説明

ラダー抵抗回路、基準電圧生成回路、ドライバ、電気光学装置及び電子機器

【課題】高精度な抵抗分割を小規模な回路面積で実現できるラダー抵抗回路、基準電圧生成回路、ドライバ、電気光学装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】ラダー抵抗回路は、複数の抵抗ユニットRA1〜RAmn(m、nは2以上の整数)と複数の選択ユニットSLA1〜SLAmnを含む。直列に接続された抵抗ユニットRA1〜RAnは方向D1に沿って配置され、方向D1の反対方向を方向D3とする場合に、直列に接続された抵抗ユニットRAn+1〜RA2nは方向D3に沿って配置される。方向D1に直交する方向を方向D2とする場合に、抵抗ユニットRAn+1は抵抗ユニットRAnの方向D2に配置される。選択ユニットSLAiは、抵抗ユニットRAiの方向D2に配置され、抵抗ユニットRAiに対応するタップに接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラダー抵抗回路、基準電圧生成回路、ドライバ、電気光学装置及び電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機やプロジェクタなどの電子機器の表示部には液晶パネル(広義には電気光学パネル)が利用されている。近年では、電子機器の表示部に対して高品質な画像表示が求められており、例えば映像が本来持っている色調表現を正確に再生できることが要求されている。
【0003】
一般に、画像表示を行うための映像信号は、液晶パネルの階調特性(γ特性、γカーブ)に応じて階調補正(γ補正)が行われている。正確な色調表現を実現するためには、より多階調の階調補正を必要とし、また液晶パネルの階調特性に最適な階調補正を行うことを必要とする。
【0004】
この階調補正は、階調電圧生成回路(広義には、基準電圧生成回路)により行われる。階調電圧生成回路は、液晶パネルの階調特性に対応した階調電圧を生成する回路であり、例えばラダー抵抗回路により構成することができる。ラダー抵抗回路は、両端に印加される電圧を抵抗分割して多値の階調電圧として出力する。
【0005】
そして、従来このようなラダー抵抗回路おいては多階調化や階調補正の精度向上にともなってラダー抵抗回路が大規模化し、コンパクトなレイアウトを実現することが困難であるという問題があった。
【0006】
また、液晶パネルには様々な製品が存在し、製品ごとに異なる表示特性を持っている。また、同じ製品の液晶パネルであっても複数の表示特性を持っている。例えば、液晶の劣化を防止するために極性反転駆動が行われるが、正極期間での階調特性と負極期間での階調特性は同じではない。また、例えば、液晶パネルの表示が赤青緑の3原色からなる場合には、赤青緑の表示特性は異なっており、各色の正極期間での表示特性と負極期間での表示特性も同じではない。
【0007】
このような多様な表示特性に対応した階調補正を実現するために、例えば特許文献1には、制御信号に基づいて抵抗値が可変制御される可変抵抗回路を含むラダー抵抗回路により、階調電圧を調節できる構成の階調電圧生成回路が開示されている。
【0008】
しかし、特許文献1に開示された技術では、設計時にあらかじめ設定された範囲内でしか可変抵抗回路の抵抗値を変化させることができないため、階調電圧を調節できる範囲が限られてしまうという問題があった。
【特許文献1】特開2003−233354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の幾つかの態様によれば、高精度な抵抗分割を小規模な回路面積で実現できるラダー抵抗回路、基準電圧生成回路、ドライバ、電気光学装置及び電子機器を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、直列に接続される複数の抵抗ユニットと、前記複数の抵抗ユニットの複数のタップのうちの対応するタップに各選択ユニットが接続される複数の選択ユニットと、を含み、前記複数の抵抗ユニットのうちの直列に接続された第1〜第n(nは2以上の整数)の抵抗ユニットは、第1の方向に沿って配置され、前記第1の方向の反対方向を第3の方向とする場合に、前記複数の抵抗ユニットのうちの直列に接続された第n+1〜第2nの抵抗ユニットは、前記第3の方向に沿って配置され、前記第1の方向に直交する方向を第2の方向とする場合に、前記第n+1〜第2nの抵抗ユニットのうちの第n+1の抵抗ユニットは、前記第1〜第nの抵抗ユニットのうちの第nの抵抗ユニットの前記第2の方向に配置され、前記複数の選択ユニットのうちの第i(iは1≦i≦2nの整数)の選択ユニットは、前記複数の抵抗ユニットのうちの第iの抵抗ユニットの前記第2の方向に配置され、前記第iの抵抗ユニットに対応するタップに接続されることを特徴とするラダー抵抗回路に関係する。
【0011】
本発明のラダー抵抗回路では、抵抗ユニットと選択ユニットの配置の順番を行ごとに折り返して配置している。このようにすれば、回路配置をコンパクトにまとめることができ、回路面積を縮小することができる。また、折り返して配置することで行の終端の抵抗ユニットと次の行の先頭の抵抗ユニットを接続する配線が短くなり、配線の寄生抵抗を小さくできる。これにより、抵抗ユニットによる抵抗分割を高精度にすることができる。例えば本発明のラダー抵抗回路を基準電圧生成回路に適用すれば、高精度の分割電圧をもとに高精度の基準電圧を出力することができる。
【0012】
また本発明では、前記複数の選択ユニットのうちの第h(hは1≦h≦nの整数)の選択ユニットは、前記複数の抵抗ユニットのうちの第hの抵抗ユニットと第2n−h+1の抵抗ユニットとの間に設けられてもよい。
【0013】
これにより、抵抗ユニットのタップと選択ユニットをショートパスで接続することが可能になり、回路面積をさらに縮小できる。
【0014】
また本発明では、前記複数の選択ユニットのいずれかの選択ユニットが、複数の列選択信号と複数の行選択信号に基づいて選択され、前記複数の列選択信号のラインは、前記第2の方向に沿って配線され、前記複数の行選択信号のラインは、前記第3の方向に沿って配線されてもよい。
【0015】
本発明によれば、選択信号を行選択信号と列選択信号に分けたことにより、少ない本数の選択信号で選択ユニットを選択することができる。そして、選択信号のラインを複雑に引き回すことなく簡単に配線でき、配線による回路面積の増大を防ぐことができる。また、任意の選択ユニットを選択することにより、抵抗ユニットのタップに出力される複数の分割電圧から任意の1つの分割電圧を選択して出力することができる。
【0016】
また本発明では、前記複数の列選択信号を出力する第1のデコーダ回路と、前記複数の行選択信号を出力する第2のデコーダ回路とを含み、前記第1のデコーダ回路は、前記複数の抵抗ユニットの前記第2の方向に配置され、前記第2のデコーダ回路は、前記複数の抵抗ユニットの前記第3の方向に配置されてもよい。
【0017】
これにより、行選択信号と列選択信号を出力できる。そして行選択信号と列選択信号に分けたことによりデコーダ回路の論理回路を小規模にすることができ、回路規模を縮小することができる。
【0018】
また本発明では、前記第1のデコーダ回路は、ビットD0〜DjのうちのビットD0〜Dk(kは、0≦k≦j−1の整数)に基づいて、前記複数の列選択信号のうちのいずれかをアクティブにし、前記第2のデコーダ回路は、前記ビットD0〜DjのうちのビットDk+1〜Djに基づいて、前記複数の行選択信号のうちのいずれかをアクティブにしてもよい。
【0019】
本発明によれば、ビットD0〜Djに基づいて複数の選択ユニットから任意の選択ユニットを選択することができる。
【0020】
また本発明では、前記第1のデコーダ回路は、前記第2のデコーダ回路が前記複数の行選択信号のうちの奇数行に対応する行選択信号をアクティブにする場合には、第1の対応関係で前記ビットD0〜Dkをデコードし、前記第2のデコーダ回路が前記複数の行選択信号のうちの偶数行に対応する行選択信号をアクティブにする場合には、第2の対応関係で前記ビットD0〜Dkをデコードしてもよい。
【0021】
これにより、選択ユニットの列とビットD0〜Dkとの対応関係を奇数行と偶数行で異なる対応関係にすることができる。
【0022】
また本発明では、前記第1のデコーダ回路は、前記第1の対応関係で前記ビットD0〜Dkをデコードする場合、前記ビットD0〜Dkの表す数値が増加するに従って、前記第1の方向または前記第3の方向のいずれか一方の方向で前記複数の列選択信号をアクティブにし、前記第2の対応関係で前記ビットD0〜Dkをデコードする場合、前記ビットD0〜Dkの表す数値が増加するに従って、前記一方とは異なる他方の方向で前記複数の列選択信号をアクティブにしてもよい。
【0023】
これにより、抵抗ユニットと選択ユニットを折り返す配置に対応したデコードを実現することができる。
【0024】
また本発明では、前記第2のデコーダ回路は、前記ビットDk+1〜DjのうちのビットDk+1が第1の論理レベルのときに前記複数の行選択信号のうちの奇数行に対応する行選択信号のいずれかをアクティブにし、前記ビットDk+1が第2の論理レベルのときに前記複数の行選択信号のうちの偶数行に対応する行選択信号のいずれかをアクティブにし、前記第1のデコーダ回路は、前記ビットDk+1が第1の論理レベルのときに前記第1の対応関係に基づいて前記ビットD0〜Dkをデコードし、前記ビットDk+1が第2の論理レベルのときに前記第2の対応関係に基づいて前記ビットD0〜Dkをデコードしてもよい。
【0025】
これにより、第1のデコーダ回路と第2のデコーダ回路は、ビットDk+1に基づいて奇数行と偶数行で異なる対応関係でビットD0〜Dkをデコードすることができる。
【0026】
また本発明では、前記第1のデコーダ回路は、前記ビットD0〜Dkと前記ビットDk+1に基づいて、前記ビットD0〜Dkに対応する正転信号S0〜Skと反転信号SX0〜SXkを出力する論理回路と、前記正転信号S0〜Skと前記反転信号SX0〜SXkに基づいて、前記複数の列選択信号を出力する複数の出力回路とを有してもよい。
【0027】
これにより、ビットD0〜DkとビットDk+1に基づいて列選択信号を出力する第1のデコーダ回路を実現できる。
【0028】
