説明

表示装置の製造方法および表示装置、ならびに薄膜トランジスタ基板の製造方法および薄膜トランジスタ基板

【課題】半導体薄膜の結晶化アニール工程の短縮化を図りながらも、オン電流が均一な薄膜トランジスタを得ることが可能で、これにより薄膜トランジスタに接続された発光素子の輝度ムラが防止された表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基板1上の各画素aに形成される薄膜トランジスタTr2のソースS/ドレインDのレイアウトが、第1画素列A1と第2画素列A2とで画素aの配列方向に反転するように、基板1上にゲート電極14bを形成する。これを覆う状態で基板1上にゲート絶縁膜31および非晶質の半導体薄膜32をこの順に成膜する。画素列方向においてドレインD側からソースS側に向かう走査方向v(−v)となるようにレーザ光Lhを走査させながら、ゲート電極14b上方における半導体薄膜32に対してレーザ光Lhを照射して半導体薄膜32を結晶化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置の製造方法および表示装置、ならびに薄膜トランジスタ基板の製造方法および薄膜トランジスタ基板に関し、特には有機電界発光素子を備えたアクティブマトリックス駆動の表示装置の製造方法およびその構成、ならびにこの表示装置に好適に用いられる薄膜トランジスタ基板の製造方法および薄膜トランジスタ基板に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電界発光素子とこれに接続された画素回路とを基板上に配列形成してなるアクティブマトリックス駆動の表示装置においては、画素回路を構成する薄膜トランジスタ(thin film transistor:TFT)の電流量によって有機電界発光素子の輝度が決定される。このため輝度ムラが抑えられた表示特性良好な表示装置を得るためには、薄膜トランジスタの特性ばらつきを抑えることが重要である。
【0003】
薄膜トランジスタのチャネル領域を多結晶シリコンで構成する場合、チャネル領域内に存在する結晶粒の大きさが不均一なためトランジスタ特性がばらつきやすい。そこで、チャネル領域を構成する半導体薄膜を結晶粒の大きさが不均一にならない程度に微結晶化する方法として、固体レーザを用いて非晶質薄膜を微結晶化する結晶化アニールが行われている。
【0004】
図23には、上記結晶化アニール工程を説明するための薄膜トランジスタ基板のレイアウト図を示す。また図24には薄膜トランジスタ基板における2表示画素分のレイアウト図を示す。これらの図に示すように、中・小型の表示パネルの製造工程では、1枚のガラス基板1に対して、例えば2枚の表示パネル2が配置される。この場合、ガラス基板1の長辺対して、表示パネル2の短辺が平行に配置される。また各表示パネル2内には、表示パネルと略相似形の表示領域2aが設定され、各表示領域2a内には平面矩形形状の副画素aが配列形成される。これらの副画素aは、表示領域2aの短辺方向yに対して、各副画素aの長辺を平行にして配置される。さらにこれらの副画素aは、これらの短辺方向に配列された赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの副画素aを1組とした略正方形の表示画素Aを構成している。
【0005】
また各表示パネル2における表示領域2a内には、表示領域2aの長辺方向xに沿って走査線11および電源線12が配線され、これと垂直に信号線13が配線され、これらの各交差部に対応して副画素aが配置されている。各副画素a内には、信号線13と平行に延設されたゲート電極14を備えた薄膜トランジスタTr1’,Tr2’、さらには容量素子Csが配置されている。この場合、隣接する副画素aのレイアウトを反転して配置する事で電源線12の一部を共通化する事ができ、表示画素内の配線間隔を広げる事ができ製造工程におけるダストの混入等によるショートの発生、ひいては表示画素の不良発生を抑え、歩留りの向上を図る事ができる。特に有機電界発光素子を駆動する画素回路は素子数が多く、配線間隔を広げる事は重要である。
【0006】
以上のような薄膜トランジスタ基板を作製する場合の結晶化アニール工程は、先ず図25に示すように、ガラス基板1上の各表示領域2aに、第1金属パターン21からなるゲート電極14を形成し、さらに第1金属パターン21からなる他の配線部分、例えば信号線13の一部や容量素子(Cs)の下部電極を形成する。次に、これらの第1金属パターン21を覆う状態で、ゲート絶縁膜31、非晶質の半導体薄膜32を成膜し、さらにここでの図示を省略したバッファ層や光熱変換層を必要に応じて成膜する。次に、これらの層を介して、半導体薄膜32に対してレーザ光を走査させながら照射する。これにより、レーザ光の照射部に対応する半導体薄膜32部分を微結晶化させた半導体薄膜32Aとする。
【0007】
この際、レーザ光の走査方向v(−v)は、表示領域2aの長辺方向xに対して平行、つまり図23に示すように基板1の短辺に対して平行としている。これにより、レーザ光の走査距離が長いことによるレーザ光Lhのエネルギーばらつきを防止し、より均一な結晶が得られるようにしている。またこれにより、図24に示した構成例においては、薄膜トランジスタTr1’,Tr2’のチャネル長方向がレーザ光の走査方向v(−v)となる。
【0008】
以上のような結晶化アニール工程の後には、図26(a)の平面図および図26(b)の断面図に示す様に、ゲート電極14を覆う形状に微結晶化させた半導体薄膜32Aをパターニングし、さらにゲート電極14上に重ねてエッチングストッパ層33を形成する。
尚、断面図は平面図のA−A’断面に相当する。次に、エッチングストッパ層33上で分離された状態で半導体薄膜32A上に重ねるように、n型半導体薄膜からなるソース/ドレイン34sd(断面図のみに図示)を形成する。その後、さらに第2金属パターン22からなるソース電極/ドレイン電極22sdを形成して薄膜トランジスタTr1’,Tr2’を得る。またこれと共に第2金属パターン22からなる他の配線部分、例えば図24の走査線11、電源線12、容量素子Csの上部電極等を形成する。
【0009】
ところで、上述した固体レーザを用いた結晶化アニールは、エキシマレーザを用いた結晶化アニールと比較して、半導体薄膜の結晶化に必要な熱量を供給した場合の熱拡散長が長くなる。このため、半導体薄膜32の下層に設けたゲート電極14による熱伝導の影響が顕著であり、半導体薄膜32の結晶性に影響が及ぼされている。
【0010】
そこで、図26に示したように、薄膜トランジスタTr1’,Tr2’のゲート電極14を、チャネル長方向に延設し(つまりゲート電極14を幅方向に太らせ)、この延設した部分ΔLs、ΔLdを伝熱部材とする構成が提案されている。このような構成とすることにより、上述した結晶化アニール工程においては、ゲート電極14による熱伝導の影響を、ゲート電極14と重なるチャネル領域に対して均一化させ、チャネル領域の結晶性を均一に行うことが可能であるとしている(下記特許文献1参照)。
【0011】
【特許文献1】特開2007−35964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、図26を用いて説明したように半導体薄膜32の下層のゲート電極14を線幅方向に太らせた場合であっても、レーザ光の走査方向によってゲート電極14上方の半導体薄膜の結晶性に疎密が生じる。つまり、ゲート電極14の線幅方向(チャネル長方向)をレーザ光の走査方向とした場合、走査方向の上流側ではゲート電極14が熱的に飽和し難く、レーザ光の走査方向の下流側ではゲート電極14が熱的に飽和し易い。
【0013】
このため、ゲート電極14を挟んでレーザ光の走査方向v(−v)の上流側では、レーザ光照射によってゲート電極14が十分に加熱される前に半導体薄膜32の結晶化が行われ易く、結晶性が疎になる。これに対して、ゲート電極14を挟んでレーザ光の走査方向v(−v)の下流側では、レーザ光照射によってゲート電極14が十分に加熱された状態で半導体薄膜32の結晶化が行われるため、結晶性が密になる。
【0014】
したがって図24に示したレイアウトの薄膜トランジスタTr1’,Tr2’では、半導体薄膜のチャネル領域におけるチャネル長方向の端部で結晶性に疎密が発生することになる。そしてこのようなチャネル領域におけるチャネル長方向での結晶性の疎密は、薄膜トランジスタのオン電流に大きな影響を及す。下記表1には、結晶化アニールの際のレーザ光の走査方向v(−v)を、薄膜トランジスタTr1’,Tr2’のソース側上流とした場合と、ドレイン側上流とした場合とで反転させて各位置1〜12に形成した薄膜トランジスタのオン電流の値を示す。各オン電流の値は、図27に示すように、基板の表示パネル2上に分散して設定した各位置1〜12に作製した薄膜トランジスタに関する値である。各薄膜トランジスタのゲート幅Wとゲート長Lは、W/L=20/8である。
【0015】
【表1】

【0016】
この表1からも明らかなように、結晶性が疎な側(すなわち走査方向の上流側)がドレインであればオン電流は大きくなり、同側がソースであればオン電流は小さくなるのである。
【0017】
したがって、図24に示したように、隣接する副画素aのレイアウトが反転している構成であれば、隣接する表示画素内の同一色の副画素aの薄膜トランジスタTr1’,Tr2’のレイアウトが反転するため同一色の副画素a間の薄膜トランジスタTr1’,Tr2に上述したチャネル長方向の端部での結晶性の疎密に起因するトランジスタ特性、例えばオン電流に差が生じる。これにより、隣接する表示画素内の同一色の副画素a間では薄膜トランジスタTr1’,Tr2’に接続された発光素子の輝度差が生じ、結果として隣接する表示画素間の輝度差が輝度ムラとして視認されてしまう。
【0018】
