説明

埋込ディスプレイパネルを有する物品のインモールド製造

本発明は上面に埋め込まれたディスプレイパネルを有する物品およびその製造方法に関する。


【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は2003年6月6日出願の米国仮出願第60/476,852号に係る利益を享受することを求めるものであり、当該出願の内容は参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
技術分野
本発明は上面に埋め込まれたディスプレイパネルを有する物品およびその製造方法に関する。
【0003】
関連技術の説明
現在、ディスプレイパネルを有する物品については、物品およびディスプレイパネルを別個に製造し、その後、これら2つの部材を一緒にして組み立てている。このような物品の組立には機械的な一体化(またはインテグレーション)またはラミネーションが通常必要であり、このため、通常、物品とディスプレイとの間の隙間が大きくなり、また、物品全体の厚さまたは体積が増すことになる。従って、現在の方法は、携帯型デバイスに特に重要な特徴であるスタイル、コンパクトさおよび耐久性などの所定の製品要件に適合できない。
【発明の要旨】
【0004】
本発明の第1の要旨は上面に埋め込まれたディスプレイパネルを有する物品を対象としている。装飾デザイン(例えば文字(もしくは文章)または図形)を上面に表してもよい。
【0005】
本発明の第2の要旨はインモールドディスプレイ転写膜または箔を対象としている。
【0006】
本発明の第3の要旨はインモールドディスプレイ挿入膜または箔を対象としている。本発明のこの要旨において、ディスプレイパネルは電極層を含むキャリア膜上に形成してよい。
【0007】
インモールドディスプレイ転写膜または箔あるいはインモールドディスプレイ挿入膜または箔におけるディスプレイパネルは任意のプラスチック(または可塑性物)ベース(またはプラスチックに基づく)ディスプレイ、例えば高分子分散型液晶ディスプレイ(PDLC)、コレステリック液晶ディスプレイ(ChLCD)、有機発光デバイス(OLED)、電気泳動ディスプレイ(EPD)または他の粒子ベース(または粒子に基づく)ディスプレイなどであり得る。
【0008】
本発明の第4の要旨は本発明の第1の要旨に係る物品の製造方法を対象としている。
【0009】
本発明は幅広く様々な用途を有する。例えば、この物品は携帯電話またはポケットベルのプラスチックカバーとしてよく、その上面に埋め込まれたディスプレイパネルは文字メッセージ、時間および日付を表示でき、および/または電話呼出または多数の音声メールメッセージの着信をユーザに知らせるときにシグナルを点滅させたり、色を付したりできる。実際、本発明はプラスチック材料で出来ているあらゆる物品、例えば個人の身の回り品(例えばハンドバッグまたは財布)、玩具または教育(もしくは知育)デバイス、携帯情報端末(PDA)または電子(e−)書籍のプラスチックカバー、クレジットまたはスマートカード、身分証明書または名刺、アルバム、腕時計、掛けもしくは置き時計、ラジオもしくはカメラのフェイス(face:または表紙、文字盤もしくは操作盤などの外面)、自動車のダッシュボード、家庭用品(例えば腕、皿または瓶)、ラップトップ型コンピュータのハウジングおよび一般消費者向け電子機器のキャリングケースまたはフロントコントロールパネルなどに有用である。この一覧は全てを網羅していないことは明らかである。他の用途は当業者に明白であろう、またそれゆえにそれら全ては本発明の範囲に包含される。
【0010】
プラスチックディスプレイを物品に埋め込む場合、シームレスな(または継ぎ目のない)一体化により極めて良好な外観が得られる。ディスプレイパネルは、物品表面が湾曲している場合であっても物品表面と一致させることができる。これにより、ディスプレイパネルは1つの一体的なまたはプリントされた物品部分のように見せることができる。本発明によれば、従来のディスプレイ組立技術では実現できなかった大面積プラスチックディスプレイを物品に埋め込むこともできる。
【0011】
本発明の様々な態様を以下の詳細な説明および添付の図面に示す。
【発明の詳細な説明】
【0012】
本発明はプロセス(もしくは方法)、装置、システム、合成物、コンピュータ読取可能な媒体、例えばコンピュータ読取可能な記憶媒体、または光学もしくは電子通信リンクを経てプログラム指示が送信されるコンピュータネットワークとして含む多くの態様で実施できる。本明細書において、これら実施または本発明が採り得る任意の他の形態を技術(technique)と言うことがある。一般的に、開示するプロセスの工程順序は本発明の範囲内で変更してよい。
【0013】
本発明の1つ以上の態様の詳細な説明を、本発明の原理を図示する添付の図面に沿って以下に記載する。本発明をそのような態様に関して説明するが、本発明はいかなる態様にも限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ制限され、そして本発明は多数の変更、改変および均等物を包含する。本発明を完全に理解するため、以下の説明において多数の具体的な細部について述べる。これら細部は例示の目的で示すものであり、本発明はこれら具体的な細部のいくつかまたは全て無しに特許請求の範囲に従って実施できる。明瞭さのため、本発明に関連する技術分野において既知の技術的事項は、本発明を不必要に判り難くすることのないよう、詳細に説明していない。
【0014】
図1は物品(10)の上面に埋め込まれたディスプレイパネル(11)を含む物品(10)の上面図を示す。文字または図形のデザイン(12)がオプションとして上面に表わされていてもよい。用語「埋め込まれた(または埋込)」は、本発明との関連において、物品を形成しようとするとき(物品を形成した後ではない)にディスプレイパネルが物品の上面に一体化されていることを示すよう意図したものである。
【0015】
