液晶表示装置の製造方法
【課題】本発明は、製造工程を単純化して透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造を有する共通電極配線を製造することができる液晶表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】液晶表示装置の製造方法であって、透明導電膜10上に金属膜11が積層された積層構造を有する枠状の共通電極配線12と、透明導電膜10の配線幅よりも小さい配線幅を有する共通電極13と、共通電極配線12の透明導電膜10の配線幅よりも小さい配線幅を有する画素電極14とからなる横電界方式において、感光性樹脂膜15をエッチングマスクにして等方性エッチングにより、共通電極13および画素電極14となる透明導電膜10上に積層された、感光性樹脂膜15の下側に位置する金属膜11を除去するとともに、共通電極配線12となる透明導電膜上10に積層された、感光性樹脂15の下側に位置する金属膜11の側面の一部を除去する工程を含む。
【解決手段】液晶表示装置の製造方法であって、透明導電膜10上に金属膜11が積層された積層構造を有する枠状の共通電極配線12と、透明導電膜10の配線幅よりも小さい配線幅を有する共通電極13と、共通電極配線12の透明導電膜10の配線幅よりも小さい配線幅を有する画素電極14とからなる横電界方式において、感光性樹脂膜15をエッチングマスクにして等方性エッチングにより、共通電極13および画素電極14となる透明導電膜10上に積層された、感光性樹脂膜15の下側に位置する金属膜11を除去するとともに、共通電極配線12となる透明導電膜上10に積層された、感光性樹脂15の下側に位置する金属膜11の側面の一部を除去する工程を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話、デジタルカメラあるいは携帯型情報端末などの様々な用途に用いられる液晶表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
横方向電界方式の液晶表示装置は、液晶層を挟んで配置される一対の透明基板のうちの一方の透明基板の内面側に、画素電極と共通電極からなる一対の電極が互いに絶縁して設けられ、画素電極と共通電極との間に印加される横方向の電界によって液晶分子を駆動する。このような横方向電界方式の液晶表示装置としては、画素電極と共通電極からなる一対の電極が平面視で重ならない方式と、平面視で重なる方式のものがある。また、共通電極は、画素領域に枠状に設けられた共通電極配線に接続されて共通電極配線によって電位が供給されている。横方向電界方式の液晶表示装置では、共通電極の電位を表示領域全体で均一にするために、透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造にして共通電極配線を低抵抗化している。このような液晶表示装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−190933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記液晶表示装置では、透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造を有する共通電極配線は、透明導電膜を成膜してフォトリソグラフィでパターン化し、さらに、その上に金属膜を成膜してフォトリソグラフィでパターン化して製造されている。したがって、積層構造を有する共通電極配線を製造する際には、透明導電膜と金属膜に対してそれぞれフォトマスクを準備してフォトリソグラフィによって共通電極配線を形成しなければならず、製造工程が複雑化するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造工程を単純化して透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造を有する共通電極配線を製造することができる液晶表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明における液晶表示装置の製造方法は、透明基板上に、複数のゲート配線と、複数の該ゲート配線に交差するように配置された複数のソース配線と、該ソース配線を覆うように形成された絶縁膜とが設けられ、複数の前記ゲート配線および複数の前記ソース配線によって囲まれた領域を画素領域として、該画素領域のそれぞれに対して同一平面内に、前記ゲート配線または前記ソース配線に重畳された、透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造を有する枠状の共通電極配線と、該共通電極配線の前記透明導電膜から前記画素領域の中央部に向かって延長された、前記透明導電膜の配線幅よりも小さい配線幅を有する共通電極と、前記画素領域内に前記透明導電膜と同一材料で形成された、前記共通電極配線の前記透明導電膜の配線幅よりも小さい配線幅を有する、前記共通電極との間で電界を形成するための画素電極とを備えた液晶表示装置の製造方法であって、複数の前記ゲート配線と、複数の該ゲート配線に交差するように配置された複数の前記ソース配線と、該ソース配線を覆うように形成された前記絶縁膜とが設けられた透明基板を準備する工程と、前記透明基板の前記絶縁膜上に前記透明導電膜と前記金属膜とを順次形成する工程と、前記金属膜上に感光性樹脂膜を形成する工程と、フォトリソグ
ラフィにより、前記感光性樹脂膜を前記共通電極配線、前記共通電極および前記画素電極のパターン形状になるようにパターニングする工程と、パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、前記金属膜および前記透明導電膜を順次エッチングして、前記共通電極配線、前記共通電極および前記画素電極のパターン形状にパターニングする工程と、パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、等方性エッチングにより、前記共通電極および前記画素電極となる前記透明導電膜上に積層された、前記感光性樹脂膜の下側に位置する前記金属膜を除去するとともに、前記共通電極配線となる前記透明導電膜上に積層された、前記感光性樹脂の下側に位置する前記金属膜の側面の一部を除去する工程と、前記感光性樹脂膜を除去して、前記透明導電膜からなる前記共通電極および前記画素電極と、前記透明電極膜上に前記金属膜が積層された積層構造を有する前記共通電極配線とを形成する工程とを含むことを特徴とするものである。
【0007】
また、上記目的を達成するために本発明における液晶表示装置の製造方法は、透明基板上に、複数のゲート配線と、複数の該ゲート配線に交差するように配置された複数のソース配線と、該ソース配線を覆うように形成された第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上に形成された第1の透明導電膜からなる画素電極と、該画素電極を覆うように形成された第2の絶縁膜とが設けられ、複数の前記ゲート配線および複数の前記ソース配線によって囲まれた領域を画素領域として、前記画素領域のそれぞれに対して同一平面内に、前記ゲート配線または前記ソース配線に重畳された、第2の透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造を有する枠状の共通電極配線と、該共通電極配線の前記第2の透明導電膜から前記画素領域を分割するように延長された、前記共通電極配線の前記第2の透明導電膜の配線幅よりも小さい配線幅を有する、前記画素電極との間で電界を形成するための共通電極とを備えた液晶表示装置の製造方法であって、複数の前記ゲート配線と、複数の該ゲート配線に交差するように配置された複数の前記ソース配線と、該ソース配線を覆うように形成された前記第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上に形成された前記第1の透明導電膜からなる画素電極と、該画素電極を覆うように形成された前記第2の絶縁膜とが設けられた前記透明基板を準備する工程と、前記透明基板の前記第2の絶縁膜上に前記第2の透明導電膜と前記金属膜とを順次形成する工程と、前記金属膜上に感光性樹脂膜を形成する工程と、
フォトリソグラフィにより、前記感光性樹脂膜を前記共通電極配線および前記共通電極のパターン形状になるようにパターニングする工程と、パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、前記金属膜および前記第2の透明導電膜を順次エッチングして、前記共通電極配線および前記共通電極のパターン形状にパターニングする工程と、パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、等方性エッチングにより、前記共通電極となる前記第2の透明導電膜上に積層された、前記感光性樹脂膜の下側に位置する前記金属膜を除去するとともに、前記共通電極配線となる前記第2の透明導電膜上に積層された、前記感光性樹脂膜の下側に位置する前記金属膜の側面の一部を除去する工程と、前記感光性樹脂膜を除去して、前記第2の透明導電膜からなる前記共通電極と、前記第2の透明電極膜上に前記金属膜が積層された積層構造を有する前記共通電極配線とを形成する工程とを含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の液晶表示装置の製造方法は、製造工程を単純化して透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造を有する共通電極配線を製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施の形態に係る液晶表示装置の製造方法を用いた液晶表示装置の画素領域の平面図である。
