説明

車両制御装置

【課題】車両の安全を十分に確保することができる車両制御装置を提供すること。
【解決手段】本発明による車両制御装置1は、車両の前方の障害物との距離を検出する第一検出手段と、車両の右折又は左折の開始及び終了を検出する右左折検出手段5aと、車両の前方の所定領域を設定する所定領域設定手段5bと、右左折検出手段5aが車両の右折又は左折の開始を検出した場合に、第一検出手段が所定領域に指向するように、第一検出手段の車両の車体の前方に対する第一角度θ1を制御する第一角度制御手段5cとを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前方の障害物との距離に基ついて警報又は制動を行う車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が先行車両や建物や電柱などの構造物を含む障害物に接触した場合には、車両の車体には非常に大きなエネルギーが入力されて、車体が大きく変形して損傷し、車室内の乗員に与える衝撃が大きくなるおそれがある。このような衝撃が乗員に及び車体が大きく変形することを極力回避するための技術としては、特許文献1に記載されたような技術がある。
【0003】
この特許文献1に記載の技術においては、前方の障害物と車両との距離を主にレーダにより検出して、距離がある閾値未満となると、警報を行い乗員に制動操作を促し、警報に係わらずに乗員が制動操作を行わずに、距離がさらに小さい閾値未満となると、自動的に制動を行うことにより、車両の前方の障害物との接触を防止して、車両及び乗員の保護を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−286839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来技術によっては、警報又は制動を行うことを障害物と車両との距離の閾値判定に基づいて実行するにあたって、距離の検出についてはレーダを用いて行うため、以下のような問題が生じる。すなわち、レーダは車体の例えばフロントグリルの内方に位置していて、車体の前方に常に一致するように指向しているため、車両が右折する場合においては、右折による操舵が進むにつれて、レーダは車体の旋回とともに右折後の右折車線に次第に指向することとなり、車両が交差点に至るまで走行していた車線の延長線上の対向車線からは次第に離隔する方向に指向することとなる。
【0006】
つまり、交差点を右折する途中において対向車線を車両に対向して走行している対向車両を検出することが右折の進行とともに困難となり、対向車線における対向車両との距離の検出を右折時においては行うことが困難となり、対向車線を走行する対向車両との接触可能性を十分に判定した上で適切な警報又は制動を行うことはできない。このため、車両の安全を確保することが十分にできないという問題が生じる。
【0007】
また、左折する場合においても、車両が走行していた車線の延長にある直進車線の路側帯又は歩道を、ある程度速度の高い自転車が走行してくる場合においても、従来技術においては左折時においてもレーダは旋回方向に次第に指向するため、対向して接近する自転車を検出できないこととなり、同様の問題が生じ、安全を確保することが十分にできないという問題が生じる。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑み、車両の安全を十分に確保することができる車両制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の問題を解決するため、本発明による車両制御装置は、
車両の前方の障害物との距離を検出する第一検出手段と、
前記車両の右折又は左折の開始及び終了を検出する右左折検出手段と、
前記車両の前方の所定領域を設定する所定領域設定手段と、
前記右左折検出手段が前記車両の右折又は左折の開始を検出した場合に、前記第一検出手段が前記所定領域に指向するように、前記第一検出手段の前記車両の車体の前方に対する第一角度を制御する第一角度制御手段と、
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車両の安全を十分に確保することができる車両制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る車両制御装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る車両制御装置の一実施形態の設置態様を示す模式図である。
【図3】本発明に係る車両制御装置の一実施形態における検出対象を示す模式図である。
【図4】本発明に係る車両制御装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る車両制御装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図6】本発明に係る車両制御装置の一実施形態における検出対象を示す模式図である。
【図7】本発明に係る車両制御装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る車両制御装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図9】本発明に係る車両制御装置の一実施形態における検出対象を示す模式図である。
【図10】本発明に係る車両制御装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図11】本発明に係わる車両制御装置の一実施形態の検出確率の概念を示す模式図である。
【図12】本発明に係わる車両制御装置の一実施形態の検出確率の概念を示す模式図である。
【図13】本発明に係る車両制御装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明に係る車両制御装置の一実施形態を示すブロック図である。図2は、本発明に係る車両制御装置の一実施形態の設置形態を示す模式図である。図3は、本発明に係る車両制御装置の一実施形態の検出対象を示す模式図である。
【0014】
車両制御装置1は、ミリ波レーダーセンサ2と、レーダーアクチュエータ3と、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4と、車両制御ECU5と、ブザー6と、警告ランプ7とを備えて構成される。車両制御ECU5はCAN(Controller Area Network)等の通信規格により、エンジンECU8と、ブレーキECU9と、変速機ECU10と、ボディECU11と、カーナビゲーションECU12に接続される。
【0015】
カーナビゲーションECU12には、図示しないGPSアンテナ(Global Positioning System:全地球測位システム)と、ヨーレートセンサと、受信機と、データベースと、ディスプレイが接続される。
【0016】
ミリ波レーダーセンサ2は、車両の前方に位置する車両、歩行者、自転車、電柱や建物等の障害物と車両との距離を測定するものであり、図2に示すように、車両のフロントグリル内部の図示しないサスペンションメンバやフロントサイドメンバ等に適宜設置された図示しないアーム又はヒンジ上にレーダーアクチュエータ3を介して固定される。ここで、障害物とは、右左折時以外においては、先行車両、対向車両、歩行者、自転車等を主に含むが、右折時においては特に対向車線を走行する対向車両とし、左折時においては特に直進車線の路側帯又は歩道を走行する自転車とする。
【0017】
レーダーアクチュエータ3は、前述した図示しないアーム又はヒンジ上に固定され、ミリ波レーダーセンサ2の筐体を車体の上下方向を揺動軸として、車体の床面に平行な平面内において前方を中心として左右両方向に揺動自在に支持するとともに、車両制御ECU5の制御に基づいて、図示しないロータを適宜回転させて、ミリ波レーダーセンサ2の筐体を揺動させる。
【0018】
ミリ波レーダーセンサ2はレーザーアクチュエータ3により揺動されて、ミリ波レーダーセンサ2の光軸が車両の車体の前方に対してなす第一角度θ1が車両制御ECU5の制御に基づいて適宜制御される。レーザーアクチュエータ3による第一角度θ1を制御することを終了する場合には、車両制御ECU5の制御に基づき第一角度θ1はゼロとされて光軸が車体の前方と一致するように復帰動作を行う。ミリ波レーダーセンサ2は第一検出手段を構成する。
【0019】
オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4は、例えばCCDカメラあるいはCMOSカメラであり、図2に示すように、車両室内のウインドシールド中央上部にカメラアクチュエータ13を介して配設され、車両の車体の前方を撮像して撮像した画像を例えば二値化処理、エッジ処理、濃淡処理等を含む画像認識処理により前方情報として検出するものであり、前方情報を含むデータフレームを車両制御ECU5に出力する。なお、前方情報は、車線のセンターライン、路側帯、右折レーン、横断歩道、歩道の縁石、信号機等の道路側の各種の情報の要素と、先行車両及び歩行者との距離を含む。オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4は第二検出手段を構成する。
【0020】
車両制御ECU5(Electronic Control Unit)も例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバス及び入出力インターフェースから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが以下に述べる所定の処理を行うものであり、右左折検出手段5aと、所定領域設定手段5bと、第一角度制御手段5cと、警報手段5dと、車両制御手段5eとを構成するものである。
【0021】
