説明

放射線撮像装置、放射線撮像システム、その制御方法、及び制御プログラム

【課題】 フレームレートを低下させることなくオフセット成分及びランダムノイズを低減することができる放射線撮像装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】 動画開始前では、ゲートG11にタイミングパルスを送り、読み出し用回路部107から出力されるオフセット成分出力をオフセットメモリ1に格納する。そして、爆射命令がなされると、その直後にX線の爆射が開始され、読み出し用回路部107から信号値出力を取得する。そして、ゲートG13にタイミングパルスを送り、得られた信号値を信号値メモリ3に格納する。次のフレームでは、ゲートG12にタイミングパルスを送り、読み出し用回路部107から出力されたオフセット成分出力をオフセットメモリ2に格納する。この際に、CPU4において、オフセットメモリ1とオフセットメモリ2との信号を加算し、信号値メモリの信号値を桁上げ(2倍)したものから減算する。この減算値を補正値とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用の診断や工業用の非破壊検査等に用いて好適な放射線撮像装置及びその制御方法に関する。なお、本発明においては、X線、γ線などの電磁波やα線、β線も放射線に含めるものとする。
【背景技術】
【0002】
近年、固体撮像素子にアモルファスシリコンなどの非単結晶薄膜半導体を用い、静止画像を撮影できる放射線撮像装置が実用化された。アモルファスシリコン薄膜半導体の作製技術を用い、人体胸部の大きさをカバーする40cm角を超える大面積化が実現されている。その作製プロセスが比較的容易であるため、将来的には安価な検出装置の提供が期待されている。しかもアモルファスシリコンは1mm以下の薄いガラスに作製可能であるため、ディテクタとしての厚さを非常に薄く作製できる長所がある。また、静止画及び動画の撮影を1つの装置で実施することが可能であるため、それらに専用の装置を総計で2つ準備する必要がない。
【0003】
このような放射線撮像装置は、X線などの放射線を電気信号に変換する複数の変換素子とスイッチ素子とがマトリクス状に配列された光電変換回路と、この光電変換回路からの電気信号を読み出すための読み出し用回路とを有している。ここで、変換素子は放射線を直接電気信号に変換する材料を用いて構成してもよいし、放射線を可視光に変換する波長変換体と変換された可視光を電気信号に変換する光電変換素子によって構成してもよい。
【0004】
アモルファスSiを用いた固体撮像素子を有する放射線撮像装置によって画像を撮影する際には、実際に読み出した画像には光電変換回路や読み出し回路で生成されるオフセットが含まれる。従って、この信号値に含まれるオフセット成分を除く必要がある。
【0005】
放射線の爆射により得た画像の信号値から、固定パターンノイズやダーク成分などのオフセット成分を含む暗出力像の信号値(暗信号値)を減算することによって、オフセット成分の補正を行うこと(以下、オフセット補正ともいう)が知られている。この減算によって得られた値を補正値とすると、補正値は、「補正値=信号値−オフセット成分」で求められる。なお、オフセット成分は、放射線の爆射を伴わずに変換回路からの信号読み出し(補正用読み取り動作)を行うことにより、得ることができる。
【0006】
例えば動画撮影では、放射線の爆射開始前に予めオフセット成分を取得し、メモリ等にその信号値を記憶しておく。そして、以後のフレームで得られる信号値をその記憶されたオフセット成分により減算することで補正値を取得する。ここでは、1回のオフセット成分取得の動作も信号値取得の動作同様に1フレームと数えることとする。
【0007】
従来の方法では、動画開始直後、即ち放射線の爆射命令直後に、先ず、オフセット成分の取得を行う。そして、取得されたオフセット成分をオフセットメモリに格納する。オフセット成分取得完了後、放射線の爆射を開始して信号値出力を取得する。そして、取得された信号値を信号値メモリに記憶する。その後、信号値メモリ中の信号値から予め取得してあるオフセット成分を減算回路にて減算することにより、補正値を得る。以降のフレームにおいても、同様に信号値を取得する。但し、この際には、前のフレームで使用した信号値メモリに信号を上書きしてかまわない。
【0008】
しかしながら、従来の方法では、放射線の爆射を伴う動画撮影において、正確なオフセット成分が得ることができず、実際に得られる補正値に誤差が生じるという課題がある。実際の動画撮影の信号値には、画像信号値出力成分及びオフセット成分の他に残像成分が含まれることが知られている。ここで、残像とはオフセット補正により信号値を補正しても、画像信号値出力成分以外に残ってしまう成分をいう。従って、信号値は、「信号値=画像信号値出力成分+オフセット成分+残像」で表される。これを書き換えると、「補正値=信号値−オフセット成分=画像信号値出力成分+残像」となる。このように、従来の技術では、補正値に残像が残っているため、動画画像が劣化してしまっているのである。
