説明

基板ホルダー

【課題】 狭持に基づく基板の歪みを低減する基板ホルダーを提供する。
【解決手段】 ホルダー本体1の凹部に設けられたプレート5の三箇所に、それぞれ、バネ9a,9b,9cの弾性力によりガラス乾板10を押し上げる為のピン60a,60b,60cとピン支持体61a,61b,61cが設けられている。ピン支持体61a,61b,61cの各ピン支持部は筒状に成してあり、ピン支持体61a,61b,61cの各筒状部と各ピン60a,60b,60cの下方側面それぞれとの間にオーリング62a,62b,62cが挿入されており、ピン60a,60b,60cがそれぞれピン支持体支持体61a,61b,61c上で回転可能に成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハ、或いはガラス乾板の如き基板を保持する基板ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子製作装置では、レジストが塗布されたシリコンウエハ若しくはガラス乾板の如き基板上の所定位置に電子ビームの如き荷電粒子ビーム若しくはレーザービームの如き光ビームを照射して、基板上にICパターンを描いている。
【0003】
一方、半導体素子検査装置では、ICパターンが描かれたシリコンウエハ若しくはガラス乾板の如き基板上を荷電粒子ビーム、若しくはレーザービーム等のビームで走査し、該走査により、基板上より得られた二次電子、若しくは反射光に基づいてパターンの分析を行っている。
【0004】
これらの半導体素子製作装置や半導体素子検査装置においては、何れも、基板をホルダーにセットし、そのホルダーを描画室或いは観察室の如きチャンバー内に設けられているステージ上にセットした状態で、荷電粒子ビーム或いはレーザービーム等のビームを照射する様にしている。
【0005】
図1はガラス乾板を保持するための基板ホルダーの一概略例を示している(図1の(b)は図1の(a)のA−A断面図である)。
【0006】
図中1は直方体状のホルダー本体であり、中央部にガラス乾板を収容するための直方体状の凹部2が形成されている。この凹部に沿って一方方向に伸びる一方の山部3aには上面規制板4a,4bが、他方の山部3bには上面規制板4cが取り付けられている。
【0007】
又、前記凹部2中には、該凹部の底面積より小さい面積のプレート5が上下方向に移動可能に配置されている。
【0008】
この様な移動を可能にする機構は、例えば、前記プレート5の中央部に孔を明け、中央に垂直に伸びた円柱棒21が一体化された円板22を前記プレート5の上面に残し、該円柱棒を前記孔と前記ホルダー本体底壁を通し、前記円板22の下面とホルダー本体底壁の上面の間に前記円柱棒21を囲う様にバネ23を挿入し、該円柱棒をホルダー本体外部の駆動機構(図示せず)により上下に移動させることにより、前記円板22によって前記プレート5を上下に移動させる様に成したものである。
【0009】
前記プレート5の周辺部であって、前記上面規制板4a,4b,4cにそれぞれ対向する部分には、孔が開けられており、該各孔の内壁に、側部に鍔6Tが設けられたピン6a,6b,6cの上側面を除く側面を覆う様に前記プレート5に一体化されたカバー7a,7b,7cが取り付けられている。
【0010】
該各カバーの上壁(前記上面規制板に対向する壁)には前記各ピン6a,6b,6cの鍔部6Tより上方の側部の外径より大きい孔がそれぞれ明けられており、該各ピンの上方側部は該各孔を突き抜ける様に後述するコイルバネ9a,9b,9cでそれぞれ上方に押圧されている。
【0011】
一方、前記ホルダー本体1の鍔部1Tの下面であって、前記上面規制板4a,4b,4cにそれぞれ対向する部分には、バネ受け板8a,8b,8cが取り付けられている。
【0012】
該各バネ受け板上には、それぞれ、前記各カバー内面とピン外面との間の空間を通して該各ピンを、対向する前記各上面規制板(4a,4b,4c)方向に押圧する為のコイルバネ9a,9b,9cが取り付けられている。
【0013】
尚、前記各上面規制板とピンの先端部は球面状に形成されている。
【0014】
この様な構成のホルダーにガラス乾板10をセットする場合には、前記円柱棒21を駆動機構(図示せず)により前記バネ23の伸びに逆らって下方に移動させて、前記円板22によりプレート5を下方に移動させる。このプレートの移動により、このプレートに取り付けられた前記カバー7a,7b,7cに伴ってそれぞれ前記ピン6a,6b,6cも前記バネ9a,9b,9cの伸びに逆らって下方に移動する。