ブザー6は車室内の前方の例えばメータパネルに配置されて、車両制御ECU5の警報手段5dの制御に基づいて鳴動して警報音を発生するものである。
【0022】
警告ランプ7は車室内の前方の例えばメータパネルに配置されて、車両制御ECU5の警報手段5dの制御に基づいて点灯して警報表示を行うものである。
【0023】
エンジンECU8(Electronic Control Unit)は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、車両制御ECU5の車両制御手段5eからの指令に基づき、エンジンのスロットルバルブの開度及び回転数の制御を行うものである。
【0024】
ブレーキECU9(Electronic Control Unit)は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、車両制御ECU5の車両制御手段5eからの指令に基づき、車両の各車輪に設けられたブレーキ装置を制御して車両の制動を行うものである。
【0025】
変速機ECU10(Electronic Control Unit)は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、車両制御ECU5の車両制御手段5eからの指令に基づき、ここでは図示しない変速機の変速比のシフト制御を行うものである。
【0026】
ボディECU11(Electronic Control Unit)は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、図示しないウィンカースイッチが操作されて、乗員が右折又は左折を行う意思を示した場合に、ウィンカー信号を車両制御ECU5に対してCANを介して送信するものである。
【0027】
カーナビゲーションECU12は、例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを相互に接続するデータバスと入出力インターフェースから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、以下に述べるそれぞれの制御を行う探索手段12aとして機能するものである。
【0028】
ここで、GPSアンテナは、地球上空に打ち上げられた複数の衛星の内三個の衛星からの電波を受信するものであって、ヨーレートセンサは車両のヨーレートを検出するものであり、さらに、受信機は光あるいは電波ビーコンに準拠したものであり、VICS(Vehicle Information & Communication System:道路交通情報システム)からの渋滞情報を含む道路情報を受信する。加えて、データベースはCD−ROMやDVD−ROM等の記憶媒体により構成され、表示用の地図情報と、探索用の地図情報を格納し記憶している。
【0029】
また、ディスプレイは、タッチパネルすなわち運転者が目的地等の探索条件を入力する入力装置として機能するとともに、運転者により入力された目的地等の探索条件をもとにカーナビゲーションECU12の探索手段12aが探索用の地図情報に基づいて探索した予定経路を、表示用の地図情報とともに表示するものである。
【0030】
カーナビゲーションECU12の探索手段12aは、GPSアンテナの受信した電波をもとに、例えば三角測量の原理で車両が現在にける位置つまりは経度と緯度を測定する。加えて、カーナビゲーションECU12の探索手段12aはブレーキECU9から車両の車速を、CANを介して取得している。
【0031】
加えて、カーナビゲーションECU12の探索手段12aは、ブレーキECU7から取得した車両の車速とヨーレートセンサが検出したヨーレート、CAN上の図示しない操舵装置を構成するEPSECUから取得した操舵角をもとにして、車両の移動距離と方向を計算して車両の現在の位置とヨー角を自律航法により測定する。これにより、GPSアンテナが衛星から電波を受信できない場合においては、GPSアンテナを用いた車両の現在の位置の測定を補完する。
【0032】
カーナビゲーションECU12の探索手段12aは、このようにして測定した車両の現在の位置と、タッチパネルすなわちディスプレイにより運転者が入力した目的地とを結ぶ予定経路を、データベース内の探索用の地図情報を用いてダイクストラ法等の手法により探索する。そして、カーナビゲーションECU12は、データベース内の表示用の地図情報と、上述した方法により測定した車両の現在の位置と、タッチパネルすなわちディスプレイ15により入力された目的地と、探索手段12aにより探索された現在位置から目的地に到る予定経路とを併せてディスプレイに表示する。さらに、カーナビゲーションECU12の探索手段12aは、探索に用いた車両の位置近傍の探索用の地図情報、車速、操舵角、車両の位置、ヨー角を含むデータフレームを適宜車両制御ECU5に送信する。
【0033】
車両制御ECU5の右左折検出手段5aは、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4から取得した前方情報を含むデータフレームから前方情報を検出し、ボディECU11からウィンカー信号を受信し検出して、カーナビゲーションECU12の探索手段12aの送信したデータフレームから、探索用の地図情報、車速、操舵角、車両の位置を検出して、これらの情報に基づいて、車両の右折の開始と終了を検出する。
【0034】
例えば、ウィンカー信号が右折である場合、車速がある車速以下に減速した場合、操舵角が右側にある角度閾値以上となった場合、前方情報に右折レーン端の白線が存在する場合等、において右左折検出手段5aは、右折の開始を検出する。
【0035】
また、右左折検出手段5aは、操舵角がある閾値以下となった場合、ウィンカー信号が右折でなくなった場合、車速がある車速以上に増速した場合、前方情報に右折車線の横断歩道や信号機が存在する場合等、において、右折の終了を検出する。
【0036】
同様に、ウィンカー信号が左折である場合、車速がある車速以下に減速した場合、操舵角が左側にある角度閾値以上となった場合、前方情報に交差点の縁石の角部が存在する場合等、において右左折検出手段5aは、左折の開始を検出する。
【0037】
また、右左折検出手段5aは、操舵角がある閾値以下となった場合、ウィンカー信号が左折でなくなった場合、車速がある車速以上に増速した場合、前方情報に左折車線の横断歩道や信号機が存在する場合等、において、左折の終了を検出する。
【0038】
車両制御ECU5の所定領域設定手段5bは、右左折検出手段5aが車両の右折を検出した場合には、車両が右折前に走行している車線の交差点を跨いで延長して位置する車線の対向車線を、探索用の地図情報が含むリンク情報と、前方情報に基づいて認識して、認識した対向車線を所定領域に設定する。
【0039】
また、所定領域設定手段5bは、右左折検出手段5aが車両の左折を検出した場合には、車両が左折前に走行している車線の交差点を跨いで延長して位置する車線つまり直進車線の路側帯及び歩道を、探索用の地図情報が含むリンク情報と、前方情報に基づいて認識して、認識した路側帯及び歩道を所定領域に設定する。
【0040】
つまり、所定領域とは、車両の右左折中において、第一検出手段を構成するミリ波レーダーセンサ2による障害物の検出を行うに当たって重点的に検出対象とすべき障害物が存在する可能性が高い領域を指す。
【0041】
すなわち、車両制御ECU5の第一角度制御手段5cは、右折時においては所定領域設定手段5bの設定した所定領域である対向車線に、第一検出手段を構成するミリ波レーダーセンサ2の光軸が指向するような第一角度θ1、つまり図3に示すように、車体の前方よりも左方に指向する第一角度θ1を主に操舵角と車速を用いて適宜演算して、指令値をレーダーアクチュエータ3に出力し、ミリ波レーダーセンサ2の光軸が対向車線の例えば中央に指向するように制御する。第一角度制御手段5cは、右左折検出手段5aが右折の終了を検出した場合には、第一角度θ1をゼロとするようにレーダーアクチュエータ3を制御する。
【0042】
加えて、車両制御ECU5の第一角度制御手段5cは、左折時においては所定領域設定手段5bの設定した所定領域である直進車線の路側帯及び歩道に、第一検出手段を構成するミリ波レーダーセンサ2の光軸が指向するような第一角度θ1、図3に示すように、車体の前方よりも右方に指向する第一角度θ1を主に操舵角と車速を用いて適宜演算して、指令値をレーダーアクチュエータ3に出力し、ミリ波レーダーセンサ2の光軸が直進車線の路側帯及び歩道に指向するように制御する。第一角度制御手段5cは、右左折検出手段5aが左折の終了を検出した場合には、第一角度θ1をゼロとするようにレーダーアクチュエータ3を制御する。
【0043】
さらに、車両制御ECU5は、右折時においては対向車線を走行する対向車両と車両との距離をミリ波レーダーセンサ2から取得して、距離が警報用閾値未満となる場合には、車両制御ECU5の警報手段5dは、ブザー6を鳴動し、警告ランプ7を点灯させて警報を行う。距離が接触不可避判定用閾値未満となった場合には、車両制御ECU5の車両制御手段5eは、エンジンECU8によりエンジンのスロットルバルブの開度を小さくして回転数を下げ、ブレーキECU9によりブレーキを動作させ、変速機ECU10によりシフトダウンを行い、車両の速度を減少させるように車両制御を行う。
【0044】
これと同時に、車両制御ECU5は、右折車線の先行車両、歩行者との距離をオブジェクトレコグニッションカメラセンサ4から取得して、距離が警報用閾値未満となる場合には、車両制御ECU5の警報手段5dは、ブザー6を鳴動し、警告ランプ7を点灯させて警報を行う。距離が接触不可避判定用閾値未満となった場合には、車両制御ECU5の車両制御手段5eは、エンジンECU8によりエンジンのスロットルバルブの開度を小さくして回転数を下げ、ブレーキECU9によりブレーキを動作させ、変速機ECU10によりシフトダウンを行い、車両の速度を減少させるように車両制御を行う。
【0045】
