説明

多色画像形成装置

【課題】複数の現像器を備え、トナー再利用を行う際に、転写残トナーを混色させることなく、最低限の像担持体の回転により転写残トナーを回収し、長寿命な多色画像形成装置を提供する。
【解決手段】中間転写体30或いは記録媒体Pのトナー画像領域終端部から次の画像領域先端部までの非画像領域時間:Twt(=非画像領域:Tw÷装置画像形成速度:PS)と第1の像担持体の周長=現像剤回収時間:Drtの関係が次式
Twt > Drt
となる装置構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式、静電記録方式などのカラー複写機、カラープリンタなどとされる多色画像形成装置に関し、特に、像担持体上に形成された静電潜像を、現像器を切り替えて現像し、多色画像を得る多色画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を採用したフルカラーの、所謂、多色の画像形成装置は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の現像器を備える回転式現像装置と、第1の像担持体としての感光体ドラムとを備え、感光体ドラムを帯電して、光ビームで露光を行って感光体ドラム上に静電潜像を形成し、この静電潜像を、現像装置にて現像してトナー像として可視化し、第1色目のトナー像を得る。この第1色目のトナー像は、第2の像担持体としての記録材担持体上に保持された記録媒体上に転写し、第1色目の転写工程を行う。同様にして引き続き残り3色のトナー像も記録媒体上に転写工程を行い、記録媒体上にこれら4色のトナー像を重ね合わせ、所謂、多色転写方式にてフルカラー画像を得る。
【0003】
近年、多様な記録媒体に対応するため、トナー像を一度、絶縁性又は中抵抗の第2の像担持体としての中間転写体上に多重転写した後、記録媒体上に一括転写する中間転写方式を用いたカラー画像形成装置がある。このような多色画像形成装置は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0004】
図10に、特許文献1に記載する画像形成プロセスを採用した中間転写方式を用いた多色画像形成装置の一例を示す。
【0005】
本例にて、像担持体としての感光体ドラム1の周りに、レーザー露光手段51を備えた露光装置3、第1帯電ローラ4、クリーニング手段5、回転可能な回転式現像装置10、中間転写ベルト(中間転写体)30が配置されている。
【0006】
また、回転式現像装置10は、R2方向に回転可能とされる回転体15を備え、この回転体15に、シアン(C)色現像器11、マゼンタ(M)色現像器12、イエロー(Y)色現像器13、ブラック(K)色現像器14を搭載している。ここで感光体ドラム1は、本例では直径60mmのドラム形状とされる。
【0007】
図10において、感光体ドラム1は、駆動手段(図示せず)によって矢印R1方向に回転され、感光体ドラム1の表面が第1帯電ローラ4により帯電される。次に、露光装置3により感光体ドラム1の表面に1色目の静電潜像が形成される。
【0008】
回転式現像装置10は、シアン(C)色現像器11、マゼンタ(M)色現像器12、イエロー(Y)色現像器13、ブラック(K)色現像器14のいずれかの選択された現像器が感光体ドラム1と対向した現像位置に配置される。
【0009】
感光体ドラム1上の静電潜像は、現像位置に位置した現像器によって現像され、可視像、即ち、トナー像が形成される。得られたトナー像は、一次転写手段6により中間転写ベルト30上に一次転写される。
【0010】
上記の静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の中間転写ベルト30上への一次転写が、4色のトナーについて順次行われ、これによって中間転写ベルト30上には4色重ねのカラーのトナー像Tが形成される。
【0011】
次に、これらのトナー像Tは、二次転写ローラ33と中間転写ベルト30とによってR3方向に搬送される記録媒体である転写材Pに一括して二次転写される。カラーのトナー像Tが転写された転写材Pは不図示の定着装置に搬送され、転写材Pヘのトナーの定着が行われる。
【0012】
ここで、中間転写ベルト30は、本例では直径180mmとされており、従って、この中間転写ベルト30を用いてA3サイズの画像形成を行う場合には、感光体ドラム1からトナー像を転写されない非画像領域は、中間転写ベルト30の周上の約145mm(中間ベルト周長約565.5mm、A3サイズ画像領域420mm)の領域となる。
【0013】
ところで、二次転写によって転写材Pに二次転写されなかったトナーが、転写後において中間転写ベルト30上に残る。
【0014】
この中間転写ベルト30上の二次転写残トナーは、中間転写ベルト30上にある第2帯電ローラ31及びバイアス電源40を用いて感光体ドラム1の帯電電位と逆極性に帯電させて、感光体ドラム1に戻して、感光体ドラム1に対して配置されたクリーニング手段、即ち、クリーナ5により回収する。
【0015】
ところで、一次転写後に感光体ドラム1上には中間転写ベルト30に一次転写されなかったトナーが残留する。この感光体ドラム1上の残留トナーは、現像した各現像器で回収され、その後の現像に使用される。
【0016】
また、二次転写後に転写材Pに二次転写されなかったトナーが中間転写ベルト30上に残る。これらの中間転写ベルト30上の二次転写残トナーは、上述のように、中間転写ベルト30上にある中間転写ベルト清掃手段としての上記第2帯電ローラ31を用いて回収される。
