説明

周部検査装置

【課題】ノッチ部を精度良く検査できる周部検査装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る周部検査装置は、周部にノッチ部14が形成されたウェハ10を保持する保持部と、ウェハ10の周部を撮像可能な撮像部90とを備え、撮像部90により撮像されたウェハ10の周部の画像を用いてウェハ10の表面検査を行うように構成され、保持部に保持されたウェハ10と撮像部90とを撮像部90の光軸方向に沿って相対移動させる駆動部と、撮像部90の光軸上にノッチ部14を位置させた状態で、駆動部により相対移動させながら撮像部90により撮像したノッチ部14を含んだ複数の画像について、それぞれの画像の画素毎に信号強度を求めるとともに複数の画像における同じ画素同士の信号強度を比較して、信号強度が最大となる画素を抽出し、抽出された複数の画素の画像を対応する画素位置に並べて合成しノッチ部14の検査用画像を生成する画像処理部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハや液晶ガラス基板等の被検基板を検査する周部検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記半導体ウェハ(以下、単にウェハと称する)は一般的に、薄膜が塗布された平らな表裏両面の周部が、端面に向かって傾斜した上ベベル部および下ベベル部が形成されるとともに、上ベベル部と下ベベル部とに繋がるウェハ端面がアペックス部となっている。従来、ウェハの表面検査は、主に表裏両面における傷、ゴミ、クラック、膜ムラ等の欠陥の有無を中心に行われていた。近年、ウェハに形成される回路素子パターンの集積度が高くなるとともに、半導体製造工程でウェハの表面処理に用いられる薄膜の種類が増加するにつれて、特にウェハの周部の欠陥が歩留まりに大きく影響することが認識され始め、ウェハの周部における欠陥の有無を検査する要求が高まりつつある。ウェハの周部における欠陥としては、例えば欠け、割れ、傷、クラック等が挙げられ、このような欠陥が存在するとウェハが割れてウェハ上のチップ全てが不良となるばかりでなく、半導体製造装置にも多大な損害を与えてしまうことがある。
【0003】
そのため最近では、周部検査装置の観察光学系にCCDカメラを用いて2次元画像を取得したり、または、フォトダイオード、ラインセンサー等を用いて信号強度を取得することで、ウェハの周部の検査が行われている(例えば、特許文献1を参照)。従来の表面検査においては、ウェハの周部全体を比較的広視野で撮像して検査することを主な目的としていたため、観察光学系の対物レンズとして例えば開口数NAが0.3以下で且つ倍率が10倍程度のものが選択されていた。このようにして、ウェハの周部を検査して検出された欠陥を詳しく解析すると、ウェハの周部に形成された回転基準部(ノッチ部)で比較的多くの欠陥が検出されることが次第に判明してきた。そのため、ウェハの周部でも特にノッチ部をより高分解能で検査することが望まれている。
【特許文献1】特開2007−303854号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ノッチ部を高分解能で検査するためには、ウェハの厚みおよびノッチ部の溝深さを考慮した上で、観察光学系が十分な焦点深度を備えている必要がある。しかしながら、開口数と焦点深度とは反比例の関係にあるため、十分な焦点深度を確保しようとしてそれに応じた開口数に設定すると必要とされる高い分解能が得られず、ノッチ部を精度良く検査することが困難であった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ノッチ部を精度良く検査できる周部検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的達成のため、本発明に係る周部検査装置は、周部に回転基準部が形成された被検基板を保持する保持部と、前記被検基板の周部を撮像可能な撮像部とを備え、前記撮像部により撮像された前記被検基板の周部の画像を用いて前記被検基板の表面検査を行う周部検査装置であって、前記保持部に保持された前記被検基板と前記撮像部とを前記撮像部の光軸方向に沿って相対移動させる駆動部と、前記撮像部の光軸上に前記回転基準部を位置させた状態で、前記駆動部により相対移動させながら前記撮像部により撮像した前記回転基準部を含んだ複数の前記画像を用いて前記回転基準部の検査用画像を生成する画像処理部とを有して構成される。
【0007】
なお、上述の周部検査装置において、前記撮像部が、照明光を出射する照明光学系と、前記照明光学系から出射された照明光を絞る開口絞りと、前記開口絞りを通過した照明光を入射して前記被検基板に向けて照射する対物レンズ系とを備え、前記開口絞りの絞り量を調整することで、前記照明光学系の開口数を前記対物レンズ系の開口数で除することで求まる空間的コヒーレンスを調整可能であることが好ましい。
【0008】
また、上述の周部検査装置において、前記保持部が、前記被検基板を保持した状態で前記撮像部の光軸に対して斜めに傾斜させるチルト機構を備えており、前記チルト機構により前記被検基板を傾斜させ且つ前記撮像部の光軸上に前記回転基準部を位置させた状態で、前記駆動部により前記撮像部の光軸方向に沿って相対移動をさせながら前記撮像部により前記回転基準部像を含んだ前記画像を撮像することが好ましい。