同様に、車両制御ECU5の車両制御手段5eは、左折時においては直進車線の路側帯及び歩道を走行する自転車と車両との距離をミリ波レーダーセンサ2により検出して、距離が警報用閾値未満となる場合には、車両制御ECU5の警報手段5dは、ブザー6を鳴動し、警告ランプ7を点灯させて警報を行う。距離が接触不可避判定用閾値未満となった場合には、車両制御ECU5の車両制御手段5eは、エンジンECU8によりエンジンのスロットルバルブの開度を小さくして回転数を下げ、ブレーキECU9によりブレーキを動作させ、変速機ECU10によりシフトダウンを行い、車両の速度を減少させるように車両制御を行う。
【0046】
これと同時に、車両制御ECU5は、左折車線の先行車両、歩行者との距離をオブジェクトレコグニッションカメラセンサ4から取得して、距離が警報用閾値未満となる場合には、車両制御ECU5の警報手段5dは、ブザー6を鳴動し、警告ランプ7を点灯させて警報を行う。距離が接触不可避判定用閾値未満となった場合には、車両制御ECU5の車両制御手段5eは、エンジンECU8によりエンジンのスロットルバルブの開度を小さくして回転数を下げ、ブレーキECU9によりブレーキを動作させて、変速機ECU10によりシフトダウンを行い、車両の速度を減少させるように車両制御を行う。
【0047】
さらに、車両制御ECU5は、右折又は左折の終了が右左折検出手段5aにより検出された後は、右折車線又は左折車線の先行車両又は歩行者との距離をオブジェクトレコグニッションカメラセンサ4ではなくミリ波レーダーセンサ2から取得して、距離が警報用閾値未満となる場合には、車両制御ECU5の警報手段5dは、ブザー6を鳴動し、警告ランプ7を点灯させて警報を行う。距離が接触不可避判定用閾値未満となった場合には、車両制御ECU5の車両制御手段5eは、エンジンECU8によりエンジンのスロットルバルブの開度を小さくして回転数を下げ、ブレーキECU9によりブレーキを動作させ、変速機ECU10によりシフトダウンを行い、車両の速度を減少させるように車両制御を行う。
【0048】
以下、本実施例1の車両制御装置1の制御内容について、フローチャートを用いて説明する。図4は、本発明による車両制御装置1の車両制御ECU5の制御内容を示すフローチャートである。
【0049】
ステップS1において、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4が撮像された画像に基づいて前方情報を検出して、車両制御ECU5はオブジェクトレコグニッションカメラセンサ4から前方情報を取得する。ステップS2において、車両制御ECU5の右左折検出手段5aは、CAN上においてボディECU11からウィンカー信号を取得し、カーナビゲーションECU12から、車両の位置近傍の探索用の地図情報、車速、操舵角、車両の位置、ヨー角を取得して、右折又は左折の開始又は終了を検出する。
【0050】
ステップS3において、車両制御ECU5の所定領域設定手段5bは、右左折検出手段5aにより右折の開始が検出されたか否かを判定し、肯定である場合には、ステップS4にすすみ、否定である場合には、ステップS10にすすみ、右左折検出手段5aにより左折の開始が検出されたか否かを判定し、肯定である場合には、ステップS11にすすみ、否定である場合には、ステップS1の手前に戻る。
【0051】
ステップS4において、所定領域設定手段5bは、前方情報、探索用の地図情報に基づいて、対向車線を所定領域に設定し、ステップS5において、車両制御ECU5の第一角度制御手段5cは、ミリ波レーダーセンサ2の光軸が対向車線に指向するような第一角度θ1の目標値を演算し、ステップS6において、第一角度θ1が目標値となるような指令値を、レーダーアクチュエータ3に対して出力し、ミリ波レーダーセンサ2の光軸が対向車線に指向するように制御する。
【0052】
ステップS7において、所定領域設定手段5bは、右折の終了が右左折検出手段5aにより検出されたか否かを判定し、肯定である場合には、ステップS8にすすんで、否定である場合には、ステップS4の手前に進み、右折の終了が検出されるまでの間において、ステップS4〜S6の処理が継続して実行される。
【0053】
つまり、図4に示すフローチャートの演算周期毎に、第一角度θ1は時系列的に適宜更新され、更新された第一角度θ1を実現するべくレーダーアクチュエータ3が車両制御ECU5の第一角度制御手段5cにより制御される。
【0054】
ステップS8において、車両制御ECU5の第一角度演算手段5cは、第一角度θ1の目標値をゼロとするレーダーアクチュエータ3に対する指令値を演算して、ステップS9において第一角度θ1がゼロとなるように、レーダーアクチュエータ3に指令値を出力する。
【0055】
ステップS10において、車両制御ECU5の所定領域設定手段5bは、右左折検出手段5aにより左折の開始が検出されたか否かを判定し、肯定である場合には、ステップS11にすすみ、肯定である場合には、ステップS11にすすみ、否定である場合には、ステップS1の手前に戻る。
【0056】
ステップS11において、所定領域設定手段5bは、前方情報、探索用の地図情報に基づいて、直進車線の路側帯及び歩道を所定領域に設定し、ステップS12において、車両制御ECU5の第一角度制御手段5cは、ミリ波レーダーセンサ2の光軸が直進車線の路側帯及び歩道に指向するような第一角度θ1の目標値を演算し、ステップS13において、第一角度θ1が目標値となるような指令値を、レーダーアクチュエータ3に対して出力し、ミリ波レーダーセンサ2の光軸が直進車線の路側帯及び歩道に指向するように制御する。
【0057】
ステップS14において、所定領域設定手段5bは、左折の終了が右左折検出手段5aにより検出されたか否かを判定し、肯定である場合には、ステップS15にすすんで、否定である場合には、ステップS11の手前に進み、左折の終了が検出されるまでの間において、ステップS11〜S13の処理が継続して実行される。
【0058】
つまりここでも、図4に示すフローチャートの演算周期毎に、第一角度θ1は時系列的に適宜更新され、更新された第一角度θ1を実現するべくレーダーアクチュエータ3が車両制御ECU5の第一角度制御手段5cにより制御される。
【0059】
ステップS15において、車両制御ECU5の第一角度演算手段5cは、第一角度θ1の目標値をゼロとするレーダーアクチュエータ3に対する指令値を演算して、ステップS16において第一角度θ1がゼロとなるように、レーダーアクチュエータ3に指令値を出力する。
【0060】
以上述べた制御内容により実現される本実施例1の車両制御装置1によれば、以下のような作用効果を得ることができる。すなわち、右折する交差点における対向車両の存在を考慮した上で、右折時においては対向車線の対向車両と車両との距離をミリ波レーダーセンサ2により検出した上で、距離と警報用閾値又は接触不可避判定用閾値とを比較して、適宜警報と制動を実行することができるので、右折時の安全性を高めることができる。
【0061】
同様に、左折時において、左折する交差点において横断歩道に向けて対向して走行してくる自転車を考慮に入れて、直進車線の路側帯又は歩道の自転車との距離をミリ波レーダーセンサ2により検出した上で、距離と警報用閾値又は接触不可避判定用閾値と比較して、適宜警報と制動を実行することができるので、左折時の安全性を高めることができる。
【0062】
つまり、車両制御装置1によれば、第一検出手段つまりミリ波レーダーセンサ2を右左折時に所定領域に指向させて、第一検出手段により所定領域に存在する障害物と車両との距離を検出して、所定領域を対向車線、直進車線の路側帯又は歩道として、従来技術においては、右左折時においては、検出対象とすることができなかった対向車線の対向車両や、直進車線の路側帯や歩道の自転車を検出対象として、右左折時の安全性を高めることができる。
【0063】
また、右左折検出手段5aが車両の右折又は左折の終了を検出した場合に、第一検出手段つまりミリ波レーダーセンサ2が車両の車体の前方に指向するように、第一角度制御手段5cが第一角度θを制御するので、車両が右左折を終了した後は、ミリ波レーダーセンサ2を速やかに車両の車体の前方に一致するように指向させて、右折車線又は左折車線の先行車両や歩行者との距離を検出して、適宜警報又は制動を行うことができる。
【0064】
このことは、車両が右左折を終了した後は、対向車線を走行する対向車両又は直進車線の路側帯又は歩道を走行する自転車と車両との距離を検出して、対向車両又は自転車と車両との接触可能性を監視する必要はなく、車両が進入した右折車線又は左折車線に位置する先行車両や歩行者との距離を検出して、接触可能性を判定することが要求されて、接触可能性を監視する対象が変化することに基づく。
【0065】
すなわち、右左折中と右左折後においては、接触可能性を判定する対象となる障害物が異なることに基づいて、右左折開始から終了までのミリ波レーダーセンサ2の第一角度θ1を車体の前方に対して左方又は右方に指向する角度とする制御内容から、右左折後に要求される車体の前方に対して第一角度θをゼロ又はゼロ近傍とする制御内容により迅速に移行することができる。
【0066】
加えて、車両制御装置1が車両の前方の前方情報を検出する第二検出手段としてのオブジェクトレコグニッションカメラセンサ4を含み、所定領域設定手段5bが前方情報に基づいて所定領域を設定することにより、所定領域設定手段5bが所定領域をより確実かつ正確に設定することができる。
【0067】
また、車両制御装置1が第二検出手段としてのオブジェクトレコグニッションカメラセンサ4を含むことにより、第一検出手段つまりミリ波レーダーセンサ2を右折又は左折の途中において所定領域に指向させることとしても、第二検出手段により検出した前方情報に基づいて、右折車線又は左折車線の先行車両及び歩行者との距離を画像処理等により検出することが可能となるので、第一検出手段により対向車線又は直進車線の路側帯又は歩道を監視する期間においても、安全性をより高めることができる。
【0068】