また、例えば結晶化アニール工程の短縮を目的として、1列目の副画素a列に対して走査方向vでレーザ照射した後に、2列目の副画素a列に対して走査方向−vでレーザ照射するような、レーザ光の走査の往復において異なる列の副画素aに対してレーザ照射を行う場合がある。このような場合であれば、列毎に薄膜トランジスタの特性差が生じ、これに接続された発光素子の輝度差が生じる事になる。
【0019】
そこで本発明は、半導体薄膜の結晶化アニール工程の短縮化を図りながらも、オン電流が均一な薄膜トランジスタを得ることが可能で、これにより薄膜トランジスタに接続された発光素子の輝度ムラが防止された表示特性の良好な表示装置の製造方法を提供すること、さらにはこのような製造方法によって得られた表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
このような目的を達成するための本発明の表示装置の製造方法、および薄膜トランジスタ基板の製造方法は、次のような工程を行う。先ず、基板上の各画素に形成される薄膜トランジスタのソース/ドレインのレイアウトが、画素列毎に画素の配列方向に反転するように、当該基板上にゲート電極を形成する。次に、ゲート電極を覆う状態で基板上にゲート絶縁膜および非晶質の半導体薄膜をこの順に成膜する。その後、画素列方向においてソース/ドレインのレイアウトに対して同一の走査方向となるように、エネルギー線を走査させながら、ゲート電極上方における半導体薄膜に対して当該エネルギー線を照射することにより、半導体薄膜を結晶化させる。そして、表示装置の製造においては、このようにして形成された薄膜トランジスタに接続される発光素子を形成する。
【0021】
また本発明は、このような製造方法によって得られた薄膜トランジスタを発光素子に接続させた表示装置、および薄膜トランジスタ基板でもあり、ソース/ドレインが第1方向にレイアウトされた薄膜トランジスタを配列した第1画素列と、ソース/ドレインが前記第1方向とは逆の第2方向にレイアウトされた薄膜トランジスタを配列した第2画素列と、各薄膜トランジスタに接続された複数の発光素子とを備えている。
【0022】
上述した本発明の製造方法では、エネルギー線照射による半導体薄膜の結晶化の際に、画素列方向においてソース/ドレインのレイアウトに対して同一の走査方向となるように、エネルギー線を走査させる。これにより、ゲート電極上方の半導体薄膜部分に対しては、必ずドレイン側からソース側(またはこの逆)にエネルギー線が走査されることになる。このため、ゲート電極に対するエネルギー線の走査方向の違いに起因する、ソース側とドレイン側との半導体薄膜部分の結晶性の差が各薄膜トランジスタで同一となる。しかも、ソース/ドレインのレイアウトは、画素列毎に画素の配列方向に反転するようにゲート電極が形成されている。このため、上述したように画素列方向においてソース/ドレインのレイアウトに対して同一の走査方向となるようにエネルギー線を走査させるためには、画素列方向の±両方向が走査方向として必要になるため、画素列方向に往復でのエネルギー線の走査が行われるようになる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、画素列方向に往復でのエネルギー線の走査が行われることで半導体薄膜の結晶化アニール工程を短縮化することが可能である。しかも、エネルギー線の走査方向に起因するゲート電極上方のソース側とドレイン側との半導体薄膜部分の結晶性の違いが各薄膜トランジスタで同一となることで、オン電流が均一な薄膜トランジスタを得ることが可能である。この結果、より短縮されたTAT(turn-around time)で、薄膜トランジスタに接続された発光素子の輝度ムラが防止された表示特性の良好な表示装置を得ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を、薄膜トランジスタに有機電界発光素子を接続されたアクティブマトリックス型の表示装置に適用した各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。説明は、以下の順序で行なう。
1.第1実施形態(駆動用の薄膜トランジスタのソース/ドレインのレイアウトが画素列毎に反転しており、2つの画素列が電源線を共有している例)
2.第2実施形態(駆動用の薄膜トランジスタのソース/ドレインのレイアウトが画素列毎に反転している例)
3.第3実施形態(スイッチング用および駆動用の薄膜トランジスタのソース/ドレインのレイアウトが画素列毎に反転しており、2つの画素列が電源線を共有している例)
4.第4実施形態(ソース/ドレインのレイアウトが反転する画素列を、表示領域内の2つの領域に分けて配置した例)
5.第5実施形態(画素列方向に配列された副画素のうち青色の副画素のみ画素回路を反転させた例)
【0025】
尚、各実施形態においては、薄膜トランジスタに発光素子を接続されたアクティブマトリックス型の表示装置の製造手順を、薄膜トランジスタ基板の製造工程から順に説明する。また、図23〜図26を用いて説明した従来の構成と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を行う。
【0026】
<第1実施形態>
図1および図2を用いて第1実施形態の製造方法を実施するための薄膜トランジスタ基板のレイアウトを説明する。また図3には、参考のため、各副画素の回路図を示す。
【0027】
図1に示すように、平面矩形形状のガラス基板1を用意する。そして、このガラス基板1に対して、例えば2枚の表示パネル2の形成領域を設定する。この際、1枚のガラス基板1に対して、効率よく2枚の表示パネル2を配置できるように、ガラス基板1の長辺に対して、表示パネル2の短辺を平行に配置する。そして、各表示パネル2内には、各表示パネル2と略相似形で平面矩形形状の表示領域2aを設定する。表示領域2a内には、平面矩形形状の副画素aを配列する。これらの副画素aは、表示領域2aの短辺方向yに対して、各副画素aの長辺を平行にして配置される。さらにこれらの副画素aは、これらの短辺方向に配列された赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの副画素a(R),a(G),a(B)を1組とした略正方形の表示画素を構成している。以上までは、従来と同様のレイアウトである。
【0028】
また、図2に示すように、各表示領域2a内には、表示領域2aの長辺方向xに沿って走査線11および電源線12が配線され、これと垂直に信号線13が配線されている。ここでは特に、2本の走査線11の間に1本の電源線12が配線されていることとする。そして、これらの走査線11および電源線12と、信号線13との各交差部に対応して副画素aが配置されている。
【0029】
各副画素a内には(図3を参照し)、スイッチング用の薄膜トランジスタ(以下スイッチングトランジスタと記す)Tr1、駆動用の薄膜トランジスタ(以下、駆動トランジスタと記す)Tr2、さらには容量素子Csが配置され、これらによって画素駆動回路が構成されている。スイッチングトランジスタTr1は、ゲート電極を走査線11に接続させ、ドレインDを信号線13に接続させ、ソースSを容量素子Csと駆動トランジスタTr2とに接続させている。駆動トランジスタTr2は、ゲート電極を容量素子CsとスイッチングトランジスタTr1とに接続させ、ドレインDを電源線12に接続させ、ソースSを発光素子ELに接続させている。
【0030】
このような構成の各画素駆動回路は、走査線11で選択されたスイッチングトランジスタTr1を介して信号線13から書き込まれた映像信号が保持容量Csに保持される。そして、保持された信号量に応じた電流が、駆動トランジスタTr2のソースSから、発光素子ELに供給され、この電流値に応じた輝度で発光素子ELが発光する構成となっている。
【0031】
尚、各副画素a(R),a(G),a(B)に設けた発光素子ELは、駆動トランジスタTr2の電流値に応じた輝度で発光する。このため、各副画素a(R),a(G),a(B)に設けた駆動トランジスタTr2は、それぞれに設けられた各色の発光素子ELの発光効率によって異なるチャネル幅を有していることとする。つまり、発光効率が低い色の発光素子ELを備えた副画素ほど、駆動トランジスタTr2のチャネル幅が広く設定されていることとする。ここでは例えば、青色の発光素子ELの発光効率が最も低く、副画素a(B)において駆動トランジスタTr2のチャネル幅が最も広く、続いて緑色の副画素a(G),赤色の副画素a(R)の順に、駆動トランジスタTr2のチャネル幅が狭くなっていることとする。
【0032】
また各副画素a内において、薄膜トランジスタTr1,Tr2は、ボトムゲート型の薄膜トランジスタとして配置されていることとする。これらの薄膜トランジスタTr1,Tr2は、そのチャネル長方向が副画素aの短辺と平行となるように、すなわちゲート電極14a,14bが副画素aの長辺方向であって、表示領域2aの短辺方向yに延設されるように配置されている。
【0033】
そして特に、走査線11と平行な副画素aの列を画素列とした場合、各表示領域2a内には、駆動トランジスタTr2のソースS/ドレインDのレイアウトによって第1画素列A1と第2画素列A2とが配置されていることとする。第1画素列A1と第2画素列A2とは、駆動トランジスタTr2のソースSとドレインDとが、画素列の方向に対して逆にレイアウトされている。つまり、第1画素列A1の各副画素aにおいては、駆動トランジスタTr2のソースSとドレインDとが、第1方向に向かって(例えば図2において左から右に向かって)ドレインD、ソースSの順で配置されている。これに対して第2画素列A2の各副画素aにおいては、駆動トランジスタTr2のソースSとドレインDとが、第1方向と逆の第2方向に向かって(例えば図2において右から左に向かって)ドレインD、ソースSの順で配置されている。
【0034】
