説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】一つのマスク工程にパターンの違う二つの絶縁膜を形成する半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】二重絶縁膜が備えられた半導体装置において、前記絶縁膜は第1パターンの第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜と異なるパターンおよび他の材料で前記第1絶縁膜上に備えられ、感光物質を含む第2絶縁膜を含み、前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜が重畳される第1領域、前記第1絶縁膜が形成される第2領域、および絶縁膜が存在しない第3領域を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、より詳細には、二重絶縁膜を含む半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造時に互いに異なるパターンを持った二重絶縁膜を連続して形成する場合、通常該当絶縁膜に該当するそれぞれのマスクを使うフォトリソグラフィ法による製造方法が一般的に知られている。
【0003】
このような二重絶縁膜が使われる半導体装置の一例は有機電界発光表示装置であるが、その一般的な構造を韓国特許登録公報第10-0637228号を参照して説明する。
【0004】
図1は、上記文献に開示された有機電界発光表示装置の断面図である。これを参照すれば、基板300上にバッファー層305が形成されて、画像表示部200のバッファー層305上に薄膜トランジスターおよび前記薄膜トランジスターに連結される有機発光素子が形成されて、前記パッド部300のバッファー層305上にはパッドが形成される。
【0005】
薄膜トランジスターはソース/ドレイン領域を含む半導体層310、ゲート絶縁膜320、ゲート電極325、層間絶縁膜330、そして、ソース/ドレイン領域311、315に各々連結されるソース/ドレイン電極341、345を具備する。
【0006】
薄膜トランジスター上には絶縁膜350が形成される。図面上には絶縁膜350はパッシベーション膜350aと平坦化膜350bを含む。絶縁膜350上にビアホール355を通じて前記薄膜トランジスターのソース/ドレイン電極341、345の中、ドレイン電極345に連結される有機発光素子が形成される。
【0007】
有機発光素子は、アノード電極360、カソード電極385、そして、アノード電極360とカソード電極390間に形成された有機膜層370を具備する。また、基板上に前記アノード電極360の一部分を露出させる開口部375を具備する画素分離膜370が形成される。
【0008】
アノード電極360は反射電極を含んで、前記カソード電極390は透過電極を含む。アノード電極360は反射膜360aと透明導電膜360bの積層膜を含み、望ましくはAg/ITO膜で構成される。
【0009】
パッド部300のゲート絶縁膜320上に第1導電パターン327が形成される。第1導電パターン327の一部分を露出させる第1開口部337を具備する層間絶縁膜330がゲート絶縁膜320上に形成される。
【0010】
前記第1開口部337を通じて、前記第1導電パターン327に連結されるように前記層間絶縁膜330上に第2導電パターン347が形成される。
【0011】
前記第2導電パターン347の一部分を露出させる第2開口部357を具備する絶縁膜350が形成される。前記絶縁膜350はパッシベーション膜350aと平坦化膜350bを含む。
【0012】
したがって、パッド部300は層間絶縁膜330に形成された第1開口部337により露出される第1導電パターン227と、前記第1導電パターン227と第1開口部337を通じて連結されて、前記絶縁膜350に形成された第2開口部357により露出される第2導電パターン347を具備する。前記パッド300はFPCなどと同じような連結回路基板(図示せず)との接着のための異方性導電フィルム301が塗布される。
【0013】
前記第1導電パターン327は、前記画像表示部110に形成された薄膜トランジスターのゲート電極225と同じ物質でなる。
【0014】
前記第1導電パターン327は、MoW、Al、AlNd、Crなどと同じ金属物質を含む。前記第2度全盛パターン347は前記ソース/ドレイン電極341、345と同じ物質でなる。前記第2導電パターン347はMoW、Alなどと同じ金属物質を含む。