また本発明では、前記論理回路は、前記ビットDk+1が第1の論理レベルの場合に、前記正転信号S0〜Skを対応する正転出力端子TD0〜TDkに出力し、前記反転信号SX0〜SXkを対応する反転出力端子TDX0〜TDXkに出力し、前記ビットDk+1が第2の論理レベルの場合に、前記反転信号SX0〜SXkを対応する前記正転出力端子TD0〜TDkに出力し、前記正転信号S0〜Skを対応する前記反転出力端子TDX0〜TDXkに出力し、前記複数の出力回路は、前記ビットDk+1が第1の論理レベルの場合に、前記ビットD0〜Dkの表す数値が増加するに従って、前記第1の方向または前記第3の方向のいずれか一方の方向で前記複数の列選択信号をアクティブにし、前記ビットDk+1が第2の論理レベルの場合に、前記ビットD0〜Dkの表す数値が増加するに従って、前記一方の方向とは異なる他方の方向で前記複数の列選択信号をアクティブにしてもよい。
【0029】
これにより、ビットDk+1の論理レベルに応じて異なる対応関係でビットD0〜Dkをデコードする第1のデコーダ回路を実現できる。
【0030】
また本発明は、少なくとも1つの基準電圧を生成する基準電圧生成回路であって、上記のいずれかに記載のラダー抵抗回路と、サンプルホールド部と、を含み、前記サンプルホールド部は複数のサンプルホールド回路を有し、前記複数のサンプルホールド回路の各サンプルホールド回路が前記ラダー抵抗回路の出力電圧をサンプリングしてホールドすることを特徴とする基準電圧生成回路に関係する。
【0031】
本発明によれば、複数のサンプルホールド回路のそれぞれが、抵抗ユニットが抵抗分割した複数の分割電圧から任意の1つをサンプルホールドする。このようにすれば、複数の分割電圧から自由な組み合わせと順序で基準電圧を選ぶことができ、汎用性の高い基準電圧を生成することができる。例えば抵抗ユニットがm行n列(mは2以上の整数)に配置されサンプルホールド部がN個のサンプルホールド回路を有する場合、m×n個の分割電圧からN個の基準電圧を生成できる。特にm×n>Nの関係が成り立つ場合には、基準電圧の調整の自由度がより一層高まる。
【0032】
また本発明では、前記ラダー抵抗回路は、前記ビットD0〜Djに基づいて、第1〜第t(tは自然数)の出力期間のうちの各出力期間において、前記複数の選択ユニットのいずれかを選択し、前記選択された選択ユニットに対応するタップに出力される電圧を前記出力電圧として出力し、前記サンプルホールド部は、前記複数のサンプルホールド回路として第1〜第tのサンプルホールド回路を有し、前記少なくとも1つの基準電圧として第1〜第tの基準電圧からなるt個の基準電圧を出力し、前記第1〜第tのサンプルホールド回路のうちの第s(sは、1≦s≦tの整数)のサンプルホールド回路は、サンプリング指示信号に基づいて、前記第1〜第tの出力期間のうちの第sの出力期間において前記出力電圧をサンプリングし、前記第1〜第tの基準電圧のうちの第sの基準電圧としてホールドして出力してもよい。
【0033】
このようにすれば、各出力期間において対応するサンプルホールド回路に分割電圧をサンプルホールドさせ、基準電圧を生成することができる。
【0034】
また本発明では、前記サンプルホールド部は、第1のサンプルホールド部と第2のサンプルホールド部を有し、前記第1のサンプルホールド部は、周期的に繰り返される第1の期間と第2の期間のうちの前記第1の期間において、前記選択回路の前記出力電圧をサンプリングし、続く前記第2の期間において、前記第1の期間にサンプリングした電圧をホールドし、前記第2のサンプルホールド部は、前記第2の期間において、前記出力電圧をサンプリングし、続く前記第1の期間において、前記第2の期間にサンプリングした電圧をホールドし、前記サンプルホールド部は、前記第1の期間において、出力指示信号に基づいて、前記第2のサンプルホールド部がホールドする電圧を選択して出力し、前記第2の期間において、前記出力指示信号に基づいて、前記第1のサンプルホールド部がホールドする電圧を選択して出力してもよい。
【0035】
本発明によれば、一方のサンプルホールド部が階調電圧をサンプリングしている期間でも、他方のサンプルホールド部が階調電圧を出力することができる。また、2つのサンプルホールド部が交互に異なる階調電圧を出力することができる。また、複数の組の階調電圧を繰り返し出力することもできる。
【0036】
また本発明は、上記のいずれかに記載の基準電圧生成回路を含むことを特徴とするドライバに関係する。
【0037】
また本発明は、上記に記載のドライバを含むことを特徴とする電気光学装置に関係する。
【0038】
また本発明は、上記に記載の電気光学装置を含むことを特徴とする電子機器に関係する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0040】
1.ラダー抵抗回路
図1、図2に本実施形態のラダー抵抗回路を示す。図1の構成例では主に抵抗ユニット(抵抗素子)と選択ユニット(選択回路)の配置について説明し、図2の構成例では本実施形態のラダー抵抗回路の詳細な構成例について説明する。なお本実施形態のラダー抵抗回路は図1、図2の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば第1、第2のデコーダ回路、選択ユニット)を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0041】
最初に、図1に示す構成例について説明する。なお以下では、図面の方向を図1に示す第1〜第4の方向D1〜D4を用いて説明する。図1に示すように、第2の方向D2は第1の方向D1に直交する方向であり、第3の方向D3は第1の方向D1の反対方向であり、第4の方向D4は第2の方向D2の反対方向である。
【0042】
図1のラダー抵抗回路は、複数の抵抗ユニットRA1〜RAmn(m、nは2以上の整数)と複数の選択ユニットSLA1〜SLAmnを含む。抵抗ユニットRA1〜RAmnは直列に接続されており、選択ユニットSLA1〜SLAmnの各選択ユニットは抵抗ユニットRA1〜RAmnの複数のタップのうちの対応するタップに各選択ユニットが接続されている。
【0043】
抵抗ユニットRA1〜RAmnのうちの第1〜第nの抵抗ユニットRA1〜RAnは方向D1に沿って配置され、第n+1〜第2nの抵抗ユニットRAn+1〜RA2nは、方向D3に沿って配置される。また、第n+1の抵抗ユニットRAn+1は、第nの抵抗ユニットRAnの方向D2に配置される。
【0044】
また、選択ユニットSLA1〜SLAmnのうちの第i(iは1≦i≦2nの整数)の選択ユニットSLAiは、第iの抵抗ユニットRAiの方向D2に配置され、抵抗ユニットRAiに対応するタップに接続されている。そして、第h(hは1≦h≦nの整数)の選択ユニットSLAhは、第hの抵抗ユニットRAhと第2n−h+1の抵抗ユニットRA2n−h+1との間に設けられる。
【0045】
抵抗ユニットRA2n+1〜RAmnおよび、選択ユニットSLAn+1〜SLAmnについても同様に配置される。
【0046】
具体的には、抵抗ユニットRA1〜RAmnは、m行n列のマトリックス状に配置され、1行ごとに抵抗ユニットの順番が逆方向に向かうように配置される。そして、その配置の順番通りに直列に接続されている。
【0047】
例えば、1行目である抵抗ユニットRA1〜RAnは、方向D1に沿ってRA1、RA2、RA3のように直列に接続されて配置される。2行目である抵抗ユニットRAn+1〜RA2nは、1行目とは折り返した方向である方向D3に沿ってRAn+1、RAn+2、RAn+3のように直列に接続されて配置される。折り返し部分では、抵抗ユニットRAn+1は、抵抗ユニットRAnに接続され抵抗ユニットRAnの方向D2に配置される。そして、3行目以降についても同様に、方向D1に沿って直列に接続され配置される行と方向D3に沿って直列に接続され配置される行が交互に繰り返される。
【0048】
また、選択ユニットSLA1〜SLAmnは、それぞれ抵抗ユニットRA1〜RAmnのD2方向に配置され、それぞれノードNA1〜NAmnに接続されている。ノードNA1〜NAmnは、それぞれ抵抗ユニットRA1〜RAmnのタップに対応する。
【0049】
例えば、1行目の選択ユニットSLA1〜SLAnは、1行目の抵抗ユニットRA1〜RAnと同様に方向D1に沿って並び、1行目の抵抗ユニットRA1〜RAnと2行目の抵抗ユニットRAn+1〜RA2nの間に配置される。そして、1行目の抵抗ユニットRA1〜RAnのタップに対応するノードNA1〜NAnに接続されている。例えば選択ユニットSLAnは、抵抗ユニットRAnとRAn+1の間に配置され、抵抗ユニットRAn−1とRAnの間のノードNAnに接続される。
【0050】
図1のラダー抵抗回路によれば、抵抗ユニットRA1〜RAmnと選択ユニットSLA1〜SLAmnをマトリックス状に配置したことにより、選択ユニットSLA1〜SLAmnをノードNA1〜NAmnにショートパスで接続することができ、コンパクトな配置を実現できる。また、行ごとに折り返して配置したことにより、折り返し部の抵抗ユニットを接続する配線が短くすることができる。これにより配線の寄生抵抗を小さくできるため、高精度の抵抗分割を実現できる。
【0051】
次に、図2に示す本実施形態のラダー抵抗回路の詳細な構成例について説明する。なお、以下では図1で説明した抵抗ユニットと選択ユニットがそれぞれ256個ずつである場合について説明する。ただし、本発明のラダー抵抗回路は、図2と異なる個数の抵抗ユニットおよび選択ユニットを含む構成にすることもできる。
【0052】
図2のラダー抵抗回路は、抵抗アレイ10、第1のデコーダ回路20、第2のデコーダ回路40を含む。抵抗アレイ10は、抵抗ユニットRB1〜RB256と選択ユニットSLB1〜SLB256を含む。この抵抗ユニットRB1〜RB256と選択ユニットSLB1〜SLB256は、16行16列に配置されており、図1で説明した抵抗ユニットRA1〜RAmnと選択ユニットSLA1〜SLAmnに対応している。
【0053】