物品の形成に適する製造プロセスには、例えばホットスタンピング(または箔押)、ラミネーション、射出成形、熱成形、圧縮成形またはブロー成形が含まれ得る。スタンピング、ラミネーションまたは成形プロセスにて物品に適する材料の例には次のものが含まれるが、これらに限定されない:熱可塑性材料、例えばポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(acrylics)、ポリスルホン、ポリアリールエステル、ポリプロピレンオキシド、ポリオレフィン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、メタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(MABS)、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタンおよび他の熱可塑性エラストマーまたはそれらの混合物(またはブレンド)など、ならびに熱硬化性材料、例えば反応射出成形グレードのポリウレタン、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ビニルエステルまたはそれらの複合体、プリプレグおよび混合物など。
【0016】
(I)インモールドディスプレイ転写膜または箔
本発明の物品の製造において、ディスプレイパネルを含むインモールドディスプレイ転写膜または箔をまず作製する。
【0017】
本願を通じて用語「インモールド(in-mold)」を使用するが、本発明はスタンピング、ラミネーション、またはスタンピングもしくはラミネーションと成形プロセスとの組合せなどのプロセスに拡張可能であることが理解される。
【0018】
図2aはそのようなインモールドディスプレイ転写膜または箔(20)の断面図であり、これは仮(または一時的な)キャリア層(21)、リリースコーティング(22)、オプションの耐久コーティング(23)、ディスプレイパネル(24)および接着剤またはタイコート層(25)を含んで成る。リリース層(22)、存在する場合には耐久層(23)、ディスプレイパネル(24)および接着剤層(25)をキャリア膜(21)上に順次コートまたはラミネート(または積層)する。本願を通じて、説明を簡単にするためにこれらの異なる層をまとめて「インモールドディスプレイ転写膜または箔」と言うものとする。
【0019】
インモールド転写プロセスにおいて、インモールドディスプレイ転写膜または箔を型内に、仮キャリア層(21)が型の表面と接触するようにして供給する。
【0020】
重要なエレメントであるディスプレイパネル(24)は粒子ベースのディスプレイ、例えばT. PhamらによるSID 02ダイジェスト第119頁(2002年)に記載されるようなフリッピングボールディスプレイ;R. HattoriらによるSID 03ダイジェスト第846頁(2003年)に記載されるような液体粉末ディスプレイ;または電気泳動ディスプレイ、とりわけ同時係属出願である米国特許出願第09/518,499号(国際公開WO 01/06917に対応)、米国特許出願第09/879,408号(国際公開WO 02/100155に対応)、米国特許出願第10/447,719号(国際公開WO 03/102673に対応)、米国特許出願第10/422,413号(国際公開WO 03/91798に対応)、米国特許出願第10/422,557号(国際公開WO 03/91788に対応)、および米国特許出願第60/375,936号に開示されるようなマイクロカップ(Microcup、登録商標)EPDなどであってよい。上記に引用したもの全ての開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0021】
電気泳動ディスプレイは伝統的な(または従来の)アップ/ダウンスイッチングモードを有していてよい。これは同時係属出願である米国特許出願第10/198,729号(国際公開WO 03/009059に対応)および米国特許出願第10/222,036号(国際公開WO 03/016993に対応)にそれぞれ開示されるインプレーンまたはデュアルスイッチングモードを有していてよく、これら双方の開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0022】
また、ディスプレイパネルはOLED(organic light emitting device:有機発光デバイス)、PLED(polymer light emitting device:ポリマー発光デバイス)または液晶ディスプレイ、特にポリマー分散型液晶(PDLC:polymer dispersed liquid crystal)、マイクロカップ(登録商標)LCD(同時係属出願である米国特許出願第09/759,212号(国際公開WO 02/56097に対応)および米国特許出願第10/178,990号に開示されるようなものであり、これら双方の開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる)またはコレステリック液晶デバイス(ChLCD:cholesteric liquid crystal device)であってよい。PDLCおよびOLED/PLEDを含む反射型ディスプレイの概説はそれぞれ次の書籍に見ることができる:P.S. Drzaicによる「液晶分散物(Liquid Crystal Dispersions)」、ワールドサイエンティフィックパブリッシング社(World Scientific Publishing Co.)(1995年);S−T. WuおよびD−K, Yangによる「反射型液晶ディスプレイ(Reflective Liquid Crystal Displays)」、ジョンワイリー・アンド・ソンズ(John Wiley & Sons)(2001年);およびSID 03ダイジェスト(2003年)。これら全ての開示内容もまた参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0023】
