説明

発光ユニット

【課題】より簡便な構成で、信頼性のより高い発光ユニットを提供する。
【解決手段】一端10a側に設けられた光学レンズ部1aと他端10b側に設けられた窪み部1bとを備え透光性材料により一体に形成されたユニットボディ1と、該ユニットボディ1の窪み部1b内に収納され光学レンズ部1aを介して光を放出させる固体発光素子たるLED2を備えた実装基板3と、LED2と電気的に接続され窪み部1b内から導出された電線4と、ユニットボディ1の窪み部1b内に収納された実装基板3と電線4の一部とを窪み部1b内に封止する封止樹脂部5とを有する発光ユニット10であって、封止樹脂部5は、他端10b側から実装基板3側に向かって落ち窪んだ複数個の凹部5a,5bを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、看板、サインや標識用の光源などに用いることが可能な発光ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、看板、サインや標識を発光表示させるため、たとえば、広告用の文字やロゴなどの形状をした取付パネルに複数個の発光ユニットを取り付けた発光装置を備え、各発光ユニットからの光で取付パネル全体を照射などさせることが行われている。
【0003】
この種の発光装置に用いられる発光ユニットとして、たとえば、図6(a)に示すように、一端側に透光性材料よりなる光学レンズ部51aを備え、内部に光学レンズ部51aを介して光を放出する固体発光素子52が実装された実装基板53と、固体発光素子52と電気的に接続された給電用の電線54(図6(b)を参照)の一部とを、弾性を有し且つ耐食性および耐熱性に優れた白色の合成樹脂でモールドしたユニットボディ51内に収納したものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。なお、固体発光素子52は、固体発光素子52のパッケージ本体52bの収納凹所52ba内に電線54と図示していない接合部などを介して電気的に接続されるLEDチップ52aを備えている。また、発光ユニット510は、図示していない取付パネルに発光ユニット510を取り付けることができるように、取付パネルの結合孔に係止する係止爪43aが先端部に形成された取付脚43を発光ユニット510のユニットボディ51に備えている。また、発光ユニット510は、ユニットボディ51と電線54との隙間が生ずることを抑制するブッシング部41(図6(b)を参照)を備えている。この発光装置500は、上述の筐体内に配置させる代わりに、各発光ユニット510を広告用の文字やロゴに合わせた所定の形状の取付パネルに取付させて発光させることができる。
【0004】
このような発光ユニット510を複数個備えた発光装置500は、図6(b)に示すように、電源ユニット526からの電力により各発光ユニット510の固体発光素子52をそれぞれ発光させることにより、ネオン管などの光源と比較して寿命が長く、交換を行う頻度を少なくすることができる。また、発光装置500は、各発光ユニット510を取付パネルの形状に合わせて比較的自由に所定の形状に配置させることができるため、施行も容易なことから普及し始めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−33270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述の発光ユニット510では、屋外で外部からの水分の浸入などを抑制するため、光学レンズ部51aの一部、固体発光素子52が実装された実装基板53および電線54の一部をモールドしたポリエステルなどの合成樹脂からなるユニットボディ51で封止している。発光ユニット510のユニットボディ51全体を合成樹脂のモールドにより封止して形成する場合、発光ユニット510は、一般に、熱硬化性のポリエステルなどの合成樹脂が金属材料のように放熱性に優れたものではなく、合成樹脂の量も多いことから、ユニットボディ51の形成に時間がかかる傾向にある。
【0007】
そこで、発光ユニットは、一端側に設けられた光学レンズ部と他端側に設けられた窪み部とを備え透光性材料により予め一体に形成されたユニットボディと、該ユニットボディの窪み部内に固体発光素子や電線の一部を配置し、窪み部内を合成樹脂からなる樹脂材料で封止した封止樹脂部を設けた構成とすることが考えられる。すなわち、発光ユニットは、光学レンズ部に固体発光素子と電線の一部を収納するユニットボディの機能の一部を持たせた構成としている。これにより、発光ユニットは、光学レンズ部とユニットボディとが一体に形成されることになるので、簡便な構成で、外部からの水分の浸入などを抑制するための封止樹脂部を形成する樹脂材料の使用量を少なくさせることが可能となる。
【0008】
