説明

基板処理装置

【課題】洗浄効果および洗浄幅を安定させることができ、基板の表面、周端面および裏面を同時に洗浄することができる基板処理装置を提供すること。
【解決手段】基板処理装置は、ウエハWを回転させるためのスピンチャックと、ウエハWの周縁部を洗浄するための表面洗浄ブラシ28、周端面洗浄ブラシ29および裏面洗浄ブラシ30とを備えている。表面洗浄ブラシ28、周端面洗浄ブラシ29および裏面洗浄ブラシ30は、ウエハWが回転された状態で、それぞれ、ウエハWの表面の周縁領域7、周端面9および裏面の周縁領域8に対して一定の押し付け圧で垂直に同時に押し付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板をブラシで洗浄処理する基板処理装置に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程では、たとえば、半導体ウエハなどの基板をブラシで洗浄する洗浄処理が行われる。ブラシによって基板を1枚ずつ洗浄する枚葉型の基板処理装置は、たとえば、基板を略水平に保持して回転させるスピンチャックと、このスピンチャックに保持された基板に処理液を供給するためのノズルと、基板の周縁部を洗浄するためのブラシとを備えている。
【0003】
基板の周縁部を洗浄するためのブラシとしては、たとえば特許文献1に記載のように、略倒立円錐台状の第1洗浄部と、この第1洗浄部の下端に一体的に結合された略円錐台状の第2洗浄部と含むものがある。第1および第2洗浄部は、中心軸線を共有するように上下に配置されている。
第1洗浄部の周面は、下方ほど中心軸線に近づくように傾斜するテーパ面となっており、この第1洗浄部の周面が、基板の上面の周縁領域および基板の周端面を洗浄するための第1洗浄面となっている。また、第2洗浄部の周面は、上方ほど中心軸線に近づくように傾斜するテーパ面となっており、この第2洗浄部の周面が、基板の下面の周縁領域および基板の周端面を洗浄するための第2洗浄面となっている。
【0004】
このブラシによる基板の周縁部の洗浄では、回転中の基板の上面に処理液が供給された状態で、第2洗浄面が基板の周端面に対向する位置にブラシが配置される。そして、ブラシが水平方向に移動され、第2洗浄面が基板の周端面に押し付けられる。これにより、基板がブラシに食い込み、第2洗浄面が基板の下面の周縁領域および基板の周端面に当接する。その結果、基板の下面の周縁領域および基板の周端面に付着している異物がブラシによって擦り取られ、擦り取られた異物が処理液によって基板上から洗い流される。これにより、基板の下面の周縁領域および基板の周端面が洗浄される。
【0005】
基板の下面の周縁領域および基板の周端面の洗浄が所定時間行われると、次に、ブラシが鉛直方向に降下されて第1洗浄面が基板の周端面に押し付けられる。これにより、基板がブラシに食い込み、第1洗浄面が基板の上面の周縁領域および基板の周端面に当接する。その結果、基板の上面の周縁領域および基板の周端面が洗浄される。
【特許文献1】特開2007−273612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ブラシによる基板の洗浄において、基板に対するブラシの押し付け圧は、ブラシによる基板への洗浄効果に影響を与える。すなわち、良好な洗浄効果を得るには、基板に対するブラシの押し付け圧を一定値以上にする必要がある。
また、第1および第2洗浄面を有する前述のブラシによる基板の周縁部の洗浄において、基板のブラシへの食い込み量は、基板の上面および下面における洗浄幅に影響を与える。すなわち、基板の上面および下面においてブラシにより洗浄される範囲は、基板の上面および下面においてブラシが当接する範囲と略等しくなるので、基板の上面および下面における洗浄幅を所望の大きさに設定するには、ブラシに対する基板の食い込み量を制御する必要がある。
【0007】
しかしながら、ブラシは、基板に押し付けられたり摺接したりするので、ブラシにおける基板との当接部分に亀裂や摩耗が生じる場合がある。ブラシに亀裂が生じると、基板がブラシに食い込むときにブラシから基板に加わる抵抗力が低下するので、水平方向へのブラシの移動量を一定にしても、ブラシに対する基板の食い込み量が大きくなってしまう場合がある。そのため、基板の上面および下面における洗浄幅が大きくなり、基板の上面および下面における所望範囲外がブラシによって洗浄される場合がある。
【0008】
また、亀裂が生じたブラシを基板に押し付けると、基板に対するブラシの押し付け圧が低下するため、ブラシによる基板への洗浄効果が低下してしまう。同様に、ブラシに摩耗が生じると、摩耗した分だけ基板に対するブラシの押し付け圧が低下し、ブラシによる基板への洗浄効果が低下してしまう。すなわち、第1および第2洗浄面を有する前述のブラシでは、洗浄効果や、基板の上面および下面における洗浄幅が変動する場合があり、基板に対して安定した処理を行うことができない場合がある。また、前述のブラシでは、基板の上面および下面の周縁領域を同時に洗浄できないため、処理時間がかかるという問題がある。
【0009】
そこで、この発明の目的は、洗浄効果および洗浄幅を安定させることができ、基板の表面、周端面および裏面を同時に洗浄することができる基板処理装置を提供することである。
また、この発明の他の目的は、基板の表面における洗浄幅を精密に制御できるとともに、基板の裏面における必要十分な一定の範囲を洗浄することができる基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)を保持して回転させる基板回転機構(3)と、この基板回転機構に保持された基板の表面を洗浄するためのブラシであって、当該基板の表面に平行な洗浄面(28a)を有する表面洗浄ブラシ(28)と、この表面洗浄ブラシを前記基板回転機構に保持された基板の表面に垂直な方向に移動させて、前記洗浄面を当該表面の周縁領域(7)に押し付けるための第1押し付け機構(37,43)と、前記基板回転機構に保持された基板の表面と平行な方向に前記表面洗浄ブラシを移動させるための移動機構(44)と、前記基板回転機構に保持された基板の周端面(9)を洗浄するための周端面洗浄ブラシ(29)と、この周端面洗浄ブラシを前記基板回転機構に保持された基板の周端面に弾性的に押し付けるための第2押し付け機構(70)と、前記基板回転機構に保持された基板の裏面を洗浄するための裏面洗浄ブラシ(30)と、この裏面洗浄ブラシを前記基板回転機構に保持された基板の裏面の周縁領域(8)に弾性的に押し付けるための第3押し付け機構(77)と、前記第1押し付け機構および前記移動機構を制御するための制御手段(78)とを含む、基板処理装置(1)である。
【0011】
基板の表面とは、周端面を除く基板の外表面において、デバイスが形成されている側の表面であり、基板の裏面とは、デバイスが形成されていない側の表面である。
なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すものとする。
