説明

ボンディングパッドを有する半導体デバイス及びその製造方法

【課題】 ボンディングパッドを有する半導体デバイス及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 表面側及び裏面側を有するデバイス基板、前記デバイス基板の前記表面側に配置され、n層数の金属層を有する相互接続構造、及び前記相互接続構造を通過して延伸し、前記n層数の金属層の前記第n番目の金属層に直接接触するボンディングパッドを含む半導体デバイス。半導体デバイスは、前記デバイス基板の前記裏面側に配置された遮蔽構造、及び、前記デバイス基板の前記表面側に配置され、前記デバイス基板の前記裏面側から前記放射線検出領域に向けて投射された放射線を検出することができる放射線検出領域をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「Semiconductor Device Having a Bonding Pad and Shield Structure and Method of Manufacturing the Same」と題する同時係属中の米国特許出願番号13/112,755(代理人整理番号2011−0239/24061.1814)に関連するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路(IC)産業は、急速な成長を遂げている。IC材料と設計の技術的進歩は、各世代が前世代よりもより小さくより複雑な回路を有するIC世代を作り出してきた。しかしながら、これらの進歩は、IC加工と製造の複雑さを増加させる。よって、これらの進歩が実現されるように、IC加工と製造の同様の進展が必要とされる。ICの発展の過程では、幾何学サイズ(即ち、製作プロセスを用いて形成され得る最小の構成要素)が減少された時、機能密度(即ち、チップ領域当たりの相互接続したデバイスの数)は通常、増加する。
【0003】
例えばプローブ及び/またはワイヤボンディング(以下ボンディングパッドと呼ばれる)などの各種アプリケーションに用いられるパッドは、ICの他の特徴とは別の必要条件をしばしば有する。例えば、ボンディングパッドは、プロービングまたはワイヤボンディングのような動作に起因する物理的接触に耐える十分な大きさと強度がなければならないが、特徴を(サイズ及び厚さの両方で)比較的小型化する同時の要求もある。例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサなどのアプリケーションでは、1つ以上の比較的薄い金属層、例えば銅アルミニウム(AlCu)の金属層を有することが望ましい。薄い金属層における問題は、これらの層に形成されるボンドパッドは、はげ落ちるか、または他の欠陥を示すことあるということである。したがって、これらの特徴のさまざまな要求をかなえる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7659595号明細書
【特許文献2】米国特許第7973380号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ボンディングパッドを有する半導体デバイス及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
半導体デバイスが提供される。半導体デバイスは、表面側及び裏面側を有するデバイス基板を含む。半導体デバイスは、デバイス基板の表面側に配置された相互接続構造を更に含み、相互接続構造は、n層数(n-number)の金属層を有する。半導体デバイスは、デバイス基板の裏面側に配置されたボンディングパッドも含み、ボンディングパッドは、相互接続構造を通過して延伸し、n層数の金属層の第n番目の金属層に直接接触する。
【0007】
いくつかの実施形態では、半導体デバイスは、デバイス基板の裏面側に配置された遮蔽構造及びデバイス基板に配置された放射線検出領域を更に含み、放射線検出領域は、デバイス基板の裏面側から放射線検出領域に向けて投射された放射線を検出することができる。いくつかの実施形態では、半導体デバイスは、デバイス基板の表面側に配置され、n層数の金属層の第n層目の金属層に直接接触する第1保護層、第1保護層に接合されたキャリア基板、及びデバイス基板の裏面側に配置されたバッファ層を含む。更に実施形態では、半導体デバイスは、デバイス基板の裏面側に配置された第2保護層を含む。種々の実施形態では、第1保護層は、PECVDプロセスによって形成された酸化ケイ素または窒化ケイ素から構成されたグループから選択された材料を含む。いくつかの実施形態では、ボンディングパッド及び遮蔽構造は、アルミニウム、銅、アルミニウム銅、チタン、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、及びタングステンから選択された材料を含む。また、特定の実施形態では、遮蔽構造は、ボンディングパッドの厚さと実質的に同様の厚さを有する。