【0017】
ここで、上記の一次転写、二次転写の構成について説明する。
【0018】
感光体ドラム1が負極性のOPC(有機光半導体)感光体である場合、トナーとしては負極性トナーが用いられる。
【0019】
中間転写ベルト30は、厚さ100〜200μm、抵抗値108Ω・cm〜1016Ω・cm程度のPVdF(ポリフッ化ビニリデン)、ナイロン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート等の樹脂フィルムを用いて無端状に形成したものであり、二次転写対向ローラ34、駆動ローラ35、従動ローラ36等に掛け渡されて、R5方向に回動される。
【0020】
一次転写ローラ32には、抵抗値が105Ω・cm以下の低抵抗ローラを用いるのが一般的である。一次転写ローラ32とバイアス電源40とによって一次転写手段6を構成している。
【0021】
次に、二次転写ローラ33、二次転写対向ローラ34、バイアス電源42等によって構成された二次転写手段7によって、転写材Pに対するトナー像の二次転写を行う。二次転写は、中間転写ベルト30の内側に、接地または適当なバイアスを印加した低抵抗の二次転写対向ローラ34を対向電極として配置し、これと外側に配置した低抵抗の二次転写ローラ33とで中間転写ベルト30を挟み込んで二次転写ニップ部を構成し、二次転写ローラ33に対してバイアス電源42によって正極性の転写バイアスを印加し、この二次転写ローラ33を転写材Pの裏面側から当接させることによって行う。
【0022】
上記の一次転写が終了した感光体ドラム1は、表面に残った一次転写残トナーはクリーナ5により除去回収され、次の画像形成となる。
【0023】
一方、上記の二次転写が終了した二次転写残トナーは、前述の通り、中間転写ベルト30上にある中間転写ベルト清掃手段31を用いて回収される。
【0024】
なお、中間転写体としては、上記の中間転写ベルト30の他に中間転写ローラ或いはドラムなどもあるが、一般的に中間転写ベルト30は、この中間転写ローラなどに比べて、配置の自由度の高さ、二次転写後の転写材Pの分離性の良さ(曲率分離が可能)という点において優れている。
【0025】
又一方で、より高寿命な感光体や簡易構成を達成するために、廃トナーレスを実現する方法が知られている。
【0026】
この廃トナーレスの手段としては、クリーナーレスの電子写真方法が挙げられる。クリーナーレスの例として、転写残トナーを均して非パターン化し、所謂、ゴーストが出ないようにする方法や、転写工程で転写されきらず感光体表面に残留した、所謂、転写残現像剤(転写残トナー)を次の現像工程において現像手段内に回収し再利用する、所謂、現像兼回収方式の電子写真方法がある。
【0027】
このような現像兼回収方式の電子写真方法は、特許文献2などに開示されている。
【特許文献1】特開平11−327195号公報
【特許文献2】特開2003−149900号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
しかしながら、上記画像形成装置に、廃トナーレス(クリーナーレス)方式を組み合わせて利用しようとすると、回収トナー同士の混色や転写残トナーを現像装置により回収する工程に余分な時間が必要となると言った問題が生じてしまった。
【0029】
回収工程に要する感光体ドラムの回転が必要である場合、1画像形成当たりの回転時間が延長され感光体ドラムの摩耗を増加させ、感光体ドラムの高寿命が成立しなくなってしまう。
【0030】
そこで、本発明の目的は、複数の現像器を備え、トナー再利用を行う際に、転写残トナーを混色させることなく、最低限の像担持体の回転により転写残トナーを回収し、長寿命な多色画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0031】
上記目的は本発明に係る多色画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明の第1の態様によれば、第1の像担持体に静電潜像を形成し、現像剤を担持し搬送する現像剤担持体を備え、それぞれ異なる色の現像剤を収容した複数の現像器の中の選択された現像器にて前記静電潜像を現像してトナー像とし、このトナー像を中間転写体或いは記録媒体とされる第2の像担持体に転写手段により転写し、前記第1の像担持体上に残留した転写残トナーを前記現像剤担持体と前記第1の像担持体との間の静電気力により前記現像に使用した現像器に回収し、その後、他の現像器を使用した次の画像形成に移行することを繰り返し、前記第2の像担持体上にトナー像を重ね転写して多色画像を形成する多色画像形成装置であって、
前記第2の像担持体上の画像領域終端部から次の画像領域先端部までの非画像領域をTw、画像形成速度をPS、非画像領域時間をTwtとし、前記第1の像担持体の1回転分の周長回転時間とされる転写残トナー回収時間をDrtとしたとき、次式
Twt>Drt、ただし
Twt=Tw÷PS
となる装置構成であることを特徴とする多色画像形成装置が提供される。
【0032】
本発明の第2の態様によれば、第1の像担持体に静電潜像を形成し、現像剤を担持し搬送する現像剤担持体を備え、それぞれ異なる色の現像剤を収容した複数の現像器の中の選択された現像器にて前記静電潜像を現像してトナー像とし、このトナー像を中間転写体或いは記録媒体とされる第2の像担持体に転写手段により転写し、前記第1の像担持体上に残留した転写残トナーを前記現像剤担持体と前記第1の像担持体との間の静電気力により前記現像に使用した現像器に回収し、その後、他の現像器を使用した次の画像形成に移行することを繰り返し、前記第2の像担持体上にトナー像を重ね転写して多色画像を形成する多色画像形成装置であって、
