説明

車両用ナビゲーション装置

【課題】積算走行距離計から積算走行距離を入力し、積算走行距離が特別な値になった場合にユーザに通知する。
【解決手段】積算走行距離計から積算走行距離の変化を受信すると(ステップS201)、変化した積算走行距離を記憶する(ステップS202)。次に、積算走行距離が特別な値になったかどうかを判定する(ステップS203)。積算走行距離が特別な値になった場合、制御回路100は、特別な値になったことを音声として出力する(または案内経路上に地点および特別な値を表示する)ことにより、ユーザに通知する(ステップS204)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用ナビゲーション装置に関し、特に車両の積算走行距離計(オドメータ等ともいう)と連動する車両用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、車両には積算走行距離計が搭載されており、車両の積算走行距離が表示されている。ユーザ(運転者等)は、車両の運転中に積算走行距離計に表示されている積算走行距離に注目することはほとんどないのが通常である。このため、ユーザは、特に意識しない限り、積算走行距離計に表示される積算走行距離が、例えば、「1111」km、「2222」km、「3333」km、…等のぞろ目、「1000」km、「2000」km、「3000」km、…等のきりの良い値、「1010」等のユーザの記念日(例えば、誕生日10月10日)等の特別な値になったとしても、そのことには気付かずに見過ごしてしまうことが多い。しかしながら、事前に、積算走行距離計に表示される積算走行距離が特別な値に近づいていることに気付いていた場合には、ユーザは運転中に積算走行距離計に表示される積算走行距離が気になり、特別な値になる瞬間を見逃すまいとして積算走行距離計に目が行って運転がおろそかになり、ひいては交通事故等の遠因となるおそれもあった。
【0003】
そこで、積算走行距離計等の走行距離メータの距離表示が報知希望距離に近付いたならば、その旨を報知するようにした車両用ナビゲーション装置がすでに提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−041752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の車両用ナビゲーション装置は、位置検出手段で検出される現在位置に基づいて車両の走行距離を算出するものであり、ナビゲーション装置の取り付け時にユーザが、積算走行距離計(オドメータ)に表示された走行距離を操作スイッチ群等を操作して入力する必要があるものであった。換言すれば、従来の車両用ナビゲーション装置は、車両の積算走行距離計に表示される積算走行距離とは直接的には関係のない走行距離を自ら算出して報知するものであったので、経年変化によって積算走行距離計の積算走行距離と車両用ナビゲーション装置が算出する走行距離とが大きく相違してくるおそれがあるものであった。
【0005】
本発明の課題は、上述の点に鑑み、積算走行距離計から積算走行距離を受信し、この積算走行距離が特別な値になったときには、その旨をユーザに通知するようにした車両用ナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
請求項1記載の車両用ナビゲーション装置は、積算走行距離として表示する特別な値を設定する積算走行距離特別値設定手段と、積算走行距離計から受信した積算走行距離が前記特別な値となったときにその旨を通知する積算走行距離特別値通知手段とを有することを特徴とする。請求項1記載の車両用ナビゲーション装置によれば、積算走行距離計から受信した車両の積算走行距離が特別な値になったことをユーザに通知するので、積算走行距離計の積算走行距離と車両用ナビゲーション装置が算出する走行距離とが相違して、ユーザが混乱する事態を生じることがなくなる。
【0007】
請求項2記載の車両用ナビゲーション装置は、請求項1記載の車両用ナビゲーション装置において、前記積算走行距離特別値通知手段が、経路計算結果を受信したときに前記積算走行距離を加味して経路計算結果の案内経路上に前記特別な値となる地点がある場合に、前記表示装置に表示された当該経路計算結果の案内経路上に当該地点および当該特別な値を表示することを特徴とする。請求項2記載の車両用ナビゲーション装置によれば、表示装置に表示された経路計算結果の案内経路上に車両の積算走行距離が特別な値になる地点およびその特別な値が表示されるので、ユーザは、案内経路上のどの地点で積算走行距離がどのような特別な値になるのかを容易に視認することができる。