【図2】図1に示す液晶表示装置であって、(a)は、図1の液晶表示装置のA−A断面図、(b)は、図1の液晶表示装置のB−B断面図である。
【図3A】図1に示す液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【図3B】図1に示す液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【図3C】図1に示す液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【図3D】図1に示す液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【図3E】図1に示す液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【図3F】図1に示す液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【図3G】図1に示す液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【図3H】図1に示す液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【図4】第2の実施の形態に係る液晶表示装置の製造方法を用いた液晶表示装置の画素領域の平面図である。
【図5】図4に示す液晶表示装置であって、(a)は図4の液晶表示装置のC−C断面図、(b)は図4の液晶表示装置のD−D断面図である。
【図6A】図4に示す液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【図6B】図4に示す液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【図6C】図4に示す液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【図6D】図4に示す液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【図6E】図4に示す液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【図6F】図4に示す液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【図6G】図4に示す液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【図6H】図4に示す液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態1>
以下、本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置の製造方法について、図1乃至図3を参照しながら説明する。
【0011】
まず、実施の形態1に係る液晶表示装置について説明する。なお、実施の形態1に係る液晶表示装置は、横方向電界方式であって、画素電極と共通電極からなる一対の電極が平面視で重ならない方式である。液晶表示装置は、図1乃至図2に示すような以下の構成を有している。
【0012】
液晶表示装置は、透明基板1上に、複数のゲート配線4と、複数のゲート配線4に交差するように配置された複数のソース配線5と、ソース配線5を覆うように形成された絶縁膜8とが設けられ、複数のゲート配線4および複数のソース配線5によって囲まれた領域を画素領域9として、画素領域8のそれぞれに対して同一平面内に、ゲート配線4またはソース配線5に重畳された、透明導電膜10上に金属膜11が積層された積層構造を有する枠状の共通電極配線12と、共通電極配線12の透明導電膜10から画素領域9の中央部に向かって延長された、透明導電膜10の配線幅よりも小さい配線幅を有する共通電極13と、画素領域9内に透明導電膜10と同一材料で形成された、共通電極配線12の透明導電膜10の配線幅よりも小さい配線幅を有する、共通電極13との間で電界を形成するための画素電極14とを備えている。
【0013】
透明基板1は、例えば、ガラス、プラスチック等の透光性を有する材料からなり、透明基板1上には、一方向に複数のゲート配線4が設けられている。そして、複数のゲート配線4を覆うようにゲート絶縁膜2が設けられている。ゲート配線4は、例えば、アルミニウム、モリブデン、チタン、ネオジウム、クロム、銅等またはこれらを含む合金からなる。また、ゲート絶縁膜2は、例えば、窒化ケイ素(SiN)等からなる。
【0014】
ゲート絶縁膜2上には、薄膜トランジスタのシリコン層7の少なくとも一部がゲート配線4上に位置するように設けられている。そして、シリコン層7を覆うように層間絶縁膜3が設けられている。薄膜トランジスタのシリコン層7は、チャネル領域を挟んで一方側
にはソース電極が設けられ、他方側にはドレイン電極が設けられている。ソース電極は、層間絶縁膜3に設けられたスルーホールを介してソース配線5に電気的に接続され、ドレイン電極は、層間絶縁膜3に設けられたスルーホールを介してドレイン配線6に電気的に接続されている。また、層間絶縁膜3は、例えば、窒化ケイ素(SiN)等からなる。
【0015】
また、絶縁膜8が、ソース配線5およびドレイン配線6を覆うように設けられている。そして、ドレイン配線6は、絶縁膜8に設けられたスルーホールを介して画素電極14に電気的に接続されている。シリコン層7は、例えば、アモルファスシリコン、低温ポリシリコン等である。ソース配線5およびドレイン配線6は、例えば、アルミニウム、モリブデン、チタン、ネオジウム、クロム、銅等またはこれらを含む合金からなる。絶縁膜8は、例えば、有機系絶縁膜のアクリル系樹脂等からなる。
【0016】
複数のソース配線5は、複数のゲート配線4と互いに交差するように配置されており、複数のゲート配線4および複数のソース配線5によって囲まれた領域を画素領域9としている。画素領域9のそれぞれに対して同一平面内に、枠状の共通電極配線12、共通電極13および画素電極14が設けられている。
【0017】
共通電極配線12は、共通電極13に電位を供給している。画素電極14は、所定の電位に保持されることにより共通電極13との間に横方向の電界を発生する。そして、画素電極14と共通電極13との間に発生する横方向の電界によって液晶分子を駆動する。
【0018】
共通電極配線12は、ゲート配線4またはソース配線5に重畳されている。すなわち、共通電極配線12は、ゲート配線4に重畳している部分とソース配線5に重畳している部分を有している。そして、透明導電膜10上に金属膜9が積層された積層構造を有している。また、共通電極配線12の透明導電膜10の配線幅は、例えば、10(μm)〜20(μm)に設定されている。透明導電膜10は、例えば、ITO等からなる。また、金属膜11は、例えば、アルミニウム、モリブデン等の金属材料からなる。
【0019】
共通電極13は、ゲート配線4に重畳している隣接した2つの共通電極配線12の透明導電膜10から画素領域9の中央部に向かって延長されており、ソース配線に重畳している共通電極配線12に平行に設けられている。また、共通電極13は、透明導電膜10と同一材料からなり、透明導電膜10と同時にパターニングされる。なお、図1では、透明導電膜10から2本の共通電極13が画素領域9の中央部に向かって延長されているが、これに限定されず、画素領域9の大きさ等を考慮して共通電極13の本数は適宜選択される。そして、共通電極13は、共通電極配線12の透明導電膜10の配線幅よりも小さい配線幅を有している。共通電極13の配線幅は、例えば、3(μm)〜5(μm)に設定されている。
【0020】
画素電極14は、画素領域9内で共通電極13に平行に設けられており、共通電極13との間で電界を形成する。また、画素電極14は、透明導電膜10と同一材料からなり、透明導電膜10と同時にパターニングされる。そして、画素電極14は、共通電極配線12の透明導電膜10の配線幅よりも小さい配線幅を有している。画素電極14の配線幅は、例えば、3(μm)〜5(μm)に設定されている。また、共通電極配線12を屈曲した形状、例えば、デュアルドメイン構造にして、共通電極13および画素電極14が共通電極配線12に平行に設けられる構成にしてもよい。
【0021】
このような液晶表示装置では、枠状の共通電極配線12が、透明導電膜10上に金属膜11が積層された積層構造を有するため、共通電極配線12が低抵抗化されることで低時定数化を図ることができる。これによって、液晶表示装置は、クロストークやフリッカー等を抑制することができる。
【0022】
次に、実施の形態1に係る液晶表示装置の製造方法について説明する。なお、図3A〜図3Hは、図1の液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【0023】
まず、図3Aに示すように、複数のゲート配線4と、複数のゲート配線4に交差するように配置された複数のソース配線5と、ソース配線5を覆うように形成された絶縁膜8とが設けられた透明基板1を準備する。
【0024】