前記第2の像担持体上の画像領域終端部から次の画像領域先端部までの非画像領域をTw、画像形成速度をPS、非画像領域時間をTwtとし、前記第1の像担持体の1回転分の周長回転時間とされる転写残トナー回収時間をDrtとし、前記現像器の切替時間をDctとしたとき、次式
Twt>Drt+Dct、ただし
Twt=Tw÷PS
となる装置構成であることを特徴とする多色画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、再転写による現像剤の混色のない鮮明な画像で、画像形成の生産性を向上し、長期の感光体寿命を達成し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明に係る多色画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0035】
実施例1
図1は、本発明に係る多色画像形成装置の一実施例の概略構成を示す。
【0036】
本実施例にて、多色画像形成装置は、第1の像担持体としての感光体ドラム1の周りに、露光装置3、一次帯電手段としての帯電装置4、現像装置10、第2の像担持体としての中間転写ベルト(中間転写体)30が配置されている。現像装置10は、本実施例では、感光体ドラム1の周りに並置されたシアン(C)色現像器11、マゼンタ(M)色現像器12、イエロー(Y)色現像器13、ブラック(K)色現像器14にて構成されている。
【0037】
また、シアン(C)色現像器11、マゼンタ(M)色現像器12、イエロー(Y)色現像器13、ブラック(K)色現像器14は、帯電装置4が位置する帯電位置を0度としたときに、感光体ドラム上の位置としては、80度、120度、160度、200度の位置に順次配されている。そして、各現像器は、必要に応じて駆動手段(図示せず)により、感光体ドラム1に近接し現像作動を行う現像作動位置と、感光ドラム1から離間し現像作動を行わない現像非作動位置との間で移動自在とすることができる。
【0038】
本実施例にて、感光体ドラム1は、駆動手段(図示せず)によって矢印R1方向に回転され、感光体ドラム1の表面が帯電装置4により帯電される。次に、露光装置3により感光体ドラム1の表面に静電潜像が形成される。
【0039】
現像装置10は、現像剤を担持し搬送する現像剤担持体、即ち、現像ローラ11a、12a、13a、14aを備え、それぞれ異なる色の現像剤を収容した、シアン(C)色現像器11、マゼンタ(M)色現像器12、イエロー(Y)色現像器13、ブラック(K)色現像器14のいずれかの選択された現像器が現像作動位置に移動され、及び/又は、現像作動状態とされ、感光体ドラム1上に形成された静電潜像を現像する。このとき、現像ローラ11a、12a、13a、14aには所定の現像バイアスが印加される。
【0040】
本実施例では、感光体ドラム1上の静電潜像は、現像位置に位置した現像器によって現像され、トナー像として可視化される。得られたトナー像は、一次転写手段6により中間転写ベルト30上に一次転写される。中間転写ベルト30は、ローラ35、36及び二次転写位置に配置されたローラ(二次転写対向ローラ)34に巻回されて、矢印R5方向に回動されている。
【0041】
上記の静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の中間転写ベルト30上への一次転写が、4色のトナーについて順次行われ、これによって中間転写ベルト30上には4色重ねのカラーのトナー像が形成される。従って、中間転写ベルト30上には、感光体ドラム1から転写されたトナー像領域(画像部領域)Tと、非画像部領域Twとが存在する。
【0042】
次に、これらのトナー像は、二次転写ローラ33と二次転写対向ローラ34が配置された二次転写位置にて、二次転写ローラ33と中間転写ベルト30とによってR3方向に搬送される記録媒体である転写材Pに一括して二次転写される。二次転写位置は、帯電位置を0度として感光体ドラム1上の位置としては、240度の位置に配されている。
【0043】
カラーのトナー像が転写された転写材Pは、搬送部37を介して定着装置38に搬送され、転写材Pヘのトナーの定着が行われる。
【0044】
ところで、一次転写後に感光体ドラム1上には中間転写ベルト30に一次転写されなかったトナーが残留する。この感光体ドラム1上の残留トナーは、感光体ドラム1と、現像ローラ11a、12a、13a、14aとの間の静電気力により、現像した各現像器で回収され、その後の現像に使用される。
【0045】
また、二次転写後に転写材Pに二次転写されなかったトナーが中間転写ベルト30上に残る。これらの中間転写ベルト30上の二次転写残トナーは、上述のように、中間転写ベルト30上にある中間転写ベルト清掃手段としての第2帯電ローラ31を用いて回収される。
【0046】
ここで、本実施例にて画像形成装置の画像形成速度PSは420mm/sec、感光体ドラム1は直径30mm、中間転写ベルトは直径180mm、現像装置の切替時間は25msecである。
【0047】