【0008】
請求項3記載の車両用ナビゲーション装置は、請求項1または請求項2記載の車両用ナビゲーション装置において、前記積算走行距離特別値通知手段が、地図更新結果を受信したときに当該地図更新結果を反映した経路計算結果の案内経路上に前記特別な値となる地点がある場合に、前記表示装置に表示された当該経路計算結果の案内経路上に当該地点および当該特別な値を表示することを特徴とする。請求項3記載の車両用ナビゲーション装置によれば、地図更新結果を反映した経路計算結果することができる。経路計算結果の案内経路上に車両の積算走行距離が特別な値になる地点およびその特別な値が表示されるので、ユーザは、地図の更新があったとしても案内経路上のどの地点で積算走行距離がどのような特別な値になるのかを容易に視認することができる。
【0009】
請求項4記載の車両用ナビゲーション装置は、請求項1ないし請求項3のいずれかに1項に記載の車両用ナビゲーション装置において、前記積算走行距離特別値通知手段が、前記積算走行距離が前記特別な値となったことを音声により通知することを特徴とする。請求項4記載の車両用ナビゲーション装置によれば、積算走行距離が特別な値となったことを音声で通知するので、ユーザは、表示装置の画面、又はオドメータを見続けなくても、車両の積算走行距離が特別な値になったことを知ることができる。
【0010】
請求項5記載の車両用ナビゲーション装置は、請求項1ないし請求項4のいずれかに1項に記載の車両用ナビゲーション装置において、前記特別な値が、ぞろ目、きりの良い値、記念日、ユーザが指定した値のいずれか1つ以上を含むことを特徴とする。請求項5記載の車両用ナビゲーション装置によれば、ユーザは、特別な値として、ぞろ目、きりの良い値、記念日等の値を任意に設定(指定)することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
車両の積算走行距離が特別な値になったこと、あるいは特別な値になることを、音声により、または案内経路上に表示することにより、ユーザに通知する。
【0012】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の実施例1に係る車両用ナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。本実施例1に係る車両用ナビゲーション装置10は、車両(図示せず)に搭載されており、車両の現在位置を検出する位置検出器110と、ユーザからの各種操作を入力する操作スイッチ群120と、操作スイッチ群120と同様に各種操作を入力するリモートコントロール端末(以下、リモコンと称す。)130aと、リモコン130aからの信号を受信するリモコンセンサ130と、記録媒体(図示せず)からナビゲーションプログラム,地図データ,各種データ等を入力する地図データ入力器140と、地図等の各種表示を行う表示装置145と、音声を入出力するための音声入出力装置150と、ナビゲーションプログラム,地図データ,各種データ等を記憶するデータ記憶装置155と、車両のトランスミッション出力軸(図示せず)の回転に基づいて積算走行距離をカウントする積算走行距離計200と有線接続するためのインターフェース部160と、TV(Television)放送を受信するTV受信装置170と、VICS(Vehicle Information and Communication System)路側機(図示せず)と通信を行うためのVICS装置175と、これら各種装置に接続され、これら各種装置を制御する制御回路100とを備えている。
【0014】