次に、図3Bに示すように、透明基板1の絶縁膜8上に透明導電膜10と金属膜11とを順次形成する。透明導電膜10は、例えば、ITOがスパッタリング法によって形成される。なお、同一平面内に形成された透明導電膜10から、共通電極配線12の透明導電膜10、共通電極13および画素電極14が形成される。また、金属膜11は、例えば、アルミニウムがスパッタリング法によって形成される。
【0025】
次に、図3Cに示すように、金属膜11上に感光性樹脂膜15を形成する。感光性樹脂膜15は、例えば、スピンコート法によって金属膜11上に形成される。
【0026】
次に、図3Dに示すように、フォトリソグラフィにより、感光性樹脂膜15を共通電極配線12、共通電極13および画素電極14のパターン形状になるようにパターニングする。すなわち、フォトマスクを使用して、共通電極配線12、共通電極13および画素電極14のパターン形状になるように感光性樹脂膜を露光、現像してパターニングする。
【0027】
また、共通電極配線12の金属膜11を、ゲート配線4に重畳された部分の配線幅がソース配線5に重畳された部分の配線幅よりも大きくなるようなパターニング形状にしてもよい。これによって、ゲート配線4に重畳された部分の金属膜11の配線幅が大きくなるため、共通電極配線12をより低抵抗化することができる。
【0028】
次に、図3Eおよび図3Fに示すように、パターニングされた感光性樹脂膜15をエッチングマスクとして、金属膜11および透明導電膜10を順次エッチングして、共通電極配線12、共通電極13および画素電極14のパターン形状にパターニングする。なお、ウェットエッチング、ドライエッチング等を用いてエッチングをする。
【0029】
次に、図3Gに示すように、パターニングされた感光性樹脂膜15をエッチングマスクとして、感光性樹脂膜15の下側に位置する金属膜11を等方性エッチングする。すなわち、共通電極13および画素電極14となる透明導電膜10上に積層された金属膜11を除去するとともに、共通電極配線12となる透明導電膜10上に積層された金属膜11の側面の一部を除去する。これによって、共通電極13および画素電極14は、共通電極配線12の透明導電膜10と同一材料から形成されることになる。なお、ウェットエッチング、ドライエッチング等を用いて等方性エッチングをする。例えば、ウェットエッチングの場合には、エッチング時間を調整して等方性エッチングする。
【0030】
このように、パターニングされた感光性樹脂膜15をエッチングマスクとして等方性エッチングすることによって、図3Gに示すように、共通電極13および画素電極14となる透明導電膜10上の金属膜11は除去されることになる。
【0031】
一方、図2に示すように、共通電極配線12の金属膜11の配線幅は、共通電極13上および画素電極14上の金属膜11の配線幅よりも大きいため、共通電極13上の金属膜11および画素電極14上の金属膜11が等方性エッチングによって除去されても、共通電極配線12の金属膜11の側面の一部が除去されるのみであり、共通電極配線12は透明導電膜10上に金属膜11が残った状態となる。すなわち、等方性エッチングによって
共通電極13および画素電極14上の金属膜11が除去された分だけ、共通電極配線12の金属膜11の側面が少なくとも除去されることになる。このように、共通電極13および画素電極14となる透明導電膜10の配線幅が共通電極配線12の透明導電膜10の配線幅よりも小さく、すなわち、共通電極13および画素電極14上の金属膜11の配線幅よりも共通電極配線12の金属膜11の配線幅が大きくなっていることによって、共通電極配線12は透明導電膜10上に金属膜11が積層された積層構造にすることができる。
【0032】
これによって、透明導電膜10と金属膜11に対してそれぞれフォトマスクを準備してフォトリソグラフィによって積層構造を有する共通電極配線12を形成することなく、製造工程を単純化して透明導電膜10上に金属膜11が積層された積層構造を有する共通電極配線12を製造することができる。
【0033】
最後に、図3Hに示すように、感光性樹脂膜15を除去して、透明導電膜10からなる共通電極13および画素電極14と、透明電極膜10上に金属膜11が積層された積層構造を有する共通電極配線12とを形成する。これによって、液晶表示装置は、横方向電界方式であって、画素電極14と共通電極13からなる一対の電極が平面視で重ならない方式の画素領域を有する構造となる。
【0034】
<実施の形態2>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示装置の製造方法について、図4乃至図6を参照しながら説明する。なお、第2の実施の形態の液晶表示装置の製造方法のうち、第1の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法と同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0035】
まず、実施の形態2に係る液晶表示装置について説明する。なお、液晶表示装置は、横方向電界方式であって、画素電極と共通電極からなる一対の電極が平面視で重なる方式である。液晶表示装置は、図4乃至図5に示すような以下の構成を有している。
【0036】
液晶表示装置は、透明基板1上に、複数のゲート配線4と、複数のゲート配線4に交差するように配置された複数のソース配線5と、ソース配線5を覆うように形成された第1の絶縁膜8aと、第1の絶縁膜8a上に形成された第1の透明導電膜10aからなる画素電極140と、画素電極140を覆うように形成された第2の絶縁膜8bとが設けられ、複数のゲート配線4および複数のソース配線5によって囲まれた領域を画素領域9として、画素領域9のそれぞれに対して同一平面内に、ゲート配線4またはソース5配線に重畳された、第2の透明導電膜10b上に金属膜11が積層された積層構造を有する枠状の共通電極配線12と、共通電極配線12の第2の透明導電膜10bから画素領域9を分割するように延長された、共通電極配線12の第2の透明導電膜10bの配線幅よりも小さい配線幅を有する、画素電極140との間で電界を形成するための共通電極130とを備えている。
【0037】
実施の形態2に係る液晶表示装置は、実施の形態1に係る液層表示装置と比較すると、共通電極130および画素電極140の構成が異なっている。なお、枠状の共通電極配線12は、実施の形態1と同様に、ゲート配線4またはソース5配線に重畳された、第2の透明導電膜10b上に金属膜11が積層された積層構造を有している。また、共通電極配線12の透明導電膜10bの配線幅は、例えば、10(μm)〜20(μm)に設定されている。透明導電膜10bは、例えば、ITO等からなる。
【0038】
共通電極130は、共通電極配線12の第2の透明導電膜10bから画素領域9を分割するように延長されている。すなわち、共通電極130は、第2の透明導電膜10bと同一材料からなり、第2の透明導電膜10bと同時にパターニングされる。また、共通電極
130は、ソース配線5に重畳している共通電極配線12に平行に設けられている。また、5本の共通電極130で構成されているが、これに限らず、共通電極130の本数は、画素領域9の大きさ等を考慮して適宜選択される。共通電極配線12の第2の透明導電膜10bの配線幅よりも小さい配線幅を有している。また、共通電極130の配線幅は、例えば、3(μm)〜5(μm)に設定されている。また、共通電極配線12を屈曲した形状、例えば、デュアルドメイン構造にして、共通電極130が共通電極配線12に平行に設けられる構成にしてもよい。
【0039】
画素電極140は、図5に示すように、共通電極配線12および共通電極130が設けられている平面とは異なる平面に設けられており、平面視で共通電極130と画素電極140とが重なって設けられている。異なった平面に設けられている共通電極130と画素電極140との間で電界を形成している。すなわち、画素電極140は、所定の電位に保持されることにより共通電極13との間に横方向の電界を発生する。そして、画素電極140と共通電極130との間に発生する横方向の電界によって液晶分子を駆動する。また、画素電極140は、例えば、四角形状を有しており、枠状の共通電極配線12の第2の透明導電膜10bの周辺部と重畳するように画素領域9に設けられている。
【0040】
液晶表示装置では、枠状の共通電極配線12が、第2の透明導電膜10b上に金属膜11が積層された積層構造を有するため、共通電極配線12が低抵抗化されることで低時定数化を図ることができる。これによって、液晶表示装置は、クロストークやフリッカー等を抑制することができる。
【0041】
次に、実施の形態2に係る液晶表示装置の製造方法について説明する。なお、図6A〜図6Hは、図4の液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【0042】
まず、図6Aに示すように、複数のゲート配線4と、複数のゲート配線4に交差するように配置された複数のソース配線5と、ソース配線5を覆うように形成された第1の絶縁膜8aと、第1の絶縁膜8a上に形成された第1の透明導電膜10aからなる画素電極140と、画素電極140を覆うように形成された第2の絶縁膜8bとが設けられた透明基板1を準備する。
【0043】
次に、図6Bに示すように、透明基板1の第2の絶縁膜8b上に第2の透明導電膜10bと金属膜11とを順次形成する。第2の透明導電膜10bは、例えば、ITOがスパッタリング法によって形成される。なお、同一平面内に形成された透明導電膜10bから、共通電極配線12の第2の透明導電膜10b、共通電極130が形成される。また、金属膜11は、例えば、アルミニウムがスパッタリング法によって形成される。