これにより、感光体ドラム1の一周分の周長は約94mmとなり、中間転写ベルト30上には、A3サイズのトナー像(画像部領域)Tが形成されるとすると、中間転写ベルト30が、画像部領域終端部から次の画像部領域先端部までの非画像部領域Twに至るに要する時間、即ち、非画像部領域時間Twtは、
非画像領域時間(Twt)=非画像領域(Tw)÷装置画像形成速度(PS)
である。
【0048】
また、上述のように、感光体ドラム1上の残留トナーは、感光体ドラム1が1回転する間に現像した各現像器で回収される。
【0049】
従って、感光体ドラム1の周長時間、即ち、感光体ドラム1の1回転分の周長時間が、残留現像剤回収時間(Drt)とされる。即ち、
像担持体の周長回転時間(像担持体一回転分)=残留現像剤回収時間(Drt)
である。
【0050】
本実施例にて、
Twt=145mm÷420mm/sec=345msec
Drt=94mm÷420mm/sec=224msec
であり、従って、
345msec=Twt>Drt=224msec
が成立する。
【0051】
図2は、上記構成とされる本実施例の画像形成装置における各手段の動作を示したタイミングチャートである。なお、図2には、二次転写以降のタイミングは省略されている。
【0052】
図2にて、横軸は時間(msec)であり、また、各手段の位置を、感光体ドラム1の一次帯電装置4による帯電位置を0°とした場合の感光体ドラム1上の相対角度で示しており、横軸に沿ってそれぞれの手段のON/OFFを示している。
【0053】
又、例えば、シアン色現像器11による現像を例にとって説明すると、Ctop、Cendは、シアン色によるトナー像の画像領域先端と後端を示している。例えば、シアントナー像(C)の画像先端であるCtopは、帯電位置において25msec上に、潜像位置では50msec、C現像位置では75msec、転写位置では、125msecのタイミングとなることを示している。a、bは、それぞれ画像領域と非画像領域であり、a=1000msec、b=(残留トナー回収時間)=Drt=224msecとなっている。
【0054】
今時間軸0から一色目であるシアン(C)の画像形成が始まり、感光体ドラム1が回転を開始する。ここで電源の立ち上がりなどの関係から、帯電は途中でOFFされることなく、25msecから画像形成終了までONし続け、感光体ドラム1上を一様の電位に帯電する。
【0055】
次に、回転開始から50msecで、感光体ドラム1上に静電潜像が描かれる。感光体ドラム1上の静電潜像が、回転により現像位置に到達する75msecから現像が開始され、感光体ドラム1上に静電潜像にしたがってトナー像が形成される。感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、感光体ドラム1の回転により回転開始後125msecに、一次転写手段6が配置された一次転写部、即ち、感光体ドラム1と転写対向部(転写ニップ)にシアンの画像領域先端Ctopが到達し、中間転写ベルト30上に一次転写される。
【0056】
画像形成開始後1025msec後、潜像形成手段(露光装置3)による画像領域後端Cendの書き込みがなされる。又、二色目のマゼンタ(M)の画像領域先端Mtopは、CendからTwt後(320msec)の1345msecから、書き込みが開始される。
【0057】
1050msec時に、前記の画像領域後端Cendは現像に到達し、現像工程が終了する。同時に現像手段は、回収工程となる。回収工程は前記の通り、感光体ドラム一周分=224msec=Drtである(制御ソフトウェアの仕様上、制御可能な最小時間単位は25msecであり、タイミングチャート上は250msecとなっている)。回収工程終了後1300msecに、現像器は次色に切り替えられ、次色マゼンタの画像形成に備え、以降順次画像形成がなされる。
【0058】
これに対して中間転写ベルト30上にシアンの画像領域後端Cendは、画像形成開始後1125msecに到達する。この時中間転写ベルト上のトナー像のCtopとCendの最短距離(非画像領域)は、前記の構成から算出される通り145mmであり、画像形成速度から算出される非画像領域形成時間:Twtは、345msecである。感光体ドラム1上の一次転写残留トナーは、このTwtの間にシアン色現像器11に回収され、回収終了と同時にマゼンタ色現像器11により次の画像形成が開始される。これにより回収工程において感光体ドラム1上には中間転写ベルト30上のシアントナー像の再転写を受けることなく、現像器を切り替えられる。同様の工程が、イエロー画像、ブラック画像形成においても行われる。
【0059】
以上のように、本実施例によれば、感光体ドラム1上の一次転写残留トナーの回収にかかる回収工程による回転時間を最小限に抑えることで画像形成の生産性を高め、更に多色のトナー像による中間転写体からの再転写を防止することができる。
【0060】
本発明が適用できる画像形成装置は、例えば感光体、誘電体などの像担持体上に電子写真方式、静電記録方式などによって画像情報信号に対応した潜像を形成し、この潜像を現像してトナー画像を形成し、このトナー画像を紙などの記録材に転写し、定着手段にて永久像にする構成のものであればよい。
【0061】
又、実施例中ではA3サイズの画像形成で説明しているが、A4サイズの画像形成では中間転写体ベルト30上に二枚分の画像を形成することとなる。この時のTwは、2枚目の画像領域後端から1枚目の画像領域先端までとすることで、A3サイズと同様に考えることで適応可能である。なお、A4サイズ一枚のみの画像形成ではTwは、中間転写ベルト周長565.5mm−A4サイズ210mmであり、Twtを十分に大きくすることができる。
