説明

回路基板、画像表示装置、回路基板の製造方法及び画像表示装置の製造方法

【課題】フレキシブル基板と接続可能な信頼性の高い回路基板を提供する。
【解決手段】基板上に、エネルギーを付与することにより低表面エネルギー状態から高表面エネルギー状態に変化する材料を含有する濡れ性変化層と、前記濡れ性変化層における高表面エネルギー状態の領域上に形成される複数の領域からなる第1の導電層と、前記第1の導電層の複数の領域間における前記濡れ性変化層上に形成される層間絶縁膜と、前記第1の導電層上に形成される第2の導電層とを有し、前記第2の導電層において、信号入出力のためのフレキシブル基板の接続電極と接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板、画像表示装置、回路基板の製造方法及び画像表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子や電子回路等に用いられている回路基板を製造する際には、フォトリソグラフィ法が用いられているが、フォトリソグラフィ法では、露光装置等高価な装置を必要とし、また、製造工程が複雑なものとなり、コストを上昇させる原因となっている。
【0003】
よって、回路基板を製造する際の製造コストを低減させるため、電極、半導体及び絶縁体を印刷法により形成する技術としてプリンタブルエレクトロニクスとして注目されている。このプリンタブルエレクトロニクスは、印刷装置を用いることにより、成膜とパターンニングを同時に行うことができ、従来の半導体プロセス技術であるフォトリソグラフィ法と比較すると、工程数が少なく、製造設備も簡素なものであり設備コストも低く、更に、必要な部分のみに電極や絶縁膜を印刷するため材料使用効率が高く、回路基板を低コストで製造することができる。
【0004】
一方、印刷技術は、電極、半導体、絶縁体をインク化またはペースト化し塗布する必要があり、インク及びペースト等の液体の表面張力及び基板との濡れ性等により解像度を高めることが困難であり、微細化が最大の課題となっている。
【0005】
このため、特許文献1では、エネルギーの付与によって、臨界表面張力が変化する濡れ性変化材料を用い、インクジェット印刷法によりナノ銀インクを滴下して形成する方法が開示されている。この方法は、簡単な設備により容易に微細パターンを形成することが可能であり、更には、数μm程度の微細配線形成が可能であり、フォトリソグラフィにより形成されるものに近い微細加工を行うことができる。
【0006】
このように形成された回路基板において、電気泳動素子や液晶、有機EL等の表示素子を駆動するための薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)を形成し、電気泳動素子や液晶、有機EL等の表示素子を組み合わせることにより画像表示装置を形成することができる。
【0007】
TFTアレイの形成されている回路基板には、TFTへ電気信号を入力し駆動するために、TFTにおける電極を引出した配線端部に接続領域を設け、外部ドライバICを有する外部回路基板を接続する必要がある。このような接続部の形態は、TFTの配線端部を複数本ずつまとめてブロック単位に分けて、各々のブロックに対してFPC(Flexible Printed Circuit)等の接続配線の接続端子と接続する構成となっている。
【0008】
また、特許文献2には、フィルム基板上に有機TFTの電極配線をTFTアレイの外部に引出し、周期的に配列された電極配線群の端部に、スルーホールの形成された層間絶縁膜を設け、このスルーホールを介して、導電性ペーストにより形成された接続用電極配線と有機TFTの配線とを接続し、外部回路基板の接続端子と導通させる方法が開示されている。
【0009】
また、特許文献3には、高精度なビアホールを有する層間絶縁膜の形成方法にスクリーン印刷を用いる技術が開示されている。絶縁インクを用いて、異なる2種類以上のパターンを重ねて印刷することにより、微細なビアホールを有する層間絶縁膜をスクリーン印刷法により形成することができる。また、同様にスクリーン印刷法により、スルーホールに導電性材料を埋込み、さらに画素駆動用電極を形成することも可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、特許文献1に開示されている方法では、非常に微細化された配線により接続領域を形成した場合、膜厚が薄くなってしまい、FPC等により直接接続する場合、重ね合わせずれにより隣接する配線のショートや、実装ダメージにより信頼性を確保するための抵抗が得られない可能性がある。
【0011】
また、特許文献2に開示されている方法では、印刷形成されたスルーホール部においては、その断面形状はすり鉢状となる特有の形状を有しており、導電性ペーストが局所的に充填されやすく、接続用電極幅が太くなるため、隣接する配線がショートしやすくなる可能性がある。
【0012】
以上のように、エネルギーの付与により臨界表面張力が変化する濡れ性変化材料と、ナノ銀インクを用いて、微細電極パターンをTFTアレイの引出し配線に用いた場合、高精細な電極配線の形成には極めて有効であるものの、この上に形成される層間絶縁膜の引き出し配線部においては導電性ペースト等により形成された配線がショートしやすく、外部回路基板の接続端子と接続するための接続用電極配線の形成が困難となる可能性がある。
【0013】
特許文献1及び特許文献2の場合において、印刷法としてスクリーン印刷を用いた場合について説明しているが、ここで、図1に基づきオフコンタクト方式のスクリーン印刷法について説明する。オフコンタクト方式のスクリーン印刷法では、ステージ100上に設置された印刷される基板101とスクリーン版102との間にクリアランス(空隙)を設けている。スクリーン版102は、スクリーン固定枠(外枠)104にスクリーン(メッシュ)105が形成されたものであり、スクリーン105の上に、ペースト106を載せて、ゴム製のスキージ107により、下方向に圧力をかけつつ走査することにより印刷を行う。尚、スキージ107に印加される下方向の圧力(スキージ圧)は、スクリーン105と基板101とが適切に接触するように設定されている。スクリーン105には、メッシュによって支持された乳剤によりマスキングがされており、乳剤の形成されていない開口領域(マスクの開口領域)からペーストが基板101上に供給される。スキージ107により、ペーストと開口部は、スクリーン105における開口領域において接触しているが、スキージ107が通過することにより、スキージ107により加えられていた下方向の圧力は解放されるため、乳剤の形成されていない開口領域に対応する領域の基板101上にペースト108を残した状態でスクリーン105は上方向に移動する。
【0014】
このような印刷法では、開口領域の面積により基板101上に残るペースト108の体積が異なってくる。即ち、面積が小さい開口領域は、面積が大きい開口領域に比べて、基板101上に残るペースト108の膜厚は薄くなる傾向にある。さらに、スクリーン版102と基板101との間に空間があると、ペースト108は流動性を有していることから、スクリーン105において乳剤の形成されていない開口領域のパターンとは異なるペースト108によるパターンが形成されてしまう場合があり、場合によっては、形成されたペースト108同士がつながってしまう場合がある。また、ペーストの表面張力と弾性により、ペースト108の断面形状は、上に凸の滑らかな曲面となる。更に、基板101における濡れ性によりパターンが濡れ広がったり収縮したりする場合がある。
【0015】
