説明

運転支援情報提示装置、プログラム、及び運転支援情報提示方法

【課題】受容性の高い運転支援情報を提示することができる運転支援情報提示装置を提供する。
【解決手段】支援交差点を走行中の移動体の位置及び進行方向等を示す移動体情報と、予想進路とを受信すると共に、自車両の位置及び進行方向等を示す自車両情報を取得する(S205)。そして、自車両の予想進路を特定し(S215)、自車両と移動体との位置関係を特定する(S220)。そして、支援交差点を通過するまでの間(S235)、特定した位置関係に応じた運転支援情報を表示する(S230)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援情報の提示を行う運転支援情報提示装置、及び運転支援情報の提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドライバの運転を支援するための情報を提示する装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の車両用表示装置は、自車両が走行する走路の走路形状を地図情報に基づき特定すると共に、自車両が先行車両を追い越すために適した走路位置を算出し、走路形状と、算出した走路位置とを共に表示する。また、特許文献2に記載の車両用表示装置は、自車両が走行する走路の走路形状を地図情報に基づき特定し、走路形状と自車両の走行速度とに基づき自車両が減速して走行すべき場所を特定し、走路形状と、自車両が減速して走行するべき場所とを共に表示する。また、特許文献3には、ヘッドアップディスプレイを用いて、運転支援情報(経路誘導、危険物回避、視界補助)を、フロントウインドウから見える景色の中の関連する地物等の近傍に見えるように表示させる運転支援方法が記載されている。
【0003】
これらの文献に記載されている車両用表示装置や、運転支援方法を用いることにより、ドライバは、安全運転を行うための有用な情報を得ることができる。
【特許文献1】特開2006−146362号公報
【特許文献2】特開2006−139510号公報
【特許文献3】特開平9−35177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、交通事故が発生する危険性は、自車両周辺における他の車両の存在により大きく左右されるが、上述した文献に記載されている車両用表示装置や運転支援方法では、他の車両の存在は一切考慮されていない。したがって、例えば、反対車線を対向車が走行しているにも関らず追い越しに適した走路位置である旨を表示してしまうといった事態や、他の車両の存在により走行が困難となり、減速して走行するべき場所をドライバに示すことができないといった事態が生じるおそれがある。また、逆に、自車両周辺や、自車両の進路周辺を走行する車両が存在せず、交通事故が発生する危険性が低いにも関らず、必要以上に減速を促す表示を行ってしまうといった事態が生じるおそれがある。このような事態が頻繁に発生すると、ドライバは、提示される運転支援情報を信頼しなくなり、その結果、安全運転のために有用な運転支援情報までも無視してしまう可能性がある。
【0005】
このように、上述した文献に記載の発明では、自車両周辺における他の車両等の存在が考慮されていないため、ドライバにとって有用で、受容性の高い運転支援情報を提供することができない。
【0006】
本願発明は上記課題を解決するためになされたものであり、自車両周辺における他の車両等の移動体の存在を考慮することにより、ドライバにとって有用で、受容性の高い運転支援情報を提示することができる運転支援情報提示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の運転支援情報提示装置は、移動体の位置及び進行方向を示す情報を含む移動体情報に基づき、所定の場所を走行する際に自車両に発生する交通事故を回避するための情報である運転支援情報を生成し、ドライバに提示する。そして、運転支援情報提示装置は、自車両周辺に存在する移動体の移動体情報を、自車両の外部から無線通信により受信する移動体情報受信手段と、自車両の位置及び進行方向を示す情報を含む自車両情報を、自車両の外部、又は自車両に搭載された機器から取得する自車両情報取得手段と、ユーザに対し種々の情報を提示する提示手段とを備える。また、運転支援情報提示装置は、移動体情報受信手段が受信した移動体情報と、自車両情報取得手段が取得した自車両情報とに基づき、自車両周辺における移動体と自車両との相対的位置及び相対的進路を示す位置関係を特定する位置関係特定処理と、位置関係特定処理において特定された位置関係に応じた運転支援情報を生成し、生成した運転支援情報を、提示手段を介してドライバに提示する運転支援情報提示処理とを実行する制御手段を備える。
