説明

標準粒子塗布装置及び標準粒子塗布方法

【課題】 付着量のバラツキを抑制し、標準粒子を安定して塗布できる標準粒子塗布装置を提供する。
【解決手段】 標準粒子塗布装置10は、希釈液31から標準粒子42のエアロゾルを生成するエアロゾル発生部3と、標準粒子42のエアロゾルが導入され内部に配置された対象物1に標準粒子42を付着させる付着槽21とを備える。対象物1の近傍には、水晶発振子51が配置され、水晶発振子51に付着した標準粒子42の付着量に基づいて、付着槽21への標準粒子42の導入量を調整する標準粒子制御バルブ62の開閉制御、もしくは、希釈液31が収容された容器32への希釈水の供給量を調整する希釈水バルブ64の開閉制御が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標準粒子をウェハ等の対象物に付着させる標準粒子塗布装置及び標準粒子塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程において、ウェハ検査に使用される表面検査機の校正や、ウェハ洗浄に使用される洗浄装置の異物除去性評価等に、所定量の標準粒子を付着させた標準汚染ウェハが使用されている。通常、標準粒子には、0.1〜1μmの粒径を有するPSL(ポリスチレン系ラッテクス)粒子等が用いられ、標準汚染ウェハは、標準粒子塗布装置により作成される。
【0003】
図5は、従来の標準粒子塗布装置を示す概略構成図である。図5に示すように、標準粒子塗布装置20は、圧縮空気を供給することにより、溶媒中に標準粒子42が分散された希釈液31から標準粒子42のエアロゾルを生成するエアロゾル発生部3と、当該エアロゾルにより、標準粒子42をウェハ1上に付着させる標準粒子付着部2により構成される。
【0004】
エアロゾル発生部3は、標準粒子42の希釈液31が収容される容器32が、圧縮空気が流れるエア配管33に、配管34を介して接続された構造を有している。本構造では、エア配管33内を高速の圧縮空気が流れると、ベルヌーイの定理に従ってエア配管33内と配管34内との間に差圧が生じる。当該差圧により容器32中の希釈液31がエア配管33内に吸引されるとともに、エア配管33内でエアロゾル化(噴霧化)される。希釈液31としては、例えば、標準粒子42とフッ素系不活性液体(例えば、スリーエム社製のフロリナート)との懸濁液を純水にて希釈した溶液が使用される。
【0005】
また、エア配管33内に生成されたエアロゾルは、圧縮空気の流れに従って乾燥部35に導入される。当該乾燥部35では、エアロゾルから溶媒等の液体粒子41、及び複数の標準粒子42が凝集することにより形成されたサイズの大きな粒子43が除去される。
【0006】
一方、標準粒子付着部2は、内部にウェハが配置される付着槽21と、付着槽21と乾燥部35とを接続する配管22により構成されている。そして、乾燥部35において不要な粒子が除去されたエアロゾルが付着槽21に導入され、付着槽21の内部に配置されたウェハ1上に標準粒子42が付着される。
【特許文献1】特開平7−335515号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、エアロゾル発生部3にて希釈液31がエアロゾル化される際に、容器32中の希釈液31からは、標準粒子42に比べて、希釈液31の溶媒(図5の例では、純水)が多く吸引される。このため、容器32内の希釈液31の濃度は、標準粒子塗布装置20の処理時間の経過とともに徐々に変動し、高濃度になっていく。
【0008】
このように、希釈液31に濃度変動が生じると、ウェハ1への標準粒子42の単位時間当りの付着量が変動し、付着槽21内に標準粒子42のエアロゾルを一定時間導入して標準粒子の付着処理を実施した場合に、ウェハ上に一定量の標準粒子42を塗布することができなくなる。このため、標準粒子塗布装置では、希釈液31の濃度管理を極めて厳密に行う必要があった。
【0009】
