説明

検査サンプル上で検出された欠陥分類のための方法とシステム

本発明は、検査サンプル上で検知された欠陥分類のための方法とシステムに関する。一方法は、試験イメージを参照イメージに比較することを含む。試験イメージは、検査サンプル上で検出された欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたイメージを含む。参照イメージは、検査サンプル上に形成された素子の範囲内で異なる対象領域に関連した一つ又は複数のパターン化された特徴のイメージを含む。試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたイメージが、参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたイメージに合致した場合、本方法は、参照イメージに関連した対象領域に対応したビンに欠陥を分類することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は検査サンプル上で検知された欠陥分類のための方法とシステムに係るものである。幾つかの実施態様は、欠陥に近接した一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致した場合、参照イメージに関連した対象領域に対応したビンに欠陥を分類することに関する。
【背景技術】
【0002】
以下の記述と例は先行技術の全てを包括するものでは無い。
【0003】
論理素子又はメモリ素子などの半導体素子の製造は、一般に、半導体ウエハなどの検査サンプルを数多くの半導体製造プロセスを用いて処理し、半導体素子の多様なフューチャと多様性を付与することを含む。例えば、リソグラフィーは、通常、半導体ウエハ上のレジストにパターンを転写することを含む半導体製造プロセスである。更に、他の半導体製造プロセスとしては、以下に限定されるものではないが、化学機械研磨、エッチング、成膜、イオン注入などがある。複数の半導体素子はウエハ上に配列された形態で製造され、その後、個々の半導体素子に分離させられる。
【0004】
半導体素子の設計とレチクルの製造品質は、集積回路の製造開始のためにレチクルが半導体製造工場に導入される前に、様々な手順により確認される。半導体素子の設計はソフトウェア・シミュレーションにより点検され、製造プロセスのリソグラフィーの後に全てのフューチャが正しく印刷されることが確認される。このような確認は、一般に「デザイン・ルール・チェッキング」(DRC, Design Rule Checking)と呼称される。DRCの出力は潜在的に重要点の数多くの組み合わせを生成し得るものであり、レチクル配置の上で「ホット・スポット」として呼称される場合がある。この組み合わせは、走査電子顕微鏡(SEM)などの、二点間の検査に使用可能であるが、重要な点が多いため、極めて非効率となる場合がある。レチクルはマスク・ショップで、レチクル欠陥が検査され、測定され、フューチャが規格範囲内に有ることが確認される。シミュレーション検査により検知されなかったマージナル・レゾリューション・エンハンシング・テクノロジー(RET, Marginal resolution enhancing technology)設計は、ウエハ製造における電気的不全として変換され、収率に影響を与え、そして潜在的に、ウエハ製造の完了まで検知されない。
【0005】
上述の必要性に対処した方法が発明されている。これらの方法は往々にして「Power Window Qualification」又は「PWQ」法として呼称され、Peterson等に授与された米国特許出願公開番号US2004/0091142により記載されており、これはここに詳述された参照文献として取り扱われる。これらの方法はPWQで見出された欠陥のバックグランドを用いることを含むように拡張され、欠陥を分類する。これらの方法は、2004年12月7日にWu等により出願された米国特許出願番号11/005,658号に記載されており、これはここに詳述された参照文献として取り扱われる。
【0006】
レチクル、フォトマスク、そしてウエハ検査のための光学又は電子ビームを用いたイメージングは、半導体業界において、半導体製造プロセスのデバッグ、プロセス変化のモニタ、生産収率の向上のために重要である。製造プロセスの複雑化、そして今日の集積回路(IC)のかつてない小型化により、検査はより困難になりつつある。例えば、個々の検査プロセス内で検知される欠陥の数は極めて大きくなる場合があり、製品に深刻な影響をもたらす欠陥から、製品の品質に影響を与えない些細なものまでの多様な機構により、欠陥が生じる。重要欠陥(DOI:defects of interest)と、虚偽とみなされる欠陥を区別する能力は、良好な検査と無意味なデータを伴う失敗の差と見なされる。
【0007】
検査中(例えば、半導体製造プロセス過程に実施されるもの)に検知された欠陥をDOI又は虚偽欠陥に分類するため数多くの方法論と技術が開発されている。典型的なアプローチは大きさや規模などの属性を分析し、これらの属性に基づき(例えば、決定論的法則を用いて)分類を行なうものである。しかしながら、素子の多くの領域で同じ属性を有する欠陥が生じる場合があり、素子のある特定可能な箇所で欠陥が生じた場合にのみ、素子の収率に影響を与えるか、深刻な問題となる場合がある。これらの場合、欠陥属性に基づく分類法は、素子の定義された領域内のDOIと、他の領域内の虚偽欠陥とを区別できない。DOIに関する大きさ、形状、これら潜在的領域の配分、更には、検査により報告される欠陥領域の精確さは、ウエハ位置による検査レシピの制御や欠陥位置による取捨選択などの方法を虚偽欠陥を検査結果から除去するための方法として、実用的でないものとしてしまう。DOI虚偽欠陥を分離するための現状で唯一使用できる方法は、検査中に検知された欠陥の全てを手動的に吟味するものであるが、これは多大な時間を要する極めて困難なものである。
【0008】
別の方法は、最近傍又は神経回路網などの統計学的アプローチを用い、欠陥の形状又は周辺領域の形状を吟味し、欠陥を分類するものである。しかしながら、統計学的手法には数多くの制約がある。例えば、統計学的アプローチは、完全に同一でないものを「合致」として識別する。統計学的アプローチが欠陥属性により補完されても、異なる欠陥が同一のものとして分類される場合がある。更に、ある層に関しては、DOIはバックグランドの特定のパターン上に存在するが、虚偽事象は、一つ又は複数の他のパターン上に位置する。統計学的分類は係る欠陥を精確に分離しない。PWQにおいて、バックグランドに基づく欠陥分類のための統計学的手法は値を有することが示されているが、該統計学的手法は(分類はバックグランドが異なる欠陥を含むという意味において)混在した、(分類は同じバックグランドからの全ての欠陥を含むものではないという意味において)そして不精確な結果を生じる場合がある。例えば、使用事例はバックグランド・パターンの完全な一致を要求するが、これは、統計学的手法を用いて実現することはできない。
【0009】
決定論的手法と統計学的手法の両者を用いるハイブリッドの手法が開発されており、該手法は、2004年9月30日にHuet等により出願された米国特許出願番号10/954,968号に記載されており、これはここに詳述された参照文献として取り扱われる。
【0010】
PWQで用いられ、かつ標準的な欠陥解析で用いられる他の欠陥分類方法論は、検査サンプル上で空間的に繰り返される欠陥を検知することである。「リピーター」は、レチクル内のある一点で起きる欠陥として通常定義される。リピーターを見出すための現行の方法論は、欠陥の結果内で共通の(x,y)位置を求めるものである。このリピーター法は、レチクル上に複数のダイが存在する場合のダイ間の欠陥検知においてのみ有効である。この繰り返しは、ダイ・レベル、(ウエハ上の)レチクル・レベル、又は、メモリ又はテスト素子内の繰り返しパターンなどのダイの範囲内で、繰り返しパターンのあらゆるレベルとすることが可能である。欠陥位置の不確定性により、繰り返し欠陥を検知するアルゴリズムには、欠陥位置周辺に関する許容範囲が要求される。要求される許容範囲が大きすぎる場合には、誤った合致が生じる。PWQとfocus exposure matricesに見られるような欠陥が多い領域では、この位置の不確定さは、欠陥が異なるバックグランド上にある場合、欠陥が繰り返しとして分類される「虚偽の合致」をもたらすことがある。虚偽の合致は、欠陥位置の不確定性が大きいシステムにおいても、起こりうる。現行アルゴリズムのもう一つの問題は、現行アルゴリズムは欠陥位置のみに依存しているため、同じバックグランド上に位置するがウエハ上の同じ位置に無い欠陥を検知できないことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、欠陥が位置する素子領域に基づき、DOIと虚偽欠陥と識別に使用可能な、検査サンプル上で検知された欠陥を分類するための方法とシステムを開発することが望まれる。また、検査サンプル上で繰り返される欠陥を精確に検知する方法とシステムの開発が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下に記される様々な方法の実施態様、キャリア媒体、そしてシステムは本発明に係る請求項をいかなる条件においても制約するものでは無い。
【0013】
一実施態様は、検査サンプル上で検出された欠陥を分類するための、コンピュータ実施方法に関する。この方法は、試験イメージを参照イメージに比較することを含む。試験イメージは、検査サンプル上で検知された欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む。参照イメージは、検査サンプル上に形成された素子の範囲内で、異なる対象領域に関連した一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む。試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致した場合、本方法は、一つの参照イメージに関連した対象領域に対応したビンに欠陥を割り当てることを含む。
【0014】
一実施態様において、異なる対象領域は、DOIが存在するかもしれない素子領域を含む。他の実施態様において、異なる対象領域は、虚偽欠陥が存在するかもしれない素子領域を含まない。ここで用いられる如く、欠陥の特定種類が「存在するかもしれない」素子領域は、該特定種類の欠陥が潜在的に存在するか、存在し得る領域と定義される。更なる実施態様において、試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャのいずれにも合致しない場合、本方法は、該欠陥を虚偽欠陥として識別することを含む。
【0015】
したがって、上述の如く、本方法は、対象領域内に存在する欠陥を精確に識別することを含む。しかしながら、幾つかの実施態様において、虚偽欠陥が存在するかもしれない素子領域(「虚偽領域」)が識別され、上述の如く、これら領域の参照イメージが試験イメージと比較され得る。試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、虚偽イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャのいずれかに合致した場合、本方法は虚偽欠陥として欠陥を識別することを含む。このようにして、ここで記載された方法は、潜在的なDOIを精確に識別するために使用可能であり、いかなる参照イメージにも合致しない欠陥は虚偽として識別可能である。あるいは、ここに記載された方法は、虚偽欠陥を精確に識別するために用いられ、いかなる参照イメージにも合致しない欠陥は潜在的なDOIとして識別可能である。
【0016】
しかしながら、幾つかの実施態様において、これら二つのモードは単一のコンピュータ実施方法として組み合わせ可能である。例えば、これら二つの異なるアプローチ(試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、あらゆる参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャのいずれにも合致しない場合、虚偽欠陥として欠陥を識別すること、そして、試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、虚偽領域に対応した虚偽イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャのいずれかに合致した場合、虚偽欠陥として欠陥を識別すること)は1つの方法として組み合わされ、最適な結果が得られる。
【0017】
このような一実施態様において、参照イメージは、虚偽欠陥が存在するかもしれない素子領域にに関連した一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む。試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、虚偽欠陥が存在するかもしれない素子領域に関連した一つの参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致した場合、本方法は虚偽欠陥として欠陥を識別することを含む。上述の如く、参照イメージは、検査サンプル上に形成された素子の範囲内で異なる対象領域に関連した一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含み得る。更に、試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージの1つの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致した場合、一つの参照イメージに関連した対象領域に対応したビンに欠陥を割り当てることを含む。したがって、このような実施態様の幾つかにおいて、試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージ(例えば、虚偽イメージに関連した参照イメージ、そして異なる対象領域に関連した参照イメージ)の一つ又は複数のパターン化されたフューチャのいずれにも合致しない場合、本方法は虚偽欠陥として欠陥を識別することを含む。
