説明

両側面に撮影装置を備えた果物などの製品の光学分析装置

【課題】実現と処理ユニットでの処理論理がより単純で、より信頼でき、精度の高い結果を生み出す製品の光学分析装置を提案する。
【解決手段】
フレーム(7)に対して長手方向に沿って連続進行方式で駆動される、製品の搬送ライン(1、2)と、長手方向に沿って互いに距離を置いて連続的に配置され、搬送ライン(1、2)に向けられた光学軸を備え、フレーム(7)に固定取付された撮影装置(12〜19)を具備した製品の外面用の光学分析台とを備え、撮影装置(12〜19)を、該撮影装置が向けられた搬送ラインの上であり、長手方向垂直面に対して側方にずらすことで、搬送ライン(1、2)に対して鉛直にではなく、光学軸を傾けて、搬送ライン(1、2)の両側部に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両側面に撮影装置を備えた果物などの製品の光学分析装置に関し、詳細には、自動選別を目的とする、果物または野菜などの全体的に回転対称の−とりわけ全体的に球形の−製品の光学分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
そのような光学分析装置はすでに知られており(国際公開第01/01071号パンフレット)、該装置は、固定フレームに対して長手方向に沿って連続進行方式で、個別に連続的に駆動される製品の少なくとも一つの搬送ラインと、三つの連続する分析台を具備するものであって、その第一の分析台には、90°と130°の間に含まれる頂点の角度を持ったV字に沿って傾けられた軸の、長手方向の両側に配置された二つの撮影装置が付いており、二つの分析台は、それぞれ、長手方向の鉛直に対して一つの撮影装置を備えている。各製品のさまざまな面がいくつかの撮影装置から見えるように、それらが連続する分析台に向き合って流れる間に、製品は、製品自体が回転するように駆動される。処理ユニットは実現された画像を受け取り、製品の表面の相補的な四つの面に対応する画像に基づき、予め定義され、プログラムされている基準に従って、製品の選別に利用可能なデータを計算する。
【0003】
この装置は、全体的に満足できるものである。該装置は、特に、製品の鉛直に対してカメラだけを、あるいは単一の分析台だけを具備している先行技術の装置に対して、大きな進歩となっている。該装置によって特に、製品の平均的な寸法と形状に対して、製品の寸法および/または形状において比較的大きな変化があっても、製品表面のすべての部分にわたって効率的な分析を実施することが可能になるのだが、それは、各撮影装置によって各製品の複数の印画が実現されることによるものであり、このことによって、それらの回転駆動の円周速度は一定のままであるのに対し、製品の実際の寸法に従った分析のために用いられる印画を選択することが可能になる。
【0004】
それにもかかわらず、製品表面のいくつかの区域は適切に、十分な精細さでは分析されないことが確認されている。
【0005】
たとえば、画像の周縁の極めて近くに位置するいくつかの大きな欠点が正確には測定されず、ひいては検出すらされない。実際、製品の湾曲を考慮すると、画像の周縁区域はカメラの光学軸に対して比較的傾いた表面部分に対応し(限界付近の入射光線のもとで見た場合)、このことが、距離の放射状方向への大幅な収縮と、分析精度の低下を引き起こしていることに注意しなければならない。
【0006】
逆に、画像の中心部分に位置する他の小さな欠点は、処理ユニットによって過大な重要性で捉えられる。
【0007】
他方で、別個の二つのカメラから見える製品の異なる二つの面に重なった欠点は、処理ユニットによる論理解釈の繊細な問題を呈する。実際、その後の選別に用いられる基準の中で、欠点の面積、製品あたりの欠点の数、製品上の欠点の最小サイズを挙げることができる。これらの基準は、ある欠点が複数の撮影面で重なっているとき(すなわち、別個の複数の画像に部分的に表示されるとき)、処理ユニットによってうまく評価できない。
【0008】
ところで、産業的および経済的な観点からは、分析装置が、要求される最小品質基準を実際に満たす製品を不良品とは見なさないことが重要である。換言すれば、製品が実際に属する品質よりも低い品質カテゴリに、誤って(自動選別によって)格下げされないようにすることが適切である。
【0009】
ところが、製品の複数の撮影面に重なる欠点の場合、単一の同じ欠点が、処理ユニットによって複数の異なる欠点と見なされるおそれがある。そして、いくつかの分析台のいくつかの撮影装置の配置と方向について上述した幾何学面と、実際には、果物や野菜などの製品が完全な球体ではないことを考慮すると、いくつかの画像の間で検出されうる欠点の相関関係は、実施するには極めて繊細である。
【0010】
より一般的には、本発明者は、光学分析装置の設計と実現に起因する、いくつかの撮影装置によって撮影された画像の間に導入されたあらゆる差異が、一方では、製品の欠点(表面的なもの)を検出し、考慮に入れることを可能にする、その後の処理論理の複雑性を増すことと、他方では、製品が非常にゆがんだ形状をしているときの(製品の理論的な形状−とりわけ完全な球体−から局所的に大きく逸脱している)、結果の信頼性の低下を引き起こすことを判断した。
【0011】
国際公開第01/01071号パンフレットに記載の装置によって撮影された画像が完全には対称ではなく、同一ではない相補的な区域(理論的限界が最初に固定されている)に対応することは、したがって、ゆがんだ形状の製品に対して、処理の複雑さが高まり、信頼性が低下することになり、相補的な区域は、製品の三次元表面に実際に重なっている区域に対応する可能性があり、あるいはこの表面のいくつかの区域は撮影することができない。
【0012】
同様に、各撮影装置によって撮影された製品のさまざまな区域の照明に均質性がないこと、および/または、製品の照明がいくつかの撮影装置に対して同一ではないことは、同じ不都合を引き起こす。
【0013】
ところが、上述の装置では、製品は搬送ラインと製品の上に配置されたランプによって照明される。したがって、製品の上面が比較的よく照明されれば、製品の面の下部側方の周縁部分はあまり照明されない。実現されたさまざまな印画に対する照明の均質性というこの欠点は、したがって、処理ユニットによる画像の解釈と分析の問題を引き起こす。したがって、製品上のいくつかの欠点が照明の欠点と見なされ、また相互的に、あまり照明されていない区域が欠点として処理されることが起こる可能性がある。
【0014】