位置検出器110は、GPS(Global Positioning System)衛星から送信されたGPS電波を受信し、その受信したGPS電波に格納されているパラメータを演算して位置データを取得するGPS受信機110aと、角速度を検出することに基づいて方向を算出し、その算出した方向を示す方向データを取得するジャイロスコープ110bと、走行距離を検出し、その検出した距離を示す距離データを取得する距離センサ110cと、地磁気に基づいて方向を検出し、その検出した方向を表す方向データを取得する地磁気センサ110dとを備えて構成され、各構成要素が取得した各データを相互補完することによって、車両の現在位置の検出(特定)および進行方向の検出(特定)を行う。具体的には、車両の現在位置は主にGPS受信機110aおよび距離センサ110cによって検出され、車両の進行方向はジャイロスコープ110bおよび地磁気センサ110dによって検出される。位置検出器110は、各構成要素が性質の異なる検出誤差を有するため、互いに検出誤差を補間しながら精度の高い現在位置および進行方向の検出を行うようになっているが、要求される検出精度で現在位置および進行方向を算出可能であれば全ての構成要素を備える必要はない。精度に応じて、上述したうちの一部の構成要素で構成してもよく、またステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
【0015】
操作スイッチ群120は、例えば表示装置145のケースに設けられたメカニカルスイッチ,表示装置145のカラー液晶ディスプレイ上に形成されたタッチスイッチなどからなり、各種のデータや設定事項などの操作入力を制御回路100に与えるために設けられている。また、リモコンセンサ130も入力手段として設けられたもので、リモコン130aからの操作入力を受信して制御回路100に伝えるようになっている。
【0016】
地図データ入力器140は、多種類の地図描画用データ、マップマッチング用データ、ネットワークデータとしての道路データ等の地図データと、施設を示すマークデータと、案内用の画像や音声データとを含む各種のデータを入力するための装置である。これらのデータの記録媒体としては、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk-Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、メモリ、メモリカード等を用いることができる。
【0017】
表示装置145は、カラー表示装置であり、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)などで構成されるが、それらのいずれを用いてもよい。
【0018】
音声入出力装置150は、マイクロフォン、スピーカ、アンプ等からなり、ユーザの音声による指令を入力したり、地図データ入力器140より入力した施設のガイドや各種案内の音声や、インターフェース部160を介して取得した情報の読み上げ音声を出力したりすることができる。
【0019】
データ記憶装置155は、車両情報等の各種データを格納する記憶装置である。制御回路100は、地図データを地図データ入力器140を介して取得してデータ記憶装置155に記憶し、必要時にデータ記憶装置155から読み出す。また、制御回路100は、経路計算結果をデータ記憶装置155に記憶し、必要時にデータ記憶装置155から読み出す。
【0020】
インターフェース部160は、積算走行距離計200等の外部機器と車両用ナビゲーション装置10(制御回路100)とを有線接続するためのものである。
【0021】
TV受信装置170は、TV放送を受信する装置である。
【0022】
VICS装置175は、VICSセンサやFM(Frequency Modulation)チューナなどを備えたもので、例えばVICSセンサが受信した光/電波ビーコンからの情報信号やFMチューナが受信したFM多重放送からの情報信号を制御回路100に与える構成となっており、ラジオアンテナを介して受信したFM放送信号や、道路近傍に配置されたVICSサービス用の固定局から受信した電波ビーコン信号および光ビーコン信号などを制御回路100に入力する。また、VICS装置175は、車両情報を外部へ送信する機能も備えた構成となっている。
【0023】
制御回路100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/O(Input/Output)およびこれらの構成を接続するバスライン(いずれも図示せず)などからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM等に記憶されたナビゲーションプログラムに基づいて、各種制御を実行する。