説明

ボトル缶のねじ部検査装置

【課題】ボトル缶のねじ部を正確かつ短時間で検査する。
【解決手段】ライナー付キャップを被嵌するために開口端を外方へ向かってカールさせたカール部1とカール部1の下方でキャップをねじ嵌合するねじ部2とからなる口金部3を有するボトル缶4を缶軸Xまわりに回転させながら、口金部3の一部を含むように設定された撮像エリアを撮像して口金部3におけるねじ部2の形状を検査する装置であって、ボトル缶4を保持して缶軸まわりに回転させる回転手段21と、撮像エリア内のボトル缶4のねじ部2に半径方向外方かつ缶軸方向下方から斜め上向きに照明光Aを照射するねじ部照明手段22と、撮像エリアにおける照明光Aの反射光A´を含む検査画像を連続的に取得する撮像手段24と、反射光A´の撮像結果に基づきねじ部2のねじ始まり部を検出し、ねじ始まり部を含むねじ部2の検査を行うねじ部検査手段25とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトル缶のねじ部検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料等の内容物が充填される容器として、雄ねじを有する口金部にキャップが螺着されるアルミニウム合金製のボトル形状の缶が知られている。このボトル缶は、アルミニウム合金板を絞り加工およびしごき加工(DI成形)により底板と円筒状側面とが一体である有底円筒体に成形し、その内外面に塗装を施した後、開口部にいわゆるネックイン加工を施して肩部および口金部を形成し、この口金部にねじ成形加工やカール部形成加工等を施すことにより製造される。
【0003】
このようなボトル缶に取り付けられるキャップは、ボトル缶に取り付けられる前の状態では周壁がストレートの円筒状に形成されており、ボトル缶の口金部に被せられた後、その口金部に形成されているねじ部を倣うようにして成形されることにより、ねじ加工されながら密封される。したがって、ボトル缶のねじ部の形状は、その後に取り付けられるキャップのねじ部の形状をも規制することになる。
【0004】
このため、ボトル缶のねじ部は、ねじ始まり部の位置及びねじ終端部の位置が正確であること、ねじ部のリード角が一定であること、ねじ部に曲がり等の変形がなく直線性に優れること等が開栓性を安定させるために重要であるとともに、これらに異常があるボトル缶は、これを検査工程で検出して欠陥品として確実に排除することが求められる。
【0005】
このようなボトル缶のねじ部を検査する方法として、例えば特許文献1には、ボトル缶を背部からの照明により撮像してボトル缶の輪郭線を補捉し、その輪郭線に基づいてボトル缶の開口部天面を基準計測線として設定し、基準計測線を基準としてボトル缶の各部の寸法を測定する方法が記載されている。
また、特許文献2には、ボトル缶のねじ始まり部の位置を予め着色しておき、そのねじ始まり部を検出することでボトル缶の周方向位置を特定した後に、特許文献1記載のような測定装置によってボトル缶の輪郭画像により各部を測定することが記載されている。
特許文献3には、ボトル缶を回転させながら輪郭画像を撮像し、その回転に伴って変化するねじ山突端の移動に対して計測領域を追従させ、その回転毎に計測領域におけるねじ部のねじ山突端の座標位置をそれぞれ求める方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−254720号公報
【特許文献2】特開2003−262507号公報
【特許文献3】特開2003−262511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、いずれの特許文献記載の技術もボトル缶の輪郭画像(シルエット画像)に基づきねじ部の形状を特定しており、断面の情報を連続的に取得して検査することになるため、処理が複雑で時間がかかる。また、ねじの曲がり等の変形を検出することも難しい。特許文献2記載のようにねじ始まり部に着色しておくのでは、着色のための別工程が必要となって煩雑である。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ボトル缶のねじ部を正確かつ短時間で検査することができるボトル缶のねじ部検査装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のボトル缶のねじ部検査装置は、ライナー付キャップを被嵌するために開口端を外方へ向かってカールさせたカール部と該カール部の下方で前記キャップをねじ嵌合するねじ部とからなる口金部を有するボトル缶を缶軸まわりに回転させながら、前記口金部の一部を含むように設定された撮像エリアを撮像して前記口金部におけるねじ部の形状を検査する装置であって、前記ボトル缶を保持して缶軸まわりに回転させる回転手段と、前記撮像エリア内の前記ボトル缶のねじ部に半径方向外方かつ缶軸方向下方から斜め上向きに照明光を照射するねじ部照明手段と、前記撮像エリアにおける前記照明光の反射光を含む検査画像を連続的に取得する撮像手段と、前記反射光の撮像結果に基づき前記ねじ部のねじ始まり部を検出し、該ねじ始まり部を含む前記ねじ部の検査を行うねじ部検査手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
