説明

プラズマ処理装置及びそれに用いる基板加熱機構

【課題】パーティクル及びコンタミネーションによる汚染を抑制しつつ被処理基板を800℃以上の高温に安定して加熱することができるプラズマ処理装置及び基板加熱機構を提供する。
【解決手段】マイクロ波プラズマ処理装置は、基板載置台7、支持部8、支持部固定部24を備える。基板載置台7は発熱体74を内蔵する。発熱体74及び電極32は、SiCを含む材料からなり、電極32は、支持部固定部24に固定されるとともに、支持部8を貫通し、かつ先端部が発熱体74に接続されている。そして、石英を含む絶縁材料からなる電極被覆管43が、電極32の先端部以外の部分を被覆し、基板載置台7の発熱体74の下方部分、支持部8、及び支持部固定部24を貫通するように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板等の被処理基板をプラズマ処理するためのプラズマ処理装置及びそれに用いる基板加熱機構に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置、液晶表示装置等の製造に用いられるプラズマ処理装置として、種々のプラズマの励起方式のものが用いられており、例えば13.56MHzのRF(Radio Frequency )を用いる高周波励起プラズマ処理装置、2.45GHzのマイクロ波を用いるマイクロ波プラズマ処理装置等が一般的に用いられている。マイクロ波プラズマ処理装置は、高周波励起プラズマ処理装置と比べて、高密度のプラズマが得られるとともに、プラズマ中のイオンエネルギーが小さいため、処理装置内の部材及び被処理基板に対するダメージが小さく、コンタミネーションが少ないという利点がある。
【0003】
このような利点を有するため、このマイクロ波プラズマ処理装置の大口径の半導体基板、LCD用ガラス基板等の処理への適用が検討されている。このようなマイクロ波プラズマ処理装置としては、特許文献1に開示されたものが知られている。
【0004】
図15は、このような特許文献1に開示されたマイクロ波プラズマ処理装置を示す断面図である。このマイクロ波プラズマ処理装置は、処理空間201Aを形成する上部処理容器201及び下部処理容器202と、処理空間201A内に設けられ、被処理基板Wを保持する基板載置部203と、上部処理容器201の開口部を封止するマイクロ波透過板204と、該マイクロ波透過板204に結合されたラジアルラインスロットアンテナ210とを備えている。そして、基板載置部203の支持筒の208を包囲するように排気管202Aが設けられており、排気管202Aに、図示しない排気機構を接続することにより、処理空間201Aが排気されるように構成されている。処理空間201Aを均一に排気するために、基板載置部203の外周側には、多数の開口部を有する整流板205が形成されている。
【0005】
上部処理容器201はAl製であり、その内壁にはフッ化処理によりフッ化アルミニウム層207が形成されている。基板載置部203はAl製であり、その側面及び被処理基板Wを載置した場合に露出される表面に石英カバー206が形成されており、高密度プラズマにより形成された酸素ラジカルが、処理容器201の内壁面、基板載置部203の露出面において消費されるのを抑制することができるとしている。
【特許文献1】特開2003−133298号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようなマイクロ波プラズマ処理装置を用いて半導体基板等に成膜する場合に、膜質が良好であり、得られる半導体装置が、リーク電流が僅少であるというように、良好な特性を有することが要求されているが、そのためには、処理温度を700℃以上にする必要がある。しかし、基板載置部203がAlN製のヒータを有する場合、ヒータ自体を700℃に上げるのが限界であり、被処理基板Wの温度を700℃以上に上げることができないという問題がある。ステンレス鋼製のヒータの中には800℃まで加熱することができるヒータがあるが、ステンレス鋼製のヒータを用いた場合、ヒータを構成するステンレス鋼に含まれるFe、Cr等の重金属がプラズマによるスパッタリングや熱によって処理容器201内へ拡散し、コンタミネーションが生じるという問題がある。また、カーボン製のヒータも高温に対応可能ではあるが、カーボン製のヒータを用いた場合、基板載置部203がマイクロ波中に曝されると、カーボン自体が異常放電を起こして破壊されるという問題がある。ランプヒータも同様の理由により、マイクロ波中では使用することができない。
【0007】
上記いずれのヒータも、マイクロ波をシールドして用いることが考えられるが、800℃の温度に耐え、コンタミネーションが発生しないようなシールド材料及びシールド技術が存在しない。
【0008】
このように、高温でかつ、マイクロ波を用いたプラズマ及びその他のプラズマを用いて処理する際に、安定してコンタミネーションが生じないような高温用のヒータが望まれている。
【0009】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、パーティクル及びコンタミネーションによる汚染を抑制しつつ被処理基板を800℃以上の高温に安定して加熱することができるプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
また、そのようなプラズマ処理装置に用いる基板加熱機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明に係るプラズマ処理装置は、被処理基板を収容するチャンバと、前記チャンバ内にプラズマを生成するプラズマ生成機構と、前記チャンバ内に処理ガスを供給する処理ガス供給機構と、前記チャンバに連設され、前記チャンバを排気する排気機構と、前記チャンバ内で被処理基板が載置され、載置台本体と前記本体の内部に設けられた基板を加熱する発熱体とを有する基板載置台と、前記基板載置台を支持する支持部と、前記支持部を前記チャンバに固定する固定部と、前記発熱体に電力を供給する電極とを備え、前記発熱体及び前記電極は、SiCを含む材料からなり、前記電極は、前記固定部に固定されるとともに、前記支持部を貫通し、かつ先端部が前記発熱体に接続されており、前記電極の前記先端部以外の部分を被覆し、前記基板載置台の前記発熱体の下方部分、前記支持部、及び前記固定部を貫通するように設けられた、石英を含む絶縁材料からなる電極被覆管をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
第2発明に係るプラズマ処理装置は、第1発明において、前記プラズマ生成機構は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生機構と、前記マイクロ波発生機構により発生したマイクロ波を前記チャンバに向けて導く導波機構と、前記導波機構により導かれたマイクロ波を前記チャンバ内に放射する、複数のスロットを有するアンテナとを有し、前記チャンバ内にマイクロ波プラズマを形成することを特徴とする。
【0012】
第3発明に係るプラズマ処理装置は、第1又は第2発明において、前記載置台本体は、発熱体を支持する基盤部と、前記発熱体を覆い、前記被処理基板が載置されるカバーとを有することを特徴とする。
【0013】