上述の既知の装置で実際に直面するもう一つの問題は、望まれない反射と光学システムが、機械機構および搬送ラインと製品の部位で、一般的に有害作用のある、汚く湿った環境の影響を受けることを避けながら、とりわけ複数の平行な搬送ラインを備えたコンパクトな全体を形成するために、さまざまな部品を互いに取り付ける問題である。この取付は、実際には極めて繊細であることが分かっており、しばしば乗り越えられない不適合性に達することがある。
【特許文献1】国際公開第01/01071号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、実現と処理ユニットでの処理論理がより単純で、より信頼でき、精度の高い結果を生み出す製品の光学分析装置を提案することで、これらの問題を解決することを目的としている。
【0016】
特に、本発明は、製品表面のすべての部分の撮影を可能にしながら(カメラが製品の鉛直に対してのみ、および/または、単一の分析台にのみ配置された先行技術の装置とは反対に)、連続するすべての分析台で実現されたすべての印画について、簡単で、ほぼ均一で類似している製品面の照明が実現できる光学分析装置を提案することを目的としている。
【0017】
より特徴的には、本発明は、すべての分析台について類似の仕方で連続するいくつかの分析台の実現と取付を可能にすることで、処理ユニットの取付、調節およびプログラミングを容易にすることを目的としており、該処理ユニットの性能は、国際公開第01/01071号パンフレットに記載の装置の処理ユニットに対して向上している。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の課題を解決するための手段は、番号を参照すると、次のとおりである。
【0019】
第1に、
自動選別を目的とする、果物などの全体的に回転対称の−とりわけ全体的に球形の−製品の光学分析装置であり、該装置は、
−固定フレーム(7)に対して長手方向に沿って連続進行方式で駆動され、長手方向に互いに順次整列した製品用の個別の複数の支持体を具備する、少なくとも一つの製品の搬送ライン(1、2)と、
−製品の外面用の複数の光学分析台P(8〜11)であり、これらの分析台(8〜11)が、長手方向に沿って互いに距離を置いて連続的に配置され、それぞれが、搬送ライン(1、2)に向けられた光学軸を備えているフレーム(7)に固定取付された、少なくとも一つの撮影装置(12〜19)を具備することで、この搬送ライン(1、2)によって運ばれる、正面を流れる製品の画像を実現できるようになっている複数の光学分析台と、
−各製品の回転駆動装置(20)であり、該製品が、連続するいくつかの分析台(8〜11)の正面を流れる間に搬送ライン(1、2)によって運ばれることで、各製品の異なった面が連続するいくつかの撮影装置(12〜19)から見えるようになっている駆動装置を具備するものであって、
−各撮影装置(12〜19)が、該撮影装置が向けられた搬送ライン(1、2)の上に配置され、長手方向を含む長手方向垂直面に対して側方にずらされていることと、
−いくつかの分析台(8〜11)のいくつかの撮影装置(12〜19)が撮影装置の二つの側方系列に沿って配置され、第一の側方系列(12、14;16、18)が長手方向垂直面の一方の側部に位置づけられ、別個のP1個の分析台(8、10)に属するN1個の撮影装置(12、14;16、18)を具備し、第二の側方系列(13、15;17、19)が長手方向垂直面の他方の側部に位置づけられ、別個のP2個の分析台(9、11)に属するN2個の撮影装置(13、15;17、19)を具備しており、N1、N2、P1およびP2がゼロでない整数であることを特徴とする、光学分析装置。
第2に、
駆動装置(20)が適合化されることで、所定の基準直径の製品が、長手方向に少なくともほぼ直交する軸を中心に、製品自体で回転するようになっており、該回転が、長手方向にしたがった最初の分析台(8)と最後の分析台(11)の間で、およそ2π−2π/(P1+P2)あるいはそれを超える回転であることを特徴とする、上記第1に記載の装置。
第3に、
P1≧2、P2≧2であることと、第一の側方系列の撮影装置(12、14;16、18)が、第二の側方系列の撮影装置(13、15;17、19)が属する分析台(9、11)と異なる分析台(8、10)に属すことと、駆動装置(20)が適合化されることで、所定の基準直径の製品が、第一の側方系列の連続する二つの分析台(8、10)の間ではおよそ2π/P1で、第二の側方系列の連続する二つの分析台(9、11)の間ではおよそ2π/P2で、製品自体で回転するようになっていることを特徴とする、上記第1または第2に記載の装置。
第4に、
第一の側方系列の撮影装置(12、14;16、18)と第二の側方系列の撮影装置(13、15;17、19)が、長手方向に沿って交互に配置され、
長手方向において直接連続する二つの分析台の一方が、第一の側方系列(12、14;16、18)に属する撮影装置を有し、
他方が、第二の側方系列(13、15;17、19)に属する撮影装置を有することを特徴とする、上記第3に記載の装置。
第5に、
P1=P2=P/2であることと、長手方向に沿って連続する分析台の間隔が、規則的であることと、駆動装置(20)が適合化されることで、所定の基準直径の製品が、連続する二つの分析台の間において、およそ2π/Pで、製品自体で回転するようになっていることを特徴とする、上記第3または第4に記載の装置。
第6に、
撮影装置(12〜19)は、それらの光学軸が長手方向垂直面に対して、20°と45°の間に含まれる、傾斜角(α)と呼ばれる所定の角度を形成するように配置されていることを特徴とする、上記第1〜第5のいずれか一つに記載の装置。
第7に、
同一の側方系列のすべての撮影装置(12〜19)は、それらの光学軸が、長手方向垂直面に対して、すべてが同一の傾斜角(α1、α2)を形成するように配置されていることを特徴とする、上記第1〜第6のいずれか一つに記載の装置。
第8に、
第一の側方系列の撮影装置(12、14;16、18)の光学軸によって、長手方向垂直面に対して形成される傾斜角(α1)が、第二の側方系列の撮影装置(13、15;17、19)の光学軸によって、長手方向垂直面に対して形成される傾斜角(α2)と等しいことを特徴とする、上記第7に記載の装置。
第9に、
長手方向垂直面に対する撮影装置(12〜19)の光学軸の傾斜角が、およそ36°であることを特徴とする、上記第6〜第8のいずれか一つに記載の装置。
第10に、
P1=P2=2であることを特徴とする、上記第1〜第9のいずれか一つに記載の装置。
第11に、
