説明

画像形成装置

【課題】プロセスカートリッジ内の現像剤残量を光学的に検知する現像剤残量検知手段25と、中間転写体5に形成された画像を検知する画像検知手段70とを用いて、装置本体内にカートリッジ7が有るか無いかを検知する画像形成装置において、装置本体内にカートリッジが挿入されていないときにも、部品を追加することなく、カートリッジ有無検知の誤検知を防止して装置の信頼性を向上させる。
【解決手段】装置本体内にカートリッジの着脱のために設けられているガイド部材9が、前記現像剤残量検知手段25と、中間転写体5の間に設けられており、前記ガイド部材9の一部が現像剤残量検知手段の発光部27から出射される光線の光路の一部あるいは全部を中間転写体に対して遮蔽する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
より詳しくは、循環移動される中間転写体の移動方向に沿って複数のプロセスカートリッジを配設して記録媒体に画像を形成するタンデム型(インライン方式)の画像形成装置に関する。
【0003】
本発明において、画像形成装置には、電子写真画像形成装置、静電記録画像形成装置、磁気記録画像形成装置などが含まれる。
【0004】
電子写真画像形成装置は、像担持体として電子写真感光体を用い、これに電子写真画像形成プロセスを適用して静電潜像を形成し、記録媒体に画像を形成するものである。例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザービームプリンタなど)、電子写真ファクシミリ装置、及び、電子写真ワードプロセッサーなどが含まれる。
【0005】
静電記録画像形成装置は、像担持体として静電記録誘電体を用い、これに静電記録画像形成プロセスを適用して静電潜像を形成し、記録媒体に画像を形成するものである。
【0006】
また、磁気記録画像形成装置は、像担持体として磁気記録磁性体を用い、これに磁気記録画像形成プロセスを適用して磁気潜像を形成し、記録媒体に画像を形成するものである。
【0007】
また、プロセスカートリッジは、少なくとも、潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成された潜像を現像剤により現像する現像部材と、前記現像剤を収納するための現像剤収納部と、をカートリッジ化する。そして、これを画像形成装置の装置本体に対して着脱可能にしたものである。プロセスカートリッジ方式によれば、画像形成装置のメンテナンスをサービスマンによらず使用者自身で行うことができるので、格段各段に操作性を向上させることができる。装置本体とは、プロセスカートリッジ以外の画像形成装置部分である。
【背景技術】
【0008】
プロセスカートリッジの交換が行われる場合の一つには、プロセスカートリッジ内の現像剤(トナー)切れがある。この場合、予め現像剤残量情報を使用者に知らせてスムーズな交換を促すために、現像剤残量検知手段によりプロセスカートリッジ内の現像剤残量を検知することが行われている。
【0009】
具体的に、特許文献1には次のような構成が示されている。現像剤を収容する作像装置(プロセスカートリッジ)と、作像装置の対向側に配置され、光を発光する発光部及び光を受光する受光部を備える。そして、受光部における受光光量に応じた信号を出力し、作像装置に収容されている現像剤の残量を検出するためのセンサを備えている。
【0010】
一方、前記のように、中間転写体を用いた、タンデム型(インライン方式)の画像形成装置においては、中間転写体に形成した画像を検知する画像検知手段が配置されている。この画像検知手段は、各プロセスカートリッジの各色の相対的なずれを補正するために設けられている。即ち、画像形成装置の制御回路部は、プロセスカートリッジが新品に交換されたとき、一定枚数のプリントが完了しとき等のタイミングで、中間転写体上に補正用の画像(パッチ)を形成する。そして、その画像を画像検知手段で検知することによって各色の相対的なずれを補正する制御を行う。
【0011】
このような画像形成装置においては、装置本体内にプロセスカートリッジが有るか無いかを検知するプロセスカートリッジ有無検知手段として、前記現像剤残量検知手段と前記画像検知手段とを用いるものが特許文献2で知られている。このプロセスカートリッジ有無検知手段によれば、通常の使用状態で画像形成装置に必要な機構を用いているため、画像形成装置内のプロセスカートリッジの有無を検知するための特別な部品を追加する必要が無いといった利点がある。即ち、専用のプロセスカートリッジ有無検知手段を設けなくてもよい。
【特許文献1】特開2007−47413号公報
【特許文献2】特開2006−154519号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、現像剤残量検知手段と中間転写体の間にプロセスカートリッジが配置されている構成において、上記従来のプロセスカートリッジ有無検知手段では次のような問題が指摘されている。即ち、装置本体内にプロセスカートリッジが挿入されていない状態では、現像剤残量検知手段の発光部から発せられた光線が中間転写体に当たり、中間転写体表面で反射して現像剤残量検知手段の受光部に入ってしまう状態を生じる場合がある。そのために、制御回路部が装置本体内にプロセスカートリッジが有るという誤検知をしてしまうおそれがある。
【0013】
このような問題を発生させないためには、現像剤残量検知手段と中間転写体の間に部品を追加して現像剤残量検知手段の発光部からの光線が受光部に反射しないようにするという方法が一般的である。しかし、部品を追加するためにコストアップになってしまう。また、部品を追加するためのスペースが無く、スペースを確保するために装置の大型化を招いてしまう。
【0014】
