説明

基板処理装置

【課題】基板上における気流の乱れを抑制または防止できる基板処理装置を提供すること。
【解決手段】基板処理装置は、ウエハWを所定の回転軸線C1まわりに回転させる基板回転手段と、基板回転手段により回転されるウエハWの主面に向けて、かつ基板回転手段によるウエハWの回転方向下流側に向けて、気体を吐出し、ウエハWの主面上にウエハWの回転方向に沿う気流を形成するための複数の気体吐出ノズルとを含む。ウエハW上に形成される気流の流速は、ウエハWの回転軸線C1からの距離が異なる各位置において、ウエハWの周速と一致されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板処理装置に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程では、たとえば、半導体ウエハなどの基板に対して処理液を用いた処理が行われる。基板を1枚ずつ処理する基板処理装置は、たとえば、基板を水平に保持して回転させるスピンチャックと、このスピンチャックに保持された基板に処理液を供給する処理液ノズルと、スピンチャックの鉛直上方で水平に配置された円板状の遮断板とを備えている。遮断板は、鉛直方向に昇降されるようになっている。遮断板の下面には、気体が吐出される気体吐出口が形成されている。気体吐出口は、スピンチャックによる基板の回転軸線上に位置している。
【0003】
この基板処理装置による基板の処理では、たとえば、スピンチャックにより回転される基板の上面に薬液が供給され、基板の上面に対する薬液による処理が行われる。その後、基板の上面にリンス液が供給されて、基板の上面から薬液を洗い流すためのリンス処理が行われる。リンス処理の後は、スピンチャックの上方に退避されていた遮断板が鉛直方向に降下され、その下面が基板の上面に対向される。そして、遮断板に形成された気体吐出口から基板の回転中心に向けて窒素ガスが吐出される。これにより、基板と遮断板との間の空間が窒素ガスによって満たされる。この状態で、基板および遮断板がともに同方向に高速回転され、基板上の液成分を振り切って基板を乾燥させる乾燥処理が行われる。
【特許文献1】特開2007−088257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
気体吐出口から吐出される窒素ガスは、気体吐出口から基板の周縁に向けて放射状に広がっていく。そして、その放射状に広がる窒素ガスは、基板の周縁に至る過程で、基板および遮断板の回転につられて、その流れ方向が基板の回転軸線から離れるにつれて基板の回転方向に沿う方向に変更されていく。そのため、基板の中心付近上と周縁付近上とでは、窒素ガスの流れ方向が異なり、それらの間において、窒素ガスの流れ方向の変化に起因する渦流(気流の乱れ)が生じる。
【0005】
基板上における窒素ガスの流れに乱れがあると、その乱れによって、基板と遮断板との間に周囲の雰囲気が巻き込まれ、当該雰囲気中に含まれる異物が基板に付着して基板が汚染されるおそれがある。また、窒素ガスの流れに乱れがあると、基板の面内において、液成分が蒸発しやすい部分と蒸発し難い部分とが形成されてしまう。そのため、基板上の液成分に含まれる異物が濃縮され、乾燥処理後において前記蒸発し難い部分に異物が析出するおそれがある。
【0006】
一方、前述の構成では、遮断板のような比較的大型の部材がスピンチャックの上方に配置されているので、基板処理装置の高さが大きくなるという問題がある。
そこで、この発明の目的は、大型化を抑制しつつ、基板上における気流の乱れを抑制または防止できる基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)を所定の回転軸線(C1)まわりに回転させる基板回転手段(2)と、前記基板回転手段により回転される基板の主面に向けて、かつ前記基板回転手段による基板の回転方向下流側に向けて、気体を吐出し、基板の前記主面上に基板の回転方向に沿う気流を形成するための気体吐出ノズル(17)とを含む、基板処理装置(1)である。
【0008】
基板の主面とは、周端面を除く基板の外表面の一部である。基板の主面は、デバイスが形成される側の面である表面であってもよいし、その反対側の面である裏面であってもよい。なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すものとする。
この発明によれば、気体吐出ノズルから、基板回転手段により回転される基板の主面に向けて、かつ基板回転手段による基板の回転方向下流側に向けて、気体が吐出される。これにより、基板の主面上に、基板の回転方向に沿う気流が形成される。その結果、気体吐出ノズルから吐出された気体によって基板の主面が覆われ、この状態で、基板に対する処理を行うことができる。そして、気流の方向が基板の回転方向に沿っており、基板の主面上で気流の方向が変化しないので、基板の主面上での気流の乱れによる不具合(たとえば、基板の主面上への周囲の雰囲気の巻き込み、乾燥むら)を生じるおそれがない。また、遮断板等のような比較的大型の部材が基板回転手段の上方に配置されないので、基板処理装置の大型化が抑制される。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記気体吐出ノズルは、前記回転軸線からの距離が異なる各位置において、基板の前記主面上に形成される気流の流速と基板の回転による周速とが一致するような流速で気体を吐出する、請求項1に記載の基板処理装置である。