【0044】
次に、図6Cに示すように、金属膜11上に感光性樹脂膜15を形成する。感光性樹脂膜15は、例えば、スピンコート法によって金属膜11上に形成される。
【0045】
次に、図6Dに示すように、フォトリソグラフィにより、感光性樹脂膜15を共通電極配線12および共通電極130のパターン形状になるようにパターニングする。すなわち、フォトマスクを使用して、共通電極配線12および共通電極130のパターン形状になるように感光性樹脂膜を露光、現像してパターニングする。
【0046】
また、共通電極配線12の金属膜11を、ゲート配線4に重畳された部分の配線幅がソース配線5に重畳された部分の配線幅よりも大きくなるようなパターニング形状にしてもよい。これによって、ゲート配線4に重畳された部分の金属膜11の配線幅が大きくなるため、共通電極配線12をより低抵抗化することができる。
【0047】
次に、図6Eおよび図6Fに示すように、パターニングされた感光性樹脂膜15をエッチングマスクとして、金属膜11および第2の透明導電膜10bを順次エッチングして、共通電極配線12および共通電極130のパターン形状にパターニングする。なお、ウェットエッチング、ドライエッチング等を用いてエッチングをする。
【0048】
次に、図6Gに示すように、パターニングされた感光性樹脂膜15をエッチングマスクとして、感光性樹脂膜15の下側に位置する金属膜11を等方性エッチングする。すなわち、共通電極130となる第2の透明導電膜10b上に積層された金属膜11を除去するとともに、共通電極配線12となる第2の透明導電膜10b上に積層された金属膜11の側面の一部を除去する。これによって、共通電極130は共通電極配線12の第2の透明導電膜10bと同一材料から形成されることになる。なお、ウェットエッチング、ドライエッチング等を用いて等方性エッチングをする。例えば、ウェットエッチングの場合には、エッチング時間を調整して等方性エッチングする。
【0049】
このように、パターニングされた感光性樹脂膜15をエッチングマスクとして等方性エッチングすることによって、図6Gに示すように、共通電極130となる第2の透明導電膜10b上の金属膜11は除去されることになる。
【0050】
一方、図5に示すように、共通電極配線12の金属膜11の配線幅は、共通電極130上の金属膜11の配線幅よりも大きいため、共通電極130上の金属膜11が等方性エッチングによって除去されても、共通電極配線12の金属膜11の側面の一部が除去されるのみであり、共通電極配線12は透明導電膜10b上に金属膜11が残った状態となる。すなわち、等方性エッチングによって共通電極130上の金属膜11が除去された分だけ、共通電極配線12の金属膜11の側面が少なくとも除去されることになる。このように、共通電極130となる透明導電膜10bの配線幅が共通電極配線12の透明導電膜10bの配線幅よりも小さく、すなわち、共通電極130上の金属膜11の配線幅よりも共通電極配線12の金属膜11の配線幅が大きくなっていることによって、共通電極配線12は透明導電膜10b上に金属膜11が積層された積層構造にすることができる。
【0051】
これによって、透明導電膜10bと金属膜11に対してそれぞれフォトマスクを準備してフォトリソグラフィによって積層構造を有する共通電極配線12を形成することなく、製造工程を単純化して透明導電膜10b上に金属膜11が積層された積層構造を有する共通電極配線12を製造することができる。
【0052】
最後に、図6Hに示すように、感光性樹脂膜15を除去して、第2の透明導電膜10bからなる共通電極130と、第2の透明電極膜10b上に金属膜11が積層された積層構造を有する共通電極配線12とを形成する。これによって、液晶表示装置は、横方向電界方式であって、画素電極140と共通電極130からなる一対の電極が平面視で重なる方式の画素領域を有する構造となる。
【0053】
本発明は、上述した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更および改良が可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 透明基板
2 ゲート絶縁膜
3 層間絶縁膜
4 ゲート配線
5 ソース配線
6 ドレイン配線
7 シリコン層
8 絶縁膜
8a 第1の絶縁膜
8b 第2の絶縁膜
9 画素領域
10 透明導電膜
10a 第1の透明導電膜
10b 第2の透明導電膜
11 金属膜
12 共通電極配線
13、130 共通電極
14、140 画素電極
15 感光性樹脂膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話、デジタルカメラあるいは携帯型情報端末などの様々な用途に用いられる液晶表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
横方向電界方式の液晶表示装置は、液晶層を挟んで配置される一対の透明基板のうちの一方の透明基板の内面側に、画素電極と共通電極からなる一対の電極が互いに絶縁して設けられ、画素電極と共通電極との間に印加される横方向の電界によって液晶分子を駆動する。このような横方向電界方式の液晶表示装置としては、画素電極と共通電極からなる一対の電極が平面視で重ならない方式と、平面視で重なる方式のものがある。また、共通電極は、画素領域に枠状に設けられた共通電極配線に接続されて共通電極配線によって電位が供給されている。横方向電界方式の液晶表示装置では、共通電極の電位を表示領域全体で均一にするために、透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造にして共通電極配線を低抵抗化している。このような液晶表示装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−190933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記液晶表示装置では、透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造を有する共通電極配線は、透明導電膜を成膜してフォトリソグラフィでパターン化し、さらに、その上に金属膜を成膜してフォトリソグラフィでパターン化して製造されている。したがって、積層構造を有する共通電極配線を製造する際には、透明導電膜と金属膜に対してそれぞれフォトマスクを準備してフォトリソグラフィによって共通電極配線を形成しなければならず、製造工程が複雑化するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造工程を単純化して透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造を有する共通電極配線を製造することができる液晶表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明における液晶表示装置の製造方法は、透明基板上に、複数のゲート配線と、複数の該ゲート配線に交差するように配置された複数のソース配線と、該ソース配線を覆うように形成された絶縁膜とが設けられ、複数の前記ゲート配線および複数の前記ソース配線によって囲まれた領域を画素領域として、該画素領域のそれぞれに対して同一平面内に、前記ゲート配線または前記ソース配線に重畳された、透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造を有する枠状の共通電極配線と、該共通電極配線の前記透明導電膜から前記画素領域の中央部に向かって延長された、前記透明導電膜の配線幅よりも小さい配線幅を有する共通電極と、前記画素領域内に前記透明導電膜と同一材料で形成された、前記共通電極配線の前記透明導電膜の配線幅よりも小さい配線幅を有する、前記共通電極との間で電界を形成するための画素電極とを備えた液晶表示装置の製造方法であって、複数の前記ゲート配線と、複数の該ゲート配線に交差するように配置された複数の前記ソース配線と、該ソース配線を覆うように形成された前記絶縁膜とが設けられた透明基板を準備する工程と、前記透明基板の前記絶縁膜上に前記透明導電膜と前記金属膜とを順次形成する工程と、前記金属膜上に感光性樹脂膜を形成する工程と、フォトリソグ
ラフィにより、前記感光性樹脂膜を前記共通電極配線、前記共通電極および前記画素電極のパターン形状になるようにパターニングする工程と、パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、前記金属膜および前記透明導電膜を順次エッチングして、前記共通電極配線、前記共通電極および前記画素電極のパターン形状にパターニングする工程と、パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、等方性エッチングにより、前記共通電極および前記画素電極となる前記透明導電膜上に積層された、前記感光性樹脂膜の下側に位置する前記金属膜を除去するとともに、前記共通電極配線となる前記透明導電膜上に積層された、前記感光性樹脂の下側に位置する前記金属膜の側面の一部を除去する工程と、前記感光性樹脂膜を除去して、前記透明導電膜からなる前記共通電極および前記画素電極と、前記透明電極膜上に前記金属膜が積層された積層構造を有する前記共通電極配線とを形成する工程とを含むことを特徴とするものである。
【0007】
