説明

内燃機関

【課題】 簡単かつ安価な構成でありながら、効果的に運転状態に応じてEGR量を広い範囲で制御することができ、NOx排出量を低減することができると共に、PM排出量や始動時白煙等をも抑制することができる二段過給システムを備えた内燃機関を提供する。
【解決手段】 このため、本発明に係る内燃機関は、排気通路を複数に分割し、分割した排気通路2A、2Bに高圧段ターボチャージャ3A、3Bをそれぞれ介装すると共に、高圧段ターボチャージャ3A、3Bから流出する排気を低圧段ターボチャージャ5に導入するようにした二段過給システムを備えた内燃機関1であって、高圧段ターボチャージャ3A、3Bの少なくとも1つが可変容量式ターボチャージャであることを特徴とする。また、吸気通路13へ排気の一部を還流させるEGR通路20A、20Bが設けられるが、このEGR通路には一方向弁23A、23Bが介装される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関に関し、詳しくは、排気エネルギを利用したターボチャージャ、特にターボチャージャを排気通路に直列的に配設した所謂二段過給システムを備えた内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ターボチャージャ(排気過給機)を排気通路に直列的に配設した所謂二段過給システムを備えた内燃機関が知られているが、従来のものは、排気通路上流側に配設される高圧段ターボチャージャとそれより下流側に配設される低圧段ターボチャージャの2つのターボチャージャを直列に配置することで、高過給を可能にしている。
また、特許文献1には、特許文献1の図3に示されるように、高圧段側のターボチャージャとして容量の小さい過給機を並列に複数個接続して構成したものが記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−28287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここにおいて、内燃機関からの排気を浄化して大気汚染の拡大を抑制することは重要な課題であるが、このためのシステム(装置)の一つとして、燃焼装置からの排気の一部を燃焼室内に還流させて再燃焼させることで燃焼温度を下げ、排気中の窒素酸化物(以下、NOxという)の濃度(排出量)を低減するための所謂EGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)システムが知られている。
【0005】
このようなEGRシステムは、上述した二段過給システムにおいても適用されるが、NOxの排出量を所望とするために燃焼室内に還流されるEGRガス量(排気還流量)を所望量に制御することが要求され、例えば軽負荷時には高圧段ターボチャージャへの排気の流入を制限してEGR通路側へ排気が流れるようにすることなどが求められる一方で、高負荷時にはEGRガス量(排気還流量)を抑制し高圧段ターボチャージャへの排気の流入量を多くすることで高過給な状態を実現できることなどが求められる場合があるが、従来の二段過給システムでは十分ではないといった実情がある。
【0006】
更に、二段過給システムにおいても、例えば、軽負荷時において排気中のPM(パティキュレートマター:粒子状物質=主に黒煙(スス)、SOFと称される燃え残った燃料や潤滑油の成分、サルフェートと称される軽油燃料中の硫黄分から生成される成分を含む)量を低減したり、低温始動時における白煙を抑制することが求められるが、従来の二段過給システムでは十分ではないといった実情がある。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、簡単かつ安価な構成でありながら、効果的に、運転状態に応じてEGR量を広い範囲で制御することができ、NOx排出量を低減することができると共に、PM排出量や始動時白煙等をも抑制することができる二段過給システムを備えた内燃機関を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため、本発明に係る内燃機関は、
排気通路を複数に分割し、分割した排気通路に高圧段ターボチャージャをそれぞれ介装すると共に、高圧段ターボチャージャから流出する排気を低圧段ターボチャージャに導入するようにした二段過給システムを備えた内燃機関であって、
前記高圧段ターボチャージャの少なくとも1つが可変容量式ターボチャージャであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る内燃機関は、図2に示すように、
