半導体装置の製造方法
【課題】素子領域それぞれのイオン濃度にばらつきを生じさずに、ウェル注入及びチャネル注入後における酸化膜の高さを均一にできる半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】半導体基板の第1の領域が露出する第1のレジストパターンをマスクとして、素子領域に対応する部分全体を被覆する膜を通して第1の不純物を注入する工程と、前記第1の不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記第1のレジストパターンを除去する工程と、半導体基板の第2の領域が露出する第2のレジストパターンをマスクとして、素子領域に対応する部分全体を被覆する膜を通して第2の不純物を注入する工程と、前記第2の不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記第2のレジストパターンを除去する工程とを含む。
【解決手段】半導体基板の第1の領域が露出する第1のレジストパターンをマスクとして、素子領域に対応する部分全体を被覆する膜を通して第1の不純物を注入する工程と、前記第1の不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記第1のレジストパターンを除去する工程と、半導体基板の第2の領域が露出する第2のレジストパターンをマスクとして、素子領域に対応する部分全体を被覆する膜を通して第2の不純物を注入する工程と、前記第2の不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記第2のレジストパターンを除去する工程とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種のトランジスタを混載した半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば複数種のMOS型トランジスタが混載される半導体装置の製造工程においては、トランジスタの種類毎に、該トランジスタの種類に対応したウェル注入やチャネル注入を実施している。このため、トランジスタの種類毎に、レジストパターンを形成して、該レジストパターンをマスクにイオン注入を実施した後、該レジストパターンを剥離している。以上のような製造工程を経るため、トランジスタの種類が増加すると、レジストパターンの剥離回数が増加することになる。レジストパターンの剥離には、例えば硫酸と過酸化水素水の混合溶液(以下、硫酸過水とする)やアンモニアと過酸化水素水の混合溶液(以下、アンモニア過水とする)等の薬液が使用される。硫酸過水やアンモニア過水等の薬液は、素子領域を画定する酸化膜(以下、「埋込み酸化膜」とする)をエッチングする。したがって、レジストパターンの剥離回数が増加すると、埋込み酸化膜が徐々に後退することになる。しかも、埋込み酸化膜のエッチングレートは、注入されるイオンの種類により異なるため、半導体基板の領域毎に、埋込み酸化膜の高さにばらつきが生じることもある。
【0003】
埋込み酸化膜を薬液から保護する半導体装置の製造方法として、埋込み酸化膜上にシリコン窒化膜を形成して、フォトレジストをマスクにイオン注入を実施した後、フォトレジストを薬液により剥離する方法が知られている(例えば、以下特許文献1を参照)。
【0004】
図33は引用文献1における半導体装置の製造方法の概略図であって、符号aが素子領域、符号bが埋込み酸化膜、符号cがシリコン窒化膜である。図33に示すように、素子領域aを画定する埋込み酸化膜bは、シリコン窒化膜cにより被覆されているので、フォトレジストの剥離に薬液を使用しても、例えば後退などの影響を受けることがない。
【特許文献1】特開2005−116907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、引用文献1に開示された半導体装置の製造方法は、フォトレジストを薬液により剥離するときに、埋込み酸化膜bの端部に溝が形成されるのを防止するものである。そのため、図33に示すように、シリコン窒化膜cは、埋込み酸化膜bの側面を覆い、さらに素子領域aの表面に延在している。したがって、素子領域aにイオンを注入すると、素子領域aにおける、シリコン窒化膜cが存在する部分と、シリコン窒化膜cが存在しない部分とで、イオン濃度にばらつきが生じることになる。
【0006】
そこで本発明は、それぞれの素子領域のイオン濃度にばらつきを生じさせることなく、ウェル注入及びチャネル注入後における埋込み酸化膜の高さを均一にすることが可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、半導体基板にトレンチを形成して、第1、第2の素子領域を画定する工程と、前記トレンチに第1の酸化膜を埋め込む工程と、前記第1、第2の素子領域及び前記第1の酸化膜上に、前記第1、第2の素子領域及び前記第1の酸化膜の全体を被覆する膜を形成する工程と、前記膜上に、前記第1の素子領域及び前記第1の酸化膜の一部を含む第1の領域が露出する第1のレジストパターンを形成する工程と、前記第1のレジストパターンをマスクとして、前記第1の素子領域全体を被覆する前記膜を通して第1の不純物を注入する工程と、前記第1の不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記第1のレジストパターンを除去する工程と、前記膜上に、前記第2の素子領域及び前記第1の酸化膜の一部を含む第2の領域が露出する第2のレジストパターンを形成する工程と、前記第2のレジストパターンをマスクとして、前記第2の素子領域全体を被覆する前記膜を通して第2の不純物を注入する工程と、前記第2の不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記第2のレジストパターンを除去する工程と、前記第1のレジストパターン及び前記第2のレジストパターンを除去した後に、第2の薬液を供給して、前記膜を除去する工程とを含む半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、それぞれの素子領域のイオン濃度にばらつきを生じさせることなく、ウェル注入及びチャネル注入後における埋込み酸化膜の高さを均一にすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、第1、第2の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
[本実施形態における製造方法]
図1−図23は本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図である。図1−図23において、波断線の左側は、第1のトランジスタが形成される第1の領域R1であり、波断線の右側は、第1のトランジスタとは種類の異なる第2のトランジスタが形成される第2の領域R2である。尚、本実施形態においては、第1のトランジスタをn−MOSトランジスタとし、第2のトランジスタをp−MOSトランジスタとする。
【0010】
図1に示すように、先ず、シリコン基板1上に、熱酸化法により酸化膜2を形成する。酸化膜の膜厚は、例えば10nmとする。続いて、酸化膜2上に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)により、シリコン窒化膜3を形成する。シリコン窒化膜3の膜厚は、例えば80nm〜100nmとする。そして、シリコン窒化膜3上に、フォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成して、該レジストパターンをマスクとして、シリコン窒化膜3及び酸化膜2をエッチングする。
【0011】
次に、図2に示すように、シリコン窒化膜3をマスクとして、RIE(Reactive Ion Etching;反応性イオンエッチング)により、シリコン基板1をエッチングする。こうして、シリコン基板1にシリコントレンチ1Tを形成する。シリコントレンチ1Tは、シリコン基板1に複数の素子領域1A、1Bを画定する。尚、素子領域1A、1Bは、各種トランジスタが形成される活性領域である。シリコントレンチ1Tの深さは、例えば200nm〜350nmとする。必要に応じて、図3に示すように、シリコントレンチ1Tの内面に、熱酸化法により酸化膜4を形成しても良い。酸化膜4の膜厚は、例えば5nm程度とする。
【0012】
次に、図4に示すように、シリコントレンチ1T及びシリコン窒化膜3上に、例えばHDP−CVD(High Density Plasma Chemical Vapor Deposition;高密度プラズマ化学気相成長)により、酸化膜5を堆積する。こうして、シリコントレンチ1Tに酸化膜5を埋め込む。
【0013】
次に、図5に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polishing;化学的機械的研磨)により、酸化膜5を研磨する。本実施形態においては、シリコン窒化膜3をストッパ膜として、該シリコン窒化膜3の膜厚が例えば60nmになるまで酸化膜5を研磨する。
【0014】
次に、図6に示すように、例えば燐酸(H3PO4)等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、シリコン窒化膜3を除去する。シリコン窒化膜3を除去することにより、酸化膜5が素子領域1A、1Bよりも高くなる。続いて、例えば弗酸(HF)等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、酸化膜2を除去する。そして、シリコン基板1の素子領域1A、1Bの表面に、熱酸化法により酸化膜7を形成する。尚、熱酸化法により形成される酸化膜7は、HDP−CVDにより形成される酸化膜5より緻密な構造となる。酸化膜7の膜厚は、例えば10nm〜20nmとする。
【0015】
次に、図7に示すように、ジクロロシランガス(SiH2Cl2)を40sccm、アンモニアガス(NH3)を100sccm〜200sccmの流量で供給し、圧力を50Pa、温度を700℃〜800℃として、酸化膜5及び酸化膜7上に、例えば熱CVDにより、シリコン窒化膜(Si3N4)8を形成する。シリコン窒化膜8は、第1、第2のレジストパターンP1、P2(後述する)よりも、硫酸過水やアンモニア過水等の薬液への耐性が高い。シリコン窒化膜8の膜厚は、例えば10nm〜50nmとするが、ウェル注入及びチャネル注入における加速電圧と、シリコン窒化膜8に対するイオンの透過率と考慮して決定すれば良い。必要に応じて、素子領域1A、1Bに対応する部分だけを選択的に薄くしても良い。例えば、シリコン窒化膜8上に、レジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして、エッチングを実施することにより、素子領域1A、1Bに対応する部分だけを選択的に薄くすることができる。尚、本実施形態においては、シリコン窒化膜8を形成しているが、本発明は、これに限定されるものではない。第1、第2のレジストパターンP1、P2よりも、硫酸過水やアンモニア過水等の薬液への耐性が高いものであれば、例えばポリシリコン膜等でも良い。
【0016】
