説明

基板処理装置及び基板処理方法

【課題】ガスを処理室内にある複数の基板の主面全体にわたって均一に接触させ、成膜均一性を向上させることができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】インナチューブ2内に設置され、供給量の多い処理ガスを導入する処理ガス導入ノズル22aの水平方向の角度を、基板を複数搭載したボートの回転動作と同期させて、変動させる。また、インナチューブ2内に設置され、供給量の少ない処理ガスを導入する処理ガス導入ノズル22bの水平方向の角度は、基板の中心付近に向けて固定しておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理技術に関し、例えば、半導体集積回路装置(以下、ICという。)
の製造装置や製造方法において、半導体集積回路が作り込まれる半導体基板(例えば、半導体ウエハ)に酸化膜、ポリシリコン膜、シリコン窒化膜等を堆積(デポジション)して成膜等するうえで有効な基板処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ICの製造において、ウエハに酸化膜、ポリシリコン膜、シリコン窒化膜等のCVD(Chemical Vaper Deposion)膜をデポジションするため、バッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置(以下、CVD装置という。)が、広く使用されている。従来のこの種のCVD装置としては、例えば、特開2005−209668号公報に示されているように、インナチューブおよびこのインナチューブを取り囲むアウタチューブから構成され縦形に設置されたプロセスチューブと、複数枚のウエハを保持してインナチューブ内に搬入するボート(基板保持具)と、インナチューブ内に原料ガスを導入するガス導入ノズルと、プロセスチューブ内を排気して減圧する排気口と、プロセスチューブ外に敷設されてプロセスチューブ内を加熱するヒータユニットとを備えており、ガス導入ノズルには複数個の噴出口がボートに保持された各ウエハに対応して開設され、インナチューブの側壁には排気孔が開設されているものがある。
【0003】
前記ボートは、上下各1枚の端版と、該上下の端版同士を結合する複数本のボート支柱とを備えている。ボート支柱には複数の溝が設けられていて、各溝にはそれぞれ1枚のウエハを保持するようになっており、ボート支柱は、ウエハ保持部材として機能するようになっている。
上記のCVD装置においては、複数枚のウエハがボート上に水平姿勢で多段に積層されて保持された状態で、インナチューブ内に搬入(ボートローディング)される。その後、原料ガスがガス導入ノズルによってインナチューブ内に導入されるとともに、ヒータユニットによってプロセスチューブ内が加熱されることにより、ウエハにCVD膜がデポジションされる。その際、ガス導入ノズルの複数の噴出口から水平に噴出された原料ガスは、ボート上に水平、かつ多段に保持されたウエハの間を流れてウエハの表面に接触し、インナチューブに開設された排気孔から外部に排気される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−209668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようなCVD装置においては、ボートを回転させないとウエハ面内の成膜均一性(膜厚や膜質の均一性)が十分でなく、また、ウエハ面内の成膜均一性を向上させようとしてボートを回転させると、ウエハを保持するための前記ウエハ保持部材(ボート支柱)の影響により、該ウエハ保持部材の周囲に対する原料ガスの供給が妨げられ、その結果、ウエハ保持部材の周囲の堆積膜が他の部分よりも薄くなってしまい、ウエハ面内の成膜均一性を向上させるのが容易でないという課題があった。また、ウエハの中心に向けて原料ガスを噴出するため、例えば、ウエハの外周付近に形成される薄膜の膜厚が、ウエハの中心付近に形成される薄膜の膜厚よりも薄くなり、ウエハ面内の成膜均一性が十分でないという課題があった。
本発明の目的は、処理室内にある複数の基板(ウエハを含む)の主面(半導体集積回路が作り込まれる面)全体にわたって、処理ガスを均一に接触させるようにした基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明に係る基板処理装置は、
複数の基板を積層保持する基板保持具と、
該基板保持具に保持された基板を処理する処理室と、
前記処理室内における前記基板の積層方向に延在し、基板に処理ガスを供給するガス供給部と、
前記基板保持具に保持された基板の主面と平行方向に前記ガス供給部の角度を変動させる角度変動装置と、
前記基板保持具を回転させる回転装置と、
前記ガス供給部の角度変動動作と前記基板保持具の回転動作を同期させるよう制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明においては、基板に処理ガスを供給するガス供給部の角度変動動作と基板保持具の回転動作を同期させるよう制御することができるので、形成される薄膜に対するウエハ保持部材の影響を少なくし、また、ウエハ周辺付近への処理ガスの供給を促進することができ、ウエハ面内の成膜均一性、特に膜厚均一性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施例に係る基板処理装置の処理炉の垂直断面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る基板処理装置のプロセスチューブの水平断面図である。
【図3a】第1実施例における処理ガス供給ノズル22aの角度変動例を示す図である。
【図3b】第1実施例における処理ガス供給ノズル22aの角度変動例を示す図である。
【図3c】第1実施例における処理ガス供給ノズル22aの角度変動例を示す図である。
【図4】ガス供給部の角度を変動させる角度変動装置の一例を示す模式図である。
【図5】本発明が適用される基板処理装置の斜透視図である。
【図6a】第2実施例における処理ガス供給ノズル22a、22bの角度変動例を示す図である。
【図6b】第2実施例における処理ガス供給ノズル22a、22bの角度変動例を示す図である。
【図7】第3実施例における処理ガス供給ノズル22a、22bの角度変動例を示す図である。
【図8】第4実施例における処理ガス供給ノズル22a、22bの角度変動例を示す図である。
【図9a】第6実施例における処理ガス供給ノズル22a、22bの角度変動例を示す図である。
【図9b】第5実施例、第6実施例における処理ガス供給ノズル22a、22bの角度変動例を示す図である。
【図9c】第5実施例における処理ガス供給ノズル22a、22bの角度変動例を示す図である。
【図10】第7実施例における処理ガス供給ノズル22aの角度変動例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例を図面に即して説明する。
(基板処理装置の構成)
本発明を実施するための形態において、半導体装置(IC)の製造工程の1工程としての基板処理工程を実施する基板処理装置の構成例について、図5を用いて説明する。なお、以下の説明では、基板処理装置としてCVD処理を行う縦型の基板処理装置に適用した場合について述べるが、ALD(Atomic Layer Deposion)処理、酸化、拡散処理などを行う縦型の基板処理装置に適用することもできる。
