説明

転動装置

【課題】軌道面や転動面に十分な潤滑膜が形成され難く、形成された潤滑膜が部分的に破断され易い用途で使用されても長寿命な転動装置を提供する。
【解決手段】深溝玉軸受は、内輪1と、外輪2と、内輪1の軌道面1aと外輪2の軌道面2aとの間に転動自在に配された複数の玉3と、を備えている。そして、玉3の転動面3aには、クロム粉末又はニッケル粉末のショットピーニングにより形成された被膜を備えている。この被膜の厚さは、0.1μm以上8μm以下であることが好ましい。また、玉3の転動面3aのうち少なくとも被膜が被覆された部分には、深さ0.1μm以上5μm以下のディンプルを設けることが好ましい。さらに、被膜の表面の中心線平均粗さRaは、0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり軸受,リニアガイド装置,ボールねじ,直動ベアリング等のような転動装置に係り、特に、軌道面や転動面に十分な潤滑膜が形成され難く、形成された潤滑膜が部分的に破断され易い用途で使用されても長寿命な転動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば車両用交流発電機(オルタネータ),電磁クラッチ,中間プーリ,及びテンショナー等のエンジン補機用の転がり軸受や、自動車用変速機,工作機械用変速機に使用される転がり軸受は、一般の転がり軸受よりも高温,高振動,高荷重下で使用される。そのため、軌道面に十分な潤滑膜が形成され難く、形成された潤滑膜が部分的に破断され易いので、軌道面と転動体とが接触し易くなる。
【0003】
特に、潤滑膜が破断された部分の軌道面は活性な新生面(鋼の組織が露出している面)となるため、この新生面が触媒となって、トライボケミカル反応により潤滑剤の成分及び潤滑剤に含まれる水分が分解して、水素イオンが生じ易い。そして、この水素イオンが前記新生面に吸着して水素原子となり、高歪み場(最大剪断応力位置の近傍)に集積されることにより、組織が白色組織に変化する。
【0004】
前記用途の転がり軸受は、このような組織変化に起因して、軌道面に早期剥離が生じ易いため、計算寿命に比べて実際の寿命が極端に短くなる場合がある。
このようなトライボケミカル反応で生じる水素に起因する早期剥離を防止するために、非特許文献1には、転動体の転動面に電気メッキ法によりニッケル被膜を形成することにより、トライボケミカル反応で生じた水素イオンを鋼の組織に吸着し難くする技術が記載されている。
【非特許文献1】社団法人自動車技術会、学術講演会前刷集、No. 30−02(2002年)、5〜8頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1に記載の技術には、以下に示すような3点の改善の余地が残されていた。すなわち、被膜を形成する方法としてメッキ法を採用しているので、メッキ中に発生する水素が多少鋼中に侵入してしまう点と、ニッケル被膜が比較的軟らかいことから摩耗により脱落しやすく、鋼中への水素の侵入を効果的に抑制することが難しい点と、高価なニッケルを使用しているためコスト高となる点である。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、軌道面や転動面に十分な潤滑膜が形成され難く、形成された潤滑膜が部分的に破断され易い用途で使用されても長寿命な転動装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の転動装置は、外面に軌道面を有する内方部材と、該内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体と、を備える転動装置において、前記内方部材の軌道面,前記外方部材の軌道面,及び前記転動体の転動面のうち少なくとも一つは、クロム粉末又はニッケル粉末のショットピーニングにより形成された被膜を備えていることを特徴とする。
【0007】
このような構成の転動装置は、軌道面や転動面に前記被膜が形成されているので、軌道面や転動面に十分な潤滑膜が形成され難く、形成された潤滑膜が部分的に破断され易い用途で使用されても、鋼中への水素の侵入が生じにくく、トライボケミカル反応で生じる水素に起因する早期剥離が抑制され長寿命である。
また、前記被膜はショットピーニングにより形成されるので、メッキ法のように被膜形成過程において水素が発生することがなく、同過程中に鋼中に水素が侵入することはない。さらに、クロム粉末を用いた場合は、前記被膜の脱落が生じにくいことに加えて、前記被膜を安価に形成することができるため転動装置が安価となる。
【0008】
また、本発明に係る請求項2の転動装置は、外面に軌道面を有する内方部材と、該内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体と、を備える転動装置において、前記内方部材の軌道面,前記外方部材の軌道面,及び前記転動体の転動面のうち少なくとも一つは、面積率で75%以上の部分に、クロム粉末又はニッケル粉末のショットピーニングにより形成された被膜を備えていることを特徴とする。
このような構成であれば、前記被膜の水素遮断効果が十分となるので、鋼中への水素の侵入を防止することができる。