排気通路を複数に分割し、分割した排気通路に高圧段ターボチャージャをそれぞれ介装すると共に、高圧段ターボチャージャから流出する排気を低圧段ターボチャージャに導入するようにした二段過給システムを備えた内燃機関であって、
分割した排気通路から吸気通路へ排気の一部を還流させるEGR通路が設けられると共に、EGR通路には一方向弁が介装されることを特徴とする。
【0010】
本発明において、一部の気筒に対して燃料供給を停止する減筒運転を行う減筒運転システムを備え、減筒運転の際に燃料供給が停止される気筒は、共通の高圧段ターボチャージャに接続されていることを特徴とすることができる。
【0011】
本発明において、図3に示すように、減筒運転の際に燃料供給が停止される気筒は、減筒運転が行われている間、可変バルブ機構を介して吸気弁及び排気弁の開閉弁動作が停止されることを特徴とすることができる。
【0012】
本発明において、図4に示すように、減筒運転の際に燃料供給が停止される気筒は、条件に応じて入れ替えられることを特徴とすることができる。
【0013】
本発明において、前記条件が、燃料供給が停止されている気筒の温度に基づくことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡単かつ安価な構成でありながら、効果的に、運転状態に応じてEGR量を制御してNOx排出量を低減することができると共に、PM排出量や始動時白煙等をも抑制することができる二段過給システムを備えた内燃機関を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態に係る二段過給システムを備えた内燃機関の全体構成を概略的に示した図である。
【図2】本発明の一態様を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明の他の一態様を説明するためのブロック図である。
【図4】本発明の他の一態様を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
【0017】
本実施の形態に係る二段過給システムを備えた内燃機関1は、図1に示すように、直列式6気筒のものを例として採用しており、排気通路が、前側の3気筒分(♯1(1番気筒:前側に近いほど若い番号とする)から♯3の気筒群)が集合された排気通路2Aと、後側(クラッチハウジング側)の3気筒分(♯4から♯6の気筒群)が集合された排気通路2Bと、に分けて設けられており、それぞれの排気通路2A、2Bの下流部には、高圧段ターボチャージャ(排気過給機)3A、3Bが介装されている。
【0018】
高圧段ターボチャージャ3A、3Bからの排気は、排気通路4によって低圧段ターボチャージャ(排気過給機)5へと導かれ、低圧段ターボチャージャ5の排気タービンを駆動した後、触媒等の排気後処理装置9やマフラー等が介装されている排気通路4を介して外気へと排出されるようになっている。
【0019】
ここで、高圧段ターボチャージャ3A、3Bは、低圧段ターボチャージャ5より、小容量(小径)で構成されており、低回転域から高過給が可能でレスポンス等に優れた性能を奏することができるようになっている。
【0020】
また、本実施の形態では、前側の3気筒分の排気と、後側の3気筒分の排気とを、それぞれ独立して高圧段ターボチャージャ3A、3Bへ導く構成としているので、燃焼順序(例えば、直列6気筒の場合、♯1、♯4、♯2、♯6、♯3、♯5の順番で燃焼している)に起因して生じる排気干渉が抑制されるため、排気エネルギを効果的に排気タービンの回転仕事に供することができる。
【0021】
すなわち、排気通路2A、2Bを前後で3気筒ずつに分けたため、排気パルスが120度(クランク回転角度)から240度となり相互に干渉することが抑制されるため、排気動圧を有効に排気タービンに作用させることができると共に、高圧段ターボチャージャ3A、3Bを小容量(小径)として小慣性なものを採用できることと相まって、加速時の応答性を向上させることができる。
【0022】
また、排気通路2A、2Bを前後で3気筒ずつに分け、高圧段ターボチャージャ3A、3Bを小容量(小径)しているので、例えば、軽負荷時などにおいて内燃機関1の全気筒のうち一部の気筒への燃料供給を停止して少ない気筒で内燃機関を運転する所謂減筒運転を行う場合、前側の3気筒或いは後側の3気筒によって減筒運転させることで、少ない気筒での運転に見合ったサイズの高圧段ターボチャージャ3A(3B)によって運転させることができるので、レスポンスを含めたエンジン出力性能、排気性能、燃費性能を所定レベルに維持しながら、大気汚染防止及び省燃費など環境保護に貢献可能な減筒運転を行うことができる。