本発明は、上記従来の技術に鑑みてなされたものであり、エネルギーの付与により臨界表面張力が変化する濡れ性変化材料と、ナノ銀インクを用いて、微細電極パターンをTFTアレイの引出し配線に用いた場合においても、配線部において導電性ペースト等により形成された配線がショートすることなく、信頼性の高い回路基板、画像表示装置、回路基板の製造方法及び画像表示装置の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、基板上に、エネルギーを付与することにより低表面エネルギー状態から高表面エネルギー状態に変化する材料を含有する濡れ性変化層と、前記濡れ性変化層における高表面エネルギー状態の領域上に形成される複数の領域からなる第1の導電層と、前記第1の導電層の複数の領域間における前記濡れ性変化層上に形成される層間絶縁膜と、前記第1の導電層上に形成される第2の導電層と、を有し、前記第2の導電層において、信号入出力のためのフレキシブル基板の接続電極と接続されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、基板上に、エネルギーを付与することにより低表面エネルギー状態から高表面エネルギー状態に変化する材料を含有する濡れ性変化層と、前記濡れ性変化層における高表面エネルギー状態の領域上に形成される複数の領域からなる第1の導電層と、前記第1の導電層の複数の領域間における前記濡れ性変化層上及び、前記第1の導電層上に所定の間隔で形成される層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜の形成されていない第1の導電層上に形成される第2の導電層と、を有し、前記第2の導電層において、信号入出力のためのフレキシブル基板の接続電極と接続されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記第1の導電層はライン状に形成されるものであって、前記第1の導電層上に形成される第2の導電層のパターンは、隣接する前記第1の導電層上において、相互に異なるパターンが形成されていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記層間絶縁膜は、絶縁性フィラーと樹脂材料とを有するバインダを主成分とすることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、前記第2の導電層は、導電性材料からなる微粒子と樹脂材料とを有するバインダを主成分とすることを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記記載の回路基板と、表示素子と、を有することを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、前記表示素子に形成される画素電極と、前記第2の導電層とは、同一の材料により形成されていることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、前記回路基板の前記第1の導電層上にも層間絶縁膜が形成される場合において、前記層間絶縁膜が形成されていない領域となる第1の開口部と、前記表示素子における前記画素電極と前記画素電極を駆動するための電子回路とを接続するための第2の開口部とは、略同じ大きさであることを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、基板上に、エネルギーを付与することにより低表面エネルギー状態から高表面エネルギー状態に変化する材料を含有する濡れ性変化層を形成する濡れ性変化層形成工程と、前記濡れ性変化層にエネルギーを付与し、複数の前記エネルギーの付与された領域を高表面エネルギー領域とするエネルギー付与工程と、複数の前記高表面エネルギー領域上に複数の領域からなる第1の導電層を形成する第1の導電層形成工程と、前記第1の導電層の複数の領域間における前記濡れ性変化層上に層間絶縁膜を形成する層間絶縁膜形成工程と、前記第1の導電層上の前記層間絶縁膜の形成されていない領域に第2の導電層を形成する第2の導電層形成工程と、を有することを特徴とする。
【0025】
また、本発明は、基板上に、エネルギーを付与することにより低表面エネルギー状態から高表面エネルギー状態に変化する材料を含有する濡れ性変化層を形成する濡れ性変化層形成工程と、前記濡れ性変化層にエネルギーを付与し、複数の前記エネルギーの付与された領域を高表面エネルギー領域とするエネルギー付与工程と、複数の前記高表面エネルギー領域上に複数の領域からなる第1の導電層を形成する第1の導電層形成工程と、前記第1の導電層の複数の領域間における前記濡れ性変化層上に層間絶縁膜を形成する第1の層間絶縁膜形成工程と、前記第1の導電層上に所定の間隔で層間絶縁膜を形成する第2の層間絶縁膜形成工程と、前記第1の導電層上の前記層間絶縁膜の形成されていない領域に第2の導電層を形成する第2の導電層形成工程と、を有することを特徴とする。
【0026】
また、本発明は、前記層間絶縁膜は、スクリーン印刷法により形成されるものであることを特徴とする。
【0027】
また、本発明は、前記第2の導電層は、スクリーン印刷法により形成されるものであることを特徴とする。
【0028】
また、本発明は、前記第2の導電層において、信号入出力のためのフレキシブル基板における接続電極と接続されるものであって、前記第2の導電層を介して、前記第1の導電層の直上に前記接続電極が接続されるものであることを特徴とする。
【0029】
また、本発明は、前記記載の回路基板の製造方法を含むものであって、前記基板上には、表示素子を駆動するための電子回路が形成されており、前記表示素子を駆動するための画素電極は、前記第2の導電層形成工程において、前記第2の導電層とともに形成されるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、エネルギーの付与により臨界表面張力が変化する濡れ性変化材料と、ナノ銀インクを用いて、微細電極パターンをTFTアレイの引出し配線に用いた場合においても、配線部において導電性ペースト等により形成された配線がショートすることなく、信頼性の高い回路基板、画像表示装置、回路基板の製造方法及び画像表示装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】スクリーン印刷法の説明図
【図2】第1の実施の形態における回路基板の上面図
【図3】第1の実施の形態における回路基板の断面図
【図4】第1の実施の形態における回路基板の製造方法の工程図(1)
【図5】第1の実施の形態における回路基板の製造方法の工程図(2)
【図6】第1の実施の形態における別の回路基板の上面図(1)
【図7】第1の実施の形態における別の回路基板の上面図(2)
【図8】第1の実施の形態における別の回路基板の上面図(3)
【図9】第2の実施の形態における回路基板の上面図
【図10】第2の実施の形態における回路基板の断面図
【図11】第2の実施の形態における回路基板の製造方法の工程図
【図12】比較例1における回路基板の製造方法の工程図
【図13】比較例1における回路基板の製造方法の説明図
【図14】比較例1における回路基板の上面図
【図15】実施例3における有機TFT回路基板の製造方法の工程図(1)
【図16】実施例3における有機TFT回路基板の製造方法の工程図(2)
【図17】実施例3における有機TFT回路基板の上面図
【図18】実施例4における画像表示装置の構造図(1)
【図19】実施例4における画像表示装置の構造図(2)
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。
【0033】
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態について説明する。図2及び図3に基づき、本実施の形態における回路基板について説明する。図3は、図2における破線3A−3Bにおいて切断した断面図である。本実施の形態における回路基板は、基板11の表面にエネルギーを付与することにより、低表面エネルギー状態から高表面エネルギー状態に変化する材料を含有する濡れ性変化層12が形成されており、濡れ性変化層12において高表面エネルギー状態となった領域上に形成された第1の導電層13、第1の導電層13上にスルーホールの形成された層間絶縁膜14、層間絶縁膜14のスルーホールに形成された第2の導電層15を有するものである。尚、本実施の形態における回路基板では、第2の導電層15は、第1の導電層13上に離散的に形成されている。
【0034】