しかしながら、発光ユニットは、光学レンズ部が固体発光素子からの光を効率よく透過させる必要があり、光学レンズ部に使用される透光性材料に制限がある。そのため、光学レンズ部と一体に形成されるユニットボディに使用される透光性材料の選択肢が少ない。また、発光ユニットは、光学レンズ部と一体に形成されたユニットボディの窪み部を封止する封止樹脂部に気密性や接着性などが求められる。そのため、発光ユニットは、ユニットボディに透光性材料として樹脂材料を用いて形成する場合でも、ユニットボディの樹脂材料と、窪み部内を封止する封止樹脂部の樹脂材料とは、熱膨張係数が異なる材料から構成されることになる。
【0009】
ここで、発光ユニットは、固体発光素子の発光に伴い発熱し、発光ユニットのユニットボディの窪み部を封止する封止樹脂部が熱膨張・熱収縮する場合がある。そのため、発光ユニットには、光学レンズ部と一体的に形成されたユニットボディと比較して柔らかい封止樹脂部がユニットボディに規定され、封止樹脂部に変形が生ずる恐れがある。
【0010】
特に、発光ユニットは、固体発光素子の高出力化に伴い固体発光素子の発熱量が大きくなる傾向にある。そのため、発光ユニットは、固体発光素子の発光時の発熱に伴う封止樹脂部の熱膨張や固定発光素子の消灯時における封止樹脂部の冷却に伴う熱収縮により、封止樹脂部の変形がより大きくなる恐れがある。
【0011】
発光ユニットは、封止樹脂部の変形が内部に収納する実装基板を変位させることなどにより、固体発光素子から光学レンズ部を介して放射される光の光利用効率の低下や配光特性の変化を生じさせる恐れがある。また、発光ユニットは、封止樹脂部の変形により防水性が低下して、ユニットボディと、封止樹脂部との界面から水分が浸入する恐れも考えられる。
【0012】
したがって、より簡便な構成で、信頼性のより高い発光ユニットが求められる現在においては、上述の発光ユニットの構成だけでは十分ではなく、更なる改良が求められている。
【0013】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、より簡便な構成で、信頼性のより高い発光ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の発光ユニットは、一端側に設けられた光学レンズ部と他端側に設けられた窪み部とを備え透光性材料により一体に形成されたユニットボディと、該ユニットボディの上記窪み部内に収納され上記光学レンズ部を介して光を放出させる固体発光素子を備えた実装基板と、上記固体発光素子と電気的に接続され上記窪み部内から導出された電線と、上記ユニットボディの上記窪み部内に収納された上記実装基板と上記電線の一部とを上記窪み部内に封止する封止樹脂部とを有する発光ユニットであって、上記封止樹脂部は、上記他端側から上記実装基板側に向かって落ち窪んだ複数個の凹部を有することを特徴とする。
【0015】
この発光ユニットにおいて、上記ユニットボディは、上記封止樹脂部の成形時に上記封止樹脂部となる樹脂材料を上記窪み部内に注入する一対のゲート部が、上記窪み部を介して互いに対向する上記ユニットボディの側壁に備えられており、複数個の上記凹部は、上記他端側において、一対の上記ゲート部を結ぶ直線を対称軸として、線対称に設けてなることが好ましい。
【0016】
この発光ユニットにおいて、上記凹部は、開口形状が円形となる柱状の空洞であることが好ましい。
【0017】
この発光ユニットにおいて、上記封止樹脂部は、熱可塑性のホットメルト材料からなることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の発光ユニットは、より簡便な構成で、信頼性のより高い発光ユニットを提供できるという顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態の発光ユニットを示し、(a)は概略断面図、(b)は概略斜視図、(c)は概略下面図である。
【図2】同上における発光ユニットを備えた発光装置を示す概略説明図である。
【図3】同上における発光ユニットの主要製造工程を示す概略断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、同上における別の発光ユニットの要部を示す概略下面図である。
【図5】同上における発光ユニットの主要製造工程における要部の温度降下を示すグラフである。
【図6】従来例を示し、(a)は発光ユニットの概略断面図、(b)は発光ユニットを備えた発光装置の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本実施形態の発光ユニット10について図1ないし図5を参照しながら説明する。なお、各図において、同様の構成要素に対しては、同じ番号を付して重複する説明を省略している。
【0021】
本実施形態の発光ユニット10は、図1に示すように、一端10a側に設けられた光学レンズ部1aと他端10b側に設けられた窪み部1bとを備え透光性材料により一体的に形成されたユニットボディ1と、該ユニットボディ1の窪み部1b内に収容され光学レンズ部1aを介して光を放出させる固体発光素子たるLED2を備えた実装基板3と、LED2のパッケージ本体2bの収納凹所2baの内部に収納されたLEDチップ2aと電気的に接続されるとともに、窪み部1bから導出されたLEDチップ2aへの給電用の電線4,4と、ユニットボディ1の窪み部1bに収納された実装基板3と電線4,4の一部とを封止する封止樹脂部5とを有している。