そこで、本発明は、上記のように光学的な現像剤残量検知手段と画像検知手段とを用いて、装置本体内にプロセスカートリッジが有るか無いかを検知する画像形成装置における上記の問題を解消するものである。即ち、装置本体内にプロセスカートリッジが挿入されていないときにも、部品を追加することなく、プロセスカートリッジ有無検知の誤検知を防止して装置の信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、少なくとも、潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成された潜像を現像剤により現像する現像部材と、前記現像剤を収納するための現像剤収納部と、を有し、画像形成装置の装置本体に対して装置本体の装着部に配設されているガイド手段に案内されて着脱可能な複数のプロセスカートリッジと、前記プロセスカートリッジの像担持体に形成された現像像が一次転写される中間転写体と、前記中間転写体に形成された現像像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、前記複数のプロセスカートリッジごとに設けられていて、前記現像剤収納部の現像剤残量を光学的に検知する現像剤残量検知手段と、前記中間転写体に形成された現像像を検知する画像検知手段と、を有し、前記現像剤残量検知手段と前記画像検知手段とを用いて前記装置本体に対する前記プロセスカートリッジの有無検知を行う画像形成装置において、前記現像剤残量検知手段は、前記装置本体の側に配設されている検知ユニットと、前記プロセスカートリッジの側に配設されていて、前記プロセスカートリッジが装置本体に装着されている状態において前記検知ユニットに対向して位置する被検知ユニットと、を有し、前記検知ユニットは、光線がそれぞれ前記中間転写体に向かっている発光部と受光部とを有し、前記ガイド手段は少なくとも前記検知ユニットと前記中間転写体との間に位置しているガイド部材を有し、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着されていない状態において、前記ガイド部材の一部が前記発光部から出射される光線の光路の一部あるいは全部を前記中間転写体に対して遮蔽することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、装置本体内にプロセスカートリッジが挿入されていないときにも、部品を追加することなく、プロセスカートリッジ有無検知の誤検知を防止して装置の信頼性を向上させることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[実施例1]
《画像形成装置の全体的な概略構成》
図1は本実施例における画像形成装置100の概略の縦断正面図であり、画像形成動作状態時を示している。図2は図1の部分的な拡大図である。図3は装置本体100Aを開閉するためのドア(開閉部材)21が閉じ込まれている状態の画像形成装置100の外観斜視図である。図4はドア21が開かれて、第1のプロセスカートリッジ7aが装置本体100Aに対して挿入操作或いは引き出し操作されている状態を示している画像形成装置100の外観斜視図である。
【0018】
ここで、本実施例の画像形成装置100に関して、正面側又は手前側とは、ドア21を配設した側であり、プロセスカートリッジ(以下、カートリッジと記す)7の装着方向の上流側である。背面側又は奥側とは、その反対側であり、カートリッジ7の装着方向の下流側である。前後方向とは、背面側から正面側へ向う方向(前方向)と、その逆方向(後方向)である。左右とは、画像形成装置100を正面側から見て左又は右である。左右方向とは、右から左に向う方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。画像形成装置本体(以下、装置本体と記す)100Aとは、画像形成装置100の構成からカートリッジ7を除いた構成である。また、カートリッジ7又はその構成部材、あるいは装置本体側の構成部材に関して、長手方向とは、カートリッジ7が有する電子写真感光体ドラム(像担持体:以下、ドラムと記す)1の軸方向或いはその軸方向に平行な方向である。また、短手方向とは、ドラム1の軸方向と直交する方向である。カートリッジ7に関して、その長手方向において、装置本体100A側から駆動が伝達される側を駆動側と称し、その反対側を非駆動側と称する。
【0019】
本実施例の画像形成装置100は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザービームプリンタ(カラー画像形成装置)である。即ち、パソコン・イメージリーダ等の外部ホスト装置Bから制御回路部(制御手段:CPU)Aに入力する電気的画像信号に基づいてシート状の記録媒体S(用紙・OHPシート・ラベル等)に画像形成を行う。制御回路部Aは外部ホスト装置Bや操作部Cとの間で各種の電気的情報の授受をすると共に、画像形成装置100の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。
【0020】
この画像形成装置100は、複数のカートリッジ、本実施例の画像形成装置においては第1から第4の4個のカートリッジ7(7a・7b・7c・7d)を装置本体100Aに対して取り外し可能に装着して使用する方式である。各カートリッジ7は装置本体100Aのドア21を図4のように開いて装置本体100Aの正面側を開放することによってそれぞれ独立に装置本体内のカートリッジ装着部22(22a・22b・22c・22d)に対して着脱することができる。21aは前面ドア21に配設した把手部である。各カートリッジ装着部22は左側から右側にかけて、水平方向に配列されている。
【0021】
各カートリッジ装着部22には、それぞれ、カートリッジ7を装置本体100Aに着脱する際に案内するためのガイド手段(ガイド部材)として、前後方向に長い複数のガイドレールが配置されている。図1・図2には、その複数のガイドレールのうちの上側のガイドレール9(9a・9b・9c・9d)だけを示した。
【0022】
各カートリッジ7は互いに同様の電子写真プロセス機構を有している。本実施例の各カートリッジ7は、ドラム1及びこのドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ(帯電手段)2・クリーニング部材(クリーニング手段)41を有するクリーナユニット6と、現像ユニット(現像手段)4と、を有している。
【0023】
本実施例の画像形成装置においては、第1のカートリッジ7aは現像ユニット4のトナー収容室内にイエロー(Y)色の現像剤(以下、トナーと記す)が収容されている。第2のカートリッジ7bは現像ユニット4のトナー収容室内にマゼンタ(M)色のトナーが収容されている。第3のカートリッジ7cは現像ユニット4のトナー収容室内にシアン(C)色のトナーが収容されている。第4のカートリッジ7dは現像ユニット4のトナー収容室内にブラック(K)色のトナーが収容されている。
【0024】
画像形成可能な位置に装着されている各カートリッジ7には装置本体100A側から回転駆動力が伝達されてドラム1が矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。また、各カートリッジ7には装置本体100A側から所定のバイアス(帯電バイアス、現像バイアス等)が供給される。