次に、図8に示すように、シリコン窒化膜8上に、フォトリソグラフィー法により、第1のレジストパターンP1を形成する。第1のレジストパターンP1は、n−MOSトランジスタが形成される第1の領域R1を露出させ、p−MOSトランジスタが形成される第2の領域R2を被覆する。そして、第1のレジストパターンP1をマスクとして、第1の領域R1に形成された素子領域1Aに、ウェル注入及びチャネル注入を順番に実行する。このとき、第1の領域R1に形成された素子領域1Aは、全体がシリコン窒化膜8により被覆されているので、素子領域1Aにおけるイオン濃度を均一にすることができる。すなわち、引用文献1のような、シリコン窒化膜8の有無による素子領域1Aのイオン濃度のばらつきを防止できる。
【0017】
尚、本実施形態においては、ウェル注入として、例えばホウ素イオン(B)を、150kev〜300kevの加速電圧下、1.0×1013cm-2〜1.0×1014cm-2のドーズ量でイオン注入する。続いて、チャネル注入として、例えばホウ素イオン(B)を、40kev〜100kevの加速電圧下、1.0×1012cm-2〜1.0×1014cm-2のドーズ量で注入する。
【0018】
次に、図9に示すように、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、第1のレジストパターンP1を剥離する。このとき、第1、第2の領域R1、R2に形成された酸化膜5は、第1のレジストパターンP1よりも硫酸過水への耐性が高いシリコン窒化膜8に保護されている。このため、第1のレジストパターンP1を剥離しても、第1、第2の領域R1、R2に形成された酸化膜5は後退しない。尚、硫酸過水等の薬液に限定されるものではなく、例えばアンモニア過水を使用しても良い。そして、シリコン窒化膜8上に、フォトリソグラフィー法により、第2のレジストパターンP2を形成する。第2のレジストパターンP2は、n−MOSトランジスタが形成される第1の領域R1を被覆して、p−MOSトランジスタが形成される第2の領域R2を露出させる。そして、第2のレジストパターンP2をマスクとして、第2の領域R2に形成された素子領域1Bに、ウェル注入及びチャネル注入を順番に実行する。このとき、第2の領域R2に形成された素子領域1Bは、全体がシリコン窒化膜8に被覆されているので、素子領域1Bにおけるイオン濃度を均一にすることができる。すなわち、引用文献1のような、シリコン窒化膜8の有無による素子領域1Bのイオン濃度のばらつきを防止できる。
【0019】
本実施形態においては、ウェル注入として、リンイオン(P)を、200kev〜700kevの加速電圧下、1.0×1013cm-2〜1.0×1014cm-2のドーズ量でイオン注入する。続いて、チャネル注入として、砒素イオン(As)を、50kev〜150kevの加速電圧下、1.0×1012cm-2〜1.0×1014cm-2のドーズ量で注入する。
【0020】
次に、図10に示すように、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、第2のレジストパターンP2を剥離する。このとき、第1、第2の領域R1、R2に形成された酸化膜5は、第2のレジストパターンP2よりも硫酸過水への耐性が高いシリコン窒化膜8に保護されている。このため、第2のレジストパターンP2を剥離しても、第1、第2の領域R1、R2に形成された酸化膜5は後退しない。尚、硫酸過水等の薬液に限定されるものではなく、例えばアンモニア過水を使用しても良い。
【0021】
次に、図11に示すように、例えば燐酸等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、シリコン窒化膜8を除去する。このとき、素子領域1A、1Bは、酸化膜7により被覆され、燐酸等の薬液に晒されないので、例えば酸化等のダメージを受けることがない。
【0022】
次に、図12に示すように、例えば弗酸等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、酸化膜7を除去する。このとき、第1、第2の領域R1、R2に形成された酸化膜5は、同ウェットエッチングにより後退する。このように、本実施形態において、酸化膜5が後退するのは、酸化膜7を除去するときの1度だけなので、酸化膜5の高さのばらつきを抑制することができる。
【0023】
次に、図13に示すように、水素(H2)を10sccm〜50sccm、酸素(O2)を20sccm〜100sccmの流量で供給し、圧力を10Pa〜50Pa、温度を700℃〜800℃として、熱CVDにより、素子領域1A、1Bの表面にシリコン酸化膜9を形成する。シリコン酸化膜9の膜厚は、例えば1nmとする。続いて、シランガス(SiH4)を50sccm〜100sccmの流量で供給し、圧力を10Pa〜50Pa、温度を500℃〜600℃として、熱CVDにより、酸化膜5及びシリコン酸化膜9上に、ポリシリコン膜10を形成する。ポリシリコン膜10の膜厚は、例えば100nm〜150nmとする。
【0024】
次に、図14に示すように、ポリシリコン膜10の表面に、例えばスピンコーティングにより、反射防止膜11とフォトレジスト膜12を順番に塗布する。続いて、フォトリソグラフィー法により、フォトレジスト膜12をパターニングして、反射防止膜11の表面に、レジストパターン12aを形成する。
【0025】
次に、図15に示すように、レジストパターン12aをマスクにして、反射防止膜11、ポリシリコン膜10、及びシリコン酸化膜9をエッチングし、素子領域1A、1B上にゲート絶縁膜13及びゲート電極14を形成する。そして、レジストパターン12a及び反射防止膜11を除去する。
【0026】
次に、図16に示すように、フォトリソグラフィー法により、レジストパターン15を形成する。レジストパターン15は、n−MOSトランジスタが形成される第1の領域R1を露出させ、p−MOSトランジスタが形成される第2の領域R2を被覆する。続いて、ゲート電極14及びレジストパターン15をマスクにして、イオン注入を行い、第1の領域R1に形成された素子領域1Aに、ソースエクステンション領域1aとドレインエクステンション領域1bを形成する。第1の領域R1は、n−MOSトランジスタが形成されるので、例えばリンイオン(P)を、典型的には10keV〜100keVの加速電圧下、1.0×1012cm-2〜1.0×1016cm-2のドーズ量でイオン注入する。
【0027】
次に、図17に示すように、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、レジストパターン15を除去した後、フォトリソグラフィー法により、レジストパターン16を形成する。レジストパターン16は、n−MOSトランジスタが形成される第1の領域R1を被覆して、p−MOSトランジスタが形成される第2の領域R2を露出させる。続いて、ゲート電極14及びレジストパターン16をマスクにして、イオン注入を行い、第2の領域R2に形成された素子領域1Bに、ソースエクステンション領域1aとドレインエクステンション領域1bを形成する。尚、第2の領域R2は、p−MOSトランジスタが形成されるので、例えばホウ素イオン(B)を、1keV〜50keVの加速電圧下、1.0×1012cm-2〜1.0×1016cm-2のドーズ量でイオン注入する。そして、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、レジストパターン16を除去する。
【0028】
次に、図18に示すように、例えばビスターシャルブチルアミノシラン(BTBAS)を約10sccm〜60sccm、酸素(O2)を約100sccm〜240sccmの流量で供給し、温度を約530℃、圧力を約20Paとして、熱CVDにより、酸化膜5、素子領域1A、1B、及びゲート電極14上に、酸化シリコン膜を形成する。そして、酸化シリコン膜を異方性エッチングして、ゲート電極14の両側壁面に、側壁絶縁膜17を形成する。側壁絶縁膜17の膜厚は、例えば90nmとする。
【0029】
次に、図19に示すように、フォトリソグラフィー法により、レジストパターン18を形成する。レジストパターン18は、n−MOSトランジスタが形成される第1の領域R1を露出させ、p−MOSトランジスタが形成される第2の領域R2を被覆する。続いて、ゲート電極14、側壁絶縁膜17、及びレジストパターン18をマスクにして、イオン注入を行い、第1の領域R1に形成された素子領域1Aに、それぞれソース領域1c及びドレイン領域1dを形成する。尚、本実施形態では、例えばリンイオン(P)を、典型的には10keV〜100keVの加速電圧下、1.0×1012cm-2〜1.0×1016cm-2のドーズ量で、あるいは砒素イオン(As)を、典型的には10keV〜100keVの加速電圧下、1.0×1012cm-2〜1.0×1016cm-2のドーズ量でイオン注入する。
【0030】
次に、図20に示すように、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、レジストパターン18を除去した後、フォトリソグラフィー法により、レジストパターン19を形成する。レジストパターン19は、n−MOSトランジスタが形成される第1の領域R1を被覆して、p−MOSトランジスタが形成される第2の領域R2を露出させる。続いて、ゲート電極14、側壁絶縁膜17、及びレジストパターン19をマスクにして、イオン注入を行い、第2の領域R2に形成された素子領域1Bに、それぞれソース領域1c及びドレイン領域1dを形成する。尚、本実施形態では、ホウ素イオン(B)を、1keV〜50keVの加速電圧下、1.0×1012cm-2〜1.0×1016cm-2のドーズ量でイオン注入する。そして、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、レジストパターン19を除去する。
【0031】
次に、図21に示すように、例えばシランガス(SiH4)を100sccm、例えば酸素(O2)を200sccm〜300sccmの流量で供給し、圧力を1mTorr〜5mTorrとして、例えばHDP−CVDにより、素子領域1A、1B、側壁絶縁膜17、及び酸化膜5上に層間絶縁膜21を堆積する。
【0032】
次に、図22に示すように、層間絶縁膜21に、例えばマグネトロンRIE(Reactive Ion Etching;反応性イオンエッチング)により、ソース領域1c及びドレイン領域1dに到達するコンタクトホールを形成する。そして、コンタクトホールの内壁に、熱CVDにより、TiN等のバリアメタルを形成する。バリアメタルとしてTiNを使用する場合、例えば四塩化チタンガス(TiCl4)を100mg/min〜200mg/min、例えばアンモニアガス(NH3)を100sccmで供給し、圧力を10Torrとする。続いて、例えばシランガス(SiH4)を90sccm、例えば6フッ化タングステンガス(WF6)を30sccmの流量で供給し、例えば熱CVDにより、バリアメタル上にカバレッジの良い第1のタングステン(W)膜を成膜する。そして、さらに例えばフッ化タングステンガス(WF6)を90sccm、例えば水素(H2)を500sccm〜800sccmの流量で供給し、例えば熱CVDにより、第1のタングステン(W)膜上に第2のタングステン(W)膜を成膜する。こうして、コンタクトホールにタングステン(W)からなるコンタクトが埋め込まれ、ソース領域1c及びドレイン領域1dに電気的に接続されたコンタクト22が完成する。以上で、半導体装置の主要な製造工程が終了する。
[本実施形態による作用効果]
