説明

経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラム、および記録媒体

【課題】異なる移動手段を用いた利用者の合流地点での待ち時間をなくすこと。
【解決手段】設定部102によって移動体および移動体とは異なる移動手段を用いた他の移動体の合流地点が設定された場合、検出部103によって移動体の現在地点を検出し、入力部104によって他の移動体の出発地点を入力する。つぎに、移動体の現在地点および他の移動体の出発地点に応じて、探索部105によって合流地点までの経路を移動手段ごとに探索する。そして、算出部107によって、探索された各経路の移動所要時間をそれぞれ移動手段ごとに算出する。つぎに、算出された各移動所要時間に基づいて、決定部108によって移動体および他の移動体が合流地点で合流する合流時刻を決定する。そして、出力部101によって、決定された合流時刻とともに、各経路および各移動所要時間を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、合流地点を探索する経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラム、および記録媒体に関する。ただし、この発明の利用は、上述した経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラム、および記録媒体には限られない。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の登録条件が満たされる地点が登録地点として登録され、所定の登録地点が到着予定表示地点として選択され、各到着予定表示地点への到着予定が算出され、地図画面に表示される経路探索装置がある。この経路探索装置においては、利用者は各種の地点への到着時刻を容易に知ることができる(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−046913号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載された技術では、登録条件が満たされる地点への到着時刻を自動的に知ることはできるが、たとえば、登録地点において他の交通手段を使用した合流者と合流したい場合に、合流者が登録地点に到達する時間がわからないため、利用者もしくは合流者が、登録地点において無駄な時間を浪費してしまう場合があるという問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる経路探索装置は、移動体および当該移動体とは異なる移動手段を用いた他の移動体の合流地点を設定する設定手段と、前記移動体の現在地点を検出する検出手段と、前記他の移動体の出発地点の入力を受け付ける入力手段と、前記検出手段によって検出された移動体の現在地点および前記入力手段によって入力された他の移動体の出発地点に応じて、前記設定手段によって設定された合流地点までの経路を前記移動手段ごとに探索する探索手段と、前記探索手段によって探索された各経路の移動所要時間をそれぞれ前記移動手段ごとに算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された前記各移動所要時間に基づいて、前記移動体および前記他の移動体が前記合流地点で合流する合流時刻を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された合流時刻とともに、前記各経路および前記各移動所要時間を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項8の発明にかかる経路探索方法は、移動体および当該移動体とは異なる移動手段を用いた他の移動体の合流地点を設定する設定工程と、前記移動体の現在地点を検出する検出工程と、前記他の移動体の出発地点の入力を受け付ける入力工程と、前記検出工程によって検出された移動体の現在地点および前記入力工程によって入力された他の移動体の出発地点に応じて、前記設定工程によって設定された合流地点までの経路を前記移動手段ごとに探索する探索工程と、前記探索工程によって探索された各経路の移動所要時間をそれぞれ前記移動手段ごとに算出する算出工程と、前記算出工程によって算出された前記各移動所要時間に基づいて、前記移動体および前記他の移動体が前記合流地点で合流する合流時刻を決定する決定工程と、前記決定工程によって決定された合流時刻とともに、前記各経路および前記各移動所要時間を出力する出力工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、請求項9の発明にかかる経路探索プログラムは、請求項8に記載の経路探索方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項10の発明にかかる記録媒体は、請求項9に記載の経路探索プログラムをコンピュータに読み取り可能な状態で記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラム、および記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(実施の形態)
(経路探索装置100の機能的構成)
はじめに、この発明の実施の形態にかかる経路探索装置100の機能的構成について説明する。図1は、実施の形態にかかる経路探索装置の機能的構成を示すブロック図である。図1において、経路探索装置100は、出力部101と、設定部102と、検出部103と、入力部104と、探索部105と、取得部106と、算出部107と、決定部108と、送信部109と、を備えている。
【0011】