この発明によれば、基板回転機構によって基板が回転された状態で、制御手段が第1押し付け機構を制御することにより、表面洗浄ブラシが基板の表面の周縁領域に対して垂直に押し付けられる。これにより、基板の表面の周縁領域が洗浄される。また、第2押し付け機構が周端面洗浄ブラシを基板の周端面に弾性的に押し付け、第3押し付け機構が裏面洗浄ブラシを基板の裏面の周縁領域に弾性的に押し付けさせる。これにより、基板の周端面および裏面の周縁領域が洗浄される。したがって、表面洗浄ブラシ、周端面洗浄ブラシおよび裏面洗浄ブラシを基板に同時に押し付けることにより、基板の表面、周端面および裏面を同時に洗浄することができる。
【0012】
基板の表面の周縁領域の洗浄では、基板回転機構に保持された基板の表面に平行である表面洗浄ブラシの洗浄面が、当該周縁領域に垂直に押し付けられる。したがって、表面洗浄ブラシに亀裂が生じたとしても、基板の表面に対して表面洗浄ブラシが当接する範囲はほとんど変化しない。また、表面洗浄ブラシに摩耗が生じたとしても、表面洗浄ブラシは基板の表面と略平行に摩耗するので、前記当接する範囲はほとんど変化しない。さらに、表面洗浄ブラシに亀裂や摩耗が生じたとしても、基板の表面に対する表面洗浄ブラシの押し付け圧は、押し付け当初と略同じ大きさで維持される。これにより、基板の表面の周縁領域に対する洗浄効果および洗浄幅が安定化される。
【0013】
また、基板の周端面の洗浄では、第2押し付け機構によって周端面洗浄ブラシが当該周端面に弾性的に押し付けられる。したがって、周端面洗浄ブラシに亀裂や摩耗が生じたとしても、基板の周端面に対する周端面洗浄ブラシの押し付け圧は、押し付け当初と略同じ大きさで維持される。これにより、基板の周端面に対する洗浄効果が安定化される。
同様に、基板の裏面の周縁領域の洗浄では、第3押し付け機構によって裏面洗浄ブラシが当該周縁領域に弾性的に押し付けられる。したがって、裏面洗浄ブラシに亀裂や摩耗が生じたとしても、基板の裏面に対する裏面洗浄ブラシの押し付け圧は、押し付け当初と略同じ大きさで維持される。これにより、基板の裏面の周縁領域における所定範囲に対して安定した洗浄処理が行われる。
【0014】
前述のように、基板の表面にはデバイスが形成されているので、当該表面の周縁領域における洗浄おいては、デバイスに影響が及ばないように、洗浄幅を精密に制御する必要がある。すなわち、洗浄が必要とされる範囲に応じた洗浄幅で洗浄を行うとともに、当該洗浄幅を安定させる必要がある。また、基板の表面の周縁領域において洗浄が必要とされる範囲は、たとえばデバイスの種類等により変化する場合がある。
【0015】
本発明では、制御手段が移動手段を制御して、表面洗浄ブラシを基板の表面と平行な方向に移動させることにより、基板の表面の周縁領域における洗浄幅を所望の大きさに設定することができる。これにより、洗浄が必要とされる範囲に応じた洗浄幅で洗浄を行うことができる。また、前述のように、基板の表面の周縁領域における洗浄幅は安定化されている。したがって、基板の表面における洗浄幅が精密に制御される。
【0016】
一方、基板の裏面にはデバイスが形成されていないので、デバイスの種類等により基板の裏面の周縁領域において洗浄が必要とされる範囲が変化することはない。そのため、基板の裏面の周縁領域において洗浄が必要とされる範囲を含む一定範囲以上が洗浄されればよい。したがって、基板の裏面の周縁領域において裏面洗浄ブラシにより洗浄される前記所定範囲内に、洗浄が必要とされる範囲が含まれるようにすることで、基板の裏面における必要十分な一定の範囲が洗浄される。
【0017】
すなわち、この発明によれば、デバイスが形成される基板の表面では、洗浄幅が精密に制御される一方で、デバイスが形成されない基板の裏面では、必要十分な一定の範囲が洗浄される。これにより、基板の表面において洗浄が必要とされる範囲が異なる複数種の基板に対して良好な洗浄処理を安定して行うことができる。また、裏面洗浄ブラシを基板の裏面と平行な方向に移動させるための機構が不要となるので、基板処理装置の構造の複雑化が抑制される。
【0018】
請求項2記載の発明は、前記制御手段は、前記表面洗浄ブラシが一定の押し付け量で基板の周縁領域に押し付けられるように、前記第1押し付け機構を制御するものである、請求項1記載の基板処理装置である。
この発明によれば、制御手段が第1押し付け機構を制御して、表面洗浄ブラシの洗浄面を基板の表面の周縁領域に一定の押し付け量で押し付けさせる。これにより、基板の表面に対する表面洗浄ブラシの押し付け圧が一定に維持される。したがって、表面洗浄ブラシに亀裂や摩耗が生じたとしても、基板の表面に対する表面洗浄ブラシの押し付け圧が一定に維持される。これにより、基板の表面の周縁領域に対する洗浄効果が安定化される。
【0019】
請求項3記載の発明は、前記移動機構は、前記基板回転機構に保持された基板の表面と平行であり、かつ、基板の回転半径方向に沿う方向に、前記表面洗浄ブラシを移動させるものである、請求項1または2記載の基板処理装置である。
この発明によれば、制御手段が移動機構を制御することにより、基板回転機構に保持された基板の表面と平行であり、かつ、基板の回転半径方向に沿う方向に表面洗浄ブラシが移動される。これにより、基板の表面の周縁領域における洗浄幅がより精密に制御される。
【0020】
また、この発明によれば、表面洗浄ブラシの洗浄面の一部を基板の表面の周縁領域に当接させることができる。したがって、前記洗浄面の幅(基板の回転半径方向への長さ)よりも小さい洗浄幅で基板の表面の周縁領域を洗浄することができる。
さらに、この発明によれば、表面洗浄ブラシが基板の表面の周縁領域に押し付けられた状態で、基板の表面と平行であり、かつ、基板の回転半径方向に沿う方向に表面洗浄ブラシを移動させることができる。これにより、基板の表面の周縁領域における洗浄幅を表面洗浄ブラシの洗浄面よりも拡大させることができる。したがって、洗浄面の大きさが、基板の表面の周縁領域において洗浄が必要とされる範囲の幅(基板の回転半径方向への長さ)よりも小さい小型の表面洗浄ブラシを用いることができる。
【0021】
請求項4記載の発明は、前記第2押し付け機構は、基板の周端面に前記周端面洗浄ブラシを弾性的に押し付けるための弾性体(70)を含み、前記第3押し付け機構は、基板の裏面の周縁領域に前記裏面洗浄ブラシを弾性的に押し付けるための弾性体(77)を含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の基板処理装置である。
この発明によれば、第2押し付け機構としての弾性体によって周端面洗浄ブラシが基板の周端面に弾性的に押し付けられる。また、第3押し付け機構としての弾性体によって裏面洗浄ブラシが基板の裏面の周縁領域に弾性的に押し付けられる。これにより、基板に対するこれらのブラシの押し付け圧が一定に維持される。
【0022】