次に、図4及び図5に基づき本実施の形態における回路基板の製造方法について説明する。
【0035】
最初に、図4(a)に示すように、基板11上に濡れ性変化層12を形成する。
【0036】
基板11に用いられる基板としては、ガラス基板、SUS基板、Siウエハ等の半導体基板、無機材料からなる無機基板、有機材料等により形成されるフィルム基板等が挙げられ、配線、電子素子、電子素子アレイ、表示素子等を形成することができるものであれば特に限定されるものではない。フィルム基板は、軽量・ロバスト性の観点から好ましく、具体的には、ポリイミド(PI)基板、ポリエーテルサルホン(PES)基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)基板、ポリエチレンナフタレート(PEN)基板、ポリカーボネート(PC)基板、アクリル樹脂基板、ポリオレフィン基板等を用いることができる。尚、基板11となる基板を選定する際には、使用するインク材料による耐薬品性や、熱処理による変形・変質等の耐熱性を考慮して選択する必要がある。
【0037】
濡れ性変化層12は、エネルギーを付与することにより低表面エネルギー状態から高表面エネルギー状態に変化する材料を含有している。即ち、濡れ性変化層12は、熱、紫外線、電子線、プラズマ等のエネルギーを付与することにより、臨界表面張力(表面自由エネルギーともいう)が変化する材料を含有している。
【0038】
この濡れ性変化層12において、第1の導電層13が形成される領域が高表面エネルギー状態となるようにエネルギーを付与する。付与されるエネルギーとしては、特に、紫外線や電子線は、微細なパターンを形成するといった観点からは好ましい。また、電子線の場合には、濡れ性変化層12が有機材料の場合には、ダメージを与え絶縁性が低下する可能性があり、また、真空装置を必要とし、スループットを低下させる傾向にあるが、紫外線の場合には、濡れ性変化層12が有機材料の場合においても、ダメージを与えることがないため絶縁性が低下する可能性は少なく、また、大気中において露光することが可能であり、スループットも高いことから、特に好ましい。
【0039】
紫外線の照射によりエネルギーを付与する場合、濡れ性変化層12は、低コストでデバイスを作製する印刷法に対しては、高分子材料が好ましく、更には、側鎖に光感光性があり、疎水性基を有する高分子材料であることが好ましい。側鎖に、疎水性基を有することにより、紫外線が照射されていない状態では、表面自由エネルギーの低い膜を形成することができ、光感光性があるため紫外線照射後は、疎水性側鎖が分解し、高表面自由エネルギー領域が形成されるため、親液・撥液のコントラストを大きくすることが可能だからである。尚、本願においては、親液とは、濡れ性変化層上に塗布される液体が濡れ広がりやすいことをいい、撥液とは、濡れ性変化層上に形成される液体をはじきやすいことをいう。従って、濡れ性変化層に塗布される液体が水の場合では、親液とは親水の意味であり、撥液とは撥水の意味である。
【0040】
本実施の形態では、臨界表面張力が変化する材料としては、紫外線により、ある程度切断されても、剛直な構造であるため、充填性が良好なポリイミドを主鎖に用いることにより、吸湿がそれ程高くなく、また絶縁性が良好であるため、より信頼性の高い配線を形成することができる。ポリイミドとしては、ポリアミック酸を加熱することによる脱水縮合反応で生じる熱硬化型ポリイミドと、溶媒に可溶な可溶性ポリイミドがある。可溶性ポリイミドは、溶媒に溶解させた塗布液を塗布した後、200℃未満の低温で溶媒を揮発させることにより、濡れ性変化層12を形成することができる。一方、熱硬化型ポリイミドは、脱水縮合反応が生じる程度まで加熱しないと、反応が生じないため、一般に、200℃以上の高温にする必要がある。用途やプロセスに応じて、熱硬化型ポリイミド及び可溶性ポリイミドのいずれも使用することが可能である。ポリイミドは、2%程度の吸湿性を有しているが、絶縁性が高く安定しており、高い信頼性で濡れ性制御を行うことが可能である。
【0041】
本実施の形態では、濡れ性変化層12は、厚さが30nm〜3μmであることが好ましく、50nm〜1μmであることがさらに好ましい。厚さが30nmよりも薄い場合には、濡れ性変化層12としての機能上の特性を十分に得られない場合があり、3μmより厚い場合には、表面の形状が悪化し、平坦性等で問題を有する場合があるからである。
【0042】
濡れ性変化層12の形成方法は、スピンコートやスプレー塗布、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ダイコート等の印刷法により印刷焼成することにより表面エネルギーの小さな濡れ性変化層を形成することが可能である。
【0043】
次に、図4(b)に示すように、第1の導電層13が形成される領域に開口を有するフォトマスク21を用いて紫外線を照射する。これにより紫外線の照射された領域の濡れ性変化層12は高表面エネルギー状態に変化する。このようにして、濡れ性変化層12の表面に低表面エネルギー領域12aと高表面エネルギー領域12bを形成する。
【0044】
次に、図4(c)に示すように、濡れ性変化層12の高表面エネルギー領域12bに親水性の導電性インクを塗布し、その後、焼成することにより、濡れ性変化層12の高表面エネルギー領域12b上に、第1の導電層13が形成される。
【0045】
第1の導電層13を構成する材料としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、ビスマス(Bi)、鉛(Pd)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)のいずれか、若しくは、これらの材料からなる合金、または、ハロゲン化銀の微粒子が分散された親水性の導電性インク、これらの錯体からなる親水性の導電性インクを用いることができる。この他、カーボンナノチューブを分散させた親水性の導電性インク、PEDOT/PSS、ポリアニリン等の親水性の有機導電性インク等も用いることが可能である。特に、銀、銅は低抵抗であることから好ましい。
【0046】
導電性インク等の導電材料を含有する液体を塗れ性変化層12の表面に塗布する方法としては、スピンコート法、ディップコート法、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット法等が挙げられる。特に、インクジェット法は、小さな液滴を供給することができ、濡れ性変化層12における表面エネルギーの影響を受けやすくすることができるため好ましい。更に、インクジェット法では、材料の利用効率も極めて高いことから、低コストで回路基板を製造することができる。
【0047】
図5(a)は、このようにして濡れ性変化層12の高表面エネルギー領域12b上に第1の導電層13が形成されたものの上面図を示す。
【0048】
次に、図5(b)に示すように、第1の導電層13間にライン状の層間絶縁膜14aを印刷法により形成する。
【0049】
次に、図5(c)に示すように、第1の導電層13上及び周辺部にドット上の層間絶縁膜14b及び14cを形成する。尚、層間絶縁膜14は、ライン状の層間絶縁膜14aとドット状の層間絶縁膜14b及び14cにより構成されるものであり、ライン状の層間絶縁膜14aとドット状の層間絶縁膜14b及び14cにより、開口部を有する層間絶縁膜14が形成される。この開口部は、後述するように、第1の導電層13と第2の導電層15とを電気的に接続するためのものである。尚、濡れ性変化層12に形成される大きな領域のドット状の層間絶縁膜14cは、周辺部において膜厚が薄くなる傾向にあるため、ドット状の層間絶縁膜14bを重ねて形成することが好ましい。
【0050】
次に、図5(d)に示すように、層間絶縁膜14の開口部において、第1の導電層13が露出している領域に第2の導電層15を形成する。第2の導電層15は、コストの観点より、印刷法を用いることが好ましく、特に、厚い膜を形成することができ、スループットが高いという観点より、スクリーン印刷法が好ましい。よって、導電性ペーストを用いて、不図示の表示部における画素電極とともに、第2の導電層15を形成する。