各分析台(8〜11)が、各搬送ライン(1、2)に対し、唯一の撮影装置(12〜19)を具備していることを特徴とする、上記第1〜第10のいずれか一つに記載の装置。
第12に、
同一の搬送ライン(1、2)に向けられた同一の側方系列のすべての撮影装置が、同じ高さで、この搬送ライン(1、2)の長手方向に対して側方に同じだけずらされてフレーム(7)に固定されていることを特徴とする、上記第1〜第11のいずれか一つに記載の装置。
第13に、
すべての撮影装置(12〜19)が、一つまたは複数の搬送ライン(1、2)の上で、同一の水平の高さでフレーム(7)に固定されていることを特徴とする、上記第1〜第12のいずれか一つに記載の装置。
第14に、
さらに、分析台(8〜11)の正面を流れる製品の上に配置された照明装置(24〜29)と、撮影装置が向けられている搬送ライン(1、2)に対する各撮影装置(12〜19)に相対して、撮影のためのバックを形成するスクリーン(33、34)を具備していることを特徴とする、上記第1〜第13のいずれか一つに記載の装置。
第15に、
各撮影装置(12〜19)に対して、下部側方反射板と呼ばれる少なくとも一つの反射板を具備し、該反射板が、対応する搬送ラインの側部に、該ラインに沿って配置され、製品の下部側方面の区域の照明を改善するように適合化されていることを特徴とする、上記第1〜第14のいずれかに一つに記載の装置。
第16に、
各撮影装置(12〜19)が、正面を流れる各製品の複数の連続する印画を実現するように適合化されていることを特徴とする、上記第1〜第15のいずれか一つに記載の装置。
第17に、
各撮影装置(12〜19)が、異なった光学的性質をした撮影を実現する複数のカメラを具備していることを特徴とする、上記第1〜第16のいずれか一つに記載の装置。
第18に、
−ほぼ同一水平面内に配置された少なくとも二つの平行な搬送ライン(1、2)と、
−各分析台(8〜11)に対する少なくとも一対の撮影装置(12〜19)であり、一方が搬送ライン(1、2)の一方(1)に向けられているのに対し、他方がもう一方の搬送ライン(2)に向けられている一対の撮影装置を具備することを特徴とする、上記第1〜第17のいずれか一つに記載の装置。
第19に、
各搬送ライン(1、2)が複数のローラ(3、4)を具備し、該ローラのそれぞれが長手方向に直交する横断回転軸に対して回転自在であるように支持され、長手方向に沿って互いに間隔を置いていることで、連続する二つのローラ(3、4)がそれらの間に、製品用の個別の支持体の収納部である窪部を画定するようになっていることと、駆動装置(20)が分析台(8〜11)の間でローラ(3、4)を回転駆動するように適合化されていることを特徴とする、上記第1〜第18のいずれか一つに記載の装置。
【0020】
本発明は、自動選別を目的とする、果物などの全体的に回転対称の−とりわけ全体的に球形の−製品の光学分析装置に関するものであり、該装置は、
−固定フレームに対して長手方向に沿って連続進行方式で駆動され、長手方向に互いに順次整列した製品用の個別の複数の支持体を具備する、少なくとも一つの製品搬送ラインと、
−製品の外面用の複数の光学分析台Pであり、これらの分析台が、長手方向に沿って互いに距離を置いて連続的に配置され、それぞれが、搬送ラインに向けられた光学軸を備えているフレームに固定取り付けされた、少なくとも一つの撮影装置を具備することで、この搬送ラインによって運ばれる、正面を流れる製品の画像を実現できるようになっている複数の光学分析台と、
−各製品の回転駆動装置であり、該製品が、連続するいくつかの分析台の正面を流れる間に搬送ラインによって運ばれることで、各製品の異なった面が連続するいくつかの撮影装置から見えるようになっている駆動装置を具備するものであって、
−各撮影装置が、該撮影装置が向けられた搬送ラインの上に配置され、長手方向垂直面に対して側方にずらされていることと、
−いくつかの分析台のいくつかの撮影装置が、撮影装置の二つの側方系列に沿って配置され、第一の側方系列が長手方向垂直面の一方の側部に位置づけられ、別個のP1個の分析台に属するN1個の撮影装置を具備し、第二の側方系列が長手方向垂直面の他方の側部に位置づけられ、別個のP2個の分析台に属するN2個の撮影装置を具備しており、N1、N2、P1およびP2がゼロでない整数−とりわけ1を超える−であることを特徴としている。
【0021】
本発明者はこのように、搬送ラインに鉛直に対してではなく、光学軸を傾けるとともに、撮影装置を搬送ラインの上に、該搬送ラインの両側部に配置するだけで、実際上、多くの利点が得られ、上述の問題の解決が可能になることを確認した。
【0022】
有利には、また本発明によれば、駆動装置が適合化されることで、所定の基準直径に対応する直径の製品が、長手方向に少なくともほぼ直交する軸を中心に、製品自体で回転するようになっており、該回転は、長手方向にしたがった最初の分析台と最後の分析台の間で、およそ2π−2π/(P1+P2)またはそれを超える(明細書全体において、特記事項がない限り、角度のすべての値はラジアンで与えられる)。明細書全体において、製品の「直径」によって製品に外接する回転円筒形の直径を指し、該製品は完全な回転円筒形ではないこともある。リンゴ、ミカン、トマトなどの球形の製品の場合、製品の直径は製品に外接する球体の直径である。
【0023】
撮影装置のさまざまな配分と配置が可能である。有利には、本発明による分析装置は、P1≧2、P2≧2であることと、第一の側方系列の撮影装置が、第二の側方系列の撮影装置が属する分析台とは異なる分析台に属すことと、駆動装置が適合化されることで、所定の基準直径の製品が、第一の側方系列の連続する二つの分析台の間ではおよそ2π/P1で、第二の側方系列の連続する二つの分析台の間ではおよそ2π/P2で、製品自体で回転するようになっていることを特徴としている。
【0024】
さらに、有利には、また本発明によれば、第一の側方系列の撮影装置と第二の側方系列の撮影装置は、長手方向に沿って交互に配置され、長手方向において直接連続する二つの分析台の一方は、第一の側方系列に属する撮影装置を有し、他方は第二の側方系列に属する撮影装置を有している。したがって、駆動装置は、所定の基準直径の製品が、第一と第二の分析台の間においてのみ、およそ2π−2π/(P1+P2)で、製品自体で回転するように適合化することができる。
【0025】
有利には、本発明による装置はまた、P1=P2=P/2であることと、長手方向に沿って連続する分析台の間隔が規則的であることと、駆動装置が適合化されることで、所定の基準直径の製品が、連続する二つの分析台の間において、およそ2π/Pで、製品自体で回転するようになっていることも特徴としている。したがって、作動論理は大幅に単純化することができ、すべての撮影装置は、製品の類似した、相補的な面の画像を実現する。
