説明

地図表示装置及び地図表示方法

【課題】よりサービス性に富んだ位置情報管理システムを提供する。
【解決手段】携帯端末11は、GPSによる位置測定、携帯電話またはPHSの基地局による位置測定、電波マーカー33による位置測定、及び方向検出器20による自立的位置測定と複数の位置測定手段を有しており、どのような場所でもナビゲーションを行うことが出来るようになっている。携帯端末11からは、同じく携帯端末11を有している第3者の位置をセンターシステム10に問い合わせることにより知ることが出来、徘徊老人や子ども、スキー場でのスキーヤーの行動監視等を行うことができる。携帯端末11には、所持者がよく使う地域の地図データのみがコンパクトに保持されており、この地図データにない地域に行ったときは、センターシステム10から対応する地データをダウンロードして使う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行者の位置情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、自動車に取り付けて、自動車の現在位置を表示するカーナビゲーシ
ョンシステムが実用化され、発売されている。カーナビゲーションシステムによ
れば、はじめていった土地でも自分がいる周辺の地図と現在位置が表示されるの
で、道に迷うことなく目的地へ行くことが出来る。
【0003】
カーナビゲーションシステムは、人工衛星からの電波を受けて、現在位置を緯
度、経度で取得し、この取得された緯度、経度を含む地図情報を記憶装置から読
み出すという処理を行っている。
【0004】
カーナビゲーションは自動車の走行をナビゲートするものであるが、人が携帯
型の端末をもち、この携帯型の端末に現在位置と地図情報を表示して、人をナビ
ゲートするシステムも開発され、販売されている。
【0005】
この人をナビゲートするシステムも人工衛星からの電波を受け取り、現在の位
置を緯度、経度で取得するとともに、記憶されている地図情報を現在位置ととも
に表示するというものである。
【0006】
このように、人工衛星からの電波を受けて現在位置を決定するシステムをGP
S(Global Positioning System )という。
従来の技術には、下記の特許文献1〜7がある。特許文献1では、あらかじめ進行予定を入力し、地図番号を指定することで次の地図を取得する技術が開示されている。特許文献2では、スタンドアロンタイプのシステムで、広範囲な地図データの相互関係をつけて記憶しておき、スクロール表示で必要となる地図をロードしている。特許文献3では、システムの地図情報に格納されていない詳細な地図情報を外部から提供している。特許文献4では、端末の所在地及びその周辺地域の各種情報をユーザに提供できるようにしている。特許公報5では、GPSと基地局が並列的に記載されている。特許文献6では、GPSをPHS基地局データで代替することが記載されている。特許文献7では、道路状況をモニタすることで個別に誘導を行うシステムに関し、GPSを受信できない区間について、トンネルの入り口から車両の相対移動量をジャイロで検出し、位置を割り出している。
【特許文献1】特開平6−102050号公報
【特許文献2】特開平5−119695号公報
【特許文献3】特開平8−261774号公報
【特許文献4】特開平9−8917号公報
【特許文献5】特開平8−322091号公報
【特許文献6】特開平10−213644号公報
【特許文献7】特開平9-22497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記のようなナビゲーションシステムでは、人工衛星からの電波をキャッチすることによって現在の位置を取得するので、人工衛星からの電波が届かないところでは、システムが稼動しないという欠点を持っていた。
【0008】
また、人の移動をナビゲートするシステムでは、人の持つ端末が地図情報を記憶するCD−ROM等を内蔵しているため、やや大きくなる傾向がある。
従って、本発明の課題は、よりサービス性に富んだ位置情報管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のシステムは、情報端末に位置特定システムからの情報を取得し、センターシステムで処理を行って、該情報端末の位置に関する情報を管理するシステムにおいて、複数の種類の位置特定システムを利用可能で、使用不可能な状態にある位置特定システムを自動的に切り換えて、他の位置特定システムを使って現在位置を取得するように構成された情報端末を用いることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に使用される情報端末は、位置情報の管理を行うセンターシステムと通信可能で、位置特定システムからの情報を取得し、該情報端末の位置に関する情報を表示する情報端末において、複数の種類の位置特定システムを利用可能で、使用不可能な状態にある位置特定システムを自動的に切り換えて、他の位置特定システムを使って現在位置を取得するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
あるいは、本発明の携帯無線端末は、現在の位置情報を求める位置情報取得手段と、無線回線を介しての他の装置からの位置情報要求に対して、前記位置情報取得手段で求めた位置情報を該無線回線を介して他の装置に送信する手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、他の側面では、衛星からの電波に基づいて現在の位置情報を求める位置情報取得手段と、複数の携帯無線電話端末の現在の位置情報を管理するセンターと無線回線を介して接続する手段と、前記位置情報取得手段により取得した現在の位置情報を前記接続手段を介して前記センターに登録する手段と、前記接続手段を介して前記センターより、第三者の携帯無線端末の現在位置を取得する手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