【0008】
半導体デバイスの代替の実施形態も提供される。半導体デバイスは、ボンディング領域及び非ボンディング領域を有し、且つ表面側及び裏面側を有する第1基板を含む。半導体デバイスは、第1基板の表面側に配置された複数の金属層を有する相互接続構造も含む。半導体デバイスは、第1基板の裏面側に開口を更に含み、開口は、ボンディング領域に形成され、前記開口は、デバイス基板を通過して相互接続構造の複数の金属層の最上金属層に延伸する。また、半導体デバイスは、ボンディング領域の第1基板の裏面側の開口を部分的に充填する第1導電材料を含み、第1導電材料は、相互構造の最上金属層と直接接触する。
【0009】
いくつかの実施形態では、半導体デバイスは、非ボンディング領域の第1基板の裏面側に配置された第2導電材料、第1基板の裏面側上に配置された透明層、及び第1基板の表面側に接合された第2基板を更に含む。ある実施形態では、半導体デバイスは、第1基板の表面側に配置された保護層を更に含み、保護層は、PECVDプロセスによって形成された酸化ケイ素または窒化ケイ素から構成されたグループから選択された材料を含む。各種の実施形態では、非ボンディング領域は、少なくとも1つのイメージセンサを有する放射線検出領域を含む。更に実施形態では、第1及び第2導電材料は、アルミニウム、銅、アルミニウム銅、チタン、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、及びタングステンから選択される。
【0010】
半導体デバイスを製作する方法も提供される。前記方法は、表面側及び裏面側を有するデバイス基板を提供するステップを含む。前記方法は、デバイス基板の表面側にn層数(n-number)の金属層を有する相互接続構造を形成するステップを含む。前記方法は、デバイス基板の裏面側に相互接続構造を通過して延伸し、且つn層数の金属層の第n番目の金属層を露出するデバイス基板の開口を形成するステップを更に含む。また、前記方法は、デバイス基板の裏面側の開口にボンディングパッドを形成し、ボンディングパッドは、露出されたn層数の金属層の第n番目の金属層に直接接触する。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記方法は、デバイス基板の表面側に配置され、n層数の金属層の第n層目の金属層に直接接触する第1保護層を形成し、デバイス基板の裏面側にバッファ層を形成するステップを含む。更に実施形態では、前記方法は、デバイス基板の裏面側に遮蔽領域のバッファ層上に形成された遮蔽構造を形成するステップを含む。ある実施形態では、前記方法は、デバイス基板の表面側に、放射線検出領域に形成されて、裏面側から放射線検出領域に向けて投射された放射線を検出することができるセンサを形成するステップを含む。いくつかの実施形態では、バッファ層を形成する前に、キャリア基板をデバイス基板の表面側に接合するステップを更に含む。いくつかの実施形態では、第1保護層を形成するステップは、PECVDプロセスを含む。更に実施形態では、ボンディングパッドの形成及び遮蔽構造の形成は、ボンディングパッドの厚さが遮蔽構造の厚さと実質的に同様の厚さとなるように実行される。いくつかの実施形態では、開口の形成は、ボンディング領域に形成され、開口の形成は、相互接続構造を垂直に通過して延伸するように実行される。
【発明の効果】
【0012】
ボンディングパッドの剥離等の問題を低下することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示は、添付の図面を参照して、次の詳細な説明から良く理解される。工業における標準実施に従って、種々の特徴が縮尺通りに描かれず、図示の目的のためだけに使用されていることを主張する。実際、種々の特徴の寸法は、議論の明確化のために、任意に増加または減少されてよい。
【図1】本発明の種々の態様に基づく半導体デバイスを形成する方法を示す流れ図である。
【図2】図1の方法に基づく製作の種々の段階における半導体デバイスの一実施形態の断面側面図を示している。
