説明

半導体装置及び半導体装置の製造方法

【課題】情報が読み取られることを防止する半導体装置を提供する。
【解決手段】本明細書に開示する半導体装置10は、コンタクト15aを有する第2絶縁層15と、コンタクト17aを有する第3絶縁層17と、第2絶縁層15と第3絶縁層17との間に配置された第2配線層16と、を備え、コンタクト15aとコンタクト17aとの間の第2配線層16の部分には配線が配置されておらず、コンタクト15aとコンタクト17aとの間の距離は、コンタクト15a又はコンタクト17aと、第2絶縁層15及び第3絶縁層17及び第2配線層16内の他のコンタクト又は配線との間の距離よりも短い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記憶機能又は演算機能を有する半導体装置が用いられている。また、このような記憶機能又は演算機能を有する半導体装置が搭載されたカードが利用されている。このようなカードとして、例えば、スマートカードがある。
【0003】
スマートカードは、カード内に記憶機能を有する半導体装置(メモリ)が搭載されることにより、記憶される情報量が従来の磁気ストライプカードと比べて大きく向上する。スマートカードには、例えば、ユーザの個人情報等の情報が記憶されて使用される。
【0004】
また、CPU等の演算機能を有する半導体装置をカード内に搭載することにより、カード内で情報処理を行うことも可能となる。この場合には、CPUが実行するプログラムも、カード内のメモリに記憶され得る。
【0005】
スマートカードには保護されるべき情報が記憶されているので、情報を暗号化する等して、情報を保護する技術が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−324799号公報
【特許文献2】特開平10−69054号公報
【特許文献3】特開2008−172182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、情報を保護する対策がとられたスマートカードであっても、故障利用解析又はリバースエンジニアリング等の手法を用いて、カード内に記憶されている情報又は情報処理の内容が読み取られ、また記憶されている情報が改ざんされるおそれがある。
【0008】
故障利用解析では、集束イオンビーム(FIB)装置等を用いて、スマートカードに搭載されている半導体装置の配線を露出させて、スマートカードを利用できる状態に保ったまま、高電圧を加えること等が行われる。
【0009】
そこで、本明細書では、情報が読み取られることを防止する半導体装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本明細書では、情報が読み取られることを防止する半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書に開示する半導体装置の一形態によれば、第1コンタクトを有する第1絶縁層と、第2コンタクトを有する第2絶縁層と、上記第1絶縁層と上記第2絶縁層との間に配置された配線層と、を備え、上記第1コンタクトと上記第2コンタクトとの間の上記配線層の部分には配線が配置されておらず、上記第1コンタクトと上記第2コンタクトとの間の距離は、上記第1コンタクト又は上記第2コンタクトと、上記第1絶縁層及び上記第2絶縁層及び上記配線層内の他のコンタクト又は配線との間の距離よりも短い。
【0012】
また、本明細書に開示する半導体装置の一形態によれば、第1配線及び第2配線を有する配線層を備え、上記第1配線と上記第2配線との間の距離は、上記第1配線又は上記第2配線と、上記配線層内の他の配線との間の距離よりも短く、且つ、上記第1配線及び上記第2配線は回路素子と電気的に接続されない。
【0013】
また、本明細書に開示する半導体装置の製造方法の一形態によれば、第1コンタクトを有する第1絶縁層上に配線層を形成するステップと、上記配線層上に、第2コンタクトを有する第2絶縁層を形成するステップと、を備え、上記配線層を形成するステップでは、上記第1コンタクトと上記第2コンタクトとの間に配線を配置しないように、上記配線層を形成し、上記第2絶縁層を形成するステップでは、上記第1コンタクトと上記第2コンタクトとの間の距離が、上記第1コンタクト又は上記第2コンタクトと、上記第1絶縁層及び上記第2絶縁層及び上記配線層内の他のコンタクト又は配線との間の距離よりも短くなるように、上記第2絶縁層を形成する。
【0014】
更に、本明細書に開示する半導体装置の製造方法の一形態によれば、第1配線及び第2配線を有する配線層を形成するステップを備え、上記第1配線と上記第2配線との間の距離が、上記第1配線又は上記第2配線と、上記配線層内の他の配線との間の距離よりも短くなるように上記第1配線及び上記第2配線を形成し、且つ、上記第1配線及び上記第2配線を回路素子と電気的に接続しないように形成する。
【発明の効果】
【0015】
上述した本明細書に開示する半導体装置の一形態によれば、情報が読み取られることを防止する。
【0016】
また、上述した本明細書に開示する半導体装置の製造方法の一形態によれば、情報が読み取られることを防止する半導体装置が得られる。
【0017】
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるだろう。
【0018】
前述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(A)は、本明細書に開示する半導体装置の第1実施形態を示す断面図であり、(B)は、その平面図である。
【図2】図1に示す半導体装置に対してイオンビームが照射されている様子を示す図である。
【図3】(A)は、本明細書に開示する半導体装置の第1実施形態の変型例1を示す断面図であり、(B)は、その平面図である。
【図4】本明細書に開示する半導体装置の第1実施形態の変型例2を示す断面図である。