図5は、本発明が適用される基板処理装置の斜透視図である。図5に示すように、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置101は、筐体111を備え、シリコン等からなる基板であるウェハ10を筐体111内外へ搬送するために、ウェハキャリア(基板収容器)としてカセット110が使用される。
【0010】
筐体111の正面前方側にはカセットステージ(基板収容器受渡し台)114が設置されている。カセット110は、筐体111外の工程内搬送装置(図示せず)によって、カセットステージ114上に搬入、載置され、また、カセットステージ114上から筐体111外へ搬出されるように構成されている。
筐体111内の前後方向における略中央部には、カセット棚(基板収容器載置棚)105が設置されている。カセット棚105は、複数段、複数列にて複数個のカセット110を保管するように構成されている。カセット棚105の一部として、移載棚123が設けられ、移載棚123には、後述するウェハ移載機構125の搬送対象となるカセット110が収納される。
カセットステージ114とカセット棚105との間には、カセット搬送装置(基板収容器搬送装置)118が設置されている。カセット搬送装置118は、カセット110を保持したまま昇降可能なカセットエレベータ(基板収容器昇降機構)118aと、カセット110を保持したまま水平動作が可能なカセット水平搬送機構(基板収容器水平搬送機構)118bとで構成されている。カセットエレベータ118aとカセット水平搬送機構118bとの連係動作により、カセット搬送装置118は、カセットステージ114、カセット棚105、移載棚123の間で、カセット110を搬送することができる。
【0011】
カセット棚105の後方には、ウェハ移載機構(基板移載機構)125が設置されている。ウェハ移載機構125は、ウェハ10を水平方向に回転乃至直動可能なウェハ移載装置(基板移載装置)125aと、ウェハ移載装置125aを昇降させるためのウェハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bとを備えている。また、ウェハ移載装置125aは、ウェハ10を水平姿勢で保持するツイーザ(基板移載用保持具)125cを備えている。これらウェハ移載装置125aとウェハ移載装置エレベータ125bとの連係動作により、ウェハ10を移載棚123上のカセット110内からピックアップして、後述するボート(基板保持具)11へ装填(チャージング)したり、ウェハ10をボート11から脱装(ディスチャージング)して、移載棚123上のカセット110内へ収納したりすることができる。
【0012】
筐体111の後側上方には、処理炉202が設けられている。処理炉202の下端部は、炉口シャッタ(炉口開閉機構)147により開閉可能なように構成されている。処理炉202の構成については後述する。
【0013】
処理炉202の下方には、ボート11を昇降させて処理炉202内外へ搬送する機構としてのボートエレベータ(基板保持具昇降機構)115が設置されている。ボートエレベータ115には、昇降台としてのアーム128が設置されている。アーム128上には、シールキャップ9が水平姿勢で設置されている。シールキャップ9は、ボート11を垂直に支持するとともに、ボートエレベータ115によりボート11が上昇したときに、処理炉202の下端部を気密に閉塞する蓋体として機能するものである。
ボート11は、複数本のウェハ保持部材14を備えており、複数枚(例えば、50枚〜150枚程度)のウェハ10を水平姿勢で、かつ、その中心を揃えた状態で垂直方向に整列させて、多段に積層して保持するように構成されている。ボート11の詳細な構成については後述する。
【0014】
(基板処理装置の動作概要)
次に、本発明に係る基板処理装置101の動作概要について、図5を用いて説明する。なお、基板処理装置101は、後述するコントローラ240により制御されるものである。まず、カセット110が、図示しない工程内搬送装置によって、カセットステージ114上に載置される。
カセットステージ114上のカセット110は、カセット搬送装置118によって、カセット棚105の指定された位置へ自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、再びカセット搬送装置118によって、前記カセット棚105の保管位置から移載棚123に搬送される。あるいは、カセットステージ114上のカセット110は、カセット搬送装置118によって、直接、移載棚123に搬送される。
【0015】
カセット110が移載棚123に搬送されると、ウェハ10は、ウェハ移載装置125aのツイーザ125cによって、カセット110のウェハ出し入れ口からピックアップされ、ウェハ移載装置125aとウェハ移載装置エレベータ125bとの連係動作により、ボート11に装填(チャージング)される。ボート11にウェハ10を受け渡したウェハ移載装置125aは、カセット110側に戻り、次のウェハ10をカセット110からピックアップしてボート11に装填する。
【0016】
予め指定された枚数のウェハ10がボート11に装填されると、処理炉202の下端部を閉じていた炉口シャッタ147が開放動作され、処理炉202の下端部の開口が開放される。続いて、ボート11を載置したシールキャップ9がボートエレベータ115によって上昇されることにより、処理対象のウェハ10群を保持したボート11が、処理炉202内へ搬入(ボートローディング)される。ボートローディング後は、シールキャップ9により処理炉202の下端部開口が閉じられ、処理炉202にてウェハ10に任意の処理が実施される。かかる処理については後述する。
【0017】
処理後は、ウェハ10およびカセット110は、上述の手順とは逆の手順で、筐体111の外部へ払い出される。すなわち、ボート11を載置したシールキャップ9がボートエレベータ115によって下降され、ボート11上のウェハ10がウェハ移載機構125によってピックアップされて、移載棚123上のカセット110へ受け渡される。移載棚123上のカセット110は、カセット搬送装置118によって、カセット棚105に一時的に保管された後、カセットステージ114に搬送されるか、あるいは、カセット搬送装置118によって、直接、カセットステージ114に搬送される。カセットステージ114上のカセット110は、工程内搬送装置により、筐体111の外部へ払い出される。
【0018】
(処理炉の構成)
次に、本実施形態に係る処理炉202の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置の処理炉の垂直断面図である。本実施形態の例においては、処理炉202は、バッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD用の処理室として構成されている。
【0019】
(プロセスチューブ)
処理炉202は、その内側に、縦形のプロセスチューブ1を備えている。プロセスチューブ1は、上端が閉塞され下端が開口された略円筒形状をしており、開口された下端が下方を向くように、かつ、筒方向の中心線が垂直になるように縦向きに配置され、筐体111によって固定的に支持されている。プロセスチューブ1は、インナチューブ(内管)2とアウタチューブ(外管)3とを備えている。インナチューブ2およびアウタチューブ3はいずれも、本例では、石英(SiO2)や炭化シリコン(SiC)等の耐熱性の高い材料によって、それぞれ略円筒形状に一体成形されている。