さらに、車両制御手段1が、車両の位置を検出して、位置と入力された目的地と地図情報に基づいて経路を探索する探索手段12aを含み、所定領域設定手段5bが地図情報と経路に基づいて所定領域を設定するので、所定領域の設定の精度を高めることができる。
【0069】
特に、経路上に右左折する交差点が存在する場合に、交差点を車両が直進した場合の直進車線に対向する対向車線又は直進車線のリンク情報を地図情報から抽出して、地図情報に基づいて対向車線又は直進車線の路側帯又は歩道の位置を所定領域として設定するので、設定の精度を高めることができる。
【0070】
さらに、車両制御装置1において、所定領域設定手段5bが車両の操舵角と車速に基づいて所定領域を設定するので、これによっても設定の精度を高めることができる。
【0071】
また、車両制御ECU5の所定領域設定手段5bが、前方情報に含まれる対向車線又は直進車線の路側帯又は歩道等の所定領域の特徴を表す情報と、交差点に位置する信号機、右折レーン等の情報、及び探索に用いた地図情報のリンク情報から、所定領域を設定するので、所定領域をより確実かつ正確に検出し認識した上で設定することができる。
【0072】
さらに、本実施例1の車両制御装置1においては、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4を含み、かつ、右左折中においても、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4は車体の前方を指向させることから、ミリ波レーダーセンサ2の光軸を右折又は左折の途中において所定領域に指向させることとしても、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4により検出した前方情報に基づいて、右折車線又は左折車線の先行車両及び歩行者との距離を画像処理等により検出して、この距離に基づいて車両制御ECU5の警報手段5dが警報を実行し、車両制御手段5eが制動を実行することができるので、ミリ波レーダーセンサ2により対向車線又は直進車線の路側帯又は歩道を監視する期間においても、安全性を確保することができる。
【0073】
なお、右左折検出手段5aは、上述したものに換えて、車両の車速や操舵角から交差点の手前の車線を基準とした車体のヨー角を検出して、ヨー角が増加し始めた場合に右折又は左折の開始を検出し、車体のヨー角が、カーナビゲーションECU12がデータベース上から読み出した探索用の地図情報の含むノード情報及びリンク情報に基づいて予め予測される右左折進入角度、つまり、交差点前に車両が走行していた車線と、右左折後に進入する右折車線又は左折車線との相対角度に到達した場合に右折又は左折の終了を検出することすることもできる。
【0074】
また、所定領域設定手段5bが所定領域を設定するに当たっては、右左折時においては、車体のヨー角が発生するため、簡易的にヨー角と左右逆方向であるヨー角だけ車体の前方から指向する方向を含む領域を所定領域と設定することもできる。
【0075】
上述した実施例1においては、右折又は左折の開始が検出された後は、右折又は左折の終了が検出されるまでの間において、所定領域にレーダーアクチュエータ3の光軸方向を一致させることとしているが、車両が進行する方向の右折車線や左折車線の先行車両や歩行者を検出することを再開することは、対向車線の対向車両や直進車線の路側帯及び歩道の自転車と車両との位置関係及び相対速度関係において接触可能性が低く安全性が確保される場合には、より早期に実行することが好ましい。以下、その点について進行する方向の検出を再開するタイミングをより早期に求める手法を実現する実施例2について述べる。
【実施例2】
【0076】
図5は、本発明に係る車両制御装置の一実施形態を示すブロック図である。図6は、本発明に係わる車両制御装置の一実施形態の検出対象を示す模式図である。
【0077】
車両制御装置21は、ミリ波レーダーセンサ2と、レーダーアクチュエータ3と、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4と、車両制御ECU5と、ブザー6と、警告ランプ7とを備えて構成される。車両制御ECU5はCANにより、エンジンECU8と、ブレーキECU9と、変速機ECU10と、ボディECU11と、カーナビゲーションECU12に接続される。なお、実施例1と同一の構成要素については同一の符号を付して、重複する説明は割愛する。
【0078】
車両制御ECU5は、実施例1に示した、右左折検出手段5aと、所定領域設定手段5bと、第一角度制御手段5cと、警報手段5dと、車両制御手段5eとを含むとともに、到達時間算出手段5fと、右左折終了時間算出手段5gとを含む。
【0079】
車両制御ECU5の到達時間算出手段5fは、所定領域を走行する障害物、つまり対向車線を走行する対向車両又は直進車線の路側帯及び歩道を走行する自転車が、車両に到達する右左折開始時点を基準とした到達時間Tcを、障害物との距離から求めた相対速度、相対加速度から算出する。到達時間Tcは右折時においては、図6に示す時間である。
【0080】
車両制御ECU5の右左折終了時間算出手段5gは、車両の車速、加速度、前方情報、操舵角から、右折車線又は左折車線に車両が進入するまでの予想軌道を算出して、予想軌道を用いて車両が右左折を終了する右左折開始時点を基準とした右左折終了時間Teを算出する。右折終了時間Teは、図6に示す時間である。
【0081】
到達時間Tcと、右左折終了時間Teと比較して、到達時間Tcが右左折終了時間Teよりも大きい場合には、車両制御ECU5の第一角度制御手段5cは、ミリ波レーダーセンサ2の光軸を車体の前方に指向するように第一角度θ1をゼロとする制御を実行する。
【0082】
到達時間Tcが右左折終了時間Teよりも大きい場合には、車両が右折又は左折の途中において対向車両又は自転車が車両に到達することはなく、車両に対して対向車両又は自転車が接触する可能性が低いため、Tc>Teと判定された後においては、ミリ波レーダーセンサ2の光軸を対向車線又は直進車線の路側帯又は歩道に指向させて、対向車線上の対向車両又は直進車線の路側帯又は歩道上の自転車を監視して接触可能性を判定する必要は薄いこととなる。
【0083】
ただし、到達時間Tcが右左折終了時間Teよりも大きい場合において、到達時間Tcの右左折終了時間Teに対する比率Te/Tcが所定比率βよりも小さい場合には、比率Te/Tcに基づいて、第一角度制御手段5cが、第一角度θ1を連続的且つ徐々に制御して、ミリ波レーダーセンサ2を右折車線又は左折車線に指向するように、連続的且つ徐々に車体の前方に指向させる。なお、所定比率βは1に近く1以上の例えば1.1等の少数である。
【0084】
比率Te/Tcが低いということは接触可能性が相対的に高いことを示すため、ここでは、比率Te/Tcが大きいほど第一角度θ1をゼロに復帰させる遷移時間Tsを長くする、つまり第一角度θ1と遷移時間Tsの線形関係を内包する図示しないマップを予め記憶して、比率Te/Tcとマップを用いて演算された遷移時間Tsを用いて、第一角度θ1を遷移時間Tsにおいて連続的且つ徐々に低減してゼロ又はゼロ近傍に変化させる。
【0085】
また、Tc>Teと判定された場合で、比率Te/Tcが所定比率βよりも小さくない場合には、車両制御ECU5の第一角度制御手段5cによりミリ波レーダーセンサ2の光軸の第一角度θ1を速やかにゼロ又はゼロ近傍として、ミリ波レーダーセンサ2の光軸を車体の前方に指向させる。
【0086】
以下、本実施例2の車両制御装置21の制御内容について、フローチャートを用いて説明する。図7は、本発明による車両制御装置21の車両制御ECU5の制御内容を示すフローチャートである。なお、図4に示したフローチャートと共通するステップについては同一の符号を付して、重複する説明は割愛する。
【0087】
ステップS6において、車両制御ECU5の第一角度制御手段5cは、第一角度θ1が目標値となるような指令値を、レーダーアクチュエータ3に対して出力し、ミリ波レーダーセンサ2の光軸が対向車線に指向するように制御した後において、ステップS6−1において、右左折終了時間算出手段5gは予想軌道を算出して右折終了時間Teを算出し、到達時間算出手段5fは到達時間Tcを算出する。
【0088】
ステップS7−1において、所定領域設定手段5bは、到達時間Tc>右折終了時間Te+α(αはヒステリシスを考慮した定数)であるか否かを判定し、肯定である場合には、ステップS7−2にすすみ、否定であれば、ステップS4の手前に進み、ステップS7−1において肯定と判定されるまでの間において、ステップS4〜S6−1の処理が継続して実行される。
【0089】
ステップS7−2において、所定領域設定手段5bは、比率Tc/Te<所定比率β(βは例えば1.1等の1以上かつ1近傍の少数)であるか否かを判定し、否定である場合にはステップS8にすすみ、肯定である場合にはステップS8−1にすすむ。
【0090】
ステップS8において、車両制御ECU5の第一角度演算手段5cは、第一角度θ1の目標値を速やかにゼロとするレーダーアクチュエータ3に対する指令値を演算して、ステップS9において第一角度θ1がゼロとなるように、レーダーアクチュエータ3に指令値を出力する。
【0091】
ステップS8−1において、車両制御ECU5の第一角度演算手段5cは、比率Tc/Teとマップにより定まる遷移時間Tsを演算して、第一角度θ1の目標値を遷移時間Tsが経過する間にゼロとするレーダーアクチュエータ3に対する指令値を演算して、ステップS9において第一角度θ1が遷移時間Ts経過中に連続的且つ徐々にゼロとなるように、レーダーアクチュエータ3に指令値を出力する。
【0092】
ステップS13において、第一角度θ1が目標値となるような指令値を、レーダーアクチュエータ3に対して出力し、ミリ波レーダーセンサ2の光軸が直進車線の路側帯及び歩道に指向するように制御した後、ステップS13−1において、右左折終了時間算出手段5gは予想軌道を算出して左折終了時間Teを算出し、到達時間算出手段5fは到達時間Tcを算出する。
