説明

光起電アプリケーション用のシリコーンベース誘電被膜及びフィルム

【課題】ロール・トゥ・ロールプロセスでの使用に適応した高温安定性の平坦化フレキシブル誘電基板及びそれに用いる誘電被膜を提供すること。
【解決手段】式:[RxSiO(4-x)/2n(ここで、x=1〜4、Rはメチル、フェニル、ヒドリド、ヒドロキシ、アルコキシ又はこれらの組み合わせ(ただし、1<x<4)で表されるシリコーン組成物を含む、導電性基板上に用いられる誘電被膜である。Rはまた、アルキル又はアリール基、アリールエーテル、アルキルエーテル、アリルアミド、アリールアミド、アルキルアミノ及びアリールアミノラジカルから独立して選ばれた他の1価ラジカルからなる。誘電被膜は網目構造を有する。光起電基板がまた開示され、その表面上に誘電被膜が設けられた導電性材料を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーンベース誘電被膜及び平坦化被膜に関する。特に本発明は、光起電アプリケーション用、有機薄膜トランジスタ(OTFT)アプリケーションを含む薄膜トランジスタ(TFT)アプリケーション用、及び有機発光ダイオード(OLED)アプリケーションを含む発光ダイオード(LED)アプリケーション用のシリコーンベース誘電被膜に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、しばしば、集積回路(IC)を形成している個々の回路素子を電気的に結合するのに有用な、パターン化された相互接続レベルの配列を1つ以上有する。相互接続レベルは、通常、絶縁被膜又は誘電被膜によって分離される。従来、化学蒸着法(CVD)又はプラズマ化学蒸着成長技術(PECVD)にて形成されるシリコン酸化物被膜は、この種の誘電被膜として最も一般的に用いられる材料であった。しかしながら、回路素子のサイズ及びこれら素子間の間隔が小さくなるにつれて、この種のシリコン酸化物被膜は比較的高い誘電率を有するため、電気的絶縁が不充分となる。具体的には、光起電分野に用いられる半導体デバイスは、一般に、日光をDC電力に直接変換する多層材料の開発に関連している。光起電デバイス又は太陽電池は、通常、p型半導体とn型半導体との協調サンドイッチ構造であり、n型半導体材料は電子を過剰に呈し、p型半導体材料は空孔を過剰に呈する。電気的接点が適切に位置したときに、このような構造によって実用的な光起電電池が形成される。光起電電池上の照射日光は、電子/空孔対を形成しているp型半導体に吸収される。p型半導体とn型半導体とのサンドイッチ構造によって形成される自然の内部電界を経て、p型材料にて生成された電子はn型材料へと流れ、収集される。そして、同様のことが適切な閉鎖電気回路内でなされたとき、構造体の対側間をDC電流が流れる結果となる。
【0003】
薄膜光起電体について、市販の消費者向けアプリケーションでの用途に対する関心が高まってきている。しかしながら、広範囲にわたる用途には、高コスト及び現在利用されている労働集約的な製造プロセスのため、制限がある。
【0004】
薄膜ベースの光起電体、すなわち、アモルファスシリコン、カドミウムテルル化物及び銅インジウムジセレン化物については、保護的、装飾的及び機能的な被膜のための薄膜産業において広く使用される蒸着技術を使用することにより、コスト改良が実現される。銅インジウムガリウムジセレン化物(CIGS)により、高性能で低コストの薄膜光起電製品が生産される可能性が示された。
【0005】
しかしながら、CIGSプロセスは、一般に摂氏550度(少なくとも1時間の常在時間で)の温度範囲であり、利用可能な基板のタイプが制限される。ポリイミド、ガラス及びステンレス鋼といった一般に用いられる基板は、CIGSプロセスにおける使用には限界がある。ポリイミド基板は、CIGSプロセス温度に耐えることができない。一方、ガラス基板は、高温に耐えることが可能であるが、大きな製造施設及びガラス基板の破砕を防ぐための複雑な工程制御が必要である。ステンレス鋼により、耐高温性基板が低コストで得られるが、該ステンレス鋼は、レーザースクライビングにて製造される太陽電池がモノシリック集積化されるような良好な誘電特性を示さない。その結果、ステンレス鋼基板は、連続製造プロセスでの使用が制限される。したがって、ロール・トゥ・ロールプロセスに備えた良好な誘電特性とともに、耐高温性を有し、モノシリック集積化する基板のための技術が必要である。
【0006】
基板についてのさらなる必要条件は、その表面粗さである。所望の表面粗さは50nm未満である。研磨技術によってこれを達成することは、非常に困難である。したがって、非常に滑らかな表面を有する基板がさらに必要である。
【0007】