【0009】
従来のオフセット補正では、オフセット取得後に正の残像が発生すると補正値がその分だけ実際より多く出力されてしまう。即ち、従来の装置には、動画撮影において残像の影響を受け画質が劣化するという課題がある。
【0010】
また、通常の読み取り動作で得られる信号値に含まれるランダムノイズの標準偏差をσ、補正用読み取り動作で得られるオフセット成分に含まれるランダムノイズの標準偏差をσとすると、補正値に含まれるランダムノイズの標準偏差σは、数1で表される。
【0011】
【数1】

【0012】
そして、このオフセット成分に含まれるランダムノイズ分だけ、補正前に比べてランダムノイズが増加してしまう。
【0013】
なお、ランダムノイズを削減する技術は、例えば特許文献1においては、放射線曝射前の複数の暗出力の平均値、もしくは放射線曝射後の複数の暗出力の平均値を放射線曝射による画像信号から減算する補正方法が開示されている。
【特許文献1】特開2004−080749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、放射線曝射前の複数の暗出力の平均値を減算する方法では、オフセット成分の補正を行うことは可能であっても、放射線曝射によって発生するランダムノイズを補正することはできない。一方、放射線曝射後の複数の暗出力の平均値を減算する方法では、ランダムノイズを低減させることは可能であっても、複数の暗出力を読み出し、平均化し、といった工程を画像情報取得後に行うことになる。そのため、画像出力までの時間が遅延してしまう。このため、特に動画像取得の際には、画像出力の遅れが問題となってしまう。また、フレームレートも低下してしまう。また、特許文献1には、残像という概念がなく、ランダムノイズと同時に残像を十分補正することはできない。特に、アモルファス材料を光電変換層に用いた場合、アモルファス中のトラップ準位に光電変換によって生じたキャリアがトラップされるので、残像が多く発生する。
【0015】
本発明は、前記課題を鑑みてなされたものであり、フレームレートを低下させることなくオフセット成分及びランダムノイズを低減することができる放射線撮像装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
【0017】
本発明に係る放射線撮像装置は、放射線を電荷に変換する変換素子が2次元に複数配列された検出部と、前記検出部を駆動する駆動回路と、前記検出部からの前記電荷に基づく電気信号を読み出す読み出し回路と、放射線が照射された前記検出部を駆動して第1の信号値を読み取る第1の読み取り動作と、該第1の読み取り動作の前に放射線が照射されることなく前記検出部を駆動して第2の信号値を読み取る第2の読み取り動作と、前記第1の読み取り動作の後に放射線が照射されることなく前記検出部を駆動して第3の信号値を読み取る第3の読み取り動作と、を選択的に実行する制御部と、前記読み出し回路から出力された前記電気信号を処理する信号処理部と、を含み、前記信号処理部は、前記第2の信号値と前記第3の信号値とから得られた補正用の信号値を前記第1の信号値から減算する。
【0018】
本発明に係る放射線撮像システムは、上記放射線撮像装置と、放射線発生部と、を有し、前記制御部が前記放射線発生部及び前記放射線撮像装置の動作を制御することにより、被写体を透過した放射線画像を読み取ることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る放射線撮像装置の制御方法は、放射線が照射された検出部、ここで前記検出部は、2次元に複数配列された放射線を電荷に変換する変換素子を有する、を駆動回路が駆動して読み出し回路が前記検出部から第1の信号値を読み取る第1の読み取りステップと、該第1の読み取りステップの前に放射線が照射されることなく前記検出部を前記駆動回路が駆動して前記読み出し回路が前記検出部から第2の信号値を読み取る第2の読み取りステップと、前記第1の読み取りステップの後に放射線が照射されることなく前記検出部を前記駆動回路が駆動して前記読み出し回路が前記検出部から第3の信号値を読み取る第3の読み取りステップと、前記読み出し回路から出力された前記電気信号を処理する信号処理部が、前記第2の信号値と前記第3の信号値とから得られた補正用の信号値を、前記第1の信号値から減算するステップと、を有する。
【0020】