【図3】図1の方法に基づく製作の種々の段階における半導体デバイスの一実施形態の断面側面図を示している。
【図4】図1の方法に基づく製作の種々の段階における半導体デバイスの一実施形態の断面側面図を示している。
【図5】図1の方法に基づく製作の種々の段階における半導体デバイスの一実施形態の断面側面図を示している。
【図6】図1の方法に基づく製作の種々の段階における半導体デバイスの一実施形態の断面側面図を示している。
【図7】図1の方法に基づく製作の種々の段階における半導体デバイスの一実施形態の断面側面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次の開示は、本発明の異なる特徴を実施するための、多くの異なる実施の形態または実施例を提供することがわかる。本開示を簡素化するために、複数の要素および複数の配列の特定の実施例が以下に述べられる。これらは単に実施例であり、これらに制限されるものではないことは勿論である。例えば、本説明の第2特徴の上方の、または第2特徴上の第1特徴の形成は、第1、第2の特徴が直接接触で形成される複数の実施の形態を含むことができ、且つ前記特徴が直接接触でないように、付加的な特徴が前記第1と第2特徴間に形成された複数の実施の形態を含むこともできる。また、本開示は、種々の実施例において、参照番号および/または文字を繰り返し用いている。この反復は、簡素化と明確さの目的のためであって、種々の実施の形態および/または議論された構成との間の関係を規定するものではない。当業者であれば、ここで明確に説明されていない、本発明の法則を具体化する種々の等価物を考案しうることが理解される。
【0015】
本発明の一つ以上の実施形態から得られる装置の範例は、イメージセンサを有する半導体デバイスである。このような装置は、例えば、裏面照射(Back-Side Illuminated: BSI)型イメージセンサデバイスである。以下の開示は、この範例を続けて本発明のさまざまな実施形態を例示する。しかしながら、特に主張されない限り、本発明は、特定のタイプの装置に限定されてはならないことが理解されている。
【0016】
図1を参照すると、半導体デバイスを製作する方法100が本発明の開示の種々の態様に基づいて説明されている。半導体デバイスの製作方法100は、表面側と裏面側を有するデバイス基板が提供されるステップ102で始まる。方法100は、センサがデバイス基板に形成されるステップ104を続ける。また、ステップ104では、n層数(n-number)の金属層を有する相互接続構造と、保護層(パッシベーション層)がデバイス基板上に形成される。第n番目の金属層が最上層の金属層である。方法100は、キャリア基板が提供されて、デバイス基板の表面側に接合されるステップ106を続ける。方法100は、透明であり得るバッファ層がデバイス基板の裏面側に形成されるステップ108を続ける。方法100は、開口がボンディング領域に形成され、開口が相互接続構造のn番目の金属層に届き、且つ露出するように相互接続構造を通過して延伸するステップ110を続ける。方法100は、ボンディングパッドがボンディング領域の開口内に形成され、且つ遮蔽構造がバッファ層上の遮蔽領域に形成され、ボンディングパッドが開口を部分的に充填し、相互接続構造のn番目の金属層に接続するステップ112を続ける。方法100は、保護層がバッファ層上、ボンディングパッドがボンディング領域、及び遮蔽構造が遮蔽領域に形成されるステップ114を続ける。ボンディング領域及び放射線検出(radiation-sensing)領域上に配置された保護層を除去するエッチプロセスのステップ116を続ける。方法100の前、方法100中、または方法100の後に付加的なステップが提供されることができ、説明されたいくつかのステップは、前記方法の他の実施形態と取って代わるまたは除去されることができる。あとに続く議論は、図1の方法100に基づいて製作され得る半導体デバイスのさまざまな実施形態を例示する。
【0017】