以上のように、本実施形態においては、素子領域1A、1Bの表面に形成された酸化膜7の全体をシリコン窒化膜8により被覆して、該シリコン窒化膜8を通して、素子領域1A、1Bにウェル注入及びチャネル注入を実施している。そのため、ウェル注入及びチャネル注入後に、引用文献1のような、保護膜(シリコン窒化膜もしくはポリシリコン)の有無による素子領域1A、1Bのイオン濃度のばらつきが生じることがない。
【0033】
また、ウェル注入及びチャネル注入を実施するときに、酸化膜5をシリコン窒化膜8により被覆しているので、第1、第2のレジストパターンP1、P2を除去するために、例えば硫酸過水等の薬液を供給しても、酸化膜5が後退することがない。したがって、ウェル注入及びチャネル注入後に、第1の領域R1と第2の領域R2とで、酸化膜5の高さにばらつきが生じることがない。
【0034】
以上のように、本実施形態によれば、ウェル注入及びチャネル注入後に、素子領域1A、1Bそれぞれのイオン濃度にばらつきを生じさせることなく、第1の領域R1と第2の領域R2で、素子領域1A、1Bを画定する酸化膜5の高さを均一にすることが可能となる。
【0035】
さらに、本実施形態においては、スピンコーティングにより反射防止膜11を塗布しているので、第1の領域R1と第2の領域R2で、酸化膜5の高さにばらつきが生じ、ポリシリコン膜10の表面に凹凸が形成されると、反射防止膜11の膜厚が均一にならない。このため、レジストパターン12aのパターン幅にばらつきが生じ、結果として、ゲート電極14の線幅にもばらつきが生じる。しかしながら、本実施形態によれば、第1の領域R1と第2の領域R2で、素子領域1A、1Bを画定する酸化膜5の高さを均一にすることが可能なので、ポリシリコン膜10の表面を全体にわたり平坦にすることができる。これにより、ポリシリコン膜10上に塗布される反射防止膜11の膜厚を均一にすることができ、ゲート電極14の線幅を均一にすることが可能となる。
【0036】
尚、ソースエクステンション領域1a、ドレインエクステンション領域1b、ソース領域1c、ドレイン領域1dを形成するときにも、レジストパターン15、16、18、19の剥離に付随して、ある程度の酸化膜5の後退が予想されるが、プロセス全体での後退量は半分程度に抑制することができる。
【0037】
さらに、ウェル注入及びチャネル注入後に、第1の領域R1と第2の領域R2で、酸化膜5の高さにばらつきが生じないので、例えば、酸化膜5を研磨するときのストッパ膜の膜厚、すなわちシリコン窒化膜3の膜厚を調整することで(図5を参照)、図23に示すように、第1の領域R1に形成された素子領域1Aと酸化膜5との段差と、第2の領域R2に形成された素子領域1Bと酸化膜5との段差を同時に無くすことも可能である。
【0038】
第1の領域R1と第2の領域R2で、素子領域1A、1Bの高さにばらつきが存在しなくても、反射防止膜11の粘性や濡れ性によっては、反射防止膜11の膜厚にばらつきが生じることがある。すなわち、素子領域1A、1Bの高さにばらつきが存在しなくても、ゲート電極14の線幅が均一にならないことがある。しかしながら、本発明によれば、第1、第2の領域R1、R2の双方において、素子領域1Aと酸化膜5の段差と、素子領域1Bと酸化膜5の段差を無くすことができるので、反射防止膜11の粘性や濡れ性に関係なく、該反射防止膜11の膜厚を均一にすることができ、ゲート電極14の線幅を均一にすることが可能となる。
【0039】
本実施形態においては、2種類のトランジスタ、すなわちn−MOSトランジスタとp−MOSトランジスタを混載する場合を説明してきた。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではない。ウェル注入及びチャネル注入で使用されるイオンの種類、加速電圧、又はドーズ量が異なれば、n−MOSトランジスタとn−MOSトランジスタ、もしくは、p−MOSトランジスタとp−MOSトランジスタ等の組み合せでも良い。耐圧の異なるトランジスタを混載しても良い。さらに、3種類以上のトランジスタを混載しても良い。
(第2の実施形態)
[本実施形態における半導体装置の製造方法]
図24−図32は本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図である。尚、第1の実施形態と同じ構成・作用については、その説明を省略することにする。前述したように、第1の実施形態においては、シリコン窒化膜8を通して、ウェル注入及びチャネル注入を実施していた。しかしながら、本実施形態においては、チャネル注入による素子領域1A、1Bのイオン濃度の均一化をはかるために、素子領域1A、1Bに対応する部分のシリコン窒化膜8を除去した後に、酸化膜7が完全に露出した状態で、チャネル注入を実施することにする。
【0040】
前述のように、図7に示すように、酸化膜5及び酸化膜7上に、シリコン窒化膜8を形成したら、図24に示すように、シリコン窒化膜8上に、フォトリソグラフィー法により、第1のレジストパターンP1を形成する。そして、第1のレジストパターンP1をマスクとして、第1の領域R1に形成された素子領域1Aに、ウェル注入を実施する。ここではチャネル注入を実施しない。
【0041】
次に、図25に示すように、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、第1のレジストパターンP1を剥離する。そして、シリコン窒化膜8上に、フォトリソグラフィー法により、第2のレジストパターンP2を形成する。そして、第2のレジストパターンP2をマスクとして、第2の領域R2に形成された素子領域1Bに、ウェル注入を実施する。ここではチャネル注入を実施しない。
【0042】
次に、図26に示すように、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、第2のレジストパターンP2を剥離する。
【0043】
次に、図27に示すように、シリコン窒化膜8の表面に、例えばスピンコーティングにより、フォトレジスト膜23を塗布する。続いて、フォトリソグラフィー法により、フォトレジスト膜23をパターニングして、シリコン窒化膜8の表面に、レジストパターン23aを形成する。レジストパターン23aは、素子領域1A、1Bに対応する部分だけを露出させ、酸化膜5に対応する部分だけを被覆する。
【0044】
次に、図28に示すように、レジストパターン23aをマスクにして、例えばドライエッチングにより、シリコン窒化膜8を除去する。こうして、素子領域1A、1Bに対応する部分の酸化膜7だけを露出させる。そして、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、レジストパターン23aを除去する。
【0045】
次に、図29に示すように、酸化膜7及びシリコン窒化膜8上に、フォトリソグラフィー法により、第3のレジストパターンP3を形成する。第3のレジストパターンP3は、n−MOSトランジスタが形成される第1の領域R1を露出させ、p−MOSトランジスタが形成される第2の領域R2を被覆する。そして、第3のレジストパターンP3をマスクとして、第1の領域R1に形成された素子領域1Aに、チャネル注入を実施する。このとき、第1の領域R1に形成された素子領域1Aに対応する部分は、シリコン窒化膜8が除去され、酸化膜7の全体が露出しているので、素子領域1Aにおけるイオン濃度を均一にすることができる。すなわち、引用文献1のような、シリコン窒化膜8の有無による素子領域1Aのイオン濃度のばらつきを防止できる。
【0046】
次に、図30に示すように、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、第3のレジストパターンP3を剥離する。そして、酸化膜7及びシリコン窒化膜8上に、フォトリソグラフィー法により、第4のレジストパターンP4を形成する。第4のレジストパターンP4は、n−MOSトランジスタが形成される第1の領域R1を被覆して、p−MOSトランジスタが形成される第2の領域R2を露出させる。そして、第4のレジストパターンP4をマスクとして、第2の領域R2に形成された素子領域1Bに、チャネル注入を実施する。このとき、第2の領域R2に形成された素子領域1Bに対応する部分は、シリコン窒化膜8が除去され、酸化膜7の全体が露出しているので、素子領域1Bにおけるイオン濃度を均一にすることができる。すなわち、引用文献1のような、シリコン窒化膜8の有無による素子領域1Bのイオン濃度のばらつきを防止できる。
【0047】
次に、図31に示すように、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、第4のレジストパターンP4を剥離する。
【0048】
次に、図32に示すように、例えば燐酸等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、シリコン窒化膜8を除去する。以下、第1の実施形態と同様の工程を経て、半導体装置の主要な製造工程が終了となる。
[第2の実施形態による作用効果]
以上のように、本実施形態においては、素子領域1A、1Bに対応する部分のシリコン窒化膜8を除去した後でチャネル注入を実施している。このように、シリコン窒化膜8を除去しておくことにより、ウェル注入よりも素子領域1A、1Bの浅い領域にイオンを注入するチャネル注入でも、素子領域1A、1Bそれぞれのイオン濃度を均一にすることが可能となる。
【0049】
尚、本実施形態においては、チャネル注入を実施する前に、素子領域1A、1Bに対応する部分のシリコン窒化膜8を完全に除去しているが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、素子領域1A、1Bに対応する部分のシリコン窒化膜8を薄くするだけでも良い。
【0050】
また、本実施形態においては、素子領域1A、1Bに対応する部分のシリコン窒化膜8を除去するときに、ドライエッチングを用いていたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、ドライエッチングを実施してから、ウェットエッチングを実施しても良い。この場合、後で実施されるウェットエッチングが等方性エッチングであることを考慮して、ドライエッチングで使用するレジストパターンの開口幅を素子領域よりも狭くしておくことが好ましい。
【0051】
以上の実施形態によれば、以下の構成が得られる。
【0052】
[付記1]
半導体基板にトレンチを形成して、第1、第2の素子領域を画定する工程と、
前記トレンチに第1の酸化膜を埋め込む工程と、
前記第1、第2の素子領域及び前記第1の酸化膜上に、前記第1、第2の素子領域及び前記第1の酸化膜の全体を被覆する膜を形成する工程と、
前記膜上に、前記第1の素子領域及び前記第1の酸化膜の一部を含む第1の領域が露出する第1のレジストパターンを形成する工程と、
前記第1のレジストパターンをマスクとして、前記第1の素子領域全体を被覆する前記膜を通して第1の不純物を注入する工程と、
前記第1の不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記第1のレジストパターンを除去する工程と、
前記膜上に、前記第2の素子領域及び前記第1の酸化膜の一部を含む第2の領域が露出する第2のレジストパターンを形成する工程と、
前記第2のレジストパターンをマスクとして、前記第2の素子領域全体を被覆する前記膜を通して第2の不純物を注入する工程と、