また、上記目的を達成するために本発明における液晶表示装置の製造方法は、透明基板上に、複数のゲート配線と、複数の該ゲート配線に交差するように配置された複数のソース配線と、該ソース配線を覆うように形成された第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上に形成された第1の透明導電膜からなる画素電極と、該画素電極を覆うように形成された第2の絶縁膜とが設けられ、複数の前記ゲート配線および複数の前記ソース配線によって囲まれた領域を画素領域として、前記画素領域のそれぞれに対して同一平面内に、前記ゲート配線または前記ソース配線に重畳された、第2の透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造を有する枠状の共通電極配線と、該共通電極配線の前記第2の透明導電膜から前記画素領域を分割するように延長された、前記共通電極配線の前記第2の透明導電膜の配線幅よりも小さい配線幅を有する、前記画素電極との間で電界を形成するための共通電極とを備えた液晶表示装置の製造方法であって、複数の前記ゲート配線と、複数の該ゲート配線に交差するように配置された複数の前記ソース配線と、該ソース配線を覆うように形成された前記第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上に形成された前記第1の透明導電膜からなる画素電極と、該画素電極を覆うように形成された前記第2の絶縁膜とが設けられた前記透明基板を準備する工程と、前記透明基板の前記第2の絶縁膜上に前記第2の透明導電膜と前記金属膜とを順次形成する工程と、前記金属膜上に感光性樹脂膜を形成する工程と、
フォトリソグラフィにより、前記感光性樹脂膜を前記共通電極配線および前記共通電極のパターン形状になるようにパターニングする工程と、パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、前記金属膜および前記第2の透明導電膜を順次エッチングして、前記共通電極配線および前記共通電極のパターン形状にパターニングする工程と、パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、等方性エッチングにより、前記共通電極となる前記第2の透明導電膜上に積層された、前記感光性樹脂膜の下側に位置する前記金属膜を除去するとともに、前記共通電極配線となる前記第2の透明導電膜上に積層された、前記感光性樹脂膜の下側に位置する前記金属膜の側面の一部を除去する工程と、前記感光性樹脂膜を除去して、前記第2の透明導電膜からなる前記共通電極と、前記第2の透明電極膜上に前記金属膜が積層された積層構造を有する前記共通電極配線とを形成する工程とを含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の液晶表示装置の製造方法は、製造工程を単純化して透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造を有する共通電極配線を製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施の形態に係る液晶表示装置の製造方法を用いた液晶表示装置の画素領域の平面図である。
【図2】図1に示す液晶表示装置であって、(a)は、図1の液晶表示装置のA−A断面図、(b)は、図1の液晶表示装置のB−B断面図である。
【図3A】図1に示す液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【図3B】図1に示す液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【図3C】図1に示す液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【図3D】図1に示す液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【図3E】図1に示す液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【図3F】図1に示す液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【図3G】図1に示す液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【図3H】図1に示す液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【図4】第2の実施の形態に係る液晶表示装置の製造方法を用いた液晶表示装置の画素領域の平面図である。
【図5】図4に示す液晶表示装置であって、(a)は図4の液晶表示装置のC−C断面図、(b)は図4の液晶表示装置のD−D断面図である。
【図6A】図4に示す液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【図6B】図4に示す液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【図6C】図4に示す液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【図6D】図4に示す液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【図6E】図4に示す液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【図6F】図4に示す液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【図6G】図4に示す液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【図6H】図4に示す液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態1>
以下、本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置の製造方法について、図1乃至図3を参照しながら説明する。
【0011】
まず、実施の形態1に係る液晶表示装置について説明する。なお、実施の形態1に係る液晶表示装置は、横方向電界方式であって、画素電極と共通電極からなる一対の電極が平面視で重ならない方式である。液晶表示装置は、図1乃至図2に示すような以下の構成を有している。
【0012】
液晶表示装置は、透明基板1上に、複数のゲート配線4と、複数のゲート配線4に交差するように配置された複数のソース配線5と、ソース配線5を覆うように形成された絶縁膜8とが設けられ、複数のゲート配線4および複数のソース配線5によって囲まれた領域を画素領域9として、画素領域8のそれぞれに対して同一平面内に、ゲート配線4またはソース配線5に重畳された、透明導電膜10上に金属膜11が積層された積層構造を有する枠状の共通電極配線12と、共通電極配線12の透明導電膜10から画素領域9の中央部に向かって延長された、透明導電膜10の配線幅よりも小さい配線幅を有する共通電極13と、画素領域9内に透明導電膜10と同一材料で形成された、共通電極配線12の透明導電膜10の配線幅よりも小さい配線幅を有する、共通電極13との間で電界を形成するための画素電極14とを備えている。
【0013】
透明基板1は、例えば、ガラス、プラスチック等の透光性を有する材料からなり、透明基板1上には、一方向に複数のゲート配線4が設けられている。そして、複数のゲート配線4を覆うようにゲート絶縁膜2が設けられている。ゲート配線4は、例えば、アルミニウム、モリブデン、チタン、ネオジウム、クロム、銅等またはこれらを含む合金からなる。また、ゲート絶縁膜2は、例えば、窒化ケイ素(SiN)等からなる。
【0014】
ゲート絶縁膜2上には、薄膜トランジスタのシリコン層7の少なくとも一部がゲート配線4上に位置するように設けられている。そして、シリコン層7を覆うように層間絶縁膜3が設けられている。薄膜トランジスタのシリコン層7は、チャネル領域を挟んで一方側
にはソース電極が設けられ、他方側にはドレイン電極が設けられている。ソース電極は、層間絶縁膜3に設けられたスルーホールを介してソース配線5に電気的に接続され、ドレイン電極は、層間絶縁膜3に設けられたスルーホールを介してドレイン配線6に電気的に接続されている。また、層間絶縁膜3は、例えば、窒化ケイ素(SiN)等からなる。
【0015】
また、絶縁膜8が、ソース配線5およびドレイン配線6を覆うように設けられている。そして、ドレイン配線6は、絶縁膜8に設けられたスルーホールを介して画素電極14に電気的に接続されている。シリコン層7は、例えば、アモルファスシリコン、低温ポリシリコン等である。ソース配線5およびドレイン配線6は、例えば、アルミニウム、モリブデン、チタン、ネオジウム、クロム、銅等またはこれらを含む合金からなる。絶縁膜8は、例えば、有機系絶縁膜のアクリル系樹脂等からなる。
【0016】
複数のソース配線5は、複数のゲート配線4と互いに交差するように配置されており、複数のゲート配線4および複数のソース配線5によって囲まれた領域を画素領域9としている。画素領域9のそれぞれに対して同一平面内に、枠状の共通電極配線12、共通電極13および画素電極14が設けられている。
【0017】
共通電極配線12は、共通電極13に電位を供給している。画素電極14は、所定の電位に保持されることにより共通電極13との間に横方向の電界を発生する。そして、画素電極14と共通電極13との間に発生する横方向の電界によって液晶分子を駆動する。
【0018】