インナチューブ2は、上端が閉塞し下端が開口した略円筒形状に形成されている。インナチューブ2内には、基板保持具としてのボート11によって水平姿勢で多段に積層された複数枚のウエハ10を収容して処理する処理室4が形成される。インナチューブ2の下端開口は、ウエハ10群を保持したボート11を出し入れするための炉口5を構成している。したがって、インナチューブ2の内径は、ウエハ10群を保持するボート11の最大外径よりも大きくなるように設定されている。
アウタチューブ3は、インナチューブ2より大きく、かつ、インナチューブ2と略相似形状であり、上端が閉塞し下端が開口した略円筒形状に形成されており、インナチューブ2の外側を取り囲むように同心円状に被せられている。
インナチューブ2とアウタチューブ3の下端部は、それぞれ、その水平断面が略円形リング形状であるマニホールド6によって気密に封止されている。インナチューブ2およびアウタチューブ3は、その保守点検作業や清掃作業のために、マニホールド6に着脱自在に取り付けられている。マニホールド6が筐体111に支持されることにより、プロセスチューブ1は、筐体111に垂直に据え付けられた状態になっている。
【0020】
(排気ライン)
マニホールド6の側壁の一部には、処理室4内の雰囲気を排気する排気ラインとしての排気管7aが接続されている。マニホールド6と排気管7aとの接続部には、処理室4内の雰囲気を排気する排気口7が形成されている。排気管7a内は、排気口7を介して、インナチューブ2とアウタチューブ3との間に形成された隙間からなる排気路8内に連通している。この排気路8の水平断面形状は、略一定幅の円形リング形状となっている。排気管7aには、上流から順に、圧力センサ7d、圧力調整バルブとしてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ7b、真空排気装置としての真空ポンプ7cが設けられている。真空ポンプ7cは、処理室4内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気しうるように構成されている。APCバルブ7bおよび圧力センサ7dは、圧力制御部235に電気的に接続されている。圧力制御部235は、処理室4内の圧力が所望のタイミングにて所望の圧力となるように、圧力センサ7dにより検出された圧力値に基づいてAPCバルブ7bの開度を制御するように構成されている。
【0021】
(基板保持具)
マニホールド6には、マニホールド6の下端開口を閉塞するシールキャップ9が、垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ9はアウタチューブ3の外径と同等以上の外径を有する円盤形状に形成されており、プロセスチューブ1の外部に垂直に設備されたボートエレベータ115によって、前記円盤形状を水平姿勢に保った状態で垂直方向に昇降されるように構成されている。
シールキャップ9上には、ウエハ10を保持する基板保持具としてのボート11が垂直に支持されるようになっている。ボート11は、上下で一対の端板12、13と、両端板12、13間に渡って垂直に設けられた複数本、本例では3本のウエハ保持部材14とを備えている。端板12、13及びウエハ保持部材14は、例えば、石英(SiO2)や炭化珪素(SiC)等の耐熱性の高い材料から構成される。
各ウエハ保持部材14には、水平方向に刻まれた多数条の保持溝15が、長手方向にわたって等間隔に設けられている。各ウエハ保持部材14は、保持溝15が互いに対向し、各ウエハ保持部材14の保持溝15の垂直位置(垂直方向の位置)が一致するように設けられている。ウエハ10の周縁が、複数本のウエハ保持部材14における同一の段の保持溝15内に、それぞれ挿入されることにより、複数枚のウエハ10は、水平姿勢、かつ互いにウエハの中心を揃えた状態で多段に積層されて保持されるように構成されている。
【0022】
また、ボート11とシールキャップ9との間には、上下で一対の補助端板16、17が、複数本の補助保持部材18によって支持されて設けられている。各補助保持部材18には、水平方向に刻まれた多数条の保持溝19が設けられている。保持溝19には、例えば、石英(SiO2)や炭化珪素(SiC)等の耐熱性材料からなる円盤形状をした複数枚の断熱板(図示せず)が、水平姿勢で多段に積層されて保持されるように構成されている。断熱板によって、後述するヒータユニット20からの熱が、マニホールド6側に伝わるのを抑止する。
【0023】
シールキャップ9の下側(処理室4と反対側)には、ボート11を回転させるボート回転機構254が設けられている。ボート回転機構254のボート回転軸255は、シールキャップ9を貫通してボート11を下方から支持している。ボート回転軸255を回転させることにより、処理室4内にてウエハ10を回転させることが可能となる。シールキャップ9は、上述のボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されており、これにより、ボート11を処理室4内外に搬送することが可能となっている。
ボート回転機構254及びボートエレベータ115は、駆動制御部237に電気的に接続されている。駆動制御部237は、ボート回転機構254及びボートエレベータ115が所望のタイミングにて所望の動作をするように制御する。
【0024】
(ヒータユニット)
アウタチューブ3の外部には、プロセスチューブ1内を全体にわたって均一または所定の温度分布に加熱する加熱機構としてのヒータユニット20が、アウタチューブ3を包囲するように設けられている。ヒータユニット20は、基板処理装置101の筐体111に支持されることにより垂直に据え付けられた状態になっており、例えば、カーボンヒータ等の抵抗加熱ヒータにより構成されている。
プロセスチューブ1内には、温度検出器としての図示しない温度センサが設置されている。ヒータユニット20と温度センサは、温度制御部238に電気的に接続されている。温度制御部238は、処理室4内の温度が所望のタイミングにて所望の温度分布となるように、前記温度センサにより検出された温度情報に基づいてヒータユニット20への通電量を制御する。
【0025】
(処理ガス供給系)
処理ガス供給系について、図1〜図4を用いて説明する。図1に示すように、インナチューブ2の側壁の排気口7と180度反対側の位置には、チャンネル(通路)形状の予備室21が、インナチューブ2の側壁からインナチューブ2の径方向外向きに突出して垂直方向に長く延在するように形成されている。なお、予備室21の位置は、インナチューブ2の側壁の排気口7と180度反対側の位置に限られるものではない。予備室21の内壁は、インナチューブ2の側壁の一部を構成している。また、予備室21の内壁は、処理室4の側壁の一部を構成している。予備室21の内部には、予備室21の内壁(すなわち、処理室4の内壁)に沿うように垂直方向に、また、ウエハ10の積層方向に延在するように、処理室4内に処理ガスを供給する処理ガス供給ノズル22a、22b、及び処理室4内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ノズル22c、22dが設けられている。
【0026】
