説明

プログラマブル論理回路、半導体集積回路装置、情報処理システムおよび制御プログラム

【課題】効率的に消費電力を低減して省エネルギー性を向上させることのできるプログラマブル論理回路を提供する。
【解決手段】外部からのアクセスによりその論理演算処理が変更可能な複数の論理ブロック(1a〜1i)と、該論理ブロックの間の接続を外部からのアクセスにより変更可能な配線領域2と、各論理ブロック毎に電源をオン・オフ可能なオン・オフ手段(電源オン・オフ部3)と、システムの動作モードに対応させた動作データを導入する導入手段(動作データ導入部5)と、導入された動作データに基づいて指定された論理ブロックの電源をオン・オフさせる制御手段(オン・オフ制御部4)と、電源がオンされた論理ブロックについて、配線領域における各論理ブロック間の配線状態を動作データに含まれる回路データに基づいて変更する配線変更手段(配線変更部6)とを少なくとも備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラマブル論理回路、半導体集積回路装置、情報処理システムおよび制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、デジタル回路装置の分野において、プログラムにより論理回路を変更することが可能なデバイスとして、FPGA(Field Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device)などのプログラマブル論理回路がASIC(Application Specific Integrated Circuit)の代替デバイスとして広く用いられている。
【0003】
そして、最近では、回路構成を変更できるというプログラマブル論理回路の特徴を生かして、回路装置作成後であっても、仕様変更や、回路欠陥の修正等を可能とするためにプログラマブル論理回路が利用されている。
【0004】
ここで、FPGAは、所望のプログラミングによりデバイス内部の回路情報を電気的に書き込み、デジタル回路の動作を決定、変更できる回路である。
【0005】
また、昨今の省エネルギー化の要請の流れを受けて、FPGA等のプログラマブル論理回路についても消費電力を低減させる技術が種々提案されている。
【0006】
例えば、特開2003−174358号公報には、所望の回路へのクロック動作の停止によって消費電力を図る技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−174358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、効率的に消費電力を低減して省エネルギー性を向上させることのできるプログラマブル論理回路、半導体集積回路装置、情報処理システムおよび制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、請求項1の発明に係るプログラマブル論理回路は、外部からのアクセスによりその論理演算処理が変更可能な複数の論理ブロックと、該論理ブロックの間の接続を外部からのアクセスにより変更可能な配線領域と、前記各論理ブロック毎に電源をオン・オフ可能なオン・オフ手段と、論理回路自身を組み込んだシステムの動作モードに対応させた動作データを導入する導入手段と、該導入手段で導入された前記動作データに基づいて指定された前記論理ブロックの電源を前記オン・オフ手段によってオン・オフさせる制御手段と、該制御手段で電源がオンされた前記論理ブロックについて、前記配線領域における各論理ブロック間の配線状態を前記動作データに含まれる回路データに基づいて変更する配線変更手段とを少なくとも備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明に係るプログラマブル論理回路は、請求項1に記載の発明について、 前記論理ブロックは、構成要素としてRAM(Random Access Memory)、ロジックアレイを含むことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明に係るプログラマブル論理回路は、請求項1または請求項2の何れかに記載の発明について、前記システムの動作モードは、消費電力を低減させた少なくとも一つの省電力モードに対応されることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明に係るプログラマブル論理回路は、請求項1から請求項3の何れかに記載の発明について、前記動作データは、消費電力プロファイルに関する情報、省電力状態から通常動作状態への遷移時間および遷移要因の解析結果の少なくとも一つに基づいて生成されることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明に係る半導体集積回路装置は、請求項1から請求項4の何れかに記載のプログラマブル論理回路は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、PLD(Programmable Logic