弾性体によって周端面洗浄ブラシを基板に押し付ける場合、第2押し付け機構の構造を比較的単純な構造とすることができるので、基板処理装置の複雑化を抑制することができる。同様に、弾性体によって裏面面洗浄ブラシを基板に押し付ける場合、第3押し付け機構の構造を比較的単純な構造とすることができるので、基板処理装置の複雑化を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1の概略構成を示す平面図である。また、図2は、図1に示す基板処理装置1の内部の図解的な側面図である。
この基板処理装置1は、基板の一例としての半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW」という。)を1枚ずつ処理する枚葉型の装置である。基板処理装置1は、隔壁で区画された処理室2内に、ウエハWを略水平に保持して回転させるスピンチャック3(基板回転機構)と、ウエハWに処理液を供給するための処理液供給機構4と、ウエハWから排出される処理液を捕獲するための処理カップ5と、ウエハWの周縁部を洗浄するためのブラシ機構6とを備えている。
【0024】
以下では、周端面9を除くウエハWの外表面において、デバイスが形成される側の面を「ウエハWの表面」といい、デバイスが形成される側の面と反対の面を「ウエハWの裏面」という。また、ウエハWの周縁部とは、ウエハWの表面の周縁領域7、ウエハWの裏面の周縁領域8および周端面9を含む部分をいう。ウエハWの表面の周縁領域7とは、デバイスが形成される中央領域(デバイス形成領域)の外側の領域であり、たとえばウエハWの表面の周端縁から幅数ミリメートル程度の環状の領域をいう。また、ウエハWの裏面の周縁領域8とは、たとえば、ウエハWの裏面の周端縁から幅数ミリメートル程度の環状の領域をいう。
【0025】
スピンチャック3は、たとえば、真空吸着式のチャックである。このスピンチャック3は、鉛直な方向に延びたスピン軸10と、このスピン軸10の上端に取り付けられて、ウエハWを略水平な姿勢でその下面を吸着して保持する吸着ベース11と、スピン軸10と同軸に結合された回転軸を有するスピンモータ12とを備えている。本実施形態では、たとえば、表面を上方に向けて略水平にウエハWが吸着ベース11に保持されている。ウエハWが吸着ベース11に吸着保持された状態でスピンモータ12が駆動されると、ウエハWは、スピン軸10の中心を通る鉛直軸線まわりに回転される。
【0026】
処理液供給機構4は、ウエハWの表面に処理液を供給するための表面ノズル13と、ウエハWの裏面に処理液を供給するための複数の裏面ノズル14とを備えている。図2に示すように、表面ノズル13には、処理液供給管15が接続されている。処理液供給管15には、処理液バルブ16介して、図示しない処理液供給源からの処理液が供給される。表面ノズル13は、処理液供給管15を通して供給される処理液を、スピンチャック3により回転されるウエハWの表面に向けて吐出する。表面ノズル13から吐出された処理液は、ウエハWの表面における回転中心を含む範囲に着液される。
【0027】
一方、複数の裏面ノズル14には、それぞれ処理液供給管17が接続されている。これらの処理液供給管17には、処理液バルブ18を介して、図示しない処理液供給源からの処理液が供給される。各裏面ノズル14は、処理液供給管17を通して供給される処理液を、スピンチャック3に保持されたウエハWの裏面の周端縁と吸着ベース11との間であり、周縁領域8よりも内側(スピンチャック3の中心軸線側)に向けて吐出する。各裏面ノズル14から吐出された処理液は、ウエハWの裏面における周縁領域8よりも内側に着液される。
【0028】
ノズル13,14に供給される処理液としては、たとえば純水が用いられている。処理液は、純水に限らず、炭酸水、イオン水、オゾン水、還元水(水素水)または磁気水などの機能水であってもよいし、アンモニア水またはアンモニア水と過酸化水素水との混合液などの薬液であってもよい。
スピンチャック3によりウエハWが回転された状態で、表面ノズル13から処理液が吐出されると、当該処理液は、ウエハWの表面の回転中心を含む範囲に着液した後、ウエハWの回転による遠心力を受けて周縁領域7に向かって広がっていく。これにより、ウエハWの表面の全域に処理液が供給される。ウエハWの表面の周縁領域7に達した処理液の一部は、ウエハWの回転による遠心力を受けてウエハWの周囲に振り切られる。また、ウエハWの表面の周縁領域7に達した処理液の一部は、ウエハWの表面を伝って周端面9に達した後、流下していく。
【0029】
一方、スピンチャック3によりウエハWが回転された状態で、裏面ノズル14から処理液が吐出されると、当該処理液は、ウエハWの周縁領域8よりも内側に着液した後、ウエハWの回転による遠心力を受けて周縁領域8に向かって広がっていく。これにより、周縁領域8の全域に処理液が供給される。周縁領域8に達した処理液の一部は、当該周縁領域8から流下していく。また、周縁領域8に達した処理液の一部は、ウエハWの回転による遠心力を受けてウエハWの周囲に振り切られる。このとき、振り切られる処理液の一部は、ウエハWの裏面を伝って周端面9に達した後に振り切られる。すなわち、ウエハWの周端面9には、ウエハWの表面および裏面を伝って処理液が供給されるようになっている。
【0030】
処理カップ5は、筒状の外壁19および内壁20と、外壁19および内壁20との間でこられの下端を連結する環状の底部21とを含む。外壁19は、平面視において、スピンチャック3を取り囲むように配置されている。外壁19の上端部は、上に向かうほど径が小さくなるように内方に傾斜している。図2において実線で示すように、処理カップ5は、外壁19の上端の位置が吸着ベース11よりも下方に位置するカップ下端位置に配置されている。
【0031】
また、内壁20は、平面視において、スピンチャック3を取り囲むように配置されている。内壁20の上端部は、内側に折り曲げられて鍔部22を形成している。内壁20には、環状をなす板状のバット23が内嵌している。鍔部22はバット23の上面に係合している。バット23は、スピン軸10を取り囲むとともに、複数の支持軸24を介して、スピンモータ12を取り囲むベース25に支持されている。ベース25は、処理室2の床面2aに固定された複数のシリンダ26に結合されている。
【0032】
各シリンダ26は、ロッド26aが本体部26bに対して上に配置された状態で本体部26bが処理室2の床面2aに固定されている。ベース25は、ロッド26aの先端(上端)に固定されている。各シリンダ26は、本体部26bに対してロッド26aを鉛直方向に進退させることができる。
本体部26bに対してロッド26aが鉛直方向に進退されると、ベース25、支持軸24、バット23および処理カップ5は一体的に昇降される。複数のシリンダ26によって処理カップ5を上昇させることにより、外壁19の上端を吸着ベース11よりも上方に位置させて、外壁19の内周面をスピンチャック3に保持されたウエハWの周端面9に対向させることができる。図2に、外壁19の内周面がウエハWの周端面9に対向するカップ上端位置に処理カップ5が配置された状態を二点鎖線で示す。
【0033】