この発明によれば、基板の主面上に形成される気流の流速と基板の回転による周速とが、基板の回転軸線からの距離が異なる各位置において一致される。すなわち、基板の主面上に形成される気体の層が、当該基板に対して相対移動することなく、基板の回転方向に沿って回転する。これにより、基板の主面上における気流の乱れを確実に抑制または防止することができる。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記気体吐出ノズルは、前記回転軸線からの距離が異なる位置に複数配置され、前記回転軸線から離れた位置に配置されたものほど大きな流速で気体を吐出する、請求項1または2に記載の基板処理装置である。
この発明によれば、気体吐出ノズルは、基板の回転軸線からの距離が異なる複数の位置にそれぞれ配置されている。そして、気体吐出ノズルから吐出される流速は、前記回転軸線から離れた位置に配置されたものほど大きくされている。基板の主面における周速は、基板の回転軸線から離れるほど大きくなる。したがって、基板の主面における周速と同じように、気体吐出ノズルから吐出される気体の流速を回転軸線から離れるほど大きくすることにより、基板の主面上の各位置において、基板の主面上に形成される気流の流速と基板の周速とを良好に一致させることができる。
【0011】
請求項4記載の発明は、各気体吐出ノズルに対応して設けられ、その対応する前記気体吐出ノズルから吐出される気体の流量を調節するための流量調節手段(27)をさらに含む、請求項3に記載の基板処理装置である。
この発明によれば、流量調節手段により、各気体吐出ノズルに供給される気体の供給流量を調節することができる。したがって、各気体吐出ノズルから吐出される気体の流速を調節することができる。そのため、基板の回転軸線から離れた位置に配置された気体吐出ノズルほど、吐出される気体の流速を大きくすることができる。
【0012】
請求項5記載の発明は、前記気体吐出ノズルは、前記回転軸線から離れた位置に配置されたものほど小さな開口面積の気体吐出口(24)を有している、請求項3または4に記載の基板処理装置である。
気体吐出ノズルに供給される気体の流量が一定の場合、気体吐出口の開口面積が小さいほど、その気体吐出口から吐出される気体の流速は大きくなる。したがって、基板の回転軸線から離れた位置に配置された気体吐出ノズルほど気体吐出口の開口面積が小さくされることにより、基板の回転軸線から離れた位置に配置された気体吐出ノズルほど吐出される気体の流速を大きくすることができる。
【0013】
請求項6記載の発明は、前記基板回転手段により回転される基板の前記主面に向けて処理液を吐出する処理液供給ノズル(3)をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この発明によれば、処理液供給ノズルから基板の主面に処理液を供給して、当該主面に処理液による処理を施すことができる。
【0014】
請求項7記載の発明は、基板の前記主面上における処理液の着液位置を移動させるための着液位置移動手段(31)をさらに含む、請求項6に記載の基板処理装置である。
この発明によれば、基板の主面上における処理液の着液位置が、着液位置移動手段によって移動される。これにより、処理液を基板の主面全域にむらなく供給することができる。その結果、基板の主面全域に対して処理液による処理をむらなく施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1の概略構成を示す側面図である。また、図2は、図1に示す基板処理装置1の概略構成の平面図である。
この基板処理装置1は、基板の一例としての半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW」という。)を1枚ずつ処理する枚葉型の装置である。基板処理装置1は、図示しない処理室内に、ウエハWを水平に保持して回転させるスピンチャック2(基板回転手段)と、ウエハWに処理液を供給する処理液供給ノズル3と、ウエハWに気体を供給する気体供給機構4とを備えている。
【0016】
スピンチャック2は、鉛直な方向に延びる回転軸5と、回転軸5の上端に水平に取り付けられた円板状のスピンベース6と、スピンベース6上に配置された複数個の挟持部材7とを備えている。複数個の挟持部材7は、スピンベース6の上面周縁部においてウエハWの外周形状に対応する円周上で適当な間隔をあけて配置されている。複数個の挟持部材7は、互いに協働してウエハWを水平な姿勢で挟持することができる。
【0017】
また、回転軸5には、モータなどの駆動源を含む回転駆動機構8が結合されている。複数個の挟持部材7によってウエハWが保持された状態で、回転駆動機構8の駆動力が回転軸5に入力されると、ウエハWの中心を通る鉛直な回転軸線C1まわりにウエハWが回転される。