【0008】
ここで、移動体とは、他の車両や歩行者等のことであり、移動体情報とは、例えば、交差点等の地物や自車両を基準として、移動体の位置及び進行方向を示す情報であると良い。そして、移動体情報受信手段は、道路付近に設置されている検知装置等が検知した移動体情報を路車間通信により受信しても良いし、他の車両が検知した移動体情報を車車間通信により受信しても良い。
【0009】
また、自車両情報とは、例えば、交差点等の地物や移動体を基準として、自車両の位置及び進行方向を示す情報であると良い。そして、自車両情報取得手段は、このような自車両情報を、路車間通信や、車車間通信等を介して自車両の外部から取得しても良いし、自車両に搭載された装置から取得しても良い。
【0010】
また、位置関係に応じた運転支援情報とは、例えば、位置関係に応じて異なる内容の指示や警告等を提示することや、位置関係に応じて異なる態様で情報を提示することを意味する。
【0011】
こうすることにより、自車両周辺に存在する移動体を考慮して、交通事故を回避するための適切な運転支援情報を提示することができるため、ドライバにとって有用で、受容性の高い運転支援情報を提示することが可能となる。
【0012】
また、請求項2に記載の運転支援情報提示装置は、自車両付近における移動体の移動体情報を、自車両に搭載された機器から取得する移動体情報取得手段を更に備え、制御手段は、位置関係特定処理において、移動体情報取得手段が取得した移動体情報を加味して、自車両周辺における移動体と自車両との位置関係を特定する。
【0013】
ここで、移動体情報取得手段が取得する移動体情報とは、自車両に搭載されたレーダやカメラ等により特定された、自車両付近における移動体の移動体情報のことである。
道路付近に設置された検知装置や、他の車両が検知できない範囲に存在する移動体の移動体情報を、自車両に搭載されたレーダ等で特定できる場合もある。また、自車両に搭載されたレーダ等にて特定した移動体情報が、路車間通信、又は車車間通信にて受信した移動体情報よりも正確である場合もある。
【0014】
したがって、このような構成を有することにより、より広範囲における位置関係を特定することが可能となると共に、より正確な位置関係を特定することが可能となり、より有用で、より受容性の高い運転支援情報を提示することが可能となる。
【0015】
また、自車両や、移動体の予想進路を加味することにより、より正確な位置関係を特定することができる。
そこで、請求項3に記載の運転支援情報提示装置は、自車両の予想進路を特定する予想進路特定手段を更に備え、制御手段は、位置関係特定処理において、予想進路特定手段が特定した自車両の予想進路を加味して位置関係を特定する。
【0016】
ここで、予想進路とは、例えば、前方の交差点を右折するといった内容であっても良いし、ナビゲーション装置の経路案内にて示されている経路等であっても良い。また、予想進路特定手段は、例えば、方向指示器の動作状態といった車両の状態や、自車両の走行レーン等から予想進路を特定しても良い。また、ナビゲーション装置の経路案内にて用いられる経路情報に基づき予想進路を特定しても良い。
【0017】
また、請求項4に記載の運転支援情報提示装置は、移動体の予想進路を示す移動体進路情報を取得する移動体進路情報取得手段を更に備え、制御手段は、位置関係特定処理において、移動体進路情報取得手段が取得した移動体進路情報を加味して、位置関係を特定する。
【0018】
請求項3や請求項4に記載の構成を有することにより、より正確な位置関係を特定することが可能となるため、運転支援情報提示装置は、より的確な運転支援情報を提示することが可能となる。
【0019】
また、運転支援情報提示装置は、次のような構成であっても良い。