【0015】
前述した構成の従来技術による有機発光表示装置のように薄膜トランジスターと有機発光素子の間には二重絶縁膜として平坦化膜350bとパッシベーション膜350aを具備することが望ましい。
【0016】
平坦化膜350bは層を平坦化させることによって、有機発光素子の共震構造を最適化する役割をする。また、パッシベーション膜350aは有機発光表示装置の基板の間を密封する密封材を形成させる位置を提供し、パッド部スクレッチによる配線開放およびショットを防止して、熱処理工程を通じてトランジスターの散布を良くする役割をする。この時、平坦化膜350bとパッシベーション膜350aは互いに区別される他の形状のパターンで形成される。したがって、従来技術に従う場合、有機発光表示装置の製造の時平坦化膜の形成時にマスク工程が必要であり、パッシベーション膜を形成するためのもう一つのマスク工程が必要とされる。
【0017】
しかし、一度のマスク工程がさらに追加されるのはエッチング工程、洗浄工程などの多い付加工程がさらに必要とされるので、工程および費用上の損失が大きいという問題があった。
【特許文献1】特開2003-195329号公報
【特許文献2】韓国特許公開第10-2006-0060179
【特許文献3】韓国特許第2003-0096729
【特許文献4】韓国特許公開第10-2004-0015655
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上記問題点を解決するために案出されたもので、本発明の目的は一つのマスク工程にパターンの違う二つの絶縁膜を形成する半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために本発明の一側面は、二重絶縁膜が備えられた半導体装置において、前記絶縁膜は第1パターンの第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜と異なるパターンおよび他の材料で前記第1絶縁膜上に備えられ、感光物質を含む第2絶縁膜を含み、前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜が重畳される第1領域、前記第1絶縁膜が形成される第2領域、および絶縁膜が存在しない第3領域を含む。
【0020】
また、上記目的を達成するために本発明の一側面は、基板上に画素領域と、前記画素領域と電気的に連結される少なくとも一つの端子が形成された非画素領域を含み、二重絶縁膜が含まれる有機電界発光表示装置において、前記絶縁膜は第1パターンの第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜と異なるパターンおよび他の材料で前記第1絶縁膜上に備えられ、感光物質を含む第2絶縁膜を含み、前記画素領域には少なくとも前記第1および第2絶縁膜が重畳される第1領域、および絶縁膜がない第3領域を含んで、前記非画素領域には少なくとも前記第1絶縁膜が形成された第2領域および絶縁膜がない第3領域を含む。
【0021】
また、 上記目的を達成するために本発明の他の側面は、二重絶縁膜が備えられた半導体装置の製造方法において、第1絶縁膜を前面に塗布する段階と、前記塗布された第1絶縁膜上に第1絶縁膜材料と異なって感光物質を含む第2絶縁膜を塗布する段階と、第2絶縁膜が第1厚さの第1パターンを形成する第1領域、第1厚さよりさらに薄い第2厚さの第2パターンを形成する第2領域、第2絶縁膜を除去して、第2絶縁膜下部の第1絶縁膜を露出させる第3領域を具備するように第2絶縁膜のパタニングを遂行する段階と、前記第3領域の前記第1絶縁膜をエッチングする段階と、および前記第2絶縁膜の第2パターンを除去して、前記第2絶縁膜の第1パターンは残ってように前記第2絶縁膜をアッシング(ashing)する段階とを含む。
【0022】
また、上記目的を達成するために本発明の他の側面による適用例は、基板上に画素領域と、前記画素領域と電気的に連結される少なくとも一つの端子が形成された非画素領域を含み、二重絶縁膜が含まれる有機電界発光表示装置の製造方法において、前記絶縁膜の形成は、第1絶縁膜を形成する段階と、前記塗布された第1絶縁膜上に第1絶縁膜材料と異なって感光物質を含む第2絶縁膜を形成する段階と、第2絶縁膜が第1厚さの第1パターンを形成する第1領域、第1厚さよりさらに薄い第2厚さの第2パターンを形成する第2領域、第2絶縁膜を除去して、第2絶縁膜下部の第1絶縁膜を露出させる第3領域を具備するように第2絶縁膜のパタニングを遂行する段階と、前記第3領域の前記第1絶縁膜をエッチングする段階と、および前記第2絶縁膜の第2パターンを除去して、前記第2絶縁膜の第1パターンは残るように前記第2絶縁膜をエシングする段階とを含む。