そして、本発明によれば、1つの位置特定システムが使用できない理由で、ナビゲーション機能等を使用できなくなることが起こらず、必ず、何らかの方法で位置情報を取得及び表示することが出来るので、サービス性に富んでいる。
【0014】
特に、本発明によれば、情報端末あるいは携帯端末は、自立的に位置を推測するための方向検出器を備えることが可能で、このようにすることにより、GPSその他の位置特定システムがまったく使えない場合にも、出発地点さえ分かれば、ナビゲーション機能を利用することができる。
【0015】
また、携帯端末あるいは情報端末は、ICカードとして自身に必要最小限の地図データを保持する機能を持たせることによって、センターシステムからのダウンロードの回数を減らすことができるとともに、着脱可能な記憶媒体としてICカードを使用することにより、CD−ROMを使用するよりも端末自身を小型化することが出来る。
【0016】
その他、本発明のシステムは多くのサービスを提供することが出来、それらを以下に図面を用いて例示的に説明する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、徘徊老人や子どもの行動監視を行うことが出来、携帯端末を持っている者同士の位置情報を取得することが出来、また、携帯端末を持っている人の異常事態をいち早く知ることが出来るなど、サービス性に富んだ位置情報管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明の位置情報管理システムのシステム構成図である。
本発明のシステムは、情報を一元的に管理するセンターシステム10と人が持ち歩く携帯端末11、GPSのための人工衛星12、D−GPS(Diferential GPS )のための電波発信塔13、及び無線で携帯端末11の位置を教える情報提供局(電波マーカー)33よりなっている。
【0019】
携帯端末11には、GPSアンテナ14、携帯電話用無線機15、PHS用無線機16、及び、電波マーカー33からの電波を受けるための無線機17のそれぞれの受信機を有している。各受信機は、それぞれの電波発信局からの電波を受け取り、制御部22に渡す。
【0020】
制御部22では、それぞれの電波から得られる位置情報のうち最も精度の高いものを使用して携帯端末11の現在の位置を取得し、所持者に現在位置と周辺の地図をディスプレイ18に出力することによって知らせる。19は、音声マイクであって、所持者に音による警告の通知を行う場合に使用される。携帯端末11には、所持者がよく行く地域の地図情報など最小限の地図情報が地図データ21として記憶されており、携帯端末11がこの地図データ21の範囲にいる場合には、この地図データ21を読み出して、ディスプレイ18に出力する。また、この携帯端末11に記憶されている地図データ21は、ICカードあるいはミニチュアカード等着脱可能な記憶媒体を実装することにより使用可能とすることが好ましい。このようにすることによって、利用したい区域の最小限の地図のみを実装すればよく、必要以上に多くの記憶容量を必要としないので、携帯端末11を小型化できるという利点を持つ。
【0021】
方向検出器20は、携帯端末11に電波が届かなくなった場合に、自立的に携帯端末11の移動を検出して、現在位置の特定を行うためのものである。方向検出器20は、ジャイロコンパスと加速度センサからなっており、制御部22は、方向検出器20からの情報を演算することによって、端末の移動方向と移動距離を算出し、ディスプレイ18に現在位置として出力する。特に、3次元ジャイロを使用し、加速度センサを3次元的に配置することによって、携帯端末の3次元的移動方向及び移動距離を演算することが可能になるので、いずれの電波も受信できない状況にあっても、自立的にナビゲーションを行うことが出来る。
【0022】
センターシステム10は、携帯電話交換機25あるいはPHS交換機26を介して、無線機(携帯電話基地局)23及び無線機(PHS基地局)24に接続され、携帯端末11と位置情報の交換などを行う。センターシステム10の情報提供部27は、携帯電話及びPHS基地局の位置データを含む地図データ28を有しており、携帯端末11が有している地図データ21では、現在位置を表示するのにデータが足りない場合、地図データ28を携帯端末11に送って現在位置の表示が可能になるようにする。携帯電話またはPHS基地局の位置データは、携帯端末11が、GPS、D−GPSの受信が出来ない場合に、最寄りの携帯電話基地局又はPHS基地局の所在地から携帯端末11の位置を知るときに使用する。
【0023】
また、情報提供部27は、家庭の端末32とネットワーク等を介して接続されており、携帯端末11を有している徘徊老人や子どもの居場所を突き止めるために、携帯端末11の位置情報を提供する。
【0024】
情報提供局(電波マーカー)33は、携帯端末11が、GPS、D−GPS、携帯電話、及びPHSを使用することができない場合に、現在位置を取得するために使用される。情報提供局33は、無線機29、制御部30、及び位置データ31からなっている。位置データ31は、情報提供局33が設けられている緯度、及び経度を記憶したもので、制御部30を介して無線機29から携帯端末11に送信される。携帯端末11側では、情報提供局33からの緯度、経度情報に基づいて携帯端末11の現在位置を取得する。
【0025】
図2は、図1の制御部22が行う、位置情報取得のためのシステム切り換えフローである。
携帯端末11は、GPS、携帯電話、PHS、電波マーカーのいずれかを使って、位置情報を取得することができる。位置情報の精度は、GPS、携帯電話及びPHSの基地局の位置情報、電波マーカーの使用、の順に悪くなっていくので、はじめGPSを使い、これが使えないと次に精度の良い方法で位置を取得するというように、順次精度の悪い方へと自動的に切り換えていく。
