説明

有機化合物

シトクロムP450 2A6、2A13および/または2B6を阻害する能力を有する化合物、ならびにそれらを含むたばこ製品を開示する。また、それらを含む医薬組成物を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シトクロムP450 2A6、2A13および/または2B6を阻害する方法において有用な化合物ならびにそれらを含む製品に関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野より、シトクロムP450酵素CYP2A6/2A13およびCYP2B6が、ニコチンが存在する対象においてニコチン代謝を減少させ、それによりニコチン血中濃度を増大させ、対象が摂取するニコチンの量を減少させやすくなることが知られる。シトクロムP450酵素CYP2AおよびCYP2B6の阻害が、例えばCYP2Aによって活性化されて変異原となる前駆型変異原を含む他の生成物質の代謝作用を減少させるために有用であることもまた知られる。例えば、CYP2Aの阻害は、発ガン性のたばこ特異的な前駆型変異原である4−(メチルニトロソアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノン(NNK)の変異原性の活性化を防ぎ、それによりガンを発症するリスクを低下させるために有用である。NNKは、ニトロ化によるタバコ植物の加工および乾燥(curing)の間に形成され、また、ニコチンは内生的にもNNKに変換される可能性があると考えられている。それは、たばこ中にも、たばこ煙の主流煙および副流煙中のいずれにも存在する。NNKは、シトクロムP450活性により触媒されるα−ヒドロキシル化によって代謝的に活性化される前発ガン性物質であり、結果として生じる反応性求電子性代謝物は、最終的にDNAをアルキル化する。
【0003】
CYP2A13は、ヒトCYP2Aファミリーの3つのメンバーのうちの1つである。他の2つは、CYP2A6およびCYP2A7である。CYP2A6は、主要なヒト肝臓代謝酵素であると考えられており、これはまたクマリンをヒドロキシル化し、ニコチンをコチニンへ代謝するが、一方で、CYP2A7については、触媒活性は現在のところ未知であり、偽遺伝子であると考えられている。CYP2A6はまたヒトの気道においても検出されるが、CYP2A13は、ヒトの鼻および気道におけるドミナントに発現するアイソフォームであり、しかしながら、他のP450酵素もまた代謝に寄与する。特にCYP2A6およびCYP2B6は、低分子基質を代謝する傾向がある。CYP2B6はまた、NNKなどのたばこ特異的なニトロソアミンを代謝的に活性化するCYP2A13に次いで、2番目に重要な触媒として特定されてきた。
【発明の概要】
【0004】
驚くべきことに、CYP2A6およびCYP2A13などのCYP2AならびにCYP2B6の酵素活性を阻害することができ、それによりたばこの煙と共に吸入した場合に気道もおけるNNK代謝を減少または阻害するために、たばこ製品と組合せるのに極めて好適なものとなり得る、新規のクラスの化合物を見出した。
【0005】
したがって、本発明は、その一側面において、シガレット、噛みたばこ、嗅ぎたばこ、パイプたばこおよびシガーなどのたばこ製品に関し、式(I)の化合物を含み、
【化1】

式中、nは0から12までの整数、例えば、3、4、5、6、8または9であり;
破線は、独立して、結合または非結合を表し;
【0006】
R’はH、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、−CH−C(O)−(C〜C10)アルキルまたは−(CH−COO−(C〜C10)アルキルであって、ここでkは0または1であり;および
R’’はH、C〜C10アルキルである;または
R’およびR’’は一緒になって二価の基−(CH−を表し、式中「a」は1〜5(例えば、2、3または4)であり、それらが結合した炭素原子と一緒になってシクロアルキル(例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロヘキサン、シクロペンタン)を形成し、随意にC〜Cアルキル、例えばメチルおよびエチル、またはC〜Cアルコキシ、例えばエトキシ、で置換され;
【0007】
I)−X−Y−は、
【化2】

から選択される二価の基を表し;
II)Yはカルボニルであり、および
Xは、O、NH、CHR、CRであって、ここでRは、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたは−COO−R11であって、ここでR11は、C〜C10アルキルまたはC〜C10アルケニルであり、またはXはNRであって、ここでRはC〜C10アルキルまたはC〜C10アルケニルである;
【0008】
あるいは、
III)Yは−CR=であって、ここでRは、H、C〜C10アルキル(直鎖または分岐鎖)、C〜C10アルケニル(直鎖または分岐鎖)またはシクロアルキルアルキル(例えばシクロペンチルメチル)であり;および
Xは、O、NまたはNRであって、ここでRは、H、C〜C10ヒドロキシアルキル、C〜C10シアノアルキル、C〜C10アルキル(直鎖または分岐鎖)、C〜C10アルケニル(直鎖または分岐鎖)、C〜C10アルキニル、−(CH−COO−R12であって、ここでmは、1、2、3、4または5であり、R12は、HまたはC〜C10アルキルである;
【0009】
ならびに
i)破線V−−−Wが結合を表す場合;
Vは、O、N、−CH−、−CR=(ここでRはHまたはC〜Cアルキルである)、−CR−(ここでRは、HまたはC〜Cアルキルであり、RはHであるか、あるいはRとR’は一緒になって3員環を形成する−O−および−CH−から選択される二価の基を表す)から選択され;および
Wは、YからVへの直接結合を表すか、あるいは−CH−、−CHR’’−または−CH=であり;
【0010】
ii)破線V−−−Wが非結合である場合;
WはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル(例えば3−メチルブタ−2−エン−1−イル)、炭素原子5〜7個を含むシクロアルキルビニル(例えば、シクロプロピルエテニル)、炭素原子5〜7個を含むアリールビニル(例えばフェニルエチレン)、フェニル、C〜Cアルコキシ(例えばメトキシまたはエトキシ)、またはC〜Cアルケニルオキシ(例えば−O−CH−CH=CH);および
A)Vは−CR10であって、ここでR、R、R10は水素であるか、RおよびRはメチルであってR10は水素またはメチルであるか;またはRおよびRは独立してHまたはC〜Cアルコキシ(例えばエトキシ)を表しR10はC〜Cアルコキシ(例えばエトキシ)である;
B)Vは、3〜6員単環式または6〜10員二環式の炭化水素環(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロペンタジエニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル)であって、ここで、2個まで、すなわち0、1または2個までの炭素原子が、S、OおよびNから選択されるヘテロ原子によって置換される(例えば、フラニル、チエニル、テトラヒドロフラニル);
C)Vは3〜6員単環式または6〜10員二環式の炭化水素環(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロペンタジエニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル)であり、ここで、2個まで、すなわち0、1または2個までの炭素原子が、S、OおよびNから選択されるヘテロ原子によって置換され、環が、CN、ハロゲン(例えばF、Cl、Br)、C〜Cアルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ)、C〜Cアルキルおよび−COORから選択される、1または2個の基で置換され、ここでRは、水素、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルである;
D)Vは、Xのカルボニル基(Y)に対してα位である炭素原子と一緒になってシクロブタンまたはシクロペンタン環を形成する二価の残基−CH−CH−である;あるいは
E)Vは、−C(O)R13であって、ここでR13はC〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである。
【0011】
好ましくは、式(I)の化合物は1、2または3個の環を含む。
非限定的な例示的化合物は、R’およびR’’は水素であり、nは3〜11の整数、例えば4、6、7、8または9であり、破線V−−−Wは結合を表し、ここでWおよびVは−CH−であり;
Yはカルボニルであり、XはNHであるか;または
−X−Y−は、
【化3】