金属箔等のフレキシブルで強固な基板が必要とされるアプリケーションは、光起電市場を越え、狭域エレクトロニクスと同様に、広域エレクトロニクスに対するフレキシブルエレクトロニクス市場へと進んでいる。これらのアプリケーションには、液晶ディスプレイ(LCD)、電子ペーパー製品の概念(電子新聞)、LED構造体、OLED構造体などが含まれる。従来、これらの電子デバイスはガラス基板上に構築されているが、フレキシブルエレクトロニクスへと移行する傾向があるので、強固な箔基板が求められている。これらのデバイスは、誘電平坦化支持材を必要とする。ガラス基板はかかる特性を呈するものの、ステンレス鋼やアルミニウムといった金属箔は絶縁せず、滑らかな表面を得るには大規模な研磨が必要である。電流研磨技術を用いた場合、後に蒸着層との良好な接触面を得るには、しばしば、表面粗さが大き過ぎる。アプリケーションのいくつかは、1nmの小ささの表面粗さ(RMS)を必要とするが、これは基板を化学的又は機械的に研磨することでは達成され得ない。この種のアプリケーションでは、誘電平坦化被膜の使用が必要である。後の蒸着層(導電性電極又は化合物半導体)の大部分が結晶成長のために高温を必要とするため、誘電被膜は高温で安定でなければならない。焼なましは、必要温度で、デバイスに応じて常在時間を変化させた蒸着後に使用される、通常のプロセスである。例えば、アモルファスシリコンベースのデバイスでは、通常300℃未満の温度であるのに対し、TFTといった多結晶シリコンベースのデバイスは、450℃のまでの温度を必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、ロール・トゥ・ロールプロセスでの使用に適応した高温安定性の平坦化フレキシブル誘電基板が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、式:
[RxSiO(4-x)/2n
(ここで、x=1〜4、Rはメチル、フェニル、ヒドリド、ヒドロキシ、アルコキシ又はこれらの組み合わせ(ただし、1<x<4)からなり、またRはアルキル又はアリール基、アリールエーテル、アルキルエーテル、アリルアミド、アリールアミド、アルキルアミノ及びアリールアミノラジカルから独立して選ばれた他の1価ラジカルからなる)で表されるシリコーン組成物を含む、導電性基板上に用いられる誘電被膜に関する。該誘電被膜は、網目構造を有する。
【0010】
また光起電基板が開示されており、該光起電基板は、その表面上に誘電被膜が蒸着した導電性材料を含む。該誘電材料は、式:
[RxSiO(4-x)/2n
(ここで、x=1〜4、Rはメチル、フェニル、ヒドリド、ヒドロキシ、アルコキシ又はこれらの組み合わせ(ただし、1<x<4)からなり、またRはアルキル又はアリール基、アリールエーテル、アルキルエーテル、アリルアミド、アリールアミド、アルキルアミノ及びアリールアミノラジカルから独立して選ばれた他の1価ラジカルからなる)で表されるシリコーン組成物である。該誘電被膜は、網目構造を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のシリコーンベース誘電被膜は、高温安定性に優れ、光起電アプリケーション用の、ロール・トゥ・ロールプロセスでの使用に好適な平坦化フレキシブル誘電基板を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、導電性基板上に用いられる誘電被膜、及び該被膜を一方の表面に適用した基板材料に関する。該誘電被膜は、式:
[RSiO(4-x)/2n
(ここで、x=1〜4、Rはメチル、フェニル、ヒドリド、ヒドロキシ、アルコキシ又はこれらの組み合わせ(ただし、1<x<4)からなり、またRはアルキル又はアリール基、アリルアミド、アリールアミド、アルキルアミノ及びアリールアミノラジカルから独立して選ばれた他の1価ラジカルからなる)で表されるシリコーン組成物からなる。該誘電被膜は、好ましくは網目構造を有する。本発明の1つの実施形態において、該誘電被膜は、式:
[RSiO3/2n
(ここで、Rはメチル、フェニル、ヒドリド、ヒドロキシ、アルコキシ又はこれらの組み合わせ(ただし、1<x<4)からなり、またRはアルキル又はアリール基、アリルアミド、アリールアミド、アルキルアミノ及びアリールアミノラジカルから独立して選ばれた他の1価ラジカルからなる)で表されるシルセスキオキサン化合物からなる。シルセスキオキサンポリマーの例として、[HSiO3/2n、[MeSiO3/2n、[HSiO3/2n[MeSiO3/2m(ここで、m+n=1)、[PhSiO3/2n[MeSiO3/2m(ここで、m+n=1)、[PhSiO3/2n[MeSiO3/2m[PhMeSiO]p(ここで、m+n+p=1)がある。
【0013】
本発明の1つの局面において、前記シルセスキオキサンポリマーは、シラノール単位:[RSi(OH)xy](ここで、x+y=3)を含んでおり、適切なオルガノシロキサンにてシリル化され、対応したシリル化ポリシルセスキオキサンを生じる。出発物質であるシルセスキオキサンは、通常380〜12000の範囲の、通常は4000の範囲の数平均分子量を有する。ただし、コーティングアプリケーションにおける工程の容易さの他に、効果的な誘電被膜として機能するには、ポリマーの分子量がどの程度まで高くなければならないか、という制限はない。例えば、実験式:
[PhSiO3/2n[MeSiO3/2m[PhMeSiO]p
(ここで、m+n+p=1)で表され、200000までの数平均分子量を有するポリシルセスキオキサン樹脂により、ステンレス鋼基板上に非常に効果的な誘電被膜が形成されることが示されている。湿潤性、被膜厚さ及び均一性を最適化するために、高分子量ポリマーのより高い粘性が抑制されるように、溶液成分の調整が行われるべきであることが、当該分野の技術者には認識されている。同様に、ポリシルセスキオキサン中の反応性官能基数に基づき、完全な硬化が行われるように、硬化条件を拡張すべきである。
【0014】
本発明の1つの局面において、シルセスキオキサンポリマーは、式:
[CH3SiO(3/2)n
で表されるポリメチルシルセスキオキサンからなる。
【0015】
出発物質であるポリメチルシルセスキオキサンは、水と、酸素化有機溶媒及び任意に(酸素化有機溶媒を基準として)50体積%までの炭化水素溶媒からなる有機溶媒との2相系において、メチルトリハロシラン:MeSiX3(Me=メチル、X=ハロゲン原子)を加水分解し、得られた加水分解物を縮合することによって好適に製造される。
【0016】
ポリメチルシルセスキオキサン樹脂を合成するための好適な方法を以下に例示する。(1)バッファリング能力又は溶解水溶性無機塩基を有する弱酸の溶解塩を任意に含む水と、50体積%以下の炭化水素溶媒を任意に含む酸素化有機溶媒との2相系を調製した後、この系に以下の(A)又は(B)を滴下してメチルトリハロシランを加水分解し、得られた加水分解物を効果的に縮合する。ここで、(A)は、メチルトリハロシラン:MeSiX3(Me=メチル、X=ハロゲン原子)であり、(B)は、かかるメチルトリハロシランを、任意に50体積%以下の炭化水素溶媒を含む酸素化有機溶媒に溶解させて得られる溶液である。(2)前記(1)と同じ方法であるが、この方法では、2相系での効果的な反応は、(B)の溶液を水のみに滴下して行われる。(3)前記(1)と同じ方法であるが、この方法では、2相系での効果的な反応は、水と(B)の溶液とを空の反応器に同時に滴下して行われる。メチルトリハロシラン中のX:ハロゲンは、好ましくは臭素又は塩素であり、より好ましくは塩素である。ここで使用しているように、水及び有機溶媒の2相系とは、水と有機溶媒とが混合せず、均一な溶液とならない状態をいう。これには、激しい撹拌による懸濁液の生成と同様に、遅速撹拌による有機層及び水層からなる層状の維持が含まれる。
【0017】
前記調製方法にて用いられる有機溶媒は酸素化有機溶媒であり、メチルトリハロシランを溶解することができ、またおそらく水での若干の溶解性を示すにもかかわらず、水と2相系を形成することができる。該有機溶媒には、50体積%までの炭化水素溶媒を含めることができる。
【0018】
50体積%を超える炭化水素溶媒の使用は、ゲル生成物が増加し、目的とする生成物の量を超えてしまうので、非実用的である。このような溶媒が、水溶性無機塩基の水溶液又はバッファリング能力を有する弱酸塩の水溶液と混合しないときには、水での溶解性に制限がない有機溶媒でさえも使用することができる。
【0019】
前記酸素化有機溶媒としては、これらに限定されるものではないが、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、ジn−プロピルエーテル、ジオキサン、ジエチレングリコールのジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系溶媒;n−ブタノール、ヘキサノール等のアルコール系溶媒等がある。これらの中でも、ケトン系、エーテル系及びエステル系溶媒が特に好ましい。該酸素化有機溶媒として、これらの中から選ばれた2つ以上の混合物を用いることができる。
【0020】
前記炭化水素溶媒としては、これらに限定されるものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;クロロホルム、トリクロロエチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素溶媒等がある。使用する有機溶媒の量は、これに決定されるものではないが、好ましくはメチルトリハロシラン100重量部に対して50〜2000重量部の範囲である。有機溶媒の量がメチルトリハロシラン100重量部に対して50重量部よりも少ない場合には、出発物質であるポリメチルシルセスキオキサン生成物の溶解が不充分となる。状況に応じて、通常高分子量を有するポリマーが得られる。有機溶媒の量がメチルトリハロシラン100重量部に対して2000重量部よりも多い場合には、メチルトリハロシランの加水分解及び縮合が遅くなる。使用する水の量は、これに決定されるものではないが、メチルトリハロシラン100重量部に対して10〜3000重量部であることが好ましい。
