説明

車両の車体フレーム構造

【課題】 車両の車体フレーム構造を改良することで、サスペンションアーム及びクッションユニットの取付部の組付精度管理を容易に行えるようにするとともに、それらの取付部の構造の簡素化を図ることにある。
【解決手段】 左右独立で、車体フレームにアッパアーム224、ロアアーム208及びリヤクッションユニットのそれぞれの一端を取付けた後輪用サスペンションを支持する車両の車体フレーム構造において、車体フレームに、アッパアーム224、ロアアーム208及びリヤクッションユニットを取付ける直線状フレームとしての縦フレーム203,204を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車体フレーム構造の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車両の車体フレーム構造として、車体フレームの前部に設けた車体フレーム構成部材にサスペンションアーム及びサスペンションユニットの各一端を取付けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平1−164685号公報
【0003】
特許文献1を以下に説明する。なお、符号については同公報に記載されているものを使用した。
特許文献1の第1図及び第3図には、車体フレームとしてのフロントケージ1の前部を構成するフロントフレーム5に、前車輪Dを支持する上下の各アーム15,16とサスペンションユニット17とを取付ける薄板のプレス成形材であるフロントボデー8を設けたことが記載されている。なお、第3図に示される符号10aはフロントボデー8の下部後部に連結したロアチューブ10を構成する板状部材である。第1図に示される符号19はアーム15,16の先端に取付けるとともに前車輪Dを支持する前輪軸である。
【0004】
フロントボデー8にはブラケット14a,14b,14dが取付けられ、板状部材10aにはブラケット14cが取付けられる。
そして、ブラケット14aにアーム15が、ブラケット14b,14cにアーム16が、ブラケット14dにサスペンションユニット17の一端が取付けられ、サスペンションユニット17の他端がアーム15に取付けられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フロントボデー8へのブラケット14a,14b,14dの各組付精度は、アーム15,16への前車軸19の組付精度、アーム15へのサスペンションユニット17の組付精度に影響を及ぼす。ブラケット14a,14b,14dの各組付精度が低下すれば、上記した他の組付精度も低下する。従って、フロントボデー8へのブラケット14a,14b,14dの組付精度を管理するのは難しい。更に、ブラケット14cは、フロントボデー8とは別体の板状部材10aに取付けられているから、フロントボデー8と板状部材10aとの組付精度もアーム16への前車軸19の組付精度に影響を及ぼすことになり、上記の組付精度管理は更に難しくなる。
また、コストを考慮すると、アーム15,16及びサスペンションユニット17を取付けるフロントボデー8は、簡単な構造であることが望ましい。
【0006】
本発明の目的は、車両の車体フレーム構造を改良することで、サスペンションアーム及びクッションユニットの取付部の組付精度管理を容易に行えるようにするとともに、それらの取付部の構造の簡素化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、左右独立で、車体フレームにアッパアーム、ロアアーム及びクッションユニットのそれぞれの一端を取付けたサスペンションを支持する車両の車体フレーム構造において、車体フレームに、アッパアーム、ロアアーム及びクッションユニットを取付ける一つの直線状フレームを備えることを特徴とする。
【0008】
車体フレームに、アッパアーム、ロアアーム及びクッションユニットを取付ける一つの直線状フレームを備えることで、アッパアーム、ロアアーム及びクッションユニットのそれぞれの取付部を直線状フレームに直線状に並べて配置することが可能になる。また、直線状フレームであるから、構造が簡単である。
【0009】
請求項2に係る発明は、直線状フレームをほぼ鉛直に配置したことを特徴とする。
直線状フレームをほぼ鉛直に配置したことで、アッパアーム、ロアアーム及びクッションユニットの直線状フレームへの取付けを、作業者あるいは組付ロボットの水平方向への大きな移動なしに上からあるいは下から順に容易に組付けることが可能になる。
【0010】
請求項3に係る発明は、直線状フレームを、断面コ字状の部材であって、コ字状の開放部を車体外方に向けて配置したことを特徴とする。