これらの第1画素列A1と第2画素列A2とは、信号線13の配線方向に沿って交互に隣接して配置されていることが好ましい。そして交互に配置された第1画素列A1と第2画素列A2とに配置される各駆動トランジスタTr2で、電源線12を共有する構成となっている。
【0035】
以上のようなレイアウトの薄膜トランジスタ基板を作製する場合、次の手順を行う。
【0036】
先ず、図4の平面図、および図5(1)の断面図(図4の平面図のA−A’断面図に相当する)に示すように、ガラス基板1上の各表示領域2aに、第1金属パターン21からなるゲート電極14a,14bを形成し、さらに第1金属パターン21からなる他の配線部分、例えば信号線13の一部および容量素子(Cs)の下部電極部分を形成する。この際、スイッチングトランジスタ(Tr1)のゲート電極14a、および駆動トランジスタ(Tr2)のゲート電極14bは、表示領域2aの短辺方向yと平行に延設されるようにパターニングする。また信号線13の一部は、表示領域2aの短辺方向yと平行となるようにパターニングする。
【0037】
そして特に、駆動トランジスタ(Tr2)のゲート電極14bは、信号線13の延設方向と垂直な画素列毎に、ソース/ドレインのレイアウトが、副画素aの配列方向に反転するように設けられていることとする。つまり、各表示領域2a内には、駆動トランジスタTr2のソースS/ドレインDのレイアウトによって第1画素列A1と第2画素列A2とが配置されていることとする。第1画素列Aと第2画素列A2とでは、駆動トランジスタ(Tr2)のソースS/ドレインDが副画素aの配列方向に逆の順となる。尚、駆動トランジスタ(Tr2)のゲート電極14bは、容量素子(Cs)の下部電極と連続したパターンとして形成され、この連続したパターンのうちのゲート電極14bとなる部分が、表示領域2aの短辺方向yと平行に延設される構成である。
【0038】
このような、ゲート電極14a,14bを含む第1金属パターン21は、例えばスパッタ法により成膜したモリブデン(Mo)膜を、レジストパターンをマスクにしてパターンエッチングすることによって形成する。尚、第1金属パター21は、モリブデン(Mo)により構成されているとは限らず、後の熱工程において変質しにくい高融点の金属であればよい。
【0039】
次に、これらの第1金属パターン21を覆う状態で、例えば酸化シリコンや窒化シリコンを用いたゲート絶縁膜31を成膜し、さらに続けて非晶質シリコンからなる半導体薄膜32を成膜する。
【0040】
その後、図5(2)に示すように、半導体薄膜32上を覆う状態で、酸化シリコンや窒化シリコンを用いたバッファ層41を成膜し、さらに続けてモリブデン(Mo)を用いた光熱変換層42をこの順に成膜する。尚、この光熱変換層42は、後述するレーザ光などのエネルギー線を吸収し、光エネルギーを熱エネルギーに変換するためのものである。したがって、この光熱変換層42としては、次に行う結晶化アニールの際に使用するレーザ光(エネルギー線)の吸収率が高いこと、バッファ層41や半導体薄膜32への熱拡散速度が低いこと、後の結晶化の際に生じる熱によっても変質しにくい高融点の材料であること、などの条件を満たせばどのような材料であってもよく、例えば他に炭素(C)などを用いるようにしてもよい。
【0041】
以上の後、図5(3)および図3の平面図に示すように、光熱変換層42およびバッファ層41を介して半導体薄膜32に間接的にレーザ光Lhを照射し、この半導体薄膜32に加熱処理を施す。この際、固体レーザを発信源としたレーザ光Lhを照射する。これにより半導体薄膜32におけるレーザ光Lhの照射部をナノメートルオーダーの結晶粒に結晶化させた微結晶シリコン薄膜32Aとする。
【0042】
またここでのレーザ光Lhの照射においては、副画素aの列方向(すなわちここでは信号線13に垂直な方向)において、ソースSとドレインDのレイアウトに対して同一の走査方向となるようにレーザ光Lhを走査させながら、ゲート電極14b上方における半導体薄膜32に対してレーザ光Lhを照射することが重要である。
【0043】
このためここでは、第1画素列A1と第2画素列A2とで、副画素aの配列方向に対するレーザ光Lhの走査方向v(-v)を逆にする。つまり、第1画素列A1に対してはレーザ光Lhの走査方向v(−v)として半導体薄膜32に対してレーザ光Lhを照射する。一方、第2画素列A2に対してはレーザ光Lhの走査方向−v(v)として半導体薄膜32に対してレーザ光Lhを照射する。特に、レーザ光Lhの走査方向v(-v)は、駆動トランジスタ(Tr2)のソースS側を下流としドレインD側を上流とすることが好ましい。したがって、第1画素列A1に対しては走査方向vで、第2画素列A2に対しては走査方向−vでレーザ光Lhを照射することが好ましい。これにより、各表示領域2aに対しては、表示領域2aの長辺方向xに往復でレーザ光Lhを走査させながら照射することができる。
【0044】
また、第1画素列A1と第2画素列A2とは、信号線13の配線方向に沿って交互に配置されている。このため、レーザ光Lhを往復で走査させる際のレーザ光Lhの走査方向v(−v)端部では、レーザ光Lhを隣接する画素列にまで移動させれば良く、移動距離を最短にすることができる。
【0045】
尚、レーザ光Lhの走査方向v(−v)と垂直な方向の照射幅は、トランジスタTr1,Tr2の形成部を覆う程度であることとする。そして、ここでのレーザ光Lhの照射は、図2を用いて説明したように配置形成される薄膜トランジスタTr1,Tr2の形成位置に対応する部分のみに、すなわちゲート電極(14a),14bの上方を含む領域に対して選択的に照射すれば良い。
【0046】
以上のようなレーザ光Lh照射の後、図5(4)に示すように、半導体薄膜32A上の光熱変換層42およびバッファ層41をエッチングにより除去する。
【0047】
次に、図6(1)に示すように、半導体薄膜32A上においてゲート電極(14a),14bに重なる位置で、チャネル領域となる半導体薄膜32A部分の上部に、絶縁性のストッパ層33をパターン形成する。
【0048】
次いで、図6(2)に示すように、ストッパ層33を覆う状態で、例えばn型の不純物を含有するシリコンからなるn型半導体層34を成膜する。
【0049】
その後、図6(3)に示すように、n型半導体層34と半導体薄膜32Aとを、ゲート電極(14a),14bの上方において島状にパターニングする。
【0050】
しかる後、図6(4)に示すように、n型半導体層34を覆う金属膜を形成してこれをパターニングすることにより、第2金属パターン22からなるソース電極22sとドレイン電極22dとを形成する。このソース電極22s/ドレイン電極22dは、ストッパ層33上において分割された状態となっている。また、n型半導体層34も、ストッパ層33上で分離するようにパターニングし、このn型半導体層34からなるソースS/ドレインDを形成する。これにより、微結晶性の半導体薄膜32Aによってチャネル領域chが構成され、このチャネル領域chに接するソースS/ドレインDにソース電極22s/ドレイン電極22dが接続されたボトムゲート型の薄膜トランジスタTr1,Tr2を得る。また、ソース電極22s/ドレイン電極22dの形成と同じ工程で、第2金属パターン22からなる他の配線部分、例えば図2に示した走査線11、電源線12、容量素子Csの上部電極、信号線13の一部分等を形成する。
【0051】
以上により図2に示したように、ガラス基板1上の各表示領域2aに走査線11、電源線12、および信号線13が配線され、さらに各副画素aに薄膜トランジスタTr1,Tr2および容量素子Csを有する画素駆動回路が設けられた薄膜トランジスタ基板(駆動基板)を得る。尚、以上説明したプロセスと同一プロセスを適用して、ここでの図示を省略した表示領域の周辺に設けられる周辺駆動回路を構成する他の素子および配線を形成する。周辺駆動回路としては、例えば表示領域2aの長辺方向xに沿って信号線駆動回路が設けられ、短辺方向yに沿って走査線駆動回路が設けられる。
【0052】
次に、以上のようにして作製した薄膜トランジスタ基板の上部に発光素子を形成する工程を説明する。図7はアクティブマトリックス方式の有機EL表示装置の1画素(副画素)分の断面構成を示す図であり、図2のA−A’断面に相当する。
【0053】
この図に示すように、以上の薄膜トランジスタTr1,Tr2および容量素子Csを有する回路が形成されたガラス基板1上を覆う状態で、パッシベーション膜51を成膜し、この上部に平坦化絶縁膜52を形成する。パッシベーション膜51および平坦化絶縁膜52には、駆動トランジスタTr2のソース電極22s/ドレイン電極22dの一方(例えばソース電極22s)に達する接続孔(図示省略)を形成する。次に、接続孔を介してソース電極22sに接続された下部電極53を、平坦化絶縁膜52上にパターン形成する。この下部電極53は、有機電界発光素子ELの陽極(または陰極)として用いられるものであり、画素毎にパターン形成されていることとする。尚、下部電極53の形成と同一工程で、当該下部電極53とは絶縁された形状の補助配線53aを形成する。
【0054】
次に、下部電極53の中央部分を広く露出して周縁を覆う状態で絶縁性パターン54を形成する。この絶縁性パターン54の開口部分が画素開口となる。またこの絶縁パターン54は、補助配線53aに達する接続孔も有していることとする。
【0055】
その後、絶縁性パターン54から露出した下部電極53を覆う状態で、有機材料を用いて構成される発光機能層55を形成する。この発光機能層55は、少なくとも有機発光層を備えており、例えば陽極側から正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層などを必要に応じて積層成膜して形成する。
【0056】
次に、発光機能層55を覆う状態で、上部電極56を形成する。この上部電極56は、有機電界発光素子ELの陰極(または陽極)として用いられるものであり、全画素に共通の電極として形成されていることとする。尚、この上部電極56は、絶縁パターン54に設けられた接続孔を介して補助配線53aに接続されていることとする。