なお、スピンチャック2としては、このような構成のものに限らず、たとえば、ウエハWの下面(裏面)を真空吸着することによりウエハWをほぼ水平な姿勢で保持し、さらにその状態でほぼ鉛直な軸線まわりに回転することにより、その保持したウエハWを回転させることができる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
【0018】
処理液供給ノズル3は、その吐出口をスピンベース6の上面に向けて、スピンチャック2の上方に配置されている。処理液供給ノズル3は、処理液供給管9を通じて供給される処理液を、スピンチャック2により回転されるウエハWの上面に向けて吐出する。処理液供給ノズル3は、吐出された処理液がウエハWの上面における回転中心を含む範囲に着液するように配置されている。処理液供給ノズル3は、ウエハWの上面における処理液の着液位置が固定された固定ノズルとされている。
【0019】
処理液供給管9には、薬液供給管10、リンス液供給管11および低表面張力液体供給管12が接続されている。薬液供給管10、リンス液供給管11および低表面張力液体供給管12には、それぞれ、薬液バルブ13、リンス液バルブ14および低表面張力液体バルブ15が介装されている。これらのバルブ13,14,15の開閉は、制御部28により制御される(図5参照)。
【0020】
薬液バルブ13、リンス液バルブ14および低表面張力液体バルブ15の開閉が制御されることにより、薬液、リンス液および低表面張力液体(純水よりも表面張力が小さい液体)が処理液供給管9に選択的に供給される。たとえば、リンス液バルブ14および低表面張力液体バルブ15が閉じられた状態で薬液バルブ13が開かれると、薬液が処理液供給管9に供給される。
【0021】
薬液としては、たとえば、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水のうちの少なくとも1つを含む液を用いることができる。また、リンス液としては、たとえば、純水、炭酸水、電解イオン水、水素水、磁気水や、希釈濃度(たとえば、1ppm程度)のアンモニア水などを用いることができる。また、低表面張力液体としては、たとえば、IPA(イソプロピルアルコール)、HFE(ハイドロフロロエーテル)、メタノール、エタノール、アセトンおよびTrans-1,2ジクロロエチレンのうちの少なくとも1つを含む液を用いることができる。なお、低表面張力液体としては、単体成分のみからなるものであってもよいし、他の成分と混合されたものであってもよい。たとえば、IPAと純水の混合液であってもよいし、IPAとHFEの混合液であってもよい。
【0022】
気体供給機構4は、ノズル保持部材16と、このノズル保持部材16に保持された複数の気体吐出ノズル17とを備えている。ノズル保持部材16は、たとえば、平面視において長方形状をなす板状の部材である。ノズル保持部材16の長手方向の長さは、たとえば、スピンチャック2により保持されるウエハWの直径よりも大きくされている。ノズル保持部材16は、アーム18を介して、鉛直方向に延びる支持軸19に水平に支持されている。
【0023】
アーム18は、支持軸19の上端部から水平に延びる水平部20と、この水平部20の先端から鉛直下方に延びる鉛直部21とを一体的に備えている。鉛直部21の下端に、ノズル保持部材16が取り付けられている。また、支持軸19は、その中心軸線まわりに回転可能とされている。支持軸19には、昇降駆動機構22および揺動駆動機構23が結合されている。
【0024】
昇降駆動機構22の駆動力が支持軸19に入力されると、支持軸19とともに、アーム18およびノズル保持部材16が一体的に上下動される。また、揺動駆動機構23の駆動力が支持軸19に入力されると、支持軸19を支点としてノズル保持部材16およびアーム18が揺動される。これにより、ノズル保持部材16およびアーム18が水平に移動される。この上下動および水平移動の組み合わせによって、ノズル保持部材16をスピンチャック2の上方に配置したり、スピンチャック2の上方から退避させたりすることができる。具体的には、ノズル保持部材16がスピンチャック2に保持されたウエハWに近接され、かつ、ノズル保持部材16の中央部がウエハWの回転軸線C1上に位置する所定の処理位置に、ノズル保持部材16を移動させることができる。また、ノズル保持部材16がスピンチャック2に保持されたウエハWの上方に大きく離れ、かつ、ウエハWの側方に退避した位置に、ノズル保持部材16を移動させることができる。図1および図2に、ノズル保持部材16が前記処理位置に配置された状態を示す。
【0025】
図3は、ノズル保持部材16の一部の図解的な正面図である。以下では、図2および図3を参照して、気体吐出ノズル17について説明する。