処理カップ5は、外壁19の内周面をスピンチャック3に保持されたウエハWの周端面9に対向させた状態で、ウエハWから排出される処理液を捕獲することができる。すなわち、ウエハWの周囲に振り切られた処理液は、外壁19の内周面に当たって処理カップ5に捕獲される。また、ウエハWから流下する処理液は、処理カップ5により受け止められて捕獲される。処理カップ5により捕獲された処理液は、処理カップ5に形成された貯留溝27に貯留される。図示はしないが、底部21には配管が接続されており、貯留溝27に貯留された処理液は、この配管を介してタンクに導かれる。
【0034】
ブラシ機構6は、ウエハWの表面を洗浄するための表面洗浄ブラシ28と、ウエハWの周端面9を洗浄するための周端面洗浄ブラシ29と、ウエハWの裏面を洗浄するための裏面洗浄ブラシ30とを備えている。表面洗浄ブラシ28は、第1ブラシ保持機構31によって、スピンチャック3によるウエハWの保持位置よりも上方で保持されている。また、周端面洗浄ブラシ29および裏面洗浄ブラシ30は、第2ブラシ保持機構32によって、スピンチャック3によるウエハWの保持位置よりも下方で一体的に保持されている。
【0035】
第1ブラシ保持機構31は、スピンチャック3によるウエハWの保持位置よりも上方で略水平に延びる揺動アーム34と、この揺動アーム34に回転可能に保持されたシャフト35と、揺動アーム34内に配置されたブラシ押し付け装置37(第1押し付け機構)とを含む。
シャフト35は、鉛直方向に延びており、その下端部は、揺動アーム34から下方に突出している。表面洗浄ブラシ28は、ホルダ取付部38およびブラシホルダ39を介してシャフト35の下端部に連結されている。ブラシホルダ39は、表面洗浄ブラシ28の一部を下方に突出させた状態で表面洗浄ブラシ28を保持している。ブラシホルダ39に保持された状態で下方に位置する表面洗浄ブラシ28の端面(下面)がウエハWの表面に押し付けられる洗浄面28aとなっている。この表面洗浄ブラシ28の洗浄面28aは、スピンチャック3に保持されたウエハWの表面に対して平行となっている。
【0036】
また、ブラシ押し付け装置37は、揺動アーム34の内部において、シャフト35に結合されている。ブラシ押し付け装置37は、シャフト35に対して鉛直下向きの駆動力を入力することができる。表面洗浄ブラシ28の洗浄面28aがウエハWの表面に当接された状態で、ブラシ押し付け装置37の駆動力がシャフト35に入力されると、表面洗浄ブラシ28は所定の押し付け圧でウエハWの表面に垂直に押し付けられる。
【0037】
本実施形態では、たとえば、エアーシリンダがブラシ押し付け装置37として用いられている。表面洗浄ブラシ28は、ブラシ押し付け装置37に供給される空気の供給圧に比例する押し付け圧でウエハWの表面に押し付けられる。ブラシ押し付け装置37には、圧力調整バルブ40が介装された空気供給管41が接続されている。
圧力調整バルブ40の開度は、たとえば、一定とされており、必要に応じて使用者により調整される。したがって、ブラシ押し付け装置37には一定の供給圧で空気が供給されており、表面洗浄ブラシ28は一定の押し付け圧でウエハWの表面に押し付けられる。すなわち、表面洗浄ブラシ28は一定の押し付け量でウエハWの表面に押し付けられるようになっており、表面洗浄ブラシ28とウエハWとの当接部には一定の押し付け圧が発生される。
【0038】
また、図2に示すように、揺動アーム34は、鉛直方向に延びるアーム支持軸42に支持されている。アーム支持軸42には、昇降駆動機構43および移動機構としての揺動駆動機構44が結合されている。昇降駆動機構43および揺動駆動機構44の駆動力をアーム支持軸42に入力することにより、表面洗浄ブラシ28および揺動アーム34を一体的に移動させることができる。
【0039】
すなわち、昇降駆動機構43の駆動力がアーム支持軸42に入力されると、アーム支持軸42が上下動され、表面洗浄ブラシ28および揺動アーム34が鉛直方向に一体的に上下動される。また、揺動駆動機構44の駆動力がアーム支持軸42に入力されると、表面洗浄ブラシ28および揺動アーム34が、アーム支持軸42を支点として、スピンチャック3に保持されたウエハWの表面と平行な方向である水平方向に一体的に揺動される。
【0040】
昇降駆動機構43および揺動駆動機構44によって表面洗浄ブラシ28および揺動アーム34を一体的に移動させることにより、表面洗浄ブラシ28をスピンチャック3の上方に配置させたり、スピンチャック3の上方から退避させたりすることができる。したがって、昇降駆動機構43および揺動駆動機構44は、表面洗浄ブラシ28をスピンチャック3に保持されたウエハWの上方に配置させることができる。表面洗浄ブラシ28がスピンチャック3に保持されたウエハWの周縁部の上方に配置された状態で、昇降駆動機構43が表面洗浄ブラシ28を鉛直方向に降下させることにより、当該表面洗浄ブラシ28の洗浄面28aがウエハWの表面の周縁領域7に垂直に当接される。
【0041】
スピンチャック3によりウエハWが回転された状態で、ウエハWの表面の周縁領域7に表面洗浄ブラシ28が当接されると、当該周縁領域7における環状の領域に表面洗浄ブラシ28が当接されることになる。この環状の領域が、表面洗浄ブラシ28により洗浄される洗浄領域となる。洗浄領域の幅(ウエハWの回転半径方向への長さ)は、周縁領域7において表面洗浄ブラシ28が当接する範囲の幅(ウエハWの回転半径方向への長さ)と等しくなっている。以下では、この洗浄領域の幅を「洗浄幅」という。
【0042】
昇降駆動機構43および揺動駆動機構44は、スピンチャック3に保持されたウエハWの上方における任意の位置に表面洗浄ブラシ28を配置させることができる。したがって、ウエハWの表面の周端縁からその内側に至る範囲に表面洗浄ブラシ28を当接させる場合に、当該範囲の幅(ウエハWの回転半径方向への長さ)を洗浄面28aの大きさを超えない範囲で所望の大きさに設定することができる。これにより、ウエハWの表面の周縁領域7における洗浄幅を所望の大きさに設定することができる。したがって、たとえば、ウエハWの表面に形成されるデバイスの種類により周縁領域7において洗浄が必要とされる範囲の幅(ウエハWの回転半径方向への長さ)が異なる場合であっても、当該洗浄が必要とされる範囲の幅に応じて洗浄幅を変更させることができる。これにより、洗浄幅が異なる複数種のウエハWに対して良好な洗浄処理を施すことができる。
【0043】
一方、第2ブラシ保持機構32は、周端面洗浄ブラシ29を保持する第1保持部材45と、裏面洗浄ブラシ30を保持する第2保持部材46と、第1および第2保持部材45,46を一体的に保持する第3保持部材47とを含む。
第1保持部材45は、スピンチャック3の中心軸線側に周端面洗浄ブラシ29の一部を突出させた状態で周端面洗浄ブラシ29を保持している。また、第2保持部材46は、裏面洗浄ブラシ30の一部を上方に突出させた状態で裏面洗浄ブラシ30を保持している。第3保持部材47は、シリンダ33のロッド33aに固定されている。
【0044】
シリンダ33はロッド33aを上に向けた状態で配置されている。ロッド33aはバット23に形成された挿通孔48(図4参照)を挿通している。ロッド33aと挿通孔48との間は、図示しない封止部材により封止されている。ロッド33aは、挿通孔48を鉛直方向に移動可能となっている。
