説明

情報案内装置、情報案内システム、情報案内方法、情報案内プログラム、および記録媒体

【課題】駐車場内の案内をおこなう。
【解決手段】移動体に搭載される情報案内装置100は、取得部101と、設定部102と、決定部103と、案内部104とを備える。取得部101は、駐車場内における駐車区域の情報を取得する。設定部102は、駐車場内にて優先して駐車させるための所定の条件が予め設定される。決定部103は、取得部101によって取得された駐車場内の駐車区域の情報と、設定部102に設定される所定の条件とに基づいて、駐車場内にて優先して駐車する優先区域を決定する。案内部104は、決定部103によって決定された優先区域への案内をおこなう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両などの移動体に搭載される情報案内装置、情報案内システム、情報案内方法、情報案内プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両などの移動体には、ナビゲーション装置が搭載されている。このようなナビゲーション装置には、目的地として設定可能な施設と、当該施設の近傍の駐車場とを関連付けておき、当該施設が目的地に設定された際に、関連付けられている駐車場までの経路を探索し、案内するものが知られている。また、施設に関連付けられている駐車場が複数存在する場合において、利用者の所望する駐車場までの案内をおこなうために、営業時間、車種別規制条件、料金等を加味して、施設近隣の複数の駐車場から一つを選択するようにした技術が知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−349740号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術は、駐車場までの案内をおこなうものであり、駐車場の入口にて案内が終了してしまうため、駐車場内にて案内がおこなわれず、特に、利用者が初めて訪れる大型の駐車場では、利用者はどこに駐車すべきか判断できないといった問題が一例として挙げられる。また、利用者にとって行き慣れた駐車場であっても、利用者が所望する駐車位置が満車の場合には、他の駐車位置を探すための時間が無駄に発生するといった問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる情報案内装置は、移動体に搭載される情報案内装置において、駐車場内における駐車区域の情報を取得する取得手段と、駐車場内にて優先して駐車させるための所定の条件が予め設定される設定手段と、前記取得手段によって取得された駐車場内の駐車区域の情報と、前記設定手段に設定される前記所定の条件とに基づいて、駐車場内にて優先して駐車する所定の駐車区域(以下、「優先区域」という)を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された前記優先区域への案内をおこなう案内手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項11の発明にかかる情報案内システムは、移動体に搭載されるナビゲーション装置と、駐車場内の情報を配信する情報案内サーバと、を備えた情報案内システムにおいて、前記情報案内サーバは、前記ナビゲーション装置から駐車場内の案内要求を受信する受信手段と、前記受信手段が前記案内要求を受信した際に、当該駐車場内における駐車区域の情報を取得する取得手段と、駐車場内にて優先して駐車させるための所定の条件が予め設定される設定手段と、前記取得手段によって取得された駐車場内の駐車区域の情報と、前記設定手段に設定される前記所定の条件とに基づいて、駐車場内にて優先して駐車する所定の駐車区域(以下、「優先区域」という)を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された前記優先区域の情報を前記ナビゲーション装置に送信する送信手段と、を備え、前記ナビゲーション装置は、前記情報案内サーバから前記優先区域の情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記優先区域への案内をおこなう案内手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項12の発明にかかる情報案内方法は、移動体に搭載される情報案内装置の情報案内方法において、駐車場内における駐車区域の情報を取得する取得工程と、駐車場内にて優先して駐車させるための所定の条件が予め設定される設定工程と、前記取得工程によって取得された駐車場内の駐車区域の情報と、前記設定工程に設定される前記所定の条件とに基づいて、駐車場内にて優先して駐車する所定の駐車区域(以下、「優先区域」という)を決定する決定工程と、前記決定工程によって決定された前記優先区域への案内をおこなう案内工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、請求項13の発明にかかる情報案内方法は、移動体に搭載されるナビゲーション装置と、駐車場内の情報を配信する情報案内サーバと、を備えた情報案内システムに用いられる情報案内方法において、前記情報案内サーバにて、前記ナビゲーション装置から駐車場内の案内要求を受信する受信工程と、前記受信工程にて前記案内要求を受信した際に、当該駐車場内における駐車区域の情報を取得する取得工程と、駐車場内にて優先して駐車させるための所定の条件が予め設定される設定工程と、前記取得工程によって取得された駐車場内の駐車区域の情報と、前記設定工程に設定される前記所定の条件とに基づいて、駐車場内にて優先して駐車する所定の駐車区域(以下、「優先区域」という)を決定する決定工程と、前記決定工程によって決定された前記優先区域の情報を前記ナビゲーション装置に送信する送信工程と、を含み、前記ナビゲーション装置にて、前記情報案内サーバから前記優先区域の情報を受信する受信工程と、前記受信工程にて受信した前記優先区域への案内をおこなう案内工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項14の発明にかかる情報案内プログラムは、請求項12または13に記載の情報案内方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項15の発明にかかる記録媒体は、請求項14に記載の情報案内プログラムを記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報案内装置、情報案内システム、情報案内方法、情報案内プログラム、および記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態)
(情報案内装置の機能的構成)
この発明の実施の形態にかかる情報案内装置100の機能的構成について説明する。図1は、実施の形態にかかる情報案内装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。図1において、情報案内装置100は、移動体に搭載されるものであり、取得部101と、設定部102と、決定部103と、案内部104と、目的地設定部105と、を備えている。
【0013】
取得部101は、駐車場内における駐車区域の情報を取得する。駐車場は、いかなる駐車場をも対象とするが、代表的には、大規模の平面駐車場や立体駐車場が挙げられる。駐車区域は、1台の車両が駐車するスペースを所定の台数ごとに区画化した領域である。また、立体駐車場の場合、駐車階数を駐車区域としてもよいし、駐車階数ごとの上記区画化した領域としてもよい。この駐車区域は、駐車場の規模などに応じて、駐車場ごとに適宜設定される。駐車区域の情報は、駐車区域ごとの駐車可能な台数の情報や、駐車区域の位置情報や、当該区域が屋根付きか否かの情報や、立体駐車場の場合における、地下、地上、屋上などの情報である。また、駐車区域の位置情報には、リンクやノードの情報、緯度経度情報、立体駐車場における駐車階数の情報など、駐車場内における経路に関する情報を含ませてもよい。
【0014】
設定部102には、駐車場内にて優先して駐車させるための所定の条件が予め設定される。所定の条件は、たとえば、店舗などの施設に連絡する出入口などの連絡路までの距離の条件や、空車の度合いの条件や、屋根付きか否かの条件など、利用者が駐車に際して所望する条件である。また、所定の条件は、利用者の操作入力による設定により、適宜変更可能なものとしてもよい。
【0015】
決定部103は、取得部101によって取得された駐車場内の駐車区域の情報と、設定部102に設定される所定の条件とに基づいて、駐車場内にて優先して駐車する所定の駐車区域(以下、「優先区域」という)を決定する。駐車区域の情報に、優先区域における経路の情報が含まれる場合には、決定部103は、経路に関する情報に基づいて、優先区域までの経路を決定してもよい。
【0016】
案内部104は、決定部103によって決定された優先区域への案内をおこなう。案内部104による優先区域への案内は、決定部103によって優先区域までの経路が決定されている場合には、当該優先区域までを案内してもよいし、優先区域までの経路が決定されていない場合には、駐車場の出入口にて優先区域を促す案内としてもよい。また、案内部104による案内は、音声による案内でもよいし、表示画面による案内でもよいし、双方を用いたものでもよい。
【0017】