図2〜図7は、図1の方法100に基づく製作の種々の段階における裏面照射(BSI)型イメージセンサデバイス200である半導体デバイスの一実施形態の断面側面図を示している。イメージセンサデバイス200は、イメージセンサデバイス200の裏面に向けて導かれた放射(radiation)(例えば光)強度を検出及び記録するピクセル(センサ)を含む。イメージセンサデバイス200は、電荷結合素子(charge-coupled device: CCD)、相補型金属酸化膜半導体イメージセンサ(Complimentary metal oxide semiconductor Image Sensor: CIS)、能動ピクセルセンサ(Active-Pixel Sensor: APS)、または受動ピクセルセンサ(Passive-Pixel Sensor: PPS)を含み得る。イメージセンサデバイス200は、センサに操作環境を提供し、且つセンサとの外部通信をサポートするセンサに隣接して提供される、付加的な回路及び入力/出力を更に含む。図2〜図7は、本開示の発明概念をよりよく理解するために簡易化されており、縮尺通りに描かれない可能性があることは理解される。
【0018】
図2を参照すると、BSI型イメージセンサデバイス200は、デバイス基板210を含む。デバイス基板210は、表面側212と裏面側214を有する。本実施形態では、ホウ素などのp型ドーパントでドープされたシリコン基板(例えば、p型基板)である。また、デバイス基板210は、他の適当な半導体材料でもよい。例えば、デバイス基板210は、リンまたはヒ素などのn型ドーパントでドープされたシリコン基板(n型基板)でもよい。デバイス基板210は、例えばゲルマニウム及びダイアモンドなどの他の元素の材料を含んでもよい。デバイス基板210は、化合物半導体及び/または合金半導体を選択的に含んでもよい。また、デバイス基板210は、機能強化を推進し得るエピタキシャル層(エピ層)を含んでもよく、且つシリコンオンインシュレータ(SOI)構造を含んでもよい。
【0019】
デバイス基板210は、ボンディング領域216、遮蔽領域217、及び放射線検出領域218を含む。図2の破線は、領域間の近似境界を示している。放射線検出領域218は、放射線検出デバイスが形成されるデバイス基板210の領域である。例えば、放射線検出領域218は、センサ220を含む。センサ220は、デバイス基板210の裏面側214に向けて投射される、例えば入射光(以後光線と呼ぶ)などの放射線を検出することができる。センサ220は、本実施形態では、フォトダイオードを含む。他の実施形態では、センサ220は、ピンド層(pinned layer)フォトダイオード、フォトゲート、リセットトランジスタ、ソースフォロワトランジスタ、及び転送(transfer)トランジスタを含み得る。また、センサ220は、変えられて、異なる接合の深さ、厚さなどを有してもよい。簡単にするために、センサ220のみが図2に示されるが、いくつのセンサでもデバイス基板210に実装されることができることは理解されている。1つ以上のセンサが実装された時、放射線検出領域は、隣接のセンサ間の電気的及び光学的分離を提供する分離構造を含む。
【0020】
遮蔽領域217は、1つ以上のBSI型イメージセンサデバイス200の遮蔽構造が後に続く処理状態で形成される領域である。ボンディング領域216は、BSI型イメージセンサデバイス200の1つ以上のボンディングパッドが後に続く処理状態で形成される領域であり、BSI型イメージセンサデバイス200と外部デバイス間の電気的接続が確立される。領域216、217、及び218は、デバイス基板210の上方及び下方に垂直に延伸する。
【0021】
図2を再度参照すると、シャロートレンチアイソレーション(STI)層222は、BSI型イメージセンサデバイス200の表面側212の上に形成される。層222は、好適な誘電材料を含み得る。例えば、STI層222は、酸化ケイ素を含んでもよい。STI層222は、化学気相成長(CVD)、高密度プラズマ化学気相成長(HDPCVD)、プラズマ促進化学蒸着(PECVD)、原子層蒸着(ALD)、物理気相成長(PVD)、その組み合わせ、または他の好適なプロセスなどのプロセスによって形成され得る。相互接続構造230は、デバイス基板210の表面側の上に形成される。相互接続構造230は、イメージセンサデバイス200の種々のドープ特徴、回路、及び入力/出力間の相互接続を提供する複数のパターン化された誘電体層及び複数の導電層を含む。複数の導電層数は、1からnであり、第n層目の導電層は、最上層である。本実施形態では、相互接続構造230は、層間誘電(interlayer dielectric: ILD)層232及び複数の金属間誘電体(intermetal dielectric: IMD)層234、236、238、及び240を含む。ILD層232及び複数の金属間誘電体(IMD)層234、236、238、及び240層は、好適な誘電材料を含み得る。例えば、本実施形態では、ILD層232及び複数の金属間誘電体(IMD)層234、236、238、及び240層は、低誘電率(low-k)材料を含む。前記材料は、シリコン熱酸化の誘電率よりも低い誘電率を有する。他の実施形態では、ILD層232及び複数の金属間誘電体(IMD)層234、236、238、及び240層は、誘電材料を含む。誘電材料は、CVD、HDPCVD、PECVD、ALD、PVD、その組み合わせ、または他の好適なプロセスによって形成され得る。