プロセスチューブ1の水平断面図を図2に示す。図2は、本発明の第1実施例に係る基板処理装置のプロセスチューブを基板処理装置の上方から見た水平断面図である。図2に示すように、処理ガス供給ノズル22a、22bは、予備室21内において、不活性ガス供給ノズル22c、22dに挟まれるように設置されている。処理ガス供給ノズル22aは、2種類の処理ガスのうち、流量のより多い処理ガスaを供給し、処理ガス供給ノズル22bは、流量のより少ない処理ガスbを供給するものである。処理ガス供給ノズル22aは、ノズル22aの水平方向の角度(向き)を変更することにより、ガス噴出口24aの水平方向の向きを変更可能となっている。処理ガス供給ノズル22b、及び不活性ガス供給ノズル22c、22dは、各ノズルの水平方向の角度(向き)が固定されており、変更されないようになっている。
【0027】
図2に示すように、角度が固定される処理ガス供給ノズル22bについては、例えば、ウエハ10の中心付近を向くように構成されている。角度を変更可能な処理ガス供給ノズル22aについては、ガス噴出方向を、例えば、ウエハ10の中心付近に向けた第1の方向と、ウエハ10の周縁と処理室4との間の隙間の方向に向けた第2の方向との2方向の間で、角度を変動することができる。図2において、ウエハ10は、上方から見て時計回りに回転している。図2に示すように、ボート11の回転動作により、ウエハ保持部材14aが、処理ガス供給ノズル22bに接近してくると、処理ガス供給ノズル22aの向き(噴出口24aの向き)が、図2の実線矢印の方向、すなわち、ウエハ10の周縁と処理室4との間の隙間の第2の方向となるように、ノズル22aの角度が変動される。このようにすると、処理ガスaがウエハ10の中心付近を通らないので、ウエハ10の中心付近を通る処理ガスbは、処理ガスaのガス流れの影響を受けにくくなり、ウエハ保持部材14aの周囲、例えば、ウエハ保持部材14aの裏側(ウエハ側)に流れ込み易くなり、ウエハ保持部材14の周囲の堆積膜が他の部分よりも薄くなることを抑制することができる。また、処理ガスaと処理ガスbが両方ともウエハ10の中心付近に向けて噴出される場合に比べ、ウエハ10の周縁における処理反応を促進することができ、ウエハの外周付近に形成される薄膜の膜厚が、ウエハ10の中心付近に形成される薄膜の膜厚よりも薄くなることを抑制することができる。
その後、ウエハ保持部材14aが、処理ガス供給ノズル22b付近を通過すると、処理ガス供給ノズル22aの向き(噴出口24aの向き)が、図2の破線矢印の方向、すなわち、ウエハ10の中心付近の第1の方向となるように、ノズル22aの角度が変動される。
また、不活性ガス供給ノズル22c、22dは、処理ガス供給ノズル22a、22bをそれぞれ両側から挟むように構成されている。なお、図2では、噴出口24c、24dの向きは、噴出口24a、24bよりも外側に開いた向きに設定されているが、噴出口24a、24bよりも外側であれば、噴出口24a、24bの方向とほぼ平行に設定されてもよい。このようにすると、処理ガスa、bがウエハ10の周縁に過度に散逸することを抑止し、ウエハ10の中心付近にも必要量の処理ガスa、bを流すことができる。
【0028】
図2に示すとおり、処理ガスa、bを、不活性ガス供給ノズル22c、22dの噴出口24c、24dから処理室4内に供給された不活性ガスc、dのガス流によって両側から挟み、処理ガスaを、処理ガス供給ノズル22aの噴出口24aから、各ウエハ10の周縁と処理室4との間の隙間へ供給し、かつ、処理ガスbを、処理ガス供給ノズル22bの噴出口24bから、各ウエハ10の中心付近へ供給した場合は、処理ガスa、bの各ウエハ10の外周付近における供給量がより増加される。両側の不活性ガスc、dの供給量は、それぞれ処理ガスa、bの供給量と同等以上であることが望ましい。このようにすると、処理ガスa、bがウエハ10の周縁に過度に散逸することを抑止し、確実にウエハ10の中心付近にも必要量を流すことができる。
【0029】
処理ガス供給ノズル22aの向きを、図2の破線矢印の方向(第1の方向)と実線矢印の方向(第2の方向)の間で変動する場合の例について、図3a、図3b、図3cを用いて説明する。図3a、図3b、図3cは、第1実施例における処理ガス供給ノズル22aの角度変動例を示す図である。
ボート11には少なくとも3本のウエハ保持部材(ボート支柱)14があり、ウエハ10をボート11に搬入出するためのウエハ搬送領域がある。ウエハ搬送領域は、図3aにおいてウエハ保持部材14aとウエハ保持部材14cの間の領域である。このウエハ搬送領域には、ウエハ保持部材14がないので、処理ガス供給ノズル22aからウエハ中心部に向けて処理ガスを供給しても、ウエハ保持部材14が障害にならない。そこで、このウエハ搬送領域内に、角度変動可能な処理ガス供給ノズル22aの中心部とウエハ中心部とを結ぶ線分がある場合は、処理ガス供給ノズル22aの向きを、ウエハ中心部に向けてガスを供給する第1の方向の角度とする(図3a、図3c)。一方、ウエハ搬送領域以外の領域内に、処理ガス供給ノズル22aの中心部とウエハ中心部とを結ぶ線分がある場合は、処理ガス供給ノズル22aの向きを、ウエハ周縁部に向けてガスを供給する第2の方向の角度とする(図3b)。上記のウエハ搬送領域以外の領域とは、図3aにおいて、ウエハ保持部材14aと14bの間の領域、及びウエハ保持部材14bと14cの間の領域である。
処理ガス供給ノズル22aの角度切り替えのタイミングは、例えば、以下のように行う。図3bに示すように、ボート右回転中に、ウエハ搬送領域側左のウエハ保持部材14aが、処理ガス供給ノズル22aの中心部とウエハ中心部とを結ぶ線分を通過すると、処理ガス供給ノズル22aの角度をウエハ周縁部の方向(第2の方向)に変える。次に、図3cに示すように、ウエハ搬送領域側右のウエハ保持部材14cが、処理ガス供給ノズル22aの中心部とウエハ中心部とを結ぶ線分を通過すると、処理ガス供給ノズル22aの角度をウエハ中心部の方向(第1の方向)に変える。
【0030】
水平方向の角度を変更可能な処理ガス供給ノズル22a、及びこれに関連する構造について、図4を用いて説明する。図4は、ガス供給部としてのガスノズルの角度を変動させる角度変動装置の一例を示す模式図である。図4の例では、処理ガスaは、処理ガス導入口部23aから、マニホールド6の下側フランジ部6a及びシールキャップ9を上から下へ上下方向に貫通して、下部導入ポート29aに至り、次に可動配管30aを経由して、回転ベース42に設置された処理ガス供給ノズル22aに到達する経路となっている。
詳しく説明すると、処理ガス導入口部23aは、マニホールド6の下側フランジ部6aの上面に設置されている。処理ガスaの経路は、マニホールド6の下側フランジ部6a及びシールキャップ9を上から下へ上下方向に貫通する。このとき、処理ガスaの経路は、マニホールド6の下側フランジ部6aとシールキャップ9との間に設置された、同心円状に2重に配置された2つのポートシール41の間を貫通することにより、気密が保持される。あるいは、マニホールド6の下側フランジ部6aとシールキャップ9との間に、ポートシール41とは別のシール部を設置し、そのシール部を用いて処理ガスaの経路の気密を保持するようにしてもよい。
【0031】
一方、インナチューブ2内の処理ガス供給ノズル22aは、シールキャップ9を上から下へ垂直に貫通し、さらに、シールキャップ9の下側に固定して設けられた下部供給ポート44を上から下へ垂直に貫通して回転ベース42内に入り、回転ベース42内で水平方向に90度向きを変え、回転ベース42の側面に開口する。下部供給ポート44には、処理ガス供給ノズル22aを囲むように回転シール45が設けられ(図4の例では2つ設けられている)、処理ガス供給ノズル22aと下部供給ポート44は、1つ以上の回転シール45により気密な構造となっている。