請求項5に記載の運転支援情報提示装置において、制御手段は、位置関係特定処理にて特定した位置関係に基づき、自車両が所定の場所を走行する際に交通事故が発生する危険度を算出する危険度算出処理を実行し、運転支援情報提示処理において、位置関係特定処理にて特定した位置関係に替えて、危険度算出処理にて算出された危険度に応じた運転支援情報を生成し、所定の場所に近づいた際に、生成した運転支援情報を、提示手段を介してドライバに提示する。
【0020】
こうすることにより、自車両周辺に存在する移動体を考慮して危険度を算出し、危険度に応じた適切な運転支援情報を提示することができるため、ドライバにとって有用で、受容性の高い運転支援情報を提示することが可能となる。
【0021】
尚、自車両情報は、自車両の速度を示す情報を更に含むと共に、移動体情報は、移動体の速度を示す情報を更に含み、制御手段は、危険度算出処理において、自車両及び移動体の速度を加味して危険度を算出しても良い。また、運転支援情報提示装置は、所定の場所の地図データを外部から取得する地図データ取得手段を更に備え、地図データ取得手段が取得した地図データが示す道路形状を加味して危険度を算出しても良い。こうすることにより、より有用で、より受容性の高い運転支援情報を提示することが可能となる。
【0022】
また、所定の場所に自車両が到達するまでのタイミングにより、交通事故を回避するための対処方法が異なる場合がある。また、このタイミングにより、交通事故を回避するための対処の緊急度が異なると言える。
【0023】
そこで、請求項6に記載の運転支援情報提示装置では、自車両が所定の場所に到達するまでの間隔である到達間隔を特定する到達間隔特定手段を更に備え、制御手段は、運転支援情報提示処理において、到達間隔特定手段が特定した到達間隔を加味して運転支援情報を生成する。
【0024】
ここで、自車両が所定の場所に到達するまでの間隔とは、例えば、自車両と所定の場所との距離や、自車両が所定の場所に到着するまでの残り時間のことである。到達間隔特定手段は、例えば、運転支援情報提示装置の外部から地図データを取得すると共に、地図データが示す地図において自車両の現在地、及び所定の場所の位置を特定し、自車両の現在地と所定の場所との距離を求めることにより、到達間隔を特定しても良い。また、到達間隔特定手段は、更に自車両の速度を取得し、自車両と所定の場所との距離と、自車両の速度とに基づき、自車両が所定の場所に到達するまでの残り時間を求めることにより、到達間隔を特定しても良い。
【0025】
こうすることにより、到達間隔に応じて、交通事故回避のための最適な対処方法をドライバに提示することができる。また、到達間隔に基づく緊急度に応じた態様で運転支援情報を提示することができる。
【0026】
また、請求項6に記載の運転支援情報提示装置では、到達間隔に応じてドライバに提示している運転支援情報を切り替えることができるが、運転支援情報を切り替える最適なタイミングは、自車両周辺の交通事情により異なることが想定される。
【0027】
そこで、請求項7に記載の運転支援情報提示装置では、制御手段は、到達間隔特定手段が特定した到達間隔に応じて、提示手段を介して提示している運転支援情報を新たな運転支援情報に切り替えるタイミングである切替タイミングを、位置関係特定処理にて特定した位置関係に基づき特定するタイミング特定処理を更に実行する。そして、運転支援情報提示処理において、到達間隔特定手段が特定した到達間隔が、タイミング特定処理にて特定した切替タイミングに達した際に、到達間隔に応じた運転支援情報を、提示手段を介して提示する。
【0028】
こうすることにより、自車両と移動体との位置関係を考慮して、最適なタイミングで新たな運転支援情報を提示することができるため、より有用で、より受容性の高い運転支援情報を提示することが可能となる。
【0029】
また、交通事故が発生する場面として様々な種類の場面を想定することができるが、ドライバは、交通事故を回避するため、これらの場面に応じて異なる対処をしなければならない。
【0030】
そこで、請求項8に記載の運転支援情報提示装置では、制御手段は、位置関係特定処理において特定した位置関係に基づき、所定の場所において最も発生する可能性の高い交通事故場面を予測する交通事故場面予測処理を更に実行し、運転支援情報提示処理において、交通事故場面予測処理にて予測した交通事故場面を加味して運転支援情報を生成する。
【0031】
