説明

個人認証システムおよび個人認証方法

【課題】人が出入り口を通過することに伴う複数の通過途中状態のそれぞれにおいて電界通信による複数の個人認証を行いセキュリティを確保する。
【解決手段】RD(電界通信)端末2と、エントランス門扉6と、エレベータホールドア12と、ドア制御装置3と、このドア制御装置3を構成する送受信装置16と、入出力回路17と、制御回路18と、無停電電源装置19と、居住者名簿DB(データベース)15を備える。送受信装置16には、門扉信号線20を介してRさん1が手で触れるための接触子付きノブ7が接続され、メッセージポスト8にはRさん1が手で触れるための接触子9が設けられ、エレベータホールドア12もドア信号線22で接続されている。人が出入り口を通過することに伴う複数の通過途中状態のそれぞれにおいて電界通信による複数の個人認証を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人認証システムおよび個人認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来において、マンションやビルの出入り口に設けられたドアには、セキュリティの目的から許可された個人のみの出入りを選択的に許可するための個人認証システムが設けられている。これらの個人認証システムは、あらかじめ認証対象となる個人に認証キーとなる情報媒体を持たせ、この情報媒体に記憶された認証キーを確認することで個人認証を行っている。
【0003】
こうした個人認証システムにおいて、出入り口のドアの開閉時に認証キーとしての個人情報を入力する方法は、たとえば鉄道の駅などに設置された自動改札で用いられている非接触式ICカードや、あるいはRFIDなどの情報入力方法が採用されている。
【0004】
また、人体などを電界伝達媒体として誘起した電界を用いて個人認証のための個人情報を送受信して、個人認証を行う個人認証システムや個人認証方法も提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−126698
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上述のような従来の個人認証システムにおいて、たとえば非接触式ICカードを用いた個人認証システムでは、ICカード読取機にICカードを密着させなければならなかった。また、RFIDは密着させなくとも良いが、読み取り範囲に複数のRFIDがあるとそれらを区別なく全て読み取ってしまう可能性があった。
【0006】
また、出入り口のドアに荷重検出機能を備えたマットを配置し、人がマットを踏んだことを荷重検出をもって検出し、人が出入り口のドアを通って移動していることを把握することが可能であるものの、しかし、マットを踏んだ人を個人認証するには非接触式ICカードやRFIDを組み合わせる必要があった。
【0007】
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、その目的は、人が出入り口を通過することに伴う複数の通過途中状態のそれぞれにおいて電界通信による複数の個人認証を行いセキュリティを確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、出入り口において電界通信を用いて送信されたIDにより個人認証を実施するための個人認証システムにおいて、前記出入り口に複数で配置された前記電界通信のための電界通信電極と、前記出入り口の通行が許可された前記IDを認証するための認証情報を記憶しているデータベースと、前記電界通信電極から入力された前記IDを受信して前記データベースに記憶された前記認証情報に照合し前記IDと前記認証手段が一致した場合に認証するためのID照合手段と、複数の前記電界通信電極からそれぞれ送信された前記IDが所定の時間内において所定の順序でもって前記ID照合手段によって全て認証された場合において、前記出入り口の通行を許可するためのドア制御装置と、を備える。
【0009】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1において、前記ドア制御装置は、複数の前記IDのうちのいずれかが、所定の時間内でなく、所定の順序でなく、前記ID照合手段によって認証されない、のうちのいずれかに該当する場合において前記出入り口を通行しようとする人に警告を発するための警告発生手段を備える。
【0010】
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1または2において、前記ドア制御装置は、前記出入り口において通行を許可した前記IDと許可時刻を記憶するための通行者記憶手段を備える。
【0011】
また、請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3のうちのいずれかにおいて、前記ドア制御装置は、前記許可に伴って前記出入り口に設けられたドアの開閉または開錠のうちのいずれかまたは両方を実行するための開閉開錠手段を備える。
【0012】
また、請求項5に記載の本発明は、出入り口において電界通信を用いて送信されたIDにより個人認証を実施するための個人認証方法において、前記出入り口に複数で配置された電界通信電極において、前記電界通信をするステップと、データベースにおいて、前記出入り口の通行が許可された前記IDを認証するための認証情報を記憶するステップと、ID照合手段において、前記電界通信電極から入力された前記IDを受信して前記データベースに記憶された前記認証情報に照合し前記IDと前記認証手段が一致した場合に認証するステップと、ドア制御装置において、複数の前記電界通信電極からそれぞれ送信された前記IDが所定の時間内において所定の順序でもって前記ID照合手段によって全て認証された場合において、前記出入り口の通行を許可するステップと、を有する。
【0013】