出力部101は、地図データを表示する表示画面を備えている。地図データは、図示しない記憶部に記憶されている。地図データは、ノードおよびリンクからなる道路ネットワークデータと、施設や道路その他地形(山、川、土地)に関するフィーチャを用いて描画される画像情報とを含んでいる。地図データは、文字情報、施設の名称や住所などの情報、道路や施設の画像情報などを含んでいてもよい。また、出力部101は、スピーカなどが備えられており、経路誘導をおこなう際に、随時音声信号に基づく音声などを出力してもよい。
【0012】
設定部102は、移動体および移動体とは異なる移動手段を用いた他の移動体の合流地点を設定する。合流地点は、利用者の操作によって設定部102が入力を受け付けることで設定されてもよい。移動手段とは、たとえば、自家用車、バス、タクシー、電車、徒歩、船、飛行機などである。また、合流地点とは、たとえば、バス停、タクシー乗り場、駅、港、空港などである。
【0013】
検出部103は、移動体の現在地点を検出する。移動体の現在地点は、たとえば、GPS衛星からのGPS信号に加えて、移動体の挙動を検出する加速度センサや車速センサからの出力値に応じて検出される。また、検出部103は、移動体の現在地点を利用者の入力操作を受け付けることで検出してもよい。この場合、移動体の現在地点は実際にいる場所でなくてもよく、利用者の所望する地点でもよい。
【0014】
入力部104は、他の移動体の出発地点の入力を受け付ける。出発地点とは、たとえば、自宅、最寄りのバス停、最寄り駅などである。また、入力部104は、他の移動体の現在地点に関する情報の入力を受け付ける。入力部104は、他の移動体の出発地点や現在地点を利用者の操作によって入力を受け付けてもよいし、図示しない通信部により受信した出発地点に関する情報や他の移動体の現在地点に関する情報の入力を受け付けてもよい。これらの情報は、常に通信可能で、随時更新されるようにしてもよい。
【0015】
探索部105は、検出部103によって検出された移動体の現在地点および入力部104によって入力された他の移動体の出発地点に応じて、設定部102によって設定された合流地点までの経路を移動手段ごとに探索する。また、探索部105は、入力部104によって入力された他の移動体の現在地点に関する情報を用いて、合流地点までの各経路を探索してもよい。探索部105は、たとえば、移動体および他の移動体が遅れている場合などに、移動体の現在地点および他の移動体の現在地点に応じて、合流地点を変更した新たな合流地点までの経路を探索する。
【0016】
取得部106は、探索部105によって探索された経路における移動手段ごとの交通情報を取得する。交通情報とは、道路交通情報、運行情報、運航情報などの混雑情報や交通規制に関する情報である。また、取得部106は、道路情報、路線情報、時刻表などの情報を取得してもよい。
【0017】
算出部107は、探索部105によって探索された各経路の移動所要時間をそれぞれ移動手段ごとに算出する。移動所要時間とは、現在地点および出発地点から合流地点まで移動するのに要する時間である。算出部107は、取得部106によって取得された交通情報を用いて、各移動所要時間を移動手段ごとに算出する。また、算出部107は、図示しない記憶部などによって記憶された日時ごとの交通情報を用いて、予測移動所要時間を算出してもよい。
【0018】
決定部108は、算出部107によって算出された各移動所要時間に基づいて、移動体および他の移動体が合流地点で合流する合流時刻を決定する。合流時刻とは、現在時刻、現在地点、移動所要時間、交通情報などに基づいて、移動体および他の移動体が合流地点で合流すると予測される時刻である。また、決定部108は、合流時刻に応じて、たとえば移動体より他の移動体の方が早く合流地点に着くと予測される場合などに、他の移動体が出発地点を出発する出発時刻を決定してもよい。また、決定部108は、移動体および他の移動体の現在地点に基づいて、合流時刻を変更するようにしてもよい。
【0019】
送信部109は、探索部105によって探索された他の移動体の経路を他の移動体に対して送信する。また、送信部109は、移動体および他の移動体の現在地点、移動体の経路、合流時刻、各経路の所要時間などを送信してもよい。送信部109は、経路が変更されたときのみ送信してもよいし、常に情報の更新をしてもよい。また、送信部109は、情報が更新された旨のみを報知してもよい。
【0020】
(経路探索装置100の経路探索処理手順)
つぎに、経路探索装置100の経路探索処理手順について説明する。図2は、経路探索装置の経路探索処理手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、まず、設定部102によって移動体および移動体とは異なる移動手段を用いた他の移動体の合流地点が設定されるまで待って(ステップS201:Noのループ)、合流地点が設定された場合(ステップS201:Yes)、検出部103によって移動体の現在地点を検出し(ステップS202)、入力部104によって他の移動体の出発地点を入力する(ステップS203)。
【0021】
つぎに、ステップS202において検出された移動体の現在地点、およびステップS203において入力された他の移動体の出発地点に応じて、移動手段ごとに、ステップS201において設定された合流地点までの経路を探索する(ステップS204)。そして、算出部107によって、それぞれ移動手段ごとに、ステップS204において探索された各経路の移動所要時間を算出する(ステップS205)。
【0022】
つぎに、ステップS205において算出された各移動所要時間に基づいて、移動体および他の移動体が合流地点で合流する合流時刻を決定する(ステップS206)。そして、出力部101によって、ステップS206において決定された合流時刻とともに、各経路および各移動所要時間を出力して(ステップS207)、一連の処理を終了する。
【0023】
