説明

無機粒子含有樹脂組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法

【課題】 本発明は、高い光透過率および高強度を有するガラス焼結体や、表面平滑性に優れたPDP(プラズマディスプレイパネル)のパネル部材を好適に形成することができる無機粒子含有樹脂組成物、該組成物からなり、可撓性および転写性に優れた無機粒子含有樹脂層を有する転写フィルム、および、該転写フィルムを用いたPDPの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明の無機粒子含有樹脂組成物は、(A)無機粒子と、(B)アミド基を有する重合体と、(C)分散剤とを含有することを特徴とする。本発明の転写フィルムは、支持フィルム上に、前記組成物からなる無機粒子含有樹脂層を有することを特徴とする。本発明のPDPの製造方法は、基板上に、前記転写フィルムの無機粒子含有樹脂層を転写する工程と、転写された樹脂層を焼成する工程とを含む方法によりパネル部材を形成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネルのパネル部材を形成するために好適な無機粒子含有樹脂組成物、該組成物からなる無機粒子含有樹脂層を有する転写フィルム、および、該転写フィルムを用いたプラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、平板状の蛍光表示体としてプラズマディスプレイが注目されている。図1は交流型のプラズマディスプレイパネル(以下「PDP」ともいう)の断面形状を示す模式図である。同図において、1および2は対向配置されたガラス基板、3は隔壁であり、ガラス基板1、ガラス基板2および隔壁3によりセルが区画形成されている。4はガラス基板1に固定された透明電極、5は透明電極4の抵抗を下げる目的で、当該透明電極4上に形成されたバス電極、6はガラス基板2に固定されたアドレス電極、7はセル内に保持された蛍光物質、8は透明電極4およびバス電極5を被覆するようガラス基板1の表面に形成された誘電体層、9はアドレス電極6は被覆するようガラス基板2の表面に形成された誘電体層、10は例えば酸化マグネシウムよりなる保護膜である。
【0003】
また、カラーPDPにあっては、コントラストの高い画像を得るため、ガラス基板と誘電体層との間に、カラーフィルター(赤色・緑色・青色)やブラックマトリックスなどを設けることがある。
【0004】
このようなPDPの誘電体、隔壁、電極、蛍光体、カラーフィルターおよびブラックストライプ(マトリクス)の製造方法としては、たとえば、
(1)非感光性の無機粒子含有ペーストを基板上にスクリーン印刷してパターンを形成し、これを焼成するスクリーン印刷法(たとえば特許文献1参照)や、
(2)感光性の無機粒子含有樹脂層を基板上に形成し、この膜にフォトマスクを介して紫外線を照射した上で現像することにより基板上にパターンを残存させ、これを焼成するフォトリソグラフィー法(たとえば特許文献2および3参照)
などが知られている。
【0005】
このような従来技術の中でも、無機粒子と結着樹脂を含有する無機粒子含有樹脂層を有する転写フィルムを用いて、該無機粒子含有樹脂層を基板上に転写し、必要に応じてパターニングを行う方法が、膜厚均一性および表面均一性に優れたパネル部材を作業効率よく形成することができることから、好適に利用されている。
しかしながら、従来の転写フィルムにおける無機粒子含有樹脂層は、材料内に気泡が残留しやすいという問題があり、これに起因して、得られるパネル部材が表面平滑性に劣るものとなったり、透明性や強度が不足するものとなったりするという問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開平6−321619号公報
【特許文献2】特開平9−102273号公報
【特許文献3】特開平11−162339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、高い光透過率および強度を有するガラス焼結体(たとえば、PDPを構成する誘電体層)や、表面平滑性に優れたPDPのパネル部材(たとえば、隔壁、電極、抵抗体、誘電体層、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックス)を好適に形成することができる無機粒子含有樹脂組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、前記無機粒子含有樹脂組成物からなり、可撓性および転写性(基板に対する加熱接着性)に優れた無機粒子含有樹脂層を有する転写フィルムを提供することを課題とする。
さらに、本発明は、前記転写フィルムを用いて、表面平滑性に優れ、充分な強度を有するPDPのパネル部材を高い位置精度で効率的に形成することができるとともに、膜厚の大きい誘電体層や大型パネルに要求される誘電体層を効率的に形成することができ、さらに膜厚均一性および表面平滑性に優れた誘電体層を有するPDPの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の無機粒子含有樹脂組成物は、(A)無機粒子と、(B)アミド基を有する重合体と、(C)分散剤とを含有することを特徴とする。
本発明の転写フィルムは、支持フィルム上に、(A)無機粒子と、(B)アミド基を有する重合体と、(C)分散剤とを含有する無機粒子含有樹脂層を有することを特徴とする。
本発明のPDPの製造方法は、基板上に、前記転写フィルムの無機粒子含有樹脂層を転写する工程と、転写された無機粒子含有樹脂層を焼成する工程とを含む方法によりパネル部材を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の無機粒子含有樹脂組成物を用いることにより、気泡の残留が少なく、強度に優れ、且つ高い光透過率を有するガラス焼結体や、表面平滑性に優れたPDPのパネル部材を好適に形成することができるとともに、可撓性および転写性(基板に対する加熱接着性)に優れた無機粒子含有樹脂層を有する転写フィルムを製造することができる。
本発明の転写フィルムを用いれば、高強度、高光透過率を有し、かつ、表面平滑性に優れたPDPのパネル部材(特に誘電体層)を効率的に形成することができるとともに、無機粒子含有樹脂層の可撓性に優れることから、該樹脂層の表面に屈曲亀裂(ひび割れ)が生じにくく、柔軟性に優れ、ロール状に巻き取る操作を容易に行うことができる。また、前記無機粒子含有樹脂層が好適な粘着性を示すことから、取扱性(ハンドリング性)も良好であり、さらに該樹脂層の転写性(基板に対する加熱接着性)に優れている。
本発明のPDPの製造方法によれば、表面平滑性に優れたPDPのパネル部材を高い位置精度で効率的に形成することができるとともに、膜厚の大きい誘電体層や大型パネルに要求される誘電体層を効率的に形成することができ、膜厚均一性および表面平滑性に優れた誘電体層を備えたPDPを効率的に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る無機粒子含有樹脂組成物、転写フィルムおよびPDPの製造方法について詳細に説明する。
【0011】
〔無機粒子含有樹脂組成物〕
本発明の無機粒子含有樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう)は、(A)無機粒子と、(B)アミド基を有する重合体と、(C)分散剤とを含有する。本発明の組成物は、さらに(D)可塑性付与物質を含有してもよい。また、本発明の組成物は、さらに(E1)多官能性(メタ)アクリレートおよび(E2)放射線重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であってもよい。以下、本発明の組成物の各構成成分について具体的に説明する。
【0012】
<(A)無機粒子>
本発明の組成物に用いられる無機粒子(A)は、形成するパネル部材の種類によって異なる。以下、パネル部材の種類毎に説明する。
誘電体形成材料および隔壁形成材料に用いられる無機粒子としては、たとえば、ガラス粉末、好ましくは軟化点が400〜600℃のガラス粉末が挙げられる。
ガラス粉末の軟化点が400℃未満である場合には、無機粒子含有樹脂層の焼成工程において、結着樹脂などの有機物質が完全に分解除去されない段階でガラス粉末が溶融してしまうため、形成される部材中に有機物質の一部が残留することがあり、得られるPDP内にアウトガスが拡散する結果、蛍光体の寿命を低下させるおそれがある。一方、ガラス粉末の軟化点が600℃を超える場合には、無機粒子含有樹脂層を600℃より高温で焼成する必要があるため、該樹脂層の被転写体であるガラス基板に歪みなどが発生することがある。
【0013】
上記ガラス粉末の好適な具体例としては、酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素および酸化カルシウム(PbO−B23−SiO2−CaO)系;酸化亜鉛、酸化ホウ素および酸化ケイ素(ZnO−B22−SiO2)系;酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素および酸化アルミニウム(PbO−B23−SiO2−Al23)系;酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素および酸化ケイ素(PbO−ZnO−B23−SiO2)系;酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素および酸化チタン(PbO−ZnO−B23−SiO2−TiO2)系;酸化ビスマス、酸化ホウ素および酸化ケイ素(Bi23−B23−SiO2)系などを挙げることができる。