第4発明に係るプラズマ処理装置は、第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記固定部の下面には絶縁板及び導電板が設けられ、前記電極の下端部は前記固定部の底面から突出し、該下端部は、前記絶縁板及び前記導電板を貫通して、該絶縁板及び導電板により前記固定部に固定され、前記導電板の上部との間にシール部材が介在され、前記導電板には前記電極に給電するための電力供給配線に接続されていることを特徴とする。
【0014】
第5発明に係るプラズマ処理装置は、第4発明において、前記導電板は、前記絶縁板の直下に設けられた第1導電板と、その下に設けられた第2導電板とを有し、前記電力供給配線は前記第2導電板に接続されていることを特徴とする。
【0015】
第6発明に係るプラズマ処理装置は、第1乃至第5発明のいずれかにおいて、前記電極被覆管は、前記固定部を貫通する部分の中途部から底部まで、他の部分より大径である大径部を有し、前記固定部は、前記電極被覆管の形状に一致して該電極被覆管を挿通させる小孔と大孔とを有し、前記大径部は、該大孔の上部及び下部にてシール部材でシールされていることを特徴とする。
【0016】
第7発明に係るプラズマ処理装置は、第1乃至第6発明のいずれかにおいて、SiCを含む材料からなる熱電対と、石英を含む材料からなり、前記熱電対を被覆する熱電対被覆管とをさらに備え、前記固定部の下端には下方に突出する突出部が設けられており、前記熱電対被覆管は、前記熱電対を被覆した状態で、前記基板載置台の前記発熱体よりも下方部分、前記支持部、前記固定部を貫通し、その下端部が前記突出部から突出した状態で、該突出部の下端部に、セラミックス材料からなるカバー部が嵌合されていることを特徴とする。
【0017】
第8発明に係るプラズマ処理装置は、第1乃至第7発明のいずれかにおいて、前記基板載置台は、Siを含む材料、またはSiCを含む材料からなり、前記発熱体から生じる熱を反射させるリフレクタを有することを特徴とする。
【0018】
第9発明に係るプラズマ処理装置は、第1乃至第8発明のいずれかにおいて、少なくともプラズマに曝される部分が、石英を含む材料、Siを含む材料、もしくはSiCを含む材料からなるか、または石英を含むライナで覆われていることを特徴とする。
【0019】
第10発明に係るプラズマ処理装置は、第1乃至第9発明のいずれかにおいて、前記発熱体からの輻射熱を受ける部分が水冷されるように構成されていることを特徴とする。
【0020】
第11発明に係るプラズマ処理装置は、第1乃至第10発明のいずれかにおいて、前記チャンバと排気管との間に、石英製のバッフル板が配設されていることを特徴とする。
【0021】
第12発明に係るプラズマ処理装置は、第2乃至第11発明のいずれかにおいて、前記アンテナは銅製の本体の上に、金メッキまたは銀メッキが施されていることを特徴とする。
【0022】
第13発明に係る基板加熱機構は、チャンバ内で被処理基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において、チャンバ内で被処理基板を加熱する基板加熱機構であって、載置台本体と前記本体の内部に設けられた基板を加熱する発熱体とを有する基板載置台と、前記基板載置台を支持する支持部と、前記支持部を前記チャンバに固定する固定部と、前記発熱体に電力を供給する電極とを備え、前記発熱体及び前記電極は、SiCを含む材料からなり、前記電極は、前記固定部に固定されるとともに、前記支持部を貫通し、かつ先端部が前記発熱体に接続されており、前記電極の前記先端部以外の部分を被覆し、前記基板載置台の前記発熱体の下方部分、前記支持部、及び前記固定部を貫通するように設けられた、石英を含む絶縁材料からなる電極被覆管をさらに備えることを特徴とする。
【0023】
第14発明に係る基板加熱機構は、第13発明において、前記載置台本体は、発熱体を支持する基盤部と、前記発熱体を覆い、前記被処理基盤が載置されるカバーとを有することを特徴とする。
【0024】
第15発明に係る基板加熱機構は、第13又は第14発明において、前記固定部の下面には絶縁板及び導電板が設けられ、前記電極の下端部は前記固定部の底面から突出し、該下端部は、前記絶縁板及び前記導電板を貫通して、該絶縁板及び導電板により前記固定部に固定され、前記導電板の上部との間にシール部材が介在され、前記導電板には前記電極に給電するための電力供給配線に接続されていることを特徴とする。
【0025】
第16発明に係る基板加熱機構は、第15発明において、前記導電板は、前記絶縁板の直下に設けられた第1導電板と、その下に設けられた第2導電板とを有し、前記電力供給配線は前記第2導電板に接続されていることを特徴とする。
【0026】
第17発明に係る基板加熱機構は、第13乃至16発明のいずれかにおいて、前記電極被覆管は、前記固定部を貫通する部分の中途部から底部まで、他の部分より大径である大径部を有し、前記固定部は、前記電極被覆管の形状に一致して該電極被覆管を挿通させる小孔と大孔とを有し、前記大径部は、該大孔の上部及び下部にてシール部材でシールされていることを特徴とする。
【0027】
第18発明に係る基板加熱機構は、第13乃至第17発明のいずれかにおいて、SiCを含む材料からなる熱電対と、石英を含む材料からなり、前記熱電対を被覆する熱電対被覆管とをさらに備え、前記固定部の下端には下方に突出する突出部が設けられており、前記熱電対被覆管は、前記熱電対を被覆した状態で、前記基板載置台の前記発熱体よりも下方部分、前記支持部、前記固定部を貫通し、その下端部が前記突出部から突出した状態で、該突出部の下端部に、セラミックス材料からなるカバー部が嵌合されていることを特徴とする。
【0028】
第19発明に係る基板加熱機構は、第13乃至第18発明のいずれかにおいて、前記基板載置台は、Siを含む材料、またはSiCを含む材料からなり、前記発熱体から生じる熱を反射させるリフレクタを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、発熱体及び電極としてSiCを用いることにより、被処理基板の温度を800℃以上にすることができ、被処理基板に対して所望の高温でのプラズマ処理を施すことができる。したがって、良好な特性を有する膜を形成することができる。また、マイクロ波中でも損傷することなく使用することができ、パーティクル及びコンタミネーションによる汚染も発生しない。
【0030】
さらに、発熱体に電力を供給する電極が石英を含む絶縁材で形成された電極被覆管内に収納されているので、絶縁性に優れ、支持部または固定部内で放電するのが防止されるとともに、電極由来のコンタミネーションが発生するのが抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るマイクロ波プラズマ処理装置を示す模式的断面図である。図中、符号1がマイクロ波プラズマ処理装置である。
【0032】
このマイクロ波プラズマ処理装置1は、気密に構成されており、略円筒状であるチャンバ2を備えている。チャンバ2はAl等の金属製で、略円筒状に形成されている。チャンバ2の底部の中央部は開口しており、この底部に排気管3が連設されている。排気管3は、前記開口した部分と略同径である上部排気管3aと、下側が小径となっているテーパ部3bと、テーパ部3bに流路調整弁4を介して接続された下部排気管3cとを備えている。下部排気管3cの下端には、真空ポンプ5が接続されており、真空ポンプ5の側部には、排気管6が接続されている。真空ポンプ5を作動させることにより、チャンバ2内の雰囲気が排気管3を通流されて外へ排出され、チャンバ2内が所要の真空度まで減圧される。
【0033】