【0025】
装置本体100A内において、各カートリッジ装着部22の下側(各カートリッジの鉛直下方)には、各カートリッジ7のドラム1に対する画像情報露光手段としてのレーザスキャナユニット3が配置されている。
【0026】
また、装置本体100A内において、カートリッジ装着部22の上側(各カートリッジの鉛直上方)には、中間転写ベルトユニット50が設けられている。このユニット50は、右側に配設した駆動ローラ10と、左側に配設したテンションローラ11と、この両ローラ間に懸回張設した中間転写体としての中間転写ベルト部材(以下、ベルトと記す)5と、を有する。また、ベルト5の内側には各カートリッジ7のドラム1に対向する第1から第4の4つの一次転写ローラ12(12a・12b・12c・12d)が回転軸線方向を前後方向にして並行に配設されている。各カートリッジ7が画像形成可能な位置に装着された状態において、各カートリッジ7のドラム1は上面部分が各一次転写ローラ12の位置においてベルト5の下行側ベルト部分の下面に接している。その接触部が一次転写部T1である。ベルト5は、下行側ベルト部分が各カートリッジ7のドラム1の上面部分に接触した状態で駆動ローラ10によって矢印Rの反時計方向にドラム1の回転速度に対応に対応した速度にて循環移動される。各一次転写ローラ12には所定の制御タイミングで所定の一次転写バイアスが印加される。駆動ローラ10のベルト屈曲部の外側には二次転写ローラ18が配設されている。ベルト5と二次転写ローラ18との接触部が二次転写部T2である。二次転写ローラ18には所定の制御タイミングで所定の二次転写バイアスが印加される。テンションローラ11のベルト屈曲部の外側には転写ベルトクリーニング装置23が配設されている。
【0027】
装置本体100Aの下部には、記録媒体給送装置13が配設されている。記録媒体給送装置13は、記録媒体(転写材)Sを収容した給送カセット24、給送ローラ91とリタードローラ91aとのローラ対を有する。また、装置本体100A内の右側において、記録媒体給送装置13から装置本体上方にかけて記録媒体搬送手段が設けられている。記録媒体搬送手段は、レジストローラ対17、搬送路15、二次転写部T2、定着ユニット(定着手段)14、排出ローラ対19で構成される。装置本体100Aの上面は排出トレイ20となっている。
【0028】
給送カセット24は装置本体100Aに対してフロントアクセスで出し入れされる。図3において、24aは給送カセット24に配設した把手部である。即ち、給送カセット24は図3の矢印Fのように装置本体100Aの手前側に引き抜くことができるように構成されている。使用者は給送カセット24を装置本体100Aから取り外して記録媒体Sを給送カセット内にセットする。その給送カセット24を矢印Gのように装置本体100A内に挿入することで記録媒体の補給が完了する。
【0029】
装置本体100Aの右側面側には手差し給送部51が設けられている。この手差し給送部51は装置本体100Aの右側面ドア52を開くことで、手差しトレイ(マルチ・パーパス・トレイ)53が引き出される。その手差しトレイ53上に記録媒体Sがセットされる。手差し給送モード時には、この手差しトレイ53上の記録媒体Sが給送ローラ54で繰り出され、分離給送部55で一枚分離されて、レジストローラ対17に搬送される。手差しトレイ53は不使用時には右側面ドア52を装置本体100Aに対して閉じ込むことにより装置本体100A内に格納される。52aは右側面ドア52に配設した把手部である。
【0030】
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。制御回路部Aはプリント開始信号に基づいて画像形成装置の画像形成動作を開始させる。即ち、画像形成タイミングに合わせて第1から第4の各カートリッジ7(7a・7b・7c・7d)のドラム1が矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。ベルト5も矢印Rの反時計方向(ドラムの回転に順方向)にドラム1の速度に対応した速度で回転駆動される。レーザスキャナユニット3も駆動される。この駆動に同期して、各カートリッジ7において、所定の帯電バイアスが印加された帯電ローラ2によりドラム1の表面が所定の極性・電位に均一に帯電される。レーザスキャナユニット3は各ドラム1の表面をY・M・C・Kの各色の画像情報信号に応じて変調されたレーザビームL(La・Lb・Lc・Ld)で走査露光する。レーザビームLは、それぞれ、レーザスキャナユニット3の上面板80に設けられている第1から第4の窓部81(81a・81b・81c・81d)から上向きに出射する。レーザスキャナユニット3から出力されたレーザビームLは対応するカートリッジ7内に、下側のレーザビーム入射開口部63から進入してドラム1の下面を照射する。これにより、各ドラム1の表面に対応色の画像情報信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像ユニット4が有する現像ローラ(現像部材)42によりトナー像(現像像)として現像される。
【0031】
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1のカートリッジ7aのドラム1にはフルカラー画像のイエロー成分に対応するY色トナー像が形成され、そのトナー像が該カートリッジ7aの一次転写部T1においてベルト5上に一次転写される。第2のカートリッジ7bのドラム1にはフルカラー画像のマゼンタ成分に対応するM色トナー像が形成され、そのトナー像が該カートリッジ7bの一次転写部T1においてベルト5上にすでに転写されているY色のトナー像に重畳されて一次転写される。第3のカートリッジ7cのドラム1にはフルカラー画像のシアン成分に対応するC色トナー像が形成され、そのトナー像が該カートリッジ7cの一次転写部T1においてベルト5上にすでに転写されているY色+M色のトナー像に重畳されて一次転写される。第4のカートリッジ7dのドラム1にはフルカラー画像のブラック成分に対応するK色トナー像が形成され、そのトナー像が該カートリッジ7dの一次転写部T1においてベルト5上にすでに転写されているY色+M色+C色のトナー像に重畳されて一次転写される。第1から第4の各一次転写ローラ12(12a・12b・12c・2d)には、所定の制御タイミングにて、トナーの帯電極性とは逆極性で所定電位の一次転写バイアスが印加される。