【図5】(A)は、本明細書に開示する半導体装置の第2実施形態を示す断面図であり、(B)は、その平面図である。
【図6】図5に示す半導体装置に対してイオンビームが照射されている様子を示す図である。
【図7】本明細書に開示する半導体装置の第2実施形態の変型例1を示す図である。
【図8】本明細書に開示する半導体装置の第2実施形態の変型例2を示す図である。
【図9】本明細書に開示する半導体装置の製造方法の第1実施形態の製造工程(その1)を示しており、(A)は断面図であり、(B)はその平面図である。
【図10】本明細書に開示する半導体装置の製造方法の第1実施形態の製造工程(その2)を示しており、(A)は断面図であり、(B)はその平面図である。
【図11】本明細書に開示する半導体装置の製造方法の第1実施形態の製造工程(その3)を示しており、(A)は断面図であり、(B)はその平面図である。
【図12】本明細書に開示する半導体装置の製造方法の第1実施形態の製造工程(その4)を示しており、(A)は断面図であり、(B)はその平面図である。
【図13】本明細書に開示する半導体装置の製造方法の第1実施形態の製造工程(その5)を示しており、(A)は断面図であり、(B)はその平面図である。
【図14】本明細書に開示する半導体装置の製造方法の第2実施形態の製造工程(その1)を示しており、(A)は断面図であり、(B)はその平面図である。
【図15】本明細書に開示する半導体装置の製造方法の第2実施形態の製造工程(その2)を示しており、(A)は断面図であり、(B)はその平面図である。
【図16】本明細書に開示する半導体装置の製造方法の第2実施形態の製造工程(その3)を示しており、(A)は断面図であり、(B)はその平面図である。
【図17】本明細書に開示する半導体装置の製造方法の第2実施形態の製造工程(その4)を示しており、(A)は断面図であり、(B)はその平面図である。
【図18】本明細書に開示する半導体装置の製造方法の第2実施形態の製造工程(その5)を示しており、(A)は断面図であり、(B)はその平面図である。
【図19】本明細書に開示する半導体装置の製造方法の第3実施形態の製造工程(その1)を示しており、(A)は断面図であり、(B)はその平面図である。
【図20】(A)〜(C)は、本明細書に開示する半導体装置の製造方法の第3実施形態の製造工程(その2)を示す図である。
【図21】(A)及び(B)は、本明細書に開示する半導体装置の製造方法の第3実施形態の製造工程(その3)を示す図である。
【図22】本明細書に開示する半導体装置の製造方法の第3実施形態の製造工程(その4)を示しており、(A)は断面図であり、(B)はその平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本明細書で開示する半導体装置の好ましい第1実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【0021】
図1(A)は、本明細書に開示する半導体装置の第1実施形態を示す断面図であり、図1(B)は、その平面図である。図1(A)は、図1(B)のX1−X1線断面図である。
【0022】
半導体装置10は、基板11上に配置された素子層12を備える。素子層12には、トランジスタ等の回路素子12a、12b、12cが配置される。
【0023】
素子層12上には、コンタクト13aを有する第1絶縁層13が配置される。第1絶縁層13上には、配線14a、14bを有する第1配線層14が配置される。配線14a、14bは、接地される配線である。コンタクト13aは、上層の配線14bと下層の回路素子12cとを電気的に接続する。
【0024】
第1配線層14上には、コンタクト15a、15b、15cを有する第2絶縁層15が配置される。第2絶縁層15上には、配線16a、16bを有する第2配線層16が配置される。コンタクト15a、15bは、下層の接地される配線14aと電気的に接続する。コンタクト15cは、上層の配線16bと下層の配線14bとを電気的に接続する。
【0025】
第2配線層16上には、コンタクト17a、17b、17cを有する第3絶縁層17が配置される。第3絶縁層17上には、配線18a、18b、18cを有する第3配線層18が配置される。コンタクト17aは、上層の配線18aと電気的に接続する。コンタクト17bは、上層の配線18bと電気的に接続する。コンタクト17cは、上層の配線18cと下層の配線16bとを電気的に接続する。
【0026】
第3配線層18上には、保護層19及びカバー層20が順番に配置される。図1(B)は、第3配線層18の平面図を示しており、保護層19及びカバー層20は示されていない。
【0027】
半導体装置10では、コンタクト15aとコンタクト17aとの間の第2配線層16の部分には配線が配置されていない。また、コンタクト15bとコンタクト17bとの間の第2配線層16の部分にも配線が配置されていない。
【0028】
半導体装置10では、コンタクト15aとコンタクト17aとの間の距離は、コンタクト15a又はコンタクト17aと、第2絶縁層15及び第3絶縁層17及び第2配線層16内の他のコンタクト又は配線との間の距離よりも短くなっている。本明細書では、コンタクト15aとコンタクト17aとの間の距離は、コンタクト15aとコンタクト17aとの間の距離の内で最短の距離をいう。
【0029】
例えば、コンタクト17aとコンタクト15aとの間の距離は、コンタクト15aと配線16aとの間の距離よりも短い。同様に、コンタクト15aとコンタクト17aとの間の距離は、コンタクト15aとコンタクト15bとの間の距離よりも短い。また、コンタクト15aとコンタクト15bとの間の距離は、コンタクト15aと配線16aとの間の距離よりも短い。また、コンタクト15aとコンタクト15bとの間の距離は、コンタクト17aとコンタクト17bとの間の距離よりも短い。また、コンタクト15aとコンタクト15bとの間の距離は、コンタクト17aと配線16aとの間の距離よりも短い。