第1のデコーダ回路20は、抵抗ユニットRB1〜RB256の方向D2に配置され、第2のデコーダ回路40は、抵抗ユニットRB1〜RB256の方向D3に配置される。第1のデコーダ回路20は複数の列選択信号SC1〜SC16を出力し、第2のデコーダ回路40は複数の行選択信号SR1〜SR16を出力する。列選択信号SC1〜SC16のラインは方向D2に沿って配線されており、行選択信号SR1〜SR16のラインは方向D3に沿って配線されている。そして、これらの列選択信号SC1〜SC16と行選択信号SR1〜SR16によって、選択ユニットSLB1〜SLB256のいずれかが選択されるようになっている。
【0054】
具体的には、1〜16列目の選択ユニットにはそれぞれ列選択信号SC1〜SC16が入力され、1〜16行目の選択ユニットにはそれぞれ行選択信号SR1〜SR16が入力される。ここで、図1で説明したように、抵抗ユニットRB1〜RB256は行ごとに折り返して配置されており、選択ユニットSLB1〜SLB256もそれに対応した配置になっている。そのため、例えば奇数行である1行目では、例えば選択ユニットSLB1、SLB2、SLB3に対して順番に列選択信号SC1、SC2、SC3のように入力される。一方、偶数行である2行目では、例えば選択ユニットSLB17、SLB18、SLB19に対して奇数行とは逆の順番に列選択信号SC16、SC15、SC14のように入力される。
【0055】
そして、第1のデコーダ回路20が列選択信号SC1〜SC16のいずれか1つの列選択信号をアクティブにし、第2のデコーダ回路40が行選択信号SR1〜SR16のいずれか1つの行選択信号をアクティブにする。これにより、アクティブにされた列選択信号と行選択信号がともに入力されている選択ユニットが選択される。例えば、選択ユニットSLB1には、列選択信号SC1と行選択信号SR1が入力されている。すなわち、第1のデコーダ回路20が列選択信号SC1をアクティブにし、第2のデコーダ回路40が行選択信号SR1をアクティブにすることにより、選択ユニットSLB1〜SLB256の中から選択ユニットSLB1が選択される。
【0056】
このようにして選択された選択ユニットは、その選択ユニットが接続されているタップに対応する電圧を出力する。具体的には、ノードNB1〜NB256が抵抗ユニットRB1〜RB256のタップに対応しており、分割電圧VB1〜VB256が出力される。選択ユニットSLB1〜SLB256はノードNB1〜NB256に接続されている。そして、選択された選択ユニットは対応する分割電圧を出力する。すなわち、列選択信号SC1〜SC16と行選択信号SR1〜SR16によって選択ユニットSLB1〜SLB256のうちの1つの選択ユニットが選択され、分割電圧VB1〜VB256のうちの選択された選択ユニットに対応する分割電圧が出力される。
【0057】
ここで、分割電圧VB1〜VB256は、ノードNB1〜NB256に対応する電圧であり、抵抗ユニットRB1〜RB256の抵抗分割によって生成される電圧である。例えば抵抗ユニットRB1〜RB256が電源電圧VGMHとVGMLの間に接続される場合、分割電圧VB1〜VB256は、抵抗ユニットRB1〜RB256によって抵抗分割された電源電圧VGMHとVGMLの間の電圧である。
【0058】
本実施形態のラダー抵抗回路によれば、選択ユニットSLB1〜SLB256から任意の選択ユニットを選択することにより、分割電圧VB1〜VB256から任意の1つの分割電圧を選択して出力することができる。
【0059】
例えば、本実施形態のラダー抵抗回路は、後に図8で説明する基準電圧生成回路に使用することができる。図8に示す基準電圧生成回路は、本実施形態のラダー抵抗回路を構成する抵抗アレイ10、第1のデコーダ回路20、第2のデコーダ回路40と、サンプルホールド部200とを含む。サンプルホールド部200は、サンプルホールド回路240−1〜240−Nを含む。
【0060】
具体的には、図8の本実施形態のラダー抵抗回路は、列選択信号SC1〜SCnと行選択信号SR1〜SRmによって分割電圧VG1〜VGmnの1つを任意に選択し、出力電圧VQAとしてノードNQAに出力する。そして、サンプルホールド部200が出力電圧VQAをサンプルホールドして基準電圧を生成する。例えば、サンプルホールド回路240−1〜240−Nは時分割に出力電圧VQAをサンプルホールドすることができ、分割電圧VG1〜VGmnから任意の組み合わせのN個の基準電圧を生成することができる。
【0061】
このように本実施形態のラダー抵抗回路を基準電圧生成回路に利用する場合、高精度の基準電圧を生成するために分割電圧VB1〜VB256にも精度が要求される。分割電圧VB1〜VB256に誤差を生じる原因として、例えば抵抗ユニットRB1〜RB256を直列に接続する配線の寄生抵抗が考えられる。そのため、配線長に直接影響を及ぼす抵抗ユニットRB1〜RB256の配置が重要である。
【0062】
例えば、第1の比較例として、抵抗ユニットRB1〜RB256を、図2のように行ごとに折り返して配置せず、全ての行において方向D1に沿って順番に配置する手法が考えられる。この場合、行の終端の抵抗ユニットと次の行の先頭の抵抗ユニット(例えば1行目の抵抗ユニットRB16と2行目の抵抗ユニットRB17)はD3方向に離れた配置になってしまう。そのため、行と行を接続する配線は方向D3に沿って配線され、抵抗ユニット1行分に相当する長い配線となってしまう。従って第1の比較例では、行と行の接続部分において配線が長いために配線抵抗が大きくなり、分割電圧VB1〜VB256の精度が下がるという課題がある。
【0063】
この点、本実施形態のラダー抵抗回路は、行の終端の抵抗ユニットと次の行の先頭の抵抗ユニット(例えばRB16とRB17)を方向D2に配置していることにより、第1の比較例に比べて行と行を接続する配線を短くすることができる。そのため、配線抵抗を小さくすることができ、高精度の分割電圧VB1〜VB256を出力できる。また、行と行を接続するための方向D3に沿った配線が不要となるため、回路面積を小さくすることもできる。
【0064】
第2の比較例として、例えば抵抗ユニットRB1〜RB256と選択ユニットSLB1〜SLB256を別ブロックとして配置する手法が考えられる。この場合、ブロック間の配線は256本という多数となるため、複雑な引き回しとなり回路面積の増大も招いてしまう。
【0065】
この点、本実施形態のラダー抵抗回路は、選択ユニットSLB1〜SLB256を対応する抵抗ユニットRB1〜RB256の方向D2に配置するとともに抵抗ユニットRB1〜RB256の行間に配置している。そのため、選択ユニットと対応するタップの距離が近くなり、配線の引き回しが減るため、回路面積の増大も抑制することができる。
【0066】
第3の比較例として、例えばデコーダ回路を1つだけ設け、この1つのデコーダ回路から選択信号を出力する手法が考えられる。この場合、選択ユニットSLB1〜SLB256から1つの選択ユニットを選択できるようにするためには、256本の選択信号を生成して出力する必要がある。そのため、デコードを行う論理回路の回路規模が増大し、デコーダ回路と選択ユニットとの配線も本数が多くなり複雑となる。その結果、ラダー抵抗回路の回路面積の増大を招いてしまう。
【0067】
この点、本実施形態のラダー抵抗回路は2つのデコーダ回路から16本ずつの選択信号を出力したことにより、第3の比較例に比べて少ない本数の選択信号で選択ユニットを選択することができる。そのためデコーダ回路の回路規模を小さくでき、配線本数も減少させることができる。さらに、格子状に選択信号のラインを配線することにより、配線の簡素化と配線面積の抑制を実現している。
【0068】
2.デコーダ回路
2.1.デコーダ回路の動作
図1、図2のラダー抵抗回路では、上述のように抵抗ユニットと選択ユニットが行ごとに折り返して配置されている。そのため、第1のデコーダ回路20が列選択信号をアクティブにする順番についても行ごとに反対方向の順番にする必要がある。
【0069】
以下では図3の動作例を用いて、この動作を実現する第1のデコーダ回路20と第2のデコーダ回路40について説明する。図3では説明を簡単にするために、抵抗ユニットと選択ユニットを4行4列に配置した場合を示す。この場合、第1のデコーダ回路20と第2のデコーダ回路40は、ビットD0〜D3(ビットD0〜Dj)をデコードしてそれぞれ4つの行選択信号SR1〜SR4と列選択信号SC1〜SC4を出力する。なお、以下ではビットD0、D1を下位ビットとし、ビットD2、D3を上位ビットとして説明するが、ビットD0、D1が上位ビットでビットD2、D3が下位ビットであってもよい。
【0070】
第1のデコーダ回路20は、下位ビットD0、D1(ビットD0〜DjのうちのビットD0〜Dk。kは0≦k≦j−1の整数)を受けて列選択信号SC1〜SC4のいずれかをアクティブにする。第2のデコーダ回路40は、上位ビットD2、D3(ビットD0〜DjのうちのビットDk+1〜Dj)を受けて行選択信号SR1〜SR4のいずれかをアクティブにする。このとき、第1のデコーダ回路20は、例えば第1の対応関係と第2の対応関係でビットD0、D1をデコードする。具体的には、第2のデコーダ回路40が奇数行の行選択信号SR1、SR3をアクティブにする場合には第1の対応関係でデコードし、第2のデコーダ回路40が偶数行の行選択信号SR2、SR4をアクティブにする場合には第2の対応関係でデコードする。
【0071】
例えば、第1のデコーダ回路20は、上位ビットD2(上位ビットDk+1〜DjのうちのビットDk+1)を受けて第1の対応関係と第2の対応関係で下位ビットD0、D1をデコードすることができる。ここで第2のデコーダ回路40は、ビットD2が第1の論理レベル(例えば「0」)のときに奇数行の行選択信号SR1、SR3のいずれかをアクティブにし、ビットD2が第2の論理レベル(例えば「1」)のときに偶数行の行選択信号SR2、SR4のいずれかをアクティブにする。そして、第1のデコーダ回路20は、ビットD2が第1の論理レベルのときに第1の対応関係で下位ビットD0、D1をデコードし、ビットD2が第2の論理レベルのときに第2の対応関係で前記下位ビットD0、D1をデコードする。
【0072】
図3を用いて具体的に説明する。以下では、図2と同様に奇数行の抵抗ユニットと選択ユニットは方向D1に沿った順番で配置され、偶数行の抵抗ユニットと選択ユニットは方向D3に沿った順番で配置されているとする。また、列選択信号SC1〜SC4のラインは、方向D1に沿った順番で配線されているとする。
【0073】