こうすることにより、運転支援情報提示装置は、交通事故の場面に応じた運転支援情報を提示することが可能となり、ドライバは、より有用で、より受容性の高い運転支援情報を得ることができる。
【0032】
また、交通事故場面の具体例として、自車両が右折時に遭遇する交通事故の場面である右折時衝突場面と、自車両が左折時に遭遇する交通事故の場面である左折時衝突場面と、交差点において、交差道路から交差点に進入する車両と衝突する交通事故の場面である出会い頭衝突場面と、道路を横断する歩行者と衝突する交通事故の場面である歩行者衝突場面とを挙げることができる。また、自車両に対向する方向に移動する移動体と正面衝突する交通事故の場面である正面衝突場面と、自車両の前に存在する移動体に追突する交通事故の場面である追突場面と、車線変更を行った際に移動体と衝突する交通事故の場面である車線変更時衝突場面とを挙げることができる。
【0033】
また、運転支援情報を、以下のように分類し、状況に応じた分類の運転支援情報を提示しても良い。
請求項9に記載の運転支援情報提示装置では、運転支援情報は、自車両の状態又は自車両周辺の状態を示す情報が属する知覚機能の拡大分類と、ドライバが運転を円滑に行うための情報が属する情報提供分類と、交通事故場面予測処理において予測された交通事故場面に係る交通事故を回避するための注意を促す情報が属する注意喚起分類と、交通事故場面に係る交通事故が発生する危険性が非常に高いことを示す情報が属する警告分類とに分類されている。そして、制御手段は、運転支援情報提示処理において、危険度算出処理にて算出した危険度に応じて運転支援情報の分類を特定し、特定した分類に属する運転支援情報をドライバに提示する。
【0034】
こうすることにより、より有用で、より受容性の高い運転支援情報を提示することが可能となる。
また、請求項10に記載の運転支援情報提示装置では、運転支援情報は、自車両の状態又は自車両周辺の状態を示す情報が属する知覚機能の拡大分類と、ドライバが運転を円滑に行うための情報が属する情報提供分類と、交通事故場面予測処理において予測された交通事故場面に係る交通事故を回避するための注意を促す情報が属する注意喚起分類と、交通事故場面に係る交通事故が発生する危険性が非常に高いことを示す情報が属する警告分類とに分類されている。そして、制御手段は、運転支援情報提示処理において、到達間隔特定手段が特定した到達間隔に応じて運転支援情報の分類を特定し、特定した分類に属する運転支援情報をドライバに提示する。
【0035】
こうすることにより、より有用で、より受容性の高い運転支援情報を提示することが可能となる。
また、運転支援情報を、以下のように分類し、状況に応じた分類の運転支援情報を提示しても良い。
【0036】
請求項11に記載の運転支援情報提示装置では、運転支援情報は、自車両の状態又は自車両周辺の状態を示す情報が属する認知支援情報分類と、交通事故を回避するための情報が属する判断支援情報分類と、自車両のドライバが交通事故を回避するために行うべき操作を示す情報が属する操作支援情報分類とに分類されている。そして、制御手段は、運転支援情報提示処理において、危険度算出処理にて算出した危険度に応じて運転支援情報の分類を特定し、特定した分類に属する運転支援情報をドライバに提示する。
【0037】
こうすることにより、より有用で、より受容性の高い運転支援情報を提示することが可能となる。
また、請求項12に記載の運転支援情報提示装置では、運転支援情報は、自車両の状態又は自車両周辺の状態を示す情報が属する認知支援情報分類と、交通事故を回避するための情報が属する判断支援情報分類と、自車両のドライバが交通事故を回避するために行うべき操作を示す情報が属する操作支援情報分類とに分類されている。そして、制御手段は、運転支援情報提示処理において、到達間隔特定手段が特定した到達間隔に応じて運転支援情報の分類を特定し、特定した分類に属する運転支援情報をドライバに提示する。
【0038】
こうすることにより、より有用で、より受容性の高い運転支援情報を提示することが可能となる。
また、請求項13のように、提示手段は、ヘッドアップディスプレイを用いて情報を表示することにより、ユーザに対し種々の情報を提示しても良い。
【0039】
また、請求項14に記載されているように、請求項1から請求項13のいずれかに記載の運転支援情報提示装置の制御手段として機能させるためのプログラムを、運転支援情報提示装置が内蔵するコンピュータに実行させるようになっていても良い。