【0022】
各IMD層234、236、238、及び240は、コンタクト、ビア、及び金属層242、244、246、及び248をそれぞれ含む。説明のために、4つのIMD層だけが図2に示されるが、いくつのIMD層でも実装されることができ、図示されているIMD層は単に例であることは理解されており、金属層及びビア/コンタクトの実際の位置決めと配置は、設計の必要に応じて変えることができる。
【0023】
相互接続構造230は、例えば、アルミニウム、アルミニウム/シリコン/銅合金、チタン、窒化チタン、タングステン、ポリシリコン、金属シリサイド、またはその組み合わせを含むことができ、アルミニウム配線とも呼ばれる。アルミニウム配線(interconnect)は、CVD、HDPCVD、PECVD、ALD、PVD、その組み合わせ、または他の好適なプロセスによって形成され得る。アルミニウム配線を形成する他の製造技術は、フォトリソグラフィープロセス及びエッチングを含み、垂直接続(例えばビア/コンタクト)、水平接続(例えば導電線)の導電材料をパターン化する。また、銅多層配線は、金属パターンを形成するのに用いられ得る。銅配線構造は、銅、銅合金、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、タングステン、ポリシリコン、金属シリサイド、またはその組み合わせを含むことができる。銅配線構造は、CVD、スパッタリング、プレーティング、または他の好適なプロセスを含む技術によって形成され得る。
【0024】
引き続き図2を参照すると、本実施形態では、保護層250は、相互接続構造230上、且つ第n層目の金属層248と直接接触して形成される。保護層250は、任意の好適な誘電材料を含み得る。本実施形態では、保護層250は、酸化ケイ素または窒化ケイ素を含む。保護層250は、CVD、HDPCVD、PECVD、ALD、PVD、その組み合わせ、または他の好適なプロセスによって形成され得る。保護層250は、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing: CMP)プロセスによって平坦化され、平滑な表面を形成する。
【0025】
図3を参照すると、キャリア基板260は、保護層250を介してデバイス基板210と接合され、デバイス基板210の裏面側214の処理が実行され得る。本実施形態のキャリア基板260は、デバイス基板210と同様であり、且つシリコン材料を含む。また、キャリア基板260は、ガラス基板または他の好適な材料を含み得る。キャリア基板260は、分子力(直接ボンディングまたは光融着(optical fusion bonding)として知られている技術)によって、または例えば金属拡散または陽極接合など、従来知られている他のボンディング技術によってキャリア基板260に接合され得る。保護層250は、デバイス基板210とキャリア基板260間の電気的分離を提供する。キャリア基板260は、センサ220等のデバイス基板の表面側212に形成された種々の特徴の保護を提供する。キャリア基板260は、機械的強度も提供し、デバイス基板210の裏面側214の処理もサポートする。
【0026】
接合後、デバイス基板210及びキャリア基板260は、選択的にアニールされて接合強度を向上させる。薄化プロセスが実行され、裏面側214からデバイス基板210を薄化する。薄化プロセスは、機械研削プロセス及び化学薄化プロセスを含むことができる。基板材料の相当量が機械研削プロセス中、先ずデバイス基板210から除去されることができる。次いで、化学薄化プロセスは、デバイス基板210の裏面側214に侵食性化学物質(etching chemical)を加え、デバイス基板210を厚さ262に更に薄化する。デバイス基板210の厚さ262は、約1ミクロンから約6ミクロンである。本発明に開示された特定の厚さは、単に例に過ぎず、他の厚さがイメージセンサデバイス200のアプリケーションのタイプ及び設計条件に従って導入され得ることは理解される。
【0027】