【0009】
また、上述の周部検査装置において、前記撮像部が、照明光を分割して前記被検基板に照射する照明光照射部と、前記照明光照射部により照射されて前記被検基板において反射した前記分割された照明光を重ね合わせて干渉させた微分干渉画像を検出する微分干渉画像検出部とを備え、前記画像処理部が、前記微分干渉画像検出部により検出された複数の前記微分干渉画像について、それぞれの前記微分干渉画像の部分毎に相対信号強度を求めて前記回転基準部の検査用画像を生成することが好ましい。
【0010】
さらに、上述の周部検査装置において、前記被検基板の表面には薄膜部材が設けられており、前記撮像部が、前記被検基板において反射した照明光を入射して結像させる第1結像レンズ系と前記第1結像レンズ系により結像された照明光を撮像する第1受光部とからなる第1結像部、および、前記被検基板において反射した照明光を入射して結像させる第2結像レンズ系と前記第2結像レンズ系により結像された照明光を撮像する第2受光部とからなる第2結像部を備えて構成されており、前記第1結像レンズ系の倍率よりも前記第2結像レンズ系の倍率の方が高くなるように構成されており、前記駆動部による相対移動を停止させた状態で、前記第1結像部により前記被検基板の周部における前記被検基板と前記薄膜部材との境界近傍の境界画像を撮像し、前記第1受光部で得られた前記境界画像を前記被検基板と前記薄膜部材との境界検査用画像とし、前記駆動部により相対移動させながら、前記第2結像部により前記回転基準部を含んだ複数の前記画像を撮像し、前記画像処理部により前記第2受光部で得られたそれぞれの前記画像の部分毎に相対信号強度を求めて前記回転基準部の検査用画像を生成することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ノッチ部を精度良く検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態について実施例1〜4を挙げて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1および2を参照しながら、実施例1に係る周部検査装置1の構成を説明する。図1は、本発明に係る周部検査装置の一例を示しており、この周部検査装置1は、ウェハ10の外周端部近傍に形成されたノッチ部14における欠陥(例えば、欠け、割れ、傷および異物付着等)の有無を、オペレータの目視により検査するためのものである。図2は、周部検査装置1における撮像部30の構成を、より詳しく示したものである。
【0014】
被検物であるウェハ10は、図1に示すように薄い円盤状に形成されており、その表面には、ウェハ10から取り出される複数の半導体チップ(チップ領域)に対応した回路パターン(図示せず)を形成するための薄膜(図示せず)が多層に重なっている。図2に示すように、ウェハ10の表面(上面)における外周端部内側には、上ベベル部11がリング状に形成され、この上ベベル部11の内側に回路パターンが形成されることになる。また、ウェハ10の裏面(下面)における外周端部内側には、下ベベル部12がウェハ10を基準に上ベベル部11と表裏対称に形成される。そして、上ベベル部11と下ベベル部12とに繋がるウェハ端面が、アペックス部13となる。ウェハ10は、後述するウェハホルダ24上に吸着保持された状態で回転駆動され、このときの回転角度位置は、ウェハ10の外周端部に形成されたノッチ部14を基準として、このノッチ部14からの回転角度によって特定することができるようになっている。
【0015】
周部検査装置1は、図1に示すように、ウェハ10を支持して回転させるウェハ保持部20と、ウェハ10の外周端部近傍(ノッチ部14)を撮像する撮像部30と、ウェハ保持部20に支持されたウェハ10の端面(アペックス部13)側方に配設されたサイド照明40と、撮像部30で撮像された画像データが入力されて所定の画像処理を行う画像処理部50と、ウェハ保持部20、撮像部30およびサイド照明40と電気的に接続されて、これらの駆動制御を行う駆動制御部60とを主体に構成される。画像処理部50において処理されて得られた画像は、例えば画像処理部50と電気的に接続された画像表示装置70に出力されて、オペレータが目視で検査できるようになっている。なお、上記サイド照明40を省略して周部検査装置1を構成することも可能であり、以下の説明では、サイド照明40を用いた構成を例示している。
【0016】
ウェハ保持部20は、平板状に形成された基台ベース21と、この基台ベース21に対して移動可能に配設された基台22と、基台22から上方へ垂直に延びて設けられた回転軸23と、回転軸23の上端部に略水平に取り付けられて上面側でウェハ10を支持するウェハホルダ24とを有して構成される。ウェハホルダ24の内部には真空吸着機構(図示せず)が設けられており、真空吸着機構による真空吸着を利用してウェハホルダ24上のウェハ10が吸着保持される。なお、ウェハホルダ24はウェハ10より径が小さく略円盤状に形成されており、ウェハホルダ24上にウェハ10が吸着保持された状態で、上ベベル部11、下ベベル部12、およびアペックス部13を含むウェハ10の外周端部近傍がウェハホルダ24からはみ出るようになっている。