上記ガラス粉末の平均粒子径は0.5〜2.5μmであることが好ましい。また、上記ガラス粉末には、たとえば、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化コバルトなどの無機酸化物を混合して使用してもよい。混合する無機酸化物の含有量は、好ましくは無機粒子全量(ガラス粉末+無機酸化物)の40重量%以下である。
【0014】
電極形成材料に用いられる無機粒子としては、たとえば、Ag、Au、Al、Ni、Ag−Pd合金、Cu、Cr、Coなどを挙げることができる。
抵抗体形成材料に用いられる無機粒子としては、たとえば、RuO2などを挙げることができる。
蛍光体形成材料に用いられる無機粒子としては、たとえば、
23:Eu3+ 、Y2SiO5:Eu3+、Y3Al512:Eu3+、YVO4:Eu3+
(Y,Gd)BO3:Eu3+、Zn3(PO4)2:Mnなどの赤色用蛍光体;
Zn2SiO4:Mn、BaAl1219:Mn、BaMgAl1423:Mn、
LaPO4:(Ce,Tb)、Y3(Al,Ga)512:Tbなどの緑色用蛍光体;
2SiO5:Ce、BaMgAl1017:Eu2+、BaMgAl1423:Eu2+
(Ca,Sr,Ba)10(PO4612:Eu2+、(Zn,Cd)S:Agなどの青色用蛍光体などを挙げることができる。
【0015】
カラーフィルター形成材料に用いられる無機粒子としては、たとえば、
Fe23、Pb34、CdS、CdSe、PbCrO4、PbSO4、Fe(NO33などの赤色用顔料;Cr23、TiO2−CoO−NiO−ZnO、CoO−CrO−TiO2
Al23、Co3(PO42、CoO−ZnOなどの緑色用顔料;2(Al2Na2Si310)・Na24)、CoO−Al23などの青色用顔料の他、色補正用の無機顔料として、PbCrO4−PbSO4、PbCrO4、PbCrO4−PbO、CdS、TiO2−NiO−Sb23などの黄色顔料;Pb(Cr−Mo−S)O4などの橙色顔料;Co3(PO42などの紫色顔料を挙げることができる。
ブラックマトリックス形成材料に用いられる無機粒子としては、たとえば、Mn、Fe、Cr、Ni、Coおよびこれらの酸化物および複合酸化物などを挙げることができる。
【0016】
なお、上記電極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルターおよびブラックマトリックスの形成材料には、上述した無機粒子に加えて、隔壁形成材料および誘電体形成材料に用いるガラス粉末を併用してもよい。これらの形成材料において併用するガラス粉末の含有割合は、無機粒子全量の30重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることが特に好ましい。
【0017】
<(B)アミド基を有する重合体>
本発明の組成物を構成する結着樹脂は、アミド基を有するアクリル樹脂(以下、「アミド基含有アクリル樹脂」ともいう)であることが好ましい。本発明の組成物が、結着樹脂としてアクリル樹脂を含有することにより、該組成物から形成される無機粒子含有樹脂層は、基板に対する優れた(加熱)接着性を発揮する。したがって、本発明の組成物を支持フィルム上に塗布して製造した転写フィルムは、無機粒子含有樹脂層の転写性(基板への加熱接着性)に優れたものとなる。
アミド基含有アクリル樹脂としては、適度な粘着性を有して無機粒子を結着させることができ、無機粒子含有樹脂層の焼成処理(400℃〜600℃)によって完全に酸化除去される共重合体であることが望ましい。
【0018】
このようなアミド基含有アクリル樹脂としては、アミド基を有する(メタ)アクリレート化合物と、他の(メタ)アクリレート化合物との共重合体が好ましく用いられる。
アミド基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド系モノマーが挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等が特に好ましい。
【0019】
他の(メタ)アクリレート化合物としては、たとえば、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、より具体的な例を以下に示す。
上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、たとえば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0020】
上記フェノキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、たとえば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、たとえば、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−プロポキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートとしては、たとえば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記シクロアルキル(メタ)アクリレートとしては、たとえば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの中では、アルキル(メタ)アクリレートおよびアルコキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、特に好ましい(メタ)アクリレート化合物として、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレートおよび2−エトキシエチル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0021】
アミド基含有アクリル樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲(通常、全構造単位の50重量%以下)で、(メタ)アクリレート以外の共重合性単量体由来の構造単位を有していてもよい。当該他の共重合性単量体としては、上記(メタ)アクリレート化合物と共重合可能な化合物ならば特に制限はないが、たとえば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マイレン酸、ビニルフタル酸などの不飽和カルボン酸類;ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレンなどのビニル基含有ラジカル重合性化合物が挙げられる。
本発明で用いるアミド基含有アクリル樹脂におけるアミド基含有(メタ)アクリレート化合物由来の構造単位の割合は、全構造単位において、0.1〜70重量%、好ましくは1〜50重量%である。結着樹脂中のアミド基含有単位の割合が過小である場合には、形成されるパネル部材が十分な強度、透明性、および表面平滑性を有しないおそれがある。一方、過大である場合には、結着樹脂の調製中にゲル化したり、焼成工程に長い時間を要したり、形成されるパネル部材が表面平滑性に劣るものとなるおそれがある。
【0022】
また、後述するフォトレジスト法を利用したPDPのパネル部材の形成において、無機粒子含有樹脂層をエッチング処理する際に、該樹脂層がアルカリ可溶性であることが必要な場合には、上記他の共重合性単量体(共重合成分)として不飽和カルボン酸類を含有することが好ましい。
【0023】
本発明の組成物を構成するアミド基含有アクリル樹脂の分子量としては、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、単に「重量平均分子量」または「Mw」ともいう)で、4,000〜300,000、好ましくは10,000〜200,000である。
【0024】
上記結着樹脂(B)は、無機粒子100重量部に対して、5〜80重量部、好ましくは10〜50重量部の範囲の量で用いられる。結着樹脂の量が過小である場合には、無機粒子を確実に結着保持することができないことがあり、一方、過大である場合には、焼成工程に長い時間を要したり、形成される焼結体(たとえば、誘電体層)が十分な強度や膜厚を有しなかったりすることがある。
【0025】
<(C)分散剤>
本発明の組成物は、無機粒子、特にガラス粉末の分散性の向上および形成する転写フィルムの可撓性・柔軟性の向上を目的として、分散剤を含有する。特に、リン酸誘導体を含む分散剤(以下、「特定分散剤」ともいう)が、得られる無機粒子含有樹脂層およびパネル部材に優れた表面平滑性を発現させ、熱により容易に分解除去されることから、好ましく用いられる。
【0026】
上記リン酸誘導体としては、リン酸基を有する共重合物や、該共重合物のアルキロールアミン塩などが好ましく用いられる。前記共重合物の構造としては、ポリエーテルポリエステル、ポリエーテルポリオールポリエステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどの構造が好ましい。また、アミン塩としては、アルキロールアミン塩が挙げられ、特にアンモニウム塩が好ましい。
特定分散剤として用いられる市販品としては、例えば、ビックケミージャパン(株)製「Disperbyk−180」、楠本化成(株)製「HIPLAAD ED151」、同「HIPLAAD ED152」などが挙げられる。