また、請求項6に記載の本発明は、請求項5において、前記ドア制御装置は、警告発生手段において、複数の前記IDのうちのいずれかが、所定の時間内でなく、所定の順序でなく、前記ID照合手段によって認証されない、のうちのいずれかに該当する場合において前記出入り口を通行しようとする人に警告を発するステップを有する。
【0014】
また、請求項7に記載の本発明は、請求項5または6において、前記ドア制御装置は、通行者記憶手段において、前記出入り口において通行を許可した前記IDと許可時刻を記憶するステップを有する。
【0015】
また、請求項8に記載の本発明は、請求項5〜7のうちのいずれかにおいて、前記ドア制御装置は、開閉開錠手段において、前記許可に伴って前記出入り口に設けられたドアの開閉または開錠のうちのいずれかまたは両方を実行するステップを有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、人が出入り口を通過することに伴う複数の通過途中状態のそれぞれにおいて電界通信による複数の個人認証を行うことができセキュリティを確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<第1の実施の形態>
図1には、個人認証システムおよび個人認証方法の実施の形態を説明するための説明図を示している。
【0018】
この図1には個人認証を受ける個人(人)としてRさん1と、このRさん1が所持しているRD(電界通信)端末2と、エントランス門扉6と、エレベータホールドア12と、ドア制御装置3と、このドア制御装置3を構成する送受信装置16と、入出力回路17と、制御回路18と、無停電電源装置19と、居住者名簿DB(データベース)15が示されている。
【0019】
入出力回路17には信号線25で接続されたマンション内各戸モニタ付きインタホン5と、信号線26で接続されたディスプレイ4と、画像音声信号線24で接続された入出力装置13と、スピーカ・マイク14と、ドア開錠信号線23で接続された接触子付き鍵11が接続されている。
【0020】
また、送受信装置16には、門扉信号線20を介してRさん1が手で触れるための接触子付きノブ7が接続され、メッセージポスト8とメッセージポスト制御端末10もメッセージポスト信号線21で接続され、メッセージポスト8にはRさん1が手で触れるための接触子9が設けられ、エレベータホールドア12もドア信号線22で接続されている。
【0021】
なお、図1中のS1、S2、S3は、Rさん1がマンションなどの出入り口のエントランス門扉6から入り(S1)、そこを通過してメッセージポスト8を通過し(S2)、さらにドア12へ到達(S3)までの経過をそれぞれ示している。
【0022】
まず図1のS1において、マンションなどの自宅に帰宅したRさん1はマンションのエントランス門扉6を手で開けてエントランス部に入る。Rさん1がエントランス門扉6の接触子付きノブ7に触れた時、Rさん1の所持しているRD端末2よりエントランス門扉6と門扉信号線20を介してドア制御装置3にRさん1が個人認証を受けるためのIDが送られる。そしてこのIDをドア制御装置3は一定期間保存する。
【0023】
また、エントランス門扉6は開閉自由で、来訪者やRさん1からの電界通信を介した信号を得るために配置されており、エントランス門扉6を開けるために手で触れることを意図して配置されている。
【0024】
次に図1のS2において、Rさん1は続いてメッセージポスト8を指先で触れて、そこに表示されるメッセージを確認する。この時、Rさん1の所持しているRD端末2よりメッセージポスト8とメッセージポスト信号線21を介してドア制御装置3にRさん1に固有のIDが送られる。このIDをドア制御装置3は一定期間保存する。
【0025】
なお、メッセージポスト8には、例えばマンションの管理組合などからの入居者全体への簡単なお知らせや、Rさん1へ向けた個別のメッセージを表示する。特にイベントがなく知らせるべき情報が無いときには、入館者がRさん1であることはこの時点までに判別できているので「Rさん1お帰りなさいませ」といったフレンドリーなメッセージを表示してもよい。
【0026】
次に図1のS3において、Rさん1はエレベータホールドア12の接触子付き鍵11あるいはエレベータのボタンに手をかけてエレベータに乗ろうとする。この時、Rさん1の所持しているRD端末2よりエレベータホールドア12の接触子付き鍵11あるいはエレベータのボタンに組み込まれたドア信号線22を介してドア制御装置3にRさん1に固有のIDが送られる。このIDをドア制御装置3は一定期間保存する。
【0027】
そして、ドア制御装置3はエントランス門扉6、メッセージポスト8、エレベータホールドア12から順次送られてきた信号の順序と情報を検査する。信号の到着順序が正しいこと、妥当な範囲の時間差であること、同一の信号が送られてきていることを確認すると、ドアが開錠される。
【0028】
次の図2〜図5には、図1に示したS1〜S3までの経過において複数回で行われる個人認証の処理について説明するための説明図を示す。図1に示したS1〜S3までの経過において複数回で行われる個人認証の処理が不十分な場合には、その動作の概略として、ドア制御装置3はエレベータホールドア12を開錠せずに、画像音声信号線24を介して所定のレベルに応じた警報を発生し、この警報への所定の応答があった場合には開錠を行う。
【0029】
まず、図2に示すのは、S1〜S3の3ヶ所の経過からのIDの内、全てのIDを正常に得られた場合の処理を説明する説明図である。この図において、人(Rさん1)の動き、関係する入出力装置、制御回路の動作内容、居住者名簿DB15のそれぞれの間における処理を示している。
【0030】
まず、Rさん1が門扉6の接触子付きドアノブ7を手で触れる。この接触によりRさん1が所持するRD端末2から個人認証のための認証信号として、IDをドア制御装置3へ門扉信号線20を介して送信する。ドア制御装置3では送受信装置16にてこのIDを受信し、制御回路18にてこのIDを居住者名簿DB15に転送する。転送されたIDに基づいて居住者名簿DB15に記憶されている居住者名簿情報の中から一致するIDを照合し、Rさん1のIDを発見する。発見したRさん1の認証情報Maと、処理時刻のログとして時刻Taを保存する。
