説明

特定欠陥の検出方法、特定欠陥の検出システムおよびプログラム

【課題】ウェーハの表面に生じうる特定欠陥をより確実に検出することが可能な検出方法、検出システムおよび検出プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の特定欠陥の検出方法は、ウェーハの表面に光を照射して該ウェーハの表面上の欠陥の位置に対応して検出される輝点の面内位置情報である輝点マップを取得する工程(S101)と、前記輝点マップにおいて、特定欠陥の発生が予想される領域である判定対象領域と、該判定対象領域以外の所定領域である参照領域とを特定し、前記判定対象領域における輝点密度の、前記参照領域における輝点密度に対する比を算出する工程(S102)と、算出された前記比の値に基づいて、前記特定欠陥の発生の有無を判定する工程(S103)と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハ表面に生じうる特定欠陥の検出方法、検出システムおよび検出プログラムに関する。本発明は特に、特定欠陥をより確実に検出することが可能な検出方法、検出システムおよび検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程において歩留まりや信頼性を向上させるために、半導体デバイスの基板となるウェーハの表面の欠陥検査技術が極めて重要になりつつある。ウェーハ表面に存在する種々の欠陥を検出する表面検査装置として、ウェーハ表面を光学的手法により測定し、ウェーハ表面上の欠陥の位置に対応した輝点として、欠陥を検出する装置が知られている。
【0003】
このような表面検査装置の一例として、レーザー散乱の原理を用いた表面検査装置が知られている。このレーザー散乱型表面検査装置は、レーザーをウェーハ表面に対して照射する。照射位置に欠陥があれば、ウェーハ表面から散乱光が生じるため、これを受光素子や光電子倍増管などの光検出器で検出し、光電変換素子で電気信号に変換して欠陥を輝点として検出する。ウェーハをステージに載置して、ウェーハを回転させながらウェーハの半径方向に移動させることにより、ウェーハ表面全体をレーザーで走査する。ステージにはエンコーダを取り付けているため、検出した輝点とそのウェーハ面内位置とを対応させることができ、輝点の面内位置情報として「輝点マップ」を作成することができる。
【0004】
ここで、本明細書において、光学的手法でウェーハ表面を測定する場合に、輝点として検出しうるウェーハ表面上の欠陥、傷、異物などを総称して「欠陥」と称する。欠陥としては、例えば以下のようなものがある。まず、COP(Crystal Originated Particle)、FPD(Flow Pattern Defects)、LSTD(Laser Scattering Tomography Defects)など、ウェーハを構成する結晶の引上げ工程で導入されるGrow-in欠陥である。次に、スライス工程以後にウェーハ表面に形成される加工起因の欠陥(傷、スクラッチなど)である。また、ウェーハ表面に残存する異物(不純物、パーティクル、研磨液残渣など)も挙げられる。
【0005】
ここで、輝点マップの中では、どのような欠陥に由来する輝点であるかに関わらず、多くの輝点は1つの点または短い線に過ぎず、それぞれの輝点がどの種類の欠陥に由来するかを判別することは難しい。実際、例えば上記のレーザー散乱型の表面検査装置において輝点となる欠陥は、その種類に関わらずLPD(Light Point Defect)と総称されている。
【0006】
ところが、欠陥には、製品として存在してもよい(問題がない)欠陥または当初から存在が予定されている欠陥もあるものの、デバイスの特性、デバイス製造の歩留まりや信頼性に悪影響を及ぼす欠陥も存在する。例えば、デバイス製造段階ではなくウェーハ製造段階での表面検査の場合、ゲッタリングシンクとなりえるCOPを積極的に導入したウェーハは、輝点マップに多数のCOPが輝点として検出されるが、これはウェーハ品質上問題がない。しかし、このウェーハの表面に、一部スクラッチが存在すると、当該部分はデバイスを作成することができず、デバイス製造の歩留まりが低下し、ウェーハ全体としての信頼性がないことになる。このため、このように好ましくない欠陥に由来する輝点が輝点マップ中に存在するか否かを判定する手法が望まれている。
【0007】
特許文献1には、ウェーハ表面の指定領域に対して輝点密度の範囲を予め設定し、表面検査装置で測定したウェーハの輝点マップについて、指定領域での輝点密度が上記設定範囲を超えた場合に、当該指定領域に欠陥があると判定する欠陥の検出システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中国特許出願公開第100365790号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者は、ウェーハ製造に悪影響を及ぼす欠陥が輝点マップ中にどのように表れているか、また、どのような原因でウェーハ製造に悪影響を及ぼす欠陥が発生するかを詳細に検討した。すると、詳細は後述するが、特定の原因により発生する欠陥の中には、その原因が生じない場合には欠陥が形成されず、その原因が生じた場合には、ウェーハ表面のほぼ決まった位置に欠陥が生じるという特性を持った欠陥が存在することが明らかになった。そこで、特定の原因により生じる欠陥であって、その原因に対応してウェーハ表面上の特定の位置に生じることが既知の欠陥を、本明細書において「特定欠陥」と称する。