【0015】
この状態(前記ピン6a,6b,6cと上面規制板4a,4b,4cのそれぞれの間が大きく空く状態)において、搬送機構(図示せず)のアーム(図示せず)上に正確に位置合わせされて載置されたガラス乾板10が、搬送機構(図示せず)により前記両山部3a,3bbの内壁に沿って所定の距離だけ運ばれ、該ガラス乾板のエッジ部三箇所がそれぞれ前記ピン6a,6b,6cで支持される。
【0016】
この状態において、前記円柱棒21を駆動機構(図示せず)により上方に移動させて前記バネ23により前記プレート5を上方に移動させる。このプレートの移動により、このプレートに取り付けられた前記カバー7a,7b,7cに伴ってそれぞれ前記ピン(6a,6b,6c)も前記バネ(9a,9b,9c)の弾性力により上方に移動し、前記ガラス乾板10のエッジ部三箇所にそれぞれ前記上面規制板4a,4b,4cが接触する。この結果、該ガラス乾板はホルダーによって三点支持され、その平面度が精度良く保たれる。
【0017】
【特許文献1】特開2005−64329号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
さて、前記各ピン6a.6b,6c上にガラス乾板が載せられた時、該ガラス乾板が自重によりエッジ部から中心部にかけ僅かであるが重力方向に僅かに撓む。そして、この状態のまま、該ガラス乾板は前記上面規制板4a,4b,4cと前記ピン6a.6b,6cによりそれぞれ狭持されてしまう。
【0019】
すると、前記ガラス乾板10の前記各狭持部において、以下に説明する様なモーメント力が生じて該ガラス乾板を僅かに歪めてしまう。
【0020】
図2は前記三箇所の狭持部の内の一つを代表として示したもの(前記上面規制板4aとピン6aによる狭持部)で、前記バネ9a及び23の弾性力によるピン6aの上昇により該ピンの先端6Pがガラス乾板10下面に点APで接触して該乾板を押圧する。この時、該点APにおいて、前記ピン6aが該乾板を押す押圧力Fと、該ピンの垂直抗力Fが発生している。
【0021】
この垂直抗力Fは、前記上面規制板4a先端が前記ガラス乾板10に接触する点SPを支点として反時計方向のモーメント力を該ガラス乾板に与えるので、該ガラス乾板はこのモーメント力により僅かであるが歪む。尚、他の狭持部においても同様な現象が発生している。
【0022】
この様な歪み有したガラス乾板が保持されたホルダーを、例えば、半導体素子製作装置のステージ上にセットし、電子ビームの如き荷電粒子ビームを照射して前記ガラス基板上にパターンを描くと、前記ガラス乾板の歪みに基づく描画位置ずれが発生し、パターン描画精度が低下する。
【0023】
本発明は、この様な問題点を解決する為になされたもので、新規な基板ホルダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の基板ホルダーは、側部一方向から板状の基板の出し入れが可能な凹部が設けられたホルダー本体、該凹部底面に平行な状態を保って該底面に垂直な方向に移動可能に設けられたプレート、前記基板の下面に対し垂直方向に伸び縮みする第1の弾性体と該弾性体の弾性力により前記基板の下面に接触して該基板を押し上げる押上体を備えており、前記プレート上の少なくとも三箇所に設けられた押上機構、及び、前記各押上体とで前記基板を上下両面から挟み込んで支持するために前記ホルダー本体に取り付けられた少なくとも三個の上面規制板を具備し、前記プレートを底面に近づける様に移動させて前記各押上体と各対向する上面規制板の間に被照射物を出し入れ出来る様にし、前記プレートを底面から遠ざける方向に移動させて前記各押上体と各対向する上面規制板の間に前記基板を狭持させる様に成した基板ホルダーにおいて、前記押上体は前記基板下面に接触する接触体と該接触体を支える支持体とから成り、該支持体が前記弾性体の弾性力を直接受け、且つ、該接触体が該支持体上で回転出来る様に成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、各上面規制板と各押上体それぞれが基板の各エッジ部に接触して該基板を狭持することにより、該基板の自重に基づいて発生する基板の歪みが著しく低減される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来のホルダーの一概略例を示す図である。