【0031】
次に、S2にてRさん1がメッセージポスト8の接触子9にRさん1が手で触れると、S1と同様にIDを居住者名簿DB15に照合して、検索結果として認証情報Mbを取得し、時刻Tbも保存する。
【0032】
次に、ID検索結果の認証情報Maと認証情報Mbが一致し、時刻Taと時刻Tbの時間軸上の順序と、両者の時間差があらかじめ設定した許容差内である場合は、メッセージポスト8にRさん1へ向けた個別のメッセージを表示する。このメッセージ表示のための制御はドア制御装置3からの指示に基づきメッセージポスト制御端末10により実行される。
【0033】
次に、S3にて、エレベータホールドア12の接触子付き鍵11にRさん1が触れると、IDが送信され、ドア制御装置3にて居住者名簿DB15と照合され、IDに合致する認証情報Mcとその時刻Tcを保存する。
【0034】
次に、エレベータホールドア12が開錠される。この開錠は、IDの検索結果である認証情報Ma、認証情報Mb、認証情報Mcが一致して、かつ、時刻Ta、時刻Tb、時刻Tcのそれぞれの順序が時間軸上で並び、その経過時間もあらかじめ設定された許容時間内であることが条件となる。
【0035】
そして、Rさん1はエレベータホール内へ入ることができる。以上のS1〜S3において実行されたすべての処理はイベントのログ情報としてドア制御装置3に記録される。
【0036】
次に、図3に示すのは、S1〜S3の3ヶ所の経過からのIDの内、S1とS3のIDのみが正常に得られた場合の処理を説明する説明図である。
【0037】
まず、Rさん1が門扉6の接触子付きノブ7を触ることにより図2に示した説明図と同様に認証情報Maと時刻Taが保存される。
【0038】
次に、Rさん1がS2を飛ばしてS3のエレベータホールドア12の接触子付き鍵11に触れることで認証情報Mcと時刻Tcを得る。
【0039】
次に、ドア制御装置3にて認証情報Maと認証情報McがRさん1に一致し、かつ認証情報Mbと時刻Tbが無いものの、時刻Taと時刻Tcの時間軸上の順序が正しく、許容範囲内である場合は、異常動作の段階を「レベル1」として判定する。
【0040】
次に、この「レベル1」の判定に基づき、あらかじめ設定された音声応答をエレベータホールドア12の画像音声キー入出力装置13に備わるスピーカ・マイク14から再生させる。この音声応答の内容は、たとえば「ドアから手を離して、再度ドアにタッチして下さい」といった内容である。
【0041】
次に、Rさん1がこの音声応答に応じてエレベータホールドア12の接触子付き鍵11に触れると、Rさん1のIDがドア制御装置3に送信され、認証情報Mccと時刻Tccを得る。
【0042】
次に、ドア制御装置3において、認証情報Maと認証情報Mcと認証情報Mccが一致し、時刻Taと時刻Tcと時刻Tccの順序が正しく許容範囲内であれば、エレベータホールドア12の接触子付き鍵11の開錠を指示する。
【0043】
そして、Rさん1はエレベータホール内へ入ることができる。以上のS1、S3において実行されたすべての処理はイベントのログ情報としてドア制御装置3に記録される。
【0044】
次に、図4に示すのは、S1〜S3の3ヶ所の経過からのIDの内、S3のIDのみが正常に得られた場合の処理を説明する説明図である。
【0045】
まず、Rさん1がエレベータホールドア12の接触子付き鍵11へ触れる。ここで認証情報Mcと時刻Tcを得る。ドア制御装置3は、認証情報Maと認証情報Mbの両方が無く、認証情報McがRさん1のIDと一致し、時刻Taと時刻Tbが無いので、異常動作の段階を「レベル2」と判定する。
【0046】
次に、画像音声キー入出力装置13のスピーカ・マイク14から再生させる。この音声応答の内容は、たとえば「どうされましたか、確認のため再度ドアにタッチして下さい。確認のために写真を撮影しますのでドアにまっすぐ向かってください」と告げ、その後「写真を撮影」いった内容である。写真撮影のための撮像装置は画像音声キー入出力装置13に備わり、ここで正常に写真撮影が完了する。
【0047】
次に、Rさん1が接触子付き鍵11に触れ認証情報Mcと時刻Tdが保存される。
【0048】
次に、取得した認証情報Mcと、および時刻Tcと時刻Tdについて、時刻Tcと時刻Tdの時間軸上の順序が正しく、かつ経過時間も許容範囲内であることが確認される。さらに写真撮影も正常に完了したことを確認し、エレベータホールドア12の接触子付き鍵11の開錠を行う。
【0049】
そして、Rさん1はエレベータホール内へ入ることができる。以上のS3において実行されたすべての処理はイベントのログ情報としてドア制御装置3に記録される。
【0050】
次に、図5に示すのは、S1〜S3の3ヶ所の経過からのIDの内、S3のみにおいてRさん1以外の人物(Xさん)がエレベータホールドア12に接触した場合の処理を説明する説明図である。
【0051】
まず、Rさん1以外の他人であるXさんがエレベータホールドア12の接触子付き鍵11へ触れたことを検出する。この検出において、IDが送信されず、認証情報Ma、認証情報Mb、認証情報Mcが全て無く、時刻Ta、時刻Tb、時刻Tcが無いので、異常動作の段階を「レベル3」と判定する。
【0052】
次に、この「レベル3」の判定に応じて画像音声キー入出力装置13のスピーカ・マイク14から再生させる。この音声応答の内容は、たとえば「どなた様ですか、お名前とお尋ね先をお知らせください」と告げる。
【0053】
次に、Xさんが自分の名前を画像音声キー入出力装置13へ告げると、この音声が録音される。また、同時にXさんが発声中に写真撮影も実行される。この画像記録は、画面内に正常な明暗があることを確認し、たとえば、真黒や真っ白の画面などの異常な場合は「カメラを塞がないで下さい」といった警告音声を発する。
【0054】