共通電極配線12は、ゲート配線4またはソース配線5に重畳されている。すなわち、共通電極配線12は、ゲート配線4に重畳している部分とソース配線5に重畳している部分を有している。そして、透明導電膜10上に金属膜9が積層された積層構造を有している。また、共通電極配線12の透明導電膜10の配線幅は、例えば、10(μm)〜20(μm)に設定されている。透明導電膜10は、例えば、ITO等からなる。また、金属膜11は、例えば、アルミニウム、モリブデン等の金属材料からなる。
【0019】
共通電極13は、ゲート配線4に重畳している隣接した2つの共通電極配線12の透明導電膜10から画素領域9の中央部に向かって延長されており、ソース配線に重畳している共通電極配線12に平行に設けられている。また、共通電極13は、透明導電膜10と同一材料からなり、透明導電膜10と同時にパターニングされる。なお、図1では、透明導電膜10から2本の共通電極13が画素領域9の中央部に向かって延長されているが、これに限定されず、画素領域9の大きさ等を考慮して共通電極13の本数は適宜選択される。そして、共通電極13は、共通電極配線12の透明導電膜10の配線幅よりも小さい配線幅を有している。共通電極13の配線幅は、例えば、3(μm)〜5(μm)に設定されている。
【0020】
画素電極14は、画素領域9内で共通電極13に平行に設けられており、共通電極13との間で電界を形成する。また、画素電極14は、透明導電膜10と同一材料からなり、透明導電膜10と同時にパターニングされる。そして、画素電極14は、共通電極配線12の透明導電膜10の配線幅よりも小さい配線幅を有している。画素電極14の配線幅は、例えば、3(μm)〜5(μm)に設定されている。また、共通電極配線12を屈曲した形状、例えば、デュアルドメイン構造にして、共通電極13および画素電極14が共通電極配線12に平行に設けられる構成にしてもよい。
【0021】
このような液晶表示装置では、枠状の共通電極配線12が、透明導電膜10上に金属膜11が積層された積層構造を有するため、共通電極配線12が低抵抗化されることで低時定数化を図ることができる。これによって、液晶表示装置は、クロストークやフリッカー等を抑制することができる。
【0022】
次に、実施の形態1に係る液晶表示装置の製造方法について説明する。なお、図3A〜図3Hは、図1の液晶表示装置のA−Aに沿った製造工程断面図である。
【0023】
まず、図3Aに示すように、複数のゲート配線4と、複数のゲート配線4に交差するように配置された複数のソース配線5と、ソース配線5を覆うように形成された絶縁膜8とが設けられた透明基板1を準備する。
【0024】
次に、図3Bに示すように、透明基板1の絶縁膜8上に透明導電膜10と金属膜11とを順次形成する。透明導電膜10は、例えば、ITOがスパッタリング法によって形成される。なお、同一平面内に形成された透明導電膜10から、共通電極配線12の透明導電膜10、共通電極13および画素電極14が形成される。また、金属膜11は、例えば、アルミニウムがスパッタリング法によって形成される。
【0025】
次に、図3Cに示すように、金属膜11上に感光性樹脂膜15を形成する。感光性樹脂膜15は、例えば、スピンコート法によって金属膜11上に形成される。
【0026】
次に、図3Dに示すように、フォトリソグラフィにより、感光性樹脂膜15を共通電極配線12、共通電極13および画素電極14のパターン形状になるようにパターニングする。すなわち、フォトマスクを使用して、共通電極配線12、共通電極13および画素電極14のパターン形状になるように感光性樹脂膜を露光、現像してパターニングする。
【0027】
また、共通電極配線12の金属膜11を、ゲート配線4に重畳された部分の配線幅がソース配線5に重畳された部分の配線幅よりも大きくなるようなパターニング形状にしてもよい。これによって、ゲート配線4に重畳された部分の金属膜11の配線幅が大きくなるため、共通電極配線12をより低抵抗化することができる。
【0028】
次に、図3Eおよび図3Fに示すように、パターニングされた感光性樹脂膜15をエッチングマスクとして、金属膜11および透明導電膜10を順次エッチングして、共通電極配線12、共通電極13および画素電極14のパターン形状にパターニングする。なお、ウェットエッチング、ドライエッチング等を用いてエッチングをする。
【0029】
次に、図3Gに示すように、パターニングされた感光性樹脂膜15をエッチングマスクとして、感光性樹脂膜15の下側に位置する金属膜11を等方性エッチングする。すなわち、共通電極13および画素電極14となる透明導電膜10上に積層された金属膜11を除去するとともに、共通電極配線12となる透明導電膜10上に積層された金属膜11の側面の一部を除去する。これによって、共通電極13および画素電極14は、共通電極配線12の透明導電膜10と同一材料から形成されることになる。なお、ウェットエッチング、ドライエッチング等を用いて等方性エッチングをする。例えば、ウェットエッチングの場合には、エッチング時間を調整して等方性エッチングする。
【0030】
このように、パターニングされた感光性樹脂膜15をエッチングマスクとして等方性エッチングすることによって、図3Gに示すように、共通電極13および画素電極14となる透明導電膜10上の金属膜11は除去されることになる。
【0031】
一方、図2に示すように、共通電極配線12の金属膜11の配線幅は、共通電極13上および画素電極14上の金属膜11の配線幅よりも大きいため、共通電極13上の金属膜11および画素電極14上の金属膜11が等方性エッチングによって除去されても、共通電極配線12の金属膜11の側面の一部が除去されるのみであり、共通電極配線12は透明導電膜10上に金属膜11が残った状態となる。すなわち、等方性エッチングによって
共通電極13および画素電極14上の金属膜11が除去された分だけ、共通電極配線12の金属膜11の側面が少なくとも除去されることになる。このように、共通電極13および画素電極14となる透明導電膜10の配線幅が共通電極配線12の透明導電膜10の配線幅よりも小さく、すなわち、共通電極13および画素電極14上の金属膜11の配線幅よりも共通電極配線12の金属膜11の配線幅が大きくなっていることによって、共通電極配線12は透明導電膜10上に金属膜11が積層された積層構造にすることができる。
【0032】
これによって、透明導電膜10と金属膜11に対してそれぞれフォトマスクを準備してフォトリソグラフィによって積層構造を有する共通電極配線12を形成することなく、製造工程を単純化して透明導電膜10上に金属膜11が積層された積層構造を有する共通電極配線12を製造することができる。
【0033】
最後に、図3Hに示すように、感光性樹脂膜15を除去して、透明導電膜10からなる共通電極13および画素電極14と、透明電極膜10上に金属膜11が積層された積層構造を有する共通電極配線12とを形成する。これによって、液晶表示装置は、横方向電界方式であって、画素電極14と共通電極13からなる一対の電極が平面視で重ならない方式の画素領域を有する構造となる。
【0034】
<実施の形態2>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示装置の製造方法について、図4乃至図6を参照しながら説明する。なお、第2の実施の形態の液晶表示装置の製造方法のうち、第1の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法と同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0035】
まず、実施の形態2に係る液晶表示装置について説明する。なお、液晶表示装置は、横方向電界方式であって、画素電極と共通電極からなる一対の電極が平面視で重なる方式である。液晶表示装置は、図4乃至図5に示すような以下の構成を有している。
【0036】
液晶表示装置は、透明基板1上に、複数のゲート配線4と、複数のゲート配線4に交差するように配置された複数のソース配線5と、ソース配線5を覆うように形成された第1の絶縁膜8aと、第1の絶縁膜8a上に形成された第1の透明導電膜10aからなる画素電極140と、画素電極140を覆うように形成された第2の絶縁膜8bとが設けられ、複数のゲート配線4および複数のソース配線5によって囲まれた領域を画素領域9として、画素領域9のそれぞれに対して同一平面内に、ゲート配線4またはソース5配線に重畳された、第2の透明導電膜10b上に金属膜11が積層された積層構造を有する枠状の共通電極配線12と、共通電極配線12の第2の透明導電膜10bから画素領域9を分割するように延長された、共通電極配線12の第2の透明導電膜10bの配線幅よりも小さい配線幅を有する、画素電極140との間で電界を形成するための共通電極130とを備えている。
【0037】
実施の形態2に係る液晶表示装置は、実施の形態1に係る液層表示装置と比較すると、共通電極130および画素電極140の構成が異なっている。なお、枠状の共通電極配線12は、実施の形態1と同様に、ゲート配線4またはソース5配線に重畳された、第2の透明導電膜10b上に金属膜11が積層された積層構造を有している。また、共通電極配線12の透明導電膜10bの配線幅は、例えば、10(μm)〜20(μm)に設定されている。透明導電膜10bは、例えば、ITO等からなる。
【0038】
共通電極130は、共通電極配線12の第2の透明導電膜10bから画素領域9を分割するように延長されている。すなわち、共通電極130は、第2の透明導電膜10bと同一材料からなり、第2の透明導電膜10bと同時にパターニングされる。また、共通電極