【0093】
ステップS14−1において、所定領域設定手段5bは、到達時間Tc>左折終了時間Te+α(αはヒステリシスを考慮した定数)であるか否かを判定し、肯定である場合には、ステップS14−2にすすみ、否定であれば、ステップS11の手前に進み、ステップS14−1において肯定と判定されるまでの間において、ステップS11〜S13−1の処理が継続して実行される。
【0094】
ステップS14−2において、所定領域設定手段5bは、比率Tc/Te<所定比率β(βは例えば1.1等の1以上かつ1近傍の少数)であるか否かを判定し、否定である場合にはステップS15にすすみ、肯定である場合にはステップS15−1にすすむ。
【0095】
ステップS15において、車両制御ECU5の第一角度演算手段5cは、第一角度θ1の目標値を速やかにゼロとするレーダーアクチュエータ3に対する指令値を演算して、ステップS16において第一角度θ1がゼロとなるように、レーダーアクチュエータ3に指令値を出力する。
【0096】
ステップS15−1において、車両制御ECU5の第一角度演算手段5cは、比率Tc/Teとマップにより定まる遷移時間Tsを演算して、第一角度θ1の目標値を遷移時間Tsが経過する間にゼロとするレーダーアクチュエータ3に対する指令値を演算して、ステップS16において第一角度θ1が遷移時間Ts経過中に連続的且つ徐々にゼロとなるように、レーダーアクチュエータ3に指令値を出力する。
【0097】
以上述べた制御に基づく本実施例2の車両制御装置21によれば、比率Tc/Teが所定比率β未満である場合に遷移時間Tsにおいては、ミリ波レーダーセンサ2の光軸の指向する方向は、対向車線又は直進車線の路側帯又は歩道から右折車線又は左折車線に徐々に移行することとすることができる。
【0098】
このため、遷移時間Tsの前半においては、右折時においては、対向車線の対向車両を引き続き監視し、例えば対向車両がステップS7−1のTc>Teの判定を終了した後において急に加速するような運転を行って、対向車両と車両とのミリ波レーダーセンサ2により検出される距離より演算される相対加速度が急激に大きくなる場合には、到達時間Tcを再度計算し直して比率Tc/Teを再度演算することとすることができ、右折時の安全性をより高めることができる。
【0099】
同様に、遷移時間Tsの前半においては、左折時においては、直進車線の路側帯及び歩道の自転車を引き続き監視し、例えば自転車がステップS14−1のTc>Teの判定を終了した後において急に加速するような運転を行って、自転車と車両とのミリ波レーダーセンサ2により検出される距離より演算される相対加速度が急激に大きくなる場合には、到達時間Tcを再度計算し直して比率Tc/Teを再度演算することとすることができ、左折時の安全性をより高めることができる。
【0100】
また、遷移時間Tsの後半においては、右折車線又は左折車線上の先行車両、歩行者等を障害物として検出することが重要となることから、ミリ波レーダーセンサ2の光軸を車体の前方に指向させて、右左折後に進入する右折車線又は左折車線にミリ波レーダーセンサ2の光軸を指向させることとし、右折車線又は左折車線上の先行車両、横断歩道上の歩行者、との距離を検出して、右折車線又は左折車線上の障害物との接触可能性を判定する右左折時以外に要求される制御内容に速やかに移行することができる。
【0101】
さらに、以上述べた制御に基づく本実施例2の車両制御装置21によれば、比率Tc/Teが所定比率β未満でない場合においては、右左折時ともに、第一角度θ1を速やかにゼロとして、ミリ波レーダーセンサ2の光軸を車体の前方に指向させて、右折車線又は左折車線上の先行車両、横断歩道上の歩行者、との距離を検出して、右折車線又は左折車線上の障害物との接触可能性を判定する右左折時以外の制御内容に速やかに移行することができる。
【0102】
これらのことにより、右左折開始から終了までの対向車線及び直進車線の路側帯及び歩道の監視と、右左折終了後の右折車線又は左折車線上の監視の切替えのタイミングを、右折終了時間Teと到達時間Tcとの比較に基づいて、適切に決定して、右左折開始から終了までの安全性が確保できる場合には、速やかに、右左折終了後に要求される制御に移行することができる。
【0103】
つまり車両制御装置21において、所定領域を走行する障害物が車両に到達する到達時間Tcを算出する到達時間算出手段5fと、車両が右左折を終了する右左折終了時間Teを算出する右左折終了時間算出手段5gを含み、到達時間Tcが右左折終了時間Teよりも大きい場合には、第一角度制御手段5cが第一検出手段であるミリ波レーダーセンサ2を車体の前方に指向するように第一角度θ1を制御することにより、以下の作用効果を得ることができる。
【0104】
つまり、到達時間Tcが右左折終了時間Teよりも大きい場合には、第一検出手段の第一角度θ1を速やかにゼロ又はゼロ近傍として第一検出手段を車体の前方に指向させて、右左折後に進入する右折車線又は左折車線の横断歩道上の歩行者、右折車線又は左折車線上の先行車両との距離を検出して、右折車線又は左折車線上の障害物との接触可能性を判定する右左折時以外に要求される制御内容に速やかに移行することができる。
【0105】
このことは、到達時間Tcが右左折終了時間Teよりも大きい場合には、車両が右折又は左折の途中において対向車両又は自転車が車両に到達することはなく、車両に対して対向車両又は自転車が接触する可能性が低く、ミリ波レーダーセンサ2つまり第一検出手段を対向車線又は直進車線の路側帯又は歩道に指向させて、対向車線上の対向車両又は直進車線の路側帯又は歩道上の自転車を監視して接触可能性を判定する必要性は薄いことに基づく。
【0106】
また、車両制御装置21において、到達時間Tcが右左折終了時間Teよりも大きい場合において、到達時間Tcの右左折終了時間Teに対する比率Tc/Teが所定比率βよりも小さい場合には、比率βに基づいて、第一角度制御手段5cが、第一角度θ1を連続的且つ徐々に制御して、ミリ波レーダーセンサ2つまり第一検出手段を右折車線又は左折車線から連続的且つ徐々に車体の前方に指向させることにより、以下の作用効果が得られる。
【0107】
つまり、遷移時間Tsにおいては、第一検出手段の指向する方向は、対向車線又は直進車線の路側帯又は歩道から右折車線又は左折車線に徐々に移行することとなるため、遷移時間Tsの前半においては、対向車両を監視して、対向車両が急に加速するような運転を行って、距離より演算される相対加速度が急激に大きくなる場合には、到達時間Tcを再計算して比率Tc/Teを再度演算することとすることができる。また、遷移時間Tsの後半においては、車両が進入する右折車線又は左折車線上の先行車両、歩行者等を第一検出手段により検出することができる。
【0108】
なお、本実施例2においては、所定領域設定手段5bにより、到達時間Tc>左折終了時間Te+αであるか否かを判定しているが、右左折検出手段5aによりこの判定を行い、この判定が肯定であれば、右折又は左折の終了を検出することとし、右左折検出手段5aの右折又は左折の終了の判定に基づいて、第一角度制御手段5cが第一角度θ1をゼロとする復帰動作を実行してもよい。
【0109】
上述した実施例においては、右折車線又は左折車線に対する自車の予想軌道を算出しているが、実際に車両が走行している道路において、右折車線又は左折車線の交差点前の車線に対する右左折進入角度は、道路毎に角度が異なり、探索用の地図情報を用いても正確な角度を求めることが困難である。右左折進入車線の進入角度の精度が低いと、右折又は左折の終了又は終了の判定、右左折終了時間Teの算出の精度も低下し、右折又は左折の終了後のミリ波レーダーセンサ2の光軸の車体の前方への復帰動作が遅れることが懸念される。以下、進入角度及び予想軌道の精度を高める手法を含む実施例3について述べる。
【実施例3】
【0110】
図8は、本発明に係る車両制御装置の一実施形態を示すブロック図である。図9は、本発明に係わる車両制御装置の一実施形態の検出対象を示す模式図である。
【0111】
車両制御装置31は、ミリ波レーダーセンサ2と、レーダーアクチュエータ3と、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4と、車両制御ECU5と、ブザー6と、警告ランプ7とを備えて構成される。車両制御ECU5はCANにより、エンジンECU8と、ブレーキECU9と、変速機ECU10と、ボディECU11と、カーナビゲーションECU12に接続される。なお、実施例2と同一の構成要素については同一の符号を付して、重複する説明は割愛する。
【0112】
車両制御ECU5は、実施例2に示した、右左折検出手段5aと、所定領域設定手段5bと、第一角度制御手段5cと、警報手段5dと、車両制御手段5eと、到達時間算出手段5fと、右左折終了時間算出手段5gとを含み、さらに、予想軌道算出手段5hと、軌道修正手段5iを含む。
【0113】
予想軌道算出手段5hは、車両が右左折における予想軌道を、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4が検出した前方情報に基づいて算出する。具体的には、右折時においては、右折進入角度をオブジェクトレコグニッションカメラセンサ4が実際に検出した、前方情報の含む、対向車線のセンターラインと右折車線のセンターラインの角度(1)、対向車線の路側帯ラインと右折車線の路側帯ラインの交差線(2)、右折車線入口の信号機(3)、横断歩道の位置(4)、右折車線の先行車両(5)、カーナビゲーションECU12から取得した探索用の地図情報(6)の情報に基づいて、それぞれの情報により時刻tにおける各情報要素に基づく要素予想軌道fn(t)n=1〜6を推定し求め、要素予想軌道fn(t)それぞれに対応する重み付け関数Wnを定義して、図9下段に示すように、予想軌道(xt、yt)≡ΣWn×fn(t)n=1〜6を算出する。同様に、左折時の予想軌道も、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4が検出した前方情報に基づいて算出することができる。