【0040】
請求項14の記載の様になっていれば、例えば、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク、ROM、RAM等のコンピュータが読みとり可能な記録媒体にプログラムを記録し、そのプログラムを必要に応じてコンピュータにロードして起動することにより運転支援情報提示装置として機能させることができる。また、プログラムはネットワークを用いて流通させることも可能であるため、運転支援情報提示装置の機能向上も容易となる。
【0041】
請求項15の記載の運転支援情報提示方法は、移動体の位置及び進行方向を示す情報を含む移動体情報に基づき、所定の場所を走行する際に自車両に発生する交通事故を回避するための情報である運転支援情報を生成し、ドライバに提示する。この運転支援情報提示方法は、自車両周辺に存在する移動体の移動体情報を、自車両の外部から無線通信により受信する移動体情報受信ステップと、自車両の位置及び進行方向を示す情報を含む自車両情報を、自車両の外部、又は自車両に搭載された機器から取得する自車両情報取得ステップとを有する。また、移動体情報受信ステップにて受信した移動体情報と、自車両情報取得ステップにて取得した自車両情報とに基づき、自車両周辺における移動体と自車両との相対的位置及び相対的進路を示す位置関係を特定する位置関係特定ステップと、位置関係特定ステップにおいて算出された位置関係に応じた運転支援情報を生成し、生成した運転支援情報をドライバに提示する運転支援情報提示ステップとを有する。
【0042】
このような構成を有することにより、自車両周辺に存在する移動体を考慮して、交通事故を回避するための適切な運転支援情報を提示することができるため、ドライバにとって有用で、受容性の高い運転支援情報を提示することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0044】
[構成の説明]
図1は、本実施形態において説明する運転支援情報提示装置10の構成を示すブロック図である。運転支援情報提示装置10は、車両に搭載されており、ナビゲーション装置40、車速センサ50、及びレーダセンサ60と車内LANを介して接続されている。また、運転支援情報提示装置10は、路側機20と無線通信により路車間通信を行うと共に、他車両30と無線通信により車車間通信を行う。そして、運転支援情報提示装置10は、路車間通信、及び車車間通信にて受信した情報に基づき、支援エリアを通過する際に、運転支援情報提示装置10が搭載された自車両に発生する交通事故を回避するための情報である運転支援情報を生成し、提示する。
【0045】
運転支援情報提示装置10は、外部通信機11と、ヘッドアップディスプレイ12と、制御部13と、車内LAN通信部14とから構成されている。
外部通信機11は、支援エリアに設置されている路側機20と図示しない通信アンテナを介して無線通信による路車間通信を行うと共に、自車両周辺を走行する他車両30と図示しない無線アンテナを介して無線通信による車車間通信を行う部位である。外部通信機11は、路車間通信により、支援エリアにおける車両や歩行者等(以後、移動体と記載)の位置、進行方向、及び速度を示す情報である移動体情報を受信する。また、外部通信機11は、車車間通信により、自車両周辺を走行する他車両30の位置、進行方向、及び速度を示す情報である移動体情報と、他車両30の予想進路を示す情報である移動体進路情報とを受信する。
【0046】
ヘッドアップディスプレイ12は、映像投射器(液晶ディスプレイ等)により各種情報を映像光として投射し、フロントガラスの内面に反射させた各種情報を表示像としてドライバに視認させる部位である。
【0047】
制御部13は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらを接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。制御部13は、ROMに記憶されているプログラムに従い運転支援情報提示装置10の各部位を制御する部位である。また、制御部13は、車内LAN通信部14を介して、ナビゲーション装置40、車速センサ50、及びレーダセンサ60と通信を行う。
【0048】