【0009】
さらに、本発明に係る請求項3の転動装置は、請求項1又は請求項2に記載の転動装置において、前記被膜の厚さが0.1μm以上8μm以下であることを特徴とする。
被膜の厚さが0.1μm未満であると、十分な水素遮断効果が得られないおそれがある。一方、被膜の厚さが8μm超過であると、被膜の脱落が生じやすくなる。
【0010】
さらに、本発明に係る請求項4の転動装置は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の転動装置において、前記内方部材の軌道面,前記外方部材の軌道面,及び前記転動体の転動面のうち少なくとも前記被膜が備えられた部分には、深さ0.1μm以上5μm以下のディンプルが形成されていることを特徴とする。
ディンプルによって、前記被膜と母材との密着性が向上する。また、転動装置の駆動時に脱落した被膜がディンプル内にトラップされるので、被膜の摩耗が抑制されるとともに水素遮断効果が長く維持される。このような効果を得るためには、ディンプルの深さを0.1μm以上とすることが好ましい。ただし、ディンプルの深さを5μm超過としても、それ以上の効果は期待できないので、ディンプルの深さは5μm以下とすることが好ましい。
【0011】
さらに、本発明に係る請求項5の転動装置は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の転動装置において、前記被膜の表面の中心線平均粗さRaが0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする。
このような構成であれば、水素遮断効果が得られるとともに、転動装置の音響特性及び振動特性が良好である。前記被膜の表面の中心線平均粗さRaが0.5μm超過であると、音響特性及び振動特性が不十分となるおそれがある。一方、中心線平均粗さRaを0.1μm未満とすると、転動装置が高価となってしまうおそれがある。
【0012】
なお、本発明は種々の転動装置に適用することができる。例えば、転がり軸受,ボールねじ,リニアガイド装置,直動ベアリング等である。また、本発明における内方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合には内輪、同じくボールねじの場合にはねじ軸、同じくリニアガイド装置の場合には案内レール、同じく直動ベアリングの場合には軸をそれぞれ意味する。また、外方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合には外輪、同じくボールねじの場合にはナット、同じくリニアガイド装置の場合にはスライダ、同じく直動ベアリングの場合には外筒をそれぞれ意味する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の転動装置は、軌道面や転動面に十分な潤滑膜が形成され難く、形成された潤滑膜が部分的に破断され易い用途で使用されても長寿命である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係る転動装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る転動装置の一実施形態である単列深溝玉軸受の構造を示す部分縦断面図である。
図1の深溝玉軸受は、軌道面1aを有する内輪1と、内輪1の軌道面1aに対向する軌道面2aを有する外輪2と、両軌道面1a,2a間に転動自在に配された複数の玉(転動体)3と、両軌道面1a,2a間に複数の玉3を軸受の円周方向にわたって等配に保持する保持器4と、シール5,5と、を備えている。なお、保持器4やシール5は備えていなくてもよい。
【0015】
そして、内輪1の軌道面1a,外輪2の軌道面2a,及び転動体3の転動面3aのうち少なくとも一つには、クロム粉末又はニッケル粉末のショットピーニングにより形成された被膜(図示せず)が被覆されている。なお、前記両粉末を混合して用いてもよい。また、クロム合金粉末やニッケル合金粉末を使用することも可能である。
この被膜の厚さは、0.1μm以上8μm以下であることが好ましい。また、内輪1の軌道面1a,外輪2の軌道面2a,及び転動体3の転動面3aのうち少なくとも前記被膜が被覆された部分には、深さ0.1μm以上5μm以下のディンプルを形成することが好ましい。さらに、前記被膜の表面の中心線平均粗さRaは、0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましい。
【0016】
このような深溝玉軸受は、軌道面1a,2aや転動面3aに十分な潤滑膜が形成され難く、形成された潤滑膜が部分的に破断され易い用途で使用されても、前記被膜により母材である鋼への水素の侵入が防止されるので、トライボケミカル反応で生じる水素に起因する早期剥離が抑制され長寿命である。また、前記被膜はショットピーニングにより形成されるので、メッキ法のように被膜形成過程において水素が発生することがなく、同過程中に鋼中に水素が侵入することはない。さらに、クロム粉末を用いた場合は、前記被膜の脱落が生じにくいことに加えて、前記被膜を安価に形成することができるため深溝玉軸受が安価となる。
【0017】