シリンダ33は、本体部33bの上面がバット23の下面に固定されている。シリンダ33は、本体部33bに対してロッド33aを鉛直方向に進退させることができる。本体部33bに対してロッド33aが鉛直方向に進退されると、第3保持部材47が鉛直方向に昇降される。したがって、本体部33bに対してロッド33aが鉛直方向に進退されると、第1保持部材45および第2保持部材46とともに、周端面洗浄ブラシ29および裏面洗浄ブラシ30が一体的に昇降される。
【0045】
処理カップ5がカップ下端位置に配置された状態で、ロッド33aは、本体部33bに退避されており、周端面洗浄ブラシ29および裏面洗浄ブラシ30はウエハWから離反されている。周端面洗浄ブラシ29および裏面洗浄ブラシ30は、処理カップ5がカップ上端位置に配置され、シリンダ33のロッド33aが本体部33bから進出されることにより、それぞれ、ウエハWの周端面9および裏面の周縁領域8に一定の押し付け圧で押し付けられる。
【0046】
第1保持部材45に保持された状態でスピンチャック3の中心軸線側に位置する周端面洗浄ブラシ29の端面が、ウエハWの周端面9に押し付けられる洗浄面29aとなっている。また、第2保持部材46に保持された状態で上方に位置する裏面洗浄ブラシ30の端面(上面)が、ウエハWの裏面に押し付けられる洗浄面30aとなっている。
スピンチャック3によりウエハWが回転された状態で、ウエハWの周端面9に周端面洗浄ブラシ29が当接されると、当該周端面9の全域に周端面洗浄ブラシ29が当接されることになる。また、スピンチャック3によりウエハWが回転された状態で、ウエハWの裏面の周縁領域8に裏面洗浄ブラシ30が当接されると、当該周縁領域8における環状の領域に裏面洗浄ブラシ30が当接されることになる。この環状の領域が、裏面洗浄ブラシ30により洗浄される洗浄領域となる。洗浄領域は、周縁領域8において洗浄が必要とされる範囲が含まれるように設定されている。また、裏面洗浄ブラシ30は、第2保持部材46および第3保持部材47によって水平方向に移動不能に保持されており、ウエハWの裏面に対して一定の位置で当接される。したがって、周縁領域8において裏面洗浄ブラシ30により洗浄される洗浄領域は一定となっている。
【0047】
ウエハWの裏面にはデバイスが形成されないので、表面に形成されるデバイスの種類により周縁領域8において洗浄が必要とされる範囲が変化することはない。したがって、周縁領域8において洗浄が必要とされる範囲を含む一定範囲以上が洗浄されればよい。本実施形態では、周縁領域8において裏面洗浄ブラシ30により洗浄される洗浄領域に、洗浄が必要とされる範囲が含まれるように設定されている。したがって、デバイスの種類にかかわりなくウエハWの裏面に対して良好な洗浄を行うことができる。また、裏面洗浄ブラシ30を水平方向に移動させるための機構が設けられていないので、基板処理装置1の構造の複雑化が抑制されている。
【0048】
図3は、表面洗浄ブラシ28およびその周辺の構成を示す断面図である。
表面洗浄ブラシ28は、たとえば、PVA(ポリビニルアルコール)などのスポンジ材によって形成されている。表面洗浄ブラシ28は、たとえば、略円板状の基部50と、この基部50の一方面上に設けられ、基部50よりも小径の略円柱状の胴部51とを一体的に備えている。基部50および胴部51は、中心軸線が一致しており、表面洗浄ブラシ28は、その中心軸線まわりに回転対称な形状を有している。表面洗浄ブラシ28は、胴部51が突出した状態でブラシホルダ39に保持されている。胴部51の端面(下面)は、略平坦な面にされており、この端面がウエハWの表面に押し付けられる洗浄面28aとなっている。以下では、胴部51の端面を「洗浄面28a」という。
【0049】
ブラシホルダ39は、略円柱状の樹脂ブロック52と、この樹脂ブロック52に表面洗浄ブラシ28を固定するための固定部材53とを備えている。樹脂ブロック52の下端部の周面には、その全周にわたって、断面略矩形状の嵌合溝54が形成されている。また、樹脂ブロック52の下端部には、嵌合溝54に対して径方向内側に微小な間隔を隔てた位置に、断面略U字状の切込溝55が周方向にわたって形成されている。嵌合溝54と切込溝55との間の部分は、樹脂の撓み性による弾性が付与された弾性片56となっている。弾性片56の外周面には、複数の半球状の係合突起57が形成されている。また、樹脂ブロック52の上端部には、扁平な円柱状の雄ねじ部58が一体的に形成されている。この雄ねじ部58の周面には、ホルダ取付部38に螺合可能なねじが切られている。
【0050】
固定部材53は、略円形の外形を有する円板部59と、この円板部59の周縁から上方に延びる略円筒状の円筒部60とを一体的に備えている。円板部59の中央部には、表面洗浄ブラシ28の胴部51を挿通可能な挿通孔61が形成されている。円筒部60の内径は、表面洗浄ブラシ28の基部50の外径に略一致し、また、弾性片56に外力が作用していない状態で、その弾性片56の外径よりも若干小さく形成されている。さらに、円筒部60の内周面には、各係合突起57と係合可能な複数の係合凹部62が形成されている。
【0051】
表面洗浄ブラシ28をホルダ取付部38に取り付けるときには、表面洗浄ブラシ28を、固定部材53に対して、胴部51が挿通孔61に挿通され、基部50が円筒部60内に収容されるように装着する。その後、固定部材53の円筒部60を樹脂ブロック52の嵌合溝54に嵌めて、各係合突起57とこれに対応する係合凹部62とを係合させる。これにより、表面洗浄ブラシ28がブラシホルダ39に保持される。そして、ブラシホルダ39の雄ねじ部58をホルダ取付部38に螺着させることにより、表面洗浄ブラシ28のホルダ取付部38への取付けが達成される。
【0052】
図4は、周端面洗浄ブラシ29および裏面洗浄ブラシ30およびその周辺の構成を示す断面図である。この図4では、処理カップ5がカップ上端位置にある状態を示している。
周端面洗浄ブラシ29は、たとえば、PVAなどのスポンジ材によって形成されている。周端面洗浄ブラシ29は、たとえば、略円板状の基部63と、略円柱状の胴部64と、略円錐台状の先端部65とを一体的に備えている。胴部64は、基部63よりも小径であり、基部63の一方面上に設けられている。また、先端部65は、一端の外径が胴部64と等しくされており、先細りとなるように胴部64の一方面上に設けられている。先端部65は、テーパ面である周面と、円状の端面とを含む。先端部65の端面の直径は、ウエハWの厚みより大きくされている。基部63、胴部64および先端部65は、中心軸線が一致しており、周端面洗浄ブラシ29は、その中心軸線まわりに回転対称な形状を有している。
【0053】
第1保持部材45は、基部63を収容する収容部66と、この収容部66に固定された固定板67とを含む。収容部66は、円筒部68と、この円筒部68の一端(右端)に設けられた円環状をなす円板部69とを一体的に備えている。基部63は、胴部64が円板部69を挿通した状態で収容部66に収容されている。また、固定板67は、基部63の他方面との間にたとえばコイルばね等の弾性体70(第2押し付け機構)を介在させた状態で、円筒部68の他端(左端)に固定されている。周端面洗浄ブラシ29は、この弾性体70によって円板部69側に付勢されている。