【0022】
特に、本実施形態の発光ユニット10は、封止樹脂部5が、他端10b側から実装基板3側に向かって落ち窪んだ複数個の凹部5a,5bを有している。
【0023】
より具体的には、本実施形態の発光ユニット10は、ユニットボディ1を一端10a側に設けられた光学レンズ部1aと、他端10b側に設けられた窪み部1bとを一体的に形成させた成形品としている。ユニットボディ1の成形品は、透光性材料として透光性樹脂材料たるアクリル樹脂を用いて形成させている。
【0024】
また、本実施形態の発光ユニット10に用いられるユニットボディ1は、直方体状のボディ本体部1abから光学レンズ部1aが円柱状に突出しており(図2を参照)、光学レンズ部1aは、表面が内側に窪んだ、すり鉢状の凹面1aaを形成している。光学レンズ部1aは、LED2の光軸が光学レンズ部1aの凹面1aaの光軸と一致する形で、LED2と位置を合わせている。これにより、発光ユニット10は、光学レンズ部1aがLED2から放射された光をLED2の光軸に沿って発光するだけでなく、光学レンズ部1aと空気などとの界面となる凹面1aaで屈折などさせ発光ユニット10の周囲にも放射させることが可能となる。
【0025】
また、発光ユニット10のユニットボディ1は、LED2から放射された光を効率よく光学レンズ部1bを介して発光ユニット10の外部に放出することができるように、窪み部1bの内底面側にLED2の発光面側と密着可能な平滑面1adを備えている。ユニットボディ1は、平滑面1adと、ユニットボディ1の窪み部1bの内底面側から突出させた突起部1acとにより、LED2が実装された実装基板3を、LED2の発光面側と、ユニットボディ1の平滑面1adとの間に隙間ができないように支持している。
【0026】
本実施形態の発光ユニット10に用いられるユニットボディ1は、図1(c)に示すように、LED2の光が放射される一端10a側とは反対の他端10b側の外形が、略20mm×20mmの平面視矩形状であって内側に窪んだ窪み部1bを備えている。ユニットボディ1は、窪み部1bの側壁にユニットボディ1の窪み部1b内から導出する各電線4をそれぞれ収納可能な切欠部1dが設けられている。切欠部1dは、平面視矩形状のユニットボディ1における窪み部1bを介して互いに対向する側壁に、それぞれ2箇所づつ設けている。また、ユニットボディ1は、ユニットボディ1の各電線4が導出する一対の側壁と直交する一対の側壁に、後述する発光ユニット10の製造工程で、ユニットボディ1の窪み部1b内を封止する樹脂材料が注入できるようにU字形状のゲート部1cをそれぞれ設けている(図1(b)を参照)。なお、図1(a)は、図1(c)におけるAA断面を図示している。
【0027】
本実施形態の発光ユニット10におけるユニットボディ1の光学レンズ部1aは、外形が円柱形状であって発光面において、内側に窪んだ、すり鉢状の凹面1aaに形成しているが、これのみに限られるものではなく、所望の配光特性に合わせて、凸レンズ形状など種々の形状を選択すればよい。また、ユニットボディ1のボディ本体部1abは、他端10b側の外形が平面視矩形状だけに限られず、円形状や多角形状であってもよい。
【0028】
本実施形態の発光ユニット10では、LED2から照射される光に対して透過率の優れたアクリル樹脂を用いてユニットボディ1を光学レンズ部1aと一体に形成している。このようなユニットボディ1は、光学レンズ部1aや窪み部1bを備えたユニットボディ1の形状とすることができるように予め設計した金型中に、アクリル樹脂を射出成形などすることにより、比較的簡単に形成することができる。なお、ユニットボディ1の透光性材料としては、LED2からの光を効率よく、外部に放出することが可能な透光性材料を用いればよく、アクリル樹脂だけに限定されるものではない。したがって、ユニットボディ1の透光性材料としては、たとえば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂やガラスなどを用いることもできる。
【0029】
次に、本実施形態の発光ユニット10に用いられる固体発光素子は、LED2を用いている。LED2は、LEDチップ2aと、該LEDチップ2aが配置可能なパッケージ本体2bとを備えている。
【0030】
LED2は、通電するにより、ピーク波長が、たとえば、420nm〜490nmの範囲内にある青色光を放射するLEDチップ2aと、LEDチップ2aを収納する収納凹所2baが一表面に設けられたセラミック(たとえば、アルミナなど)製のパッケージ本体2bとを備えている。収納凹所2baには、LEDチップ2aから放射された青色光の一部を吸収し、より長波長の蛍光(たとえば、黄色光)を発する蛍光体(たとえば、Ceで付活されたYAl12、Ceで付活されたTbAl12などのアルミネート系の蛍光体やEuで付活されたBaSiOなど)が含有された透光性樹脂(たとえば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂など)からなる波長変換部材2cが充填されている。また、LED2は、パッケージ本体2bの他表面に外部接続用電極(図示していない)が設けられており、該外部接続用電極と実装基板3の導体パターン(図示していない)とが半田からなる接合部(図示していない)を介して電気的に接続されている。LEDチップ2aが放射する光は、たとえば、可視光のうちエネルギーの強い青色光とすることができるが、青色光のみに限定するものではない。LEDチップ2aは、波長変換部材2cの上記蛍光体を効率よく励起させるため、紫外線や他の波長の光を用いてもよい。LEDチップ2aは、たとえば、サファイア基板、窒化ガリウム基板や炭化シリコン基板などの結晶成長基板上に、pn接合を備えた窒化ガリウム系化合物半導体層を有するものが挙げられる。