【0017】
上記基台ベース21の内部には、基台ベース21に対して基台22を上下移動させる上下移動機構(図示せず)が設けられており、この上下移動機構により、基台22、回転軸23、ウェハホルダ24、およびウェハホルダ24により保持されたウェハ10が一体となって上下移動される。基台22の内部には、回転軸23を回転駆動させる回転駆動機構(図示せず)が設けられており、回転駆動機構により回転軸23を回転させることで、回転軸23に取り付けられたウェハホルダ24とともに、ウェハホルダ24上に吸着保持されたウェハ10がウェハ10の中心(回転対称軸O)を回転軸として回転駆動される。これら上下移動機構および回転駆動機構の駆動は、駆動制御部60からの作動信号に基づいて制御されるようになっている。
【0018】
撮像部30は、図2に示すように、例えば白色LEDやハロゲンランプ等の光源(図示せず)を備えた照明光学系31、開口絞り31a、入射光の一部を透過し一部を反射するハーフミラー32、対物レンズ33、およびイメージセンサ(図示せず)が内蔵されたカメラ本体35を主体に構成される。対物レンズ33の開口数NAは、例えば0.15に設定されており、また、開口絞り31aにおける絞り量の調整については後述する。なお、図2には、照明光学系31と開口絞り31aとが、別々となった構成を例示しているが、照明光学系31の内部に開口絞り31aが組み込まれた構成でも良い。
【0019】
この撮像部30は、ウェハ10の上ベベル部11(ノッチ部14)と対向するように配置された状態で、ウェハ10の回転軸(回転対称軸O)と平行な鉛直上方から、ウェハ10の外周端部近傍を撮像するようになっている。具体的には、照明光学系31から出射されて開口絞り31aで絞られた照明光の一部が、ハーフミラー32において反射されて対物レンズ33を介してウェハ10に照射され、ウェハ10からの反射光が、対物レンズ33を介してハーフミラー32を透過した後にイメージセンサに導かれることで、ウェハ10(ノッチ部14)の像が撮像される。そして、撮像部30で撮像された画像データは、画像処理部50へ出力される。なお、対物レンズ33を囲むように構成された輪状のリング照明34を併せて用いて、ウェハ10の外周端部近傍を補助照明するようにしても良く、後述する実施例2〜4においても同様である。
【0020】
サイド照明40は、内部に多数のLED等(図示せず)の光源を有して構成され、この光源からの照明光がアクリル板(図示せず)を透過して得られる散乱光により、ウェハ10の外周端部が照明されるようになっている。このサイド照明40は、ウェハ10の回転軸(回転対称軸O)と直交する方向からウェハ10の外周端部を補助照明する。
【0021】
画像処理部50は、回路基板(図示せず)等から構成されており、撮像部30(カメラ本体35)において得られた複数の画像データが入力されて、入力されたそれぞれの画像データにおける画素毎の信号強度を算出し、同じ画素同士の信号強度を比較して最も信号強度が高い、つまり最もコントラストが高く焦点の合った画素の画像データを抽出して、対応する画素位置に並べるようにして合成し、ウェハ10の外周端部近傍(ノッチ部14)の画像を生成するようになっている。
【0022】
駆動制御部60は、各種制御を行う制御基板(図示せず)等から構成され、この駆動制御部60からの制御信号により、ウェハ保持部20、撮像部30、およびサイド照明40の作動が制御されるようになっている。
【0023】
以上ここまでは、周部検査装置1の構成について説明したが、以下に、開口絞り31aにおける絞り量の調整について図3〜図11を参照して説明する。ここで、上記絞り量を調整することにより照明光学系31の開口数NAiが調整できるとともに、照明光学系31の開口数NAiおよび対物レンズ33の開口数NAoを用いて次式(1)のように定義される空間的コヒーレンスσを調整できるようになっている。
【0024】
σ=NAi/NAo …(1)
【0025】
この空間的コヒーレンスσは、ウェハ10の傷やくぼみ等の欠陥の見え方(検出感度)に影響を与えるものであり、上記周部検査装置1においては、最適な空間的コヒーレンスσとなるように検査前に開口絞り31aが調整されている。この開口絞り31aの調整は、結像シミュレーションの結果に基づいて行われるようになっており、以下において、上記シミュレーションの一例として、凹位相物体および凸位相物体をモデルとした結像シミュレーションについて説明する。なお、後述する実施例2〜4においても同様に、検査前に開口絞り31aの調整が行われる。
【0026】
まず、ウェハ10の傷やくぼみを凹位相物体で近似した結像シミュレーションについて説明する。ここでのシミュレーションは、図3に示すように、ウェハ10と対物レンズ33とを対向させた状態を想定しており、なお図3には、後述するフォーカス位置の方向を併せて示している。このウェハ10の表面に、図4に示すようなくぼみ幅2μm、表面からのくぼみ量0.1λ(λ=546nm)の凹位相物体を近似したモデルを仮定し、ウェハの表面およびくぼみ部分の反射率を1とする。対物レンズ33のNAを0.15、照明波長λを546nmとし、空間的コヒーレンスσ=1、0.8、0.5、0.3の4種類それぞれについて、フォーカス位置を+10μm、0μm、−10μmと変えて空間像強度分布(画像信号の信号強度分布)を計算した。その計算結果を、図5〜図8に示す。図5は、σ=1における空間像強度分布を示しており、空間像強度分布の中心部に僅かにくぼみ(強度低下)が見られるが、フォーカス位置を変化させても、空間像強度分布はほとんど変化しないことが分かる。