このねじ部検査装置において、ねじ部に対して斜め下方から照明光を照射することにより、その照明光は主としてねじ条の稜線から下方部分の傾斜面で反射される。ボトル缶のねじ部は上端のねじ始まり部から下端のねじ終端部に向けて加工されるため、ねじ条の稜線を境界とする両側の傾斜面は、稜線より上方部分の傾斜面よりも下方部分の傾斜面の方が缶軸方向に対して大きい角度に形成され、缶軸方向に沿う幅も小さい。したがって、この稜線の下方の傾斜面に対して照射された照明光の反射光により、その傾斜面が強調されて撮像され、その上側縁がねじ条の稜線として鮮明に捉えられる。そして、この上側縁の両端部の一方がねじ始まり部で、他方がねじ終端部である。したがって、ねじ始まり部の位置を正確に検出することができ、そのねじ始まり部を含むねじ部の検査を正確にかつ短時間で行うことができる。
【0011】
本発明のボトル缶のねじ部検査装置において、前記撮像エリア内の前記ボトル缶のカール部に缶軸方向上方から下向きに照明光を照射するカール部照明手段を有し、前記撮像手段は、前記撮像エリアにおける両照明手段からの二つの反射光を含む検査画像を取得するものであり、前記ねじ部検査手段は、前記カール部照明手段の照明光による反射光の撮像結果に基づき前記検査画像の基準位置を特定し、該基準位置に対して前記ねじ部照明手段の照明光による反射光の撮像結果に基づき前記ねじ部のねじ始まり部を検出する機能を有するとよい。
このねじ部検査装置においては、撮像手段は二つの照明手段に対する反射光の両方を撮像しており、その検査画像には、ねじ部照明手段によるねじ部と、カール部照明手段によるカール部の天面とが捉えられている。カール部の天面の位置は、ボトル缶の開口端の位置であってキャップのライナーが当接してシールされる面であり、缶軸方向に対して直角に形成され、ボトル缶を缶軸まわりに回転させても通常の場合は大きな変位はない部分である。したがって、このカール部の天面の位置を基準としてねじ始まり部を検出することにより、ねじ始まり部を正確に検出してねじ部の検査を行うことができる。
検査画像においてカール部からの反射光による天面の位置が大きく変動する場合は、カール部の天面に凹み等が生じているものと判断でき、これにより、カール部の欠陥の有無も検査することができる。
【0012】
カール部照明手段は、ねじ部照明手段と同時に口金部に照明光を照射してもよいし、次のように交互に明滅させながら照射するようにしてもよい。
すなわち、本発明のボトル缶のねじ部検査装置において、前記ねじ部照明手段と前記カール部照明手段とは照明光を交互に明滅させながら照射するものであり、前記ねじ部検査手段は、前記撮像手段で取得された前記反射光を含む検査画像を、前記照明光の明滅のタイミングに合わせて、前記カール部照明手段の照明光による反射光を含む検査画像と、前記ねじ部照明手段の照明光による反射光を含む検査画像とに分離する機能を有するものとしてもよい。
交互に明滅させて、それぞれの検査画像を分離することにより、二つの反射光の相互干渉が避けられるので、それぞれの反射光による撮像結果を各検査画像に鮮明に捉えることができ、検査精度をより向上させることができる。
【0013】
本発明のボトル缶のねじ部検査装置において、前記ねじ部照明手段は、缶軸方向に対して15°〜80°の傾斜角度で照明光を照射するとよい。
この傾斜角度で照射することにより、ボトル缶のねじ部からの反射光は、ねじ条の稜線から下方の傾斜面を最も強調させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のボトル缶のねじ部検査装置によれば、ねじ部の斜め下方から照射した照明光の反射光により、ねじ条の稜線の下方の傾斜面が強調されて撮像され、その上側縁がねじ条の稜線として鮮明に捉えられるので、ねじ始まり部の位置を正確にかつ瞬時に検出することができ、ねじ部を短時間で検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るボトル缶のねじ部検査装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1のY−Y線に沿う一部を省略した側面図である。