【0030】
コンタクト15aとコンタクト17aとは、第2配線層16を挟んで、少なくとも一部分が重なるように対向していることが、コンタクト15aとコンタクト17aとの間の距離を他の配線又はコンタクトとの間の距離よりも短くする上で好ましい。半導体装置10では、コンタクト15aとコンタクト17aとは、平面視した形状が同じであり、全体が重なるように配置される。
【0031】
コンタクト15a及びコンタクト17aは対向する面同士が平行になっており、コンタクト15a及びコンタクト17aとの間の距離は、対向する面間では一定となっている。
【0032】
同様に、半導体装置10では、コンタクト15bとコンタクト17bとの間の距離は、コンタクト15b又はコンタクト17bと、第3絶縁層17及び第2絶縁層15及び第2配線層16内の他のコンタクト又は配線との間の距離よりも短くなっている。コンタクト15bとコンタクト17bとの間の距離は、コンタクト15bとコンタクト17bとの間の距離の内で最短の距離をいう。
【0033】
コンタクト15bはコンタクト15aと同じ形状を有し、コンタクト17bはコンタクト17aと同じ形状を有し、コンタクト15b及びコンタクト17bは、コンタクト15a及びコンタクト17aと同様の配置関係を有している。従って、上述したコンタクト15a及びコンタクト17aに対する説明は、コンタクト15b及びコンタクト17bに対しても適宜適用される。
【0034】
半導体装置10では、コンタクト15a、15b、17a、17bは、半導体装置10内の回路素子12a、12b、12cを含む回路素子とは電気的に接続していないダミーコンタクトである。同様に、配線14a、16a、18a、18bも、半導体装置10内の回路素子12a、12b、12cを含む回路素子とは電気的に接続していないダミー配線である。本明細書では、回路素子には、抵抗又はコンデンサ又はコイル等の受動素子及びダイオード又はトランジスタ等の能動素子が含まれる。本明細書では、ダミーコンタクト又はダミー配線は、半導体装置の本来の記憶機能又は演算機能等の機能を実行するための回路を形成していないものをいう。
【0035】
配線の形成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、タングステン等を用いることができる。コンタクトの形成材料としては、例えば、タングステン等を用いることができる。また、絶縁層の形成材料としては、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、有機膜、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等を用いることができる。
【0036】
半導体装置10は、例えば、スマートカード等のカード内に搭載されて使用されることが好ましい。半導体装置10が搭載されたカードが、例えば故障利用解析されて、集束イオンビーム(FIB)装置を用いてイオンビームが照射された場合には、半導体装置10は、照射された電荷を利用し、内部放電を誘発して回路を破壊することにより、解析不能となり得る。次に、半導体装置10のこの機能について、以下に説明する。
【0037】
図2は、図1に示す半導体装置に対してイオンビームが照射されている様子を示す図である。
【0038】
FIB装置のイオン銃30からイオンビーム31が照射された半導体装置10は、第3配線層18の配線18bが露出している。露出した配線18bには、イオンビーム31が照射されて、正電荷が供給される。そして、配線18bと電気的に接続する下層のコンタクト17bには、正電荷が供給されて蓄積する。
【0039】
コンタクト17bに対して、絶縁体である第2配線層16を介して対向するコンタクト15bには、コンタクト17bにおける正電荷の蓄積に対応して、接地から負電荷が供給されて蓄積する。
【0040】
イオン銃30からイオンビーム31が照射されるのと共に、コンタクト17b及びコンタクト15bに蓄積される電荷量が増加して、コンタクト17b及びコンタクト15bの間の第2配線層16に印加される電圧が増加する。そして、第2配線層16に印加される電圧が第2配線層16の絶縁破壊電圧を超えると、図2に示すように、コンタクト17bとコンタクト15bの間に放電が生じる。そして、この放電の電気エネルギーによって、コンタクト17b及びコンタクト15bの第2配線層16が破壊されるのと共に、周囲のコンタクト、配線及び回路素子が破壊され得る。
【0041】
この際、例え、回路素子が破壊されなくとも、配線又はコンタクトの一部が破壊されることにより、半導体装置10の抵抗又は容量等を変化させることができるので、半導体装置10を正常に動作させなくすることができる。このような抵抗又は容量の変化は、特にアナログ回路に動作不良を生じさせることに対して有効である。
【0042】
放電により回路を破壊する電気ネルギーは、対向するコンタクト間に蓄積される電荷の量に対応する。従って、対向するコンタクトの部分の面積が大きい程、蓄積される電荷の量を多くすることができる。また、対向するコンタクト間の絶縁体の誘電率が高い程、蓄積される電荷の量を多くすることができる。
【0043】
図2の例では、イオンビームが、第3配線層18の配線18bに照射される場合であったが、イオンビームが第3配線層18の配線18aに照射される場合にも、同様にコンタクト17aとコンタクト15aの間に放電を誘発させることができる。
【0044】
また、図2の例では、半導体装置10に対してイオンビームが照射される場合であったが、正又は負の電荷を有する荷電粒子線が半導体装置10に対して照射されれば、コンタクト間に放電を誘発させることができる。荷電粒子線としては、例えば、電子線であっても良い。
【0045】
上述した本実施形態の半導体装置によれば、荷電粒子の照射を受けた場合にコンタクト間に放電を誘発させて、半導体装置10を正常に動作させなくすることにより、情報が読み取られることを防止できる。従って、不正な解析が防止される。