また、本実施の形態において、取得部101は、駐車区域の情報と、当該駐車場から当該駐車場の近傍の地物に連絡する連絡路の位置情報とを取得してもよい。連絡路は、具体的には、地物の出入口や、出入口に連絡する接続路である。この場合、設定部102には、所定の条件として、距離に関する条件が予め設定される。また、決定部103は、取得部101によって取得された駐車区域の情報と、連絡路の位置情報と、設定部102に設定される距離に関する条件とに基づいて、連絡路に近い駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定すればよい。また、案内部104は、決定部103によって決定された優先区域への案内を、優先度の高い順におこなう。
【0018】
この構成について具体的に説明すると、設定部102に設定される距離に関する条件は、駐車場ごとに設定される、駐車区域から連絡路までの距離に関する条件であり、たとえば、「駐車区域から連絡路までの距離が最短の駐車区域」といった所定の条件である。そして、決定部103は、駐車区域の位置情報と、連絡路の位置情報とに基づき、各駐車区域から連絡路までの距離を算出する。そして、設定部102に設定される所定の条件に基づき、この算出した距離が小さいものほど、つまり、駐車区域から連絡路までの距離が近いものほど、優先度の高い駐車区域として決定すればよい。
【0019】
また、このような構成において、取得部101は、さらに、駐車区域に駐車できるか否かを示す混雑情報を取得してもよい。そして、この場合、決定部103は、取得部101によって取得された混雑情報に基づいて、連絡路に近い駐車区域から順に、駐車できる駐車区域を、優先度の高い優先区域として決定すればよい。混雑情報は、満車か空車ありかを示す情報であってもよいし、混雑の度合いを示す情報であってもよい。混雑情報が満車か空車ありかを示す情報である場合、駐車区域に空車があるときに、当該領域を優先区域として決定すればよい。また、混雑情報が混雑の度合いを示す情報である場合、混雑の度合いに応じて、たとえば、混雑している駐車区域ほど、優先度を下げるようにしてもよい。
【0020】
また、本実施の形態において、取得部101は、駐車区域の情報と、走行データを共有する他の移動体の走行履歴に基づく当該駐車場の駐車区域における駐車履歴とを取得してもよい。この場合、設定部102には、所定の条件として、駐車履歴の回数に関する条件が予め設定される。また、決定部103は、取得部101によって取得された駐車区域の情報と、他の移動体の駐車区域の駐車履歴と、設定部102に設定される駐車履歴の回数に関する条件とに基づいて、駐車履歴の回数の多い駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定すればよい。また、案内部104は、決定部103によって決定された優先区域への案内を、優先度の高い順におこなえばよい。
【0021】
本構成は、他の移動体が駐車した履歴の多い駐車区域を優先区域とするものであり、具体的には、利便性が高いことが想定される駐車区域を優先区域としたものである。この構成について具体的に説明すると、走行データの共有に際しては、移動体同士をネットワークで接続することにより、各々の移動体の情報を共有することが可能なシステムが用いられることを前提とする。このシステムを利用し、取得部101は、他の移動体の駐車履歴を取得する。また、設定部102に設定される駐車履歴の回数に関する条件は、駐車場ごとに設定される、他の移動体が駐車した回数の条件であり、たとえば、「駐車回数が最も多い駐車区域」といった所定の条件である。決定部103は、駐車区域の情報と、他の移動体の駐車区域の駐車履歴とに基づいて、駐車区域ごとの他の移動体の駐車した履歴の回数を算出する。そして、設定部102に設定される所定の条件に基づき、決定部103は、この算出した回数が多いものほど、つまり、駐車回数の多いものほど、優先度の高い駐車区域として決定すればよい。
【0022】
また、本実施の形態において、取得部101は、駐車区域の情報と、駐車区域ごとの空車状態を示す空車情報とを取得してもよい。この場合、設定部102には、所定の条件として、空車状態に関する条件が予め設定される。また、決定部103は、取得部101によって取得された駐車区域の情報と、駐車区域ごとの空車情報と、設定手段に設定される空車状態に関する条件とに基づいて、空きのある駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定すればよい。また、案内部104は、決定部103によって決定された優先区域への案内を、優先度の高い順におこなえばよい。
【0023】
本構成は、空いている駐車区域を案内するものであり、たとえば、初心者や、混雑していない駐車区域を所望する利用者のためのものである。この構成について具体的に説明すると、設定部102に設定される空車状態に関する条件は、駐車場ごとに設定される、駐車区域における空車率((駐車区域の空車台数)/(駐車区域の許容駐車台数))に関する条件であり、たとえば、「空車率○%以上の駐車区域」といった所定の条件である。決定部103は、駐車区域の情報と、空車情報とに基づいて、駐車区域ごとの空車率を算出する。そして、この算出した空車率が高いものほど、つまり、混雑していない駐車場ほど、優先度の高い駐車区域として決定する。
【0024】
上述した説明において、連絡路に近い優先区域、駐車歴の多い優先区域、空いている優先区域を決定する構成を例に挙げたが、優先度の決定に際しては、これらを全て加味させることも可能である。具体的には、空車率が所定数以上で、駐車履歴が多く、連絡路に近い駐車区域を、優先区域として決定するようにした構成である。より詳細に説明すると、設定部102に設定される所定の条件は、空車率が○%以上、駐車履歴が△回以上、連絡路までの距離が□m以下の条件が設定される。そして、これらの条件に全て合致、または近似するものほど、優先度の高い優先区域として決定するようにしてもよい。このような構成によれば、ある程度空いていて且つ利便性のある駐車区域を優先区域とすることができる。
【0025】
また、本実施の形態において、目的地が設定される目的地設定部105は、任意の構成要素である。この場合、決定部103は、目的地設定部105に目的地が設定された際に、目的地の地物に予め関連付けられて設定される駐車場の中から優先区域を決定すればよい。
【0026】
また、地物内に複数の施設が存在し、かつ、地物に予め関連付けられて設定される駐車場に連絡する複数の連絡路が存在する場合において、目的地設定部105に複数の施設のうち一つが設定された際に、取得部101は、施設の位置情報と、複数の連絡路の位置情報と、を取得すればよい。この場合、決定部103は、取得部101によって取得された施設の位置情報と、連絡路の位置情報とに基づいて、複数の連絡路の中から、施設までの距離が最も短い連絡路(以下、「最短連絡路」という)を選出し、駐車場内のうち、最短連絡路に近い駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定すればよい。
【0027】
この構成について具体的に説明すると、複数の施設が存在する地物は、デパートやショッピングモールなどの複合施設である。地物内に存在する施設は、複合施設内に存在する店舗などである。複数の施設のうち一つが設定された場合とは、このような複合施設などにおいて、ある店舗が目的地に設定された場合である。この場合、取得部101は、店舗の位置情報と、連絡路としての出入口の位置情報とを取得する。決定部103は、店舗までの距離が最も短い出入口を選出し、この出入口に近い駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定する。
【0028】
また、このような複合施設において、駐車場が複数存在する場合には、取得部101は、施設の位置情報と、複数の駐車場の位置情報と、複数の連絡路の位置情報とを取得すればよい。この場合、決定部103は、取得部101によって取得された施設の位置情報と、複数の駐車場の位置情報と、複数の連絡路の位置情報とに基づいて、複数の連絡路の中から、最短連絡路を選出する。そして、決定部103は、複数の駐車場の中から最短連絡路に近い駐車場を選出し、選出した駐車場内のうち、最短連絡路に近い駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定する。
【0029】
本構成は、複数の駐車場を備えた複合施設などにおいて、店舗が目的地に設定された場合を想定したものである。本構成は、目的地に設定された店舗に最も近い出入口と、この出入口に近い駐車場とを選出し、選出した駐車場の優先区域を決定するようにしたものである。
【0030】
(情報案内装置の情報案内処理手順)
つぎに、図2を用いて、情報案内装置100の情報案内処理手順について説明する。図2は、本実施の形態にかかる情報案内装置の情報案内処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0031】
図2のフローチャートにおいて、まず、情報案内装置100は、駐車区域の情報を取得するタイミングとなるまで待機状態にある(ステップS201:Noのループ)。案内開始のタイミングは、たとえば、駐車場に到着したときや、駐車場に到着する所定時間前または所定距離手前や、目的地の設定がおこなわれたときなどである。ステップS201において、駐車区域の情報を取得するタイミングとなると(ステップS201:Yes)、取得部101が駐車区域の情報を取得する(ステップS202)。
【0032】
そして、決定部103が、駐車区域の情報と、設定部102に設定される所定の条件とに基づいて、優先区域を決定する(ステップS203)。このあと、具体的には、駐車場に到着すると、案内部104が優先区域へ案内をおこない(ステップS204)、一連の処理を終了する。
【0033】