Device)またはリコンフィグRAMプロセッサの何れかとして構成されることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明に係る情報処理システムは、請求項1から請求項4の何れかに記載のプログラマブル論理回路または請求項5に記載の半導体集積回路装置と、前記プログラマブル論理回路または前記半導体集積回路装置と接続され、前記プログラマブル論理回路または前記半導体集積回路装置と協働して少なくとも一つの情報処理に関する機能を実現する主動作部とを少なくとも備えることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明に係る情報処理システムは、請求項6に記載の発明について、前記主動作部は、前記主動作部の動作に要する消費電力と、前記プログラマブル論理回路または前記半導体集積回路装置で提供される機能の実現に要する消費電力との総和に関するテーブルを格納するテーブル格納手段をさらに備え、前記プログラマブル論理回路または前記半導体集積回路装置の制御手段および配線変更手段は、前記テーブル格納手段に格納されているテーブルに基づいて、前記論理ブロックの電源のオン・オフおよび各論理ブロック間の配線状態の変更を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明に係る情報処理システムは、請求項6に記載の発明について、前記主動作部は、消費電力を低減させた少なくとも一つの省電力モードに遷移可能に構成され、前記主動作部は、前記各省電力モードに対応させて前記プログラマブル論理回路または前記半導体集積回路装置で提供される機能の実現に要する消費電力に関する消費電力プロファイルの情報を格納するプロファイル情報格納手段をさらに備え、前記プログラマブル論理回路または前記半導体集積回路装置の制御手段および配線変更手段は、前記プロファイル情報格納手段に格納されている消費電力プロファイルの情報に基づいて、前記論理ブロックの電源のオン・オフおよび各論理ブロック間の配線状態の変更を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明に係る制御プログラムは、各論理ブロック毎に電源をオン・オフ可能なオン・オフ処理過程と、プログラマブル論理回路を組み込んだシステムの動作モードに対応させた動作データを導入する導入処理過程と、導入された前記動作データに基づいて指定された前記論理ブロックの電源のオン・オフを制御する制御処理過程と、該制御処理過程で電源がオンされた前記論理ブロックについて、各論理ブロック間の配線状態を前記動作データに含まれる回路データに基づいて変更する配線変更処理過程とを演算手段に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0018】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、導入された動作データに基づいて指定された論理ブロックの電源をオン・オフさせ、電源がオンされた論理ブロックについて、配線領域における各論理ブロック間の配線状態を回路データに基づいて変更するので、活性化させる論理ブロックを限定することができ、効率的に消費電力を低減して省エネルギー性を向上させることができるという効果がある。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、RAM(Random Access Memory)、ロジックアレイを含む構成において、効率的に消費電力を低減して省エネルギー性を向上させることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、システムの動作モードは、消費電力を低減させた少なくとも一つの省電力モードに対応されるので、より効率的に消費電力を低減して省エネルギー性を向上させることができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、動作データは、消費電力プロファイルに関する情報、省電力状態から通常動作状態への遷移時間および遷移要因の解析結果の少なくとも一つに基づいて生成されるので、より効率的に消費電力を低減して省エネルギー性を向上させることができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、FPGA(Field Programmable Gate Array) 、PLD(Programmable Logic Device)またはリコンフィグRAMプロセッサについて、効率的に消費電力を低減して省エネルギー性を向上させることができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、情報処理システムについて、効率的に消費電力を低減して省エネルギー性を向上させることができる。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、テーブル格納手段に格納されているテーブルに基づいて、論理ブロックの電源のオン・オフおよび各論理ブロック間の配線状態の変更を行うので、より効率的に消費電力を低減して省エネルギー性を向上させることができる。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、プロファイル情報格納手段に格納されている消費電力プロファイルの情報に基づいて、論理ブロックの電源のオン・オフおよび各論理ブロック間の配線状態の変更を行うので、より効率的に消費電力を低減して省エネルギー性を向上させることができる。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、導入された動作データに基づいて指定された論理ブロックの電源をオン・オフさせ、電源がオンされた論理ブロックについて、配線領域における各論理ブロック間の配線状態を回路データに基づいて変更するので、活性化させる論理ブロックを限定することができ、効率的に消費電力を低減して省エネルギー性を向上させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0028】