減筒運転を行う場合には、例えば、図1に示したような三方弁30を採用することができ、これにより、減筒運転を実際に行う際に、燃料供給が行われている側の高圧段ターボチャージャ3A(或いは3B)の給気が、燃料供給が停止され使用されていない高圧段ターボチャージャ3B(或いは3A)側へ流入するような逆流現象を防止することができ、以って効率良く内燃機関1を過給することができる。
【0023】
なお、減筒運転は、全気筒のうち一部の気筒への燃料供給の停止や噴射量減量制御により行われるが、かかる燃料供給制御は、例えばコモンレール式の燃料供給装置により気筒毎に行うことが可能である。
【0024】
ところで、本実施の形態では、減筒運転を行う際に、燃料供給を行わない気筒群については、可変バルブ機構(VVA:Variable Valve Actuation)等を介して、例えば、減筒運転の間、吸気弁及び排気弁を常時全閉とすることで、燃料供給を行わない気筒群から排気通路2A(或いは2B)へ気体が流れることを抑制して、排気通路4での合流後の排気温度の低下を抑制することができるようになっている。
【0025】
これにより、本実施の形態では、減筒運転を行っている場合でも、排気温度を所定温度以上に維持可能であるから、効率良く排気エネルギを低圧段ターボチャージャ5の排気タービンの回転仕事に供することができると共に、排気下流側の排気後処理装置(例えば触媒)9に比較的高温の排気を流入させることができるため排気後処理装置(例えば触媒)9の早期活性化を促進することができ、従って例えば始動後早期から排気有害成分の排出量を低減することに貢献することができ、更には低温始動時における白煙の発生の抑制にも貢献することができる。
【0026】
また、本実施の形態では、高圧段ターボチャージャ(排気過給機)3A、3Bには、可変容量式のターボチャージャ、例えば、可変ノズル式のターボチャージャ(VNT:Variable Nozzle Turbocharger)が採用される。ただし、高圧段ターボチャージャ(排気過給機)3A、3Bの少なくとも一方を可変容量式ターボチャージャとすることもできる。
【0027】
かかる可変ノズル式ターボチャージャ(VNT)は、排気タービン側のノズル部に多数の角度調整可能なノズルベーンを環状に備え、当該ノズルベーンの角度(ノズル開度)を適宜に変更し得るように構成され、エンジン回転速度や負荷等の運転状態等に応じてターボチャージャの容量を適宜に変更することで、広範囲な運転領域で高い過給効果を得ることができるようになっている。
【0028】
なお、このノズルベーンの角度(ノズル開度)延いてはターボチャージャの容量を変更することで、高圧段ターボチャージャ(排気過給機)3A、3Bの通気抵抗が変更されるため、かかる特性を利用して、本実施の形態では、例えば、EGR率を稼ぎたいようなエンジン運転領域では、高圧段ターボチャージャ(排気過給機)3A、3Bの容量を小さくなる側に制御して、通気抵抗(排気抵抗)を高めて、EGR通路20A、20Bへ流れ込む排気の流量を多して、要求されるEGR率を達成することができるようになっている。なお、EGR率は、EGRガス量/(新気量+EGRガス量)×100(%)である。
【0029】
ここにおいて、本実施の形態に係る内燃機関1は、図1に示したように、図示しないエアクリーナ等を介して外気(新気)が吸入されるが、該新気は吸気通路10を介して低圧段ターボチャージャ4のコンプレッサ(インペラ)に導かれて所定に圧縮された後、吸気通路11に介装されるインタークーラ12を介して所定に冷却されて分流され、高圧段ターボチャージャ3A、3Bのコンプレッサ(インペラ)に導かれる。
【0030】
その後、高圧段ターボチャージャ3A、3Bのコンプレッサ(インペラ)にて所定に圧縮された後、吸気通路13に介装されるインタークーラ14を介して所定に冷却され、燃焼室(シリンダ)15内に導かれるようになっている。
【0031】
また、燃焼室15から排出される燃焼後のガスは、燃焼室15に臨んで開口される排気ポート(図示せず)を介して、既述した排気通路2A、2Bへと導かれるが、本実施の形態では、燃焼後のガス(すなわち、排気)の一部を吸気(新気)と共に燃焼室15に再び導くことで、燃焼温度を低下させてNOxの低減を図るためのEGRシステムが設けられている。
【0032】
本実施の形態に係るEGRシステムは、排気通路2A、2Bに連通されるEGR通路20A、20Bを含んで構成され、該EGR通路20A、20Bには当該EGR通路20A、20Bを流れる排気(EGRガス:還流排気)を所定に冷却するためのEGRクーラ21A、21Bが介装されている。