引き続き図3を参照すると、反射防止コーティング(ARC)層236は、デバイス基板210の裏面側214上に形成される。
【0028】
図4は、本発明の実施形態に基づく、ボンディング領域216のARC層263及びデバイス基板210の一部の材料の除去を示している。フォトリソグラフィープロセスは、ボンディング領域216下のARC層263及びデバイス基板210に実行され得る。フォトリソグラフィープロセスは、STI層222をストップエッチ層として用いる。フォトリソグラフィープロセスは、フォトレジスト層をARC層263上に形成し、種々のマスキング、露出、ベーキング、及び洗浄プロセスを実行し、パターン化されたフォトレジストマスクを形成する。パターン化されたフォトレジストマスクは、他のエッチングプロセスでARC層の一部及びデバイス基板210を保護し、ARC層の一部及びデバイス基板210から材料を除去する。材料の除去後、フォトレジストマスクが剥がされることは理解される。
【0029】
引き続き図4を参照すると、バッファ層264は、デバイス基板210の裏面側214及びSTI層222上に形成される。バッファ層264は、透明であり得る。バッファ層264は、任意の好適な誘電材料を含み得る。本実施形態では、バッファ層264は、酸化ケイ素または窒化ケイ素を含む。本実施形態では、バッファ層264は、CVD、HDPCVD、PECVD、ALD、PVD、その組み合わせ、酸化炉(熱酸化炉)、または他の好適な技術などのプロセスによって形成される。本実施形態では、バッファ層264は、約0.1ミクロンから約1ミクロンの厚さを有する。他の実施形態では、バッファ層264は、異なる好適な値の厚さを有することもできる。次いで、バッファ層264は、ボンディング領域216でパターン化される。
【0030】
図5を参照すると、開口270は、デバイス基板210のボンディング領域216に形成される。開口270は、バッファ層264及び相互接続構造230を通過して延伸し、ボンディング領域216の相互接続構造230の最上層の金属層248(即ち、第n番目の金属層)の一部が裏面側214から露出される。開口270は、従来のエッチングプロセス、例えばドライエッチングまたはウェットエッチングプロセスによって形成される。開口は幅272を有する。本実施形態では、開口270は、ドライエッチングプロセスによって形成され、約5ミクロンから約100ミクロンの幅272を有する。開口270の深さは、相互接続構造230の金属層の総数によって決まり、よって、それぞれ変化する。
【0031】
図6に関して、ボンディングパッド274は、上金属層248の上に形成され、ボンディング領域216の開口270を部分的に充填する。遮蔽構造276は、遮蔽領域217のバッファ層264上に形成される。ボンディングパッド274及び遮蔽構造276は、同じプロセスによって形成され得る。また、図6に示されるように、ボンディングパッド274は、遮蔽構造276の厚さ280と実質的に同様の厚さ278を有する。ボンディングパッドの厚さ278及び遮蔽構造276の厚さ280は、約500オングストロームから約10000オングストロームの厚さであり得る。本実施形態では、ボンディングパッドの厚さ278及び遮蔽構造の厚さ280は、約1000オングストロームである。ボンディングパッド274及び遮蔽構造276は、例えば、アルミニウム、銅、アルミニウム銅、チタン、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、タングステン、またはその合金などの金属材料を含み、例えばCVD、PVD、ALD、その組み合わせなどの従来の好適な技術、または他の好適な技術を用いて形成される。図6に示されるように、ボンディングパッド274は、開口270内の最上金属層248と接触する。よって、イメージセンサデバイス200とイメージセンサデバイス200の外部のデバイス間の電気的接続は、ボンディングパッド274によって確立されることができる。簡易化のために、4つの金属層(242、244、246、及び248)のみが表示されるが、金属層の任意の層数(n層数)が相互接続構造230に実装され得ることは理解できる。STI層222及びバッファ層264がボンディングパッド274をデバイス基板210から分離することも理解できる。
【0032】