【0018】
一実施態様において、試験イメージは欠陥のイメージを含む。異なる実施態様において、試験イメージは、一つ又は複数のパターン化されたフューチャが存在し、そして他の欠陥が存在しない欠陥から離れた検査サンプル上で取得されたものである。
【0019】
幾つかの実施態様において、本方法は、割り当て手順の結果に基づき、素子設計の潜在的に問題となり得る部分を含む対象領域を識別することを含む。更なる実施態様において、本発明は、割り当て手順の結果に基づき、潜在的に問題となり得る検査サンプル製造プロセスを識別することを含む。
【0020】
幾つかの実施態様において、試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、一つの参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致した場合、本方法は繰り返し欠陥であるか否か決定すること(例えば、パターン、ダイ、又はレチクル内で繰り返される欠陥として欠陥を分類又は確定すること)を含む。他の実施態様において、本方法は、欠陥の一つ又は複数の属性に基づき、欠陥を分類することを含む。更なる実施態様において、本発明は、欠陥の一つ又は複数のフューチャ、そして欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャの一つ又は複数の属性に基づき、欠陥を分類することを含む。
【0021】
一実施態様において、本方法は、割り当て手順の結果に基づき、追加プロセスに関し検査サンプル上で検知された欠陥をサンプリングすることを含む。別の実施態様において、本方法は、素子内の欠陥に近接した一つ又は複数のパターン化されたフューチャの更なる事例を見出すことを含む。別の実施態様において、本方法は、検査サンプル上の欠陥に近接した一つ又は複数のパターン化されたフューチャの更なる事例を見出すことを含む。
【0022】
一実施態様において、本方法は、光学的検査による試験イメージの取得を含む。別の実施態様において、本方法は、電子ビーム検査による試験イメージの取得を含む。別の実施態様において、本方法は、電子ビーム点検(走査型電子顕微鏡(SEM)点検)による試験イメージの取得を含む。また別の実施態様において、本方法は、空間画像投影による試験イメージの取得を含む。
【0023】
幾つかの実施態様において、本方法は、検査サンプルの検査中に実施される。別の実施態様において、本方法は、検査サンプル検査中に取得された試験イメージを用いて実施される。別の実施態様において、本方法は、欠陥の点検中(例えば、検査サンプル検査で見出されたサイトを再度訪れる点検ステーション上で)に実施される。別の実施態様において、本方法は、検査サンプル上に形成された素子の設計データを分析することで試験イメージを取得することを含む。
【0024】
幾つかの実施態様において、本方法は、パターン・マッチングのみを用いて実施される。他の実施態様において、本方法は、(本方法のパフォーマンスを改善するために)試験イメージ上で実施された統計学的方法と組み合わせて実施される。上述の本方法の実施態様は、ここに記載されるいかなる方法のいかなる手順をも有し得る。
【0025】
他の実施態様は、検査サンプル上で検知された欠陥の分類のための別の方法に関する。本方法は、第一の試験イメージを第二の試験イメージに比較することを含む。第一の試験イメージは、検査サンプル上で検知された第一の欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む。第二の試験イメージは、検査サンプル上で検知された第二の欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む。第一の試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャと、第二の試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが合致する場合、本方法は、第一の欠陥と第二の欠陥を同一のビンに割り当てることを含む。本方法の実施態様は、第一の欠陥と第二の欠陥にそれぞれ対応する第一の試験イメージと第二の試験イメージに関するものとして記載されたが、本方法は、第一の試験イメージを複数の試験イメージ(即ち、少なくとも二つの試験イメージ)と比較する場合も含み得ることに留意されたい。
【0026】
一つの実施態様において、第一の試験イメージと第二の試験イメージは、それぞれ、第一の欠陥と第二の欠陥を含む。別の実施態様において、第一の試験イメージと第二の試験イメージは、一つ又は複数のパターン化されたフューチャが存在し、そして更なる欠陥が存在しない、第一の欠陥と第二の欠陥から離れた検査サンプル上の位置でそれぞれ取得される。
【0027】
一つの実施態様において、本方法は、割り当て手順の結果に基づき、検査サンプル上に形成された素子設計の潜在的に問題となる部分を識別することを含む。別の実施態様において、本方法は、割り当て手順の結果に基づき、点検されるべき検査サンプルの上で検知された欠陥のサンプルを識別することを含む。更なる実施態様において、本方法は、割り当て手順の結果に基づき、検査サンプルを製造するために用いられた潜在的に問題となるプロセスを識別することを含む。
【0028】
更なる実施態様において、第一の試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャと、第二の試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが合致する場合、本方法は、第一の欠陥と第二の欠陥が繰り返し欠陥であるか否か決定すること(例えば、パターン、ダイ、又はレチクル内で繰り返される欠陥として欠陥を分類又は確定すること)を含む。幾つかの実施態様において、本方法は、第一の欠陥の一つ又は複数のフューチャと、第二の欠陥の一つ又は複数のフューチャに基づき、第一の欠陥と第二の欠陥をそれぞれ分類することを含む。更なる実施態様において、本方法は、第一の欠陥と第二の欠陥の一つ又は複数のそれぞれの属性に基づき、さらに、第一の欠陥に近接した一つ又は複数のパターン化されたフューチャの一つ又は複数の属性と、第二の欠陥に近接した一つ又は複数のパターン化されたフューチャの一つ又は複数のそれぞれの属性に基づき、第一の欠陥と第二の欠陥を分類することを含む。幾つかの実施態様において、本方法は、検査サンプル上に形成されたダイの範囲内の欠陥の位置に基づいて、又は検査サンプル上の欠陥の位置に基づいて、欠陥のサブセットを生成し、サブセットの範囲内で欠陥に近接した一つ又は複数のパターン化されたフューチャの一つ又は複数の属性に基づき、サブセットを分類することを含む。幾つかの実施態様において、本方法は、欠陥を分類するために、検査サンプル上に形成された素子に関する設計データのシミュレーションにおける欠陥に近接した一つ又は複数のパターン化されたフューチャの一つ又は複数の属性を用いることを含む。
【0029】
一実施態様において、本方法は、光学的検査による第一の試験イメージと第二の試験イメージの取得を含む。別の実施態様において、本方法は、電子ビーム検査による第一の試験イメージと第二の試験イメージの取得を含む。別の実施態様において、本方法は、電子ビーム点検(走査型電子顕微鏡(SEM)点検)による第一の試験イメージと第二の試験イメージの取得を含む。また別の実施態様において、本方法は、空間画像投影による第一の試験イメージと第二の試験イメージの取得を含む。
【0030】
幾つかの実施態様において、本方法は、検査サンプルの検査中に実施される。別の実施態様において、本方法は、検査サンプル検査中に取得された第一の試験イメージと第二の試験イメージを用いて実施される。別の実施態様において、本方法は、欠陥の点検中(例えば、検査サンプル検査で見出されたサイトを再度訪れる点検ステーション上で)に実施される。別の実施態様において、本方法は、検査サンプル上に形成された素子の設計データを分析することで第一の試験イメージと第二の試験イメージを取得することを含む。
【0031】
幾つかの実施態様において、本方法は、パターン・マッチングのみを用いて実施される。他の実施態様において、本方法は、(本方法のパフォーマンスを改善するために)第一の試験イメージと第二の試験イメージ上で実施された統計学的方法と組み合わせて実施される。上述の本方法の実施態様は、ここに記載されるいかなる方法のいかなる手順をも有し得る。
【0032】
更なる実施態様は、キャリア媒体に関連する。キャリア媒体は、検査サンプル上で検知された欠陥を分類する方法を実行するコンピュータで実行可能なプログラム命令を含む。本方法は、試験イメージを参照イメージに比較することを含む。試験イメージは、検査サンプル上で検知された欠陥の近傍で、検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む。参照イメージは、検査サンプル上に形成された素子の範囲内で異なる対象領域に関連した一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む。試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージの1つの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致した場合、本方法は、一つの参照イメージに関連した対象領域に対応するビンに欠陥を割り当てることを含む。キャリア媒体は、ここに記述される如く更に設定され得る。
【0033】
更なる実施態様は、検査サンプル上で検知された欠陥を分類するために設定されたシステムに関連する。検査サンプル上で検知された欠陥の近傍で、検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャの試験イメージを取得するために設定された検査サブシステムを本システムは含む。また本システムは、コンピュータ・サブシステムと、試験イメージを参照イメージに比較するためのコンピュータ・サブシステム上で実行可能なプログラム命令を含むキャリア媒体を含む。参照イメージは、検査サンプル上に形成された素子の範囲内で異なる対象領域に関連した一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む。試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致した場合、一つの参照イメージに関連した対象領域に対応したビンに欠陥を割り当てるためのコンピュータ・サブシステム上で実行可能なプログラム命令もまた実行可能である。一つの実施態様において、参照イメージを取得するために検査サブシステムもまた設定される。上に記載されるシステムの個々の例は、ここに記述される如く更に設定され得る。
【0034】
本発明の更なる目的と利点は、以下の詳細な記述と添付された図を参照することで明らかになるであろう。
【0035】
図1と図2は、検査サンプル上で検知された欠陥を分類するためのコンピュータ実施方法の様々な実施態様を示す概略的な流れ図である。
【0036】
図3は、検査サンプル上で検知された欠陥を分類するためのキャリア媒体とシステムの一実施態様の一部を示す概略的な流れ図である。
【0037】
本発明は様々な修正と変更が可能であるが、図を用いることで特定の実施態様が示され、ここに詳細に記述される。しかしながら、ここに示される図と特定の記述は発明を開示された特定の形式に制限することを意図したものでなく、逆に、添付された請求項により定義される本発明の精神と展望の範囲内で全ての修正、同等物、変更を網羅することを意図したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
ここに用いられる如く、用語「検査サンプル」は一般にウエハ、フォトマスク、又はレチクルを意味する。しかしながら、ここで記載されたキャリア媒体とシステムは、対象となる検査サンプルのある領域内の欠陥と、対象とならない検査サンプルのある領域内の欠陥を含む任意の検査サンプル上で検出された欠陥を分類するために使用され得ることに留意されたい。
【0039】
ここで用いられたように、用語「ウエハ」は一般に半導体材料又は非半導体材料を意味する。半導体材料又は非半導体材料の材料の例としては、以下に限定されないが、単結晶シリコン、ヒ化ガリウム、リン化インジウムなどがある。これらの基板は半導体製造工場で一般に見出され、及び/又は、処理されるものである。
【0040】
ウエハは基板上に形成された一つ又は複数の層を含む。例えば、係る層として、以下に限定されないが、レジスト、誘電体材料、導電材料などがある。本分野において、このような層の多くの種類が知られており、ここで用いられた用語「ウエハ」はそのような層のあらゆる種類を有するウエハを包含することを意図している。
【0041】
ウエハ上に形成された一つ又は複数の層はパターン化可能である。例えば、ウエハは複数のダイを有し、個々のダイは繰り返されるパターンのフューチャを有する。このような材料の層を形成しプロセスすることで、完成された素子を最終的にもたらす。ウエハ上には多くの異なる種類の素子を形成可能であり、用語ウエハは、この分野において公知の任意の素子が製造されたウエハを包含することを意図している。
【0042】
用語「レチクル」と「フォトマスク」はここで、相互互換的に用いられる。レチクルは一般的に、ガラス、ホウケイ酸ガラス、溶融石英などの透明な材料を有し、不透明な材料を上に形成する。不透明な領域は透明な基板にまでエッチングされた領域により置換可能である。この分野では数多くのレチクルが知られており、用語「レチクル」はあらゆる種類のレチクルを包含することを意図している。
【0043】
用語「第一の」と「第二の」はここで、異なる欠陥、試験イメージなどを区別するために用いられる。用語「第一の」と「第二の」は、欠陥、試験イメージなど経時的な、空間的な、又は選択的な属性を表すものではない。