ディスプレイパネルは薄くて可撓性(またはフレキシブル)であることが好ましく、また、ディスプレイを形成するために使用する基材は射出成形などの転写プロセスにおける処理条件または他の成形条件にディスプレイが耐え得るように高い加熱撓み温度を有することが好ましい。プラスチックベースのディスプレイパネルが好ましい。用語「プラスチックベースのディスプレイパネル」とは、本発明との関連において、プラスチック基材層上に形成され、2つのプラスチック基材層の間に挟持され、あるいは透明プラスチック層と絶縁体で被覆した薄い金属もしくは金属酸化物箔またはガラスシートとの間に挟持されたディスプレイパネルを言うものとする。金属もしくは金属酸化物箔は炭素鋼もしくはステンレス鋼、Al、Sn、Ni、Cu、Zn、Mgまたはそれらの合金、酸化物、複合体もしくは混合物などから形成できる。
【0024】
図2cはプラスチックベースのマイクロカップ(登録商標)ディスプレイパネルの拡大図である。このパネル(24)は複数のディスプレイセル(26)、上部電極プレート(27a)および底部電極プレート(27b)を有する。このディスプレイパネルは底部プラスチック基材層(28b)上に上部プラスチック基材層(28a)を積層して、あるいはそれら双方に形成できる。プラスチック基材層(単数または複数)に適切な材料には次のものが含まれ得る:ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリサイクリックオレフィンを含むポリオレフィン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスルホン、ポリイミド(PI)、ポリアリールエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリシロキサンおよびそれらの共重合体、混合物または複合体。PET、PBT、PENおよびPCが好ましい。
【0025】
マイクロカップ(登録商標)ベース(またはマイクロカップに基づく)ディスプレイにおいて、ディスプレイセル(26)は熱可塑性物、熱可塑性エラストマー、熱硬化性物およびそれらの前駆体からなる群より選択される材料から形成されるシーリング層により上面が個々に封止される。
【0026】
ディスプレイパネルとするため、上部電極層(27a)側または底部電極層(27b)側のいずれかを表示側にできる。換言すれば、インモールドディスプレイ転写膜または箔では、上部電極層側または底部電極層側のいずれかを成形プロセス中にリリース層(22)または存在する場合には耐久層(23)に接触させ得る。
【0027】
インプレーン電極基材および絶縁体基材を含むインプレーンスイッチングEPDの場合、ディスプレイドライバおよび外部回路への接続を簡単にするために表示側は絶縁体側とすることが好ましい。
【0028】
仮キャリア層(21)は通常、約3.5〜約50ミクロンの厚さを有する薄いプラスチックフィルムである。PET、PENおよびPCフィルムは低コストであり、透明性が高く、および熱機械的に安定であるので特に好ましい。
【0029】
インモールド転写ディスプレイ膜のリリースコーティング(22)により、ディスプレイパネルへのダメージを最小限にしつつディスプレイパネルコーティングをキャリアからリリースする(または離す)ことができ、および成形する間に完全自動化ロール転写プロセスを実現できる。
【0030】
リリースコーティングは通常、例えばワックス、パラフィンまたはシリコーンなどの材料から作製される低表面張力コーティング、または例えば放射線硬化性多官能アクリレート、シリコーンアクリレート、エポキシド、ビニルエステル、ビニルエーテル、アリルおよびビニル、不飽和ポリエステルまたはそれらの混合物などの材料から作製される高度に平滑で不浸透性(または不透過性)のコーティングである。リリース層はエポキシ、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、メラミンホルムアルデヒド、ユリアホルムアルデヒドおよびフェノールホルムアルデヒドからなる群より選択される縮合重合体、共重合体、混合物または複合体を含み得る。
【0031】
オプションの耐久コーティング(23)は、ディスプレイパネル(24)および存在する場合にはインクまたは金属配線に対して保護層として機能する。耐久コーティングに適切な原料には次のものが含まれ得るが、これらに限定されない:エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、シリコーンアクリレート、グリシジルアクリレートを含む放射線硬化性多官能アクリレート、エポキシド、ビニルエステル、ジアリルフタレート、ビニルエーテルおよびそれらの混合物。オプションの耐久コーティングは縮合重合体または共重合体、例えばエポキシ、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、メラミンホルムアルデヒド、ユリアホルムアルデヒドまたはフェノールホルムアルデヒドなどを含み得る。オプションの耐久コーティングはゾル−ゲルシリケートまたはチタンエステル(titanium ester)を含み得る。
【0032】
インモールド転写ディスプレイ膜の耐久層は部分的または完全に硬化していてよい。部分的に硬化させた場合、耐久性、特に硬度、引っ掻き抵抗性および耐油性を増強するため、成形および/または転写工程の後に後硬化工程が適用されよう。
【0033】
リリース特性を改善するため、耐久層の原料、特に低分子量成分がリリース層へ浸透しないことが好ましい。耐久層をコートし、硬化または部分的に硬化させた後、耐久層はリリース層に対してわずかに適合性または非適合性となる。バインダおよび添加剤、例えば増粘剤、界面活性剤、分散剤、UV安定剤、または酸化防止剤などを使用して、レオロジー、濡れ性、コーティング特性、耐候性およびエージング特性を制御するようにしてよい。また、フィラー、例えばシリカ、Al、TiO、CaCO、微結晶性ワックスまたはポリエチレン、テフロン(登録商標)または他の潤滑性粒子を添加して、例えば耐久層の引っ掻き抵抗および硬度を改善するようにしてもよい。耐久層は通常、約2〜約20ミクロン、好ましくは約3〜約8ミクロンの厚さである。ディスプレイパネルを覆う領域における耐久層は透明であることが好ましい。