本発明に係るプログラムは、放射線を電荷に変換する変換素子が2次元に複数配列された検出部と、前記検出部を駆動する駆動回路と、前記検出部からの前記電荷に基づく電気信号を読み出すための読み出し回路と、前記読み出し回路から出力された前記電気信号を処理する信号処理部と、を備えた放射線撮像装置の動作をコンピュータに制御させるために記憶媒体に記憶されたプログラムであって、放射線が照射された前記検出部を前記駆動回路が駆動して前記読み出し回路が前記検出部から第1の信号値を読み取る第1の読み取り手順と、該第1の読み取り手順の前に放射線が照射されることなく前記検出部を前記駆動回路が駆動して前記読み出し回路が前記検出部から第2の信号値を読み取る第2の読み取り手順と、前記第1の読み取り手順の後に放射線が照射されることなく前記検出部を前記駆動回路が駆動して前記読み出し回路が前記検出部から第3の信号値を読み取る第3の読み取り手順と、をコンピュータに選択的に実行させ、前記信号処理部が前記第2の信号値と前記第3の信号値とから得られた補正用の信号値を前記第1の信号値から減算する手順をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第1の信号値を取得する前後の第2の信号値と第3の信号値とから得られた補正用の信号値を用いて第1の信号値の補正を行うため、残像を著しく低減することができる。また、この補正に伴うランダムノイズの増加も抑制されるため、画質及び信頼性が優れた放射線画像を取得することができる。更に、第1〜第3の信号値を取得するフレームレートを速くするほど残像を低減することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るX線撮像装置(放射線撮像装置)を示す図である。
【0023】
本実施形態に係る放射線撮像装置には、検出回路部101、駆動回路部103、X線源(放射線発生装置)109、読み出し回路部107、信号処理回路部108、及びX線源109の駆動制御を行う制御ユニット105が設けられている。また、この放射線撮像装置では、動画撮影モードと静止画撮影モードとを選択的に設定自在とされている。なお、この実施形態では、X線撮像装置について説明するが、本発明はこれに限定されることなく、α線、β線、γ線等も放射線の範疇に含まれる。
【0024】
検出回路部101、駆動回路部103及び読み出し回路部107を含むフラットパネルディテクタの回路構成を図2に示す。なお、図2では、便宜上変換素子を3×3画素分のみ記載しているが、検出回路部101には、例えば2000×2000程度の変換素子が配列される。
【0025】
図2において、S1−1〜S3−3は変換素子を構成する光電変換素子、T1−1〜T3−3はスイッチ素子(TFT:Thin Film Transistor)である。1つの画素は、光電変換素子S1−1とスイッチ素子T1−1を有している。また放射線を光電変換素子S1−1〜S3−3が感知可能な波長に変換する波長変換体(不図示)が光電変換素子S1−1〜S3−3の入射面上に配置されている。変換素子はこの波長変換体と光電変換素子S1−1〜S3−3を含んでいる。G1〜G3はスイッチ素子をオンまたはオフさせるためのゲート配線、M1〜M3は信号配線、Vs線は光電変換素子に蓄積バイアスを与えるための配線である。本実施形態では、光電変換素子S1−1〜S3−3、スイッチ素子T1−1〜T3−3、駆動配線G1〜G3、信号配線M1〜M3及びVs線が検出回路部101に含まれている。Vs線は、電源Vsによりバイアスされる。103は駆動配線G1〜G3に駆動用のパルス電圧を与える駆動回路部であり、スイッチ素子のオンまたはオフを切り替える電圧Vgは駆動回路部103の外部から供給される。
【0026】
読み出し回路部107は、検出回路部101内の信号配線M1〜M3の並列信号出力を増幅し、直列変換して出力する。RES1〜RES3は信号配線M1〜M3をリセットするスイッチ、A1〜A3は信号配線M1〜M3の信号を増幅するアンプである。CL1〜CL3はアンプA1〜A3により増幅された信号を一時的に記憶するサンプルホールド容量、Sn1〜Sn3はサンプルホールドするためのスイッチ、B1〜B3はバッファアンプである。Sr1〜Sr3は並列信号を直列変換するためのスイッチ、SR2はスイッチSr1〜Sr3に直列変換するためのパルスを与えるシフトレジスタである。104は直列変換された信号を出力するバッファアンプである。
【0027】
本実施形態の放射線撮像装置の動作について説明する。図3は、図2に示す本実施形態の放射線撮像装置の動作を示すタイムチャートである。
【0028】
先ず、変換期間(放射線照射期間)について説明する。スイッチ素子T1−1〜T3−3の全てがオフとなっている状態において、放射線源109をパルス的にオンさせる。すると夫々の光電変換素子S1−1〜S3−3に波長変換体(不図示)から放射線量に応じた光が照射される。光電変換素子S1−1〜S3−3で光の量に対応した電荷が変換され、変換された電荷は素子容量に蓄積される。波長変換体を用いていれば、放射線の量に対応した可視光を光電変換素子側に導光するような部材を用いるか、又は蛍光体を光電変換素子の極近傍に配置すればよい。なお、放射線源が放射を終了した後でも素子容量に光電変換された電荷は保持される。
【0029】