前記第2の不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記第2のレジストパターンを除去する工程と、
前記第1のレジストパターン及び前記第2のレジストパターンを除去した後に、第2の薬液を供給して、前記膜を除去する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0053】
[付記2]
前記膜を形成する前に、前記第1、第2の素子領域の表面に第2の酸化膜を形成する工程を含むことを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0054】
[付記3]
前記膜はシリコン窒化膜もしくはポリシリコン膜であることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0055】
[付記4]
前記第1の不純物及び前記第2の不純物を注入する前に、前記膜の前記第1、第2の素子領域に対応する部分全体をエッチングにより薄くすることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0056】
[付記5]
前記第1の不純物を注入した後で、かつ、前記膜を除去する前に、前記膜の前記第1の素子領域に対応する部分全体をエッチングにより薄くする工程と、
前記膜を薄くした後に、前記第1の素子領域全体を被覆する前記膜を通して第3の不純物を注入する工程と、
をさらに含むことを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0057】
[付記6]
前記第1の不純物を注入した後で、かつ、前記膜を除去する前に、前記膜の前記第1の素子領域に対応する部分のみをエッチングにより選択的に除去する工程と、
前記膜を選択的に除去した後に、前記第1の素子領域に第3の不純物を注入する工程と、
をさらに含むことを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0058】
[付記7]
前記第1の不純物の注入はウェル注入であって、前記第3の不純物の注入はチャネル注入であることを特徴とする請求項5又は6に記載の半導体装置の製造方法。
【0059】
[付記8]
前記第1の薬液は硫酸と過酸化水素水を含む溶液もしくはアンモニアと過酸化水素水を含む溶液であることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0060】
[付記9]
前記第2の薬液は燐酸を含む溶液であることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0061】
[付記10]
前記膜を除去した後に、前記第1、第2の素子領域上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に導電膜を形成する工程と、
前記導電膜をパターニングして、トランジスタのゲート電極を形成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【0062】
[付記11]
前記導電膜をパターニングする工程は、
前記導電膜上に塗布系の反射防止膜を形成する工程と、
前記反射防止膜上にレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜をフォトリソグラフィー法によりパターニングする工程と、
前記レジスト膜又は前記反射防止膜をマスクとして、前記導電膜をエッチングする工程と、
を含むことを特徴とする付記10に記載の半導体装置の製造方法。
【0063】
[付記12]
半導体基板にトレンチを形成して、素子領域を画定する工程と、
前記トレンチに酸化膜を埋め込む工程と、
前記素子領域及び前記酸化膜上に、前記素子領域及び前記酸化膜の全体を被覆する膜を形成する工程と、
前記膜上に、前記素子領域に対応する部分が露出するレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンをマスクとして、前記素子領域に、該素子領域全体を被覆する前記膜を通して不純物を注入する工程と、
前記不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記レジストパターンを除去する工程と、
前記レジストパターンを除去した後に、第2の薬液を供給して、前記膜を除去する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その1)。
【図2】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その2)。
【図3】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その3)。
【図4】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その4)。
【図5】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その5)。
【図6】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その6)。
【図7】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その7)。
【図8】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その8)。
【図9】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その9)。
【図10】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その10)。
【図11】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その11)。
【図12】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その12)。
【図13】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その13)。
【図14】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その14)。
【図15】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その15)。
【図16】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その16)。
【図17】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その17)
【図18】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その18)。
【図19】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その19)。
【図20】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その20)。
【図21】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その21)。
【図22】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その22)。
【図23】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その23)。
【図24】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その1)。
【図25】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その2)。
【図26】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その3)。
【図27】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その4)。
【図28】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その5)。
【図29】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その6)。
【図30】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その7)。
【図31】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その8)。
【図32】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その9)。
【図33】引用文献1における半導体装置の製造方法の概略図。
【符号の説明】
【0065】
1…シリコン基板(半導体基板)、1A…素子領域、1B…素子領域、1T…シリコントレンチ(トレンチ)、5…酸化膜(第1の酸化膜)、7…酸化膜(第2の酸化膜)、8…シリコン窒化膜(膜)、9…シリコン酸化膜(絶縁膜)、10…ポリシリコン膜(導電膜)、11…反射防止膜、12…フォトレジスト膜、P1…第1のレジストパターン、P2…第2のレジストパターン、P3…第3のレジストパターン、P4…第4のレジストパターン、R1…第1の領域、R2…第2の領域。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種のトランジスタを混載した半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば複数種のMOS型トランジスタが混載される半導体装置の製造工程においては、トランジスタの種類毎に、該トランジスタの種類に対応したウェル注入やチャネル注入を実施している。このため、トランジスタの種類毎に、レジストパターンを形成して、該レジストパターンをマスクにイオン注入を実施した後、該レジストパターンを剥離している。以上のような製造工程を経るため、トランジスタの種類が増加すると、レジストパターンの剥離回数が増加することになる。レジストパターンの剥離には、例えば硫酸と過酸化水素水の混合溶液(以下、硫酸過水とする)やアンモニアと過酸化水素水の混合溶液(以下、アンモニア過水とする)等の薬液が使用される。硫酸過水やアンモニア過水等の薬液は、素子領域を画定する酸化膜(以下、「埋込み酸化膜」とする)をエッチングする。したがって、レジストパターンの剥離回数が増加すると、埋込み酸化膜が徐々に後退することになる。しかも、埋込み酸化膜のエッチングレートは、注入されるイオンの種類により異なるため、半導体基板の領域毎に、埋込み酸化膜の高さにばらつきが生じることもある。
【0003】
埋込み酸化膜を薬液から保護する半導体装置の製造方法として、埋込み酸化膜上にシリコン窒化膜を形成して、フォトレジストをマスクにイオン注入を実施した後、フォトレジストを薬液により剥離する方法が知られている(例えば、以下特許文献1を参照)。
【0004】
図33は引用文献1における半導体装置の製造方法の概略図であって、符号aが素子領域、符号bが埋込み酸化膜、符号cがシリコン窒化膜である。図33に示すように、素子領域aを画定する埋込み酸化膜bは、シリコン窒化膜cにより被覆されているので、フォトレジストの剥離に薬液を使用しても、例えば後退などの影響を受けることがない。