【発明の効果】
【0023】
したがって、本発明による半導体装置及び製造方法によると、二重の互いに異なるパターンの絶縁膜を一つのマスク工程を通じて形成するので、工程および費用上の低減をもたらすという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例を説明する。
図2は、本発明による半導体装置を説明するための断面模式図である。これによれば、基板10(本説明で基板は絶縁膜が形成されるすべての層を意味する)上に絶縁膜が形成されるが、絶縁膜は互いに異なるパターンおよび互いに異なる材料を持っている第1絶縁膜20と第2絶縁膜30で構成される。
【0025】
第1絶縁膜20と第2絶縁膜30が互いに異なるパターンを持っているので、すなわち、第1絶縁膜20および第2絶縁膜30が存在する領域、第1絶縁膜20のみ存在する領域、第1絶縁膜20および第2絶縁膜30すべてない領域が存在する。
【0026】
すなわち、絶縁膜は第1絶縁膜20および第2絶縁膜30が重畳された第1領域、第1絶縁膜20が形成された第2領域30、第1絶縁膜20および第2絶縁膜30いずれもない第3領域を含む。
【0027】
第1絶縁膜20は、第2絶縁膜30と異なるエッチング特性を持った無機材料で構成されることが望ましい。例えば、第1絶縁膜20の無機材料はSiO2またはSiNxが使用可能である。
【0028】
第2絶縁膜30は有機材料で構成されることが望ましい。例えば、第2絶縁膜30はアクリル、ポリイミド、およびBCB(Benzo cyclo butanes)で構成される群より選ばれる一つが使われることができる。
【0029】
一方、第2絶縁膜30は感光物質を含むが、これは後述する製造方法において説明されるように、第2絶縁膜30を感光性パターンで使って、二重絶縁膜を形成するのに一つのマスクを使うためである。この時、含まれる感光物質は、例えば、下記式1の2、3、4-Trihydroxybenzophenone-orthonaphtoquinone1、2-diazidesulfonic acid Triesterを使うことができる。
【化1】

【0030】
以下では、二重絶縁膜が備えられた半導体装置の製造方法を説明する。
まず、第1絶縁膜20を形成する段階である。以下の明細書で、第1絶縁膜20および第2絶縁膜30は説明の便宜上最終段階の第1絶縁膜20および第2絶縁膜30のみならず中間段階での第1絶縁膜20および第2絶縁膜30も同一に指すことにする。第1絶縁膜20は基板の前面に塗布する(図3a)。
次に、前記第1絶縁膜20上に感光物質を含んで、第1絶縁膜20の材料とは異なる材料を使う第2絶縁膜30を形成する段階として第1絶縁膜20を形成した後、連続して第1絶縁膜20前面に塗布する(図3b)。
【0031】
次に、第2絶縁膜30が第1厚さの第1パターンを形成する第1領域、第1厚さよりさらに薄い第2厚さの第2パターンを形成する第2領域、第2絶縁膜30を除去して、第2絶縁膜30下部の第1絶縁膜20を露出させる第3領域を具備するようにパタニングを遂行する段階である。
【0032】
前記段階は、感光性を持った第2絶縁膜30を領域により遮光程度が違うハーフトーンマスク50で露光および現像することによって行なうことができる。すなわち、ハーフトーンマスク50に前記第1パターンに該当する対応遮光パターンを具備させて、第2パターンに対応する一部遮光パターンを具備させて、第3パターンに対応する開口パターンを具備させることによって、第2絶縁膜30を露光領域により互いに異なる高さを持つようにすることができる。
【0033】
詳述すれば、第2絶縁膜30の第1領域はハーフトーンマスクの遮光パターンによって、露光されないので、全く現像されず、第2領域はハーフトーンマスクの一部遮光パターンによって、厚さの一部のみ露光されるので上層の一部露光された部分のみ現像され、第3領域は遮光パターンがないのですべての厚さが全部露光されて、すべての絶縁膜が全部現像される。この時マスクの一部遮光パターンの厚さを調節したり露光時間を調節して、透過度を変化させることによって第2絶縁膜30の厚さを調節することができる。
【0034】