なお、図2のフローチャートでは、ステップS203において他の移動体の出発地点を入力するとしているが、これに限るものではない。他の移動体は、複数の異なる移動手段を用いてもよく、一の移動手段から別の移動手段に変わる地点を出発地点として入力してもよい。また、他の移動体が複数あってもよい。
【0024】
また、図2のフローチャートでは、ステップS203において他の移動体の出発地点を入力するとしているが、これに限るものではない。たとえば、他の移動体がすでに移動中の場合は、他の移動体の現在地点を入力してもよい。他の移動体の現在地点は、他の移動体が備える図示しない通信端末装置などから受信されることで、自動的に入力されるようにしてもよい。
【0025】
また、図2のフローチャートでは、ステップS205において各経路の移動所要時間を算出するとしているが、これに限るものではない。たとえば、取得部106によって取得された移動手段ごとの交通情報を用いて、各移動所要時間を移動手段ごとに算出してもよい。
【0026】
さらに、図2のフローチャートでは、ステップS207において合流時刻とともに、各経路および各移動所要時間を出力するとしているが、これに限るものではない。たとえば、さらに、移動体の現在地点および他の移動体の現在地点を出力してもよい。
【0027】
また、図2のフローチャートでは、ステップS207において合流時刻とともに、各経路および各移動所要時間を出力するとしているが、これに限るものではない。たとえば、各出力に対して、利用者の意思表示をさせるキーを表示し、これらのキーが選択された場合に、選択されたキーに関連付けられた出力をするようにしてもよい。
【0028】
また、図2のフローチャートでは、ステップS207において合流時刻とともに、各経路および各移動所要時間を出力し、一連の処理を終了するとしているが、これに限るものではない。たとえば、移動体もしくは他の移動体が、設定された合流時刻から遅れる場合は、決定部108によって、各現在地点に基づいて、合流時刻を変更してもよい。
【0029】
また、図2のフローチャートでは、ステップS207において合流時刻とともに、各経路および各移動所要時間を出力し、一連の処理を終了するとしているが、これに限るものではない。たとえば、移動体もしくは他の移動体が、設定された合流時刻から遅れる場合は、新たに合流地点を設定し直してもよい。この場合、図示しない変更部などが、各現在地点、各経路、および各移動所要時間に基づいて、自動的に合流地点を変更するようにしてもよい。
【0030】
上述したように、実施の形態の経路探索装置100によれば、探索部105によって探索された各経路の移動所要時間をそれぞれ移動手段ごとに算出し、算出された各移動所要時間に基づいて、移動体および他の移動体が合流地点で合流する合流時刻を決定し、出力することができる。これによって、利用者は、合流時刻を確認しながら走行することができるため、合流地点での待ち時間などをなくすことができる。
【0031】
また、実施の形態の経路探索装置100によれば、他の移動体の現在地点に関する情報を用いて、合流地点までの各経路を探索することができる。したがって、決定部108は、他の移動体の現在地点に応じて、合流時刻を決定することができる。これによって、利用者は、確実な合流時刻を確認しながら走行することができるため、合流地点での待ち時間などをなくすことができる。
【0032】
また、実施の形態の経路探索装置100によれば、探索部105は、移動体の現在地点および他の移動体の現在地点に応じて、合流地点を変更した新たな合流地点までの経路を探索することができる。したがって、移動体および他の移動体が合流時刻より遅れて合流すると予測された場合などに、合流地点を変更することができる。これによって、利用者や合流者の状況によって合流地点を自動的に変更することができる。
【0033】
また、実施の形態の経路探索装置100によれば、さらに、移動体の現在地点および他の移動体の現在地点を出力することができる。したがって、出力部101は、合流時刻や経路や移動所要時間とともに、移動体の現在地点および他の移動体の現在地点を出力することができる。これによって、利用者は、合流時刻および現在地点を確認しながら走行することができるため、合流者の状況を確認しながら合流地点に向かうことができる。
【0034】
また、実施の形態の経路探索装置100によれば、合流時刻に応じて、他の移動体が出発地点を出発する出発時刻を決定することができる。したがって、他の移動体の出発時間を、移動体の現在地点によって決定することができる。これによって、利用者は、合流者の合流地点での待ち時間などをなくすことができる。
【0035】
また、実施の形態の経路探索装置100によれば、移動手段ごとの交通情報を用いて、各移動所要時間を移動手段ごとに算出することができる。したがって、決定部108は、渋滞情報や交通規制情報や運行状況情報などによって、合流時刻を決定することができる。これによって、利用者は、正確な合流時刻を確認することができる。
【0036】
また、実施の形態の経路探索装置100によれば、探索部105によって探索された他の移動体の経路を他の移動体に対して送信することができる。したがって、探索された経路によって他の移動体を誘導することができる。これによって、利用者は、合流者を経路から逸脱させずに合流地点へ向かわせることができる。
【実施例】
【0037】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、たとえば、車両(四輪車、二輪車を含む)などの移動体に搭載されるナビゲーション装置によって、本発明の経路探索装置を実施した場合の一例について説明する。
【0038】
(実施例にかかるナビゲーション装置300のハードウェア構成)