上記特定分散剤は、無機粒子100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部の量で用いられる。特定分散剤の量が上記範囲内にあることにより、形成される無機粒子含有樹脂層の光透過性、表面平滑性および分散性を十分に向上させることができるとともに、該樹脂層を有する転写フィルムの取扱性にも優れる。
【0027】
本発明の組成物には、上述した特定分散剤以外の分散剤を用いてもよい。当該分散剤としては、下記一般式(1)で表される化合物〔飽和アルキル基含有(アルキル)アルコキシシラン〕が好ましいものとして挙げられる。
【0028】
【化1】

【0029】
(式(1)中、pは3〜20、好ましくは4〜16の整数、mは1〜3の整数、nは1〜3の整数、aは1〜3の整数である。)
【0030】
上記pの値が3未満である飽和アルキル基含有(アルキル)アルコキシシランを含有させても、得られる無機粒子含有樹脂層において十分な可撓性が発現されない場合がある。一方、上記pの値が20を超える飽和アルキル基含有(アルキル)アルコキシシランは分解温度が高いため、無機粒子含有樹脂層の焼成工程において、有機物質(前記シラン誘導体)が完全に分解除去されない段階でガラスフリットが溶融してしまい、形成される誘電体層中に有機物質の一部が残留することにより、誘電体層の光透過率が低下する場合がある。
【0031】
上記一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示す。
飽和アルキルジメチルメトキシシラン類(a=1,m=1,n=1)として、たとえば、n−プロピルジメチルメトキシシラン、n−ブチルジメチルメトキシシラン、n−デシルジメチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルメトキシシラン、n−イコサンジメチルメトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルジエチルメトキシシラン類(a=1,m=1,n=2)として、たとえば、n−プロピルジエチルメトキシシラン、n−ブチルジエチルメトキシシラン、n−デシルジエチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルメトキシシラン、n−イコサンジエチルメトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルジプロピルメトキシシラン類(a=1,m=1,n=3)として、たとえば、n−ブチルジプロピルメトキシシラン、n−デシルジプロピルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルメトキシシラン、n−イコサンジプロピルメトキシシランなどが挙げられる。
【0032】
飽和アルキルジメチルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=1)として、たとえば、n−プロピルジメチルエトキシシラン、n−ブチルジメチルエトキシシラン、n−デシルジメチルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルエトキシシラン、n−イコサンジメチルエトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルジエチルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=2)として、たとえば、n−プロピルジエチルエトキシシラン、n−ブチルジエチルエトキシシラン、n−デシルジエチルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルエトキシシラン、n−イコサンジエチルエトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルジプロピルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=3)として、たとえば、n−ブチルジプロピルエトキシシラン、n−デシルジプロピルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルエトキシシラン、n−イコサンジプロピルエトキシシランなどが挙げられる。
【0033】
飽和アルキルジメチルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n=1)として、たとえば、n−プロピルジメチルプロポキシシラン、n−ブチルジメチルプロポキシシラン、n−デシルジメチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルプロポキシシラン、n−イコサンジメチルプロポキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルジエチルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n=2)として、たとえば、n−プロピルジエチルプロポキシシラン、n−ブチルジエチルプロポキシシラン、n−デシルジエチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルプロポキシシラン、n−イコサンジエチルプロポキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルジプロピルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n=3)として、たとえば、n−ブチルジプロピルプロポキシシラン、n−デシルジプロピルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルプロポキシシラン、n−イコサンジプロピルプロポキシシランなどが挙げられる。
【0034】
飽和アルキルメチルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=1)として、たとえば、n−プロピルメチルジメトキシシラン、n−ブチルメチルジメトキシシラン、n−デシルメチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジメトキシシラン、n−イコサンメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルエチルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=2)として、たとえば、n−プロピルエチルジメトキシシラン、n−ブチルエチルジメトキシシラン、n−デシルエチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジメトキシシラン、n−イコサンエチルジメトキシシランなどが挙げられている。
飽和アルキルプロピルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=3)として、たとえば、n−ブチルプロピルジメトキシシラン、n−デシルプロピルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジメトキシシラン、n−イコサンプロピルジメトキシシランなどが挙げられる。
【0035】
飽和アルキルメチルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=1)として、たとえば、n−プロピルメチルジエトキシシラン、n−ブチルメチルジエトキシシラン、n−デシルメチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジエトキシシラン、n−イコサンメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルエチルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=2)として、たとえば、n−プロピルエチルジエトキシシラン、n−ブチルエチルジエトキシシラン、n−デシルエチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジエトキシシラン、n−イコサンエチルジエトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルプロピルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=3)として、たとえば、n−ブチルプロピルジエトキシシラン、n−デシルプロピルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジエトキシシラン、n−イコサンプロピルジエトキシシランなどが挙げられる。
【0036】
飽和アルキルメチルジプロポキシシラン類(a=2,m=3,n=1)として、たとえば、n−プロピルメチルジプロポキシシラン、n−ブチルメチルジプロポキシシラン、n−デシルメチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジプロポキシシラン、n−イコサンメチルジプロポキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルエチルジプロポキシシラン類(a=2,m=3,n=2)として、たとえば、n−プロピルエチルジプロポキシシラン、n−ブチルエチルジプロポキシシラン、n−デシルエチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジプロポキシシラン、n−イコサンエチルジプロポキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルプロピルジプロポキシシラン類(a=2,m=3,n=3)として、たとえば、n−ブチルプロピルジプロポキシシラン、n−デシルプロピルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジプロポキシシラン、n−イコサンプロピルジプロポキシシランなどが挙げられる。