【0021】
加水分解及び縮合反応はまた、水相として完全に添加物のない水を用いた場合であっても可能である。この反応は、クロロシランからの塩化水素によって加速されるので、この系により、分子量が増加したポリメチルシルセスキオキサン生成物を得る可能性がある。比較的低分子量を有するポリメチルシルセスキオキサンは、したがって、酸性度をコントロールし得る水溶性無機塩基又はバッファリング能力を有する弱酸性塩を追添することによって合成することができる。
【0022】
この種の水溶性無機塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の水溶性アルカリが例示される。バッファリング能力を有する弱酸塩としては、限定されるものではないが、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩;例えばビスシュウ酸三水素カリウム等のシュウ酸塩;例えばフタル酸水素カリウム、酢酸ナトリウム等のカルボン酸塩;例えばリン酸水素ジナトリウム、リン酸二水素カリウム等のリン酸塩;例えばホウ砂等のホウ酸塩が例示される。これらは、トリハロシラン分子中のハロゲン原子1モルにつき、1.8g当量で用いられることが好ましい。すなわち、ハロシランが完全に加水分解されたときに生成するハロゲン化水素をちょうど中和する量の1.8倍の量で用いることが好ましい。使用量が多すぎると、不溶性ゲルが容易に生成するようになる。2種以上の水溶性無機塩基の混合物と、2種以上のバッファリング弱酸塩の混合物とは、合計量が前記特定の範囲内となるようにして使用することができる。
【0023】
メチルトリハロシラン加水分解反応槽は、2層(水相及び有機溶媒)を維持する速度でゆっくりと撹拌されるか、又は懸濁液を得るように激しく撹拌される。反応温度は、好ましくは室温(20℃)〜120℃の範囲であり、さらに好ましくは約40〜100℃である。本発明に係る出発物質であるポリメチルシルセスキオキサンには、前駆体中に存在する不純物から生じる少量の単位、例えば非メチル低級アルキル関連単位、R3SiO1/2で表される単官能性単位、R2SiO2/2で表される二官能性単位、SiO4/2で表される四官能性単位等の単位が含まれる。説明中の出発物質であるポリメチルシルセスキオキサンには、前記式中に示した他の基だけでなく、OH基が含まれる。メチルシルセスキオキサン及び他のアルキルシルセスキオキサンの製造に用いる原料としてのハロシランに加えて、アルコキシシランも原料として用いることができる。該アルコキシシランの加水分解及び縮合は、触媒作用的な量の酸又は塩基によって助力される。ヒドロキシ部位のシリル化には、通常のシリル化の技術が利用される。シリル「キャップ」の有機基は、反応性であるか又は非反応性である。一般的には、例えばメチル、エチル、プロピル等のアルキル基;フェニル等のアリール基;これらをハロゲン置換してなる有機基等の、置換又は非置換1価炭化水素基が例示される。
【0024】
本発明の他の局面において、シルセスキオキサンポリマーは、好適な分子量を得るために分画されるか、又は例えばシリカ、チタニカ、アルミノケイ酸塩クレイ等の種々の強化充填剤が充填される。かかる強化剤はコロイダルシリカ粒子からなることが好ましい。該コロイダルシリカ粒子は、粒子径が5〜150nmの範囲であることが好ましく、特に好ましいサイズは75nm及び25nmである。
【0025】
前記強化充填剤は、シロキサン樹脂マトリクスとの相溶性及び界面接着性が増強するように、表面処理がなされていることが好ましい。例えば、コロイダルシリカ粒子の表面上のヒドロキシ基は、酸性又は塩基性条件下で、適宜シラン又はシロキサンと反応させてオルガニルシリル基で処理することができる。好適な反応性シラン又はシロキサンには、ビニル、水素化物、アリル、アリール、他の不飽和基等の官能体が含まれる。表面被覆に用いられる特に好適なシロキサンは、種々の中でも、ヘキサメチルジシロキサン及びテトラメチルジビニルジシロキサンである。
【0026】
本発明の1つの局面にしたがい、表面被覆シリカ粒子は、シリカ粒子と脱イオン水とを混合して懸濁液を調製し、濃塩酸とイソプロピルアルコールとシロキサン又はその混合物とを追添することによって製造することができる。前記混合物は、その後70℃に加熱され、30分間撹拌に供される。シリカ表面シラノールのシリル化により、親水性シリカが疎水性シリカに変わるにつれて、シリカ相が水相から分離する。分離が起きた時点で、水層(イソプロピルアルコール、水、過剰な処理剤及びHCl)を静かに移す。上澄みを移した後の混合物に脱イオン水を添加し、処理シリカを洗浄する。このステップを2回繰り返し、充分に洗浄を行うことができる。洗浄されたシリカ溶液に溶媒を添加し、混合物を加熱して共沸残留水及び水溶性試薬に還流する。