次に、読み出し期間について説明する。読み出し動作は、S1−1〜S1−3の1行目、次にS2−1〜S2−3の2行目、次にS3−1〜S3−3の3行目の順で行われる。先ず、1行目の光電変換素子S1−1〜S1−3を読み出しするために、1行目のスイッチ素子(TFT)T1−1〜T1−3に接続される駆動配線G1にシフトレジスタSR1からゲートパルスを与える。これにより、1行目のスイッチ素子T1−1〜T1−3がオン状態になり、1行目の光電変換素子S1−1〜S1−3の電荷が、信号配線M1〜M3に転送される。M1〜M3の信号配線には、読み出し容量CM1〜CM3が付加されており、電荷はスイッチ素子を介し、読み出し容量CM1〜CM3に転送されることになる。例えば、信号配線M1の付加されている読み出し容量CM1は、M1に接続されているスイッチ素子T1−1〜T3−1のゲート−ソース間の電極間容量(Cgs)の総和(3個分)である。信号配線M1〜M3に転送された電荷は、アンプA1〜A3で増幅される。そして、容量CL1〜CL3に転送され、SMPL信号をオフするとともにホールドされる。
【0030】
次に、シフトレジスタSR2からスイッチSr1、Sr2、Sr3の順番で、パルスを印加することにより、容量CL1〜CL3にホールドされていた信号が、CL1、CL2、CL3の順でアンプ104から出力される。バッファアンプB1、B2、B3のアナログ信号出力がアンプ104から出力される。このことから、シフトレジスタSR2とスイッチSr1〜Sr3とを含めてアナログマルチプレクサと称する。結果として、1行分の光電変換素子S1−1、S1−2、S1−3の電荷に応じた信号がアナログマルチプレクサにより順次出力されることになる。2行目の光電変換素子S2−1〜S2−3の読み出し動作、3行目の光電変換素子S3−1〜S3−3の読み出し動作も同様に行われる。
【0031】
1行目のSMPL信号により信号配線M1〜M3の信号をCL1〜CL3にサンプルホールドすれば、M1〜M3をCRES信号によりGND電位にリセットし、その後にG2のゲートパルスを印加することができる。即ち、1行目光電変換素子S1−1〜S3−3からの信号を直列変換動作をする間に、同時に2行目の光電変換素子S2−1〜S2−3の電荷を信号配線M1〜M3に転送することができる。
【0032】
以上の動作により、第1行から第3行全ての光電変換素子で発生した放射線に応じた電荷を出力することができる。そして、このような動作を繰り返し行うことにより、動画の撮影が可能となる。
【0033】
ここで、検出回路部101に含まれるMIS型光電変換素子とスイッチ素子(薄膜トランジスタ:TFT)の断面構造について説明する。図4は、MIS型光電変換素子及び薄膜トランジスタの構造を示す断面図である。MIS型光電変換素子121及びTFT120は、アモルファスSiを主材料として構成されている。光電変換素子121を構成する部分では、絶縁性基板100上に、光電変換素子アノード側電極115、SiNからなる絶縁層114、i型(真性)アモルファスSiからなる半導体層113、n型アモルファスSiからなるホールブロッキング層として機能する不純物半導体層112及び光電変換素子カソード側電極111が順に形成されている。一方、薄膜トランジスタ(TFT)120を構成する部分では、基板100上に、TFTゲート電極119、SiNからなるゲート絶縁層118、i型アモルファスSiからなる半導体層117、n型アモルファスSiからなるオーミックコンタクト層として機能する不純物半導体層112及びソース・ドレイン電極116が順に形成されている。ここで光電変換素子121は図2の光電変換素子S1−1〜S3−3に相当し、薄膜トランジスタ120は図2のスイッチ素子T1−1〜T3−3に相当する。そして、光電変換素子121及びTFT120を覆う絶縁層122が形成され、この上にX線などの放射線を可視光に変換する波長変換体(シンチレータ)110が形成されている。波長変換体は110、例えば、Gb、GbS及びCsIのうちから選ばれた1種を母体材料として構成されている。
【0034】
このような変換素子の構造では、波長変換体110によりX線などの放射線が可視光線に変換され、この可視光線が光電変換素子121により電荷に変換される。なお、変換素子として波長変換体を介さずに、光電変換素子121が放射線を吸収して直接的に電気信号に変換する機能を有するように構成してもよい。この場合、その半導体層の材料として、例えば、アモルファスセレン、ヒ素化ガリウム、ヨウ化水銀、ヨウ化鉛から選ばれた1種を使用することができる。また、光電変換素子121をPIN型光電変換素子としてもよい。
【0035】
次に、信号処理回路部108について説明する。図5は、信号処理回路部108の構成を示すブロック図である。この信号処理回路部108には、読み出し用回路部107からのアナログ出力をディジタル変換するADコンバータ(ADC)7、2回分のオフセット成分(暗出力像)を格納する2つのオフセットメモリ1及び2が設けられている。また、放射線が照射された後の読み出し動作による信号値を格納する信号値メモリ3も設けられている。また、信号処理回路部108の全体を統括制御し、オフセットメモリ1及び2並びに信号値メモリ3に記憶されたデータに後述するような信号処理を施すCPU(中央演算処理装置)4が設けられている。更に、CPU4からのタイミングパルスが入力されるシフトレジスタ5、CPU4からのタイミングパルス及びシフトレジスタ5からの出力が入力される演算増幅器8並びに演算増幅器8からの出力が入力されるシフトレジスタ6が設けられている。