【0062】
実施例2
図3は、本発明に係る多色画像形成装置の他の実施例の概略構成を示す。本実施例では、多色画像形成装置は、回転式現像装置を備えている。
【0063】
本実施例の多色画像形成装置は、先に、図10を参照して説明した従来の画像形成装置と同様の構成とされ、同じ構成及び機能をなす部材には、同じ参照番号を付し、先の説明を援用する。
【0064】
本実施例にて、多色画像形成装置は、感光体ドラム1と、露光装置3と、一次帯電手段4と、シアン(C)色現像器11、マゼンタ(M)色現像器12、イエロー(Y)色現像器13、ブラック(K)色現像器14を回転体15に搭載した回転式現像装置10と、中間転写ベルト30と、二次転写ローラ33と、二次転写対向ローラ34とを有する。
【0065】
図3にて、中間転写ベルト30上には、中間転写ベルト20上に転写されたA3サイズのトナー像領域Tと、中間転写ベルト20上の非画像部領域Twとが存在する。
【0066】
ここで、本実施例においても、画像形成装置の画像形成速度PSは420mm/sec、感光体ドラム1は直径30mm、中間転写ベルト30は直径180mm、回転式現像装置10の切替時間(Dct)は25msecである。これにより、感光体ドラム1の一周分の周長は約94mmとなり、本実施例にて、
Twt=145mm÷420mm/sec=345msec
Drt=94mm÷420mm/sec=224msec
Dct=25msec
であり、
345msec=Twt>Drt+Dct=249msec
が成立する。
【0067】
図4は、上記構成とされる本実施例の画像形成装置における各手段の動作を示したタイミングチャートである。なお、図4には、二次転写以降のタイミングは省略されている。
【0068】
図4にて、横軸は時間(msec)であり、また、各手段の位置を、感光体ドラム1の一次帯電装置4による帯電位置を0°とした場合の感光体ドラム1上の相対角度で示しており、横軸に沿ってそれぞれの手段のON/OFFを示している。
【0069】
又、例えば、シアン色現像器11による現像を例にとって説明すると、Ctop、Cendは、シアン色によるトナー像の画像領域先端と後端を示している。例えば、シアントナー像(C)の画像先端であるCtopは、帯電位置において25msec上に、潜像位置では50msec、C現像位置では75msec、転写位置では、125msecのタイミングとなることを示している。a、bはそれぞれ画像領域と非画像領域であり、a=1000msec、b=(残留トナー回収時間)+(現像切替時間)=Drt+Dct=249msecとなっている。
【0070】
今時間軸0から一色目であるシアン(C)の画像形成が始まり、感光体ドラム1が回転を開始する。ここで電源の立ち上がりなどの関係から、帯電は途中でOFFされることなく、25msecから画像形成終了までONし続け、感光体ドラム1上を一様の電位に帯電する。
【0071】
次に、回転開始から50msecで、感光体ドラム1上に静電潜像が描かれる。感光体ドラム1上の静電潜像が、回転により現像位置に到達する75msecから現像が開始され、感光体ドラム1上に静電潜像にしたがってトナー像が形成される。感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、感光体ドラム1の回転により回転開始後125msecに、一次転写手段6が配置された一次転写部、即ち、感光体ドラム1と転写対向部(転写ニップ)にシアンの画像領域先端Ctopが到達し、中間転写ベルト30上に一次転写される。
【0072】
画像形成開始後1025msec後、潜像手段による画像領域後端Cendの書き込みがなされる。又、二色目のマゼンタ(M)の画像領域先端Mtopは、CendからTwt(345msec=制御上350msec)後の1375msecから、書き込みが開始される。
【0073】
1050msec時に、前記の画像領域後端Cendは現像に到達し、現像工程が終了する。同時に現像手段は、回収工程となる。回収工程は前記の通り、感光体ドラム一周分=224msec=Drtである(制御ソフトウェアの仕様上、制御可能な最小時間単位は25msecであり、タイミングチャート上は250msecとなっている)。回収工程終了後1300msecに、現像器は次色に切り替えられ、次色マゼンタの画像形成に備え、以降順次画像形成がなされる。なお、この時回転式現像装置10による現像器の切り替え時間Dctは、25msecとなる。
【0074】
これに対して、中間転写ベルト30上にシアン(C)の画像領域後端Cendは、画像形成開始後1125msecに到達する。この時、中間転写ベルト30上のトナー像のCtopとCendの最短距離(非画像領域)は、前記の構成から算出される通り145mmであり、画像形成速度から算出される非画像領域形成時間:Twtは、345msecである。感光体ドラム1上の一次転写残留トナーは、このTwtの間にシアン色現像器11に回収され、次のマゼンタ色現像器12に切り替えられている。これにより回収工程において感光体ドラム1上には中間転写ベルト30上のシアントナー像の再転写を受けることなく、現像器を切り替えられる。
【0075】
又、現像器が、現像剤担持体としての現像スリーブ内に複数の磁極を備えた磁界発生手段、即ち、マグネットローラを備えた構成とされる場合には、上述のように、感光体ドラム1と現像スリーブとの間の静電気力の作用に加うるに、マグネットローラの磁極位置を、感光体ドラム上の非画像領域においては画像形成時の磁極位置と異なる配置とすることにより転写残トナーの回収効率を向上させることができる。