本発明は、上記従来の事情を鑑みて提案されたものであり、標準粒子が分散された希釈液に濃度変化が生じた場合であっても、安定して一定量の標準粒子を対象物に塗布することができる標準粒子塗布装置、及び標準粒子塗布方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、以下の技術的手段を採用している。まず、本発明は、一定の粒径を有する標準粒子をエアロゾル化し、当該エアロゾルに対象物を曝すことにより、当該対象物に前記標準粒子を付着させる標準粒子塗布装置を前提としている。そして、本発明に係る標準粒子塗布装置は、標準粒子を含む希釈液が収容される容器と、前記希釈液から前記標準粒子のエアロゾルを生成する手段と、前記標準粒子のエアロゾルが導入されるとともに、内部に対象物が設置される付着槽とを備える。前記付着槽は、対象物の設置箇所近傍に付着した標準粒子の付着量を計測する付着量計測手段を備えている。例えば、上記付着量計測手段は、対象物の近傍に配置された水晶振動子の振動周波数変動に基づいて、標準粒子の付着量を計測する。
【0011】
また、上記構成の標準粒子付着装置は、上記付着量計測手段が予め設定された特定の付着量を計測した場合に、対象物への標準粒子のエアロゾルの供給を停止する手段をさらに備えてもよい。あるいは、上記付着量計測手段の計測結果に基づいて、上記容器内の希釈液を希釈する溶媒供給手段をさらに備えることもできる。当該溶媒供給手段は、例えば、上記付着量計測手段により計測された付着量の増加率に基づいて上記容器に溶媒を供給する。
【0012】
一方、他の観点では、本発明は、標準粒子塗布方法を提供することもできる。すなわち、本発明に係る標準粒子塗布方法は、一定の粒径を有する標準粒子をエアロゾル化し、当該エアロゾルに対象物を曝すことにより、当該対象物に前記標準粒子を付着させる標準粒子塗布方法であって、対象物の近傍に付着した標準粒子の付着量を計測し、当該標準粒子の付着量が予め設定された特定の付着量に達したか否かを判定し、前記標準粒子の付着量が特定付着量に達していた場合に、対象物への標準粒子の供給を停止する。
【0013】
あるいは、本発明に係る標準粒子塗布方法は、対象物の近傍に付着した標準粒子の付着量を計測し、当該標準粒子の付着量に基づいて標準粒子の付着速度を算出し、当該標準粒子の付着速度と、予め設定された特定の付着速度との差に基づいて、エアロゾル化される前記標準粒子を含む希釈液を希釈する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、標準粒子付着量を計測し、計測結果に応じて対象物への標準粒子の供給を停止することができるため、対象物への標準粒子付着量を自在に制御することができる。
【0015】
また、本発明によれば、対象物への標準粒子の塗布速度と、予め設定された塗布速度との差に基づいて、希釈液の濃度を調整することができる。これにより、処理時間が経過して希釈液の濃度が変動した場合であっても、希釈液を所望の塗布速度が得られる濃度に希釈することができる。このため、対象物に一定数の標準粒子を安定して塗布することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る標準粒子塗布装置の概略構成図である。また、図2は、本実施形態の標準粒子塗布装置において実施される処理を示すフロー図である。なお、図面において、上記従来の標準粒子塗布装置20と同一の部材には、同一の符号を付している。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係る標準粒子塗布装置10は、標準粒子42のエアロゾルを生成するエアロゾル発生部3と、当該標準粒子42のエアロゾルによりウェハ1(対象物)上に標準粒子42を付着させる標準粒子付着部2を備える。
【0018】
エアロゾル発生部3は、従来と同様に、標準粒子42の希釈液31が収容される容器32を有し、圧縮空気が高速で流れるエア配管33に、容器32が配管34を介して接続されている。そして、圧縮空気の流れによって、エア配管33内に吸引された希釈液31は、エア配管33内で噴霧化される。ここで、希釈液31は、例えば、標準粒子42とフッ素系不活性液体(例えば、スリーエム社製のフロリナート)との懸濁液を純水(溶媒)にて希釈した溶液が使用される。
【0019】
また、エア配管33内に生成されたエアロゾルは、圧縮空気の流れに従って乾燥部35に導入され、複数の標準粒子42が凝集することにより形成されたサイズの大きな粒子43、及び溶媒等の液体粒子41が除去される。
【0020】
このようにして生成された標準粒子42のエアロゾルは、内部にウェハ1が配置された付着槽21に配管22を介して導入される。そして、標準粒子42のエアロゾルに曝されたウェハ1上に、標準粒子42が付着する。
【0021】
さて、本実施形態に係る標準粒子付着装置10は、付着槽21のウェハ1配置位置の近傍に付着した標準粒子42の量を計測する手段である付着量計測部5、及び標準粒子42の付着量を制御する手段である付着量制御部6を備えている。