以上説明したように、本実施の形態にかかる情報案内装置100は、駐車場内の駐車区域の情報と、予め設定される所定の条件とに基づいて、駐車場内にて優先して駐車する優先区域を決定し、当該優先区域までの案内をおこなうようにした。このような構成によれば、駐車場内において駐車位置を案内することができる。したがって、利用者は、利用者自身で判断することなく、たとえば、出入口に最も近い駐車区域など、利便性のある駐車区域に移動体を駐車させることができる。
【0034】
また、立体駐車場や、利用者が初めて訪れる大型の駐車場であっても、利用者はどこに駐車すべきかがわかるので、利用者の不安を解消させることができる。さらに、利用者にとって行き慣れた駐車場であっても、利用者が所望する駐車位置が満車の場合には、他の駐車位置を案内することができるので、駐車位置を探すための時間が無駄に発生するといったことを防止できる。このように、本構成によれば、利用者にとって利便性のある駐車区域にスムースに到達することが可能になり、無駄な走行を避けることができるだけでなく、燃費の向上に貢献することができる。さらに、駐車区域を探すことに起因する周辺渋滞が減少することで、環境汚染を低減させることができる。
【0035】
また、本実施の形態において、駐車区域の情報と、当該駐車場から当該駐車場の近傍の地物に連絡する連絡路の位置情報と、設定される距離に関する条件とに基づいて、連絡路に近い駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定し、当該優先区域への案内を、優先度の高い順におこなうようにしてもよい。このような構成によれば、利用者は、地物との連絡路に近い駐車区域に駐車することができる。したがって、たとえば、駐車場に早く到着したにもかかわらず、駐車位置から目的の地物までに移動する分の時間が無駄に発生するといったことを最小限に抑えることができる。
【0036】
また、本実施の形態において、駐車区域ごとの混雑情報に基づいて、連絡路に近い駐車区域から順に、駐車できる駐車区域を、優先度の高い優先区域として決定するようにしてもよい。このような構成によれば、利用者は、混雑状態に応じて連絡路に近い駐車区域に駐車することができる。したがって、駐車位置を探すための時間が無駄に発生するといったことを防止できる。
【0037】
また、本実施の形態において、駐車区域の情報と、他の移動体の駐車区域の駐車履歴と、設定される駐車履歴の回数に関する条件とに基づいて、駐車履歴の回数の多い駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定するようにしてもよい。このような構成によれば、たとえば、当該駐車場をよく利用する他の移動体の駐車履歴の統計を基に、優先区域を決定することができるので、利用者にとって利便性の高い駐車区域を優先区域とすることができる。
【0038】
また、本実施の形態において、駐車区域の情報と、駐車区域ごとの空車情報と、設定される空車状態に関する条件とに基づいて、空きのある駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定するようにしてもよい。このような構成によれば、初心者や、混雑していない駐車区域を所望する利用者に対して、当該駐車区域を優先区域として案内することができる。
【0039】
また、本実施の形態において、駐車区域の情報として、優先区域における経路に関する情報を含む情報を取得するようにし、経路に関する情報に基づいて、優先区域までの経路を決定するようにしてもよい。このような構成によれば、優先区域を目的地として、当該目的地までの案内をおこなうことができる。
【0040】
また、本実施の形態において、目的地が設定される目的地設定部105を備えるようにし、目的地設定部105に目的地が設定された際に、目的地の地物に予め関連付けられて設定される駐車場の中から優先区域を決定するようにしてもよい。このような構成によれば、施設などが目的地に設定された際に、当該目的地に関連付けられた駐車場を目的地として探索できるとともに、当該駐車場の優先区域を決定することができる。
【0041】
また、地物内に複数の施設が存在し、かつ、地物に予め関連付けられて設定される駐車場に連絡する複数の連絡路が存在する場合において、複数の施設のうち一つが目的地に設定された際に、施設の位置情報と、連絡路の位置情報とに基づいて、複数の連絡路の中から、最短連絡路を選出し、駐車場内のうち、最短連絡路に近い駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定してもよい。このような構成によれば、連絡路としての出入口が複数存在する場合であっても、利用者は、最短連絡路に近い駐車区域に駐車することができる。
【0042】
また、駐車場が複数存在する際に、施設の位置情報と、複数の駐車場の位置情報と、複数の連絡路の位置情報とに基づいて、複数の連絡路の中から、最短連絡路を選出するとともに、複数の駐車場の中から最短連絡路に近い駐車場を選出し、選出した駐車場内のうち、最短連絡路に近い駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定してもよい。このような構成によれば、駐車場が複数存在する場合であっても、利用者は、出入口に近い駐車場の駐車区域に駐車することができる。
【実施例1】
【0043】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、車両に搭載されるナビゲーション装置によって、本発明の情報案内装置100を実施した場合の一例について説明する。
【0044】
(ナビゲーション装置300のハードウェア構成)
図3を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3において、ナビゲーション装置300は、車両などの移動体に搭載されており、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、スピーカ309と、入力デバイス310と、映像I/F311と、ディスプレイ312と、通信I/F313と、GPSユニット314と、各種センサ315と、を備えている。また、各構成部301〜315はバス320によってそれぞれ接続されている。
【0045】
CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、現在地点算出プログラム、経路探索プログラム、経路誘導プログラム、地図データ表示プログラム、情報案内プログラムなどの各種プログラムを記録している。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。
【0046】
現在地点算出プログラムは、たとえば、後述するGPSユニット314および各種センサ315の出力情報に基づいて、車両の現在地点(ナビゲーション装置300の現在地点)を算出させる。
【0047】
経路探索プログラムは、後述する磁気ディスク305に記録されている地図データなどを利用して、出発地点から目的地点までの最適な経路を探索させる。ここで、最適な経路とは、目的地点までの最短(または最速)経路やユーザが指定した条件に最も合致する経路などである。また、目的地点のみならず、立ち寄り地点や休憩地点までの経路を探索してもよい。探索された誘導経路は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F311へ出力される。
【0048】
経路誘導プログラムは、経路探索プログラムを実行することによって探索された誘導経路情報、現在地点算出プログラムを実行することによって算出された車両の現在地点情報、磁気ディスク305から読み出された地図データに基づいて、リアルタイムな経路誘導情報を生成させる。生成された経路誘導情報は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F311へ出力される。
【0049】
地図データ表示プログラムは、磁気ディスク305や光ディスク307に記録されている地図データを映像I/F311によってディスプレイ312に表示させる。
【0050】
情報案内プログラムは、駐車場内の駐車区域の情報と、予め設定される所定の条件とに基づいて、駐車場内にて優先して駐車する優先区域を決定する。決定した優先区域の情報は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F311へ出力される。
【0051】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク305としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0052】
光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱自在な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0053】
磁気ディスク305や光ディスク307に記録される情報の一例としては、地図データや機能データが挙げられる。地図データは、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを有しており、地区ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。この地図データは、ディスプレイ312の表示画面において2次元または3次元に描写される。ナビゲーション装置300が経路誘導中の場合は、地図データと後述するGPSユニット314によって取得された車両の現在地点を示す車両マークとが重ねて表示されることとなる。
【0054】
音声I/F308は、音声出力用のスピーカ309に接続される。スピーカ309は、音声を出力する。入力デバイス310は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス310は、リモコン、キーボード、マウス、タッチパネルのうち、いずれか一つの形態によって実現されてもよいし、複数の形態によって実現されてもよい。