【0051】
次に、図5(e)に示すように、FPC基板16を不図示のAFC(Anisotropic Conductive Film:異方導電フィルム)を用いて接続する。
【0052】
本実施の形態における回路基板では、図3に示されるように、層間絶縁膜14に乗り上げた状態で第2の導電層15が形成されるため、スクリーン印刷版と層間絶縁膜14との空間部分に第2の導電層15を形成するための導電性ペーストが入り込むことはないため、電極間でショートとなるパターンを形成することはない。また、FPC基板16との十分な接続を確保するため、比較的大きな開口を必要とするが、層間絶縁膜に形成される開口部は、内部に形成される表示部におけるスルーホールの開口部の大きさと大きく異なり、また、第2の導電層15における面積は、表示部における画素電極の面積と大きく異なるため、スクリーン印刷により形成する場合、双方を同時に形成する印刷条件を設定することが困難である。
【0053】
しかしながら、本実施の形態では、層間絶縁膜14の開口部に離散的に第2の導電層15を形成することにより、スクリーン印刷において、ペーストの吐出量を均一にすることができ、印刷条件を設定しやすくなる。また、本実施の形態では、FPC基板16は、第2の導電層15を介した第1の導電層13上において接続されるため、ACFを用いた接続においても、確実に接続することができる。
【0054】
尚、スクリーン印刷においては、ペーストの粘度、パターンサイズ、印刷条件等により形成されるパターンは、矩形形状や円形形状等に形成される場合があるが、本実施の形態における回路基板のように、第2の導電層15が離散的に形成されていれば、パターン形状がどのような形状であっても、形状に依存することなく同様の効果を得ることができる。
【0055】
また、図6に示されるように、第2の導電層15を隣接する第1の導電層13ごとに交互に異なるパターンで配置することにより、第2の導電層15の相互の距離を離して形成することができるため、より電気的な絶縁性が取りやすく、また、スクリーン印刷における印刷条件のマージンも広く確保することが可能となる。
【0056】
また、図7及び図8に示されるように、第2の導電層15の形成される領域が、略正方形や略円形の場合に限られず、略長方形や略長円形になるような構成であってもよい。この場合、スクリーン印刷の条件を考慮すると、縦横比の倍率は4倍以下であることが好ましい。
【0057】
尚、層間絶縁膜を形成する絶縁ペーストは、無機物フィラー若しくは、有機物フィラーと樹脂バインダとを適切な溶媒で溶解・分散したものが用いられる。無機物フィラーは、粒径や形状の制御がしやすく、耐熱性や耐久性に優れるため、特に好ましい。無機物フィラーは、絶縁体であることが必要であり、一般的な、酸化物、窒化物等を用いることが好ましい。フィラー径(粒子径)は、所望の膜厚や解像性によって最適なものを用いるが、1μm以下であることが好ましく、微細なパターンを形成する場合には、サブミクロン(500nm以下)であることが好ましい。また、粒子径の異なるフィラーを混合することにより、絶縁ペーストにチキソトロピック性を持たせ、パターンや使用するスクリーンメッシュの使用に最適化することができる。
【0058】
樹脂バインダは、フィラーを支持する機能を担い、必要な特性やインク化するための溶剤の可溶性から適切な樹脂を選定することができる。樹脂バインダの例としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチルセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。フィラー、バインダ、溶剤の混合比率は、印刷条件や形成される膜厚に応じて最適化することができる。また、絶縁ペーストの粘度は形成されるパターンの形状等に応じて最適化することが可能であるが、50Pa・s〜300Pa・sであることが好ましい。粘度が低すぎる場合には、スクリーン印刷の際における印刷不良や印刷後のペーストの流動によりパターンニング不良となり、粘度が高すぎる場合には、スクリーンと基板との剥離不良が発生する。
【0059】
第2の導電層15に用いられる導電性ペーストは、導電体フィラーと樹脂バインダを溶剤に熔解・分散したものを用いることが好ましい。導電体フィラーは、金属、合金、半金属、導電性化合物の微粒子が用いられる。この微粒子の粒子径は、絶縁ペーストと同様に印刷性能やパターン形状に合わせて最適化することができるが、好ましくは1μm以下、より好ましくは500nm以下である。樹脂バインダについては、絶縁ペーストと同様に、各種の樹脂材料を用いることができるが、溶剤の乾燥後にフィラー同士の接触により導電性を有する材料であることが要件となる。また、導電性ペーストは、乾燥だけでなく熱処理を行うことにより、バインダを収縮させることも可能であるため、例えば、熱硬化樹脂等の高温で収縮する材料を用いることができる。また、導電性ペーストの粘度は、形成される第2の導電層15の形状に応じて最適化することが可能であるが、50Pa・s〜300Pa・sであることが好ましい。粘度が低すぎる場合には、スクリーン印刷の際における印刷不良や印刷後のペーストの流動によりパターンニング不良となり、粘度が高すぎる場合には、スクリーンと基板との剥離不良が発生する。形成される第2の導電層15の膜厚は、電気的特性より最適化する必要があるが、1μmから20μmの範囲であることが好ましい。
【0060】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態と異なり、第1の導電層13上にドット状の層間絶縁膜14bを形成することなく、ライン状の層間絶縁膜14a及びドット状の層間絶縁膜14cを形成した後、第1の導電層13上に第2の導電層15をライン状又はドット状に形成したものである。
【0061】
本実施の形態では、図9及び図10に示すように、形成された第1の導電層13の直上に第2の導電層15を形成する構成であってもよい。この場合、第1の導電層13上にはドット状の層間絶縁膜14bを形成する必要がない。尚、図10は、図9における破線10A−10Bにおいて切断した断面図である。
【0062】
次に、本実施の形態における回路基板の形成方法について説明する。
【0063】
図11(a)には、濡れ性変化層12の高表面エネルギー領域12b上に第1の導電層13が形成されたものの上面図を示す。
【0064】
次に、図11(b)に示すように、第1の導電層13間にライン状の層間絶縁膜14aを印刷法により形成する。
【0065】
次に、図11(c)に示すように、第1の導電層13上及び周辺部にドット上の層間絶縁膜14cを形成する。尚、層間絶縁膜14は、ライン状の層間絶縁膜14aとドット状の層間絶縁膜14cにより構成されるものであり、第1の導電層13上にはライン状の開口部を有する層間絶縁膜14が形成される。この開口部は、後述するように、第1の導電層13と第2の導電層15とを電気的に接続するためのものである。
【0066】
次に、図11(d)に示すように、層間絶縁膜14の開口部において、第1の導電層13が露出している領域に第2の導電層15を形成する。第2の導電層15は、コストの観点より、印刷法を用いることが好ましく、特に、厚い膜を形成することができ、スループットが高いという観点より、スクリーン印刷法が好ましい。よって、導電性ペーストを用いて、不図示の表示部における画素電極とともに、第2の導電層15を形成する。
【0067】
次に、図11(e)に示すように、FPC基板16を不図示のAFC(Anisotropic Conductive Film:異方導電フィルム)を用いて接続する。
【0068】
尚、上述した記載以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【実施例】
【0069】
次に、本発明の実施の形態における実施例について説明する。
【0070】
(実施例1)
実施例1について説明する。実施例1は第1の実施の形態に基づくものである。
【0071】