他にも、位置検出器110からの各検出信号に基づき車両の現在位置および進行方向を算出し、地図データ入力器140を介して読み込んだ現在位置付近の道路地図や、操作スイッチ群120やリモコン130a等の操作によって指示された範囲の道路地図等を表示装置145に表示する地図表示処理や、地図データ入力器140に格納された地点データに基づき、操作スイッチ群120やリモコン130a等の操作に従って目的地となる施設を選択し、現在位置から目的地までの最適な経路を自動的に求める経路計算を行って経路案内を行う経路案内処理を行う。このように自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。また、RAMには、プログラム実行時の一時データや地図データ入力器140から取得した地図データなどが一時的に記憶される。特に、制御回路100は、ユーザが操作スイッチ群120,リモコン130a等を操作して、図2および図6に示すような処理を実行する機能を備えている。
【0024】
図2は、積算走行距離表示設定ルーチン(積算走行距離特別値設定手段)S100の処理を示すフローチャートである。
【0025】
図3は、積算走行距離表示設定画面および同画面から遷移するぞろ目設定画面を例示する図である。
【0026】
図4は、積算走行距離表示設定画面および同画面から遷移するきりの良い値設定画面を例示する図である。
【0027】
図5は、積算走行距離表示設定画面および同画面から遷移する記念日設定画面を例示する図である。
【0028】
図6は、積算走行距離変化受信時の処理(積算走行距離特別値通知手段)を示すフローチャートである。
【0029】
次に、このように構成された実施例1に係る車両用ナビゲーション装置10の動作について説明する。
【0030】
制御回路100は、ナビゲーションプログラムのメインルーチン(図示せず)において、ユーザによる操作スイッチ群120,リモコン130a等の操作により、積算走行距離表示の設定が選択されると、図2に示す積算走行距離表示設定ルーチンS100に制御を移行する。
【0031】
積算走行距離表示設定ルーチンS100では、制御回路100は、図3ないし図5中に示す積算走行距離表示設定画面を表示装置145に表示して、積算走行距離表示の設定をユーザに促す。
【0032】
(1−1)ぞろ目の値の積算走行距離表示の設定
【0033】
積算走行距離表示設定画面の表示状態から、ユーザが操作スイッチ群120,リモコン130a等を操作して「する」ボタンをオンし(ステップS101:ON)、「ぞろ目」ボタンをオンすると(ステップS102:ON)、制御回路100は、ぞろ目設定ルーチンS103に遷移する。
【0034】
ぞろ目設定ルーチンS103では、制御回路100は、図3中に示すぞろ目設定画面を表示装置145に表示して、ぞろ目の設定をユーザに促す。
【0035】
ユーザは、操作スイッチ群120,リモコン130a等によりキーボードアイコンを操作して特別な値の通知欄に、例えば、「1111」km、「2222」km、「3333」km、…等のぞろ目(図3では、「1111」km)を入力し、「設定完了」ボタンを操作する。
【0036】
すると、制御回路100は、ぞろ目として設定された特別な値をデータ記憶装置155に記憶し、ぞろ目設定ルーチンS103を終了して、積算走行距離表示設定ルーチンS100にリターンする。
【0037】
(1−2)きりの良い値の積算走行距離表示の設定
【0038】
積算走行距離表示設定画面の表示状態から、ユーザが操作スイッチ群120,リモコン130a等を操作して「する」ボタンをオンし(ステップS101:ON)、「きりの良い値」ボタンをオンすると(ステップS104:ON)、制御回路100は、きりの良い値設定ルーチンS105に遷移する。
【0039】
きりの良い値設定ルーチンS105では、制御回路100は、図4中に示すきりの良い値設定画面を表示装置145に表示して、きりの良い値の設定をユーザに促す。
【0040】
ユーザは、操作スイッチ群120,リモコン130a等によりキーボードアイコンを操作して特別な値の通知欄に、例えば、「1000」km、「2000」km、「3000」km、…等のきりの良い値(図4では、「1000」km)を入力し、「設定完了」ボタンを操作する。
【0041】
すると、制御回路100は、きりの良い値として設定された特別な値をデータ記憶装置155に記憶し、きりの良い値設定ルーチンS105を終了して、積算走行距離表示設定ルーチンS100にリターンする。
【0042】
(1−3)記念日等が含まれる積算走行距離表示の設定
【0043】