【0055】
映像I/F311は、ディスプレイ312と接続される。映像I/F311は、具体的には、たとえば、ディスプレイ312全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ312を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0056】
ディスプレイ312には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ312には、上述した地図データが
2次元または3次元に描画される。ディスプレイ312に表示された地図データには、ナビゲーション装置300を搭載した車両の現在地点をあらわすマークなどを重ねて表示することができる。車両の現在地点は、CPU301によって算出される。
【0057】
このディスプレイ312は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。ディスプレイ312は、たとえば、車両のダッシュボード付近に設置される。ディスプレイ312は、車両のダッシュボード付近のほか、車両の後部座席周辺などに設置するなどして、車両内に複数設置してもよい。
【0058】
通信I/F313は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F313は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。
【0059】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F313は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。また、通信I/F313は、たとえば、DSRC(Dedicated Short Range Communication)を用いた場合は、路側に設置された無線装置と双方向の無線通信をおこなう車載無線装置によって構成され、交通情報や地図情報など各種情報を取得する。なお、DSRCの具体例としては、ETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)が挙げられる。
【0060】
GPSユニット314は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在地点を示す情報を出力する。GPSユニット314の出力情報は、後述する各種センサ315の出力値とともに、CPU301による車両の現在地点の算出に際して利用される。現在地点を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0061】
各種センサ315は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を判断することが可能な情報を出力する。各種センサ315の出力値は、CPU301による車両の現在地点の算出や、速度や方位の変化量の測定などに用いられる。
【0062】
図1に示した情報案内装置100が備える、取得部101と、設定部102と、決定部103と、案内部104と、目的地設定部105とは、図3に示したナビゲーション装置300におけるROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置300における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0063】
すなわち、本実施例のナビゲーション装置300は、ナビゲーション装置300における記録媒体としてのROM302に記録されている情報案内プログラムを実行することにより、図1に示した情報案内装置100が備える機能を、図2に示した情報案内処理手順で実行することができる。
【0064】
(駐車場情報DBに格納されるフォーマットの一例)
つぎに、図4を用いて、本実施例の駐車場情報DB(Datebase)に格納されるフォーマットの一例について説明する。図4は、本実施例の駐車場情報DBに格納されるフォーマットの一例を示す説明図である。
【0065】
図4において、管理情報401は、複数(m個)の可変長の駐車場情報410を管理するための情報であり、たとえば、駐車場情報の全データサイズなどが記録されている。情報数402は、記録される駐車場情報410の数である。駐車場情報は、施設に関連付けられる情報であり、当該施設が目的地に設定された場合に、当該施設に関連付けられる駐車場が目的地に設定されるためのものである。また、各駐車場情報410は、たとえば、データサイズとしてのバイト数411と、位置情報412と、付帯情報413とからなる。
【0066】
位置情報412は、駐車場内の駐車区域の位置情報であり、経路に関する情報を含み、たとえば、駐車場内におけるリンク番号の情報、緯度経度情報、立体駐車場における駐車階数の情報、駐車スペース番号の情報などが挙げられる。また、付帯情報413は、案内に利用できる情報であり、たとえば、駐車場ごとの、音声情報、図形情報、文字情報、料金情報、関連する施設の情報、駐車区域に関する情報などである。
【0067】
(ナビゲーション装置300が保存する駐車場情報500のバッファ形式の一例)
つぎに、図5を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300が保存する駐車場情報500のバッファ形式の一例について説明する。図5は、本実施例にかかるナビゲーション装置300が保存する駐車場情報500のバッファ形式の一例を示す説明図である。
【0068】
図5において、ナビゲーション装置300には、複数(m個)の駐車場情報500が保存される。各駐車場情報500は、上述した、位置情報412と、付帯情報413とからなる。また、ナビゲーション装置300は、各駐車場の駐車区域ごとの混雑情報を外部から取得するようにしてもよい。混雑情報を加味した処理については、図12のフローチャートを用いて後述する。このように、ナビゲーション装置300は、保存した駐車場情報500を用いることにより、各駐車場内にて、優先区域を決定し、当該優先区域までの案内をおこなうことが可能になっている。
【0069】
(ナビゲーション装置300がおこなう優先区域の決定処理の一例)
つぎに、図6を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなう優先区域の決定処理の一例について説明する。図6は、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなう優先区域の決定処理の一例を示すフローチャートである。
【0070】
図6において、ナビゲーション装置300は、駐車場情報を取得する(ステップS601)。そして、取得した駐車場情報を格納する(ステップS602)。このあと、駐車場ごとの駐車区域の位置情報を優先度順に並び替える(ステップS603)。なお、優先度の決定に際しては、予め設定される距離の条件に基づいて、たとえば、連絡路に近い順に優先度が決定される。そして、優先度順に優先区域を決定し(ステップS604)、一連の処理を終了する。
【0071】
(目的施設が設定された際に優先区域を決定する処理の一例)
つぎに、図7を用いて、目的施設が設定された際に優先区域を決定する処理の一例について説明する。図7は、目的施設が設定された際に優先区域を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
【0072】
図7において、ナビゲーション装置300は、目的施設が設定されるまで、待機状態にあり(ステップS701:Noのループ)、目的施設が設定されると(ステップS701:Yes)、当該目的施設に駐車場情報があるか否かを判断する(ステップS702)。目的施設に駐車場情報があるとは、当該目的施設に関連付けられている駐車場があるということである。ステップS702において、駐車場情報があると判断した場合(ステップS702:Yes)、当該駐車場が駐車区域の位置情報を有する駐車場であるか否かを判断する(ステップS703)。
【0073】
ステップS703において、駐車区域の位置情報を有する駐車場であると判断した場合(ステップS703:Yes)、優先区域を決定する(ステップS704)。ステップS704の優先区域の決定は、図6のフローチャートに示した処理によりおこなわれる。このあと、リンク番号の情報等に基づき、決定した優先区域を目的地点に設定し(ステップS705)、一連の処理を終了する。
【0074】
一方、ステップS702において、駐車場情報がないと判断した場合(ステップS702:No)、目的施設を目的地点に設定し(ステップS706)、一連の処理を終了する。また、ステップS703において、駐車区域の位置情報を有する駐車場ではないと判断した場合(ステップS703:No)、駐車場を目的地点に設定し(ステップS707)、一連の処理を終了する。
【0075】
(経路案内の途中で優先区域を決定する処理の一例)
つぎに、図8を用いて、経路案内の途中で優先区域を決定する処理の一例について説明する。図8は、経路案内の途中で優先区域を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
【0076】