なお、該被膜を被覆する範囲は特に限定されるものではないが、被覆される面(軌道面1a,軌道面2a,転動面3a)の面積率で75%以上の部分に被覆すれば、水素遮断効果が十分となるので、母材である鋼への水素の侵入を防止することができる。
また、本実施形態においては、転動装置の例として深溝玉軸受をあげて説明したが、転がり軸受の種類は深溝玉軸受に限定されるものではなく、本発明は様々な種類の転がり軸受に対して適用することができる。例えば、アンギュラ玉軸受,自動調心玉軸受,針状ころ軸受,円筒ころ軸受,円すいころ軸受,自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受,スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受である。さらに、本発明は、転がり軸受に限らず、他の種類の様々な転動装置に対して適用することができる。例えば、ボールねじ,リニアガイド装置,直動ベアリング等である。
【0018】
〔実施例〕
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。前述した図1の深溝玉軸受とほぼ同様の構成を有する呼び番号6206の深溝玉軸受を用意して、その耐久性(寿命)を評価した。なお、ショットピーニングによる被膜は転動体の転動面のみに被覆し、内輪の軌道面及び外輪の軌道面には被覆しなかった。また、内輪,外輪,転動体はSUJ2製である。
【0019】
被膜の形成にはショットピーニング装置を用い、ショット材としては平均粒径60μm以下(JIS R6001の規定による)のクロム粉末又はニッケル粉末を用いた。噴射圧力は0.196〜0.882MPa、噴射時間10〜20minである。1回の処理に用いる転動体の質量は1〜6kgとした。
転動体の転動面に被覆された被膜の金属種,面積率,厚さ,及び中心線平均粗さRa、並びに転動体の転動面に形成されたディンプルの深さは、表1,2に示す通りである。
【0020】
【表1】

【0021】
【表2】

【0022】
被膜の面積率を測定する方法は、以下の通りである。電子線マイクロアナライザー(EPMA)により、被膜が被覆された転動体の転動面を2000倍の倍率で30視野観察し、被膜が形成されている部分のうち一辺200μmの正方形部分を1000倍に拡大して、クロム又はニッケルの特性X線強度を測定した。そして、被膜を被覆する前の特性X線強度の10倍以上の強度が観測された領域に被膜が被覆されているとして、その結果を画像解析することにより被膜が被覆されている部分の面積率を得て、30視野の平均値を算出した。
【0023】
また、被膜の厚さを測定する方法は、以下の通りである。まず、被膜を備えた転動体の転動面に、熱硬化性樹脂であるポリアミドイミドのピロリドン溶液を塗布し、175℃で2時間加熱して硬化させ、被膜の保護膜を形成した。この転動体を切断してエポキシ樹脂に埋め込み、転動体の切断面をバフ研磨で鏡面仕上げした。さらに、凹凸を付けるために、3%ピクラール溶液で5秒間腐食した後、スパッタによりナノオーダーのクロム層を表面に被覆して通電性を付与した。
【0024】
電子顕微鏡(SEM)により、切断面を5000倍の倍率で30視野観察した。各視野において被膜の厚さを5点測定し、これら5点の平均値を求め、この平均値をその視野の被膜の厚さとした。そして、30視野の被膜の厚さの平均値を求めた。
さらに、一部の軸受の転動体の転動面には、被膜を形成する前に前処理を施して、ディンプルが形成してある。この前処理(ディンプルの形成方法)は特に限定されるものではないが、本実施例においてはショットピーニング処理を採用した。ショットピーニング処理は、ショットピーニング装置を用いて行った。ショット材にはJIS R6001に規定された平均粒径45μmの鋼球,SiC,SiO2 ,Al2 3 ,ガラスビーズ等を用い、前述のショットピーニング条件と同様の条件でショット材を転動体の転動面に噴射した。
【0025】
なお、バレル処理によりディンプルを形成してもよいし、ショットピーニング処理とバレル処理の両方を用いてディンプルを形成してもよい。バレル処理は、種々のメディアや添加剤を配合したものを用いて転動体の転動面に大きな凹凸を形成する粗加工と、プラトー部の粗さを整える仕上げ加工とを行う。
ディンプルの深さを測定する方法は、以下の通りである。三次元非接触表面形状計測機により、転動体の転動面を100倍の倍率で30視野観察し、得られた画像を断面プロファイルに変換した。そして、X方向及びY方向それぞれの5つの断面において、ディンプルの深さを測定し、その結果を平均した。
【0026】
次に、このような深溝玉軸受を図2に示す油浴潤滑式寿命試験機に取り付けて、寿命を測定した。この試験機は、油浴14と荷重付与装置15とからなり、転がり軸受10の外輪が取り付けられたハウジング12の全体と、内輪が取り付けられた軸13の基端部31以外の部分とが、油浴14内に配置されている。油浴14には、内輪と軸13の間に設けた止め輪17が略浸漬する高さまで、潤滑油14aが入れてある。潤滑油14aとしては、40℃での動粘度が30.4mm2 /s、100℃での動粘度が5.2mm2 /sであるトラクション油を用いた。また、荷重付与装置15は、ハウジング12を介して転がり軸受10に荷重を与える負荷レバー15aを備えている。
