個までのC原子は、S、OおよびNから選択されるヘテロ原子により置き換えられており、当該環は、ヒドロキシル、CN、ハロゲン、モノ、ジおよびトリハロゲノメチル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルおよび−COORおよび−OCOR(ここでRは水素、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルである)から選択される5個までの基で置換されており、ただし当該環は、1つまでのC〜Cアルキル基で置換されており;
IV)Zは、C−2と共にそれぞれシクロブタンおよびシクロペンタン環を形成する2価の残基−CH−CH−であり;あるいは
V)Zは−C(O)Rであり、ここでRはC〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシであり;
は、H、C〜Cアルキル、またはC−2と共にシクロプロパン環を形成する−CH−であり;
式(I)で表される化合物は、少なくとも9個のC原子を含む、
で表される化合物;
ならびに
b)少なくとも1種の臭気物質化合物
を含む、組成物。
【請求項2】
式(I)で表される化合物が、(E)−3−(シクロプロピルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(シクロプロピルメチレン)ヘプタン−2−オン;(E)−3−(シクロプロピルメチレン)ノナン−2−オン;(1E,4E)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピル−メチレン)デカ−1−エン−3−オン;(E)−3−ベンジリデンヘプタン−2−オン;(E)−3−ベンジリデンオクタン−2−オン;(1E,4E)−4−ベンジリデン−1−フェニルノン−1−エン−3−オン;(E)−3−ベンジリデンノナン−2−オン;3−フェニルメチルヘプタン−2−オン;3−フェニルメチルオクタン−2−オン;(E)−4−(2−アセチルヘプタ−1−エニル)−ベンゾニトリル;(E)−3−(ナフタレン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(チオフェン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(フラン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン;3−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)オクタン−2−オン;(E)−3−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチレン)ヘプタン−2−オン;(E)−3−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチレン)オクタン−2−オン;3−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチル)オクタン−2−オン;(E)−3−(2,2−ジメトキシエチリデン)ヘプタン−2−オン;(E)−3−(2,2−ジメトキシエチリデン)−オクタン−2−オン;3−(2,2−ジメトキシエチル)オクタン−2−オン;3−(2−メトキシエチル)オクタン−2−オン;(E)−3−(2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチリデン)オクタン−2−オン;3−(2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル)オクタン−2−オン;3−ペンチルヘプタン−2,6−ジオン;(E)−3−エチリデンオクタン−2−オン;1−(2−メチル−1−ペンチルシクロプロピル)エタノン;3−(プロパン−2−イリデン)オクタン−2−オン;1−ペンチルシクロペンタンカルボン酸メチル;1−(1−ペンチルシクロペンチル)エタノン;(E)−3−(シクロヘキシルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(シクロヘクサ−3−エニルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(シクロペンチルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(シクロブチルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2−フルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(3−フルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(4−フルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2,6−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2,4−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(Z)−3−(3,5−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(3,5−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(パーフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2−メチルベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(3−メチルベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(4−メチルベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2−(トリフルオロメチル)ベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−ベンジリデンヘキサン−2−オン;(E)−3−(2−メトキシベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(3−メトキシベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(4−メトキシベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(4−メトキシベンジリデン)ヘプタン−2−オン;(E)−3−(4−メトキシベンジリデン)ヘキサン−2−オン;(E)−3−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルメチレン)オクタン−2−オン;(Z)−4−(2−アセチルヘプタ−1−エニル)安息香酸メチル;(E)−4−(2−アセチルヘプタ−1−エニル)安息香酸メチル;(E)−3−(チオフェン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(ピリジン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(ピリジン−3−イルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(ピリジン−4−イルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−2−(シクロプロピルメチレン)ヘプタン酸メチル;(E)−2−ベンジリデンヘプタン酸メチル;2−(シクロプロピルメチル)ヘプタン酸メチル;2−ベンジルヘプタン酸メチル;3−(シクロプロピルメチル)オクタン−2−オン;(E)−3−(1−フェニルエチリデン)オクタン−2−オン;(E)−2−(シクロプロピルメチレン)−1−フェニルヘプタン−1−オン;(E)−2−(2,2−ジメチルプロピリデン)ヘプタン酸メチル;(E)−2−(2,2−ジメチルプロピリデン)ヘプタン酸;(E)−3−(2,2−ジメチルプロピリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2−メチルプロピリデン)オクタン−2−オン;(E)−4−(シクロプロピルメチレン)ノナン−3−オン;(E)−4−ベンジリデンノナン−3−オン;またはこれらの混合物からなるリストから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
請求項1または2において定義した式(I)で表される化合物を含む、タバコ製品。
【請求項4】
請求項1または2において定義した式(I)で表される化合物を室内に、タバコ煙の存在下で散布する段階を含む、方法。
【請求項5】
式(I)で表される化合物を、エアフレッシュナー装置を用いて拡散させる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
請求項1または2において定義した式(I)で表される化合物の、医薬組成物を調製するための使用。
【請求項7】
式(Ia)
【化2】

式中、nは0または1であり;
点線は、炭素−炭素結合と共にEもしくはZ立体配置のいずれかの二重結合または単結合を表し;
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、5〜7個の炭素原子を含むシクロアルキルビニル、5〜7個の炭素原子を含むアリールビニル、フェニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシまたはエチニルであり;