【0046】
上述した実施形態では、コンタクト15a、15b、17a、17bは、回路素子12a、12b、12cを含む回路素子とは電気的に接続していないダミーコンタクトであった。しかし、コンタクト15a、15b、17a、17bは、回路素子12a、12b、12cを含む回路素子と電気的に接続するコンタクトであっても良い。同様に、配線14a、16a、18a、18bは、回路素子12a、12b、12cを含む回路素子と電気的に接続する配線であっても良い。
【0047】
また、上述した実施形態は、コンタクト15a、17a及びコンタクト15b、17bという2つのダミーコンタクトの対を有していたが、コンタクト15a、17a又はコンタクト15b、17bの内の1つのダミーコンタクトの対だけを有していても良い。
【0048】
次に、上述した第1実施形態の半導体装置の変型例1及び変型例2を図面を参照して、以下に説明する。
【0049】
図3(A)は、本明細書に開示する半導体装置の第1実施形態の変型例1を示す断面図であり、図3(B)は、その平面図である。図3(A)は、図3(B)のX2−X2線断面図である。
【0050】
変型例1の半導体装置10では、コンタクト15aとコンタクト17aとは、平面視した場合、端縁同士が接するように配置されており、重なっていない。コンタクト15aの端縁とコンタクト17aの端縁との間の距離が、2つのコンタクト間の距離の中で最短の距離となっている。
【0051】
変型例1では、荷電粒子が照射された場合、コンタクト15aの端縁とコンタクト17aの端縁との間で放電が誘発されるようになっており、コンタクト間の放電する場所が制御できるようになっている。従って、変型例1では、コンタクト間における放電の誘発を制御することの信頼性が向上する。
【0052】
図4は、本明細書に開示する半導体装置の第1実施形態の変型例2を示す断面図である。
【0053】
変型例2の半導体装置10は、第3配線層18と保護層19との間に複数の絶縁層及び配線層が配置されている。そして、第3配線層18の配線18a、18b、18cは、上層の配線とコンタクトを介して電気的に接続している。
【0054】
次に、上述した半導体装置の第2実施形態を、図5及び図6を参照しながら以下に説明する。第2実施形態について特に説明しない点については、上述の第1実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。
【0055】
図5(A)は、本明細書に開示する半導体装置の第2実施形態を示す断面図であり、図5(B)は、その平面図である。図5(A)は、図5(B)のX3−X3線断面図を示す。
【0056】
半導体装置40は、基板41上に配置された素子層42を備える。素子層42には、トランジスタ等の回路素子42a、42b、42cが配置される。
【0057】
素子層42上には、コンタクト43aを有する第1絶縁層43が配置される。第1絶縁層43上には、配線44a、44b、44c、44d、44eを有する第1配線層44が配置される。配線44a、44c、44eは、接地される配線である。図5(B)に示すように、配線44a及び配線44cは、配線44acから突出した配線の部分であり、配線44aと配線44cと配線44acとは電気的に接続している。コンタクト43aは、上層の配線44eと下層の回路素子42cとを電気的に接続する。
【0058】
第1配線層44上には、コンタクト45a、45b、45cを有する第2絶縁層45が配置される。第2絶縁層45上には、配線46a、46b、46cを有する第2配線層46が配置される。コンタクト45aは、上層の配線46aと下層の配線44bとを電気的に接続する。コンタクト45bは、上層の配線46bと下層の配線44dとを電気的に接続する。コンタクト45cは、上層の配線46cと下層の配線44eとを電気的に接続する。
【0059】
コンタクト45aと配線44bとは、平面視した場合の形状が同一であり、平面視した同じ位置に配置される。同様に、コンタクト45bと配線44dとは、平面視した場合の形状が同一であり、平面視した同じ位置に配置される。
【0060】
第2配線層46上には、コンタクト47aを有する第3絶縁層47が配置される。第3絶縁層47上には、配線48a、48b、48cを有する第3配線層48が配置される。コンタクト47aは、上層の配線48cと下層の配線46cとを電気的に接続する。
【0061】
第3配線層48上には、保護層49及びカバー層50が順番に配置される。図5(B)は、第3配線層48の平面図を示しており、保護層49及びカバー層50は示していない。
【0062】
半導体装置40では、第1配線層44における配線44aと配線44bとの間の距離が、配線44a又は配線44bと、第1配線層44内の他の配線との間の距離よりも短い。本明細書では、配線44aと配線44bとの間の距離は、配線44aと配線44bとの間の距離の内で最短の距離をいう。また、本明細書では、第1配線層44内の他の配線は、配線44a又は配線44bと電気的に接続していない配線を意味する。従って、配線44aと電気的に接続する配線44ac及び配線44cは、他の配線には該当しない。
【0063】
同様に、第1配線層44における配線44cと配線44dとの間の距離が、配線44c又は配線44dと、第1配線層44内の他の配線との間の距離よりも短い。本明細書では、配線44cと配線44dとの間の距離は、配線44cと配線44dとの間の距離の内で最短の距離をいう。また、本明細書では、第1配線層44内の他の配線は、配線44c又は配線44dと電気的に接続していない配線を意味する。従って、配線44cと電気的に接続する配線44ac及び配線44aは、他の配線には該当しない。
【0064】
例えば、配線44cと配線44dとの間の距離は、配線44dと配線44eとの間の距離よりも短い。
【0065】
また、半導体装置40では、配線44aと配線44bとの間の距離は、配線44bと配線44cとの間の距離よりも短い。また、配線44cと配線44dとの間の距離は、配線44cと配線44bとの間の距離よりも短い。