【0010】
特定欠陥が存在する場合、輝点マップ中には当該特定欠陥に由来する輝点が存在する。しかし、輝点マップ中の輝点には、既述のCOPのように、特定欠陥以外の欠陥、すなわち発生位置が特定の位置または範囲に限定されず、ランダムに発生する欠陥(以下、本明細書において「非特定欠陥」という。)に由来する輝点も存在して、両者が混在しているのが一般的である。そのため、輝点マップ中に特定欠陥に由来する輝点が存在するか、すなわち特定欠陥が発生しているかを適切に判定することが求められる。
【0011】
ここで、ウェーハ表面における特定欠陥が生じうる位置について、複数の種類の特定欠陥ごとに十分に習熟した上で、目視判定に熟練した者であれば、輝点マップを目視する官能検査で特定欠陥の発生の有無を判定できると思われる。しかしながら、目視による官能検査では、特定欠陥の発生の有無の判定が検査者の熟練度に左右されるし、非特定欠陥の密度が多い場合には目視では判別しづらいため好ましくない。
【0012】
また、輝点マップ中の特定欠陥の発生が予想される領域について、特許文献1のように輝点密度の閾値を設け、この領域の測定した輝点密度が閾値を超えた場合に特定欠陥ありと判定する手法も考えられる。しかしながら、この領域における非特定欠陥に由来する輝点の多少と設定する閾値との関係により、場合によっては特定欠陥の有無を確実に判定することができないという問題がある。例えば、ウェーハ表面の全体に非特定欠陥であるCOPに由来する輝点が多く存在する場合、実際は特定欠陥が発生していなくても、COP由来の輝点によって判定対象領域中の輝点密度が閾値を超えて、特定欠陥ありと判定してしまうことが考えられる。逆に、ウェーハ表面の全体にCOPに由来する輝点があまり存在しない場合、実際に特定欠陥が発生していても、判定対象領域中の輝点密度が閾値を超えず、特定欠陥なしと判定してしまうおそれもある。
【0013】
そこで本発明は、上記課題に鑑み、ウェーハの表面に生じうる特定欠陥をより確実に検出することが可能な検出方法、検出システムおよび検出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するべく、本発明者が鋭意検討したところ、特定欠陥の発生が予想される領域に単に輝点密度の閾値を設定するのではなく、特定欠陥由来の輝点とその周辺とのコントラストを有効に把握することでより確実に特定欠陥を検出することができることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、上記の知見および検討に基づくものであり、その要旨構成は以下の通りである。
【0015】
本発明の特定欠陥の検出方法は、
ウェーハの表面に光を照射して該ウェーハの表面上の欠陥の位置に対応して検出される輝点の面内位置情報である輝点マップを取得する工程と、
前記輝点マップにおいて、特定欠陥の発生が予想される領域である判定対象領域と、該判定対象領域以外の所定領域である参照領域とを特定し、前記判定対象領域における輝点密度の、前記参照領域における輝点密度に対する比を算出する工程と、
算出された前記比の値に基づいて、前記特定欠陥の発生の有無を判定する工程と、
を有することを特徴とする。なお、本明細書において「輝点密度」とは、単位面積あたりの輝点の個数を意味する。
【0016】
また、前記判定工程は、算出された前記比の値が所定閾値以上であれば、前記特定欠陥があると判定するものとすることができる。
【0017】
さらに、前記取得工程では、同一形状の複数枚のウェーハについて輝点マップを取得し、前記算出工程では、前記輝点マップに替えて、前記複数枚のウェーハの輝点マップを重ね合わせた重複輝点マップを用いて前記比を算出するものとすることができる。
【0018】
あるいは、前記取得工程では、前記輝点マップに替えて、同一形状の複数枚のウェーハの輝点マップを重ね合わせた重複輝点マップを取得し、前記算出工程では、前記輝点マップに替えて、前記重複輝点マップを用いて前記比を算出するものとしてもよい。
【0019】
前記取得工程では、同一形状の複数枚のウェーハについて輝点マップを取得し、複数種の前記特定欠陥の発生の有無を判定するにあたり、前記複数枚のウェーハのうち任意の1枚のウェーハの前記輝点マップを用いて前記算出工程を行う第1群の特定欠陥と、前記複数枚のウェーハの輝点マップを重ね合わせた重複輝点マップを用いて前記算出工程を行う第2群の特定欠陥とが、予め分類されているものとすることが好ましい。
【0020】
本発明の特定欠陥の検出システムは、
ウェーハの表面に光を照射して該ウェーハの表面上の欠陥の位置に対応して検出される輝点の面内位置情報である輝点マップを取得する取得部と、