図8において、ナビゲーション装置300は、施設が目的地として設定されているものとし、経路案内がおこなわれているものとする。そして、駐車場情報を取得するタイミングとなるまで待機状態にあり(ステップS801:Noのループ)、駐車場情報を取得するタイミングとなると(ステップS801:Yes)、駐車場情報を取得する(ステップS802)。なお、駐車場情報を取得するタイミングは、たとえば、駐車場に到着する所定時間前または所定距離手前としたタイミングや、駐車場に到着するまでの所定の間隔のタイミングなど、任意のタイミングである。このあと、当該駐車場が駐車区域の位置情報を有する駐車場であるか否かを判断する(ステップS803)。
【0077】
ステップS803において、駐車区域の位置情報を有する駐車場であると判断した場合(ステップS803:Yes)、優先区域を決定する(ステップS804)。ステップS804の優先区域の決定は、図6のフローチャートに示した処理によりおこなわれる。このあと、リンク番号の情報等に基づき、決定した優先区域を目的地点に設定し、再探索をおこなう(ステップS805)。そして、目的地点に到着したか否かを判断する(ステップS806)。ステップS806において、目的地点に到着したと判断した場合(ステップS806:Yes)、一連の処理を終了する。
【0078】
一方、ステップS803において、駐車区域の位置情報を有する駐車場ではないと判断した場合(ステップS803:No)、ステップS806に移行する。また、ステップS806において、目的地点に到着していないと判断した場合(ステップS806:No)、ステップS801に移行する。
【0079】
上述した処理によれば、目的施設近隣に到達するまで、駐車場情報の取得が適宜おこなわれる。したがって、道路の渋滞や駐車場の満車状態などに応じて、目的地となる駐車場および優先区域を適宜変更することができる。
【0080】
(目的施設に到着した際に優先区域を決定する処理の一例)
つぎに、図9を用いて、目的施設に到着した際に優先区域を決定する処理の一例について説明する。図9は、目的施設に到着した際に優先区域を決定する処理の一例を示すフローチャートである。なお、図9では、位置情報にリンクの番号の情報が含まれない場合における優先区域までの案内の処理(ステップS908)についても説明する。
【0081】
図9において、ナビゲーション装置300は、目的施設に到着するまで待機状態にあり(ステップS901:Noのループ)、目的施設に到着すると(ステップS901:Yes)、駐車場情報を取得する(ステップS902)。このあと、当該駐車場が駐車区域の位置情報を有する駐車場であるか否かを判断する(ステップS903)。
【0082】
ステップS903において、駐車区域の位置情報を有する駐車場であると判断した場合(ステップS903:Yes)、優先区域を決定する(ステップS904)。ステップS904の優先区域の決定は、図6のフローチャートに示した処理によりおこなわれる。このあと、リンク番号の情報があるか否かを判断する(ステップS905)。ステップS905において、リンク番号の情報があると判断した場合(ステップS905:Yes)、優先区域を目的地点に設定し、再探索をおこなう(ステップS906)。そして、目的地点まで誘導し(ステップS907)、一連の処理を終了する。
【0083】
一方、ステップS903において、駐車区域の位置情報を有する駐車場ではないと判断した場合(ステップS903:No)、一連の処理を終了する。また、ステップS905においてリンク番号の情報がないと判断した場合(ステップS905:No)、駐車場の入口にて優先区域を案内し(ステップS908)、一連の処理を終了する。
【0084】
以上説明したように、実施例1にかかるナビゲーション装置300は、駐車場内にて優先して駐車する優先区域を決定し、当該優先区域までの案内をおこなうようにした。このような構成によれば、駐車場内において駐車位置を案内することができる。したがって、利用者は、利用者自身で判断することなく、たとえば、出入口に最も近い駐車区域など、利便性のある駐車区域に移動体を駐車させることができる。
【0085】
また、立体駐車場や、利用者が初めて訪れる大型の駐車場であっても、利用者はどこに駐車すべきかがわかるので、利用者の不安を解消させることができる。さらに、利用者にとって行き慣れた駐車場であっても、利用者が所望する駐車位置が満車の場合には、他の駐車位置を案内することができるので、駐車位置を探すための時間が無駄に発生するといったことを防止できる。このように、本構成によれば、利用者にとって利便性のある駐車区域にスムースに到達することが可能になり、無駄な走行を避けることができるだけでなく、燃費の向上に貢献することができる。さらに、駐車区域を探すことに起因する周辺渋滞が減少することで、環境汚染を低減させることができる。
【実施例2】
【0086】
以下に、本発明の実施例2について説明する。実施例2は、複合施設に複数の駐車場、および駐車場に連絡する複数の連絡路が存在する場合について、説明する。なお、実施例2において、実施例1と同様の構成については、適宜その説明を省略する。
【0087】
(複合施設に存在する複数の駐車場および連絡路の一例)
図10を用いて、複合施設に存在する複数の駐車場および連絡路の一例について説明する。図10は、実施例2における複合施設に存在する複数の駐車場および連絡路の一例を示す説明図である。
【0088】
図10において、複合施設1000には、複数の駐車場A〜Cがある。複合施設1000には、3つの店舗a〜cがある。店舗aには、駐車場Aに面して、連絡路としての出入口1001〜1003がある。また、店舗cには、駐車場B,Cに連絡する、出入口1004、および接続路1011,1012が接続している。
【0089】
(駐車場Aの駐車区域の一例)
つぎに、図11を用いて、駐車場Aの駐車区域の一例について説明する。図11は、駐車場Aの駐車区域の一例を示す説明図である。
【0090】
図11において、駐車場Aは、駐車スペース1101を所定の台数ごとに区画化した駐車区域1111〜1116がある。図11において、符号1120は、移動体の現在位置であり、符号1130は、駐車場Aに面する道路である。このような駐車場Aを備えた複合施設1000のうち、店舗aが目的地に設定されているものとすると、詳細については図12に示すフローチャートを用いて後述するが、たとえば、駐車場Aのうち、店舗aの出入口1004に近い駐車区域1111〜1116の順に、優先度の高い優先区域として決定される。
【0091】
(複数の駐車場および連絡路が存在する場合の優先区域の決定処理の一例)
つぎに、図12を用いて、複数の駐車場および連絡路が存在する場合の優先区域の決定処理の一例について説明する。図12は、複数の駐車場および連絡路が存在する場合の優先区域の決定処理の一例を示すフローチャートである。図12に示すフローチャートでは、複合施設1000内の店舗aが目的地に設定され、経路案内の途中で、優先区域を決定するようにした処理について説明する。なお、各駐車場A〜Cは、駐車区域の位置情報を有する駐車場であるものとし、図8のステップS803などに示した、駐車区域の位置情報を有する駐車場か否かの判断については、省略する。また、本フローチャートにおいては、駐車区域の混雑情報を加味して優先区域を決定するようにしている。
【0092】
図12のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置300は、目的地が設定されるまで待機状態にあり(ステップS1201:Noのループ)、目的地が設定されると(ステップS1201:Yes)、店舗aの位置情報を取得する(ステップS1202)。そして、複合施設1000に関連付けられている駐車場A〜Cの位置情報を取得する(ステップS1203)。
【0093】
さらに、複合施設と駐車場A〜Cとを連絡する複数の連絡路(出入口1001〜1004)の位置情報を取得する(ステップS1204)。このあと、店舗の位置情報と、複数の連絡路の位置情報とに基づいて、複数の連絡路の中から、店舗までの距離が最も短い最短連絡路(出入口1001)を選出する(ステップS1205)。そして、駐車場A〜Cの位置情報と、最短連絡路の位置情報とに基づいて、駐車場A〜Cの中から最短連絡路に最も近い駐車場Aを選出する(ステップS1206)。
【0094】
このあと、選出した駐車場Aにおける駐車区域1111〜1116の混雑情報を取得する(ステップS1207)。そして、最短連絡路に近い駐車区域から順(駐車区域1111〜1116の順)に、駐車できる駐車区域を、優先度の高い優先区域として決定する(ステップS1208)。このあと、優先区域を目的地点に設定し、再探索をおこなう(ステップS1209)。
【0095】
そして、選出した駐車場に到着するまで(ステップS1210:No)、ステップS1207に移行し、選出した駐車場に到着すると(ステップS1210:Yes)、目的地点まで誘導する(ステップS1211)。そして、車両が駐車するまで(ステップS1212:No)、ステップS1211に移行し、車両が駐車すると(ステップS1212:Yes)、一連の処理を終了する。
【0096】
上述した説明では、最短連絡路に近い駐車区域から順に、駐車できる駐車区域を優先区域として決定するようにしたが、これに限られるものではなく、利用者の設定に応じて、たとえば、走行データを共有する他の移動体の走行履歴に基づいて、駐車履歴の回数の多い駐車区域ほど優先度の高い優先区域として決定してもよいし、また、空いている駐車スペースの多い駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定してもよい。
【0097】
(立体駐車場1300の駐車階数を駐車区域とした一例)
つぎに、図13を用いて、立体駐車場1300の駐車階数を駐車区域とした一例について説明する。図13は、立体駐車場1300の駐車階数を駐車区域とした一例を示す説明図である。
【0098】