【0026】
同図のステップS1で、先ず、GPSの信号を受信しているか否かが判断され、GPSの信号を受信している場合には、GPSを用いて携帯端末(図1の11)の位置を測定する(ステップS5)。
【0027】
ステップS1でGPSの信号を受信していない場合には、ステップS2に進んでPHSまたは、携帯電話の基地局の位置が分かるか否かを判断する。PHSまたは携帯電話の基地局の位置は、携帯端末から最寄りの基地局に対して発信し、これを受信した基地局からセンターシステムに着信することによって、センターシステムが携帯端末からの発信を受け取った基地局の位置を逆に携帯端末に送り返してくることにより得ることが出来る。この携帯端末から最寄りの基地局の位置の近くに携帯端末を持った者が居ると判断して、この位置を所持者の位置とす
る。
【0028】
従って、ステップS2でPHSあるいは携帯電話の基地局の位置が分かる場合には、ステップS6で上記のようにして基地局を用いて携帯端末あるいはその所持者の位置を取得する。
【0029】
ステップS2で、PHSあるいは携帯電話の位置が分からない場合には、あるいは、PHS及び携帯電話の使用圏外で通話ができない場合には、ステップS3で、電波マーカーの信号を受信しているか否かが判断される。電波マーカーは町の主要な地点に設けて、設けられている地点の緯度及び経度を電波として発信しているものである。
【0030】
この電波マーカーの電波を携帯端末が受信している場合には、ステップS7で無線機が受信している電波マーカーの信号を用いて、現在の位置が最寄りの電波マーカーの緯度、経度とほぼ同じであるとみなして携帯端末あるいはその所持者の位置としてディスプレイに表示する。
【0031】
ステップS3で電波マーカーの電波も受信していない場合には、位置測定不可能であるとして、その旨表示する(ステップS4)。
ステップS4で、位置測定不可能となった場合には、図1の方向検出器20を用いて、最後に位置が測定された場所からの移動方向と移動距離を演算し、これに基づいて現在位置を推測し、これを表示するようにする。
【0032】
図3は、携帯端末に表示する地図データとディスプレイの表示画面との関係を示したものである。
同図左には、実際に表示される画面表示と取得された地図データとの関係を示している。地図データは、携帯端末に保持されているものと、センターシステムからダウンロードされたものとがある。いずれにしても、地図データは同図右に示されているように、所定の緯度と経度の範囲でブロック化され、各ブロック毎に番号が付されて管理されている。
【0033】
例えば、同図の場合、表示されている地図データは実際の表示画面よりも大きい範囲のものが読み込まれており、緯度と経度が(x1 、y1 )と(x2 、y2 )で規定される範囲が示されている。同図左に読み込まれている地図データは、同図右の表によれば1番の地図であり、緯度の範囲がx1 からx2 まで、経度の範囲がy1 からy2 までのものである。
【0034】
現在の携帯端末の緯度と経度が分かったら、同図右のような表を参照し、緯度と経度の範囲が現在の携帯端末の緯度と経度を含む地図データが読み込まれる。
現在の携帯端末の位置が変化して、地図データの端まで来たら次の地図を読み込むようにする。地図データは周辺部が互いに重なり合うように設定されており、地図データの端のほうでは、少なくとも2つの地図データが現在位置の緯度、経度を含むようになっている。現在の位置が地図データの端のほうであり、どちらの地図データを読み込むか定かではない場合には、それまでの進行方向を計算して、進行方向の先にある地図を読み込むようにする。また、携帯端末の電源を入れたときに既に携帯端末の位置が地図データの端にあり、しかもそれまでの進行方向がわからない場合には、例えば、番号の小さい地図を一旦読み込んでおいて、進行方向を取得してから、必要ならば、次の隣接する地域の地図を読み込むようにする。
【0035】
なお、地図データは同図のように、表示画面よりも大きい範囲をカバーするように用意する必要は必ずしもなく、より小さな区域に分けて管理しておき、表示画面には複数の地図データをつなげて出力することにより、表示画面がカバーする地域の地図を表示するようにしてもよい。この場合にも、複数の地図データをつなぎあわせた地図データは表示画面よりもやや大きめにとっておき、現在位置が移動するにしたがって、随時新しい地図データを読み込むようにする。
【0036】
図4は、現在位置を取得し、地図を表示する場合の処理フローである。
同図は、携帯端末11の制御部22が行う地図データ表示フローである。最初に、ステップS10でユーザから現在位置表示の指示が行われる。すると、ステップS11でGPSより現在位置を入手する。ここで、図2で説明したように、GPSで現在位置が入手不可能である場合には、PHSまたは携帯電話の基地局の位置から現在位置を入手し、それが不可能であった場合には、電波マーカーを使い、それがだめな場合には、携帯端末11の方向検出器20によって、進行方向と移動距離を算出し、最後に得られた位置情報から推測して現在位置を算出する。このとき、表示には、現在位置の取得が不可能で、方向検出器20によって現在位置を推測している旨の表示を行っておく。
【0037】
ステップS11で、現在位置を入手できたら、ステップS12で携帯端末11に記憶されている地図データ21の中に、現在位置を含むものがあるか否かを判断する。携帯端末11に記憶されている地図データ21の中に現在位置を含むものがある場合には、ステップS15に進んで、地図を表示するとともに、現在位置を表示する。
【0038】
