説明

欠陥検査装置

【課題】ユーザにかかる負担の増大を抑制しつつ、画像内の小領域のみで画像間の位置合わせを精度よく行うことが可能な欠陥検査装置を提供する。
【解決手段】複雑領域探索部134は、正解パターン画像から探索した小領域の位置およびその小領域の画像を位置合わせ用パターンとして位置合わせ用パターン保存部135に保存し、位置合わせ部136は、位置合わせ用パターンとして保存された小領域の画像を位置合わせ用パターン保存部135から読み出し、検査対象画像と正解パターン画像との小領域間での画像の位置ずれ量に基づいて、検査対象画像と正解パターン画像との位置合わせを行い、欠陥検出部137は、正解パターン画像保存部132に保存された正解パターン画像と、位置合わせ部136にて位置合わせのための処理が行われた検査対象画像との比較結果に基づいて、検査対象の欠陥を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は欠陥検査装置に関し、特に、正解パターン画像と検査画像との比較結果に基づいて検査対象の欠陥を検出する方法に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ上のICチップやプリント基板の表面の欠陥を検査するために、正解パターン画像と検査対象画像とを比較し、それらの画像間の差異を検出する方法がある。ここで、検査対象の欠陥検出精度を向上させるため、正解パターン画像と検査対象画像との間の位置ずれ量を求め、正解パターン画像と検査対象画像との位置合わせを行うことが一般的に行われている。
【0003】
ここで、正解パターン画像と検査対象画像との間の位置ずれ量を求めるため、正解パターン画像と検査対象画像とをずらしながら対応させ、正解パターン画像と検査対象画像との一致度が最も大きくなる位置を探し出す方法(パターンマッチングとも言う)がある。この正解パターン画像と検査対象画像との一致度としては、正規化相互相関や残差の総和を利用する方法があるが、正解パターン画像と検査対象画像との全体でマッチングさせるのが一般的であるため、演算量が膨大となり、検査速度の低下を招く。
【0004】
これに対して、特許文献1には、画像比較によるパターン検査技術において、比較画像のずれ量を高精度かつ高速に検出し、異物や欠陥の高感度検出と高速検査処理を可能とするために、検査対象画像と参照画像とをそれぞれ複数画像領域に分割し、分割画像間での信頼性の高い位置ずれ情報を用いて該両画像全体間の位置ずれ量を決定する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2003−223630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、正解パターン画像を複数の画像領域に分割する方法が予め定められているので、図6に示すように、分割線上にパターンP11、P12が重なっている場合には、分割された画像領域のパターンP11、P12に関する情報が減少し、位置ずれ量の算出精度が劣化するという問題があった。また、この方法では、正解パターン画像と同様に、検査対象画像に対しても複数の画像領域に分割する必要があることから、処理が複雑化するという問題もあった。
また、正解パターン画像と検査対象画像とのマッチングをとる際の演算量を低減するために、これらの画像内の小領域のみでマッチングをとる方法がある。
【0006】
しかしながら、この小領域を画像内の特定の位置に固定すると、図7(a)に示すように、小領域901aにパターンP21がある場合には、正解パターン画像と検査対象画像との精度よくマッチングさせることができるが、図7(b)に示すように、小領域901bにパターンP22がない場合(あるいは極めて僅かしか存在しない場合)には、精度よくマッチングさせることができなくなるという問題もあった。
一方、図7(b)のような状態をなくすため、小領域の位置をパターンごとに変更すると、モニタ上に表示された登録画像をユーザが見ながら、パターンの位置を指定するという作業が必要となり、ユーザの負担が増大するという問題もあった。
そこで、本発明の目的は、ユーザにかかる負担の増大を抑制しつつ、画像内の小領域のみで画像間の位置合わせを精度よく行うことが可能な欠陥検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、請求項1記載の欠陥検査装置によれば、正解パターンおよび検査対象パターンを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段にて撮像された正解パターン画像を保存する正解パターン画像保存手段と、前記撮像手段にて撮像された検査対象画像を保存する検査画像保存手段と、前記正解パターン画像に対して予め定められた小領域ごとにパターンの複雑さを示す特徴量を算出し、前記パターンの複雑さが所定値以上の小領域を前記正解パターン画像から探索する複雑領域探索手段と、前記複雑領域探索手段にて探索された小領域の位置および前記小領域の画像を保存する位置合わせ用パターン保存手段と、前記小領域の位置における前記検査対象画像と、前記正解パターン画像における小領域の画像との位置ずれ量に基づいて、前記検査対象画像と前記正解パターン画像との位置合わせを行う位置合わせ手段と、前記位置合わせ手段にて位置あわせされた検査対象画像と正解パターン画像の比較結果に基づいて、前記検査対象の欠陥を検出する欠陥検出手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2記載の欠陥検査装置によれば、前記複雑領域探索手段は、前記正解パターン画像の一端から他端まで所定ピッチで前記小領域を移動させながら、前記小領域ごとにパターンの複雑さを示す特徴量を算出し、前記パターンの複雑さが所定値以上の小領域を前記正解パターン画像から探索することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3記載の欠陥検査装置によれば、前記複雑領域探索手段は、前記パターンの複雑さが所定値以上の小領域を前記正解パターン画像から複数探索し、前記位置合わせ用パターン保存手段は、前記複雑領域探索手段にて探索された複数の小領域の位置および前記複数の小領域の画像を保存し、前記位置合わせ手段は、前記複数の小領域の位置における前記検査対象画像と、前記正解パターン画像における複数の小領域の画像とをそれぞれ比較し、それらの画像間で最も一致度の互い小領域の位置における前記検査対象画像と、前記正解パターン画像における前記小領域の画像との位置ずれ量に基づいて、前記検査対象画像と前記正解パターン画像との位置合わせを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、パターンの複雑さが所定値以上の小領域を正解パターン画像から探索し、その小領域の位置における検査対象画像と、正解パターン画像における小領域の画像との位置ずれ量に基づいて、検査対象画像と正解パターン画像との位置合わせを行うことができる。このため、複雑なパターンが小領域に含まれるようにユーザ自身の手で小領域の位置をパターンごとに変更する必要がなくなり、ユーザにかかる負担の増大を抑制しつつ、画像間の位置合わせを精度よく行うことが可能となるとともに、画像内の小領域のみを参照することでパターンマッチングをとることができ、演算量を削減することを可能として、検査時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る欠陥検査装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る欠陥検査装置の概略構成を示すブロックである。
図1において、この欠陥検査装置には、正解パターンおよび検査対象パターンを撮像する撮像部11、良品サンプルや検査対象を撮像位置に搬送する搬送部12、正解パターン画像と検査対象画像との比較結果に基づいて検査対象の欠陥を検出する画像処理部13、撮像部11、搬送部12および画像処理部13が協調して動作するように全体を制御する全体制御部14が設けられ、全体制御部14には、操作情報や検査情報をユーザに提供するユーザインターフェース141および検査結果などの情報を記憶する記憶装置142に接続されている。
【0012】
ここで、撮像部11には、XYステージ121上のサンプルを照明する光源111、照明光の光路を設定する照明光学系112、サンプル上に照明光を合焦させる対物レンズ113、サンプルの撮像を行うイメージセンサ114、対物レンズ113の高さ位置を調節する高さ位置調節器が設けられ、照明光学系112には、レンズ115およびハーフミラー116が設けられている。
また、搬送部12には、サンプル123を水平面内で移動させるXYステージ121およびXYステージ121の移動を制御するステージコントローラ122が設けられている。
【0013】
また、画像処理部13には、イメージセンサ114から出力された撮像信号をデジタルデータに変換するAD変換部131、撮像部11にて撮像された正解パターン画像を保存する正解パターン画像保存部132、撮像部11にて撮像された検査対象画像を保存する検査対象画像保存部133、正解パターン画像に対して予め定められた小領域ごとにパターンの複雑さを示す特徴量を算出し、そのパターンの複雑さが所定値以上の小領域を正解パターン画像から探索する複雑領域探索部134、複雑領域探索手段134にて探索された小領域の位置およびその小領域の画像を位置合わせ用パターンとして保存する位置合わせ用パターン保存部135、位置合わせ用パターンとして保存された小領域の位置における検査対象画像と、正解パターン画像における小領域の画像との位置ずれ量に基づいて、検査対象画像と正解パターン画像との位置合わせを行う位置合わせ部136、位置合わせ部136にて位置あわせされた検査対象画像と正解パターン画像の比較結果に基づいて、検査対象の欠陥を検出する欠陥検出部137が設けられている。
【0014】
なお、画像処理部13に含まれる各要素は、専用回路によるハードウェアにて構成するようにしてもよいし、プロセッサ上で動作するソフトウェアにて構成するようにしてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを混在させて構成するようにしてもよい。