【0076】
つまり、シアン色現像器11を例に挙げて説明すると、図5は、シアン色現像器11が現像状態にあり、又、図6は、シアン色現像器11が転写残トナー回収状態にあるのを示す。
【0077】
図5の現像状態では、現像スリーブ11a内に設けられたマグネットローラ11bは、磁極Nが感光体ドラム1に対向しており、図6の転写残トナー回収状態では、マグネットローラ11bは、磁極Sが感光体ドラム1に対向している。
【0078】
このように、本実施例では、マグネットローラ11bを回転させ、感光体ドラム1に対向する磁極を変更しているが、感光体ドラム1に対して回収効率が高まる磁極を対向させることが可能となる構成であれば、これ以外の構成とすることも可能である。
【0079】
例えば、図7に示すように、現像器11そのものの感光体ドラムに対する当接角度を変更する構成でもよい。
【0080】
つまり、図7にて、現像スリーブ11aの感光体ドラム1に対する当接位置を、現像時の当接位置aから、転写残トナー回収時の当接位置bへと変更することができる。
【0081】
上記各実施例は、トナーと磁極の組み合わせの一例を示すものであり、極性の異なるトナー、磁極構成の異なる現像スリーブ11aを用いる時はそれに最適化された構成を取ることで適用が可能である。
【0082】
以上のように、本実施例によれば、感光体ドラム1上の一次転写残留トナーの回収にかかる回収工程による回転時間を最小限に抑えることで画像形成の生産性を高め、更に多色のトナー像による中間転写体からの再転写を防止することができる。加えて、転写残トナー回収時に感光体ドラム1に対向する磁極位置を変更することにより、転写残トナーの回収効率を向上させることが可能になった。
【0083】
又、実施例中ではA3サイズの画像形成で説明しているが、実施例1と同様にA4サイズの画像形成では中間転写体ベルト上に二枚分の画像を形成することとなる。この時のTwは、2枚目の画像領域後端から1枚目の画像領域先端までとすることで、A3サイズと同様に考えることができ適応可能である。なお、A4サイズ一枚のみの画像形成ではTwは、中間転写ベルト周長565.5mm−A4サイズ210mmであり、十分にTwtを大きくすることができる。
【0084】
実施例3
図8は、本発明に係る多色画像形成装置の他の実施例の概略構成を示す。本実施例では、多色画像形成装置は、中間転写体を使用せず、直接転写材に転写を行う構成とされる。
【0085】
本実施例にて、多色画像形成装置は、デジタルカラー画像リーダ部REを上部に、デジタルカラー画像プリンタ部PRを下部に有している。
【0086】
本実施例にて、リーダ部REは、露光装置300を構成しており、この露光装置300は、原稿330が載置される原稿台ガラス331、この原稿台ガラス331上の原稿330を走査する露光ランプ332、露光ランプ332の走査した原稿330の反射光像を集光するレンズ333、及び集光された反射光像が入射されるCCDなどのフルカラーセンサ334を備えている。
【0087】
そして、不図示のコピー・キーが押されると、原稿330からの光像が入射されたフルカラーセンサ334は、光像を多数の画素に分解し、各画素の濃度に対応した光電変換信号を発生してカラー色分解画像信号を得る。そして、カラー色分解画像信号は、増幅器を介してビデオ処理ユニットにて処理を施され、プリンタ部PRに送出される。
【0088】
また、プリンタ部PRは、像担持体としての感光体ドラム301の周囲に、図示矢印R1の回転方向に沿って前露光ランプ311と、第1の帯電手段としてのコロナ帯電器302と、表面電位センサ312と、シアン色現像器304C、マゼンタ色現像器304M、イエロー色現像器304Y、ブラック色現像器304Kの色の異なる4個の現像器と、感光体ドラム301上の光量を検知する光量検知手段313と、転写装置305とを配置した構成で、感光体ドラム301は、表面の光導電層をアモルファスシリコン、セレン、OPCなどで形成されている。
【0089】
また、上記露光装置300を構成するレーザ露光光学系303は、リーダ部REからの画像信号を、不図示のレーザ出力部によってイメージスキャン露光の光信号に変換し、変換されたレーザ光Eをポリゴンミラー303aで反射し、レンズ303b及びミラー303cを通って感光体ドラム301の表面に投影する。
【0090】
プリンタ部PRでは画像形成時に、感光体ドラム301を図示矢印R1方向に回転させ、先ず、感光体ドラム301を第2の帯電手段としてのポスト帯電器350によりマイナスに帯電させ、前露光ランプ311により除電した後、コロナ帯電器302によりマイナスに一様に帯電させる。その後、画像情報信号に対応して各分解色毎にレーザ光Eを照射し、静電潜像を形成する。なお、ポスト帯電器350には、−300Vの直流電圧にVppの交流電圧を重畳したものが印加される。
【0091】
次に、シアン色現像器304C、マゼンタ色現像器304M、イエロー色現像器304Y、ブラック色現像器304Kの中の所定の現像器を動作させて感光体ドラム301上の静電潜像をトナーとキャリアからなる二成分現像剤によって反転現像し、感光体ドラム301上に樹脂を基体とした負に帯電されたトナー画像(可視画像)を形成する。現像器304C、304M、304Y、304Kは、それぞれ、偏心カム324C、324M、324Y、324Kの動作により、各分解色に応じて択一的に感光体ドラム301に接近するようにしている。なお、反転現像とは、レーザ光Eが照射された感光体ドラム301の静電潜像形成領域に、静電潜像と同極性に帯電したトナーを付着させて、静電潜像を可視化する現像方法である。