【0027】
図6はσ=0.8、図7はσ=0.5、図8はσ=0.3の場合をそれぞれ示しており、これら図6〜8においては,フォーカス位置0μmでは、空間像強度分布の中心部のくぼみは小さいが、フォーカス位置を変えると空間像強度分布が急激に変化することが分かる。例えばフォーカス位置を+10μmに設定すると、空間像強度分布の中心部のくぼみが大きくなり、逆に、フォーカスを−10μmに設定すると、空間像強度分布の中心部が盛り上がって強度が増加する。このことから、この中心部における強度は、σ=0.8よりもσ=0.5、σ=0.5よりもσ=0.3の場合の方が大きく変化し、また、凹位相物体の凹部分が空間像強度分布に反映されたものとなっていることが分かる。
【0028】
次に、上記凹位相物体に代えて、図9に示すような出っ張り幅2μm、表面からの出っ張り量0.1λの凸位相物体を近似したモデルを仮定し、ウェハの表面および出っ張り部分の反射率を1とする。この凸位相物体について、上述と同様にシミュレーションを行い、図10にσ=0.3の場合の結果を示す。図10から分かるように、フォーカス位置0μmでは、空間像強度分布の中心部の両脇に小さいくぼみがみられるが、フォーカス位置を変えると空間像強度分布が急激に変化する。例えばフォーカス位置を+10μmにすると、空間像強度分布の中心部が盛り上がり、逆に、フォーカス位置を−10μmにすると、空間像強度分布の中心部がくぼむことが分かる。
【0029】
以上のシミュレーション結果から、ウェハ面に位相物体が存在する場合、σ=0.5またはσ=0.3に設定し、フォーカス位置を変えながら観察すると、空間像強度分布に激しい強度変化が現れるため、位相物体を認識しやすいことが分かる。さらに、σ=0.5またはσ=0.3に設定して、フォーカス位置の変化方向および空間像強度分布における強度変化の方向を検出することで、凹位相物体であるかまたは凸位相物体であるかの識別も可能となる。
【0030】
次に、くぼみ幅2μm、表面からのくぼみ量0.1λの凹位相物体のモデルを仮定し、ウェハの表面およびくぼみ部分の反射率を1とする。この条件の下で、対物レンズ33のNAを0.15、照明波長λを546nmとした場合の、最適なσ値(照明条件)を求めるためのシミュレーション結果を図11に示す。図11は、σ値ごとにフォーカス位置を0μm、±5μm、±10μmと変えて空間像強度分布を計算し、縦軸にフォーカス位置0μmにおける凹部中心部の空間像強度に対する強度比率を、横軸にσ値をとったものを示している。
【0031】
図11では、縦軸の強度比率が1から離れるほど、位相物体の識別感度が高くなることを表しており、この強度比率の差が10%以上(強度比率が1.1以上または0.9以下)であることを最適条件と仮定すると、フォーカス位置±10μmではσ値0.7以下が最適条件となり、フォーカス位置±5μmではσ値0.3以下が最適条件となる。後述するように、周部検査装置1では例えば焦点深度が±30μmの状態で撮像が行われるようになっており、図11にはフォーカス位置±30μmのグラフを示していないが、この焦点深度における最適なσ値は0.8以下であるとする。
【0032】
よって、周部検査装置1により表面検査を行う前に、検出したい位相物体の大きさや位相量(欠陥の幅や表面からの凹凸量)、および撮像部30の焦点深度に応じたσ値となるように、上記シミュレーション結果を参照して開口絞り31aにおける絞り量の調整を行っておくことで、位相物体(欠陥)の検出感度を最適化することができる。
【0033】
以上ここまでは、開口絞り31aの調整について説明したが、以下に、周部検査装置1を用いてノッチ部14の欠陥の有無を検査する方法について説明する。
【0034】
まず、図1に示すように、被検物であるウェハ10をウェハホルダ24上に載置し、真空吸着機構によりウェハホルダ24に吸着保持させる。このとき、ウェハ10の中心とウェハホルダ24の回転中心とを完全に一致させた状態で載置することは困難であり、一般的に、この偏芯した状態でウェハ10を回転させながら外周端部近傍を撮像して、各回転位置における偏芯量を算出する。
【0035】
次に、ウェハホルダ24を回転させて、回転基準であるノッチ部14を撮像部30の光軸上(撮像部30の直下)に位置させる。この状態で、照明光学系31から照明光を出射するとともに、上下移動機構により、基台22、回転軸23、ウェハホルダ24、およびウェハホルダ24により保持されたウェハ10を一体として、基台ベース21に対して上下移動させる。そして、上下移動させた各上下位置において、撮像部30におけるカメラ本体35でノッチ部14の像を撮像する。具体的に説明すると、例えばウェハ10の厚みが0.6mm、撮像部30の焦点深度が±30μmである場合、焦点深度分(約60μm)ずつ約10回にわたってウェハ10を上方または下方に移動させるとともに、各上下位置においてノッチ部14の像を撮像する。このとき、上述のようにして焦点深度(±30μm)に応じた最適なσ値(0.8以下)となるように、開口絞り31aが調整されているので、ノッチ部14の画像を精度良く信号強度に反映させて検出可能である。