【0031】
LED2は、パッケージ本体2bの内底面上に図示していない一対の導電パターンが設けられたものを利用し、導体パターンが上記外部接続用電極と電気的に接続させることによりLEDチップ2aの通電経路を構成することができる。パッケージ本体2bの外周形状は、たとえば、矩形状のものを用いることができる。パッケージ本体2bにおける収納凹所2baは、円形状に開口され且つ内底面から離れるにつれて開口面積が徐々に大きくなっており、内側面がLEDチップ2aから側方に放射された光を光学レンズ部1a側へ反射する反射面を構成している。このような収納凹所2baを備えたパッケージ本体2bは、セラミック製のものだけでなく、白色顔料が含有された樹脂の成形品により形成することもできる。
【0032】
なお、上記透光性樹脂には、LEDチップ2aからの光の一部を吸収してより長波長の蛍光を発する蛍光体だけでなく、酸化ケイ素や酸化アルミニウムなどからなる拡散材や各種の着色剤を含有させてもよい。また、波長変換部材2cの蛍光体は、色調整や演色性を高めるなど所望に応じ、たとえば、複数種の蛍光体を種々用いてもよい。すなわち、波長変換部材2cに用いられる上記蛍光体は黄色蛍光体に限らず、たとえば、赤色蛍光体と緑色蛍光体を含有させてもよい。
【0033】
ところで、本実施形態の発光ユニット10では、固体発光素子として白色を発光するLED2を用いているが、LED2の発光色は白色に限らず、たとえば、赤色、橙色、黄色、緑色、青色などでもよい。また、固体発光素子は、LED2だけに限らず、有機EL(Electroluminescence)素子を用いてもよい。
【0034】
本実施形態の発光ユニット10では、実装基板3の表面3a側に一個のLED2を実装しているが、LED2は、一個だけに限らず複数個用いてもよい。この場合、各LED2は、適宜に直列、並列や直並列に電気的に接続させればよい。さらに、LED2は、同種のものを用いてもよいし、異なる発光波長を発光する複数個のLED2を用いてもよい。たとえば、発光色を可変するなどの目的で赤色光、緑色光や青色光がそれぞれ発光可能な3種類のLED2を備えた発光ユニット10の構成とすることもできる。
【0035】
本実施形態の発光ユニット10では、実装基板3がガラスエポキシ樹脂などからなる絶縁性基材に適宜の導体パターンが形成されたプリント配線基板により構成されている。なお、実装基板3には、LED2だけでなく、LED2と逆並列に接続されLED2の静電破壊を防止するツェナダイオードを実装してもよい。また、実装基板3は、可撓性の電線4を接続するため、図示していないスルーホールが形成されている。実装基板3は、実装基板3の表面3aにおける各スルーホールの周囲に上記導体パターンを介して外周形状が円形状のランド(図示していない)が4つ形成されている。実装基板3に形成された4つのランドのうち、図1(c)の紙面における左上の電線4と接続されるランドと、右上の電線4と接続されるランドとの間の電路には、導体パターンおよび上記外部接続用電極を介してLED2を配置させている。同様に、4つのランドのうち、図1(c)の紙面における、左下の電線4と接続されるランドと右下の電線4と接続されるランドとは、隣接する発光ユニット10へ給電などするための送り配線用として短絡させている。
【0036】
本実施形態の発光ユニット10は、電線4として、単線の芯線が絶縁被覆により覆われた電線を用いている。より具体的には、電線4は、芯線が銅線により形成され絶縁被覆がフッ素樹脂皮膜により形成されたフッ素樹脂皮膜銅線(たとえば、フルボン電線など)のように耐熱性が高く耐食性に優れたものを用いている。電線4は、フッ素樹脂皮膜を剥いで露出させた銅線部分を実装基板3の裏面3b側からスルーホールに挿通して実装基板3の表面3a側で半田からなる図示していない半田部により上述のランドと接合してある。
【0037】
本実施形態の発光ユニット10は、ユニットボディ1の窪み部1bに収納されたLED2を備えた実装基板3と、電線4,4の一部とを、樹脂材料として熱可塑性ポリエステル樹脂を用いて形成された封止樹脂部5によって封止している。発光ユニット10は、光学レンズ部1aと窪み部1bとを備え、透光性材料により一体に形成されたユニットボディ1を用いているため、封止用の樹脂材料の使用量が少なく、封止用の樹脂材料を用いて形成する封止樹脂部5の成形にかかる時間(樹脂材料の冷却時間)を短くすることができる。
【0038】