一方、この時使われるハーフトーンマスク50に本発明が制限されないが、例えば、第1領域に対応される部分には一部遮光パターン51および遮光パターン52が積層された構造で形成されて、第2領域に対応される部分では一部遮光パターン51が形成されたハーフトーンマスク50を使うことができる。
【0035】
この時、一部遮光パターン51はMoSiなどのように光が一部透過する物質で形成されて、遮光パターン52はクロムCr等のように光が遮断される物質で形成される。
次に、第3領域の第1絶縁膜20をエッチングする段階である。第1絶縁膜20は湿式または乾式でエッチングできる。
【0036】
次に、第2絶縁膜30の第2パターンを除去して、第2絶縁膜30の第1パターンは残るように第2絶縁膜30をエシングする段階である。エシングは通商通常フォトレジストを除去する工程であるが、本実施例で第2絶縁膜30がフォトレジストで使われたので第2絶縁膜30を除去する工程がエシング工程となる。
【0037】
以下では、前述した発明の適用例として、本発明の製造方法により完成される有機電界発光表示装置を説明する。
図4は、本発明による有機電界発光表示装置の平面図で、図5は図4のA、B、およびC部分の断面図である。これによれば、有機電界発光表示装置は第1基板と、第2基板300、密封材400を含んで構成される。本明細書で、第1基板は有機発光素子アレイが含まれた全体基板を意味し、蒸着基板110はその上部に有機発光素子が形成される基材になる基板自体を意味する。
【0038】
第1基板は、第1電極210、有機層220および第2電極230で構成される少なくとも一つの有機発光素子が形成された有機発光素子アレイを含む画素領域100aと、画素領域100aの外縁に形成され、駆動集積回路101、102と、密封材400、金属配線170b、170cなどが形成される非画素領域100bを含む。
【0039】
画素領域100aは、行方向で配列された複数の走査線S1ないしSnおよび列方向で配列された複数のデータ線D1ないしDmを含み、走査線S1ないしSnとデータ線D1ないしDmに有機発光素子を駆動するための駆動集積回路101、102から信号の印加を受ける複数の画素が形成されている。
【0040】
また、非画素領域100bには有機発光素子を駆動するための駆動集積回路(DriverIC)と画素領域の走査線S1ないしSnおよびデータ線D1ないしDmと電気的に各々連結される金属配線170b、170cが形成される。本実施例で駆動集積回路はデータ駆動部101と走査駆動部102を含む。
【0041】
一方、図面のA、B、およびC部は各々画素領域100aの一区間、非画素領域の密封材400が位置する一区間、およびパッド部の一区間を表わすもので、各区間の断面構造を簡略的に説明する。
【0042】
まず、A部の構造について説明する。蒸着基板110上にバッファー層120が形成されるが、バッファー層120は酸化シリコンSiO2または窒化シリコンSiNx等のような絶縁物質で形成される。バッファー層120は外部からの熱等の要因により蒸着基板110が損傷するのを防止するために形成される。
【0043】
バッファー層120の少なくともいずれか一領域上にはアクティブ領域130aとソースおよびドレイン領域130b、130cを具備する半導体層130が形成される。半導体層130およびバッファー層120上にはゲート絶縁層140が形成されて、ゲート絶縁層140の一領域上にはアクティブ領域130aの幅に対応する大きさのゲート電極150が形成される。
【0044】
ゲート電極150を含んで、ゲート絶縁層140上には層間絶縁層160が形成され、層間絶縁層160の所定の領域上にはソースおよびドレイン電極170aが形成される。
【0045】
ソースおよびドレイン電極170aは、ソースおよびドレイン領域130b、130cの露出された一領域と各々接続されるように形成され、ソースおよびドレイン電極170aを含んで、層間絶縁層160上には第1絶縁膜180、180a、180b、180cが形成される。
【0046】
第1絶縁膜180は無機材料で形成されることが望ましく、実務上パッシベーション膜で呼称されたりするが、このような機能的呼称に制限されるものではない。
【0047】
第1絶縁膜180上には第1絶縁膜と異なる材料の第2絶縁膜190が形成され、実務上平坦化膜と呼称されたりするが、このような機能的呼称に制限されるものではない。この時、第2絶縁膜190は感光性膜で形成される。例えば、有機材料に感光物質が添加されて、第2絶縁膜190を形成することができる。
【0048】