【0036】
このとき、カメラ本体35で撮像されたノッチ部14の複数の画像データが、画像処理部50に出力される。画像処理部50は、それぞれの画像データにおける画素毎の信号強度を算出し、同じ画素同士の信号強度を比較して最も信号強度が高い画素の画像データを抽出して、対応する画素位置に並べるようにして合成することで、コントラストが高く焦点の合ったノッチ部14の画像を生成する。このようにすることで、ウェハ10の厚みに達しない焦点深度の撮像部30を用いた場合でも、厚み方向(上下方向)全体にわたって焦点の合ったノッチ部14の画像を生成することができる。
【0037】
続いて、画像処理部50において得られた上記ノッチ部14全体の画像が、画像表示装置70に出力されて表示されることにより、オペレータは、ノッチ部14における例えば3μm程度の傷や異物等の有無を、簡易且つ確実に目視で検査可能となる。
【0038】
以上ここまでは、周部検査装置1を用いてノッチ部14の欠陥の有無を検査する方法について説明した。ところで、図2に示すように照明光学系31に加えて、リング照明34およびサイド照明40を併用して撮像されるノッチ部14の像は、各照明から出射された照明光により得られる像を合算したものとなる。そのために、シミュレーション結果に基づいて、最適な空間的コヒーレンスσとなるように開口絞り31aを調整しても、この調整の効果が低減されてしまう。そこで例えば、照明光学系31と、リング照明34およびサイド照明40とを、駆動制御部60により交互に点灯させることで、最適な空間的コヒーレンスσに設定した効果を維持した状態で撮像を行うことが可能となる。
【0039】
また、照明光学系31、リング照明34およびサイド照明40から出射される照明光の波長をそれぞれ変え、例えば撮像側にダイクロイックミラー等を用いて光路を分岐させて波長毎(照明毎)の像を撮像するようにしても、最適な空間的コヒーレンスσに設定した効果を維持した撮像が可能となる。さらに、例えばウェハ10の凹凸を識別したい場合には、リング照明34およびサイド照明40を用いることなく、照明光学系31のみを用いて対応することも可能である。
【0040】
上述の周部検査装置1のサイド照明40に代えて、例えば図12に示す周部検査装置1′のように、指向性を有したLED等の光源を内部に備えた上斜め照明41a、側方照明41bおよび下斜め照明41cからなるサイド照明41を用いて構成しても良い。このサイド照明41を用いて構成することで、上ベベル部11、下ベベル部12およびアペックス部13(ノッチ部14の端面)のそれぞれを確実に照明することができるので、カメラ本体35において鮮明なノッチ部14の像が撮像可能となる。よって、検査において、より細かな欠陥を発見することができるようになり、検査精度を向上させることができる。
【実施例2】
【0041】
以下に、図13を参照しながら、実施例2に係る周部検査装置2の構成について説明する。この周部検査装置2は、上述の周部検査装置1と比較して、撮像部80の構成が一部異なる点を除いて大部分が共通の構成となっている。具体的には、撮像部80においてノッチ部14の微分干渉像を撮像し、その画像データを基にノッチ部14全体の画像を求めて、欠陥の有無を検査するようになっている。そのため、周部検査装置1と共通部分には同一の番号を付してその説明を省略し、構成の異なる撮像部80を中心に説明する。
【0042】
周部検査装置2の撮像部80は、実施例1の撮像部30の構成(照明光学系31、開口絞り31a、ハーフミラー32、対物レンズ33およびカメラ本体35)に対して、微分干渉用部材である偏光子36、ウォラストンプリズム37および検光子38を組み込んで構成される。偏光子36は、自然光や円偏光から直線偏光を作り出すもので、開口絞り31aとハーフミラー32との間に配設される。ウォラストンプリズム37は、入射した光を2方向に分割するもので、対物レンズ33の入射瞳位置に配設される。検光子38は、2つの照明光を干渉させることで、その微分干渉像を結像面(カメラ本体35のイメージセンサ上)に形成するようになっており、ウォラストンプリズム37とカメラ本体35との間に配設される。
【0043】
この構成から、照明光学系31からの光は、偏光子36を通過することで直線偏光が取り出され、この直線偏光がハーフミラー32で反射されて、ウォラストンプリズム37に入射して2つの直線偏光に分離される。これら分離された2つ直線偏光は、対物レンズ33に入射するとともに、互いに平行となってウェハ10の外周端部(ノッチ部14)に照射される。ウェハ10の外周端部で反射された2つ直線偏光は、対物レンズ33の後側焦点面で交わるとともに、ここに配置されたウォラストンプリズム37により、ハーフミラー32に向けて同一光路上を進行する。そして、この2つの直線偏光は、ハーフミラー32を透過して検光子38に入射して重ねられ、その微分干渉像をカメラ本体35のイメージセンサ上に形成する。