チャンバ2の中央部には、被処理基板である半導体ウエハWを水平に保持する基板載置台7が設けられている。基板載置台7は、基板載置台7の裏面中央部から鉛直下方にチャンバ2の開口部へ向かって延びる、石英製の支持部8により支持されている。基板載置台7は、後述するSiCからなる発熱体74、SiCからなる電極32、及び熱電対31を内蔵しており、この発熱体74に給電されることにより熱線(赤外、遠赤外)を放射して、半導体ウエハWを直接加熱するように構成されている。基板載置台7の詳細な構成は後述する。
【0034】
基板載置台7の外周側方には、環状をなす石英製のバッフル板40が設けられている。バッフル板40を構成する石英材としては、不純物を含まない高純度のものが好ましく、そのような観点から合成石英が好ましい。また、不透明石英であることがさらに好ましい。このバッフル板40は、複数の排気孔を有し、支持部材により支持されている。これによりチャンバ2内を均一に排気するとともに、チャンバ2で生成されたマイクロ波プラズマにより、下方からコンタミネーションが逆流するのが防止される。
【0035】
基板載置台7の下側には、リフタ駆動機構9が配されている。基板載置台7には上下方向に貫通する3つのピン挿通孔が設けられており(図2中では2本のみ示す)、2つのピン挿通孔には、例えば石英製のリフタアーム91及びリフタアーム92に支持された例えば石英製のピン93及びピン94がそれぞれ上下自在に揺動可能に遊嵌されている。リフタアーム91、92及びピン93、94の材質はAl2 3 、AlN等のセラミックでもよいが、コンタミネーションを考慮すると石英が好ましい。リフタアーム91及びリフタアーム92は、チャンバ2の底部を上下動可能に貫通する昇降軸96、96により、上下動可能に構成されており、リフタアーム91及びリフタアーム92の動きに伴いピン93及びピン94が連動して上下方向に動くことにより、半導体ウエハWの昇降が可能となっている。
【0036】
チャンバ2の内側には、チャンバ2の内周面に沿って、略円筒状をなし、不透明石英製であるライナ10が設けられている。このライナ10を構成する石英は、コンタミネーションが生じ難い高純度のものが好ましく、このような観点から合成石英が好ましい。チャンバ2の上部は開口しており、この開口したチャンバ2の端面に、環状のガス導入部11が載置されている。ガス導入部11の内周面には多数のガス放射孔11aが均一に設けられており、配管11cを介してガス供給機構11bに接続されている。ガス供給機構11bは、例えばArガス供給源、O2 ガス供給源、H2 ガス供給源、N2 ガス供給源、その他のガス供給源を有しており、これらのガスはガス導入部11へ導入され、ガス導入部11のガス放射孔からチャンバ2内へ均一に放射される。なお、Arガスに代えて他の希ガス、例えばKr、He、Ne、Xe等のガスを用いてもよい。
【0037】
チャンバ2の側壁には、マイクロ波プラズマ処理装置1に隣接する搬送室(図示せず)からチャンバ2内へ半導体ウエハWを搬入し、チャンバ2から搬送室へ半導体ウエハWを搬出するための搬送口2aが設けられている。搬送口2aはゲートバルブ12により開閉される。搬送口2aの上側には、チャンバ2の周方向に冷却水を通流させるための冷却水流路2bが、搬送口2aの下側には、冷却水流路2cがそれぞれ設けられており、これら冷却水流路2b、2cには冷却水供給源50より冷却水を供給されるようになっている。
【0038】
チャンバ2の上側には、チャンバ2内に突出する透過板支持部13が設けられている。透過板支持部13には、その周方向に冷却水を通流させるための複数の冷却水流路13aが設けられており、これら冷却水流路13aには冷却水供給源50から冷却水を供給される。この透過板支持部13の内側には例えば2段の段部が形成されており、石英等の誘電体からなり、マイクロ波を透過させるマイクロ波透過板14が、透過板支持部13の段部にOリング等のシール部材15を介して嵌められている。誘電体としては、Al2 3 、AlN等のセラミックが適用される。
【0039】
マイクロ波透過板14の上側には、円板状の平面アンテナ16が設けられ、透過板支持部13に接地されている。平面アンテナ16は、例えば200mmサイズの半導体ウエハWに対応する場合には、直径が300〜400mm、厚みが0.1〜10mm(例えば1mm)であり、銅製であって、表面が金または銀メッキされた円板状をなす。平面アンテナ16には、所定のパターンを有し、平面アンテナ16の上下方向に貫通する、多数のマイクロ波放射孔(スロット)16aが設けられている。マイクロ波放射孔16aは、平面視が長溝状をなし、複数の同心円上に、隣接するマイクロ波放射孔16aがT字状をなすように、マイクロ波の波長(λg)に対応して、例えばλg/4、λg/2、λgの間隔で形成されている。平面アンテナ16は、四角状でもよい。
【0040】
平面アンテナ16の上側には、平面アンテナ16より少し小径であり、真空より大きい誘電率を有する、例えば石英、またはポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド等の樹脂からなる遅波板17が配置されている。真空中ではマイクロ波の波長が長くなるので、この遅波板17により、マイクロ波の波長が短くされてプラズマが調整されて効率良く伝搬される。
【0041】
透過板支持部13の上側には、遅波板17の上面及び側面、ならびに平面アンテナ16の側面を覆うように、導電性のシールド部材18が設けられている。シールド部材18は、平面アンテナ16との間でマイクロ波を水平方向に均一に伝播させる導波管の機能を有する。透過板支持部13とシールド部材18との間は、リング状のシール部材19により気密にシールされている。シールド部材18には、シールド部材18の周方向に冷却水を通流させるための冷却水流路18aが形成されており、この冷却水流路18aに冷却水供給源50より冷却水が通流されて、シールド部材18、遅波板17、平面アンテナ16及びマイクロ波透過板14が冷却され、プラズマを安定に生成するとともに、これら部材の破損や変形が防止されるようになっている。マイクロ波透過板14、平面アンテナ16、遅波板17、及びシールド部材18は透過板支持部13に取り付けられた状態で一体的に設けられて開閉可能な蓋体60を構成しており、メンテナンスの際にチャンバ2の上面を開口することが可能となっている。
【0042】
シールド部材18の中央部には開口部が形成されており、この開口部の周縁部に同軸導波管20が連設されている。同軸導波管20の端部には、整合器21を介してマイクロ波発生装置22が接続されている。マイクロ波発生装置22により発生した、例えば周波数2.45GHzのマイクロ波が同軸導波管20を介して平面アンテナ16へ伝搬される。なお、マイクロ波の周波数としては、8.35GHz、1.98GHzであってもよい。
【0043】
同軸導波管20は、シールド部材18の開口部から上方へ延びる外導体の円筒状導波管20aと、この円筒状導波管20aの上端部にモード変換器23を介して接続され、水平方向に延びる矩形同軸導波管20bとを備えている。モード変換器23により、矩形同軸導波管20bをTEモードで伝搬するマイクロ波がTEMモードに変換される。円形導波管20aの中心には内導体20cが内蔵されており、円形導波管20aとで同軸導波管20を構成する。この内導体20cの下端部は、遅波板17の中央部に設けられた孔を貫通して平面アンテナ16に接続されている。マイクロ波は、同軸導波管20を介して平面アンテナ16に均一にラジアル方向に効率良く伝搬される。
【0044】