【図3】図1に示す検査装置において、ボトル缶の口金部と照明光との関係を示す一部を断面にした正面図である。
【図4】図1に示す検査装置において撮像された検査画像を示す図である。
【図5】本発明に係るボトル缶のねじ部検査装置の他の実施形態を示す一部を省略した正面図であり、(a)がねじ部照明手段からの照明光による反射光を撮像している状態、(b)がカール部照明手段からの照明光による反射光を撮像している状態を示す。
【図6】図5の実施形態により撮像された検査画像を示しており、(a)がねじ部照明手段からの照明光の反射光による画像、(b)がカール部照明手段からの照明光の反射光による画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るボトル缶のねじ部検査装置の実施形態について、図を参照して説明する。
一実施形態のねじ部検査装置(以下、「検査装置」)20は、図1〜図3に示すように、ライナー付キャップ(図示せず)を被嵌するために開口端を外方へ向かってカールさせたカール部1とカール部1の下方でキャップをねじ嵌合するねじ部2とからなる全体として円筒状の口金部3を有するボトル缶4に対して、カール部1及びねじ部2の一部を含むように設定された撮像エリアαを撮像してねじ部2の形状を検査する装置である。ねじ部2には、1本のねじ条5が例えば1.8巻〜2.2巻形成され、その上端部をねじ始まり部6、下端部をねじ終端部7とする。なお、ボトル缶4において口金部3は、カール部1、ねじ部2及びねじ部2の下方でキャップの下端を係止するための顎部8を含む部分を示す。また、そのねじ部2において、半径方向外方に向けて突出している条をねじ条5とする。
【0017】
ねじ部検査装置20は、真空吸引等によりボトル缶4を保持して缶軸Xまわりに回転させる回転手段21と、撮像エリアα内のボトル缶4のねじ部2をカバーするように照明光Aを照射するねじ部照明手段22と、撮像エリアα内のボトル缶4のカール部1をカバーするように照明光Bを照射するカール部照明手段23と、撮像エリアαにおける両照明手段22,23からの照明光A,Bによるそれぞれの反射光A´,B´を含む検査画像を連続的に取得する撮像手段24と、この撮像手段24によって得られた検査画像に基づきねじ部2のねじ始まり部6を検出し、このねじ始まり部6を基準としてねじ部2の形状を検査するねじ部検査手段25とを備える。
【0018】
この検査装置20においては、撮像エリアαは後述するようにカール部1の天面1aの最頂端からねじ部2及び顎部8の下端までの口金部3の全体をカバーする範囲に設定されており、ねじ部照明手段22は、ねじ部2において撮像エリアαをカバーする範囲に照明光Aを照射し、一方、カール部照明手段23は、カール部1の天面1aにおいて撮像エリアαをカバーする範囲に照明光Bを照射する(図2)。
【0019】
この場合、ねじ部照明手段22は、ねじ条5の稜線5aから下方に配置される傾斜面5bを照射するように、ねじ部2に対して半径方向外方かつ缶軸X方向下方に配置され、ねじ条5の稜線5aより下方の傾斜面5bを斜め下方から照射する。具体的には、ねじ部照明手段22から照射される照明光Aの光軸が缶軸Xに対して15°〜80°の傾斜角θとなるように配置される。
カール部照明手段23は、ボトル缶4のカール部1の缶軸X方向上方に配置され、カール部1の天面1aを缶軸X方向に沿って下向きに照射する。
【0020】
撮像手段24は、ラインセンサカメラによってライン状の撮像エリアαを連続的に撮像するものであり、ボトル缶4のカール部1の天面1aの最頂端からねじ部2及び顎部8の下端までの口金部3の全体を含むように缶軸X方向に沿ってライン条に撮像エリアαを設定している。検査画像は、両照明手段22,23からの照明光の反射光による高輝度部分と、その周辺の低輝度部分とからなる白黒画像として捉えられる。
【0021】
これら各照明手段22,23および撮像手段24に対して、回転手段21によってボトル缶4を缶軸Xまわりに回転させることにより、口金部3の全周を走査し、撮像エリアαにおける各反射光A´,B´を含む検査画像を連続的に撮像する。検査画像は、撮像手段24に接続されたねじ部検査手段25に入力され、ねじ部形状の検査に用いられる。
【0022】
このように構成された検査装置20において、図4に示すように、撮像手段24により取得された検査画像には、ねじ部照明手段22からの照明光Aの反射光A´によるねじ条5の傾斜面5bの画像Dと、カール部照明手段23からの照明光Bの反射光B´によるカール部1の天面1aの画像Eとが同時に取得されている。図4では、その上下方向が缶軸X方向である。