【0066】
半導体装置40では、配線44a、44c、44ac及び配線44b、44dは、回路素子42a、42b、42cを含む回路素子とは電気的に接続していないダミー配線である。また、配線46a、46b及び配線48a、48bも、回路素子42a、42b、42cを含む回路素子とは電気的に接続していないダミー配線である。同様に、コンタクト45a、45bも、回路素子42a、42b、42cを含む回路素子とは電気的に接続していないダミーコンタクトである。
【0067】
配線44aは、配線44ac及び配線44cとの組み合わせで形成される凹部S1を有する。配線44bは凹部S1内に配置される。配線44aは、ダミー配線なので、配線パターンの面積を小さくして寄生容量等を抑制し、回路への影響を低減することが好ましい。そこで、半導体装置40では、配線44aに凹部S1を設けて、この凹部S1内に配線44bを配置し、凹部S2内に配線44dを配置している。
【0068】
同様に、配線44cは、配線44acとの組み合わせで形成される凹部S2を有する。配線44dは凹部S2内に配置される。
【0069】
半導体装置40は、例えば、スマートカード等のカード内に搭載されて使用すること好ましい。半導体装置40が搭載されたカードが、例えば故障利用解析されて、集束イオンビーム(FIB)装置を用いてイオンビームが照射された場合には、半導体装置40は、照射された電荷を利用し、内部放電を誘発して回路を破壊することにより、解析不能となり得る。次に、半導体装置40のこの機能について、以下に説明する。
【0070】
図6は、図5に示す半導体装置に対してイオンビームが照射されている様子を示す図である。
【0071】
FIB装置のイオン銃30からイオンビーム31が照射された半導体装置40は、第2配線層46の配線46bが露出している。露出した配線46bには、イオンビーム31が照射されて、正電荷が供給される。そして、コンタクト45bを介して、配線46bと電気的に接続する下層の配線44dには、正電荷が供給されて蓄積する。
【0072】
配線44dに対して、第1配線層44の絶縁体の部分を介して対向する配線44cには、配線44dにおける正電荷の蓄積に対応して、接地から負電荷が供給されて蓄積する。
【0073】
イオン銃30からイオンビーム31が照射されるのと共に、配線44d及び配線44cに蓄積される電荷量が増加して、配線44d及び配線44cの間の第1配線層44の絶縁体の部分に印加される電圧が増加する。そして、第1配線層44の絶縁体の部分に印加される電圧が絶縁破壊電圧を超えると、図6に示すように、配線44d及び配線44cの間に放電が生じる。そして、この放電の電気エネルギーによって、第1配線層44の絶縁体の部分が破壊されるのと共に、周囲のコンタクト、配線及び回路素子が破壊され得る。
【0074】
放電の誘発は、配線44d及び配線44cの間の距離に依存する。配線44d及び配線44cの間の距離は、使用している微細加工技術の精度内で適宜設定され得る。このように、配線44d及び配線44cの間の距離の設定することにより、放電を制御することができる。
【0075】
図6の例では、イオンビームが、第2配線層46の配線46bに照射される場合であったが、イオンビームが第2配線層46の配線46aに照射される場合にも、同様に配線44bと配線44aの間に放電を誘発させることができる。
【0076】
上述した本実施形態の半導体装置によれば、荷電粒子の照射を受けた場合に配線間に放電を誘発させて、半導体装置40を正常に動作させなくすることにより、情報が読み取られることを防止できる。従って、不正な解析が防止される。
【0077】
上述した実施形態は、配線44a、44b及び配線44c、44dという2つのダミー配線の対を有していたが、配線44a、44b又は配線44c、44dの内の1つのダミー配線の対だけを有していても良い。
【0078】
次に、上述した第2実施形態の半導体装置の変型例1及び変型例2を、図面を参照して、以下に説明する。
【0079】
図7は、本明細書に開示する半導体装置の第2実施形態の変型例1を示す図である。図7は、第1配線層44の平面図を示している。
【0080】
変型例1の半導体装置では、配線44aは、配線44bに向かって突出する凸部44fを有する。また、配線44bは、配線44aに向かって突出する凸部44gを有する。凸部44fと凸部44gとは、間隔を空けて対向する。
【0081】
配線44aと配線44bとの間で放電が生じる際には、凸部44fと凸部44gとの間で生じる確率が高くなっており、配線間の放電する場所が制御できるようになっている。従って、変型例1では、配線間における放電の誘発を制御することの信頼性が向上する。
【0082】
同様に、配線44cは、配線44dに向かって突出する凸部44hを有する。また、配線44dは、配線44cに向かって突出する凸部44iを有する。凸部44hと凸部44iとは、間隔を空けて対向している。
【0083】
図8は、本明細書に開示する半導体装置の第2実施形態の変型例2を示す図である。図8は、第1配線層44の平面図を示している。
【0084】
変型例2の半導体装置では、配線44aは、配線44acとの組み合わせで形成される凹部を有していない。配線44aと配線44bとは、配線44aの頂部と配線44bの頂部とが対向するように配置されている。そして、配線44aの頂部と、配線44bの頂部との間の距離が、2つの配線間の距離の中で最短の距離となっている。
【0085】
配線44aと配線44bとの間で放電が生じる際には、頂部同士の間で生じる確率が高くなっており、配線間の放電する場所が制御できるようになっている。従って、変型例2では、配線間における放電の誘発を制御することの信頼性が向上する。
【0086】
同様に、配線44cは、配線44acとの組み合わせで形成される凹部を有していない。配線44cと配線44dとは、配線44cの頂部と配線44dの頂部とが対向するように配置されている。そして、配線44cの頂部と、配線44dの頂部との間の距離が、2つの配線間の距離の中で最短の距離となっている。