複数の気体吐出ノズル17は、それぞれ気体吐出口24を有している。図3に示すように、複数の気体吐出ノズル17は、気体吐出口24の開口面積がたとえば等しくされている。複数の気体吐出ノズル17は、その気体吐出口24が斜め下方に向けられた状態で、ノズル保持部材16に保持されている。また、図2に示すように、複数の気体吐出ノズル17は、ノズル保持部材16の長手方向に関する一端から他端にかけて所定間隔を隔てて並んで配置されている。ノズル保持部材16が前記処理位置に配置されると、複数の気体吐出ノズル17は、スピンチャック2の上方において、ウエハWの径方向に沿ってウエハWの回転軸線C1からの距離が異なる複数の位置にそれぞれ配置される。
【0026】
図2に示すように、複数の気体吐出ノズル17にはそれぞれ複数の気体供給管25が接続されている。図2では、複数の気体供給管25の一部、およびそれに関連する構成の図示を省略している。各気体供給管25には、気体バルブ26および流量調節バルブ27(流量調節手段)が介装されている。各気体バルブ26の開閉および各流量調節バルブ27の開度は、制御部28により制御される(図5参照)。
【0027】
制御部28により気体バルブ26が開かれることにより、当該気体バルブ26に対応する気体吐出ノズル17から気体が吐出される。また、制御部28により各流量調節バルブ27の開度が調節されることにより、当該流量調節バルブ27に対応する気体吐出ノズル17に供給される気体の流量が調節される。これにより、各気体吐出ノズル17から吐出される気体の流速が調節される。気体吐出ノズル17に供給される気体としては、たとえば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスや、乾燥空気などを用いることができる。
【0028】
各気体吐出ノズル17からは、ノズル保持部材16が前記処理位置に配置され、スピンチャック2によりウエハWが回転された状態で気体が吐出される。また、各気体吐出ノズル17から吐出される気体の吐出方向は、ウエハWの上面に向かう方向であり、かつ、スピンチャック2によるウエハWの回転方向下流側に向かう方向とされている。すなわち、各気体吐出ノズル17からウエハWの上面に向かう斜め下方向に気体が吐出され、平面視における気体の吐出方向は、図2に示すように、ノズル保持部材16の長手方向に直交する方向とされている。また、各気体吐出ノズル17から吐出される気体の吐出方向は、ノズル保持部材16の中央部を境に、その一方側に配置されたものと他方側に配置されたものとで平面視において逆にされている。
【0029】
各気体吐出ノズル17から吐出される気体の吐出方向が、ウエハWの上面に向かう方向であり、かつ、スピンチャック2によるウエハWの回転方向下流側に向かう方向とされているので、各気体吐出ノズル17から気体が吐出されると、ウエハWの回転方向に沿う気流がウエハW上に形成される。これにより、気体吐出ノズル17から吐出された気体によってウエハWの上面全域が覆われる。また、気流の方向がウエハWの回転方向に沿っており、ウエハW上で気流の方向が変化しないので、ウエハW上での気流の乱れが抑制または防止されている。
【0030】
図4は、ウエハWの周速と気流の流速との関係を説明するための模式図である。この図4において、ウエハW上において実線で示された複数の矢印は、当該矢印の位置におけるウエハWの周速を示す周速ベクトルであり、その長さが速さを示している。また、実線の矢印を取り囲む白抜きの矢印は、当該矢印の位置における気流の流速を示す流速ベクトルであり、その長さが速さを示している。
【0031】
各気体吐出ノズル17から吐出される気体の流速(吐出時の流速)は、スピンチャック2により回転されるウエハWの回転速度に応じた大きさとされる。すなわち、各流量調節バルブ27の開度が制御されることにより、ウエハW上に形成される気流の流速が、ウエハWの回転軸線C1からの距離が異なる各位置において、ウエハWの周速と一致される。より具体的には、ウエハWの上面における周速は、ウエハWの回転軸線C1から離れるほど大きくなるので、回転軸線C1から離れた位置に配置された気体吐出ノズル17ほど吐出される気体の流速が大きくされる。
【0032】
本実施形態では、ウエハW上に形成される気流の流速が、ウエハWの回転軸線C1からの距離が異なる各位置において、ウエハWの周速と一致されるので、ウエハW上に形成される気体の層は、当該ウエハWに対して相対移動することなく、ウエハWの回転方向に沿って回転する。これにより、ウエハW上における気流の乱れが確実に抑制または防止されている。
【0033】
図5は、基板処理装置1の電気的構成を説明するためのブロック図である。
基板処理装置1は、マイクロコンピュータを含む制御部28を備えている。この制御部28には、回転駆動機構8、薬液バルブ13、リンス液バルブ14、低表面張力液体バルブ15、昇降駆動機構22、揺動駆動機構23、気体バルブ26および流量調節バルブ27などが制御対象として接続されている。
【0034】
図6は、基板処理装置1におけるウエハWの処理の一例を説明するための工程図である。以下では、デバイス形成面である表面にCu等の金属が露出されたウエハWが処理対象である場合について説明する。