【0033】
EGR通路20A、20Bと、吸気通路13と、の接続部付近のそれぞれに、EGRバルブ22A(22B)及びリード弁(一方向弁)23A(23B)が介装され、所定の運転状態において所定にEGRバルブ22A(22B)が開弁されて、排気通路20A、20Bを流れる排気の一部をEGRガスとして、EGRクーラ21A、21Bにより冷却しつつ、内燃機関1の吸気通路13に導くようになっている。
【0034】
なお、本実施の形態では、排気通路2A、2Bを前後で3気筒ずつに分けているため、排気パルスの相互干渉が抑制されるので、排気動圧の平均値としては同等であっても排気パルス脈動の振幅を大きくすることができる。
このため、EGR通路20A、20Bにリード弁23A(23B)などの逆止弁(一方向弁)を設けることで、給気側(吸気側)と排気側との平均差圧が低い状況であっても、給気側にEGRガスを効果的に導入することができ、以って広い運転領域で高いEGR率を達成することが可能となり、延いてはNOx低減効果を一層高めることができるようになっている。
なお、リード弁23A、23Bを用いない場合も本発明は採用することができる。
【0035】
また、本実施の形態では、高圧段ターボチャージャ3A、3Bとして可変容量式のターボチャージャを採用し、高圧段ターボチャージャ3A、3Bの容量を可変に制御することで通気抵抗(排気抵抗)を制御して給気側と排気側との差圧を制御可能として、EGR率を広い範囲で所望に制御することができるので、内燃機関1の運転状態(アクセル開度、内燃機関の回転速度、水温など)に応じて、低EGR率から高EGR率まで広い範囲できめ細かくEGR率を設定することなどが可能であり、以ってなお一層NOx低減を促進することができる。
【0036】
更に、本実施の形態では、EGR通路をEGR通路20A、20Bの2系統として、それぞれにEGRクーラ21A(21B)、EGRバルブ22A(22B)及びリード弁23A(23B)を介装する構成としている。
【0037】
このため、本実施の形態では、減筒運転を行っているときにおいても、効率的にEGRを行うことができるため、減筒運転の際のEGRによるNOx低減効果を高めることができる。
【0038】
また、本実施の形態では、例えば、予混合燃焼(予混合圧縮着火燃焼)を行う運転領域よりも高い軽負荷領域であって6気筒による全気筒運転で軽負荷だった状態を、3気筒での減筒運転によって実質的に中負荷運転させることで、同等の出力トルクにおいてエンジン熱効率の良いポイントで内燃機関1を運転させることができると同時に排気温度を触媒等の排出ガス後処理装置9が良好に機能し得る温度範囲に維持できるので、燃費と排気性能を改善することができる。
【0039】
なお、予混合燃焼(予混合圧縮着火燃焼)とは、シリンダ内に燃料を直接噴射供給する直接噴射式燃焼機関において、圧縮上死点付近における主燃焼より前に(例えば吸気行程から)、比較的少量の燃料を1回或いは複数回に分けてシリンダ内に噴射供給して、シリンダ内における空気と燃料を予混合することで、主燃焼を空気と燃料とが十分に混合された希薄混合気の燃焼として燃焼温度の低減を図ってNOx排出量の低減を図ると同時に、空気と燃料の十分な混合により燃料過濃部分の発生を低減してPM排出量の低減を図るといった燃焼方式である。
【0040】
ところで、本実施の形態では、減筒運転の際には、例えば直列式6気筒の内燃機関の場合、前側の3気筒或いは後側の3気筒に対して燃料供給の停止制御などを行うものとして説明したが、特定の気筒に対して減筒運転の間常時燃料供給停止するのではなく、燃料供給停止している気筒を、例えば所定時間経過したら(或いはある気筒の燃焼室壁温度が所定となったらなど)他の気筒と入れ替えるなどの制御を行うこともできる。
【0041】
これにより、減筒運転により特定気筒が継続して燃料供給停止されて特定気筒のシリンダライナやピストンの温度低下やオイル上がり溜まりなどによる凝縮水の発生延いてはオイルへの希釈の問題や、減筒運転から通常運転へ復帰した際の燃焼室壁温度の低下に起因するPMやHC発生量の増大の問題などを抑制することができる。
【0042】
このように、本実施の形態に係る二段過給システムを備えた内燃機関によれば、6気筒の場合3気筒毎に小容量の高圧段ターボチャージャを1ずつ備えると共に、その排気下流側に共通の低圧段ターボチャージャを1つ備えた構成としたので、加速時のブースト圧(過給圧)の過渡応答性を改善することができると共に、排気脈動の干渉を抑制することができるため動圧を有効に利用できるためタービン仕事率を向上させることができ、燃費性能、排気性能、過渡応答性を含めた出力性能の改善に寄与することができる。