【0087】
次に、本明細書に開示する半導体装置の製造方法の好ましい第1実施形態を、図面を参照して、以下に説明する。
【0088】
本実施形態は、図1(A)及び(B)に示す半導体装置の製造方法の一例である。
【0089】
まず、図9(A)及び(B)に示すように、基板11上に配置された素子層12上に、コンタクト13aを有する第1絶縁層13と、配線14a、14bを有する第1配線層14とが順番に形成される。図9(A)は、図9(B)のX4−X4線断面図を示す。
【0090】
次に、図10(A)及び(B)に示すように、第1配線層14上に、コンタクト15a、15b、15cを有する第2絶縁層15が形成される。図10(A)は、図10(B)のX5−X5線断面図を示す。コンタクト15a、15bは、下層の配線14aと電気的に接続される。コンタクト15cは、下層の配線14bと電気的に接続される。
【0091】
次に、図11(A)及び(B)に示すように、第2絶縁層15上に、配線16a、16bを有する第2配線層16が形成される。図11(A)は、図11(B)のX6−X6線断面図を示す。配線16bは、下層のコンタクト15cと電気的に接続される。
【0092】
次に、図12(A)及び(B)に示すように、第2配線層16上に、コンタクト17a、17b、17cを有する第3絶縁層17が形成される。図12(A)は、図12(B)のX7−X7線断面図を示す。コンタクト17cは、下層の配線16cと電気的に接続される。ここで、図11に示す第2配線層16を形成する工程では、コンタクト15aとコンタクト17aとの間に配線を配置しないように、且つ、コンタクト15bとコンタクト17bとの間に配線を配置しないように、第2配線層16が形成される。
【0093】
また、第3絶縁層17を形成する工程では、コンタクト15aとコンタクト17aとの間の距離が、コンタクト15a又はコンタクト17aと、第2絶縁層15及び第3絶縁層17及び第2配線層16内の他のコンタクト又は配線との間の距離よりも短くなるように、第3絶縁層17が形成される。同様に、第3絶縁層17を形成する工程では、コンタクト15bとコンタクト17bとの間の距離が、コンタクト15b又はコンタクト17bと、第2絶縁層15及び第3絶縁層17及び第2配線層16内の他のコンタクト又は配線との間の距離よりも短くなるように、第3絶縁層17が形成される。
【0094】
次に、図13(A)及び(B)に示すように、第3絶縁層17上に、配線18a、18b、18cを有する第3配線層18が形成される。図13(A)は、図13(B)のX8−X8線断面図を示す。配線18aは、下層のコンタクト17aと電気的に接続される。配線18bは、下層のコンタクト17bと電気的に接続される。配線18cは、下層のコンタクト17cと電気的に接続される。
【0095】
そして、第3配線層18上に、保護層19及びカバー層20が順番に形成されて、図1(A)及び(B)に示す半導体装置が形成される。
【0096】
次に、本明細書に開示する半導体装置の製造方法の好ましい第2実施形態を、図面を参照して、以下に説明する。
【0097】
本実施形態は、図5(A)及び(B)に示す半導体装置の製造方法の一例である。
【0098】
まず、図14(A)及び(B)に示すように、基板41上に配置された素子層42上に、コンタクト43aを有する第1絶縁層43と、配線44a、44b、44c、44d、44e、44acを有する第1配線層44とが順番に形成される。図14(A)は、図14(B)のX9−X9線断面図を示す。ここで、配線44aと配線44bとの間の距離が、配線44a又は配線44bと、第1配線層44内の他の配線との間の距離よりも短くなるように配線44a及び配線44bが形成される。また、配線44cと配線44dとの間の距離が、配線44c又は配線44dと、第1配線層44内の他の配線との間の距離よりも短くなるように配線44c及び配線44dが形成される。
【0099】
次に、図15(A)及び(B)に示すように、第1配線層44上に、コンタクト45a、45b、45cを有する第2絶縁層45が形成される。図15(A)は、図15(B)のX10−X10線断面図を示す。コンタクト45aは、下層の配線44bと電気的に接続される。コンタクト45bは、下層の配線44dと電気的に接続される。コンタクト45cは、下層の配線44eと電気的に接続される。
【0100】
次に、図16(A)及び(B)に示すように、第2絶縁層45上に、配線46a、46b、46cを有する第2配線層46が形成される。図16(A)は、図16(B)のX11−X11線断面図を示す。配線46aは、下層のコンタクト45aと電気的に接続される。配線46bは、下層のコンタクト45bと電気的に接続される。配線46cは、下層のコンタクト45cと電気的に接続される。
【0101】
次に、図17(A)及び(B)に示すように、第2配線層46上に、コンタクト47aを有する第3絶縁層47が形成される。図17(A)は、図17(B)のX12−X12線断面図を示す。コンタクト47aは、下層の配線46cと電気的に接続される。
【0102】
次に、図18(A)及び(B)に示すように、第3絶縁層47上に、配線48a、48b、48cを有する第3配線層48が形成される。図18(A)は、図18(B)のX13−X13線断面図を示す。配線48cは、下層のコンタクト47aと電気的に接続される。
【0103】
そして、第3配線層48上に、保護層49及びカバー層50が順番に形成されて、図5(A)及び(B)に示す半導体装置が形成される。
【0104】
本実施形態では、配線44a、44c、44ac及び配線44b、44dは、回路素子42a、42b、42cを含む回路素子とは電気的に接続していないダミー配線であるので、回路素子と電気的に接続しないように形成される。同様に、配線46a、46b及び配線48a、48b及びコンタクト45a、45bは、回路素子と電気的に接続しないように形成される。