から選択される二価の基を表す、式(I)の化合物群から選択されてもよい。
【0012】
これらの具体的な例は、4,5,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロシクロドデカ[d]オキサゾール(化合物ID 15);
5,6,7,8,9,10,11,12,13,14−デカヒドロシクロドデカ[d]ピリミジン(化合物ID 1);
5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16−ドデカヒドロ−4H−シクロペンタデカ[d]オキサゾール;
4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]オキサゾール(化合物ID 60);
5,6,7,8,9,10,11,12−オクタヒドロシクロデカ[d]ピリミジン(化合物ID 26);
5,6,7,8,9,10,11,12−オクタヒドロ−4H−シクロウンデカ[d]オキサゾール(化合物ID 14);
1,4,5,6,7,8,9,10,11,12−デカヒドロシクロウンデカ[d]イミダゾール(化合物ID 35);
4,5,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−1H−シクロドデカ[d]イミダゾール(化合物ID 59);
6,7,8,9,10,11,12,13,14,15−デカヒドロ−5H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1]アザシクロトリデシン(化合物ID 43);
5,6,7,8,9,10,11,12,13,14−デカヒドロシクロドデカ[d]ピラジン(化合物ID 42);
5,6,7,8,9,10,11,12,13,14−デカヒドロシクロドデカ[d]ピリジン(化合物ID 24);
5,6,7,8,9,10,11,12,13,14−デカヒドロイミダゾ[1,2−a][1]アザシクロドデシン(化合物ID 53);
6,7,8,9,10,11,12,13,14,15−デカヒドロ−5H−イミダゾ[1,2−a][1]アザシクロトリデシン(化合物ID 64);
アザシクロトリデカン−2−オン(化合物ID 36);および
アザシクロドデカン−2−オン(化合物ID 65)
を含む。
【0013】
あるいは、式(I)の化合物は、式中nは0または1であり;
破線V−−−Wは結合を表し;
Wは、YからVへの直接結合を表し、または−CH−、−CHR’’−または−CH=であり;
Vは、O、N、−CH−、−CR=(ここでRは、HまたはC〜Cアルキルである)、−CR−(ここでRは、HまたはC〜Cアルキルであり、RはHであるか、あるいはRおよびR’は一緒になって3員環を形成する−O−および−CH−から選択される二価の基を表し;
【0014】
R’はH、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、−CH−C(O)−(C〜C10)アルキルもしくは−(CH−COO−(C〜C10)アルキルであって、ここでkは0もしくは1であり;および
R’’はH、C〜C10アルキルであるか;または
R’およびR’’は一緒になって二価の基−(CH−を表し、ここで、aは1〜5(例えば、2、3もしくは4)であり、それらが結合した炭素原子と一緒になってシクロアルキル(例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロヘキサン、シクロペンタン)を形成し、随意に、C〜Cアルキル、例えば、メチルおよびエチルもしくはC〜Cアルコキシ、例えばエトキシで置換され;ならびに
【0015】
I)Yはカルボニルであり、
Xは、O、NH、CHR、CRであって、ここでRはH、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルもしくは−COOR11−であって、ここでR11は、C〜C10アルキルまたはC〜C10アルケニルであるか、または、Xは、NRであって、ここでRはC〜C10アルキル、C〜C10アルケニルである;あるいは
II)Yは−CR=であって、ここでRは、H、C〜C10アルキル(直鎖または分岐鎖)、C〜C10アルケニル(直鎖または分岐鎖)もしくはシクロアルキルアルキル(例えば、シクロペンチルメチル)であり;
XはO、NもしくはNRであって、ここでRは、H、C〜C10ヒドロキシアルキル、C〜C10シアノアルキル、C〜C10アルキル(直鎖または分岐鎖)、C〜C10アルケニル(直鎖または分岐鎖)、C〜C10アルキニル、−(CH−COO−R12であって、ここでmは1、2、3、4もしくは5であり、R12はHもしくはC〜C10アルキルである。
【0016】
非限定的な例示的化合物は、Yはカルボニルであり、R’はH、C〜C10アルキル、例えば、メチル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルもしくはC〜C10アルケニル、すなわち、C、C、C、C、C、C、C、CもしくはC10アルケニル、例えば、ペンタ−2−エン−1−イル、ペンタ−3−エン−1−イル、へキサ−3−エン−1−イルであり;R’’はH、C〜C10アルキルであるか;または、R’およびR’’は一緒になって二価の基−(CH−を表し、ここでaは1〜5(例えば、2、3または4)であり、それらが結合した炭素原子と一緒になってシクロアルキル(例えば、シクロプロパン、シクロペンタン)を形成し、随意に、C〜Cアルキル、例えばメチルおよびエチル、もしくはC〜Cアルコキシ、例えばエトキシで置換され;ならびに
i)Xは酸素であり;破線V−−−Wは結合を表し、ここでWはYからVへの直接結合を表し、Vは−CH−であり;nは1もしくは2である;または
ii)XはCHRであり、ここで、Rは水素であり;破線V−−−Wは結合を表し、ここで、WはYからVへの直接結合を表し、Vは酸素であり;nは1もしくは2である;または
iii)Xは酸素であり;破線V−−−Wは結合を表し、WおよびVは−CH−であり;nは0もしくは1である;または
iv)XはCHRであり、ここで、Rは水素であり;破線V−−−Wは結合を表し、ここでWはYからVへの直接結合を表し、Vは酸素であり;nは0もしくは1である、式(I)の化合物群から選択されてもよい。
【0017】
Yがカルボニルであり、XまたはVのいずれかが酸素である式(I)の化合物、すなわち、上に定義したラクトン誘導体は、5−ヘキシルジヒドロフラン−2(3H)−オン(化合物ID 47);3−ペンチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−オン;4−メチル−5−ペンチルジヒドロフラン−2(3H)−オン(化合物ID 12);(Z)−3−(ペンタ−3−エニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オン(化合物ID 58);オクタヒドロクマリン(化合物ID 45);5−ヘキシル−5−メチルジヒドロフラン−2(3H)−オン(化合物ID 31);5−ブチルジヒドロフラン−2(3H)−オン(化合物ID 63);(Z)−6−(ペンタ−2−エニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オン(化合物ID 22);8−エチル−1−オキサスピロ[4.5]デカン−2−オン(化合物ID 29);4−メチル−5−ブチルジヒドロフラン−2(3H)−オン(化合物ID 11);8−メチル−1−オキサスピロ[4.5]デカン−2−オン(化合物ID 69);および(E/Z)−5−(へクス−3−エニル)−5−メチルジヒドロフラン−2(3H)−オン(化合物ID 62)からなる群から選択されてもよい。
【0018】
さらなる非限定的な例示的化合物は、Yがカルボニルであり、XがCHRまたはCRであり、ここでRはC〜C10アルキル、例えば、n−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル、またはC〜C10アルケニル、例えば、ペンタ−2−エン−1−イル、オクタ−2−エン−1−イルであり、破線V−−−Wは結合を表し、WおよびVが−CH−であり、nが0であり、R’’がHであり、R’はH、C〜C10アルキル、例えば、メチル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、または−(CH−COO−(C〜C10)アルキルであり、ここでkは0または1である、式(I)の化合物群から選択されてもよく、例えばメチルアセテートである。
これらの具体的な例は、
2−ヘキシル−3−メチルシクロペンタ−2−エノン(化合物ID 3)、
2−ペンチル−3−メチルシクロペンタ−2−エノン(化合物ID 7)、
(Z)−3−メチル−2−(ペンタ−2−エニル)シクロペンタ−2−エノン(化合物ID 10)、
3−メチル−2−(ペンタ−2−エニル)シクロペンタノン(化合物ID 17)、
(E)−2−(オクタ−2−エニル)シクロペンタノン(化合物ID 18)、
(Z)−メチル2−(3−オキソ−2−(ペンタ−2−エニル)シクロペンチル)アセテート(化合物ID 25)、
2−ヘキシルシクロペンタノン(化合物ID 27)、
2−ヘキシルシクロペンタ−2−エノン(化合物ID 30)、
3−メチル−2−ペンチルシクロペンタノン(化合物ID 32)、
3−メチル−2−ブチルシクロペンタノン(化合物ID 34)、
メチル2−(3−オキソ−2−ペンチルシクロペンチル)アセテート(化合物ID 37)、および
2−ペンチルシクロペンタ−2−エノン(化合物ID 51)
を含む。
【0019】
さらなる非限定的な例示的化合物は、N置換されたイミダゾール類から選択されてもよく、すなわち、式(I)の化合物において、式中R’およびR’’は水素であり、nは1であり、破線V−−−Wは結合を表し、ここでWはYからVへの直接結合を表し、VはNであり、Yは−CR=であって、ここでRは水素であり、XはNRであって、ここでRはC〜C10ヒドロキシアルキル、C〜C10シアノアルキル、例えば、シアノブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、3−メチル−ブタ−1−イルなどのC〜C10アルキル(直鎖または分岐鎖)、ペンタ−2−エン−1−イル、ヘキサ−3−エン−1−イル、3−メチル−ブタ−2−エン−1−イル、ヘキサ−5−エン−1−イル、3,7−ジメチル−オクト−2,6−ジエン−1−イルなどのC〜C10アルケニル(直鎖または分岐鎖)、C〜C10アルキニル、−(CH−COO−R12で、ここでmは1、2、3、4または5であり、R12はH、またはC〜C10アルキル、例えば−(CH−COO−Cである。
【0020】
これらの化合物の具体的な例は、
4−(1H−イミダゾール−1−イル)ブタン−1−オール(化合物ID 68)、
エチル4−(1H−イミダゾール−1−イル)ブタノエート(化合物ID 49)、
1−(3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエニル)−1H−イミダゾール(化合物ID 44)、
1−イソペンチル−1H−イミダゾール(化合物ID 39)、
1−ペンチル−1H−イミダゾール(化合物ID 28)、
(E)−1−(ヘキサ−3−エニル)−1H−イミダゾール(化合物ID 46)、
1−(3−メチルブト−2−エニル)−1H−イミダゾール(化合物ID 40)、
1−ヘキシル−1H−イミダゾール(化合物ID 16)、
5−(1H−イミダゾール−1−イル)ペンタンニトリル(化合物ID 55)、
1−(ヘキサ−5−エニル)−1H−イミダゾール(化合物ID 41)、
(Z)−1−(ヘキサ−3−エニル)−1H−イミダゾール(化合物ID 23)、および
(Z)−1−(ペンタ−2−エニル)−1H−イミダゾール(化合物ID 54)を含む。
【0021】
別の代替においては、式(I)の化合物は、式中、nが0または1であり;
破線は、独立して、結合または非結合を表し、ただし、破線V−−−Wは非結合であり;
R’はHであり;および
R’’はHもしくはC〜Cアルキルであるか;または
R’およびR’’は、一緒になって、二価の基−(CH−を表し、ここで、aは1〜5(例えば、2、3もしくは4)であり、それらが結合した炭素原子と一緒になってシクロアルキル(例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロヘキサン、シクロペンタン)を形成し、;
Yはカルボニルであり;
XはCHRまたはCRであって、ここでRはH、C〜C10アルキル、例えば、C、C、C、またはCの直鎖または分岐鎖アルキルであり;
Wは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル(例えば3−メチルブタ−2−エン−1−イル)、炭素原子を5〜7個含むシクロアルキルビニル(例えばシクロプロピルエテニル)、炭素原子を5〜7個含むアリールビニル(例えばフェニルエチレン)、フェニル、C〜Cアルコキシ(例えばメトキシまたはエトキシ)、またはC〜Cアルケニルオキシ(例えば−O−CH−CH=CH)であり;および
【0022】
A)Vは−CR10であって、式中R、R、R10は水素であるか、RおよびRはメチルであり、R10は水素またはメチルであるか;または、RおよびRは独立してHまたはC〜Cアルコキシ(例えば、エトキシ)を表し、R10はC〜Cアルコキシ(例えば、エトキシ)を表す;
B)Vは3〜6員の単環式または6〜10員の二環式の炭化水素環(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロペンタジエニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル)であって、ここで、2個まで、すなわち0、1または2個までの炭素原子が、S、OおよびNから選択されるヘテロ原子によって置換される(例えば、フラニル、チエニル、テトラヒドロフラニル);
C)Vは3〜6員の単環式または6〜10員の二環式の炭化水素環(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロペンタジエニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル)であって、ここで、2個まで、すなわち0、1または2個までの炭素原子が、S、OおよびNから選択されるヘテロ原子によって置換され、環がCN、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br)、C〜Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ)、C〜Cアルキルおよび−COORから選択される、1あるいは2個の基で置換され、ここで、Rは水素、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルである;
D)Vは、Xのカルボニル基(Y)に対してα位である炭素原子と一緒になってシクロブタンまたはシクロペンタン環を形成する二価の残基−CH−CH−である;あるいは
E)Vは、−C(O)R13であり、式中R13はC〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである。
【0023】
非限定的な例示的化合物は、Yはカルボニルであり、破線V−−−Wは非結合であり、WはCHまたはシクロプロピルエテニルであり、XはCRまたはCHRであって、ここで、Rは、C〜C10アルキル、例えば、C、CまたはC直鎖アルキルであり、nは0または1であり、
Vは、シクロプロピル、フェニル、ナフチル、フラニル、チエニル、テトラヒドロフラニル、2−メチルジオキソラン−2−イル、または、
CN、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br)、C〜Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ)、C〜Cアルキルおよび−COORから選択される、1もしくは2個の基で置換されるフェニルであって、ここで、Rは、水素、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルであるか、または、
Vは、−CR10であって、式中Rは水素であり、RおよびR10は、独立して、メトキシもしくはエトキシなどのC〜Cアルコキシを表す、式(I)の化合物群から選択されてもよい。
【0024】
これらの具体的な例は、
(E)−3−(シクロプロピルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 2);
(E)−3−(シクロプロピルメチレン)ヘプタン−2−オン(化合物ID 4);
(E)−3−(シクロプロピルメチレン)ノナン−2−オン(化合物ID 6);
(1E,4E)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピルメチレン)デカ−1−エン−3−オン(化合物ID 56);
(E)−ベンジリデンへプタン−2−オン;
(E)−3−ベンジリデンオクタン−2−オン(化合物ID 5);
(1E,4E)−4−ベンジリデン−1−フェニルノン−1−エン−3−オン;
(E)−3−ベンジリデンノナン−2−オン(化合物ID 20);
3−フェニルメチルヘプタン−2−オン;
3−フェニルメチルオクタン−2−オン(化合物ID 33);
(E)−4−(2−アセチルヘプト−1−エニル)ベンゾニトリル(化合物ID 13);
(E)−3−(ナフタレン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 67);
(E)−3−(チオフェン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 38);
(E)−3−(フラン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン;
3−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)オクタン−2−オン;
(E)−3−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチレン)ヘプタン−2−オン(化合物ID 66);
(E)−3−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチレン)オクタン−2−オン;
3−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチル)オクタン−2−オン;
(E)−3−(2,2−ジメトキシエチリデン)ヘプタン−2−オン;
(E)−3−(2,2−ジメトキシエチリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 9);
3−(2,2−ジメトキシエチル)オクタン−2−オン;
3−(2−メトキシエチル)オクタン−2−オン;
(E)−3−(2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 21);
3−(2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル)オクタン−2−オン;
3−ペンチルヘプタン−2,6−ジオン;
(E)−3−エチリデンオクタン−2−オン;
1−(2−メチル−1−ペンチルシクロプロピル)エタノン;
3−(プロパン−2−イリデン)オクタン−2−オン;
メチル1−ペンチルシクロペンタンカルボキシレートおよび
1−(1−ペンチルシクロペンチル)エタノン
を含む。
【0025】
式(I)の化合物に関して使用される場合、別段の指示がない限り、「アルキル」は、直鎖または分岐鎖のC〜C10アルキルを指し、好ましくはC〜C、例えば、メチル、エチル、i−プロピル、n−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、3−メチルブタ−1−イルであり;
「アルケニル」は、C〜C10アルケニル、好ましくは直鎖または分岐鎖の、1または2個以上の二重結合を含むC〜Cアルケニルを指し、例えば、ビニル、プロペン−1−イル、プロペン−2−イル、アリル、3−メチルブタ−2−エン−1−イル、3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエン−1−イル、ペンタ−2−エン−1−イル、ペンタ−3−エン−1−イル、ヘキサ−3−エン−1−イル、オクト−2−エン−1−イル、ヘキサ−5−エン−1−イル、ヘプタ−6−エン−1−イルなどの、C、CまたはCアルケニルであり;
「アルキニル」は、直鎖または分岐鎖のC〜C10アルキニルで、好ましくは直鎖のC〜Cアルキニルを指し、例えば、ペンタ−2−イン−1−イル、ブタ−2−イン−1−イルであり;
「アルコキシ」は、C〜C10アルコキシを指し、好ましくはC〜Cアルコキシで、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシである。
【0026】
阻害剤、すなわち、式(I)の化合物は、当業者に知られた手法にしたがってたばこ製品に添加または混合することができる。典型的には、それらは、加工されたたばこまたは乾燥された未加工たばこ上に噴霧または滴下しても、浸漬液(dip)または溶液の形態において用いて、加工たばこまたは生たばこを投入してもよい。
【0027】
たばこ製品に阻害剤を添加または混合する代わりに、たばこ紙またはフィルターが、少なくとも1種の式(I)の化合物を含んでもよい。
所望の効果をもたらすために要する量は、活性および揮発性を含む、様々な因子に依存し得る。最終製品に基づいて、式(I)の化合物またはその混合物の約0.1〜5%(重量%)からの量、例えば約0.3〜2%(重量%)、例えば約1%(重量%)が、効果を達成するのに十分であり得る。
さらに、NNKを含むたばこ煙の存在下において(受動喫煙者により)吸入された場合、CYP2AおよびCYP2B酵素に対する阻害剤としてのそれらの特性により、式(I)の化合物はNNK代謝活性化を減少させる。
【0028】
したがって、本発明は、さらなる側面において、上に定義したように、式(I)の化合物を、たばこ煙を含む空間に散布する工程を含む手法に関する。揮発性物質を雰囲気中に散布することができるいかなる手法を使用してもよい。本明細書における用語「手段」の使用は、あらゆるタイプのエアフレッシュナーデバイスを含んでよく、当業者に周知のヒーターおよび/またはファンおよび噴霧システムを含んでも良い。
式(I)の化合物が、CYP2A、例えば、CYP2A6およびCYP2A13ならびにCYP2B6の酵素活性を阻害するという事実により、それらはニコチン置換療法などの、個体におけるニコチン代謝の調節のために使用されてもよい。
【0029】
したがって、本発明は、さらなる側面において、上に定義したように、式(I)の化合物を含む医薬組成物の調製に関する。
本発明の化合物は、例えば、経口、経鼻、局所(topical)、非経口、局所(local)または吸入による使用のために投与されることができる。経口投与は、錠剤、カプセル、チューイングガム、スプレーおよびトローチの形態における投与を含む。
本発明の化合物は、当業者に公知の方法によって容易に調製することができる。
本発明を、ここで、下記の非限定的な例を参照してさらに説明する。これらの例は単に説明を目的とするものであり、当業者により変更および改変がなされ得ることが理解される。
【0030】
例1:6,7,8,9,10,11,12,13,14,15−デカヒドロ−5H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1]アザシクロトリデシン(化合物ID 43)
20℃において、ジクロロメタン(150ml)中のラウリノラクタム(10g、0.0507mol)溶液を、トリエチルオキソニウムテトラフルオロボレート(28.9g、0.152mol)で処理した。得られた混合物を17時間撹拌し、2℃まで冷却し、トリエチルアミン(71ml)を滴下して処理し、45分間撹拌し、冷却された炭酸水素ナトリウム溶液(200ml)に注いだ。有機相を、水(100ml)で、およびNaCl水溶液(100ml)で洗浄した。水相を、ジクロロメタン(30ml)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を蒸発させた。残渣(10.8g)をエタノール(100ml)に溶解させ、20℃において、ホルミルヒドラジン(8.1g、90%、0.122mol)および4Åモレキュラーシーブ(1g)で処理した。得られた混合物を、50℃において24時間撹拌し、ろ過し、溶媒を蒸発させた。残渣をジクロロメタンおよび水で処理し、20分間撹拌した。有機相を水で洗浄した。水相をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(8.5g)のFC(700gのSiO、酢酸エチル/メタノール 6:1)により、所望の二環式トリアゾール(2.8g、25%)を得た。
【0031】
【数1】