【0026】
さらに、有利には、また本発明によれば、撮影装置は、それらの光学軸が長手方向垂直面に対して、傾斜角と呼ばれる所定の角度を形成するように配置され、該角度は、20°と45°の間−とりわけおよそ36°である−に含まれる。実際に、これらの傾きの値はきわめて有利であり、とりわけ、占有空間と、一つの搬送ラインの、さらには並置された複数の平行な搬送ラインのさまざまな機械装置との適合性の面で有利であることが分かる。該角度の値によって、製品のすべての面を同時に分析することが可能になり、実現された画像はかなりの重なりの区域を有するが、処理ユニットによって、画像の分析論理のレベルで該区域を計算に入れることは容易であり、搬送ラインの上に、製品の均一で適切な照明を実現するための大きな空間区域が残される。
【0027】
他方で、有利にはまた本発明によれば、同一の側方系列のすべての撮影装置は、それらの光学軸が、長手方向垂直面に対して、すべてが同一の傾斜角を形成するように配置される。有利には、また本発明によれば、第一の側方系列の撮影装置の光学軸によって、長手方向垂直面に対して形成される傾斜角α1は、第二の側方系列の撮影装置の光学軸によって、長手方向垂直面に対して形成される傾斜角α2に等しい。さらに、有利には、また本発明によれば、同一の搬送ラインに向けられた同一の側方系列のすべての撮影装置は、同じ高さで、この搬送ラインの長手方向に対して側方に同じだけずらされてフレームに固定されている。有利にはまた本発明によれば、すべての撮影装置は、一つまたは複数の搬送ラインの上で、同一の水平の高さでフレームに固定されている。
【0028】
したがって、すべての撮影装置は互いに等価の画像を実現し、それらの配置、それらの取付、それらの調節および処理ユニットのプログラミングは極めて単純化されている。所定の基準直径に対する製品の寸法の変動を考慮するために用いられる論理は、国際公開第01/01071号パンフレットに記載されたものであってよく、高い信頼性を有している。
【0029】
特に有利な本発明による一つの実施態様では、P1=P2=2である。駆動装置は、同一側部の撮影装置、すなわち複数の側方系列の一つに属する撮影装置を有する長手方向に沿って隣接する二つの分析台の間ではおよそπであり、長手方向に沿って直接連続する二つの分析台の間ではおよそπ/2である基準直径の製品を回転させるように適合化することができる。
【0030】
有利には、また本発明によれば、各分析台は各搬送ラインに対し、一つかつ唯一の撮影装置を具備している。言い換えれば、N1=P1かつN2=P2である。
【0031】
他方で、有利には、本発明による装置はさらに、分析台の正面を流れる製品の上に配置された照明装置と、撮影装置が向けられている搬送ラインに対する各撮影装置に相対して、各撮影のためのバックを形成するスクリーンを具備している。たとえば黒である(あるいは照明および/または撮影装置のスペクトル領域で吸光性である)このようなバックによって、実現された画像のコントラスト、したがって、処理ユニットによるその後の自動分析を強化できるようになっている。照明装置は、有利には、反射性かつ拡散性の内壁の付いた少なくとも一つの照明室を具備することで、拡散光による製品の間接照明を実現するようになっている。
【0032】
さらに、有利には、また本発明によれば、本装置は、各撮影装置に対して、下部側方反射板と呼ばれる、少なくとも一つの反射板を具備し、該反射板は、対応する搬送ラインの側部に、該ラインに沿って配置され、製品の下部側方面の区域の照明を改善するように適合化されている。なお、連続するいくつかの分析台のいくつかの撮影装置のバックと反射板は平らな内壁によって形成することができ、該内壁は、搬送ラインに沿って、該ラインの側部かつその下に伸びており(対向する撮影装置の光学軸に垂直)、各内壁は交互に、長手方向において、バックを形成する暗色のつや消しの部分と、反射板を形成するための、反射性、あるいは反射性かつ拡散性の部分を有している。
【0033】
有利には、また本発明によれば、各撮影装置は、正面を流れる各製品の複数の連続する印画を実現するように適合化されている。したがって、たとえば国際公開第01/01071号パンフレットに記載されているように、製品の寸法の変動を容易に考慮することができる。さらに、有利には、また本発明によると、各撮影装置は、異なった光学的性質をした撮影を実現する複数のカメラを具備している。このように、各製品の各面の複数の画像は、たとえば異なった波長によって実現することができる。たとえば、各撮影装置について、赤外線カメラと可視領域(RVB)のカメラが備えられる。
【0034】
有利には、また本発明によれば、分析装置は、
−ほぼ同一水平面内に配置された少なくとも二つの平行な搬送ラインと、
−各分析台に対する少なくとも一対の撮影装置であり、一方が搬送ラインの一つに向けられているのに対し、他方がもう一方の搬送ラインに向けられた一対の撮影装置を具備している。同一の分析台はしたがって、さまざまな搬送ラインに対して共通の照明装置を備えられている。上述したように、本発明によってとりわけ、複数の平行な搬送ラインが存在するにもかかわらず、特に単純で小型の分析装置を実現することが可能になる。
【0035】
有利には、また本発明によれば、各搬送ラインは複数のローラを具備し、該ローラのそれぞれは、長手方向に直交する横断回転軸に対して回転自在であるように支持され、長手方向に沿って互いに間隔を置いていることで、連続する二つのローラがそれらの間に、製品用の個別の支持体の収納部である窪部を画定するようになっており、駆動装置は、分析台の間でローラを回転駆動するように適合化されている。
【0036】
本発明による分析装置は、有利には、欧州特許第527519号明細書、または欧州特許第670276号明細書、または欧州特許第1000883号明細書あるいは欧州特許第1040058号明細書に記載のような少なくとも一つの搬送ラインを具備している。しかしながら、本発明は他のタイプの搬送ラインにも適合する。
【0037】
他方で、本装置は処理ユニットも具備しており、該処理ユニットは、光学分析台によって実現された画像を表す信号を受信し、製品の選別に利用可能なデータを、予め定義され、プログラムされた基準に従って計算するように適合化されている。
【0038】
本発明はさらに、前述したまたは後述する特徴のすべてまたは一部の組み合わせを特徴とする、製品の光学分析装置にも関するものである。
【発明の効果】
【0039】