【0027】
本発明の他の局面において、誘電被膜は、
[R(Si(OH)xyn(Si(OH)zwm
(ここで、x+y=3、z+w=4、n+m=1、R基の代表例はアルキル及びアリール基からなる群より選ばれた非官能基である)で表される実験式を有する単位からなるシルセスキオキサンコポリマーからなる。好適なアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基及びイソブチル基があげられる。好適なアリール基としては、フェニル基があげられる。一般的に、これらシルセスキオキサンコポリマーは、酸素化溶媒における、テトラアルコキシシラン又はテトラハロシランと、アルキルシランとの加水分解−縮合により調製される。通常、テトラアルコキシシランは、テトラオルトエチルシリケート及びテトラオルトメチルシリケートである。通常、テトラハロシランは、テトラクロロシラン(SiCl4)であり、通常、アルキルシランは、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン等である。3官能シランだけでなく、2官能、単官能及びこれらの混合物を、4官能シランとともに用いてこれらのプレポリマーを調製することができる。
【0028】
本発明の他の局面において、誘電被膜は、
1a2b3cSiO(4-a-b-c)/2
(ここで、aは0又は正の数、bは0又は正の数、cは0又は正の数で、0.8≦(a+b+c)≦3.0を満足し、成分(A)は分子ごとに平均して少なくとも2つのR1基を有し、各R1は、水素原子及び1価の不飽和脂肪族炭化水素基からなる群より独立して選ばれた官能基であり、各R2及び各R3は、非官能基及びR1からなる群より独立して選ばれた1価の炭化水素基である)で表される実験式を有する単位からなるシルセスキオキサンコポリマーからなる。好ましくは、R1はビニル基、アリル基等のアルケニル基である。通常、R2及びR3は、アルキル基及びアリール基からなる群より選ばれた非官能基である。好適なアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基及びイソブチル基があげられる。好適なアリール基としては、フェニル基があげられる。好適なシルセスキオキサンコポリマーとしては、
(PhSiO3/20.75(ViMe2SiO1/20.25
(ここで、Phはフェニル基、Viはビニル基、Meはメチル基を示す)が例示される。
【0029】
シルセスキオキサンコポリマーは、一般式:
a1bSiR2SiR1cd
(ここで、R1は1価の炭化水素基、R2は2価の炭化水素基、a及びdは1以上、a+b=c+d=3である)で表される、炭化水素を含むシリコン水素化物で架橋されていてもよい。該一般式:Ha1bSiR2SiR1cdの化合物は本発明にて好ましいが、架橋剤として作用する他のヒドリドシリル化合物を除くものではない。特に、前記式においてR2が3価の炭化水素基であるものも、架橋剤として好適である。ヒドリドシリル化合物の混合物も同様に、架橋剤として可能である。このような炭化水素を含むシリコン水素化物の例としては、商品名:Tullytown,PA(タリータウン、ピーエイ)としてGelest,Inc.(ジェレスト社)から入手可能なp−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンがあげられる。
【0030】
架橋剤はまた、シルセスキオキサンコポリマーのビニル基と架橋する官能性を有するシリコンヒドリドを含むシラン又はシロキサンであってもよい。該シラン及びシロキサンの例としては、ジフェニルシラン及びヘキサメチルトリシロキサンがあげられる。
【0031】
本発明の他の局面において、ポリヒドリドシルセスキオキサン組成物を誘電被膜材料として用いることができる。このような組成物は、一般に、混合溶媒系において、界面活性剤の存在下で、トリクロロシラン(HSiCl3)又はトリアルコキシシランの加水分解/縮合によって調製することができる。該ポリヒドリドシルセスキオキサン組成物を分画し、米国特許第5063267号明細書(参照、本発明に含まれる)に記載の特定の分子量範囲とすることが好ましい。
【0032】
本発明の他の局面において、誘電被膜は、具体化により追随される対応のクロロシランを、オクチル酸亜鉛で又は該オクチル酸亜鉛なしで共加水分解して製造される、フェニルメチルシロキサン樹脂組成物からなる。好適なフェニルメチルシロキサン組成物及びその製造方法は、米国特許第2830968号明細書(参照、本発明に含まれる)に開示されている。
【0033】
誘電被膜は、種々の通常の被膜プロセスにて製造することができる。これらは、バッチプロセス又は連続プロセスである。通常の実験室バッチプロセスは、種々のサイズの実験室ロッドを用いて所定の厚さの被膜を製造する描画方法である。通常の連続被膜プロセスは、グラビアロール方法である。