【0114】
軌道修正手段5iは、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4が検出した前方情報の含む位置等の情報の画像内における例えば相対位置関係と相対大小関係の時間遷移、及び、カーナビゲーションECU12の探索手段12aの検出した現在の車両の位置に基づいて、車両が右左折するにあたって通過することが予測される予想軌道を、適宜修正する。右左折終了時間算出手段5gは、修正された予想軌道に基づいて右左折終了時間Teを算出する。なお、本実施例3の車両制御装置31の制御内容を示すフローチャートは、実施例2の図7と同等であり、ステップS6−1及びステップS13−1の予想軌道の算出の手法のみの変更であるため、フローチャートの図示と説明は省略する。
【0115】
上述した本実施例3の車両制御装置31によれば、右左折時双方においてオブジェクトレコグニッションカメラセンサ4が実際に検出した、前方情報の含む各種の幾何学的な情報と、カーナビゲーションECU12の探索手段12aの検出した車両の位置に基づいて、予想軌道を正確に算出することができ、正確に算出された予想軌道を用いて、右左折終了時間算出手段5gが、右左折終了時間Teを正確に算出することができる。
【0116】
さらに、車両の現在の軌道を検出して予想軌道を修正する軌道修正手段5iを含むことにより、修正された後の正確な予想軌道に基づいて右左折終了時間Teを正確に算出することができる。これにより、図7に示したステップS7−1、S7−2、S14−1、S14−2の判定の精度を高め、ミリ波レーダーセンサ2を適切なタイミングで迅速に車体の前方に指向するように復帰動作させることができる。
【0117】
つまり、車両制御装置31においては、車両が右左折するにあたって通過することが予想される予想軌道を、前方情報に基づいて算出する予想軌道算出手段5hを含み、右左折終了時間算出手段5gが予想軌道を用いて右左折終了時間Teを算出するので、右折時において、予想軌道を第二検出手段が実際に検出した前方情報の含む、対向車線のセンターラインと右折車線のセンターラインの角度、対向車線の路側帯ラインと右折車線の路側帯ラインの交差線、右折車線入口の信号機、横断歩道の位置等の情報に基づいて、正確に算出することができる。
【0118】
同様に、左折時において、予想軌道を第二検出手段が実際に検出した、前方情報の含む、例えば、直進車線のセンターライン、左折車線のセンターライン、左折車線の横断歩道、左折車線入口の信号機等の情報に基づいて、右左折終了時間算出手段5gが、右左折終了時間Teを正確に算出することができる。つまり、右左折双方において、正確に算出された予想軌道を用いて、右左折終了時間算出手段5gが、右左折終了時間Teを正確に算出することができる。
【0119】
また、車両制御装置31において、車両の現在の軌道を検出して予想軌道を修正する軌道修正手段5iを含むことにより、軌道修正手段5iが、第二検出手段が実際に検出した前方情報の含む、対向車線のセンターラインと右折車線のセンターラインの角度、対向車線の路側帯ラインと右折車線の路側帯ラインの交差線、右折車線入口の信号機、横断歩道の位置等の情報の画像内における相対位置関係と相対大小関係の時間遷移に基づいて、及び/又は、探索手段12aの検出した車両の現在の位置に基づいて、車両の実際の軌道を検出して、予想軌道を、適宜修正して、右左折終了時間算出手段5gが、修正された後の正確な予想軌道に基づいて右折終了時間Teを正確に算出することができる。つまり右折時において、前述した誤差や車両のスリップに係わらずに、右折終了時間Teを正確に算出することができる。
【0120】
同様に、軌道修正手段5iが、第二検出手段が実際に検出した前方情報の含む、直進車線のセンターラインと左折車線のセンターラインの角度、直進車線の路側帯ラインと左折車線の路側帯ラインの交差線、左折車線入口の信号機、横断歩道の位置等の情報に基づいて、及び/又は、探索手段12aの検出した車両の現在の位置に基づいて、適宜修正して、右左折終了時間算出手段5gが、修正された後の正確な予想軌道に基づいて左折終了時間Teを正確に算出することができる。つまり左折時においても、前述した誤差や車両のスリップに係わらずに、左折終了時間Teを正確に算出することができる。つまり、車両の車輪の路面に対するスリップが発生して、予想軌道と実際の軌道とはずれが生じることを考慮して予想軌道を適宜修正して、右左折終了時間Teを高い精度で算出することができる。
【0121】
上述した実施例1〜3に示した車両制御装置1〜31においては、第一検出手段としてのミリ波レーダーセンサ2と、第二検出手段としてのオブジェクトレコグニッションカメラセンサ4の個々の検出確率と、第一角度θ1が適宜制御された上での、第一検出手段と第二検出手段を併せた全体検出手段の全体検出確率の相関関係について考慮していないが、これらの確率を考慮することにより、本発明においてミリ波レーダーセンサ2の光軸を右左折時に所定範囲に指向させる制御内容を、適宜制限する、又は最適化することができる。以下それについての実施例4について述べる。
【実施例4】
【0122】
図10は、本発明に係る車両制御装置の一実施形態を示すブロック図である。図11〜12は、本発明に係わる車両制御装置の一実施形態の単体の検出確率と全体検出確率の概念を示す模式図である。図13は、本発明に係わる車両制御装置の一実施形態の制御内容を実施例2又は3との相違点のみで示すフローチャートである。
【0123】
車両制御装置41は、ミリ波レーダーセンサ2と、レーダーアクチュエータ3と、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4と、カメラアクチュエータ13と、車両制御ECU5と、ブザー6と、警告ランプ7と、を備えて構成される。車両制御ECU5はCANにより、エンジンECU8と、ブレーキECU9と、変速機ECU10と、ボディECU11と、カーナビゲーションECU12に接続される。なお、実施例2と同一の構成要素については同一の符号を付して、重複する説明は割愛する。
【0124】
車両制御ECU5は、実施例3に示した、右左折検出手段5aと、所定領域設定手段5bと、第一角度制御手段5cと、警報手段5dと、車両制御手段5eと、到達時間算出手段5fと、右左折終了時間算出手段5gと、予想軌道算出手段5hと、軌道修正手段5iを含み、さらに、第二角度制御手段5jを含む。
【0125】
カメラアクチュエータ13は、車両室内のウインドシールド中央上部に設けられて、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4の筐体を車体の上下方向を揺動軸として、車体の床面に平行な平面内において前方を中心として左右両方向に揺動自在に支持するとともに、車両制御ECU5の第二角度制御手段5jの制御に基づいて、図示しないロータを適宜回転させて、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4の筐体を揺動させる。
【0126】
オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4の指向方向はカメラアクチュエータ13により制御され、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4の光軸が車両の車体の前方に対してなす第二角度θ2が車両制御ECU5の第二角度制御手段5jの制御に基づいて適宜制御されて、カメラアクチュエータ13による第二角度θ2を制御することを終了する場合には、第二角度θ2は車体の前方と一致するように復帰動作を行うものとしている。
【0127】
本実施例4の車両制御装置41においては、ミリ波レーダーセンサ2単体の車両の前方を含む空間における第一検出確率Cp1と、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4単体の同じく車両の前方を含む空間における第二検出確率Cp2と、ミリ波レーダーセンサ2の第一角度θ1を第一角度制御手段5cが制御した場合のミリ波レーダーセンサ2及びオブジェクトレコグニッションカメラセンサ4をともに含んだ全体検出手段として要求される全体検出確率Cpeを定義して、以下のように第一角度θ1の制御について制限を行う。
【0128】
すなわち、第一検出確率Cp1と第二検出確率Cp2の和が全体検出確率Cpeを下回る部分空間を空間が含む場合においては、車両制御ECU5の第一角度制御手段5cによる第一角度θ1の制御を停止する。
【0129】
ここで、第一検出確率Cp1は、ミリ波レーダーセンサ2が障害物と車両との距離を実際に検出した回数を、障害物が実際に存在した回数で除した割合の分布を空間の三次元座標上の複数且つ任意の点で定義したものであって、検出結果の実際値をシステム側で要求される期待値で除した値と同義であって、第一接触予知能力Cp1と言い換えることもできる。第一接触予知能力Cp1は、ミリ波レーダの照射範囲、ミリ波レーダーセンサ2の含む受信アンテナの本数及び設置箇所、検出対象となる障害物の車両からの前後左右上下の距離、車速、天候、等のパラメータを含む第一ベクトルに対して実験又はシミュレーションにより求めた第一行列の積を求めること等の適宜の手段により定まるものである。
【0130】
また、第二検出確率Cp2は、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4が前方情報を実際に検出した回数を、前方情報が実際に存在した回数で除した割合の分布を空間の三次元座標上の複数且つ任意の点で定義したものであり、検出結果の実際値をシステム側で要求される期待値で除した値と同義であって、第二接触予知能力Cp2と言い換えることもできる。第二接触予知能力Cp2は、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4の撮像範囲、検出対象となる前方情報を構成する要素の車両からの前後左右上下の距離、車速、天候等のパラメータを含む第二ベクトルに対して実験又はシミュレーションにより求めた第二行列の積を求めること等の適宜の手段により定まるものである。