基板載置台7を支持する円筒状の支持部8の底部は、フランジ部を有する円柱状の支持部固定部24に、支持板25を介してクランプ26により固定されている。支持部固定部24は、固定部取付部27の上部に嵌められている。支持部固定部24の側部には、支持部固定部24の周方向に冷却水を通流させるための冷却水流路24aが設けられており、冷却水供給源50より冷却水が供給され、支持部固定部24及び支持板25が冷却される。固定部取付部27は、その側部が上部排気管3aに取り付けられている。支持部固定部24、支持板25、固定部取付部27は、Al等の金属材からなる。
【0045】
固定部取付部27には、上部排気管3a側の側部に開口部27bが設けられており、この開口部27bを上部排気管3aに設けられた孔28aに合わせた状態で、固定部取付部27が上部排気管3aに固定されている。したがって、固定部取付部27内に形成する空間部27cは、開口部27b及び孔28aを介して大気と連通している。空間部27cには、基板載置台7の温度を測定制御するための熱電対31の配線、発熱体74への電力を供給する配線等が配設されている。
【0046】
マイクロ波プラズマ処理装置1の各構成部、例えばガス供給機構、冷却水供給機構、ヒータ温度制御部は、インタフェース51を介して、CPUを備えた制御部30に接続されて制御される構成となっている。そして、制御部30の制御下で、マイクロ波プラズマ処理装置の処理が行われる。
【0047】
図2は、基板載置台7、支持部8及び支持部固定部24を示す断面図である。支持部8の底部は、クランプ26に嵌められてネジ29,29により支持板25を介して支持部固定部24に固定されている。
【0048】
図3は、基板載置台7及び支持部8を示す分解斜視図である。基板載置台7の基盤部71は円板状をなしており、基盤部71上には、Siを含む材料からなる複数に分割された、例えば半円板状の2枚の第1リフレクタ72が、基盤部71の表面に形成された凸状をなす複数の支持部71eを介して嵌合されており、その上に、複数に分割された、例えば半円板状の2枚の絶縁板73、及び複数のパターンゾーンに分割された、例えば半円板状の2枚の発熱体74が、順次、その面を対向させた状態で嵌合されている。発熱体74は1枚であってもよい。そして、発熱体74の上面、並びに発熱体74、第1リフレクタ72及び絶縁板73の上側側面を覆うようにカバー75が設けられており、カバー75の上にウエハWを載置して、発熱体74からの輻射熱により加熱するように構成されている。また、カバー75上には、リング状の単結晶SiまたはアモルファスSi製の第2リフレクタ76が載置されている。
なお、基盤部71、絶縁板73、及びカバー75は例えば石英で構成されている。また、これらを構成する石英としては、不透明石英が好ましい。カバー75は不透明石英であってもよい。また、石英としては高純度のものが好ましく、合成石英が好ましい。
【0049】
発熱体74は、高抵抗のSiCからなる。SiCは焼結体であっても、CVDやPVD等によって形成された膜であってもよい。焼結体としては、粉体焼結によって形成したものでも、グラファイト焼結体に珪酸ガス等のSi含有物質を直接反応させて形成したものであってもよい。また、SiCは結晶体であっても、アモルファスであってもよい。また、適宜の引き上げ方法により形成された単結晶体であってもよい。
【0050】
図4は、発熱体74を示す平面図である。発熱体74は、周方向に4つの区画に分割されている。この区画毎に、中央部から周縁部に向かい、区画の境界線で折り返すのを繰り返して、一続きの電流経路74aが形成されるように、同心状に切り込み74bが設けられている。この切り込み74bにより、温度変化による熱膨張、熱収縮が抑制される。そして、上述のように電流経路74aが形成されているので、発熱体74により均一に半導体ウエハWが加熱される。
なお、電流経路(パターン)は均一に加熱可能であれば特に限定されない。
【0051】
図2に示すように、支持部固定部24の中央部には挿通孔24bが設けられており、これに対応させて、リング状の固定板25の中央部に挿通孔25aが設けられている。そして、基盤部71、第1リフレクタ72、絶縁板73及び発熱体74を貫通し、熱電対被覆管41を挿通させる挿通孔71a、挿通孔72a、挿通孔73a及び挿通孔74cがそれぞれ設けられている。また、カバー75の下面、すなわち半導体ウエハWを載置する面の裏側には、例えばパイプ状に突出して設けられ、挿通孔74c、挿通孔73a及び挿通孔72aを貫通して、基盤部71の表面近くまで達する熱電対被覆管41の先端部を挿入する収納部75aが垂設されている。
【0052】
支持部固定部24の底部の中央部には突出部24cが設けられており、熱電対被覆管41を挿通させる挿通孔24bが突出部24cの下端部まで延び、貫通して形成されている。
【0053】
熱電対被覆管41は、例えば石英等の絶縁材で構成され、その内部には載置台7の温度を検出する熱電対31を収納し、挿通孔24b及び挿通孔25a内を挿通され、支持部8内の空間部を抜けて、挿通孔71aを貫通し、先端部がカバー75の収納部75aに収容されている。突出部24cの底部は、例えばポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂系合成樹脂等からなるワッシャ39を介して、例えばAl2 3 等の絶縁材からなるカバー部36が嵌合されている。熱電対31は、カバー部36の側部を貫通する2つのネジ37により回り止めされており、蓋部38を介してカバー部36から外部に接続されている。
【0054】
支持部固定部24の径外方向には冷却水流路24a及び発熱体24に電力を供給する棒状の電極32が被覆される電極被覆管(電極収納管)43を挿入する、複数、例えば4つの挿通孔24dが貫通して設けられている。挿通孔24dは、支持部固定部24の支持板25側に対向して設けられた挿通孔24eと、挿通孔24eより外径が大きい挿通孔24fとを有する。支持板25には、挿通孔24eに対応する位置に、電極被覆管43を挿入する挿通孔25bが設けられている。基盤部71、第1リフレクタ72及び絶縁板73にも、挿通孔24b、25bに対応して電極被覆管43を挿入する挿通孔71b、挿通孔72b及び挿通孔73bがそれぞれ貫通して設けられている。発熱体74には挿通孔74dが、カバー75には突出した電極32及び止めネジ79を収納する収納穴75bがそれぞれ設けられている。
【0055】
電極32は、SiC製が好ましく、焼結体であってもよいし、単結晶材であってもよく、アモルファスであってもよい。電極32は、石英等の絶縁材からなる電極被覆管43に収納された状態で、支持部固定部24及び支持板25を貫通し、支持部8内の空間部を抜けて、基盤部71及び第1リフレクタ72を貫通する。そして、電極32の先端部は、絶縁板73を貫通して、発熱体74に止めネジ79で固定された上で、カバー75の収納穴75bに収容されている。電極被覆管43は、挿通孔24fに嵌合する大径部43gと、挿通孔24e及び25bに嵌合する小径部43hとの段差形状を有している。そして、大径部43gの上下の外周部に、Oリング(シールリング)42が嵌められてシールされている。このように、電極32が支持部固定部24の底部から絶縁板73に至るまで、石英等の絶縁材で形成された電極被覆管(電極収納管)43内に収納され、しかもOリング42でシールされて密閉性が良好であるので、電極由来のコンタミネーションが発生するのが抑制される。また、電極32が電気絶縁性の良好な電極被覆管43で覆われているとともに、電極被覆管43が挿通孔24fに嵌合する大径部43gと、挿通孔24e及び25bに嵌合する小径部43hとの段差形状を有する構造を有し、電極被覆管43の固定部を貫通する部分が厚くなっているので、電気絶縁性が良好なものとなる。さらに、このような段差形状により、電極被覆管43の固定が安定する。