【0036】
次に、本実施形態における読み取り動作(駆動方法)について説明する。図6は、読み取り動作を示すタイミングチャートである。ここでは、フレームNo.(フレーム数)が30であり、オフセット成分(FPN)取得と信号値取得とを交互に行う例を示す。紙面右側に向かう方向が時間の経過を意味する。このタイミングチャートでは、放射線照射期間を「X」で表し、読み出し期間を「H」で表している。即ち、「H」は、信号値の読み取り動作の期間であり、本読み期間又は本読み動作と称す。「W」はX線照射期間「X」と同じタイムスケールであるが、このタイミングではX線の照射を行わない。「W」は言わば光電変換素子のダークを蓄積している期間であり、ウェイト期間と称する。「K」及び「F」はそのウェイト期間の後の読み出し動作を示しており、検出回路部101の動作は読み出し期間「H」と何ら違いはない。「K」及び「F」は、互いに全く同じ読み出し動作であるが、その違いは、読み出し動作によって得られた信号を、放射線像を取得する情報として使用するか否かである。「K」は空読み(カラヨミ)期間又は空読み動作と称し、「F」はオフセット成分(FPN)読み取り期間又はオフセット成分(FPN)読み取り動作と称する。放射線像を取得する情報としては「F」が採用される。
【0037】
図6では、放射線爆射による信号値の取得と、オフセット成分の取得を交互に行っている。先ず、放射線撮像装置は、「W」と「K」とを交互に動作させる。この時、実際の撮影現場では、例えば、X線技師(撮影者)は、検出回路部101の受光面上で、患者(被撮影者)の撮影部位の位置合わせを行う。X線技師(撮影者)は、患者の位置合わせが終了し撮影の準備が整ったならば、装置の曝射命令を発する。曝射命令を受けた放射線撮像装置は、その時点のウェイト動作「W」と空読み動作「K」(便宜上「K」と書くが実際には「F」である。)を行い、その後「X」、「H」、「W」、「F」、「X」、・・・と交互に信号値及びオフセット成分の取得を行っていく。
【0038】
次に、信号処理回路部108の動作について説明する。図7は、信号処理回路部108の動作を示すフローチャートである。図7の横軸は動画撮影のフレーム数を表しており、縦軸はフレーム毎の読み出し回路部107からの出力及び信号処理回路部108中での処理動作を表している。
【0039】
先ず、動画開始前(図6において「K」を行っているフレーム)では、シフトレジスタ5及び6を用いてゲートG11にタイミングパルスを送り、読み出し回路部107から信号処理回路部108に出力されるオフセット成分出力をオフセットメモリ1に格納する。そして、爆射命令が出るまで、オフセットメモリ1に読み出し回路部107から出力されるオフセット成分出力を上書きし続ける。爆射命令がなされると、その直後にX線の爆射が開始され、読み出し回路部107から信号値出力を取得する。
【0040】
そして、シフトレジスタ5を用いてゲートG13にタイミングパルスを送り、得られた信号値を信号値メモリ3に格納する。次のフレームでは、前記同様にオフセット成分取得後にシフトレジスタ5及び6を用いてゲートG12にタイミングパルスを送り、読み出し回路部107から出力されたオフセット成分出力をオフセットメモリ2に格納する。この際に、CPU4において、オフセットメモリ1とオフセットメモリ2との信号を0.5で重み付けして加算することによって補正用の信号値を取得し、この補正用の信号値を信号値メモリの信号値から減算する。ここで、上記の単純な平均化処理を行う場合は、オフセットメモリ1とオフセットメモリ2との信号を加算し、信号値メモリの信号値を桁上げ(2倍)したものから減算処理するだけなのでCPU4への負荷が少ない。また、重み付けの重みに関して、オフセットメモリ1とオフセットメモリ2との信号を撮影のフレームレートに応じて重み付けを変えて加算する方法と、オフセットメモリ1とオフセットメモリ2との信号をフレームレートによらず一定の重み付けで加算する方法を選択できる。
【0041】
この減算値を補正値とする。そして、以後同様の手順で補正値を得る。
【0042】
この補正法をX線画像の信号を取得する前後のオフセット成分を用いた補正であるので前後オフセット補正と称する。
【0043】
なお、上述のように、これらの信号処理が行われている間の検出回路部101、駆動回路部(シフトレジスタ)103及び読み出し回路部107での信号処理は、図2及び図3に示す信号処理と同様である。
【0044】