【0131】
さらに、全体検出確率Cpeは、ミリ波レーダーセンサ2及びオブジェクトレコグニッションカメラセンサ4をともに含んだ全体検出手段としての、障害物又は前方情報を検出する確率の要求値の分布を空間の三次元座標上の複数且つ任意の点で定義したものであり、ミリ波レーダーセンサ2の第一角度θ1が第一角度制御手段5cにより制御されること及び/又はオブジェクトレコグニッションカメラセンサ4の第二角度θ2が第二角度制御手段5jにより制御されることに伴って変化するものであり、全体接触予知能力Cpeと言い換えることもできる。全体検出確率Cpeは、第一角度θ1、第二角度θ2、検出対象となる障害物又は前方情報を構成する要素の車両からの前後左右上下の距離、車速、天候等のパラメータを含む第三ベクトルに対して実験又はシミュレーションにより求めた第三行列の積を求めること等の適宜の手段により定まるものである。
【0132】
第一接触予知能力Cp1は、例えば図11中左方に示すように、車体の床面と平行な面を示すXY平面の車体の前方Fに対して、第一角度θ1が左方に変位している場合には、Z軸方向に凸状をなして、第一角度θ1を指向する方向を含む平面において対称をなす鞍型で示され、検出確率つまり予知能力の大きさはZ軸方向のXY平面からの距離により表すことができ、この第一接触予知能力Cp1は第一角度θ1の指向方向を車体側から視て、奥側よりも手前が高く、左右両端よりも中央部が高くなる性質を有する。
【0133】
第二接触予知能力Cp2は、例えば図11中右方に示すように、車体の床面を示すXY平面の車体の前方Fに対して、第一角度θ1が、右方に変位している場合には、Z軸方向に凸状をなして、第二角度θ2を指向する方向を含む平面において対称をなす鞍型で示され、検出確率つまり予知能力の大きさはZ軸方向のXY平面からの距離により表すことができ、この第二接触予知能力Cp2は第一角度θ1の指向方向を車体側から視て、奥側よりも手前が高く、左右両端よりも中央部が高くなる性質を有しており、第一接触予知能力Cp1よりも車体の左右方向に広い範囲に分布しており、左右方向の中央における第二接触予知能力Cp2のピーク値は第一接触予知能力Cp1のピーク値よりも小さい性質を有している。
【0134】
全体接触予知能力Cpeは、例えば図11中中央に示すように、車体の床面を示すXY平面の車体の前方Fに対して、Z軸方向に凸状をなす鞍型で示され、前方F方向を含む平面において対称をなして、前方Fにおいて頂部が窪んだ鞍型で示される。予知能力の大きさはZ軸方向のXY平面からの距離により表すことができる。なお、図12は、図11に対して、第一角度θ1をθ1‘に、第二角度θ2をθ2’に変更したものである。
【0135】
図11においては、Cp1とCp2の和は、ピッチの小さい方の破線で示され、Cpeは、ピッチの大きい方の破線で示される。ピッチの小さい方の破線は、車体の中央において凹む形態をなしており、中央において、Cp1+Cp2<Cpeとなる部分空間が、車体の前方の空間に存在する形態を有している。図12においては、Cp1+Cp2<Cpeとなる部分が、車体の前方の空間に存在しない形態を有している。
【0136】
図11及び図12に示したように、第一角度θ1、第二角度θ2の変化に起因して、全体接触予知能力Cpeに対して、第一接触予知能力Cp1と第二接触予知能力Cp2の和が下回る部分が発生する場合には、実施例1〜3において示した車両制御装置1〜31における第一角度θ1の制御を停止することとする。第一接触予知能力Cp1と第二接触予知能力Cp2の和が下回る部分が発生するか否かの判定は、予め演算した結果を車両制御ECU5が保存していてもよいし、車両制御ECU5の演算容量に余裕がある場合にはその都度演算を実行してもよい。
【0137】
これによれば、第一接触予知能力Cp1と第二接触予知能力Cp2の和を全体接触予知能力Cpeよりも大きくすることが保障される場合においてのみ、第一角度θ1の制御を実行することにより、全体検出手段の障害物又は前方情報を検出する確率を、要求される確率以上に担保することができる。
【0138】
あるいは、例えば車速が所定車速未満である場合には、図11に示したような、Cp1+Cp2<Cpeとなる部分が空間の全ての位置において存在しなくなる所定の制約条件が存在する場合には、所定の制約条件が成立する場合においてのみ、第一角度θ1の制御を実行することとしてもよい。なお、所定の制約条件とは、例えば、車速が所定速度以下である等の条件を指し、所定の制約条件が成立する場合には、第一検出確率Cp1と第二検出確率Cp2の和が全体検出確率を空間全体において上回るものとする。所定の制約条件が成立するか否かの判定も、予め演算した結果を車両制御ECU5が保存していてもよいし、車両制御ECU5の演算容量に余裕がある場合にはその都度演算を実行してもよい。
【0139】
これによっても、全体検出手段の障害物又は前方情報を検出する確率すなわち全体接触予知能力Cpeを、要求される確率以上に担保することができる。
【0140】
あるいは、第一接触予知能力Cp1と第二接触予知能力Cp2の和が全体接触予知能力Cpeを上回るように、第一角度制御手段5cにより第一角度θ1を第一制限範囲内に制限するように制御することとしてもよい。第一角度θ1の第一制限範囲を求めるに当たっては、これも予め演算した結果を車両制御ECU5が保存していてもよいし、車両制御ECU5の演算容量に余裕がある場合にはその都度演算を実行してもよい。
【0141】
つまり車両制御装置41において、第一検出手段単体の車両の前方を含む空間における第一検出確率Cp1と、第二検出手段単体の空間における第二検出確率Cp2と、第一検出手段の第一角度θ1を第一角度制御手段5cが制御した場合の第一検出手段及び第二検出手段をともに含んだ全体検出手段として要求される全体検出確率Cpeを定義して、図11に示すように、第一検出確率Cp1と第二検出確率Cp2の和が全体検出確率Cpeを下回る部分空間を空間が含む場合においては、第一角度制御手段5cによる第一角度θ1の制御を停止することにより、以下の作用効果が得られる。
【0142】
つまり、第一検出確率Cp1と第二検出確率Cp2の和を全体検出確率Cpeよりも大きくする場合においてのみ、第一角度θ1の制御を実行することとすることができ、全体検出手段の障害物又は前方情報を検出する確率を、要求される確率Cpe以上に担保することができる。
【0143】
換言すれば、右左折時の車両の安全性を高めることに伴って、第一検出手段の第一角度θ1を制御することを、第一検出手段及び第二検出手段の本来の前方の障害物及び前方情報を検出する能力が損なわれる場合においては制限することができる。
【0144】
また車両制御装置31においては、所定の制約条件において、第一検出確率Cp1と第二検出確率Cp2の和が全体検出確率Cpeを空間全体において上回る場合においては、所定の制約条件において第一角度制御手段5cによる第一角度θ1の制御を実行することにより、所定の制約条件による制約を受けた上で、全体検出手段の障害物又は前方情報を検出する確率を、要求される確率Cpe以上に担保することができる。
【0145】
さらに車両制御装置31において、第一検出手段単体の車両の前方を含む空間における第一検出確率Cp1と、第二検出手段単体の空間における第二検出確率Cp2と、第一検出手段の第一角度θ1を第一角度制御手段5cが制御した場合の第一検出手段及び第二検出手段をともに含んだ全体検出手段として要求される全体検出確率Cpeを定義して、第一検出確率Cp1と第二検出確率Cp2の和が全体検出確率Cpeを上回るように、第一角度制御手段5cにより第一角度θ1を制御することが好ましい。
【0146】
後者の如く第一角度制御手段5cが、和Cp1+Cp2が全体検出確率Cpeを上回るように第一角度θ1を制御する場合においては、第二検出手段の車両の車体の前方に対する第二角度θ2を制御する第二角度制御手段5jを含み、第一検出確率Cp1と第二検出確率Cp2の和が全体検出確率Cpeを上回るように、第二角度制御手段5jにより第二角度θ2を制御することが好ましい。
【0147】
上述したように第一検出確率Cp1と第二検出確率Cp2の和を全体検出確率Cpeよりも大きくすることにより、第一角度制御手段5cの第一角度θ1の制御及び/又は第二制御手段5jの第二角度θ2の制御に係わらずに、車両制御装置31全体の障害物又は前方情報を検出する確率を、要求される確率Cpe以上に担保することができる。
【0148】
換言すれば、右左折時の車両の安全性を高めることに伴って、第一検出手段の第一角度θ1を制御する状況下においても、第一検出手段及び第二検出手段の本来の前方の障害物及び前方情報を検出する能力を確実に担保することができる。
【0149】
なお、車両制御ECU5において演算容量に余裕がある場合には、例えば右折時においては、図7に示したフローチャートにおける、ステップS5の、第一角度θ1の演算後において、全体接触予知能力Cpeと、第一接触予知能力Cp1と第二接触予知能力Cp2の和との大小判定を、図13に示すステップS17において追加して行い、全体接触予知能力Cpeの方が小さいことが成立する場合には、ステップS5で計算した第一角度θ1の計算結果をそのまま用いて、成立しない場合にはステップS18において第一角度θ1を、ステップS17の条件が成立する第一制限範囲となるように補正する。これによっても、全体検出手段の障害物又は前方情報を検出する確率すなわち全体接触予知能力Cpeを、要求される確率以上に担保することができる。左折時においても、図7に示したフローチャートのステップS12後にステップS17、S18と同様の補正演算を行う。
【0150】