【0056】
支持部固定部24の下側には、例えばAl2 3 やAlN等の絶縁体で構成された固定板33が設けられている。また、固定板33の下側には、第1の金属板34及び第2の金属板35がねじ止めされている。固定板33には電極32を挿通させる挿通孔33a及び突出部24cを挿通させる挿通孔33bが設けられており、固定板33は、挿通孔33bに突出部24cが嵌め込まれた状態で固定されている。固定板33は、支持部固定部24と第1の金属板34との間を電気的に絶縁する機能を有する。第1及び第2の金属板34、35には、電極32を挿通させる挿通孔34a、35aが形成されている。
【0057】
電極32の下端部は、絶縁性の固定板33の挿通孔33b、ならびに第1の金属板34及び第2の金属板35の挿通孔34a及び35aを貫通している。そして、電極32と第1の金属板34との間はOリング(シールリング)34bでシールされている。
【0058】
また、電極32は、第2の金属板35に接続されており、電力供給源(図示せず)から第2の金属板35を介して電極32に給電され、この電極32を経て発熱体74に給電されることにより、発熱体74が発熱して、放射熱線により半導体ウエハWが加熱される。
【0059】
第1の金属板34は上述したようにOリング34bを介して電極32を気密にシールする機能を有しており、第2の金属板35は電極に電力を供給する機能を有していることから、これらの機能に適した金属であることが好ましく、例えば、第1の金属板34をステンレス鋼で構成し、第2の金属板35をNi合金で構成することができる。だだし、これら材料に限らず、種々の材料で構成することができ、第1及び第2の金属板34、35は異なる金属でも同種の金属でもよい。また、これら2つの金属板に分けずに、これらが一体となっていてもよい。
【0060】
また、基盤部71の周縁部寄りには、基盤部71を上下方向に貫通するピン挿通孔71cが設けられている。ピン挿通孔71cの上部の孔の外縁には例えばパイプ状の突出部71dが設けられ、突出部71dの上部に、第1リフレクタ72が支持されている。同様に、第1リフレクタ72、絶縁板73及び発熱体74には、ピン挿通孔72c、ピン挿通孔73c及びピン挿通孔74eがそれぞれ設けられている。カバー75の下面には、ピン挿通孔74e、ピン挿通孔73c及びピン挿通孔72cに対応して貫通し、ピン挿通孔71cの内部まで達するピン挿通部75cが垂設されている。そして、ピン挿通部75cには、ピン93が上下に移動可能な挿通孔75eが形成されている。ピン挿通部75cは、基板載置台7の内部からのコンタミネーションを封止する機能を有しており、これにより、高温に加熱してもコンタミネーションの拡散を防止することができ、コンタミネーションフリーの加熱機構を実現することが可能である。
【0061】
図5は、リフタ駆動機構9の一部を示す斜視図であり、図6は、リフタ駆動機構9を示す背面図、図7はリフタ駆動機構9の一部を示す側面図である。
リフタ駆動機構9のリフタアーム91は、先端方向が中心軸より外周側に広がるように形成され、リフタアーム92より長さを長くしてある。また、リフタアーム92も同様に、先端方向が中心軸より外周側に広がる。リフタアーム91のピン93及びピン95、リフタアーム92のピン94は、周方向に120度の間隔をおくように設けられている。
【0062】
リフタアーム91に設けられた貫通孔91aには、上側固定部102a、遊嵌部102b及び螺合部102cを備えるピン支持部102が嵌められている(図2参照)。上側固定部102aは遊嵌部102bより大径であり、ピン93は、上側固定部102aを貫通した状態で、下端部が遊嵌部102bの内部にねじ止めされている。遊嵌部102bは貫通孔91aに遊嵌され、上側固定部102aはリフタアーム91の上面に当接している。螺合部102cの外周面には雄ねじが設けられており、螺合部102cは貫通孔91aから突出している。下側固定部103は、内周面に雌ねじが設けられており、ピン支持部102の螺合部102cに螺合された状態で、リフタアーム91の下面に当接している。
【0063】
ピン支持部102が貫通孔91aに遊嵌されているので、ピン93は、位置合わせ良好に、基板載置台7のピン孔に挿通される。他のピン94及びピン95がねじ込まれたピン支持部も同様に、リフタアーム92、リフタアーム91に設けられた貫通孔に遊嵌されており、ピン94及びピン95が基板載置台7のピン孔に挿通される。
【0064】
リフタアーム91及びリフタアーム92は、それぞれ対応する連結部97を介して昇降軸96に連結されている。連結部97は、各2枚の連結板97a、連結板97b及び止め板97c、ならびにカバー97d、複数のネジ97e、ネジ97f及びネジ97gを備える。リフタアーム91,92は、連結板97aにそれぞれ、止め板97cを介してネジ97fによりネジ止めされている。各連結板97aの端部下側には、連結板97bが連結されている。各ネジ97eは、連結板97a及び連結板97bを貫通した状態で、昇降軸96にネジ止めされている。
【0065】
カバー97dは、2枚の連結板97aを付け合わせたときに、両端部が連結板97aの凹部97hに嵌められた状態で、連結板97aの背後を覆い、ネジ97gにより連結板97aにネジ止めされるように構成されている。
【0066】
リフタ駆動機構9は、カバー97dを外し、ネジ97eを緩めることで、リフタアーム91が連結された連結板97a、またはリフタアーム92が連結された連結板97aが昇降軸96に対し相対的に回転し、リフタアーム91,92が左右に開くように構成されている。これにより、基板載置台7のメンテナンスが容易となる。
【0067】
リフタ駆動機構9の昇降部110は、軸ホルダ111、支持部112、支持部113、支柱部114、リニアスライドレール115、モータ116、プーリ117、ボールネジ118、支持部119及び載置台122を備える。
【0068】
軸ホルダ111、支持部112及び支持部113は連結され、支持部119は支持部113の内側に嵌め込まれた支持部113aに連設されている。リニアスライドレール115は、支柱部114の鉛直方向に設けられており、支持部113の鉛直方向に設けられた凹溝部がリニアスライドレール115に嵌められている。支柱部114はモータ116上の載置台122上に載置されている。支柱部114の下部には凹部114aが設けられており、凹部114a内で、モータ116の回転がプーリ117に伝達されるように構成されている。昇降軸96は、連結板98を貫通して金属製の蛇腹状のベローズ99内を挿通され、軸ホルダ111により保持されている。
【0069】
モータ116が駆動し、モータ116によりプーリ117を介してボールネジ118が回転すると、これに伴い支持部119が上下し、これに連動して、支持部113、ならびにこれに連なる支持部112及び軸ホルダ111が、リニアルスライドレール115に沿って、上下にスライドするように構成されている。これにより、ベローズ99により、チャンバ2内の気密性を維持しつつ、昇降軸96が上下し、リフタアーム91,92が上下する。
【0070】
また、ネジ120を回すことにより、昇降軸96及びこれに連結されたリフタアーム91,92の位置が、y軸方向に微調整されるように構成されている。そして、軸ホルダ111及び112の下面を貫通するネジ121を回すことにより、昇降軸96及びこれに連結されたリフタアーム91,92の位置が、x軸方向に微調整されるように構成されている。