次に、Xさんが訪問先の部屋番号を画像音声キー入出力装置13に入力し、入力された部屋番号からマンション内各戸モニタ付きインタホン5に来訪者(Xさん)があることを知らせる。訪問先の居住者はこの通知を受けて、マンション内各戸モニタ付きインタホン5を介して、来訪者を確認したいので画像転送を要求する旨の操作を行う。この要求操作を受けて、ドア制御装置3は「画像を転送します」と告げて、Xさんの写真撮影画像を居住者の室内に設けられたディスプレイ4へ転送して画像表示する。
【0055】
居住者はディスプレイ4に表示されたXさんの画像を確認し、ドア制御装置3へ入館要求を行い、この要求を受けたドア制御装置3はエレベータホールドア12の開錠を指示する。
【0056】
そして、Xさんはエレベータホール内へ入ることができる。以上のS3において実行されたすべての処理はイベントのログ情報としてドア制御装置3に記録される。
【0057】
なお、メッセージポスト8の構成としては、液晶等の表示装置と案内音声用のスピーカとタッチパネル等のスイッチとから構成される。また、メッセージポスト制御端末10は一般のパソコンで構成してもよく、居住者への共通なメッセージや個々の居住者へのメッセージを格納している。また、RD端末2から入力された識別情報により該当する居住者へのメッセージがあった場合には、そのメッセージを表示する。
【0058】
また、ディスプレイ4はマンション内の管理人室内あるいは共用管理施設内に設置し、過去の記録など確認等に利用することができる。図1ではドア制御装置3とディスプレイ4間を信号線26で接続した例を示したが、有線に限らず無線LAN等で接続しても良く、管理人室内ではディスプレイ4を家庭用モニタ(TVのディスプレイ)に代用して利用することも可能である。
【0059】
以上説明した第1の実施の形態によれば、集合住宅やマンション向けのインテリジェント・キーシステムは登録された正しいRD端末を保持している人の場合には手順を踏んだ後にドアを開ける方式であり、カメラを手で覆ったりしなければ最終的に拒否しない方式である。セキュリティの低下を来さないように、手順が不十分な場合には警告と応答を要求すると同時に、その間に映像を記録する。侵入しようとする人の十分な記録を保持していることと、積極的に記録をしていることを知らせて侵入を断念させる。
【0060】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態と第2の実施の形態の違いは、図1と図2との比較において、S1に相当するS10が門扉6および接触子7からマット30へ変更された点である。
【0061】
図6に示した第2の実施の形態の構成を説明するための説明図において、門扉6に比べマット30はより開放感のあるエントランスを実現できる。マット30の上を通過し易いように通路を配置し居住者に協力を得る。ドア制御装置3の動作に必要な信号入力は、門扉信号線20に代えてマット信号線32を用いている。
【0062】
<第3の実施の形態>
第1の実施の形態と第2の実施の形態で説明したマンション向けの構成に較べて、第3の実施の形態では一戸建て住宅における個人認証を実施した例を示している。
【0063】
戸別住宅向けの個人認証システム(インテリジェント・キーシステム)は登録された正しいRD端末2を保持している人の場合には、あらかじめ定めた手順を踏んだ後にドア39を開ける方式であり、カメラを手で覆ったりしなければ最終的に拒否しない方式である。
【0064】
そこで、セキュリティの低下を来さないように、手順が不十分な場合には警告と応答を要求すると同時に、その間に映像を記録する。侵入しようとする人の十分な記録を保持していることと、積極的に記録をしていることを知らせて意図しない侵入者の侵入を断念させる。
【0065】
図7に第3の実施の形態の構成と動作を説明するための説明図を示す。
【0066】
この図7のS20において、まず帰宅したRさん1は門扉37を手で開けて自宅エントランス部に入る。この時、Rさん1の所持しているRD端末2より門扉37から門扉信号線43を介してドア制御装置3にRさん1に固有のIDが送られる。このIDをドア制御装置3は一定期間保存する。なお、門扉37は開閉自由で、来訪者から個人認証のための電界通信によるIDを得るために、自宅エントランス部の門扉37に手で触れてもらうために配置されている。
【0067】
次のS21にて、Rさん1は続いてポスト38の蓋を手で開けて中を確認する。この時、Rさん1の所持しているRD端末2よりポスト38からポスト信号線44を介してドア制御装置3にRさん1に固有のIDが送られる。このIDをドア制御装置3は一定期間保存する。
【0068】
次のS22にて、Rさん1は続いてドア39のノブ42に手をかけてドア39を開けようとする。この時、Rさん1の所持しているRD端末2よりドア39からドア信号線45を介してドア制御装置3にRさん1に固有のIDが送られる。このIDをドア制御装置3は一定期間保存する。
【0069】
次に、ドア制御装置3は門扉37、ポスト38、ドア39から順次送られてきたIDの順序と情報を検査する。IDの到着順序が正しいこと、妥当な範囲の時間差であること、同一のIDが送られてきていること、家族名簿DB35に記憶された情報と合致していることを確認すると、ドア39が開錠される。
【0070】
もし、前記検査内容が不十分な場合には、ドア制御装置3はドア39の開錠をせずに、画像音声信号線47を介して異常レベルに応じた警報を発する。
【0071】
「レベル1」:3ヶ所からの信号の内1ヶ所からの信号がかけている場合は、「ドアから手を離して再度ドアにタッチして下さい」と告げ、再度ドア39に接触して正しいIDが入力されたら開錠する。
【0072】
「レベル2」:3ヶ所からの信号の内2ヶ所からの信号がかけている場合は、「どうされましたか、確認のため再度ドアにタッチして下さい。確認のために写真を撮影しますのでドアにまっすぐ向かって下さい」と告げ、写真を撮影し再度ドア39に接触して正しい信号が入力されたら開錠する。
【0073】
「レベル3」:3ヶ所からの信号が一つも無くドアに直接手をかけた場合は、来訪者があると判断し、家族が在宅であり自動応答する場合には「どなた様ですかお名前とご用件をお知らせ下さい」と告げる。