【実施例】
【0034】
以下の実施例は、当業者に本発明を明示することを目的としており、請求項に記載した本発明の範囲を限定するものではない。
【0035】
実施例1
本実施例において、誘電高温被膜は、ポリメチルシルセスキオキサン系の材料をベースとしている。これらの材料は、メチルトリクロロシラン又はメチルトリアルコキシシランの加水分解/縮合により調製されている。
【0036】
シラノール官能性ポリメチルシルセスキオキサンの20重量%MIBK溶液中に、樹脂固形分に対して0.1重量%のジオクチル酸錫を触媒として添加した。この溶液を、実験室コーティングロッドNo.4(アール・ディー・スペシャリティーズ(R.D.Specialities))を用いてステンレス鋼基板(アセトン及びトルエンにて洗浄済)に塗工した。被膜は、空気中、100℃で12時間、200℃で3時間硬化させた。被膜の特性は、光学顕微鏡検査、電界放出走査電子顕微鏡検査、原子力顕微鏡検査、プロフィロメトリ及びスペクトル反射インターフェロメトリによって示した。データから、被膜は均一で、非常に良好な平面性を有することが示された。被膜の平均厚さは3.8μmであり、5μmの連続かつ均一な領域の平均表面粗さは0.9nmであった。凝固点降下切片法に供した後の界面が無傷のままであったという事実で示されるように、基板との接着性は非常に良好であった。現在の標準に相当する効率で、被覆基板をCIGS蒸着技術に基づく光起電電池デバイスの構築に用いた。被覆基板は、シリコン蒸着技術等に基づく、光起電電池等のデバイス製作に好適である。また該被覆基板は、発光デバイスと同様に、有機発光ダイオード又は多結晶シリコン薄膜トランジスタ技術に基づく、フレキシブルバッテリーデバイス製作にも好適である。
【0037】
実施例2
本実施例において、誘電高温被膜はまた、ポリメチルシルセスキオキサン系の材料をベースとしている。この樹脂は、初期ポリマーの全分子量分布のうち、所定の分画のみを含んでいる点において、実施例1で用いられたものと異なる。この分画は、初期バルクポリマーのトルエン溶液からアセトニトリルでの溶媒沈殿によって得た。
【0038】
ポリメチルシルセスキオキサンの40重量%溶液を、ダウ・コーニング(Dow Corning)シロキサン溶媒OS−30中で調製した。この溶液には硬化触媒は添加しなかった。この溶液を、実験室コーティングロッドNo.10(アール・ディー・スペシャリティーズ(R.D.Specialities))を用いてステンレス鋼基板(アセトン及びトルエンにて洗浄済)に塗工した。被膜は、100℃で10分間、200℃で1時間、300℃で30分間の硬化サイクルにしたがって硬化させた。被覆基板は、CIGS蒸着技術又はシリコン蒸着技術等に基づく、光起電電池等のデバイス製作に好適である。また該被覆基板は、発光デバイスと同様に、有機発光ダイオード又は多結晶シリコン薄膜トランジスタ技術に基づく、フレキシブルバッテリーデバイス製作にも好適である。
【0039】
実施例3
本実施例において、誘電高温被膜は、ポリヒドリドシルセスキオキサン系の材料をベースとしている。これらの材料は、混合溶媒系において、特定の分子量分布を分離するための溶媒分取に次ぐ界面活性剤の存在下で、トリクロロシラン(HSiCl3)又はトリアルコキシシランの加水分解/縮合により調製されている。
【0040】
ポリヒドリドシルセスキオキサンの20重量%MIBK溶液を、実験室コーティングロッドNo.4(アール・ディー・スペシャリティーズ(R.D.Specialities))を用いてステンレス鋼基板(アセトン及びトルエンにて洗浄済)に塗工した。被膜は、100℃で18時間、200℃で3時間硬化させた後、2℃/分の加熱速度でゆっくりと400℃まで上昇させ、400℃で30分間維持した。(より大きなサンプルが生じたときの分離実験では、溶液濃度を18重量%に調整し、被膜は実験室ロッドNo.3を用いて製造した。高温工程は2時間まで延長した。)被膜の特性は、光学顕微鏡検査、電界放出走査電子顕微鏡検査、原子力顕微鏡検査及びプロフィロメトリによって示した。データから、被膜は均一で、非常に良好な平面性を有することが示された。被膜の平均厚さは約1.2μmであり、2μmの連続かつ均一な領域の平均表面粗さは0.5nmであった。凝固点降下切片法に供した後の界面が無傷のままであったという事実で示されるように、基板との接着性は非常に良好であった。現在の標準に相当する効率で、被覆基板をCIGS蒸着技術に基づく光起電電池デバイスの構築に用いた。被覆基板は、シリコン蒸着技術等に基づく、光起電電池等のデバイス製作に好適である。また該被覆基板は、発光デバイスと同様に、有機発光ダイオード又は多結晶シリコン薄膜トランジスタ技術に基づく、フレキシブルバッテリーデバイス製作にも好適である。
【0041】
実施例4