第2のデコーダ回路40は、ビットD2=0(広義には第1の論理レベル)のとき、奇数行の行選択信号SR1又はSR3をアクティブにする。すなわち、(D3,D2)=(0,0)のとき1行目の行選択信号SR1をアクティブにし、(D3,D2)=(1,0)のとき3行目の行選択信号SR3をアクティブにする。このとき、第1のデコーダ回路20は下位ビットD0、D1を第1の対応関係でデコードする。具体的には、下位ビット(D1,D0)=(0,0)、(0,1)、(1,0)、(1,1)に対応して、それぞれ列選択信号SC1、SC2、SC3、SC4をアクティブにする。
【0074】
一方、第2のデコーダ回路40は、ビットD2=1(広義には第2の論理レベル)のとき、偶数行の行選択信号SR2又はSR4をアクティブにする。すなわち、(D3,D2)=(0,1)のとき2行目の行選択信号SR2をアクティブにし、(D3,D2)=(1,1)のとき4行目の行選択信号SR4をアクティブにする。このとき、第1のデコーダ回路20は下位ビットD0、D1を第2の対応関係でデコードする。具体的には、下位ビット(D1,D0)=(0,0)、(0,1)、(1,0)、(1,1)に対応して、それぞれ列選択信号SC4、SC3、SC2、SC1をアクティブにする。
【0075】
このように、奇数行では(第1の対応関係で下位ビットをデコードする場合には)、第1のデコーダ回路20は、下位ビットD0、D1の表す数値が増加するに従って方向D1の方向で(第1の方向または第3の方向のいずれか一方の方向で)列選択信号SC1〜SC4をアクティブにしている。また偶数行では(第2の対応関係で下位ビットをデコードする場合には)、下位ビットD0、D1の表す数値が増加するに従って方向D3の方向で(一方の方向とは異なる他方の方向で)列選択信号SC1〜SC4をアクティブにしている。
【0076】
図3の動作例によれば、本実施形態のラダー抵抗回路は、抵抗ユニットと選択ユニットを行ごとに折り返す配置に対応したデコードを実現することができる。例えば、選択される選択ユニットとビット(D3,D2,D1,D0)=(0,0,0,0)〜(1,1,1,1)を順番に対応させることができる。
【0077】
2.2.第1のデコーダ回路の詳細な構成例
図4、図5に第1のデコーダ回路20の詳細な構成例を示す。図4、図5では、下位ビットをD0〜D3とし、ビットD4の論理レベルに基づいて第1の対応関係と第2の対応関係でデコードする場合の構成例を示している。ここでは簡単のために図2と同様に列選択信号SC1〜SC16のラインが方向D1に沿った順番で配線されているものとして説明する。
【0078】
図4に示す第1のデコーダ回路20は、論理回路22、複数の出力回路24−1〜24−16を含む。論理回路22は、ビットD4(Dk+1)を受けて下位ビットD0〜D3(D0〜Dk)に対応する正転信号S0〜S3(S0〜Sk)と反転信号SX0〜SX3(SX0〜SXk)を出力する。出力回路24−1〜24−16は、正転信号S0〜S3と反転信号SX0〜SX3を受けて列選択信号SC1〜SC16を出力する。
【0079】
具体的には、論理回路22は、ビットD4が第1の論理レベル(「0」)の場合に、正転信号S0〜S3を正転出力端子TD0〜TD3に出力し、反転信号SX0〜SX3を反転出力端子TDX0〜TDX3に出力する。一方ビットD4が第2の論理レベル(「1」)の場合には、反転信号SX0〜SX3を正転出力端子TD0〜TD3から出力し、正転信号S0〜S3を反転出力端子TDX0〜TDX3から出力する。
【0080】
そして、出力回路24−1〜24−16は、ビットD4が第1の論理レベルの場合には、下位ビットD0〜D3の表す数値が増加するに従ってD1の方向(第1の方向または第3の方向のいずれか一方の方向)で、列選択信号SC1〜SC16をアクティブにする。一方、ビットD4が第2の論理レベルの場合には、下位ビットD0〜D3の表す数値が増加するに従ってD3の方向(一方の方向とは異なる他方の方向)で、列選択信号SC1〜SC16をアクティブにする。
【0081】
例えば図4に示すように論理回路22、出力回路24−1〜24−16を構成することができる。まず、図4に示す論理回路22の構成例を説明する。図4の論理回路22は、ビットD0〜D3に対応した正転又は反転の論理レベルをノードND0〜ND3に出力できるようになっている。そして、インバータIND0−4〜IND3−4によって端子TD0〜TD3からノードND0〜ND3の正転の論理レベルが出力され、インバータIND0−3〜IND3−3によって端子TDX0〜TDX3からノードND0〜ND3の反転の論理レベルが出力される。
【0082】
具体的には、ビットD4が第1の論理レベル(「0」)のとき、インバータIND4−1はノードGDをアクティブにし、インバータIND4−2はノードGDXを非アクティブにする。これにより、スイッチ素子SD0〜SD3はオンし、スイッチ素子SDX0〜SDX3はオフするため、ノードND0〜ND3にはインバータIND0−2〜3−2によってビットD0〜D3の正転の論理レベルが出力される。一方、ビットD4が第2の論理レベル(「1」)のとき、インバータIND4−1はノードGDを非アクティブにし、インバータIND4−2はノードGDXをアクティブにする。これにより、スイッチ素子SD0〜SD3はオフし、スイッチ素子SDX0〜SDX3はオンするため、ノードND0〜ND3にはインバータIND0−1〜3−1によってビットD0〜D3の反転の論理レベルが出力される。
【0083】
なお、スイッチ素子SD0〜SD3、SDX0〜SDX3は例えばCMOSトランジスタを用いたトランスファーゲートにより構成することができる。
【0084】
次に、図4に示す出力回路24−1〜24−16の構成例について説明する。出力回路24−1〜24−16は同様の構成とすることができるため、ここでは出力回路24−1を例にとって説明する。図4の出力回路24−1は、NAND回路NDD1−1、NDD1−2、NOR回路NRD1により構成される。NOR回路NRD1は、NAND回路NDD1−1の出力とNDD1−2の出力が入力され、列選択信号SC1を出力する。NAND回路NDD1−1には端子TDX2とTDX3の出力が入力され、NDD1−2には端子TDX0とTDX1の出力が入力される。そして、出力回路24−1は端子TDX0〜TDX3の出力がアクティブのとき列選択信号SC1をアクティブにする。なお、出力回路24−2〜24−16も同様に構成できるが、端子TD0〜TD3、TDX0〜TDX3との接続関係が異なっている。例えば、出力回路24−2は端子TD0、TDX1〜TDX3の出力がアクティブのとき列選択信号SC2をアクティブにするように接続される。
【0085】
図5に図4の第1のデコーダ回路20の具体的な動作例を示す。図5に示すように、D4=0のとき、例えば(D3,D2,D1,D0)=(0,0,0,0)であればノードND0〜ND3には(0,0,0,0)が出力される。そして、端子TD0〜TD3にはD0〜D3の正転信号(S3,S2,S1,S0)=(0,0,0,0)が出力される。また、端子TDX0〜TDX3にはD0〜D3の反転信号(SX3,SX2,SX1,SX0)=(1,1,1,1)が出力される。これにより、列選択信号SC1は1となり他の列選択信号は0となる。同様に、(D3,D2,D1,D0)=(0,0,0,1)、(0,0,1,0)、(0,0,1,1)となるに従って、列選択信号SC2、SC3、SC4が順番に1になる。
【0086】
一方、D4=1のとき、例えば(D3,D2,D1,D0)=(0,0,0,0)であればノードND0〜ND3には(1,1,1,1)が出力される。そして、端子TD0〜TD3には(SX3,SX2,SX1,SX0)=(1,1,1,1)が出力され、端子TDX0〜TDX3には(S3,S2,S1,S0)=(0,0,0,0)が出力される。これにより、列選択信号SC16は1となり他の列選択信号は0となる。同様に、(D3,D2,D1,D0)=(0,0,0,1)、(0,0,1,0)、(0,0,1,1)となるに従って、列選択信号SC15、SC14、SC13が順番に1になる。
【0087】
このように、図4、図5に示す第1のデコーダ回路20の詳細な構成例によれば、下位ビットD0〜D3の示す数値が増加するに従って列選択信号SC1〜SC16をアクティブにする方向を、ビットD4の論理レベルによって制御することができる。
【0088】
2.3.第2のデコーダ回路の詳細な構成例
図6に第2のデコーダ回路40の詳細な構成例を示す。図6では、上位ビットD4〜D7(Dk+1〜Dj)をデコードして行選択信号SR1〜SR16を出力する場合の構成例を示している。
【0089】
図6に示す第2のデコーダ回路40は、インバータINE4−1〜7−1、INE4−2〜7−2、出力回路44−1〜44−16により構成できる。インバータINE4−1〜7−1は、ノードNEX4〜NEX7にビットD4〜D7の論理を反転した論理を出力する。インバータINE4−2〜7−2は、ノードNE4〜NE7にビットD4〜D7の論理と同じ論理を出力する。出力回路44−1〜44−16は、図4の出力回路24−1〜24−16と同様にそれぞれ2つのNAND回路と1つのNOR回路により構成できる。そして、出力回路44−1〜44−16はそれぞれ行選択信号SR1〜SR16を出力する。
【0090】
例えば出力回路44−1のNAND回路にはノードNEX4〜NEX7が接続され、出力回路44−2のNAND回路にはノードNE4、NEX5〜NEX7が接続され、出力回路44−16のNAND回路にはノードNE4〜NE7が接続される。そのため、(D7,D6,D5,D4)=(0,0,0,0)のとき行選択信号SR1が1となり他の行選択信号は0となる。(D7,D6,D5,D4)=(0,0,0,1)のとき行選択信号SR2が1となり他の行選択信号は0となる。(D7,D6,D5,D4)=(1,1,1,1)のとき行選択信号SR16が1となり他の行選択信号は0となる。
【0091】
このように、図6に示す第2のデコーダ回路40によれば、上位ビットD4〜D7に応じて行選択信号SR1〜SR16のいずれかをアクティブにすることができる。
【0092】
3.選択ユニット