【0034】
耐久層(23)が存在しない場合、ディスプレイパネル(24)における上部基材層(28a)または底部基材層(28b)が保護層として機能し得る。この場合、表示側にあるディスプレイ基材層はディスプレイパネル領域を越えて延在して転写膜または箔のリリース膜の一部または全部を覆っていてよい。ディスプレイパネル(24)はリリース層または存在する場合には耐久層上に直接に、場合により接着剤層(図示せず)によってラミネートされていてよい。
【0035】
ディスプレイパネル(24)および存在する場合にはインクまたは金属パターンを成形物品の上面に対して適切に付着させるために、接着剤層(25)をディスプレイパネルコーティングに含める。接着剤層は、例えばポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、エチレンビニルアセテート共重合体(EVA)もしくは熱可塑性エラストマーなど、またはそれらの共重合体、混合物もしくは複合体などの材料から形成され得る。ホットメルトまたは熱活性型接着剤、例えばポリウレタンおよびポリアミドが特に好ましい。接着剤層の厚さは約1〜約20ミクロンの範囲、好ましくは約2〜約6ミクロンの範囲にあり得る。
【0036】
耐久層が存在する場合、印刷インクまたは金属パターンはディスプレイパネル(24)と耐久層(23)との間、または耐久層(23)と接着剤層(25)との間で、ディスプレイが存在しない領域にて存在してよい。耐久層が存在しない場合は、印刷インクまたは金属パターンがディスプレイに下記第IV章にて説明するように存在してよい。
【0037】
(II)インモールドディスプレイ挿入膜または箔
図2bはインモールドディスプレイ挿入膜または箔の概略断面図である。この場合、キャリア層(21a)はスタンピング、ラミネーションまたは成形プロセス後の最終製品の一部となる。ディスプレイパネル(24)はキャリア膜(21a)上に接着剤層(図示せず)によってラミネートされ、および場合により他方側はホットメルトまたは熱活性型接着剤(25)でオーバーコートされ得る。別法では、当該技術分野において既知の方法、例えば同時係属出願である米国特許出願第09/518,488号に記載されるような方法によってディスプレイパネルをキャリア膜上に直接作製し得る。この場合、キャリア膜にはインジウムスズ酸化物(ITO)などの透明電極層が含まれていてよい。
【0038】
インモールドディスプレイ転写膜または箔と同様に、印刷インクおよび金属パターンはディスプレイパネルとキャリア膜との間、またはキャリア膜と接着剤層(25)との間で、ディスプレイが存在しない領域にて存在してよい。本願を通じて、説明を簡単にするためにこれらの異なる層をまとめて「インモールドディスプレイ挿入膜または箔」と言うものとする。
【0039】
(III)物品の製造
典型的なインモールド転写プロセスを図3aに示す。この成形プロセスでは、インモールドディスプレイ転写膜または箔をロールまたはウェブにて成形機械内へ連続的に供給する。型(30)は物品(36b)用の射出成形または圧縮成形型であり得る。成形プロセスの間、型を閉じ、物品形成用のプラスチック溶融物を射出ノズルおよびランナを通じて型の空洞部(36a)へ射出(または注入)する。成形後、ディスプレイパネル、存在する場合には耐久層、および存在する場合にはインクおよび金属装飾パターンも、成形された物品に転写される。この成形物品を型から外す。また仮キャリア層(31)およびリリース層(32)も、存在する場合には耐久層(33)を残しつつ同時に外すと、物品の表面の最上部層は物品と一体的な部分として下方に埋め込まれたディスプレイパネル(34)を有するものとなる。層(35)は接着剤層である。
【0040】
型に対するディスプレイ転写膜の位置合わせを容易にするため、ロールまたはウェブに位置合わせマークを予め印刷し、例えば光学センサによって位置合わせをして型内へ連続的に供給してよい。
【0041】
耐久層(33)が存在しない場合、ディスプレイパネル(34)の一方のプラスチック基材層が、物品の表面にある最上部層となるであろう。
【0042】
図3bに示すようなインモールド挿入プロセスでは、まずインモールドディスプレイ挿入膜または箔を適当な寸法および形状に切断し、その後、型(30)内に挿入する。インモールドディスプレイ挿入膜を図示するように型の壁面に接触させ、場合により真空下にて配置する。ディスプレイパネルコーティングは手で配置でき、その挿入を容易にするために静電気を使用してもよく、あるいは挿入を機械化してもよい。挿入を機械化することは大量生産に特に好都合である。
【0043】
ディスプレイ挿入膜のキャリア層(31a)は型の内壁面と接触している。その後、型を閉じ、物品(36b)形成用のプラスチック溶融物を射出ノズルおよびランナを通じて型の空洞部(36a)へ射出する。この場合、キャリア膜(31a)は最終製品と一体化した部分となり得る。場合により、ディスプレイ挿入膜は型に挿入する前に所定の形状に熱成形しても、ダイカットしてもよい。
【0044】
2つのタイプの製造プロセスのいずれかに使用する型は、ディスプレイパネル挿入または転写を念頭において設計しなければならない。適切な熱転写をディスプレイパネルにある様々な層を介して確実に行うため、ゲート位置はディスプレイパネルを型の空洞部に抗して押さえ付けることができるようにしなければならない。また、ディスプレイパネルの電極が成形後、次のディスプレイドライバおよび外部回路への接続のために露出するように、型を設計しなければならない。加えて、成形材料を切断するに先立って、成形流れおよび充填分析を実施すべきである。また、成形ホットスポットを最小限にするため、成形冷却分析も考慮すべきである。最後に、成形温度の設定にはディスプレイパネルの存在を考慮しなければならない。