図4(a)に示すように、ウエット洗浄を行った基板11となるガラス基板上に、濡れ性変化層12を形成する。具体的には、側鎖に疎水性基を有する熱硬化型ポリイミドのNMP溶液を1500rpmの回転数でスピンコートし、窒素雰囲気中で100℃のオーブンによりプリベークした後、同じく窒素中において200℃のオーブンで1時間のポストベークを行い、約100nmの膜厚の濡れ性変化層12を形成する。このとき、濡れ性変化層12の表面には、疎水性の側鎖を有するポリイミドにより、低表面エネルギー状態となっている。
【0072】
次に、図4(b)に示すように、配線パターンに相当する部分が開口しているフォトマスクを用いて、濡れ性変化層12に、波長が300nm以下の紫外線(超高圧水銀ランプ)を照射し、同一膜面上に、紫外線を照射した領域と、照射されていない領域を形成する。濡れ性変化層12には、紫外線が照射された高表面エネルギー領域12bと、紫外線が照射されていない低表面エネルギー領域12aとが形成される。照射される紫外線照射量は、8J/cmとした。尚、本実施例では、露光には、液晶用の露光装置を用い、コンタクト方式またはプロキシミティ方式により露光を行った。コンタクト方式の露光では、パターンの解像度は高くなるものの、濡れ性変化層12とフォトマスクとを密着させる必要があり、フォトマスクの表面が汚れてしまい、一定回数露光を行う度に、フォトマスクを洗浄する必要がある。一方、プロキシミティ方式では、濡れ性変化層12とフォトマスクとは接触しないため、解像度は多少低下する可能性があるものの、量産には適している。本実施例では、フォトマスクとして、第1の導電層13の配線ピッチが100μm、線幅が60μm、配線間隔(スペース)が40μm、100本の配線が1ブロックとなるフォトマスクを用いた。
【0073】
次に、図4(c)に示すように、インクジェット方式により、粒径約30nm程度のAg粒子を水系溶媒に分散した金属微粒子分散液(ナノメタルインク)を吐出し、高表面エネルギー領域上に選択的に付与した。インクジェット方式の場合では、比較的高価なAg微粒子からなる金属微粒子分散液を第1の導電層13が形成される領域に選択的に供給することができるため、他のプロセスに比べて、材料の利用効率も高く、プロセス工程数を削減することができる。よって、低コストで、回路基板を形成することができる。尚、ナノメタルインクとしては、水系の金属微粒子分散液を用いているため、高表面エネルギー領域の全体にわたり広がり、インクジェット方式により供給される液滴の大きさに依存することなく、微細なパターンを形成することができる。この後、大気中において100℃のオーブンでプリベークを行い、更に、同様に大気中で200℃のオーブンで1時間のポストベークを行い、配線ピッチが100μm、線幅が60μm、配線間隔(スペース)が40μm、厚さが150nm、100本の配線が1ブロックとなる第1の導電層13を形成した。
【0074】
次に、層間絶縁膜14を形成する。最初に、絶縁ペーストを作製する。具体的には、フェノール樹脂をエチレングリコールに溶解した樹脂中にシリカ微粒子を均一分散させることにより作製した。シリカ微粒子の直径は約200nmであり、分散には3本ロールミルを用いて混練することにより行った。この後、エチレングリコールを添加することにより、粘度が80Pa・sに調整して、絶縁ペーストを作製した。作製された絶縁ペーストにおいて、樹脂バインダ、シリカ微粒子、溶媒の質量比率を分析したとこと、樹脂バインダ、:シリカ微粒子:溶媒=30:40:30であった。
【0075】
層間絶縁膜14は、ライン状の層間絶縁膜14aと、ドット状の層間絶縁膜14b及び14cを積層することにより形成した。このため、層間絶縁膜14を形成するためのスクリーン版として、ライン状の層間絶縁膜14aに対応するものと、ドット状の層間絶縁膜14b及び14cに対応するものとの2種類のものを用いた。スクリーン版は、外寸550mm四方のアルミダイキャスト製の版枠(内寸450mm)にポリエステルメッシュを張り合わせて、その後、ステンレス製のメッシュを400mmで四方張り合わせた後、ステンレスメッシュ上のポリエステルメッシュを取り除くことによりスクリーン印刷用の版を作製した。
【0076】
ポリエステルメッシュは印加される応力の範囲内で弾性変形することが必要であると同時に、高い張力に耐える仕様であることが好ましい。更に、伸縮性を有し、繰り返しの伸縮による塑性変形が生じない材質(印加される応力の範囲内で弾性変形する材質)であることが必要とされる。一般的には、スクリーン印刷用として360メッシュ(1インチあたり360本)のものを用いることができる。
【0077】
作製されたポリエステルメッシュ上にステンレスメッシュを張り付ける。ステンレスメッシュは張力による弾性変形が極めて少ないため、ポリエステルメッシュとことなり張力によるパターンの伸縮がなく、安定した寸法精度を得ることができるというメリットを有している。この反面、限界以上の応力が加わると、塑性変形してしまい、パターン形状を著しく悪化させることになるため、高張力に対応した材質及び太さのステンレス線材を用いることが必要となる。本実施例では、アサダメッシュ製ステンレスメッシュを用いて版を作製した。線径は19μmであり、メッシュ密度は500本/インチのものを用いた。この際、メッシュの縦糸方向を版枠に対して30°傾けて張り合わせをした。これは、印刷するパターンの周期とメッシュ周期により生じるモアレを防止して、より均一なパターンを得るためである。
【0078】
上記スクリーンメッシュ上に感光性乳剤を塗布し、遮蔽部分を紫外線露光した後に、露光されていない部分を洗い流すことにより、スクリーンマスクを得ることができる。
【0079】
図5(c)に示すように、上述した方法により作製したスクリーンと、絶縁ペーストを用いて、層間絶縁膜14を形成した。スクリーン印刷を行うための印刷装置は、マイクロテック製スクリーン印刷機MT−550を用いた。スキージは、ウレタンゴム製の平型スキージを用い、スクリーン面とスキージの角度を70°に設定した。また、基板11とスクリーンの下面との距離(クリアランス)は、1.5mmに設定し、スキージの走査速度は40mm/sに設定して印刷を行った。最初に図5(b)に示すように、ライン状の層間絶縁膜14aを印刷し、その後、100℃の熱処理を行い、溶媒成分を揮発させた後、図5(c)に示すように、ドット状の層間絶縁膜14b及び14cを印刷する。この後、100℃にて120分間の熱処理を行うことにより、開口部であるスルーホールの形成された層間絶縁膜を形成した。形成されるスルーホールの形状は略矩形であり、約40×40μmの大きさの開口部を100μmピッチで形成した。
【0080】
次に、図5(d)に示すように、形成された層間絶縁膜上に画素電極及び第2導電層15を形成した。スクリーンは、層間絶縁膜14の場合と同様の手法により作製する。作製されたスクリーンは、画素電極及び第2導電層15を形成するためのものであり、第2の導電層15を形成するための領域においては、約50×50μmの大きさの開口部が100μmピッチで形成されている。
【0081】
第2の導電層15を形成するために用いられる導電性ペーストは、熱硬化型の銀ペースを用いた。印刷方法は、層間絶縁膜14を形成する場合と略同様の方法で行い、導電性ペーストを印刷した後、100℃で60分の熱処理を行い、作製した第2の導電層15は、略矩形の形状で形成され、約60×60μmのものが100μmピッチで、700μmの接続エリア長において、7個の第2導電層15を形成した。
【0082】
この後、図5(e)に示すように、FPC基板16と接続される。
【0083】
第2の導電層15を光学顕微鏡により観察したところ、各々の電極は均一に形成されていると同時に、抜けや隣接電極との接触がないことも確認された。また、第1の導電層13と第2の導電層15との間において、プローブを接触させたところ、導通が確認された。更に、1ブロック100本からなるパターンにおいて、隣接間の第1の導電層13間に40Vの電圧を印加し、電流値を測定したところ、10pA以下の電流量であり、隣接する電極間リーク電流は極めて小さく、ほぼ完全に絶縁されていることが確認された。
【0084】