【0044】
ここに記載される実施形態の方法は、欠陥の近傍コンテクストを識別するためのパターン・マッチング・テクノロジーに関する新しい方法論を含む。そして、潜在的DOIに対応した領域の一つに欠陥が存在するか否かを分類するために、欠陥の近傍コンテクストが用いられる。更に、欠陥の近傍コンテクストと、コンテクスト内での位置(例えば、コンテクストに相対的な欠陥位置)は欠陥の正しい分類の手助けとして用いることができる。この方法はPWQの分野において更に適用可能であり、感度の改善により類似の欠陥を見出し、さらに繰り返し欠陥の識別する。
【0045】
この新しい方法論は、一般的に「コンテクストに基づく分類」(CBB,context based binning)と称される。ここでは、用語「コンテクスト」は、欠陥に近接した一つ又は複数のパターン化されたフューチャに対して用いられる。ここに記載される実施形態において、コンテクストは、欠陥位置に近接した検査サンプル上に存在する一つ又は複数のパターン化されたフューチャとして定義される。しかしながら、コンテクストは、また別に、設計データ空間内の欠陥位置に近接した設計データの一つ又は複数のパターン化されたフューチャとしても定義される。
【0046】
ここに記される図は、原寸に比例していないことに留意されたい。特に、要素のフューチャを強調するために、図の要素の幾つかの寸法は大きく誇張されている。また、複数の図は同じ縮尺で描かれていないことに留意されたい。複数の図に亘り示される要素は、同じ参照番号を用いて同様に示される場合がある。
【0047】
図1と図2は、検査サンプル上で検知された欠陥を分類するための様々なコンピュータ実施方法を示す(CBB法)。一般に、ここで記述される方法において、検査中に欠陥が検知された後、パターン・マッチング・テクノロジーを用いて、欠陥の近隣領域のイメージが参照イメージ又は参照「テンプレート」に比較される。合致が見出された場合、近隣領域のイメージが合致する参照イメージに対応する素子領域に位置するものとして欠陥が識別され、潜在的なDOI又は虚偽欠陥として分類される。
【0048】
特に、図1に示す方法は、試験イメージを参照イメージに比較することを含む。例えば、本方法は試験イメージ10を参照イメージ12と14に比較することを含む。ここに描かれ記載された試験イメージと参照イメージは、ここに記載される方法で使用可能なイメージの特定の種類の実例を示すものではないことに留意されたい。更に、ここに描かれ記載された試験イメージと参照イメージは、ここに記載された方法の理解を助けるものに過ぎず、検査サンプル上で検知される欠陥の特定の種類、又は検査サンプル上に現れるか、或いは素子設計に含まれるパターン化されたフューチャの特定の種類を示すものではないことに留意されたい。明らかに、試験イメージと参照イメージにおいて示されたパターン化されたフューチャと欠陥は、素子設計、プロセス、又は検査前に検査サンプルに施されたプロセスにより生じた欠陥の種類、更には、素子設計と、プロセス又は検査前に検査サンプルに施されたプロセスとの相互作用に依存する。
【0049】
試験イメージ10は、検査サンプル上で検知された欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む。一実施形態において、試験イメージ10は、検査サンプル上で検知された欠陥16のイメージと欠陥16に近接した検査サンプル上に形成されたパターン化されたフューチャ18を含む。幾つかの実施形態において、試験イメージ10は、コンピュータ実施方法を実行するように設定されたコンピュータ・サブシステムにより取得される。例えば、コンピュータ・サブシステムは、検査サブシステムから、移送媒体により結合されたコンピュータ・サブシステム(例えば、データ・リンク)へ、試験イメージを取得するよう設定される。したがって、コンピュータ・サブシステムと検査サブシステムとが同一のシステム内にある場合もあれば、そうでない場合もある。このようなコンピュータ・サブシステムと検査サブシステムとは、ここに記載される如く更に設定される。このように、検査サンプルの検査を行なうこと無しに、ここに記載されるコンピュータ実施方法により試験イメージが取得可能である。
【0050】
他の実施形態において、コンピュータ実施方法は検査サンプルの検査を含む。このような実施形態において、本方法は、光学的検査による試験イメージの取得を含む。異なる実施形態において、本方法は、光学的検査による試験イメージの取得を含む。光学的検査そして電子ビーム検査は、ここに記載される如く設定されるシステムを用い、更に記載されるように実施される。他の実施形態において、コンピュータ実施方法は欠陥の点検を含む。このような実施形態において、本方法は、電子ビーム点検による試験イメージの取得を含む。電子ビーム点検は公知の適切な点検プロセス又はシステムを用いて実施される。他の実施形態において、本方法は、空間画像投影による試験イメージの取得を含む。このような実施形態は、レチクルのような検査サンプルに特に有効である。空間画像投影技術による試験イメージの取得は、公知の適切な空間画像投影のプロセス、又はシステムを用い実施され得る。ここに記載される方法とシステムに使用可能な空間画像投影のための適切な方法とシステムの例は、Peterson等に授与された米国特許出願公開番号US2004/0091142に記載されており、これはここに詳述された参照文献として取り扱われる。
【0051】
試験イメージ10は、検査サンプルのパッチ・イメージである場合がある。しかしながら、試験イメージ10は、検査により生じた検査サンプルの他のイメージ(帯状のイメージ、又は検査サンプル上で欠陥が検知される前に、検査中に取得された検査サンプルのイメージ)、又は、他のイメージング・プロセス(例えば、点検)により生じた検査サンプルの他のイメージであることもある。更に、試験イメージ10は、この分野で適切な任意のイメージ・フォーマットを有する。換言すれば、ここで記載される方法は、本方法で使用できるイメージ又はイメージ・データの種類による制約を受けない。好ましくは、欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、ここに記載される如く、一つ又は複数のパターン化されたフューチャのパターン・マッチングが可能なように、十分な解像度を持ってイメージ化される。
【0052】
上で記載される如く、試験イメージは欠陥のイメージを含む。換言すれば、試験イメージは、検査サンプル上の欠陥位置において取得される。しかしながら、異なる実施形態においては、一つ又は複数のパターン化されたフューチャが位置し、かつ、更なる欠陥が存在しない欠陥から離れた検査サンプル上で、試験イメージが取得される。換言すれば、試験イメージは、欠陥のイメージを含まないこともある。このような実施形態は、検査サンプル上の欠陥位置の欠陥が極めて深刻で、その位置で取得されたイメージをパターン・マッチングに使用できない場合などに有効となる。このような場合、欠陥の検査中、対応するイメージが近接するダイ又はセルから取得される。この対応するイメージは、好ましくは、同一のパターンを含むが、欠陥を含まないものであり、それ故、比較的高い精度で、ここに記されるパターン・マッチングに使用できる。イメージが取得された位置は、公知の任意の方法(例えば、素子の設計、検査サンプル上のダイの配置に基づいて)を用いて、決定可能である。
【0053】
他の実施形態において、本方法は、検査サンプル上に形成された素子のための設計データを分析することで、試験イメージを取得することを含む。例えば、設計データに関する欠陥位置を決定可能である。設計データ空間内における欠陥位置を決定するための方法とシステムの例が、2005年11月18日にKulkarni等により出願された米国特許出願番号60/738,290号に記載されており、これはここに詳述された参照文献として取り扱われる。ひとたび、設計データ空間内における欠陥位置が決定されると、該欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャをシミュレートするために、該位置に近接した設計データが使用される。該シミュレートは、ここに記述される如く実施される。このようにして、試験イメージは、検査、点検などにより得られるイメージを含まない場合もある。代わりに、該試験イメージは、シミュレートされたイメージ・データを含むことがある。他の実施形態においては、試験イメージは、設計データ空間内における欠陥位置に近接した設計データを含む。換言すれば、本試験イメージは、イメージ・データを実際に含まない場合があり、ここに記載された方法が、描画されたイメージ無しに実施され得る。
【0054】
参照イメージ12と14は、検査サンプル上に形成された素子の範囲内で異なる対象領域に関連した一つ又は複数のパターン化されたフューチャを含む。特に、参照イメージ12は、検査サンプル上に形成された素子の範囲内で、一つの対象領域に関連したパターン化されたフューチャ20のイメージを含み、参照イメージ14は、検査サンプル上に形成された素子の範囲内で、他の対象領域に関連したパターン化されたフューチャ22のイメージを含む。
【0055】
図1に示す如く、参照イメージ12内のパターン化されたフューチャ20は、検査サンプル上に形成されたトレンチ状の形態である。したがって、参照イメージ12は、検査サンプル上に形成された素子の範囲内で、対象となるトレンチ領域に関連する。更に、参照イメージ14内にあるパターン化されたフューチャ22は、検査サンプル上に形成されたコンタクト・フィーチャーである。このように、参照イメージ14は、検査サンプル上に形成された素子の範囲内で、対象となるコンタクト領域に関連する場合がある。一実施形態において、異なる対象領域は、DOIが存在するかもしれない素子領域を含む場合がある。このようにして、ここで記載された方法は、潜在的DOIが位置するかもしれない対象領域が、光学的又は電子ビームイメージにおいて、識別可能なユニークなパターンを有するという仮定に基づいている。このようなパターンは、パターン・マッチングのための参照テンプレートとして識別され、使用される。更に、異なる対象領域は、虚偽欠陥のみが存在するかもしれない素子領域を含まない場合がある。
【0056】
図1では、二つの参照イメージのみが示されているが、試験イメージはいかなる数(二つ、又はそれ以上)の参照イメージにも比較され得ることに留意されたい。例えば、図1に示された方法で用いられた参照イメージの数は、検査サンプル上に形成された素子の範囲内での対象領域の数に等しい場合がある(例えば、ゲート領域、ソース/ドレイン領域、コンタクト領域、相互接続領域、トレンチ領域などの異なる対象領域に対応した個々の参照領域)。
【0057】
参照イメージ12と14は、多くの様々な方法により取得可能である。上述の如く、個々の参照領域は、異なる対象領域に対応する場合がある。したがって、参照イメージは、検査サンプル上に形成された素子の範囲内で対象となる個々の異なる領域に関して取得され得る。
【0058】
一実施形態において、参照イメージは、対象領域の上に形成される検査サンプルのイメージ化により取得可能である。例えば、素子設計は、検査サンプル上の対象領域の位置の見積もりに使用され得る。検査サブシステム、及び/又は、検査サンプルは、推定された位置で、検査サブシステムがイメージ(例えば、パッチ・イメージ)を取得できるように位置づけされる。対象領域の範囲内の位置でイメージが取得されたことを確認するために、イメージが設計に比較される(例えば、検査サンプル上に設計が反映されるかを示すシミュレートされたイメージであり、2005年9月14日にVerma等により出願された米国特許出願番号11/226,698号に記載された方法とシステムを用いて生成可能であり、この文献はここに詳述された参照文献として取り扱われる)。一つ又は複数のフューチャが、イメージと対象領域の設計の両者に現れた場合、該イメージは対象領域内において取得されたものと確認される。シミュレートされたデータにおいて、このパターンの追加例が見出される場合がある。更に、参照イメージが、欠陥が存在しない対象領域のイメージを含む場合がある。例えば、検査サブシステムにより対象領域のイメージが取得された後、該イメージ内に欠陥が存在するか否かを決定するために、欠陥検知アルゴリズム又は方法を使用可能である。該イメージ内に欠陥が存在する場合、検査サブシステムは、対象領域の他の位置から異なるイメージを取得可能であり、欠陥が無い参照イメージが取得されるまで、上に記載されるステップを実施可能である。
【0059】
更に、上述の如く対象となる各領域に関し、複数の参照イメージを取得可能である。それ故、幾つかの実施形態において、本方法は、単一の試験イメージを、対象となる各領域に関する複数の参照イメージに比較することを含む。試験イメージと参照イメージ内の一つ又は複数のパターン化されたフューチャのマッチングを確認するために、又は比較結果の精度を改善するために、複数の参照イメージを比較のために用いることが可能である。
【0060】
他の実施形態において、参照イメージは、シミュレーションにより取得される。例えば、該方法は、試験データを入力として用い、対象となる各領域のシミュレートされたイメージを発生することを含む。シミュレートされたイメージは、好ましくは、検査サンプル上に個々の対象領域がどのように現れるかを示し、更には検査により取得されたイメージ内に現れる。したがって、シミュレートされたイメージは、欠陥イメージを含まないシミュレートされたイメージを除き、検査サンプルに関して取得された試験イメージに類似となる。シミュレートされたイメージを発生することは、それ故、検査前に検査サンプル上で実施されるプロセスに関して、好ましくは一つ又は複数のモデル(リソグラフィー・モデル、エッチ・モデル、化学機械研磨モデル)を使用する。任意の適切な方法、アルゴリズム、又はカリフォルニア州サンノゼ、KLA−Tencorより購入可能であるPROLITHなど、この分野で公知のソフトウェアを用いて、このようなシミュレーションを実施可能である。
【0061】