図7に選択ユニットの詳細な構成例を示す。図7の選択ユニットSLFは、NAND回路NDF、インバータINF、スイッチ素子SFにより構成することができる。NAND回路NDFには行選択信号SRと列選択信号SCが入力され、インバータINFにはNAND回路NDFの出力が入力される。スイッチ素子SFは、ノードNFとノードNQFの間に設けられ、インバータINFの出力によってオン、オフを制御される。
【0093】
そして、行選択信号SRと列選択信号SCがともにアクティブの場合にはインバータINFの出力はアクティブとなり、スイッチ素子SFはオンとなる。そのため、ノードNFの電圧がノードNQFに出力される。すなわち、抵抗ユニットRFのタップに対応する電圧がノードNQFに出力される。一方、行選択信号SRと列選択信号SCの少なくとも一方が非アクティブの場合にはインバータINFの出力は非アクティブとなり、スイッチ素子SFはオフとなる。
【0094】
なお、スイッチ素子SFは例えばCMOSトランジスタを用いたトランスファーゲートにより構成することができる。また、抵抗ユニットRFは例えばポリ抵抗等により構成することができる。
【0095】
4.階調電圧生成回路
図8に本実施形態の基準電圧生成回路を示す。以下では、本実施形態の基準電圧生成回路を、後述する図14に示すドライバ480の階調電圧生成回路430に適用した例について説明する。階調電圧生成回路430は、電気光学パネル400(例えば液晶パネル、EL素子パネル)の階調特性(γ特性)を補正(γ補正)するための階調電圧(γカーブ)を生成する回路である。この場合には、本発明の基準電圧生成回路は、少なくとも1つの基準電圧として複数の階調電圧を生成する。
【0096】
ただし、本発明の基準電圧生成回路は少なくとも1つの基準電圧を生成するものであればよく、例えば1つだけ基準電圧を生成するものであってもよい。また、本発明の基準電圧生成回路は、階調電圧生成回路430以外にも、複数の組み合わせの基準電圧を切り替える回路や、基準電圧を時分割に出力する回路にも適用可能である。例えば、図14のドライバ480の電源回路490に適用することもできる。
【0097】
まず、本実施形態の比較例の階調電圧生成回路について図9を用いて説明する。この比較例の階調電圧生成回路は、複数の可変抵抗回路R0〜Rs+1(sは0以上の整数)を含むラダー抵抗により構成される。可変抵抗回路R0〜Rs+1は、電源電圧VGMHと電源電圧VGMLの間に直列に接続されており、これらの電源電圧の間を抵抗分割して階調電圧V0〜Vsを出力する。これにより、表示特性に合わせた階調電圧V0〜Vsを生成することができる。
【0098】
しかしながら、この比較例の階調電圧生成回路には、可変抵抗回路R0〜Rs+1があらかじめ決められた範囲内でしか抵抗値を設定できないために、階調電圧を調整できる範囲が狭いという課題があった。
【0099】
図8に示す構成の本実施形態の階調電圧生成回路(基準電圧生成回路、γ補正回路)によれば、以上のような課題を解決できる。この階調電圧生成回路は、抵抗アレイ10、第1のデコーダ20、第2のデコーダ40、サンプルホールド部200を含む。抵抗アレイ10、第1のデコーダ20、第2のデコーダ40は、本実施形態のラダー抵抗回路に対応しており、複数ビットの選択信号DA[0:q]は図2のビットD0〜D7に対応している。また抵抗アレイ10は、図1等で説明した抵抗ユニットRG1〜RGmnと選択ユニットSLG1〜SLGmnを含む。そして、サンプルホールド部200は、複数のサンプルホールド回路240−1〜240−Nを含む。
【0100】
なお、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの変形実施も可能である。
【0101】
本実施形態のラダー抵抗回路は、ノードNQAに出力電圧VQAを出力する。そして、サンプルホールド回路240−1〜240−Nは、各サンプルホールド回路が出力電圧VQAをサンプリングしてホールドし、階調電圧(広義には基準電圧)を生成する。
【0102】
具体的には、抵抗ユニットRG1〜RGmnは、電源電圧VGMHと電源電圧VGMLの間の電圧を分割電圧VG1〜VGmnに抵抗分割する。分割電圧VG1〜VGmnはそれぞれ選択ユニットSLG1〜SLGmnに入力され、選択ユニットSLG1〜SLGmnの出力はノードNQAに接続される。そして、第1のデコーダ回路20と第2のデコーダ回路40によって選択ユニットSLG1〜SLGmnのいずれかが選択され、選択された選択ユニットに対応する分割電圧が出力電圧VQAとしてノードNQAに出力される。具体的には、図示しない制御回路(例えば図14の制御回路442)から入力される選択信号DA[0:q]を受けて、第1のデコーダ回路20が列選択信号SC1〜SCnのいずれかをアクティブにし第2のデコーダ回路40が行選択信号SR1〜SRmのいずれかをアクティブにすることによって、選択ユニットSLG1〜SLGmnのいずれかが選択される。
【0103】
そして、サンプルホールド回路240−1〜240−Nは、各サンプルホールド回路が独立して出力電圧VQAをサンプルホールドする。例えば、出力電圧VQAとして分割電圧VG1〜VGmnのいずれか1つが出力され、サンプルホールド回路240−1〜240−Nのいずれか1つがその分割電圧をサンプリングする。そして、出力電圧VQAとして分割電圧VG1〜VGmnの他の1つが出力され、サンプルホールド回路240−1〜240−Nの他の1つがその分割電圧をサンプリングする。このようにして、各サンプルホールド回路が、それぞれ異なる電圧の階調電圧を出力することができる。
【0104】
ここで、サンプルホールド回路240−1〜240−Nは、図示しない制御回路等からの複数ビットのサンプリング指示信号DB[0:r](rは自然数)を受けてサンプルホールドすることもできる。例えば、サンプリング指示信号DB[0:r]がサンプルホールド回路240−1のサンプリングを指示する信号である場合には、サンプルホールド回路240−1が出力電圧VQAをサンプリングする。
【0105】
なお、サンプルホールド回路240−1〜240−Nは、そのうちの複数のサンプルホールド回路が、出力電圧VQAとして選択された同じ分割電圧をサンプルホールドし、同じ電圧の階調電圧を出力してもよい。また、サンプルホールド回路240−1〜240−Nは、時分割で出力電圧VQAをサンプルホールドし、階調電圧を出力してもよい。
【0106】
以上のように、図8に示す本実施形態の階調電圧生成回路によれば、m×n個の分割電圧VG1〜VGmnから任意の組み合わせと順序でN個の階調電圧を生成することができるため、階調電圧を広い範囲で調整することができる。すなわち、電気光学パネル400に様々な製品が使用されたとしても、製品ごとに最適な階調電圧を生成することができる。
【0107】
ここで、本実施形態の階調電圧生成回路は、例えばN個の階調電圧をm×n個の分割電圧よりも少ない個数とすることもできる。例えば、256個(m=n=16)の分割電圧からN=64個の階調電圧をサンプルホールドして出力することができる。この場合、256個の分割電圧の間隔は64個の階調電圧に必要な間隔よりも十分小さいため、液晶パネルの表示特性に近い階調電圧を非常に容易に選択することができる。ただし、m×n個の分割電圧がN個の階調電圧よりも個数が少なくてもよく、m×n個の分割電圧がN個の階調電圧と同数であってもよい。
【0108】
5.サンプルホールド部
図10及び図12にサンプルホールド部200の第1、第2の構成例を示す。図10のサンプルホールド部は、本実施形態のラダー抵抗回路が出力する複数個の分割電圧から任意の階調電圧をサンプルホールドして出力できる。しかし、図10の第1の構成例には課題もある。それは、サンプリング期間中に階調電圧を出力できないことである。そこで、図12の第2の構成例では、2つのサンプルホールド部にサンプルホールドと出力を交互に行わせることによって、この課題を解決している。
【0109】
5.1.第1の構成例
最初に、図10に示す第1の構成例について説明する。図10にはサンプルホールド部200の構成例のみ示しているが、このサンプルホールド部200は本実施形態のラダー抵抗回路からの出力電圧VQAをサンプリングする。まず、第1の構成例における本実施形態のラダー抵抗回路の動作について説明する。
【0110】
本実施形態のラダー抵抗回路は、選択信号DA[0:q]を受けて、第1〜第t(tは自然数)の出力期間のうちの各出力期間において、出力電圧VQAを出力する。出力電圧VQAは、各出力期間において、本実施形態のラダー抵抗回路が出力する分割電圧VG1〜VGmnのいずれかに対応する。そして、出力される出力電圧VQAは、第1〜第tの出力期間のうちの各出力期間で異なる電圧を出力することができる。
【0111】
なお、本実施形態のラダー抵抗回路は、第1〜第tの出力期間のうちの一部の出力期間または全出力期間で同一の分割電圧を選択して出力電圧VQAとして出力してもよい。
【0112】
図10に示すように、サンプルホールド部200は第1〜第tのサンプルホールド回路SHA1〜SHAtを有する。サンプルホールド回路SHA1〜SHAtには出力電圧VQAが入力される。そして、サンプルホールド回路SHA1〜SHAtは、少なくとも1つの階調電圧として第1〜第tの階調電圧VGA1〜VGAtをノードNGA1〜NGAtに出力する。
【0113】
具体的には、サンプルホールド回路SHAsは、第sの出力期間において出力電圧VQAをサンプリングする。サンプリングは、サンプリング指示信号DB[0:r]に基づいて行われる。サンプルホールド回路SHAsは、サンプリングした出力電圧VQAをホールドし階調電圧VGAsとしてノードNGAsに出力する。
【0114】
次に、図11を用いて、第1〜第tの出力期間が周期的に繰り返す場合の動作例について説明する。
【0115】
図11のA1に示すように、第1の出力期間TQ1において、選択信号DA[0:q]は分割電圧VG1に対応する信号である。この信号に基づいて第1のデコーダ回路20は列選択信号SC1をアクティブにし第2のデコーダ回路40は行選択信号SR1をアクティブにする。これにより選択ユニットSLG1が選択され、分割電圧VG1を出力電圧VQAとして出力する。
【0116】