【0074】
そして、名前が名乗られ、家族の誰への要件かが告げられた場合には家族が対応をする。家族で対応する前に来訪者を確認したい場合には「画像を転送しますと」告げて画像を内部に転送すると同時に記憶する。以上の確認を終了した後に家族はドア制御装置3にキーボード36からドアを開錠する信号を送る。画像入力をする際に入力された画像を処理して、写真撮影のカメラのレンズが何かで覆われていないことを確認するなどして安全性を確保する。
【0075】
次に、ドア制御装置3が開錠と判断した場合に、ディスプレイ4に家族の帰宅があったことの情報を転送することができる。
【0076】
ディスプレイ4は宅内のリビングルーム等家人にとってアクセスし易い場所に設置し、過去の記録確認等に利用する事ができる。図7ではドア制御装置3とディスプレイ4間をケーブル48で接続した例を示したが無線で接続しても良いし、ディスプレイ4として家庭用モニタ(TVのディスプレイ)を利用することも可能である。
【0077】
ドア制御装置3のキーボード36は、たとえばパソコン用のキーボードもしくはドア制御専用の機能ボタンを集めた専用キーボードを備えている。
【0078】
また、2階建ての住居などにおいて一階と二階とでアクセス可能なように有線/無線LAN等を経由してマスタースレーブ構成の2台のドア制御装置3を配置することも可能である。
【0079】
このような第3の実施の形態によれば、帰宅時にその個人識別情報の投入を意識させないソフトなインテリジェント・キーを提供することができる。
【0080】
<第4の実施の形態>
図8には、個人認証システムの第4の実施の形態を説明するための説明図を示す。この第4の実施の形態では、居室や実験室等に適用するインテリジェント・キーシステムの構成例を説明のために示している。
【0081】
まず、実験室に入室しようとしたRさん1は実験室のドア51の前に配置された電界通信用の電極を備えたステップA52上に立つ。Rさん1がステップA52に立った時に、Rさん1の所持しているRD端末2よりステップA52からステップA信号線54を介してドア制御装置3にRさん1に固有のIDが送られる。このIDをドア制御装置3は予め登録されている入室者名簿DB50の登録内容と照合し、登録されていればドア51を開錠すると同時に、誰がいつステップA52の上に立ち入室しようとしたかを一定期間保存する。
【0082】
次に、Rさん1は開いたドア51より入室しステップB53に立つ。Rさん1がステップB53に立った時に、Rさん1の所持しているRD端末2よりステップBからステップB信号線55を介してドア制御装置3にRさん1に固有のIDが送られる。
【0083】
ドア制御装置はステップA52とステップB53からのIDを比較し、適切な時間差であること同一人物からの情報であることを確認して、ドアを閉め、誰が何時入室したのかを入出者名簿DB50に保存する。
【0084】
また、ドア51を開けたにもかかわらずRさん1がドア51より入室しステップB53に立たなかった場合がある。この場合にはRさん1は入室していないので、ドア制御装置3はドア51を閉め、入室しようとした人がいることを記録する。
【0085】
さらに、退室の場合は入室の場合と逆に、ステップB53側からステップA52側に移動することで検出される。実験室に複数のドア51が設備されている場合には、すべてのドア51に2個のステップA52、ステップB53を配置する。全てのドア51からの情報を1個のドア制御装置3に集中管理する。なお、ドア制御装置3のディスプレイ4により入室者の状況を確認することができる。
【0086】
次の図9〜図11には、図8に示した個人認証システムにおいて行われる個人認証の処理について説明するための説明図を示す。まず、図9にはRさん1が正常にドア51から入出した場合の処理の流れを示しており、Rさん1がステップA52に立つとこのステップA52からRさん1のIDをドア制御装置3へ転送する。転送されたIDは入室者名簿DB50へ送られ、入室者名簿DB50内をRさん1のIDに基づいて検索し、ID照合を行う。IDに合致する認証情報Maを取得して、時刻Taも同時に保存する。
【0087】
次に、Rさん1が入室許可者であることがID照合で確認されたので、ドア51へドア開錠信号線56を介してドア制御装置3から開錠信号が送られる。
【0088】
次に、開いたドア51を通過してRさん1がステップB53に立つと、Rさん1のIDが再びステップB53からドア制御装置3へステップB信号線55を介してIDが送信され、ID照合の結果として認証情報Mbと時刻Tbを取得する。
【0089】
そして、認証情報Maと認証情報Mbが一致し、かつ、時刻Taと時刻Tbが正常な順序と許容時間内であることが確認され、Rさん1が室内へ入ったことが記録される。この入室の記録はRさん1が退室するまで入室者名簿DB50内の入室者リストに保存され、別に入室者記録として人名と入退室時刻も保存される。
【0090】
次に、Rさん1がステップB53から離れると、ステップB53からのIDの送信も停止する。このIDの送信停止を受けて、ドア制御装置3は入室完了と判断してドア51を閉じて施錠を指示し、施錠が実行される。
【0091】
次の、図10には、入室したRさん1が退室する場合の個人認証の正常動作例を説明するための説明図を示している。
【0092】
まず、退室するためにRさん1がステップB53の上に立つと、ステップB53からRさん1のIDがドア制御装置3へステップB信号線55を介して送信される。IDは入室者名簿DB50にてID照合され、Rさん1の認証情報Maと時刻Taとを保存する。また、ドア制御装置3はRさん1であることを確認したので、ドア51へドア開錠信号線56を介して開錠信号を送り、開錠する。
【0093】
次に、Rさん1がドア51を通過してステップA52の上に立つ。ステップA52からはRさん1のIDがステップA信号線54を介してドア制御装置3へ送信される。ドア制御装置3では受信したIDを入室者名簿DB50に照合して、Rさん1の認証情報Mbと時刻Tbを記憶する。