【0032】
このようにして、移動するベルト5上にY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着トナー像が合成形成される。この未定着トナー像はベルト5の引き続く回転により搬送されて二次転写部T2に至る。
【0033】
各カートリッジ7において、ベルト5に対するトナー像の一次転写後のドラム1の表面は一次転写残トナーがクリーニングユニット6が有するクリーニング部材(クリーニングブレード)41により拭掃除去されてクリーニングされ、次の作像工程に供される。除去されたとナーはクリーニングユニット6内の廃トナー容器に回収される。
【0034】
一方、給送カセット24内の記録媒体Sが所定の制御タイミングで給送ローラ91とリタードローラ91aによって1枚分給送されてレジストローラ対17へ搬送される。手差し給送モードである場合は、手差しトレイ53上の記録媒体Sが給送ローラ54で繰り出され、分離給送部55で一枚分離給送されて、レジストローラ対17へ搬送される。記録媒体Sは、レジストローラ対17によって所定の制御タイミングで搬送路15を通って二次転写部T2へ搬送される。二次転写ローラ18には、所定の制御タイミングにて、トナーの帯電極性とは逆極性で所定電位の二次転写バイアスが印加される。これにより、記録媒体Sが二次転写部T2を挟持搬送されていく過程において、ベルト5上の4色重畳のトナー像が記録媒体Sの面に順次に一括して二次転写される。二次転写部T2を出た記録媒体Sはベルト5から分離され、定着手段である定着ユニット14へ搬送されてトナー像が記録媒体S上に定着される。定着ユニット14を出た記録媒体Sは排出ローラ19によって排出トレイ20に排出される。
【0035】
定着ユニット14は、記録媒体S上に形成した画像に熱及び圧力を加えて定着させるものである。この定着ユニット14は円筒状の定着ベルト14aを有する。定着ベルト14aは、その内側に配設されていて、ヒータ等の発熱手段を接着したベルトガイド部材(不図示)にガイドされる。14bは弾性加圧ローラであり、定着ベルト14aを挟みベルトガイド部材と所定の圧接力をもって所定幅の定着ニップ部Nを形成している。加圧ローラ14bが駆動手段により回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト14aが回転し、内部ヒータにより定着ベルト14aは加熱される。定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態において、二次転写部T2から未定着トナー画像が形成された記録媒体Sが定着ニップ部Nに画像面が定着ベルト面に対向して導入される。そして、記録媒体Sは定着ニップ部Nにおいて画像面が定着ベルト14aの外面に密着して定着ベルト14aと一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この定着ニップ部Nを定着ベルト14aと一緒にシートSが挟持搬送されていく過程において定着ベルト14a内のヒータの熱で加熱され、記録媒体S上の未定着トナー画像が加熱定着される。画像定着された記録媒体Sは排紙ローラ対19によって排紙トレイ20に排出される。
【0036】
また、画像定着された記録媒体Sを排紙トレイ20に排紙せず、記録媒体Sの2面目に印字するための再循環搬送経路16に搬送して両面印字することもできる。
【0037】
記録媒体Sに対するトナー像の二次転写後にベルト5の表面に残留した二次転写残トナーは転写ベルトクリーニング装置23によりベルト表面から除去され、クリーニングされたベルト表面が次の作像工程に供される。転写ベルトクリーニング装置23によって除去されたトナーは、廃トナー搬送路(不図示)を通過し、装置奥面部に配置された廃トナー回収容器(不図示)へと搬送されて回収される。
【0038】
本実施例の画像形成装置においては、各カートリッジ7のドラム1は帯電ローラ2によって負極性の所定電位に帯電された後、レーザスキャナユニット3によってそれぞれ静電潜像が形成される。この静電潜像が現像ユニット4によって負の帯電極性のトナー(ネガトナー)によって反転現像されることでトナー画像として顕画化される。
【0039】
ここで、二次転写部T2よりもベルト回転方向の上流側に、ベルト5に対向させて、ベルト5の面に描いた画像を検知する画像検知手段70が配置されている。本実施例においては、画像を光学的に検知するイメージセンサを用いている。制御回路部Aは、各カートリッジ7a・7b・7c・7dの各色の相対的なずれを補正するために、カートリッジが新品に交換されたとき、一定枚数のプリントが完了しとき等のタイミングで、ベルト5上に補正用の画像(パッチ)を形成する。そして、その画像を画像検知手段70で検知することによって各色の相対的なずれを補正する制御を行う。
【0040】
《プロセスカートリッジ》
本実施例におけるプロセスカートリッジ7について図5及び図6を用いて説明する。第1から第4の各カートリッジ7(7a・7b・7c・7d)は、それぞれ、現像ユニット4のトナー収納室内に収納したトナーの色がY・M・C・Kと異なるだけで、いずれも同一構成である。図5の(a)はカートリッジ7を装着方向Kの手前側(非駆動側)から見た外観斜視図、(b)はカートリッジ7を装着方向Kの奥側(駆動側)から見た外観斜視図、(c)はカートリッジ7を現像ユニット4側から見た外観斜視図である。図6は装置本体100A内の画像形成可能な位置に装着されているカートリッジ7及びその周囲の部分的な拡大断面図である。
【0041】
カートリッジ7はドラム1の回転軸線方向O−Oを長手とするアセンブリであり、クリーニングユニット6と現像ユニット4とを有する。
【0042】
クリーニングユニット6は、ドラム1と、このドラム1に作用するプロセス手段のうち、現像手段を除く、プロセス手段の少なくとも1つを有する。本実施例では、ドラム1と、及びこのドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ(帯電手段)2・クリーニング部材(クリーニング手段)41を有する。クリーニングユニット6のクリーニング枠体43には、ドラム1が手前側と奥側の軸受け部材(フランジ)44・45を介して回転自在に取り付けられている。ドラム1は、例えば、アルミニウム製シリンダの外周面に有機光導電体(OPC)を塗布して構成したものである。ドラム1の周上には帯電ローラ(導電性ローラ)2、クリーニング部材(クリーニングブレード)41が配置されている。帯電ローラ2はドラム1に対して所定の押圧力で接触が保たれていて、ドラム1の回転に従動して回転する。クリーニング部材41はドラム1に対して所定の押圧力で接触が保たれている。クリーニング部材41によってドラム1の表面から除去された残留トナーは除去トナー室43aに落下する。クリーニング枠体43のカートリッジ装着方向から見て奥側の端部には駆動入力カップリング(駆動受け部)46が設けられている。