前記輝点マップにおいて、特定欠陥の発生が予想される領域である判定対象領域と、該判定対象領域以外の所定領域である参照領域とを記憶する記憶部と、
前記輝点マップの前記判定対象領域における輝点密度の、前記参照領域における輝点密度に対する比を算出する算出部と、
算出された前記比の値に基づいて、前記特定欠陥の発生の有無を判定する判定部と、
を有することを特徴とする。
【0021】
本発明の別の特定欠陥の検出方法は、
ウェーハの表面に光を照射して該ウェーハの表面上の欠陥を輝点として検出する工程と、
検出された前記輝点の面内位置情報である輝点マップを作成する工程と、
該輝点マップにおいて、特定欠陥の発生が予想される領域である判定対象領域と、該判定対象領域以外の所定領域である参照領域とを特定し、前記判定対象領域における輝点密度の、前記参照領域における輝点密度に対する比を算出する工程と、
算出された前記比の値に基づいて、前記特定欠陥の発生の有無を判定する工程と、
を有することを特徴とする。
【0022】
この方法においても、同一形状の複数枚のウェーハの前記輝点マップを重ね合わせた重複輝点マップを作成する工程をさらに有し、前記算出工程では、前記輝点マップに替えて、前記重複輝点マップを用いて前記比を算出するものとすることができる。
【0023】
本発明の別の特定欠陥の検出システムは、
ウェーハの表面に光を照射して該ウェーハの表面上の欠陥を輝点として検出する検出部と、
該検出部からの出力に基づき、前記ウェーハの表面における輝点の面内位置情報である輝点マップを作成する解析部と、
前記輝点マップにおいて、特定欠陥の発生が予想される領域である判定対象領域と、該判定対象領域以外の所定領域である参照領域とを記憶する記憶部と、
前記輝点マップの前記判定対象領域における輝点密度の、前記参照領域における輝点密度に対する比を算出する算出部と、
算出された前記比の値に基づいて、前記特定欠陥の発生の有無を判定する判定部と、
を有することを特徴とする。
【0024】
また、本発明のプログラムは、コンピュータに、上記の特定欠陥の検出方法における各工程を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、判定対象領域と参照領域とで輝点密度の比を算出し、この比に基づいて特定欠陥の発生の有無を判定するようにしたため、ウェーハ全体にランダムに発生するCOPなどの非特定欠陥の多少に関わらず、特定欠陥由来の輝点とその周辺とのコントラストを有効に把握することができる。このため、特定欠陥をより確実に検出することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に従う代表的な特定欠陥の検出方法のフローチャートである。
【図2】本発明に従う別の特定欠陥の検出方法のフローチャートである。
【図3】本発明に従う代表的な特定欠陥の検出システムを示すブロック図である。
【図4A】ウェーハ表面の中央部分にリング状に配列された特定欠陥に起因する輝点を含む輝点マップの一例である。
【図4B】図4Aにおいて、特定欠陥に起因する輝点のみ抽出した輝点マップである。
【図4C】図4Aにおいて、特定欠陥に起因する輝点のみ除外した輝点マップである。
【図5】図4Aの輝点マップを、ウェーハ中心からの距離Rを横軸、X−Y座標の原点を中心としてX軸(X≧0)となす角度θを縦軸としたR−θ座標にプロットしたグラフであり、R軸上の棒グラフは、ウェーハ中心から等間隔で所定幅のリング状領域ごとの輝点密度を示す。
【図6A】ウェーハ表面の端部付近にリング状に配列された特定欠陥に起因する輝点を含む重複輝点マップの一例である。
【図6B】図6Aにおいて、特定欠陥に起因する輝点のみ抽出した重複輝点マップである。
【図6C】図6Aにおいて、特定欠陥に起因する輝点のみ除外した重複輝点マップである。
【図7】図6Aの重複輝点マップを、ウェーハ中心からの距離Rを横軸、X−Y座標の原点を中心としてX軸(X≧0)となす角度θを縦軸としたR−θ座標にプロットしたグラフであり、R軸上の棒グラフは、ウェーハ中心から等間隔で所定幅のリング状領域ごとの輝点密度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明し、本発明の要旨をより明らかにする。図1および図2は、本発明の実施形態にかかる特定欠陥の検出方法のフローチャートであり、図3は、この検出方法を実行する検出システムを含むブロック図である。
【0028】
(ウェーハ検査システム)
まず、レーザー散乱型表面検査装置などの公知のウェーハ検査システム600は、欠陥検出部601と解析部602とを含む。
【0029】
欠陥検出部601は、ウェーハの表面に光を照射して該ウェーハの表面上の欠陥を輝点として検出するものであれば特に限定されない。例えば、既述のように、ウェーハ表面にレーザーを照射し、ウェーハ表面からの散乱光を検出して欠陥を起点として検出するものとすることができる。また、ウェーハ表面に光を照射し、ウェーハからの正反射光をCCDなどの撮像素子で検出して、各ピクセルでの輝度の違いを処理することで、ウェーハの欠陥とその面内分布を輝点として検出してもよい。
【0030】