シールキャップ9の下側に設けられた下部導入ポート29aと、回転ベース42の側面に開口した処理ガス供給ノズル22aは、可動配管30aにより接続される。回転ベース42は、下部供給ポート44と軸受け43で保持され、回転機構46により、回転ベース42に設置された処理ガス供給ノズル22aとともに、一定の角度の範囲内で回転することができる。
【0032】
角度が固定される処理ガス供給ノズル22bや不活性ガス供給ノズル22c、22dについては、図1に示すように、各ノズル22の上流側端部であるガス導入口部23b、23c、23dは、それぞれ、マニホールド6の側壁をマニホールド6の径方向外向きに貫通して、プロセスチューブ1の外部に突出している。なお、図1に示す処理ガス供給ノズル22aや処理ガス導入口部23aは、マニホールド6を貫通することを概念的に示すものであり、具体的には、図4に示す構造により実現される。
【0033】
図1に示すように、処理ガス導入口部23a、23bには、処理ガス供給ラインとしての処理ガス供給管25a、25bがそれぞれ接続されている。処理ガス供給管25aには、上流から順に、例えば、N2O(亜酸化窒素)等の処理ガスを供給する処理ガス供給源28a、流量制御装置としてのMFC(マスフローコントローラ)27a、及び開閉バルブ26aがそれぞれ設けられている。また、処理ガス供給管25bには、上流から順に、例えば、DCS:SiH2Cl2(ジクロロシラン)等の処理ガスを供給する処理ガス供給源28b、流量制御装置としてのMFC(マスフローコントローラ)27b、及び開閉バルブ26bがそれぞれ設けられている。
また、不活性ガス導入口部23c、23dには、不活性ガス供給ラインとしての不活性ガス供給管25c、25dがそれぞれ接続されている。不活性ガス供給管25c、25dには、上流から順にそれぞれ、例えば、N2(窒素)等の不活性ガスを供給する不活性ガス供給源28c、28d、流量制御装置としてのMFC(マスフローコントローラ)27c、27d、及び開閉バルブ26c、26dが設けられている。
【0034】
MFC27a、27b、27c、27d及び開閉バルブ26a、26b、26c、26dは、ガス供給・流量制御部235に電気的に接続されている。ガス供給・流量制御部235は、処理室4内に供給するガスの種類が所望のタイミングにて所望のガス種となるよう、また、供給するガスの流量が所望のタイミングにて所望の流量となるよう、MFC27a、27b、27c、27d及び開閉バルブ26a、26b、26c、26dを制御する。
【0035】
図1に示すように、処理室4内における処理ガス供給ノズル22a、22b、及び不活性ガス供給ノズル22c、22dの筒部には、複数個の噴出口24a、24b、24c、24dが垂直方向に配列するように設けられている。噴出口24a、24b、24c、24dのそれぞれの個数は、例えば、ボート11に保持されたウエハ10の枚数と一致するように形成されている。各噴出口24a、24b、24c、24dの高さ位置は、例えば、ボート11に保持された上下で隣合うウエハ10間の空間に対向するようにそれぞれ設定されている。なお、各噴出口24a、24b、24c、24dの口径は、各ウエハ10へのガスの供給量が均一になるように、それぞれ上下方向で異なる大きさに設定されていてもよい。
【0036】
図1に示すように、インナチューブ2の側壁であって予備室21とは180度反対側の位置、すなわち、排気口7側の位置には、スリット状の貫通孔である排気孔25が、垂直方向に細長く開設されている。排気孔25は、排気口7から遠く離れるに従って、孔(スリット)の幅が広くなるよう、すなわち、排気抵抗が小さくなるよう開設されている。処理室4内と排気路8内とは、排気孔25を介して連通している。したがって、処理ガス供給ノズル22a、22bの噴出口24a、24bから処理室4内に供給された処理ガスは、排気孔25を介して排気路8内へ流れた後、排気口7を介して排気管7a内に流れ、処理炉202外へ排出されるように構成されている。
【0037】
(コントローラ)
前記ガス供給・流量制御部235、圧力制御部236、駆動制御部237、温度制御部238は、基板処理装置101全体を制御する主制御部239と電気的に接続されており、これらの各制御部や図示しない操作部、入出力部等によりコントローラ240が構成されている。主制御部239は、前記ガス供給・流量制御部235、圧力制御部236、駆動制御部237、温度制御部238に対して、成膜プロセスの制御シーケンスを時間軸で示したレシピに基づく温度制御や圧力制御、流量制御および機械駆動制御を指令する。また、主制御部239を始めとして、各制御部は、ハードウェア構成として、CPU(中央演算ユニット)とメモリとを備えるものである。
【0038】
(基板処理方法)
次に、本発明に係る基板処理方法を、ICの製造方法における成膜工程を例にして説明する。まず、ウエハチャージングステップにおいて、ウエハ10はボート11に装填される。具体的には、ウエハ10の円周縁の複数箇所が、複数のウエハ保持部材14の保持溝15にそれぞれ係合するように挿入され、該ウエハ10の複数箇所の周縁部が各保持溝15に係合されて、ウエハ10の自重が支えられるように装填(チャージング)されて保持される。複数枚のウエハ10は、ボート11におけるチャージング状態において、その中心を揃えられて互いに平行かつ水平、多段に積層され、整列されている。
【0039】
次に、ボートローディングステップにおいて、複数枚のウエハ10を積層、保持したボート11は、処理室4に搬入(ボートローディング)される。具体的には、ウエハ10を装填されたボート11は、ボートエレベータ115により垂直方向に上昇され、インナチューブ2内の処理室4に搬入され、図1に示されているように、処理室4に存置される。この状態において、シールキャップ9 は処理室4の下端をシールした状態になる。
続いて、減圧ステップにおいて、排気口7を介して真空ポンプ7cにより、プロセスチューブ1の内部が所定の真空度(例えば、200Pa)に減圧されるとともに、昇温ステップにおいて、ヒータユニット20により、プロセスチューブ1の内部が所定の温度(例えば、400℃)に昇温される。
【0040】
次に、成膜ステップにおいて、ボート11が回転されつつ、所定の原料ガスa、bが、それぞれガス導入ノズル22a、22bの入口部23a、23bに供給されると、原料ガスa、bは、それぞれガス導入ノズル22a、22bを流通して、それぞれ複数個の噴出口24a、24bからインナチューブ2内の処理室4に導入される。例えば、シリコン酸化膜が成膜される場合においては、原料ガスaとしては亜酸化窒素(N2O)、原料ガスbとしてはジクロロシラン(DCS)が処理室4に導入される。また、図2に示されているように、不活性ガスとしての窒素ガスc、dが、窒素ガス供給用のガス導入ノズル22c、22dによって処理室4に供給される。この際、ガス導入ノズル22a、22b、22c、22dにそれぞれ開設された複数個の噴出口24a、24b、24c、24dのサイズを、排気口7の位置から遠くに離れるに従って次第に大きくすると、より一層、原料ガスa、b及び窒素ガスc、dが、それぞれの噴出口24a、24b、24c、24dから均等に噴出しやすくなる。また、噴出口24a、24b、24c、24dを、排気口7の位置から離れるに従って、数個おきに徐々にサイズを大きくしてもほぼ同様に、原料ガスガスa、b及び窒素ガスc、dが、それぞれの噴出口24a、24b、24c、24dから均等に噴出しやすくなる。
【0041】