【0032】
例2:5,6,7,8,9,10,11,12,13,14−デカヒドロイミダゾ[1,2−a][1]アザシクロドデシン(化合物ID 53)
20℃において、ホルミル酸(60ml)中のシクロウンデカノン(10g、0.0594mol)溶液を、ヒドロキシアミン−O−スルホン酸(11.2g、0.0891mol)で処理した。得られた混合物を還流下で5.5時間撹拌し、冷却し、氷冷水(100ml)に注ぎ、濃水酸化ナトリウム(60ml)で処理し、酢酸エチル(100ml)で2回抽出した。有機相を、炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)で、および2回NaCl水溶液(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を蒸発させ、粗アザシクロドデカン−2−オン(10.1g)を得た。20℃において、ジクロロメタン(50ml)中の粗アザシクロドデカン−2−オン(5g、0.027mol)溶液を、トリエチルオキソニウムテトラフルオロボレート(13.7g、0.072mol)で処理し、得られた混合物を18時間撹拌し、冷却した炭酸水素ナトリウム水溶液(400ml)に注いだ。有機相を水(100ml)で洗浄し、合わせた水相を酢酸エチル(50ml)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を蒸発させた。残渣(4.7g)をメタノール(50ml)に溶解させ、20℃において、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(9.4g、0.089mol)および4Åモレキュラーシーブ(1g)で処理した。得られた混合物を60℃で48時間撹拌し、ろ過し、溶媒を蒸発させ、粗N−(アザシクロドデカン−2−イリデン)−2,2−ジメトキシエタンアミン6.77gを得た。
【0033】
トルエン(30ml)中の粗N−(アザシクロドデカン−2−イリデン)−2,2−ジメトキシエタンアミン(3.0g)溶液を、パラ−トルエンスルホン酸一水和物(3.6g、19mmol)および4Åモレキュラーシーブ(2g)で処理し、80℃で89時間、100℃で24時間および110℃で72時間撹拌した。ろ過後、反応混合物を冷却飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)に注いだ。水相を2回酢酸エチル(50ml)で抽出し、合わせた有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)およびNaCl水溶液(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(2.2g)のFC(SiO、酢酸エチル)により、所望の二環式イミダゾール(0.27g、3工程にわたって11%)を得て、アザシクロドデカン−2−オン(0.44g)を回収した。
【0034】
【数2】