(第1の実施の形態)
【0029】
図1を参照して、本発明についての第1の実施の形態に係るプログラマブル論理回路105について説明する。
【0030】
なお、プログラマブル論理回路105は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、PLD(Programmable Logic Device)またはリコンフィグRAMプロセッサの何れかとして構成される
【0031】
ここで、FPGAとは、ハードウェアでありながらソフトウェアのように書き換え修正ができる再構成可能な論理デバイスである。
【0032】
専用ハードウェア(ASIC:Application Specific IC)より動作は遅いが、プロセッサやDSPで動作するソフトウェアより高速に動作するという特徴がある。また、FPGA上にあるメモリを書き換えることで動作内容を変更することができる。
【0033】
また、PLDとは、LSI(大規模集積回路)のうち、完成した製品の論理構造を定義することのできるLSIの総称である。
【0034】
PLDは、完成された基板の論理的な回路構造をプログミングによって変更することができる特徴を持っている。PLDは一種のセミカスタムLSIであり、開発・製造期間の短縮や、コストを抑えて個別用途に特化させることなどが可能になる。
【0035】
本実施の形態においては、プログラマブル論理回路105は、FPGA(半導体集積回路装置の一例)で構成されるものとする。
【0036】
図1に示すように、プログラマブル論理回路105は、ネットワークNやケーブル等を介して外部のパーソナルコンピュータ(図示せず)等からのアクセスによりその論理演算処理が変更可能な複数(なお、論理ブロックの配設数は特には限定されない)の論理ブロック1a〜1iと、これらの論理ブロック1a〜1iの間の接続をパーソナルコンピュータ(図示せず)等からのアクセスにより変更可能な配線領域2と、各論理ブロック1a〜1i毎に電源をオン・オフ可能な電源オン・オフ部3(オン・オフ手段の一例)と、論理回路自身を組み込んだシステム(後述の第2の実施の形態に係る情報処理システムS1等)の動作モードに対応させた動作データを導入する動作データ導入部5(導入手段の一例)と、この導入部5で導入された動作データに基づいて指定された論理ブロック(1a〜1iから指定される)の電源を電源オン・オフ部3によってオン・オフさせるオン・オフ制御部4(制御手段の一例)と、オン・オフ制御部4で電源がオンされた論理ブロックについて、配線領域2における各論理ブロック間の配線状態を動作データに含まれる回路データに基づいて変更する配線変更部6(配線変更手段の一例)とを備える。
【0037】
なお、システムの動作モードは、消費電力を低減させた少なくとも一つの省電力モードに対応されるようにできる。
【0038】
また、動作データは、消費電力プロファイルに関する情報、省電力状態から通常動作状態への遷移時間および遷移要因の解析結果の少なくとも一つに基づいて生成されるようにしてもよい。
【0039】
このような構成により、本実施の形態に係るプログラマブル論理回路105は、例えばネットワークの負荷状態によって、最適となるネットワーク代理応答機能を有する複数の動作モードを、消費電力プロファイル、省電力、通常動作への遷移時間、遷移要因のトレース結果から、そのネットワーク使用環境に最適な省電力動作時の動作モードを決定する。
【0040】
これにより、動作状態によってFPGA105の消費電力が最適となる。
【0041】
また、動作状況に応じて活性化させる論理ブロック1a〜1iを限定することができ、効率的に消費電力を低減して省エネルギー性が向上される。
【0042】
なお、ユーザの使用状態によってシステム全体のトータルの消費電力が最適となるようにFPGA105のロジックデータを切り替えて使用してもよい。
【0043】
(第2の実施の形態)
【0044】
図2から図9を参照して、本発明についての第2の実施の形態に係る情報処理システムS1について説明する。
【0045】
図2等に示すように、本実施の形態に係る情報処理システムS1は、第1の実施の形態に示すような構成を備えるプログラマブル論理回路あるいは半導体集積回路装置としてのFPGA105と、当該FPGA105とバス等を介して接続され、FPGA105と協働して少なくとも一つの情報処理に関する機能を実現する画像処理装置等で構成されるメイン動作部M(主動作部の一例)と、論理信号を実際の電気的な信号に変換するネットワークプロトコル(通信規約)の格納部106とから構成されている。
【0046】
なお、ネットワークプロトコルの格納部106は、FPGA105内に設けることも考えられる。
【0047】
メイン動作部は、演算処理を実行するCPU100と、作業領域等として用いられるDRAM101と、FPGAデータ(動作データ)およびプログラムデータ等を格納するROM102(テーブル格納手段、プロファイル情報格納手段の一例)、システム全体を制御するコントロール部103と、印字処理を行う印字部104と、時間計時機能を持ち常時通電されている不揮発性RTC108と、不揮発性RTC108の計時情報をもとに省電力モード遷移時間、通常モード時間さらにメイン動作部のCPU100によって判定可能な省電力モードから通常モードに遷移した要因情報が格納される不揮発性メモリ107とを有する。