【図2】図1に示すホルダーの動作の説明の補足に使用した図である。
【図3】本発明のホルダーの一概略例を示す図である。
【図4】図3に示すホルダーの一部詳細図である。
【図5】図3に示すホルダーの動作の説明の補足に使用した図である。
【図6】図3に示すホルダーの動作の説明の補足に使用した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施の態様の形態を詳細に説明する。
【0028】
図3は本発明の基板ホルダーの概略例を示しており(図3(b)は図3(a)のB−B断面図である)、前記図1にて使用した記号と同一記号の付されたものは同一構成要素を示す。
【0029】
図3で示した基板ホルダーが前記図1で示した基板ホルダーと異なる構成は次の通りである。
【0030】
前記プレート5の周辺部であって、前記上面規制板4a,4b,4cに対向する部分には、それぞれ孔が開けられており、該各孔の内壁に、ピン60a,60b,60cの上方側面を除く側面及びピン支持体61a,61b,61cの全側面を覆う様にカバー70a,70b,70cがそれぞれ取り付けられている。尚、図4には前記プレート周辺部三箇所の内の代表として、上面規制板4a,ピン60a,ピン支持体61a,カバー70a,バネ9a,バネ受け板8aが設けられている部分を示した。
【0031】
該各カバーの上壁(前記各上面規制板に対向する壁)には前記ピン60a,60b,60cの上方側部の外径より大きく、該ピンの下方側側部の外径より小さい内径の孔がそれぞれ明けられており、該ピンの上方側部は該各孔を突き抜ける様に前記ピン支持体61a,61b,61c上に設けられている。尚、該ピン支持体61a,61b,61cとそれぞれ接する前記ピン下方部の下面は球面状に形成されている。
【0032】
該各ピン支持体は、それぞれ、上方部(前記上面規制側)は前記ピン下方部の外径より大きい内径の筒状体から成り、下方部は前記カバー70a,70b,70cの内径より小さい外径の柱状体から成る。
【0033】
尚、前記各ピン下方部側面と前記各ピン支持体上方部内面との間の空間部にはそれぞれオーリング(Oリング)62a,62b,62cが嵌入されている。
【0034】
又、前記各カバー内面と各ピン支持体下方部外面との間のそれぞれの空間を通して該各ピン支持体を対向する前記各上面規制板4a,4b,4c方向に押圧する為のバネ9a,9b,9cが前記バネ受け板板8a,8b,8cにそれぞれ取り付けられている。
【0035】
この様な構成のホルダーにガラス乾板10をセットする場合には、前記円柱棒21を駆動機構(図示せず)により前記バネ23の伸びに逆らって下方に移動させて、前記円板22により前記プレート5を下方に移動させる。このプレートの移動により、このプレートに取り付けられた前記カバー70a,70b,70cに伴って、それぞれ、前記ピン60a,60b,60c及びピン支持体61a,61b,61cもバネ9a,9b,9cの伸びに逆らって下方に移動する。
【0036】
この状態(前記各ピン60a,60b,60cと各上面規制板4a,4b,4cのそれぞれの間が大きく空く状態)において、搬送機構(図示せず)のアーム(図示せず)上に正確に位置合わせされて載置された前記ガラス乾板10が、前記搬送機構(図示せず)により前記両山部3a,3bの内壁に沿って所定の距離だけ運ばれ、該ガラス乾板のエッジ部三箇所がそれぞれ前記ピン60a,60b,60cで支持される。
【0037】
すると、該ガラス乾板は自重によりエッジ部から中心部にかけ僅かに重力方向に撓む。この時、前記三箇所の支持部において次の様な現象が起きている。
【0038】
図5(a),(b)は前記三箇所の内の一つを代表として示したもの(前記ピン60aによる支持部)で、他の支持部も同様の現象が起きている。
【0039】
図5の(a)及び(b)に示す様に、前記支持部において、前記ガラス基板10の自重に基づく重力方向の力Fmgと前記ピン60aの垂直抗力FNIの合力FR1が該ピンに働き、該ピンは前記ピン支持体61a上でRCを中心として矢印ARの方向(時計回り)に僅かに(角度Q)回転する。この際、該回転により、前記オーリング(Oリング)62aが少し変形する(潰れる)。