【0035】
例2:6,7,8,9,10,11,12,13,14,15−デカヒドロ−5H−イミダゾ[1,2−a][1]アザシクロトリデシン(化合物ID 64)
例2において記載される一般的手順に従い、ラウリノラクタムから3工程において調製した(収率10%)。
【数3】

【0036】
例4:5,6,7,8,9,10,11,12−オクタヒドロ−4H−シクロウンデカ[d]オキサゾール(化合物ID 14)および1,4,5,6,7,8,9,10,11,12−デカヒドロシクロウンデカ[d]イミダゾール(化合物ID 35)
20℃において、四塩化炭素(30ml)中のシクロウンデカノン(4.76g、0.028mol)溶液を四塩化炭素(20ml)中の臭素(4.5g、0.028mol)の溶液で処理し、得られた混合物を1.5時間撹拌した。続いて溶媒を蒸発させ、粗α−ブロモシクロウンデカノン(7.8g)を得た。
50℃以下の温度において、ホルムアミド(17g)中の粗アルファ−ブロモシクロウンデカノン(7.8g)の乳液を、ホルムアミド(17g)中の濃硫酸(4.1g)を滴下して処理した。100℃で2時間、110℃で3時間および20℃で12時間撹拌した後、反応混合物を2M水酸化ナトリウム水溶液(100ml)に注ぎ、2回酢酸エチル(100ml)で抽出した。合わせた有機相を2回NaCl水溶液(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(5.9g)のボールトゥーボール蒸留(Ball-to-ball distillation)(130℃、0.08mbar)と、その後のFC(SiO、ヘキサン/メチルtert−ブチルエーテル 13:1およびヘキサン/酢酸エチル 20:1)により、所望の二環式オキサゾール(53mg、1%)を得た。ボールトゥーボール蒸留の残渣のFC(SiO、酢酸エチル/メタノール 15:1)により、所望のビサイクリックイミダゾール(42mg、1%)を得た。
【0037】
5,6,7,8,9,10,11,12−オクタヒドロ−4H−シクロウンデカ[d]オキサゾール:
【数4】

【0038】
1,4,5,6,7,8,9,10,11,12−デカヒドロシクロウンデカ[d]イミダゾール:
【数5】

【0039】
例5:5,6,7,8,9,10,11,12,13,14−デカヒドロシクロドデカ[d]ピラジン(化合物ID 42)
DE2117926に記載の通り、シクロドデカジオンおよびエチレンジアミンから調製した。
【数6】

【0040】
例6:5,6,7,8,9,10,11,12−オクタヒドロシクロデカ[d]ピリミジン(化合物ID 26)
DE1114497に記載の通り、シクロデカノンから出発し、1−クロロ−2−ホルミルシクロデセンを経由して調製した。
【数7】

【0041】
例7:5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16−ドデカヒドロ−4H−シクロペンタデカ[d]オキサゾール
US 3956196に記載の通り、シクロペンタデカノンから出発して調製した。
【数8】

【0042】
例8:4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]オキサゾール(化合物ID 60)
DE2445387(1973928, Plattier, M.; Shimizu, B.; Teisseire, P. J. Roure Bertrand Dupont)記載の通り、シクロオクタノンから出発して調製した。
【数9】