つぎに、実施例にかかるナビゲーション装置300のハードウェア構成について説明する。図3は、実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図3において、ナビゲーション装置300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、マイク309と、スピーカ310と、入力デバイス311と、映像I/F312と、ディスプレイ313と、通信I/F314と、GPSユニット315と、各種センサ316と、を備えている。各構成部301〜316は、バス320によってそれぞれ接続されている。
【0039】
まず、CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、データ更新プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU301は、RAM303をワークエリアとして使用しながら、ROM302に記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。
【0040】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対する情報の読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれた情報を記録する。磁気ディスク305としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0041】
また、光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対する情報の読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがって情報の読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0042】
磁気ディスク305および光ディスク307に記録される情報の一例としては、地図情報や機能情報が挙げられる。地図情報は、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景情報と、道路の形状をあらわす道路形状情報とを含んでおり、地区ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0043】
道路形状情報は、さらに交通条件情報を有する。交通条件情報には、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入り口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、道幅、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路など)などの情報が含まれている。
【0044】
機能情報は、地図上の施設の形状をあらわす3次元情報、当該施設の説明をあらわす文字情報、その他地図情報以外の各種の情報である。地図情報や機能情報は、地区ごとあるいは機能ごとにブロック分けされた状態で記録されている。具体的には、たとえば、地図情報は、各々が、表示画面に表示された地図において所定の地区をあらわすように、地区ごとにブロック分けすることができる状態で記録されている。また、たとえば、機能情報は、各々が、一つの機能を実現するように、機能ごとに複数にブロック分けすることができる状態で記録されている。
【0045】
また、機能情報は、上述した3次元情報や文字情報に加えて、経路探索、移動所要時間および所要料金の算出、経路誘導などを実現するプログラム情報などの機能を実現するための情報である。地図情報および機能情報は、それぞれ、地区ごとあるいは機能ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0046】
音声I/F308は、音声入力用のマイク309および音声出力用のスピーカ310に接続される。マイク309に受音された音声は、音声I/F308内でA/D変換される。マイク309は、たとえば、車両のサンバイザー付近に設置され、その数は単数でも複数でもよい。スピーカ310からは、所定の音声信号を音声I/F308内でD/A変換した音声が出力される。なお、マイク309から入力された音声は、音声情報として磁気ディスク305あるいは光ディスク307に記録可能である。
【0047】
入力デバイス311は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス311は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか一つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
【0048】
映像I/F312は、ディスプレイ313に接続される。映像I/F312は、具体的には、たとえば、ディスプレイ313全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像情報に基づいてディスプレイ313を制御する制御ICなどによって構成される。
【0049】
ディスプレイ313には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種情報が表示される。ディスプレイ313には、上述した地図情報が、2次元または3次元に描画される。ディスプレイ313に表示された地図情報には、ナビゲーション装置300を搭載した車両の現在位置をあらわすマークなどを重ねて表示することができる。車両の現在位置は、CPU301によって算出される。
【0050】
ディスプレイ313としては、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを用いることができる。ディスプレイ313は、たとえば、車両のダッシュボード付近に設置される。ディスプレイ313は、車両のダッシュボード付近のほか、車両の後部座席周辺などに設置するなどして、車両において複数設置されていてもよい。