車両制御ECU5において演算容量に余裕がない場合には、予め第一制限範囲をワークステーション等により演算して求めて、図13に示すステップS17において、ステップS5において演算された第一角度θ1が予め演算された第一制限範囲内にあるか否かを判定することとすることもできる。
【0151】
第一角度制御手段5cが、和Cp1+Cp2が全体接触予知能力Cpeを上回るように第一角度θ1を制御する場合においては、車両制御ECU5が、オブジェクトレコグニッションカメラセンサ4の車両の車体の前方に対する第二角度θ2を制御する第二角度制御手段5jを含み、第一接触予知能力Cp1と第二接触予知能力Cp2の和Cp1+Cp2が全体接触予知能力Cpeを上回るように、第二角度制御手段5jによりカメラアクチュエータ5に指令値を出力して第二角度θ2を第二制限範囲内に制限するように制御することもできる。
【0152】
ここでも、第二角度θ2の第二制限範囲を求めるに当たっては、これも予め演算した結果を車両制御ECU5が保存していてもよいし、車両制御ECU5の演算容量に余裕がある場合にはその都度演算を実行してもよい。これによっても、全体検出手段の障害物又は前方情報を検出する確率すなわち全体接触予知能力Cpeを、要求される確率以上に担保することができる。
【0153】
なお、上述した実施例1〜4の全てにおいて、車両の前方の障害物との距離を検出する第一検出手段としてのミリ波レーダーセンサ2と、車両の前方の前方情報を検出する第二検出手段としてのオブジェクトレコグニッションカメラセンサ4と、車両の操舵角、車速、前方情報、地図情報に基づいてミリ波レーダーセンサ2の車両の前方に対する第一角度θ1を制御する第一角度制御手段5cとを共通して具備している。
【0154】
つまり、本発明による車両制御装置1〜31は、車両の前方の障害物との距離を検出する第一検出手段と、車両の前方の前方情報を検出する第二検出手段と、車両の操舵角、車速、前方情報、地図情報に基づいて第一検出手段の車両の車体の前方に対する第一角度θ1を制御する第一角度制御手段5cとを含む。上述した構成により以下の作用効果が得られる。
【0155】
すなわち、右左折時において第一角度θ1を、車両の操舵角、車速、前方情報、地図情報に基づいて第一検出手段の車両の車体の前方に対する第一角度θ1を、第一角度制御手段5cが適宜制御することができ、車両が右折する交差点の対向車線又は左折する交差点の直進車線の路側帯又は歩道を監視することを可能とし、車両の安全を確保することができる。
【0156】
以上本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に制限されることなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形および置換を加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明は、車両及び乗員の保護を十分に確保することができる車両制御装置に関するものであり、特には右左折時において対向車両や自転車の挙動を監視して、車両の安全を十分に確保することができるので、乗用車、トラック、バス等の様々な車両に適用して有益なものである。
【符号の説明】
【0158】
1 車両制御装置
2 ミリ波レーダーセンサ(第一検出手段)
3 レーダーアクチュエータ
4 オブジェクトレコグニッションカメラセンサ(第二検出手段)
5 車両制御ECU
5a 右左折検出手段
5b 所定領域設定手段
5c 第一角度制御手段
5d 警報手段
5e 車両制御手段
6 ブザー
7 警告ランプ
8 エンジンECU
9 ブレーキECU
10 変速機ECU
11 ボディECU
12 カーナビゲーションECU
12a 探索手段
21 車両制御装置
5f 到達時間算出手段
5g 右左折終了時間算出手段
31 車両制御装置
5h 予想軌道算出手段
5i 軌道修正手段
41 車両制御装置
5j 第二角度制御手段
13 カメラアクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前方の障害物との距離を検出する第一検出手段と、前記車両の右折又は左折の開始及び終了を検出する右左折検出手段と、前記車両の前方の所定領域を設定する所定領域設定手段と、前記右左折検出手段が前記車両の右折又は左折の開始を検出した場合に、前記第一検出手段が前記所定領域に指向するように、前記第一検出手段の前記車両の車体の前方に対する第一角度を制御する第一角度制御手段とを含むことを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
前記車両が右折する場合においては、前記所定領域は、前記車両が走行している車線の延長をなす直進車線の対向車線であり、前記車両が左折する場合においては、前記所定領域は、前記車両が走行している車線の交差点を跨いで延長線上に位置する直進車線の路側帯又は歩道であることを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記右左折検出手段が前記車両の右折又は左折の終了を検出した場合に、前記第一検出手段が前記車両の車体の前方に指向するように前記第一角度制御手段が前記第一角度を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記車両の前方の前方情報を検出する第二検出手段を含み、前記所定領域設定手段が前記前方情報に基づいて前記所定領域を設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記車両の位置を検出して、前記位置と入力された目的地と地図情報に基づいて経路を探索する探索手段を含み、前記所定領域設定手段が前記地図情報と前記経路に基づいて前記所定領域を設定することを特徴とする請求項4に記載の車両制御装置。
【請求項6】
前記所定領域設定手段が前記車両の操舵角と車速に基づいて前記所定領域を設定することを特徴とする請求項4又は5に記載の車両制御装置。
【請求項7】
前記所定領域を走行する前記障害物が前記車両に到達する到達時間を算出する到達時間算出手段と、前記車両が前記右左折を終了する右左折終了時間を算出する右左折終了時間算出手段を含み、前記到達時間が前記右左折終了時間よりも大きい場合には、前記第一角度制御手段が前記第一検出手段を前記車体の前方に指向するように前記第一角度を制御することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の車両制御装置。
【請求項8】
前記到達時間が前記右左折終了時間よりも大きい場合において、前記到達時間の前記右左折終了時間に対する比率が所定比率よりも小さい場合には、前記比率に基づいて、前記第一角度制御手段が、前記第一角度を連続的且つ徐々に制御して、前記第一検出手段を右折車線又は左折車線から連続的且つ徐々に前記車体の前方に指向させることを特徴とする請求項7に記載の車両制御装置。
【請求項9】
前記車両が右左折するにあたって通過することが予想される予想軌道を、前記前方情報に基づいて算出する予想軌道算出手段を含み、前記右左折終了時間算出手段が前記予想軌道を用いて前記右左折終了時間を算出することを特徴とする請求項7又は8に記載の車両制御装置。
【請求項10】
前記車両の現在の軌道を検出して前記予想軌道を修正する軌道修正手段を含むことを特徴とする請求項9に記載の車両制御装置。
【請求項11】
前記第一検出手段単体の前記車両の前方を含む空間における第一検出確率と、前記第二検出手段単体の前記空間における第二検出確率と、前記第一検出手段の前記第一角度を前記第一角度制御手段が制御した場合の前記第一検出手段及び前記第二検出手段をともに含んだ全体検出手段として要求される全体検出確率を定義して、前記第一検出確率と前記第二検出確率の和が前記全体検出確率を下回る部分空間を前記空間が含む場合においては、前記第一角度制御手段による前記第一角度の制御を停止することを特徴とする請求項4〜10のいずれか一項に記載の車両制御装置。
【請求項12】
所定の制約条件において、前記第一検出確率と前記第二検出確率の和が前記全体検出確率を前記空間全体において上回る場合においては、前記所定の制約条件において前記第一角度制御手段による前記第一角度の制御を実行することを特徴とする請求項4〜11のいずれか一項に記載の車両制御装置。
【請求項13】
前記第一検出手段単体の前記車両の前方を含む空間における第一検出確率と、前記第二検出手段単体の前記空間における第二検出確率と、前記第一検出手段の前記第一角度を前記第一角度制御手段が制御した場合の前記第一検出手段及び前記第二検出手段をともに含んだ全体検出手段として要求される全体検出確率を定義して、前記第一検出確率と前記第二検出確率の和が前記全体検出確率を上回るように、前記第一角度制御手段により前記第一角度を制御することを特徴とする請求項4〜10のいずれか一項に記載の車両制御装置。
【請求項14】
前記第二検出手段の前記車両の車体の前方に対する第二角度を制御する第二角度制御手段を含み、前記第一検出確率と前記第二検出確率の和が前記全体検出確率を上回るように、前記第二角度制御手段により前記第二角度を制御することを特徴とする請求項13に記載の車両制御装置。
【請求項15】
車両の前方の障害物との距離を検出する第一検出手段と、前記車両の前方の前方情報を検出する第二検出手段と、前記車両の操舵角、車速、前記前方情報、地図情報に基づいて前記第一検出手段の前記車両の車体の前方に対する第一角度を制御する第一角度制御手段とを含むことを特徴とする車両制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−218377(P2010−218377A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66104(P2009−66104)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】