【0043】
例9:メチル4−メチル−3−オキソ−2−ペンチルシクロペンタンカルボキシレート(化合物ID 50)
テトラヒドロフラン(150ml)中の水素化ナトリウム(60%、22.6g、0.565mol)懸濁液を、炭酸ジメチル(40.75g、0.452mol)で処理した。得られた混合物を還流し、2−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オン(29g、0.181mol)を105分間以内で滴下して処理し、2時間撹拌し、15℃まで冷却し、3M酢酸水溶液(250ml)を滴下して処理し、濃HCl添加によりpH 1まで酸性化させ、3回メチルtert−ブチルエーテル(200ml)で抽出した。合わせた有機相を、2N水酸化ナトリウム水溶液で、および飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を蒸発させ、粗メチル2−オキソ−3−ペンチルシクロペンタ−3−エンカルボキシレート(37.6g)を得た。
【0044】
アセトン(200ml)中の粗メチル2−オキソ−3−ペンチルシクロペンタ−3−エンカルボキシレート(37g)を、炭酸カリウム(69.1g、0.5mol)およびヨウ素化メチル(53g、0.375mol)で処理した。得られた混合物を140分間還流下で撹拌し、冷却し、溶媒を蒸発させた。残渣を2N HClに加え、混合物を濃HCl添加によりpH 1まで酸性化させ、3回メチルtert−ブチルエーテル(200ml)で抽出した。合わせた有機相を、水で、および飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(35g)の短経路(short-path)ビグリュー蒸留により、メチル1−メチル−2−オキソ−3−ペンチルシクロペンタ−3−エンカルボキシレート(16g)を得た。残渣のボールトゥーボール蒸留(200℃、0.08mbar)により、メチル1−メチル−2−オキソ−3−ペンチルシクロペンタ−3−エンカルボキシレート(7.6g)の付加留分を得た。
【0045】
メタノール(24ml)および水(9.8ml)中の、メチル1−メチル−2−オキソ−3−ペンチルシクロペンタ−3−エンカルボキシレート(19.3g)、アセトンシアノヒドリン(9.6g、0.113mol)および炭酸ナトリウム(0.68g)の混合物を2時間還流し、冷却し、氷/水に注ぎ、2回メチルtert−ブチルエーテル(100ml)で抽出した。合わせた有機相を、水で、および飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を蒸発させ、粗メチル4−シアノ−1−メチル−2−オキソ−3−ペンチルシクロペンタンカルボキシレート(21.6g)を得た。
【0046】
メチル4−シアノ−1−メチル−2−オキソ−3−ペンチルシクロペンタンカルボキシレート(10.8g)、酢酸(80ml)、濃硫酸(24ml)および水(33ml)の混合物を4.5時間還流し、冷却し、氷/水に注いだ。2NのNaOH水溶液を加えた後、混合物(pH 14)をメチルtert−ブチルエーテル(100ml)で抽出した。水相を濃HClでpH 1まで酸性化させ、3回メチルtert−ブチルエーテル(100ml)で抽出した。合わせた有機相を、水で、および飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を蒸発させ、残留酢酸を、残渣のボールトゥーボール蒸留(60℃、0.1mbar)により取り除き、粗4−メチル−3−オキソ−2−ペンチルシクロペンタンカルボン酸(8g)を得た。
20℃において、ジメチルホルムアミド中の4−メチル−3−オキソ−2−ペンチルシクロペンタンカルボン酸(8g)溶液を炭酸カリウム(12.3g、0.089mol)で処理した。得られた懸濁液を30分間撹拌し、ヨウ化メチルで処理し、さらに2時間撹拌し、飽和NaCl水溶液に注ぎ、2回メチルtert−ブチルエーテル(100ml)で抽出した。合わせた有機相を、水で、および飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を蒸発させた。残渣(8g)のFC(SiO、ヘキサン/MTBE 5:1)により、メチル4−メチル−3−オキソ−2−ペンチルシクロペンタンカルボキシレート(4.1g、全収率30%)を得た。
沸点:90℃(0.09mbar)
【0047】
【数10】

【0048】
例10:(E)−3−(シクロプロピルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 2)
亜リン酸トリエチル(434ml、2.37mol)中のヨウ化ヘキシル溶液(90ml、592mmol)を、150℃で8時間加熱した。続いて、反応混合物を20℃まで冷却し、ビグリュー蒸留装置(11mbar、湯浴温度:140〜160℃)を使用して蒸留し、ジエチルヘキシルホスホナート(111.4g、85%)を得た。沸点:126℃(11mbar)。
【数11】

【0049】
−60℃において、テトラヒドロフラン(250ml)中のジイソプロピルアミン(72.6ml、72%,0.515mol)を、15分間以内にヘキサン(322ml、0.515mol)中の1.6M n−ブチルリチウム溶液で処理した。得られた溶液を−72℃で20分間撹拌し、予め調製されたテトラヒドロフラン(150ml)中のジエチルヘキシルホスホナート(57.2g、0.257mol)溶液で処理した。得られた溶液を−72℃で1時間撹拌し、テトラヒドロフラン(100ml)中の酢酸エチル(37.8ml、0.386mol)溶液で処理した。−70℃で1時間撹拌した後、冷却浴を外し、溶液を1時間撹拌し、その後、メチルt−ブチルエーテル(250ml)で希釈し、2M HCl水溶液(200ml)、6M HCl水溶液(100ml)および濃HClでpH 6.4まで酸性化させた。水相をメチルt−ブチルエーテル(200ml)で抽出し、合わせた有機相をNaCl水溶液(200ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(74.3g)の短経路ビグリュー蒸留(0.07mbar)により、ジエチル2−オキソオクタン−3−イルホスホナート(52.2g、77%)を得た。沸点:107℃(0.07mbar)
【数12】

【0050】
4℃において、水(27ml)中のNaOH(12.8g、0.32mol)溶液およびジクロロメタン(100ml)の混合物を、ジクロロメタン(20ml)中のジエチル2−オキソオクタン−3−イルホスホナート(17.0g、64.3mmol)およびシクロプロパンカルボキシアルデヒド(4.9ml、64.3mmol)溶液を滴下して処理した。得られた溶液を20℃で89時間撹拌し、氷/2M HCl水溶液(300ml)に注いだ。水相をシクロヘキサン(100ml)で抽出した。合わせた有機相を2回水(100ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(12.7g)のFC(700gのSiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル 25:1)により、(E)−3−(シクロプロピルメチレン)オクタン−2−オン(6.25g、54%)を得た。沸点:85℃(0.08mbar)。
【0051】
【数13】

【0052】
例11:(E)−3−(シクロプロピルメチレン)ヘプタン−2−オン(化合物ID 4)
例10において記載されるように、シクロプロパンカルボキシアルデヒドおよびジエチル2−オキソヘプタン−3−イルホスホナート(ジエチルペンチルホスホナートを経由して、ヨウ化ペンチルおよび亜リン酸トリエチルから得られる)から、収率38%で調製した。沸点:50℃(0.09mbar)。
【数14】

【0053】
例12:(E)−3−(シクロプロピルメチレン)ノナン−2−オン(化合物ID 6)および(1E,4E)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピルメチレン)デク−1−エン−3−オン(化合物ID 56)
0℃において、水(22ml)およびジクロロメタン(50ml)中のNaOH(14.3g、0.36mol)溶液の混合物を、ジエチル2−オキソノナン−3−イルホスホナート(例10記載のように、ヨウ化ヘプチルおよび亜リン酸トリエチルからジエチルヘプチルホスホナートを経由して得られる、19.9g、71mmol)およびシクロプロパンカルボキシアルデヒド(4.9ml、64.3mmol)を滴下して処理した。得られた溶液を20℃で15時間撹拌し、氷/2M HCl水溶液に注いだ。水相を3回ジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を蒸発させた。粗生成物(14.1g)のFC(700gのSiO、ヘキサン/メチルt−ブチルエーテル 25:1)により、(1E,4E)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピルメチレン)デク−1−エン−3−オン(0.8g、5%)および(E)−3−(シクロプロピルメチレン)ノナン−2−オン(2.3g、17%)を得た。
【0054】
(E)−3−(シクロプロピルメチレン)ノナン−2−オン(沸点:0.08mbarにて87℃):
【数15】

【0055】
(1E,4E)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピルメチレン)デク−1−エン−3−オン(沸点:0.08mbarにて200℃):
【数16】

【0056】
例13:(E)−ベンジリデンヘプタン−2−オン
例10において記載するように、2:5の水/ジクロロメタン中におけるベンズアルデヒドおよびジエチル2−オキソヘプタン−3−イルホスホナート(ヨウ化ペンチルおよび亜リン酸トリエチルからジエチルペンチルホスホナートを経由して得られる)の反応により、FCの後、(E)−ベンジリデンヘプタン−2−オン(22%)および(1E,4E)−4−ベンジリデン−1−フェニルオクト−1−エン−3−オン(19%)を得た。沸点:90℃(0.09mbar)。
【数17】

【0057】
例14:(E)−3−ベンジリデンオクタン−2−オン(化合物ID 5)および(1E,4E)−4−ベンジリデン−1−フェニルノン−1−エン−3−オン
例10において記載するように、1:2の水/ジクロロメタン中におけるベンズアルデヒドおよびジエチル2−オキソオクタン−3−イルホスホナート(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからジエチルヘキシルホスホナートを経由して得られる)の反応により、FCの後、(E)−3−ベンジリデンオクタン−2−オン(22%)および(1E,4E)−4−ベンジリデン−1−フェニルノン−1−エン−3−オン(30%)を得た。
【0058】
(E)−3−ベンジリデンオクタン−2−オン(沸点:80℃(0.08mbar)):
【数18】

(1E,4E)−4−ベンジリデン−1−フェニルノン−1−エン−3−オン(沸点:180℃(0.07mbar)):
【数19】

【0059】
例15:(E)−3−ベンジリデンノナン−2−オン(化合物ID 20)
例10において記載するように、ベンズアルデヒドおよびジエチル2−オキソノナン−3−イルホスホナート(ヨウ化ヘプチルおよび亜リン酸トリエチルからジエチルヘプチルホスホナートを経由して得られる)から、収率16%で調製した。沸点:108℃(0.08mbar)。
【数20】