【0071】
以上のように構成されたマイクロ波プラズマ処理装置1においては、ガス導入部11から例えばAr及びO2 を導入し、平面アンテナ16を所定の周波数のマイクロ波で駆動することにより、チャンバ2内に高密度プラズマが形成される。励起されたArガスプラズマは酸素分子に作用し、チャンバ2内には、酸素ラジカルが効率良く、均一に形成され、基板載置台7上に載置された半導体ウエハWの表面が酸化される。また、半導体ウエハWを窒化処理する場合は、Ar等の希ガスとNH3 またはN2 とをガス導入部11からチャンバ2内に導入して窒化処理される。また、窒化処理に用いるガスにさらにO2 ガスを導入して半導体ウエハWを酸窒化処理することができる。また、成膜ガスを用いて、成膜処理することも可能である。
【0072】
本実施形態においては、基板載置台7の発熱体74がSiCからなるので、半導体ウエハの温度を800℃以上にすることができ、半導体ウエハWに対して十分な温度で熱処理を行うことができる。また、加熱機能を有する基板載置台7が、高温度プラズマ処理する際にその内部からのコンタミネーションが拡散しないような構造を有しているので、清浄な雰囲気でのプラズマ処理が可能である。
【0073】
したがって、良好な膜質を有する膜を形成することができ、ひいては良好な特性を有する半導体装置が得られる。また、基板載置台7の絶縁性を強化したので、基板載置台7内部でのプラズマ発生が抑制され、発熱体74が損傷することなく使用することができ、かつ、高温で使用しても、高純度材料を使用することで、熱拡散によるコンタミネーションの拡散が抑制される。
【0074】
また、本実施形態においては、基板載置台7が、発熱体74から生じる熱を反射させるSiを含む部材の第1リフレクタ72及び第2リフレクタ76を備えているので、発熱体74が発した熱を反射させて、半導体ウエハWを効率良く加熱することができる。この構成により、発熱体74の発熱量を抑制しつつ、半導体ウエハWの温度を800℃以上にすることができる。また、マイクロ波も反射されてプラズマが励起されやすくなる。なお、第1及び第2リフレクタ72、76を構成するSiを含む材料としては、単結晶Si、アモルファスSi、ポリシリコン、SiNを挙げることができ、これらの高純度品を用いることが好ましい。
【0075】
このようにしてマイクロ波プラズマ処理装置1により高温処理することにより、安定したプラズマ生成とコンタミネーションの極めて少ないプラズマ処理を実現することができる。
【0076】
図8は、SiCヒータが設けられた基板載置台7を備えた本発明に係るマイクロ波プラズマ処理装置1を用いて、大きさ300mmの半導体ウエハに、400℃、600℃、800℃と処理温度を変えた場合の温度と半導体ウエハの面内の均熱性との関係を示したグラフである。横軸は処理温度(℃)、縦軸は半導体ウエハ内の最高温度と最低温度との差(Δt)であり、単位は℃である。チャンバ内圧力(真空度)は、いずれも126Pa(0.95Torr)とした。
図8より、SiCヒータを備えたマイクロ波プラズマ処理装置1を用いた場合、800℃においてもΔtは17℃前後であり、半導体ウエハの均熱性の許容範囲であるΔtが20℃以下を満足しており、高温側で良好な均熱性が得られることがわかる。
【0077】
図9は、本発明のSiCヒータを備えたマイクロ波プラズマ処理装置1を用いて、大きさ300mmの半導体ウエハに、400℃、600℃、700℃、800℃と処理温度を変えて酸化処理してSiO2 膜を形成した場合の処理時間とSiO2 の膜厚との関係を示したグラフである。縦軸は膜厚(nm)、横軸は処理時間(sec)である。
処理条件は、Arガス流量:2000mL/min(sccm)、O2 ガス流量:10mL/min(sccm)、マイクロ波パワーPu:2000W、チャンバ内圧力(真空度)66.5Pa(500mT)、ベースウエハ:DHF−Lastである。
【0078】
図9より、温度が高くなるに従って、成膜速度が高くなっているのがわかる。特に700℃以上で処理した場合は、成膜速度が急激に増加し、良好な結果が得られることがわかる。具体的には、400℃でのレートに対して1.6倍以上、600℃でのレートに対して1.35倍以上の成膜速度が得られる。
【0079】
図10は、図9の処理と同様に、400℃、600℃、700℃、800℃と処理温度を変えてSiO2 膜を形成した場合の処理時間とSiO2 膜の半導体ウエハの面内の膜厚均一性との関係を示したグラフである。縦軸は面内の膜厚均一性であり、面内の膜厚均一性は、ウエハ面内の膜厚の(最大値−最小値)/平均値(σ/Ave)で示し、単位は%である。横軸は処理時間(sec)である。
【0080】
図10より、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1を用いた場合、面内の膜厚均一性は2%以内であり、高温処理であっても良好であることがわかる。これにより、本発明のヒータ構造が優れていることが確認された。
【0081】
図11は、図9の処理と同様に、700℃、800℃と処理温度を変えてSiO膜を形成した場合の処理時間とSiO膜の半導体ウエハの面内の膜厚均一性との関係を示したグラフである。縦軸は面内の膜厚均一性であり、面内の膜厚均一性は、ウエハ面内の膜厚の(最大値−最小値)/平均値(σ/Ave)で示し、単位は%である。図9より処理時間を短くして膜厚を測定した。
【0082】
図11より、処理時間が60sec以内である場合、面内の膜厚均一性は、700℃及び800℃ともに、1.5%以内であり、本発明の構造を有する加熱機構により、高温処理を良好に行うことができることがわかる。
【0083】
図12は、プラズマ処理室内の半導体ウエハの表面におけるパーティクルの有無の経時変化を調べた結果を示したグラフである。縦軸はパーティクルの個数、横軸は経時変化であり、下記のパーティクルの測定回数を示す。パーティクルの個数の測定は、チャンバ2内の基板載置台7上にダミーウエハを載置し、プラズマ処理と排気とを交互に繰り返す操作を10回行った後に、新しい半導体ウエハを基板載置台上に載置し、該半導体ウエハの表面上のパーティクルの個数を計測することにより行った。
処理条件は、Arガス流量:2000mL/min(sccm)、O2 ガス流量:10mL/min(sccm)、マイクロ波パワーPu:2000W、チャンバ内圧力(真空度)66.5Pa(500mT)、処理時間:60sec、処理温度:800℃である。
図12より、経時的にパーティクルの発生が減じ、本発明の構造を有する加熱機構による高温処理により、良好な結果が得られていることがわかる。
【0084】
図13は、半導体ウエハの裏面におけるパーティクルの有無の経時変化を調べた結果を示したグラフである。縦軸はパーティクルの個数、横軸は経時変化であり、下記のパーティクルの測定回数を示す。パーティクルの個数の測定は図12の場合と同様にして行った。
図13より、経時的にパーティクルの発生が減じ、本発明の構造を有する加熱機構による高温処理により、良好な結果が得られていることがわかる。
【0085】
図14は、半導体ウエハの金属のコンタミネーションの発生の経時変化を示したグラフである。縦軸は、Al、Cu及びNaの原子の数(1010×atoms/cm2 )、横軸は経時変化(測定回数)である。Al、Cu及びNaの原子の数の測定は、パーティクルの測定と同様に、チャンバ2内の基板載置台7上にダミーウエハを載置し、プラズマ処理と排気とを交互に繰り返す操作を10回行った後に、新しい半導体ウエハを基板載置台上に載置し、該半導体ウエハの表面上のAl、Cu及びNaの原子の数を計ることにより行った。