【0043】
現像ユニット4はドラムに形成された静電潜像をトナー像として現像するための現像手段のユニットである。現像ユニット4の現像枠体47には、現像剤であるトナー(不図示)を収容するトナー収容室(現像剤収納部・現像剤容器)47aと、ドラム1と接触して矢印H方向に回転する現像ローラ42が配置された現像室47bとが設けられている。現像室47bは、トナー収容室47aに対して上方に配置されていて、トナー収容室47aと現像室47bとは、トナー収容室47aの上方に位置した開口部47cにて連通している。現像ローラ42の周上には、現像ローラ42に接触して矢印Iの方向に回転する現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ48が配置されている。
【0044】
トナー収容室47aには、収容されたトナーを攪拌するとともに、現像室47bのトナー供給ローラ48に対して開口部47cを通してトナーを送るために、回転自在に支持されたトナー攪拌部材61が設けられている。トナー攪拌部材61は軸部材61aと、一端がこの軸部材61aに取り付けられた、トナーの攪拌と搬送を行うための可撓性の樹脂製攪拌シート61bで構成されている。トナー攪拌部材61は画像形成動作に応じて矢印M方向に所定の速度で回転駆動される。
【0045】
また、各カートリッジ7のトナー収容室47aの外壁面47dには、後述する第1から第4の現像剤残量検知手段25(25a・25b・25c・25d)を構成する被検知ユニット30(30a・30b・30c・30d)が配設されている。
【0046】
現像ユニット4の現像枠体47はクリーニングユニット6のクリーニング枠体43に対して支軸62を中心に回動自在に結合されている。そして、カートリッジ7の画像形成時においては、現像ユニット4は、クリーニングユニット6との間に設けられた加圧バネ(不図示)の突っ張り力により支軸62を中心に現像ローラ42がドラム1に当接する方向に回動付勢される。これにより、現像ローラ42がドラム1に所定の押圧力で当接した状態に保持される。非画像形成時には、現像ユニット4は、加圧バネに抗して支軸62を中心に現像ローラ42がドラム1から離間する方向に回動された状態に保持されるようにされている(現像ユニット4のドラム1へ当接、離間動作)。クリーニングユニット6と現像ユニット4との間の隙間部分がレーザビーム入射開口部としてのスリット開口部63である。
【0047】
カートリッジ7は、装置本体100Aの装着部22に所定に挿入されて画像形成可能な位置に装着されている位置決め状態において、ドラム1の上面がベルト5の下行側ベルト部分の下面に接触していて、一次転写部T1が形成されている。また、駆動入力カップリング46に対して装置本体100A側の駆動出力カップリング(駆動出力部:不図示)が結合している。駆動出力カップリングから駆動入力カップリング46に駆動力が伝達されることにより、画像形成動作に応じて、ドラム1、現像ローラ42、トナー供給ローラ48、トナー攪拌部材61がそれぞれ所定の速度で所定の回転方向に回転駆動される。また、カートリッジ7側の入力電気接点(不図示)に対して装置本体100A側の出力電気接点(不図示)が電気的に接続している。出力電気接点から入力電気接点に所定のバイアスが印加されることにより、画像形成動作に応じて、帯電ローラ2と現像ローラ42との所定の帯電バイアスと現像バイアスが印加される。また、レーザビーム入射開口部としてのスリット開口部63が、レーザスキャナユニット3の上面板80の設けられたレーザ出射窓部81(81a・81b・81c・81d)に対応している。レーザスキャナユニット3から出力されたレーザビームL(La・Lb・Lc・Ld)はカートリッジ7内に下側のスリット開口部63から進入してドラム1の下面を照射する。
【0048】
《プロセスカートリッジ交換方式》
装置本体100Aに装着されている各カートリッジ7は、画像形成に使用されるにつれて、それぞれ、現像ユニット4のトナー収容室47aに収容されているトナーが消費される。そこで、個々のカートリッジ7のトナー残量を光学的に検知する第1から第4の現像剤残量検知手段25(25a・25b・25c・25d)を設ける。そして、制御回路部Aにおいて、現像剤残量検知手段25で検知した残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。前記残量値が前記閾値よりも少ない残量値までトナーが減少したカートリッジについては、操作部Cの表示部に、そのカートリッジについての寿命予告或いは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用のカートリッジの準備を促す、或いはカートリッジの交換を促して、出力画像の品質を維持している。
【0049】
本実施例の画像形成装置100において、各カートリッジ7の交換は、装置本体100Aの開閉部材であるドア21を図4のように開いてフロントアクセスにより行う方式である。装置本体100Aの骨格となる手前側フレームには、カートリッジ7の着脱を行うためにカートリッジを通過させる開口部60が設けられている。即ち、装置本体100A内のカートリッジ装着部22(22a・22b・22c・22d)内へカートリッジ7を挿入させる、及び、カートリッジ装着部22からカートリッジ7を取り出すための開口部が設けられている。
【0050】
ドア21は、その開口部60を覆って閉じる閉鎖位置と、開口部60を開放する開放位置との間を移動可能に装置本体100Aに配設されている。ドア21が開かれると、その開き動作に連動する連動機構(不図示)により、装置本体100A内の各カートリッジ7が、画像形成可能な位置決め状態(第1状態)から、装置本体100Aに対して着脱可能な非位置決め状態(第2状態)にされる。上記第1状態から第2状態への転換はカートリッジ7が所定に下降移動されることでなされる。そこで、交換すべきカートリッジ7をカートリッジ装着部のガイドレールに沿ってスライドさせながら矢印Jの手前側方向に引いて装置本体100Aの外側に取り出す。そして、新しいカートリッジ7を、駆動側を先にして開口部60から装置本体100A内に挿入し、カートリッジ装着部のガイドレールに係合させ、矢印Kの奥側方向に所定に十分に押し込む。交換すべきカートリッジ7の全てを新旧交換した後にドア21を閉じ込む。このドア21の閉じ動作に連動する連動機構により、装置本体100A内の各カートリッジ装着部22の各カートリッジ7が、装置本体100Aに対して着脱可能な非位置決め状態(第2状態)から画像形成可能な位置決め状態(第1状態)にされる。上記第2状態から第1状態への転換はカートリッジ7が所定に上昇移動されることでなされる。