例えば、有機材料としてはアクリル、ポリイミド、およびBCBで構成される群より選ばれるいずれか一つを使用することができる。感光物質としては下記式1の2.3.4-Trihydroxybenzophenone-orthonaphtoquinone1.2-diazidesulfonicacidTriesterを使うことができる。
【化2】

【0049】
第2絶縁膜190の一領域上には第1電極210が形成され、この時第1電極210は第1絶縁膜180および第2絶縁膜190を貫通するビアホールによって、ソースおよびドレイン電極170aの中でいずれか一つの露出された一領域と接続される。
【0050】
第1電極210を含んで、第2絶縁膜190上には第1電極210の少なくとも一領域を露出する開口部(図示せず)が備えられた画素定義膜240が形成される。
【0051】
画素定義膜240の開口部上には有機層220が形成されな、有機層220を含んで画素定義膜240上には第2電極230が形成されて、この時、第2電極230上部に保護膜(passivation layer)がさらに形成されることができる。
【0052】
第2基板300は、有機発光素子が形成された基板の少なくとも画素領域100aを封止する部材で、前面発光または両面発光の場合透明な材質で形成され、背面発光の場合には不透明な材質で構成される。
【0053】
第2基板300は、本実施例で判型で構成されており、少なくとも蒸着基板110上の有機発光素子が形成された画素領域を封止する。一例として、本実施例ではデータ駆動部とパッド部を除いた全領域を封止している。
【0054】
密封材400は、第2基板300と蒸着基板110の非画素領域100bの間に形成されて、外気が浸透できないように画素領域100aを密封する。密封材は無機材料または有機材料で形成されうるし、無機材料で形成される場合、密封材150はレーザーを吸収するための吸収材、熱膨張係数を減少するためのフィラー(Filler)等を含んで構成され、K2O、Fe2O3、Sb2O3、ZnO、P2O5、V2O5、TiO2、Al2O3、B2O3、WO3、SnO、およびPbOを含んで構成される。
【0055】
この時、密封材400を無機材料で形成する場合、密封材400が形成するラインは金属配線と重畳されることになるが、この場合密封材400にレーザーまたは赤外線が照射されれば、金属配線が損傷する恐れがあるから前述した無機材料の第1絶縁膜180が必要である。
また、密封材400が有機材料で形成される場合エポキシ樹脂などが使われることができる。
【0056】
一方、前述したA部には後述のように、第1絶縁膜180と第2絶縁膜190が二重で形成される第1領域と第1絶縁膜180と第2絶縁膜190が全く存在しなかった第2領域を同時に具備する。
次に、B部の構造について説明する。B部は密封材400が形成される位置で、基材基板110上に前述したバッファー層120が延びて形成されて、バッファー層120上部には前述したゲート絶縁層140が延びて形成されて、ゲート絶縁層140の上部には前述した層間絶縁層160が形成され、層間絶縁層160の上部には前述したソースおよびドレイン電極170aと同じ材料の第1金属配線170bが形成される。
【0057】
この時、第1金属配線170bは非制限的であるが通常は電源線であろう。第1金属配線170b上には前述した第1絶縁膜180が形成されて、第1金属配線170bを保護する。第1絶縁膜180上には密封材400が備えられる。この時、B部には第1絶縁膜180のみが存在する後述の第2領域で構成される。
【0058】
次に、C部の構造について説明する。C部は外部から電気的信号を供給するためのFPCB(Flexible Printed Circuit Board)の端子に連結されるパッド部で、蒸着基板110上に前述したバッファー層120が延びて形成されて、バッファー層120上部には前述したゲート絶縁層140が延びて形成されて、ゲート絶縁層140の上部には前述した層間絶縁層160が形成され、層間絶縁層160の上部には前述したソースおよびドレイン電極170aと同じ材料の第2金属配線170cが形成される。この時、第2金属配線170cは端子からデータ線、走査線、電源線等で連結される各種の金属配線である。第2金属配線170c上には前述した第1絶縁膜180が少なくとも第2金属配線170cを一区間露出させながら形成される。
【0059】
この時、C部は後述のように第1絶縁膜180が存在する第2領域と、絶縁膜が全く存在しない第3領域を含む。
【0060】
一方、本図面ではC部が第2金属配線がソースおよびドレイン電極と同じ工程で形成されることのみを図示したが、背景技術にて説明した通り同時にゲート電極を形成する時形成される金属配線をさらに具備することを制限しない。