【0045】
ディスプレイパネルを外部回路およびドライバに接続するコネクタは図2aまたは図2bのいずれにも図示していない。インモールドディスプレイ転写膜または箔あるいはインモールドディスプレイ挿入膜または箔はロールの形態であってよい。
【0046】
図4aはディスプレイパネルが上面に埋め込まれた固い物品の断面図である。物品(40)は図示するように開口した穴またはスロット(41)の形態を有する接続空洞部を本体中に有して、ディスプレイパネル(42)を必要な回路に接続できるようになっていてよい。ディスプレイの電極(43)はドライバ接続のための穴またはスロットを介して通じ(route)、そして露出する。ACF、導電性PSAまたは銀ペーストなどの導電性接着剤(45)または機械的取付具のいずれかにより、電気コード(flex)ケーブル(44)または他のタイプの柔軟な接続ハーネスを電極に取り付けることができる。
【0047】
図4bは結合領域を固定し、および電極接続の信頼性を高めるために更に挿入することのできるスナップ式(または内嵌:snap-in)プラグ(46)を図示する。ダイレクトドライブディスプレイでは、コモン電極が表示側に配置され、インモールドディスプレイ挿入膜または箔の場合、コモン電極はキャリアフィルム上に適用される。ダイレクトドライブディスプレイのセグメント電極はバイアス(vias)(スルーホール)を介して、ディスプレイの裏面に配置されている接続パッドに通じている。アクティブマトリックスディスプレイでは、コモン電極が表示側に配置され、および可撓性のアクティブスイッチング成分層が非表示側に配置される。信号接続パッドがディスプレイの裏面に配置され、バイアスを介してアクティブスイッチング成分に通じている。パッシブマトリックスディスプレイでは、接続プロセスを簡単にするため、全ての行電極および列電極を裏面に通じさせるべきである。通じさせること(routing)は、バイアスまたはフレキシブル回路アダプタを介して行うことができる。これら3つのタイプのディスプレイ、即ち、ダイレクトドライブ、アクティブマトリックスおよびパッシブマトリックスでは、場合によりディスプレイドライバ(47)をディスプレイに配置して接続パッドの数を減らすことができ、更にこれにより接続の質を改善し、および製造コストを削減することができる。
【0048】
別法では、ブロー成形または熱成形により、回路を収容する内側空洞部を形成するように物品を形成することができる。ブロー成形または熱成形により物品を製造するには、まず、ディスプレイ転写または挿入膜を開いた型内に配置して所定の場所に、例えば真空または張力により保持する;その後、型を閉じる。物品形成用のプラスチック材料を熱成形し、または型内へブローする。ディスプレイパネルは、射出または圧縮成形プロセスと同様、例えばカップまたはボトルなどの成形物品の上面に付着し、および埋め込まれる。
【0049】
別法では、圧縮成形、ホットスタンピングまたはラミネーションなどの他の成形プロセスにより物品を形成し得る。
【0050】
(IV)装飾デザインの適用
文字および/または図形のデザインも物品の上面に表わされていてよい。最も一般的なデザインにはブランド名、ロゴもしくはシンボルまたは他の装飾的なデザインが含まれる。
【0051】
装飾デザインを適用する(または施す)伝統的な方法にはスクリーン印刷、パッド印刷、ホットスタンピング、ラミネーションおよび塗装が含まれる。これら方法は歴史的には、追加の処理工程を要する後成形操作であった。
【0052】
近年、代替となる装飾方法、例えばインモールド箔、インサート成形または昇華熱転写などが使用されてきている。図5および6はインモールド装飾プロセスを図示する。
【0053】
図5はインモールドディスプレイ転写または挿入膜におけるディスプレイパネルの拡大図である。このディスプレイパネルは複数のディスプレイセル(50)、上部電極層(51)、底部電極層(52)および上部プラスチック基材層(53)を含んで成る。装飾デザインを上部プラスチック基材層の第1面(54)または第2面(55、裏側)にスクリーン印刷できる。底部電極層(52)が底部基材層(57)上に配置され、底部基材層(57)は接着剤または結合(またはタイ)層(図示せず)によりプラスチック成形物品(図示せず)に結合させ得る。底部基材層は上述のようなプラスチック層、あるいは絶縁体で被覆した金属もしくは金属酸化物箔であって、炭素鋼、ステンレス鋼、Al、Sn、Ni、Cu、Zn、Mgまたはそれらの合金もしくは酸化物から形成されるものであってよい。
【0054】
図6は装飾デザインが上部耐久層(66)の下方にある上部プラスチック基材層(63)の第1面(64)に、あるいはディスプレイの第1電極層(61)の上方にある上部基材層(63)の第2面に印刷された別の態様を示す。装飾パターンが第1面(64)にある場合、表面の硬度、引っ掻き抵抗性および耐油性を改善するためには上方に耐久層(66)があることが極めて望ましい。図5にて説明したインモールドディスプレイ膜と同様に、底部電極層(62)が底部基材層(67)上に配置され、底部基材層(67)は接着剤または結合層(図示せず)によりプラスチック成形物品(図示せず)に結合させ得る。底部基材層は上述のようなプラスチック層、あるいは絶縁体で被覆した金属もしくは金属酸化物箔であって、炭素鋼、ステンレス鋼、Al、Sn、Ni、Cu、Zn、Mgまたはそれらの合金もしくは酸化物から形成されるものであってよい。
【0055】
装飾デザインは熱成形によっても形成できる。この場合、キャリア膜は成形物品の一部となり、隆起したまたは窪んだパターンを有する装飾層全体は、典型的には厚さが約0.2〜約1mmの範囲、好ましくは約0.3〜約0.7mmの範囲にある。これは通常、ABS、ポリスチレンまたはPVCシートを型内で熱成形して得られる。
【0056】
別法では、装飾層はフィルムに装飾デザインを形成するように高圧空気を用いることを含む高圧成形によっても形成できる。また、装飾層は空気でなく静水嚢(hydrostatic bladder)が形成機構として機能するハイドロフォーミングによっても形成できる。