【0057】
以上により、平坦化絶縁膜52上に、下部電極53と上部電極56との間に有機発光層を含む発光機能層55を挟持してなる有機電界発光素子ELを形成する。この有機電界発光素子ELは、下部電極53において駆動トランジスタTr2に接続された構成となっている。
【0058】
次に、ガラス基板1の有機電界発光素子EL形成面側に封止基板57を対向配置し、接着性の封止剤58を介してガラス基板1と封止基板57とを貼合せる。そして、図1に示したように、1枚のガラス基板1に複数の表示パネル2の形成領域が設定されている場合であれば、表示パネル2毎にガラス基板1および対向基板を分割する。
【0059】
その後は、図8に示すように、各分割部分に対して必要に応じて所定手順でフレキシブルプリント基板61,63,65を接続させる。これらのフレキシブルプリント基板61,63,65は、例えば映像信号供給用基板61、電源供給用基板63、走査信号供及び電源制御信号給用基板65である。
【0060】
以上により、表示装置59を完成させる。
【0061】
このような構成の表示装置59では、各副画素aにおいてスイッチングトランジスタTr1を介して信号線13から書き込まれた映像信号が保持容量Csに保持され、保持された信号量に応じた電流が駆動トランジスタTr2から有機電界発光素子ELに供給され、この電流値に応じた輝度で有機電界発光素子ELが発光する。
【0062】
以上説明した第1実施形態の製造方法によれば、例えば図4(図2参照)に示したように、レーザ光Lh照射による半導体薄膜32の結晶化の際に、駆動トランジスタ(Tr2)のソースSとドレインDとのレイアウト(配列順)に対して同一の走査方向となるように、レーザ光Lhを走査させる。これにより、ゲート電極14b上方の半導体薄膜32部分に対しては、必ずドレインD側からソースS側(またはこの逆)にレーザ光Lhが走査されることになる。このため、レーザ光Lhの走査方向に起因するゲート電極14b上方のソースS側とドレインD側との半導体薄膜32部分の結晶性の違いが、各駆動トランジスタTr2で同一となる。したがって、オン電流が均一な駆動トランジスタTr2を得ることが可能であり、この駆動トランジスタTr2に接続された有機電界発光素子ELの輝度ムラが防止される。
【0063】
しかも、駆動トランジスタ(Tr2)のソースSとドレインDとのレイアウトは、隣接する画素列(第1画素列A1と第2画素列A2と)で逆になっている。このため上述したように、レーザ光Lhの走査方向が、駆動トランジスタ(Tr2)のソースSとドレインDとのレイアウト(配列順)に対して同一の走査方向となるようにレーザ光Lhを走査させるには、副画素aの配列方向に対して往復でのレーザ光Lhの走査が行われるようになる。したがって、半導体薄膜の結晶化アニール工程を短縮化することが可能である。
【0064】
以上の結果、より短縮されたTAT(turn-around time)で、駆動トランジスタTr2に接続された発光素子の輝度ムラが防止された表示特性の良好な表示装置を得ることが可能になる。
【0065】
<第2実施形態>
図9は、第1実施形態の変形例としての第2実施形態を説明するためのレイアウト図である。この図を用いて説明する第2実施形態と先の第1実施形態との異なるところは、第1画素列A1と第2画素列A2とで電源線12を共有せず、各画素列A1,A2毎に走査線11および電源線12が配置されているところにある。そして、各副画素aに配置される薄膜トランジスタTr1,Tr2のレイアウトは、第1実施形態と同様である。
【0066】
すなわち、薄膜トランジスタTr1,Tr2は、そのチャネル長方向が副画素aの短辺と平行となるように、すなわちゲート電極14a,14bが副画素aの長辺方向であって、表示領域2aの短辺方向yに延設されるように配置されている。
【0067】
そして特に、走査線11と平行な副画素aの列を画素列とした場合、各表示領域2a内には、駆動トランジスタTr2のソースS/ドレインDのレイアウトによって第1画素列A1と第2画素列A2とが配置されていることとする。第1画素列A1と第2画素列A2とは、駆動トランジスタTr2のソースSとドレインDとが、画素列の方向に対して逆にレイアウトされている。つまり、第1画素列A1の各副画素aにおいては、駆動トランジスタTr2のソースSとドレインDとが、第1方向に向かって(例えば図9において左から右に向かって)ドレインD、ソースSの順で配置されている。これに対して第2画素列A2の各副画素aにおいては、駆動トランジスタTr2のソースSとドレインDとが、第1方向と逆の第2方向に向かって(例えば図9において右から左に向かって)ドレインD、ソースSの順で配置されている。
【0068】
これらの第1画素列A1と第2画素列A2とは、信号線13の配線方向に沿って交互に配置されていることが好ましい。
【0069】
以上のようなレイアウトの薄膜トランジスタ基板を作製する場合、第1実施形態と同様の手順を行う。
【0070】
つまり、図10に示すように、先ず第1実施形態において図5(1)を用いて説明した手順で、ガラス基板1上の各表示領域2aに、第1金属パターン21からなるゲート電極14a,14bを形成し、さらに第1金属パターン21からなる他の配線部分、例えば信号線13の一部および容量素子(Cs)の下部電極部分を形成する。この際、スイッチングトランジスタ(Tr1)のゲート電極14a、および駆動トランジスタ(Tr2)のゲート電極14bは、表示領域2aの短辺方向yと平行に延設されるようにパターニングする。また信号線13の一部は、表示領域2aの短辺方向yと平行となるようにパターニングする。
【0071】
そして特に、駆動トランジスタ(Tr2)のゲート電極14bは、信号線13の延設方向と垂直な画素列毎に、ソース/ドレインのレイアウトが、副画素aの配列方向に反転するように設けられていることとする。つまり、各表示領域2a内には、駆動トランジスタTr2のソースS/ドレインDのレイアウトによって第1画素列A1と第2画素列A2とが配置されていることとする。第1画素列Aと第2画素列A2とでは、駆動トランジスタ(Tr2)のソースS/ドレインDが副画素aの配列方向に逆の順となる。尚、駆動トランジスタ(Tr2)のゲート電極14bは、容量素子(Cs)の下部電極と連続したパターンとして形成され、この連続したパターンのうちのゲート電極14bとなる部分が、表示領域2aの短辺方向yと平行に延設される構成である。
【0072】
次に、これらの第1金属パターン21を覆う状態で、例えば酸化シリコンや窒化シリコンを用いたゲート絶縁膜31を成膜し、さらに続けて非晶質シリコンからなる半導体薄膜32を成膜する。
【0073】
その後、図5(2)に示すように、半導体薄膜32上を覆う状態で、酸化シリコンや窒化シリコンを用いたバッファ層41を成膜し、さらに続けてモリブデン(Mo)を用いた光熱変換層42をこの順に成膜する。
【0074】
以上の後、図5(3)および図10に示すように、光熱変換層42およびバッファ層41を介して半導体薄膜32に間接的にレーザ光Lhを照射し、この半導体薄膜32に加熱処理を施す。この際、固体レーザを発信源としたレーザ光Lhを照射する。これにより半導体薄膜32におけるレーザ光Lhの照射部をナノメートルオーダーの結晶粒に結晶化させた微結晶シリコン薄膜32Aとする。
【0075】
またここでのこのレーザ光Lhの照射においては、副画素aの列方向(すなわちここでは信号線13に垂直な方向)において、ソースSとドレインDのレイアウトに対して同一の走査方向となるようにレーザ光Lhを走査させながら、ゲート電極14b上方における半導体薄膜32に対してレーザ光Lhを照射することが重要である。
【0076】
このためここでは、第1画素列A1と第2画素列A2とで、副画素aの配列方向に対するレーザ光Lhの走査方向v(-v)を逆にする。つまり、第1画素列A1に対してはレーザ光Lhの走査方向v(−v)として半導体薄膜32に対してレーザ光Lhを照射する。一方、第2画素列A2に対してはレーザ光Lhの走査方向−v(v)として半導体薄膜32に対してレーザ光Lhを照射する。特に、レーザ光Lhの走査方向v(-v)は、駆動トランジスタ(Tr2)のソースS側を下流としドレインD側を上流とすることが好ましい。したがって、第1画素列A1に対しては走査方向vで、第2画素列A2に対しては走査方向−vでレーザ光Lhを照射することが好ましい。これにより、各表示領域2aに対しては、表示領域2aの長辺方向xに往復でレーザ光Lhを走査させながら照射することができる。
【0077】
また、第1画素列A1と第2画素列A2とは、信号線13の配線方向に沿って交互に配置されている。このため、レーザ光Lhを往復で走査させる際のレーザ光Lhの走査方向v(−v)端部では、レーザ光Lhを隣接する画素列にまで移動させれば良く、移動距離を最短にすることができる。
【0078】
尚、レーザ光Lhの走査方向v(−v)と垂直な方向の照射幅は、トランジスタTr1,Tr2の形成部を覆う程度であることとする。そして、ここでのレーザ光Lhの照射は、図9を用いて説明したように配置形成される薄膜トランジスタTr1,Tr2の形成位置に対応する部分のみに、すなわちゲート電極(14a),14bの上方を含む領域に対して選択的に照射すれば良い。
【0079】
そして以上のようなレーザ光Lh照射の後には、第1実施形態において図5(4)〜図6(4)を用いて説明したと同様の工程を行えば良く、これによって図9に示した本第2実施形態の薄膜トランジスタ基板を得ることができる。またさらに、この薄膜トランジスタ基板の上部に発光素子を形成してアクティブマトリックス方式の有機EL表示装置を作製する場合には、第1実施形態において図7,8を用いて説明したと同様の工程を行なう。
【0080】