【0043】
また、上述したように、本実施の形態に係る内燃機関によれば、可変バルブ機構により減筒運転を行う際には、燃料供給を停止した気筒群に対して吸排気弁の開閉動作を行わないようにすることで、排気流量を3気筒分の流量に維持して排気温度を高く維持可能にしたので、触媒活性の向上による排気有害成分の浄化作用を増進できるため、減筒運転による排気有害成分の排出量の低減に加え、より一層の低減を図ることができる。
【0044】
また、本実施の形態に係る内燃機関によれば、排気干渉の抑制により排気脈動の振幅を大きく維持できることから、EGRシステムと組み合わせた場合において、EGR通路に一方向弁を介装することで、同等の給排気差圧であっても、EGRガス量延いてはEGR率を高めることができ、以ってEGRによるNOx低減効果を促進することができる。
【0045】
上述した実施の形態においては、可変容量式の排気ターボチャージャとして、可変ノズル式ターボチャージャを例示して説明しているが、他の形式の可変容量式ターボチャージャを採用することもできる。
【0046】
また、本実施の形態では、直列6気筒の内燃機関を代表例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば4気筒、8気筒、V型、水平対向などの内燃機関で排気干渉の発生が想定される種々の内燃機関に適用可能である。
【0047】
以上で説明した実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 エンジン
2A、2B 排気通路
3A、3B 高圧段ターボチャージャ(排気過給機)
4 排気通路
5 低圧段ターボチャージャ(排気過給機)
9 排気後処理装置(触媒、パティキュレートフィルタなど)
13 吸気通路
14 インタークーラー
20A、20B EGR通路
22A、22B EGRバルブ
23A、23B リード弁(逆止弁、一方向弁)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気通路を複数に分割し、分割した排気通路に高圧段ターボチャージャをそれぞれ介装すると共に、高圧段ターボチャージャから流出する排気を低圧段ターボチャージャに導入するようにした二段過給システムを備えた内燃機関であって、
前記高圧段ターボチャージャの少なくとも1つが可変容量式ターボチャージャであることを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
排気通路を複数に分割し、分割した排気通路に高圧段ターボチャージャをそれぞれ介装すると共に、高圧段ターボチャージャから流出する排気を低圧段ターボチャージャに導入するようにした二段過給システムを備えた内燃機関であって、
分割した排気通路から吸気通路へ排気の一部を還流させるEGR通路が設けられると共に、EGR通路には一方向弁が介装されることを特徴とする内燃機関。
【請求項3】
一部の気筒に対して燃料供給を停止する減筒運転を行う減筒運転システムを備え、
減筒運転の際に燃料供給が停止される気筒は、共通の高圧段ターボチャージャに接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関。
【請求項4】
減筒運転の際に燃料供給が停止される気筒は、減筒運転が行われている間、可変バルブ機構を介して吸気弁及び排気弁の開閉弁動作が停止されることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関。
【請求項5】
減筒運転の際に燃料供給が停止される気筒は、条件に応じて入れ替えられることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の内燃機関。
【請求項6】
前記条件が、燃料供給が停止されている気筒の温度に基づくことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−231683(P2011−231683A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102555(P2010−102555)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000005463)日野自動車株式会社 (1,484)
【Fターム(参考)】