【0040】
この状態において、前記円柱棒21を駆動機構(図示せず)により上方に移動させて前記バネ23により前記プレート5を上方に移動させる。このプレートの移動により、このプレートに取り付けられた前記カバー70a,70b,70cに伴って、それぞれ、前記ピン支持体61a,61b,61c及び前記ピン60a,60b,60cは前記バネ9a,9b,9cの弾性力により上方に移動し、前記ガラス乾板10のエッジ部三箇所に前記各上面規制板4a,4b,4cがそれぞれ接触する。この結果、該ガラス乾板はホルダーによって三点支持される。
【0041】
さて、従来の基板ホルダーにおいては、ガラス乾板の三箇所において、それぞれ、各ピンと各上面規制板とでガラス乾板を狭持した場合、前述した様に、該ガラス乾板は自重による撓みに基づいて発生する反時計方向のモーメント力で僅かに歪む。
【0042】
しかし、本実施態様においては、この様な歪みは以下に説明する様に、低減或いは解消される。
【0043】
図6の(a),(b)は前記三箇所の狭持部の内の一つを代表として示したもの(前記上面規制板4aとピン60aによる狭持部)で、他の狭持部も同様の現象が起きている。
【0044】
図6の(a),(b)に示す様に、前記ガラス乾板10のエッジ部が前記ピン60aと上面規制板4aで狭持された時、前記バネ9aと23の弾性力によるピン支持体61aを介しての該ピンの上昇により該ピンの先端が前記ガラス乾板10の下面に点AP´で接触して該乾板を押圧する。この時、該点AP´において、前記ピン60aが該乾板を押す押圧力F1、該ピンの垂直抗力FN2(該垂直抗力Fは前記垂直抗力FN1より大きい)、前記ガラス乾板10が前記ピン60aを押す抗力F2が発生しており、この抗力F2と前記垂直抗力FN2の合成力FR2が前記ピン60aに働き、該ピンは前記ピン支持体61A上でRCを中心として矢印ARの方向(時計方向に)に僅かに(角度Q´)回転する。この結果、前記上面規制板(4a,4b,4c)と前記ピン(60a,60b,60c)との狭持に基づく反時計方向のモーメント力で発生するガラス乾板の歪みは矯正される。
【0045】
尚、ホルダーから前記ガラス乾板10を取り外す場合には、前記円柱棒21を駆動機構(図示せず)により前記バネ23の伸びに逆らって下方に移動させて、前記円板22により前記プレート5を下方に移動させる。このプレートの移動により、このプレートに取り付けられた前記カバー70a,70b,70cに伴って、それぞれ、ピン60a,60b,60c及びピン支持体61a,61b,61cもバネ9a,9b,9cの伸びに逆らって下方に移動する。
【0046】
この状態(前記各上面規制板4a,4b,4cと前記ガラス乾板10の接触が無くなる状態)になると、前記バネ(9a,9b,9c)による前記ピン(60a,60b,60c)の押圧力F1が無くなり、前記図5に示す状態(前記ガラス乾板10のエッジ部三箇所がそれぞれ前記ピン60a,60b,60cで支持される状態)に戻る。すると、前記ピン(60a,60b,60c)に掛かる合成力がFR2からFR1に戻り、その分、前記オーリング(Oリング)(62a,62b,62c)の反発力が働いて該ピンは前記ピン支持体61A上でRCを中心として矢印ARと反対の方向(反時計方向に)に僅かに(角度Q´)回転する。
【0047】
この状態において、搬送機構(図示せず)のアーム(図示せず)によって前記ガラス乾板10が、両山部3a,3bの内壁に沿ってホルダー外に運ばれると、前記ピン(60a,60b,60c)によるガラス乾板の支持が無くなるので、該ピンに掛かる合成力FR1が0となり、その分、前記オーリング(Oリング)(62a,62b,62c)の反発力が働いて該ピンは前記ピン支持体61A上でRCを中心として矢印ARと反対の方向(反時計方向に)に更に僅かに(角度Q)回転する。この結果、前記ピン(60a,60b,60c)の中心軸と前記ピン支持体(61a,61b,61c)中心軸の関係が元の状態(各々の中心軸が一致する状態)に戻り、前記オーリング(Oリング)(62a,62b,62c)は元の形(潰れの無い形)に戻る。
【0048】
尚、前記例においては三点支持のホルダーを例に上げたが、本発明は四点支持のホルダー、或いは四点以上の多点支持のホルダーにも応用可能である。
【0049】
又、前記例ではホルダーに支持される基板としてガラス乾板を例に上げて説明したが、シリコンウエハの如き基板の支持するホルダーにも本発明は応用可能であることは言うまでもない。