【0094】
そして、認証情報Maと認証情報Mbが一致し、時刻Taと時刻Tbの時間軸上の順序が正しく、かつ経過時間も許容範囲内であるならば、Rさん1が退室したことを記録保存する。この記録保存では、入室者リストからRさん1を削除し、別に入室者記録としてRさんの人名と入退室時刻を保存することにより、入室者記録を更新保存する。
【0095】
次に、Rさん1がステップA52から離れると、ステップA52からのRさん1のIDも送信が途絶え、これをもってドア制御装置3はRさん1の退室完了と判断して、ドア51の施錠を指示して、施錠が完了する。
【0096】
図11には、入室しようとしたRさん1がステップA52に立ったものの、そのまま入室せずに立ち去った場合の個人認証動作を説明するための説明図を示している。
【0097】
まず、Rさん1がステップA52に立つと、ステップA52を介してRさん1のIDがドア制御装置3へ送信され、このIDを入室者名簿DB50に照合する。このID照合の結果、Rさん1の認証情報Maが取得され、時刻Taも保存される。Rさん1は入室許可者であるので、ドア制御装置3はドア51の開錠信号を送信し、ドア51を開錠する。
【0098】
しかし、Rさん1はドア51に入らずにそのまま立ち去ってしまうので、ステップB53にRさん1が立つことはなく、ステップB53でのID信号の入力待受け時間がタイムアウトしてしまう。ドア制御装置3はRさん1からのIDの入力がないので、Rさん1が入室しなかったものと判断してドア51を閉めて施錠する信号を送信し、ドア51は施錠される。これらのイベントはログ情報として記録される。
【0099】
このような第4の実施の形態によれば、こうしたインテリジェント・キーシステムを居室や実験室等に備えることにより、どのドアから誰が何時入室し何時退室したのかが常に把握できる。この結果、危険な薬品を利用する実験室や、火事の発生時にガスを充満させて消化するような計算機室や、入室時間を厳重に管理する放射線を吸う実験室などにおける入室管理が行える。
【0100】
特に、事故発生時に室内に取り残された人の有無が容易に確認できるので救助を優先することができる。
【0101】
<第5の実施の形態>
第5の実施の形態は、第4の実施の形態の構成において、図12に示すように、ドア51の部分にレーザ光や赤外線等を用いたセンサ60を設置し、このセンサ60が検出した信号をセンサ信号線61を介してドア制御装置3へ入力した構成である。
【0102】
まず、図12と図13を参照して、Rさん1がステップA52に立つとこのステップA52からRさん1のIDをドア制御装置3へ転送する。転送されたIDは入室者名簿DB50へ送られ、入室者名簿DB50内をRさん1のIDに基づいて検索し、ID照合を行う。IDに合致する認証情報Maを取得して、時刻Taも同時に保存する。
【0103】
次に、Rさん1が入室許可者であることがID照合で確認されたので、ドア51へドア開錠信号線56を介してドア制御装置3から開錠信号が送られる。
【0104】
そして、Rさん1がドア51を通過すると、センサ60がRさん1の通過を検出する。この検出時の時刻Tdooaを保存する。
【0105】
次に、開いたドア51を通過してRさん1がステップB53に立つと、Rさん1のIDが再びステップB53からドア制御装置3へステップB信号線55を介してIDが送信され、ID照合の結果として認証情報Mbと時刻Tbを取得する。
【0106】
そして、認証情報Maと認証情報Mbが一致し、かつ、時刻Taと時刻Tdooaと時刻Tbが正常な順序と許容時間内であることが確認され、Rさん1が室内へ入ったことが記録される。この入室の記録はRさん1が退室するまで入室者名簿DB50内の入室者リストに保存され、別に入室者記録として人名と入退室時刻も保存される。
【0107】
次に、Rさん1がステップB53から離れると、ステップB53からのIDの送信も停止する。このIDの送信停止を受けて、ドア制御装置3は入室完了と判断してドア51を閉じて施錠を指示し、施錠が実行される。
【0108】
なお、ドア51を閉める際に安全のために、ドア51に挟まれている人や物が無いか確認するためにセンサ60を利用することもでき、さらにドア51を閉めることを警告する音声や案内表示などを行って、安全対策とすることもできる。
【0109】
<第6の実施の形態>
第6の実施の形態は、乗合バスなどの公共交通機関においてインテリジェント・キーシステムを実施した場合の構成例である。
【0110】
この図14には、第6の実施の形態の構成を説明するための構成図が示されている。ドア制御装置3とディスプレイ4の構成は第1〜第5の実施の形態と同じであるが、乗合バスの乗客名簿DB65を備えている点が異なる。また、ドア制御装置3で制御するドア66と、人感センサと電界通信電極とを備えたステップA67およびステップB68と、ドア開錠信号線69と、ステップA信号線70と、図示しない圧力センサAに接続された圧力センサA信号線71と、ステップB信号線72と、図示しない圧力センサBに接続された圧力センサB信号線73を備える点で異なっている。
【0111】
図14において、まず、乗合バスが備えるドア制御装置3の乗客名簿DB65にあらかじめ登録されたIDを発信するためのRD端末2を持ったRさん1が乗車する場合について図15に示した認証処理の説明図をもって説明する。
【0112】
図15に示すように、乗合バスに乗車しようとしたRさん1は乗合バスのドア66を手で開けRD端末2と電界通信するための電極と人感(圧力)センサとを備えたステップA67に立つ。Rさん1がステップA67に立った時に、Rさん1の所持しているRD端末2よりステップA67からステップA信号線70と圧力センサA信号線71を介してドア制御装置3にRさん1に固有のIDと圧力センサAの検出結果が送られる。
【0113】
このIDをドア制御装置3は予め登録されている乗客名簿DB65の内容と照合し、Rさん1の認証情報Maと時刻Taを取得し一定期間保存する。このときにRさん1が登録された乗合バスの乗客であることが確認される。
【0114】