【0051】
《現像剤残量検知手段》
各カートリッジ7の現像ユニット4に収容されるトナーの残量(現像剤残量)を光学的に検知する光透過式の、第1から第4の現像剤残量検知手段25について主として図7乃至図9を参照して説明する。
【0052】
図7は現像剤残量検知手段25の部分の斜視図である。図8は現像剤残量検知手段25の部分の切欠き斜視図である。図9の(a)は被検知ユニットの光透過部材の上面図、(b)は(a)における(b)−(b)線視図、(c)は(a)における(c)−(c)線視図である。
【0053】
第1から第4の現像剤残量検知手段25(25a・25b・25c・25d)は、それぞれ、検知ユニット8(8a・8b・8c・8d)と、被検知ユニット30(30a・30b・30c・30d)を有する。
【0054】
検知ユニット8は、保持部材29によって保持させた、光を発光する発光部(例えばLED)27及び発光部27からの光を受光する受光部(受光センサ:例えばフォトトランジスタ)28を有する。この検知ユニット8は装置本体100A側のユニットとして、レーザスキャナユニット3の上面板80に対して上向きの姿勢で取り付けられている。
【0055】
被検知ユニット30はカートリッジ7側のユニットとして、カートリッジ7のトナー収容室47aの外壁面47dに配設されている。このユニット30は、カートリッジ7が装置本体100Aに対して画像形成可能な位置決め状態に装着され、かつ現像ローラ42がドラム1へ当接している状態において、装置本体100A側の検知ユニット8の上側に所定に対応して位置する。これにより、検知ユニット8と被検知ユニット30とにより現像剤残量検知手段25が構成される。
【0056】
被検知ユニット30には、第1と第2の一対の光透過部材31・32が、現像ローラ42の長手方向に沿って対向して縦向きに配置されている。第1と第2の光透過部材31・32は支持部材33を介してトナー収容室47aの壁面47dに対して取り付けられている。第1の光透過部材31は光出射部である透過窓31aを有する。第2の光透過部材32は光入射部である透過窓32aを有する。この2つの透過窓31a・32aは現像ユニット4のトナー収容室47a内に突出している。
【0057】
第1の光透過部材31は、上記の透過窓31aと、ライトガイド31bとが一体化されている。ライトガイド31bは、装置本体100A側である検知ユニット8の発光部27から上向に出射された検出光N(N1)をトナー収容室47aの内部に導く部材である。
【0058】
第2の光透過部材32は、上記の透過窓32aと、ライトガイド32bとが一体化されている。ライトガイド32bは、トナー収容室47aの内部を透過した検出光N(N2)を装置本体100A側である検知ユニット8の上向の受光部28へ導く部材である。
【0059】
また、第1の光透過部材31の透過窓31aの光出射面31dが、第2の光透過部材32の透過窓32aの光入射面32dに対向するようになっている。また、第1の光透過部材31のライトガイド31bには発光部27から入射した光が光出射面31dに導かれるように反射面31cが設けられている。また、第2の光透過部材32のライトガイド32bには、透過窓32aの光入射面32dから入射した光Nが受光部28に導かれるように反射面32cが設けられている。
【0060】
これにより、発光部27から、第1の光透過部材31側のライトガイド31bの下向き面31e→ライトガイド31b→反射面31c→透過窓31aの光出射面31dに至る光路が形成される。更に、第1の光透過部材31側の透過窓31aの光出射面31dから、第2の光透過部材32側の透過窓32aの光入射面32d→反射面32c→ライトガイド32b→ライトガイド31bの下向き面32e→受光部28に至る光路が形成される。
【0061】
なお、図7において、34は第1と第2の光透過部材31・32のライトガイド31b・32bに被せて配設した防護カバーである。図8・図9ではこの防護カバー34を除いてある。
【0062】
トナー収納室47a内のトナーは、トナー攪拌部材61が画像形成動作に応じて矢印M方向に所定の速度で回転駆動されることで、トナー収納室47aの横断面において内壁面に沿って持ち上げられながら攪拌・搬送される。そして、その攪拌・搬送されるトナーの一部が開口部47cから現像室47bに送り込まれて画像形成に使用される。トナー収容室47aに収容されているトナーは現像室47bに逐次に送られて画像形成に使用されるにつれて減少していく。
【0063】
一方、被検知ユニット30において、トナー収納室47a内に突出している透過窓31a・32a間にトナーが介在しているときには発光部27から発光された検出光Nが遮断されて、受光部28では検出光Nが受光されなくなる。また、透過窓31a・32a間にトナーが介在していないときには発光部27から発光された検出光Nが遮断されることなく受光部28に受光される。透過窓31a・32a間にトナーが介在した状態と介在していない状態は、画像形成動作に応じたトナー攪拌部材61の回転に伴うトナーの流動により交互に生じる。そして、トナー収納室47aのトナーの量が減少していくにつれて、検出光Nの遮光時間は短くなっていき、逆に、検出光Nの透過時間は長くなっていく現象を生じる。
【0064】
制御回路部Aは、このようにトナー攪拌部材61の回転に伴うトナーの流動により受光部28で検知される遮光時間と透過時間がトナーの量によって変化することを利用して、トナー収納室47a内のトナー残量を推定する。そして、その推定トナー残量と所定の閾値とを対比して、操作部Cの表示部に、そのカートリッジについての寿命予告或いは寿命警告を表示する。
【0065】
《プロセスカートリッジ有無検知手段》
次に、前述した光学的な現像剤残量検知手段25(25a・25b・25c・25d)と画像検知手段19とを利用したプロセスカートリッジ7(7a・7b・7c・7d)の有無検知構成を図10のフローチャートを用いて説明する。
【0066】