そして、A3に示すように、第1の出力期間TQ1において、サンプリング指示信号DB[0:r]は、サンプルホールド回路SHA1に対してサンプリングを行うことを指示する。これにより、A4に示すように、サンプルホールド回路SHA1は、分割電圧VG1をサンプリングする。このサンプリングは、出力期間TQ1に対応するサンプリング期間TSA1において行われる。そしてA5に示すように、出力期間TQ2〜TQtに対応するホールド期間THA1においては、サンプルホールド回路SHA1は、出力期間TQ1でサンプリングした分割電圧VG1をホールドし、階調電圧VGA1として出力する。
【0117】
また、第2の出力期間TQ2においては、A6に示す選択信号DA[0:q]に従ってA7に示すように出力電圧VQAとして分割電圧VG3が出力される。そして、サンプルホールド回路SHA2は、A8に示すサンプリング指示信号DB[0:r]に従って、A9に示すように出力期間TQ2に対応するサンプリング期間TSA2において分割電圧VG3をサンプリングする。そしてA10に示すように、出力期間TQ3〜TQt及び次回の出力期間TQ1に対応するホールド期間THA2においては、サンプルホールド回路SHA2は、出力期間TQ2でサンプリングした分割電圧VG2をホールドし、階調電圧VGA2として出力する。
【0118】
以降一般には、第sの出力期間TQsにおいて、A11に示す選択信号DA[0:q]に従ってA12に示すように出力電圧VQAとして分割電圧VGfが出力される。そして、サンプルホールド回路SHAsは、A13に示すサンプリング指示信号DB[0:r]に従って、A14に示すように出力期間TQsに対応するサンプリング期間TSAsにおいて分割電圧VGfをサンプリングする。A15に示すように、出力期間TQs+1〜TQt及び次回の出力期間TQ1〜TQs−1に対応するホールド期間THAsにおいては、サンプルホールド回路SHAsは、出力期間TQsでサンプリングした分割電圧VGfをホールドし、階調電圧VGAsとして出力する。
【0119】
図10のサンプルホールド部200は、同様の動作をA16に示す出力期間TQtまで繰り返し、出力期間TQ1〜TQtにおける1回分の動作を完了する。これにより、このサンプルホールド部200は、t個の階調電圧VGA1〜VGAtを生成して出力する。図11では、出力期間TQ1〜TQtを周期的に繰り返し、図10のサンプルホールド部200は、階調電圧VGA1〜VGAtを周期的に生成して出力する。
【0120】
なお、このサンプルホールド部200が周期的に生成する階調電圧VGA1〜VGAtは、周期ごとに異なってもよく、毎周期同じでもよい。また例えば、複数の階調電圧のセットを周期的に生成することもできる。また、階調電圧VGA1〜VGAtは、各階調電圧が異なる電圧であってもよく、一部または全部が同一の電圧であってもよい。
【0121】
また、サンプルホールド回路SHA1〜SHAtは、それぞれのホールド期間THA1〜THAtにおいて、ホールドしている電圧を階調電圧として期間の全部で出力してもよいし、期間の一部でのみ出力してもよい。また、サンプルホールド回路SHA1〜SHAtの出力全てを階調電圧として利用してもよく、一部を階調電圧として利用してもよい。例えば、一部をデータドライバ450の階調電圧として出力し、他の一部を電源回路490の出力に代えて利用してもよい。
【0122】
このように、図10の第1の構成例によれば、本実施形態のラダー抵抗回路が出力するm×n個の分割電圧から任意のt個の階調電圧をサンプルホールドするサンプルホールド部200を実現できる。また、第1の構成例によれば、階調電圧を広い範囲で調整することができるため、様々な液晶パネルの表示特性に対応できる汎用性の高い階調電圧生成回路を提供することができる。
【0123】
一方この第1の構成例では、階調電圧のサンプルホールドと出力を1組のサンプルホールド部200によって行っているために、サンプルホールド回路SHA1〜SHAtがサンプリングしている間は階調電圧を出力できないという課題がある。
【0124】
例えば、本実施形態の階調電圧生成回路が1水平期間ごとに64階調の階調電圧を図14のデータドライバ450に供給しているとする。この場合、1水平期間において階調電圧生成回路が64回のサンプリング動作を行うことになり、その64回のサンプリング動作に要する期間の分だけ、データドライバ450が階調電圧を利用できる期間が短くなるという課題がある。
【0125】
そこで、図12に示す第2の構成例では、2つのサンプルホールド部を設け、一方のサンプルホールド部がサンプリングしている期間は、他方に階調電圧を出力させることによって、この課題を解決している。
【0126】
5.2.第2の構成例
以下では、図12に示すサンプルホールド部の第2の構成例について説明する。このサンプルホールド部200は、第1のサンプルホールド部220−1と第2のサンプルホールド部220−2を有する。そして、第1の期間と第2の期間があり、周期的に繰り返される。この第1のサンプルホールド部220−1は、第1の期間において出力電圧VGAをサンプリングし、続く第2の期間において第1の期間にサンプリングした電圧をホールドする。第2のサンプルホールド部220−2は、第2の期間において出力電圧VGAをサンプリングし、続く第1の期間において第1の期間にサンプリングした電圧をホールドする。
【0127】
そして、図12のサンプルホールド部200は、図示しない制御回路等からの出力指示信号POLを受けて階調電圧VGB1〜VGBpを出力する。第1の期間においては、第2のサンプルホールド部220−2のホールドする電圧が選択され、階調電圧VGB1〜VGBpとして出力される。第2の期間においては、第1のサンプルホールド部220−1のホールドする電圧が選択され、階調電圧VGB1〜VGBpとして出力される。
【0128】
具体的には、第1のサンプルホールド部220−1は、サンプルホールド回路SHB11〜SHB1pを有し、第2のサンプルホールド部220−2は、サンプルホールド回路SHB21〜SHB2pを有する。サンプルホールド回路SHB11〜SHB1pとSHB21〜SHB2pには、出力電圧VQAが入力される。また、サンプルホールド回路SHB11〜SHB1pとSHB21〜SHB2pは、ノードNGB1〜NGBpに階調電圧VGB1〜VGBpを出力する。
【0129】
そして、第1の期間においては、サンプルホールド回路SHB11〜SHB1pはサンプリング指示信号DB[0:r]を受けて出力VQAをサンプリングする。サンプルホールド回路SHB21〜SHB2pは第2の期間においてサンプリングした電圧をホールドする。第1の期間においては、出力指示信号POLに基づいて、サンプルホールド回路SHB21〜SHB2pがホールドする電圧が階調電圧VGB1〜VGBpとして出力される。第2の期間においては、サンプルホールド回路SHB21〜SHB2pはサンプリング指示信号DB[0:r]を受けて出力VQAをサンプリングする。サンプルホールド回路SHB11〜SHB1pは、第1の期間においてサンプリングした電圧をホールドする。第2の期間においては、出力指示信号POLに基づいて、サンプルホールド回路SHB11〜SHB1pのホールドする電圧が階調電圧VGB1〜VGBpとして出力される。
【0130】
以上に説明したように、2つのサンプルホールド部を設けることによって、一方のサンプルホールド部にp個の階調電圧を生成させ、その間は他方のサンプルホールド部に他のp個の階調電圧を出力させておくことができる。例えば、2組のp個の階調電圧を交互に生成して出力することもできるし、3組以上の複数組のp個の階調電圧を周期的に生成して出力することもできる。
【0131】
次に、図13を用いて本実施形態の動作を具体的に説明する。
【0132】
図13のB1に示すように、第1のサンプルホールド部220−1は、第1の期間TB1に対応するサンプリング期間TSB1において、出力電圧VGAをサンプリングする。このサンプリングは、サンプリング指示信号DB[0:r]に基づいて行われる。そして、B2に示すように、第2の期間TB2に対応するホールド期間THB1において、B1に示すサンプリング期間TSB1でサンプリングした電圧をホールドしている。ここで、B3に示すように、出力指示信号POLは第2の信号レベルPB2である。これにより、B4に示すように、第1のサンプルホールド部220−1がホールドしている電圧が階調電圧VGB1〜VGBpとして出力される。
【0133】
続いてB5に示すように、第2のサンプルホールド部220−2は、第2の期間TB2に対応するサンプリング期間TSB2において、出力電圧VGAをサンプリングする。そして、B6に示すように、第2の期間TB1に対応するホールド期間THB2において、B5に示すサンプリング期間TSB2でサンプリングした電圧をホールドしている。ここで、B7に示すように、出力指示信号POLは第1の信号レベルPB1である。これにより、B8に示すように、第2のサンプルホールド部220−2がホールドしている電圧が階調電圧VGB1〜VGBpとして出力される。
【0134】
このとき、第1のサンプルホールド部220−1と第2のサンプルホールド部220−2は、それぞれのサンプリング期間TSB1とTSB2において、図10のサンプルホールド部200と同様なサンプルホールド動作を行う。ここでは、第1のサンプルホールド部220−1のサンプリング期間TSB1におけるサンプルホールド動作を例にとって説明する。
【0135】
図13のB9に示すように、第1の出力期間TQB1において、選択信号DA[0:q]に従って例えば分割電圧VG1が出力電圧VQAとして出力される。そして、サンプルホールド回路SHB11は、B10に示すサンプリング指示信号DB[0:r]に従って、分割電圧VG1をサンプリングする。出力期間TQB2〜TQBpにおいては、サンプルホールド回路SHB11は、出力期間TQB1でサンプリングした分割電圧VG1をホールドする。出力期間TQB2〜TQBpにおいても同様にサンプルホールド回路SHB12〜SHB1pがサンプルホールド動作を行い、p個の階調電圧を生成することができる。
【0136】
このように、図12の第2の構成例によれば、複数の組の階調電圧を繰り返し出力できる。また、2つのサンプルホールド部のうち一方のサンプルホールド部が階調電圧を出力している間に、他方のサンプルホールド部が階調電圧をサンプリングすることができる。これにより、2つのサンプルホールド部が交互に階調電圧を出力するため、図10の第1の構成例ではサンプリング期間に階調電圧を出力できなかったという課題を解決している。