積算走行距離表示設定画面の表示状態から、ユーザが操作スイッチ群120,リモコン130a等を操作して「する」ボタンをオンし(ステップS101:ON)、「記念日」ボタンをオンすると(ステップS106:ON)、制御回路100は、記念日設定ルーチンS107に遷移する。
【0044】
記念日設定ルーチンS107では、制御回路100は、図5中に示す記念日設定画面を表示装置145に表示して、記念日の設定をユーザに促す。
【0045】
ユーザは、操作スイッチ群120,リモコン130a等によりキーボードアイコンを操作して記念日設定画面の特別な値の通知欄に、例えば、「10月10日」、「02月02日」、「12月12日」、…等の記念日(図5では、ユーザの誕生日「10月10日」)を入力し、「設定完了」ボタンを操作する。なお、記念日としては、誕生日,結婚記念日,車両購入日等の種々の値を設定することができる。また、ユーザにとって特別な意味を持つ数字の列(例えば、車両ナンバー、ラッキーナンバー等)を、記念日と見なして設定することもできる。
【0046】
すると、制御回路100は、記念日として設定された特別な値をデータ記憶装置155に記憶し、記念日設定ルーチンS107を終了して、積算走行距離表示設定ルーチンS100にリターンする。
【0047】
なお、積算走行距離表示の設定数は限定されず、重ねていくつでも設定することができる。ここでは、図3ないし図5に示した設定例の3つの特別な値が設定されたものとする。
【0048】
積算走行距離表示の設定後に、積算走行距離表示設定画面において、ユーザが操作スイッチ群120,リモコン130a等を操作することにより「しない」ボタンをオンすると、制御回路100は、積算走行距離表示設定ルーチンS100を終了して、メインルーチンにリターンする。
【0049】
このような積算走行距離表示の設定が行われている状態で、積算走行距離計200からインターフェース部160を通じて車両の積算走行距離の変化を受信すると(ステップS201)、制御回路100は、変化した積算走行距離をデータ記憶装置155に記憶する(ステップS202)。
【0050】
次に、制御回路100は、積算走行距離が特別な値になったかどうかを判定する(ステップS203)。
【0051】
(2−1)ぞろ目の値の積算走行距離の判定
【0052】
具体的には、データ記憶装置155に特別な値として「ぞろ目の値」が記憶(設定)されていた場合には、制御回路100は、積算走行距離を予め準備していたデータ(1111km、11111km、111111km)で割った余りが0であれば、ぞろ目の値の積算走行距離と判定する。ただし、積算走行距離0〜9999kmは1111kmで割る、10000〜99999kmは11111kmで割る、100000km〜999999kmは111111kmで割る等の処理が必要となる。
【0053】
(2−2)きりの良い値の積算走行距離の判定
【0054】
具体的には、データ記憶装置155にきりの良い値として特別な値「1000km」が記憶(設定)されていた場合には、制御回路100は、積算走行距離を1000kmで割った余りが0であれば、きりの良い値の積算走行距離と判定する。
【0055】
(2−3)記念日等が含まれる積算走行距離の判定
【0056】
具体的には、データ記憶装置155に特別な値として記念日(ユーザの誕生日「1010」)が記憶(設定)されていた場合には、積算走行距離から下4桁の数字(0000〜9999までの値)を取り出し、取り出した結果が1010と同じであれば、記念日等を含む積算走行距離と判定する。
【0057】
積算走行距離が特別な値になった場合(ステップS203:YES)、制御回路100は、特別な値になったことを音声入出力装置150から音声として出力することにより、ユーザに通知する(ステップS204)。それ以外の場合には、ステップS204をスキップして何もしない。
【0058】
実施例1によれば、積算走行距離計200から受信した車両の積算走行距離が特別な値になったことを音声によって通知するので、ユーザは、積算走行距離計200の積算走行距離表示が特別な値になることに目を奪われて、車両の運転がおろそかになることがなくなるという効果を奏する。
【実施例2】
【0059】