【0061】
以下、本発明による有機電界発光表示装置の製造方法を説明する。
まず、前述の構造で説明したように蒸着基板110上にA部には順次的にバッファー層120、半導体層130、ゲート絶縁層140、ゲート電極150、層間絶縁層160、ソースおよびドレイン電極170aが形成され、B部およびC部にはバッファー層120、ゲート絶縁層140、層間絶縁層160、金属配線170b、170cが備えられた中間製造状態の第1基板を提供する。(図6a)
【0062】
次に、前記第1基板上の前面に第1絶縁膜180および第2絶縁膜190を形成する。この時、第1絶縁膜180を形成した後、別途のパタニング工程なしに、第2絶縁膜190を連続的に形成する(図6b)。次に、第2絶縁膜190が第1厚さの第1パターンを形成する第1領域、第1厚さよりさらに薄い第2厚さの第2パターンを形成する第2領域、第2絶縁膜190を除去して、第2絶縁膜190下部の第1絶縁膜180を露出させる第3領域を具備するようにパタニングを遂行する段階である。
【0063】
例えば、第1領域はA部のソース電極およびドレイン電極の間領域になることも可能であり、第2領域はB部およびC部の一部であることもあって、第3領域はA部のソースおよびドレイン電極上部、C部の金属配線上部でありうる。
【0064】
前記段階は感光性を持った第2絶縁膜190を領域により遮光程度が違うハーフトーンマスクで露光および現像することによって行なうことができる。
すなわち、ハーフトーンマスクに前記第1パターンに該当する対応遮光パターンを具備させて、第2パターンに対応する一部遮光パターンを具備させて、第3パターンに対応する開口パターンを具備させることによって、第2絶縁膜190を露光領域により互いに異なる高さを持つようにすることができる。
【0065】
詳述すれば、第2絶縁膜190の第1領域はハーフトーンマスクの遮光パターンによって、露光されないので、全く現像されず、第2領域はハーフトーンマスクの一部遮光パターンによって、厚さの一部のみ露光されるので、上層の一部露光された部分のみ現像されて、第3領域は遮光パターンがないのですべての厚さが全部露光され、すべての絶縁膜が現像される。
【0066】
この時マスクの一部遮光パターンの厚さを調節したり露光時間を調節して、透過度を変化させることによって第2絶縁膜190の厚さを調節することができる(図6c)。
【0067】
次に、第3領域の第1絶縁膜180をエッチングする段階である。第1絶縁膜180は湿式または乾式でエッチングできる。前述した通り、第3領域はA部のソースおよびドレイン電極の領域、C部のFPCBが接触するパッド部の端子領域または駆動集積回路が接触するパッド部の端子領域などが可能である。
【0068】
これで、第3領域の下部にある層、例えば、A部のソースおよびドレイン電極、そしてC部の金属配線は本工程により外部に露出される。また、A部には第2絶縁膜190および第1絶縁膜180を貫通する中間過程のビアホールが形成される(図6d)。
【0069】
次に、第2絶縁膜190をエシングする工程である。
本工程において、第2絶縁膜190の中で第2領域上に残っている第2絶縁膜190は完全に除去される。この時、第1領域上の第2絶縁膜190も同じ程度で除去されるので、第1絶縁膜180および第2絶縁膜190を貫通するビアホール195内面にある段差が除去されて、ビアホール195内面は、なめらかな面で形成されるという特徴がある(図6e)。
次に、A部には第1電極、有機薄膜層、そして第2電極を含む有機発光素子らを形成して、第2基板を第1基板に対向するように具備し、B部に密封材を具備させる。また、C部にはFPCBの端子を連結させる(図6f)。
【0070】
本発明は前記実施例を基準として説明されたが、発明の要旨と範囲を脱しないで多くの他の可能な修正と変形が可能である。例えば、実施例ではポジティブ(ポジ)感光膜を使った場合を例として説明したが、ネガティブ(ネガ)感光膜を使った場合がそうである。
【0071】