本実施形態の発光ユニット10に用いられる封止樹脂部5は、常温で固体であり、加熱溶融することにより液化してユニットボディ1の窪み部1bに被着させ、冷却固化によって窪み部1bを封止することが可能な熱可塑性のホットメルト材料を用いて形成させている。本実施形態の発光ユニット10では、封止樹脂部5の樹脂材料として熱可塑性のホットメルト材料である熱可塑性ポリエステル樹脂を用いているが、熱可塑性ポリエステル樹脂だけに限られない。
発光ユニット10の封止樹脂部5は、樹脂材料として、たとえば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂や反応ウレタン系樹脂など他の熱可塑性のホットメルト材料を用いて形成することもできる。これにより、本実施形態の発光ユニット10は、熱硬化性樹脂を用いて封止樹脂部5を成形させる場合と比較して樹脂材料の冷却時間を、より短くしつつ、樹脂材料の粘度の低さに起因する低速成形時における注入途中の硬化などによる成形不良を低減することも可能となる。
【0039】
本実施形態の発光ユニット10は、封止樹脂部5が発光ユニット10の他端10側から実装基板3側に向かって落ち窪んだ複数個の凹部5a,5bを備えている。凹部5a,5bは、全ての凹部5a,5bの深さがユニットボディ1の窪み部1b内の実装基板3まで達しないように封止樹脂部5に設けている。これにより、本実施形態の発光ユニット10は、屋外に露出される環境下においても防水性や絶縁性を高めることが可能となる。
【0040】
すなわち、本実施形態の発光ユニット10は、LED2の発光に伴う発熱により封止樹脂部5が加熱され、封止樹脂部5などに熱膨張が生じても、凹部5a,5bが封止樹脂部5の熱膨張に伴う封止樹脂部5の変形を抑制することができる。凹部5a,5bは、封止樹脂部5などの熱膨張に伴う封止樹脂部5とユニットボディ1との界面で生ずる応力を抑制することに寄与することができる。その結果、本実施形態の発光ユニット10は、封止樹脂部5の変形などにより、実装基板3が変位することに伴うLED2から放射される光の光利用効率の低下や配光特性に変化が生ずることを抑制することが可能となる。同様に、本実施形態の発光ユニット10は、封止樹脂部5の変形により防水性が低下して、ユニットボディ1と、封止樹脂部5との界面から水分の浸入することを抑制することが可能となる。
【0041】
なお、本実施形態の発光ユニット10は、実装基板3に接続されている電線4が挿通され、電線4とユニットボディ1との隙間が生ずることを抑制するブッシング部を適宜に備えてもよい。
【0042】
本実施形態の発光ユニット10を備えた発光装置20は、たとえば、図2に示すように、複数個(ここでは、4個)の発光ユニット10が可撓性の電線4により接続され各発光ユニット10が取付板30に貫設した窓孔30aに取付板30の後面側から挿入して固定用ばね31を用いて取り付けることができるように構成している。
【0043】
本実施形態の発光ユニット10は、たとえば、V字状の板ばねからなり両脚片32,32を連続一体に連結した中央片33を備えた固定用ばね31により、各発光ユニット10を取付板30に取り付けることができる。固定用ばね31は、発光ユニット10の他端10b側に中央片33が当接する形で配置される。また、固定用ばね31は、固定用ばね31の中央片33が発光ユニット10の一対の突起部5c,5cで挟まれるように配置される(図1(b)を参照)。
【0044】
固定用ばね31は、両脚片32,32間の距離が互いの先端部に近づくほど長くなるように中央片33がV字状に屈曲されている(図2を参照)。固定用ばね31は、たとえば、両脚片32,32の先端部をユニットボディ1の外側面に設けられた各凹所1ae側に変位可能であると共に、中央片33が封止樹脂部5の一対の突起部5c,5cに挟まれる形で配置される。また、固定用ばね31は、両脚片32,32の他端部に取付板30の前面側で窓孔30aの周部に係止可能な係止爪32a,32aを連続一体に有している。なお、固定用ばね31は、耐食性に優れ且つばね性が高いステンレスばね鋼の板を曲成することにより形成することができる。なお、係止爪32a,32aの曲げ角度は特に限定するものではなく、発光ユニット10を取付板30に保持可能な適宜の曲げ角度とすればよい。
【0045】
また、本実施形態の発光ユニット10が取付けられる取付板30は、発光装置20によって表示させたい所定の形状に沿って円形状の窓孔30aを配列させればよい。取付板30は、各窓孔30aの内径寸法がユニットボディ1における光学レンズ部1aの外径寸法よりもやや大きな寸法に設定している。なお、取付板30の表面は、発光ユニット10の光学レンズ部1aにおける凹面1aaで屈折されて照射される光が効率よく反射できるよう白色顔料などによって被覆させてもよい。
【0046】
発光ユニット10は、発光ユニット10を取付板30へ取り付ける施工時に、窓孔30aに挿通し易いように固定用ばね31の両脚片32,32をユニットボディ1の凹所1ae側へ変位させる。発光ユニット10は、固定用ばね31の両脚片32,32を変位させた状態で、ユニットボディ1の光学レンズ部1aと一緒に固定用ばね31の係止爪32a,32aを取付板30の後面側から窓孔30aに挿入する。その後、発光ユニット10は、固定用ばね31のばね力により両脚片32,32の先端部における係止爪32a,32aが取付板30の前面側で窓孔30aの周部に係止される。これによって、発光ユニット10は、取付板30に比較的容易に取り付けることができる。