【0105】
次に、本明細書に開示する半導体装置の製造方法の好ましい第3実施形態を、図面を参照して、以下に説明する。
【0106】
本実施形態は、図5に(A)及び(B)示す半導体装置の製造方法の他の一例である。
【0107】
まず、図19(A)及び(B)に示すように、基板41上に配置された素子層42上に、コンタクト43aを有する第1絶縁層43と、配線44a、44c、44e、44acを有する第1配線層44とが順番に形成される。図19(A)は、図19(B)のX14−X14線断面図を示す。
【0108】
次に、図20(A)に示すように、第1配線層44上に、第2絶縁層45が形成される。そして第2絶縁層45は、第2絶縁層15のコンタクト45cが形成される部分がエッチングされて、配線44eが露出する溝61が形成される。
【0109】
次に、図20(B)に示すように、第2絶縁層45上にレジスト層60が形成される。溝61内にも、レジスト層60の一部が充填される。
【0110】
次に、図20(C)に示すように、レジスト層60がパターニングされて、第2絶縁層45のコンタクト45a、45bが形成される位置に開口が形成されて、第2絶縁層45が露出する。
【0111】
次に、図21(A)に示すように、レジスト層60をマスクとして、第2絶縁層45及び第1配線層44がエッチングされて、溝62、63が形成されて第1絶縁層43が露出する。
【0112】
次に、図21(B)に示すように、レジスト層60が除去されて、溝61が再び露出する。
【0113】
次に、図22(A)及び(B)に示すように、溝61、62、63内に導電体が充填されて、コンタクト45cと、配線44b及びコンタクト45aと、配線44d及びコンタクト45bとが形成される。図22(A)は、図22(B)のX15−X15線断面図を示す。
【0114】
そして、図16〜図18と同様の工程を経て、図5(A)及び(B)に示す半導体装置が形成される。
【0115】
上述した本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、既存のマスクパターンを利用して半導体装置を製造することができる。本実施形態では、図19に示す第1配線層44を形成する工程では、既存のマスクパターンを利用する。しかし、このマスクパターンには、配線44b、44dが含まれていない。そこで、本実施形態では、図20(C)に示すように、レジスト層60をパターニングすることによって、配線44b、44dをコンタクト45a、45bと共に形成している。
【0116】
本発明では、上述した実施形態の半導体装置及び半導体装置の製造方法は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。また、一の実施形態が有する構成要件は、他の実施形態にも適宜適用することができる。
【0117】
上述した第1実施形態の半導体装置では、一対のコンタクトを用いて放電を誘発しており、第2実施形態の半導体装置では、一対の配線を用いて放電を誘発していた。放電を誘発する構造として、一対のコンタクトを用いるのか、又は、一対の配線を用いるのかは、破壊するべき回路の構造に対して、適宜選択して半導体装置を設計することができる。
【0118】
ここで述べられた全ての例及び条件付きの言葉は、読者が、発明者によって寄与された発明及び概念を技術を深めて理解することを助けるための教育的な目的を意図する。ここで述べられた全ての例及び条件付きの言葉は、そのような具体的に述べられた例及び条件に限定されることなく解釈されるべきである。また、明細書のそのような例示の機構は、本発明の優越性及び劣等性を示すこととは関係しない。本発明の実施形態は詳細に説明されているが、その様々な変更、置き換え又は修正が本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り行われ得ることが理解されるべきである。
【0119】
以上の上述した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0120】
(付記1)
第1コンタクトを有する第1絶縁層と、
第2コンタクトを有する第2絶縁層と、
前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に配置された配線層と、
を備え、
前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間の前記配線層の部分には配線が配置されておらず、
前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間の距離は、前記第1コンタクト又は前記第2コンタクトと、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層及び前記配線層内の他のコンタクト又は配線との間の距離よりも短い半導体装置。
【0121】
(付記2)
前記第1コンタクトの端と前記第2コンタクトの端との間の距離が、2つのコンタクト間の距離の中で最短の距離となっている付記1に記載の半導体装置。
【0122】
(付記3)
前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとは、前記配線層を挟んで、少なくとも一部分が重なるように対向している付記1又は2に記載の半導体装置。
【0123】
(付記4)
前記第1コンタクトは、接地される配線と接続している付記1〜3の何れか一項に記載の半導体装置。
【0124】
(付記5)
第1配線及び第2配線を有する配線層を備え、
前記第1配線と前記第2配線との間の距離は、前記第1配線又は前記第2配線と、前記配線層内の他の配線との間の距離よりも短く、且つ、前記第1配線及び前記第2配線は回路素子と電気的に接続されない半導体装置。
【0125】
(付記6)
前記第2配線は、コンタクトを介して、上層の他の配線層に配置された配線に接続される付記5に記載の半導体装置。