図2の例では、供給量のより少ない処理ガスbを供給する処理ガス供給ノズル22bは、噴出口24bがウエハ10の中心付近を向くようになっている。また、供給量のより多い処理ガスaを供給する処理ガス供給ノズル22aは、ウエハ保持部材14aが処理ガス供給ノズル22bに接近していない場合は、噴出口24aがウエハ10の中心方向(破線矢印)である第1の方向を向き、ウエハ保持部材14aが処理ガス供給ノズル22bに接近した場合は、噴出口24aがウエハ10の周縁と処理室4との間の隙間の方向(実線矢印)である第2の方向を向くようになっており、所定期間毎に角度を変える。
このように、ウエハ保持部材14aが処理ガス供給ノズル22bに接近した場合は、供給量のより多い処理ガスaがウエハ10の中心付近を通らないので、ウエハ10の中心付近を通る供給量のより少ない処理ガスbは、処理ガスaのガス流れの影響を受けにくくなり、ウエハ保持部材14aの周囲、例えば、ウエハ保持部材14aの裏側(ウエハ側)に流れ込み易くなり、ウエハ保持部材の周囲の堆積膜が他の部分よりも薄くなることを抑制することができる。また、処理ガスaと処理ガスbの両方ともウエハ10の中心付近を通る場合に比べ、ウエハ10の周縁における処理反応を促進することができ、ウエハの外周付近に形成される薄膜の膜厚が、ウエハの中心付近に形成される薄膜の膜厚よりも薄くなることを抑制することができる。
【0042】
処理室4に導入された原料ガスa、bは、インナチューブ2の側壁に垂直方向に開設された排気スリット25から、インナチューブ2とアウタチューブ3の間の排気路8に流出して、マニホールド6に開設された排気口7から排気される第1実施例の場合、ガス導入ノズル22a、22b、22c、22dと排気スリット25とは、ウエハ10を挟んで互いに180度離れて対向した位置にあるので、各噴出口24a、24b、24c、24dからそれぞれ噴出された原料ガスa、b及び窒素ガスc、dは、処理室4内を反対側の排気スリット25に向かって水平に流れ易くなり、また、各ウエハ10に対してそれぞれ平行に流れ易くなる。本実施例では、複数個の噴出口24a、24b、24c、24dのそれぞれは、上下で隣合うウエハ10とウエハ10との間の空間に向けて配置されているため、各噴出口24a、24bからそれぞれ噴出された原料ガスa、bは、上下で隣合うウエハ10の間の空間のそれぞれに流れ込んで、より平行に流れ易くなる。また、垂直方向に細長く、排気口7から離れるに従いスリットの開口が広くなるように開設された排気スリット25から排気されるため、ボート11に互いに水平に積層された上下のウエハ10間の雰囲気が、ボート11の上部から下部に亘り、排気スリット25からほぼ均等な力で排気される。したがって、ガス導入ノズル22a、22bの噴出口24a、24bから噴出された原料ガスa、bが、排気口7の排気力の直接的な影響を受けにくくすることができ、スムースな流れを維持でき、ウエハ10上を均一な状態で原料ガスa、bが通りすぎることができ、ウエハ10内及びウエハ10間においてCVD反応の反応状態、つまり成膜状態をより均一とすることができる。
このようにして、ウエハ10の表面に接触しながら上下で隣合うウエハ10と10との間の空間を平行に流れて行く原料ガスa、bのCVD反応によって、ウエハ10の表面にはCVD膜が堆積する。例えば、ジクロロシランと亜酸化窒素とが導入された場合には、シリコン酸化膜がウエハ10に堆積する。
【0043】
なお、本発明は、ONO形成膜(Si酸化膜、Si窒化膜、Si酸化膜)のような連続成膜のような例において、形成膜切替時に少なくとも1つの処理ガス供給ノズルの角度を変えることにより、処理ガスの合流タイミングをずらすように制御する際にも適用することができる。
例えば、同じウエハ上にSiN膜を形成した後、SiN膜上にSiO膜を連続して形成する場合、SiN膜の形成時にはウエハ面内の凸凹が比較的揃うので、処理ガスであるNH3ガス供給ノズル、N2Oガス供給ノズルはいずれもウエハ中心部に向ってガスを供給する。
その後、SiO膜の形成時において、DCSガス供給ノズルはウエハ中心部に向ってガスを供給し、N2Oガス供給ノズルはウエハの周縁部に向けてガスを供給し、DCSガスとN2Oガスの合流タイミングを、SiN膜形成時におけるNH3ガスとN2Oガスの合流タイミングよりも遅らせて、ヒータユニット20の熱エネルギーによって、より活性化させたガスとしてウエハ10上を通過させることによりウエハ10周辺の成膜を促進する。
なお、この場合、DCSガス供給ノズルは、NH3ガス供給ノズルを用いるようにしてもよい。また、DCSガス供給ノズルの角度も変更するようにしてもよい。
【0044】
以上のようにして所望のCVD膜(例えば、シリコン酸化膜)が堆積された後に、原料ガスの供給が停止され、不活性ガスにより、プロセスチューブ1内が大気圧に復帰された後に、ボートアンローディングステップにおいて、シールキャップ9が下降されることによって処理室4の下端が開口され、ボート11に保持された状態で処理済みのウエハ10群が処理室4からプロセスチューブ1 の外部に搬出( ボートアンローディング)される
【0045】
(第2実施例)
次に、複数の処理ガス供給ノズルの角度を所定期間毎に変更する第2実施例について、図6a、図6bを用いて説明する。図6a、図6bは、第2実施例における処理ガス供給ノズル22a、22bの角度変動例を示す図である。
第1実施例のように、旋回可能な処理ガス供給ノズルを1本だけとした場合も、複数の処理ガスが合流するタイミングを変えることにより、ウエハ中心部にくらべてウエハ周縁部の膜厚を厚くなるように制御することができるが、第2実施例では、第1実施例における固定ノズル22bも動かす、すなわち、処理ガス供給ノズル22aともに同方向に旋回させることで、反応に寄与する複数の処理ガスが合流する位置を、ウエハ中心からウエハ周縁に所定期間だけずらず(処理ガスノズル中心部とウエハ中心部とを結ぶ線分に対して直交する方向にずらす)ことによりウエハ面内均一性を向上させることができる。
【0046】
角度切り替えのタイミングは、例えば第1実施例と同様に、下記のようにすることが好ましい。図3bに示すように、ボート右回転中に、ウエハ搬送領域側左のウエハ保持部材14aが、処理ガス供給ノズル22aの中心部とウエハ中心部とを結ぶ線分を通過すると、図6aに示すように、処理ガス供給ノズル22a及び22bの角度をウエハ周縁部の方向(第2の方向)に変える。次に、図3cに示すように、ウエハ搬送領域側右のウエハ保持部材14cが、処理ガス供給ノズル22aの中心部とウエハ中心部とを結ぶ線分を通過すると、図6bに示すように、処理ガス供給ノズル22a及び22bの角度をウエハ中心部の方向(第1の方向)に変える。
【0047】
また、角度切り替えのタイミングの変形例としては、例えば下記ようにすることができる。図6aに示すように、ボート右回転中に、ウエハ保持部材14の少なくとも一つ、例えば14aが、複数ある処理ガス供給ノズルのうちの最左側にある処理ガス供給ノズル22aの中心部とウエハ中心部とを結ぶ線分(図6aの二点鎖線)に懸かった時に、複数の処理ガス供給ノズル22a及び22b全ての角度を、ウエハ中心方向(第1の方向)からウエハ周縁方向(第2の方向)に変え、ウエハ保持部材14が処理ガスの流れの妨げとなることを回避し、ウエハ上へのガス流れを促進する。次に、図6bに示すように、ウエハ保持部材14の少なくとも一つ、例えば14aが、複数ある処理ガス供給ノズルのうちの最右側にある処理ガス供給ノズル22bの中心とウエハ中心とを結ぶ直線(図6bの二点鎖線)を通過した時に、複数の処理ガス供給ノズル22a及び22b全ての角度をウエハ中心方向(第1の方向)にもどす。
【0048】
(第3実施例)