【0051】
通信I/F314は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F314は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。
【0052】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F314は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞情報や交通規制情報などの道路交通情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。また、通信I/F314は、運行情報、運航情報などの交通情報を取得する。道路交通情報および交通情報は、磁気ディスク305および光ディスク307に記録されるようにしてもよい。また、渋滞情報は日時ごとに記憶してもよく、さらに渋滞情報は、曜日ごと、時刻ごと、月日ごとに平均値化して記憶してもよい。
【0053】
GPSユニット315は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在位置を示す情報を出力する。GPSユニット315の出力情報は、後述する各種センサ316の出力値とともに、CPU301による車両の現在地点の算出に際して利用される。現在地点を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図情報上の1点を特定する情報である。
【0054】
各種センサ316は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を判断するための情報を出力する。各種センサ316の出力値は、CPU301による車両の現在地点の算出や、速度や方位の変化量の算出に用いられる。
【0055】
図1に示した経路探索装置100が備える出力部101、設定部102、検出部103、入力部104、探索部105、取得部106、算出部107、決定部108、送信部109は、図3に示したナビゲーション装置300におけるROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置300における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0056】
すなわち、実施例のナビゲーション装置300は、ナビゲーション装置300における記録媒体としてのROM302に記録されている経路探索プログラムを実行することにより、図1に示した経路探索装置が備える機能を、図2に示した経路探索処理手順で実行することができる。
【0057】
(ナビゲーション装置300の処理の内容)
つぎに、ナビゲーション装置300の処理の内容について説明する。図4は、ナビゲーション装置の処理の内容を示すフローチャートである。図4のフローチャートにおいて、まず、合流地点が設定されるまで待って(ステップS401:Noのループ)、合流地点が設定された場合(ステップS401:Yes)、自車の現在地点を検出する(ステップS402)。そして、合流者が出発したか否かを判断し(ステップS403)、合流者が出発した場合(ステップS403:Yes)、合流者の現在地点を入力する(ステップS404)。ここで、合流者とは、徒歩と電車とによって移動する人間であり、携帯電話端末などの通信装置を所持していてもよい。一方、合流者が出発していない場合(ステップS403:No)、合流者の出発地点を入力する(ステップS405)。ここで、出発地点とは、合流者の自宅や最寄り駅などである。
【0058】
つぎに、ステップS404において入力された合流者の現在地点、もしくはステップS405において入力された合流者の出発地点と、ステップS402において検出された自車の現在地点と、を用いて、自車および合流者のステップS402において設定された合流地点までの経路を探索する(ステップS406)。そして、各交通手段に応じた交通情報を取得し(ステップS407)、取得した交通情報に基づいて、ステップS406において探索された各経路の移動所要時間を算出する(ステップS408)。
【0059】
つぎに、ステップS408において算出された各移動所要時間に基づいて、自車および合流者が合流地点で合流する合流時刻を決定し(ステップS409)、ディスプレイ313の表示画面上に、ステップS409において決定された合流時刻とともに、各経路および各移動所要時間を表示する(ステップS410)。そして、自車もしくは合流者が遅れていないか否かを判断して(ステップS411)、自車もしくは合流者が遅れていない場合(ステップS411:Yes)、合流地点に到着したか否かを判断する(ステップS412)。ステップS412において合流地点に到着した場合(ステップS412:Yes)、一連の処理を終了する。一方、ステップS412において合流地点に到着しない場合(ステップS412:No)、ステップS402に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0060】
また、ステップS411において自車もしくは合流者が遅れている場合(ステップS411:No)、合流地点を変更するか否かを判断する(ステップS413)。ステップS413において合流地点を変更する場合(ステップS413:Yes)、合流地点を変更し(ステップS414)、ステップS402に戻り、以降の処理を繰り返す。また、ステップS413において合流地点を変更しない場合(ステップS413:No)、合流地点を変更せずに、ステップS402に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0061】