特定の分類法に対して用いられる参照イメージの種類は、例えば、検査サンプルのフューチャ、プロセス又は検査サンプルを生成するために用いられるプロセス、試験イメージを取得するために用いられた検査システムのフューチャなどに依存して、変化し得る。例えば、検査サンプル上において数多くのプロセスが実施された後に、検査が実施される場合、検査サンプルのイメージ化により取得される参照イメージが、試験イメージとの比較により好ましいことがある。なぜなら、シミュレートされたプロセスの数の増加に伴い、シミュレートされたイメージの精度は、減少するからである。更に、検査サンプル上で実行されるプロセスのモデルが開発されていないか、入手可能でない場合、検査サンプルのイメージ化により取得された参照イメージが使用可能である。他の実施形態において、検査システムのフューチャと検査サンプルのフューチャが、検査サンプルの複数の層上で欠陥ととパターン化されたフューチャを含むイメージをもたらす場合(例えば、検査サンプル上に形成された比較的透明な最上層のために)、同様に処理された検査サンプルのイメージ化により取得された参照イメージは、シミュレーションにより取得された参照イメージよりも、対応する試験イメージにより類似する。
【0062】
上述の実施形態における参照イメージの取得は、手動で、自動的に、又は(ユーザー介助により)半自動的に実施可能である。参照イメージを取得するための手動方法の一態様では、ユーザは予備検査で集められたチップより対象となるパターンを選択する。或いは、ユーザは、欠陥位置に合致するGDSデータなどの設計データ表示より、パターンを選択する。ユーザは、合致パターンが反転又は回転されたものをも含めるか、或いは、合致がオリジナルに対して同じ配向でなくてはならないかを指定できる。ユーザは、選択されたパターン内に位置する事象を、対象レベルの誤事象であるか、正事象であるか否か識別する。また、ユーザはパターンに対して分類コードを指定できる。ここで記述される方法とシステムは、次に、パターンを受理し、以下に記述されるように該パターンを使用可能である。
【0063】
上に記載される如く、参照イメージを取得することは、ここに記載されたコンピュータ実施方法、又は異なるコンピュータ実施方法により実施可能である。したがって、ここに記載された方法は、上に記載される一つ又は複数の手順を実施することにより参照イメージを取得すること、又は異なるコンピュータ実施方法により生成された結果(例えば、記録媒体に記録されたもの)から参照イメージを取得することを含む。更に、上で記載される如く、参照イメージを取得することは、素子製造中に検査される個々の設計レベルに関し、それぞれ実施される。しかしながら、追加の参照イメージは、試験イメージと参照イメージの経時的な変化が本方法の精度を減少させないように、初期設定(例えば、定期的保全又は較正)の後、定期的に取得される。
【0064】
試験イメージと参照イメージの比較は、参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致するか否かを決定することを含む。更に、幾つかの実施形態において、試験イメージと参照イメージの比較は、試験イメージの全てのパターン化されたフューチャが、参照イメージの全てのパターン化されたフューチャに合致するか否かを決定することを含む。他の実施形態において、試験イメージと参照イメージの比較は、試験イメージのパターン化されたフューチャの全てが、参照イメージのパターン化されたフューチャの幾つかが少なくとも合致するか否かを決定することを含む。このような実施形態は、参照イメージが、試験イメージよりも、対象領域内でより大きなイメージである場合に適切である。
【0065】
一実施形態において、図1に示された方法のステップ24に示されるように、試験イメージ10のパターン化されたフューチャ18は、参照イメージ12のパターン化されたフューチャ20に比較され、試験イメージ10のパターン化されたフューチャ18が参照イメージ12のパターン化されたフューチャ20に合致するかが決定される。試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致した場合、本方法は、参照イメージに関連した対象領域に対応するビンに欠陥を割り当てる。例えば、試験イメージ10のパターン化されたフューチャ18が、参照イメージ12のパターン化されたフューチャ20に合致した場合、本方法は、参照イメージ12に関連したトレンチ対象領域に対応したビン26に欠陥16を割り当てることを含む。
【0066】
パターン・マッチング・テクノロジーは、多くの異なるアプリケーションで使用されている。今日使用可能なパターン・マッチング・テクノロジーには、summing of the squares of the differences(SSD)、 normalized cross correlation(NCC 濃度相関法)、フューチャ抽出そしてフューチャに基づくマッチングなどがある。SSD法の例は、Levy等に授与された米国特許4,579,455号、Yi等に授与された6,930,782号、Maeda等に授与された6,947,587号などがあり、これらはここに詳述された参照文献として取り扱われる。NCC法の例は、Masaki等に授与された米国特許5,521,987号、Shishido等に授与された6,865,288号などがあり、これらはここに詳述された参照文献として取り扱われる。フューチャ抽出法の例は、Han等に授与された米国特許6,104,835号、Vachtesvanos等に授与された6,650,779号、Pan等に授与された6,804,381号、Okuda等に授与された6,855,381号などがあり、これらはここに詳述された参照文献として取り扱われる。SSDのようなイメージの輝度/コントラストに敏感な技術に関しては、米国特許出願番号US2005/0062963号にYoshida 等により示されたgray level correction(GLC)法などの輝度/コントラスト補正スキームが開発されており、これは、ここに詳述された参照文献として取り扱われる。このような技術は、検査サンプルの配列、そしてフィールド/ダイのレジストレーションなどの任務向け検査ツールに使用されている。しかしながら、ここに記載された方法は、欠陥の近傍コンテクストを識別するのに使用され、欠陥の分類を助けるパターン・マッチング・テクノロジーとして用いられる初めてのアプリケーションである。
【0067】
試験イメージ10のパターン化されたフューチャが、参照イメージ12のパターン化されたフューチャに合致した場合、ここで記載されたように、更なる試験イメージ(図示されていない)が参照イメージに比較される。しかしながら、図1に明確に示された如く、試験イメージ10のパターン化されたフューチャと参照イメージ12のパターン化されたフューチャは合致しない。したがって、本方法は、試験イメージ10を異なる参照イメージに比較することを含む。
【0068】
例えば、図1に示された方法のステップ28に示されたように、試験イメージ10が参照イメージ14に比較され、試験イメージ10のパターン化されたフューチャ18が参照イメージ12のパターン化されたフューチャ20に合致するかが決定される。試験イメージのパターン化されたフューチャが、参照イメージのパターン化されたフューチャに合致した場合、本方法は、参照イメージ14に関連したトレンチ対象領域に対応したビンに欠陥を割り当てることを含む。例えば、試験イメージ10のパターン化されたフューチャ18が、参照イメージ14のパターン化されたフューチャ22に合致した場合、本方法は、参照イメージ14に関連したコンタクト対象領域に対応したコンタクトビン30に欠陥16を割り当てることを含む。この場合、図1に示す如く、試験イメージ10のパターン化されたフューチャと、参照イメージ14のパターン化されたフューチャは合致する。したがって、試験イメージ10に含まれる欠陥16は、コンタクトビン30に割り当てられる。本方法は更に追加の試験イメージを参照イメージに比較することを含む。
【0069】
試験イメージ10のパターン化されたフューチャが参照イメージ12と14のパターン化されたフューチャに合致しない場合、本方法は、合致が見つかるまで、又は試験イメージが全ての参照イメージに比較されるまで、試験イメージ10を追加の参照イメージ(図示されていない)に比較することを含む。幾つかの実施形態において、参照イメージは、虚偽欠陥のみが存在するかもしれない素子領域に関連していない。したがって、試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致しない場合、本方法は、欠陥を虚偽欠陥として識別することを含む。このような一実施形態において、虚偽欠陥として識別された欠陥は虚偽ビン32に割り当てられる。しかしながら、欠陥と、虚偽欠陥として識別された欠陥の試験イメージは、廃棄される場合もあれば、他の試験イメージからフィルターをかけられる場合もある。
【0070】
したがって、上に記載される如く、本方法は、対象領域の範囲内に位置する欠陥を明確に識別することを含む。しかしながら、幾つかの実施形態において、虚偽欠陥が存在するかもしれない素子領域(虚偽領域)が識別され、そして、これらの領域に関する参照イメージが、上に記載される試験イメージに比較される。試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、虚偽領域の一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致した場合、本方法は、欠陥を虚偽欠陥として識別する。このようにして、ここに記載された方法は、潜在的なDOIを明確に識別するのに使用され、参照イメージのいずれにも合致しない欠陥は虚偽として識別される。あるいは、ここに記載された方法は、虚偽欠陥を明確に識別し、かつ参照イメージのいずれにも合致しない欠陥を潜在的なDOIとして識別するのに使用される。
【0071】
しかしながら、幾つかの実施形態において、単一のコンピュータ実施方法内で、これら両者の方法を組み合わせることが可能である。例えば、これらの異なるアプローチ(試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャのいずれにも合致しない場合、欠陥を虚偽欠陥として識別すること、そして、試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、虚偽領域に対応する参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致した場合、欠陥を虚偽欠陥として識別すること)は、最適な結果を得るために、単一の方法として組み合わせ可能である。
【0072】
このような一実施形態において、参照イメージは、虚偽欠陥が存在するかもしれない素子領域に関連した一つ又は複数のフューチャのイメージを含む。試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、虚偽欠陥が存在するかもしれない素子領域に関連した一つの参照イメージの一つ又は複数のフューチャに合致した場合、本方法は、欠陥を虚偽欠陥として識別することを含む。幾つかの実施形態において、試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、あらゆる参照イメージ(例えば、対象領域に関連した参照イメージと、虚偽欠陥が存在するかもしれない素子領域に関連した参照イメージ)の一つ又は複数のフューチャに合致しない場合、本方法は、欠陥を虚偽欠陥として識別することを含む。
【0073】
上に記載された本方法は、欠陥に関する試験イメージに関連するが、素子内の対象領域内に異なる欠陥が存在する場合、異なる欠陥の異なる試験イメージに関して本法を実施できることが理解されるべきである。本方法は、検査サンプル上で検知された幾つかの欠陥に関し、又は、検査サンプル上で検知された全ての欠陥に関し実行可能である。
【0074】
一実施形態において、本方法は、検査サンプルの検査中に実施される。このようにして、上に記載される参照イメージは、欠陥属性又は欠陥分類を設定するために、検査中にインラインで使用できる。他の実施形態において、本方法は、欠陥の点検中に実施される。このようにして、参照イメージは、欠陥属性又は欠陥分類を設定するために、点検中に使用できる。例えば、本方法は、検査により見出されたサイトを再度訪れることにより、点検ステーション上で実施される。このマッチングは、パターン・マッチングのみを用いて実施される。
【0075】
他の実施形態において、本方法は、(パフォーマンスを改善するために)試験イメージ上で実施された統計学的手法と組み合わせて実施される。このようにして、統計学的手法(おそらくは属性に基づく規則との組み合わせで)はパターン・マッチングと組み合わされて使用される。また別の実施形態において、本方法は、検査サンプルの検査中に取得された試験イメージを用い実施される。例えば、参照イメージは、先立って行なわれた検査中に収集された試験イメージの組との比較のために直ちに使用される。このような実施形態において、パターン・マッチングは単独で、又は他の分類方法論と共に使用可能である。更に、(例えば、ここで記載された方法内で使用可能な)十分な検査データが得られた場合、本方法は、オフラインで実施することも可能である。或いは、参照イメージは、設計データ中のパターンの他の例を識別するために使用される。この場合、パターン・マッチングは、デザイン・ルール・チェッキング(DRC)アルゴリズムなどの他のアプリケーションにより援助される。
【0076】
ここに記載されるCBB法の実施形態は、DOIと虚偽欠陥の分離に関し、先行例に比べ数多くの利点を有する。例えば、CBB方法論が使用できる数多くの有益なアプリケーションが存在する。一実施形態において、本方法論は、検査が精確で効率的なように、検査サンプル上で検知された欠陥の母集団に由来する、予め定義された対象領域のいずれからでもない欠陥を除去するためにフィルターをかけるツールとして、使用可能である。対称的に、DOIと虚偽欠陥の分離する過去のいくつかの試みは、対象領域に対応する検査サンプル上の領域のみを検査することに関与していた。しかしながら、検査サンプル上の対象領域と大きさと分配、そして、対象領域上で位置づけされる検査システムの精度が、この方法の有益性とと欠陥分離の精度を制限している。