処理対象のウエハWは、ノズル保持部材16がスピンチャック2の上方から退避された状態で処理室内に搬入され、たとえば、その表面を上に向けてスピンチャック2に保持される(ステップS1)。ウエハWがスピンチャック2に保持されると、制御部28により回転駆動機構8が制御されて、スピンチャック2に保持されたウエハWが所定の回転速度で回転される(ステップS2)。その後、制御部28により昇降駆動機構22および揺動駆動機構23が制御されて、ノズル保持部材16が前記処理位置に配置される。これにより、ノズル保持部材16がスピンチャック2に保持されたウエハWに近接され、ノズル保持部材16の中央部がウエハWの回転軸線C1上に位置される。
【0035】
なお、ウエハWの処理室内への搬出入の際、ノズル保持部材16は、必ずしもスピンチャック2の上方から退避しなくてもよく、前記処理位置から上方位置に退避した状態でもよい。その場合、揺動駆動機構23を省略することができる。また、ウエハWをスピンチャック2へ受け渡しする際にウエハWと干渉しない範囲であれば、ノズル保持部材16を前記処理位置に固定的に配置してもよく、その場合は昇降駆動機構22および揺動駆動機構23を省略することができる。
【0036】
ノズル保持部材16が前記処理位置に配置されると、制御部28により複数の気体バルブ26が開かれて、各気体吐出ノズル17から気体としての窒素ガスが吐出される(ステップS3)。このとき、各気体吐出ノズル17から吐出される窒素ガスの流速は、ウエハW上に形成される気流の流速が、ウエハWの回転軸線C1からの距離が異なる各位置においてウエハWの周速と一致するようにされている。すなわち、ウエハW上に形成される気流の流速が、ウエハWの回転軸線C1からの距離が異なる各位置においてウエハWの周速と一致するように各流量調節バルブ27の開度が制御部28により制御される。
【0037】
各気体吐出ノズル17から窒素ガスが吐出されることにより、ウエハWの回転方向に沿う気流がウエハW上に形成され、ウエハWの上面全域が窒素ガスの層によって覆われる。これにより、ウエハW上の雰囲気が窒素ガス雰囲気とされ、ウエハW上の酸素濃度が低下される。また、気流の方向がウエハWの回転方向に沿っており、ウエハW上で気流の方向が変化しないので、ウエハW上での気流の乱れが抑制または防止されている。さらに、ウエハW上に形成される気流の流速が、ウエハWの回転軸線C1からの距離が異なる各位置において、ウエハWの周速と一致されるので、ウエハW上に形成される窒素ガスの層は、当該ウエハWに対して相対移動することなく、ウエハWの回転方向に沿って回転する。これにより、ウエハW上における気流の乱れが確実に抑制または防止されている。
【0038】
ウエハW上に窒素ガスの気流が形成されると、制御部28により薬液バルブ13が開かれて、ウエハWの上面に向けて薬液としてのフッ酸が吐出される(ステップS4)。処理液供給ノズル3から吐出されたフッ酸は、ウエハWの上面の回転中心を含む範囲に着液する。そして、ウエハWの回転による遠心力を受けて周縁に向かって広がっていく。これにより、ウエハWの上面全域にフッ酸が供給され、ウエハWの上面に対して薬液処理が窒素ガス雰囲気で行われる。
【0039】
前述のように、ウエハW上の雰囲気の酸素濃度は低下されている。そのため、ウエハW上の酸素濃度が低下された状態で、薬液処理が行われる。また、ウエハW上での気流の乱れが抑制または防止されているので、ウエハWと窒素ガスの層との間に、処理室内の雰囲気が巻き込まれることが抑制または防止されている。これにより、たとえば、ウエハWの表面における意図しない部分がフッ酸によってエッチングされることを抑制または防止することができる。
【0040】
すなわち、ウエハWと窒素ガスの層との間に処理室内の雰囲気が巻き込まれると、この巻き込まれた雰囲気に含まれる酸素によって、ウエハWの表面(上面)に存在するCu等の金属が酸化されてしまう場合がある。この場合、ウエハWの表面に酸化銅が形成される。しかし、酸化銅はフッ酸等の酸性の薬液に溶解するので、ウエハWの表面に酸化銅が形成されると、当該表面に供給されたフッ酸によってウエハWの表面がエッチングされてしまう。したがって、本実施形態のように、ウエハW上の酸素濃度を低下させるとともに、ウエハWと窒素ガスの層との間に処理室内の雰囲気が巻き込まれることを抑制または防止することで、ウエハWの表面における意図しない部分がエッチングされることを確実に抑制または防止することができる。
【0041】
薬液処理が所定時間にわたって行われると、制御部28により薬液バルブ13が閉じられて、処理液供給ノズル3からウエハWへのフッ酸の供給が停止される(ステップS5)。そして、気体吐出ノズル17からの窒素ガスの吐出が継続された状態で、制御部28によりリンス液バルブ14が開かれて、ウエハWの上面に向けてリンス液としての純水が吐出される(ステップS6)。このとき、ウエハWの回転速度は薬液処理時における回転速度から変更されてもよいし、変更されずに一定とされていてもよい。ウエハWの回転速度が変更されるときは、ウエハW上に形成される気流の流速が、ウエハWの回転軸線C1からの距離が異なる各位置においてウエハWの周速と一致するように、各流量調節バルブ27の開度が制御部28により制御される。
【0042】