処理条件は、Arガス流量:2000mL/min(sccm)、O2 ガス流量:10mL/min(sccm)、マイクロ波パワーPu:2000W、チャンバ内圧力(真空度)66.5Pa(500mT)、処理時間:60sec、処理温度:800℃である。
図14中、最初の2回はリファレンスであり、処理前のチャンバ2内に半導体ウエハを基板載置台7上に載置し、Al、Cu及びNaの原子の数を測定した。
図14より、測定2回目で、Al、Cu及びNaの各コンタミネーションが目標値の1×1010程度であることが分かる。Na等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属は熱拡散によりコンタミネーションを生じやすい原子であるが、本発明のプラズマ処理装置では、このように高温に加熱しても、チャンバ内がクリーンな状態を良好に維持されていることが分かる。
【0086】
以上のように、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1は、発熱体74がSiCを含む材料からなるので、被処理基板の処理温度を800℃以上にすることができ、被処理基板を良好に処理することができる。したがって、良好な特性を有する半導体装置等が得られる。そして、マイクロ波に曝されても発熱体74が異常放電して損傷することがなく、発熱体74の不純物がチャンバ内に拡散してコンタミネーションが発生することもない。
【0087】
また、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1は、マイクロ波に曝される部分が、高純度の石英、SiもしくはSiCからなるか、または石英製のライナで覆われているので、コンタミネーションの発生が抑制される。
【0088】
マイクロ波に曝される部分がAl部材を使わざるを得ない場合、石英製のライナまたはコーティングで覆い、基板載置台7から極力離隔させるのが好ましい。Alでは強度が足りないボルト、ネジ等は、耐熱性が高く、純度が高いTi材を用いてもよい。
【0089】
また、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1は、チャンバ2、支持部固定部24、透過板支持部13及び蓋部18が水冷されるように構成されているので、チャンバ2等の温度上昇が抑制されるので、各部材間、部材の膨張によるこすれ(パーティクル)を抑制することができ、コンタミネーションの発生等が防止される。
【0090】
そして、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1は、チャンバ2と排気管3との間に、基板載置台7の外周側に配される石英製のバッフル板40を備えているので、マイクロ波が排気管3に漏れるのが防止され、バッフル板40に起因してコンタミネーションが生じることもない。
【0091】
さらに、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1は、リフタアームが2分割されているので、基板載置台7、支持部8及び支持部固定部24を取り付ける時に、リフタアーム91及びリフタアーム92を左右に開いて、取り付けることができる。また、ピン支持部102が貫通孔91aに遊嵌されているので、ピン93等が左右方向に動くことができ、位置合わせ等のメンテナンスが容易である。
【0092】
なお、前記実施形態においては、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置1を用いて、半導体ウエハWを処理する場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、プラズマ源として、容量結合型プラズマ源、ICP型プラズマ源、表面反射型プラズマ源、マグネトロン型プラズマ源を用いるプラズマ処理装置に適用可能であり、さらに、熱処理による装置RTP(Rapid Thermal Process)、CVD(Chemical Vapor Deposition)、PF−CVD等にも適用可能であり、液晶表示装置の製造にも適用可能である。
また、発熱体74はSiCからなるものに限定されず、SiCを主成分とすればよい。ただし、SiCの焼結体が好ましい。また、高純度のSiCが好ましく、SiC100%のものが、コンタミネーション抑制等の点から特に好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施の形態に係るマイクロ波プラズマ処理装置を示す模式的断面図である。
【図2】基板載置台、支持部及び支持部固定部を示す断面図である。
【図3】基板載置台及び支持部を示す分解斜視図である。
【図4】発熱体を示す平面図である。
【図5】リフタ駆動機構を示す斜視図である。
【図6】リフタ駆動機構を示す背面図である。
【図7】リフタ駆動機構を示す側面図である。
【図8】本発明のSiCヒータを備えたマイクロ波プラズマ処理装置を用いて、半導体ウエハに、処理温度を変えた場合の温度と半導体ウエハWの面内の均熱性との関係を示したグラフである。
【図9】本発明のSiCヒータを備えたマイクロ波プラズマ処理装置を用いて、半導体ウエハに、処理温度を変えて酸化処理してSiO2 膜を形成した場合の処理時間とSiO2 の膜厚との関係を示したグラフである。
【図10】図9の処理と同様に、処理温度を変えてSiO2 膜を形成した場合の処理時間とSiO2 膜の半導体ウエハの面内の均一性との関係を示したグラフである。
【図11】図9の処理と同様に、処理温度を変えてSiO2 膜を形成した場合の処理時間とSiO2 膜の半導体ウエハの面内の均一性との関係を示したグラフである。
【図12】半導体ウエハの表面におけるパーティクルの有無の経時変化を調べた結果を示したグラフである。
【図13】半導体ウエハの裏面におけるパーティクルの有無の経時変化を調べた結果を示したグラフである。
【図14】半導体ウエハのコンタミネーションの発生の経時変化を示したグラフである。
【図15】特許文献1のマイクロ波プラズマ処理装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0094】
1 マイクロ波プラズマ処理装置
2 チャンバ
2b,2c 冷却水流路
3 排気管
4 流路調整弁
5 真空ポンプ
7 基板載置台
71 基盤部
72 第1リフレクタ
73 絶縁板
74 発熱体
75 カバー
76 第2リフレクタ
8 支持部
9 リフタ駆動機構
91、92 リフタアーム
93、94、95 ピン
96 昇降軸
10 ライナ
13 透過板支持部
14 マイクロ波透過板
16 平面アンテナ
18 シールド部材
24 支持部固定部
27 固定部取付部
30 制御部
31 熱電対
32 電極
40 バッフル板
41 熱電対被覆管
43 電極収納管
51 インタフェース
60 蓋体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板を収容するチャンバと、
前記チャンバ内にプラズマを生成するプラズマ生成機構と、
前記チャンバ内に処理ガスを供給する処理ガス供給機構と、
前記チャンバに連設され、前記チャンバを排気する排気機構と、
前記チャンバ内で被処理基板が載置され、載置台本体と前記本体の内部に設けられた基板を加熱する発熱体とを有する基板載置台と、
前記基板載置台を支持する支持部と、
前記支持部を前記チャンバに固定する固定部と、
前記発熱体に電力を供給する電極と
を備え、