【特許文献1】特開2005−116907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、引用文献1に開示された半導体装置の製造方法は、フォトレジストを薬液により剥離するときに、埋込み酸化膜bの端部に溝が形成されるのを防止するものである。そのため、図33に示すように、シリコン窒化膜cは、埋込み酸化膜bの側面を覆い、さらに素子領域aの表面に延在している。したがって、素子領域aにイオンを注入すると、素子領域aにおける、シリコン窒化膜cが存在する部分と、シリコン窒化膜cが存在しない部分とで、イオン濃度にばらつきが生じることになる。
【0006】
そこで本発明は、それぞれの素子領域のイオン濃度にばらつきを生じさせることなく、ウェル注入及びチャネル注入後における埋込み酸化膜の高さを均一にすることが可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、半導体基板にトレンチを形成して、第1、第2の素子領域を画定する工程と、前記トレンチに第1の酸化膜を埋め込む工程と、前記第1、第2の素子領域及び前記第1の酸化膜上に、前記第1、第2の素子領域及び前記第1の酸化膜の全体を被覆する膜を形成する工程と、前記膜上に、前記第1の素子領域及び前記第1の酸化膜の一部を含む第1の領域が露出する第1のレジストパターンを形成する工程と、前記第1のレジストパターンをマスクとして、前記第1の素子領域全体を被覆する前記膜を通して第1の不純物を注入する工程と、前記第1の不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記第1のレジストパターンを除去する工程と、前記膜上に、前記第2の素子領域及び前記第1の酸化膜の一部を含む第2の領域が露出する第2のレジストパターンを形成する工程と、前記第2のレジストパターンをマスクとして、前記第2の素子領域全体を被覆する前記膜を通して第2の不純物を注入する工程と、前記第2の不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記第2のレジストパターンを除去する工程と、前記第1のレジストパターン及び前記第2のレジストパターンを除去した後に、第2の薬液を供給して、前記膜を除去する工程とを含む半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、それぞれの素子領域のイオン濃度にばらつきを生じさせることなく、ウェル注入及びチャネル注入後における埋込み酸化膜の高さを均一にすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、第1、第2の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
[本実施形態における製造方法]
図1−図23は本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図である。図1−図23において、波断線の左側は、第1のトランジスタが形成される第1の領域R1であり、波断線の右側は、第1のトランジスタとは種類の異なる第2のトランジスタが形成される第2の領域R2である。尚、本実施形態においては、第1のトランジスタをn−MOSトランジスタとし、第2のトランジスタをp−MOSトランジスタとする。
【0010】
図1に示すように、先ず、シリコン基板1上に、熱酸化法により酸化膜2を形成する。酸化膜の膜厚は、例えば10nmとする。続いて、酸化膜2上に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)により、シリコン窒化膜3を形成する。シリコン窒化膜3の膜厚は、例えば80nm〜100nmとする。そして、シリコン窒化膜3上に、フォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成して、該レジストパターンをマスクとして、シリコン窒化膜3及び酸化膜2をエッチングする。
【0011】
次に、図2に示すように、シリコン窒化膜3をマスクとして、RIE(Reactive Ion Etching;反応性イオンエッチング)により、シリコン基板1をエッチングする。こうして、シリコン基板1にシリコントレンチ1Tを形成する。シリコントレンチ1Tは、シリコン基板1に複数の素子領域1A、1Bを画定する。尚、素子領域1A、1Bは、各種トランジスタが形成される活性領域である。シリコントレンチ1Tの深さは、例えば200nm〜350nmとする。必要に応じて、図3に示すように、シリコントレンチ1Tの内面に、熱酸化法により酸化膜4を形成しても良い。酸化膜4の膜厚は、例えば5nm程度とする。
【0012】
次に、図4に示すように、シリコントレンチ1T及びシリコン窒化膜3上に、例えばHDP−CVD(High Density Plasma Chemical Vapor Deposition;高密度プラズマ化学気相成長)により、酸化膜5を堆積する。こうして、シリコントレンチ1Tに酸化膜5を埋め込む。
【0013】
次に、図5に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polishing;化学的機械的研磨)により、酸化膜5を研磨する。本実施形態においては、シリコン窒化膜3をストッパ膜として、該シリコン窒化膜3の膜厚が例えば60nmになるまで酸化膜5を研磨する。
【0014】
次に、図6に示すように、例えば燐酸(H3PO4)等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、シリコン窒化膜3を除去する。シリコン窒化膜3を除去することにより、酸化膜5が素子領域1A、1Bよりも高くなる。続いて、例えば弗酸(HF)等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、酸化膜2を除去する。そして、シリコン基板1の素子領域1A、1Bの表面に、熱酸化法により酸化膜7を形成する。尚、熱酸化法により形成される酸化膜7は、HDP−CVDにより形成される酸化膜5より緻密な構造となる。酸化膜7の膜厚は、例えば10nm〜20nmとする。
【0015】
次に、図7に示すように、ジクロロシランガス(SiH2Cl2)を40sccm、アンモニアガス(NH3)を100sccm〜200sccmの流量で供給し、圧力を50Pa、温度を700℃〜800℃として、酸化膜5及び酸化膜7上に、例えば熱CVDにより、シリコン窒化膜(Si3N4)8を形成する。シリコン窒化膜8は、第1、第2のレジストパターンP1、P2(後述する)よりも、硫酸過水やアンモニア過水等の薬液への耐性が高い。シリコン窒化膜8の膜厚は、例えば10nm〜50nmとするが、ウェル注入及びチャネル注入における加速電圧と、シリコン窒化膜8に対するイオンの透過率と考慮して決定すれば良い。必要に応じて、素子領域1A、1Bに対応する部分だけを選択的に薄くしても良い。例えば、シリコン窒化膜8上に、レジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして、エッチングを実施することにより、素子領域1A、1Bに対応する部分だけを選択的に薄くすることができる。尚、本実施形態においては、シリコン窒化膜8を形成しているが、本発明は、これに限定されるものではない。第1、第2のレジストパターンP1、P2よりも、硫酸過水やアンモニア過水等の薬液への耐性が高いものであれば、例えばポリシリコン膜等でも良い。
【0016】
次に、図8に示すように、シリコン窒化膜8上に、フォトリソグラフィー法により、第1のレジストパターンP1を形成する。第1のレジストパターンP1は、n−MOSトランジスタが形成される第1の領域R1を露出させ、p−MOSトランジスタが形成される第2の領域R2を被覆する。そして、第1のレジストパターンP1をマスクとして、第1の領域R1に形成された素子領域1Aに、ウェル注入及びチャネル注入を順番に実行する。このとき、第1の領域R1に形成された素子領域1Aは、全体がシリコン窒化膜8により被覆されているので、素子領域1Aにおけるイオン濃度を均一にすることができる。すなわち、引用文献1のような、シリコン窒化膜8の有無による素子領域1Aのイオン濃度のばらつきを防止できる。
【0017】
尚、本実施形態においては、ウェル注入として、例えばホウ素イオン(B)を、150kev〜300kevの加速電圧下、1.0×1013cm-2〜1.0×1014cm-2のドーズ量でイオン注入する。続いて、チャネル注入として、例えばホウ素イオン(B)を、40kev〜100kevの加速電圧下、1.0×1012cm-2〜1.0×1014cm-2のドーズ量で注入する。
【0018】
次に、図9に示すように、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、第1のレジストパターンP1を剥離する。このとき、第1、第2の領域R1、R2に形成された酸化膜5は、第1のレジストパターンP1よりも硫酸過水への耐性が高いシリコン窒化膜8に保護されている。このため、第1のレジストパターンP1を剥離しても、第1、第2の領域R1、R2に形成された酸化膜5は後退しない。尚、硫酸過水等の薬液に限定されるものではなく、例えばアンモニア過水を使用しても良い。そして、シリコン窒化膜8上に、フォトリソグラフィー法により、第2のレジストパターンP2を形成する。第2のレジストパターンP2は、n−MOSトランジスタが形成される第1の領域R1を被覆して、p−MOSトランジスタが形成される第2の領域R2を露出させる。そして、第2のレジストパターンP2をマスクとして、第2の領域R2に形成された素子領域1Bに、ウェル注入及びチャネル注入を順番に実行する。このとき、第2の領域R2に形成された素子領域1Bは、全体がシリコン窒化膜8に被覆されているので、素子領域1Bにおけるイオン濃度を均一にすることができる。すなわち、引用文献1のような、シリコン窒化膜8の有無による素子領域1Bのイオン濃度のばらつきを防止できる。
【0019】
本実施形態においては、ウェル注入として、リンイオン(P)を、200kev〜700kevの加速電圧下、1.0×1013cm-2〜1.0×1014cm-2のドーズ量でイオン注入する。続いて、チャネル注入として、砒素イオン(As)を、50kev〜150kevの加速電圧下、1.0×1012cm-2〜1.0×1014cm-2のドーズ量で注入する。
【0020】
次に、図10に示すように、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、第2のレジストパターンP2を剥離する。このとき、第1、第2の領域R1、R2に形成された酸化膜5は、第2のレジストパターンP2よりも硫酸過水への耐性が高いシリコン窒化膜8に保護されている。このため、第2のレジストパターンP2を剥離しても、第1、第2の領域R1、R2に形成された酸化膜5は後退しない。尚、硫酸過水等の薬液に限定されるものではなく、例えばアンモニア過水を使用しても良い。
【0021】
次に、図11に示すように、例えば燐酸等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、シリコン窒化膜8を除去する。このとき、素子領域1A、1Bは、酸化膜7により被覆され、燐酸等の薬液に晒されないので、例えば酸化等のダメージを受けることがない。