前述した第2実施例の変形例である第3実施例を、図7を用いて説明する。図7は、第3実施例における処理ガス供給ノズル22a、22bの角度変動例を示す図である。第3実施例においては、処理ガス供給ノズル22a、22bは、ウエハ中心方向(第1の方向)とウエハ中心方向よりも内側向きの方向(第3の方向)との間で所定期間毎に角度を変動し、2つの処理ガスの合流タイミングを変える。これにより、第2実施例と略類似の効果を得ることができる。
【0049】
(第4実施例)
前述した第2実施例の変形例である第4実施例を、図8を用いて説明する。図8は、第4実施例における処理ガス供給ノズル22a、22bの角度変動例を示す図である。第4実施例においては、処理ガス供給ノズル22aは、ウエハ中心方向(第1の方向)とウエハ周縁方向(第4の方向)との間で所定期間毎に角度を変動し、処理ガス供給ノズル22bは、ウエハ中心方向(第1の方向)とウエハ周縁方向(第5の方向)との間で所定期間毎に角度を変動し、2つの処理ガスの合流タイミングを変える。この第4の方向は、不活性ガス供給ノズル22cの方向と略平行であって、第1実施例における第2の方向とウエハ中心方向(第1の方向)との間の方向である。また、第5の方向は、不活性ガス供給ノズル22dの方向と略平行である。これにより、第2実施例と略同様な効果を得ることができる。
なお、第3実施例及び第4実施例においては、22c、22dの不活性ガスの供給を停止するのが好ましい。これにより、処理ガスがウエハ周縁方向により回り込み、タイミングを変える効果がある。
【0050】
(第5実施例)
第5実施例は、基本的には、処理中に処理ガス供給ノズル22a、22bをウエハ中心方向(第1の方向)に向けるが、ウエハ保持部材14周辺の膜厚低下を抑制するため、ウエハ保持部材14周辺に処理ガスを積極的に供給すべく、ウエハ保持部材14周辺方向(第2の方向)に向けて所定期間だけ処理ガス供給ノズル22a、22bの角度を変えるというものである。
好ましい例を、図9b、図9cを用いて説明する。図9b、図9cは、第5実施例における処理ガス供給ノズル22a、22bの角度変動例を示す図である。
図9bに示すように、ボート回転により、一つの処理ガス供給ノズル22bの噴出口24bとウエハ中心部との間の距離よりも、前記噴出口24bと一つのウエハ保持部材14aとの間の距離のほうが短くなる位置関係になったときに、ウエハ中心方向(第1の方向)に向けられていた処理ガス供給ノズル22a、22bの角度を、ウエハ周縁部であって前記一つのウエハ保持部材14aの内側を向く方向(第2の方向)に変える。次に、図9cに示すように、前記処理ガス供給ノズル22bから噴出されるガスの主流がウエハ周縁部に到達する前に前記一つのウエハ保持部材14aによって遮られてしまう位置関係になったときに、ウエハ中心方向(第1の方向)に向けて噴出するように、処理ガス供給ノズル22a、22bの角度を、ウエハ中心方向(第1の方向)に戻す。
このように処理ガス供給ノズル22a、22bの角度を変更することにより、効率的かつ効果的に、ウエハ保持部材14周辺におけるウエハ周縁部へ処理ガスを回り込ませることができ、膜厚面内均一性を向上させることができる。
【0051】
(第6実施例)
第6実施例は、第5実施例と同様の例であるが、処理ガス供給ノズル22a、22bの角度を変えるタイミングを第5実施例と異ならせている。
第6実施例を、図9a、図9bを用いて説明する。図9a、図9bは、第6実施例における処理ガス供給ノズル22a、22bの角度変動例を示す図である。
第6実施例においては、ボート回転により、一つのウエハ保持部材14aとウエハ中心部とを結ぶ線分が、一つの処理ガス供給ノズル22aの中心部とウエハ中心部とを結ぶ線分に対し鋭角となる位置関係になったとき(図9a)に、ウエハ中心方向(第1の方向)に向けられていた処理ガス供給ノズル22a、22bの角度を、ウエハ周縁部であって前記一つのウエハ保持部材14aの内側を向く方向(第2の方向)に変える。次に、前記一つの処理ガス供給ノズル22aから噴出される処理ガスの主流が、ウエハ周縁部に到達する前に前記前記一つのウエハ保持部材14aによって遮られてしまう位置関係になったとき(図9b)に、ウエハ中心方向(第1の方向)に向けて噴出するように、処理ガス供給ノズル22a、22bの角度を、ウエハ中心方向(第1の方向)に戻す。
このように処理ガス供給ノズル22a、22bの角度を所定期間毎に変更することにより、効率的かつ効果的に、ウエハ保持部材14周辺におけるウエハ周縁部へ処理ガスを回り込ませることができ、膜厚面内均一性を向上させることができる。
【0052】
(第7実施例)
第7実施例は、図10に示すように、処理ガスを処理ガス供給ノズル22a内で混合し、処理ガス供給ノズル1本で供給する場合であって、ウエハ10に供給される処理ガスの処理ガス供給ノズル22aの角度を、ウエハ中心方向(第1の方向)とウエハ周縁方向(第2の方向)との間で所定期間毎に切り換えるようにしている。
この場合、不活性ガス供給ノズル22c、22dからの不活性ガスの供給は、処理ガスがウエハ10の周方向により回り込むようにし、ウエハ10上での処理タイミングを変えるために、停止するほうが好ましい。
【0053】
なお、好ましくは、上述した第1〜第7実施例における処理ガス供給ノズル22a、22bの角度を変更する所定期間に関する制御は、実測結果に基づき、予め適切なボート回転装置の回転タイミングと、処理ガス供給ノズルの旋回タイミングとを主制御部239のメモリに記憶させておき、実際に基板処理する際には、該メモリの記憶に基づき制御するとよい。これにより、制御性、再現性を向上させることができる。
また、前記第1、2、5,6、7実施例における前記第2の方向は、同一方向であってもよいし、異なる方向であってもよい。
【0054】
また、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
処理ガスとしては、前記実施例の他、処理ガスaにO2、処理ガスbにTEOSを使用すること、処理ガスaにNH3、処理ガスbにTEOS(テトラエトキシシラン)を使用すること、処理ガスaにNH3、処理ガスbにDCSを使用すること、処理ガスaにNH3、処理ガスbにHCD(ヘキサクロルジシラン)を使用することも可能である。
不活性ガスとしては窒素ガスを使用するに限らず、アルゴンガスやヘリウムガス等の窒素ガス以外の不活性ガスを使用してもよい。
ヒータユニットはアウタチューブの側壁方向の周囲に発熱体を配設するのみならず、天井方向に発熱体を設けても良いし、さらにボートの下方に設けても良い。
【0055】
ウエハに直接、面しているインナーチューブの内壁は、インナーチューブの垂直方向に亘って、その水平断面が一定のサイズになるよう構成することが望ましい。一定のサイズに構成すると、原料ガスの流れが上下において一定となるために、ウエハ面間の成膜均一性が向上する。
【0056】
ガス導入ノズルに開設する噴出口の個数は、処理するウエハの枚数に一致させることが好ましいが、これに限らず、処理するウエハの枚数に対応して増減することができる。例えば、噴出口は上下で隣合うウエハ同士間にそれぞれ対向して配置するに限らず、二枚や三枚置きに配設してもよい。
ガス導入ノズルはインナチューブに膨出形成された予備室に敷設するに限らず、処理室の側壁内周に沿って敷設してもよい。その際、予備室は設けなくて処理室の側壁は一定のサイズに構成されるようにするほうがより一層よい。
【0057】
前記実施の形態では処理がウエハに施される場合について説明したが、処理対象はホトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスクあるいは磁気ディスク等であってもよい。