【0054】
第1保持部材45は、先端部65の端面をスピンチャック3の中心軸線側(図4では右側)に向けた状態で、円筒部68が第3保持部材47に固定されている。先端部65の端面は略平坦であり、この先端部65の端面が、ウエハWの周端面9に押し付けられる洗浄面29aとなっている。以下では、先端部65の端面を「洗浄面29a」という。
周端面洗浄ブラシ29は、洗浄面29aが鉛直方向に沿うように配置されている。また、周端面洗浄ブラシ29は、洗浄面29aがスピンチャック3に保持されたウエハWの周端面9よりも所定量、スピンチャック3の中心軸線側に位置するように配置されている。
【0055】
処理カップ5がカップ上端位置にある状態でロッド33aが本体部33bから進出されると、最初に、先端部65の周面がウエハWの裏面に当接する。そして、先端部65の周面の傾斜によって外方に押されながら周端面洗浄ブラシ29が上昇していく。このとき、洗浄面29aはウエハWの周端面9に沿って上昇していく。また、弾性体70は、周端面洗浄ブラシ29によって押されて圧縮変形する。弾性体70の圧縮変形量は前記所定量と略等しくなっている。したがって、弾性体70からは前記所定量に比例した反力が発生される。
【0056】
ロッド33aが進出端まで移動されると、ウエハWの周端面9に洗浄面29aが対向し、当該周端面9における洗浄面29aに対向する範囲の全域に洗浄面29aが当接される(図7参照)。このとき、周端面洗浄ブラシ29は、弾性体70の反力によって、ウエハWの周端面9に対して垂直に弾性的に押し付けられる。
弾性体70の押し付け荷重は、ウエハWの周端面9に良好な洗浄が行われるように設定されている。すなわち、ウエハWの周端面9の洗浄において、良好な洗浄効果を得るために必要とされる押し付け圧がウエハWと周端面洗浄ブラシ29との当接部に発生されるように、弾性体70の押し付け荷重が設定されている。
【0057】
また、弾性体70は、たとえば、ばね定数が比較的小さくされており、弾性体70の弾性変形量が数ミリメートル程度変化しても反力が大きく変化しないようにされている。すなわち、周端面洗浄ブラシ29の摩耗等により弾性体70の圧縮変形量が減少して弾性体70の押し付け荷重が減少しても、前記必要とされる押し付け圧がウエハWと周端面洗浄ブラシ29との当接部に確保されるように、弾性体70のばね定数が設定されている。
【0058】
具体的に例示すると、前記必要とされる押し付け圧を発生させるときの押し付け荷重の最小値が200〜300gfの範囲にある場合に、弾性体70の押し付け荷重が500gfに設定されている。また、前記必要とされる押し付け圧を発生させるときの押し付け荷重の最小値が200〜300gfの範囲にあり、弾性体70の押し付け荷重が500gfに設定されている場合に、弾性体70の圧縮変形量が1〜2ミリメートル程度減少しても、弾性体70の押し付け荷重が400gf以上となるように、弾性体70のばね定数が設定されている。したがって、新品の周端面洗浄ブラシ29を使用し始めて交換するまでの摩耗量が1〜2ミリメートル程度なので、周端面洗浄ブラシ29の摩耗等により弾性体70の圧縮変形量が減少しても、ウエハWの周端面9に対して良好な洗浄が行われるようになっている。
【0059】
一方、裏面洗浄ブラシ30は、たとえば、PVAなどのスポンジ材によって形成されている。裏面洗浄ブラシ30は、たとえば、略円板状の基部71と、略円柱状の胴部72とを一体的に備えている。胴部72は、基部71よりも小径であり、基部71の一方面上に設けられている。胴部72は、円柱状をなす周面と、円状の端面とを含む。胴部72の端面の直径は、ウエハWの裏面の周縁領域8において、洗浄されるべき環状の領域の幅(ウエハWの回転半径方向への長さ)よりも大きくされている。基部71および胴部72は、中心軸線が一致しており、裏面洗浄ブラシ30は、その中心軸線まわりに回転対称な形状を有している。
【0060】
第2保持部材46は、基部71を収容する収容部73と、この収容部73に固定された固定板74とを含む。収容部73は、円筒部75と、この円筒部75の一端(上端)に設けられた円環状をなす円板部76とを一体的に備えている。基部71は、胴部72が円板部76を挿通した状態で収容部73に収容されている。また、固定板74は、基部71の他方面との間にたとえばコイルばね等の弾性体77(第3押し付け機構)を介在させた状態で、円筒部75の他端(下端)に固定されている。裏面洗浄ブラシ30は、この弾性体77によって円板部76側に付勢されている。
【0061】
第2保持部材46は、胴部72の端面を上方に向けた状態で、円筒部75が第3保持部材47に固定されている。胴部72の端面は略平坦であり、この胴部72の端面が、ウエハWの裏面に押し付けられる洗浄面30aとなっている。以下では、胴部72の端面を「洗浄面30a」という。洗浄面30aは、スピンチャック3に保持されたウエハWの裏面に対して平行になっている。裏面洗浄ブラシ30は、ウエハWの裏面の周縁領域8の鉛直下方に配置されている。
【0062】
処理カップ5がカップ上端位置にある状態でロッド33aが本体部33bから進出されると、裏面洗浄ブラシ30が鉛直上方に移動され、洗浄面30aがウエハWの裏面の周縁領域8に垂直に当接される。そして、ロッド33aが進出端まで移動されると、予め設定された押し付け量で裏面洗浄ブラシ30がウエハWの裏面に垂直に押し付けられる。これにより、裏面洗浄ブラシ30によって弾性体77が下方に押されて、弾性体77が圧縮変形する。そのため、弾性体77に反力が生じて、裏面洗浄ブラシ30がウエハWの裏面に対して垂直に弾性的に押し付けられる。
【0063】
弾性体77の押し付け荷重は、弾性体70の押し付け荷重と同様に、ウエハWの裏面の周縁領域8に良好な洗浄が行われるように設定されている。また、弾性体77は、たとえば、ばね定数が比較的小さくされており、弾性変形量が数ミリメートル程度変化しても押し付け荷重が大きく変化しないようにされている。これにより、ウエハWの裏面に対して良好な洗浄が安定して行われるようになっている。
【0064】
図5は、基板処理装置1の電気的構成を説明するためのブロック図である。
基板処理装置1は、マイクロコンピュータを含む制御部78(制御手段)を備えている。この制御部78には、使用者によって処理レシピ(ウエハWの処理のための各種条件)を入力するためのレシピ入力キー79が接続されている。制御部78には、スピンモータ12、処理液バルブ16,18、シリンダ26,33、ブラシ押し付け装置37、空気バルブ40、昇降駆動機構43、揺動駆動機構44などが制御対象として接続されている。
【0065】
図6は、基板処理装置1によるウエハWの処理の一例を説明するための工程図である。また、図7は、前記ウエハWの処理の一例における表面洗浄ブラシ28、周端面洗浄ブラシ29および裏面洗浄ブラシ30の状態を示す側面図である。