本実施例において、誘電高温被膜は、ダウ・コーニング(Dow Corning)の商品であるフェニルメチルシロキサン樹脂組成物:DC−805をベースとしている。この樹脂は、具体化により追随される対応のクロロシランを、オクチル酸亜鉛で又は該オクチル酸亜鉛なしで共加水分解して製造される。
【0042】
トルエン中、その固形分が36重量%であり、この樹脂固形分に対して0.1重量%のジオクチル酸錫を含む、DC−805樹脂の60重量%キシレン溶液を、実験室ロッドNo.4(アール・ディー・スペシャリティーズ(R.D.Specialities))を用いてステンレス鋼基板(トルエンにて予備洗浄済)に塗工した。被膜は、空気中、100℃で4時間、次いで空気中、200℃で4時間硬化させた。被覆基板は、CIGS蒸着技術又はシリコン蒸着技術等に基づく、光起電電池等のデバイス製作に好適である。また該被覆基板は、発光デバイスと同様に、有機発光ダイオード又は多結晶シリコン薄膜トランジスタ技術に基づく、フレキシブルバッテリーデバイス製作にも好適である。
【0043】
実施例5
本実施例において、誘電高温被膜は、ポリメチルシルセスキオキサン系の材料をベースとしており、コロイダルシリカ等の充填剤を含んでいる。
【0044】
固形樹脂に対して0.1重量%のジオクチル酸錫を含む、ポリメチルシルセスキオキサンの40重量%MIBK溶液に、コロイダルシリカの30重量%MEK懸濁液を、撹拌を続けながら適量添加し、等価量のコロイダルシリカ及びポリメチルシルセスキオキサンからなる混合物を得た。この混合物を、実験室コーティングロッドNo.3(アール・ディー・スペシャリティーズ(R.D.Specialities))を用いてステンレス鋼基板(アセトン及びトルエンにて洗浄済)に塗工した。被膜は、空気中、100℃で1時間、200℃で6時間硬化させた。被膜の特性は、光学顕微鏡検査、電界放出走査電子顕微鏡検査、原子力顕微鏡検査(AFM)及びプロフィロメトリによって示した。データから、被膜自身は比較的良好で均一な外見を有していた。個々に強固に固まったシリカ粒子は130nmまでの大きさであった。被膜の平均厚さは1.7μmまでであり、平均表面粗さは、プロフィロメトリでの測定にて66nm、25μmの連続領域での原子力顕微鏡検査にて28.9nmであった。(プロフィロメトリでは、AFMよりも大きな領域が測定され、その結果には、細片粒子の存在が反映される。)凝固点降下切片法に供した後の界面が無傷のままであったという事実で示されるように、基板との接着性は非常に良好であった。被覆基板は、CIGS蒸着技術、シリコン蒸着技術等に基づく、光起電電池等のデバイス製作に好適である。また該被覆基板は、発光デバイスと同様に、有機発光ダイオード又は多結晶シリコン薄膜トランジスタ技術に基づく、フレキシブルバッテリーデバイス製作にも好適である。
【0045】
好ましい実施形態の開示と共に、本発明の範囲内において種々の変更が可能であることは、本技術分野における当業者に理解されている。このように、以下の請求項を検討することにより、本発明の真の範囲及び内容が決定されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のシリコーンベース誘電被膜は、例えば光起電アプリケーション用、有機薄膜トランジスタ(OTFT)アプリケーションを含む薄膜トランジスタ(TFT)アプリケーション用、及び有機発光ダイオード(OLED)アプリケーションを含む発光ダイオード(LED)アプリケーション用等の被膜として好適に利用することができる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
[RSiO(4-x)/2n
(ここで、x=1〜4、Rはメチル、フェニル、ヒドリド、ヒドロキシ、アルコキシ基もしくはこれらの組み合わせ、又はアルキル、アリール、アリルアミド、アリールアミド、アルキルアミノ基及びアリールアミノラジカルから独立して選ばれた1価ラジカルからなる群より選ばれた成分(ただし、1<x<4))
で表されるシリコーン組成物からなり、網目構造を有する、導電性基板上に用いられる誘電被膜。
【請求項2】
シリコーン組成物が、式:
[RSiO3/2n
(ここで、Rはメチル、フェニル、ヒドリド、ヒドロキシ、アルコキシもしくはこれらの組み合わせ、又はアルキル、アリール、アリルアミド、アリールアミド、アルキルアミノ基及びアリールアミノラジカルから独立して選ばれた1価ラジカルからなる群より選ばれた成分(ただし、1<x<4))
で表されるシルセスキオキサン化合物からなる、請求項1に記載の誘電被膜。
【請求項3】
シルセスキオキサン化合物が、式:
RSi(OH)xy
(ここで、x+y=3)
で表されるシラノール単位をさらに含み、適切なオルガノシロキサンにてシリル化され、対応のシリル化ポリシルセスキオキサンを生じる、請求項2に記載の誘電被膜。
【請求項4】
シリコーン組成物が、式:
[CH3SiO(3/2)n
で表されるポリメチルシルセスキオキサンである、請求項1に記載の誘電被膜。
【請求項5】
シリコーン組成物が、式:
1a2b3cSiO(4-a-b-c)/2
(ここで、aは0又は正の数、bは0又は正の数、cは0又は正の数で、0.8≦(a+b+c)≦3.0を満足し、それ自身が分子ごとに平均して少なくとも2つのR1基を有し、各R1は、水素原子及び1価の不飽和脂肪族炭化水素基からなる群より独立して選ばれた官能基であり、各R2及び各R3は、非官能基及びR1からなる群より独立して選ばれた1価の炭化水素基である)
で表されるシルセスキオキサンコポリマーからなる、請求項1に記載の誘電被膜。
【請求項6】
1がアルケニル基であり、R2及びR3がアルキル及びアリール基からなる群より選ばれた非官能基である、請求項5に記載の誘電被膜。
【請求項7】
1がビニル及びアリル基からなる群より選ばれた、請求項6に記載の誘電被膜。
【請求項8】
2及びR3がメチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル及びイソブチル基からなる群より選ばれた、請求項6に記載の誘電被膜。
【請求項9】
シリコーン組成物が、式:
(MeSiO3/20.25(PhSiO3/20.15(Ph2SiO)0.50
で表されるフェニルメチルシロキサン化合物からなる、請求項1に記載の誘電被膜。
【請求項10】
導電性材料及び
前記導電性材料の表面上に設けられた誘電被膜からなり、
前記誘電被膜が、式:
[RSiO(4-x)/2n
(ここで、x=1〜4、Rはメチル、フェニル、ヒドリド、ヒドロキシ、アルコキシ基もしくはこれらの組み合わせ、又はアルキル、アリール、アリルアミド、アリールアミド、アルキルアミノ基及びアリールアミノラジカルから独立して選ばれた1価ラジカルからなる群より選ばれた成分(ただし、1<x<4))
で表されるシリコーン組成物からなり、網目構造を有する、
基板構造体。
【請求項11】
シリコーン組成物が、式:
[RSiO3/2n
(ここで、Rはメチル、フェニル、ヒドリド、ヒドロキシ、アルコキシもしくはこれらの組み合わせ、又はアルキル、アリール、アリルアミド、アリールアミド、アルキルアミノ基及びアリールアミノラジカルから独立して選ばれた1価ラジカルからなる群より選ばれた成分(ただし、1<x<4))
で表されるシルセスキオキサン化合物からなる、請求項10に記載の基板。
【請求項12】
シルセスキオキサン化合物が、式:
RSi(OH)xy
(ここで、x+y=3)
で表されるシラノール単位をさらに含み、適切なオルガノシロキサンにてシリル化され、対応のシリル化ポリシルセスキオキサンを生じる、請求項11に記載の基板。
【請求項13】
シリコーン組成物が、式:
[CH3SiO(3/2)n
で表されるポリメチルシルセスキオキサンである、請求項10に記載の基板。
【請求項14】
シリコーン組成物が、式:
1a2b3cSiO(4-a-b-c)/2
(ここで、aは0又は正の数、bは0又は正の数、cは0又は正の数で、0.8≦(a+b+c)≦3.0を満足し、それ自身が分子ごとに平均して少なくとも2つのR1基を有し、各R1は、水素原子及び1価の不飽和脂肪族炭化水素基からなる群より独立して選ばれた官能基であり、各R2及び各R3は、非官能基及びR1からなる群より独立して選ばれた1価の炭化水素基である)
で表されるシルセスキオキサンコポリマーからなる、請求項10に記載の基板。
【請求項15】
1がアルケニル基であり、R2及びR3がアルキル及びアリール基からなる群より選ばれた非官能基である、請求項14に記載の基板。
【請求項16】
1がビニル及びアリル基からなる群より選ばれた、請求項15に記載の基板。
【請求項17】
2及びR3がメチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル及びイソブチル基からなる群より選ばれた、請求項15に記載の基板。
【請求項18】
シリコーン組成物が、式:
(MeSiO3/20.25(PhSiO3/20.15(Ph2SiO)0.50
で表されるフェニルメチルシロキサン化合物からなる、請求項1に記載の基板。

【公表番号】特表2007−502333(P2007−502333A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522551(P2006−522551)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019609
【国際公開番号】WO2005/017058
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(500041008)ダウ・コーニング・コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】