【0057】
また、上述の方法のいずれか1つから作製される装飾層は、ディスプレイパネルと重ならない領域に戦略的に印刷された装飾デザインを有する必要があることに留意されるべきである。換言すれば、装飾デザインはディスプレイイメージ(または表示像)を邪魔してはいけない。
【0058】
本発明の特定の態様を参照しつつ本発明を説明してきたが、本発明の真の概念および範囲を逸脱することなく様々な変更がなされ得ることおよび均等物で置換され得ることが理解される。加えて、個々の状況に適合させるために多くの改変がなされ得る。そのような全ての改変は本発明の範囲に属するように意図するものである。
【0059】
上記態様は明確な理解のために幾分詳細に説明したものであるが、本発明はそのような詳細なものに限定されない。本発明を実施する多くの別の方法が存在する。開示した態様は例示的なものであって、制限的なものではない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の物品の上面図を示す。
【図2a】ディスプレイパネルを含むインモールド転写膜または箔の断面図である。
【図2b】ディスプレイパネルを含むインモールド挿入膜または箔の断面図である。
【図2c】代表的なプラスチックベースのディスプレイパネルの拡大図である。
【図3a】インモールド転写膜または箔を用いる射出成形プロセスの断面図である。
【図3b】インモールド挿入膜または箔を用いる射出成形プロセスの断面図である。
【図4a】内側空洞部を有する本発明の物品を図示する。
【図4b】内側空洞部を有する本発明の物品を図示する。
【図5】本発明の物品への装飾デザインの適用を図示する。
【図6】本発明の物品への装飾デザインの適用を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に埋め込まれたディスプレイパネルを有するプラスチック物品。
【請求項2】
前記ディスプレイパネルが前記物品の非ディスプレイ部分とシームレスに結合している、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
成形、スタンピング、ラミネーションまたはそれらの組合せにより形成される、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記成形プロセスが射出成形、圧縮成形、熱成形またはブロー成形である、請求項3に記載の物品。
【請求項5】
前記ディスプレイパネルが前記物品の上面と密接に接触している、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
前記ディスプレイパネルの上部表示基材層が物品の上部層と同一である、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
熱可塑性材料、熱可塑性エラストマー、熱硬化性材料およびそれらの混合物、プリプレグまたは複合体からなる群より選択される材料から形成される、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
前記熱可塑性材料がポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリスルホン、ポリアリールエステル、ポリプロピレンオキシド、ポリオレフィン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、メタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(MABS)、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタンまたはそれらの複合体、プリプレグもしくは混合物である、請求項7に記載の物品。
【請求項9】
前記熱硬化性材料が反応射出成形グレードのポリウレタン、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ビニルエステルまたはそれらの複合体、プリプレグもしくは混合物である、請求項7に記載の物品。
【請求項10】
前記ディスプレイパネルが電気泳動ディスプレイ、フリッピングボールディスプレイ、液体粉末ディスプレイまたは他の粒子タイプのディスプレイである、請求項1に記載の物品。
【請求項11】
前記電気泳動ディスプレイがマイクロカップ(登録商標)ベースである、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
前記ディスプレイパネルが液晶ディスプレイである、請求項1に記載の物品。
【請求項13】
前記液晶ディスプレイがマイクロカップ(登録商標)ベースである、請求項12に記載の物品。
【請求項14】
前記電気泳動ディスプレイが伝統的なアップ/ダウン、インプレーンまたはデュアルスイッチングモードを有する、請求項10に記載の物品。
【請求項15】
前記ディスプレイパネルがOLEDまたはPLEDである、請求項1に記載の物品。
【請求項16】
前記液晶ディスプレイがポリマー分散型液晶またはコレステリック液晶ディスプレイである、請求項12に記載の物品。
【請求項17】
前記ディスプレイパネルがプラスチック基材層上に形成され、2つのプラスチック基材層の間に挟持され、または透明プラスチック層と薄い金属もしくは金属酸化物箔またはガラスシートとの間に挟持される、請求項1に記載の物品。
【請求項18】
前記プラスチック基材層がポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリオレフィン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスルホン、ポリイミド(PI)、ポリアリールエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリシロキサンまたはそれらの共重合体、混合物もしくは複合体から形成される、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記プラスチック基材材料がPET、PBT、PENまたはPCから形成される、請求項17に記載の物品。