【0022】
付着量計測部5は、付着槽21内のウェハ配置位置の近傍に設置された水晶振動子51と、水晶発振子51が発振素子として組み込まれた発振回路52、及び発振回路52の発振周波数(水晶発振子51の振動周波数)を計測する周波数カウンタ等の周波数測定器53から構成される。水晶振動子51は、水晶板の両面に電極膜を形成した構造を有し、一方の電極膜を測定面として露出させた状態で付着槽21内に配設されている。そして、当該測定面への標準粒子42の付着にともなって変動する発振回路52の発振周波数が周波数測定器53により計測される。
【0023】
一方、付着量制御部6は、周波数測定器53の出力信号が入力される演算部61と、配管22に介在され、付着槽21への標準粒子42の導入量を調整する導入バルブ63、並びに、溶媒供給手段として、容器32に溶媒(ここでは、純水)を供給する希釈配管66と、当該希釈配管66に介在され、容器32への溶媒の供給量を調整する希釈バルブ65とにより構成される。
【0024】
導入バルブ63は、付着槽21へのエアロゾルの導入が可能となる開放状態と、付着槽21へのエアロゾルの導入経路を遮断する閉鎖状態とを切替可能に構成される。さらに、導入バルブ63は、前記閉鎖状態にあるときに、図示しない排気配管にエアロゾルを導入する機構を有している。
【0025】
また、演算部61は、付着量演算手段67、付着量判定手段62、及び付着速度判定手段64から構成されている。付着量判定手段62から出力される制御信号により導入バルブ63の開閉制御が行われ、付着速度判定手段64から出力される制御信号により希釈バルブ65の開閉制御が行われる。なお、演算部61は、例えば、記憶手段と演算手段からなるマイクロプロセッサ等のハードウエアと、当該ハードウエアにおいて実行されるソフトウエアにより構成することができる。
【0026】
以上の構成を有する標準粒子塗布装置10において、付着槽21内に配置されたウェハ1への標準粒子42の塗布が開始されると、周波数測定器53が計測した発振回路52の発振周波数が、所定の時間間隔で付着量演算手段67に入力される(図2 S1)。付着量演算手段67は、当該入力された発振周波数と、標準粒子42の塗布開始前に予め計測されていた発振周波数とに基づいて周波数変動量Δfを算出し、当該周波数変動量Δfから、水晶発振子51の測定面に付着した標準粒子42の質量を算出する(図2 S2)。なお、当該質量の算出は、水晶振動子の発振周波数の変動量Δfと、水晶振動子の測定面における質量の変動量Δmとの関係式(いわゆる、Sauerbreyの式)を用いて行うことができる。
【0027】
付着量演算手段67により算出された質量は付着量判定手段62に入力され、付着量判定手段62がウェハ1上に所定量の標準粒子42が付着したか否を判定する(図2 S3)。当該判定は、例えば、上記算出された質量が、目標質量に到達しているか否かにより行うことができる。ここで、目標質量とは、ウェハ1上に所定量の標準粒子42が付着した際の標準粒子42の面密度と同一の面密度となる標準粒子42の質量である。
【0028】
また、上記判定は、標準粒子42の1個あたりの質量と上記算出された質量とに基づいて算出された水晶振動子51上に付着した標準粒子42の個数が、目標個数に到達しているか否かにより行うこともできる。さらに、図3に示すように、水晶発振子51上に付着した標準粒子42の個数と、周波数変動量Δfとは比例関係にある。このため、付着量演算手段67が付着量判定手段62に周波数変動量Δfを入力する構成とし、付着量判定手段62が、図3に示す関係に基づいて、目標個数に到達しているか否かを判定してもよい。なお、図3では、横軸が標準粒子42の付着個数に対応し、縦軸が発振周波数の変動量Δfに対応している。
【0029】
上記判定において、付着量判定手段62が、ウェハ1上に所定量の標準粒子42が付着したと判定すると、付着量判定手段62は導入バルブ63に制御信号を出力し、導入バルブ63を閉鎖状態にする(図2 S3Yes→S4)。このため、本実施形態によれば、目標量の標準粒子42が水晶振動子51上に付着した時点で、付着槽21への標準粒子42の導入が停止される。したがって、容器32に収容された希釈液31の濃度に経時的な変化が生じている場合であっても、希釈液31の濃度に関係なく、ウェハ1上に一定数の標準粒子を塗布することができる。なお、本実施形態では、上述したように、導入バルブ63が閉鎖状態にあるときには、エアロゾルは排気配管に導入される。したがって、付着槽21へのエアロゾルの導入経路を遮断した場合であっても、標準粒子42が導入バルブ63に蓄積することがなく、導入バルブ63において、標準粒子42が凝集してサイズの大きな粒子が形成されることが防止されている。