車内LAN通信部14は、ナビゲーション装置40、車速センサ50、及びレーダセンサ60と、車内LANを介して通信を行う部位である。
また、路側機20は、運転支援情報提示装置10が運転支援情報の提示を行うエリアである支援エリアに設置されている。支援エリアには、エリア内における移動体の速度等を検知する検知装置が設置されている。また、支援エリアには、1又は2以上の路側機20と検知装置とが設置されており、これらは互いに接続されている。検知装置は、支援エリア内の所定の領域に存在する1又は2以上の移動体の位置、進行方向、及び速度を検知し、路側機20に通知する。そして、路側機20は、検知装置から通知された移動体の位置、進行方向、及び速度に基づき、所定の領域に存在する移動体の移動体情報を生成し、1秒周期で運転支援情報提示装置10に送信する。尚、路側機20が送信する移動体情報は、後述するナビゲーション装置40が有する地図データが示す地図において、移動体の位置及び進行方向を特定可能な情報である。
【0049】
また、他車両30は、支援エリアを走行中の車両であり、他車両30の移動体情報と、他車両30の予想進路を示す移動体進路情報とを、車車間通信により自車両に対し1秒周期で送信する。尚、他車両が送信する移動体情報は、後述するナビゲーション装置40が有する地図データが示す地図において、他車両の位置及び進行方向を特定可能な情報である。また、移動体進路情報は、後述するナビゲーション装置40が有する地図データが示す地図において、予想進路を特定可能な情報である。
【0050】
また、ナビゲーション装置40は、経路案内等を行う周知のナビゲーション装置である。ナビゲーション装置40は、支援エリアの地図データを記憶している。この地図データには、道路の形状を示すデータである道路形状データが含まれている。また、ナビゲーション装置40は、記憶している地図データが示す地図において、自車両の位置及び進行方向を特定可能な情報と、自車両の予想進路を特定可能な情報である自車両進路情報とを、車内LANを介して運転支援情報提示装置10に送信する。
【0051】
また、車速センサ50は、自車両の車速を検知するセンサである。車速センサ50は、自車両の速度を、車内LANを介して運転支援情報提示装置10に送信する。
また、レーダセンサ60は、ミリ波レーダにより自車両付近の領域であるレーダ検知領域に存在する移動体の位置、進行方向、及び速度を検知する。そして、移動体の位置、進行方向、及び速度を示す移動体情報を生成し、車内LANを介して運転支援情報提示装置10に送信する。尚、レーダセンサ60が送信する移動体情報は、後述するナビゲーション装置40が有する地図データが示す地図において、レーダ検知領域の移動体の位置及び進行方向を特定可能な情報である。
【0052】
[運転支援情報の説明]
運転支援情報とは、所定の場所を走行する際に自車両に発生する交通事故を回避するための情報である。ここでは、運転支援情報提示装置10が、運転支援情報としてドライバに提示する運転支援情報画面について説明する。運転支援情報提示装置10は、この運転支援情報画面を、ヘッドアップディスプレイ12によりフロントガラスに投射することによりドライバに提示する。
【0053】
運転支援情報は、自車両の状態又は自車両周辺の状態を示す情報が属する知覚機能の拡大分類と、ドライバが運転を円滑に行うための情報が属する情報提供分類と、後述する処理において予測された交通事故場面に係る交通事故を回避するための注意を促す情報が属する注意喚起分類と、交通事故場面に係る交通事故が発生する危険性が非常に高いことを示す情報が属する警告分類とに分類される。
【0054】
また、運転支援情報は、自車両の状態又は自車両周辺の状態を示す情報が属する認知支援情報分類と、交通事故を回避するための情報が属する判断支援情報分類と、ドライバが交通事故を回避するために行うべき操作を示す情報が属する操作支援情報分類とにも分類される。
【0055】
つまり、運転支援情報提示装置10は、自車両が支援エリアを走行する際、自車両と移動体との位置関係や、自車両に交通事故が発生する危険度等に応じて、知覚機能の拡大分類、情報提供分類、注意喚起分類、及び警告分類のうちから最適な一つ分類を選択すると共に、認知支援情報分類、判断支援情報分類、及び操作支援情報分類のうちから最適な一つ分類を選択する。そして、運転支援情報提示装置10は、選択された二つの分類の両方に属する運転支援情報を生成し、ドライバに提示する。