本発明によると、実現と処理ユニットでの処理論理がより単純で、より信頼でき、精度の高い結果を生み出す製品の光学分析装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明のその他の目的、特徴および利点は、付属の図面を参照して、非制限的な例としてのみ挙げられた、本発明の実施態様に関する以下の説明を読むことで明らかになるものである。
【0041】
−図1は、本発明による光学分析装置の垂直横断面における概略図である。
−図2は、図1の装置の撮影装置の配置を示す平面概略図である。
−図3は、図1の装置の中央長手方向断面における概略図である(二つの搬送ラインの間に挿入された中央形材は図を明瞭にする目的のために図示していない)。
−図4は、最初の分析台と最後の分析台の間における製品の回転を示す、図1の装置のいくつかの分析台の側面概略図である。
−図5aは、図1の装置の撮影装置から見えるような、完全に球形であると仮定した製品の表面のさまざまな区域(球形頭頂部)を示す概略図である。
−図5bは、図1の装置の撮影装置から見えるような、光学分析のために考慮される、完全に球形であると仮定した製品の表面の区域を示す概略図である。
【0042】
図面に示された本発明にしたがった分析装置は、製品の搬送装置に設置されており、該製品は、図示した例では球形であり、果物または野菜で形成することができる。この搬送装置は、平行な二つの搬送ライン1、2を具備している。これらの搬送ライン1、2のそれぞれは、3、4のような複数のローラを具備し、該ローラは、横断回転軸を中心にそれぞれが回転自在であるように取り付けられ、間隔を開けられていることで、連続する二つのローラがそれらの間に製品用の収納部である窪部を画定するようになっている。ローラの回転軸が、モータ装置に結合されたエンドレス・チェーン5、6によって駆動されることで、二つの搬送ライン1、2は、光学分析装置を通って連続進行方式で駆動されるようになっている。全体は床面に置かれたフレーム7によって担持される。このような搬送ラインはたとえば、欧州特許第527519号明細書、または欧州特許第670276号明細書、または欧州特許第1000883号明細書または欧州特許第1040058号明細書に記載されたタイプであり、さらなる詳細については該明細書を参照することとする。
【0043】
図面に示された例における本発明にしたがった分析装置は、四つの分析台8〜11を具備しており、該分析台は、搬送ライン1、2に沿って、すなわち各搬送ライン1、2の長手方向にしたがって、互いに距離を置いて連続して配置されている。
【0044】
各分析台は二つの撮影装置を具備しており、一方の撮影装置12、13〜15は光学軸が第一の搬送ライン1に向けられ、他方の撮影装置16〜19は光学軸が第二の搬送ライン2に向けられている。このように、光学分析装置は、搬送ラインに対しては四つの連続する撮影装置を、各分析台については一つの撮影装置を具備している。
【0045】
撮影装置は搬送ライン1、2の高さの上に位置する高さでフレーム7に取り付けられ、対応する搬送ライン1、2の長手方向に対して側方にずらされている。各搬送ライン1、2の四つの撮影装置の中で、二つの撮影装置12、14−他方では撮影装置16、18−は、搬送ライン1、他方では搬送ライン2の長手方向を含む長手方向垂直面の一方の側部に配置され、他の二つの撮影装置13、15−他方では撮影装置17、19−は、長手方向垂直面のもう一方の側部に配置されている。
【0046】
このように、搬送ライン1、2に沿って製品が流れるに従って、各製品は四つの撮影装置、すなわち一方の側部に位置づけられた第一の撮影装置12、16、他方の側部に位置づけられた第二の撮影装置13、17、第一と同じ側部に位置づけられた第三の撮影装置14、18と、第二と同じ側部に位置づけられた第四の撮影装置15、19の正面を連続して個別に通過する。
【0047】
他方で、図3に示したように、モータ22によって駆動されるエンドレス・ベルト21の付いた駆動装置20は、搬送ライン1、2の下に、分析台8〜11の正面を通過するそれらの部分で配置されることで、搬送ライン1、2のローラ3、4を、従ってこれらのローラの間に担持された製品を回転駆動するようになっている。モータ22によるベルト21の駆動速度は、搬送ライン1、2によって移送される製品の所定の基準直径に応じて決定される。
【0048】
本発明による装置では、この速度は製造時に固定することができ、基準直径に対する製品の実際の寸法の変動は、たとえば国際公開第01/01071号パンフレットによって明示されているように、計算に入れることができる。
【0049】
好適には、駆動装置20の駆動速度は、搬送ライン1、2によって移送される所定の基準直径をした各製品が、対応する搬送ライン1、2の長手方向に直交する水平軸を中心とする回転を受けるように適合化されており、該回転は、連続する二つの分析台8、9;分析台9、10;分析台10、11の間でおよそπ/2の値である。この回転は図4に示されており、該図面において、各製品の断面はπ/2の相補的な四つ区分A、B、C、Dに分割して表示されている。
【0050】
より一般的には、製品は連続する二つの分析台の間でおよそ2π/Pの回転を受けるものであり、ここでPは、対応する搬送ライン1、2の長手方向に沿って連続する分析台の総数である。
【0051】
搬送ライン1、2の同一側部に位置づけられた二つの撮影装置8、10または撮影装置9、11の間で、製品は、図示した例ではおよそπの回転、すなわち、より一般的にはおよそ2π/N1、他方では2π/N2の回転を受けるものであり、ここでN1とN2は、対応する搬送ライン1、2の同一側部に位置づけられた連続する撮影装置の数である。実際、撮影装置12、14は、撮影装置の第一の側方系列を形成し、該撮影装置はすべて、搬送ライン1の長手方向垂直面の同一側部に位置づけられ、この搬送ライン1の長手方向に平行に連続して伸びている。同様に、撮影装置13、15は第二の側方系列を構成し、該側方系列は、撮影装置12、14によって形成された第一系列に相対する側部に位置する。撮影装置16、18は搬送ライン2の第一の側方系列を構成し、撮影装置17、19は搬送ライン2の第二の側方系列を構成する。
【0052】
図1に見られるように、撮影装置は、それらの光学軸が対応する搬送ライン1、2に向けられ、対応するこの搬送ライン1、2の中心長手方向垂直面に対して、20°と45°の間に含まれる角度、好適にはおよそ36°の角度を形成するようにフレーム7に固定される。
【0053】