【0022】
次に、図12に示すように、例えば弗酸等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、酸化膜7を除去する。このとき、第1、第2の領域R1、R2に形成された酸化膜5は、同ウェットエッチングにより後退する。このように、本実施形態において、酸化膜5が後退するのは、酸化膜7を除去するときの1度だけなので、酸化膜5の高さのばらつきを抑制することができる。
【0023】
次に、図13に示すように、水素(H2)を10sccm〜50sccm、酸素(O2)を20sccm〜100sccmの流量で供給し、圧力を10Pa〜50Pa、温度を700℃〜800℃として、熱CVDにより、素子領域1A、1Bの表面にシリコン酸化膜9を形成する。シリコン酸化膜9の膜厚は、例えば1nmとする。続いて、シランガス(SiH4)を50sccm〜100sccmの流量で供給し、圧力を10Pa〜50Pa、温度を500℃〜600℃として、熱CVDにより、酸化膜5及びシリコン酸化膜9上に、ポリシリコン膜10を形成する。ポリシリコン膜10の膜厚は、例えば100nm〜150nmとする。
【0024】
次に、図14に示すように、ポリシリコン膜10の表面に、例えばスピンコーティングにより、反射防止膜11とフォトレジスト膜12を順番に塗布する。続いて、フォトリソグラフィー法により、フォトレジスト膜12をパターニングして、反射防止膜11の表面に、レジストパターン12aを形成する。
【0025】
次に、図15に示すように、レジストパターン12aをマスクにして、反射防止膜11、ポリシリコン膜10、及びシリコン酸化膜9をエッチングし、素子領域1A、1B上にゲート絶縁膜13及びゲート電極14を形成する。そして、レジストパターン12a及び反射防止膜11を除去する。
【0026】
次に、図16に示すように、フォトリソグラフィー法により、レジストパターン15を形成する。レジストパターン15は、n−MOSトランジスタが形成される第1の領域R1を露出させ、p−MOSトランジスタが形成される第2の領域R2を被覆する。続いて、ゲート電極14及びレジストパターン15をマスクにして、イオン注入を行い、第1の領域R1に形成された素子領域1Aに、ソースエクステンション領域1aとドレインエクステンション領域1bを形成する。第1の領域R1は、n−MOSトランジスタが形成されるので、例えばリンイオン(P)を、典型的には10keV〜100keVの加速電圧下、1.0×1012cm-2〜1.0×1016cm-2のドーズ量でイオン注入する。
【0027】
次に、図17に示すように、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、レジストパターン15を除去した後、フォトリソグラフィー法により、レジストパターン16を形成する。レジストパターン16は、n−MOSトランジスタが形成される第1の領域R1を被覆して、p−MOSトランジスタが形成される第2の領域R2を露出させる。続いて、ゲート電極14及びレジストパターン16をマスクにして、イオン注入を行い、第2の領域R2に形成された素子領域1Bに、ソースエクステンション領域1aとドレインエクステンション領域1bを形成する。尚、第2の領域R2は、p−MOSトランジスタが形成されるので、例えばホウ素イオン(B)を、1keV〜50keVの加速電圧下、1.0×1012cm-2〜1.0×1016cm-2のドーズ量でイオン注入する。そして、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、レジストパターン16を除去する。
【0028】
次に、図18に示すように、例えばビスターシャルブチルアミノシラン(BTBAS)を約10sccm〜60sccm、酸素(O2)を約100sccm〜240sccmの流量で供給し、温度を約530℃、圧力を約20Paとして、熱CVDにより、酸化膜5、素子領域1A、1B、及びゲート電極14上に、酸化シリコン膜を形成する。そして、酸化シリコン膜を異方性エッチングして、ゲート電極14の両側壁面に、側壁絶縁膜17を形成する。側壁絶縁膜17の膜厚は、例えば90nmとする。
【0029】
次に、図19に示すように、フォトリソグラフィー法により、レジストパターン18を形成する。レジストパターン18は、n−MOSトランジスタが形成される第1の領域R1を露出させ、p−MOSトランジスタが形成される第2の領域R2を被覆する。続いて、ゲート電極14、側壁絶縁膜17、及びレジストパターン18をマスクにして、イオン注入を行い、第1の領域R1に形成された素子領域1Aに、それぞれソース領域1c及びドレイン領域1dを形成する。尚、本実施形態では、例えばリンイオン(P)を、典型的には10keV〜100keVの加速電圧下、1.0×1012cm-2〜1.0×1016cm-2のドーズ量で、あるいは砒素イオン(As)を、典型的には10keV〜100keVの加速電圧下、1.0×1012cm-2〜1.0×1016cm-2のドーズ量でイオン注入する。
【0030】
次に、図20に示すように、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、レジストパターン18を除去した後、フォトリソグラフィー法により、レジストパターン19を形成する。レジストパターン19は、n−MOSトランジスタが形成される第1の領域R1を被覆して、p−MOSトランジスタが形成される第2の領域R2を露出させる。続いて、ゲート電極14、側壁絶縁膜17、及びレジストパターン19をマスクにして、イオン注入を行い、第2の領域R2に形成された素子領域1Bに、それぞれソース領域1c及びドレイン領域1dを形成する。尚、本実施形態では、ホウ素イオン(B)を、1keV〜50keVの加速電圧下、1.0×1012cm-2〜1.0×1016cm-2のドーズ量でイオン注入する。そして、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、レジストパターン19を除去する。
【0031】
次に、図21に示すように、例えばシランガス(SiH4)を100sccm、例えば酸素(O2)を200sccm〜300sccmの流量で供給し、圧力を1mTorr〜5mTorrとして、例えばHDP−CVDにより、素子領域1A、1B、側壁絶縁膜17、及び酸化膜5上に層間絶縁膜21を堆積する。
【0032】
次に、図22に示すように、層間絶縁膜21に、例えばマグネトロンRIE(Reactive Ion Etching;反応性イオンエッチング)により、ソース領域1c及びドレイン領域1dに到達するコンタクトホールを形成する。そして、コンタクトホールの内壁に、熱CVDにより、TiN等のバリアメタルを形成する。バリアメタルとしてTiNを使用する場合、例えば四塩化チタンガス(TiCl4)を100mg/min〜200mg/min、例えばアンモニアガス(NH3)を100sccmで供給し、圧力を10Torrとする。続いて、例えばシランガス(SiH4)を90sccm、例えば6フッ化タングステンガス(WF6)を30sccmの流量で供給し、例えば熱CVDにより、バリアメタル上にカバレッジの良い第1のタングステン(W)膜を成膜する。そして、さらに例えばフッ化タングステンガス(WF6)を90sccm、例えば水素(H2)を500sccm〜800sccmの流量で供給し、例えば熱CVDにより、第1のタングステン(W)膜上に第2のタングステン(W)膜を成膜する。こうして、コンタクトホールにタングステン(W)からなるコンタクトが埋め込まれ、ソース領域1c及びドレイン領域1dに電気的に接続されたコンタクト22が完成する。以上で、半導体装置の主要な製造工程が終了する。
[本実施形態による作用効果]
以上のように、本実施形態においては、素子領域1A、1Bの表面に形成された酸化膜7の全体をシリコン窒化膜8により被覆して、該シリコン窒化膜8を通して、素子領域1A、1Bにウェル注入及びチャネル注入を実施している。そのため、ウェル注入及びチャネル注入後に、引用文献1のような、保護膜(シリコン窒化膜もしくはポリシリコン)の有無による素子領域1A、1Bのイオン濃度のばらつきが生じることがない。
【0033】
また、ウェル注入及びチャネル注入を実施するときに、酸化膜5をシリコン窒化膜8により被覆しているので、第1、第2のレジストパターンP1、P2を除去するために、例えば硫酸過水等の薬液を供給しても、酸化膜5が後退することがない。したがって、ウェル注入及びチャネル注入後に、第1の領域R1と第2の領域R2とで、酸化膜5の高さにばらつきが生じることがない。
【0034】
以上のように、本実施形態によれば、ウェル注入及びチャネル注入後に、素子領域1A、1Bそれぞれのイオン濃度にばらつきを生じさせることなく、第1の領域R1と第2の領域R2で、素子領域1A、1Bを画定する酸化膜5の高さを均一にすることが可能となる。
【0035】
さらに、本実施形態においては、スピンコーティングにより反射防止膜11を塗布しているので、第1の領域R1と第2の領域R2で、酸化膜5の高さにばらつきが生じ、ポリシリコン膜10の表面に凹凸が形成されると、反射防止膜11の膜厚が均一にならない。このため、レジストパターン12aのパターン幅にばらつきが生じ、結果として、ゲート電極14の線幅にもばらつきが生じる。しかしながら、本実施形態によれば、第1の領域R1と第2の領域R2で、素子領域1A、1Bを画定する酸化膜5の高さを均一にすることが可能なので、ポリシリコン膜10の表面を全体にわたり平坦にすることができる。これにより、ポリシリコン膜10上に塗布される反射防止膜11の膜厚を均一にすることができ、ゲート電極14の線幅を均一にすることが可能となる。
【0036】
尚、ソースエクステンション領域1a、ドレインエクステンション領域1b、ソース領域1c、ドレイン領域1dを形成するときにも、レジストパターン15、16、18、19の剥離に付随して、ある程度の酸化膜5の後退が予想されるが、プロセス全体での後退量は半分程度に抑制することができる。
【0037】
さらに、ウェル注入及びチャネル注入後に、第1の領域R1と第2の領域R2で、酸化膜5の高さにばらつきが生じないので、例えば、酸化膜5を研磨するときのストッパ膜の膜厚、すなわちシリコン窒化膜3の膜厚を調整することで(図5を参照)、図23に示すように、第1の領域R1に形成された素子領域1Aと酸化膜5との段差と、第2の領域R2に形成された素子領域1Bと酸化膜5との段差を同時に無くすことも可能である。
【0038】
第1の領域R1と第2の領域R2で、素子領域1A、1Bの高さにばらつきが存在しなくても、反射防止膜11の粘性や濡れ性によっては、反射防止膜11の膜厚にばらつきが生じることがある。すなわち、素子領域1A、1Bの高さにばらつきが存在しなくても、ゲート電極14の線幅が均一にならないことがある。しかしながら、本発明によれば、第1、第2の領域R1、R2の双方において、素子領域1Aと酸化膜5の段差と、素子領域1Bと酸化膜5の段差を無くすことができるので、反射防止膜11の粘性や濡れ性に関係なく、該反射防止膜11の膜厚を均一にすることができ、ゲート電極14の線幅を均一にすることが可能となる。
【0039】