また、前記実施の形態では、シリコン酸化膜の堆積について説明したが、本発明に係る半導体装置の製造方法は、ドープドポリシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等のCVD膜の成膜方法全般に適用することができ、さらに、酸化膜形成工程や拡散工程等の半導体装置の製造方法における熱処理(t h e r m a l t r e a t m e n t )工程全般に適用することができる。
また、前記実施の形態ではバッチ式縦形ホットウオール形装置に適用した場合について説明したが、それに限定されるものではなく、バッチ式横形ホットウオール形装置や酸化膜形成装置や拡散装置および他の熱処理装置( f u r n a c e ) 等の基板処理装置全般に適用することができる。
【0058】
以上の、本明細書の記載に基づき、少なくとも次の発明を把握することができる。すなわち、第1の発明は、複数の基板を積層保持する基板保持具と、該基板保持具に保持された基板を処理する処理室と、前記処理室内における前記基板の積層方向に延在し、基板に処理ガスを供給するガス供給部と、前記基板保持具に保持された基板の主面と平行方向に前記ガス供給部の角度を変動させる角度変動装置と、前記基板保持具を回転させる回転装置と、前記ガス供給部の角度変動動作と前記基板保持具の回転動作を同期させるよう制御する制御部とを備える基板処理装置。
このように基板処理装置を構成すると、基板周辺付近への処理ガスの供給を促進することができ、基板面内の成膜均一性を向上させることが可能となる。
【0059】
第2の発明は、前記第1の発明の基板処理装置において、前記基板保持具は、前記基板の積層方向に延在し、基板を保持する保持部材を備え、前記制御部は、前記保持部材が回転移動し、前記保持部材と前記ガス供給部の処理ガス噴出口との間が所定の距離となったときに、前記ガス供給部の角度を変動させるよう制御する基板処理装置。
このように基板処理装置を構成すると、成膜工程において、保持部材がガス供給部の近くに回転移動してきた際に、保持部材の影響を少なくし、基板面内の成膜均一性を向上させることが可能となる。
【0060】
第3の発明は、複数の基板を積層保持した基板保持具を処理室に搬入する搬入工程と、前記処理室にて前記基板保持具を回転させつつ、前記処理室内の前記基板の積層方向に延在するガス供給部から前記基板保持具に保持された基板へ処理ガスを供給して前記基板を処理する処理工程とを有し、前記処理工程では、前記基板保持具の回転動作と同期させて、前記基板保持具に保持された基板の主面と平行方向に前記ガス供給部の角度を変動させるようにした半導体装置の製造方法。
このように基板処理工程を構成すると、成膜工程における保持部材の影響を少なくし、また、基板周辺付近への処理ガスの供給を促進することができ、基板面内の成膜均一性を向上させることが可能となる。
【0061】
第4の発明は、前記第1の発明において、前記基板保持具は、前記基板の積層方向に延在し基板を保持する保持部材を、所定の間隔を成して複数本有し、前記制御部は、特定の前記保持部材が、前記ガス供給部と前記保持部材に保持された基板との間に回転移動してきた際に、前記ガス供給部の角度を変動させるようにした基板処理装置。
このように基板処理装置を構成すると、成膜工程において、保持部材がガス供給部の近くに回転移動してきた際に、保持部材の影響を少なくし、基板面内の成膜均一性を向上させることが可能となる。
【0062】
第5の発明は、複数の基板を保持部材にて積層保持した基板保持具を処理室に搬入する搬入工程と、前記処理室にて前記基板保持具を回転させつつ、前記処理室内の前記基板の積層方向に延在するガス供給部から前記基板保持具に保持された基板へ処理ガスを供給して前記基板を処理する処理工程とを有し、前記処理工程では、前記保持部材が、前記ガス供給部と前記保持部材に保持された基板との間に回転移動してきた際に、前記ガス供給部の角度を変動させる工程を行うようにした半導体装置の製造方法。
このように基板処理工程を構成すると、成膜工程において、保持部材がガス供給部の近くに回転移動してきた際に、保持部材の影響を少なくし、基板面内の成膜均一性を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0063】
1 プロセスチューブ、2 インナチューブ、3 アウタチューブ、4 処理室、5 炉口、6 マニホールド、7 排気口、7a 排気管、7b APCバルブ、7c 真空ポンプ、7d 圧力センサ、8 排気路、9 シールキャップ、10 ウエハ(基板)、11 ボート、12、13 端板、14 保持部材、15 保持溝、16、17 補助端板、18 補助保持部材、19 保持溝、20 ヒータユニット、21 予備室、22 ガス導入ノズル、23 入口部、24 噴出口(ガス導入口) 、25 排気スリット(排気孔) 、26 開閉バルブ、27 MFC、28 ガス供給源、29 下部導入ポート、30 可動配管、41 ポートシール、42 回転ベース、43 軸受け、44 下部供給ポート、45 回転シール、46 回転機構、101 基板処理装置、105 カセット棚、107 予備カセット棚、110 カセット、111 筐体、114 カセットステージ、115 ボートエレベータ、118 カセット搬送装置、123 移載棚、125 ウエハ移載機構、147 炉口シャッタ、202 処理炉、235 ガス供給・流量制御部、236 圧力制御部、237 駆動制御部、238 温度制御部、239 主制御部、240 コントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を積層保持する基板保持具と、
該基板保持具に保持された基板を処理する処理室と、
前記処理室内における前記基板の積層方向に延在し、基板に処理ガスを供給するガス供給部と、
前記基板保持具に保持された基板の主面と平行方向に前記ガス供給部の角度を変動させる角度変動装置と、
前記基板保持具を回転させる回転装置と、
前記ガス供給部の角度変動動作と前記基板保持具の回転動作を同期させるよう制御する制御部とを備える基板処理装置。
【請求項2】
前記基板保持具は、前記基板の積層方向に延在し、基板を保持する保持部材を備え、
前記制御部は、前記保持部材が回転移動し、前記保持部材と前記ガス供給部の処理ガス噴出口との間が所定の距離となったときに、前記ガス供給部の角度を変動させるよう制御する請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
複数の基板を積層保持した基板保持具を処理室に搬入する搬入工程と、
前記処理室にて前記基板保持具を回転させつつ、前記処理室内の前記基板の積層方向に延在するガス供給部から前記基板保持具に保持された基板へ処理ガスを供給して前記基板を処理する処理工程とを有し、
前記処理工程では、前記基板保持具の回転動作と同期させて、前記基板保持具に保持された基板の主面と平行方向に前記ガス供給部の角度を変動させるようにした半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−29441(P2011−29441A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−174285(P2009−174285)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】