ウエハWの処理に先立ち、使用者によってレシピ入力キー79が操作されて、ウエハWの表面における洗浄幅が設定されている。処理対象のウエハWは、処理カップ5がカップ下端位置に配置された状態で、処理室2内に搬入され、スピンチャック3に保持される(ステップS1)。ウエハWがスピンチャック3に保持されると、制御部78によりスピンモータ12が制御されて、スピンチャック3によるウエハWの回転が開始される(ステップS2)。
【0066】
次に、制御部78によりシリンダ26が制御されて、処理カップ5がカップ上端位置に配置される。続いて、制御部78により処理液バルブ16,18が開かれて、表面ノズル13および各裏面ノズル14からそれぞれウエハWの表面および裏面への処理液の供給が開始される(ステップS3)。
ウエハWの表面および裏面への処理液の供給が開始されると、制御部78により昇降駆動機構43および揺動駆動機構44が制御されて、表面洗浄ブラシ28がウエハWの周縁部の鉛直上方に配置される。そして、制御部78により昇降駆動機構43が制御されて、表面洗浄ブラシ28が鉛直下方に移動される。これにより、図7に示すように、表面洗浄ブラシ28の洗浄面28aがウエハWの表面の周縁領域7に垂直に当接される(ステップS4)。このとき、周縁領域7において表面洗浄ブラシ28が当接する範囲の幅(ウエハWの回転半径方向への長さ)は、使用者により設定された洗浄幅と等しくなっている。
【0067】
ウエハWの表面の周縁領域7に表面洗浄ブラシ28が当接されると、制御部78によりブラシ押し付け装置37が制御されて、一定の押し付け圧で表面洗浄ブラシ28がウエハWの表面に垂直に押し付けられる(ステップS5)。これにより、表面洗浄ブラシ28がウエハWの表面の周縁領域7に擦り付けられ、当該周縁領域7に付着している異物が表面洗浄ブラシ28によって擦り取られる。そして、擦り取られた異物がウエハWの表面に供給された処理液によって洗い流される。これにより、周縁領域7が洗浄される。周縁領域7に対して表面洗浄ブラシ28による洗浄が行われている間、表面洗浄ブラシ28は、ウエハWの表面に押し付けられた状態で固定されている。
【0068】
一方、ウエハWの表面および裏面への処理液の供給が開始されると、制御部78によりシリンダ33が制御されて第2ブラシ保持機構32が鉛直上方に移動される。これにより、周端面洗浄ブラシ29および裏面洗浄ブラシ30が一体的に鉛直上方に移動され、それぞれ、ウエハWの周端面9および裏面の周縁領域8に弾性的に押し付けられる(ステップS6)。すなわち、図7に示すように、周端面洗浄ブラシ29の洗浄面29aがウエハWの周端面9に当接され、周端面洗浄ブラシ29がウエハWの周端面9に略一定の押し付け圧で弾性的に押し付けられる。また、図7に示すように、裏面洗浄ブラシ30の洗浄面30aがウエハWの裏面の周縁領域8に当接され、裏面洗浄ブラシ30がウエハWの裏面に略一定の押し付け圧で弾性的に押し付けられる。これにより、周端面洗浄ブラシ29および裏面洗浄ブラシ30が、それぞれ、ウエハWの周端面9および裏面の周縁領域8に擦り付けられる。したがって、ウエハWの周端面9に付着している異物が周端面洗浄ブラシ29によって擦り取られ、ウエハWの裏面の周縁領域8に付着している異物が裏面洗浄ブラシ30によって擦り取られる。そして、擦り取られた異物が処理液によって洗い流される。これにより、ウエハWの周端面9および裏面の周縁領域8が洗浄される。
【0069】
図7に示すように、表面洗浄ブラシ28、周端面洗浄ブラシ29および裏面洗浄ブラシ30は、それぞれ、ウエハWの表面の周縁領域7、周端面9および裏面の周縁領域8に同時に押し付けられる。
表面洗浄ブラシ28、周端面洗浄ブラシ29および裏面洗浄ブラシ30が、それぞれ、ウエハWの表面、周端面9および裏面に押し付けられてから所定時間が経過すると、制御部78により昇降駆動機構43および揺動駆動機構44が制御されて、表面洗浄ブラシ28がスピンチャック3の上方から退避される(ステップS7)。また、制御部78によりシリンダ33が制御されて、周端面洗浄ブラシ29および裏面洗浄ブラシ30が一体的に降下される(ステップS8)。さらに、制御部78により処理液バルブ16,18が閉じられて、表面ノズル13および各裏面ノズル14からの処理液の供給が停止される(ステップS9)。
【0070】
その後は、制御部78によりスピンモータ12が制御されて、ウエハWが高速(たとえば、3000rpm)で回転される(ステップS10)。これにより、ウエハWに付着している処理液が振り切られ、ウエハWが乾燥させられる。このとき、ウエハWから振り切られる処理液は、処理カップ5により受け止められる。
ウエハWの高速回転が所定時間にわたって続けられると、スピンモータ12が停止されて、スピンチャック3によるウエハWの回転が停止される(ステップS11)。そして、制御部78によりシリンダ26が制御されて、処理カップ5がカップ下端位置に移動され、その後、処理済みのウエハWが処理室2から搬出されていく(ステップS12)。
【0071】
以上のように本実施形態によれば、表面洗浄ブラシ28、周端面洗浄ブラシ29および裏面洗浄ブラシ30が、それぞれ、ウエハWの表面の周縁領域7、周端面9および裏面の周縁領域8に同時に押し付けられる。これにより、ウエハWの表面の周縁領域7、周端面9および裏面の周縁領域8が同時に洗浄される。したがって、ウエハWの周縁部の洗浄に要する処理時間が短縮されている。
【0072】
ウエハWの表面の周縁領域7の洗浄では、ウエハWの表面に平行な洗浄面28aが、一定の押し付け圧で当該表面に垂直に押し付けられる。したがって、表面洗浄ブラシ28の使用により当該表面洗浄ブラシ28に亀裂が生じたとしても、ウエハWの表面に対して表面洗浄ブラシ28が当接する範囲はほとんど変化しない。また、表面洗浄ブラシ28の使用により当該表面洗浄ブラシ28に摩耗が生じたとしても、表面洗浄ブラシ28はウエハWの表面と略平行に摩耗するので、ウエハWの表面に対して表面洗浄ブラシ28が当接する範囲はほとんど変化しない。さらに、表面洗浄ブラシ28に亀裂や摩耗が生じたとしても、ウエハWの表面に対する表面洗浄ブラシ28の押し付け圧は、押し付け当初と略同じ大きさで維持される。これにより、ウエハWの表面の周縁領域7に対する洗浄効果および洗浄幅が安定化される。
【0073】
また、ウエハWの周端面9の洗浄では、洗浄面29aが弾性体70によって略一定の押し付け圧でウエハWの周端面9に垂直に押し付けられる。したがって、周端面洗浄ブラシ29に亀裂や摩耗が生じたとしても、ウエハWの周端面に対する周端面洗浄ブラシ29の押し付け圧は、押し付け当初と略同じ大きさで維持される。これにより、ウエハWの周端面に対する洗浄効果が安定化される。
【0074】
同様に、ウエハWの裏面の周縁領域8の洗浄では、洗浄面30aが弾性体77によって略一定の押し付け圧でウエハWの裏面に垂直に押し付けられる。したがって、裏面洗浄ブラシ30に亀裂や摩耗が生じたとしても、ウエハWの裏面に対する裏面洗浄ブラシ30の押し付け圧は、押し付け当初と略同じ大きさで維持される。これにより、ウエハWの裏面の周縁領域8における一定範囲に対して安定した洗浄処理が行われる。