本実施形態に基づき、ボンディングパッド274を上金属層248上に形成する利点は、上金属層248が、硬く(低k誘電材料に比べ)、好ましい接着力(低k誘電材料に比べ)を提供する保護層250によって、サポートされることであり、このため、ボンディングパッドの亀裂及び剥離の問題を抑制する。従って、後に続くテスト(例えばボールシェアテスト(ball shearing test))中、または後に続くボンディングプロセス中に、圧力がボンディングパッド274に加えられた時、保護層250は、ボンディングパッド274に亀裂及び剥離を生じさせない。よって、ボンディングパッド274の亀裂及び剥離の問題は、本実施形態において低下されるか、または完全になくされる。
【0033】
引き続き図6を参照すると、保護層(passivation layer)282は、基板210の裏面側に形成され、開口270も部分的に充填する。保護層282は、1つ以上のバッファ層含み得る。保護層282は、任意の好適な誘電材料を含み得る。本実施形態では、保護層282は、酸化ケイ素または窒化ケイ素を含む。保護層282は、CVD、PVD、HDPCVD、PECVD、ALD、その組み合わせ、酸化炉(熱酸化炉)、または他の好適な技術などのプロセスによって形成され得る。
【0034】
図7を参照すると、ボンディング領域216内及び放射線検出領域218内の保護層282の部分は、次いでウェットエッチングプロセス又はドライエッチングプロセス等の従来の好適なエッチングプロセスを用いてエッチングされる。
【0035】
図示されていないが、付加的なプロセスが実行され、イメージセンサデバイス200の製作が完了する。例えば、カラーフィルターは、放射線検出領域218内に形成される。カラーフィルターは、光がその上及びそこを通過して導かれるように位置され得る。カラーフィルターは、染料ベース(または顔料ベース)の高分子または樹脂を含み、色のスペクトル(例えば、赤、緑、及び青)に対応する光の特定の波長帯域をフィルタリングする。その後、マイクロレンズがカラーフィルター上に形成されて、光をセンサ220などのデバイス基板210の特定の放射線検出領域に向けて導き、且つ集束する。マイクロレンズは、さまざまな配列に位置され、且つマイクロレンズに用いられる材料の屈折率及びセンサの表面からの距離によってさまざまな形状を有することができる。デバイス基板210は、カラーフィルターまたはマイクロレンズを形成する前に、選択的なレーザーアニーリングプロセスを実行することもできる。
【0036】
上述の開示は、本発明の異なる特徴を実施するための、多くの異なる実施の形態または実施例を提供している。本開示を簡素化するために、複数の要素および複数の配列の特定の実施例が以上に述べられる。これらは単に実施例であり、これらに制限されるものではないことは勿論である。よって、ここに述べられた構成要素は、本開示の範囲を逸脱せずに、ここで種々の変更、代替、および改変をすることができる。
【0037】
以上、当業者が本開示の態様をより理解できるように幾つかの実施の形態特徴を概説した。当業者は、本開示を、ここで採用された実施の形態の、同じ目的を実行しおよび/または同じ利点を達成するために他のプロセスおよび構造を設計又は改変するための基礎として、容易に使用できることが分かる。本開示の精神及び範囲を逸脱しない限りにおいては、当業者であればそのような等価な構成を達成することが可能であり、当業者は、本開示の精神および範囲を逸脱せずに、ここで種々の変更、代替、および改変をするだろう。
【符号の説明】
【0038】
100 方法
102、104、106、108、110、112、114、116 ステップ
200 イメージセンサデバイス
210 デバイス基板
212 表面側
214 裏面側
216 ボンディング領域
217 遮蔽領域
218 放射線検出領域
220 センサ
222 シャロートレンチアイソレーション
230 相互接続構造
232 層間誘電(ILD)層
234、236、238、240 金属間誘電体(IMD)層
242、244、246、248 金属層
250 保護層
260 キャリア基板
262、278、280 厚さ
263 反射防止コーティング
264 バッファ層
270 開口
272 幅
274 ボンディングパッド
276 遮蔽構造
282 保護層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面側及び裏面側を有するデバイス基板、
前記デバイス基板の前記表面側に配置され、n層数の金属層を有する相互接続構造、及び
前記相互接続構造を通過して延伸し、前記n層数の金属層の前記第n番目の金属層に直接接触するボンディングパッドを含む半導体デバイス。
【請求項2】