【0037】
飽和アルキルトリメトキシシラン類(a=3,m=1)として、たとえば、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−イコサントリメトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルトリエトキシシラン類(a=3,m=2)として、たとえば、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−イコサントリエトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルトリプロポキシシラン類(a=3,m=3)として、たとえば、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキサデシルトリプロポキシシラン、n−イコサントリプロポキシシランなどが挙げられる。
【0038】
上記化合物は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記シラン類の中では、n−ブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−デシルジメチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−デシルエチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジエトキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキサデシルトリプロポキシシランが特に好ましい。
【0039】
上記一般式(1)で表される化合物は、無機粒子全量100重量部に対して、通常0.001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部の量で用いられる。当該分散剤の量が過大である場合には、無機粒子含有樹脂組成物を保存する際に粘度が経時的に上昇したり、シラン化合物同士で反応が起こり、形成するパネル部材の焼成後の光透過率を下げる原因になったりする場合がある。
【0040】
<(D)可塑性付与物質>
本発明の組成物は、転写フィルムに良好な柔軟性を与えるために、上記結着樹脂(B)の補助剤として可塑性付与物質(D)を含有していてもよい。可塑性付与物質(D)を含有する組成物から形成される無機粒子含有樹脂層は、十分な柔軟性を有するものとなることから、該樹脂層を有する転写フィルムは、折り曲げても該樹脂層の表面に微小な亀裂(ひび割れ)が発生することがなく、また、ロール状に容易に巻き取ることができる。
上記可塑性付与物質(D)としては、下記一般式(2)で表される化合物および下記一般式(3)で表される化合物からなる群より選ばれた可塑剤、ポリプロピレングリコール、前述した(メタ)アクリレート化合物などの共重合性単量体および後述する溶剤などが挙げられ、これらの中では沸点が150℃以上のものが好ましい。このような可塑性付与物質(D)は1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0041】
【化2】

【0042】
(式(2)中、R3およびR6は、それぞれ独立して炭素数が1〜30の1価の鎖式炭化水素基を示し、R4およびR5は、それぞれ独立してメチレン基または炭素数が2〜30の2価の鎖式炭化水素基を示す。sは0〜5の整数であり、tは1〜10の整数である。)
【0043】
上記R3またはR6で示される1価の鎖式炭化水素基は、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基(飽和基)またはアルケニル基(不飽和基)であり、鎖式炭化水素基の炭素数は1〜30、好ましくは2〜20、より好ましくは4〜10である。鎖式炭化水素基の炭素数が上記範囲を超える場合には、後述する溶剤に対する溶解性が低くなり、無機粒子含有樹脂層に良好な柔軟性を与えることが困難となることがある。
上記R4またはR5で示される2価の鎖式炭化水素基は、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基(飽和基)またはアルケニレン基(不飽和基)である。
上記一般式(2)で表される化合物としては、たとえば、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジブチルセバケート、ジブチルジグリコールアジペートなどが挙げられる。
【0044】
【化3】

【0045】
(式(3)中、R7は炭素数が1〜30の1価の鎖式炭化水素基を示す。)
【0046】
上記一般式(3)において、R で示される1価の鎖式炭化水素基は、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基(飽和基)またはアルケニル基(不飽和基)であり、鎖式炭化水素基の炭素数は1〜30、好ましくは2〜20、より好ましくは10〜18である。
上記一般式(3)で表される化合物としては、たとえば、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノオレートなどが挙げられる。
【0047】
また、可塑性付与物質(D)としてポリプロピレングリコールを用いる場合には、該ポリプロピレングリコールの重量平均分子量(Mw)は、200〜3,000の範囲にあることが好ましく、300〜2,000の範囲にあることが特に好ましい。Mwが200未満である場合には、膜強度の大きい無機粒子含有樹脂層を支持フィルム上に形成することが困難になる場合があり、該樹脂層を支持フィルムからガラス基板に転写する工程において、ガラス基板に加熱接着された該樹脂層から支持フィルムを剥離する際に、該樹脂層の凝集破壊を起こすことがある。一方、Mwが3,000を超える場合には、被転写体であるガラス基板との加熱接着性が良好な無機粒子含有樹脂層が得られない場合がある。
【0048】
また、本発明の組成物を後述するPDPの製造方法(III)に用いる場合、可塑性付与物質(D)としては、炭素数10または12の長鎖アルキル(メタ)アクリレートを用いることが、ドライフィルムとして十分な柔軟性を有するとともに、ポストベークによって容易に分解または揮発され、サンドブラスト処理に不可欠である脆性を発現する性質を有するため、特に好ましい。
上記長鎖アルキル(メタ)アクリレートとしては、たとえば、イソデシルメタクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ラウリルアクリレートが挙げられ、特にイソデシルメタクリレートおよびラウリルメタクリレートが好ましい。
【0049】
上記可塑性付与物質(D)は、本発明の組成物から溶剤を除いた全成分の3重量%以上、好ましくは4〜15重量%となる量で用いられる。可塑性付与物質(D)の含有量が過小である場合には、形成する転写フィルムに良好な柔軟性を与えることが困難となる場合がある。
【0050】
<(E1)多官能性(メタ)アクリレート>
本発明の組成物は、多官能性(メタ)アクリレート(E1)および放射線重合開始剤(E2)を含有する感光性組成物であってもよい。多官能性(メタ)アクリレート(E1)は露光により重合し、露光部分をアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性にする性質を有する。
【0051】
上記多官能性(メタ)アクリレート(E1)としては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;両末端ヒドロキシポリブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトンなどの両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類;グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールアルカン、テトラメチロールアルカン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;3価以上の多価アルコールのポリアルキレングリコール付加物のポリ(メタ)アクリレート類;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ベンゼンジオール類などの環式ポリオールのポリ(メタ)アクリレート類;ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アルキド樹脂(メタ)アクリレート、シリコーン樹脂(メタ)アクリレート、スピラン樹脂(メタ)アクリレート等のオリゴ(メタ)アクリレート類などを挙げることができる。これらは1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、トリメチロールプロパントリアクリレートが特に好ましく用いられる。
上記多官能性(メタ)アクリレート(E1)の分子量としては100〜2,000であることが好ましい。