処理液供給ノズル3から吐出された純水は、ウエハWの上面の回転中心を含む範囲に着液する。そして、ウエハWの回転による遠心力を受けて周縁に向かって広がっていく。これにより、ウエハWの上面全域に純水が供給され、ウエハW上のフッ酸が純水によって洗い流される。すなわち、ウエハW上のフッ酸を純水によって洗い流すリンス処理が窒素ガス雰囲気で行われる。このとき、ウエハW上での気流の乱れが抑制または防止されているので、ウエハWと窒素ガスの層との間に、処理室内の雰囲気が巻き込まれることが抑制または防止されている。そのため、処理室内の雰囲気に含まれる異物(たとえば、水分、薬液などの液体やパーティクルなど)がウエハW上の純水に溶け込まれることが抑制または防止されている。
【0043】
リンス処理が所定時間にわたって行われると、制御部28によりリンス液バルブ14が閉じられて、処理液供給ノズル3からウエハWへの純水の供給が停止される(ステップS7)。そして、気体吐出ノズル17からの窒素ガスの吐出が継続された状態で、制御部28により低表面張力液体バルブ15が開かれて、ウエハWの上面に向けて低表面張力液体としてのIPAが吐出される(ステップS8)。このとき、ウエハWの回転速度はリンス処理時における回転速度から変更されてもよいし、変更されずに一定とされていてもよい。IPAは、純水よりも揮発性が高く、かつ、純水よりも表面張力が小さい有機溶剤である。また、IPAは、純水を容易に溶け込ませることができる有機溶剤である。
【0044】
処理液供給ノズル3から吐出されたIPAは、ウエハWの上面の回転中心を含む範囲に着液する。そして、ウエハWの回転による遠心力を受けて周縁に向かって広がっていく。これにより、ウエハW上の純水がIPAによって洗い流され、ウエハW上の純水をIPAに置換する置換処理が行われる。
ウエハWの上面にIPAが供給されることで、ウエハW上の純水にIPAが溶け込みつつ、ウエハW上から排出され、ウエハW上に付着している純水はIPAに置換される。前述のように、ウエハWと窒素ガスの層との間には、処理室内の雰囲気が巻き込まれることが抑制または防止されているので、ウエハW上のIPAに処理室内の雰囲気に含まれる異物がウエハW上のIPAに溶け込まれることが抑制または防止されている。
【0045】
置換処理が所定時間にわたって行われると、制御部28により低表面張力液体バルブ15が閉じられて、処理液供給ノズル3からウエハWへのIPAの供給が停止される(ステップS9)。そして、気体吐出ノズル17からの窒素ガスの吐出が継続された状態で、制御部28により回転駆動機構8が制御されて、ウエハWの回転速度が所定の高回転速度(たとえば3000rpm)に変更される(ステップS10)。それとともに、各流量調節バルブ27の開度が制御部28により制御されて、ウエハW上に形成される気流の流速が、ウエハWの回転軸線C1からの距離が異なる各位置においてウエハWの周速と一致される。
【0046】
ウエハWが高速回転されることで、ウエハW上のIPAは、遠心力により振り切られて、ウエハW上から排出される。これにより、窒素ガス雰囲気下において、ウエハWの上面に対する乾燥処理が行われる。
本実施形態では、ウエハWの上面全域が窒素ガスによって覆われた状態で乾燥処理が行われるので、乾燥処理後のウエハWの表面に、ウォータマークなどの乾燥不良が生じることが抑制または防止されている。また、ウエハWと窒素ガスの層との間に処理室内の雰囲気が巻き込まれることが抑制または防止された状態で乾燥処理が行われるので、処理室内の雰囲気に含まれる異物によってウエハWが汚染されることが抑制または防止されている。さらに、薬液処理から乾燥処理を通じて、ウエハWと窒素ガスの層との間に処理室内の雰囲気が巻き込まれることが抑制または防止されているので、薬液処理から乾燥処理までの間に処理室内の雰囲気に含まれる異物がウエハ上の液成分に溶け込んで、溶け込んだ異物が乾燥処理後のウエハWの表面に析出することが抑制または防止されている。
【0047】
ウエハWの高速回転が所定時間にわたって続けられると、制御部28により回転駆動機構8が停止されて、スピンチャック2によるウエハWの回転が停止される(ステップS11)。そして、制御部28により気体バルブ26が閉じられて、気体吐出ノズル17からウエハWへの窒素ガスの供給が停止される(ステップS12)。さらに、制御部28により昇降駆動機構22および揺動駆動機構23が制御されて、ノズル保持部材16がスピンチャック2の上方から退避される。その後、処理済みのウエハWが処理室から搬出されていく(ステップS13)。
【0048】
以上のように本実施形態では、複数の気体吐出ノズル17から、スピンチャック2により回転されるウエハWの上面に向けて、かつスピンチャック2によるウエハWの回転方向下流側に向けて、気体が吐出される。また、ウエハW上に形成される気流の流速とウエハWの回転による周速とが、ウエハWの回転軸線C1からの距離が異なる各位置において一致される。
【0049】