直線状フレームを断面コ字状の部材とすることで、直線状フレームの剛性を高めることができ、コ字状の開放部を車体外方に向けて配置したことで、アッパアーム、ロアアーム及びクッションユニットの取付けを容易に行うことができる。
【0011】
請求項4に係る発明は、直線状フレームを、前後方向に2個配置し、クッションユニットの上端を一方の直線状フレームの上部に取付け、アッパアームとロアアームとを両方の直線状フレームに取付けたことを特徴とする。
【0012】
直線状フレームを前後方向に2個配置したことで、クッションユニットの取付部として2個の直線状フレームから選択でき、アッパアーム及びロアアームの取付部として2個の直線状フレームでアッパアーム及びロアアームを強固に支持できる。
【0013】
請求項5に係る発明は、アッパアームを、アーム部材と、このアーム部材の先端に取付けたリンク部材とから構成し、アーム部材を直線状フレームに連結し、リンク部材をナックルに連結することを特徴とする。
【0014】
アッパアームを、アーム部材とこのアーム部材の先端に取付けたリンク部材とから構成したことで、アッパアームの構造を、アーム部材とリンク部材との組み合わせでより自由に選択することができる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明では、車体フレームに、アッパアーム、ロアアーム及びクッションユニットを取付ける一つの直線状フレームを備えるので、アッパアーム、ロアアーム及びクッションユニットの取付部を直線状フレームに直線状に並べて配置することができ、アッパアーム、ロアアーム及びクッションユニットのそれぞれの組付精度管理が容易に行え、サスペンションの組付精度をより向上させることができる。
また、直線状フレームであるから、構造が簡単であり、製造コストを低減することができる。
【0016】
請求項2に係る発明では、直線状フレームをほぼ鉛直に配置したので、アッパアーム、ロアアーム及びクッションユニットを直線状フレームに取付ける際に、作業者あるいは組付ロボットの水平方向への大きな移動なしに上からあるいは下から順にこれらの部品を容易に組付けることができ、組付性を向上させることができる。
【0017】
請求項3に係る発明では、直線状フレームを、断面コ字状の部材であって、コ字状の開放部を車体外方に向けて配置したので、直線状フレームの剛性を高めることができるとともに、アッパアーム、ロアアーム及びクッションユニットの取付けを容易に行うことができる。
【0018】
請求項4に係る発明では、直線状フレームを、前後方向に2個配置し、クッションユニットの上端を一方の直線状フレームの上部に取付け、アッパアームとロアアームとを両方の直線状フレームに取付けたので、クッションユニットの取付部として2個の直線状フレームから選択することができ、アッパアーム及びロアアームの取付部として2個の直線状フレームでアッパアーム及びロアアームを強固に支持することができる。
【0019】
請求項5に係る発明では、アッパアームを、アーム部材とリンク部材とから構成し、アーム部材を直線状フレームに連結し、リンク部材をナックルに連結するので、アッパアームの構造を、アーム部材とリンク部材との組み合わせでより自由に選択することができ、サスペンションの設計自由度を増すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車体フレーム構造を採用した車両の側面図であり、車両10は、車体フレーム11(フロントフレーム12、センタフレーム13及びリヤフレーム14からなる。)と、左右の前輪18,18と、センタフレーム13に取付けたパワーユニット21(エンジン22及び変速機23からなる。)と、エンジン22へ空気及び燃料を供給するためにエンジン22の後方に設けた吸気装置26と、エンジン22の前部から後方へ延ばした排気装置27と、リヤフレーム14の上部に傾斜可能に取付けた荷台28と、左右の後輪31,31とを備える二人乗りの不整地走行車両である。
吸気装置26は、エンジン22側に接続したキャブレタ33と、このキャブレタ33に接続したエアクリーナ装置35とを備える。
【0021】
ここで、11aはバンパ支持パイプ、11bはバンパ、11cはバンパ11bとフロントフレーム12の上部とを連結する連結パイプ、36はフロントフレーム12で支持したラジエータ、37は燃料タンク、38はパワーユニット21側と客室側とを隔てる上側隔壁、39はパワーユニット21側と車体の左右縁部側とを隔てる左右一対のサイド隔壁(手前側の符号39のみ示す。)、40は上記の燃料タンク37、上側隔壁38、左右のサイド隔壁39,39で囲まれるエンジンルーム、41はフロントカバー、42はハンドル、43,44(手前側の符号43のみ示す。)はセンタフレーム13に取付けた左右のシート、45は前輪18,18を操舵するためにハンドル42に連結するとともにフロントフレーム12で支持した分割式のステアリングシャフト、46,46(手前側の符号46のみ示す。)はリヤフェンダ、47,47(手前側の符号47のみ示す。)はセンタフレーム13に立てた左右のロールバー、48,48(手前側の符号48のみ示す。)はフロントフレーム12とロールバー47,47に渡したアッパフレーム、49,49(手前側の符号49のみ示す。)はテールランプである。