このカートリッジ7の有無検知は、装置本体100Aにカートリッジ7が装着されているか否かを、専用の有無検知手段を配設することなしに、現像剤残量検知手段25と画像検知手段19とを利用して制御回路部Aが行うものである。
【0067】
制御回路部Aは、電源投入時等の所定の制御タイミング時において、図10のフローチャートに示すCRG有り無し検知の制御シーケンスを実行する。本実施例の画像形成装置においては第1から第4の4つのカートリッジ7a・7b・7c・7dを有するから、図10のCRG有り無し検知の制御シーケンスは、個々のカートリッジ7a・7b・7c・7dについて同時的にあるいは順次に実行する。
【0068】
1)制御回路部Aは、カートリッジ7についての現像剤残量検知手段25によるトナー残量検知を行う。そして、その現像剤残量検知手段25の発光部27から発せられた光を受光部28が検知したら(ステップS1のYes)、カートリッジ7が装置本体100A内に有ると判定する(ステップ6)。
【0069】
ここで、ステップS1において、発光部27から発せられた光を受光部28が検知しない状態としては、次のような状態が考えられる。カートリッジ7のトナー収容室47a内にトナーが十分量存在しているために、トナー攪拌部材61が回転しても、光出射面31dと光入射面32dとの間の光路がトナーで遮光された状態のままで保持されている。カートリッジ7が装着されていないために、発光部27から発せられた光が上方に抜けて、受光部28には入射しない。
【0070】
2)制御回路部Aは、発光部27から発せられた光を受光部28が検知しなかった場合には(ステップS1のNo)、CRG有り無し検知すべきカートリッジによりベルト5上に判定用の画像(パッチ)を形成するパッチ形成動作を実行する(ステップS2)。そして、画像検知手段19によって、その画像を検知できた場合には(ステップS3のYes)、カートリッジ7が装置本体100A内に有ると判定する(ステップ6)。
【0071】
3)制御回路部Aは、画像検知手段19によって画像を検知できなかった場合には(ステップS3のNo)、現像剤残量検知手段25による2回目のトナー残量検知を行う(ステップS4)。そして、その現像剤残量検知手段25の発光部27から発せられた光を受光部28が検知したら(ステップS4のYes)、カートリッジ7が装置画像形成装置100A内に有ると判定する(ステップ6)。
【0072】
4)制御回路部Aは、2回目のトナー残量検知においても、発光部27から発せられた光を受光部28が検知しなかった場合には(ステップS4のNo)、カートリッジ7が装置本体100A内に装着されていない判定する(ステップ5:CRT無し)。
【0073】
5)制御回路部Aは、CRT無しと判定したカートリッジについて操作部Cの表示部にその旨の表示をするとともに、画像形成装置100の画像形成動作の実行を禁止する。
【0074】
しかしながら、装置本体100A内にカートリッジ7が入っていないときには、図11の(a)で示すように、検知ユニット8の発光部27から発せられた光40aは上方のベルト5まで到達してしまう。また、光40aは拡散していく。ベルト5に到達した光40aは、ベルト5の表面で反射する。ベルト5で反射した光40bは、図11の(b)で示すように、検知ユニット8の受光部28まで戻り、受光部28は光量を検知する。そのため、このような状態では、装置本体100A内にカートリッジ7が入っていないにもかかわらず、入っているという誤検知をしてしまう可能性がある。即ち、図10のステップS1やステップS4において、装置本体100A内にカートリッジ7が入っていないにもかかわらず、入っているという誤検知をしてしまう可能性がある。
【0075】
ステップS1やステップS4において、上記のような誤検知を防ぐ方法を説明する。図12のように、カートリッジ7を装置本体100Aの内部に挿脱する際に案内するためのガイド手段であるガイドレール、本例では上側のガイドレール9(9a・9b・9c・9d)の一部は、検知ユニット8とベルト5の間に位置している。そして、このガイドレール9が、検知ユニット8の発光部27から上向に出射される光線の光路51の一部あるいは全部をベルト5に対して遮蔽する位置に配置されている。92はガイドレール9のベルト5に対する光遮蔽面(光線を遮蔽する部位)である。
【0076】
これによって、装置本体100A内にカートリッジ7が入っていないときにも、検知ユニット8の発光部27から発せられた光がベルト5の面を反射して受光部28に入ることが無くなるため、前記の誤検知を防止できる。
【0077】
以上説明したように、部品を追加すること無く、カートリッジ7が装置本体100A内に挿入されていない状態のときにも、カートリッジ7が装置本体100A内に有ると誤検知することが無い。従って、精度の高い、信頼性のあるカートリッジ有無検知手段を備えた画像形成装置を提供することが出来る。
【0078】
[実施例2]
本実施例は、図13で示すように、ガイドレール9の遮蔽面92は、遮蔽した光が反射して検知ユニット8の受光部28に入るのを防ぐため、光路51に対して画像形成装置の水平方向に角度αを持っている。即ちガイドレール9の光線を遮蔽する部位92は、発光部27から発せられた光線51を反射させた反射光線51aが、検知ユニット8の受光部28にいかないような角度αを持っている。
【0079】
これによって、装置本体100A内にカートリッジ7が入っていないときにも、検知ユニット8の発光部27から発せられた光がベルト5の面を反射して受光部28に入ることが無くなる。また、発光部27から発せられた光がガイドレール9の遮蔽面92を反射して受光部28に入ることも無くなる。そのため、前記の誤検知を防止できる。従って、更に信頼性の高いプロセスカートリッジ有無検知手段を備えた画像形成装置を提供することが出来る。
【0080】
[実施例3]
本実施例は、実施例1又は実施例2において、ガイドレール9の前記光線を遮蔽する部位92は、ガイドレール9の他の部位に対し表面反射率を低下させる処理が施されていることを特徴とする。
【0081】
即ち、図14で示すように、検知ユニット8の発光部27から発せられた光40を遮蔽する位置に配置されているガイドレール9の少なくとも光遮蔽面92には、ガイドレール9の他の部分と比べて、表面反射率を低下させる表面処理93を施している。
【0082】
表面反射を低下させる処理93は、例えばサンドブラストなどで表面を粗面にする、黒色メッキを施す、黒色塗装を施す、シボ面を成型する、反射防止シートを貼り付けるなどが挙げられる。
【0083】