【0077】
DOIと虚偽欠陥を分離する別の試みは、検査データが取得される位置と、検査サンプル上の位置で対象領域が形成されるであろう対象領域に依存する欠陥検知変数(閾値)を動的(リアルタイム)に変化させることを伴う。しかしながら、再度ここで、検査サンプル上の位置を決定する検査システムの精度と、試料上に形成された対象領域の位置精度が、この方法の有効性と精度を制限する。
【0078】
しかしながら、ここで記載された本方法においては、近傍コンテクストに基づき、欠陥がDOIか虚偽であるか分類されるため、検査サンプル上で欠陥が検知された位置と検査システムの位置精度に拘らず、検査サンプル上で検知された欠陥の全てを潜在的なDOIか虚偽として識別できる。したがって、検査サンプル上の対象領域に拘らず、検査サンプルの全表面に亘り検査が実行される。換言すれば、検査は、対象領域と検査サンプル上の対象では無い領域を横切る検査データを取得することを含む。更に、欠陥検知は、検査データが取得された検査サンプルの位置に拘らず、同一のデータ処理変数(閾値)を用いて実施可能である。結果として、ここに記載された方法は、欠陥をDOIと虚偽に分離する精度を改善しつつ、検査プロセス自身を大幅に簡素化し、検査システムに要求される実施機能を削減する。
【0079】
他の例では、近傍コンテクストに基づき、欠陥を異なるビンに割り当てる分類ツールとしてCBB方法論が使用可能である。対称的に、現在使用可能な自動欠陥分類(ADC,automatic defect classification)スキームは、欠陥属性に基づいているが、欠陥のフューチャは、時として欠陥位置が欠陥自身のフューチャよりも重要であるという事実を取り扱わない。ここに記載されるCBB方法論は、多くの場合、この重要なギャップを埋める。特に、ここに記載される方法の重要な要素は、欠陥の総合的な重要な一部として、欠陥の近傍コンテクストを取り扱うことである。換言すれば、近傍コンテクストは、大きさや規模などの他の欠陥属性と共に、少なくとも同等に重要なものとして取り扱われる。ここに記載されるCBB法は、それ故、欠陥の近傍コンテクストを有効に用い、(対象領域の範囲内で)その位置を識別し、それ故、欠陥の正しい分類を助ける。特に、ここに記載された方法は、パターン・マッチング・テクノロジーを用い、欠陥の近傍コンテクスト(例えば、欠陥が存在する素子デザインの対象領域)を識別し、同様に、コンテクストの範囲内でその位置(例えば、コンテクストに相対的な位置)も識別する。
【0080】
また、パターン・マッチング・テクノロジーの使用は、欠陥からのみならず、欠陥の近接領域からの属性を他のスキームが引き出す場合でも、属性に基づく他の分類スキームが持たない柔軟性と堅牢性を、ここに記載されるCBBテクノロジーにもたらす。例えば、欠陥の近傍コンテクストの属性ベクトルなどの属性を導く方法においては、「似通った」ものではないパターン化されたフューチャに関する属性が、同じ属性に割り当てられる場合がある。しかしながら、ここで記載された方法は、「似通った」欠陥に近接した一つ又は複数のパターン化されたフューチャに基づき、欠陥を差別化する。したがって、ここに記載されたパターン・マッチングは、2004年9月30日にHuet等により出願された米国特許出願番号10/954,968号に記載された「私自身に似た欠陥」アプリケーションの一般的な拡張として使用可能であり、これはここに詳述された参照文献として取り扱われる。ここに記載された実施形態の方法と過去に用いられた方法の差は特に大きい。なぜなら、同じ一般形状を有するが異なる方向に配列された二つのパターン化されたフューチャは、現状の方法では識別できないからである。しかしながら、このようにパターン化されたフューチャは、イメージ内にパターン化されたフューチャがどのように現れるかに基づいてパターン・マッチングが実施されるので、ここに記載される方法により識別可能である。
【0081】
したがって、ここに記載されるパターン・マッチング・テクノロジーの使用は、欠陥分類をより精確に決定する能力を付与する。特定の事例において、ここに記載される方法は、バックグランドより導かれた属性ベクトルを用いることよりも、より精確なマッチを見出すという点において、バックグランドに基づく現状の他の分類方法よりも、より精確な合致を見出す。FWQアプリケーションに関しては、他の方法では検出できない素子設計における微細なフューチャの追加事例を見出すために、パターン・マッチングがまた使用可能である。更に、ここに記載されるパターン・マッチングは、繰り返し欠陥と系統欠陥の識別の補助に使用される。更に、パターン・マッチングは、繰り返し欠陥の誤識別を避けるのに使用される。例えば、ここに記載された方法は、「繰り返し」がダイ又はレチクルにおける繰り返し、又はパターンにおける繰り返しと定義されるところの、繰り返し欠陥の識別補助として使用される。このような一実施形態において、試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致した場合、本発明は欠陥が繰り返し欠陥(例えば、パターン、ダイ、又はレチクル内で繰り返される欠陥)であるか否か決定することを含む。この場合、候補となるリピータは、パターン・マッチングを用い、認証又は確認される。このようにして、パターン・マッチングは、また、同じ配置を有するが、検査サンプル上の異なる位置にある欠陥を見出すためのリピータ・アルゴリズムと方法の能力を拡張できる。ウエハの収率を決定する上で、系統欠陥はより重要になりつつある。
【0082】
上に記載される欠陥の分類は、検査サンプル上で検知された欠陥を、検査サンプル上に形成された素子内で異なる対象領域に位置する欠陥のグループに有効に分類する。対象領域内にある欠陥は、それ故、潜在的なDOIである。また本方法は、欠陥を分類することにより、潜在的DOIを、実際にDOIか「真の」DOIであるか否か決定することを含む。
【0083】
幾つかの実施形態において、本方法は、欠陥の一つ又は複数の属性に基づき、欠陥を分類することを含む。欠陥の属性は、大きさ、規模、形態、配位などの分類に使用可能なあらゆる欠陥属性を含む。他の実施形態において、欠陥の一つ又は複数の属性に基づき、さらに、欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャの一つ又は複数の属性に基づき、欠陥を分類することを含む。このようにして、欠陥は、欠陥の一つ又は複数の属性に基づき分類されるのみならず、欠陥に近接した検査サンプル上に位置する任意のパターン化されたフューチャの属性に基づき分類される。
【0084】
欠陥の一つ又は複数の属性に基づき欠陥を分類する公知の任意の方法を、欠陥に近接した検査サンプル上に形成されたパターン化されたフューチャの一つ又は複数の属性と組み合わせ、ここに記載される方法に適用できる。ここに記載される本方法で使用可能な欠陥の分類方法の例が、Han等に授与された米国特許6,104,835号にあり、これはここに詳述された参照文献として取り扱われる。欠陥データを分析するための方法の追加例が、Kulkarni等に授与された米国特許5,991,699号、Satya等に授与された米国特許6,445,199号、Eldredge等に授与された米国特許6,718,526号にあり、これらはここに詳述された参照文献として取り扱われる。ここに記載される本方法は、これらの特許に記載されたステップのいずれかをも含む。
【0085】
幾つかの実施形態において、本方法は、欠陥をビンに分類する結果に基づき、素子設計の潜在的な問題部分を含む対象領域を識別することを含む。例えば、異なる対象領域に関連したビンに割り当てられた欠陥の数は、対象となる一領域が、対象外の領域に比べ、より系統欠陥を生じやすいことを示すかもしれない。それ故、どの対象領域がパターンに依存する欠陥を示すかを識別するのに、分類過程の結果を使用できる。このようにして、分類過程の結果は、存在的により問題である(例えば、より系統欠陥を生じやすい)領域又は素子設計内の対象領域を識別するのに使用できる。これらの個々のプロセスを、ここに記載されるコンピュータ実施方法により自動的に実施できる。
【0086】
他の実施形態において、本方法は、素子内の欠陥に近接した一つ又は複数のフューチャの追加事例を見出すことを含む。更なる実施形態において、本方法は、検査サンプル上の欠陥に近接した一つ又は複数のフューチャの追加事例を見出すことを含む。このようにして、本方法は、パターン化されたフューチャの追加事例を識別するために、欠陥に近接したフューチャに基づき、素子設計内又は検査サンプルに関する検査データを検索することを含む。パターン化されたフューチャの追加事例を検索し、識別することは、素子内又は検査サンプル上に現れたパターン化されたフューチャの全ての事例が、欠陥に近接したものであるか、同様な種類の欠陥であるか否か決定するために使用可能である。このようにして、パターン化されたフューチャの複数の事例が吟味され、パターン化されたフューチャの少なくとも一事例の近傍で検出された欠陥が、繰り返されるか、系統的であるか(そして、とのように繰り返され系統的であるか)が決定される。更に、パターン化されたフューチャの複数の事例が吟味され、パターン化されたフューチャが潜在的に問題であるかが決定される。例えば、欠陥に近接して位置するパターン化されたフューチャの事例数と、欠陥(又はパターン化されたフューチャの事例の総数)に近接して位置しないパターン化されたフューチャの事例数が、比較吟味され、パターン化されたフューチャが問題であるか、そしてどのように問題であるかが決定される。換言すれば、このような評価は、パターン化されたフューチャがどのように欠陥を生じやすいかを定量的に評価するのに用いられる。これらの個々のプロセスは、ここに記載されるコンピュータ実施方法により自動的に実施され得る。
【0087】
幾つかの実施形態において、本方法は、割り当てステップの結果に基づき、更なる処理のために、検査サンプル上で検知された欠陥をサンプリングすることを含む。例えば、割り当てられた個々のビンから、少なくとも幾つかの欠陥が点検されるように欠陥がサンプリングされる。他の事例では、上に記載される如く、潜在的により問題となり得ると識別される領域又は素子設計の対象領域より、欠陥は重点的にサンプリングされる。点検又は他の公知のプロセシングに関する欠陥のサンプリングは、コンピュータ実施方法により自動的に実施される。
【0088】
素子設計のどの部分が潜在的に問題となるかの情報は、素子設計の変更に使用される。例えば、ここに記載される分類法により生成された情報は、分析されるべき素子設計の部分をプロセスする設計へのフィードバックに使用され、素子が製造される追加検査サンプル上に形成される欠陥の数又は欠陥の種類の数を削減するために、素子設計の部分の一つ又は複数のフューチャが変更されるか否かを決定する。このようにして、素子設計は変更され、系統欠陥は削減される。これらの個々のプロセスは、ここに記載されるコンピュータ実施方法により自動的に実施される。
【0089】
他の実施形態において、本方法は、ビンに欠陥を割り当てた結果に基づき、検査サンプルの製造に使用された潜在的に問題となるプロセスを識別することを含む。例えば、上に記載される如く、異なる対象領域に関連したビンに割り当てられた欠陥の数は、対象となる一領域が、対象となる他領域に比べ、より欠陥を生じやすいことを示す。このようにして、分類ステップの結果を、潜在的により問題となる(欠陥をより生じやすい)素子設計内の領域又は素子設計内の対象領域を識別するのに使用することができる。更に、素子設計のどの部分が潜在的に問題となるかの情報は、領域内の欠陥、又は対象領域内の欠陥の原因と一つ又は複数のプロセスの識別に使用される。例えば、ここに記載された分類法により生成された情報は、素子が製造される追加検査サンプル上に形成される欠陥の数又は欠陥の種類の数を削減するために、素子製造に用いられる一つ又は複数の変数が変更可能か否かを決定するのに使用される。ここに記載された方法により潜在的に問題となると識別されるプロセスは、検査サンプル製造に用いられるいかなるプロセス(例えば、リソグラフィー、化学機械研磨、エッチング、成膜、クリーニング、アニール)をも含む。ここに記載される方法とシステムにより実施される欠陥分類の結果は、それ故、フィードバック制御法を用いて、プロセス又はプロセス・ツールの変数の変更に使用される。プロセス又はプロセス・ツールの変数は自動的に変更される。
【0090】
往々にして、検査サンプルの製造に用いられる素子設計とプロセスは「相互作用」し、検査サンプル上に欠陥を生成する。このようにして、本方法は、ここに記載されるように、欠陥をビンに分類することにより生成される情報に基づき、検査サンプル製造に用いられる素子設計とプロセスの両者を変更することが可能であり、設計とプロセス変数の相互効果により、検査サンプル上に形成された欠陥の数が削減される。上に記載される本方法の個々の実施形態は、ここに記載される他のいかなるステップをも含む。
【0091】
図2に示される方法において、試験イメージは参照イメージに比較されないという点で、図2に示された方法は、図1に示された方法と異なる。代わりに、図2に示された方法において、二つの異なる試験イメージが互いに比較されている。このようにして、予め定義されたパターン又は参照イメージ無しに、個々にパターン・マッチングをおこなうことで、検査により検知された全ての、又は幾つかの欠陥が分析され、異なるカテゴリ又はビンに分類される。
【0092】
特に、図2に示されたコンピュータ実施方法は、第一の試験イメージを第二の試験イメージに比較することを含む。第一欠陥と第二欠陥にそれぞれ対応する第一試験イメージと第二試験イメージに関して本方法の実施形態が記載されているが、本方法は、第一試験イメージを複数の(例えば、少なくとも二つの試験イメージ)試験イメージに比較することを含むことに留意されたい。
【0093】