130は、ソース配線5に重畳している共通電極配線12に平行に設けられている。また、5本の共通電極130で構成されているが、これに限らず、共通電極130の本数は、画素領域9の大きさ等を考慮して適宜選択される。共通電極配線12の第2の透明導電膜10bの配線幅よりも小さい配線幅を有している。また、共通電極130の配線幅は、例えば、3(μm)〜5(μm)に設定されている。また、共通電極配線12を屈曲した形状、例えば、デュアルドメイン構造にして、共通電極130が共通電極配線12に平行に設けられる構成にしてもよい。
【0039】
画素電極140は、図5に示すように、共通電極配線12および共通電極130が設けられている平面とは異なる平面に設けられており、平面視で共通電極130と画素電極140とが重なって設けられている。異なった平面に設けられている共通電極130と画素電極140との間で電界を形成している。すなわち、画素電極140は、所定の電位に保持されることにより共通電極13との間に横方向の電界を発生する。そして、画素電極140と共通電極130との間に発生する横方向の電界によって液晶分子を駆動する。また、画素電極140は、例えば、四角形状を有しており、枠状の共通電極配線12の第2の透明導電膜10bの周辺部と重畳するように画素領域9に設けられている。
【0040】
液晶表示装置では、枠状の共通電極配線12が、第2の透明導電膜10b上に金属膜11が積層された積層構造を有するため、共通電極配線12が低抵抗化されることで低時定数化を図ることができる。これによって、液晶表示装置は、クロストークやフリッカー等を抑制することができる。
【0041】
次に、実施の形態2に係る液晶表示装置の製造方法について説明する。なお、図6A〜図6Hは、図4の液晶表示装置のC−Cに沿った製造工程断面図である。
【0042】
まず、図6Aに示すように、複数のゲート配線4と、複数のゲート配線4に交差するように配置された複数のソース配線5と、ソース配線5を覆うように形成された第1の絶縁膜8aと、第1の絶縁膜8a上に形成された第1の透明導電膜10aからなる画素電極140と、画素電極140を覆うように形成された第2の絶縁膜8bとが設けられた透明基板1を準備する。
【0043】
次に、図6Bに示すように、透明基板1の第2の絶縁膜8b上に第2の透明導電膜10bと金属膜11とを順次形成する。第2の透明導電膜10bは、例えば、ITOがスパッタリング法によって形成される。なお、同一平面内に形成された透明導電膜10bから、共通電極配線12の第2の透明導電膜10b、共通電極130が形成される。また、金属膜11は、例えば、アルミニウムがスパッタリング法によって形成される。
【0044】
次に、図6Cに示すように、金属膜11上に感光性樹脂膜15を形成する。感光性樹脂膜15は、例えば、スピンコート法によって金属膜11上に形成される。
【0045】
次に、図6Dに示すように、フォトリソグラフィにより、感光性樹脂膜15を共通電極配線12および共通電極130のパターン形状になるようにパターニングする。すなわち、フォトマスクを使用して、共通電極配線12および共通電極130のパターン形状になるように感光性樹脂膜を露光、現像してパターニングする。
【0046】
また、共通電極配線12の金属膜11を、ゲート配線4に重畳された部分の配線幅がソース配線5に重畳された部分の配線幅よりも大きくなるようなパターニング形状にしてもよい。これによって、ゲート配線4に重畳された部分の金属膜11の配線幅が大きくなるため、共通電極配線12をより低抵抗化することができる。
【0047】
次に、図6Eおよび図6Fに示すように、パターニングされた感光性樹脂膜15をエッチングマスクとして、金属膜11および第2の透明導電膜10bを順次エッチングして、共通電極配線12および共通電極130のパターン形状にパターニングする。なお、ウェットエッチング、ドライエッチング等を用いてエッチングをする。
【0048】
次に、図6Gに示すように、パターニングされた感光性樹脂膜15をエッチングマスクとして、感光性樹脂膜15の下側に位置する金属膜11を等方性エッチングする。すなわち、共通電極130となる第2の透明導電膜10b上に積層された金属膜11を除去するとともに、共通電極配線12となる第2の透明導電膜10b上に積層された金属膜11の側面の一部を除去する。これによって、共通電極130は共通電極配線12の第2の透明導電膜10bと同一材料から形成されることになる。なお、ウェットエッチング、ドライエッチング等を用いて等方性エッチングをする。例えば、ウェットエッチングの場合には、エッチング時間を調整して等方性エッチングする。
【0049】
このように、パターニングされた感光性樹脂膜15をエッチングマスクとして等方性エッチングすることによって、図6Gに示すように、共通電極130となる第2の透明導電膜10b上の金属膜11は除去されることになる。
【0050】
一方、図5に示すように、共通電極配線12の金属膜11の配線幅は、共通電極130上の金属膜11の配線幅よりも大きいため、共通電極130上の金属膜11が等方性エッチングによって除去されても、共通電極配線12の金属膜11の側面の一部が除去されるのみであり、共通電極配線12は透明導電膜10b上に金属膜11が残った状態となる。すなわち、等方性エッチングによって共通電極130上の金属膜11が除去された分だけ、共通電極配線12の金属膜11の側面が少なくとも除去されることになる。このように、共通電極130となる透明導電膜10bの配線幅が共通電極配線12の透明導電膜10bの配線幅よりも小さく、すなわち、共通電極130上の金属膜11の配線幅よりも共通電極配線12の金属膜11の配線幅が大きくなっていることによって、共通電極配線12は透明導電膜10b上に金属膜11が積層された積層構造にすることができる。
【0051】
これによって、透明導電膜10bと金属膜11に対してそれぞれフォトマスクを準備してフォトリソグラフィによって積層構造を有する共通電極配線12を形成することなく、製造工程を単純化して透明導電膜10b上に金属膜11が積層された積層構造を有する共通電極配線12を製造することができる。
【0052】
最後に、図6Hに示すように、感光性樹脂膜15を除去して、第2の透明導電膜10bからなる共通電極130と、第2の透明電極膜10b上に金属膜11が積層された積層構造を有する共通電極配線12とを形成する。これによって、液晶表示装置は、横方向電界方式であって、画素電極140と共通電極130からなる一対の電極が平面視で重なる方式の画素領域を有する構造となる。
【0053】
本発明は、上述した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更および改良が可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 透明基板
2 ゲート絶縁膜
3 層間絶縁膜
4 ゲート配線
5 ソース配線
6 ドレイン配線
7 シリコン層
8 絶縁膜
8a 第1の絶縁膜
8b 第2の絶縁膜
9 画素領域
10 透明導電膜
10a 第1の透明導電膜
10b 第2の透明導電膜
11 金属膜
12 共通電極配線
13、130 共通電極
14、140 画素電極
15 感光性樹脂膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板上に、複数のゲート配線と、複数の該ゲート配線に交差するように配置された複数のソース配線と、該ソース配線を覆うように形成された絶縁膜とが設けられ、複数の前記ゲート配線および複数の前記ソース配線によって囲まれた領域を画素領域として、該画素領域のそれぞれに対して同一平面内に、前記ゲート配線または前記ソース配線に重畳された、透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造を有する枠状の共通電極配線と、該共通電極配線の前記透明導電膜から前記画素領域の中央部に向かって延長された、前記透明導電膜の配線幅よりも小さい配線幅を有する共通電極と、前記画素領域内に前記透明導電膜と同一材料で形成された、前記共通電極配線の前記透明導電膜の配線幅よりも小さい配線幅を有する、前記共通電極との間で電界を形成するための画素電極とを備えた液晶表示装置の製造方法であって、
複数の前記ゲート配線と、複数の該ゲート配線に交差するように配置された複数の前記ソース配線と、該ソース配線を覆うように形成された前記絶縁膜とが設けられた透明基板を準備する工程と、
前記透明基板の前記絶縁膜上に前記透明導電膜と前記金属膜とを順次形成する工程と、
前記金属膜上に感光性樹脂膜を形成する工程と、
フォトリソグラフィにより、前記感光性樹脂膜を前記共通電極配線、前記共通電極および前記画素電極のパターン形状になるようにパターニングする工程と、
パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、前記金属膜および前記透明導電膜を順次エッチングして、前記共通電極配線、前記共通電極および前記画素電極のパターン形状にパターニングする工程と、
パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、等方性エッチングにより、前記共通電極および前記画素電極となる前記透明導電膜上に積層された、前記感光性樹脂膜の下側に位置する前記金属膜を除去するとともに、前記共通電極配線となる前記透明導電膜上に積層された、前記感光性樹脂の下側に位置する前記金属膜の側面の一部を除去する工程と、