解析部602は、欠陥検出部601からの検出情報の出力に基づき、ウェーハの表面における輝点の面内位置情報である輝点マップを作成する。ここで本明細書において「輝点マップ」とは、1枚のウェーハについて、欠陥検出部601にて得た欠陥由来の輝点のウェーハ面内位置情報であり、例えば輝点の有無と面内座標とが対になったテキストデータとしての情報を含み、図4に示すように、実際に輝点の面内位置情報をディスプレイ等に出力した状態のみを意味するものではない。このウェーハ検査システム600では、1枚のウェーハについて検査を行い、輝点マップを作成することもあるが、通常は同一のウェーハ製造装置で製造された1ロットのウェーハを全て検査して、ウェーハごとに輝点マップを作成する。
【0031】
(実施形態1:特定欠陥の検出システム)
次に、本実施形態の特定欠陥検出システム500は、取得部501、記憶部502、演算部503、算出部504および判定部505を含む。
【0032】
取得部501は、ウェーハ検査システム600の解析部602から1枚または複数枚のウェーハについての輝点マップを取得する。取得した輝点マップは、算出部504へ送られ、後述の輝点密度比の算出に用いられる。また、取得した輝点マップは、記憶部502に格納してもよい。取得部501は、解析部602からの輝点マップの取得を制御する制御部としての機能を有し、具体的には、コンピュータ内部の中央演算処理装置(CPU)によって実現することができる。
【0033】
記憶部502は、ハードディスクやROMまたはRAMを用いて実現することができ、輝点マップにおいて、特定欠陥の発生が予想される領域である判定対象領域と、該判定対象領域以外の所定領域である参照領域とを予め記憶している。記憶部502は例えば、欠陥が生じる原因に関する情報、当該原因により発生する特定欠陥の予想発生領域(すなわち、特定欠陥に由来する輝点の発生が予想される輝点マップ上の上記判定対象領域)の位置情報、および輝点マップ上の参照領域の位置情報を対応付けて、特定欠陥の種類ごとに記憶している。
【0034】
算出部504は、取得部501または記憶部502から輝点マップの情報を受信し、また、記憶部502から各特定欠陥の種類ごとの判定対象領域および参照領域の情報を受信する。そして、輝点マップの判定対象領域における輝点密度の、参照領域における輝点密度に対する比を算出する。算出結果は記憶部502に格納してもよい。
【0035】
判定部505は、算出部504で算出された比の値に基づいて、特定欠陥の発生の有無を判定する。判定結果は記憶部502に格納してもよい。
【0036】
演算部503は、取得部501で同一形状の複数枚のウェーハについて輝点マップを取得した場合に、これら複数枚のウェーハの輝点マップを、複数のウェーハの面内座標をそろえた状態で重ね合わせて、「重複輝点マップ」を作成する。ウェーハ製造工程中にウェーハの向きを合わせるために、通常ウェーハにはノッチまたはオリフラと呼ばれる切り欠きが設けられている。ウェーハごとにウェーハ中心の位置およびこの切り欠きの位置をそろえて輝点マップを重ね合わせればよい。作成された重複輝点マップは、記憶部502に格納してもよい。また、後述のように重複輝点マップを用いて輝点密度比(判定対象領域/参照領域)の算出を行う場合は、算出部504へ重複輝点マップのデータを送る。なお、重複輝点マップは、図6に示すように、実際に複数枚の輝点マップを重ね合わせてディスプレイ等に表示した状態のみを意味するものではなく、輝点の面内位置情報としてのデジタルデータをも含むものであることは輝点マップと同様である。
【0037】
演算部503、算出部504および判定部505は、全て特定欠陥検出システム内での情報処理であり、コンピュータ内部の中央演算処理装置(CPU)によって実現することができる。なお、重複輝点マップを作成する演算部は、本実施形態において必須ではなく、例えばウェーハ検査システム600において重複輝点マップを作成し、本実施形態のシステムにおける取得部501でこの重複輝点マップを取得してもよい。
【0038】
詳細は後述するが、算出部504での輝点密度比の計算は、輝点マップに替えて、この重複輝点マップについて行うこともできる。この場合、算出部504は、演算部503または記憶部502から重複輝点マップの情報を受信し、また、記憶部502から各特定欠陥の種類ごとの判定対象領域および参照領域の情報を受信する。そして、算出部504は、重複輝点マップの判定対象領域における輝点密度の、参照領域における輝点密度に対する比を算出する。算出結果は記憶部502に格納してもよい。なお、重複輝点マップの作成をウェーハ検査システム600内で行い、取得部501が重複輝点マップを取得する場合には、算出部504は取得部501から重複輝点マップの情報を受信する。
【0039】
(実施形態2:第1の特定欠陥検出方法)
次に、ウェーハ検査工程とそれに続く本実施形態の特定欠陥の検出方法について、具体例を含めて説明する。ウェーハ検査システム600の欠陥検出部601が、ウェーハの表面に光を照射して該ウェーハの表面上の欠陥を輝点として検出する(ステップS201)。次に、解析部602が、検出された輝点の面内位置情報である輝点マップを作成する(ステップS202)。このウェーハ検査工程では、1枚または複数枚のウェーハについて、上記工程を行う。