【0047】
発光ユニット10は、固定ばね31を用いることで、ドライバなどの工具や接着剤や専用のソケットなどを用いることなく、取付板30に一方向から着脱自在に取り付けることができる。また、発光ユニット10間の電線4の全長を取付板30における窓孔30aの配列ピッチよりも長く設定しておくことにより、取付板30への発光ユニット10の配置密度を容易に変更することが可能になる。
【0048】
また、複数個の発光ユニット10を備えた発光装置20は、各発光ユニット10を電気的に直列接続しており、たとえば、外部の商用電源からの交流電力を電源ユニット26で直流電力に変換して発光ユニット10に供給するように構成している。すなわち、発光装置20は、複数個の発光ユニット10が電気的に直列接続されるように電線4で電気的な接続関係を規定している。
【0049】
電源ユニット26は、商用電源からの交流電力を整流平滑するダイオードブリッジからなる整流回路と、該整流回路の出力を平滑する平滑コンデンサと、該平滑コンデンサの出力を電源として各発光ユニット10へ所定の定電流を流す定電流回路とを形成した回路基板とを防水構造の筐体の内部に備えている。
【0050】
なお、電源ユニット26は、定電流回路の出力側に接続された一対の電線27,27の先端に第1コネクタ部28が設けられている。これに対して、複数個の発光ユニット10は、直列回路の両端の電線4,4の先端に、第1コネクタ部28と着脱自在に接続される第2コネクタ部34が設けられている。ここで、第1コネクタ部28および第2コネクタ部34は、接続させることにより防水可能な構成としている。なお、発光装置20は、電源ユニット26と複数個の発光ユニット10とが離れている場合、電源ユニット26側の第1のコネクタ部28と、複数個の発光ユニット10側の第2コネクタ部34との間に延長用ハーネス(図示していない)を適宜に設けてもよい。
【0051】
次に、本実施形態の発光ユニット10の主要製造工程について図3を用いて説明する。
【0052】
本実施形態における発光ユニット10は、発光ユニット10の形成にあたって、予め形成したユニットボディ1の成形品の窪み部1b内に、LED2を備えた実装基板3および電線4の一部を配置させた状態で、一対の金型21,22内に収納する。
【0053】
金型21には、窪み部1b内に突出する円柱状のピン23,24を設けている。ここで、金型21に設けられたピン23は、可動式であって窪み部1b内に収納した実装基板3の裏面3b側を押圧することが可能に構成してある。すなわち、本実施形態の発光ユニット10の製造工程では、ピン23により、実装基板3の表面3a側に設けたLED2の発光面側をユニットボディ1の平滑面1ad側に当接させる基板押圧工程(図3(a)を参照)を行う。なお、ピン25は、非可動で金型21に固定されており、実装基板3の裏面3bから離間している。
【0054】
次に、封止樹脂部5となる樹脂材料を窪み部1bを介して互いに対向するユニットボディ1の側壁(図3(a)の紙面と垂直方向)に設けられたゲート部1c,1cから注入させる。
【0055】
ここで、本実施形態の発光ユニット10は、封止樹脂部5となる樹脂材料の流動性を確保しながら、ユニットボディ1のゲート部1c,1cから金型21,22全体に樹脂材料がいきわたるように凹部5a,5bの配置を設計している。
【0056】
すなわち、本実施形態の発光ユニット10は、複数個の凹部5a,5bを、他端10b側において、封止樹脂部5の成形時に封止樹脂部5となる樹脂材料が注入される一対のゲート部1c,1cを結ぶ直線を対称軸(図1(c)の破線を参照)として、線対称に設けている。
【0057】
本実施形態の発光ユニット10における凹部5a,5bは、窪み部1b内に突出した円柱状のピン23,24を用いることで、封止樹脂部5に凹部5a,5bの開口形状が円形となる柱状の空洞を形成させている。なお、発光ユニット10は、凹部5a,5bが円形であることで、金型21,22に挿入して凹部5a,5bを形成するピン23,24を封止樹脂部5から離す場合における離型性に優れたものとすることが可能となる。また、ピン23,24は、円柱状とすることによりゲート部1c,1cから注入された樹脂材料の流動性が低下することを抑制する働きをすることもできる。これにより、ピン23,24は、ピン23,24のメンテナンス回数を抑制しメンテナンス性を向上させることが可能となる。
【0058】
本実施形態の発光ユニット10は、ユニットボディ1が光学レンズ部1aと一体に形成された透光性樹脂材料を用いて形成している。透光性樹脂材料により形成されたユニットボディ1は、金属材料などと比較して熱伝導率が低く、ユニットボディ1自体の放熱性がよいものではない。そのため、発光ユニット10は、ユニットボディ1の窪み部1b内に注入された封止樹脂部5を構成する樹脂材料の熱が窪み部1b内にこもって冷却され難い傾向にある。