前記発熱体及び前記電極は、SiCを含む材料からなり、
前記電極は、前記固定部に固定されるとともに、前記支持部を貫通し、かつ先端部が前記発熱体に接続されており、
前記電極の前記先端部以外の部分を被覆し、前記基板載置台の前記発熱体の下方部分、前記支持部、及び前記固定部を貫通するように設けられた、石英を含む絶縁材料からなる電極被覆管をさらに備える、プラズマ処理装置。
【請求項2】
前記プラズマ生成機構は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生機構と、前記マイクロ波発生機構により発生したマイクロ波を前記チャンバに向けて導く導波機構と、前記導波機構により導かれたマイクロ波を前記チャンバ内に放射する、複数のスロットを有するアンテナとを有し、前記チャンバ内にマイクロ波プラズマを形成する、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記載置台本体は、発熱体を支持する基盤部と、前記発熱体を覆い、前記被処理基板が載置されるカバーとを有する、請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記固定部の下面には絶縁板及び導電板が設けられ、前記電極の下端部は前記固定部の底面から突出し、該下端部は、前記絶縁板及び前記導電板を貫通して、該絶縁板及び導電板により前記固定部に固定され、前記導電板の上部との間にシール部材が介在され、前記導電板には前記電極に給電するための電力供給配線に接続されている、請求項1乃至3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記導電板は、前記絶縁板の直下に設けられた第1導電板と、その下に設けられた第2導電板とを有し、前記電力供給配線は前記第2導電板に接続されている、請求項4に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記電極被覆管は、前記固定部を貫通する部分の中途部から底部まで、他の部分より大径である大径部を有し、
前記固定部は、前記電極被覆管の形状に一致して該電極被覆管を挿通させる小孔と大孔とを有し、前記大径部は、該大孔の上部及び下部にてシール部材でシールされている、請求項1乃至5のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
SiCを含む材料からなる熱電対と、石英を含む材料からなり、前記熱電対を被覆する熱電対被覆管とをさらに備え、
前記固定部の下端には下方に突出する突出部が設けられており、
前記熱電対被覆管は、前記熱電対を被覆した状態で、前記基板載置台の前記発熱体よりも下方部分、前記支持部、前記固定部を貫通し、その下端部が前記突出部から突出した状態で、該突出部の下端部に、セラミックス材料からなるカバー部が嵌合されている、請求項1乃至6のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
前記基板載置台は、Siを含む材料、またはSiCを含む材料からなり、前記発熱体から生じる熱を反射させるリフレクタを有する、請求項1乃至7のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
【請求項9】
少なくともプラズマに曝される部分が、石英を含む材料、Siを含む材料、もしくはSiCを含む材料からなるか、または石英を含むライナで覆われている、請求項1乃至8のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
【請求項10】
前記発熱体からの輻射熱を受ける部分が水冷されるように構成されている、請求項1乃至9のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
【請求項11】
前記チャンバと排気管との間に、石英製のバッフル板が配設されている、請求項1乃至10のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
【請求項12】
前記アンテナは銅製の本体の上に、金メッキまたは銀メッキが施されている、請求項2乃至11のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
【請求項13】
チャンバ内で被処理基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において、チャンバ内で被処理基板を加熱する基板加熱機構であって、
載置台本体と前記本体の内部に設けられた基板を加熱する発熱体とを有する基板載置台と、
前記基板載置台を支持する支持部と、
前記支持部を前記チャンバに固定する固定部と、
前記発熱体に電力を供給する電極と
を備え、
前記発熱体及び前記電極は、SiCを含む材料からなり、
前記電極は、前記固定部に固定されるとともに、前記支持部を貫通し、かつ先端部が前記発熱体に接続されており、
前記電極の前記先端部以外の部分を被覆し、前記基板載置台の前記発熱体の下方部分、前記支持部、及び前記固定部を貫通するように設けられた、石英を含む絶縁材料からなる電極被覆管をさらに備える、基板加熱機構。
【請求項14】
前記載置台本体は、発熱体を支持する基盤部と、前記発熱体を覆い、前記被処理基盤が載置されるカバーとを有する、請求項13に記載の基板加熱機構。
【請求項15】
前記固定部の下面には絶縁板及び導電板が設けられ、前記電極の下端部は前記固定部の底面から突出し、該下端部は、前記絶縁板及び前記導電板を貫通して、該絶縁板及び導電板により前記固定部に固定され、前記導電板の上部との間にシール部材が介在され、前記導電板には前記電極に給電するための電力供給配線に接続されている、請求項13又は14に記載の基板加熱機構。
【請求項16】
前記導電板は、前記絶縁板の直下に設けられた第1導電板と、その下に設けられた第2導電板とを有し、前記電力供給配線は前記第2導電板に接続されている、請求項15に記載の基板加熱機構。
【請求項17】
前記電極被覆管は、前記固定部を貫通する部分の中途部から底部まで、他の部分より大径である大径部を有し、
前記固定部は、前記電極被覆管の形状に一致して該電極被覆管を挿通させる小孔と大孔とを有し、前記大径部は、該大孔の上部及び下部にてシール部材でシールされている、請求項13乃至16のいずれかに記載の基板加熱機構。
【請求項18】
SiCを含む材料からなる熱電対と、石英を含む材料からなり、前記熱電対を被覆する熱電対被覆管とをさらに備え、
前記固定部の下端には下方に突出する突出部が設けられており、
前記熱電対被覆管は、前記熱電対を被覆した状態で、前記基板載置台の前記発熱体よりも下方部分、前記支持部、前記固定部を貫通し、その下端部が前記突出部から突出した状態で、該突出部の下端部に、セラミックス材料からなるカバー部が嵌合されている、請求項13乃至17のいずれかに記載の基板加熱機構。
【請求項19】
前記基板載置台は、Siを含む材料、またはSiCを含む材料からなり、前記発熱体から生じる熱を反射させるリフレクタを有する、請求項13乃至18のいずれかに記載の基板加熱機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−266595(P2007−266595A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49909(P2007−49909)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】