【0040】
上記工程に引き続き、本実施形態の特定欠陥の検出方法を説明する。取得部501が、1枚または複数枚のウェーハについて輝点マップを取得する(ステップS101)。ここで、輝点マップの一例を示す。まず、公知の方法によりポリッシュト・ウェーハを製造した。すなわち、CZ法(チョクラルスキー法)によりシリコン単結晶引上げ工程を行い、その後スライス、粗研磨(ラッピング)、エッチング、研磨、洗浄といった加工工程を行い、ポリッシュト・ウェーハとした。複数の同一製造装置により製造された多数のウェーハのうち、任意のロットを抽出し、そのうち1枚のウェーハについて表面検査を行って得られた輝点マップを図4Aに示す。この輝点マップでは、中央部分にリング状に配列された複数の輝点の集合が観察される。このリング状の輝点群は、吸盤状のウェーハ吸着治具の調整不調という原因で形成されたキズに由来する輝点であり、この原因が生じたウェーハに関しては、ロボットハンドに装着されている前記吸着治具が円形であるため、この原因で生じる輝点は、必ずこのようにウェーハ中心を中心とした略同一半径の円形を描くことが判明している。一方、この原因が生じていない製造装置で製造されたウェーハについては、このリング状の輝点群は存在しなかった。そこで、このリング状の輝点群を生じさせる欠陥を「特定欠陥」と認定した。
【0041】
次に、輝点マップにおいて、特定欠陥の発生が予想される領域である判定対象領域と、該判定対象領域以外の所定領域である参照領域とを特定し、算出部504が、前記判定対象領域における輝点密度の、前記参照領域における輝点密度に対する比を算出する(ステップS102)。引き続き図4を用いて具体的に説明する。図4Bは、リング状の特定欠陥に起因する輝点のみを抽出した輝点マップである。このように特定欠陥の発生が予想される位置を含む領域を、この特定欠陥に対応する判定対象領域Sと特定する。なお、異なる原因によって生じる他の特定欠陥については、それぞれの特定欠陥の発生しうる領域が既知であることから、当該領域を判定対象領域と定める。
【0042】
次に、判定対象領域以外の所定領域を参照領域と定める。図4の例においては、図4Bに示すように、リング状の判定対象領域Sの外側および内側にそれぞれ所定幅のリング状の参照領域T1およびT2を設定した。なお、図4Cは特定欠陥に起因する輝点のみ除外した輝点マップである。
【0043】
図4の例では、判定対象領域および参照領域がいずれもウェーハ中心を中心としたリング状の領域なので、図5に示すように、ウェーハ中心からの距離Rを横軸、X−Y座標の原点を中心としてX軸(X≧0)となす角度θを縦軸としたR−θ座標に図4Aの輝点マップをプロットしなおした。このR−θ座標中に、判定対象領域Sおよび参照領域T1,T2を破線で示している。ここで、特定欠陥が生じた図4の例において判定対象領域Sには、COPなどの非特定欠陥に起因する輝点に加えて、特定欠陥に起因する輝点が集中しているため、非特定欠陥に起因する輝点しか存在しない参照領域T1,T2よりも輝点密度が高くなっている。本実施形態における輝点密度比(判定対象領域S/参照領域T1+T2)の値は、3.3であり、明らかに有意差のある範囲であった。そのため、輝点密度比(判定対象領域S/参照領域T1+T2)の値が特定欠陥の発生の有無の指標となる。
【0044】
最後に判定部505が、算出された輝点密度比の値に基づいて、特定欠陥の発生の有無を判定する(ステップS103)。
【0045】
判定対象領域Sにおける輝点の個数あるいは輝点密度を指標としてしまうと、既述のように、非特定欠陥の多少に依存して特定欠陥の有無を正確に判定できないことがある。しかし、輝点密度の比は、特定欠陥に起因する輝点の有無の影響をよく受ける指標、換言すれば非特定欠陥に起因する輝点の影響を最小限にする指標である。そのため、本実施形態の方法により、特定欠陥をより確実に検出することができる。特定欠陥があると判定された場合には、その原因を除去したり、場合によってはウェーハ上の特定欠陥を除去する処理を行うなどして対処することができる。図4の例では、当該ウェーハに適用された吸着治具の交換や修理を行うといった対処をすることができる。
【0046】
ここで、判定工程(S103)では、算出された輝点密度比の値が所定閾値以上の場合に、特定欠陥があると判定すればよい。閾値の設定の仕方は特に限定されないが、以下のように設定することができる。
【0047】
まず、判定対象領域Rの輝点密度および参照領域の輝点密度に対して、有意差検定を行う。その結果、有意差があると判定されるときの輝点密度比を閾値とすることができる。具体的には、判定対象領域と参照領域とで密度に有意差があると言えるかどうかをカイ二乗(χ)検定により確認する。
【0048】
また、非特定欠陥に由来する輝点の面内分布のバラつきを考慮して、有意な輝点密度比(判定対象領域/参照領域)を検討したところ、当該比の値が1.05〜50の範囲内に閾値を設定することが好ましいことを見出した。輝点密度比が1.05未満の場合、非特定欠陥に由来する輝点の面内分布のバラつきによって、特定欠陥が存在しない場合にも特定欠陥ありと判定されるおそれがあり、輝点密度比が50を超えると、閾値が高すぎて、特定欠陥が存在する場合にも特定欠陥なしと判定されるおそれがあるためである。