【0137】
例えば、代表的な電気光学パネル400である液晶パネルでは、極性反転における正極性と負極性で階調特性が異なっているため、この階調特性を正確に階調補正するためには、各極性の階調特性に適した階調電圧が必要である。このような場合に本実施形態の階調電圧生成回路を適用すれば、複数の組の階調電圧として各極性の階調特性に適した階調電圧を出力させることができる。例えば、1水平期間ごとに極性反転を行う電気光学装置600に適用した場合が考えられる。この場合の例として、図13の期間TB1、TB2をそれぞれ1水平期間とし、期間TB1において正極階調電圧を出力させ、期間TB2において負極階調電圧を出力させる場合が考えられる。また、3回の期間TB1、TB2が2水平期間に対応する場合も考えられる。例えば、1回目の期間TB1で第1の色成分(赤)の正極階調電圧を出力させ、1回目の期間TB2で第2の色成分(緑)の正極階調電圧を出力させ、2回目の期間TB1で第3の色成分(青)の正極階調電圧を出力させる。そして、2回目の期間TB2で第1の色成分(赤)の負極階調電圧を出力させ、3回目の期間TB1で第2の色成分(緑)の負極階調電圧を出力させ、3回目の期間TB2で第3の色成分(青)の負極階調電圧を出力させることもできる。
【0138】
6.ドライバ、電気光学装置
図14に本実施形態の階調電圧生成回路(基準電圧生成回路、γ補正回路)を含むドライバ480(集積回路装置)及びこのドライバ480を含む電気光学装置600の構成例を示す。なお本実施形態のドライバ480及び電気光学装置600は図14の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば走査ドライバ、メモリ等)を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0139】
電気光学パネル400(電気光学装置)は、複数のデータ線(例えばソース線)と、複数の走査線(例えばゲート線)と、データ線及び走査線により特定される複数の画素を有する。そして各画素領域における電気光学素子(狭義には、液晶素子、EL素子)の光学特性を変化させることで、表示動作を実現する。この電気光学パネル400(狭義には表示パネル)は、例えばTFT、TFDなどのスイッチ素子を用いたアクティブマトリクス方式のパネルにより構成できる。なお電気光学パネルは、アクティブマトリクス方式以外のパネルであってもよいし、液晶パネル以外の例えば有機EL(Electro Luminescence)や無機ELなどの発光素子を用いたパネルであってもよい。
【0140】
ドライバ480(集積回路装置)は、電気光学パネルのデータ線に供給するデータ信号(電圧信号、電流信号)と走査線に供給する走査信号を生成する。
【0141】
メモリ420(表示データRAM)は画像データを記憶する。メモリセルアレイ422は複数のメモリセルを含み、少なくとも1フレーム(1画面)分の画像データ(表示データ)を記憶する。ローアドレスデコーダ424(MPU/LCDローアドレスデコーダ)はローアドレスについてのデコード処理を行い、メモリセルアレイ422のワード線の選択処理を行う。カラムアドレスデコーダ426(MPUカラムアドレスデコーダ)はカラムアドレスについてのデコード処理を行い、メモリセルアレイ422のビット線の選択処理を行う。ライト/リード回路428(MPUライト/リード回路)はメモリセルアレイ422への画像データのライト処理や、メモリセルアレイ422からの画像データのリード処理を行う。
【0142】
ロジック回路440(ドライバ用ロジック回路)は、表示タイミングを制御するための制御信号やデータ処理タイミングを制御するための制御信号などを生成する。このロジック回路440は例えばゲートアレイ(G/A)などの自動配置配線により形成できる。
【0143】
制御回路442は各種制御信号を生成したり、装置全体の制御を行う。具体的には階調電圧生成回路430に対して、階調特性(γ特性)を調整するための階調調整データ(γ補正データ)を出力したり、電源回路490に対して、電源電圧を調整するための電源調整データを出力する。またローアドレスデコーダ424、カラムアドレスデコーダ426、ライト/リード回路428を用いたメモリへのライト/リード処理を制御する。
【0144】
表示タイミング制御回路444は表示タイミングを制御するための各種の制御信号を生成し、メモリ420から電気光学パネル側への画像データの読み出しを制御する。ホスト(MPU)インターフェース回路446は、ホストからのアクセス毎に内部パルスを発生してメモリ420にアクセスするホストインターフェースを実現する。RGBインターフェース回路448は、ドットクロックにより動画のRGBデータをメモリ420に書き込むRGBインターフェースを実現する。なおホストインターフェース回路446、RGBインターフェース回路448のいずれか一方のみを設ける構成としてもよい。
【0145】
データドライバ450は、電気光学パネル400(電気光学装置)のデータ線を駆動するためのデータ信号(電圧、電流)を生成する回路である。具体的にはデータドライバ450は、メモリ420から画像データ(階調データ、表示データ)を受け、階調電圧生成回路430から複数(例えば256段階)の階調電圧(基準電圧)を受ける。そして、これらの複数の階調電圧の中から、画像データ(階調データ)に対応する電圧(データ電圧)を選択して、電気光学パネル400のデータ線に出力する。
【0146】
走査ドライバ470は電気光学パネル400の走査線を駆動するための走査信号を生成する回路である。具体的には、内蔵するシフトレジスタにおいて信号(イネーブル入出力信号)を順次シフトし、このシフトされた信号をレベル変換した信号を、走査信号(走査電圧)として電気光学パネルの各走査線に出力する。なお走査ドライバ470に、走査アドレス生成回路やアドレスデコーダを含ませ、走査アドレス生成回路が走査アドレスを生成して出力し、アドレスデコーダが走査アドレスのデコード処理を行うことで、走査信号を生成してもよい。
【0147】
電源回路490は各種の電源電圧を生成する回路である。具体的には、入力電源電圧や内部電源電圧を、内蔵する昇圧回路が含む昇圧用キャパシタや昇圧用トランジスタを用いてチャージポンプ方式で昇圧する。そして昇圧により得られた電圧を、データドライバ450、走査ドライバ470、階調電圧生成回路430などに供給する。
【0148】
階調電圧生成回路430は階調電圧を生成してデータドライバ450に供給する回路である。具体的には階調電圧生成回路430は、高電位側電圧と低電位側電圧の間を抵抗分割し、抵抗分割ノードに階調電圧を出力するラダー抵抗回路を含むことができる。また階調調整データが書き込まれる階調レジスタ部や、書き込まれた階調調整データに基づいて、抵抗分割ノードに出力される階調電圧を可変に設定(制御)する階調電圧設定回路などを含むことができる。
【0149】
7.電子機器
図15(A)、図15(B)に本実施形態のドライバ480を含む電子機器や電気光学装置600の構成例を示す。なお図15(A)、図15(B)の構成要素の一部を省略したり、他の構成要素(例えばカメラ、操作部又は電源等)を追加するなどの種々の変形実施が可能である。また本実施形態の電子機器は携帯電話機には限定されず、デジタルカメラ、PDA、電子手帳、電子辞書、プロジェクタ、リアプロジェクションテレビ、或いは携帯型情報端末などであってもよい。
【0150】
図15(A)、図15(B)においてホストデバイス410は、例えばMPU、ベースバンドエンジンなどである。このホストデバイス410は、ドライバ480の制御を行う。或いはアプリケーションエンジンやベースバンドエンジンとしての処理や、圧縮、伸長、サイジングなどのグラフィックエンジンとしての処理を行うこともできる。また図15(B)の画像処理コントローラ500は、ホストデバイス410に代行して、圧縮、伸長、サイジングなどのグラフィックエンジンとしての処理を行う。
【0151】
図15(A)の場合には、ドライバ480としてメモリ内蔵のものを用いることができる。即ちこの場合にはドライバ480は、ホストデバイス410からの画像データを、一旦内蔵メモリに書き込み、書き込まれた画像データを内蔵メモリから読み出して、表示パネルを駆動する。一方、図15(B)の場合には、ドライバ480としてメモリ非内蔵のものを用いることができる。即ちこの場合には、ホストデバイス410からの画像データは、画像処理コントローラ500の内蔵メモリに書き込まれる。そしてドライバ480は、画像処理コントローラ500の制御の下で、電気光学パネル400を駆動する。
【0152】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語(電気光学装置、基準電圧、抵抗ユニット、選択ユニット等)と共に記載された用語(電気光学パネル、階調電圧、抵抗素子、選択回路等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。またラダー抵抗回路、抵抗アレイ、第1のデコーダ回路、第2のデコーダ回路、基準電圧生成回路、サンプルホールド部、ドライバ、電気光学装置、電子機器等の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定に限定されず、種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本実施形態のラダー抵抗回路の構成例。
【図2】本実施形態のラダー抵抗回路の詳細な構成例。
【図3】本実施形態のラダー抵抗回路の動作を説明するための真理値表。
【図4】第1のデコーダ回路の詳細な構成例。
【図5】第1のデコーダ回路の動作を説明するための真理値表。
【図6】第2のデコーダ回路の詳細な構成例。
【図7】選択ユニットの構成例。
【図8】本実施形態の階調電圧生成回路の構成例。
【図9】階調電圧生成回路の比較例。
【図10】サンプルホールド部の第1の構成例。
【図11】本実施形態の階調電圧生成回路の動作を説明するための第1の信号波形例。
【図12】サンプルホールド部の第2の構成例。
【図13】本実施形態の階調電圧生成回路の動作を説明するための第2の信号波形例。
【図14】本実施形態のドライバ、電気光学装置の構成例。