本実施形態においては、2種類のトランジスタ、すなわちn−MOSトランジスタとp−MOSトランジスタを混載する場合を説明してきた。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではない。ウェル注入及びチャネル注入で使用されるイオンの種類、加速電圧、又はドーズ量が異なれば、n−MOSトランジスタとn−MOSトランジスタ、もしくは、p−MOSトランジスタとp−MOSトランジスタ等の組み合せでも良い。耐圧の異なるトランジスタを混載しても良い。さらに、3種類以上のトランジスタを混載しても良い。
(第2の実施形態)
[本実施形態における半導体装置の製造方法]
図24−図32は本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図である。尚、第1の実施形態と同じ構成・作用については、その説明を省略することにする。前述したように、第1の実施形態においては、シリコン窒化膜8を通して、ウェル注入及びチャネル注入を実施していた。しかしながら、本実施形態においては、チャネル注入による素子領域1A、1Bのイオン濃度の均一化をはかるために、素子領域1A、1Bに対応する部分のシリコン窒化膜8を除去した後に、酸化膜7が完全に露出した状態で、チャネル注入を実施することにする。
【0040】
前述のように、図7に示すように、酸化膜5及び酸化膜7上に、シリコン窒化膜8を形成したら、図24に示すように、シリコン窒化膜8上に、フォトリソグラフィー法により、第1のレジストパターンP1を形成する。そして、第1のレジストパターンP1をマスクとして、第1の領域R1に形成された素子領域1Aに、ウェル注入を実施する。ここではチャネル注入を実施しない。
【0041】
次に、図25に示すように、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、第1のレジストパターンP1を剥離する。そして、シリコン窒化膜8上に、フォトリソグラフィー法により、第2のレジストパターンP2を形成する。そして、第2のレジストパターンP2をマスクとして、第2の領域R2に形成された素子領域1Bに、ウェル注入を実施する。ここではチャネル注入を実施しない。
【0042】
次に、図26に示すように、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、第2のレジストパターンP2を剥離する。
【0043】
次に、図27に示すように、シリコン窒化膜8の表面に、例えばスピンコーティングにより、フォトレジスト膜23を塗布する。続いて、フォトリソグラフィー法により、フォトレジスト膜23をパターニングして、シリコン窒化膜8の表面に、レジストパターン23aを形成する。レジストパターン23aは、素子領域1A、1Bに対応する部分だけを露出させ、酸化膜5に対応する部分だけを被覆する。
【0044】
次に、図28に示すように、レジストパターン23aをマスクにして、例えばドライエッチングにより、シリコン窒化膜8を除去する。こうして、素子領域1A、1Bに対応する部分の酸化膜7だけを露出させる。そして、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、レジストパターン23aを除去する。
【0045】
次に、図29に示すように、酸化膜7及びシリコン窒化膜8上に、フォトリソグラフィー法により、第3のレジストパターンP3を形成する。第3のレジストパターンP3は、n−MOSトランジスタが形成される第1の領域R1を露出させ、p−MOSトランジスタが形成される第2の領域R2を被覆する。そして、第3のレジストパターンP3をマスクとして、第1の領域R1に形成された素子領域1Aに、チャネル注入を実施する。このとき、第1の領域R1に形成された素子領域1Aに対応する部分は、シリコン窒化膜8が除去され、酸化膜7の全体が露出しているので、素子領域1Aにおけるイオン濃度を均一にすることができる。すなわち、引用文献1のような、シリコン窒化膜8の有無による素子領域1Aのイオン濃度のばらつきを防止できる。
【0046】
次に、図30に示すように、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、第3のレジストパターンP3を剥離する。そして、酸化膜7及びシリコン窒化膜8上に、フォトリソグラフィー法により、第4のレジストパターンP4を形成する。第4のレジストパターンP4は、n−MOSトランジスタが形成される第1の領域R1を被覆して、p−MOSトランジスタが形成される第2の領域R2を露出させる。そして、第4のレジストパターンP4をマスクとして、第2の領域R2に形成された素子領域1Bに、チャネル注入を実施する。このとき、第2の領域R2に形成された素子領域1Bに対応する部分は、シリコン窒化膜8が除去され、酸化膜7の全体が露出しているので、素子領域1Bにおけるイオン濃度を均一にすることができる。すなわち、引用文献1のような、シリコン窒化膜8の有無による素子領域1Bのイオン濃度のばらつきを防止できる。
【0047】
次に、図31に示すように、硫酸過水等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、第4のレジストパターンP4を剥離する。
【0048】
次に、図32に示すように、例えば燐酸等の薬液を供給して、ウェットエッチングにより、シリコン窒化膜8を除去する。以下、第1の実施形態と同様の工程を経て、半導体装置の主要な製造工程が終了となる。
[第2の実施形態による作用効果]
以上のように、本実施形態においては、素子領域1A、1Bに対応する部分のシリコン窒化膜8を除去した後でチャネル注入を実施している。このように、シリコン窒化膜8を除去しておくことにより、ウェル注入よりも素子領域1A、1Bの浅い領域にイオンを注入するチャネル注入でも、素子領域1A、1Bそれぞれのイオン濃度を均一にすることが可能となる。
【0049】
尚、本実施形態においては、チャネル注入を実施する前に、素子領域1A、1Bに対応する部分のシリコン窒化膜8を完全に除去しているが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、素子領域1A、1Bに対応する部分のシリコン窒化膜8を薄くするだけでも良い。
【0050】
また、本実施形態においては、素子領域1A、1Bに対応する部分のシリコン窒化膜8を除去するときに、ドライエッチングを用いていたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、ドライエッチングを実施してから、ウェットエッチングを実施しても良い。この場合、後で実施されるウェットエッチングが等方性エッチングであることを考慮して、ドライエッチングで使用するレジストパターンの開口幅を素子領域よりも狭くしておくことが好ましい。
【0051】
以上の実施形態によれば、以下の構成が得られる。
【0052】
[付記1]
半導体基板にトレンチを形成して、第1、第2の素子領域を画定する工程と、
前記トレンチに第1の酸化膜を埋め込む工程と、
前記第1、第2の素子領域及び前記第1の酸化膜上に、前記第1、第2の素子領域及び前記第1の酸化膜の全体を被覆する膜を形成する工程と、
前記膜上に、前記第1の素子領域及び前記第1の酸化膜の一部を含む第1の領域が露出する第1のレジストパターンを形成する工程と、
前記第1のレジストパターンをマスクとして、前記第1の素子領域全体を被覆する前記膜を通して第1の不純物を注入する工程と、
前記第1の不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記第1のレジストパターンを除去する工程と、
前記膜上に、前記第2の素子領域及び前記第1の酸化膜の一部を含む第2の領域が露出する第2のレジストパターンを形成する工程と、
前記第2のレジストパターンをマスクとして、前記第2の素子領域全体を被覆する前記膜を通して第2の不純物を注入する工程と、
前記第2の不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記第2のレジストパターンを除去する工程と、
前記第1のレジストパターン及び前記第2のレジストパターンを除去した後に、第2の薬液を供給して、前記膜を除去する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0053】
[付記2]
前記膜を形成する前に、前記第1、第2の素子領域の表面に第2の酸化膜を形成する工程を含むことを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0054】
[付記3]
前記膜はシリコン窒化膜もしくはポリシリコン膜であることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0055】
[付記4]
前記第1の不純物及び前記第2の不純物を注入する前に、前記膜の前記第1、第2の素子領域に対応する部分全体をエッチングにより薄くすることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0056】
[付記5]
前記第1の不純物を注入した後で、かつ、前記膜を除去する前に、前記膜の前記第1の素子領域に対応する部分全体をエッチングにより薄くする工程と、
前記膜を薄くした後に、前記第1の素子領域全体を被覆する前記膜を通して第3の不純物を注入する工程と、
をさらに含むことを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0057】
[付記6]
前記第1の不純物を注入した後で、かつ、前記膜を除去する前に、前記膜の前記第1の素子領域に対応する部分のみをエッチングにより選択的に除去する工程と、
前記膜を選択的に除去した後に、前記第1の素子領域に第3の不純物を注入する工程と、
をさらに含むことを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0058】
[付記7]
前記第1の不純物の注入はウェル注入であって、前記第3の不純物の注入はチャネル注入であることを特徴とする請求項5又は6に記載の半導体装置の製造方法。
【0059】
[付記8]
前記第1の薬液は硫酸と過酸化水素水を含む溶液もしくはアンモニアと過酸化水素水を含む溶液であることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0060】
[付記9]
前記第2の薬液は燐酸を含む溶液であることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0061】
[付記10]
前記膜を除去した後に、前記第1、第2の素子領域上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に導電膜を形成する工程と、
前記導電膜をパターニングして、トランジスタのゲート電極を形成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【0062】
[付記11]
前記導電膜をパターニングする工程は、
前記導電膜上に塗布系の反射防止膜を形成する工程と、
前記反射防止膜上にレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜をフォトリソグラフィー法によりパターニングする工程と、
前記レジスト膜又は前記反射防止膜をマスクとして、前記導電膜をエッチングする工程と、
を含むことを特徴とする付記10に記載の半導体装置の製造方法。
【0063】
[付記12]