は、直鎖状または分枝状C〜Cアルキルであり;
は、H、C〜CアルキルまたはC−2と共にシクロプロパン環を形成する−CH−であり;
I)Zは−CRであり、ここでR、R、Rは水素であるか;RおよびRはメチルであり、Rは水素もしくはメチルであるか;またはRおよびRは独立してHまたはC〜Cアルコキシを表し、RはC〜Cアルコキシであり;
ただし、nが0であり、Rがn−ペンチルであり、Rがメチルである場合、Zはプロパ−2−イルではなく;
II)Zは、3〜6員単環式または6〜10員二環式炭化水素環であり、ここで2個までのC原子は、S、OおよびNから選択されるヘテロ原子により置き換えられており;
ただし、
nが0であり、Rが直鎖状C〜Cアルキルであり、Rがメチルである場合には、Zはフェニルではなく;
nが0であり、Rが直鎖状C〜Cアルキルであり、Rがメチルである場合には、Zはメトキシフェニルではなく;
nが0であり、Rがn−ペンチルであり、Rがメトキシである場合、Zはフェニルではなく;
nが0であり、Rがn−ヘキシルであり、Rがメチルであり、C−2とC−3との間の炭素−炭素結合が単結合である場合、Zはシクロプロピルではなく;
III)Zは、3〜6員単環式または6〜10員二環式炭化水素環であり、ここで2個までのC原子は、S、OおよびNから選択されるヘテロ原子により置き換えられており、当該環は、ヒドロキシル、CN、ハロゲン、モノ、ジおよびトリハロゲノメチル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルおよび−COORおよび−OCOR(ここでRは水素、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルである)から選択される5個までの基で置換されており、ただし当該環は、1つまでのC〜Cアルキル基で置換されており;
IV)Zは、C−2と共にそれぞれシクロブタンおよびシクロペンタン環を形成する2価の残基−CH−CH−であり;あるいは
V)Zは−C(O)Rであり、ここでRはC〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである;
で表される化合物であって、
式(Ia)で表される化合物は、少なくとも9個のC原子を含み;
ただし、式(Ia)で表される化合物は、3−エチリデンオクタン−2−オンまたは3−(プロパン−2−イリデン)オクタン−2−オンではない、前記化合物。
【請求項8】
(E)−3−(シクロプロピルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(シクロプロピルメチレン)ヘプタン−2−オン;(E)−3−(シクロプロピルメチレン)ノナン−2−オン;(1E,4E)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピル−メチレン)デカ−1−エン−3−オン;(E)−3−ベンジリデンヘプタン−2−オン;(E)−3−ベンジリデンオクタン−2−オン;(1E,4E)−4−ベンジリデン−1−フェニルノン−1−エン−3−オン;(E)−3−ベンジリデンノナン−2−オン;3−フェニルメチルヘプタン−2−オン;3−フェニルメチルオクタン−2−オン;(E)−4−(2−アセチルヘプタ−1−エニル)−ベンゾニトリル;(E)−3−(ナフタレン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(チオフェン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(フラン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン;3−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)オクタン−2−オン;(E)−3−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチレン)ヘプタン−2−オン;(E)−3−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチレン)オクタン−2−オン;3−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチル)オクタン−2−オン;(E)−3−(2,2−ジメトキシエチリデン)ヘプタン−2−オン;(E)−3−(2,2−ジメトキシエチリデン)−オクタン−2−オン;3−(2,2−ジメトキシエチル)オクタン−2−オン;3−(2−メトキシエチル)オクタン−2−オン;(E)−3−(2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチリデン)オクタン−2−オン;3−(2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル)オクタン−2−オン;3−ペンチルヘプタン−2,6−ジオン;1−(2−メチル−1−ペンチルシクロプロピル)エタノン;1−ペンチルシクロペンタンカルボン酸メチル;1−(1−ペンチルシクロペンチル)−エタノン;(E)−3−(シクロヘキシルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(シクロヘクサ−3−エニルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(シクロペンチルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(シクロブチルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2−フルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(3−フルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(4−フルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2,6−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2,4−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(Z)−3−(3,5−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(3,5−ジフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(パーフルオロベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2−メチルベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(3−メチルベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(4−メチルベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2−(トリフルオロメチル)ベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(2−メトキシベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(3−メトキシベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(4−メトキシベンジリデン)オクタン−2−オン;(E)−3−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルメチレン)オクタン−2−オン;(Z)−4−(2−アセチルヘプタ−1−エニル)安息香酸メチル;(E)−4−(2−アセチルヘプタ−1−エニル)安息香酸メチル;(E)−3−(チオフェン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(ピリジン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(ピリジン−3−イルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−3−(ピリジン−4−イルメチレン)オクタン−2−オン;(E)−2−(シクロプロピルメチレン)ヘプタン酸メチル;2−(シクロプロピルメチル)ヘプタン酸メチル;3−(シクロプロピルメチル)オクタン−2−オン;(E)−3−(1−フェニルエチリデン)オクタン−2−オン;(E)−2−(シクロプロピルメチレン)−1−フェニルヘプタン−1−オン;(E)−2−(2,2−ジメチルプロピリデン)ヘプタン酸メチル;(E)−2−(2,2−ジメチルプロピリデン)ヘプタン酸;(E)−3−(2,2−ジメチルプロピリデン)オクタン−2−オン;(E)−4−(シクロプロピルメチレン)ノナン−3−オン;および(E)−4−ベンジリデンノナン−3−オンからなるリストから選択される、請求項7に記載の式(Ia)で表される化合物。

【公表番号】特表2010−522219(P2010−522219A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500045(P2010−500045)
【出願日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【国際出願番号】PCT/CH2008/000128
【国際公開番号】WO2008/116338
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】