【0059】
しかしながら、本実施形態の発光ユニット10は、封止樹脂部5の成形工程において、中心部に設けた凹部5bだけでなく、隅部にも凹部5aを設けることにより、樹脂材料の冷却時間を効果的に短縮することができる。また、本実施形態の発光ユニット10は、封止樹脂部5に複数個の凹部5a,5bを設けることで、封止樹脂部5を構成する樹脂材料の使用量を低減することもできる。
【0060】
そのため、本実施形態の発光ユニット10は、封止樹脂部5に複数個の凹部5a,5bを設けることで、封止樹脂部5の成形時にユニットボディ1のゲート部1cから注入された樹脂材料が冷却する冷却時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0061】
なお、本実施形態の発光ユニット10では、凹部5a,5bの開口形状が円形となる柱状の空洞としている。なお、柱状の空洞は、円柱状の空洞に限られず、適宜、円錐台形状や多角錘台形状などの空洞とすることもできる。凹部5a,5bの具体的寸法としては、たとえば、それぞれ開口形状が直径2.5mmの大きさの円形で、深さ2.6mmの柱状の空洞として絶縁性および防水性を確保している。また、各凹部5aは、窪み部1bの隅部となる四隅に互いに13mmの間隔をあけて形成させている。なお、発光ユニット10の中心から一方のゲート部1c側に2.5mmずれた中央部に設けられる1つの凹部5bに対応するピン23は、発光ユニット10の成形時に実装基板3をユニットボディ1の窪み部1bの内底面側に抑え、実装基板3が窪み部1bの内底面側から浮き上がるのを防止している。
【0062】
これにより、実装基板3の裏面3b側を押圧し、実装基板3の表面3a側に設けたLED2の発光面側をユニットボディ1の平滑面1ad側に当接させることができる。そのため、最終的に形成された発光ユニット10は、LED2からの光を光学レンズ部1aを介して発光ユニット10の外部に効率よく放出させることが可能となる。
【0063】
次に、発光ユニット10の製造工程は、一対の金型21,22内で凹部5bを形成するピン23が、封止樹脂部5となる樹脂材料が冷却して凝固する間際に実装基板3の裏面3b側から離間するように可動させるピン離間工程を備えている(図3(b)を参照)。
【0064】
これにより、中央部に設けられたピン23は、実装基板3の裏面3b側を外部環境に曝すことなくユニットボディ1の窪み部1bが封止される深さで凹部5bを形成することができる。本実施形態の発光ユニット10の製造工程では、基板押圧工程において、ピン23を発光ユニット10の他端10b側から深さ4.7mmまで挿入して実装基板3の裏面3b側を押圧している。また、ピン離間工程において、ピン23を発光ユニット10の他端10b側から深さ2.6mmまで実装基板3の裏面3bから離間させて凹部5bを形成させている。
【0065】
本実施形態の発光ユニット10は、樹脂材料が注入される一対のゲート部1c,1cを結ぶ直線を対称軸として複数個(ここでは、6個)の凹部5a,5bを線対称に設けたことで、金型21に設けられた凹部5a,5bを形成するピン23,24により、樹脂材料の流動性が低下することを抑制しつつ、発光ユニット10を製造するに際しての量産性の低下を抑制することが可能となる。
【0066】
なお、隅部に設けられたその他の4つの凹部5aについては、樹脂材料の注入および樹脂材料の硬化に伴って、ピン23によって形成された凹部5bと同様の深さでピン24によって形成させている。凹部5aは、封止樹脂部5に形成する凹部5aの位置、形状および大きさに合わせて、予め金型21の内面に非可動で固定したピン24を設けることにより形成することができる。
【0067】
したがって、発光ユニット10の他端10b側における複数個の凹部5a,5bは、図1(c)で示した配置だけに限られず、たとえば、図4(a)に示すように、一対のゲート部1c,1cを結ぶ対称軸(図4(a)の破線を参照)として、対称軸上に全部で3つの凹部5a,5bを線対称に設けてもよい。ここで、封止樹脂部5の成形時に実装基板3をユニットボディ1側に押圧するピン23により形成される凹部5bは、実装基板3に略均等に力が掛かるように、外形が矩形状のユニットボディ1の中央部に配置させている。また、各ゲート部1c,1cの近傍に設けられた凹部5a,5aは、各ゲート部1c,1cから樹脂材料の注入時に樹脂材料の注入速度の低下を抑制しつつ、ユニットボディ1の窪み部1b内における隅部方向(図4(a)の左右方向)に樹脂材料の流れを生じさせることができるように配置している。
【0068】
図4(b)に示す発光ユニット20は、一対のゲート部1c,1cを結ぶ直線を対称軸(図4(b)の破線を参照)として、線対称に全部で5つの凹部5a,5bを設けている。ここで、封止樹脂部5の成形時に実装基板3をユニットボディ1側に押圧するピン23により形成される一つの凹部5bは、実装基板3に略均等に力が掛かるように、外形が矩形状のユニットボディ1の中央部に配置させている。また、残りの4つの凹部5aは、矩形状のユニットボディ1の窪み部1bにおける四つの隅部にそれぞれに設けている。これにより、図4(b)に示す発光ユニット20は、図4(a)に示す発光ユニット20と比較して封止樹脂部5の成形にかかる冷却時間を短縮すると共に、封止樹脂部5の熱膨張などに伴う内部応力をより低減することが可能となる。