【0060】
例16:3−フェニルメチルヘプタン−2−オン
オートクレーブ中で、エタノール(5ml)中の(E)−3−ベンジリデンヘプタン−2−オン(350mg、1.7mmol、例13において記載するように調製する)溶液を、水素(12バール)下で、Pd/C(10%、40mg)存在下で17時間撹拌した。混合物をセライトでろ過し、溶媒を蒸発させ、3−フェニルメチルヘプタン−2−オン(350mg、99%)を得た。沸点:65℃(0.11mbar)。
【数21】

【0061】
例17:3−フェニルメチルオクタン−2−オン(化合物ID 33)
例16において記載のように、(E)−3−ベンジリデンオクタン−2−オン(400mg、1.8mmol、例14において記載するように調製)の水素化により収率75%で調製した。沸点:70℃(0.09mbar)。
【数22】

【0062】
例18:(E)−4−(2−アセチルヘプト−1−エニル)ベンゾニトリル(化合物ID 13)
例10において記載するように、4−シアノベンズアルデヒドおよびジエチル2−オキソオクタン−3−イルホスホナート(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからジエチルヘキシルホスホナートを経由して得られる)から、収率10%で調製した。沸点:205℃(0.07mbar)。
【数23】

【0063】
例19:(E)−3−(ナフタレン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 67)
例10において記載するように、2−ナフトアルデヒドおよびジエチル2−オキソオクタン−3−イルホスホナート(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからジエチルヘキシルホスホナートを経由して得られる)から、収率3%で調製した。沸点:220℃(0.07mbar)。
【数24】

【0064】
例20:(E)−3−(チオフェン−2−イルメチレン)オクタン−2−オン(化合物ID 38)
例10において記載するように、2−チオフェンカルボキシアルデヒドおよびジエチル2−オキソオクタン−3−イルホスホナート(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからジエチルヘキシルホスホナートを経由して得られる)から、収率22%で調製した。沸点:115℃(0.08mbar)。
【数25】

【0065】
例21:(E)−3−(2,2−ジメトキシエチリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 9)
例10において記載するように、ジメトキシアセトアルデヒドおよびジエチル2−オキソオクタン−3−イルホスホナート(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからジエチルヘキシルホスホナートを経由して得られる)から、収率30%で調製した。沸点:60℃(0.09mbar)。
【数26】

【0066】
例22:(E)−3−(2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチリデン)オクタン−2−オン(化合物ID 21)
例10記載のように、2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)アセトアルデヒド(アセト酢酸エチルから、p−トルエンスルホン酸一水和物存在下でトルエン中のエチレングリコールを用いたアセタール化と、これに続く、10:1のヘキサン/テトラヒドロフラン中の水素化ジイソブチルアルミニウム(ヘキサン中1M溶液)を用いた還元により調製した)およびジエチル2−オキソオクタン−3−イルホスホナート(ヨウ化ヘキシルおよび亜リン酸トリエチルからジエチルヘキシルホスホナートを経由して得られる)から、収率24%で調製した。沸点:90℃(0.09mbar)。
【数27】

【0067】
例23:(E)−3−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチレン)ヘプタン−2−オン(化合物ID 66)
例10において記載するように、テトラヒドロ−3−フランカルボキシアルデヒドおよびジエチル2−オキソヘプタン−3−イルホスホナート(ヨウ化ペンチルおよび亜リン酸トリエチルからジエチルペンチルホスホナートを経由して得られる)から、収率30%で調製した。沸点:75℃(0.08mbar)。
【数28】

【0068】
例24:(Z)−1−(ヘキサ−3−エニル)−1H−イミダゾール(化合物ID 23)
乾燥ジエチルエーテル15ml中の(Z)−3−ヘキセノール(500mg、5mmol)を、−78℃でAr下で1時間、および0℃で5時間、1.69mlの1:10のエーテル中PBr溶液中で処理した。続いて、混合物を氷冷却水に注ぎ、ヘキサンで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液および水で洗浄した。粗臭化(Z)−3−ヘキセニルを、数mgのNaIを含む10mlの乾燥THF中のイミダゾール(1.3mg、19mmol)と混合し、18時間還流した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を塩化メチレン中に溶解させ、生成物を1N HCl/水で抽出した。水相をKCOでpH 9に調節し、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。有機相を減圧下で蒸発させ、残渣をFC(CHCl/MeOH 93/7)により精製した。(Z)−1−(ヘキサ−3−エニル)−1H−イミダゾールをGCピュアオイル(GC-pure oil)(210mg、28%)として得た。
【数29】

【0069】
例25:(E)−1−(ヘキサ−3−エニル)−1H−イミダゾール
例24に記載のものと同一の手法に従い、(E)−3−ヘキセノールから出発した。生成物をGCピュアオイル(156mg、20%)として分離した。
【数30】

【0070】
例26:1−(ヘキサ−5−エニル)−1H−イミダゾール(化合物ID 41)
例24に記載の一般的手法に従い、1−ブロモへクス−5−エンから出発した。生成物をGCピュアオイル(647mg、86%)として得た。
【数31】

【0071】
例27:2−(ヘプト−6−エニル)ピラジン(化合物ID 57)
メチルピラジン(940mg、912μl、10mmol)を、−65℃で10mlの液体NH中のナトリウムアミド(490mg、12.5mmol)に加え、赤色混合物を30分間撹拌した。乾燥エーテル中の1−ブロモへクス−5−エン(7.5mmol)溶液を滴下により加え、混合物をさらに1時間撹拌した。反応を、塩化アンモニウム(626mg、11.7mmol)添加によりクエンチさせ、エーテル還流での加熱により、NHを蒸発させた。エーテルを取り除き、残渣をエーテルで数回抽出した。合わせたエーテル相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で蒸発させ、FC(ヘキサン/酢酸エチル 1/1)により精製した。2−(ヘプト−6−エニル)ピラジンをGCピュアオイル(1.03g、78%)として分離した。
【数32】

【0072】
例28:CYP2A13阻害剤としての試験化合物の評価
CYP2A13活性を阻害する化合物は、酵素のために確立された標準反応を使用することにより特定される。既知の基質はクマリンであり、酵素反応による生成物は、強い蛍光を発する7−ヒドロキシクマリン(ウンベリフェロン)である。化合物を標準反応に加え、ウンベリフェロン形成が減少した場合、その化合物は、阻害剤として同定される。これはまた、酵素の競合的基質でもあり得る。その化合物は様々な濃度で使用され、ウンベリフェロン形成における濃度依存の減少により、酵素活性が50%レベルまで減少される濃度(IC50値)を決定することができる。
【0073】
試験化合物(詳細は表1参照)を、シトクロームP450レダクターゼの存在下でCYP2A13を用いて培養した。CYP2A13およびP450レダクターゼを、ミクロソームの形態で用いた。Sf9細胞中で組み換えバキュロウィルスを用いて、例えばWO 2006/007751に記載されるような当業者に公知の条件下で、CYP2A13を作製した。P450レダクターゼは市販されている(BD Biosciences Gentest, USA)。好ましくは、2種の酵素を同一の昆虫細胞において共発現させ、両方の酵素を含むミクロソームを調製する。2種の酵素の共発現技術は公知であり、CYP2A13およびP450レダクターゼの共発現はWO 2006/007751に記載されている。高感染価組み換えウイルスバッチについて活性の変動性が観察されたので、当業者に公知であるように、最適な感染多重度(MOI)を決定しなければならない。MOIが4である組み換えCYP2A13バキュロウィルスとMOIが3.5である組み換えP450レダクターゼバキュロウィルスの組合せは、相当の活性を有するミクロソームを常に生成した。
【0074】
7pmolのCYP2A13を含むミクロソームが使用された。トリス緩衝液(1M、pH 7.6)および水を、緩衝濃度が0.1Mとなるよう加えた。試験化合物を、アセトニトリル中50mMのストック溶液として調製した。標準基質クマリンの濃度は0.006mMであった。試験化合物のいくつかのサンプルを、反応において異なる最終濃度を与えるために様々な濃度で調製した:0、0.005、0.01、0.02、0.05、0.1および0.2mMである。混合物を37℃で10分間インキュベートした後、水中50mMのNADPH溶液を0.005ml加えることによって酵素反応を開始させた。最終総体積は、マイクロタイタープレート測定に適した0.2mlであった。サンプルを37℃で60分間インキュベートした。60分後、50%冷却三塩化酢酸(TCA)を0.02ml加えることにより酵素反応を終了させ、4℃で15分間インキュベートした。水中50mMのNADPH溶液0.005mlを、試験化合物およびNADPHを含まない反応に相当するコントロール反応に加えたところ、結果として、ウンベリフェロンは形成されなかった。遠心分離(10分間、560×g、室温)により、変性タンパク質及び他の不溶性部分を分離した。
【0075】
サンプルを、蛍光光度法により分析した。これは、励起波長340nmおよび発光波長480nmにおいて、クマリン酵素による生成物としてウンベリフェロン形成を検出することを可能とする。コントロールに対する480nmにおける蛍光シグナルの低下は、代謝物が全く検知されなかったため、試験化合物が酵素活性に影響を及ぼしたことを示し、阻害剤の性質を確認する。データの画像解析により、試験化合物が、最大活性の50%のレベルまで酵素を阻害する濃度(IC50値)を計算することができる。
【0076】
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【0077】
例29:CYP2A6阻害剤としての試験化合物の評価
CYP2A6活性を阻害する試験化合物は、例28の第1段落と同一の原理を用いることにより同定される。
【0078】
試験化合物(詳細は以下のリストを参照)を、シトクロームP450レダクターゼの存在下でCYP2A6と共にインキュベートした。CYP2A6およびP450レダクターゼをミクロソーム(BD Biosciences Gentest, USA)の形態で用いた。2pmolのCYP2A6、および87nmol/(分×タンパク質mg)のシトクロームcレダクターゼ活性に相当する量のNADPH−P450レダクターゼを含むミクロソームが使用された。トリス緩衝液(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、1M、pH 7.6)および水を、0.1Mの緩衝濃度となるよう加えた。試験化合物を、アセトニトリル中で50mMストック溶液として調製した。標準基質クマリン濃度は0.003mMであった。
【0079】
試験化合物の何種類かのサンプルを、反応において異なる最終濃度を与えるために様々な濃度で調製した:0、0.005、0.01、0.02、0.05、0.1および0.2mMである。(当業者には明白であるように、極めて良好な阻害剤を試験した場合、試験ウェルにIC50濃度以上または以下の濃度を存在させるために、より低濃度ものもまた用いられた。)混合物を37℃で10分間培養した後、水中50mMのNADPH溶液を0.005ml加えることによって酵素反応を開始した。最終総体積は、マイクロタイタープレート測定に適した0.2mlであった。サンプルを37℃で60分間インキュベートした。60分後、50%冷却三塩化酢酸(TCA)を0.02ml加えることにより酵素反応を停止させ、4℃で15分間インキュベートした。水中50mMのNADPH溶液0.005mlを、試験化合物およびNADPHを含まない反応に相当するコントロール反応に加えたところ、結果として、ウンベリフェロンは形成されなかった。遠心分離(10分間、560×g、室温)により、変性タンパク質及び他の不溶性部分を分離した。
例28において記載される手法に従い、サンプルを蛍光光度法により分析した。
【0080】
【表6】