長手方向に沿ったいくつかの分析台8〜11を隔てる距離は、好適には分析装置に沿って規則的である。たとえば、連続する二つの分析台は20cmと30cmの間の距離で隔てられる。
【0054】
各撮影装置12〜19は、好適には、単一のケースと連動し、完全に重ねることができる印画を実施するように適合化された二つのカメラ、すなわち、可視領域(RVB)における一つのカメラと一つの赤外線カメラを具備している。これらのカメラは、好適には、「シングルショット」と呼ばれるカメラであり、毎秒およそ25枚以上の印画を撮ることができるように適合化されている。該カメラはこれらの画像を表すデジタルデータを供給するのだが、該データは、これらのデータの利用に適し、そのためにプログラムされた情報処理ユニットに伝達することができる。
【0055】
分析装置はさらに、光学分析台の正面を通過する製品用の間接照明装置を具備している。この照明装置は照明室30を具備し、該照明室は、二つの搬送ライン1、2の上でフレーム7に固定取付された水平の内壁23を有し、また、たとえば、艶消しの白いペンキで塗装された、反射性かつ拡散性の下面24を有している。この内壁23は、したがって、照明室30の反射性かつ拡散性の天井を形成する。この天井となる内壁23は下方に伸びる複数のサスペンションライン25を担持し、該サスペンションラインの下端には、下部反射板40とともに、ハロゲンランプ26が固定されており、該下部反射板はたとえば、ステンレススチール製、研磨金属合金製、またはメッキを施されたものであり、上方を照明するように、内壁23の下面24に向けられており、ランプ26の電球は反射板40の上に配置されている。さらに、四つの長手方向の形材27は、ランプ26と搬送ライン1、2の高さの間に伸びている。これらの金属製形材27は、陥凹部が上方に向けられている、凹んだ横断垂直断面である長手方向中央溝を有し、該溝は、前記溝の上に配置された、たとえば、ネオン管タイプの照明発光管28を受容する。形材27は、たとえばステンレススチール製またはメッキを施されたような、とりわけ研磨金属合金製である、反射性の上面を有していることで、管28の光が上方に、すなわち、天井の内壁23のそれ自体が反射性かつ拡散性である下面24に向けて反射されるようになっている。
【0056】
二つの中央形材27は、搬送ライン1、2の真上に、鉛直に伸びており、たとえば艶消しの黒のペンキで塗装された非反射性の下面39と垂下側面部29を有しており、該側面部は下方に傾けられ、搬送ライン1、2に運ばれた製品のいっさいの直接照明を避ける機能を有している。
【0057】
他方で、フレーム7は、反射性かつ拡散性の天井を形成する水平内壁23と搬送ライン1、2の間に、照明室30の中の空間を画定し、該空間の内面は、好適には反射性かつ拡散性で、とりわけ艶消しの白のペンキで全面を塗装されている。この空間は周辺内壁によって限定され、その天井23、長手方向側壁および横断方向端の内壁がケースを形成する。このケースによって形成された照明室30は、長手方向に沿って搬送ライン1、2が横断している。照明室30の中に均一に配分されたハロゲンランプ26と、照明室内に含まれる照明管28が点灯すると、それらが上方に、天井23を形成する水平上壁に向けて光を拡散し、該光が、ランプ26と照明管28から発せられる波長に対応する波長の均質な拡散光で照明室30を満たすように、穏やかに反射され、拡散されることが理解されよう。
【0058】
なお、中央形材27の側方側面部29が切込31を開けられていることで、さまざまな分析台の撮影装置の画角と干渉しないように、すなわち、このような撮影装置の正面を通過する製品の、完全な面の印画の実現を可能にするようになっている。同様に、天井を形成する内壁23は横断開口部32を備えており、該横断開口部によって、開口部を横断する撮影装置の画角を覆わないようにすることが可能になっている。撮影装置12〜19は実際、照明室30の外で、天井のこの内壁23の上でフレーム7に固定されていることで、この照明室30の中を満たす光によって照らされず、眩惑されないようになっている。
【0059】
さらに、二つの長手方向の側方側面部33、34は、各搬送ライン1、2の各側部に、撮影装置12〜19に相対して配置されることで、撮影装置12〜19に向けられ、たとえば艶消しの黒のペンキで塗装された吸光性のバックを形成するようになっており、該バックの前を製品が通過し、その画像が実現される。
【0060】
各撮影装置12〜19について、相対する側面部33、34の区域(撮影装置の光学軸にほぼ直交する)は、光学軸と画角に向かい合う長手方向に沿って伸びており、バック(とりわけ艶消しの黒)を形成するように適合化されている。他方の側方側面部34、33の区域は、撮影装置の光学軸と画角に向かい合って、同じく長手方向に伸びており、反対に反射性(金属製またはメッキを施されている)、あるいは反射性かつ拡散性(艶消しの白いペンキで塗装)であることで、製品の下部側方面の部分の照明を改善する反射板を形成するようになっている。
【0061】
各側面部33、34はこのように、長手方向において交互に、バック(艶消しの黒の区域)を形成するように適合化され、また、反射板(艶消しの白または金属製あるいはメッキを施されている)を形成するように適合化されている。
【0062】
搬送ライン1の側面部33と搬送ライン2の側面部34は、両方ともこれらの搬送ライン1、2の間に配置されており、図1に示したように、これら二つの搬送ライン1、2の間に挿入された同一の中央形材によって形成することができる。
【0063】
本発明による光学分析装置によって、すべての光学分析台についてほぼ同一である、果物の均質で均一の照明を実現することが可能になる。いくつかの撮影装置12〜19は、垂直に対して同一角度で傾けられ、製品に対する撮影の幾何的方向の観点から類似している印画を実現する。
【0064】
図5aは、球体のさまざまな区域35〜38を概略的に表しており、該区域は、この球体が本発明による光学分析装置の中を通過する際に、連続するいくつかの撮影装置12、13〜15または撮影装置16〜19から見えるものである。これらの区域は半球形頭頂部35〜38である。第一の撮影装置12または16は、その光学軸50が図5aの面に垂直で、この面の上にあると仮定されている。この光学軸50の軌跡は、図示された円の中心点Oである。他の三つの撮影装置13〜15または撮影装置17〜19の光学軸41〜43の配置は、互いに120°であり、四つの光学軸50、41〜43は、規則的なテトラポッドに従って空間内で方向づけられ、球体の中心で交わる。これら三つの他の撮影装置から見える三つの半球形頭頂部36〜38は、対応する光学軸41〜43に平行に部分的に線影を入れて図示されている。