【0048】
FPGA105の動作ロジック情報(動作データ)は、メイン動作部MのROM102にあり、メイン動作部Mのコントロール部103が有するダウンロード機能およびFPGA105が固有に有するダウンロード機能によってメイン動作部MからFPGA105にダウンロードされるようになっている。
【0049】
ここで、図2を参照して、システム全体の消費電力が比較的大きい通常動作状態の構成について説明する。
【0050】
通常動作モードにおいては、ネットワークの応答機能は全てメイン動作部Mが行い、FPGA105は通常動作としてメイン動作部Mの通常動作モードで使用する画像処理機能を提供する。
【0051】
即ち、動作データに基づいて、FPGA105は、オン・オフ制御部4の制御により指定された論理ブロック1a〜1iを電源オン・オフ部3でオン状態とし、オン状態にある論理ブロック間の配線領域2の配線変更部6による配線変更により画像処理を行う画像処理部105aが構成されている。
【0052】
ここで、図3のフローチャートを参照して、通常動作モードからの省電力モードへの移行処理の処理手順について説明する。
【0053】
まず、ステップS101でネットワークを介して省電力モードでの動作指示を受けると、ステップS102に移行する。
【0054】
ステップS102では、メイン動作部Mは、FPGA105に省電力モードで電源OFFされるメイン動作部Mの代理応答を行う機能を動作データ導入部5によりFPGA105にロードしてステップS103に移行する。
【0055】
ステップS103では、代理応答に必要なメイン動作部Mの構成情報、ステータス情報を図4に示すFPGA105のワークROM205fに格納してからステップS104に移行する。
【0056】
ステップS104では、不揮発性RTC108を除くメイン動作部Mの電源をOFFにして処理を終了する。
【0057】
これにより、情報処理システムS1の消費電力を低減して省エネルギー性が向上される。
【0058】
ここで、省電力モード動作でネットワーク負荷が低い状態におけるFPGA105の構成について簡単に説明する。
【0059】
動作データに基づいて、FPGA105は、オン・オフ制御部4の制御により指定された論理ブロック1a〜1iを電源オン・オフ部3でオン状態とし、オン状態にある論理ブロック間の配線領域2の配線変更部6による配線変更により、MAC(Media Access Control address)部205a、205bと、DMA(Direct Memory Access )205c、205dと、I0205gと、ローカルCPU205eと、ワークRAM205fとから構成された情報処理部205を形成している。
【0060】
次に、図5のフローチャートを参照して、FPGA105で実行される省電力モードから通常動作モードへの移行処理の処理手順について説明する。
【0061】
省電力モードで動作する図4のFPGA105は、FPGA105では代理処理できないパケットを受信した場合(ステップS201)は、ステップS202に移行して、メイン動作部Mの電源をONにして処理を終了する。
【0062】
次に、図6のフローチャートを参照して、メイン動作部Mで実行される省電力モードから通常動作モードへの移行処理の処理手順について説明する。
【0063】
ステップS301で、省電力モードから起動されたメイン動作部Mは、ステップS302でFPGA105内のワークRAM205fの構成情報、ステータス情報をDRAM101に格納し、ステップS303で通常動作モードの動作データを動作データ導入部5を介してロードして切り替えてから処理を終了する。
【0064】
これにより、メイン動作部Mの動作状態に応じて、FPGA105の構成を変更し、情報処理システムS1全体の消費電力を低減して省エネルギー性が向上される。
【0065】
ここで、図7を参照して、省電力モード動作でネットワーク負荷が高い状態におけるFPGA105の構成について簡単に説明する。
【0066】
新たにロードされた動作データに基づいて、FPGA105は、オン・オフ制御部4の制御により指定された論理ブロック1a〜1iを電源オン・オフ部3でオン状態とし、オン状態にある論理ブロック間の配線領域2の配線変更部6による配線変更により、MAC(Media Access Control address)部305a、305bと、DMA(Direct Memory Access )305c、305dと、I0305gと、ローカルCPU305e0、305e1と、ワークRAM305f0、305f1とから構成された情報処理部305を形成している。
【0067】
図8における情報処理部305は、ネットワーク負荷の増大に対応させて、図4における情報処理部205に比して処理能力が高められた構成となっている。
【0068】
FPGA105の消費電力は、通常動作モード(図2)>省電力モード動作でネットワーク負荷が高い状態(図7)>省電力モード動作でネットワーク負荷が低い状態(図4)の関係となる。
【0069】
これに伴って、情報処理システムS1全体の消費電力も効率的に低減される。
【0070】
ここで、FPGA105の動作データ(ロッジックデータ)について述べる。