【0081】
例30:NNK代謝阻害
本発明による阻害剤の存在下または非存在下におけるCYP2A13の触媒活性を、Zhang et al. (2002) J. Pharmacol. Exp. Therap. 302: 416-423に記載の手順により基質として放射性標識された[5−H]NNKを用い、またChemsyn Science Laboratories (Lenexa, Kansas, USA)製のNNKを使用して試験した。
【0082】
CYP2A13依存のα−炭素のヒドロキシ化経路により[5−H]NNKから形成される2種の代謝産物、ケトアルデヒド(4−(3−ピリジル)−4−オキソブタナール)およびケトアルコール(4−ヒドロキシ−1−((3−ピリジル)−1−ブタノン))は、オンライン放射活性検出器を有する高圧液体クロマトグラフィーにより検出することができる。
手法:反応混合物は、100mM リン酸ナトリウム、pH 7.4、1mM EDTA、NADPH発生系(5mM グルコース6−ホスフェート、3mM MgCl、1mM NADPH、および1.5単位のグルコース6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ)、10μM NNK(1μCi[5−H]NNKを含む)、5mM 硫酸水素ナトリウム、および精製され再構成された10pmolのCYP2A13を、総体積0.4ml中に含んだ。CYP2A13を、NADPH−P450レダクターゼで、1:4(P450/レダクターゼ)の比率で再構成した。各試験化合物、すなわち化合物1、2および3を、分子量に基づき、アセトニトリル中で50mMまで希釈し、さらに1.2μlから148.8μlの水を加えて400μMまで希釈した。この濃度を最終反応濃度(10μMに10μlを、1μMに1μlを加えた)に到達するまで使用した。アセトニトリルの最終濃度は10μMの反応中では0.02%、1μMの反応中では0.002%であった。反応を37℃で10分間行いた後、飽和水酸化バリウムおよび25%硫酸亜鉛各50μlを用いて停止させた。結果を以下の表2に示す。
【0083】
【表7】

化合物ID 1=5,6,7,8,9,10,11,12,13,14−デカヒドロシクロドデカ[d]ピリミジン
化合物ID 2=(E)−3−(シクロプロピルメチレン)オクタン−2−オン
化合物ID 3=2−ヘキシル−3−メチルシクロペンタ−2−エノン
【0084】
1μMにおいて酵素は完全に阻害されたため、阻害結果は、阻害剤、すなわち式(I)の化合物が、CYP2A13の効果的な阻害剤であり、NNKを基質とした場合に、明らかに1μM以下のIC50値を有する、ことを明確に証明する。溶媒として使用されたアセトニトリルは、酵素アッセイに使用された濃度において、わずかにCYP2A13活性に影響を及ぼす。
【0085】
例31:ヒトCYP2B6の阻害
CYP2B6活性を阻害する試験化合物は、例28の第1段落と同一の原理を用いることにより同定される。
【0086】
試験化合物(詳細は表3を参照)を、シトクロームP450レダクターゼの存在下でCYP2B6と共にインキュベートした。CYP2B6およびP450レダクターゼは、例28において記載するように、組み換えバキュロウィルスを用いてSf9昆虫細胞中で2種類タンパク質を共発現させて生産される。あるいは、CYP2B6およびレダクターゼを含むミクロソームが市販されている(BD Biosciences Gentest, USA)。1.5ピコモルのCYP2B6を含むミクロソームを使用した。リン酸カリウム緩衝液の最終濃度は100mM(1Mストック、pH 7.4)であった。試験化合物をアセトニトリル中50mMのストック溶液として調製した。標準基質の7−エトキシ−4−トリフルオロメチル−クマリンの濃度は、6mMであった。試験化合物の何種類かのサンプルを、反応において異なる最終濃度を与えるために様々な濃度で調製した:0、0.005、0.01、0.02、0.05、0.1および0.2mMである。(当業者には明白であるように、極めて良好な阻害剤を試験した場合、試験ウェルにIC50濃度以上または以下の濃度を存在させるために、より低濃度ものもまた用いられた。)混合物を37℃で10分間インキュベートした後、水中50mMのNADPH溶液を0.005ml加えることによって酵素反応を開始させた。最終総体積は、マイクロタイタープレート測定に適した0.2mlであった。サンプルを37℃で40分間培養した。40分後、0.5M トリス−塩基/アセトニトリル(18:72)を75μl加えることにより酵素反応を停止させた。水中50mMのNADPH溶液0.005mlを、試験化合物および酵素を含むがNADPHを伴わない反応に相当するコントロール反応に加えたところ、結果として、4−トリフルオロメチル−ウンベリフェロンは形成されなかった。遠心分離(10分間、1800rpm、10℃)により、変性タンパク質および他の不溶性部分を分離した。
【0087】
サンプルを、蛍光光度法により分析した。これは、励起波長410nmおよび発光波長510nmにおける酵素生成物として、4−トリフルオロメチル−ウンベリフェロン形成を検出することを可能にする。コントロールに関する510nmにおける蛍光シグナルの低下は、試験化合物が酵素活性に影響を及ぼしたことを示し、阻害剤の性質を確認する。これはまた代替基質にもなり得る。データの画像分析により、試験化合物が最大活性50%レベルまで酵素を阻害する濃度(IC50値)を計算することができる。結果を以下の表3に示す。
【0088】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

式中、
nは0から12までの整数であり;
破線は、独立して結合または非結合を表し;
R’は、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、−CH−C(O)−(C〜C10)アルキルもしくは−(CH−COO−(C〜C10)アルキルであり、ここでkは0もしくは1であり;および
R’’は、H、C〜C10アルキルであるか;または
R’およびR’’は一緒になって二価の基−(CH−を表し、式中「a」は1〜5であり、それらが結合した炭素原子と一緒になってシクロアルキルを形成し、これは随意にC〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシで置換され、
I)−X−Y−は、
【化2】