携帯端末11に記憶されている地図データ21の中に現在位置を含むものがなかった場合には、ステップS13でセンターシステムへ現在位置を通知する。センターシステムでは、送信されてきた現在位置を含む地図データを探し出す。携帯端末11は、現在位置を含む地図データをセンターシステムからダウンロードし(ステップS14)、ステップS15で携帯端末11のディスプレイに地図を表示するとともに、地図中に現在位置を表示する。ダウンロードした地図データは携帯端末11の地図データ21としてメモリに記憶しておき、ステップS11に戻って、現在位置の取得と地図及び現在位置の表示を続行する。
【0039】
現在位置の終了は、例えば、携帯端末11に表示終了ボタンを設けておき、このボタンが押されたら、図4のフローに割り込みをかけて終了するようにしてもよいし、電源を直接切ることによって終了するようにしてもよい。
【0040】
なお、地図データを取得する場合に、頻繁に使用する地図データを使用のたびにダウンロードするのでは、効率的ではないので携帯端末に保持される地図データ21には、地図番号及び緯度、経度の他に、何回表示画面に表示されたかを示す回数及び最新アクセス日時をいっしょに記録しておくようにする。携帯端末には、所定時間地図データが保持されるが、最新アクセス日時から所定時間を過ぎた地図データについては、記憶容量に限りがあるので消去するようにする。このとき、何回表示画面に表示されたかを示す回数を参照して、所定時間の間に予め定められた回数以上表示された地図データは消去しないで保持しておくようにする。このようにすることによって、同じ地図データを頻繁にダウンロードすることがなくなり、携帯端末の記憶容量を有効に使用することができる。
【0041】
図5は、本発明のシステムを利用した携帯端末所持者の位置問い合わせシステムの一般的処理フローチャートである。
このシステムは、本発明のシステムを利用することによって実現できるものであって、徘徊老人等のどこへ行くか分からないが行動を監視する必要のある人に対して利用することができる。従って、徘徊老人だけではなく子どもの行動監視にも使用することができる。
【0042】
先ず、携帯端末は、自分の現在の位置を取得するため、GPS等を使って常に一定時間毎に現在位置を取得している。従って、ステップS20のように、一定時間経ったか否かを判断し、携帯端末は取得した現在位置をセンターシステムに送信するようにする(ステップS21)。
【0043】
センターシステムでは、携帯端末から送られてくる現在位置を受信するごとにログに記録しておき、携帯端末所持者がどのような経路をたどっていったかをいつでも分かるようにしておく(ステップS22)。
【0044】
ここで、携帯端末側で所持者が現在位置の取得を行っていない場合には、センターシステム側から現在位置の取得をするように呼び出しをかける処理を行うようにする(ポーリング)。
【0045】
家庭の端末からは、携帯端末所持者が今どこにいるのか知る必要があるときに、センターシステムに対して携帯端末所持者の位置を知らせるように要求する(ステップS23)。携帯端末所持者の特定は携帯端末のID番号や電話番号等を利用して行う。センターシステムは家庭の端末から現在位置の取得要求が来ると、携帯端末に着信する事が出来るかいなかを判断する(ステップS24)。着信が可能か否かは、センターシステムから呼び出し信号を出力し、携帯端末が応答信号を送ってきたかいなかを判断することによって、着信可か否かを判断する。
【0046】
ステップS24で、着信が不可能であると判断された場合には、ステップS28でログを参照し、今までの携帯端末の経路から速度と方向を割り出し、現在の携帯端末の位置を推測して、家庭の端末に位置を表示する(ステップS27)。このとき、携帯端末に着信が不可能である旨を併せて表示することにより、家庭では、表示された位置が推測されたものであることが分かる。
【0047】
一方、ステップS24で、着信が可能であると判断された場合には、センターシステムから携帯端末に対し現在位置を送信するように命令を発する。これを携帯端末が受信すると(ステップS25)、現在位置をセンターシステムを介して家庭端末に送信する(ステップS26)。家庭の端末では、センターシステムを介して携帯端末から現在位置が送られてきたものをディスプレイ上で見ることが出来る(ステップS27)。
【0048】
なお、センターシステムにおける携帯端末の現在位置の推測の方法としては、例えば、以下のような方法が考えられる。
すなわち、電車に乗って長距離移動している時など、窓際によってたまに受けるGPS信号や、乗り換えの際に受信するGPS信号によって、途切れ途切れでも方向と速度が計算できるような場合、GPS信号が受信できていないときにおいても、移動方向と速度により、現在位置を推測する。
【0049】
あるいは、車に乗って移動しているときなど、同じように途切れ途切れのGPS信号の受信となってしまっているようなときでも、方向と速度が計算できるような場合には、GPS信号が受信できていないときにおいても、移動方向と速度により、天気予報での台風のコース予想のように範囲を含めて現在位置の予測を行う。
【0050】
このようにして、徘徊老人や子どもに携帯端末を持たせておくだけで、簡単に現在位置を家庭の監督者が把握することが出来るので、監視システムとして非常に有効に使用することが出来る。
【0051】
図6は、本発明のシステムを携帯端末間の位置情報取得に適用した場合の処理を示す図である。
図5の場合は、携帯端末の位置情報を家庭の端末で取得する場合であったが、同図の適用例では、携帯端末間の位置情報を取得して携帯端末所持者同士が、相手がどこにいるのかを取得することが出来る。
【0052】
図6では、相手の現在位置を知りたい携帯端末所持者を自分とし、現在位置を知りたい相手を第3者として、センターシステムを介して第3者の位置を自分の携帯端末のディスプレイ上に表示させるときの処理の流れを示している。
【0053】
先ず、第3者の持っている携帯端末では、常にGPSやPHS、携帯電話、電波マーカーを使用して現在位置を取得している。更に、一定時間たったか否かが判断され(ステップS30)、現在位置をセンターシステムに送信する(ステップS31)。センターシステムでは、第3者から送られてくる現在位置をログに記録して(ステップS32)、第3者がどのような経路をたどって移動している