複数の気体吐出ノズル17から、スピンチャック2により回転されるウエハWの上面に向けて、かつスピンチャック2によるウエハWの回転方向下流側に向けて、気体が吐出されることにより、ウエハWの回転方向に沿う気流がウエハW上に形成される。これにより、ウエハWの上面全域が窒素ガスの層によって覆われる。また、気流の方向がウエハWの回転方向に沿っており、ウエハW上で気流の方向が変化しないので、ウエハW上での気流の乱れが抑制または防止されている。これにより、ウエハW上での気流の乱れによる不具合(たとえば、ウエハW上への周囲の雰囲気の巻き込み、乾燥むら等)が抑制または防止されている。
【0050】
また、ウエハW上に形成される気流の流速とウエハWの回転による周速とが、ウエハWの回転軸線C1からの距離が異なる各位置において一致されることにより、ウエハW上に形成される気体の層が、当該ウエハWに対して相対移動することなく、ウエハWの回転方向に沿って回転する。これにより、ウエハW上における気流の乱れが確実に抑制または防止されている。さらに、遮断板等のような比較的大型の部材がスピンチャック2の上方に配置されていないので、基板処理装置1の大型化が抑制されている。
【0051】
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、前述のウエハWの処理の一例では、その表面にCu等の金属が露出されたウエハWが処理対象である場合について説明したが、これに限らない。たとえば、異種の物質が接合されたゲート構造をその表面に有するウエハWが処理対象とされてもよい。
【0052】
具体的には、たとえば、ポリシリコン(PolySi)とルテニウム(Ru)とが接合されたゲート構造をその表面に有するウエハWが処理対象とされてもよい。この場合、薬液(前述の処理例ではフッ酸)によってポリシリコンがエッチングされることを抑制または防止できる。
すなわち、電極電位が異なる物質が接合されると、低電極電位の物質がガルバニック腐食によって腐食される。ポリシリコンとルテニウムとでは、ポリシリコンの方が電極電位が低いので、ポリシリコンが腐食される。また、ガルバニック腐食は、酸素の存在によりその進行が促進される。したがって、前述の処理例のように、ウエハW上における酸素濃度が低下され、さらに、ウエハWと窒素ガスの層との間への雰囲気(酸素を含む雰囲気)の巻き込みが抑制または防止された状態で、ウエハWの表面が処理されることにより、ガルバニック腐食の進行を抑制することができる。これにより、ガルバニック腐食により腐食されたポリシリコンが薬液によってエッチングされることを抑制または防止できる。
【0053】
また、前述の実施形態では、ノズル保持部材16が平面視において長方形状をなす板状の部材であり、ノズル保持部材16の長さが、スピンチャック2により保持されるウエハWの直径よりも大きくされている場合について説明したが、これに限らない。すなわち、ノズル保持部材116は、たとえば、図7に示すように十字形であってもよい。また、ノズル保持部材216の長さは、たとえば図8に示すようにウエハWの直径より短くてもよい。図8では、ノズル保持部材216の長さがウエハWの半径よりもやや長くされている。
【0054】
また、前述の実施形態では、気体吐出口24の開口面積が等しくされている場合について説明したが、これに限らす、図9に示すように、ウエハWの回転軸線C1から離れた位置に配置された気体吐出ノズル17ほど気体吐出口24の開口面積が小さくされていてもよい。
たとえば気体吐出ノズル17に供給される気体の流量が一定の場合、気体吐出口24の開口面積が小さいほど、その気体吐出口24から吐出される気体の流速は大きくなる。したがって、ウエハWの回転軸線C1から離れた位置に配置された気体吐出ノズル17ほど気体吐出口24の開口面積が小さくされることにより、ウエハWの回転軸線C1から離れた位置に配置された気体吐出ノズル17ほど吐出される気体の流速を大きくすることができる。これにより、ウエハW上の各位置において、ウエハW上に形成される気流の流速とウエハWの周速とを良好に一致させることができる。
【0055】
また、前述の実施形態では、処理液供給ノズル3が、ウエハWの上面における処理液の着液位置が固定された固定ノズルとされている場合について説明したが、これに限らず、処理液供給ノズル3は、ウエハWの上面における処理液の着液位置をウエハW上でスキャンさせることができるスキャンノズルとされていてもよい。この場合、ウエハWの上面における処理液の着液位置を移動させることにより、ウエハWの上面全域に処理液をむらなく供給することができる。これにより、ウエハWの上面全域に対して処理液による処理をむらなく施すことができる。
【0056】
処理液供給ノズル3がスキャンノズルとされる場合、処理液供給ノズル3は、図10に示すように、水平アーム29および鉛直軸30によってスピンチャック2の上方で保持される。また、鉛直軸30はその中心軸線まわりに回転可能とされており、鉛直軸30には揺動駆動機構31(着液位置移動手段)が結合されている。揺動駆動機構31は制御部28により制御される(図5参照)。
【0057】