【0049】
本実施形態において、所定の判定対象領域に対する参照領域の位置は、当該判定対象領域以外の領域であれば特に限定されない。例えば、図4Bに示すように判定対象領域と隣接する領域に設けることができる。また、ウェーハ全面のうち、判定対象領域以外の全ての領域を参照領域としてもよい。この場合、非特定欠陥の面内分布のばらつきが偶然に大きくても、確実に特定欠陥の有無を判定することができる。また、複数種類の特定欠陥の発生が予想される場合は、それらの特定欠陥に対応する判定対象領域を除いた部分に参照領域を設定すれば、ある判定対象領域に対応する参照領域が、他の判定対象領域と重複して正確な判定が妨げられることがないため好ましい。
【0050】
(実施形態3:第2の特定欠陥検出方法)
次に、ウェーハ検査工程とそれに続く別の実施形態による特定欠陥の検出方法について、図2を用いて説明する。ウェーハ検査システム600の欠陥検出部601が、ウェーハの表面に光を照射して該ウェーハの表面上の欠陥を輝点として検出する(ステップS401)。次に、解析部602が輝点マップを作成する(ステップS402)。本実施形態のウェーハ検査工程では、同一形状の複数枚のウェーハ(例えば1ロット分)について、上記工程を行う。
【0051】
本実施形態では、取得部501が、上記複数枚のウェーハについて輝点マップを取得する(ステップS301)。そして、演算部503が、これら複数枚のウェーハの輝点マップを、複数のウェーハの面内座標をそろえた状態で重ね合わせて、重複輝点マップを作成する(ステップS302)。本実施形態では、算出部504が、輝点マップに替えてこの重複輝点マップを用いて欠陥密度比(判定対象領域/参照領域)を算出し(ステップS303)、判定部505が、算出された輝点密度比の値に基づいて、特定欠陥の発生の有無を判定する(ステップS304)。
【0052】
ここで、重複輝点マップの一例を示す。まず、図4と同様の方法でポリッシュト・ウェーハを製造した。このとき、図4に示したウェーハの製造過程(エッチング工程)で用いられた薬液処理装置とは異なる薬液処理装置で処理された1ロット(120枚)のウェーハについて表面検査を行って、輝点マップを作成した。その後、1ロット分のウェーハの輝点マップを重ね合わせて作成した重複輝点マップを図6Aに示す。この重複輝点マップでは、目視では判別しづらいが、ウェーハ表面の端部付近に、特定の原因でリング状に配列された複数の輝点の集合が存在し、これを抜き出した重複輝点マップを図6Bに示している。
【0053】
このリング状の輝点群は、スライス工程後の薬液処理工程で各ウェーハにつけられた傷に由来する。薬液処理装置では、ウェーハを回転させながらウェーハ表面を薬液処理する。このとき一部の薬液処理装置では、回転停止直前にウェーハ上方を移動するロボットがウェーハ表面の中心から一定距離の位置に傷をつけてしまうことがある。ここで、当該ロボットが稼動するタイミングはウェーハの回転と同期していないため、1ロット内の複数のウェーハそれぞれで見ると、中心から一定の距離に1点の傷が形成されているのみであるが、ウェーハを重ねてみると、この原因で形成された傷はウェーハ中心からの一定距離を半径とした円状にほぼ分布していることになる。そのため、この種の欠陥に由来する輝点は、各ウェーハの輝点マップ上には1点しか現れないものの、重複輝点マップを作成すると必ずこのようにウェーハ中心を中心とした略同一半径の円形を描く。一方で、ウェーハの製造過程で別の薬液処理装置を通過したウェーハには、このような欠陥は存在しなかった。そこで、このリング状の輝点群を生じさせる欠陥を「特定欠陥」と認定した。
【0054】
次に、重複輝点マップ上で特定欠陥の発生が予想される領域として、図6Bに示すように判定対象領域Sを設定した。また、判定対象領域以外の所定領域に参照領域Tを設定した。本実施形態では、判定対象領域S以外の任意の位置に所定のサイズの矩形の領域として参照領域Tを設定した。なお、図6Cは特定欠陥に起因する輝点のみ除外した重複輝点マップである。
【0055】
図6の重複輝点マップをR−θ座標にプロットしたグラフを図7に示す。判定対象領域Sを破線で示している。ここで、特定欠陥が生じたこの例において判定対象領域Sには、COPなどの非特定欠陥に起因する輝点に加えて、特定欠陥に起因する輝点が集中しているため、非特定欠陥に起因する輝点しか存在しない参照領域Tよりも輝点密度が高くなっている。本実施形態における輝点密度比(判定対象領域S/参照領域T)の値は、1.05であり、明らかに有意差のある範囲であった。そのため、重複輝点マップにおいても、輝点密度比(判定対象領域S/参照領域T)の値が特定欠陥の発生の有無の指標となる。このように、特定欠陥があると判定された場合には、その原因を除去したり、場合によってはウェーハ上の特定欠陥を除去する処理を行うなどして対処することができる。図6の例では、このロットのウェーハを製造した薬液処理装置のロボットを調整して、ウェーハに傷をつけないようにすればよい。