から選択される二価の基を表す;
II)Yはカルボニルであり、
Xは、O、NH、CHR、CRであり、ここでRは、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルもしくは−COO−R11であって、ここでR11は、C〜C10アルキルもしくはC〜C10アルケニルであるか、または、XはNRであって、ここでRは、C〜C10アルキルもしくはC〜C10アルケニルである;
あるいは、
III)Yは−CR=であり、ここでRは、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニルもしくはシクロアルキルアルキルであり;および
Xは、O、NもしくはNRであり、ここでRは、H、C〜C10ヒドロキシアルキル、C〜C10シアノアルキル、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、−(CH−COO−R12であり、ここでmは1、2、3、4もしくは5であり、R12はHもしくはC〜C10アルキルであり;
および
i)破線V−−−Wが結合を表す場合;
Vは、O、N、−CH−、−CR=(ここでRはHもしくはC〜Cアルキルである)、−CR−(ここでRはHもしくはC〜Cアルキルであり、RはHであるか、またはRおよびR’が一緒になって3員環を形成する−O−および−CH−から選択される二価の基を表す)から選択され;および
WはYからVへの直接結合を表すか、または−CH−、−CHR’’−もしくは−CH=であり;
ii)破線V−−−Wが非結合を表す場合;
WはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、炭素原子5〜7個を含むシクロアルキルビニル、炭素原子5〜7個を含むアリールビニル、フェニル、C〜Cアルコキシ、もしくはC〜Cアルケニルオキシであり;および
A)Vは−CR10であり、ここでR、R、R10は水素であるか、RおよびRはメチルであり、R10は水素またはメチルであるか;または、RおよびRは独立してHまたはC〜Cアルコキシを表し、R10はC〜Cアルコキシである;
B)Vは3〜6員の単環式または6〜10員の二環式の炭化水素環であり、ここで、2個まで、すなわち0、1もしくは2個の炭素原子が、S、OおよびNから選択されるヘテロ原子によって置換される;
C)Vは3〜6員の単環式または6〜10員の二環式の炭化水素環であって、ここで、2個まで、すなわち0、1もしくは2個の炭素原子が、S、OおよびNから選択されるヘテロ原子によって置換され、環が、CN、ハロゲン、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルおよび−COOR(ここでRは水素、メチル、エチル、プロピルもしくはイソプロピルである)から選択される、1もしくは2個の基で置換される;
D)Vは、Xのカルボニル基(Y)に対してα位である炭素原子と一緒になってシクロブタンもしくはシクロペンタン環を形成する二価の残基−CH−CH−である;または
E)Vは、−C(O)R13であって、ここでR13はC〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシである
で表される化合物を含むたばこ製品。
【請求項2】
式(I)の化合物が、式中
R’およびR’’は水素であり、
nは3〜11の整数であり、
破線V−−−Wは結合を表し、ここでWおよびVは−CH−であり;および
Yはカルボニルであり、XはNHであるか;または
−X−Y−は、
【化3】

から選択される二価の基を表す
化合物群から選択される、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
式(I)の化合物が、式中
nは0または1であり;
破線V−−−Wが結合を表し;
Wは、YからVへの直接結合を表すか、または−CH−、−CHR’’−もしくは−CH=であり;
Vは、O、N、−CH−、−CR=(ここでRはHもしくはC〜Cアルキルである)、−CR−(RはHもしくはC〜Cアルキルであり、RはHであるか、または、RおよびR’は一緒になって3員環を形成する−O−および−CH−から選択される二価の基を表す)から選択され;
R’は、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、−CH−C(O)−(C〜C10)アルキル、もしくは−(CH−COO−(C〜C10)アルキルであり、ここでkは0または1であり;および
R’’は、H、C〜C10アルキルであるか;または
R’およびR’’は、一緒になって二価の基−(CH−を表し、ここでaは1〜5であり、それらが結合した炭素原子と一緒になってシクロアルキルを形成し、随意にC〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシで置換され;ならびに
I)Yはカルボニルであり、
Xは、O、NH、CHR、CR、ここでRは、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、もしくは−COO−R11−であって、ここでR11はC〜C10アルキルもしくはC〜C10アルケニルであるか、または、XはNRであり、ここでRはC〜C10アルキル、C〜C10アルケニルである;あるいは
II)Yは−CR=であり、ここでRは、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニルもしくはシクロアルキルアルキルであり;
Xは、O、NHまたはNRであり、ここでRは、H、C〜C10ヒドロキシアルキル、C〜C10シアノアルキル、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、−(CH−COO−R12であり、ここでmは1、2、3、4または5であり、R12はHまたはC〜C10アルキルである
化合物群から選択される、請求項1に記載の製品。
【請求項4】
式(I)の化合物が、式中
Yはカルボニルであり;
R’はH、C〜C10アルキルもしくはC〜C10アルケニルであり;およびR’’はH、C〜C10アルキルであるか;または
R’およびR’’は一緒になって二価の基−(CH−を表し、ここでaは1〜5であり、それらが結合した炭素原子と一緒になってシクロアルキルを形成し、これは随意にC〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシで置換され;ならびに
i)Xは酸素であり;破線V−−−Wは結合を表し、ここでWはYからVへの直接結合を表し、Vは−CH−であり;nは1もしくは2である;または
ii)XはCHRであり、ここでRは水素であり;破線V−−−Wは結合を表し、WはYからVへの直接結合を表し、Vは酸素であり;nは1もしくは2である;または
iii)Xは酸素であり;破線V−−−Wは結合を表し、WおよびVは−CH−であり;nは0もしくは1である;または
iv)XはCHRであり、ここでRは水素であり;破線V−−−Wは結合を表し、WはYからVへの直接結合を表し、Vは酸素であり;nは0または1である
化合物群から選択される、請求項1に記載の製品。
【請求項5】
式(I)の化合物が、式中
R’およびR’’は水素であり;
nは1であり;
破線V−−−Wは結合を表し、ここでWはYからVへの直接結合を表し、VはNであり、Yは−CR=であり、ここでRは水素であり;および
XはNRであり、ここでRは、C〜C10ヒドロキシアルキル、C〜C10シアノアルキル、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、−(CH−COO−R12であり、ここでmは1、2、3、4または5であり、R12はHまたはC〜C10アルキルである
化合物群から選択される、請求項1に記載の製品。
【請求項6】
式(I)の化合物が、式中
nは0または1であり;
破線は、独立して結合または非結合を表し、ただし破線V−−−Wは非結合であり;
R’はHであり;R’’はHもしくはC〜Cアルキルであるか;または
R’およびR’’は一緒になって二価の基−(CH−を表し、式中aは1〜5であり、それらが結合した炭素原子と一緒になってシクロアルキルを形成し;
Yはカルボニルであり;
XはCHRまたはCRであり、ここでRはH、C〜C10アルキルであり;
Wは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、炭素原子を5〜7個含むシクロアルキルビニル、炭素原子を5〜7個含むアリールビニル、フェニル、C〜Cアルコキシ、またはC〜Cアルケニルオキシであり;および
A)Vは−CR10であり、ここでR、R、R10は水素であるか、RおよびRはメチルであり、R10は水素もしくはメチルであるか;または、RおよびRは独立してHもしくはC〜Cアルコキシを表し、R10はC〜Cアルコキシである;
B)Vは3〜6員の単環式または6〜10員の二環式の炭化水素環であり、式中2個までの炭素原子が、S、OおよびNから選択されるヘテロ原子によって置換され;
C)Vは3〜6員の単環式または6〜10員の二環式の炭化水素環であり、式中2個までの炭素原子が、S、OおよびNから選択されるヘテロ原子によって置換され、環が、CN、ハロゲン、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルおよび−COORから選択される1または2個の基で置換され、ここでRは、水素、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルである;
D)Vは、Xのカルボニル基(Y)に対してα位である炭素原子と一緒になってシクロブタンまたはシクロペンタン環を形成する二価の残基−CH−CH−である;あるいは
E)Vは、−C(O)R13であり、ここでR13はC〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである
化合物群から選択される、請求項1に記載の製品。
【請求項7】
式(I)の化合物が、式中
Yはカルボニルであり;
破線V−−−Wは非結合であり、WはCHまたはシクロプロピルエテニルであり、XはCRまたはCHRであり、RはC〜C10アルキルであり;
nは0または1であり、および
Vは、シクロプロピル、フェニル、ナフチル、フラニル、チエニル、テトラヒドロフラニル、2−メチルジオキソラン−2−イルであるか、または、
CN、ハロゲン、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルおよび−COOR、ここでRは水素、メチル、エチル、プロピルもしくはイソプロピルである、から選択される、1もしくは2個の基で置換されるフェニルであるか、または、
Vは−CR10であり、ここでRは水素であり、RおよびR10は独立してC〜Cアルコキシを表す
化合物群から選択される、請求項1に記載の製品。
【請求項8】
たばこ煙の存在下において、空間中へ、請求項1〜7のいずれかにおいて定義される式(I)の化合物を散布する工程を含む方法。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれかにおいて定義される式(I)の化合物および薬学的に受容可能な担体を含む、医薬組成物。
【請求項10】
前記医薬組成物を製造するための請求項1〜7のいずれかにおいて定義される式(I)の化合物の使用。

【公表番号】特表2010−525793(P2010−525793A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500046(P2010−500046)
【出願日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【国際出願番号】PCT/CH2008/000129
【国際公開番号】WO2008/116339
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】