前記感光性樹脂膜を除去して、前記透明導電膜からなる前記共通電極および前記画素電極と、前記透明電極膜上に前記金属膜が積層された積層構造を有する前記共通電極配線とを形成する工程と
を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項2】
透明基板上に、複数のゲート配線と、複数の該ゲート配線に交差するように配置された複数のソース配線と、該ソース配線を覆うように形成された第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上に形成された第1の透明導電膜からなる画素電極と、該画素電極を覆うように形成された第2の絶縁膜とが設けられ、複数の前記ゲート配線および複数の前記ソース配線によって囲まれた領域を画素領域として、前記画素領域のそれぞれに対して同一平面内に、前記ゲート配線または前記ソース配線に重畳された、第2の透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造を有する枠状の共通電極配線と、該共通電極配線の前記第2の透明導電膜から前記画素領域を分割するように延長された、前記共通電極配線の前記第2の透明導電膜の配線幅よりも小さい配線幅を有する、前記画素電極との間で電界を形成するための共通電極とを備えた液晶表示装置の製造方法であって、
複数の前記ゲート配線と、複数の該ゲート配線に交差するように配置された複数の前記ソース配線と、該ソース配線を覆うように形成された前記第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上に形成された前記第1の透明導電膜からなる画素電極と、該画素電極を覆うように形成された前記第2の絶縁膜とが設けられた前記透明基板を準備する工程と、
前記透明基板の前記第2の絶縁膜上に前記第2の透明導電膜と前記金属膜とを順次形成する工程と、
前記金属膜上に感光性樹脂膜を形成する工程と、
フォトリソグラフィにより、前記感光性樹脂膜を前記共通電極配線および前記共通電極の
パターン形状になるようにパターニングする工程と、
パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、前記金属膜および前記第2の透明導電膜を順次エッチングして、前記共通電極配線および前記共通電極のパターン形状にパターニングする工程と、
パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、等方性エッチングにより、前記共通電極となる前記第2の透明導電膜上に積層された、前記感光性樹脂膜の下側に位置する前記金属膜を除去するとともに、前記共通電極配線となる前記第2の透明導電膜上に積層された、前記感光性樹脂膜の下側に位置する前記金属膜の側面の一部を除去する工程と、
前記感光性樹脂膜を除去して、前記第2の透明導電膜からなる前記共通電極と、前記第2の透明電極膜上に前記金属膜が積層された積層構造を有する前記共通電極配線とを形成する工程と
を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置の製造方法であって、
前記共通電極配線の前記金属膜を、前記ゲート配線に重畳された部分の配線幅が前記ソース配線に重畳された部分の配線幅よりも大きくなるように形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項1】
透明基板上に、複数のゲート配線と、複数の該ゲート配線に交差するように配置された複数のソース配線と、該ソース配線を覆うように形成された絶縁膜とが設けられ、複数の前記ゲート配線および複数の前記ソース配線によって囲まれた領域を画素領域として、該画素領域のそれぞれに対して同一平面内に、前記ゲート配線または前記ソース配線に重畳された、透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造を有する枠状の共通電極配線と、該共通電極配線の前記透明導電膜から前記画素領域の中央部に向かって延長された、前記透明導電膜の配線幅よりも小さい配線幅を有する共通電極と、前記画素領域内に前記透明導電膜と同一材料で形成された、前記共通電極配線の前記透明導電膜の配線幅よりも小さい配線幅を有する、前記共通電極との間で電界を形成するための画素電極とを備えた液晶表示装置の製造方法であって、
複数の前記ゲート配線と、複数の該ゲート配線に交差するように配置された複数の前記ソース配線と、該ソース配線を覆うように形成された前記絶縁膜とが設けられた透明基板を準備する工程と、
前記透明基板の前記絶縁膜上に前記透明導電膜と前記金属膜とを順次形成する工程と、
前記金属膜上に感光性樹脂膜を形成する工程と、
フォトリソグラフィにより、前記感光性樹脂膜を前記共通電極配線、前記共通電極および前記画素電極のパターン形状になるようにパターニングする工程と、
パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、前記金属膜および前記透明導電膜を順次エッチングして、前記共通電極配線、前記共通電極および前記画素電極のパターン形状にパターニングする工程と、
パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、等方性エッチングにより、前記共通電極および前記画素電極となる前記透明導電膜上に積層された、前記感光性樹脂膜の下側に位置する前記金属膜を除去するとともに、前記共通電極配線となる前記透明導電膜上に積層された、前記感光性樹脂の下側に位置する前記金属膜の側面の一部を除去する工程と、
前記感光性樹脂膜を除去して、前記透明導電膜からなる前記共通電極および前記画素電極と、前記透明電極膜上に前記金属膜が積層された積層構造を有する前記共通電極配線とを形成する工程と
を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項2】
透明基板上に、複数のゲート配線と、複数の該ゲート配線に交差するように配置された複数のソース配線と、該ソース配線を覆うように形成された第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上に形成された第1の透明導電膜からなる画素電極と、該画素電極を覆うように形成された第2の絶縁膜とが設けられ、複数の前記ゲート配線および複数の前記ソース配線によって囲まれた領域を画素領域として、前記画素領域のそれぞれに対して同一平面内に、前記ゲート配線または前記ソース配線に重畳された、第2の透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造を有する枠状の共通電極配線と、該共通電極配線の前記第2の透明導電膜から前記画素領域を分割するように延長された、前記共通電極配線の前記第2の透明導電膜の配線幅よりも小さい配線幅を有する、前記画素電極との間で電界を形成するための共通電極とを備えた液晶表示装置の製造方法であって、
複数の前記ゲート配線と、複数の該ゲート配線に交差するように配置された複数の前記ソース配線と、該ソース配線を覆うように形成された前記第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上に形成された前記第1の透明導電膜からなる画素電極と、該画素電極を覆うように形成された前記第2の絶縁膜とが設けられた前記透明基板を準備する工程と、
前記透明基板の前記第2の絶縁膜上に前記第2の透明導電膜と前記金属膜とを順次形成する工程と、
前記金属膜上に感光性樹脂膜を形成する工程と、
フォトリソグラフィにより、前記感光性樹脂膜を前記共通電極配線および前記共通電極の
パターン形状になるようにパターニングする工程と、
パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、前記金属膜および前記第2の透明導電膜を順次エッチングして、前記共通電極配線および前記共通電極のパターン形状にパターニングする工程と、
パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、等方性エッチングにより、前記共通電極となる前記第2の透明導電膜上に積層された、前記感光性樹脂膜の下側に位置する前記金属膜を除去するとともに、前記共通電極配線となる前記第2の透明導電膜上に積層された、前記感光性樹脂膜の下側に位置する前記金属膜の側面の一部を除去する工程と、
前記感光性樹脂膜を除去して、前記第2の透明導電膜からなる前記共通電極と、前記第2の透明電極膜上に前記金属膜が積層された積層構造を有する前記共通電極配線とを形成する工程と
を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置の製造方法であって、
前記共通電極配線の前記金属膜を、前記ゲート配線に重畳された部分の配線幅が前記ソース配線に重畳された部分の配線幅よりも大きくなるように形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図6H】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図6H】
【公開番号】特開2013−73043(P2013−73043A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212286(P2011−212286)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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