【0126】
(付記7)
前記第1配線は凹部を有し、第2配線は前記凹部内に配置される付記5又は6に記載の半導体装置。
【0127】
(付記8)
前記第1配線の頂部と、前記第2配線の頂部との間の距離が、2つの配線間の距離の中で最短の距離となっている付記5〜7の何れか一項に記載の半導体装置。
【0128】
(付記9)
前記第1配線は、接地される配線である付記5〜8の何れか一項に記載の半導体装置。
【0129】
(付記10)
第1コンタクトを有する第1絶縁層上に配線層を形成するステップと、
前記配線層上に、第2コンタクトを有する第2絶縁層を形成するステップと、
を備え、
前記配線層を形成するステップでは、前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間に配線を配置しないように、前記配線層を形成し、
前記第2絶縁層を形成するステップでは、前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間の距離が、前記第1コンタクト又は前記第2コンタクト、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層及び前記配線層内の他のコンタクト又は配線との間の距離よりも短くなるように、前記第2絶縁層を形成する半導体装置の製造方法。
【0130】
(付記11)
第1配線及び第2配線を有する配線層を形成するステップを備え、
前記第1配線と前記第2配線との間の距離が、前記第1配線又は前記第2配線と、前記配線層内の他の配線との間の距離よりも短くなるように前記第1配線及び前記第2配線を形成し、且つ、前記第1配線及び前記第2配線を回路素子と電気的に接続しないように形成する半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0131】
10 半導体装置
11 基板
12 素子層
12a、12b、12c 回路素子
13 第1絶縁層
13a コンタクト
14 第1配線層
14a、14b 配線
15 第2絶縁層
15a、15b、15c コンタクト
16 第2配線層
16a、16b 配線
17 第3絶縁層
17a、17b、17c コンタクト
18 第3配線層
18a、18b、18c 配線
19 保護層
20 カバー層
30 イオン銃
31 イオンビーム
40 半導体装置
41 基板
42 素子層
42a、42b、42c 回路素子
43 第1絶縁層
43a コンタクト
44 第1配線層
44a、44b、44c、44d、44e 配線
44f、44g、44h、44i 配線の凸部
45 第2絶縁層
45a、45b、45c コンタクト
46 第2配線層
46a、46b、46c 配線
47 第3絶縁層
47a コンタクト
48 第3配線層
48a、48b、48c 配線
49 保護層
50 カバー層
60 レジスト層
61、62、63 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コンタクトを有する第1絶縁層と、
第2コンタクトを有する第2絶縁層と、
前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に配置された配線層と、
を備え、
前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間の前記配線層の部分には配線が配置されておらず、
前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間の距離は、前記第1コンタクト又は前記第2コンタクトと、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層及び前記配線層内の他のコンタクト又は配線との間の距離よりも短い半導体装置。
【請求項2】
前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとは、前記配線層を挟んで、少なくとも一部分が重なるように対向している請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1コンタクトは、接地される配線と接続している請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
第1配線及び第2配線を有する配線層を備え、
前記第1配線と前記第2配線との間の距離は、前記第1配線又は前記第2配線と、前記配線層内の他の配線との間の距離よりも短く、且つ、前記第1配線及び前記第2配線は回路素子と電気的に接続されない半導体装置。
【請求項5】
第1コンタクトを有する第1絶縁層上に配線層を形成するステップと、
前記配線層上に、第2コンタクトを有する第2絶縁層を形成するステップと、
を備え、
前記配線層を形成するステップでは、前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間に配線を配置しないように、前記配線層を形成し、
前記第2絶縁層を形成するステップでは、前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間の距離が、前記第1コンタクト又は前記第2コンタクトと、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層及び前記配線層内の他のコンタクト又は配線との間の距離よりも短くなるように、前記第2絶縁層を形成する半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−4577(P2013−4577A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131286(P2011−131286)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】