揺動駆動機構31の駆動力が鉛直軸30に入力されることにより、鉛直軸30を支点として処理液供給ノズル3が揺動される。揺動駆動機構31は、処理液供給ノズル3をスピンチャック2の上方に配置したり、スピンチャック2の上方から退避させたりすることができる。処理液供給ノズル3は、ウエハWの上面における処理液の着液位置がウエハWの上面における回転中心と当該上面の周縁とを通る円弧状の軌跡を描くように移動される。
【0058】
たとえば、ウエハW上のリンス液(前述の処理例では純水)を低表面張力液体(前述の処理例ではIPA)によって置換する置換処理において、ウエハWの上面における低表面張力液体の着液位置が、ウエハWの上面における回転中心から当該上面の周縁に移動されると、ウエハWの上面におけるリンス液と低表面張力液体との境界領域がウエハWの周縁に向けて広げられる。これにより、ウエハW上のリンス液が低表面張力液体によって確実に排出され、ウエハW上のリンス液が確実に低表面張力液体に置換される。
【0059】
また、前述の実施形態では、ノズル保持部材16は、略円形の気体吐出口24を有する気体吐出ノズル17を複数個配列して保持する構成であるが、気体吐出口24がウエハWの径方向に延びるスリット状の気体吐出ノズル17を保持する構成であってもよい。
また、前述の実施形態では、処理対象となる基板としてウエハWを取り上げたが、ウエハWに限らず、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などの他の種類の基板が処理対象とされてもよい。
【0060】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す側面図である。
【図2】図1に示す基板処理装置の概略構成の平面図である。
【図3】ノズル保持部材の一部の図解的な正面図である。
【図4】ウエハの周速と気流の流速との関係を説明するための模式図である。
【図5】前記基板処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図6】前記基板処理装置におけるウエハの処理の一例を説明するための工程図である。
【図7】ノズル保持部材の変形例を示す図解的な平面図である。
【図8】ノズル保持部材の変形例を示す図解的な平面図である。
【図9】気体吐出ノズルの変形例を示す図解的な正面図である。
【図10】処理液供給ノズルの変形例およびそれに関連する構成を示す図解的な平面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 基板処理装置
2 スピンチャック(基板回転手段)
3 処理液供給ノズル
17 気体吐出ノズル
24 気体吐出口
27 流量調節バルブ(流量調節手段)
31 揺動駆動機構(着液位置移動手段)
C1 回転軸線
W ウエハ(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を所定の回転軸線まわりに回転させる基板回転手段と、
前記基板回転手段により回転される基板の主面に向けて、かつ前記基板回転手段による基板の回転方向下流側に向けて、気体を吐出し、基板の前記主面上に基板の回転方向に沿う気流を形成するための気体吐出ノズルとを含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記気体吐出ノズルは、前記回転軸線からの距離が異なる各位置において、基板の前記主面上に形成される気流の流速と基板の回転による周速とが一致するような流速で気体を吐出する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記気体吐出ノズルは、前記回転軸線からの距離が異なる位置に複数配置され、前記回転軸線から離れた位置に配置されたものほど大きな流速で気体を吐出する、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
各気体吐出ノズルに対応して設けられ、その対応する前記気体吐出ノズルに供給される気体の流量を調節するための流量調節手段をさらに含む、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記気体吐出ノズルは、前記回転軸線から離れた位置に配置されたものほど小さな開口面積の気体吐出口を有している、請求項3または4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記基板回転手段により回転される基板の前記主面に向けて処理液を吐出する処理液供給ノズルをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
基板の前記主面上における処理液の着液位置を移動させるための着液位置移動手段をさらに含む、請求項6に記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−218403(P2009−218403A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−61055(P2008−61055)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】