第一試験イメージは、検査サンプル上で検知された第一欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む。幾つかの実施形態において、第一試験イメージが第一欠陥のイメージを含む。例えば、図2に示される如く、第一試験イメージ34は、検査サンプル上で検知された第一欠陥36のイメージと第一欠陥36に近接した検査サンプル上に形成された複数のパターン化されたフューチャ38を含む。第二試験イメージは、検査サンプル上で検知された第二欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む。幾つかの実施形態において、第二試験イメージは第二欠陥のイメージを含む。例えば、図2に示される如く、第二試験イメージ40は、検査サンプル上で検知された第二欠陥42のイメージと第二欠陥42に近接した検査サンプル上に形成された複数のパターン化されたフューチャ44を含む。
【0094】
第一試験イメージと第二試験イメージは、上に記載される如く取得される。例えば、第一試験イメージと第二試験イメージは、検査サンプル上の第一欠陥と第二欠陥の位置で、それぞれ取得される。このようにして、第一試験イメージと第二試験イメージは、第一欠陥のイメージと第二欠陥のイメージを個々に含む。異なる実施形態において、第一試験イメージと第二試験イメージは、第一欠陥と第二欠陥から離れた検査サンプル上の位置でそれぞれ取得され、そこでは一つ又は複数のパターン化されたフューチャが位置しており、かつ、更なる欠陥が存在しない。
【0095】
第一試験イメージと第二試験イメージを比較することは、第一試験イメージと第二試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが合致するか否かを決定することを含む。例えば、図2に示される方法のステップ46に示される如く、第一試験イメージ34のパターン化されたフューチャ38が、第二試験イメージ40のパターン化されたフューチャ44に比較され、第一試験イメージ34のパターン化されたフューチャ38が第二試験イメージ40のパターン化されたフューチャ44に合致するかが判断される。第一試験イメージと第二試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが合致する場合、本方法は、第一欠陥と第二欠陥を同じビンに割り当てることを含む。例えば、第一試験イメージ34のパターン化されたフューチャ38が第二試験イメージ40のパターン化されたフューチャ44に合致した場合、本方法は欠陥36と42をビン1に割り当てることを含む。
【0096】
第一試験イメージと第二試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが合致するか否かに拘らず、ここに記載される如く、第一試験イメージ34のパターン化されたフューチャと更なる試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが比較される。このようにして、第一試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致する、一つ又は複数のパターン化されたイメージを含むあらゆる試験イメージ内の欠陥が、第一欠陥として同一のビンに分類される。しかしながら、図2に明確に示される如く、第一試験イメージ34のパターン化されたフューチャと第二試験イメージ40のパターン化されたフューチャは合致しない。したがって、第一欠陥36と第二欠陥42は同じビンに割り与えられない。
【0097】
第一試験イメージは、第三欠陥に近接した検査サンプル上に形成されたパターン化されたフューチャ52のイメージを含む第三試験イメージ48に比較される。第三試験イメージ48は、また、第三欠陥50のイメージを含む。図2に示される方法のステップ54に示される如く、第一試験イメージ34は第三試験イメージ48に比較され、第一試験イメージ34のパターン化されたフューチャ38が、第三試験イメージ48のパターン化されたフューチャ52に合致するかが決定される。第一試験イメージと第三試験イメージのパターン化されたフューチャが合致する場合、本方法は欠陥36と欠陥50を同じビンに割り当てることを含む。この場合、図2に示される如く、第一試験イメージ34のパターン化されたフューチャは、第三試験イメージ48のパターン化されたフューチャに合致する。したがって、第一試験イメージ34と第三試験イメージ48にそれぞれ含まれる欠陥36と欠陥50はビン2に割り当てられる。上に記載される如く、第一試験イメージと第三試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが合致するか否かに拘らず、ここに記載される如く、第一試験イメージ34のパターン化されたフューチャと更なる試験イメージのパターン化されたフューチャが比較される。
【0098】
試験イメージ34と48に示される如く、欠陥36と欠陥50は本質的に同じ属性を有しない。特に欠陥36と欠陥50は異なる大きさと形状を有する。しかしながら、バックグランド・コンテクスト(例えば、パターン化されたフューチャ38とパターン化されたフューチャ52)が合致するため、これらの欠陥は同じビンに割り当てられる。したがって、欠陥の属性に拘らず、バックグランド・コンテクストにより示される同じ対象領域内にある欠陥は、同じビンに割り与えられる。コンテクストにより欠陥がビンに割り当てられた後、更に、欠陥の一つ又は複数のパターン化された属性に基づき、ここに記載され実施される如く、欠陥は「サブビン」に分離される。或いは、二つのイメージを交互に比較した場合、合致したパターンの一部を欠陥として考慮することにより、試験イメージが比較される。このようにして、欠陥は、バックグランド・コンテクストと欠陥の一つ又は複数の属性に応じて同時に異なるビンに分離される。例えば、同じ属性を有し、同じ対象コンタクト領域に現れる欠陥は1つのビンに分類され、同じコンタクト領域に現れるが、属性が異なる欠陥は別のビンに分類される。
【0099】
第一試験イメージ34のパターン化されたフューチャ38が、試験イメージのパターン化されたフューチャのいずれにも合致しない場合、本方法は、ここに更に記載される如く、第一欠陥が分析されるように、第一試験イメージ34の第一欠陥をそれ自身のビンに割り当てることを含む。図2に示される本方法は、検査サンプル上で検知された幾つかの、又は全ての欠陥に関し実施される。
【0100】
図2に示された本方法は、ここに記載されるあらゆる方法の、あらゆる他のステップを含む。例えば、一実施形態において、本方法は、割り当てステップの結果に基づき、検査サンプルの上に形成された欠陥設計の潜在的に問題となり得る部分を識別することを含む。別の一実施形態において、本方法は、割り当てステップの結果に基づき、検査サンプルの製造に用いられた潜在的に問題となるプロセスを識別することを含む。更なる他の実施形態において、本方法は、割り当てステップの結果に基づき、検査サンプル上で検知された欠陥のサンプルで、点検されるべきものを識別することを含む。これらの個々のステップは、ここに更に記載される如く実施され得る。
【0101】
一実施形態において、第一試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが第二試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致した場合、本発明は、第一欠陥と第二欠陥が繰り返し欠陥であるか否か決定することを含む。幾つかの実施形態において、本方法は、第一欠陥と第二欠陥の一つ又は複数の属性にそれぞれ基づき、第一欠陥と第二欠陥を分類することを含む。更なる実施形態において、本方法は、第一欠陥と第二欠陥のそれぞれの一つ又は複数のフューチャと、更には、第一欠陥と第二欠陥に近接した一つ又は複数のフューチャの一つ又は複数の属性にそれぞれ基づき、第一欠陥と第二欠陥を分類することを含む。幾つかの実施形態において、本方法は、検査サンプル上に形成されたダイの範囲内での欠陥の位置、或いは、検査サンプル上の欠陥位置に基づき欠陥のサブセットを生成し、更に、サブセットの範囲内での欠陥に近接した一つ又は複数のフューチャの一つ又は複数の属性に基づき、サブセットを分類することを含む。更なる実施形態において、本方法は、欠陥を分類するために、検査サンプル上に形成された素子に関する設計データのシミュレーションにおける欠陥に近接した一つ又は複数のフューチャを用いることを含む。これらの個々のステップは、ここに更に記載される如く実施され得る。
【0102】
他の実施形態において、本方法は、検査サンプルの検査中に実施される。別の実施形態において、本方法は、検査サンプルの検査中に取得された第一試験イメージと第二試験イメージを用いて実施される。更なる実施形態において、本方法は、欠陥の点検中に実施される。また更なる実施形態において、本方法は、第一試験イメージと第二試験イメージに実施される統計学的手法と組み合わせて、本方法を実施することを含む。これらの個々のステップは、ここに更に記載される如く実施される。更に、図2に示される本方法の個々の実施形態は、上に記載される図1に示される方法の長所の全てを有する。
【0103】
図3は、キャリア媒体56の一実施形態を示す。検査サンプル62上で検知された欠陥を分類する方法を実施するコンピュータ・システム(例えばコンピュータ・サブシステム60)上で実行できるプログラム命令58をキャリア媒体56が有する。本方法は、試験イメージを参照イメージに比較することを含み、それは上に記載される如く実施される。試験イメージは、検査サンプル上で検知された欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む。参照イメージは、検査サンプル上に形成された素子の範囲内で、異なる対象領域に関連した一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む。一実施形態において、異なる対象領域は、DOIが存在するかもしれない素子領域を含む。他の実施形態において、異なる対象領域は虚偽欠陥のみが存在するかもしれない素子領域を含まない。試験イメージと参照イメージは、ここに記載される如く、更なる設定と取得が可能である。
【0104】
試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致する場合、本方法は、1つの参照イメージに関連した対象領域に対応するビンに欠陥を割り当てることを含み、これはここに記載される如く実施される。プログラム命令が実行可能である方法はここに記載されるいかなるステップをも含む。
【0105】
例えば、一実施形態において、試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージのいかなるパターン化されたフューチャにも合致しない場合、本方法は、欠陥を虚偽欠陥として識別することを含む。他の実施形態において、本方法は、割り当てステップの結果に基づき、素子設計の潜在的に問題となり得る部分を含む対象領域を識別することを含む。更なる実施形態において、本方法は、割り当てステップの結果に基づき、検査サンプル製造に用いられる潜在的に問題となり得るプロセスを識別することを含む。これらの個々のステップは、ここに更に記載される如く実施される。
【0106】
更なる実施形態において、本方法は、欠陥の一つ又は複数の属性に基づき欠陥を分類することを含む。他の実施形態において、本方法は、欠陥の個々の一つ又は複数の属性に基づき、更には、欠陥に近接した一つ又は複数のフューチャの一つ又は複数の属性に基づき、第一欠陥と第二欠陥を分類することを含む。これらの個々のステップは、ここに更に記載される如く実施される。上に記される本方法の個々の実施形態は、ここに示される方法の利点の全てを有する。
【0107】
プログラム命令もまた、あるいはもう1つの方法として、ここに記載される検査サンプル62の上で、検査サンプル上で検知された欠陥を分類するための他の実施形態を実施するために設定される。例えば、一実施形態において、プログラム命令が実施可能な方法は、第一試験イメージを第二試験イメージに比較することを含み、それはここに記載される如く実施される。第一試験イメージは、検査サンプル上で検知された第一欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む。第二試験イメージは、検査サンプル上で検知された第二欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む。第一試験イメージと第二試験イメージは、ここに記載される如く更に設定され、取得される。第一試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、第二試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致する場合、本方法は、第一試験イメージと第二試験イメージを同じビンに欠陥を割り当てることを含む。プログラム命令が実行可能であるこの方法は、ここに記載されるあらゆる他のステップを含む。
【0108】
例えば、一実施形態において、本方法は、割り当てステップの結果に基づき、素子設計の潜在的に問題となり得る部分を含む対象領域を識別することを含む。別の実施形態において、本方法は、割り当てステップの結果に基づき、検査サンプルの製造に用いられる潜在的に問題となり得るプロセスを識別することを含む。これらの個々のステップは、ここに更に記載される如く実施される。
【0109】
別の実施形態において、本方法は、第一欠陥と第二欠陥の個々の一つ又は複数の属性にそれぞれ基づき、第一欠陥と第二欠陥を分類することを含む。更なる実施形態において、本方法は、欠陥の個々の一つ又は複数の属性に基づき、更には、欠陥に近接した一つ又は複数のフューチャの一つ又は複数の属性に基づき、第一欠陥と第二欠陥を分類することを含む。幾つかの実施形態において、これらの個々のステップは、ここに更に記載される如く実施される。上に記される本方法の個々の実施形態は、ここに示される方法の利点の全てを有する。
【0110】