【0065】
ここで分かるように、製品のすべての部分が見られ、一部の重なりとともに実現された画像に表示される。
【0066】
図5bは、図5aの面で見られる半球形頭頂部35の区域44を実線で示しており、該区域は、光学分析のために計算に入れられる。他の三つの半球形頭頂部36〜38の一つと半球形頭頂部35が重なった区域のそれぞれにおいて、これら二つの半球形頭頂部の赤道に対する中心赤道線46〜48の部分が決定、記憶され、光学分析のために、これら三つの中心赤道線46〜48によって限定された区域44の外に位置づけられた画像の画素が除去される。このように、球体の表面は、区域44と完全に同一である四つの補助的な区域に分割される。各中心赤道線46〜48は、赤道面の内部の二等分赤道面に属し、該赤道面は、重なり合っている二つの頭頂部35と36または37あるいは38の赤道を含んでいる。
【0067】
この赤道線の各点Mは、頭頂部35の赤道に属する点C1と、重なり合っている他の頭頂部36〜38に属する点C2から等距離にあり(球の表面上で)、図5aの面上へのこれらの点C2、M、C1の投影は、頭頂部35を表す円の同一半径Rに属する。図5aの面において(形成された画像の面に対応する)、距離OMは半径Rの部分である(基準直径の半分に等しい)。点Mの位置は、したがって、OM/R比で表すことができる。
【0068】
完全な球形ではない製品の分析の際、撮影装置によって実現された対象となる各画像について(完全な半球形頭頂部に対応しない)、点Oによって表される光学軸からの放射状方向のそれぞれにおいて、完全な球体について得られ、記憶されたものと同じ分数OM/Rを、この放射状方向に位置する円周のOと点Cの間の距離OCに適用することで、考慮すべき区域の中心限界(区域44と類似)が決定される。実現された平坦な画像上の中心限界の点M’はしたがって、OM’=OC×OM/Rのようになる。このような撮影に基づく処理ユニットのプログラミング論理はしたがって、ゆがんだ形状の場合でも、きわめて単純かつ信頼できるものとすることができる。
【0069】
すべての撮影装置は同一とすることができ、また搬送ライン1、2によって運ばれた製品からすべて等距離に配置される。
【0070】
このような光学分析装置は、取付、調節および保守がきわめて容易であることが理解されよう。フレーム7は外部保護フードを形成し、該フードは、本発明による光学分析装置のさまざまな内部要素に接近するための蓋を備えている。
【0071】
撮影装置から発せられた信号は、図示しておらず、それ自体周知である処理ユニットに送られ、該処理ユニットに、実現されたさまざまな画像が記憶され、また該処理ユニットによって、製品搬送装置の後続する台において、自動選別を目的として、該画像のその後の処理と分析が可能になる。この処理ユニットは、それ自体既知の仕方で実現することができる。有利には、パソコンなどの情報処理装置で形成される。
【0072】
なお、本発明が、図示され、説明された実施例に対する多くの変形例を対象とすることができることに留意すべきである。たとえば、搬送ライン1、2の各側部に二つを超える分析台を備えることが可能である。各側部の分析台の数は、それぞれの側部で異なっていてもよい。中心長手方向垂直面に対する撮影装置の光学軸の傾きについては、36°という角度の値が実際上きわめて有利である。実際、該値は、製品が球形であれば、球体の中心に心出しされた規則的なテトラポッドの軸と光学軸が一致するための、光学軸の方向の理想的な理論的角度に対応する。しかしながら、他の角度の値を採用することもできる。照明室30の中の光源の数、種類および配置も異なっていてもよい。単一の照明室の代わりに、複数の照明室を、たとえば、搬送ライン用の別個の照明室、および/または、長手方向に連続する複数の照明室を、とりわけ各光学分析台に一つの照明室を備えることもできる。艶消しの白いペンキは、反射効果および拡散効果が得られる限りにおいて、他の明るい被覆に代えることができる。同様に、艶消しの黒のペンキは、適切な地を形成するのに適した、あらゆる暗色の被覆に代えることができる。
【0073】
駆動装置20は、図3に示したように、長手方向に沿った進行方向に対して逆方向に、あるいは反対に正方向に製品を回転駆動するように適合化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明による光学分析装置の垂直横断面における概略図である。
【図2】図1の装置の撮影装置の配置を示す平面概略図である。
【図3】図1の装置の垂直中央長手方向断面における概略図である。
【図4】最初の分析台と最後の分析台の間における製品の回転を示す、図1の装置のいくつかの分析台の側面概略図である。
【図5a】図1の装置の撮影装置から見えるような、完全に球形であると仮定した製品の表面のさまざまな区域(球形頭頂部)を示す概略図である。
【図5b】図1の装置の撮影装置から見えるような、光学分析のために考慮される、完全に球形であると仮定した製品の表面の区域を示す概略図である。
【符号の説明】
【0075】
1 搬送ライン
2 搬送ライン
3 ローラ
4 ローラ
7 固定フレーム
8 光学分析台
9 光学分析台
10 光学分析台
11 光学分析台
12 撮影装置
13 撮影装置
14 撮影装置
15 撮影装置
16 撮影装置
17 撮影装置
18 撮影装置
19 撮影装置
20 駆動装置
21 エンドレス・ベルト
22 モータ
23 内壁
24 下面
25 サスペンションライン
26 ランプ
27 形材
28 照明管
30 照明室
31 切込
32 横断開口部
35 区域
36 区域
37 区域
38 区域
39 下面
40 反射板
41 光学軸
42 光学軸
43 光学軸
44 区域
50 光学軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動選別を目的とする、果物などの球形の製品の光学分析装置であり、該装置は、
−固定フレームに対して長手方向に沿って連続進行方式で駆動され、長手方向に互いに順次整列した製品用の個別の複数の支持体を具備する製品の搬送ラインと、
−製品の外面用の光学分析台Pであり、分析台が、長手方向に沿って互いに距離を置いて連続的に配置され、それぞれが、搬送ラインに向けられた光学軸を備えている、フレームに固定取付された撮影装置を具備することで、この搬送ラインによって運ばれる、正面を流れる製品の画像を実現できるようになっている光学分析台と、
−製品の回転駆動装置であり、該製品が、連続する分析台の正面を流れる間に搬送ラインによって運ばれることで、製品の異なった面が連続する撮影装置から見えるようになっている駆動装置を具備するものであって、