本実施形態によれば、従来の放射線撮像装置と比較して残像を著しく低減することができる。即ち、従来の放射線撮像装置では、矩形の光信号(X線信号)を受光した際は、矩形波入力直前及び直後に大きな残像が生じる。これに対し、本実施形態のように図7に示す信号処理を実施して、矩形の光信号を受光した場合には、図8A及び図8Bに示すように、残像が低減される。なお、図8Aには、矩形の光照射があった際の信号値、前後オフセット補正量、補正値及び残像についてフレーム数毎の信号値を表している。また、比較のために、図9に従来の放射線撮像装置において矩形の光照射があった際の信号値、オフセット成分補正量、補正値及び残像についてフレーム数毎の信号値を示す。
【0045】
特に、図8A及び図8Bにおいて、光照射(放射線照射)終了直後の残像について注目すると、従来の方法では予め取得したオフセット成分(FPN)を主とするオフセット成分出力で補正する。それに対し、本実施形態では、前後オフセット補正量として、放射線(X線)画像情報を有する信号値の直前及び直後に取得したオフセット成分出力を用いて補正用の信号値を取得し、それを用いて補正している。このため、放射線(光照射)終了後に放射線(光)入力がないにも拘わらず発生する残像成分を含む信号値を感知して正確に補正することができ、残像を著しく低減することができる。
【0046】
更に、図10A及び図10Bに示すように、動画撮影時のフレームレートが速ければ速いほど、残像が低減される。図10A及び図10Bでは、図8A及び図8Bと同様に、放射線(光)照射終了後に光入力がないにも拘わらず発生する残像成分を含む信号値に着目している。ここで図10A及び図10Bでは、撮影直前に取得したオフセット成分と撮影直後に取得したオフセット成分を1:1(0.5:0.5)で重み付け(平均化)して加算し、信号値から減算している。
【0047】
ここで、フレームレートA(図10A)はフレームレートB(図10B)の2倍のフレームレートであり、フレームレートが速いフレームレートAで発生する残像は、フレームレートBに比べ少ないことがわかる。フレームレートが速くなると、残像成分を含む信号値が時間を追って変化するために、より短い時間内でオフセット成分出力の取得及び信号値の取得が行われ、短時間内で補正値が取得される。このことが残像の減少につながっているのである。従って、本実施形態で採用している補正方法(前後オフセット補正法)は、フレームレートを上げることで更に残像を削減することができるといえる。また、最適な重み付けを行うことによって、更に残像を削減できる。図10Cでは、フレームレートは、図10Aと同じであるが、撮影直前に取得したオフセット成分と撮影直後に取得したオフセット成分を3:7(0.3:0.7)で重み付けして加算して補正用の信号値を取得し、信号値から減算している。これにより図10Aに比べ、残像を更に削減できている。
【0048】
本実施形態によって得る補正値に含まれるランダムノイズについて説明する。通常の読み取り動作で得られる信号値に含まれるランダムノイズの標準偏差をσ、補正用読み取り動作で得られるオフセット成分出力に含まれるランダムノイズの標準偏差をσ2、撮影直前に取得したオフセット成分の重みをa、撮影直後に取得したオフセット成分の重みをbとすると、本実施形態による前後オフセット補正値に含まれるランダムノイズの標準偏差σは、数2で表される。
【0049】
【数2】

【0050】
特に、撮影直前に取得したオフセット成分と撮影直後に取得したオフセット成分を1:1(0.5:0.5)で重み付けして加算している場合は、数3で表される。
【0051】
【数3】

【0052】
従って、本実施形態によればランダムノイズを削減することもできる。
【0053】
次に、本発明の実施形態に係る放射線撮像装置の放射線撮像システムへの応用例について説明する。図11は、放射線撮像システムの構成を示す模式図である。
【0054】
X線チューブ6050(X線源109)で発生したX線6060は患者又は被験者6061の胸部6062を透過し、本発明の実施形態に係る放射線撮像装置を内部に備えたイメージセンサ6040に入射する。イメージセンサ40に、上述の実施形態における検出回路部101、駆動回路部103、読み出し回路部107及び信号処理回路部108が含まれている。この入射したX線には患者6061の体の内部の情報が含まれている。X線の入射に対応してシンチレータ(蛍光体)は発光し、これを検出回路部101の光電変換素子が光電変換して、電気的情報を得る。イメージセンサ6040は、この情報を電気信号(デジタル信号)としてイメージプロセッサ6070に出力する。画像処理手段としてのイメージプロセッサ6070は、受信した信号に対して画像処理を施して、制御室の表示手段であるディスプレイ6080に出力する。ユーザは、ディスプレイ6080に表示された画像を観察して、患者6061の体の内部の情報を得ることができる。なお、イメージプロセッサ6070は、制御手段の機能も有しており、動画/静止画の撮影モードを切り換えたり、X線チューブ(放射線発生装置)6050の制御を行ったりすることも可能である。即ち、イメージプロセッサ6070は、上述の実施形態における制御ユニット105としても機能する。
【0055】