キャリア媒体は、ワイヤー、ケーブル、無線リンクなどの送信媒体とすることができる。またキャリア媒体は、ROM、RAM、イメージ取得ディスク、磁気テープなどの記録媒体も使用可能である。
【0111】
プログラム命令は、手順に基づくテクニック、コンポーネントに基づくテクニック、及び/又は、オブジェクト指向のテクニックなどの様々な形態で実施される。例えば、プログラム命令は、Matlab、Visual Basic、 ActiveX controls、 C、 C++ objects、 C#、 Java(登録商標)Beans、 Microsoft Foundation Classes(“MFC”)、又は所望される他のテクノロジー又は方法論を用いてされ実施得る。
【0112】
コンピュータ・システムとコンピュータ・サブシステム60は、パーソナル・コンピュータ・システム、メインフレーム・コンピュータ・システム、ワークステーション、イメージ・コンピュータ、又は公知の他のデバイスを含む様々な形態とすることが可能である。一般に、「コンピュータ・システム」は、記録媒体からの指示を実行する、一つ又は複数のプロセッサを有するあらゆるデバイスを包含すると、広範に定義される。
【0113】
また図3は、検査サンプル上で検知された欠陥を分類するために設定されたシステムの一実施形態を示す。図3に示されるシステムは検査システムを含む。システム内に含まれる検査サブシステムの設定一実施形態を、一般的に示すために、図3が用いられていることに留意されたい。明らかに、ここに記載されるシステム設定は、商業的な検査システムを設計する場合の通常設定から、システムのパフォーマンスを最適化するように、変更可能である。更にここに記載されるシステムは、既存の検査サブシステム(例えば、ここに記載された機能性を既存の検査システムに加えることにより)を用いて実装可能である。このようなシステムの幾つかに関して、ここに記載される欠陥分類方法が、システムのオプション機能(例えば、システムの他の機能性に加え)として供給される。或いは、ここに記載されたシステムは、全く新しいシステを提供するために「一から作ったもの」として設計可能である。
【0114】
検査サブシステムは、検査サンプル上で検知された欠陥(図3には示されていない)に近接した検査サンプル62上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャ(図3には示されていない)の試験イメージを取得するように設定される。検査サブシステムは、光源64を含む。光源64は、この分野で公知のあらゆる適切なものでよい。光源64により生成された光はビーム・スプリッタ66へ向けられる。ビーム・スプリッタ66は、光源64からの光を対物レンズ68に向ける。ビーム・スプリッタ66はこの分野で公知のあらゆる適切なものでよい。対物レンズ68はビーム・スプリッタ66からの光を検査サンプルに向け、焦点を合わせる。図3において、対物レンズ68は単一の屈折光学部品として示されたが、対物レンズ68は一つ又は複数の屈折光学部品、及び/又は、一つ又は複数の反射光学部品を含むことに留意されたい。
【0115】
図3に示される如く、検査サブシステムは、検査サンプルに対し実質的に垂直な入射角となるよう光を向けることで、検査サンプルを照射するように設定されている。しかしながら、他の実施形態において(ここには示されていない)、検査サブシステムは、検査サンプルに対し傾いた入射角となるよう光を向けることで、検査サンプルを照射するように設定される。
【0116】
図3に示される実施形態において、検査サンプルから反射された光を収集するように、対物レンズ68が設定されている。対物レンズ68により収集された光は、ビーム・スプリッタ66を通過し、検査サブシステムの検出器70に向けられる。検出器70は、ビーム・スプリッタ66より放出された光を検知するように設定されている。検査サブシステムには、ビーム・スプリッタ66と検出器70の間の光学経路に、焦点レンズや結像レンズなどの一つ又は複数の光学部品(ここには示されていない)を挿入可能である。検出器70は、検査サンプルから反射された光に対応して、イメージ(例えば、試験イメージ)を生成するように設定されている。検出器70は、電化結合素子(CCD)カメラ、time delay integration(TDI)カメラなど、この分野で公知のいかなる適切な検出器をも使用できる。
【0117】
図3に示される検査サブシステムは、したがって、検査サンプルから鏡面的に反射される光に対応するイメージを生成するように設定されている。したがって、この検査サブシステムは、明視野(BF)イメージングに基づく検査サブシステムとして設定されている。しかしながら、他の実施形態において、検査サブシステムは、暗視野(DF)イメージングに基づく検査サブシステムとして設定される。更なる実施形態において、光学検査サブシステムは、電子ビーム検査サブシステム(ここには示されていない)により置換可能である。電子ビーム検査サブシステムは、ここに記載される如く、試験イメージを生成するように設定される。図3のシステムに含まれる商業的に入手可能な電子ビーム検査サブシステムは、KLA−Tencorより購入可能な eDR5000 system、eCD−1 system、eS25 system、eS30 systemなどの電子ビーム検査サブシステムである。
【0118】
幾つかの実施形態において、検査サブシステムは、参照イメージを取得するようにも設定される。上に記載される如く、個々の参照イメージは異なる対象領域に対応し得る。したがって、検査サンプル上に形成された素子の範囲内で対象となる個々の異なる領域に関して参照イメージが取得される。
【0119】
一実施形態において、検査サブシステムは、対象領域が形成された検査サンプルをイメージ化することにより、参照イメージを取得するように設定可能である。例えば、システムはコンピュータ・サブシステム60を含み、これは素子設計に基づき検査サンプル上の対象領域の位置を推定するように設定可能である。コンピュータ・サブシステムは、推定された位置に検査サブシステムの視野を位置づけるように設定可能である。また、コンピュータ・サブシステムは、推定された位置を検査サブシステムに提供するように設定可能であり、この検査サブシステムは推定された位置上に検査サブシステムの視野を位置づけるように設定可能である。次に、この検査サブシステムは、推定された位置でイメージを取得することが可能である。対象領域内の位置でイメージが取得されたことを確認するため、コンピュータ・サブシステムは、該イメージを、上に記載される設計と比較するよう設定可能である。対象領域に関するイメージと設計の両者において、一つ又は複数のパターン化されたイメージが現れる場合、コンピュータ・サブシステムは、該イメージが対象領域内で取得されたものとして確認可能である。更に、参照イメージは、欠陥が存在しない対象領域のイメージを含む。例えば、推定された位置にて、検査サブシステムによりイメージが取得されると、コンピュータ・サブシステムは、欠陥検知のアルゴリズム又は方法を用い、イメージ内に欠陥が存在するか否かを決定可能である。該イメージ内に欠陥が存在する場合、検査サブシステムは対象領域内で他の位置に存在する異なるイメージを取得可能である。そして上に記載されるステップは、適切な参照イメージが取得されるまで実施され得る。
【0120】
更に、検査サブシステムとコンピュータ・サブシステムは、上に記載されるように、個々の対象領域に関して複数の参照イメージを取得するように設定可能である。したがって、幾つかの実施形態において、コンピュータ・サブシステムは、一つの試験イメージを、個々の対象領域に関する複数の参照イメージに比較するよう設定可能である。
【0121】
他の実施形態において、参照イメージは、シミュレーションにより取得される。例えば、コンピュータ・サブシステムは、設計データを入力として用い、個々の対象領域のシミュレートされたイメージを生成するように設定可能である。シミュレートされたイメージは、上に記載される如く設定可能である。コンピュータ・サブシステムは、検査前に検査サンプル上で実施されるプロセスに関して、一つ又は複数のモデルへの入力として、設計データを用いてシミュレートされたイメージを生成するように設定可能である。このようなシミュレーションは、PROLITHなど、この分野で公知のあらゆる適切な方法又はソフトウェアを用い実施される。
【0122】
システムは、手動で、自動的に、又は(ユーザー介助により)半自動的に、上述の実施形態における参照イメージを取得するように設定可能である。更にシステムは、上に記載される如く、参照イメージを生成することにより参照イメージを取得するように、或いは、異なるシステムからの参照イメージを取得するように設定可能である。ここに記載されるシステムは、他のシステムより、二つのシステム(例えば、データ・リンク)を結合する送信媒体を経て、参照イメージを取得するように、或いは、他のシステムにより記録された参照イメージがあり、更に両者のシステムによりアクセスできる記録媒体より参照イメージを取得するように、設定可能である。更に、システムは、素子製造中に検査される個々の設計レベルに関して、上に記載される如く参照イメージを取得するように設定可能である。しかしながら、システムは、参照イメージと試験イメージの経時変化が本方法の精度を減少させないように、初期設定後、追加の参照イメージを定期的に取得するように設定可能である。
【0123】
検出器70は、コンピュータ・サブシステム60に結合されている。検出器により生成された試験イメージを、コンピュータ・サブシステムが受信できるよう、コンピュータ・サブシステム60を検出器70に結合可能である。例えば、コンピュータ・サブシステム60は、検出器とコンピュータ・サブシステムの間に間置された送信媒体(ここには示されていない)、又は電子部品(ここには示されていない)により、検出器に結合される。送信媒体と電子部品は、この分野で公知のいかなる適切な媒体と部品をも使用できる。
【0124】
コンピュータ・サブシステム60は、検査サブシステムにより取得された試験イメージ又は他のイメージを用い、検査サンプル上の欠陥を検知するように設定可能である。コンピュータ・サブシステム60は、試験イメージを用い、検査サンプル上の欠陥を検知するために、この分野で公知のいずれかの適切な方法、及び/又は、アルゴリズムをも使用できるように設定可能である。またコンピュータ・サブシステム60は、検査サンプル62上で検知される欠陥を分類するために、ここに記載される一つ又は複数の方法の実施形態を実施するように設定可能である。
【0125】
また図3に示されるシステムは、キャリア媒体56とプログラム命令58を含む。キャリア媒体とプログラム命令は、上に記載される如く設定可能である。更に、キャリア媒体は、ここに記載される如く設定可能な、他の任意の検査システムのコンピュータ・システムで実施可能なプログラム命令を含む。
【0126】
またシステムは、検査中に検査サンプル62が配列されるステージ72を含む。ステージ72は、この分野で公知の適切な、いずれかの機械的アセンブリ、又はロボット・アセンブリを含む。検査サンプルに亘り光を走査することは、この分野で公知のいずれかの方法により実施される。更に図3に示されるシステムは、ここに記載される如く(例えば、ここに記載された任意の他の実施形態に応じて)設定可能である。
【0127】
本技術関連分野に精通した者には、本発明の様々な見地の更なる変更と別の実施形態は明らかであろう。例えば、検査サンプル上で検知された欠陥の分類のための方法とシステムがもたらされる。したがって、この記載は、説明のためのみとして構築され、そして本発明を実施するための一般的方法を、本技術関連分野に精通した者に教示する目的にある。ここに示され、記載された本発明の形態は、現状で好ましい実施形態として解釈されるべきであることに留意されたい。ここに示され、記載された要素と材料は置換可能であり、部品とプロセスは順序を入れ替えることが可能であり、本発明のいくつかのフューチャは独立して活用可能であり、本発明に記載された利点を理解した後、本技術関連分野に精通した者には、これら全ては明らかであろう。請求項に記載される本発明の思想と見地から逸脱することなく、此処に記載される要素は変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】検査サンプル上で検知された欠陥を分類するためのコンピュータ実施方法の様々な実施形態を示す概略的な流れ図である。
【図2】検査サンプル上で検知された欠陥を分類するためのコンピュータ実施方法の様々な実施形態を示す概略的な流れ図である。
【図3】検査サンプル上で検知された欠陥を分類するためのキャリア媒体とシステムの一実施形態の一部を示す概略的な流れ図である。
【符号の説明】
【0129】
10 試験イメージ
12、14 参照イメージ
16 欠陥
18〜22パターン化されたフューチャ
26 ビン
30 コンタクトビン
32 虚偽ビン
34 第一試験イメージ
36 欠陥
38 パターン化されたフューチャ
40 第二試験イメージ
42 欠陥
44 フューチャ
46 ステップ
48 第三試験イメージ
50 第三欠陥
52 パターン化されたフューチャ
56 キャリア媒体
58 プログラム命令
60 コンピュータ・サブシステム
62 検査サンプル
64 光源
66 ビーム・スプリッタ
68 対物レンズ
70 検出器
72 ステージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験イメージが、検査サンプル上で検知された欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含み、かつ、参照イメージが、検査サンプル上に形成された素子の範囲内で異なる対象領域に関連した一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む条件下で試験イメージを参照イメージに比較することと、
試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致する場合、参照イメージの一つに関連した対象領域に対応するビンに欠陥を割り当てること、