そして、検査対象の欠陥検出を行う場合、実際の検査に先立ち、正解パターンとして良品(欠陥がないことが確認されている対象物)のサンプル123をXYステージ121上に載置する。そして、良品のサンプル123がXYステージ121上に載置されると、ステージコントローラ122はXYステージ121を移動させることにより、良品のサンプル123を対物レンズ113の焦点位置に搬送する。そして、良品のサンプル123が対物レンズ113の焦点位置に搬送されると、光源111から出射された照明光がレンズ115、ハーフミラー116を介して対物レンズ113に導かれ、良品のサンプル123が照明される。そして、良品のサンプル123にて反射された照明光は、対物レンズ113およびハーフミラー116を介してイメージセンサ114に導かれる。
【0015】
そして、良品のサンプル123にて反射された照明光がイメージセンサ114に導かれると正解パターン画像がイメージセンサ114にて撮像され、画像処理部13に送られる。そして、イメージセンサ114にて撮像された正解パターン画像が画像処理部13に送られると、AD変換部131にてデジタルデータに変換され、正解パターン画像保存部132に保存される。
なお、画像処理部13は、正解パターン画像を正解パターン画像保存部132に保存する場合、ノイズの除去や特徴画像への変換など検査に必要な前処理を行うようにしてもよい。
また、照明光学系112は、対物レンズ113の光軸と同軸の明視野照明を構成する方法について説明したが、検査対象の表面状態や検出結果に応じて暗視野照明や透過照明を構成するようにしてもよい。また、光源111は、白色光源、単色可視光源または赤外光源であってもよい。また、イメージセンサ114は、エリアセンサやラインセンサなどの撮像素子を用いるようにしてもよい。
【0016】
そして、正解パターン画像が正解パターン画像保存部132に保存されると、複雑領域探索部134は、正解パターン画像保存部132から正解パターン画像を読み出す。そして、正解パターン画像に対して予め定められた小領域ごとにパターンの複雑さを示す特徴量を算出し、そのパターンの複雑さが所定値以上の小領域を正解パターン画像から探索する。そして、複雑領域探索部134は、正解パターン画像から探索した小領域の位置およびその小領域の画像を位置合わせ用パターンとして位置合わせ用パターン保存部135に保存する。
【0017】
図2は、図1の複雑領域探索部の処理を示すフローチャート、図3は、図1の複雑領域探索部による小領域の探索方法を示す図である。
図2および図3において、複雑領域探索部134は、正解パターン画像Gの左上に矩形状の小領域Rを設定する(ステップS11)。そして、複雑領域探索部134は、図3に示すように、正解パターン画像Gの左上から右方向に所定の画素づつずらしながら、小領域Rのパターンの複雑さを計算し、正解パターン画像Gの右端に達すると、正解パターン画像Gの下方向に所定の画素だけずらした状態で左端に戻り、正解パターン画像Gの左端から右方向に所定の画素づつずらしながら、小領域Rのパターンの複雑さを計算するという処理を正解パターン画像Gの右下に達するまで繰り返す(ステップS12〜S17)。そして、複雑領域探索部134は、正解パターン画像G全体について小領域Rのパターンの複雑さを計算すると、そのパターンの複雑さが最大の小領域Rを選択し(ステップS18)、位置合わせ用パターンとして位置合わせ用パターン保存部135に保存する。
【0018】
なお、小領域Rのパターンの複雑さを計算する方法としては、小領域Rの画像に微分演算を施し、その微分演算による微分値を小領域内で合計する方法や、その微分演算による微分値がしきい値を超えたかどうかを判定し、微分値がしきい値を超えた画素数を求める方法などを用いることができる。
また、図2の方法では、小領域Rごとにパターンの複雑さを示す特徴量を算出するために、正解パターン画像Gの左上から右下に向かってジグザグ状に正解パターン画像Gを走査する方法について説明したが、正解パターン画像Gの右上から左下に向かってジグザグ状に正解パターン画像Gを走査するようにしてもよいし、正解パターン画像G全体が走査できればどのような経路で正解パターン画像Gを走査するようにしてもよい。
また、複雑領域探索部134で行われる処理は、正解パターン画像G全体が走査されるため、計算量が多くなるが、小領域Rの位置およびその小領域Rの画像を位置合わせ用パターン保存部135に一旦保存ずれば、検査時にその都度更新する必要はなく、検査全体の処理時間に及ぼす影響をわずかに抑えることができる。
【0019】
次に、位置合わせ用パターンが位置合わせ用パターン保存部135に保存されると、検査対象パターンとして検査対象のサンプル123をXYステージ121上に載置する。そして、検査対象のサンプル123がXYステージ121上に載置されると、ステージコントローラ122はXYステージ121を移動させることにより、検査対象のサンプル123を対物レンズ113の焦点位置に搬送する。そして、検査対象のサンプル123が対物レンズ113の焦点位置に搬送されると、光源111から出射された照明光がレンズ115、ハーフミラー116を介して対物レンズ113に導かれ、検査対象のサンプル123が照明される。そして、検査対象のサンプル123にて反射された照明光は、対物レンズ113およびハーフミラー116を介してイメージセンサ114に導かれる。そして、その検査対象のサンプル123の検査対象画像がイメージセンサ114にて撮像され、画像処理部13に送られる。そして、イメージセンサ114にて撮像された検査対象画像が画像処理部13に送られると、AD変換部131にてデジタルデータに変換され、検査画像保存部133に保存される。