かが分かるようになっている。ここで、同じ携帯端末を有している自分の側には、現在位置をセンターシステムに送信するステップが記載されていないが、これは、自分の側から第3者の現在位置を知るための処理のみを取り出して記載しているためで、実際には、自分の持っている携帯端末も一定時間毎にセンターシステムに現在位置を送信し、現在位置の変化がログに記録されている。従って、自分の側から行う図6の処理は第3者の側から自分に対しても同様に行うことが出来る。
【0054】
第3者の現在位置を知りたい自分は、自分の携帯端末に第3者との相対位置の表示を行うよう指示する(ステップS33)。これにより、自分の携帯端末はセンターシステムに対し、第3者の位置を要求する(ステップS34)。このとき、自分は第3者を特定する必要があるが、これは、携帯端末が有しているID番号や電話番号等で行う。
【0055】
センターシステムは自分からの第3者の現在位置の取得要求が来ると、特定された第3者に着信可能か否かを調べる(ステップS35)。着信可能か否かを調べる方法は前述のように、呼び出し信号に対して第3者の携帯端末が応答するか否かで行う。
【0056】
着信が不可能である場合には、予めログに記録しておいた特定された第3者の現在位置の変化から速度と進行方向を調べて、現在の位置を推定し(ステップS39)、自分の携帯端末に送信をしてくる。自分の携帯端末ではこの信号を受信し(ステップS40)、次に、GPS、PHSあるいは携帯電話の基地局、または電波マーカーを使って、自分の位置を取得する(ステップS41)。以下のステップは後述する。
【0057】
第3者への着信が可能である場合には、第3者の携帯端末に現在位置の送信をするように要求する(ステップS36)。第3者の携帯端末では、現在位置をGPS、PHS、携帯電話、電波マーカーのいずれかを使用して取得し(ステップS37)、現在位置をセンターシステムに送信する(ステップS38)。センターシステムは第3者の現在位置を自分の携帯端末に送信する。これにより、自分の携帯端末で、第3者の現在位置を受信し(ステップS40)、次に、自分の現在位置を取得する(ステップS41)。
【0058】
第3者からの送信あるいはセンターシステムにおける推測により、第3者の現在位置が分かり、自分の現在位置が分かると、自分の携帯端末に記憶されている地図データの中に第3者の位置と自分の位置とを表示可能な地図があるか否かが判断される(ステップS42)。表示可能な地図データが記憶されていた場合には、この地図データを表示し、この地図上に自分の位置と特定された第3者の位置を表示する(ステップS45)。
【0059】
表示しおわったら、連続的に相対位置を表示するために、自分の携帯端末では、処理をステップS34に戻して、繰り返し第3者の現在位置と自分の現在位置とを取得して表示させるようにする。
【0060】
自分の携帯端末に記憶されている地図データに特定された第3者の位置と自分の位置とを表示する地図がない場合には、第3者の現在位置と自分の現在位置とをセンターシステムに送る(ステップS43)。センターシステムでは、第3者の位置と自分の位置から両者を一度に表示することの出来る地図データを検索し、両者を一度に表示することのできる地図データを自分の携帯端末に送信する(ステップS44)。自分の携帯端末ではセンターシステムから送られてきた地図データを表示するとともに、第3者の位置と自分の位置とを表示する(ステップS45)。
【0061】
このように、本発明のシステムを使用すれば、家庭端末からのみではなく、携帯端末からでも所在を知りたい第3者の位置を知ることが出来、徘徊老人や子どもを実際に捜しながら、位置を確認することが出来る。従って、徘徊老人や子どもの捜索を効率的に行うことが出来る。
【0062】
図7は、図6の処理においてセンターシステムが行う処理を説明する図である。
同図(a)は、第3者と自分の現在位置が携帯端末から送信されてきた場合にセンターシステムが行う処理を示すフローチャートである。
【0063】
センターシステムは、第3者と自分の2点の現在位置を受信すると(ステップS50)、2点の位置より2点間の直線距離を算出する(ステップS51)。2点間の直線距離が求まると、同図(b)に示されているようなテーブルを参照して地図の種類を求め(ステップS52)、求められた地図の種類の中から2点を含む地図を探し出す(ステップS53)。2点を含む地図を探し出したら、これを、2点の位置を送信してきた携帯端末に送信する(ステップS54)。2点の位置を送信してきた携帯端末では、このセンターシステムがステップS54で送信してきた地図データをもとに表示を行う。
【0064】
同図(b)は、同図(a)のステップS52で使用するテーブルの一例を示した図であり、直線距離と地図の種類との対応が厳密に適切であるようには示していない。
【0065】
センターシステムには、様々な地域をカバーするために多くの種類の地図データが保持される。同図(b)の例では、1万分の1、2万分の1、5万分の1、及び10万分の1の4種類の地図が保持されているとしている。直線距離は相対位置を知りたい2点間の距離であり、単位をkmとしている。
【0066】
同図(b)の例では、2点間の直線距離が0km〜100kmの間にあるときは、1万分の1の地図を使用することが示されている。センターシステムでは、このように、テーブルから1万分の1の地図を使用すべき旨を読み取ると、1万分の1の地図データから送信されてきた2点の現在位置を含む地図を緯度と経度で探し出し、2点の直線距離を送信してきた携帯端末に送信する。
【0067】