次に、Rさん1はステップB68に立つ。Rさん1がステップB68に立った時に、Rさん1の所持しているRD端末2よりステップB68からステップB信号線72と圧力センサB信号線73を介してドア制御装置3にRさん1固有のIDと圧力センサBの検出結果が送られる。このIDをドア制御装置3は予め登録されている乗客名簿DB65の内容と照合し、Rさん1の認証情報Mbと時刻Tbを取得し一定期間保存する。ここでもRさん1が乗合バスの乗客であることが確認される。
【0115】
次に、ドア制御装置3はステップA67とステップB68とからの信号を比較し、認証情報Maと認証情報Mbが一致し、時刻Taと時刻Tbも時間軸上で前後がただしく許容範囲内の適切な経過時間であること、同一人物からの情報であること等を確認して、誰が何時乗車したのかを保存する。この保存において、Rさん1は乗合バスに乗車完了として認識し、現在乗車中の乗客を記録した乗車表を更新して保持する。
【0116】
なお、下車の場合は乗車の場合と逆に、ステップB68側からステップA67側に移動することで検出される。
【0117】
図16には、Rさん1がRD端末2を持ってあらかじめ登録していない他の乗合バスに乗車しようとした場合の認証処理を説明するための説明図を示す。
【0118】
まず、あらかじめRさん1が登録されていない他の乗合バスに乗車しようとしたRさん1は、この乗合バスのドアを手で開け電界通信の電極を備えたステップA67に立つ。Rさん1がステップA67に立った時に、Rさん1の所持しているRD端末2よりステップA67からステップA信号線70と圧力センサA信号線71を介してドア制御装置3にRさん1に固有のIDと圧力センサAの検出結果が送られる。
【0119】
このIDをドア制御装置3は乗客名簿DB65に予め登録されている乗客名簿と照合するが、Rさん1のIDは登録されていない。そのためドア制御装置3は「ご乗車の乗合バスは○○行き△号車です、号車番号をご確認下さい」と警告する。
【0120】
そして図17に示すように、警告を受けたRさん1が、ステップB68に上がらずに下車した場合には、そのイベントがあったことだけを一定期間保存する。
【0121】
一方、警告を無視してRさん1がステップB68へ上がった場合については図18に示す処理を実行する。Rさん1がステップB68に立つと、この時にRさん1の所持しているRD端末2よりステップB68からステップB信号線72と圧力センサB信号線73を介してドア制御装置3にRさん1に固有のIDと圧力センサBの検出結果が送られる。
【0122】
ドア制御装置3はRさん1のIDが登録されていないので、再度にわたってドア制御装置3は「ご乗車の乗合バスは○○行き△号車です、号車番号をご確認下さい」と警告する。警告を受けたRさん1が下車した場合には、そのイベントがあったことだけを一定期間保存する。
【0123】
また、Rさん1が下車しない場合には、ディスプレイ4に誤乗車の乗客のいることを表示し、乗合バスの乗務員に知らせる。
【0124】
図19には、RD端末2を所持しないでRさん1が乗合バスに乗車しようとした場合の処理の流れを説明するための説明図を示している。
【0125】
まず、Rさん1がステップA67に上がってもRD端末2を所持していないので、IDが送信されず圧力センサの検出結果のみが圧力センサA信号線71を介してドア制御装置3へ送信される。圧力センサA信号線71の信号のみの入力の場合には、ドア制御装置3はRD端末2を所持していない人が乗車しようとしていることを判別する。
【0126】
乗車しようとするRさん1を圧力センサAで検出したがRD端末2を所持しておらず、したがって正しいIDが得られない場合には、RD端末2を忘れたといったような完全な間違えか、あるいは故意の他人の乗車が考えられる。この場合、ドア制御装置3は「ご乗車の乗合バスは○○行き△号車です、お客様は登録されていません」と警告する。
【0127】
そして図20に示すように、この警告を受けた人が、圧力センサBの検出結果が得られずステップB68に上がらずに下車した場合には、そのイベントがあったことだけを一定期間で記録する。
【0128】
一方、図21に示すように、この警告を受けた人が、圧力センサBの検出結果からステップB68を通過し乗車した場合には、ドア制御装置3に状況を保存すると同時にディスプレイ4に乗車間違いの人がいることを表示し、乗合バスの乗務員に通知する。この情報はあらかじめ許可された乗務員により削除されるまで保存される。
【0129】
以上の説明では乗合バスのドア66は手で開けられる、あるいは開け放しの場合を想定したが、ドア66にも電界通信の電極とドア制御装置3を組み込むことにより、より一層のセキュリティの向上が図れる。
【0130】
このような第6の実施の形態によれば、インテリジェント・キーシステムを乗合バスに備えることにより、乗合バスが観光地や高速道路の中継地点で一時停止し発車する際に、乗客の乗車状況の確認が常にリアルタイムで行える。従来、乗務員が目視や点呼等により行っていた乗客の乗車状況の確認をする必要がなくなり、乗客人数の数え間違えや乗車違いの人の見落としを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】第1の実施の形態に係る、個人認証システムおよび個人認証方法を説明するための説明図を示す。
【図2】S1〜S3までの経過において複数回で行われる個人認証の処理について説明するための説明図を示す。
【図3】S1〜S3までの経過において複数回で行われる個人認証の処理について説明するための説明図を示す。
【図4】S1〜S3までの経過において複数回で行われる個人認証の処理について説明するための説明図を示す。
【図5】S1〜S3までの経過において複数回で行われる個人認証の処理について説明するための説明図を示す。
【図6】第2の実施の形態に係る、全体構成を説明するための説明図を示す。
【図7】第3の実施の形態に係る、全体構成と動作を説明するための説明図を示す。
【図8】第4の実施の形態に係る、個人認証システムを説明するための説明図を示す。