このような表面処理93を施した光遮蔽面92は、板金材や成型品の表面反射率が処理前に比べ約1/2から1/3程度下がる。このようにして反射光量を下げ、受光部28が光の検知を判断するスライスレベルよりも取り込まれる光量を低くすれば、受光部28に反射光が戻って誤検知してしまうことが無くなる。
【0084】
光遮蔽面92の角度を、実施例2のように、発光部27から発せられた光を受光部28に反射させない角度αにできない制約がある場合において、このような手段が有効となる。
【0085】
従って、ガイドレール9の光遮蔽面92を受光部28に光が反射しない角度にすることができないときでも、発光部27から発せられた光が光遮蔽面92に反射して受光部28に入ることを防ぐことができる。
【0086】
また、実施例2のようにガイドレール9の光遮蔽面92を発光部27から発せられる光を受光部28に反射しない角度αにする。そして、これに更に本実施例3の表面処理93を加えて用いると、光遮蔽面92を反射した光が周辺部品に反射し作像部に照射されてしまう可能性を低くすることができるので、より信頼性の高い画像形成装置を提供することができる。
【0087】
以上、電子写真画像形成装置を例にして説明したが、本発明は、静電記録画像形成装置や磁気記録画像形成装置にも適用して同様の効果が得られることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】実施例1における画像形成装置の概略の縦断正面図であり、画像形成動作状態時を示している。
【図2】図1の部分的な拡大図である。
【図3】装置本体を開閉するためのドアが閉じ込まれている状態の画像形成装置の外観斜視図である。
【図4】ドアが開かれて、第1のプロセスカートリッジが装置本体に対して挿入操作或いは引き出し操作されている状態を示している画像形成装置の外観斜視図である。
【図5】(a)はプロセスカートリッジを装着方向の手前側(非駆動側)から見た外観斜視図、(b)はプロセスカートリッジを装着方向の奥側(駆動側)から見た外観斜視図、(c)はプロセスカートリッジを現像ユニット側から見た外観斜視図である。
【図6】装置本体内の画像形成可能な位置に装着されているプロセスカートリッジ及びその周囲の部分的な拡大断面図である。
【図7】現像剤残量検知手段の部分の斜視図である。
【図8】現像剤残量検知手段の部分の切欠き斜視図である。
【図9】(a)は被検知ユニットの光透過部材の上面図、(b)は(a)における(b)−(b)線視図、(c)は(a)における(c)−(c)線視図である。
【図10】プロセスカートリッジ有り無し検知制御シーケンスの動作フローチャートである。
【図11】プロセスカートリッジ有無検知の誤検知を生じる場合の説明図である。
【図12】誤検知防止構成の説明図である。
【図13】実施例2における誤検知防止構成の説明図である。
【図14】実施例3における誤検知防止構成の説明図である。
【符号の説明】
【0089】
1・・像担持体、5・・中間転写体、7(7a・7b・7c・7d)・・プロセスカートリッジ、8(8a・8b・8c・8d)・・検知ユニット、9(9a・9b・9c・9d)・・プロセスカートリッジガイド手段(ガイド部材)、18・・二次転写手段、22(22a・22b・22c・22d)・・プロセスカートリッジ装着部、25(25a・25b・25c・25d)・・現像剤残量検知手段、27・・発光部、28・・受光部、30(30a・30b・30c・30d)・・被検知ユニット、42・・現像部材、47a・・現像剤収納部、51・・光線、70・・画像検知手段、92・・光線遮蔽部位、93・・表面反射率を低下させる処理部、100・・画像形成装置、100A・・装置本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成された潜像を現像剤により現像する現像部材と、前記現像剤を収納するための現像剤収納部と、を有し、画像形成装置の装置本体に対して、装置本体の装着部に配設されているガイド手段に案内されて着脱可能な複数のプロセスカートリッジと、
前記プロセスカートリッジの像担持体に形成された現像像が一次転写される中間転写体と、
前記中間転写体に形成された現像像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、
前記複数のプロセスカートリッジごとに設けられていて、前記現像剤収納部の現像剤残量を光学的に検知する現像剤残量検知手段と、
前記中間転写体に形成された現像像を検知する画像検知手段と、
を有し、前記現像剤残量検知手段と前記画像検知手段とを用いて前記装置本体に対する前記プロセスカートリッジの有無検知を行う画像形成装置において、
前記現像剤残量検知手段は、前記装置本体の側に配設されている検知ユニットと、前記プロセスカートリッジの側に配設されていて、前記プロセスカートリッジが装置本体に装着されている状態において前記検知ユニットに対向して位置する被検知ユニットと、を有し、
前記検知ユニットは、光線がそれぞれ前記中間転写体に向かっている発光部と受光部とを有し、
前記ガイド手段は少なくとも前記検知ユニットと前記中間転写体との間に位置しているガイド部材を有し、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着されていない状態において、前記ガイド部材の一部が前記発光部から出射される光線の光路の一部あるいは全部を前記中間転写体に対して遮蔽することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ガイド部材の前記光線を遮蔽する部位は、前記発光部から発せられた光線を反射させた反射光線が、前記受光部にいかないような角度を持っていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ガイド部材の前記光線を遮蔽する部位は、前記ガイド部材の他の部位に対し表面反射率を低下させる処理が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図10】
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【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−91667(P2010−91667A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259610(P2008−259610)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】