2点がいずれも同一の地図に含まれているか否かは、地図データに付されている緯度、経度の範囲から判断する。例えば、図3で説明したように、地図データは所定の範囲をカバーするいくつかの個別の地図データからなっており、それぞれの個別の地図データには、その地図データがカバーする緯度と経度の範囲がデータとして付されている。従って、先ず最初に個別の地図データのうちから1つを選んで、その地図データがカバーする緯度範囲に、2点の位置の緯度が含まれるか否かを判断し、含まれていれば、次に、その地図データがカバーする経度範囲に2点の位置の経度が含まれているかを判断するようにする。このようにすれば、2点が1つの個別の地図データに含まれているか否かを判断することができる。
【0068】
その他の種類の地図の場合も同様であって、同図(b)のテーブルによれば、2点間の直線距離が100km〜200kmの間にあるときは、2万分の1の地図データを、直線距離が200km〜500kmの間にあるときは、5万分の1の地図データを、直線距離が500km以上の場合には10万分の1の地図データを検索する様にする。もちろん、ここの例で取り上げた以外の種類の地図データを用意し、テーブルに登録して使用するようにしてもよい。
【0069】
図8は、携帯端末側で第3者を監視する処理を示すフローチャートである。
同図(a)は、監視処理開始のための処理フローである。
携帯端末のユーザは、自分の携帯端末上で、第3者の行動を監視することを指示するために、監視場所と第3者が移動せずに止まっている間の時間とを設定する(ステップS60)。監視場所の指定は、地域名で行うようにしてもよいし、緯度、経度で行うようにしてもよい。地域名で監視場所の指定を行う場合には、携帯端末に地域名とその地域の緯度、経度範囲を対応させるテーブルを用意しておき、地域名が入力されたら、緯度と経度の範囲を取得して、対応する地図データを携帯端末に記憶されている地図データから探すか、あるいはセンターシステムからダウンロードする。
【0070】
監視場所から対応する地図データが得られたら、ディスプレイに表示する(ステップS61)。ユーザは、更に監視場所を特定するために表示された地図上で監視する区域を、例えば、矩形で囲むようにして指定する(ステップS62)。矩形で囲むときの指示方法は、例えば、携帯端末のディスプレイをタッチ画面で構成しておき、ペン等でタッチして矩形の対角線の位置を指定する等が考えられる。
【0071】
監視する区域が矩形で指定されたら、指定された区域の緯度と経度を取得して記録する(ステップS63)。区域の指定は、ディスプレイに表示された地図上で行われるので、携帯端末側で矩形を形成するときに、地図上の緯度線と経度線に平行に矩形の辺を形成するようにすれば、指定された区域の緯度範囲と経度範囲を簡単に取得することが出来る。
【0072】
指定された区域の緯度及び経度を取得できたら、いつからいつまで監視を行うか監視時間を設定する(ステップS64)。
同図(b)は、第3者の行動の監視処理のフローチャートである。
【0073】
監視処理が開始されると、先ず、現在位置を取得する時間間隔である一定時間が経過したかいなかが判断される(ステップS65)。一定時間が経過していない場合には、一定時間経過するのを待つ。一定時間経過した場合には、監視対象である第3者の現在位置を取得する(ステップS66)。現在位置を取得したら、前の位置と比較し、前の位置と同じか否かを判断する(ステップS67)。
【0074】
前の位置と同じでなかった場合には、同じ位置にいた時間あるいは回数(所定時間毎に計数した)をカウントするカウンタをクリアする(ステップS71)。前の位置と同じ位置にいた場合には、同じ位置にいた時間あるいは回数をカウントするカウンタの値をカウントアップする(ステップS68)。カウントアップしたあと、カウンタの値が最初に(同図(a)のステップS60で)設定された所定時間を越えているか否かを判断する(ステップS69)。所定時間以下であった場合には、ステップS65に戻って監視を続ける。
【0075】
所定時間以上経っている場合には、監視対象である第3者が監視区域内にいるかどうか、及び現在が監視を行うべき監視時間であるか否かを判断する(ステップS70)。第3者が監視区域にいないか、監視時間でない場合には、上記カウンタのカウント値をクリアして(ステップS71)、ステップS65から処理を繰り返す。第3者が監視区域内におり、しかも監視時間である場合には、監視対象である第3者が必要以上に同じ場所にとどまっており、異常事態が発生したことを示しているとしてアラームを鳴らす(ステップS72)。
【0076】
このような監視処理は、スキー場等でスキーヤーが怪我で倒れていることなどを管理者がいち早く知って、対処する場合に有効である。ただし、このような処理を行うためには、GPS等、精度の高い位置測定ができるシステムが利用可能な状態でなくては、誤った警告を受ける可能性が高くなる。すなわち、PHSや携帯電話の基地局を利用する場合には、第3者の位置は基地局のある位置でしか特定できないため、第3者が実際には少しずつ動いていても、同じ位置に止まっていると判断しかねないからである。これは、電波マーカーを利用した位置測定を行っている場合も同様である。従って、第3者の異常事態を監視するためには、出来るだけGPSを利用できる条件で行うことが望ましい。
【0077】
図9は、本発明のシステムにおける携帯端末の表示画面への表示例である。
同図(a)は、文字表示の例である。
(1)は、GPSの人工衛星の捕捉状態を示す表示である。表示項目としては、「衛星捕捉状態」、「捕捉衛星数」、「捕捉可能衛星数」が例として挙げられている。「捕捉衛星数」は実際に電波をキャッチしている衛星の数を示しており、「捕捉可能衛星数」は、現在の緯度、経度から理論上捕捉することができるはずの衛星数である。また、「衛星捕捉状態」は、衛星からの電波の受信状態を示すものであって、例えば、「捕捉可能衛星数」に比べて「捕捉衛星数」が8割の数に達していれば「良好」とする等のように決められる。また、電波に含まれるノイズの主信号に対する割合を算出して「衛星捕捉状態」を決定してもよい。