【0030】
ここで、周波数変動量Δfと付着速度の関係について説明する。図4は、周波数変動量Δfと、標準粒子の塗布処理時間との関係を示す図である。なお、図4に示すデータAは、希釈液31に濃度変化が生じていない初期状態を示しており、データBは、同一の希釈液31により、多数枚のウェハに対して塗布処理を行った後の状態を示している。
【0031】
上述したように、水晶発振子51上に付着した標準粒子42の個数と、周波数変動量Δfとは比例関係にあるため、希釈液31の濃度変化が生じない比較的短い処理時間では、周波数変動量Δfは処理時間に比例して増大することが理解できる。しかしながら、多数枚の処理を行った後のデータBは、データAに比べて傾き(単位時間当たりのΔfの増加量)が大きくなっており、付着速度が増大している。
【0032】
このように、希釈液31の濃度が大幅に変化し、ウェハ1上での付着槽21内での標準粒子42の付着速度が著しく大きくなると、導入バルブ63の開閉により付着量を制御することが困難になる可能性がある。
【0033】
このため、本実施形態では、付着量判定手段62が、ウェハ1上に所定量の標準粒子42が未だ付着していないと判定すると、付着速度判定手段64が、現在の付着速度を算出し、当該付着速度が、予め設定されている付着速度の設定範囲内となっているか否かの判定を行う(図2 S3No→S5→S6)。なお、本実施形態では、図1に示すように、付着速度判定手段64が、付着量演算手段67から入力される周波数変動量Δfに基づいて、単位時間当たりの周波数の変動量を演算し、現在の付着速度を算出している。
【0034】
このようにして算出された現在の付着速度が、上記予め設定された付着速度の範囲内にない場合、付着速度判定手段64は希釈バルブ65に制御信号を出力して希釈バルブ65を開放状態にする(図2 S6No→S7)。これにより、容器32内には、希釈液31の溶媒(ここでは、純水)が導入され、希釈液31の希釈が行われる。
【0035】
一方、現在の付着速度が、上記予め設定された付着速度の範囲内にある場合、付着速度判定手段64は、希釈バルブ65に制御信号を出力し、希釈バルブ65を閉鎖状態にする(図2 S6Yes→S8)。この場合、容器32内には、希釈液31の溶媒(ここでは、純水)が導入されることがなく、希釈液31の希釈は行われない。
【0036】
このため、本実施形態によれば、容器32に収容された希釈液31の濃度が経時的に変化することを防止することができ、ウェハ1上に一定数の標準粒子を連続的に塗布することができる。
【0037】
以上のように、希釈バルブ65の開閉制御が行われると、再度、周波数測定器53から発振周波数が入力され、上述の処理がウェハ1上に所定量の標準粒子42が付着されるまで繰り返し実行される(図2 S7→S1、S8→S1)。
【0038】
なお、本実施形態では、標準粒子の塗布処理中に、常時、希釈バルブ65の開閉による希釈液の濃度調整を行う構成としたが、当該調整は常時行われる必要はなく、任意に設定された時間間隔で、濃度調整に要する時間の間だけ行うようにしてもよい。本構成によれば、塗布処理時間が経過して希釈液の濃度が変動した場合であっても、希釈液を所望の塗布速度が得られる濃度に希釈することができ、対象物に一定数の標準粒子を安定して塗布することができる。
【0039】
以上説明したように、本発明によれば、標準粒子付着量を計測し、計測結果に応じて対象物への標準粒子の供給を停止することができるため、対象物への標準粒子付着量を自在に制御することができる。また、対象物への標準粒子の塗布速度と、予め設定された塗布速度との差に基づいて、希釈液の濃度を所望の濃度に調整することもできる。このため、処理時間の経過とともに希釈液の濃度が変動することが防止され、対象物に一定数の標準粒子を安定して塗布することができる。
【0040】