実施例1に係る車両用ナビゲーション装置10が、積算走行距離計200から受信した車両の積算走行距離が特別な値になったことを音声によってユーザに通知していたが、本発明の実施例2に係る車両用ナビゲーション装置10は、ナビゲーションプログラム(図示せず)の目的地設定処理ルーチン,経路探索処理ルーチン,経路案内処理ルーチン,および地図更新処理ルーチン(いずれも図示せず)を利用して、経路計算結果の案内経路上に特別な値となる地点がある場合に表示装置145に表示された当該経路計算結果の案内経路上に当該地点および当該特別な値を表示するようにしたものである。よって、本発明の実施例2に係る車両用ナビゲーション装置10も、図1に示した実施例1に係る車両用ナビゲーション装置10と同様に構成されているので、図1およびその説明を流用して、その詳しい構成の説明を割愛する。
【0060】
図7は、経路計算結果受信時の処理(積算走行距離特別値通知手段)を示すフローチャートである。
【0061】
図8は、地図更新結果受信時の処理(積算走行距離特別値通知手段)を示すフローチャートである。
【0062】
図9は、ぞろ目設定時の道路地図表示画面を例示する図である。
【0063】
図10は、きりの良い値設定時の道路地図表示画面を例示する図である。
【0064】
図11は、記念日設定時の道路地図表示画面を例示する図である。
【0065】
このように構成された実施例2に係る車両用ナビゲーション装置10の動作は、図1に示した実施例1に係る車両用ナビゲーション装置10の動作とほぼ同様になるので、相違する点を中心として簡単に説明する。
【0066】
ナビゲーションプログラムのメインルーチンでは、ユーザからの経路案内要求時に、制御回路100は、目的地設定処理ルーチン、経路探索処理ルーチン、経路案内処理ルーチンを順に実行する。まず、目的地設定処理ルーチンでは、制御回路100は、目的地設定のためのメニューを表示装置145に表示し、目的地の入力をユーザに促す。次に、経路探索処理ルーチンでは、制御回路100は、ユーザが操作スイッチ群120,リモコン130a等の操作により目的地を入力したことを検知すると、位置検出器110から得られるデータにより自車両の現在位置を求め、該現在位置から目的地までの最適な経路を探索する。このような自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。続いて、経路案内処理ルーチンでは、制御回路100は、経路探索処理で求めた経路を表示装置145に表示された道路地図上に重ねて表示し、ユーザに適切な経路を案内する。また、制御回路100は、表示装置145や音声入出力装置150によって操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージの通知を行う。
【0067】
経路探索処理ルーチンの実行後、制御回路100は、経路計算結果を受信すると(ステップS301)、経路計算結果をデータ記憶装置155に記憶し(ステップS302)、経路計算結果の案内経路を表示装置145に表示する(ステップS303)。例えば、図9ないし図11中に示すような案内経路が表示されたものとする。
【0068】
次に、制御回路100は、前記ステップS202でデータ記憶装置155に記憶された積算走行距離を読み出し(ステップS304)、経路計算結果の案内経路上に積算走行距離が特別な値となる地点があるかどうかを判定する(ステップS305)。
【0069】
(3−1)ぞろ目の値となる地点の有無の判定
【0070】
具体的には、データ記憶装置155に特別な値として「ぞろ目の値」が記憶(設定)されていた場合には、制御回路100は、車両の現在位置を示す積算走行距離と現在位置から目的地までの最大経路距離とを加算して最大積算走行距離を求め、最大積算走行距離を予め準備していたデータ(1111km、11111km、111111km)で割った余りが0となるぞろ目積算走行距離を算出する。次に、制御回路100は、ぞろ目積算走行距離となる案内経路上の地点を決定する。ただし、ぞろ目積算走行距離0〜9999kmは1111kmで割る、10000〜99999kmは11111kmで割る、100000km〜999999kmは111111kmで割る等の処理が必要となる。続いて、制御回路100は、ぞろ目積算走行距離となる案内経路上の地点の有無に基づいて、経路計算結果の案内経路上に積算走行距離がぞろ目の値となる地点があるかどうかを判定する。
【0071】
(3−2)きりの良い値のとなる地点の有無の判定
【0072】