以上の本実施例により、本実施の形態における基板上にエネルギーを付与することにより、低表面エネルギー状態から高表面エネルギー状態に変化する材料を含有する濡れ性変化層と、高表面エネルギー状態となった領域(高表面エネルギー領域)に、形成された第1の導電層13と、第1の導電層13を分離する層間絶縁膜14、層間絶縁膜14上に離散的に第2の導電層15を形成した場合、良好なパターンニングが可能であり、また、電気的に絶縁されることを確認することができた。
【0085】
(比較例1)
次に、図12、図13に基づき比較例1について説明する。
【0086】
最初に、図12(a)に示すように、基板上に濡れ性変化層が形成されているものに、エネルギーを付与し、高表面エネルギー領域を形成し、形成された高表面エネルギー領域上に第1の導電層113を形成する。尚、基板は図13において基板111として示されるものであり、濡れ性変化層は図13において濡れ性変化層112として示されるものである。形成される第1の導電層112は、配線ピッチが100μm、線幅が60μm、配線間隔(スペース)が40μm、膜厚が150μm、配線の100本が1ブロックとなっているものである。
【0087】
次に、図12(b)に示すように、第1の導電層113の間に、ライン状の層間絶縁膜114aを形成する。このライン状の層間絶縁膜114aは印刷法により形成されるが、ライン状の層間絶縁膜114aの形成される領域の濡れ性変化層は低表面エネルギー状態となっており(低表面エネルギー領域となっており)、印刷された絶縁ペーストをはじきやすくなっている。
【0088】
次に、図12(c)に示すように、大きなドット状の層間絶縁膜114bを形成することにより、第2の導電層115が形成される領域に開口部を形成する。尚、ライン状の層間絶縁膜114a及び大きなドット状の層間絶縁膜114bを形成する際には、絶縁ペーストとして、フェノール樹脂をエチレングリコールに溶解した樹脂溶液中にシリカ微粒子を均一に分散したものを用いた。スクリーン印刷では、基板111とスクリーン下面との距離(クリアランス)は1.5mmであり、スキージ走査速度40mm/sで行った。この後、100℃にて120分間熱処理を行うことにより、溶媒成分を揮発させた。このようにして形成されたスルーホールの形状は、700μm×40μmの大きさのものである。
【0089】
次に、図12(d)に示すように、第2の導電層115をスクリーン印刷法により形成する。この際、表示部の画素電極も同時に形成する。具体的には、熱硬化型の銀ペーストを用いて、スクリーン印刷法により、パターンを形成した。スクリーン印刷の方法は上述した層間絶縁膜の場合とほぼ同様である。熱処理条件は、100℃で60分間熱処理を行った。これにより、第2の導電層115の電極間ピッチは100μm、大きさが1000μm×60μm、FPC基板116と接続される領域の長さが260μmの第2の導電層115が形成される。
【0090】
この後、図12(e)に示すように、FPC基板116と接続する。
【0091】
比較例1では、第2の導電層15を光学顕微鏡により観察したところ、第2の導電層115の端部においてパターン形成不良が発生しており、隣接する電極間の接触は、1ブロック100本当たり8本確認された。
【0092】
また、第1の導電層113と第2の導電層115との間にプローブを接触させたところ、導通が確認された。また、隣接間の第1の導電層113間に40Vの電圧を印加し、電流値を測定したところ、一部の隣接電極間において、1μA以上の電流値が測定された。3ブロックについて測定を行ったところ、それぞれ、12本、8本、16本の電極が接触しショートしており、電気的に不良なものであった。
【0093】
比較例1において、このように不良となった原因について説明する。図13は、図12(d)の工程における断面図であり、具体的には、図12(d)において、破線13A−13Bにおいて切断した断面図を図13(a)に、破線13C−13Dにおいて切断した断面図を図13(b)に、破線13E−13Fにおいて切断した断面図を図13(c)に示す。
【0094】
図13(c)に示される外部の駆動回路と接続するためのFPC基板116との接続領域では、層間絶縁膜114上に、第2の導電層115が形成されている。このように、層間絶縁膜114上に、第2の導電層115が形成されている場合では、第2の導電層115の凹凸は顕著なものとなり、FPC基板116との接続の際に、AFCを用いる場合には適したものとなる。しかしながら、図13(a)に示されるように、第2の導電層115は、第1の導電層113上に形成された領域と、層間絶縁膜114上に形成された領域により構成されるため、第1の導電層113と層間絶縁膜114との境界部分において、スクリーン版との間に空間が形成されてしまう。
【0095】
具体的には、図14に示されるように、破線で囲まれた領域121及び122において隣接する第2の導電層115が接触し、ショートが生じ不良となってしまう。可能性がある。このことは、比較例1における特有の問題であり、導電性ペーストの粘度やスキージ走査速度等を高速化する等の印刷条件の最適化により回避することも可能ではあるが、製造マージンが極めて狭くなり、歩留まりを低下させてしまう。
【0096】
よって、比較例1では、電極同士が接触し不良となったものと考えられる。
【0097】
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。実施例2は第1の実施の形態に基づくものである。本実施例は、実施例1と同様の方法により、図5(a)に示すように、第1の導電層13を形成した。形成された第1の導電層13は、第1の導電層13の配線ピッチが100μm、線幅が60μm、電極間隔(スペース)が40μm、膜厚が150μm、100本の電極が1ブロックとなっているものである。
【0098】
次に、図8に示すように、隣接する第1の導電層13間のピッチは100μmのままで、隣接する第2の導電層15のピッチが200μmとなるように、層間絶縁膜14及び第2の導電層15を形成する。
【0099】
この際、層間絶縁膜14に形成されるスルーホールの形状は、80μm×40μm(ピッチ200μm側が80μm)となるように、絶縁ペーストとして、フェノール樹脂をエチレングリコールに溶解した樹脂溶液中にシリカ微粒子を均一に分散したものを用いて、ライン状の層間絶縁膜14aとドット状の層間絶縁膜14b及び14cを形成することにより、開口部を有する層間絶縁膜14を形成した。尚、スクリーン印刷を行う際には、基板とスクリーン下面との距離(クリアランス)が1.5mm、スキージ走査速度が40mm/sで形成した。熱処理条件は、ライン状の層間絶縁膜14aを印刷した後に、100℃で熱処理を行い、その後、ドット状の層間絶縁膜14b及び14cを印刷した後に、100℃にて120分間熱処理を行うことにより、溶媒成分を揮発させた。
【0100】
次に、熱硬化型の銀ペーストを用いて、スクリーン印刷法により、第2の導電層15を形成した。スクリーン印刷の条件は、層間絶縁膜14の場合と同様であり、熱処理条件は、100℃で60分行った。隣接する第2の導電層15のピッチは100μmであり、同一パターンとなる第2の導電層15のピッチは200μmであり、第2の導電層15の大きさは約100μm×60μm、FPC基板16との接続エリア長を800μmとした。
【0101】
第2の導電層15を光学顕微鏡により観察したところ、各々の電極は均一に形成されていると同時に、抜けや隣接電極との接触がないことも確認された。また、第1の導電層13と第2の導電層15との間において、プローブを接触させたところ、導通が確認された。更に、1ブロック100本からなるパターンにおいて、隣接間の第1の導電層13間に40Vの電圧を印加し、電流値を測定したところ、10pA以下の電流量であり、隣接する電極間リーク電流は極めて小さく、ほぼ完全に絶縁されていることが確認された。
【0102】
(実施例3)
実施例3は、ボトムゲート構造の有機TFT回路基板である。図15及び図16に基づきボトムゲート構造の有機TFT回路基板の製造方法について説明する。図15は断面図であり、図16は上面図である。尚、TFTのピッチは、127μm、FPCとの接続部のピッチは、100μmである。