この検査画像からねじ部を検査する場合、まず、両反射光A´、B´による撮像結果から検査画像の基準位置を特定し、その基準位置からねじ始まり部6を特定する。
カール部1の天面1aの画像Eは、その上縁Eaが天面1aの最頂端を捉えており、その上縁Eaを基準位置とする。そして、この基準位置から缶軸X方向に沿って所定距離L離れた領域に存在するねじ条5の画像Dの端部Daを検出し、この端部Daが検出された場合に、これをねじ始まり部6の位置とする。このねじ条5の端部は、検査画像上では、反射光による高輝度部分と低輝度部分との境界の形状(例えばL字かぎ状)により判別することができる。
【0023】
次に、このねじ始まり部に相当する端部Daに対して所定のリード角で所定の長さ位置の領域にあるねじ条5の画像Dの端部Dbをねじ終端部7の位置とする。これらねじ始まり部6及びねじ終端部7の特定は、ねじ条5の画像Dが稜線5aから下方の傾斜面5bでの反射光により得られたものであるので、画像Dの上側縁Dcはねじ条5の稜線5aを捉えている。したがって、この画像Dの上側縁Dcの両端部Da,Dbの位置を検出することにより、ねじ条5の稜線5a上でのねじ始まり部6とねじ終端部7の位置を特定することができる。
また、ねじ始まり部6とねじ終端部7とに相当する両端部Da,Dbの位置を結ぶ直線Qに対して、画像Dにおけるねじ条5の上側縁Dcの変位を追跡してねじ条5の曲がりを検出する(図4では、中央部の画像Dは曲がりを強調して示しており、最も大きい変位を符号Gで示している)。また、隣接するねじ条(ボトル缶の回転によりねじ条が複数本捉えられる)の画像Dにおける缶軸方向の離間間隔H、例えば一つの端部Dbからその上方に捉えられるねじ条の画像Dの上側縁Dcまでの缶軸方向に沿う離間間隔Hからねじピッチを算出する。
【0024】
このように、このねじ部検査装置20は、カール部1の天面1aを照射するカール部照射手段23からの照射光Bの反射光B´により検査画像の基準位置を特定し、その基準位置からねじ部2のねじ始まり部6の位置を特定した後、ねじ部2の形状(ねじピッチ、ねじの曲がり等)を検査しているため、正確なねじ始まり部6の位置の特定によりねじ部2の形状を正確に検査することができる。
【0025】
また、ボトル缶4を缶軸Xまわりに回転させながら撮像しているので、カール部照明手段23からの照明光Bの反射光B´により、カール部1を全周にわたって走査できる。通常はカール部1の天面1aの画像Eは図4に示すように直線状に把握できるが、カール部1の天面1aに凹みがあると、その天面1aの画像Eが図の上下に変位する。したがって、この天面1aの画像Eを追跡して、その変位が所定値を超える場合は、カール部1の異常として判別することができる。
なお、図4において符号Fは顎部8を捉えた画像である。
【0026】
以上の一実施形態では、ねじ部照明手段22とカール部照明手段23とで、ねじ部2とカール部1の天面1aとに対して同時に照射して、これらの反射光A´,B´を同時に撮像するようにしたが、これらねじ部照明手段22とカール部照明手段23とを交互に明滅しながら、これらの反射光A´,B´を交互に連続的に撮像するようにしてもよい。
すなわち、図5に示す他の実施形態のねじ部検査装置30では、その(a)(b)に分けて示したように、両照明手段22,23を例えば60Hzの周波数で交互に明滅させ、その照明光A,Bによる反射光A´,B´をラインセンサカメラによる撮像手段24で交互に連続的に撮像することにより、ねじ部照明手段22からの照明光Aによる反射光A´とカール部照明手段23からの照明光Bによる反射光B´とが交互に並んだ画像が得られる。これをコンピュータ処理して明滅のタイミングに合わせて二つの画像に分離することにより、ねじ部照明手段22からの照明光Aによる反射光A´とカール部照明手段23からの照明光Bによる反射光B´とを別々に抽出することができる。
【0027】
図6(a)はねじ部照明手段22からの照明光Aによる反射光A´を主として捉えた検査画像であり、同図(b)はカール部照明手段23からの照明光Bによる反射光B´を主として捉えた検査画像である。これら検査画像は、同じ座標位置を示している。一実施形態の図4及びその説明では簡潔にするため明示しなかったが、ねじ部照明手段22からの照明光Aとカール部照明手段23からの照明光Bとを同時に照射すると、これら図6(a)と図6(b)とを合成した検査画像が得られ、ねじ部2に照射されるねじ部照明手段22からの照明光Aにカール部照明手段23からの照明光Bが干渉し、これらの両方の反射光A´,B´が混在した画像となることから、全体としてねじ条5の外縁がぼけた画像となるおそれがある。これに対して、ねじ部照明手段22からの照明光Aによる反射光A´のみを捉えれば、カール部照明手段23からの照明光Bの影響を受けないので、ねじ条5の傾斜面5bを鮮明に捉えた画像となる。