を含む検査サンプル上で検知された欠陥を分類するためのコンピュータ実施方法。
【請求項2】
異なる対象領域が、対象となる欠陥が存在するかもしれない素子領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
異なる対象領域が、虚偽欠陥が存在するかもしれない素子領域を含まないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
試験イメージの一つ又は複数のパターン化された特徴が、参照イメージの一つ又は複数のパターン化された特徴のいずれにも合致しない場合、該欠陥を虚偽欠陥として識別することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
参照イメージが、虚偽欠陥が存在するかもしれない素子領域に関連した一つ又は複数のパターン化された特徴のイメージを更に含む条件下で、更に試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、虚偽欠陥が存在するかもしれない素子領域に関連した一つ又は複数の参照イメージの一つ又は複数のパターン化された特徴に合致した場合、該欠陥を虚偽欠陥として識別することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャのいずれかにも合致しない場合、該欠陥を虚偽欠陥として識別することを更に含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
試験イメージが更に欠陥イメージを含むことを更に特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
試験イメージが、一つ又は複数のパターン化されたフューチャが位置し、かつ更なる欠陥が存在しない欠陥より離れた所にある検査サンプル上の位置で取得されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
割り当て結果に基づき、素子設計の潜在的に問題となり得る部分を含む対象領域を識別することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
割り当て結果に基づき、検査サンプル製造に用いられる潜在的に問題となるプロセスを識別することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致した場合、該欠陥が繰り返し欠陥であるか否か決定することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
欠陥の一つ又は複数の属性に基づき欠陥を分類することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
欠陥の一つ又は複数の属性と、欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化された特徴の一つ又は複数のパターン化された属性に基づき、欠陥を分類することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
割り当て結果に基づき、更なる処理のために、検査サンプル上で検知された欠陥のサンプリングを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
素子欠陥に近接した一つ又は複数のパターン化されたフューチャの更なる事例を見出すことを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
検査サンプル欠陥に近接した一つ又は複数のパターン化されたフューチャの更なる事例を見出すことを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
光学的検査により試験イメージを取得することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
電子ビーム検査により試験イメージを取得することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
電子ビーム点検により試験イメージを取得することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
空間画像投影技術により試験イメージを取得することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
検査サンプルの検査中に実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項22】
検査サンプルの検査中に取得された試験イメージを用い実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
欠陥の点検中に実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項24】
検査サンプル上に形成された素子の設計データを分析することで試験イメージを取得することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項25】
試験イメージ上で実施された統計学的方法と組み合わせて実施されることを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項26】
第一試験イメージは、検査サンプル上で検知された第一欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含み、更に第二試験イメージは、検査サンプル上で検知された第二欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む条件下で第一試験イメージを第二試験イメージに比較することと、
第一試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、第二試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致する場合、第一欠陥と第二欠陥を同じビンに欠陥を割り当てること、
を含む検査サンプル上で検知された欠陥を分類するためのコンピュータ実施方法。
【請求項27】
第一試験イメージと第二試験イメージが、それぞれ第一欠陥のイメージと第二欠陥のイメージを更に含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
第一の試験イメージと第二の試験イメージは、一つ又は複数のパターン化されたフューチャが存在し、かつ更なる欠陥が存在しない、第一の欠陥と第二の欠陥から離れた検査サンプル上の位置でそれぞれ取得されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項29】
割り当て結果に基づき、検査サンプル上に形成された素子設計の潜在的に問題となる部分を識別することを更に含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項30】
割り当て結果に基づき、検査サンプルを製造するために用いられた潜在的に問題となるプロセスを識別することを更に含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項31】
割り当て結果に基づき、点検されるべき検査サンプルの上で検知された欠陥のサンプルを識別することを更に含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項32】
第一試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、第二試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致した場合、第一欠陥と第二欠陥が繰り返し欠陥であるか否か決定することを更に含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項33】
第一欠陥と第二欠陥の一つ又は複数の属性に基づき、第一欠陥と第二欠陥を分類することを更に含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項34】
第一欠陥と第二欠陥それぞれの一つ又は複数の属性と、第一欠陥と第二欠陥それぞれに近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャの一つ又は複数のパターン化された属性に基づき、第一欠陥と第二欠陥分類することを更に含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項35】
検査サンプル上に形成されたダイの範囲内の欠陥の位置に基づいて、又は検査サンプル上の欠陥の位置に基づいて、欠陥のサブセットを生成し、サブセットの範囲内で欠陥に近接した一つ又は複数のパターン化されたフューチャの一つ又は複数のパターン化された属性に基づき、サブセットを分類することを更に含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項36】
検査サンプル上に形成された素子に関する設計データのシミュレーションにおける欠陥に近接した一つ又は複数のパターン化されたフューチャを用いて、欠陥を分類することを更に含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項37】
光学的検査により第一試験イメージと第二試験イメージを取得することを更に含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項38】
電子ビーム検査により第一試験イメージと第二試験イメージを取得することを更に含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項39】
電子ビーム点検により第一試験イメージと第二試験イメージを取得することを更に含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項40】
空間画像投影技術により第一試験イメージと第二試験イメージを取得することを更に含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項41】
検査サンプルの検査中に実施されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項42】
検査サンプルの検査中に取得された第一試験イメージと第二試験イメージを用い実施されることを特徴とする請求項26に記載の方法。。
【請求項43】
欠陥の点検中に実施されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項44】
検査サンプル上に形成された素子の設計データを分析することで第一試験イメージと第二試験イメージを取得することを更に含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項45】
第一試験イメージと第二試験イメージ上で実施された統計学的方法と組み合わせて実施されることを更に含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項46】
試験イメージが、検査サンプル上で検知された欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含み、更に参照イメージが、検査サンプル上に形成された素子の範囲内で異なる対象領域に関連した一つ又は複数のパターン化された特徴のイメージを含む条件下で試験イメージを参照イメージに比較することと、
試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致する場合、参照イメージの一つに関連した対象領域に対応するビンに欠陥を割り当てること、
を含む検査サンプル上で検知された欠陥を分類するための方法を実施するためのコンピュータ・システム上で実行され得るプログラム命令を含むキャリア媒体。
【請求項47】
検査サンプル上で検知された欠陥に近接した検査サンプル上に形成された一つ又は複数のパターン化されたフューチャの試験イメージを取得するように設定された検査サブシステムと、
コンピュータ・サブシステムと、
キャリア媒体とを含み、キャリア媒体は、
参照イメージが、検査サンプル上に形成された素子の範囲内で異なる対象領域に関連した一つ又は複数のパターン化されたフューチャのイメージを含む条件下で試験イメージを参照イメージに比較することと、
試験イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャが、参照イメージの一つ又は複数のパターン化されたフューチャに合致する場合、参照イメージの一つに関連した対象領域に対応するビンに欠陥を割り当てること、
のためのコンピュータ・システム上で実行されるプログラム命令を含む、
ことを特徴とする検査サンプル上で検知された欠陥を分類するように設定されたシステム。
【請求項48】
検査サブシステムが、参照イメージを取得するように更に設定されていることを含むことを特徴とする請求項47に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−520952(P2009−520952A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545978(P2008−545978)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/062100
【国際公開番号】WO2007/079344
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー テクノロジィース コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】