なお、図4のフローチャートでは、ステップS403において合流者が出発したか否かを判断するとしているが、これに限るものではない。たとえば、合流者が携帯電話端末などの通信装置を所持している場合は、合流者が出発したか否かを判断せず、通信装置から受信される現在地点に関する情報によって、ステップS406において合流地点までの経路を探索してもよい。
【0062】
また、図4のフローチャートでは、ステップS413において合流地点を変更するか否かを判断するとしているが、これに限るものではない。たとえば、自車と合流者の合流時刻を変更するか否かを判断してもよい。この場合、ステップS414においては、合流時刻を変更することとする。
【0063】
(移動所要時間表示画面の一例)
つぎに、図4におけるステップS409においてディスプレイ313に表示される移動所要時間表示画面の一例を示す。図5は、移動所要時間表示画面の一例を示す説明図である。図5において、表示画面500には、合流者の移動所要時間表示画面510と、自車の移動所要時間表示画面520と、が表示されている。合流者の移動所要時間表示画面510は、徒歩による移動所要時間表示画面511と、電車による移動所要時間表示画面512と、が含まれている。また、図5においては、各移動所要時間表示画面には、移動所要時間から算出された予測到着時間が表示されている。
【0064】
図5においては、合流者の移動所要時間表示画面510には、合流者が徒歩および電車によって、合流地点まで向かう移動所要時間が表示されている。利用者は、合流者が出発地点を9時30分に出発した場合、予測到着時間は、経由駅1に10時、経由駅2に10時30分、合流駅に11時30分であることが確認できる。また、自車の移動所要時間表示画面520には、自車が合流地点まで向かう移動所要時間が表示されている。利用者は、自身の乗車している自車の予測到着時間が、経由地点1に10時、経由地点2に11時、合流駅に11時27分であることが確認できる。
【0065】
(経路表示画面の一例)
つぎに、図4におけるステップS409においてディスプレイ313に表示される経路表示画面の一例を示す。図6は、経路表示画面の一例を示す説明図である。図6において表示画面600には、合流者の経路表示画面601と、自車の経路表示画面602と、合流予想時間603と、が表示されている。また、図5において表示されている移動所要時間表示画面および図6において表示されている経路表示画面は、利用者による操作などによって切り替え可能でもよい。
【0066】
図6においては、合流予想時間603とともに、合流者の経路表示画面601および自車の経路表示画面602が表示されている。これによって、利用者は、合流予想時刻603および合流者の状況を確認しながら、図5に示した合流駅までの経路誘導を受けることができる。
【0067】
上述したように、実施例のナビゲーション装置300によれば、探索部105によって探索された各経路の移動所要時間をそれぞれ移動手段ごとに算出し、算出された各移動所要時間に基づいて、移動体および他の移動体が合流地点で合流する合流時刻を決定し、出力することができる。これによって、利用者は、合流時刻を確認しながら走行することができるため、合流地点での待ち時間などをなくすことができる。
【0068】
また、実施例のナビゲーション装置300によれば、他の移動体の現在地点に関する情報を用いて、合流地点までの各経路を探索することができる。したがって、決定部108は、他の移動体の現在地点に応じて、合流時刻を決定することができる。これによって、利用者は、確実な合流時刻を確認しながら走行することができるため、合流地点での待ち時間などをなくすことができる。
【0069】
また、実施例のナビゲーション装置300によれば、探索部105は、移動体の現在地点および他の移動体の現在地点に応じて、合流地点を変更した新たな合流地点までの経路を探索することができる。したがって、移動体および他の移動体が合流時刻より遅れて合流すると予測された場合などに、合流地点を変更することができる。これによって、利用者や合流者の状況によって合流地点を自動的に変更することができる。
【0070】
また、実施例のナビゲーション装置300によれば、さらに、移動体の現在地点および他の移動体の現在地点を出力することができる。したがって、出力部101は、合流時刻や経路や移動所要時間とともに、移動体の現在地点および他の移動体の現在地点を出力することができる。これによって、利用者は、合流時刻および現在地点を確認しながら走行することができるため、合流者の状況を確認しながら合流地点に向かうことができる。
【0071】
また、実施例のナビゲーション装置300によれば、合流時刻に応じて、他の移動体が出発地点を出発する出発時刻を決定することができる。したがって、他の移動体の出発時間を、移動体の現在地点によって決定することができる。これによって、利用者は、合流者の合流地点での待ち時間などをなくすことができる。
【0072】
また、実施例のナビゲーション装置300によれば、移動手段ごとの交通情報を用いて、各移動所要時間を移動手段ごとに算出することができる。したがって、決定部108は、渋滞情報や交通規制情報や運行状況情報などによって、合流時刻を決定することができる。これによって、利用者は、正確な合流時刻を確認することができる。
【0073】
また、実施例のナビゲーション装置300によれば、探索部105によって探索された他の移動体の経路を他の移動体に対して送信することができる。したがって、探索された経路によって他の移動体を誘導することができる。これによって、利用者は、合流者を経路から逸脱させずに合流地点へ向かわせることができる。
【0074】