【0071】
省電力モードのFPGAの動作データは使用するネットワークの負荷によって、予め複数の動作モードが用意される。
【0072】
図8に、メイン動作部MのROM102内のFPGA105の動作モードごとのロッジックデータの格納例を示す。
【0073】
図8の例では、D1として「省電力モード動作で、ネットワーク処理負荷の大きいときに使用するFPGAロッジックデータ」(図7の状態に相当)、D2として「省電力モード動作で、ネットワーク処理負荷の小さきときに使用するFPGAロッジックデータ」(図4の状態に相当)、D3として「通常動作モードのFPGAロッジックデータ」(図2の状態に相当)が格納されている。
【0074】
なお、使用するネットワークでの省電力モードから通常動作への遷移した時間、遷移要因および、予め測定している各動作モードの消費電力プロファイルに基づいて、図9に示すような算定式よって、高ネットワーク負荷時には前出の図7に示すような省電力モード動作時においてネットワーク代理応答機能の高いFPGA105の構成で動作させることも可能である。
【0075】
このように、使用する省電力モードにおけるメイン動作部MとFPGA105で提供される機能での総和での消費電力のプロファイルテーブル、各省電力モードのFPGA動作ごとの消費電力プロファイルを備え、使用している環境での省電力モードの動作時間と、FPGA105がより処理能力があれば、省電力モードを続けられたであろう時間をトレースして、より処理能力が高いFPGA105の動作モードの方がトータルの消費電力が低い動作環境にある場合は、省電力モードでのFPGA105の動作モードをより処理性能の高い構成に切り替えて使用される。
【0076】
これにより、より効率的に消費電力を低減して省エネルギー性が向上される。
【0077】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0078】
例えば、上記実施の形態においては、FPGA105の動作データは、主動作部MのROM102からロードする場合について述べたが、これに限定されず、FPGA105内に各動作モードに対応させた動作データを格納するようにしてもよい。
【0079】
また、プログラムを用いる場合には、ネットワークを介して提供し、或いはCD−ROM等の記録媒体に格納して提供することが可能である。
【0080】
即ち、画像処理プログラムを含む所定のプログラムを記録媒体としてのハードディスク等の記憶装置に記録する場合に限らず、当該所定のプログラムを次のようにして提供することも可能である。
【0081】
例えば、所定のプログラムをROMに格納しておき、CPUが、この所定のプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしてもよい。
【0082】
また、上記所定のプログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにしてもよい。
【0083】
さらには、画像処理装置等を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータと接続するようにし、サーバ装置あるいはホストコンピュータから上記所定のプログラムをダウンロードした後、この所定のプログラムを実行するようにしてもよい。この場合、この所定のプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明によるプログラマブル論理回路、半導体集積回路装置、情報処理システムおよび制御プログラムは、複写装置、レーザプリンタ、フルカラープリンタ、複合機、ファクシミリ装置等の電子機器および情報処理システム、画像処理システム等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】第1の実施の形態に係るプログラマブル論理回路105の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】第2の実施の形態に係る情報処理システムS1の構成例を示すブロック図である。
【図3】通常動作モードから省電力モードへの移行処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】第2の実施の形態に係る情報処理システムS1の構成例を示すブロック図である。
【図5】省電力モードから通常動作モードへの移行処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】省電力モードから通常動作モードへの移行処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態に係る情報処理システムS1の構成例を示すブロック図である。
【図8】メイン動作部MのROM102内のFPGA105の動作モードごとのロッジックデータの格納例を示す説明図である。
【図9】算定式の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0086】
105 プログラマブル論理回路
1a〜1i 論理ブロック
2 配線領域
3 電源オン・オフ部
4 オン・オフ制御部
5 動作データ導入部
6 配線変更部
N ネットワーク
S1 情報処理システム
M メイン動作部
103 コントロール部
104 印字部
105a 画像処理部
106 ネットワークプロトコルの格納部
107 不揮発性メモリ