【0078】
(2)は現在位置の表示例である。GPSにより現在の緯度、経度を表示するとともに、3個以上の衛星を使って3点測定を行い、現在位置の高度も表示するようにしている。
【0079】
(3)は、目標位置表示の例である。目標位置とは、例えば、特定された場所に行きたい場合、携帯端末に地図上の特定の位置を指定すると、携帯端末は地図から特定された場所の緯度、及び経度を取得し、現在の位置からの方位を算出するように構成されており、(3)の表示はこれを示したものである。表示項目としては、目標地点の緯度、経度、及び現在位置からの方位が例として示されている。
【0080】
(4)は目標地点へのナビゲーション表示の例を示している。表示項目としては、目標地点までの距離、方位、及び携帯端末の移動速度が示されている。目標地点までの距離は、現在位置と特定された目標地点が示されれば、端末が自動的に緯度、経度の差分から距離を算出する。方位は、携帯端末に備えられている方向検出器20によって現在端末が向いている方向と、現在位置と目標位置から算出される目標位置までの方向(括弧の中に示されている数字)とが得られ、それらが表示されている。携帯端末の移動速度は、やはり方向検出器20に内蔵されている加速度センサによって算出することができ、この算出結果が表示されている。
【0081】
同図(b)は、簡易図形表示の例である。
(1)は衛星の捕捉状態を示す例である。(1)の表示には捕捉衛星数と捕捉可能衛星数とが文字で表示されるとともに、図形で捕捉されている衛星と捕捉されていない衛星とが見分けられるように表示されている。
【0082】
(2)は、現在位置表示の例である。現在の緯度、経度、及び高度が数字で示されるとともに簡単な図形で、現在の位置をナビゲートをはじめた地点からの経路とともに示している。(2)の表示例には示されていないが実際には、ここに地図が表示され、どの地域にいるかが分かるようになっている。
【0083】
(3)は、目標位置及びナビゲーションの表示例である。文字情報として、目標緯度、経度、方位、距離、及び、現在の方位と速度が示されている。下に示されている図形は、目標の方向と現在の進行方向がわかりやすいようにコンパスをかたどった図形で示したものである。白抜きの矢印は現在の進行方向を示しており、黒塗りの矢印は目標地点の方向を示している。
【0084】
図10は、本発明の携帯端末の外観の例を示す図である。
同図(a)、(b)は、ポータブル型端末の外観の例であり、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。
【0085】
端末の正面にはナビゲーション情報や地図などを表示する表示画面50が設けられており、側部にはGPSアンテナ51が取り付けられている。GPSアンテナ51は内蔵型でも、PCカードスロット等により後付けするような構成でもよい。また、GPSアンテナ51は、人工衛星の電波をキャッチすることができるように、取り付け部がフレキシブルに動き、端末がどのような姿勢であっても上方を向けることが出来るような構造とすることが好ましい。なお、この端末は、センターシステムと通信が出来るように、通信機能を内蔵したものである。ただし、通信機能を内蔵していなくてもGPSによるナビゲーションは可能である。
【0086】
同図(c)、(d)は、携帯電話型の端末の外観の例を示す図である。
同図(c)は、フリッパ(蓋)54が閉じられた状態を示しており、正面には表示画面52が設けられている。ナビゲーション情報や地図はこの表示画面に表示される。フリッパ54のところにはGPSアンテナ53が設けられており、人工衛星からの電波をキャッチして所持者に現在位置情報などを提供することができるようになっている。
【0087】
同図(d)は、フリッパ54を開けた状態を示すものである。フリッパ54を開けると入力ボタン55があらわれ、電話をかけたり、ナビゲーション等のサービスを受けるための入力を行うことが出来る。このフリッパ54の根元には、送話口があり、フリッパ54が人の声を反射して送話口へ声を伝えるようになっている。
【0088】
このように、内部に電気回路をほどんど持たないようなフリッパ54等の部分にGPSアンテナ53を内蔵することにより、小型のままでGPS機能を内蔵することができる。
【0089】
図11は、携帯端末が行う処理をプログラムとしてロードする場合の記録媒体について説明する図である。
本発明で想定している携帯端末は小型であるので、自身に十分な記憶容量を有していない場合が考えられる。そこで、本発明の処理を行うプログラムを別の記録媒体等に記録させておき、これをロードすることによって実行する携帯が考えられる。
【0090】
例えば、図11に示されるように、携帯端末60として本体に外付けの記憶装置61(ハードディスク等)を接続して使用する。この場合には、記憶装置61に実行すべき処理のプログラムが記録され、本体側のメモリにロードすることによって処理を行うようにする。
【0091】
あるいは、フレキシブルディスク、CD−ROM、あるいはメモリカード等のような可搬記録媒体62に実行すべきプログラムを記録しておき、本体にセットして、プログラムを本体のメモリに読み込んで実行する等の実行携帯も可能である。
【0092】
また、本発明の携帯端末60は通信機能を有しているので、通信回線65を介して情報提供者64の有するデータベース63にアクセスし、実行すべきプログラムをダウンロードして、本発明に示される処理を実行することが可能である。情報提供者64としては、例えば、前述したセンターシステムとすることが可能である。しかし、情報提供者64は、これに限られず、携帯端末60が通信回線65を介してアクセス可能などのようなアクセスポイントであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の位置情報管理システムのシステム構成図である。