【0022】
図2は本発明に係る車両の平面図(図中の矢印(FRONT)は車両前方を表す。以下同じ。)であり、車体フレーム11のセンタフレーム13に左右一対のセンタサイドフレーム51,51を設け、これらのセンタサイドフレーム51,51にシートフレーム部材52を取付け、このシートフレーム部材52に左右のシート43,44を取付け、また、車体フレーム11のリヤフレーム14に左右一対のリヤサイドフレーム54,54を設け、これらのリヤサイドフレーム54,54間に平面視で、吸気装置26を構成するエアクリーナ本体56と、排気装置27を構成するマフラ57を配置したことを示す。
【0023】
シートフレーム部材52は、シート43,44を支持するシート支持プレート65,65と、これらのシート支持プレート65,65を連結する連結フレーム66と、各シート支持プレート65から側方に突出させた側部フレーム67とからなり、側部フレーム67は、肘掛け(不図示)を支持する。
リヤフレーム14は、左右一対のリヤサイドフレーム54,54に荷台28を取付けた部材である。
【0024】
燃料タンク37はシート43,44の下方に且つ車幅方向に延びるように配置した部品である。
上側隔壁38は、車体左右方向の幅を左右のセンタサイドフレーム51,51の間隔とほぼ同一とし、車両前後方向の長さを平面視でほぼパワーユニット21が隠れる長さとした部材である。サイド隔壁39は、センタサイドフレーム51の側面にほぼ沿って配置した部材である。
【0025】
図3は本発明に係るリヤフレームを示す斜視図であり、リヤフレーム14は、センタフレーム13のセンタサイドフレーム51から立ち上げたセンタメイン起立フレーム166に連結したリヤサイドフレーム54及びリヤロアフレーム202と、これらのリヤサイドフレーム54、リヤロアフレーム202間にほぼ鉛直に延ばして渡した2本の直線状の縦フレーム203,204とを備える。
【0026】
上記のセンタメイン起立フレーム166、リヤサイドフレーム54、リヤロアフレーム202、縦フレーム203,204はそれぞれ左右一対設けた部材である。なお、173,176はセンタメイン起立フレーム166の後部から突出させた上部突出部及び下部突出部、174は上部突出部173にリヤサイドフレーム54を連結する上部連結部材、177は下部突出部176にリヤロアフレーム202を連結する下部連結部材である。
【0027】
縦フレーム203,204は、後輪用サスペンション207を支持する部材である。
後輪用サスペンション207は、縦フレーム203,204の下部に上下スイング自在に取付けたロアアーム208と、このロアアーム208よりも上方で縦フレーム203,204に上下スイング自在に取付けたアーム部材211と、このアーム部材211の先端に取付けたアッパサブアーム212と、これらのロアアーム208及びアッパサブアーム212のそれぞれの先端に連結したナックル(不図示)と、このナックルに回転自在に取付けるとともに後輪18(図1参照)を取付けるための複数のボルト214を備えるハブ215と、縦フレーム203の上部及びロアアーム208のそれぞれに渡して取付けたリヤクッションユニット217と、左右のアーム部材211を連結するアンチロールバー218とからなる。なお、221はハブ215に一体的に取付けたブレーキディスク、222はブレーキディスク221を挟み込んで制動させるためにナックルに取付けたブレーキキャリパである。上記したアーム部材211とアッパサブアーム212は、アッパアーム224を構成する部材である。
【0028】
図4は本発明に係るリヤフレームの側面図であり、縦フレーム203を鉛直線223に対して角度θだけ傾けたことを示す。なお、リヤロアフレーム202とリヤサイドフレーム54は平行でほぼ水平であり、縦フレーム203と縦フレーム204も平行である。
角度θは0°〜20°であり、縦フレーム203,204はほぼ鉛直である。
【0029】
縦フレーム203,204は、それぞれロアアーム208を取付けるためにコ字状の断面の2つの側壁203a,203a及び側壁204a,204aにロアアーム208のスイング軸を通す穴、即ち、ロアアーム取付部203B,204Bを形成し、同じく、側壁203a,203a及び側壁204a,204aにアーム部材211のスイング軸を通す穴、即ち、アッパアーム取付部203C,204Cを形成した部材である。
また、縦フレーム203は、側壁203a,203aの上部にリヤクッションユニット217(図3参照)の支軸を通す穴、即ち、リヤクッション取付部203Dを形成した部材である。