上記多官能性(メタ)アクリレート(E1)は、無機粒子100重量部に対して、通常5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部の範囲の量で用いられる。
【0052】
<(E2)放射線重合開始剤>
本発明で用いることができる放射線重合開始剤(E2)としては、たとえば、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、カンファーキノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−〔4’−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−エタン−1−オンオキシム−O−アセタートなどのカルボニル化合物;アゾイソブチロニトリル、4−アジドベンズアルデヒドなどのアゾ化合物あるいはアジド化合物;メルカプタンジスルフィドなどの有機硫黄化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、パラメタンハイドロパーオキシドなどの有機パーオキシド;1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−(2−フラニル)エチレニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどのトリハロメタン類;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル1,2’−ビイミダゾールなどのイミダゾール二量体などが挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0053】
上記放射線重合開始剤(E2)は、上記多官能性(メタ)アクリレート(E1)100重量部に対して、通常0.1〜50.0重量部、好ましくは1.0〜30.0重量部の範囲の量で用いられる。
【0054】
<その他の成分>
本発明の組成物は、任意成分として、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、レベリング剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増感剤、連鎖移動剤などの各種添加剤を含有してもよい。
【0055】
<溶剤>
本発明の組成物は、通常、溶剤を含有する。このような溶剤としては、無機粒子との親和性、結着樹脂の溶解性が良好で、無機粒子含有樹脂組成物に適度な粘性を付与することができるとともに、乾燥処理することにより容易に蒸発除去できるものであることが好ましい。
【0056】
また、特に好ましい溶剤として、標準沸点(1気圧における沸点)が60〜200℃であるケトン類、アルコール類およびエステル類(以下、これらを「特定溶剤」という。)を挙げることができる。
上記特定溶剤としては、たとえば、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;
n−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系アルコール類;
酢酸−n−ブチル、酢酸アミルなどの飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;
乳酸エチル、乳酸−n−ブチルなどの乳酸エステル類;
メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのエーテル系エステル類などを挙げることができる。これらの中では、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、エチル−3−エトキシプロピオネートなどが好ましい。これらの特定溶剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0057】
また、上記特定溶剤以外の使用可能な溶剤としては、たとえば、テレビン油、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコールなどを挙げることができる。
【0058】
上記溶剤は組成物の粘度を好適な範囲に維持する観点から、無機粒子(A)100重量部に対して5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部の範囲で用いられる。また、全溶剤に対する特定溶剤の割合は、50重量%以上、好ましくは70重量%以上である。
【0059】
本発明の無機粒子含有樹脂組成物は、上記無機粒子(A)、結着樹脂(B)、分散剤(C)、溶剤および必要に応じて用いられるその他の成分を、ロール混練機、ミキサー、ホモミキサー、サンドミルなどの混練・分散機を用いて混練することにより調製することができる。なお、本発明の組成物の粘度は0.3〜30Pa・sであることが好ましい。
【0060】
〔転写フィルム〕
本発明の転写フィルムは、支持フィルム上に、(A)無機粒子、(B)結着樹脂および(C)分散剤を含有する無機粒子含有樹脂層を有し、必要に応じて該樹脂層の表面上にカバーフィルムを有していてもよい。
本発明の転写フィルムは、支持フィルム上に、レジスト膜と上記無機粒子含有樹脂層との積層膜を有するもの(以下「積層型転写フィルム」ともいう)であってもよい。
本発明の転写フィルムは、上記無機粒子含有樹脂層に(D)可塑性付与物質が含有されていてもよい。また、本発明の転写フィルムは、上記無機粒子含有樹脂層に(E1)多官能性(メタ)アクリレートおよび(E2)放射線重合開始剤が含有されている感光性転写フィルムであってもよい。
以下、転写フィルムの各構成要素について具体的に説明する。
【0061】
<支持フィルム>
本発明の転写フィルムは、無機粒子含有樹脂層を支持する支持フィルムを有する。この支持フィルムは、耐熱性および耐溶剤性を有するとともに可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィルムが可撓性を有することにより、ロールコーター、ブレードコーターなどによって支持フィルムの表面に無機粒子含有樹脂組成物を塗布することができ、得られる転写フィルムをロール状に巻回した状態で保存または供給することができる。
支持フィルムを形成する樹脂としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどを挙げることができる。
支持フィルムの厚みは、たとえば20〜100μmである。また、支持フィルムの表面には離型処理が施されていることが好ましく、これにより、ガラス基板への転写工程において、支持フィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
【0062】
<カバーフィルム>
本発明の転写フィルムにおいては、無機粒子含有樹脂層の表面を保護するために該樹脂層の表面上にカバーフィルムが設けられていてもよい。このカバーフィルムは、可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましく、これにより、得られる転写フィルムをロール状に巻回した状態で保存または供給することができる。
カバーフィルムを構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコール系フィルムなどを挙げることができる。
【0063】
<無機粒子含有樹脂層>
無機粒子含有樹脂層は、本発明の組成物を支持フィルム上に塗布し、得られる塗布膜を乾燥して溶剤の全部または一部を除去することにより形成される。
本発明の組成物を支持フィルム上に塗布する方法としては、膜厚の均一性が高く、かつ膜厚が大きい(たとえば10μm以上)塗膜を高い効率で形成することができる方法であることが好ましく、具体的には、ロールコーターによる塗布方法、ブレードコーターによる塗布方法、カーテンコーターによる塗布方法、ワイヤーコーターによる塗布方法などが挙げられる。無機粒子含有樹脂層の膜厚は、形成すべきパネル部材の高さにもよるが、通常、10〜300μmである。
塗膜の乾燥条件としては、たとえば、50〜150℃で0.5〜30分間程度であり、乾燥後における溶剤の残存割合(無機粒子含有樹脂層中の含有率)は、通常、2重量%以内である。
【0064】
<レジスト膜>
本発明の積層型転写フィルムに用いられるレジスト膜は、通常、バインダーポリマー、多官能性モノマーおよび放射線重合開始剤を含有するレジスト組成物を、支持フィルム上に塗布して形成される。
レジスト組成物に用いられるバインダーポリマーは、アルカリ現像型の場合にはアルカリ可溶性樹脂であることが必要であり、分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するエチレン不飽和性のカルボキシル基含有単量体と、このカルボキシル基含有単量体と共重合可能な共重合性単量体とを含む単量体組成物を重合することにより得られるカルボキシル基含有共重合体であることが好ましい。
上記カルボキシル基含有単量体としては、たとえば、(イ)アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸、(ロ)イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸、および(ハ)その他の不飽和カルボン酸が挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記バインダーポリマーにおけるカルボキシル基含有単量体の共重合割合は、単量体全量に対して5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。カルボキシル基含有単量体の共重合割合が上記範囲よりも低いと、得られるレジスト組成物は、アルカリ現像液に対する溶解性が低くなる傾向がある。一方、カルボキシル基含単量体の共重合割合が上記範囲を超えると、現像時にレジストパターンが無機粒子ペースト層から脱落する傾向がある。