半導体基板にトレンチを形成して、素子領域を画定する工程と、
前記トレンチに酸化膜を埋め込む工程と、
前記素子領域及び前記酸化膜上に、前記素子領域及び前記酸化膜の全体を被覆する膜を形成する工程と、
前記膜上に、前記素子領域に対応する部分が露出するレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンをマスクとして、前記素子領域に、該素子領域全体を被覆する前記膜を通して不純物を注入する工程と、
前記不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記レジストパターンを除去する工程と、
前記レジストパターンを除去した後に、第2の薬液を供給して、前記膜を除去する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その1)。
【図2】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その2)。
【図3】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その3)。
【図4】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その4)。
【図5】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その5)。
【図6】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その6)。
【図7】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その7)。
【図8】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その8)。
【図9】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その9)。
【図10】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その10)。
【図11】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その11)。
【図12】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その12)。
【図13】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その13)。
【図14】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その14)。
【図15】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その15)。
【図16】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その16)。
【図17】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その17)
【図18】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その18)。
【図19】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その19)。
【図20】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その20)。
【図21】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その21)。
【図22】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その22)。
【図23】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その23)。
【図24】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その1)。
【図25】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その2)。
【図26】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その3)。
【図27】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その4)。
【図28】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その5)。
【図29】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その6)。
【図30】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その7)。
【図31】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その8)。
【図32】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の説明図(その9)。
【図33】引用文献1における半導体装置の製造方法の概略図。
【符号の説明】
【0065】
1…シリコン基板(半導体基板)、1A…素子領域、1B…素子領域、1T…シリコントレンチ(トレンチ)、5…酸化膜(第1の酸化膜)、7…酸化膜(第2の酸化膜)、8…シリコン窒化膜(膜)、9…シリコン酸化膜(絶縁膜)、10…ポリシリコン膜(導電膜)、11…反射防止膜、12…フォトレジスト膜、P1…第1のレジストパターン、P2…第2のレジストパターン、P3…第3のレジストパターン、P4…第4のレジストパターン、R1…第1の領域、R2…第2の領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板にトレンチを形成して、第1、第2の素子領域を画定する工程と、
前記トレンチに第1の酸化膜を埋め込む工程と、
前記第1、第2の素子領域及び前記第1の酸化膜上に、前記第1、第2の素子領域及び前記第1の酸化膜の全体を被覆する膜を形成する工程と、
前記膜上に、前記第1の素子領域及び前記第1の酸化膜の一部を含む第1の領域が露出する第1のレジストパターンを形成する工程と、
前記第1のレジストパターンをマスクとして、前記第1の素子領域全体を被覆する前記膜を通して第1の不純物を注入する工程と、
前記第1の不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記第1のレジストパターンを除去する工程と、
前記膜上に、前記第2の素子領域及び前記第1の酸化膜の一部を含む第2の領域が露出する第2のレジストパターンを形成する工程と、
前記第2のレジストパターンをマスクとして、前記第2の素子領域全体を被覆する前記膜を通して第2の不純物を注入する工程と、
前記第2の不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記第2のレジストパターンを除去する工程と、
前記第1のレジストパターン及び前記第2のレジストパターンを除去した後に、第2の薬液を供給して、前記膜を除去する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記膜を形成する前に、前記第1、第2の素子領域の表面に第2の酸化膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記膜はシリコン窒化膜もしくはポリシリコン膜であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1の不純物及び前記第2の不純物を注入する前に、前記膜の前記第1、第2の素子領域に対応する部分全体をエッチングにより薄くすることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記膜を除去した後に、前記第1、第2の素子領域上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に導電膜を形成する工程と、
前記導電膜をパターニングして、トランジスタのゲート電極を形成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
半導体基板にトレンチを形成して、第1、第2の素子領域を画定する工程と、
前記トレンチに第1の酸化膜を埋め込む工程と、
前記第1、第2の素子領域及び前記第1の酸化膜上に、前記第1、第2の素子領域及び前記第1の酸化膜の全体を被覆する膜を形成する工程と、
前記膜上に、前記第1の素子領域及び前記第1の酸化膜の一部を含む第1の領域が露出する第1のレジストパターンを形成する工程と、
前記第1のレジストパターンをマスクとして、前記第1の素子領域全体を被覆する前記膜を通して第1の不純物を注入する工程と、
前記第1の不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記第1のレジストパターンを除去する工程と、
前記膜上に、前記第2の素子領域及び前記第1の酸化膜の一部を含む第2の領域が露出する第2のレジストパターンを形成する工程と、
前記第2のレジストパターンをマスクとして、前記第2の素子領域全体を被覆する前記膜を通して第2の不純物を注入する工程と、
前記第2の不純物を注入した後に、第1の薬液を供給して、前記第2のレジストパターンを除去する工程と、
前記第1のレジストパターン及び前記第2のレジストパターンを除去した後に、第2の薬液を供給して、前記膜を除去する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記膜を形成する前に、前記第1、第2の素子領域の表面に第2の酸化膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記膜はシリコン窒化膜もしくはポリシリコン膜であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1の不純物及び前記第2の不純物を注入する前に、前記膜の前記第1、第2の素子領域に対応する部分全体をエッチングにより薄くすることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記膜を除去した後に、前記第1、第2の素子領域上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に導電膜を形成する工程と、
前記導電膜をパターニングして、トランジスタのゲート電極を形成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2008−251740(P2008−251740A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89796(P2007−89796)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
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