図13において、複合施設1310には、立体駐車場1300が併設されている。複合施設1310および立体駐車場1300は、5階建てになっている。複合施設1310の各階には、立体駐車場1300の各階にそれぞれ連絡する図示外の連絡路が設けられている。複合施設1310には、複数の店舗があるものとする。なお、符号1320は、現在位置とする。
【0099】
立体駐車場1300の各階は、上述した駐車区域である。このような立体駐車場1300を備えた複合施設1310のうち、3階に存在する店舗が目的地に設定されているものとすると、上述した各フローチャートに示したように、立体駐車場1300の3階駐車場1301を優先区域として案内される。このように、複合施設などに入店している店舗が目的地に設定された場合、当該店舗に最も近い連絡路の近傍の駐車区域を案内することができる。また、利用者は、平面駐車場に比べて立体駐車場では、利用者自身で利便性の高い駐車区域(駐車階数)を判断することが難しいが、上述したように、ナビゲーション装置300によって駐車階数が優先区域として決定されることにより、利便性の高い駐車区域に簡単に到達できるとともに、駐車させることができる。
【0100】
(立体駐車場1300の3階駐車場1301における駐車区域の一例)
つぎに、図14を用いて、立体駐車場1300の3階駐車場1301における駐車区域の一例について説明する。図14は、立体駐車場1300における3階駐車場1301の駐車区域の一例を示す説明図である。図14では、図13に示したように、各階を駐車区域とするのではなく、各階の所定領域を駐車区域とした場合について説明する。
【0101】
立体駐車場1300の3階駐車場1301は、駐車スペース1401を所定の台数ごとに区画化した駐車区域1411〜1413がある。3階駐車場1301のうち、施設との連絡路に近い駐車区域1411〜1413の順に、駐車スペース1401に駐車できる駐車区域1411〜1413が、優先度の高い優先区域として決定される。
【0102】
このような立体駐車場1300を備えた複合施設1310のうち、3階に存在する店舗が目的地に設定されているものとすると、図12のフローチャートに示したように、混雑状態に応じて、3階駐車場1301の駐車区域1411が優先度の高い優先区域として案内される。また、駐車スペース1台ごとの空車状態の情報を取得できる場合には、符号1420に示すように、優先区域のうち連絡路に最も近い空車の駐車スペースに表示をおこなってもよい。
【0103】
なお、上述した説明では、複合施設1310の各階に、立体駐車場1300の各階とそれぞれ連絡する連絡路が設けられているものとして説明したが、たとえば、連絡路が1階にのみに設けられている場合には、1階の連絡路から近い駐車区域の順に優先して、優先区域を決定すればよい。また、連絡路が1階にのみ設けられている立体駐車場にエレベータが備えられている場合、たとえば、各階のエレベータや階段に近い駐車区域の順に、優先区域を決定してもよい。
【0104】
(地下駐車場1500における駐車区域の一例)
つぎに、図15を用いて、地下駐車場1500における駐車区域の一例について説明する。図15は、地下駐車場1500における駐車区域の一例を示す説明図である。
【0105】
図15に示す地下駐車場1500において、地下1階であるB1Fには、駐車スペース1501を所定の台数ごとに区画化した駐車区域1511〜1513がある。また、地下2階であるB2Fにも同様に、駐車スペース1501を所定の台数ごとに区画化した駐車区域1521〜1523がある。また、この地下駐車場1500には、地上に連絡する連絡路としてのエレベータ1530が備えられている。また、施設への連絡路は、地上1階に存在するものとする。
【0106】
このような地下駐車場1500が関連付けられた施設が目的地に設定されたとすると、図12のフローチャートに示したように、地下駐車場1500のB1Fまで案内される。そして、エレベータ1530に近い駐車区域1511〜1513、B2Fの1521〜1523の順に、優先度の高い優先区域として決定する。このように、駐車区域を各階の所定領域とすることによって、より詳細な優先区域を案内することができる。また、優先区域の決定については、このほかにも、たとえば、各階のエレベータ1530に近いという条件に基づいて、エレベータ1530に近い駐車区域を優先区域として決定してもよい。具体的な優先順位としては、B1Fのエレベータ1530に近い駐車区域1511の優先度を最も高くし、つぎに、B2Fのエレベータ1530に近い駐車区域1521とすればよい。
【0107】
以上説明したように、実施例2にかかるナビゲーション装置300は、連絡路に近い駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定し、当該優先区域への案内を、優先度の高い順におこなうようにした。このような構成によれば、利用者は、地物との連絡路に近い駐車区域に駐車することができる。したがって、たとえば、駐車場に早く到着したにもかかわらず、駐車位置から目的の地物までに移動する分の時間が無駄に発生するといったことを最小限に抑えることができる。
【0108】
また、実施例2において、駐車区域ごとの混雑情報に基づいて、連絡路に近い駐車区域から順に、駐車できる駐車区域を、優先度の高い優先区域として決定するようにした。このような構成によれば、利用者は、混雑状態に応じて連絡路に近い駐車区域に駐車することができる。したがって、駐車位置を探すための時間が無駄に発生するといったことを防止できる。
【0109】
また、実施例1および実施例2において、駐車区域の情報と、走行データを共有する他の移動体の走行履歴に基づく当該駐車場の駐車区域における駐車履歴と、設定される駐車履歴の回数に関する条件とに基づいて、駐車履歴の回数の多い駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定してもよい。このような構成によれば、たとえば、当該駐車場をよく利用する他の移動体の駐車履歴の統計を基に、優先区域を決定することができるので、利用者にとって利便性の高い駐車区域を優先区域とすることができる。
【0110】
また、実施例1および実施例2において、駐車区域の情報と、駐車区域ごとの空車状態を示す空車情報と、設定される空車状態に関する条件とに基づいて、空きのある駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定してもよい。このような構成によれば、初心者や、混雑していない駐車区域を所望する利用者に対して、当該駐車区域を優先区域として案内することができる。
【0111】
また、実施例1および実施例2において、駐車区域の情報として、優先区域における経路に関する情報を含む情報を取得するようにし、経路に関する情報に基づいて、優先区域までの経路を決定するようにした。このような構成によれば、優先区域を目的地として、当該目的地までの誘導をおこなうことができる。
【0112】
また、実施例1および実施例2において、目的地が設定された際に、目的地に予め関連付けられて設定される駐車場の中から優先区域を決定するようにした。このような構成によれば、施設などが目的地に設定された際に、当該施設に関連付けられた駐車場を目的地として探索できるとともに、当該駐車場の優先区域を決定することができる。
【0113】
また、実施例2において、複合施設内に複数の店舗が存在し、かつ、複合施設に予め関連付けられて設定される駐車場に連絡する複数の連絡路(出入口)が存在する際に、複数の店舗のうち一つが目的地に設定された場合、店舗の位置情報と、連絡路の位置情報とに基づいて、複数の連絡路の中から、最短連絡路を選出し、駐車場内のうち、最短連絡路に近い駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定するようにした。このような構成によれば、出入口が複数存在する場合であっても、利用者は、最短連絡路に近い駐車区域に駐車することができる。
【0114】
また、実施例2において、駐車場が複数存在する際に、店舗の位置情報と、複数の駐車場の位置情報と、複数の連絡路(出入口)の位置情報とに基づいて、複数の連絡路の中から、最短連絡路を選出するとともに、複数の駐車場の中から最短連絡路に近い駐車場を選出し、選出した駐車場内のうち、最短連絡路に近い駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定するようにした。このような構成によれば、駐車場が複数存在する場合であっても、利用者は、出入口に近い駐車場の駐車区域に駐車することができる。
【0115】
また、実施例2においては、駐車場を立体駐車場とし、駐車区域を立体駐車場の駐車階数とした場合について説明した。利用者は、平面駐車場に比べて立体駐車場では、利用者自身で利便性の高い駐車区域(駐車階数)を判断することが難しいが、上述したように、ナビゲーション装置300によって駐車階数が優先区域として決定されることにより、利便性の高い駐車階数に簡単に到達できるとともに駐車させることができる。また、駐車区域を各階の所定領域とした場合についても説明したが、このような方式とすることにより、より詳細な優先区域を案内することができる。
【実施例3】
【0116】
以下に、本発明の実施例3について説明する。実施例3では、通信ナビゲーションシステムを用いている。なお、実施例3は、実施例1および実施例2と同様の構成については、適宜その説明を省略する。
【0117】
(実施例3にかかる情報案内システムの機能的構成の概要)
図16を用いて、実施例3にかかる情報案内システム1600の機能的構成の概要について、説明する。図16は、実施例3にかかる情報案内システム1600の機能的構成の概要を示す説明図である。
【0118】