【0030】
このように、真直ぐな縦フレーム203に、ロアアーム取付部203B、アッパアーム取付部203C及びリヤクッション取付部203Dを形成することで、これらの各取付部を一つの直線状に配置することができ、ロアアーム208、アッパアーム224及びリヤクッションユニット217をそれらの取付部に取付けたときに組付精度管理が容易になり、組付精度を向上させることができる。また、真直ぐな縦フレーム203についても、リヤクッション取付部を備えないが、他の取付部は同様である。
【0031】
ここで言う組付精度管理が容易であるとは、例えば、直線状の縦フレーム203のロアアーム取付部203B、アッパアーム取付部203C及びリヤクッション取付部203Dに、それぞれロアアーム208、アッパアーム224及びリヤクッションユニット217を取付けたときに、ロアアーム208とリヤクッションユニット217も直線状であれば、ロアアーム208とリヤクッションユニット217との連結位置が決定し易いということである。
【0032】
例えば、ロアアーム208とリヤクッションユニット217を取付ける部材が直線状でなく、ロアアーム208の取付部とクッションユニット217の取付部とが直線状に並ばない場合は、その部材のロアアーム208を取付ける位置とリヤクッションユニット217を取付ける位置との距離の誤差が、ロアアーム208とリヤクッションユニット217との連結部の組付誤差に影響するため、組付の精度管理が容易でなくなり、その連結部の組付誤差が大きくなる場合がある。
【0033】
図5は本発明に係るリヤフレームの平面図であり、左右のリヤサイドフレーム54,54にアッパクロスメンバ225,226を渡して取付け、左右の縦フレーム203,203に中間クロスメンバ227を渡して取付け、左右の縦フレーム204,204に中間クロスメンバ228を渡して取付け、左右のリヤロアフレーム202,202にロアクロスメンバ231,232を渡して取付けたことを示す(図3も参照)。
【0034】
図3に戻って、リヤフレーム14は、前後方向に延ばしたリヤサイドフレーム54,54及びリヤロアフレーム202,202を、縦フレーム203,203、縦フレーム204,204、アッパクロスメンバ225,226、中間クロスメンバ227,228、ロアクロスメンバ231,232で連結した組立体であるから、リヤフレーム14の剛性を高くすることができ、後輪用サスペンション207からリヤフレーム14に伝わる外力による変形を抑えることができる。
【0035】
以上の図3及び図4で説明したように、本発明は第1に、左右独立で、車体フレーム11(図1参照)にアッパアーム224、ロアアーム208及びリヤクッションユニット217のそれぞれの一端を取付けた後輪用サスペンション207を支持する車両10(図1参照)の車体フレーム構造において、車体フレーム11に、アッパアーム224、ロアアーム208及びリヤクッションユニット217を取付ける直線状フレームとしての縦フレーム203,204を備えることを特徴とする。
【0036】
車体フレーム11に、アッパアーム224、ロアアーム208及びリヤクッションユニット217を取付ける縦フレーム203,204を備えるので、アッパアーム224、ロアアーム208及びリヤクッションユニット217の取付部としてのアッパアーム取付部203C、ロアアーム取付部203B、リヤクッション取付部203Dを縦フレーム203に直線状に並べて配置することができ、また、アッパアーム取付部204C、ロアアーム取付部204Bを縦フレーム204に直線状に並べて配置することができ、アッパアーム224、ロアアーム208及びリヤクッションユニット217のそれぞれの組付精度管理が容易に行え、後輪用サスペンション207の組付精度をより向上させることができる。
また、縦フレーム203,204は直線状フレームであるから、構造が簡単であり、製造コストを低減することができる。
【0037】
本発明は第2に、縦フレーム203,204をほぼ鉛直に配置したことを特徴とする。
縦フレーム203,204をほぼ鉛直に配置したので、アッパアーム224、ロアアーム208及びリヤクッションユニット217を縦フレーム203,204に取付ける際に、作業者あるいは組付ロボットの水平方向への大きな移動なしに上からあるいは下から順にこれらのアッパアーム224、ロアアーム208及びリヤクッションユニット217を容易に組付けることができ、組付性を向上させることができる。
【0038】
本発明は第3に、縦フレーム203,204を、断面コ字状の部材であって、コ字状の開放部を車体外方に向けて配置したことを特徴とする。
縦フレーム203,204を、断面コ字状の部材であって、コ字状の開放部を車体外方に向けて配置したので、縦フレーム203,204の剛性を高めることができるとともに、アッパアーム224、ロアアーム208及びリヤクッションユニット217の取付けを容易に行うことができる。