なお、本発明は、以上で説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲において、種々の変形及び応用が可能である。例えば、上記では、導入バルブの開閉による付着槽への標準粒子の導入量の調整と、希釈バルブの開閉による希釈液の濃度調整とを併用する事例を説明した。しかしながら、導入バルブの開閉による付着槽への標準粒子の導入量の調整のみ、あるいは、希釈バルブの開閉による希釈液の濃度調整のみを単独で用いる構成を採用した場合でも、対象物に一定数の標準粒子を安定して塗布することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、安定して一定数の標準粒子を対象物に塗布できるという効果を有し、標準粒子塗布装置及び標準粒子塗布方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態の標準粒子塗布装置の概略構成図
【図2】本発明の一実施形態の標準粒子塗布方法を示すフロー図
【図3】標準粒子の付着量と水晶発振子の発振周波数の変動量との関係を示す図
【図4】標準粒子塗布速度を説明する図
【図5】従来の標準粒子塗布装置の概略構成図
【符号の説明】
【0043】
1 ウェハ
2 標準粒子付着部
3 エアロゾル発生部
5 付着量計測部
6 付着量制御部
10 標準粒子塗布装置
21 付着槽
31 希釈液
32 容器
35 乾燥部
41 液体粒子
42 標準粒子
51 水晶振動子
53 周波数測定器
61 演算部
62 付着量判定手段
63 導入バルブ
64 付着速度判定手段
65 希釈バルブ
66 希釈配管
67 付着量演算手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の粒径を有する標準粒子をエアロゾル化し、当該エアロゾルに対象物を曝すことにより、当該対象物に前記標準粒子を付着させる標準粒子塗布装置において、
前記標準粒子を含む希釈液が収容される容器と、
前記希釈液から前記標準粒子のエアロゾルを生成する手段と、
前記標準粒子のエアロゾルが導入されるとともに、内部に対象物が設置される付着槽と、
を有し、
前記付着槽が、対象物の設置箇所近傍に付着した標準粒子の付着量を計測する付着量計測手段を備えたことを特徴とする標準粒子塗布装置。
【請求項2】
前記付着量計測手段が予め設定された特定の付着量を計測した場合に、前記対象物への標準粒子のエアロゾルの供給を停止する手段をさらに備えた請求項1記載の標準粒子塗布装置。
【請求項3】
前記付着量計測手段の計測結果に基づいて、前記容器内の希釈液を希釈する溶媒供給手段をさらに備えた請求項1記載の標準粒子塗布装置。
【請求項4】
前記溶媒供給手段は、前記付着量計測手段により計測された付着量の増加率に基づいて前記容器に溶媒を供給する請求項3記載の標準粒子塗布装置。
【請求項5】
前記付着量計測手段は、前記対象物設置箇所の近傍に配置された水晶振動子の振動周波数変化に基づいて前記付着量を計測する請求項1〜4のいずれかに記載の標準粒子塗布装置。
【請求項6】
一定の粒径を有する標準粒子をエアロゾル化し、当該エアロゾルに対象物を曝すことにより、当該対象物に前記標準粒子を付着させる標準粒子塗布方法において、
前記対象物の近傍に付着した標準粒子の付着量を計測するステップと、
前記標準粒子の付着量が予め設定された特定の付着量に達したか否かを判定するステップと、
前記標準粒子の付着量が特定の付着量に達した際に、前記対象物への標準粒子の供給を停止するステップと、
を有することを特徴とする標準粒子塗布方法。
【請求項7】
一定の粒径を有する標準粒子をエアロゾル化し、当該エアロゾルに対象物を曝すことにより、当該対象物に前記標準粒子を付着させる標準粒子塗布方法において、
前記対象物の近傍に付着した標準粒子の付着量を計測するステップと、
前記標準粒子の付着量に基づいて、標準粒子の付着速度を算出するステップと、
前記標準粒子の付着速度と、予め設定された特定の付着速度との差に基づいて、エアロゾル化される前記標準粒子を含む希釈液を希釈するステップと、
を有することを特徴とする標準粒子塗布方法。
【請求項8】
前記標準粒子の付着量は、前記対象物近傍に配置された水晶振動子の振動周波数変化に基づいて算出される請求項6または7記載の標準粒子塗布方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−50371(P2007−50371A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−238301(P2005−238301)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】