図16において、情報案内システム1600は、駐車場内の情報を配信する情報案内サーバ1610と、移動体に搭載されるナビゲーション端末1620とを備える。情報案内サーバ1610とナビゲーション端末1620とは通信接続されている。
【0119】
情報案内サーバ1610は、受信部1611と、取得部1612と、設定部1613と、決定部1614と、送信部1615と、探索部1616とを備えて構成される。受信部1611は、ナビゲーション端末1620から駐車場内の案内要求を受信する。取得部1612は、受信部1611が案内要求を受信した際に、当該駐車場内における駐車区域の情報をから取得する。
【0120】
設定部1613には、駐車場内にて優先して駐車させるための所定の条件が予め設定される。なお、所定の条件は、連絡路までの距離に関する条件である。決定部1614は、探索部1616に含まれ、取得部1612によって取得された駐車場内の駐車区域の情報と、設定部1613に設定される所定の条件とに基づいて、駐車場内にて優先して駐車する優先区域を決定する。具体的には、決定部1614は、移動体の現在位置から連絡まで最短の優先区域を決定する。
【0121】
また、探索部1616は、決定した優先区域までの経路を探索する。送信部1615は、決定部1614によって決定された優先区域の情報や、探索部1616によって探索された優先区域までの経路をナビゲーション端末1620に送信する。
【0122】
ナビゲーション端末1620は、受信部1621と、案内部1622とを備える。受信部1621は、情報案内サーバ1610から優先区域の情報を受信する。案内部1622は、受信部1621が受信した優先区域への案内をおこなう。案内部1622による案内は、音声およびディスプレイ312から表示される画面によっておこなわれる。
【0123】
(情報案内サーバ1610による優先区域の決定処理の一例)
つぎに、図17を用いて、情報案内サーバ1610による優先区域の決定処理の一例について説明する。図17は、情報案内サーバ1610による優先区域の決定処理の一例を示すフローチャートである。図17に示すフローチャートでは、実施例2と同様に、複数の駐車場および連絡路が存在する場合の決定処理について説明する。図17に示すフローチャートでは、実施例2と同様に、複合施設1000内の店舗a(以下、適宜、図10および図11参照)が目的地に設定され、経路案内の途中で、駐車区域の混雑情報を加味して優先区域を決定するようにした処理について説明する。
【0124】
図17のフローチャートにおいて、情報案内サーバ1610は、ナビゲーション端末1620から駐車場内の案内要求を受け付けるまで待機状態にあり(ステップS1701:Noのループ)、ナビゲーション端末1620から駐車場内の案内要求を受け付けると(ステップS1701:Yes)、店舗aの位置情報を取得する(ステップS1702)。そして、複合施設1000に関連付けられている駐車場A〜Cの位置情報を取得する(ステップS1703)。
【0125】
さらに、複合施設と駐車場A〜Cとを連絡する複数の連絡路(出入口1001〜1004)の位置情報を取得する(ステップS1704)。このあと、店舗の位置情報と、複数の連絡路の位置情報とに基づいて、複数の連絡路の中から、店舗までの距離が最も短い最短連絡路(出入口1001)を選出する(ステップS1705)。そして、駐車場A〜Cの位置情報と、最短連絡路の位置情報とに基づいて、駐車場A〜Cの中から最短連絡路に最も近い駐車場Aを選出する(ステップS1706)。
【0126】
このあと、選出した駐車場Aにおける駐車区域1111〜1116の混雑情報を取得する(ステップS1707)。そして、最短連絡路に近い駐車区域から順(駐車区域1111〜1116の順)に、駐車できる駐車区域を、優先度の高い優先区域として決定する(ステップS1708)。このあと、決定した優先区域までの経路探索をおこなう(ステップS1709)。そして、ナビゲーション端末1620に優先区域までの経路の情報を送信し(ステップS1710)、一連の処理を終了する。
【0127】
(ナビゲーション端末1620による優先区域までの案内処理の一例)
つぎに、図18を用いて、ナビゲーション端末1620による優先区域までの案内処理の一例について説明する。図18は、ナビゲーション端末1620による優先区域までの案内処理の一例を示すフローチャートである。
【0128】
図18のフローチャートにおいて、ナビゲーション端末1620は、目的地が設定されるまで待機状態にあり(ステップS1801:Noのループ)、目的地が設定されると(ステップS1801:Yes)、情報案内サーバ1610に、経路探索の要求をおこなう(ステップS1802)。そして、情報案内サーバ1610から、優先区域までの経路の情報を受信する(ステップS1803)。
【0129】
このあと、優先区域までの経路の情報を基に、経路の案内をおこなう(ステップS1804)。そして、当該優先区域の存在する駐車場に到着するまで(ステップS1805:No)、ステップS1802に移行し、当該駐車場に到着すると(ステップS1805:Yes)、目的地点まで誘導する(ステップS1806)。そして、車両が駐車するまで(ステップS1807:No)、ステップS1806に移行し、車両が駐車すると(ステップS1807:Yes)、一連の処理を終了する。
【0130】
以上説明したように、実施例3は、情報案内サーバ1610とナビゲーション端末1620とを備えた情報案内システム1600(通信ナビゲーションシステム)によって本発明を実現した。このような構成であっても、実施例1および実施例2と同様の効果を奏する。特に、実施例3にかかる情報案内システム1600によれば、ナビゲーション端末1620にて、駐車場情報、地図情報、渋滞情報などについて、最新且つリアルタイムの情報を得ることができる。
【0131】
以上説明したように、本発明の情報案内装置、情報案内システム、情報案内方法、情報案内プログラム、および記録媒体は、駐車場内の駐車区域の情報と、予め設定される所定の条件とに基づいて、優先区域を決定し、当該優先区域までの案内をおこなうようにした。このような構成によれば、駐車場内において駐車位置を案内することができる。したがって、利用者は、利用者自身で判断することなく、たとえば、出入口に最も近い駐車区域など、利便性のある駐車区域に移動体を駐車させることができる。
【0132】
また、立体駐車場や、利用者が初めて訪れる大型の駐車場であっても、利用者はどこに駐車すべきかがわかるので、利用者の不安を解消させることができる。さらに、利用者にとって行き慣れた駐車場であっても、利用者が所望する駐車位置が満車の場合には、他の駐車位置を案内することができるので、駐車位置を探すための時間が無駄に発生するといったことを防止できる。このように、本構成によれば、利用者にとって利便性のある駐車区域にスムースに到達することが可能になり、無駄な走行を避けることができるだけでなく、燃費の向上に貢献することができる。さらに、駐車区域を探すことに起因する周辺渋滞が減少することで、環境汚染を低減させることができる。
【0133】
なお、実施例1〜実施例3で説明した情報案内方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】実施の形態にかかる情報案内装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態にかかる情報案内装置の情報案内処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本実施例の駐車場情報DBに格納されるフォーマットの一例を示す説明図である。
【図5】本実施例にかかるナビゲーション装置が保存する駐車場情報のバッファ形式の一例を示す説明図である。
【図6】本実施例にかかるナビゲーション装置がおこなう優先区域の決定処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】目的施設が設定された際に優先区域を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】経路案内の途中で優先区域を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】目的施設に到着した際に優先区域を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】実施例2における複合施設に存在する複数の駐車場および連絡路の一例を示す説明図である。
【図11】駐車場Aの駐車区域の一例を示す説明図である。
【図12】複数の駐車場および連絡路が存在する場合の優先区域の決定処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】立体駐車場の駐車階数を駐車区域とした一例を示す説明図である。
【図14】立体駐車場における3階駐車場の駐車区域の一例を示す説明図である。
【図15】地下駐車場における駐車区域の一例を示す説明図である。
【図16】実施例3にかかる情報案内システムの機能的構成の概要を示す説明図である。
【図17】情報案内サーバによる優先区域の決定処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】ナビゲーション端末による優先区域までの案内処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0135】
100 情報案内装置
101 取得部
102 設定部
103 決定部
104 案内部
105 目的地設定部
300 ナビゲーション装置
410 駐車場情報
412 位置情報
500 駐車場情報
1000 複合施設
1001〜1004 出入口
1111〜1116 駐車区域
1300 立体駐車場
1310 複合施設
1411〜1413 駐車区域
1500 地下駐車場