【0044】
周部検査装置1(撮像部30)において、偏光子36、ウォラストンプリズム37および検光子38を、各光軸位置に対して挿抜可能に配設することで、周部検査装置2(撮像部80)を構成することも可能である。例えば、実施例1におけるノッチ部14の像を撮像して検査する場合には、偏光子36、ウォラストンプリズム37および検光子38を各光軸位置から外すとともにサイド照明40を点灯させ、一方で微分干渉像を基に検査する場合には、偏光子36、ウォラストンプリズム37および検光子38を各光軸位置に挿入するとともにサイド照明40を消灯させる。なお、サイド照明40に代えて、例えば図14に示す周部検査装置2′のように、上斜め照明41a、側方照明41bおよび下斜め照明41cからなるサイド照明41を用いても良い。
【0045】
以上のように構成される周部検査装置2を用いて、ノッチ部14の欠陥の有無を検査する方法については、上述の実施例1に係る周部検査装置1と同様であるので、ここではその説明を省略する。この周部検査装置2は、得られた微分干渉像の画像データを用いて、最も信号強度が高い画素の画像データを抽出し、対応する画素位置に並べて合成することにより、微分干渉像の特徴点である明瞭且つ解像度の高いノッチ部14の画像を生成することができる。よって、ノッチ部14における例えば1μm程度の傷や異物等の有無を、精度良く検査可能となる。
【実施例3】
【0046】
以下に、図15を参照しながら、実施例3に係る周部検査装置3の構成について説明する。この周部検査装置3は、上述の周部検査装置1と比較して、撮像部85の構成が一部異なる点を除いて大部分が共通の構成となっている。具体的には、撮像部85は、主としてノッチ部14の像を撮像するノッチ観察部86と、EBR(Edge Bevel Removal)により除去された薄膜(図示せず)の外周端部を撮像するEBR観察部87とが備えられており、検査対象(ノッチ部14および薄膜の外周端部)に応じて、ノッチ観察部86とEBR観察部87とを使い分けて検査できる構成となっている。周部検査装置1と共通部分には同一の番号を付してその説明を省略し、構成の異なる撮像部85を中心に説明する。
【0047】
周部検査装置3の撮像部85は、照明光学系31、開口絞り31a、第1ハーフミラー32a、第1対物レンズ33a、第2対物レンズ33b、第2ハーフミラー32b、ノッチ観察部86およびEBR観察部87を主体に構成される。ノッチ観察部86は、結像レンズ39aおよびカメラ本体35aから構成される。第2ハーフミラー32bを透過した照明光が、結像レンズ39aに入射して結像されることで、カメラ本体35aにおいて例えば10〜20倍の拡大像が得られるようになっている。EBR観察部87は、結像レンズ39bおよびカメラ本体35bから構成される。第2ハーフミラー32bで反射された照明光が、結像レンズ39bに入射して結像されることで、カメラ本体35bにおいて例えば等倍または等倍以下の像が得られるようになっている。なお、周部検査装置3は、サイド照明40を備えた構成でも良く、この構成の場合には、ノッチ観察部86によりノッチ部14の像を撮像する場合にのみ点灯させる。
【0048】
以上のように構成される周部検査装置3を用いて、薄膜(ウェハ10)の外周端部およびノッチ部14の欠陥の有無を検査する方法について、以下に説明する。以下においては、薄膜の外周端部を検査した後に、ノッチ部14の検査を行う場合を例示しているが、この検査順序は逆であっても良い。
【0049】
まず、ウェハ10をウェハホルダ24に吸着保持させて、撮像部85の光軸がウェハ10の外周端部に向くように配置し、照明光学系31から照明光を出射させた状態でウェハ10を回転させながら、EBR観察部87のカメラ本体35bにより薄膜の外周端部の像を約等倍で連続して撮像する。この撮像された複数の像の画像データが画像処理部50に出力され、画像処理部50は、例えば複数の画像データを撮像順に左右に並べるようにして合成することで、端部1周分を1つの画像にして、画像表示装置70に出力される。オペレータは、画像表示装置70に表示された端部1周分の画像を確認することで、薄膜の外周端部における欠陥の有無を簡易且つ確実に検査できる。このように、比較的低倍率で薄膜の外周端部を撮像することで、スループットを向上させて端部1周分を短時間のうちに検査することが可能となる。なお、画像処理部50は、カメラ本体35bから入力された画像データを合成することなく、そのまま画像表示装置70に出力するように構成されても良い。
【0050】
次に、ウェハホルダ24を回転させて、図15に示すようにノッチ部14を撮像部85の光軸上に位置させる。この状態で、実施例1で述べたようにして、上下移動機構を駆動させながらカメラ本体35aでノッチ部14の約10〜20倍の拡大像が撮像され、この拡大像の画像データが画像処理部50に出力されて合成された後、画像表示装置70に出力されて表示される。このとき、画像表示装置70に表示される画像は、約10〜20倍の拡大像を基に合成されてノッチ部14の細部まで高解像度で表示されているので、オペレータは、ノッチ部14における欠陥の有無を精度良く目視で検査できる。
【0051】