【0092】
さらに、転写装置305は、搬送系によって記録材カセット307より供給される記録媒体としての転写材Pに感光体ドラム301上のトナー画像を感光体ドラム301と対向した位置において転写させる。転写装置305は、回転駆動されるように軸支された記録材担持体としての転写ドラム305aと、転写手段としての転写ブラシ帯電器305bと、記録材を静電吸着させるための吸着ブラシ帯電器305c、この吸着ブラシ帯電器305cに対向する吸着ローラ305g、内側帯電器305dと、外側帯電器305eと、分離帯電器305hと、転写剥れセンサ305iとを有し、転写ドラム305aの周面開口域には、ポリカーボネートなどの誘電体シートからなる記録材担持シート305fが円筒状に一体的に張設されている。
【0093】
そして、記録材担持シート305fに担持されている転写材Pは、転写ドラム305aを回転させるに伴って転写ブラシ帯電器305bによって帯電され、これにより感光体ドラム301上のトナー画像が転写される。このようにして転写材Pに所望色のトナー画像の転写をし終えると、転写材Pは転写ドラム305aから分離爪308a、分離押し上げコロ308bおよび分離帯電器305hの作用によって分離し、熱定着器309によって表面のトナー画像が定着された後、トレイ310上に排紙され、フルカラー画像として供される。
【0094】
トナー画像を転写材Pに転写した感光体ドラム301上には、転写残トナーが存在し、これは現像器304C、304M、304Y、304Kにより回収される。
【0095】
ここで、本実施例にて、画像形成装置の画像形成速度PSは420mm/sec、感光体ドラム301は直径30mm、転写ドラム305aは直径180mmとされる。なお、本実施例にて、現像装置の切替時間は、現像装置の構成上考えなくて良い。
【0096】
本実施例では、感光体ドラム301の一周分の周長は約94mmであり、従って、
Twt=145mm÷420mm/sec=345msec
Drt=94mm÷420mm/sec=224msec
であり、
345msec=Twt>Drt=224msec
が成立する。
【0097】
本実施例では、以上の構成を取ることにより、実施例1と同様の各手段の動作タイミングを取ることが可能となり、生産性を維持することと再転写を防ぐことができる。
【0098】
実施例4
図9は、本発明に係る多色画像形成装置の他の実施例の概略構成を示す。本実施例では、多色画像形成装置は、実施例3と同様に、中間転写体を使用せず、直接転写材に転写を行う構成とされる。ただ、本実施例では、多色画像形成装置は、回転式現像装置10を備えている。
【0099】
本実施例の多色画像形成装置は、先に、実施例3の画像形成装置と同様の構成とされ、同じ構成及び機能をなす部材には、同じ参照番号を付し、先の説明を援用する。また、本実施例の回転式現像装置10は、先に、図10を参照して説明した画像形成装置及び実施例2の画像形成装置にて使用される回転式現像装置と同様の構成とされ、同じ構成及び機能をなす部材には、同じ参照番号を付し、先の説明を援用する。
【0100】
本実施例にて、多色画像形成装置は、デジタルカラー画像リーダ部REを上部に、デジタルカラー画像プリンタ部PRを下部に有している。
【0101】
プリンタ部PRは、像担持体としての感光体ドラム301、一次帯電手段302、及び、回転式現像装置10を有する。回転式現像装置10は、回転体15にシアン(C)色現像器11、マゼンタ(M)色現像器12、イエロー(Y)色現像器13、ブラック(K)色現像器14を搭載している。
【0102】
本実施例の構成においても、前記関係式の構成を選択すれば、本発明を適用することが可能である。
【0103】
すなわち、画像形成装置の画像形成速度PSを420mm/sec、感光体ドラム301は直径30mm、転写ドラム305aは直径180mm、本回転式現像装置10の切替時間は25msecである。これにより感光体ドラム301の一周分の周長は約94mmとなり、
Twt=145mm÷420mm/sec=345msec
Drt=94mm÷420mm/sec=224msec
Dct=25msec
であり、
345msec=Twt>Drt+Dct=249msec
が成立する構成をとる。
【0104】
以上のように、転写担持体方式と回転現像装置の構成においても、本発明を適応することが可能であり、実施例1、2、3と同様の作用効果を達成し得る。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明に係る多色画像形成装置の実施例1の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例1の多色画像形成装置の画像形成動作を示すタイミングチャートである。
【図3】本発明に係る多色画像形成装置の実施例2の概略構成を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例2の多色画像形成装置の画像形成動作を示すタイミングチャートである。
【図5】本発明の実施例2の現像器の現像位置における磁極位置を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例2の現像器の回収位置における磁極位置を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例2の現像器の回収位置の他の実施例を示す断面図である。