前記デバイス基板の前記裏面側に配置された遮蔽構造、
前記デバイス基板の前記表面側に配置され、前記デバイス基板の前記裏面側から前記放射線検出領域に向けて投射された放射線を検出することができる放射線検出領域、
前記デバイス基板の前記表面側に配置され、前記n層数の金属層の第n層目の金属層に直接接触する第1保護層、
前記第1保護層に接合されたキャリア基板、
前記デバイス基板の前記裏面側に配置された第1バッファ層、及び
前記デバイス基板の前記裏面側に配置された第2保護層を更に含む請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
ボンディング領域及び少なくとも1つのイメージセンサを有する放射線検出領域を含む非ボンディング領域を有し、且つ表面側及び裏面側を有する第1基板、
前記第1基板の前記表面側に配置された複数の金属層を有する相互接続構造、
前記第1基板の前記裏面側に位置され、前記ボンディング領域に形成され、且つ前記デバイス基板を通過して前記相互接続構造の複数の金属層の最上金属層まで延伸する開口、及び
前記ボンディング領域の前記第1基板の前記裏面側の前記開口を部分的に充填し、前記相互構造の前記最上金属層と直接接触する第1導電材料を含む半導体デバイス。
【請求項4】
前記非ボンディング領域の前記第1基板の前記裏面側に配置された第2導電材料、
前記第1基板の前記裏面側上に配置された透明層、
前記第1基板の前記表面側に接合された第2基板、及び
前記第1基板の前記表面側に配置され、酸化ケイ素及び窒化ケイ素から構成されたグループから選択された材料を含む保護層を更に含む請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
半導体デバイスを製作する方法であって、
表面側及び裏面側を有するデバイス基板を提供するステップ、
前記デバイス基板の前記表面側にn層数の金属層を有する相互接続構造を形成するステップ、
前記デバイス基板の前記裏面側に前記相互接続構造を通過して延伸し、且つ前記n層数の金属層の前記第n番目の金属層を露出する前記デバイス基板の開口を形成するステップ、及び
前記デバイス基板の裏面側の開口に、露出された前記n層数の金属層の第n番目の金属層に直接接触するボンディングパッドを形成するステップを含む方法。
【請求項6】
前記デバイス基板の前記表面側に、前記n層数の金属層の前記第n層目の金属層に直接接触する第1保護層を形成するステップ、及び
前記デバイス基板の前記裏面側にバッファ層を形成するステップを更に含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記デバイス基板の前記裏面側に、遮蔽領域のバッファ層上に形成された遮蔽構造を形成するステップを更に含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記デバイス基板の前記表面側に、放射線検出領域に形成されて、前記裏面側から前記放射線検出領域に向けて投射された放射線を検出することができるセンサを形成するステップを更に含む請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記バッファ層を形成する前に、キャリア基板を前記デバイス基板の前記表面側に接合するステップを更に含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記デバイス基板の前記裏面側に、前記ボンディングパッド及び前記遮蔽構造の上に位置された第2保護層を形成するステップを更に含む請求項7に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−244177(P2012−244177A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−113154(P2012−113154)
【出願日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【出願人】(500262038)台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司 (198)
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】8,Li−Hsin Rd.6,Hsinchu Science Park,Hsinchu,Taiwan 300−77,R.O.C.
【Fターム(参考)】