【0027】
試験荷重9100N、回転速度3000min-1、雰囲気温度110℃という条件で深溝玉軸受を回転させ、回転中に軸受に生じる振動を測定し、振動値が初期値の5倍となるまでの回転時間を調査した。振動値が初期値の5倍となった時点で回転試験を中止して、内輪若しくは外輪の軌道面又は玉の表面にフレーキングが生じているかどうかを観察した。計算寿命の3倍まで回転させても振動値が初期値の5倍とならなかった場合は、その時点で回転試験を中止した。
このような回転試験を1種の軸受につき10個ずつ行って、その結果をワイブル分布関数により整理し、回転時間が短い方から10%の軸受にフレーキングが生じるまでの総回転時間を求めて、これを寿命とした。なお、剥離が生じた軸受について組織観察したところ、全てのサンプルで白色組織が確認された。
【0028】
試験の結果を表1,2に示す。また、実施例1〜8及び比較例3〜6の結果を図3のグラフに示す。なお、表1,2及び図3のグラフにおける寿命の数値は、従来技術(転動体の転動面に通常の研削仕上げが施されたもの)である比較例1の寿命を1とした場合の相対値で示してある。比較例2は、前述の非特許文献1に記載された技術を適用したものであり、転動体の転動面にニッケル被膜がメッキ法により被覆されたものである。
【0029】
表1,2から分かるように、実施例1〜14は、従来技術である比較例1と比べて8.8倍以上長寿命であった。また、比較例2と比べても1.7倍以上長寿命であった。特に、図3のグラフから分かるように、前処理により転動体の転動面にディンプルを形成した実施例5〜8(グラフでは黒丸印でプロットしてある)は、前処理がなくディンプルを有していない実施例1〜4(グラフでは黒三角印でプロットしてある)と比べて、より長寿命であった。
また、実施例5〜8と実施例13,14との比較から、ディンプルの深さは0.1〜5μmとすることが好ましいことが分かる。さらに、実施例9〜12から、被膜の厚さは0.1〜8μmとすることが好ましいことが分かる。比較例3〜6は、被膜の面積率が低いので、短寿命であった。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の転動装置は、軌道面や転動面に十分な潤滑膜が形成され難く、形成された潤滑膜が部分的に破断され易い用途に好適である。例えば、ベルト式無段変速機のベルトを巻き付けるプーリの回転軸支持用軸受、エンジン補機用軸受、コンプレッサ用軸受、ガスヒートポンプ用軸受、自動変速機用軸受に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る転動装置の一実施形態である深溝玉軸受の構造を示す部分縦断面図である。
【図2】寿命試験機の図である。
【図3】寿命試験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0032】
1 内輪
1a 軌道面
2 外輪
2a 軌道面
3 転動体
3a 転動面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面に軌道面を有する内方部材と、該内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体と、を備える転動装置において、
前記内方部材の軌道面,前記外方部材の軌道面,及び前記転動体の転動面のうち少なくとも一つは、クロム粉末又はニッケル粉末のショットピーニングにより形成された被膜を備えていることを特徴とする転動装置。
【請求項2】
外面に軌道面を有する内方部材と、該内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体と、を備える転動装置において、
前記内方部材の軌道面,前記外方部材の軌道面,及び前記転動体の転動面のうち少なくとも一つは、面積率で75%以上の部分に、クロム粉末又はニッケル粉末のショットピーニングにより形成された被膜を備えていることを特徴とする転動装置。
【請求項3】
前記被膜の厚さが0.1μm以上8μm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の転動装置。
【請求項4】
前記内方部材の軌道面,前記外方部材の軌道面,及び前記転動体の転動面のうち少なくとも前記被膜が備えられた部分には、深さ0.1μm以上5μm以下のディンプルが形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の転動装置。
【請求項5】
前記被膜の表面の中心線平均粗さRaが0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の転動装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−146890(P2007−146890A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−338637(P2005−338637)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】