【図9】個人認証システムにおいて行われる個人認証の処理について説明するための説明図を示す。
【図10】個人認証システムにおいて行われる個人認証の処理について説明するための説明図を示す。
【図11】個人認証システムにおいて行われる個人認証の処理について説明するための説明図を示す。
【図12】第5の実施の形態に係る、全体構成を説明するための説明図を示す。
【図13】個人認証システムにおいて行われる個人認証の処理について説明するための説明図を示す。
【図14】第6の実施の形態に係る、全体構成
【図15】個人認証システムにおいて行われる個人認証の処理について説明するための説明図を示す。
【図16】個人認証システムにおいて行われる個人認証の処理について説明するための説明図を示す。
【図17】個人認証システムにおいて行われる個人認証の処理について説明するための説明図を示す。
【図18】個人認証システムにおいて行われる個人認証の処理について説明するための説明図を示す。
【図19】個人認証システムにおいて行われる個人認証の処理について説明するための説明図を示す。
【図20】個人認証システムにおいて行われる個人認証の処理について説明するための説明図を示す。
【図21】個人認証システムにおいて行われる個人認証の処理について説明するための説明図を示す。
【符号の説明】
【0132】
1 Rさん
2 RD端末
3 ドア制御装置
4 ディスプレイ
5 マンション内各戸モニタ付きインタホン
6 エントランス門扉
7 接触子付きノブ
8 メッセージポスト
9 接触子
10 メッセージポスト制御端末
11 接触子付き鍵
12 エレベータホールドア
13 画像音声キー入出力装置
14 スピーカ・マイク
15 居住者名簿DB
16 送受信装置
17 入出力回路
18 制御回路
19 無停電電源
20 門扉信号線
21 メッセージポスト信号線
22 ドア信号線
23 ドア開錠信号線
24 画像音声信号線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出入り口において電界通信を用いて送信されたIDにより個人認証を実施するための個人認証システムにおいて、
前記出入り口に複数で配置された前記電界通信のための電界通信電極と、
前記出入り口の通行が許可された前記IDを認証するための認証情報を記憶しているデータベースと、
前記電界通信電極から入力された前記IDを受信して前記データベースに記憶された前記認証情報に照合し前記IDと前記認証手段が一致した場合に認証するためのID照合手段と、
複数の前記電界通信電極からそれぞれ送信された前記IDが所定の時間内において所定の順序でもって前記ID照合手段によって全て認証された場合において、前記出入り口の通行を許可するためのドア制御装置と、
を備えることを特徴とする個人認証システム。
【請求項2】
前記ドア制御装置は、
複数の前記IDのうちのいずれかが、所定の時間内でなく、所定の順序でなく、前記ID照合手段によって認証されない、のうちのいずれかに該当する場合において前記出入り口を通行しようとする人に警告を発するための警告発生手段
を備えることを特徴とする請求項1に記載の個人認証システム。
【請求項3】
前記ドア制御装置は、
前記出入り口において通行を許可した前記IDと許可時刻を記憶するための通行者記憶手段
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の個人認証システム。
【請求項4】
前記ドア制御装置は、
前記許可に伴って前記出入り口に設けられたドアの開閉または開錠のうちのいずれかまたは両方を実行するための開閉開錠手段
を備えることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれかに記載の個人認証システム。
【請求項5】
出入り口において電界通信を用いて送信されたIDにより個人認証を実施するための個人認証方法において、
前記出入り口に複数で配置された電界通信電極において、前記電界通信をするステップと、
データベースにおいて、前記出入り口の通行が許可された前記IDを認証するための認証情報を記憶するステップと、
ID照合手段において、前記電界通信電極から入力された前記IDを受信して前記データベースに記憶された前記認証情報に照合し前記IDと前記認証手段が一致した場合に認証するステップと、
ドア制御装置において、複数の前記電界通信電極からそれぞれ送信された前記IDが所定の時間内において所定の順序でもって前記ID照合手段によって全て認証された場合において、前記出入り口の通行を許可するステップと、
を有することを特徴とする個人認証方法。
【請求項6】
前記ドア制御装置は、
警告発生手段において、複数の前記IDのうちのいずれかが、所定の時間内でなく、所定の順序でなく、前記ID照合手段によって認証されない、のうちのいずれかに該当する場合において前記出入り口を通行しようとする人に警告を発するステップ
を有することを特徴とする請求項5に記載の個人認証方法。
【請求項7】
前記ドア制御装置は、
通行者記憶手段において、前記出入り口において通行を許可した前記IDと許可時刻を記憶するステップ
を有することを特徴とする請求項5または6に記載の個人認証方法。
【請求項8】
前記ドア制御装置は、
開閉開錠手段において、前記許可に伴って前記出入り口に設けられたドアの開閉または開錠のうちのいずれかまたは両方を実行するステップ
を有することを特徴とする請求項5〜7のうちのいずれかに記載の個人認証方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−255076(P2007−255076A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−81312(P2006−81312)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(591230295)NTTエレクトロニクス株式会社 (565)
【Fターム(参考)】