具体的には、データ記憶装置155にきりの良い値として特別な値「1000km」が記憶(設定)されていた場合には、制御回路100は、車両の現在位置を示す積算走行距離と現在位置から目的地までの最大経路距離とを加算して最大積算走行距離を求め、最大積算走行距離を1000kmで割った余りが0となるきりの良い値積算走行距離を算出する。次に、制御回路100は、きりの良い値積算走行距離となる案内経路上の地点を決定する。続いて、制御回路100は、きりの良い値積算走行距離となる案内経路上の地点の有無に基づいて、経路計算結果の案内経路上に積算走行距離がきりの良い値となる地点があるかどうかを判定する。
【0073】
(3−3)記念日等が含まれる地点の有無の判定
【0074】
具体的には、データ記憶装置155に特別な値として記念日(ユーザの誕生日「1010」)が記憶(設定)されていた場合には、制御回路100は、車両の現在位置を示す積算走行距離と現在位置から目的地までの最大経路距離とを加算して最大積算走行距離を求め、最大積算走行距離の下4桁の数字(0000〜9999までの値)を記念日「1010」に置き換えた記念日と同じになる記念日積算走行距離を算出する。次に、制御回路100は、記念日積算走行距離となる案内経路上の地点を決定する。続いて、制御回路100は、記念日積算走行距離となる案内経路上の地点の有無に基づいて、経路計算結果の案内経路上に積算走行距離に記念日等が含まれる地点があるかどうかを判定する。
【0075】
経路計算結果の案内経路上に積算走行距離が特別な値となる地点がある場合には(ステップS305:YES)、制御回路100は、経路計算結果の案内経路上で積算走行距離が特別な値となる地点をデータ記憶装置155に記憶し(ステップS306)、表示装置145に表示されている経路計算結果の案内経路上に当該地点および当該特別な値を表示することにより、ユーザに通知する(ステップS307)。この際、前記ステップS204と同様の音声による通知を併せて行うようにするとよい。
【0076】
(4−1)ぞろ目の値となる地点の表示
【0077】
例えば、ぞろ目積算走行距離1111kmとなる地点が案内経路上にあれば、制御回路1は、図9中に示すように、表示装置145に表示された経路計算結果の案内経路上に、当該地点を示すマーク,および当該ぞろ目積算走行距離「1111km」を重ねて表示する。
【0078】
(4−2)きりの良い値のとなる地点の表示
【0079】
例えば、きりの良い値積算走行距離1000kmとなる地点が案内経路上にあれば、制御回路1は、図10中に示すように、表示装置145に表示された経路計算結果の案内経路上に、当該地点を示すマーク,および当該きりの良い値積算走行距離「1000km」を重ねて表示する。
【0080】
(4−3)記念日等が含まれる地点の表示
【0081】
例えば、積算走行距離に記念日(誕生日「10月10日」)等が含まれる地点が案内経路上にあれば、制御回路1は、図11中に示すように、表示装置145に表示された経路計算結果の案内経路上に、当該地点を示すマーク,および当該記念日(誕生日「10月10日」)等を含む積算走行距離「51010km」を重ねて表示する。
【0082】
また、ナビゲーションプログラムのメインルーチンでは、ユーザからの地図更新要求時に、制御回路100は、地図更新処理ルーチンを実行する。地図更新処理ルーチンでは、制御回路100は、ユーザが操作スイッチ群120,リモコン130a等の操作により更新する地図の部分を指定したことを検知すると、地図データ入力器140から当該部分を含む地図単位データを入力し、この地図単位データをデータ記憶装置150に記憶された地図データに上書きすることにより更新する。
【0083】
地図更新処理ルーチンの実行後、制御回路100は、地図更新結果を受信すると(ステップS401)、地図更新結果を反映して案内経路の再計算があったかどうかを判定する(ステップS402)。
【0084】
案内経路の再計算があったのであれば(ステップS402:YES)、制御回路100は、経路計算結果の案内経路上に積算走行距離が特別な値となる地点があるかどうかを判定する(ステップS403)。この判定は、前記ステップS305の判定と同様になるので、詳細を省略する。
【0085】
経路計算結果の案内経路上に積算走行距離が特別な値となる地点があれば、制御回路100は、表示装置145に表示されている経路計算結果の案内経路上に当該地点および当該特別な値を表示する(ステップS404)。それ以外の場合には、制御回路100は、ステップS404をスキップして何もしない。
【0086】
実施例2によれば、表示装置145に表示された経路計算結果の案内経路上に車両の積算走行距離が特別な値になる地点およびその特別な値が表示されるので、ユーザは、案内経路上のどの地点で積算走行距離がどのような特別な値になるのかを容易に視認することができる。