【0039】
本発明は第4に、縦フレーム203,204を、前後方向に2個配置し、リヤクッションユニット217の上端を一方の縦フレーム203,204の上部に取付け、アッパアーム224とロアアーム208とを両方の縦フレーム203,204に取付けたことを特徴とする。
【0040】
縦フレーム203,204を、前後方向に2個配置し、リヤクッションユニット217の上端を一方の縦フレーム203,204の上部に取付け、アッパアーム224とロアアーム208とを両方の縦フレーム203,204に取付けたので、リヤクッションユニット217の取付部として2個の縦フレーム203,204からどちらかを選択することができ、アッパアーム224及びロアアーム208の取付部として2個の縦フレーム203,204でアッパアーム224及びロアアーム208を強固に支持することができる。
【0041】
本発明は第5に、アッパアーム224を、アーム部材211と、このアーム部材211の先端に取付けたリンク部材としてのアッパサブアーム212とから構成し、アーム部材211を縦フレーム203,204に連結し、アッパサブアーム212をナックルに連結することを特徴とする。
【0042】
アッパアーム224を、アーム部材211と、このアーム部材211の先端に取付けたアッパサブアーム212とから構成し、アーム部材211を縦フレーム203,204に連結し、アッパサブアーム212をナックルに連結するので、アッパアーム224の構造を、アーム部材211とアッパサブアーム212との組み合わせでより自由に選択することができ、後輪用サスペンションの設計自由度を増すことができる。
【0043】
尚、本実施形態では、図4に示したように、直線状フレームとしての2本の縦フレーム203,204を設けたが、これに限らず、例えば、1本の幅広の縦フレームを設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の車体フレーム構造は、不整地走行車両に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る車体フレーム構造を採用した車両の側面図である。
【図2】本発明に係る車両の平面図である。
【図3】本発明に係るリヤフレームを示す斜視図である。
【図4】本発明に係るリヤフレームの側面図である。
【図5】本発明に係るリヤフレームの平面図である。
【符号の説明】
【0046】
10…車両、11…車体フレーム、203,204…直線状フレーム(縦フレーム)、207…サスペンション(後輪用サスペンション)、208…ロアアーム、211…アーム部材、212…リンク部材(アッパサブアーム)、217…クッションユニット(リヤクッションユニット)、224…アッパアーム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右独立で、車体フレームにアッパアーム、ロアアーム及びクッションユニットのそれぞれの一端を取付けたサスペンションを支持する車両の車体フレーム構造において、
前記車体フレームは、前記アッパアーム、前記ロアアーム及び前記クッションユニットを取付ける一つの直線状フレームを備えることを特徴とする車両の車体フレーム構造。
【請求項2】
前記直線状フレームは、ほぼ鉛直に配置されることを特徴とする請求項1記載の車両の車体フレーム。
【請求項3】
前記直線状フレームは、断面コ字状の部材であって、コ字状の開放部を車体外方に向けて配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両の車体フレーム。
【請求項4】
前記直線状フレームは、前後方向に2個配置し、前記クッションユニットの上端を一方の直線状フレームの上部に取付け、前記アッパアームと前記ロアアームとを両方の直線状フレームに取付けたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の車両の車体フレーム。
【請求項5】
前記アッパアームは、アーム部材と、このアームの先端に取付けたリンク部材とからなり、前記アーム部材を前記直線状フレームに連結し、前記リンク部材をナックルに連結することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の車両の車体フレーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−103378(P2006−103378A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−289321(P2004−289321)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】