また、イメージプロセッサ6070は、イメージセンサ6040から出力された電気信号を電話回線6090等の伝送処理手段を介して遠隔地へ転送し、ドクタールーム等の別の場所にある表示手段(ディスプレイ)6081に表示することもできる。また、イメージセンサ6040から出力された電気信号を光ディスク等の記録手段に保存し、この記録手段を用いて遠隔地の医師が診断することも可能である。また、記録手段となるフィルムプロセッサ6100によりフィルム6110に記録することもできる。
【0056】
なお、本発明の光電変換素子の構造は、特に限定されるものではない。例えば、アモルファスシリコンを主原料とし、放射線を可視光に変換する波長変換体からの可視光を吸収し電気信号に変換する光電変換素子が用いられてもよい。このような素子としては、例えば、アクセプタ不純物をドープしたP層と、真性半導体層であるI層と、ドナー不純物をドープしたN層と、を有するPIN型の光電変換素子があげられる。また、基板上に形成された金属薄膜層と、この金属薄膜層上に形成され、電子及び正孔の通過を阻止するアモルファス窒化シリコンからなる絶縁層と、この絶縁層上に形成された水素化アモルファスシリコンからなる半導体層と、この半導体層上に形成され、正孔の注入を阻止するN型の不純物半導体層と、この不純物半導体層上に形成された導電層と、を有するMIS型の光電変換素子等が挙げられる。MIS型の光電変換素子では、導電層は透明導電層であってもよく、また、導電層が注入阻止層上の一部に形成されていてもよい。変換素子として、これらの光電変換素子が用いられ、波長変換体が必要とされる場合、波長変換体としては、例えばGdS、Gd又はCsIを主成分とする蛍光体を用いることができる。更に、変換素子として、波長変換体を用いず半導体層の材料としてアモルファスセレン、ガリウム砒素、ヨウ化鉛又はヨウ化水銀を含有し、照射された放射線を吸収し直接電気信号に変換する素子を用いてもよい。
【0057】
また、読み出し回路部107の構造も特に限定されるものではなく、例えば、検出回路部101から読み出した信号を増幅する増幅手段と、この増幅手段により増幅された信号を蓄積する蓄積手段と、この蓄積手段により蓄積された信号をシリアル変換するシリアル変換手段と、を有するものを用いることができる。
【0058】
なお、本発明の実施形態は、例えばコンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、医療用の診断や工業用の非破壊検査等に用いて好適な放射線撮像装置に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る放射線撮像装置を示す概略図である。
【図2】本発明の放射線撮像装置に含まれるフラットパネルディテクタを示す概略的回路図である。
【図3】本発明に係る放射線撮像装置に含まれるフラットパネルディテクタの動作を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明に係る放射線撮像装置の1画素の断面図である。
【図5】本発明に係る放射線撮像装置の信号処理回路部の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明に係る放射線撮像装置の読み取り動作を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明に係る放射線撮像装置の信号処理回路部の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る放射線撮像装置に対して矩形の放射線(光)照射があった際の信号値、オフセット補正量、補正値及び残像についてフレーム数毎に示す図である。
【図9】従来の放射線撮像装置に対して矩形の放射線(光)照射があった際の信号値、オフセット補正量、補正値及び残像についてフレーム数毎に示す図である。
【図10】本発明に係る放射線撮像装置において、残像の大きさを示すグラフである。
【図11】本発明の放射線撮像装置を用いた放射線撮像システムの構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0061】
1、2 オフセットメモリ
3 信号値メモリ
4 CPU
5、6 シフトレジスタ
7 ADコンバータ
8 演算増幅器
101 光電変換回路部
103 駆動回路部
105 制御ユニット
107 読み出し用回路部
108 信号処理回路部
109 X線源
S1−1〜S3−3 光電変換素子
T1−1〜T3−3 スイッチング素子
G1〜G3 ゲート駆動配線
M1〜M3 マトリクス信号配線
Vs 光電変換素子のバイアス線
CM1〜CM3 読み出し容量
RES1〜RES3 スイッチ
A1〜A3、B1〜B3、104 アンプ
Sn1〜Sn3 転送スイッチ
Sr1〜Sr3 読み出し用スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を電荷に変換する変換素子が2次元に複数配列された検出部と、
前記検出部を駆動する駆動回路と、
前記検出部からの前記電荷に基づく電気信号を読み出す読み出し回路と、