【請求項20】
前記金属もしくは金属酸化物箔が鋼、Al、Sn、Ni、Cu、Zn、Mgまたはそれらの合金、酸化物、複合体もしくは混合物から形成される、請求項17に記載の物品。
【請求項21】
前記鋼は炭素鋼またはステンレス鋼である、請求項20に記載の物品。
【請求項22】
装飾デザインをその上面に更に含む、請求項1に記載の物品。
【請求項23】
前記装飾デザインが後成形により適用される、請求項22に記載の物品。
【請求項24】
前記装飾デザインがインモールドプロセスにより適用される、請求項22に記載の物品。
【請求項25】
前記ディスプレイパネルが、上部表示側可撓性基材層と底部可撓性基材層との間に挟持される複数のディスプレイセルを含む、請求項22に記載の物品。
【請求項26】
前記上部表示側可撓性基材層が透明基材層である、請求項25に記載の記載の物品。
【請求項27】
前記上部表示側可撓性基材層が透明プラスチック基材層である、請求項26に記載の物品。
【請求項28】
底部可撓性基材層がプラスチック基材層、薄い金属もしくは金属酸化物箔またはガラスシートである、請求項25に記載の物品。
【請求項29】
前記装飾デザインが上部表示側基材層の片側に表わされている、請求項25に記載の物品。
【請求項30】
前記ディスプレイパネルが非ディスプレイ領域に装飾デザインを有する、請求項22に記載の物品。
【請求項31】
前記装飾デザインが射出成形、圧縮成形、熱成形、ブロー成形、ホットスタンピング、ラミネーションまたはそれらの組合せにより物品に形成されている、請求項22に記載の物品。
【請求項32】
携帯電話またはポケットベルのプラスチックカバーである、請求項1に記載の物品。
【請求項33】
前記ディスプレイパネルがマイクロカップ(登録商標)ベースである、請求項32に記載の物品。
【請求項34】
個人の身の回り品である、請求項1に記載の物品。
【請求項35】
玩具または教育デバイスである、請求項1に記載の物品。
【請求項36】
携帯情報端末または電子書籍のプラスチックカバーである、請求項1に記載の物品。
【請求項37】
クレジットもしくはスマートカードまたは身分証明書もしくは名刺である、請求項1に記載の物品。
【請求項38】
アルバム、腕時計、掛けもしくは置き時計、ラジオまたはカメラのフェイスである、請求項1に記載の物品。
【請求項39】
自動車のダッシュボードである、請求項1に記載の物品。
【請求項40】
家庭用品である、請求項1に記載の物品。
【請求項41】
ラップトップ型コンピュータのハウジング、一般消費者向け電子機器のキャリングケースまたはフロントコントロールパネルである、請求項1に記載の物品。
【請求項42】
仮キャリア膜、リリース層、ディスプレイパネル、および接着剤または結合層およびオプションとして耐久層を含んで成る、インモールドディスプレイ転写膜または箔。
【請求項43】
ディスプレイパネルとリリース層との間に接着剤層を更に含んで成る、インモールドディスプレイ転写膜または箔。
【請求項44】
前記仮キャリア層がPET、PENまたはPCの薄いフィルムである、請求項42に記載のインモールドディスプレイ転写膜または箔。
【請求項45】
前記リリース層がワックス、パラフィンもしくはシリコーン、または放射線硬化性多官能アクリレート、シリコーンアクリレート、エポキシド、ビニルエステル、ビニルエーテル、アリルもしくはビニル、不飽和ポリエステルまたはそれらの混合物から作製される高度に平滑で不浸透性のコーティングから形成される、請求項42に記載のインモールドディスプレイ転写膜または箔。
【請求項46】
前記リリース層がエポキシ、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、メラミンホルムアルデヒド、ユリアホルムアルデヒドおよびフェノールホルムアルデヒドからなる群より選択される縮合重合体、共重合体、混合物または複合体を含む、請求項42に記載のインモールドディスプレイ転写膜または箔。
【請求項47】
前記オプションの耐久コーティングが放射線硬化性多官能アクリレート、エポキシド、ビニルエステル、ジアリルフタレート、ビニルエーテルまたはそれらの混合物から形成される、請求項42に記載のインモールドディスプレイ転写膜または箔。
【請求項48】
前記オプションの耐久コーティングが縮合重合体または共重合体を含む、請求項42に記載のインモールドディスプレイ転写膜または箔。
【請求項49】
前記縮合重合体または共重合体がエポキシ、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、メラミンホルムアルデヒド、ユリアホルムアルデヒド、およびフェノールホルムアルデヒドからなる群より選択される、請求項48に記載のインモールドディスプレイ転写膜または箔。
【請求項50】
前記オプションの耐久コーティングがゾル−ゲルシリケートまたはチタンエステルを含む、請求項42に記載のインモールドディスプレイ転写膜または箔。
【請求項51】
前記放射線硬化性多官能アクリレートがエポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、シリコーンアクリレートまたはグリシジルアクリレートである、請求項47に記載のインモールドディスプレイ転写膜または箔。
【請求項52】
前記接着剤層がポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、エチレンビニルアセテート共重合体(EVA)もしくは熱可塑性エラストマーまたはそれらの共重合体、混合物もしくは複合体から形成される、請求項42に記載のインモールドディスプレイ転写膜または箔。
【請求項53】
前記接着剤層がホットメルトまたは熱活性型接着剤である、請求項42に記載のインモールドディスプレイ転写膜または箔。
【請求項54】