以上説明した第2実施形態の製造方法によれば、例えば図10(図9参照)に示したように、レーザ光Lh照射による半導体薄膜32の結晶化の際に、駆動トランジスタ(Tr2)のソースSとドレインDとのレイアウト(配列順)に対して同一の走査方向となるように、レーザ光Lhを走査させる。これにより、第1実施形態と同様に、ゲート電極14b上方の半導体薄膜32部分に対しては、必ずドレインD側からソースS側(またはこの逆)にレーザ光Lhが走査されることになる。このため、オン電流が均一な駆動トランジスタTr2を得ることが可能であり、この駆動トランジスタTr2に接続された有機電界発光素子ELの輝度ムラが防止される。しかも、駆動トランジスタ(Tr2)のソースSとドレインDとのレイアウトは、隣接する画素列(第1画素列A1と第2画素列A2と)で逆になっている。このため半導体薄膜の結晶化アニール工程を短縮化することが可能である。
【0081】
以上の結果、このような第2実施形態のレイアウトであっても、上述した第1実施形態と同様に、より短縮されたTAT(turn-around time)で、駆動トランジスタに接続された発光素子の輝度ムラが防止された表示特性の良好な表示装置を得ることが可能になる。
【0082】
<第3実施形態>
図11は、本発明の第3実施形態を説明するためのレイアウト図である。この図を用いて説明する第3実施形態が、先の第1実施形態との異なるところは、スイッチングトランジスタTr1のソースS/ドレインDのレイアウトによって、第1画素列A1と第2画素列A2とが配置されているところにある。他の構成は、第1実施形態と同様であることとする。
【0083】
第1画素列A1と第2画素列A2とは、スイッチングトランジスタTr1のソースSとドレインDとが、画素列の方向に対して逆にレイアウトされている。つまり、第1画素列A1の各副画素aにおいては、スイッチングトランジスタTr1のソースSとドレインDとが、第1方向に向かって(例えば図11において左から右に向かって)ドレインD、ソースSの順で配置されている。これに対して第2画素列A2の各副画素aにおいては、スイッチングトランジスタTr1のソースSとドレインDとが、第1方向と逆の第2方向に向かって(例えば図11において右から左に向かって)ドレインD、ソースSの順で配置されている。
【0084】
これらの第1画素列A1と第2画素列A2とは、信号線13の配線方向に沿って交互に隣接して配置されていることが好ましいことは、第1実施形態と同様である。
【0085】
また本第3実施形態においては、駆動トランジスタTr2についても、第1画素列A1と第2画素列A2とで、ソースSとドレインDとが、画素列の方向に対して逆にレイアウトされていることとする。ここでは、第1実施形態とは逆に、第1画素列A1の各副画素aにおいては、駆動トランジスタTr2のソースSとドレインDとが、第1方向に向かって(例えば図11において左から右に向かって)ソースS、ドレインDの順で配置されている。これに対して第2画素列A2の各副画素aにおいては、駆動トランジスタTr2のソースSとドレインDとが、第1方向と逆の第2方向に向かって(例えば図11において右から左に向かって)ソースS、ドレインDの順で配置されている。
【0086】
以上のように、交互に配置された第1画素列A1と第2画素列A2とに配置される各駆動トランジスタTr2で、電源線12を共有する構成となっていることは、第1実施形態と同様である。
【0087】
また以上の他の構成は、第1実施形態と同様であることとする。
【0088】
以上のようなレイアウトの薄膜トランジスタ基板を作製する場合、第1実施形態と同様の手順を行う。
【0089】
つまり、図12に示すように、先ず第1実施形態において図5(1)を用いて説明した手順で、ガラス基板1上の各表示領域2aに、第1金属パターン21からなるゲート電極14a,14bを形成し、さらに第1金属パターン21からなる他の配線部分、例えば信号線13−1、13−2の一部および容量素子(Cs)の下部電極部分を形成する。この際、スイッチングトランジスタ(Tr1)のゲート電極14a、および駆動トランジスタ(Tr2)のゲート電極14bは、表示領域2aの短辺方向yと平行に延設されるようにパターニングする。また信号線13−1、13−2の一部は、表示領域2aの短辺方向yと平行となるようにパターニングする。
【0090】
そして特に、スイッチングトランジスタ(Tr1)のゲート電極14aは、信号線13−1、13−2の延設方向と垂直な画素列毎に、ソース/ドレインのレイアウトが、副画素aの配列方向に反転するように設けられていることとする。つまり、各表示領域2a内には、スイッチングトランジスタ(Tr1)のソースS/ドレインDのレイアウトによって第1画素列A1と第2画素列A2とが配置されていることとする。第1画素列Aと第2画素列A2とでは、スイッチングトランジスタ(Tr1)のソースS/ドレインDが副画素aの配列方向に逆の順となる。
【0091】
また、駆動トランジスタ(Tr2)のゲート電極14bも、信号線13−1、13−2の延設方向と垂直な画素列毎に、ソース/ドレインのレイアウトが、副画素aの配列方向に反転するように設けられていることとする。ここでは、1つの副画素a内において、スイッチングトランジスタ(Tr1)のソース/ドレインのレイアウトと、駆動トランジスタ(Tr2)のソース/ドレインのレイアウトが逆であることとする。尚、駆動トランジスタ(Tr2)のゲート電極14bは、容量素子(Cs)の下部電極と連続したパターンとして形成され、この連続したパターンのうちのゲート電極14bとなる部分が、表示領域2aの短辺方向yと平行に延設される構成である。
【0092】
次に、これらの第1金属パターン21を覆う状態で、例えば酸化シリコンや窒化シリコンを用いたゲート絶縁膜31を成膜し、さらに続けて非晶質シリコンからなる半導体薄膜32を成膜する。
【0093】
その後、図5(2)に示すように、半導体薄膜32上を覆う状態で、酸化シリコンや窒化シリコンを用いたバッファ層41を成膜し、さらに続けてモリブデン(Mo)を用いた光熱変換層42をこの順に成膜する。
【0094】
以上の後、図5(3)および図12に示すように、光熱変換層42およびバッファ層41を介して半導体薄膜32に間接的にレーザ光Lhを照射し、この半導体薄膜32に加熱処理を施す。この際、固体レーザを発信源としたレーザ光Lhを照射する。これにより半導体薄膜32におけるレーザ光Lhの照射部をナノメートルオーダーの結晶粒に結晶化させた微結晶シリコン薄膜32Aとする。
【0095】
またここでのこのレーザ光Lhの照射においては、副画素aの列方向(すなわちここでは信号線13−1、13−2に垂直な方向)において、ソースSとドレインDのレイアウトに対して同一の走査方向となるようにレーザ光Lhを走査させながら、ゲート電極14b上方における半導体薄膜32に対してレーザ光Lhを照射することが重要である。
【0096】
このためここでは、第1画素列A1と第2画素列A2とで、副画素aの配列方向に対するレーザ光Lhの走査方向v(-v)を逆にする。つまり、第1画素列A1に対してはレーザ光Lhの走査方向v(−v)として半導体薄膜32に対してレーザ光Lhを照射する。一方、第2画素列A2に対してはレーザ光Lhの走査方向−v(v)として半導体薄膜32に対してレーザ光Lhを照射する。特に、レーザ光Lhの走査方向v(-v)は、スイッチングトランジスタ(Tr1)のソースS側を下流としドレインD側を上流とすることが好ましい。したがって、第1画素列A1に対しては走査方向vで、第2画素列A2に対しては走査方向−vでレーザ光Lhを照射することが好ましい。これにより、各表示領域2aに対しては、表示領域2aの長辺方向xに往復でレーザ光Lhを走査させながら照射することができる。
【0097】
また、第1画素列A1と第2画素列A2とは、信号線13−1、13−2の配線方向に沿って交互に配置されている。このため、レーザ光Lhを往復で走査させる際のレーザ光Lhの走査方向v(−v)端部では、レーザ光Lhを隣接する画素列にまで移動させれば良く、移動距離を最短にすることができる。
【0098】
尚、レーザ光Lhの走査方向v(−v)と垂直な方向の照射幅は、トランジスタTr1,Tr2の形成部を覆う程度であることとする。そして、ここでのレーザ光Lhの照射は、図11を用いて説明したように配置形成される薄膜トランジスタTr1,Tr2の形成位置に対応する部分のみに、すなわちゲート電極(14a),14bの上方を含む領域に対して選択的に照射すれば良い。
【0099】
そして以上のようなレーザ光Lh照射の後には、第1実施形態において図5(4)〜図6(4)を用いて説明したと同様の工程を行えば良く、これによって図11に示した本第3実施形態の薄膜トランジスタ基板を得ることができる。またさらに、この薄膜トランジスタ基板の上部に発光素子を形成してアクティブマトリックス方式の有機EL表示装置を作製する場合には、第1実施形態において図7,8を用いて説明したと同様の工程を行なう。
【0100】
以上説明した第3実施形態の製造方法によれば、例えば図12(図11参照)に示したように、レーザ光Lh照射による半導体薄膜32の結晶化の際に、駆動トランジスタ(Tr2)のソースSとドレインDとのレイアウト(配列順)に対して同一の走査方向となるように、レーザ光Lhを走査させる。具体的には、ゲート電極14b上方の半導体薄膜32部分に対しては、必ずソースS側からドレインD側にレーザ光Lhが走査されることになる。このため、オン電流が均一な駆動トランジスタTr2を得ることが可能であり、この駆動トランジスタTr2に接続された有機電界発光素子ELの輝度ムラが防止される。
【0101】
ここで図13には、上記結晶化アニールの際のレーザ光の走査方向毎の、薄膜トランジスタの電流特性を示す。このグラフに示すように、ソース側を上流として得られたた薄膜トランジスタと、ドレイン側を上流として得られた薄膜トランジスタとでは、得られるドレイン電流Idsに大きな差が生じることが分かる。しかしながら、本第3実施形態の構成では、全ての副画素において、駆動トランジスタTr2のソース/ドレインの配置に対して同一方向からレーザ光が走査される。このため、この駆動トランジスタTr2に接続された有機電界発光素子ELの輝度ムラが防止されるのである。