【0056】
本実施形態のように、重複輝点マップを作成して初めて特定欠陥に由来する輝点に対して判定対象領域が設定できる場合には、重複輝点マップを用いて輝点密度比の算出を行う。これにより、特定欠陥をより確実に検出することができる。その他の点は第1の特定欠陥検出方法と同様である。
【0057】
ここで上記のとおり、輝点密度比の算出に輝点マップを用いるか重複輝点マップを用いるかは、特定欠陥の種類に依存する。すなわち、任意の1枚のウェーハの輝点マップに特定欠陥に由来する輝点が多数存在し、輝点マップ上に判定対象領域を設定できる特定欠陥(以下、「第1群の特定欠陥」という。)の場合は、輝点マップを用いればよい。しかし、輝点マップ上には特定欠陥に由来する輝点が1点または少数しか存在しないが、重複輝点マップには多数存在し、重複輝点マップ上に判定対象領域を設定できる特定欠陥(以下、「第2群の特定欠陥」という。)の場合は、重複輝点マップを用いる。本発明では、第1群および第2群の特定欠陥が予め分類されていることが好ましい。すなわち、記憶部502には、それぞれの特定欠陥が第1群および第2群のどちらに属するかに関する情報が格納される。第2群の特定欠陥の場合は、重複輝点マップ上に設定される判定対象領域および参照領域の位置情報が記憶される。
【0058】
(実施形態4:第3の特定欠陥検出方法)
実施形態3では、図2におけるS302において重複輝点マップを作成したが、本実施形態では、ウェーハ検査システム内でS402のあとに重複輝点マップを作成する。その後、特定欠陥検出システムにおいて、S301における輝点マップに替えて、重複輝点マップを取得する。そして、算出工程では、輝点マップに替えて、重複輝点マップを用いて欠陥密度比を算出する。このような方法でも、同様に特定欠陥を精度よく検出することができる。
【0059】
(実施形態5:特定欠陥の検出方法および検出システム)
これまではウェーハ検査システム600とは別の特定欠陥検出システム500を例として説明したが、特定欠陥検出システムを、ウェーハ検査システムを含めた1つのシステムとしてもよい。この場合、図3における取得部501は不要であり、特定欠陥検出システムは、欠陥検出部601、解析部602、記憶部502、算出部504および判定部505を含んで構成し、好ましくは演算部503を含む。この場合、解析部602で作成した輝点マップは、算出部504、記憶部502または演算部503に送られる。また、解析部602で重複輝点マップも作成する場合は、演算部503は不要となる。
【0060】
この場合の検出方法の工程としては、図1におけるステップS101を除き、ウェーハの表面に光を照射して該ウェーハの表面上の欠陥を輝点として検出する工程(ステップS201)と、検出された前記輝点の面内位置情報である輝点マップを作成する工程(ステップS202)と、該輝点マップにおいて、特定欠陥の発生が予想される領域である判定対象領域と、該判定対象領域以外の所定領域である参照領域とを特定し、前記判定対象領域における輝点密度の、前記参照領域における輝点密度に対する比を算出する工程(ステップS102)と、算出された前記比の値に基づいて、前記特定欠陥の発生の有無を判定する工程(ステップS103)とで構成することができる。また、図2におけるステップS301を除き、欠陥検出工程(S401)、輝点マップ作成工程(S402)のあと、重複輝点マップを作成し(ステップS302)、重複マップを用いて欠陥密度比を算出し(ステップS303)、特定欠陥の有無を判定することもできる(ステップS304)。
【0061】
(特定欠陥)
特定欠陥としては、既述の第1および第2の特定欠陥検出方法で説明したものが挙げられる。他にも、輝点マップ上に判定対象領域が設定可能な特定欠陥としては、例えばスライス工程後のウェーハ搬送装置のエッジクランプが破損している場合、ウェーハの端部の所定領域につく傷が挙げられる。しかし、本発明はこれらの特定欠陥に限定されることはなく、特定の原因によりウェーハ表面上の既知の特定位置に生じる欠陥であれば本発明を適用可能である。
【0062】
(プログラム)
本発明の目的は、前述した実施形態の工程を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムおよびプログラムコードを記憶した記憶媒体は、本発明を構成することになる。
【0063】
ここでプログラムコードを記憶する記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、CD−ROM、CD−R、DVD、光ディスク、光磁気ディスク、MOなどが考えられる。また、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)やWAN(ワイド・エリア・ネットワーク)などのコンピュータネットワークを、プログラムコードを供給するために用いることができる。
【0064】