【0065】
上記バインダーポリマーは、Mwが3,000〜300,000、好ましくは5,000〜200,000である。このような分子量を有するバインダーポリマーを用いることによって、現像性の高いレジスト組成物が得られ、これにより、シャープなパターンエッジを有するレジストパターンを形成することができるとともに、均一なパターンを有するパネル部材を形成できる。
上記カルボキシル基含有単量体に由来する構成単位を有する共重合体はアルカリ溶解性を有し、特に該構成単位を上記範囲の量で有する共重合体は、アルカリ現像液に対して優れた溶解性を示す。そのため、このような共重合体をレジスト組成物におけるバインダーポリマーとして用いることにより、アルカリ現像液に対する未溶解物が本質的に少ないものとなり、現像処理において基板のレジストパターン形成部以外の個所における地汚れ、膜残りなどの発生を低減することができる。
また、上記共重合体をバインダーポリマーとして含むレジスト組成物から得られるレジストパターンは、アルカリ現像液に過剰に溶解することがなく、さらに無機粒子含有樹脂層に対して優れた密着性を有するため、該樹脂層から脱落しにくいものである。
【0066】
上記共重合性単量体としては、たとえば、
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物類;
メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル類;
アミノエチルアクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物類;
1,3−ブタジエン、イソプレンなどの脂肪族共役ジエン類;
末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリシリコーンなどのマクロモノマー類
などが挙げられる。これらは、1種単独で若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0067】
上記レジスト組成物に用いられる多官能性モノマーとしては、上述した多官能性(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。多官能性モノマーは、バインダーポリマー100重量部に対して、通常5〜100重量部、好ましくは10〜70重量部の範囲の量で用いられる。多官能性モノマーの量が上記範囲よりも低いと、レジストパターン強度が不十分なものとなりやすい傾向があり、上記範囲を超えると、アルカリ解像性が低下したり、レジストパターン形成部以外の地汚れ、膜残りなどが発生したりする場合がある。
上記レジスト組成物に用いられる放射線重合開始剤としては、上述した放射線重合開始剤が挙げられる。
上記レジスト組成物には、適当な流動性または可塑性、ならびに、良好な膜形成性を付与するために、通常、溶剤が含有される。このような溶剤としては、特に制限されるものではなく、上述した特定溶剤などが好ましく用いられる。
また、上記レジスト組成物には、任意成分として、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、フィラー、蛍光体、顔料、染料などの各種添加剤が含有されていてもよい。
【0068】
上記積層型転写フィルムは、支持フィルム上にレジスト組成物を塗布してレジスト膜を形成し、該レジスト膜上に本発明の組成物を塗布して無機粒子含有樹脂層を形成することにより得られる。また、上記積層型転写フィルムは、支持フィルム上に無機粒子含有樹脂層を形成し、これとは別に保護フィルム上にレジスト膜を形成し、該樹脂層表面とレジスト膜表面とを重ね合わせて圧着する方法によっても、好適に形成することができる。
レジスト組成物を塗布および乾燥する方法としては、上述した無機粒子含有樹脂組成物の塗布および乾燥方法を用いることができる。
形成されるレジスト膜の厚さとしては、たとえば5〜15μmとされる。
【0069】
〔PDPの製造方法〕
本発明のPDPの製造方法として好ましい様態は、下記の通りである。
(1)基板上に、本発明の転写フィルムにおける無機粒子含有樹脂層を転写し、転写された樹脂層を焼成することにより、誘電体層を形成する方法(以下、「PDPの製造方法(I)」ともいう)。
(2)基板上に、本発明の積層型転写フィルムにおけるレジスト膜と無機粒子含有樹脂層との積層膜を、該樹脂層が基板に当接するように転写し、該レジスト膜を露光処理してレジストパターンの潜像を形成し、該レジスト膜を現像処理してレジストパターンを顕在化させ、該樹脂層をエッチング処理して該レジストパターンに対応する無機粒子含有樹脂パターンを形成し、該樹脂パターンを焼成処理する工程を含む方法により、誘電体層、隔壁、電極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルターおよびブラックマトリックス(ストライプ)から選ばれる少なくとも1種のパネル部材を形成する方法(以下、「PDPの製造方法(II)」ともいう)。
(3)基板上に、本発明の転写フィルムにおける無機粒子含有樹脂層を転写し、転写された樹脂層に対してポストベークを行い、その後、サンドブラスト処理を行って無機粒子含有樹脂パターンを形成し,該樹脂パターンを焼成することにより、隔壁を形成する方法(以下、「PDPの製造方法(III)」ともいう)。
(4)基板上に、本発明の感光性転写フィルムにおける無機粒子含有樹脂層を転写し、該樹脂層を露光処理してパターンの潜像を形成し、該樹脂層を現像処理してパターンを形成し、該パターンを焼成処理する工程を含む方法により、誘電体層、隔壁、電極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルターおよびブラックマトリックス(ストライプ)から選ばれる少なくとも1種のパネル部材を形成する方法(以下、「PDPの製造方法(IV)」ともいう)。
(5)基板上に、本発明の転写フィルムにおける無機粒子含有樹脂層を転写し、該樹脂層を焼成して無機膜を形成し、該無機膜上にレジストパターンを形成し、無機膜をエッチング処理してレジストパターンに対応する無機膜パターンを形成することにより隔壁を形成する方法(以下、「PDPの製造方法(V)」ともいう)。
以下、各様態について説明する。
【0070】
<PDPの製造方法(I)>
上記PDPの製造方法(I)における転写工程の一例を示せば以下のとおりである。
1.ロール上に巻回された状態の転写フィルムを基板の面積に応じた大きさに裁断する。
2.裁断した転写フィルムにおける無機粒子含有樹脂層表面からカバーフィルムを剥離した後、基板の表面に無機粒子含有樹脂層の表面が当接するように転写フィルムを重ね合わせる。
3.基板に重ね合わされた転写フィルム上に加熱ローラを移動させて熱圧着させる。
4.熱圧着により基板に固定された無機粒子含有樹脂層から支持フィルムを剥離除去する。
【0071】
上記のような操作により、支持フィルム上の無機粒子含有樹脂層が基板上に転写される。このときの転写条件としては、たとえば、加熱ローラの表面温度が60〜120℃、加熱ローラによるロール圧が1〜5kg/cm2、加熱ローラの移動速度が0.2〜10.0m/分である。このような操作(転写工程)は、ラミネータ装置により行うことができる。なお、基板は予熱されていてもよく、予熱温度としては、たとえば40〜100℃とすることができる。
基板の表面に転写・形成された無機粒子含有樹脂層は、焼成されて無機焼結体(誘電体層)となる。焼成方法としては、無機粒子含有樹脂層が転写・形成された基板を高温雰囲気下に配置する方法が挙げられる。焼成処理により、無機粒子含有樹脂層に含有されている有機物質が分解されて除去され、無機粒子が溶融して焼結する。焼成温度としては、基板の溶融温度、無機粒子含有樹脂層中の構成物質などによっても異なるが、たとえば300〜800℃、好ましくは400〜620℃である。
【0072】
<PDPの製造方法(II)>
上記PDPの製造方法(II)は、基板上に、本発明の積層型転写フィルムにおけるレジスト膜と無機粒子含有樹脂層との積層膜を、該樹脂層が基板に当接するように転写し、該レジスト膜を露光処理してレジストパターンの潜像を形成し、該レジスト膜を現像処理してレジストパターンを顕在化させ、該樹脂層をエッチング処理してレジストパターンに対応する無機粒子含有樹脂パターンを形成し、該樹脂パターンを焼成処理する工程を含む。
【0073】
以下、PDPのパネル部材である「隔壁」を背面基板上の表面に形成する方法について説明する。この方法においては、(1)積層膜の転写工程、(2)レジスト膜の露光工程、
(3)レジスト膜の現像工程、(4)無機粒子含有樹脂層のエッチング(現像)工程、および(5)無機粒子含有樹脂パターンの焼成工程により基板の表面に隔壁が形成される。
なお、本発明において、「無機粒子含有樹脂層を基板上に転写する」態様としては、前記ガラス基板の表面に転写するような様態のほかに、前記誘電体層の表面に転写するような様態も包含されるものとする。
【0074】
(1)積層膜の転写工程
レジスト膜と無機粒子含有樹脂層との積層膜の転写工程の一例を示せば以下のとおりである。