【図8】本発明に係る多色画像形成装置の実施例3の概略構成を示す断面図である。
【図9】本発明に係る多色画像形成装置の実施例4の概略構成を示す断面図である。
【図10】従来の多色画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0106】
1、301 感光体ドラム(第1の像担持体)
3、300 露光装置
4 第1帯電ローラ
6 第1の転写手段(一次転写手段)
7 第2の転写手段(二次転写手段)
10 回転式現像装置
11、304C シアン色現像器
11a 現像スリーブ(現像剤担持体)
11b マグネットローラ(磁界発生手段)
12、304M マゼンタ色現像器
13、304Y イエロー色現像器
14、304K ブラック色現像器
15 回転体
30 中間転写ベルト(第2の像担持体)
31 第2帯電ローラ
32 一次転写ローラ
33 二次転写ローラ
34 二次転写対向ローラ
305 転写装置
305a 転写ドラム
305b 転写ブラシ帯電器
305f 記録材担持シート(記録材担持体)
P 転写材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の像担持体に静電潜像を形成し、現像剤を担持し搬送する現像剤担持体を備え、それぞれ異なる色の現像剤を収容した複数の現像器の中の選択された現像器にて前記静電潜像を現像してトナー像とし、このトナー像を中間転写体或いは記録媒体とされる第2の像担持体に転写手段により転写し、前記第1の像担持体上に残留した転写残トナーを前記現像剤担持体と前記第1の像担持体との間の静電気力により前記現像に使用した現像器に回収し、その後、他の現像器を使用した次の画像形成に移行することを繰り返し、前記第2の像担持体上にトナー像を重ね転写して多色画像を形成する多色画像形成装置であって、
前記第2の像担持体上の画像領域終端部から次の画像領域先端部までの非画像領域をTw、画像形成速度をPS、非画像領域時間をTwtとし、前記第1の像担持体の1回転分の周長回転時間とされる転写残トナー回収時間をDrtとしたとき、次式
Twt>Drt、ただし
Twt=Tw÷PS
となる装置構成であることを特徴とする多色画像形成装置。
【請求項2】
第1の像担持体に静電潜像を形成し、現像剤を担持し搬送する現像剤担持体を備え、それぞれ異なる色の現像剤を収容した複数の現像器の中の選択された現像器にて前記静電潜像を現像してトナー像とし、このトナー像を中間転写体或いは記録媒体とされる第2の像担持体に転写手段により転写し、前記第1の像担持体上に残留した転写残トナーを前記現像剤担持体と前記第1の像担持体との間の静電気力により前記現像に使用した現像器に回収し、その後、他の現像器を使用した次の画像形成に移行することを繰り返し、前記第2の像担持体上にトナー像を重ね転写して多色画像を形成する多色画像形成装置であって、
前記第2の像担持体上の画像領域終端部から次の画像領域先端部までの非画像領域をTw、画像形成速度をPS、非画像領域時間をTwtとし、前記第1の像担持体の1回転分の周長回転時間とされる転写残トナー回収時間をDrtとし、前記現像器の切替時間をDctとしたとき、次式
Twt>Drt+Dct、ただし
Twt=Tw÷PS
となる装置構成であることを特徴とする多色画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の現像器は、前記第1の像担持体の回りに並置され、前記第1の像担持体の回動方向に対して、現像を開始する順に上流側から順に配置されていることを特徴とする請求項1又は2の多色画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の現像器は、前記第1の像担持体に対して対向して配置された回転体に搭載され、前記回転体を回転することによって、現像器の切り替えを行うことを特徴とする請求項1又は2の多色画像形成装置。
【請求項5】
前記現像器の切り替えは、先の画像形成に使用された現像器に対する前記第1の像担持体上の転写残トナーの回収が終了した後、次の画像形成を行う現像器に切り替えられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の多色画像形成装置。
【請求項6】
前記現像器は、前記現像剤担持体の内部に配置された複数の磁極を有する磁界発生手段を備え、前記第1の像担持体上の転写残トナーを回収するに際して、前記磁界発生手段の前記第1の像担持体に対する磁極配置を、現像時とは異なる磁極配置とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の多色画像形成装置。
【請求項7】
前記現像器は、前記第1の像担持体上の転写残トナーを回収するに際して、前記第1の像担持体に対する配置を、現像時の前記第1の像担持体に対する配置とは異なる配置とすることを特徴とする請求項6の多色画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−65117(P2006−65117A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−249162(P2004−249162)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】