以上、本発明を説明したが、これらは代表的な実施形態の例を示したものであって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明によれば、判定対象領域と参照領域とで輝点密度の比を算出し、この比に基づいて特定欠陥の発生の有無を判定するようにしたため、特定欠陥をより確実に検出することが可能となった。
【符号の説明】
【0066】
500 特定欠陥検出システム
501 取得部
502 記憶部
503 演算部
504 算出部
505 判定部
S 判定対象領域
T 参照領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハの表面に光を照射して該ウェーハの表面上の欠陥の位置に対応して検出される輝点の面内位置情報である輝点マップを取得する工程と、
前記輝点マップにおいて、特定欠陥の発生が予想される領域である判定対象領域と、該判定対象領域以外の所定領域である参照領域とを特定し、前記判定対象領域における輝点密度の、前記参照領域における輝点密度に対する比を算出する工程と、
算出された前記比の値に基づいて、前記特定欠陥の発生の有無を判定する工程と、
を有することを特徴とする特定欠陥の検出方法。
【請求項2】
前記判定工程は、算出された前記比の値が所定閾値以上であれば、前記特定欠陥があると判定する請求項1に記載の特定欠陥の検出方法。
【請求項3】
前記取得工程では、同一形状の複数枚のウェーハについて輝点マップを取得し、
前記算出工程では、前記輝点マップに替えて、前記複数枚のウェーハの輝点マップを重ね合わせた重複輝点マップを用いて前記比を算出する請求項1または2に記載の特定欠陥の検出方法。
【請求項4】
前記取得工程では、前記輝点マップに替えて、同一形状の複数枚のウェーハの輝点マップを重ね合わせた重複輝点マップを取得し、
前記算出工程では、前記輝点マップに替えて、前記重複輝点マップを用いて前記比を算出する請求項1または2に記載の特定欠陥の検出方法。
【請求項5】
前記取得工程では、同一形状の複数枚のウェーハについて輝点マップを取得し、
複数種の前記特定欠陥の発生の有無を判定するにあたり、
前記複数枚のウェーハのうち任意の1枚のウェーハの前記輝点マップを用いて前記算出工程を行う第1群の特定欠陥と、前記複数枚のウェーハの輝点マップを重ね合わせた重複輝点マップを用いて前記算出工程を行う第2群の特定欠陥とが、予め分類されている請求項1または2に記載の特定欠陥の検出方法。
【請求項6】
ウェーハの表面に光を照射して該ウェーハの表面上の欠陥の位置に対応して検出される輝点の面内位置情報である輝点マップを取得する取得部と、
前記輝点マップにおいて、特定欠陥の発生が予想される領域である判定対象領域と、該判定対象領域以外の所定領域である参照領域とを記憶する記憶部と、
前記輝点マップの前記判定対象領域における輝点密度の、前記参照領域における輝点密度に対する比を算出する算出部と、
算出された前記比の値に基づいて、前記特定欠陥の発生の有無を判定する判定部と、
を有することを特徴とする特定欠陥の検出システム。
【請求項7】
ウェーハの表面に光を照射して該ウェーハの表面上の欠陥を輝点として検出する工程と、
検出された前記輝点の面内位置情報である輝点マップを作成する工程と、
該輝点マップにおいて、特定欠陥の発生が予想される領域である判定対象領域と、該判定対象領域以外の所定領域である参照領域とを特定し、前記判定対象領域における輝点密度の、前記参照領域における輝点密度に対する比を算出する工程と、
算出された前記比の値に基づいて、前記特定欠陥の発生の有無を判定する工程と、
を有することを特徴とする特定欠陥の検出方法。
【請求項8】
同一形状の複数枚のウェーハの前記輝点マップを重ね合わせた重複輝点マップを作成する工程をさらに有し、
前記算出工程では、前記輝点マップに替えて、前記重複輝点マップを用いて前記比を算出する請求項7に記載の特定欠陥の検出方法。
【請求項9】
ウェーハの表面に光を照射して該ウェーハの表面上の欠陥を輝点として検出する検出部と、
該検出部からの出力に基づき、前記ウェーハの表面における輝点の面内位置情報である輝点マップを作成する解析部と、
前記輝点マップにおいて、特定欠陥の発生が予想される領域である判定対象領域と、該判定対象領域以外の所定領域である参照領域とを記憶する記憶部と、
前記輝点マップの前記判定対象領域における輝点密度の、前記参照領域における輝点密度に対する比を算出する算出部と、
算出された前記比の値に基づいて、前記特定欠陥の発生の有無を判定する判定部と、
を有することを特徴とする特定欠陥の検出システム。
【請求項10】
コンピュータに、請求項1〜5、7または8のいずれか1項に記載の特定欠陥の検出方法の各工程を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−211773(P2012−211773A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76376(P2011−76376)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(302006854)株式会社SUMCO (1,197)
【Fターム(参考)】