【0020】
そして、検査画像保存部133に検査対象画像が保存されると、位置合わせ用パターンとして保存された小領域の画像が位置合わせ用パターン保存部135から読み出され、検査対象画像と正解パターン画像との小領域間での画像の位置ずれ量に基づいて、検査対象画像と正解パターン画像との位置合わせが位置合わせ部136にて行われる。
なお、検査対象画像と正解パターン画像との位置合わせ方法として、一般的に知られているパターンマッチングの手法(例えば、検査対象画像と正解パターン画像との小領域間での正規化相互相関による一致度の判定処理や、検査対象画像と正解パターン画像との小領域間での残差の総和による一致度の判定処理など)によって検査対象画像の中から位置合わせ用パターンに相当する部分を探索し、検査対象画像と正解パターン画像との小領域間での位置ずれが補正されるように検査対象画像を変換することができる。
【0021】
そして、位置合わせ部136にて検査対象画像の位置合わせのための処理が行われると、欠陥検出部137は、正解パターン画像保存部132に保存された正解パターン画像と、位置合わせ部136にて位置合わせのための処理が行われた検査対象画像とを比較する。そして、正解パターン画像と検査対象画像との比較結果に基づいて、検査対象の欠陥を検出する。
なお、正解パターン画像と検査対象画像との比較結果に基づいて、検査対象の欠陥を検出する方法としては、2値化処理を行った後に排他的論理和をとる方法や、濃淡画像のまま差分をとる方法などの公知の方法を用いることができる。
【0022】
これにより、パターンの複雑さが所定値以上の小領域における正解パターン画像と検査対象画像と間の位置ずれ量に基づいて、検査対象画像と正解パターン画像との位置合わせを行うことができる。このため、複雑なパターンが小領域に含まれるようにユーザ自身の手で小領域の位置をパターンごとに変更する必要がなくなり、ユーザにかかる負担の増大を抑制しつつ、検査対象画像と正解パターン画像との間の位置合わせを精度よく行うことが可能となるとともに、画像内の小領域のみを参照することでパターンマッチングをとることができ、演算量を削減することを可能として、検査時間を短縮することができる。
【0023】
図4は、本発明の第2実施形態に係る欠陥検査装置の概略構成を示すブロック図である。
図4において、この欠陥検査装置には、図1の複雑領域探索部134の代わりに複雑領域探索部234が設けられ、複雑領域探索部234は、正解パターン画像に対して予め定められた小領域ごとにパターンの複雑さを示す特徴量を算出し、そのパターンの複雑さが所定値以上の複数の小領域を正解パターン画像から探索することができる。
【0024】
また、図4の欠陥検査装置には、図1の位置合わせ用パターン保存部135の代わりに複数の位置合わせ用パターン保存部135a〜135nが設けられ、位置合わせ用パターン保存部135a〜135nは、複雑領域探索部234にて探索された複数の小領域の位置およびその小領域の画像を位置合わせ用パターンとして保存することができる。
また、図4の欠陥検査装置には、図1の位置合わせ部136の代わりに複数の位置合わせ部236が設けられ、位置合わせ部236は、複数の小領域の位置における検査対象画像と、正解パターン画像における複数の小領域の画像とを比較し、それらの画像間で最も一致度の互い小領域の位置における検査対象画像と、正解パターン画像における小領域の画像との位置ずれ量に基づいて、検査対象画像と正解パターン画像との位置合わせを行うことができる。
【0025】
図5(a)は、本発明の第2実施形態に係る位置合わせ用パターンに設定される位置合わせ用パターン領域の一例を示す図、図5(b)は、検査対象に欠陥を有する検査画像の一例を示す図である。
図5(a)において、図4の複雑領域探索部234は、パターンの複雑さが所定値以上の小領域として複数の小領域301、302、303を正解パターン画像から探索し、位置合わせ用パターン保存部135a〜135nにそれぞれ保存することができる。
そして、位置合わせ部236は、パターンマッチングの手法によって各小領域301、302、303のパターンに相当する部分を検査対象画像の中から探索し、検査対象画像の各小領域301、302、303のパターンに相当する部分と、正解パターン画像における小領域301、302、303のパターンとを比較する。
【0026】