【図15】図15(A)、図15(B)は本実施形態の電子機器の構成例。
【符号の説明】
【0154】
RA1〜RAmn 抵抗ユニット、SLA1〜SLAmn 選択ユニット、
D1〜D4 第1〜第4の方向、D0〜D7 ビット、
SC1〜SC16 列選択信号、SR1〜SR16 行選択信号、
TD0〜TD3 正転出力端子、TDX0〜TDX3 反転出力端子、
DA[0:q] 選択信号、DB[0:r] サンプリング指示信号、
VQA 出力電圧、SHA1〜SHAt サンプルホールド回路、
VGA1〜VGAt 基準電圧、TQ1〜TQt 出力期間、
POL 出力指示信号、TB1、TB2 第1、第2の期間、
10 抵抗アレイ、20 第1のデコーダ回路、22 論理回路、
24−1〜24−16 出力回路、40 第2のデコーダ回路、
200 サンプルホールド部、
220−1 第1のサンプルホールド部、220−2 第2のサンプルホールド部、
240−1〜240−N サンプルホールド回路、
400 電気光学パネル、410 ホストデバイス、420 メモリ、
422 メモリセルアレイ、424 ローアドレスデコーダ、
426 カラムアドレスデコーダ、428 ライト/リード回路、
430 階調電圧生成回路、440 ロジック回路、442 制御回路、
444 表示タイミング制御回路、446 ホストインターフェース回路、
448 RGBインターフェース回路、450 データドライバ、
452 D/A変換回路、470 走査ドライバ、480 ドライバ、
490 電源回路、500 画像処理コントローラ、600 電気光学装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続される複数の抵抗ユニットと、
前記複数の抵抗ユニットの複数のタップのうちの対応するタップに各選択ユニットが接続される複数の選択ユニットと、
を含み、
前記複数の抵抗ユニットのうちの直列に接続された第1〜第n(nは2以上の整数)の抵抗ユニットは、第1の方向に沿って配置され、
前記第1の方向の反対方向を第3の方向とする場合に、前記複数の抵抗ユニットのうちの直列に接続された第n+1〜第2nの抵抗ユニットは、前記第3の方向に沿って配置され、
前記第1の方向に直交する方向を第2の方向とする場合に、前記第n+1〜第2nの抵抗ユニットのうちの第n+1の抵抗ユニットは、前記第1〜第nの抵抗ユニットのうちの第nの抵抗ユニットの前記第2の方向に配置され、
前記複数の選択ユニットのうちの第i(iは1≦i≦2nの整数)の選択ユニットは、前記複数の抵抗ユニットのうちの第iの抵抗ユニットの前記第2の方向に配置され、前記第iの抵抗ユニットに対応するタップに接続されることを特徴とするラダー抵抗回路。
【請求項2】
請求項1において、
前記複数の選択ユニットのうちの第h(hは1≦h≦nの整数)の選択ユニットは、前記複数の抵抗ユニットのうちの第hの抵抗ユニットと第2n−h+1の抵抗ユニットとの間に設けられることを特徴とするラダー抵抗回路。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記複数の選択ユニットのいずれかの選択ユニットが、複数の列選択信号と複数の行選択信号に基づいて選択され、
前記複数の列選択信号のラインは、前記第2の方向に沿って配線され、
前記複数の行選択信号のラインは、前記第3の方向に沿って配線されることを特徴とするラダー抵抗回路。
【請求項4】
請求項3において、
前記複数の列選択信号を出力する第1のデコーダ回路と、
前記複数の行選択信号を出力する第2のデコーダ回路と、
を含み、
前記第1のデコーダ回路は、前記複数の抵抗ユニットの前記第2の方向に配置され、
前記第2のデコーダ回路は、前記複数の抵抗ユニットの前記第3の方向に配置されることを特徴とするラダー抵抗回路。
【請求項5】
請求項4において、
前記第1のデコーダ回路は、ビットD0〜DjのうちのビットD0〜Dk(kは、0≦k≦j−1の整数)に基づいて、前記複数の列選択信号のうちのいずれかをアクティブにし、
前記第2のデコーダ回路は、前記ビットD0〜DjのうちのビットDk+1〜Djに基づいて、前記複数の行選択信号のうちのいずれかをアクティブにすることを特徴とするラダー抵抗回路。
【請求項6】
請求項5において、
前記第1のデコーダ回路は、
前記第2のデコーダ回路が前記複数の行選択信号のうちの奇数行に対応する行選択信号をアクティブにする場合には、第1の対応関係で前記ビットD0〜Dkをデコードし、前記第2のデコーダ回路が前記複数の行選択信号のうちの偶数行に対応する行選択信号をアクティブにする場合には、第2の対応関係で前記ビットD0〜Dkをデコードすることを特徴とするラダー抵抗回路。
【請求項7】
請求項6において、
前記第1のデコーダ回路は、
前記第1の対応関係で前記ビットD0〜Dkをデコードする場合、前記ビットD0〜Dkの表す数値が増加するに従って、前記第1の方向または前記第3の方向のいずれか一方の方向で前記複数の列選択信号をアクティブにし、前記第2の対応関係で前記ビットD0〜Dkをデコードする場合、前記ビットD0〜Dkの表す数値が増加するに従って、前記一方の方向とは異なる他方の方向で前記複数の列選択信号をアクティブにすることを特徴とするラダー抵抗回路。
【請求項8】
請求項6又は7において、
前記第2のデコーダ回路は、
前記ビットDk+1〜DjのうちのビットDk+1が第1の論理レベルのときに前記複数の行選択信号のうちの奇数行に対応する行選択信号のいずれかをアクティブにし、前記ビットDk+1が第2の論理レベルのときに前記複数の行選択信号のうちの偶数行に対応する行選択信号のいずれかをアクティブにし、
前記第1のデコーダ回路は、
前記ビットDk+1が第1の論理レベルのときに前記第1の対応関係に基づいて前記ビットD0〜Dkをデコードし、前記ビットDk+1が第2の論理レベルのときに前記第2の対応関係に基づいて前記ビットD0〜Dkをデコードすることを特徴とするラダー抵抗回路。
【請求項9】
請求項4において、
前記第1のデコーダ回路は、
前記ビットD0〜Dkと前記ビットDk+1に基づいて、前記ビットD0〜Dkに対応する正転信号S0〜Skと反転信号SX0〜SXkを出力する論理回路と、
前記正転信号S0〜Skと前記反転信号SX0〜SXkに基づいて、前記複数の列選択信号を出力する複数の出力回路と、
を有することを特徴とするラダー抵抗回路。
【請求項10】
請求項9において、
前記論理回路は、
前記ビットDk+1が第1の論理レベルの場合に、前記正転信号S0〜Skを対応する正転出力端子TD0〜TDkに出力し、前記反転信号SX0〜SXkを対応する反転出力端子TDX0〜TDXkに出力し、前記ビットDk+1が第2の論理レベルの場合に、前記反転信号SX0〜SXkを対応する前記正転出力端子TD0〜TDkに出力し、前記正転信号S0〜Skを対応する前記反転出力端子TDX0〜TDXkに出力し、
前記複数の出力回路は、
前記ビットDk+1が第1の論理レベルの場合に、前記ビットD0〜Dkの表す数値が増加するに従って、前記第1の方向または前記第3の方向のいずれか一方の方向で前記複数の列選択信号をアクティブにし、前記ビットDk+1が第2の論理レベルの場合に、前記ビットD0〜Dkの表す数値が増加するに従って、前記一方の方向とは異なる他方の方向で前記複数の列選択信号をアクティブにすることを特徴とするラダー抵抗回路。
【請求項11】
少なくとも1つの基準電圧を生成する基準電圧生成回路であって、
請求項1乃至10のいずれかに記載のラダー抵抗回路と、
サンプルホールド部と、
を含み、
前記サンプルホールド部は複数のサンプルホールド回路を有し、前記複数のサンプルホールド回路の各サンプルホールド回路が前記ラダー抵抗回路の出力電圧をサンプリングしてホールドすることを特徴とする基準電圧生成回路。
【請求項12】
請求項11において、
前記ラダー抵抗回路は、
前記ビットD0〜Djに基づいて、第1〜第t(tは自然数)の出力期間のうちの各出力期間において、前記複数の選択ユニットのいずれかを選択し、前記選択された選択ユニットに対応するタップに出力される電圧を前記出力電圧として出力し、
前記サンプルホールド部は、
前記複数のサンプルホールド回路として第1〜第tのサンプルホールド回路を有し、前記少なくとも1つの基準電圧として第1〜第tの基準電圧からなるt個の基準電圧を出力し、
前記第1〜第tのサンプルホールド回路のうちの第s(sは、1≦s≦tの整数)のサンプルホールド回路は、サンプリング指示信号に基づいて、前記第1〜第tの出力期間のうちの第sの出力期間において前記出力電圧をサンプリングし、前記第1〜第tの基準電圧のうちの第sの基準電圧としてホールドして出力することを特徴とする基準電圧生成回路。
【請求項13】
請求項11または12のいずれかにおいて、
前記サンプルホールド部は、
第1のサンプルホールド部と第2のサンプルホールド部を有し、
前記第1のサンプルホールド部は、
周期的に繰り返される第1の期間と第2の期間のうちの前記第1の期間において、前記出力電圧をサンプリングし、続く前記第2の期間において、前記第1の期間にサンプリングした電圧をホールドし、
前記第2のサンプルホールド部は、
前記第2の期間において、前記出力電圧をサンプリングし、続く前記第1の期間において、前記第2の期間にサンプリングした電圧をホールドし、
前記サンプルホールド部は、
前記第1の期間において、出力指示信号に基づいて、前記第2のサンプルホールド部がホールドする電圧を選択して出力し、
前記第2の期間において、前記出力指示信号に基づいて、前記第1のサンプルホールド部がホールドする電圧を選択して出力することを特徴とする基準電圧生成回路。
【請求項14】
請求項11乃至13のいずれかに記載の基準電圧生成回路を含むことを特徴とするドライバ。
【請求項15】
請求項14に記載のドライバを含むことを特徴とする電気光学装置。
【請求項16】
請求項15に記載の電気光学装置を含むことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−188781(P2009−188781A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−27219(P2008−27219)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】