放射線が照射された前記検出部を駆動して第1の信号値を読み取る第1の読み取り動作と、該第1の読み取り動作の前に放射線が照射されることなく前記検出部を駆動して第2の信号値を読み取る第2の読み取り動作と、前記第1の読み取り動作の後に放射線が照射されることなく前記検出部を駆動して第3の信号値を読み取る第3の読み取り動作と、を選択的に実行する制御部と、
前記読み出し回路から出力された前記電気信号を処理する信号処理部と、を含み、
前記信号処理部は、前記第2の信号値と前記第3の信号値とから得られた補正用の信号値を前記第1の信号値から減算することを特徴とする放射線撮像装置。
【請求項2】
前記信号処理部は、前記第2の信号値と前記第3の信号値とを重み付けして加算する処理をして得られた前記補正用の信号値を前記第1の信号値から減算することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
【請求項3】
前記信号処理部は、前記第2の信号値と前記第3の信号値とを平均化処理をして得られた前記補正用の信号値を前記第1の信号値から減算することを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線撮像装置。
【請求項4】
前記信号処理部は、前記第1の信号値を記憶する第1の記憶手段と、前記第2の信号値を記憶する第2の記憶手段と、前記第3の信号値を記憶する第3の記憶手段と、前記補正用の信号値を記憶する第4の記憶手段を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項5】
前記変換素子は、放射線を光に変換する波長変換体と、該光を前記電荷に変換する光電変換素子と、を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項6】
前記波長変換体は、Gd、GdS及びCsIのうちから選ばれた1種を母体材料として含む請求項5に記載の放射線撮像装置。
【請求項7】
前記光電変換素子は、絶縁基板上に設けられたアモルファスシリコンを主材料とする半導体層を有する請求項5又は6に記載の放射線撮像装置。
【請求項8】
検出部は、前記変換素子と、前記変換素子に応じたスイッチ素子と、を含む画素が2次元に複数配列される請求項1から7のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の放射線撮像装置と、放射線発生手段と、を含み、前記制御手段が前記放射線発生手段及び前記放射線撮像装置の動作を制御することにより、被写体を透過した放射線画像を読み取る放射線撮像システム。
【請求項10】
放射線撮像装置の動作を制御する制御方法であって、
2次元に複数配列された放射線を電荷に変換する変換素子を有し、放射線が照射された検出部を駆動回路が駆動して読み出し回路が前記検出部から第1の信号値を読み取る第1の読み取りと、
該第1の読み取り工程の前に放射線が照射されることなく前記検出部を前記駆動回路が駆動して前記読み出し回路が前記検出部から第2の信号値を読み取る第2の読み取りと、
前記第1の読み取り後に放射線が照射されることなく前記検出部を前記駆動回路が駆動して前記読み出し回路が前記検出部から第3の信号値を読み取る第3の読み取りと、
前記読み出し回路から出力された前記電気信号を処理する信号処理部が、前記第2の信号値と前記第3の信号値とから得られた補正用の信号値を、前記第1の信号値から減算する制御方法。
【請求項11】
放射線を電荷に変換する変換素子が2次元に複数配列された検出部と、前記検出部を駆動する駆動回路と、前記検出部からの前記電荷に基づく電気信号を読み出すための読み出し回路と、前記読み出し回路から出力された前記電気信号を処理する信号処理部と、を備えた放射線撮像装置の動作をコンピュータに制御させるために記憶媒体に記憶されたプログラムであって、
放射線が照射された前記検出部を前記駆動回路が駆動して前記読み出し回路が前記検出部から第1の信号値を読み取る第1の読み取り手順と、該第1の読み取り手順の前に放射線が照射されることなく前記検出部を前記駆動回路が駆動して前記読み出し回路が前記検出部から第2の信号値を読み取る第2の読み取り手順と、前記第1の読み取り手順の後に放射線が照射されることなく前記検出部を前記駆動回路が駆動して前記読み出し回路が前記検出部から第3の信号値を読み取る第3の読み取り手順と、をコンピュータに選択的に実行させ、
前記信号処理部が前記第2の信号値と前記第3の信号値とから得られた補正用の信号値を前記第1の信号値から減算する手順をコンピュータに実行させる。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−75598(P2007−75598A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−215855(P2006−215855)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】