ここで、検査対象画像において、正解パターン画像の小領域302のパターンに相当する部分には欠陥Kが存在することから、検査対象画像の小領域302のパターンに相当する部分と、正解パターン画像における小領域302のパターンとの一致度は、検査対象画像の小領域301、303のパターンに相当する部分と、正解パターン画像における小領域301、303のパターンとの一致度よりも低くなる。このため、位置合わせ部236は、検査対象画像と正解パターン画像との位置合わせを行う場合、検査対象画像の小領域302のパターンに相当する部分と、正解パターン画像における小領域302のパターンとの位置ずれ量を考慮することなく、検査対象画像の小領域301、303のパターンに相当する部分と、正解パターン画像における小領域301、303のパターンとの位置ずれ量に基づいて、検査対象画像と正解パターン画像との位置合わせを行うことができる。
これにより、検査対象画像に存在する欠陥Kによって検査対象画像と正解パターン画像との位置合わせ精度が劣化するのを防止することができ、検査対象画像に欠陥Kが存在する場合においても、検査対象画像と正解パターン画像との位置合わせを精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態に係る欠陥検査装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1の複雑領域探索部の処理を示すフローチャートである。
【図3】図1の複雑領域探索部による小領域の探索方法を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る欠陥検査装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】図5(a)は、本発明の第2実施形態に係る位置合わせ用パターンに設定される位置合わせ用パターン領域の一例を示す図、図5(b)は、検査対象に欠陥を有する検査画像の一例を示す図である。
【図6】分割線上にパターンが重なっている正解パターン画像の一例を示す図である。
【図7】正解パターン画像上に設定された小領域の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
11 撮像部
111 光源
112 照明光学系
113 対物レンズ
114 イメージセンサ
115 レンズ
116 ハーフミラー
12 搬送部
121 XYステージ
122 ステージコントローラ
123 検査対象
13 画像処理部
131 AD変換部
132 正解パターン画像保存部
133 検査画像保存部
134、234 複雑領域探索部
135、135a〜135b 位置合わせ用パターン保存部
136、236 位置合わせ部
137 欠陥検出部
14 全体制御部
141 ユーザインターフェース
142 記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正解パターンおよび検査対象パターンを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段にて撮像された正解パターン画像を保存する正解パターン画像保存手段と、
前記撮像手段にて撮像された検査対象画像を保存する検査画像保存手段と、
前記正解パターン画像に対して予め定められた小領域ごとにパターンの複雑さを示す特徴量を算出し、前記パターンの複雑さが所定値以上の小領域を前記正解パターン画像から探索する複雑領域探索手段と、
前記複雑領域探索手段にて探索された小領域の位置および前記小領域の画像を保存する位置合わせ用パターン保存手段と、
前記小領域の位置における前記検査対象画像と、前記正解パターン画像における小領域の画像との位置ずれ量に基づいて、前記検査対象画像と前記正解パターン画像との位置合わせを行う位置合わせ手段と、
前記位置合わせ手段にて位置あわせされた検査対象画像と正解パターン画像の比較結果に基づいて、前記検査対象の欠陥を検出する欠陥検出手段とを備えることを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項2】
前記複雑領域探索手段は、前記正解パターン画像の一端から他端まで所定ピッチで前記小領域を移動させながら、前記小領域ごとにパターンの複雑さを示す特徴量を算出し、前記パターンの複雑さが所定値以上の小領域を前記正解パターン画像から探索することを特徴とする請求項1記載の欠陥検査装置。
【請求項3】
前記複雑領域探索手段は、前記パターンの複雑さが所定値以上の小領域を前記正解パターン画像から複数探索し、
前記位置合わせ用パターン保存手段は、前記複雑領域探索手段にて探索された複数の小領域の位置および前記複数の小領域の画像を保存し、
前記位置合わせ手段は、前記複数の小領域の位置における前記検査対象画像と、前記正解パターン画像における複数の小領域の画像とをそれぞれ比較し、それらの画像間で最も一致度の互い小領域の位置における前記検査対象画像と、前記正解パターン画像における前記小領域の画像との位置ずれ量に基づいて、前記検査対象画像と前記正解パターン画像との位置合わせを行うことを特徴とする請求項1または2記載の欠陥検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−175001(P2009−175001A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−13856(P2008−13856)
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】