以上説明したように、周部検査装置3は、照明光学系31、開口絞り31a、第1対物レンズ33a、第2対物レンズ33b等を共用とした2つの観察部(ノッチ観察部86およびEBR観察部87)を備えている。そのため、観察対象に応じて上記2つの観察部を使い分けて撮像することで、例えば薄膜の外周端部全体を広範囲にわたって検査する際には、EBR観察部87により比較的低倍率で撮像することで、高スループットで短時間のうちに検査を完了させることが可能となる。一方、例えばノッチ部14を重点的に検査する際には、ノッチ観察部86により比較的高倍率で撮像することで、細部まで高精度に検査を行うことが可能となる。また、周部検査装置3を1台用いることにより、目的の異なる2種類の検査が行えるので、例えば検査目的に応じてそれぞれの周部検査装置を用意する必要がなく、検査のためのコストを低減することができる。
【実施例4】
【0052】
以下に、図16および図17を参照しながら、実施例4に係る周部検査装置4の構成について説明する。図16は周部検査装置4の全体概略図を、図17は周部検査装置4における撮像部90の構成の詳細をそれぞれ示したものである。この周部検査装置4は、上述の周部検査装置1と比較して、撮像部90およびウェハ保持部20′の構成が一部異なる点を除いて大部分が共通の構成となっている。周部検査装置1と共通部分には同一の番号を付してその説明を省略し、構成の異なる撮像部90およびウェハ保持部20′の構成を中心に説明する。
【0053】
撮像部90は、図17に示すように、照明光学系31、開口絞り31a、ハーフミラー32、対物レンズ33、およびカメラ本体35を主体に構成ており、上述の実施例1における撮像部30と同一部材からなる。この撮像部90には、ウェハ保持部20′(ウェハ10)に対して撮像部90を上下移動させる撮像部移動機構(図示せず)が組み込まれており、この撮像部移動機構は、駆動制御部60からの制御信号により制御されるようになっている。なお、図17に示す撮像部90に代えて、図13に示す微分干渉像を撮像する撮像部80を用いて構成することも可能である。
【0054】
ウェハ保持部20′は、図16に示すように、基台22′、回転軸23、ウェハホルダ24およびチルト機構25を主体に構成される。基台22′の内部には、回転軸23を回転駆動させる回転駆動機構が設けられており、この回転駆動機構により回転軸23を回転させることで、ウェハホルダ24上に吸着保持されたウェハ10が、回転対称軸Oを軸として回転駆動される。チルト機構25は、回転軸23とウェハホルダ24との間に配設されており、ウェハホルダ24およびウェハホルダ24上に吸着保持されたウェハ10を、回転軸23に対して一体として傾斜させることができるように構成されている。なお、ウェハ保持部20′に、ウェハ保持部20′全体を平面移動させる2次元移動機構(図示せず)を組み込んでも良い。こうすると、撮像部90とウェハ10との位置合わせを、高精度に行うことができる。さらに、撮像部90に組み込まれた撮像部移動機構に代えて、ウェハ保持部20′に上下移動機構を組み込んでも良い。
【0055】
以上のように構成される周部検査装置4を用いて、ノッチ部14の欠陥の有無を検査する方法について、以下に説明する。
【0056】
まず、ウェハホルダ24を回転させて、図16に示すように、ノッチ部14を撮像部90の光軸上に位置させるとともに、図17に示すように、ノッチ部14の端面が撮像部90により撮像できるように、チルト機構25によりウェハ10を傾斜させる。この傾斜させた状態で、照明光学系31から照明光を出射するとともに、撮像部移動機構により、撮像部90をウェハ10に対して上下移動させる。そして、実施例1と同様に、上下移動させた各上下位置において、撮像部90におけるカメラ本体35でノッチ部14を斜め上方から見た像を撮像し、この像の画像データが画像処理部50に出力されて合成された後、画像表示装置70に出力されて表示される。こうすることで、ノッチ部14を斜め上方から見た焦点の合った画像を、画像表示装置70に表示させることができるので、ウェハ10に対して直交する方向からは撮像しにくいノッチ部14の端面における欠陥の有無を高精度に検査することが可能となる。
【0057】
上述の実施形態において、ウェハ10の外周端部、特にノッチ部14を中心に検査する周部検査装置について説明したが、検査対象はウェハ10に限定されない。例えば、ガラス基板等を検査する場合に本実施形態を適用すると有効である。
【0058】
また、上述の実施形態において、イメージセンサとしてCCDやCMOS等といった増幅型固体撮像素子を用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施例1に係る周部検査装置の概略構成図である。
【図2】上記周部検査装置の撮像部近傍を示す側面図である。
【図3】シミュレーション時の設定を示す側面図である。
【図4】上記シミュレーションにおいて設定した凹位相物体のモデルである。
【図5】σ=1における空間像強度を示すグラフである。
【図6】σ=0.8における空間像強度を示すグラフである。
【図7】σ=0.5における空間像強度を示すグラフである。
【図8】σ=0.3における空間像強度を示すグラフである。
【図9】上記シミュレーションにおいて設定した凸位相物体のモデルである。