以上、上記発明の詳細な説明と図面は、本発明の例示的なものであって、これは、単に本発明を説明するための目的で使用されたものであり、意味の限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するものではない。そのため、以上説明した内容を通じて、当業者なら本発明の技術思想を逸脱しない範囲で多様な変更及び修正が可能であることが分かる。したがって、本発明の技術的な保護範囲は、明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されるのではなく、特許請求の範囲により決定されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、従来技術による有機電界発光表示装置の断面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例による半導体装置の模式断面図である。
【図3a】図2の半導体装置の製造方法を示した模式断面図である。
【図3b】図2の半導体装置の製造方法を示した模式断面図である。
【図3c】図2の半導体装置の製造方法を示した模式断面図である。
【図3d】図2の半導体装置の製造方法を示した模式断面図である。
【図3e】図2の半導体装置の製造方法を示した模式断面図である。
【図4】本発明の一適用例による有機電界発光表示装置の平面図である。
【図5】図4のA、B、およびC部の断面図である。
【図6a】本発明による有機電界発光表示装置の製造工程を示す断面図である。
【図6b】本発明による有機電界発光表示装置の製造工程を示す断面図である。
【図6c】本発明による有機電界発光表示装置の製造工程を示す断面図である。
【図6d】本発明による有機電界発光表示装置の製造工程を示す断面図である。
【図6e】本発明による有機電界発光表示装置の製造工程を示す断面図である。
【図6f】本発明による有機電界発光表示装置の製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0073】
110 蒸着基板
120 バッファー層
130 半導体層
140 ゲート絶縁層
150 ゲート電極
160 層間絶縁層
170a ソースおよびドレイン電極
170b 第1金属配線
170c 第2金属配線
180a、180b、180c 第1絶縁膜
190 第2絶縁膜
195 ビアホール
210 第1電極
220 有機層
230 第2電極
300 第2基板
400 密封材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重絶縁膜が備えられた半導体装置において、
前記二重絶縁膜は第1パターンの第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜と異なるパターンおよび他の材料で前記第1絶縁膜上に備えられ、感光物質を含む第2絶縁膜を含み、
前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜が重畳される第1領域と、
前記第1絶縁膜が形成される第2領域、および前記絶縁膜らが存在しない第3領域と、
を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1絶縁膜は、無機材料で構成されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記無機材料は、SiO2またはSiNxであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2絶縁膜は、有機材料で構成されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
前記有機材料はアクリル、ポリイミド、およびBCBで構成される群より選ばれる一つであることを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2絶縁膜に含まれる感光物質物質は下記化学式1であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【化1】

【請求項7】
基板上に画素領域と、
前記画素領域と電気的に連結される少なくとも一つの端子が形成された非画素領域を含み、二重絶縁膜が含まれる有機電界発光表示装置において、
前記二重絶縁膜は、第1パターンの第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜と異なるパターンおよび他の材料で前記第1絶縁膜上に備えられ、感光物質を含む第2絶縁膜を含み、
前記画素領域には少なくとも前記第1および第2絶縁膜が重畳される第1領域、および絶縁膜のない第3領域を含み、
前記非画素領域には少なくとも前記第1絶縁膜が形成された第2領域および絶縁膜のない第3領域と、
を含むことを特徴とする有機電界発光表示装置。
【請求項8】