【0028】
撮像手段24からの検査画像に対して、ねじ部検査手段31のコンピュータ処理により、次のようにしてねじ始まり部6が検出される。図6(a)及び同図(b)に示す二つの検査画像に分離した後、図6(b)に示す検査画像において、カール部照明手段23からの照明光Bによる反射光B´の撮像結果からカール部1の画像Eを認識し、その天面1aの最頂端の座標を検出し、この最頂端の座標位置に対応する図6(a)の検査画像における座標位置を割り出す。そして、この座標位置を基準としてねじ部照明手段22からの照明光Aによる反射光A´の撮像結果から缶軸X方向に沿って所定距離L離れた領域に存在するねじ条5の画像Dの端部Daを検出し、この端部Daが検出された場合に、これをねじ始まり部6の位置とする。
その他、ねじ終端部7の特定、ねじ条5の曲がり検出等は前述した実施形態と同様の方法で行うことができる。
【0029】
なお、本発明は前記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 カール部
1a 天面
2 ねじ部
3 口金部
4 ボトル缶
5 ねじ条
5a 稜線
5b 傾斜面
6 ねじ始まり部
7 ねじ終端部
20 ねじ部検査装置
21 回転手段
22 ねじ部照明手段
23 カール部照明手段
24 撮像手段
25 ねじ部検査手段
30 ねじ部検査装置
31 ねじ部検査手段
α 撮像エリア
A,B 照明光
A´,B´ 反射光


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライナー付キャップを被嵌するために開口端を外方へ向かってカールさせたカール部と該カール部の下方で前記キャップをねじ嵌合するねじ部とからなる口金部を有するボトル缶を缶軸まわりに回転させながら、前記口金部の一部を含むように設定された撮像エリアを撮像して前記口金部におけるねじ部の形状を検査する装置であって、前記ボトル缶を保持して缶軸まわりに回転させる回転手段と、前記撮像エリア内の前記ボトル缶のねじ部に半径方向外方かつ缶軸方向下方から斜め上向きに照明光を照射するねじ部照明手段と、前記撮像エリアにおける前記照明光の反射光を含む検査画像を連続的に取得する撮像手段と、前記反射光の撮像結果に基づき前記ねじ部のねじ始まり部を検出し、該ねじ始まり部を含む前記ねじ部の検査を行うねじ部検査手段とを備えることを特徴とするボトル缶のねじ部検査装置。
【請求項2】
前記撮像エリア内の前記ボトル缶のカール部に缶軸方向上方から下向きに照明光を照射するカール部照明手段を有し、前記撮像手段は、前記撮像エリアにおける両照明手段からの二つの反射光を含む検査画像を取得するものであり、前記ねじ部検査手段は、前記カール部照明手段の照明光による反射光の撮像結果に基づき前記検査画像の基準位置を特定し、該基準位置に対して前記ねじ部照明手段の照明光による反射光の撮像結果に基づき前記ねじ部のねじ始まり部を検出する機能を有することを特徴とする請求項1記載のボトル缶のねじ部検査装置。
【請求項3】
前記ねじ部照明手段と前記カール部照明手段とは照明光を交互に明滅させながら照射するものであり、前記ねじ部検査手段は、前記撮像手段で取得された前記反射光を含む検査画像を、前記照明光の明滅のタイミングに合わせて、前記カール部照明手段の照明光による反射光を含む検査画像と、前記ねじ部照明手段の照明光による反射光を含む検査画像とに分離する機能を有することを特徴とする請求項2記載のボトル缶のねじ部検査装置。
【請求項4】
前記ねじ部照明手段は、缶軸方向に対して15°〜80°の傾斜角度で照明光を照射することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のボトル缶のねじ部検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−251931(P2012−251931A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126218(P2011−126218)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000001096)倉敷紡績株式会社 (296)
【出願人】(305060154)ユニバーサル製缶株式会社 (219)
【Fターム(参考)】