以上説明したように、本発明の経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラム、および記録媒体によれば、移動体および他の移動体が合流する合流時刻を決定することができる。これによって、利用者は、常に合流時刻を確認しながら走行することができる。したがって、合流地点での待ち時間をなくすことができる。
【0075】
なお、本実施の形態で説明した経路探索方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施の形態にかかる経路探索装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】経路探索装置の経路探索処理手順を示すフローチャートである。
【図3】実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】ナビゲーション装置の処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】移動所要時間表示画面の一例を示す説明図である。
【図6】経路表示画面の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0077】
100 経路探索装置
101 出力部
102 設定部
103 検出部
104 入力部
105 探索部
106 取得部
107 算出部
108 決定部
109 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体および当該移動体とは異なる移動手段を用いた他の移動体の合流地点を設定する設定手段と、
前記移動体の現在地点を検出する検出手段と、
前記他の移動体の出発地点の入力を受け付ける入力手段と、
前記検出手段によって検出された移動体の現在地点および前記入力手段によって入力された他の移動体の出発地点に応じて、前記設定手段によって設定された合流地点までの経路を前記移動手段ごとに探索する探索手段と、
前記探索手段によって探索された各経路の移動所要時間をそれぞれ前記移動手段ごとに算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記各移動所要時間に基づいて、前記移動体および前記他の移動体が前記合流地点で合流する合流時刻を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された合流時刻とともに、前記各経路および前記各移動所要時間を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする経路探索装置。
【請求項2】
前記入力手段は前記他の移動体の現在地点に関する情報の入力を受け付け、
前記探索手段は、前記入力手段によって入力された前記他の移動体の現在地点に関する情報を用いて、前記合流地点までの前記各経路を前記移動手段ごとに探索することを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項3】
前記探索手段は、前記移動体の現在地点および前記他の移動体の現在地点に応じて、前記合流地点を変更した新たな合流地点までの経路を探索することを特徴とする請求項2に記載の経路探索装置。
【請求項4】
前記出力手段は、さらに前記移動体の現在地点および前記他の移動体の現在地点を出力することを特徴とする請求項2または3に記載の経路探索装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記合流時刻に応じて、前記他の移動体が出発地点を出発する出発時刻を決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の経路探索装置。
【請求項6】
前記移動手段ごとの交通情報を取得する取得手段を備え、
前記算出手段は、前記取得手段によって取得された前記交通情報を用いて、前記各移動所要時間を前記移動手段ごとに算出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の経路探索装置。
【請求項7】
前記探索手段によって探索された前記他の移動体の経路を当該他の移動体に対して送信する送信手段を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の経路探索装置。
【請求項8】
移動体および当該移動体とは異なる移動手段を用いた他の移動体の合流地点を設定する設定工程と、
前記移動体の現在地点を検出する検出工程と、
前記他の移動体の出発地点の入力を受け付ける入力工程と、
前記検出工程によって検出された移動体の現在地点および前記入力工程によって入力された他の移動体の出発地点に応じて、前記設定工程によって設定された合流地点までの経路を前記移動手段ごとに探索する探索工程と、
前記探索工程によって探索された各経路の移動所要時間をそれぞれ前記移動手段ごとに算出する算出工程と、
前記算出工程によって算出された前記各移動所要時間に基づいて、前記移動体および前記他の移動体が前記合流地点で合流する合流時刻を決定する決定工程と、
前記決定工程によって決定された合流時刻とともに、前記各経路および前記各移動所要時間を出力する出力工程と、
を含むことを特徴とする経路探索方法。
【請求項9】
請求項8に記載の経路探索方法をコンピュータに実行させることを特徴とする経路探索プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の経路探索プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−256118(P2007−256118A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−81668(P2006−81668)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】