【0050】
又、前記例では、ピン支持体及びピンを押し上げる手段としてコイルバネの如き弾性体を使用したが、他の弾性体、例えば、板バネ等を使用しても良い。
【0051】
又、前記例では、押し上げ機構にカバーやバネ受け板を使用する例を示したが、カバーやバネ受け板を使用せずに、ピン支持体の下方部を筒状体にし、且つ、ホルダー本体底面部に垂直方向に伸縮する弾性体を設け、該筒状体内上面を押し上げる様に成しても良い。
【0052】
又、前記ピンとピン支持体の間にオーリング(Oリング)を設ける様にしたが、他の弾性体(バネなど)を設けても良い。
【符号の説明】
【0053】
1 ホルダ本体
1T 鍔部
2 凹部
3a,3b 山部
4a,4b,4c,4d 上面規制板
5 プレート
6a,6b,6c ピン
7a,7b,7c カバー
8a,8b,8c バネ受け板
9a,9b,9c バネ
10 ガラス乾板
21 円柱棒
22 円板
23 バネ
60a,60b,60c ピン
61a,61b,61c ピン支持体
62a,62b,62c オーリング
70a,70b,70c カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側部一方向から板状の基板の出し入れが可能な凹部が設けられたホルダー本体、該凹部底面に平行な状態を保って該底面に垂直な方向に移動可能に設けられたプレート、前記基板の下面に対し垂直方向に伸び縮みする第1の弾性体と該弾性体の弾性力により前記基板の下面に接触して該基板を押し上げる押上体を備えており、前記プレート上の少なくとも三箇所に設けられた押上機構、及び、前記各押上体とで前記基板を上下両面から挟み込んで支持するために前記ホルダー本体に取り付けられた少なくとも三個の上面規制板を具備し、前記プレートを底面に近づける様に移動させて前記各押上体と各対向する上面規制板の間に被照射物を出し入れ出来る様にし、前記プレートを底面から遠ざける方向に移動させて前記各押上体と各対向する上面規制板の間に前記基板を狭持させる様に成した基板ホルダーにおいて、前記押上体は前記基板下面に接触する接触体と該接触体を支える支持体とから成り、該支持体が前記弾性体の弾性力を直接受け、且つ、該接触体が該支持体上で回転出来る様に成した基板ホルダー。
【請求項2】
前記支持体に接する前記接触体の面が球面状に形成されている請求項1記載の基板ホルダー。
【請求項3】
前記支持体の少なくとも前記接触体と接する部分は該接触体の外径より大きい内径を有する筒状体に形成されており、該筒状体と前記接触体の間に第2の弾性体が嵌入された請求項1記載の基板ホルダー。
【請求項4】
前記第2の弾性体はオーリングから成る請求項3記載の基板ホルダー。
【請求項5】
前記プレートの周辺部であって前記上面規制板に対向する少なくとも三箇所に孔が明けられており、該各孔壁に前記接触体の上方側面を除く側面及び前記支持体の側面を覆う様にカバーが取り付けられている請求項1記載の基板ホルダー。
【請求項6】
前記接触体は径の小さい上方部と径の大きい下方部とから成り、前記カバーの上壁には前記接触体上方部の外径より大きい孔が明けられており、該上方部が該孔を突き抜けている請求項5記載の基板ホルダー。
【請求項7】
前記支持体の前記接触体と接する部分は該接触体の外径より大きい内径を有する筒状体に形成され、それ以外の部分は前記カバーの内径より小さい外径の柱状体若しくは筒状体に形成されており、該柱状体若しくは筒状体と前記カバーとの間に前記第1の弾性体が挿入されている請求項5記載の基板ホルダー。
【請求項8】
前記第1の弾性体はコイルバネから成る請求項1若しくは請求項7記載の基板ホルダー。
【請求項9】
前記基板下面に接する前記接触体の面が球面状に形成されている請求項1又は2記載の基板ホルダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−171117(P2010−171117A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10793(P2009−10793)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(000004271)日本電子株式会社 (811)
【Fターム(参考)】