108 不揮発性RTC
205 情報処理部
205a、205b MAC部
205c、205d DMA
205e ローカルCPU
205f ワークRAM
205g IO
305 情報処理部
305a、305b MAC部
305c、305d DMA
305e0、305e ローカルCPU
305f0、305f1 ワークRAM
305g IO

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からのアクセスによりその論理演算処理が変更可能な複数の論理ブロックと、
該論理ブロックの間の接続を外部からのアクセスにより変更可能な配線領域と、
前記各論理ブロック毎に電源をオン・オフ可能なオン・オフ手段と、
論理回路自身を組み込んだシステムの動作モードに対応させた動作データを導入する導入手段と、
該導入手段で導入された前記動作データに基づいて指定された前記論理ブロックの電源を前記オン・オフ手段によってオン・オフさせる制御手段と、
該制御手段で電源がオンされた前記論理ブロックについて、前記配線領域における各論理ブロック間の配線状態を前記動作データに含まれる回路データに基づいて変更する配線変更手段と、
を少なくとも備えることを特徴とするプログラマブル論理回路。
【請求項2】
前記論理ブロックは、構成要素としてRAM(Random Access Memory)、ロジックアレイを含むことを特徴とする請求項1に記載のプログラマブル論理回路。
【請求項3】
前記システムの動作モードは、消費電力を低減させた少なくとも一つの省電力モードに対応されることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載のプログラマブル論理回路。
【請求項4】
前記動作データは、消費電力プロファイルに関する情報、省電力状態から通常動作状態への遷移時間および遷移要因の解析結果の少なくとも一つに基づいて生成されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のプログラマブル論理回路。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れかに記載のプログラマブル論理回路は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、PLD(Programmable Logic Device)またはリコンフィグRAMプロセッサの何れかとして構成されることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項6】
請求項1から請求項4の何れかに記載のプログラマブル論理回路または請求項5に記載の半導体集積回路装置と、
前記プログラマブル論理回路または前記半導体集積回路装置と接続され、前記プログラマブル論理回路または前記半導体集積回路装置と協働して少なくとも一つの情報処理に関する機能を実現する主動作部と、
を少なくとも備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
前記主動作部は、
前記主動作部の動作に要する消費電力と、前記プログラマブル論理回路または前記半導体集積回路装置で提供される機能の実現に要する消費電力との総和に関するテーブルを格納するテーブル格納手段をさらに備え、
前記プログラマブル論理回路または前記半導体集積回路装置の制御手段および配線変更手段は、前記テーブル格納手段に格納されているテーブルに基づいて、前記論理ブロックの電源のオン・オフおよび各論理ブロック間の配線状態の変更を行うことを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記主動作部は、消費電力を低減させた少なくとも一つの省電力モードに遷移可能に構成され、
前記主動作部は、
前記各省電力モードに対応させて前記プログラマブル論理回路または前記半導体集積回路装置で提供される機能の実現に要する消費電力に関する消費電力プロファイルの情報を格納するプロファイル情報格納手段をさらに備え、
前記プログラマブル論理回路または前記半導体集積回路装置の制御手段および配線変更手段は、前記プロファイル情報格納手段に格納されている消費電力プロファイルの情報に基づいて、前記論理ブロックの電源のオン・オフおよび各論理ブロック間の配線状態の変更を行うことを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項9】
各論理ブロック毎に電源をオン・オフ可能なオン・オフ処理過程と、
プログラマブル論理回路を組み込んだシステムの動作モードに対応させた動作データを導入する導入処理過程と、
導入された前記動作データに基づいて指定された前記論理ブロックの電源のオン・オフを制御する制御処理過程と、
該制御処理過程で電源がオンされた前記論理ブロックについて、各論理ブロック間の配線状態を前記動作データに含まれる回路データに基づいて変更する配線変更処理過程と、
を演算手段に実行させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−226524(P2010−226524A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72835(P2009−72835)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】