【0102】
そして特に、本第3実施形態では、スイッチングトランジスタTr1のソースSとドレインDとのレイアウトも、レーザ光Lh照射による半導体薄膜32の結晶化の際のレーザ光の走査方向に対して全副画素で同一となっている。これにより、特性の均一なスイッチングトランジスタTr1を得ることが可能であり、このスイッチングトランジスタTr1によって、有機電界発光素子ELを均一に駆動することが可能になる。
【0103】
ここで図14には、上記結晶化アニールの際のレーザ光の走査方向毎の、信号書込み時間に対する電流値の値を示す。このグラフに示すように、ドレイン側を上流としたレーザ光照射によって得られた薄膜トランジスタは、ソース側を上流とした薄膜トランジスタと比較して、より短い信号書き込み時間で大きな電流値が得られることがわかる。したがって、スイッチングトランジスタTr1のドレイン側を上流としている本第3実施形態の構成では、より短い信号書込み時間で均一に有機電界発光素子ELを駆動することが可能になる。
【0104】
以上の他、本第3実施形態の構成であっても、薄膜トランジスタTr1,Tr2のソースSとドレインDとのレイアウトは、隣接する画素列(第1画素列A1と第2画素列A2と)で逆になっている。このため半導体薄膜の結晶化アニール工程を短縮化することが可能である。
【0105】
以上の結果、このような第3実施形態のレイアウトであれば、より短縮されたTAT(turn-around time)で、スイッチングトランジスタTr1によって均一に発光素子をオンオフ制御でき、また駆動トランジスタTr2によって均一な輝度で発光素子を駆動することが可能な表示特性の良好な表示装置を得ることが可能になる。
【0106】
尚、上述した第3実施形態においては、半導体薄膜32の結晶化に際してのレーザ光の走査方向に対して、スイッチングトランジスタTr1においてはドレインDが上流となり、駆動トランジスタTr2においてはソースSが上流となるようにレイアウトした。しかしながら、スイッチングトランジスタTr1と共に、駆動トランジスタTr2もドレインDが上流となるようにレイアウトすることにより、この駆動トランジスタTr2に接続させた発光素子をより大電流で駆動することが可能になり、さらに好ましい。
【0107】
また、第3実施形態においても、第2実施形態と同様に第1画素列A1と第2画素列A2とで電源線12を共有せず、各画素列A1,A2毎に走査線11および電源線12が配置された構成としても良い。この場合、各副画素aに配置される薄膜トランジスタTr1,Tr2のレイアウトは、第3実施形態と同様であって良い。このような構成であっても、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0108】
<第4実施形態>
図15を用いて第4実施形態の製造方法を実施するための薄膜トランジスタ基板のレイアウトを説明する。この図を用いて説明する第4実施形態と先の第1実施形態および第2実施形態との異なるところは、第1実施形態および第2実施形態で説明した第1画素列A1と第2画素列A2との配置状態にある。本第4実施形態においては、表示領域2aが長辺方向xに第1領域2a−1と第2領域2a−2とで2分されている。そして、第1画素領域2a-1に第1画素列A1が配置され、第2画素領域2a-2に第2画素列A2が配置されているところが特徴的である。第1画素A1内の構成および第2画素列A2内の構成は、第1実施形態または第2実施形態と同様であって良い。
【0109】
すなわち、表示領域2a内における画素の配置状態、および各画素に配置される画素回路の構成は、第1実施形態および第2実施形態と同様であって良い。そして、表示領域2aの長辺方向xと平行な画素の列を画素列とした場合、各表示領域2a内には、駆動トランジスタまたはスイッチングトランジスタのソースS/ドレインDのレイアウトによって第1画素列A1と第2画素列A2とが配置されていることも同様である。
【0110】
これらの第1画素列A1と第2画素列A2とは、第1実施形態および第2実施形態と同様に、例えば図2または図9に示したように駆動トランジスタTr2のソースSとドレインDとが、画素列の方向(表示領域2aの長辺方向xと平行な方向)に対して逆にレイアウトされている。つまり、第1画素列A1の各副画素aにおいては、駆動トランジスタTr2のソースSとドレインDとが、第1方向に向かって(例えば図15において左から右に向かって)ドレインD、ソースSの順で配置されている。これに対して第2画素列A2の各副画素aにおいては、駆動トランジスタTr2のソースSとドレインDとが、第1方向と逆の第2方向に向かって(例えば図15において右から左に向かって)ドレインD、ソースSの順で配置されている。
【0111】
そして特に本第4実施形態においては、このような第1画素列A1と第2画素列A2とが、表示領域2aを長辺方向xに2分した第1領域2a−1と第2領域2a−2とに分けて配置されているところが特徴的である。
【0112】
このようなレイアウトの薄膜トランジスタ基板を作製する場合であっても、第1実施形態および第2実施形態と同様の手順を行うことができる。
【0113】
特に、ゲート電極を覆う状態で成膜した半導体薄膜に対してレーザ光を照射して微結晶化を行う際には、図9に示したように、第1画素列A1が配置された第1領域2a−1に対して走査方向vでレーザ光を照射すると同時に、第2画素列A2が配置された第2領域2a−2に対して走査方向−vでレーザ光を照射することができる。
【0114】
以上説明した第4実施形態の製造方法であっても、第1実施形態および第2実施形態と同様に、レーザ光Lh照射による半導体薄膜の結晶化の際に、駆動トランジスタ(Tr2)のソースSとドレインDとのレイアウト(配列順)に対して同一の走査方向となるように、レーザ光Lhを走査させる。これにより、第1実施形態および第2実施形態と同様に、ゲート電極14b上方の半導体薄膜32部分に対しては、必ずドレインD側からソースS側(またはこの逆)にレーザ光Lhが走査されることになる。このため、オン電流が均一な駆動用の薄膜トランジスタTr2を得ることが可能であり、この駆動トランジスタTr2に接続された有機電界発光素子ELの輝度ムラが防止される。しかも、第1画素列A1が配置された第1領域2a−1と、第2画素列A2が配置された第2領域2a−2とに対して同時にレーザ光が照射されるため、半導体薄膜の結晶化アニール工程を短縮化することが可能である。
【0115】
以上の結果、このような第4実施形態のレイアウトであっても、上述した第1実施形態および第2実施形態と同様に、より短縮されたTAT(turn-around time)で、薄膜トランジスタに接続された発光素子の輝度ムラが防止された表示特性の良好な表示装置を得ることが可能になる。
【0116】
尚、この第4実施形態は、第3実施形態と組み合わせることも可能である。すなわち第1画素列A1と第2画素列A2とは、第3実施形態と同様に、例えば図11に示したようにスイッチングトランジスタTr1のソースSとドレインDとが、画素列の方向(表示領域2aの長辺方向xと平行な方向)に対して逆にレイアウトされていても良い。つまり、第1画素列A1の各副画素aにおいては、スイッチングトランジスタTr1のソースSとドレインDとが、第1方向に向かって(例えば図15において左から右に向かって)ドレインD、ソースSの順で配置されている。これに対して第2画素列A2の各副画素aにおいては、スイッチングトランジスタTr1のソースSとドレインDとが、第1方向と逆の第2方向に向かって(例えば図15において右から左に向かって)ドレインD、ソースSの順で配置されている。
【0117】
このような構成とすることにより、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0118】
<第5実施形態>
図16を用いて第5実施形態の製造方法を実施するための薄膜トランジスタ基板のレイアウトを説明する。尚、第1実施形態〜第4実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0119】
この図を用いて説明する第5実施形態と、先の第1実施形態〜第3実施形態との異なるところは、走査線11と平行な副画素aの列を画素列とした場合、1つの画素列内においてボトムゲート型の駆動トランジスタTr2におけるソースS/ドレインDのレイアウトが画素列の方向に反転しているところにある。また、他の構成は、第1実施形態〜第3実施形態同様であることとする。
【0120】
つまり、図1を参照した第1実施形態と同様に、1枚のガラス基板1に配置された2枚の表示パネル2内には表示領域2aが設定され、各表示領域2a内には平面矩形形状の副画素aが配列されている。これらの副画素aは、表示領域2aの短辺方向yに対して、各副画素aの長辺を平行にして配置される。さらにこれらの副画素aは、これらの短辺方向に配列された赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの副画素a(R),a(G),a(B)を1組とした略正方形の表示画素を構成している。
【0121】
特に本第5実施形態においては、上述した3つで1組の表示画素を構成する副画素a(R),a(G),a(B)のうちの1つの副画素aを、画素列の方向に対して反転させた構成となっている。ここでは例えば、最も発光効率が低い発光素子を備えた副画素が、走査線11と平行な画素列方向にソースS/ドレインDを反転させてレイアウトされた構成であり、一例として青色の副画素a(B)を反転させた構成を図示している。
【0122】
またここでの図示は省略したが、走査線11と平行な全ての画素列において、同様に青色の副画素a(B)を反転させた構成であることとする。そして、青色の副画素a(B)と隣接する緑色の副画素a(G)とで、駆動トランジスタTr2のドレインに接続される電源線12を共有する構成であることとする。