前記接着剤層がポリウレタン、ポリアミド、またはそれらの共重合体、混合物もしくは複合体である、請求項42に記載のインモールドディスプレイ転写膜または箔。
【請求項55】
前記接着剤層がポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレートまたはそれらの共重合体、混合物もしくは複合材料である、請求項42に記載のインモールドディスプレイ転写膜または箔。
【請求項56】
ロールの形態を有する、請求項42に記載のインモールドディスプレイ転写膜または箔。
【請求項57】
キャリア層、ディスプレイパネルおよび接着剤層を含んで成る、インモールドディスプレイ挿入膜または箔。
【請求項58】
前記ディスプレイパネルがキャリア層上に直接形成される、請求項57に記載のインモールドディスプレイ挿入膜または箔。
【請求項59】
ロールの形態を有する、請求項57に記載のインモールドディスプレイ挿入膜または箔。
【請求項60】
物品の上面に埋め込まれたディスプレイパネルを有する物品を製造する方法であって、
a)仮キャリア層、リリース層、ディスプレイパネル、接着剤層およびオプションとして耐久層を含んで成るインモールドディスプレイ転写膜または箔を形成し;
b)該インモールドディスプレイ転写膜または箔を型内へ、仮キャリア膜が型の内面と接触するようにして供給し;
c)該物品を形成するために型内へプラスチック材料を射出し;
d)形成された物品を型から外し;および
e)仮キャリア層およびリリース層の双方を同時に外す
ことを含む方法。
【請求項61】
物品の上面に埋め込まれたディスプレイパネルを有する物品を製造する方法であって、
a)キャリア層、ディスプレイパネルおよび接着剤層を含んで成るインモールドディスプレイ挿入膜または箔を形成し;
b)該インモールドディスプレイ挿入膜または箔を型内へ、該キャリア層が型の内面と接触するようにして供給し;
c)該物品を形成するために該型内へプラスチック材料を射出し;
d)形成された物品を型から外す
ことを含む方法。
【請求項62】
前記ディスプレイパネルをキャリア層上に直接形成する、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
物品の上面に埋め込まれたディスプレイパネルを有する物品を製造する方法であって、
a)仮キャリア層、リリース層、ディスプレイパネル、接着剤層およびオプションとして耐久層を含んで成るインモールドディスプレイ転写膜または箔を形成し;
b)該インモールドディスプレイ転写膜または箔を型内へ、仮キャリア膜が型の内面と接触するようにして供給し;
c)該物品を型内にてプラスチック材料により熱成形またはブロー成形し;
d)形成された物品を型から外し;および
e)仮キャリア層およびリリース層の双方を同時に外す
ことを含む方法。
【請求項64】
物品の上面に埋め込まれたディスプレイパネルを有する物品を製造する方法であって、
a)キャリア層、ディスプレイパネルおよび接着剤層を含んで成るインモールドディスプレイ挿入膜または箔を形成し;
b)該インモールドディスプレイ挿入膜または箔を型内へ、該キャリア層が型の内面と接触するようにして供給し;
c)該物品を型内にてプラスチック材料により熱成形またはブロー成形し;
d)形成された物品を型から外す
ことを含む方法。
【請求項65】
前記ディスプレイパネルを前記キャリア膜上に直接形成する、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
物品の上面に埋め込まれたディスプレイパネルを有する物品を製造する方法であって、
a)仮キャリア層、リリース層、ディスプレイパネル、接着剤層およびオプションとして耐久層を含んで成るインモールドディスプレイ転写膜または箔を形成し;
b)該インモールドディスプレイ転写膜または箔を型内へ、仮キャリア膜が型の内面と接触するようにして供給し;
c)該物品を型内にてプラスチック材料により圧縮成形し;
d)形成された物品を型から外し;および
e)仮キャリア層およびリリース層の双方を同時に外す
ことを含む方法。
【請求項67】
物品の上面に埋め込まれたディスプレイパネルを有する物品を製造する方法であって、
a)キャリア層、ディスプレイパネルおよび接着剤層を含んで成るインモールドディスプレイ挿入膜または箔を形成し;
b)該インモールドディスプレイ挿入膜または箔を型内へ、該キャリア層が型の内面と接触するようにして供給し;
c)該物品を型内にてプラスチック材料により圧縮成形し;および
d)形成された物品を型から外す
ことを含む方法。
【請求項68】
前記ディスプレイパネルを前記キャリア膜上に直接形成する、請求項67に記載の方法。

【図1】
image rotate

image rotate

image rotate

image rotate

image rotate

image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2007−535416(P2007−535416A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513441(P2006−513441)
【出願日】平成16年4月28日(2004.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/013247
【国際公開番号】WO2005/002305
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(500327016)シピックス・イメージング・インコーポレーテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】SiPix Imaging,Inc
【住所又は居所原語表記】1075 Montague Expressway,Milpitas,California95035,United States of America
【Fターム(参考)】