【0087】
なお、上記各実施例では、積算走行距離の特別な値を積算走行距離表示設定ルーチンS100においてユーザに設定させるようにしたが、積算走行距離の特別な値を予めナビゲーションプログラムに定義し、データ記憶装置155に格納しておくようにしてもよい。
【0088】
以上、本発明の各実施例を説明したが、これらはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施例1に係る車両用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図2】積算走行距離表示設定ルーチンの処理を示すフローチャート。
【図3】積算走行距離表示設定画面および同画面から遷移するぞろ目設定画面を例示する図。
【図4】積算走行距離表示設定画面および同画面から遷移するきりの良い値設定画面を例示する図。
【図5】積算走行距離表示設定画面および同画面から遷移する記念日設定画面を例示する図。
【図6】積算走行距離変化受信時の処理を示すフローチャート。
【図7】経路計算結果受信時の処理を示すフローチャート。
【図8】地図更新結果受信時の処理を示すフローチャート。
【図9】ぞろ目設定時の道路地図表示画面を例示する図。
【図10】きりの良い値設定時の道路地図表示画面を例示する図。
【図11】記念日設定時の道路地図表示画面を例示する図。
【符号の説明】
【0090】
10 車両用ナビゲーション装置
100 制御回路
110 位置検出器
120 操作スイッチ群
130a リモートコントロール端末(リモコン)
130 リモコンセンサ
140 地図データ入力器
145 表示装置
150 音声入出力装置
155 データ記憶装置
160 インターフェース部
170 TV受信装置
175 VICS装置
200 積算走行距離計
S100 積算走行距離表示設定ルーチン(積算走行距離特別値設定手段)
S201〜S204 ステップ(積算走行距離特別値通知手段)
S301〜S307 ステップ(積算走行距離特別値通知手段)
S401〜S404 ステップ(積算走行距離特別値通知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積算走行距離として表示する特別な値を設定する積算走行距離特別値設定手段と、
積算走行距離計から受信した積算走行距離が前記特別な値となったときにその旨を通知する積算走行距離特別値通知手段と
を有することを特徴とする車両用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記積算走行距離特別値通知手段が、経路計算結果を受信したときに前記積算走行距離を加味して経路計算結果の案内経路上に前記特別な値となる地点がある場合に、表示装置に表示された当該経路計算結果の案内経路上に当該地点および当該特別な値を表示する請求項1記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記積算走行距離特別値通知手段が、地図更新結果を受信したときに当該地図更新結果を反映した経路計算結果の案内経路上に前記積算走行距離が前記特別な値となる地点がある場合に、前記表示装置に表示された当該経路計算結果の案内経路上に当該地点および当該特別な値を表示する請求項1または請求項2記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記積算走行距離特別値通知手段が、前記積算走行距離が前記特別な値となったことを音声により通知する請求項1ないし請求項3のいずれかに1項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記特別な値が、ぞろ目、きりの良い値、記念日、ユーザが指定した値のいずれか1つ以上を含む請求項1ないし請求項4のいずれかに1項に記載の車両用ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−300538(P2006−300538A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−118235(P2005−118235)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】