−撮影装置が、該撮影装置が向けられた搬送ラインの上に配置され、長手方向を含む長手方向垂直面に対して側方にずらされていることと、
−分析台の撮影装置が撮影装置の二つの側方系列に沿って配置され、第一の側方系列が長手方向垂直面の一方の側部に位置づけられ、別個のP1個の分析台に属するN1個の撮影装置を具備し、第二の側方系列が長手方向垂直面の他方の側部に位置づけられ、別個のP2個の分析台に属するN2個の撮影装置を具備しており、N1、N2、P1およびP2がゼロでない整数であることを特徴とする、光学分析装置。
【請求項2】
駆動装置が適合化されることで、基準直径の製品が、長手方向に直交する軸を中心に、製品自体で回転するようになっており、該回転が、長手方向にしたがった最初の分析台と最後の分析台の間で、2π−2π/(P1+P2)あるいはそれを超える回転であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
P1≧2、P2≧2であることと、第一の側方系列の撮影装置が、第二の側方系列の撮影装置が属する分析台と異なる分析台に属すことと、駆動装置が適合化されることで、基準直径の製品が、第一の側方系列の連続する二つの分析台の間では2π/P1で、第二の側方系列の連続する二つの分析台の間ではおよそ2π/P2で、製品自体で回転するようになっていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
第一の側方系列の撮影装置と第二の側方系列の撮影装置が、長手方向に沿って交互に配置され、
長手方向において直接連続する二つの分析台の一方が、第一の側方系列に属する撮影装置を有し、
他方が、第二の側方系列に属する撮影装置を有することを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
P1=P2=P/2であることと、長手方向に沿って連続する分析台の間隔が、規則的であることと、駆動装置が適合化されることで、基準直径の製品が、連続する二つの分析台の間において、2π/Pで、製品自体で回転するようになっていることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の装置。
【請求項6】
撮影装置は、それらの光学軸が長手方向垂直面に対して、20°と45°の間に含まれる、傾斜角(α)と呼ばれる所定の角度を形成するように配置されていることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載の装置。
【請求項7】
同一の側方系列のすべての撮影装置は、それらの光学軸が、長手方向垂直面に対して、すべてが同一の傾斜角(α1、α2)を形成するように配置されていることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか一つに記載の装置。
【請求項8】
第一の側方系列の撮影装置の光学軸によって、長手方向垂直面に対して形成される傾斜角(α1)が、第二の側方系列の撮影装置の光学軸によって、長手方向垂直面に対して形成される傾斜角(α2)と等しいことを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
長手方向垂直面に対する撮影装置の光学軸の傾斜角が、およそ36°であることを特徴とする、請求項6〜請求項8のいずれか一つに記載の装置。
【請求項10】
P1=P2=2であることを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれか一つに記載の装置。
【請求項11】
分析台が、搬送ラインに対し、撮影装置を具備していることを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれか一つに記載の装置。
【請求項12】
同一の搬送ラインに向けられた同一の側方系列のすべての撮影装置が、同じ高さで、この搬送ラインの長手方向に対して側方に同じだけずらされてフレームに固定されていることを特徴とする、請求項1〜請求項11のいずれか一つに記載の装置。
【請求項13】
すべての撮影装置が、搬送ラインの上で、同一の水平の高さでフレームに固定されていることを特徴とする、請求項1〜請求項12のいずれか一つに記載の装置。
【請求項14】
分析台の正面を流れる製品の上に配置された照明装置と、撮影装置が向けられている搬送ラインに対する撮影装置に相対して、撮影のためのバックを形成するスクリーンを具備していることを特徴とする、請求項1〜請求項13のいずれか一つに記載の装置。
【請求項15】
撮影装置に対して、下部側方反射板と呼ばれる反射板を具備し、該反射板が、対応する搬送ラインの側部に、該ラインに沿って配置され、製品の下部側方面の区域の照明を改善するように適合化されていることを特徴とする、請求項1〜請求項14のいずれかに一つに記載の装置。
【請求項16】
撮影装置が、正面を流れる製品の複数の連続する印画を実現するように適合化されていることを特徴とする、請求項1〜請求項15のいずれか一つに記載の装置。
【請求項17】
撮影装置が、異なった光学的性質をした撮影を実現するカメラを具備していることを特徴とする、請求項1〜請求項16のいずれか一つに記載の装置。
【請求項18】
−同一水平面内に配置された平行な搬送ラインと、
−分析台に対する一対の撮影装置であり、一方が搬送ラインの一方に向けられているのに対し、他方がもう一方の搬送ラインに向けられている一対の撮影装置を具備することを特徴とする、請求項1〜請求項17のいずれか一つに記載の装置。
【請求項19】
搬送ラインがローラを具備し、該ローラが長手方向に直交する横断回転軸に対して回転自在であるように支持され、長手方向に沿って互いに間隔を置いていることで、連続する二つのローラが、それらの間に、製品用の個別の支持体の収納部である窪部を画定するようになっていることと、駆動装置が分析台の間でローラを回転駆動するように適合化されていることを特徴とする、請求項1〜請求項18のいずれか一つに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【公開番号】特開2006−55846(P2006−55846A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−235694(P2005−235694)
【出願日】平成17年8月16日(2005.8.16)
【出願人】(595050592)
【Fターム(参考)】