【0123】
また以上の他の構成は、第1実施形態と同様であることとする。特に、図3を用いて説明した画素駆動回路では、各副画素a(R),a(G),a(B)に設けた発光素子LEは、駆動トランジスタTr2の電流値に応じた輝度で発光する。このため、各副画素a(R),a(G),a(B)に設けた駆動トランジスタTr2は、それぞれに設けられた各色の発光素子ELの発光効率によって異なるチャネル幅を有していることとする。つまり、発光効率が低い色の発光素子ELを備えた副画素ほど、駆動トランジスタTr2のチャネル幅が広く設定されていることとする。ここでは例えば、青色の発光素子ELの発光効率が最も低く、副画素a(B)において駆動トランジスタTr2のチャネル幅が最も広く、続いて緑色の副画素a(G),赤色の副画素a(R)の順に、駆動トランジスタTr2のチャネル幅が狭くなっていることとする。
【0124】
以上のようなレイアウトの薄膜トランジスタ基板を作製する場合、次のように行う。
【0125】
先ず、図17に示すように、第1実施形態において図5(1)を用いて説明した手順で、ガラス基板1上の各表示領域2aに、第1金属パターン21からなるゲート電極14a、14bを形成し、さらに第1金属パターン21からなる他の配線部分、例えば信号線13の一部および容量素子(Cs)の下部電極部分を形成する。この際、スイッチング用の薄膜トランジスタ(Tr1)のゲート電極14a、および駆動用の薄膜トランジスタ(Tr2)のゲート電極14bは、表示領域2aの短辺方向yと平行に延設されるようにパターニングする。また信号線13の一部は、表示領域2aの短辺方向yと平行となるようにパターニングする。
【0126】
そして特に、3つで1組の副画素a(R),a(G),a(B)のうちの1つの副画素a(B)のレイアウトが、画素列の方向に反転するように第1金属パターン21を形成する。
【0127】
このような、ゲート電極14a,14bを含む第1金属パターン21は、例えばスパッタ法により成膜したモリブデン(Mo)膜を、レジストパターンをマスクにしてパターンエッチングすることによって形成する。尚、第1金属パター21は、モリブデン(Mo)により構成されているとは限らず、後の熱工程において変質しにくい高融点の金属であればよい。
【0128】
次に、これらの第1金属パターン21を覆う状態で、例えば酸化シリコンや窒化シリコンを用いたゲート絶縁膜31を成膜し、さらに続けて非晶質シリコンからなる半導体薄膜32を成膜する。
【0129】
その後、図5(2)に示すように、半導体薄膜32上を覆う状態で、酸化シリコンや窒化シリコンを用いたバッファ層41を成膜し、さらに続けてモリブデン(Mo)を用いた光熱変換層42をこの順に成膜する。尚、この光熱変換層42は、後述するレーザ光などのエネルギー線を吸収し、光エネルギーを熱エネルギーに変換するためのものである。したがって、この光熱変換層42としては、次に行う結晶化アニールの際に使用するレーザ光(エネルギー線)の吸収率が高いこと、バッファ層41や半導体薄膜32への熱拡散速度が低いこと、後の結晶化の際に生じる熱によっても変質しにくい高融点の材料であること、などの条件を満たせばどのような材料であってもよく、例えば他に炭素(C)などを用いるようにしてもよい。
【0130】
以上の後、図5(3)および図17に示すように、光熱変換層42およびバッファ層41を介して半導体薄膜32に間接的にレーザ光Lhを照射し、この半導体薄膜32に加熱処理を施す。この際、固体レーザを発信源としたレーザ光Lhを照射する。これにより半導体薄膜32におけるレーザ光Lhの照射部をナノメートルオーダーの結晶粒に結晶化させた微結晶シリコン薄膜32Aとする。
【0131】
またここでのこのレーザ光Lhの照射においては、副画素aの列方向(すなわちここでは走査線11に沿った方向)のうちの一方向を走査方向vとしてレーザ光Lhを走査させながら、ゲート電極14b上方における半導体薄膜32にレーザ光Lhを照射する。この際、青色の副画素a(B)の駆動トランジスタTr2部分に対して、ドレインDを上流とした走査方向vにレーザ光Lhを走査させることが好ましい。
【0132】
尚、レーザ光Lhの走査方向vと垂直な方向の照射幅は、トランジスタTr1,Tr2の形成部を覆う程度であることとする。そして、ここでのレーザ光Lhの照射は、図16を用いて説明したように配置形成される薄膜トランジスタTr1,Tr2の形成位置に対応する部分のみに、すなわちゲート電極(14a),14bの上方を含む領域に対して選択的に照射すれば良い。
【0133】
そして以上のようなレーザ光Lh照射の後には、第1実施形態において図5(4)〜図6(4)を用いて説明したと同様の工程を行えば良く、これによって図16に示した本第5実施形態の薄膜トランジスタ基板を得ることができる。またさらに、この薄膜トランジスタ基板の上部に発光素子を形成してアクティブマトリックス方式の有機EL表示装置を作製する場合には、第1実施形態において図7,8を用いて説明したと同様の工程を行なう。
【0134】
以上説明した第5実施形態の製造方法によれば、上述した3つで1組の表示画素を構成する副画素a(R),a(G),a(B)のうちの1つの副画素aを、画素列の方向に対して反転させた構成であって、このうちの2つの副画素a(G),a(B)で電源線12を共有している。したがって、副画素a内の省スペース化が図られ、配線間隔が広くなり、ショート防止効果による歩留まりの向上が図られる。
【0135】
そして、レーザ光Lh照射による半導体薄膜32の結晶化の際には、画素列と平行な同一の走査方向vでレーザ光Lhを照射する構成である。したがって、半導体薄膜32に対しては、副画素a(R),a(G),a(B)毎に必ずドレインD側からソースS側(またはこの逆)にレーザ光Lhが走査されることになる。このため、各色の副画素a(R),a(G),a(B)毎にオン電流が均一な薄膜トランジスタTr1,Tr2を得ることが可能である。この結果、この薄膜トランジスタTr1,Tr2を用いた画素回路に接続された有機電界発光素子ELの輝度ムラが、発光色毎に防止された表示特性の良好な表示装置を得ることが可能になる。
【0136】
また特に本第5実施形態においては、3つの副画素a(R),a(G),a(B)のうち反転させる副画素aを、最も発光効率の低い発光素子ELを備えた副画素a[ここでは青色の副画素a(B)]とした。そして、半導体薄膜の結晶化に際しては、青色の副画素a(B)の駆動トランジスタTr2部分に対して、ドレインDを上流とした走査方向vにレーザ光Lhを走査させる構成とした。これにより、青色の副画素a(B)の駆動トランジスタTr2は、赤色の副画素a(R)および緑色の副画素a(G)の駆動トランジスタTr2と比較して、大きなドレイン電流が得られるものとなる。これは、第3実施形態で図13を用いて説明したことから明らかである。
【0137】
したがって、青色の副画素a(B)に設けられる発光効率の低い青色の発光素子ELを、より大きな電流で駆動することが可能になる。この結果、青色の副画素a(B)においては、他の画素と比較して最も大きなチャネル幅を必要としていた駆動トランジスタTr2を、その駆動電流を大きく出来る分だけチャネル幅を狭くすることができる。これにより、青色の副画素a(B)の駆動トランジスタTr2の占有面積を縮小することができる。
【0138】
<適用例>
以上説明した本発明に係る製造方法によって得られる表示装置は、図18〜図22に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。以下に、本発明が適用される電子機器の一例について説明する。
【0139】
図18は、本発明が適用されるテレビを示す斜視図である。本適用例に係るテレビは、フロントパネル102やフィルターガラス103等から構成される映像表示画面部101を含み、その映像表示画面部101として本発明に係る表示装置を用いることにより作成される。
【0140】
図19は、本発明が適用されるデジタルカメラを示す図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。本適用例に係るデジタルカメラは、フラッシュ用の発光部111、表示部112、メニュースイッチ113、シャッターボタン114等を含み、その表示部112として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
【0141】
図20は、本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータは、本体121に、文字等を入力するとき操作されるキーボード122、画像を表示する表示部123等を含み、その表示部123として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
【0142】
図21は、本発明が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。本適用例に係るビデオカメラは、本体部131、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ132、撮影時のスタート/ストップスイッチ133、表示部134等を含み、その表示部134として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
【0143】
図22は、本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。本適用例に係る携帯電話機は、上側筐体141、下側筐体142、連結部(ここではヒンジ部)143、ディスプレイ144、サブディスプレイ145、ピクチャーライト146、カメラ147等を含み、そのディスプレイ144やサブディスプレイ145として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】第1実施形態を説明するための基板上のレイアウト図である。