【図2】図1の制御部22が行う、位置情報取得のためのシステム切り換えフローである。
【図3】携帯端末に表示する地図データとディスプレイの表示画面との関係を示したものである。
【図4】現在位置を取得し、地図を表示する場合のフローである。
【図5】本発明のシステムを利用した携帯端末所持者の位置問い合わせシステムの一般的処理フローチャートである。
【図6】本発明のシステムを携帯端末間の位置情報取得に適用した場合の処理を示す図である。
【図7】図6の処理においてセンターシステムが行う処理を説明する図である。
【図8】携帯端末側で第3者を監視する処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明のシステムにおける携帯端末の表示画面への表示例である。
【図10】本発明の携帯端末の外観の例を示す図である。
【図11】記録媒体を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
10 センターシステム
11 携帯端末
12 GPS
13 D−GPS
14 GPSアンテナ
15 無線機(携帯電話)
16 無線機(PHS端末)
17 無線機
18 ディスプレイ
19 スピーカ
20 方向検出器
21 地図データ
22 制御部
23 無線機(携帯電話基地局)
24 無線機(PHS基地局)
25 携帯電話交換機
26 PHS交換機
27 情報提供部
28 地図データ(携帯電話及びPHS基地局の位置データを含む)
29 無線機
30 制御部
31 位置データ
32 家庭の端末
33 情報提供局(電波マーカー)
50、52 表示画面
51、53 GPSアンテナ
54 フリッパ
55 入力ボタン
60 携帯端末
61 記憶装置
62 可搬記録媒体
63 データベース
64 情報提供者
65 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行者の現在位置を含む地図を表示する携帯端末において、
前記携帯端末の位置情報をセンターへ送信し、
前記センターから前記携帯端末の現在位置を含む所定の範囲の地図データを受信して地図を表示し、
前記携帯端末の移動に伴い位置情報を前記センターに送信し、前記携帯端末の移動方向に対応する地図データを前記センターから受信して地図を表示する
ことを特徴とする表示方法。
【請求項2】
歩行者の現在位置を含む地図を表示する携帯端末であって、
前記携帯端末の位置情報をセンターへ送信し、前記携帯端末の移動に伴い位置情報を前記センターに送信する送信手段と、
前記センターから前記携帯端末の現在位置を含む所定の範囲の地図データを受信する受信手段とを備え、
前記携帯端末の移動方向に対応する地図データを前記センターから受信して地図を表示する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
歩行者の現在位置を含む地図を表示する携帯端末へ地図データを送信するセンター装置において、
前記携帯端末の位置情報を受信し、
前記携帯端末の現在位置を含む所定の範囲の地図データを送信し、
前記携帯端末の移動に伴い位置情報を受信すると、前記携帯端末の移動方向に対応する地図データを前記携帯端末へ送信することを特徴とする地図データ送信方法。
【請求項4】
歩行者の現在位置を含む地図を表示する携帯端末へ地図データを送信するセンター装置において、
前記携帯端末の位置情報を受信する手段と、
前記携帯端末の現在位置を含む所定の範囲の地図データを送信する手段と、
前記携帯端末の移動に伴い位置情報を受信すると、前記携帯端末の移動方向に対応する地図データを前記携帯端末へ送信する手段を備えたことを特徴とするセンター装置。
【請求項5】
携帯端末の位置情報の取得をGPSにて行い、
前記GPS電波が受信できない場合には、前記携帯端末の最寄りの基地局又はPHS基地局の所在地から受信する位置情報を前記携帯端末の位置情報とし、
前記GPS、前記基地局又はPHS基地局のいずれによっても位置情報の取得ができない場合には、前記携帯端末に設けられた方向検出手段を使用して前記携帯端末の移動方向及び移動距離を演算することにより位置情報を取得する
ことを特徴とする携帯端末における位置情報取得方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記携帯端末は歩行者の現在位置を含む地図を表示する機能を有する携帯端末であって、
取得した位置情報を用いて現在位置を前記地図上に表示する
ことを特徴とする位置情報取得方法。
【請求項7】
歩行者の現在位置を含む地図を表示する機能を有する携帯端末であって、
前記携帯端末の位置情報をGPSにより取得する第1の手段と、
前記携帯端末の位置情報を前記携帯端末の最寄りの基地局又はPHS基地局から取得する第2の手段と、
前記携帯端末に設けられた方向検出手段を使用して前記携帯端末の移動方向及び移動距離を演算することにより位置情報を取得する第3の手段を備え、
前記第1の手段、前記第2の手段のいずれの取得手段によっても位置情報の取得ができない場合には、前記第3の手段により位置情報を取得し、取得した位置情報を用いて現在位置を前記地図上に表示する
事を特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−64705(P2006−64705A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−257130(P2005−257130)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【分割の表示】特願2004−114174(P2004−114174)の分割
【原出願日】平成10年2月4日(1998.2.4)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】