【0069】
図4(c)に示す発光ユニット20は、一対のゲート部1c,1cを結ぶ直線を対称軸(図4(c)の破線を参照)として、線対称に全部で7つの凹部5a,5bを設けている。図4(c)の凹部5a,5bは、図4(a)の凹部5aの位置と、図4(b)の凹部5aの位置とを共通として各凹部5aを略合わせた配置としている。ここで、凹部5bは、実装基板3を押圧する力を大きくするため、開口形状が直径4mmの円形として、複数個(ここでは、6個)の凹部5aの開口形状における直径2.5mmの円形よりも大きくしている。したがって、凹部5a,5bの大きさは、必ずしも全て同じ大きさとする必要はない。
【0070】
これにより、発光ユニット10は、樹脂材料の注入時に樹脂材料の注入速度の低下を抑制しつつ、矩形状のユニットボディ1の窪み部1bにおける四つの隅部方向に樹脂材料の流れを形成することができる。また、発光ユニット10は、封止樹脂部5の成形にかかる冷却時間を短縮すると共に、封止樹脂部5の熱膨張などに伴う内部応力を更に低減することが可能となる。なお、図4に示す各発光ユニット10においては、図1(c)に示した発光ユニット10おける一対の突起部5c,5cを設けていないが、必要に応じて適宜に設ければよい。
【0071】
なお、発光ユニット10を形成する成形時における樹脂材料の温度を測定した結果を図5に示す。図5中の一点鎖線は、本実施形態の発光ユニット10と比較のために示す発光ユニットにおける封止樹脂部5の成形時における樹脂材料の温度降下を示している。比較のために示す発光ユニットは、図1に示す発光ユニット10において、5つの凹部5aを設けていない以外は、図1の発光ユニット10と同様に形成させている。また、図5中の実線は、図1に示す本実施形態の発光ユニット10における封止樹脂部5の成形時における樹脂材料の温度降下を示している。図5のグラフからも明らかなように、図1に示す封止樹脂部5に6つの凹部5a,5bを備えた本実施形態の発光ユニット10は、凹部5aを封止樹脂部5の中央部に1つだけに設けた比較のための発光ユニットと比較して、樹脂材料の温度降下が早くなることがわかる。図5のグラフより、本実施形態の発光ユニット10は、比較のための発光ユニットと比較して、樹脂材料の温度が200℃から100℃まで下がるのに要する時間について12秒の短縮を図ることができる。したがって、本実施形態の発光ユニット10は、封止樹脂部5の成形にかかる時間が短縮されることで発光ユニット10の量産性の向上によるコストの低減を図ることができる。
【0072】
以上により詳述したように本発明の発光ユニット10は、より簡便な構成で、信頼性のより高い発光ユニット10とすることが可能となる。
【符号の説明】
【0073】
1 ユニットボディ
1a 光学レンズ部
1b 窪み部
1c ゲート部
2 LED(固体発光素子)
3 実装基板
4 電線
5 封止樹脂部
5a,5b 凹部
10 発光ユニット
10a 一端
10b 他端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側に設けられた光学レンズ部と他端側に設けられた窪み部とを備え透光性材料により一体に形成されたユニットボディと、該ユニットボディの前記窪み部内に収納され前記光学レンズ部を介して光を放出させる固体発光素子を備えた実装基板と、前記固体発光素子と電気的に接続され前記窪み部内から導出された電線と、前記ユニットボディの前記窪み部内に収納された前記実装基板と前記電線の一部とを前記窪み部内に封止する封止樹脂部とを有する発光ユニットであって、
前記封止樹脂部は、前記他端側から前記実装基板側に向かって落ち窪んだ複数個の凹部を有することを特徴とする発光ユニット。
【請求項2】
前記ユニットボディは、前記封止樹脂部の成形時に前記封止樹脂部となる樹脂材料を前記窪み部内に注入する一対のゲート部が、前記窪み部を介して互いに対向する前記ユニットボディの側壁に備えられており、複数個の前記凹部は、前記他端側において、一対の前記ゲート部を結ぶ直線を対称軸として、線対称に設けてなることを特徴とする請求項1に記載の発光ユニット。
【請求項3】
前記凹部は、開口形状が円形となる柱状の空洞であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光ユニット。
【請求項4】
前記封止樹脂部は、熱可塑性のホットメルト材料からなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発光ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−49199(P2012−49199A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187551(P2010−187551)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】