【図10】σ=0.3における空間像強度を示すグラフである。
【図11】強度比率とσとの関係を示したグラフである。
【図12】上記実施例1に係る周部検査装置の変形例を示す側面図である。
【図13】実施例2に係る周部検査装置の撮像部近傍を示す側面図である。
【図14】上記実施例2に係る周部検査装置の変形例を示す側面図である。
【図15】実施例3に係る周部検査装置の撮像部近傍を示す側面図である。
【図16】実施例4に係る周部検査装置の概略構成図である。
【図17】上記実施例4に係る周部検査装置の撮像部近傍を示す側面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 周部検査装置 10 ウェハ(被検基板)
14 ノッチ部(回転基準部) 20 ウェハ保持部(保持部)
25 チルト機構 30 撮像部
31 照明光学系 31a 開口絞り
33 対物レンズ(対物レンズ系)
35a カメラ本体(第2受光部)
35b カメラ本体(第1受光部)
39a 結像レンズ(第2結像レンズ系)
39b 結像レンズ(第1結像レンズ系)
50 画像処理部
86 ノッチ観察部(第2結像部)
87 EBR観察部(第1結像部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周部に回転基準部が形成された被検基板を保持する保持部と、前記被検基板の周部を撮像可能な撮像部とを備え、前記撮像部により撮像された前記被検基板の周部の画像を用いて前記被検基板の表面検査を行う周部検査装置であって、
前記保持部に保持された前記被検基板と前記撮像部とを前記撮像部の光軸方向に沿って相対移動させる駆動部と、
前記撮像部の光軸上に前記回転基準部を位置させた状態で、前記駆動部により相対移動させながら前記撮像部により撮像した前記回転基準部を含んだ複数の前記画像を用いて前記回転基準部の検査用画像を生成する画像処理部とを有することを特徴とする周部検査装置。
【請求項2】
前記撮像部が、照明光を出射する照明光学系と、前記照明光学系から出射された照明光を絞る開口絞りと、前記開口絞りを通過した照明光を入射して前記被検基板に向けて照射する対物レンズ系とを備え、
前記開口絞りの絞り量を調整することで、前記照明光学系の開口数を前記対物レンズ系の開口数で除することで求まる空間的コヒーレンスを調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の周部検査装置。
【請求項3】
前記保持部が、前記被検基板を保持した状態で前記撮像部の光軸に対して斜めに傾斜させるチルト機構を備えており、
前記チルト機構により前記被検基板を傾斜させ且つ前記撮像部の光軸上に前記回転基準部を位置させた状態で、前記駆動部により前記撮像部の光軸方向に沿って相対移動をさせながら前記撮像部により前記回転基準部像を含んだ前記画像を撮像することを特徴とする請求項1または2に記載の周部検査装置。
【請求項4】
前記撮像部が、照明光を分割して前記被検基板に照射する照明光照射部と、前記照明光照射部により照射されて前記被検基板において反射した前記分割された照明光を重ね合わせて干渉させた微分干渉画像を検出する微分干渉画像検出部とを備え、
前記画像処理部が、前記微分干渉画像検出部により検出された複数の前記微分干渉画像について、それぞれの前記微分干渉画像の部分毎に相対信号強度を求めて前記回転基準部の検査用画像を生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の周部検査装置。
【請求項5】
前記被検基板の表面には薄膜部材が設けられており、
前記撮像部が、
前記被検基板において反射した照明光を入射して結像させる第1結像レンズ系と前記第1結像レンズ系により結像された照明光を撮像する第1受光部とからなる第1結像部、および、
前記被検基板において反射した照明光を入射して結像させる第2結像レンズ系と前記第2結像レンズ系により結像された照明光を撮像する第2受光部とからなる第2結像部を備えて構成されており、
前記第1結像レンズ系の倍率よりも前記第2結像レンズ系の倍率の方が高くなるように構成されており、
前記駆動部による相対移動を停止させた状態で、前記第1結像部により前記被検基板の周部における前記被検基板と前記薄膜部材との境界近傍の境界画像を撮像し、前記第1受光部で得られた前記境界画像を前記被検基板と前記薄膜部材との境界検査用画像とし、
前記駆動部により相対移動させながら、前記第2結像部により前記回転基準部を含んだ複数の前記画像を撮像し、前記画像処理部により前記第2受光部で得られたそれぞれの前記画像の部分毎に相対信号強度を求めて前記回転基準部の検査用画像を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の周部検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−133841(P2010−133841A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310531(P2008−310531)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】