【図2】第1実施形態を説明するための6画素(副画素)分のレイアウト図である。
【図3】各副画素の回路図である。
【図4】第1実施形態の製造工程の一部を説明するための6画素(副画素)分の平面工程図である。
【図5】第1実施形態の製造工程を説明するための断面工程図(その1)である。
【図6】第1実施形態の製造工程を説明するための断面工程図(その2)である。
【図7】第1実施形態の発光素子の製造工程を説明するための断面図である。
【図8】第1実施形態の表示装置の全体構成図である。
【図9】第2実施形態の特徴部を説明するための6画素(副画素)分のレイアウト図である。
【図10】第2実施形態の製造工程の一部を説明するための6画素(副画素)分の平面工程図である。
【図11】第3実施形態の特徴部を説明するための6画素(副画素)分のレイアウト図である。
【図12】第3実施形態の製造工程の一部を説明するための6画素(副画素)分の平面工程図である。
【図13】結晶化アニールの際のレーザ光の走査方向を変えて作製した各薄膜トランジスタの電流特性を示すグラフである。
【図14】結晶化アニールの際のレーザ光の走査方向を変えて作製した各薄膜トランジスタの信号書込み時間に対する電流値の値を示すグラフである。
【図15】第4実施形態を説明するための基板上のレイアウト図である。
【図16】第5実施形態の製造工程の一部を説明するための6画素(副画素)分の平面工程図である。
【図17】第5実施形態の製造工程の一部を説明するための6画素(副画素)分の平面工程図である。
【図18】本発明が適用されるテレビを示す斜視図である。
【図19】本発明が適用されるデジタルカメラを示す図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。
【図20】本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。
【図21】本発明が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。
【図22】本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【図23】従来の表示装置の製造における結晶化アニール工程を説明するための薄膜トランジスタ基板のレイアウト図である。
【図24】従来の表示装置の製造における結晶化アニール工程を説明するための2表示画素のレイアウト図である。
【図25】従来の表示装置の製造工程の一部を説明するための2表示画素の平面工程図である。
【図26】従来の表示装置の製造工程を説明するための平面図および断面図である。
【図27】オン電流の値を測定した基板上の位置と薄膜トランジスタに対するレーザ光の走査方向を説明する図である。
【符号の説明】
【0145】
1…ガラス基板(基板)、12…電源線、14b…ゲート電極、31…ゲート絶縁膜、32…(非晶質の)半導体薄膜、59…表示装置、a…副画素、A1…第1画素列(第1列)、A2…第2画素列(第2列)、D…ドレイン、EL…有機電界発光素子、Lh…レーザ光(エネルギー線)、S…ソース、Tr1…スイッチングトランジスタ(スイッチング用の薄膜トランジスタ)、Tr2…駆動トランジスタ(駆動用の薄膜トランジスタ)、v,−v…走査方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の各画素に形成される薄膜トランジスタのソースとドレインのレイアウトが、画素列毎に前記画素列方向に反転するようにゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極を覆う状態で前記基板上にゲート絶縁膜および非晶質の半導体薄膜をこの順に成膜する工程と、
前記画素列方向において前記ソースと前記ドレインのレイアウトに対して同一の走査方向となるようにエネルギー線を照射することにより当該半導体薄膜を結晶化させる工程と、
前記薄膜トランジスタに接続された発光素子を形成する工程と
を有する表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記エネルギー線を、前記画素列方向に往復で走査させる
請求項1記載の表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記ソース/ドレインのレイアウトに対する前記エネルギー線の走査方向は、前記ソース側を下流とし前記ドレイン側を上流とする
請求項1〜2のうちの1項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項4】
前記画素列のうち隣接する画素列間で前記レイアウトを反転させる
請求項1〜3のうちの1項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項5】
前記画素に設けられた薄膜トランジスタのうち、前記基板上に配線された走査線および信号線に接続されたスイッチング用の薄膜トランジスタ、および前記発光素子にソースまたはドレインが接続された駆動用の薄膜トランジスタの少なくとも一方が、前記画素列毎にソースとドレインのレイアウトを当該画素列方向に反転させるように形成される
請求項1〜4のうちの1項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記レイアウトを反転させた2つの画素列で共有する電源線を、当該画素列間に形成する工程を行う
請求項1〜5のうちの1項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記ゲート電極は、モリブデンを用いて形成される
請求項1〜6のうちの1項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項8】
前記エネルギー線は、固体レーザから照射されたレーザ光である
請求項1〜7のうちの1項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項9】
ソース/ドレインが第1方向にレイアウトされた薄膜トランジスタを配列した第1画素列と、
ソース/ドレインが前記第1方向とは逆の第2方向にレイアウトされた薄膜トランジスタを配列した第2画素列と、
前記薄膜トランジスタに接続された複数の発光素子と
を備えた表示装置。
【請求項10】
前記第1画素列と第2画素列とが交互に配置されている
請求項9記載の表示装置。
【請求項11】
前記画素に設けられた薄膜トランジスタのうち、前記基板上に配線された走査線および信号線に接続されたスイッチング用の薄膜トランジスタ、および前記発光素子にソースまたはドレインが接続された駆動用の薄膜トランジスタの少なくとも一方が、前記画素列毎にソースとドレインのレイアウトを当該画素列方向に反転させている
請求項9または10に記載の表示装置。
【請求項12】
薄膜トランジスタを有する画素回路に発光素子を接続してなる副画素と、
前記副画素を前記薄膜トランジスタのソースとドレインとの配列方向に沿って配置した画素列と、
前記配列方向に隣接して配置された3以上の前記副画素を1組とし、当該各副画素に設けられた発光素子のうち最も発光効率が低い発光素子が接続された前記画素回路の薄膜トランジスタのみ、ソースとドレインとの配列順が逆転している表示画素とを有する
表示装置。
【請求項13】
前記薄膜トランジスタはボトムゲート構造であり、
前記薄膜トランジスタのチャネル領域は、前記配列方向に沿ってエネルギー線を走査させながら照射することで結晶化させた半導体薄膜を用いて構成されている
請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記最も発光効率が低い発光素子が接続された前記画素回路の薄膜トランジスタのチャネル領域は、ドレイン側を上流として前記エネルギー線の走査がなされた
請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記画素回路を構成する薄膜トランジスタは、当該画素回路に接続された前記発光素子の発光色毎に異なるチャネル幅を有している
請求項12〜14の何れかに記載の表示装置。
【請求項16】
基板上に配列形成される薄膜トランジスタのソース/ドレインのレイアウトが、各列毎に列方向に反転するように、当該基板上にゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極を覆う状態で前記基板上にゲート絶縁膜および非晶質の半導体薄膜をこの順に成膜する工程と、
前記列方向において前記ソース/ドレインのレイアウトに対して同一の走査方向となるようにエネルギー線を走査させながら、前記ゲート電極上方における前記半導体薄膜に対して当該エネルギー線を照射することにより当該半導体薄膜を結晶化させる工程と
を有する薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項17】
ソース/ドレインが第1方向にレイアウトされた薄膜トランジスタを配列した第1列と、
ソース/ドレインが前記第1方向とは逆の第2方向にレイアウトされた薄膜トランジスタを配列した第2列と
を備えた薄膜トランジスタ基板。
【請求項18】
前記第1列と第2列とが交互に配置されている
請求項17記載の薄膜トランジスタ基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2009−258638(P2009−258638A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323361(P2008−323361)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】