【0075】
さらに、周端面洗浄ブラシ29をウエハWの周端面9に押し付ける機構として比較的構造が簡単であり、かつ、比較的安価である弾性体70が用いられているので、基板処理装置1の構造の複雑化および基板処理装置1の製造コストの増加が抑制されている。同様に、裏面洗浄ブラシ30をウエハWの裏面に押し付ける機構として比較的構造が簡単であり、かつ、比較的安価である弾性体77が用いられているので、基板処理装置1の構造の複雑化および基板処理装置1の製造コストの増加が抑制されている。
【0076】
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、前述の実施形態では、ウエハWの表面の周縁領域7の洗浄において、表面洗浄ブラシ28がウエハWの表面に押し付けられた後、移動されずにその場で固定される場合について説明したが、この発明はこれに限られない。
【0077】
すなわち、図8に示すように、表面洗浄ブラシ28がウエハWの表面に押し付けられた状態で、揺動駆動機構44によって、スピンチャック3に保持されたウエハWの表面と平行であり、かつ、ウエハWの回転半径方向に沿う方向に表面洗浄ブラシ28が移動されてもよい。この場合、ウエハWの表面に対して表面洗浄ブラシ28が当接される範囲の幅(ウエハWの回転半径方向への長さ)が、表面洗浄ブラシ28の大きさ(具体的には、洗浄面28aの直径)よりも拡大される。つまり、周縁領域7における洗浄幅が、表面洗浄ブラシ28の大きさよりも拡大される。したがって、周縁領域7において洗浄が必要とされる範囲の幅よりも洗浄面28aの直径が小さい小型の表面洗浄ブラシ28を用いることができる。
【0078】
また、前述の実施形態では、ブラシ押し付け装置37により表面洗浄ブラシ28がウエハWの表面に押し付けられる場合について説明したが、表面洗浄ブラシ28は、昇降駆動機構43によりウエハWの表面に押し付けられてもよい。すなわち、昇降駆動機構43を第1押し付け機構として用いてもよい。この場合、ブラシ押し付け装置37が不要となるので、基板処理装置1の部品点数を減少させることができる。
【0079】
また、前述の実施形態では、周端面洗浄ブラシ29および裏面洗浄ブラシ30が、第2ブラシ保持機構32によって一体的に保持されている場合について説明したが、これらのブラシ29,30は、別々のブラシ保持機構によって保持されていてもよい。
また、前述の実施形態では、周端面洗浄ブラシ29をウエハWの周端面9に弾性的に押し付けるための第2押し付け機構として弾性体70が用いられ、裏面洗浄ブラシ30をウエハWの裏面の周縁領域8に弾性的に押し付けるための第3押し付け機構として弾性体77が用いられている場合について説明したが、第2および第3押し付け機構としては、弾性体70,77に限らずその他の機構や部材が用いられてもよい。
【0080】
また、前述の実施形態では、処理対象となる基板としてウエハWを取り上げたが、ウエハWに限らず、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などの他の種類の基板が処理対象とされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】基板処理装置の内部の図解的な側面図である。
【図3】表面洗浄ブラシおよびその周辺の構成を示す断面図である。
【図4】周端面洗浄ブラシおよび裏面洗浄ブラシおよびその周辺の構成を示す断面図である。
【図5】基板処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図6】基板処理装置によるウエハの処理の一例を説明するための工程図である。
【図7】前記ウエハWの処理の一例における表面洗浄ブラシ、周端面洗浄ブラシおよび裏面洗浄ブラシの状態を示す側面図である。
【図8】前記ウエハWの処理の他の例における表面洗浄ブラシの状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0082】
1 基板処理装置
3 スピンチャック(基板回転機構)
7 表面の周縁領域
8 裏面の周縁領域
9 周端面
28 表面洗浄ブラシ
28a 洗浄面
29 周端面洗浄ブラシ
30 裏面洗浄ブラシ
37 ブラシ押し付け装置(第1押し付け機構)
43 昇降駆動機構(第1押し付け機構)
44 揺動駆動機構(移動機構)
70 弾性体(第2押し付け機構)
77 弾性体(第3押し付け機構)
78 制御部(制御手段)
W ウエハ(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持して回転させる基板回転機構と、
この基板回転機構に保持された基板の表面を洗浄するためのブラシであって、当該基板の表面に平行な洗浄面を有する表面洗浄ブラシと、
この表面洗浄ブラシを前記基板回転機構に保持された基板の表面に垂直な方向に移動させて、前記洗浄面を当該表面の周縁領域に押し付けるための第1押し付け機構と、
前記基板回転機構に保持された基板の表面と平行な方向に前記表面洗浄ブラシを移動させるための移動機構と、
前記基板回転機構に保持された基板の周端面を洗浄するための周端面洗浄ブラシと、
この周端面洗浄ブラシを前記基板回転機構に保持された基板の周端面に弾性的に押し付けるための第2押し付け機構と、
前記基板回転機構に保持された基板の裏面を洗浄するための裏面洗浄ブラシと、
この裏面洗浄ブラシを前記基板回転機構に保持された基板の裏面の周縁領域に弾性的に押し付けるための第3押し付け機構と、
前記第1押し付け機構および前記移動機構を制御するための制御手段とを含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記表面洗浄ブラシが一定の押し付け量で基板の周縁領域に押し付けられるように、前記第1押し付け機構を制御するものである、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記移動機構は、前記基板回転機構に保持された基板の表面と平行であり、かつ、基板の回転半径方向に沿う方向に、前記表面洗浄ブラシを移動させるものである、請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第2押し付け機構は、基板の周端面に前記周端面洗浄ブラシを弾性的に押し付けるための弾性体を含み、
前記第3押し付け機構は、基板の裏面の周縁領域に前記裏面洗浄ブラシを弾性的に押し付けるための弾性体を含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−206360(P2009−206360A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−48427(P2008−48427)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】