【0103】
図15(a)及び図16(a)に示すように、実施例1と同様に、ガラス基板50上に疎水性基を側鎖に持つポリイミドのNMP溶液をスピンコートにより塗布し、膜厚50nmの濡れ性変化層51を形成した。次に、不図示のフォトマスクを用いて、波長が300n以下の紫外線(超高圧水銀ランプ)を照射量が8J/cmとなるように照射し、濡れ性変化層51上に高表面エネルギー領域を形成した。さらに、インクジェット法により、高表面エネルギー領域にAg微粒子からなる金属微粒子分散液を吐出し、180℃で焼成して、電極幅40μm、膜厚100nmのゲート電極52及び選択線52aを形成する。この際、図17に示すように、表示素子の形成さる領域70の周囲に形成される選択線接続ブロック71において、不図示の第1の導電層を127μmのピッチで、線幅が60μmで形成する。
【0104】
この上に、ポリイミド溶液と疎水性基を側鎖に持つポリイミドのNMP混合溶液をスピンコートにより塗布し、180℃にて焼成し、ゲート電極52を覆うように厚さ500nmの濡れ性変化層53を形成した。次に、不図示のフォトマスクをもちいて、波長が300n以下の紫外線(超高圧水銀ランプ)を照射量が10J/cmとなるように照射し、濡れ性変化層53上に、高表面エネルギー領域を形成し、更に、インクジェット法により、形成された高表面エネルギー領域にAg微粒子からなる金属微粒子分散液を吐出し、180℃で焼成して、ソース電極54、ドレイン電極55及び新合成54aを形成した。この際、図17に示すように、表示素子の形成さる領域70の周囲に形成される信号線接続ブロック72において、不図示の第1の導電層を127μmのピッチで、線幅が60μmで形成する。
【0105】
次に、化1に示す式で表される有機半導体材料であるトリアリールアミンをキシレン/メシチレン混合溶媒に溶解させた塗布液をソース電極54とドレイン電極55との間にチャネルが形成れるように、インクジェット法により滴下し、120℃で乾燥させ、膜厚30nmの有機半導体層56を形成し、有機トランジスタを形成した。尚、本実施例では、濡れ性変化層52は、ゲート絶縁膜としての機能を有するものである。
【0106】
【化1】

形成された有機トランジスタの特性を評価したところ、127μmピッチの電極のパターン特性は良好であり、オンオフ比は5桁以上あり、4×10−3cm/Vsの電界効果移動度を有する有機トランジスタを得ることができる。また、ゲート電極52、ソース電極54及びドレイン電極55の密着性は良好であり、スクリーン印刷により、低コストで微細配線が可能な電子デバイスを作製することができる。
【0107】
ここで、半導体層56を形成するための材料として、化1に示す高分子有機半導体材料を用いたが、CdSe、CdTe、Si等の無機半導体材料、ペンタセン、アントラセン、テトラセン、フタロシアニン等の有機低分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリパラフェニレン及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体等のポリフェニレン系導電性高分子、ポリピロール及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリフラン及びその誘導体等の複素環系導電性高分子、ポリアニリン及びその誘導体等のイオン性導電性高分子等の有機半導体を用いることができる。特に、有機半導体は、印刷法により低コストで製造することができるため好ましい。
【0108】
次に、図16(b)に示すように、スルーホール57を有する層間絶縁膜58を形成する。層間絶縁膜58は、前述したようにスクリーン印刷法等により形成する。スルーホール57はドレイン電極55上に形成される。
【0109】
次に、図16(c)に示すように、形成されたスルーホール57を埋め込むように画素電極59を形成する。これにより、ドレイン電極55と画素電極59とが接続される。
【0110】
図15(b)は、この状態の断面図である。尚、この際、図17に示す選択線接続ブロック71において、FPC基板73と接続するための接続部も同時に形成する。尚、選択線接続ブロック71においては、隣接間の離散的な第2の導電層が交互に配置される構成とした。具体的には、実施例1及び2と同様に、ライン状の層間絶縁膜とドット状の層間絶縁膜によりスルーホールを有する層間絶縁膜を形成する。形成される表示素子の形成される領域70におけるスルーホール57の形状は25μm×35μm、ピッチ127μmで形成した。尚、第2の導電層を形成するためのスルーホールの形状は、25μm×35μm、引き出し線に沿った方向のピッチが100μmであり、引き出し線に垂直な方向におけるピッチは127μmである。
【0111】
絶縁ペーストとしては、フェノール樹脂をエチレングリコールに溶解した樹脂溶液中に、シリカ微粒子を均一に分散したものを用い、基板50とスクリーン下面との距離(クリアランス)が1.5mm、スキージの走査速度が40mm/sにより形成することにより、開口部を有する層間絶縁膜58を印刷した。このように形成されたスルーホールの大きさと、表示素子の形成される領域70におけるスルーホールの大きさは略等しく、形成されるスルーホールのピッチも略同じであるため、印刷されるパターンに大きな差はない。このため、良好にスルーホールの形成された層間絶縁膜を印刷することができた。印刷された層間絶縁膜の熱処理条件は、ライン状の層間絶縁膜を印刷した後に、100℃で熱処理を行い、その後、ドット状の層間絶縁膜を印刷した後、100℃にて120分間熱処理を行うことにより、溶媒成分を揮発させた。これにより、スルーホールを有する層間絶縁膜58を形成した。
【0112】
次に、形成された層間絶縁膜58上に熱硬化型の銀ペーストを用いて、表示素子の形成される領域70における画素電極59及び、選択線接続ブロック71における第2の導電層を形成した。画素電極59及び第2の導電層の形成方法は、銀ペーストを用いたスクリーン印刷によりパターンの形成を層間絶縁膜の場合と同様の方法で行い、その後、100℃で60分の熱処理を行うことにより形成した。表示素子の形成される領域70における画素電極59を形成するためのスクリーン版の開口部を60μm×60μm、ピッチ127μmで形成し、第2の導電層を形成するための開口部の形状も60μm×60μm、ピッチ127μmで形成した。尚、第2の導電層は、引き出し線に沿った方向におけるピッチが100μmであり、引き出し線に垂直な方向におけるピッチは127μmである。形成される第2の導電層の大きさは約75μm×75μmであり、引き出し方向におけるピッチは127μmであることから良好に分離されている。尚、FPC基板と接続される領域に幅である接続エリア長は約635μmである。
【0113】
第2の導電層の形成状況を光学顕微鏡により観察したところ、各々の電極は均一に形成されていると同時に、抜けや隣接電極との接触がないことも確認された。また、選択線接続ブロック71及び信号線接続ブロック72における第1の導電層と第2の導電層との間において、プローブを接触させたところ、導通が確認された。更に、隣接間の第1の導電層間に40Vの電圧を印加し、電流値を測定したところ、10pA以下の電流量であり、隣接する電極間リーク電流は極めて小さく、ほぼ完全に絶縁されていることが確認された。
【0114】
尚、図17に示されるように、選択線接続ブロック71及び信号線接続ブロック72には、各々FPC基板73及び74が接続される。
【0115】
(実施例4)
実施例4は、実施例3における有機TFT回路基板を用いて作製される画像表示装置である。
【0116】
具体的には、図18に示すように、図15(b)に示す有機TFT回路基板上に、電気泳動表示素子61と、対向電極62の形成された上部基板63を積層したものである。電気泳動表示素子61は、負帯電した酸化チタンからなる白粒子と正帯電したカーボンブラックからなる黒粒子とを分散液により分散させたものをマイクロカプセル中に封入したものである。この電気泳動表示素子61をポリビニルアルコール(PVA)バインダに水溶液を混合した塗布液を上部基板63の対向電極62の形成されている面上に塗布し、マイクロカプセルとPVAバインダからなる層を形成し電気泳動表示シート基板を形成する。尚、対向電極62及び上部基板63が、透明な材料により形成されており、このため対向電極62は、透明で導電性を有するITO等の透明電極により形成されている。このように形成された電気泳動表示シート基板を有機TFT回路基板上に、上部基板63側が最外面となるように接着させる。