転写フィルムのカバーフィルムを剥離した後、誘電体層の表面に、無機粒子含有樹脂層の表面が当接されるように転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラなどにより熱圧着する。これにより、誘電体層の表面に無機粒子含有樹脂層とレジスト膜との積層膜が転写されて密着した状態となる。転写条件としては、たとえば、加熱ローラの表面温度が80〜140℃、加熱ローラによるローラ圧が1〜5kg/cm2、加熱ローラの移動速度が0.1〜10.0m/分である。また、ガラス基板は予熱されていてもよく、予熱温度としては、たとえば40〜100℃とすることができる。
【0075】
(2)レジスト膜の露光工程
この工程においては、無機粒子含有樹脂層上に形成されたレジスト膜の表面に、露光用マスクを介して、紫外線などの放射線を選択的に照射(露光)して、レジストパターンの潜像を形成する。
露光の際に用いられる紫外線照射装置としては、特に限定されず、フォトリソグラフィー法で一般的に使用されている紫外線照射装置、半導体および液晶表示装置を製造する際に使用されている露光装置などが挙げられる。
なお、レジスト膜上に被覆されている支持フィルムは剥離しない状態で露光工程を行い、露光後に剥離することが好ましい。
【0076】
(3)レジスト膜の現像工程
この工程においては、露光されたレジスト膜を現像処理することにより、レジストパターン(潜像)を顕在化させる。
現像処理条件としては、レジスト膜の種類などに応じて、現像液の種類・組成・濃度、現像時間、現像温度、現像方法(たとえば、浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー法、パドル法)、現像装置などを適宜選択することができる。
この現像工程により、レジスト残留部とレジスト除去部とから構成されるレジストパターン(露光用マスクに対応するパターン)が形成される。
このレジストパターンは、次工程(無機粒子含有樹脂層のエッチング工程)におけるエッチングマスクとして作用するものであり、レジスト残留部の構成材料(光硬化されたレジスト)は、無機粒子含有樹脂層の構成材料よりも、次工程(4)で用いる現像液に対する溶解速度が小さいことが必要である。
【0077】
(4)無機粒子含有樹脂層のエッチング(現像)工程
この工程においては、無機粒子含有樹脂層を現像処理し、レジストパターンに対応する隔壁パターン層を形成する。
すなわち、無機粒子含有樹脂層のうち、レジストパターンのレジスト除去部に対応する部分が現像液に溶解されて選択的に除去される。そして、無機粒子含有樹脂層における所定の部分が完全に除去されて誘電体層が露出する。これにより、樹脂層残留部と樹脂層除去部とから構成される無機粒子含有樹脂パターンが形成される。
エッチング(現像)条件としては、無機粒子含有樹脂層の種類などに応じて、エッチング(現像)液の種類・組成・濃度、処理時間、処理温度、処理方法(たとえば、浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー法、パドル法)、処理装置などを適宜選択することができるが、上述したレジスト膜の現像工程(3)で用いた現像液を用い、同様のエッチング(現像)条件で、レジスト膜の現像工程と無機粒子含有樹脂層のエッチング(現像)工程とを連続して行うことが好ましい。上記工程(3)と工程(4)を連続して行えるようにレジスト膜および無機粒子含有樹脂層の種類を選択することにより、工程の簡略化による製造効率の向上を図ることができる。
上記レジストパターンを構成するレジスト残留部は、現像処理の際に徐々に溶解され、無機粒子含有樹脂パターンが形成された段階(現像処理の終了時)で完全に除去されるものであることが好ましい。
なお、エッチング(現像)処理後にレジスト残留部の一部または全部が残留していても、該レジスト残留部は、次の焼成工程で除去される。
【0078】
(5)無機粒子含有樹脂パターンの焼成工程
この工程においては、無機粒子含有樹脂パターンを焼成処理して隔壁を形成する。これにより、樹脂層残留部中の有機物質が焼失して隔壁が形成され、誘電体層の表面に隔壁が形成されてなるパネル材料において、隔壁により区画される空間(樹脂層除去部に由来する空間)はプラズマ作用空間となる。
焼成処理の温度としては、有機物質が焼失される温度であることが必要であり、通常400〜600℃である。また、焼成時間は、通常10〜90分間である。
【0079】
<PDPの製造方法(III)>
上記PDPの製造方法(III)は、基板上に、本発明の転写フィルムにおける無機粒子含有樹脂層を転写し、転写された樹脂層に対してポストベークを行った後、サンドブラスト処理を行って無機粒子含有樹脂パターンを形成し、該樹脂パターンを焼成することにより隔壁等のパネル材料を形成する方法である。
まず、基板上に無機粒子含有樹脂層を転写する。このときの転写条件は、上記PDPの製造方法(I)の転写工程に準ずることができる。
次いで、転写された無機粒子含有樹脂層に対してポストベークを行うことにより、該樹脂層中の残留溶媒および可塑性付与物質(D)を除去する。
ここで、ポストベーク処理条件は、たとえば処理温度が100〜300℃、処理時間が15〜120分間である。また、転写フィルムは、目的とする隔壁などの構造物の高さに合わせて一枚転写でも複数の転写フィルムを用いて積層を形成してもよい。
【0080】
このようにして形成された樹脂層上にレジスト膜を形成する。レジスト膜は、レジスト液を塗布するか、ドライフィルムレジストを転写して形成するか、あるいは、本発明の積層型転写フィルムを用いて上記樹脂層とともに転写して形成してもよい。その後、レジスト膜に所望のパターンを有する露光用マスクを介して放射線、好ましくは紫外線を照射して現像処理を行うことにより、形成すべき隔壁等の形態に対応するレジストパターンを形成する。
その後、サンドブラスト装置により、主にポストベーク処理後の無機粒子含有樹脂層の露出部分をサンドブラスト処理して除去することにより、所望の形態のパターンを形成する。
次いで、必要に応じて残存したレジスト膜を剥離し、その後、上記パターンを焼成することにより、無機粒子含有樹脂層中の有機物質(結着樹脂等)を分解除去するとともにガラス粉末を溶融して焼結させる。
焼成条件としては、用いられる結着樹脂および無機粒子の種類に応じて設定されるが、たとえば処理温度が500〜650℃、処理時間が5〜90分間である。
なお、前述したポストベークの工程は、レジストパターンの形成後に行ってもよい。特に、積層型転写フィルムを用いた場合には、レジストパターンの形成後にポストベークを行うことが好ましい。
【0081】
<PDPの製造方法(IV)>
上記PDPの製造方法(IV)は、本発明の感光性転写フィルムを構成する無機粒子含有樹脂層を基板上に転写し、該樹脂層を露光処理してパターンの潜像を形成し、該樹脂層を現像処理してパターンを形成し、該パターンを焼成処理することにより、誘電体層、隔壁、電極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルターおよびブラックマトリックスから選ばれるパネル部材を形成する工程を含む。
この方法においては、たとえば隔壁を形成する場合、上記PDPの製造方法(II)における「無機粒子含有樹脂層の転写工程」の後、「レジスト膜の露光工程」、「レジスト膜の現像工程」に準じた方法および条件で無機粒子含有樹脂パターンを形成し、その後「無機粒子含有樹脂パターンの焼成工程」により、基板の表面に隔壁が形成される。
【0082】
<PDPの製造方法(V)>
上記PDPの製造方法(V)は、本発明の転写フィルムを構成する無機粒子含有樹脂層を基板上に転写し、該樹脂層を焼成して無機膜を形成し、該無機膜上にレジストパターンを形成し、該無機膜をエッチング処理してレジストパターンに対応する無機膜パターンを形成することにより隔壁などのパネル材料を形成する。
この方法においては、たとえば隔壁を形成する場合、上記PDPの製造方法(II)における「無機粒子含有樹脂層の転写工程」の後、「無機粒子含有樹脂パターンの焼成工程」を先に行って無機膜を形成し、該無機膜上にレジスト組成物の塗布またはドライフィルムレジストの転写を行ってレジスト膜を形成した後、「レジスト膜の露光工程」、「レジスト膜の現像工程」に準じた条件でレジストパターンを形成し、その後、該レジストパターンをマスクとして無機膜をエッチング処理することにより、基板の表面に隔壁が形成される。なお、隔壁表面に残留するレジストは、通常、剥離液等を用いて剥離する。
無機膜のエッチング液としては、通常、硝酸、塩酸、硫酸等の酸の溶液が用いられ、特に硝酸が好適に用いられる。エッチング液の濃度としては、通常、0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜2重量%である。エッチング工程は、好ましくは、エッチング液を無機膜にスプレー等により噴射することにより行われ、たとえば、スプレー圧1〜5MPa、温度20〜60℃、エッチング時間5〜20分間で行われる。
【実施例】
【0083】
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」は「重量部」を示す。
[実施例]
(1)結着樹脂の合成
温度計、攪拌機、および、還流冷却器を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート180部、ブチルメタクリレート40部、2−エチルヘキシルメタクリレート40部、メタクリルアミド20部、およびアゾビスイソブチロニトリル0.5部を仕込み、窒素雰囲気下において、室温で均一になるまで攪拌した。攪拌後、80℃で4時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後、室温まで冷却してポリマー(結着樹脂A)の溶液を得た。得られたポリマー溶液は、重合率が97%であり、このポリマーのMwは100,000であった。