前記基板上の画素領域は、前記基板上に半導体層、ゲート絶縁膜、ゲート電極、層間絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極を含む薄膜トランジスターを含み、
前記第1絶縁膜は前記薄膜トランジスター上部に形成されて、前記第2絶縁膜は前記第1絶縁膜上に形成されたことを特徴とする請求項7記載の有機電界発光表示装置。
【請求項9】
前記非画素領域は、前記画素領域の各階が延びた前記ゲート絶縁層、前記層間絶縁膜、金属配線を含み、
前記第1絶縁膜は前記金属配線および層間絶縁膜上部に形成されて、前記第2絶縁膜は前記第1絶縁膜上に形成されたことを特徴とする請求項7記載の有機電界発光表示装置。
【請求項10】
前記画素領域上の前記第3領域は、ソースおよびドレイン電極が形成された領域を含むことを特徴とする請求項7記載の有機電界発光表示装置。
【請求項11】
前記非画素領域上の前記第2領域は、密封材が形成される領域を含むことを特徴とする請求項7記載の有機電界発光表示装置。
【請求項12】
前記非画素領域上の第3領域は、FPCBが接触するパッド部の端子または駆動集積回路が接触するパッド部の端子が形成された領域を含むことを特徴とする請求項7記載の有機電界発光表示装置。
【請求項13】
二重絶縁膜が備えられた半導体装置の製造方法において、
前記二重絶縁膜の形成は、第1絶縁膜を前面に塗布する段階と、
前記塗布された第1絶縁膜上に前記第1絶縁膜材料と異なって感光物質を含む第2絶縁膜を塗布する段階と、
前記第2絶縁膜が第1厚さの第1パターンを形成する第1領域、第1厚さよりさらに薄い第2厚さの第2パターンを形成する第2領域、前記第2絶縁膜を除去して、前記第2絶縁膜下部の前記第1絶縁膜を露出させる第3領域を具備するように第2絶縁膜のパタニングを遂行する段階と、
前記第3領域の前記第1絶縁膜をエッチングする段階と、
前記第2絶縁膜の第2パターンを除去して、前記第2絶縁膜の第1パターンは残るように前記第2絶縁膜をエシングする段階と、
を含むことを特徴とする半導体装置の絶縁膜形成方法。
【請求項14】
前記第2絶縁膜のパタニングを遂行する段階は、領域により遮光程度が違うハーフトーンマスクで露光および現像することを特徴とする請求項13記載の半導体装置の絶縁膜形成方法。
【請求項15】
前記ハーフトーンマスクは、前記第1パターンに該当する対応遮光パターンを含み、
前記第2パターンに対応する一部遮光パターンを含み、
第3パターンに対応する開口パターンを含むことを特徴とする請求項14記載の半導体装置の絶縁膜形成方法。
【請求項16】
基板上に画素領域と、
前記画素領域と電気的に連結される少なくとも一つの端子が形成された非画素領域を含み、二重絶縁膜が含まれる有機電界発光表示装置の製造方法において、
前記二重絶縁膜の形成は、第1絶縁膜を形成する段階と、
前記塗布された第1絶縁膜上に前記第1絶縁膜材料と異なって感光物質を含む第2絶縁膜を形成する段階と、
前記第2絶縁膜が第1厚さの第1パターンを形成する第1領域、第1厚さよりさらに薄い第2厚さの第2パターンを形成する第2領域、前記第2絶縁膜を除去して、前記第2絶縁膜下部の第1絶縁膜を露出させる第3領域を具備するように前記第2絶縁膜のパタニングを遂行する段階と、
前記第3領域の前記第絶縁膜をエッチングする段階と、
前記第2絶縁膜の第2パターンを除去して、前記第2絶縁膜の第1パターンは残るように前記第2絶縁膜をエシングする段階と、
を含むことを特徴とする有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記第2絶縁膜のパタニングを遂行する段階は領域により遮光程度が違うハーフトーンマスクで露光および現像することを特徴とする請求項16記載の半導体装置の絶縁膜形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図6e】
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【図6f】
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【公開番号】特開2008−233844(P2008−233844A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−134649(P2007−134649)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】