【0117】
この後、図19に示すように、ドライバICが設けられたFPC基板74の電極面74aと、有機TFT回路基板における信号線接続ブロック72における第2の導電層15aとをAFCを用いて、熱圧着により接続した。同様に、ドライバICが設けられたFPC基板73の電極面と、有機TFT回路基板における選択線接続ブロック71における第2の導電層とをAFCを用いて、熱圧着により接続した。熱圧着の条件は、200℃の温度で、1.5MPaの加重を印加して行った。ゲート電極52と接続される選択線52aに走査信号用のドライバICを、ソース電極54と接続される信号線54aにデータ信号用のドライバICを各々接続した。信号線54aにおける電圧Vpp=30V、選択線電圧Vpp=30Vにおいて、電気泳動表示装置における表示を行ったところ、十分なコントラスト及び解像度の画像を得ることができた。
【0118】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0119】
11 基板
12 濡れ性変化層
13 第1の導電層
14 層間絶縁膜
14a ライン状の層間絶縁膜
14b ドット状の層間絶縁膜
14c ドット状の層間絶縁膜
15 第2の導電層
16 FPC基板
【先行技術文献】
【特許文献】
【0120】
【特許文献1】特開2005−310962号公報
【特許文献2】特開2007−123665号公報
【特許文献3】特開2007−95783号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、エネルギーを付与することにより低表面エネルギー状態から高表面エネルギー状態に変化する材料を含有する濡れ性変化層と、
前記濡れ性変化層における高表面エネルギー状態の領域上に形成される複数の領域からなる第1の導電層と、
前記第1の導電層の複数の領域間における前記濡れ性変化層上に形成される層間絶縁膜と、
前記第1の導電層上に形成される第2の導電層と、
を有し、前記第2の導電層において、信号入出力のためのフレキシブル基板の接続電極と接続されることを特徴とする回路基板。
【請求項2】
基板上に、エネルギーを付与することにより低表面エネルギー状態から高表面エネルギー状態に変化する材料を含有する濡れ性変化層と、
前記濡れ性変化層における高表面エネルギー状態の領域上に形成される複数の領域からなる第1の導電層と、
前記第1の導電層の複数の領域間における前記濡れ性変化層上及び、前記第1の導電層上に所定の間隔で形成される層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜の形成されていない第1の導電層上に形成される第2の導電層と、
を有し、前記第2の導電層において、信号入出力のためのフレキシブル基板の接続電極と接続されることを特徴とする回路基板。
【請求項3】
前記第1の導電層はライン状に形成されるものであって、
前記第1の導電層上に形成される第2の導電層のパターンは、隣接する前記第1の導電層上において、相互に異なるパターンが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記層間絶縁膜は、絶縁性フィラーと樹脂材料とを有するバインダを主成分とすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の回路基板。
【請求項5】
前記第2の導電層は、導電性材料からなる微粒子と樹脂材料とを有するバインダを主成分とすることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の回路基板。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の回路基板と、
表示素子と、を有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項7】
前記表示素子に形成される画素電極と、前記第2の導電層とは、同一の材料により形成されていることを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記回路基板の前記第1の導電層上にも層間絶縁膜が形成される場合において、前記層間絶縁膜が形成されていない領域となる第1の開口部と、
前記表示素子における前記画素電極と前記画素電極を駆動するための電子回路とを接続するための第2の開口部とは、略同じ大きさであることを特徴とする請求項7に記載の画像表示装置。
【請求項9】
基板上に、エネルギーを付与することにより低表面エネルギー状態から高表面エネルギー状態に変化する材料を含有する濡れ性変化層を形成する濡れ性変化層形成工程と、
前記濡れ性変化層にエネルギーを付与し、複数の前記エネルギーの付与された領域を高表面エネルギー領域とするエネルギー付与工程と、
複数の前記高表面エネルギー領域上に複数の領域からなる第1の導電層を形成する第1の導電層形成工程と、
前記第1の導電層の複数の領域間における前記濡れ性変化層上に層間絶縁膜を形成する層間絶縁膜形成工程と、
前記第1の導電層上の前記層間絶縁膜の形成されていない領域に第2の導電層を形成する第2の導電層形成工程と、
を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項10】
基板上に、エネルギーを付与することにより低表面エネルギー状態から高表面エネルギー状態に変化する材料を含有する濡れ性変化層を形成する濡れ性変化層形成工程と、
前記濡れ性変化層にエネルギーを付与し、複数の前記エネルギーの付与された領域を高表面エネルギー領域とするエネルギー付与工程と、
複数の前記高表面エネルギー領域上に複数の領域からなる第1の導電層を形成する第1の導電層形成工程と、
前記第1の導電層の複数の領域間における前記濡れ性変化層上に層間絶縁膜を形成する第1の層間絶縁膜形成工程と、
前記第1の導電層上に所定の間隔で層間絶縁膜を形成する第2の層間絶縁膜形成工程と、
前記第1の導電層上の前記層間絶縁膜の形成されていない領域に第2の導電層を形成する第2の導電層形成工程と、
を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項11】
前記層間絶縁膜は、スクリーン印刷法により形成されるものであることを特徴とする請求項9または10に記載の回路基板の製造方法。
【請求項12】
前記第2の導電層は、スクリーン印刷法により形成されるものであることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
【請求項13】
前記第2の導電層において、信号入出力のためのフレキシブル基板における接続電極と接続されるものであって、前記第2の導電層を介して、前記第1の導電層の直上に前記接続電極が接続されるものであることを特徴とする請求項9から12のいずれかに回路基板の製造方法。
【請求項14】
請求項9から13のいずれかに記載の回路基板の製造方法を含むものであって、
前記基板上には、表示素子を駆動するための電子回路が形成されており、
前記表示素子を駆動するための画素電極は、前記第2の導電層形成工程において、前記第2の導電層とともに形成されるものであることを特徴とする表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−108840(P2011−108840A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262238(P2009−262238)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】