1511〜1513 駐車区域
1521〜1523 駐車区域
1600 情報案内システム
1610 情報案内サーバ
1611 受信部
1612 取得部
1613 設定部
1614 決定部
1615 送信部
1616 探索部
1620 ナビゲーション端末
1621 受信部
1622 案内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載される情報案内装置において、
駐車場内における駐車区域の情報を取得する取得手段と、
駐車場内にて優先して駐車させるための所定の条件が予め設定される設定手段と、
前記取得手段によって取得された駐車場内の駐車区域の情報と、前記設定手段に設定される前記所定の条件とに基づいて、駐車場内にて優先して駐車する所定の駐車区域(以下、「優先区域」という)を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された前記優先区域への案内をおこなう案内手段と、
を備えることを特徴とする情報案内装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記駐車区域の情報と、当該駐車場から当該駐車場の近傍の地物に連絡する連絡路の位置情報とを取得し、
前記設定手段には、所定の条件として、距離に関する条件が予め設定され、
前記決定手段は、前記取得手段によって取得された前記駐車区域の情報と、前記連絡路の位置情報と、前記設定手段に設定される距離に関する条件とに基づいて、前記連絡路に近い駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定し、
前記案内手段は、前記決定手段によって決定された前記優先区域への案内を、優先度の高い順におこなうことを特徴とする請求項1に記載の情報案内装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記駐車区域に駐車できるか否かを示す混雑情報を取得し、
前記決定手段は、前記取得手段によって取得された前記混雑情報に基づいて、前記連絡路に近い駐車区域から順に、駐車できる駐車区域を、優先度の高い優先区域として決定することを特徴とする請求項2に記載の情報案内装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記駐車区域の情報と、走行データを共有する他の移動体の走行履歴に基づく当該駐車場の駐車区域における駐車履歴とを取得し、
前記設定手段には、所定の条件として、駐車履歴の回数に関する条件が予め設定され、
前記決定手段は、前記取得手段によって取得された前記駐車区域の情報と、前記他の移動体の駐車区域の駐車履歴と、前記設定手段に設定される前記駐車履歴の回数に関する条件とに基づいて、前記駐車履歴の回数の多い駐車区域ほど、優先度の高い優先区域として決定し、
前記案内手段は、前記決定手段によって決定された前記優先区域への案内を、優先度の高い順におこなうことを特徴とする請求項1に記載の情報案内装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記駐車区域の情報と、前記駐車区域ごとの空車状態を示す空車情報とを取得し、
前記設定手段には、所定の条件として、空車状態に関する条件が予め設定され、
前記決定手段は、前記取得手段によって取得された前記駐車区域の情報と、前記駐車区域ごとの前記空車情報と、前記設定手段に設定される空車状態に関する条件とに基づいて、空きのある駐車区域ほど、優先度の高い前記優先区域として決定し、
前記案内手段は、前記決定手段によって決定された前記優先区域への案内を、優先度の高い順におこなうことを特徴とする請求項1に記載の情報案内装置。
【請求項6】
前記取得手段は、前記駐車区域の情報として、駐車場内の経路に関する情報を含む情報を取得し、
前記決定手段は、前記優先区域を決定するとともに、前記取得手段によって取得された駐車場内の経路に関する情報に基づいて、前記優先区域までの経路を決定し、
前記案内手段は、前記決定手段によって決定された前記優先区域までの経路を案内することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の情報案内装置。
【請求項7】
目的地が設定される目的地設定手段と、
前記決定手段は、前記目的地設定手段に目的地が設定された際に、目的地の地物に予め関連付けられて設定される駐車場の中から前記優先区域を決定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の情報案内装置。
【請求項8】
前記地物内に複数の施設が存在し、かつ、前記地物に予め関連付けられて設定される駐車場に連絡する複数の連絡路が存在する際に、前記目的地設定手段に前記複数の施設のうち一つが設定された場合、
前記取得手段は、前記施設の位置情報と、前記複数の連絡路の位置情報と、を取得し、
前記決定手段は、前記取得手段によって取得された前記施設の位置情報と、前記連絡路の位置情報とに基づいて、前記複数の連絡路の中から、前記施設までの距離が最も短い連絡路(以下、「最短連絡路」という)を選出し、前記駐車場内のうち、前記最短連絡路に近い駐車区域ほど、優先度の高い前記優先区域として決定することを特徴とする請求項7に記載の情報案内装置。
【請求項9】
前記駐車場が複数存在する際に、
前記取得手段は、前記施設の位置情報と、複数の駐車場の位置情報と、前記複数の連絡路の位置情報とを取得し、
前記決定手段は、前記取得手段によって取得された前記施設の位置情報と、前記複数の駐車場の位置情報と、前記複数の連絡路の位置情報とに基づいて、前記複数の連絡路の中から、前記最短連絡路を選出するとともに、前記複数の駐車場の中から前記最短連絡路に近い駐車場を選出し、選出した前記駐車場内のうち、前記最短連絡路に近い駐車区域ほど、優先度の高い前記優先区域として決定することを特徴とする請求項8に記載の情報案内装置。
【請求項10】
前記駐車場は、立体駐車場であり、
前記駐車区域は、前記立体駐車場の駐車階数であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の情報案内装置。
【請求項11】
移動体に搭載されるナビゲーション装置と、駐車場内の情報を配信する情報案内サーバと、を備えた情報案内システムにおいて、
前記情報案内サーバは、
前記ナビゲーション装置から駐車場内の案内要求を受信する受信手段と、
前記受信手段が前記案内要求を受信した際に、当該駐車場内における駐車区域の情報を取得する取得手段と、
駐車場内にて優先して駐車させるための所定の条件が予め設定される設定手段と、
前記取得手段によって取得された駐車場内の駐車区域の情報と、前記設定手段に設定される前記所定の条件とに基づいて、駐車場内にて優先して駐車する所定の駐車区域(以下、「優先区域」という)を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された前記優先区域の情報を前記ナビゲーション装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記情報案内サーバから前記優先区域の情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記優先区域への案内をおこなう案内手段と、
を備えることを特徴とする情報案内システム。
【請求項12】
移動体に搭載される情報案内装置の情報案内方法において、
駐車場内における駐車区域の情報を取得する取得工程と、
駐車場内にて優先して駐車させるための所定の条件が予め設定される設定工程と、
前記取得工程によって取得された駐車場内の駐車区域の情報と、前記設定工程に設定される前記所定の条件とに基づいて、駐車場内にて優先して駐車する所定の駐車区域(以下、「優先区域」という)を決定する決定工程と、
前記決定工程によって決定された前記優先区域への案内をおこなう案内工程と、
を含むことを特徴とする情報案内方法。
【請求項13】
移動体に搭載されるナビゲーション装置と、駐車場内の情報を配信する情報案内サーバと、を備えた情報案内システムに用いられる情報案内方法において、
前記情報案内サーバにて、
前記ナビゲーション装置から駐車場内の案内要求を受信する受信工程と、
前記受信工程にて前記案内要求を受信した際に、当該駐車場内における駐車区域の情報を取得する取得工程と、
駐車場内にて優先して駐車させるための所定の条件が予め設定される設定工程と、
前記取得工程によって取得された駐車場内の駐車区域の情報と、前記設定工程に設定される前記所定の条件とに基づいて、駐車場内にて優先して駐車する所定の駐車区域(以下、「優先区域」という)を決定する決定工程と、
前記決定工程によって決定された前記優先区域の情報を前記ナビゲーション装置に送信する送信工程と、
を含み、
前記ナビゲーション装置にて、
前記情報案内サーバから前記優先区域の情報を受信する受信工程と、
前記受信工程にて受信した前記優先区域への案内をおこなう案内工程と、
を含むことを特徴とする情報案内方法。
【請求項14】
請求項12または13に記載の情報案内方法をコンピュータに実行させることを特徴とする情報案内プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載の情報案内プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−63504(P2009−63504A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−233192(P2007−233192)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】