(2)ガラスペースト組成物(無機粒子含有樹脂組成物)の調製
ガラス粉末(無機粒子)として、酸化鉛70重量%、酸化ホウ素10重量%、酸化ケイ素20重量%の組成を有するPbO−B23−SiO2系ガラス粉末(軟化点500℃)100部、結着樹脂として上記結着樹脂Aの溶液を30部、可塑剤としてビス(2−エチルヘキシル)アゼレート5部、分散剤としてリン酸誘導体を有する分散剤(ビックケミージャパン(株)製「Disperbyk−180」)1部、および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル35部を、分散機を用いて混練することにより、粘度が3Pa・sの組成物を調製した。
【0084】
(3)転写フィルムの作製および評価(可撓性・取扱性)
上記(2)で調製した組成物を、予め離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)よりなる支持フィルム(幅400mm,長さ30m,厚さ38μm)上にブレードコーターを用いて塗布し、形成された塗膜を100℃で5分間乾燥することにより溶剤を除去することにより、厚さ50μmの無機粒子含有樹脂層を支持フィルム上に形成した。次いで、前記無機粒子含有樹脂層上に、予め離型処理したPETよりなるカバーフィルム(幅400mm,長さ30m,厚さ25μm)を貼り付けることにより、本発明の転写フィルムを作製した。
得られた転写フィルムは柔軟性を有しており、ロール状に巻き取る操作を容易に行うことができた。また、この転写フィルムを折り曲げても、無機粒子含有樹脂層の表面にひび割れ(屈曲亀裂)が生じることはなく、該樹脂層は優れた可撓性を有するものであった。
また、この転写フィルムからカバーフィルムを剥離し、無機粒子含有樹脂層の表面がガラス基板の表面に当接されるように、該転写フィルムを加圧することなく重ね合わせた後、該転写フィルムをガラス基板の表面から剥がしてみたところ、該樹脂層は、ガラス基板に対して適度な粘着性を示しており、しかも、該樹脂層が凝集破壊を起こすことなく転写フィルムを剥がすことができ、転写フィルムとしての取扱性(ハンドリング性)は良好なものであった。
【0085】
(4)無機粒子含有樹脂層の転写、誘電体層の形成
上記(3)により得られた転写フィルムからカバーフィルムを剥離した後、20インチパネル用のガラス基板の表面(バス電極の固定面)に、無機粒子含有樹脂層の表面が当接されるように該転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ロールにより熱圧着した。圧着条件としては、加熱ロールの表面温度を110℃、ロール圧を3kg/cm2、加熱ロールの移動速度を1m/分とした。
熱圧着処理の終了後、ガラス基板の表面に固定(加熱接着)された無機粒子含有樹脂層から支持フィルムを剥離除去し、該樹脂層の転写を完了した。
この転写工程において、支持フィルムを剥離するときに、無機粒子含有樹脂層が凝集破壊を起こすようなことはなく、該樹脂層は十分大きな膜強度を有するものであった。さらに、転写された無機粒子含有樹脂層は、ガラス基板の表面に対して良好な接着性を有するものであった。
上記無機粒子含有樹脂層を転写形成したガラス基板を焼成炉内に配置し、炉内の温度を、常温から10℃/分の昇温速度で600℃まで昇温させ、600℃の温度雰囲気下30分間にわたって焼成処理することにより、ガラス基板の表面に、ガラス焼結体よりなる誘電体層を形成した。
得られた誘電体層の表面について、非接触膜厚計(菱光社製、NH−3)を用いて3次元測定を実施し、JIS規格(B 0601)に準じて表面粗さ(Ra、Ry、Rz)を求めたところ、Ra=0.04μm、Ry=0.26μm、Rz=0.15μmであり、表面平滑性に優れたものであった。さらに、このようにして得られた誘電体層の光透過率(測定波長550nm)を測定したところ74%であり、良好な透明性を有するものであることが認められた。評価結果を表1に示す。
【0086】
[比較例]
ガラス粉末(無機粒子)として、酸化鉛70重量%、酸化ホウ素10重量%、酸化ケイ素20重量%の組成を有するPbO−B23−SiO2系ガラス粉末(軟化点500℃)100部、結着樹脂としてブチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート/ヒドロキシプロピルメタクリレート共重合体(重量比:30/60/10、Mw:100,000)20部、可塑剤としてビス(2−エチルヘキシル)アゼレート3部、分散剤としてリン酸誘導体を有する分散剤(ビックケミージャパン(株)製「Disperbyk−180」)1部、および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル35部を用いた以外は、実施例と同様にして組成物を調製し、転写フィルムの作製、誘電体層の形成および各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0087】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】交流型のPDPの断面形状を示す模式図である。
【符号の説明】
【0089】
1 ガラス基板
2 ガラス基板
3 隔壁
4 透明電極
5 バス電極
6 アドレス電極
7 蛍光物質
8 誘電体層
9 誘電体層
10 保護層
11 隔壁


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)無機粒子と、(B)アミド基を有する重合体と、(C)分散剤とを含有することを特徴とする、無機粒子含有樹脂組成物。
【請求項2】
(C)分散剤が、リン酸誘導体を含む化合物であることを特徴とする請求項1に記載の無機粒子含有樹脂組成物。
【請求項3】
(D)可塑性付与物質をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の無機粒子含有樹脂組成物。
【請求項4】
(E1)多官能性(メタ)アクリレートおよび(E2)放射線重合開始剤をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の無機粒子含有樹脂組成物。
【請求項5】
支持フィルム上に、(A)無機粒子と、(B)アミド基を有する重合体と、(C)分散剤とを含有する無機粒子含有樹脂層を有することを特徴とする転写フィルム。
【請求項6】
支持フィルム上に、レジスト膜と前記無機粒子含有樹脂層との積層膜を有することを特徴とする請求項6に記載の転写フィルム。
【請求項7】
前記無機粒子含有樹脂層が、さらに(D)可塑性付与物質を含有することを特徴とする請求項6に記載の転写フィルム。
【請求項8】
無機粒子含有樹脂層が、さらに(E1)多官能性(メタ)アクリレートおよび(E2)放射線重合開始剤を含有することを特徴とする請求項6に記載の転写フィルム。
【請求項9】
基板上に、請求項6に記載の転写フィルムの無機粒子含有樹脂層を転写する工程、および、転写された無機粒子含有樹脂層を焼成する工程を含む方法によりパネル部材を形成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項10】
基板上に、請求項7に記載の転写フィルムの積層膜を、無機粒子含有樹脂層が基板に当接するように転写する工程、
該レジスト膜を露光処理してレジストパターンの潜像を形成する工程、
該レジスト膜を現像処理してレジストパターンを顕在化させる工程、
該無機粒子含有樹脂層をエッチング処理してレジストパターンに対応する無機粒子含有樹脂パターンを形成する工程、および
該樹脂パターンを焼成処理する工程
を含む方法によりパネル部材を形成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項11】
基板上に、請求項8に記載の転写フィルムの無機粒子含有樹脂層を転写する工程、
転写された無機粒子含有樹脂層に対してポストベークを行い、その後サンドブラスト処理を行って無機粒子含有樹脂パターンを形成する工程、および
該樹脂パターンを焼成処理する工程
を含む方法によりパネル部材を形成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項12】
基板上に、請求項9に記載の転写フィルムの無機粒子含有樹脂層を転写する工程、
該無機粒子含有樹脂層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程、
該無機粒子含有樹脂層を現像処理してパターンを形成する工程、および
該パターンを焼成処理する工程
を含む方法によりパネル部材を形成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項13】
基板上に、請求項6に記載の転写フィルムの無機粒子含有樹脂層を転写する工程、
該無機粒子含有樹脂層を焼成して無機膜を形成する工程、
該無機膜上にレジストパターンを形成する工程、および
該無機膜をエッチング処理して該レジストパターンに対応する無機膜パターンを形成する工程
を含む方法によりパネル部材を形成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−56117(P2007−56117A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−241865(P2005−241865)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】