【0056】
図2、及び図3に記載されている運転支援情報画面80、運転支援情報画面82、運転支援情報画面84、及び運転支援情報画面86は、運転支援情報提示装置10が運転支援情報としてユーザに提示する画面の具体例である。
【0057】
図2の(a)画面1は、運転支援情報画面80である。運転支援情報画面80は、知覚機能の拡大分類に属する運転支援情報を示す画面であり、自車両の現在の速度である“60km/h”を示している。また、運転支援情報画面80は、操作支援情報分類にも属する運転支援情報を示す画面であり、“減速せよ!”というメッセージを示している。
【0058】
図2の(b)画面2は、運転支援情報画面82である。運転支援情報画面82は、情報提供分類に属する運転支援情報を示す画面であり、ドライバが交差点にて右折すべきことを示している。また、運転支援情報画面82は、認知支援情報分類にも属する運転支援情報を示す画面であり、自車両が、支援エリアである支援交差点を走行中であることを示している。
【0059】
図3の(a)画面3は、運転支援情報画面84である。運転支援情報画面84は、注意喚起分類に属する運転支援情報を示す画面であり、対向車が自車両に接近している様子を示している。また、運転支援情報画面84は、判断支援情報分類にも属する運転支援情報を示す画面であり、対向車への注意を促す“対向車注意”というメッセージを示している。
【0060】
図3の(b)画面4は、運転支援情報画面86である。運転支援情報画面86、警告分類に属する運転支援情報を示す画面であり、自車両が対向車と衝突寸前である様子を示している。また、運転支援情報画面86は、操作支援情報分類にも属する運転支援情報を示す画面であり、自車両の停止を指示する“止まれ”というメッセージを示している。
【0061】
[動作の説明]
[第一実施形態]
次に、第一実施形態の運転支援情報提示装置10が搭載された自車両が、運転支援情報の提示のために用いる移動体情報を取得可能なエリアである支援エリアを走行する際に行われる処理について説明する。尚、運転支援情報提示装置10は、支援エリア110を走行する場合のみ運転支援情報の提示を行う。
【0062】
(1)支援エリアについて
第一実施形態の運転支援情報提示装置10が行う処理について説明する前に、自車両が支援エリアに進入した際の状況について、図4に記載の説明図100を用いて説明する。
【0063】
説明図100は、支援エリア110を通る道路を示している。支援エリア110には、支援交差点120が含まれており、その周辺には、支援交差点120に存在する移動体の移動体情報を検知する検知装置70が設置されている。したがって、支援エリア110を走行する自車両に搭載された運転支援情報提示装置10は、路側機20から、支援交差点120に存在する移動体の移動体情報を受信することができる。尚、支援交差点120に描かれている車両は、検知装置70により検知される車両を示している。
【0064】
また、説明図100は、自車両130が支援エリア110に進入する様子を示している。自車両130付近に存在するレーダ検知領域135は、自車両130に搭載されているレーダセンサ60にて、移動体の位置、進行方向、及び速度を検知可能な領域である。尚、レーダ検知領域135に描かれている車両は、レーダセンサ60により検知される車両を示している。また、自車両130を起点とする矢印として示されている自車両予想進路140は、支援エリア110における自車両130の予想進路を示している。
【0065】
また、支援エリア110を通る道路付近には複数の路側機20が設置されているが、それらのうちの一台が、自車両130が支援エリア110に進入するポイント付近に設置されている。説明図100には、自車両130が進入するポイント付近に設置されている路側機20が描かれており、自車両130は、支援エリア110に進入した際、この路側機20から、後述する支援エリア情報等を受信する。
【0066】
また、説明図100は、自車両130が走行する車線の対向車線を、他車両30が走行する様子を示している。他車両30を起点とする矢印として示されている他車両予想進路150は、支援エリア110における他車両30の予想進路を示している。
【0067】
(2)運転支援情報の表示タイミングについて
次に、支援エリア110を走行する自車両130に搭載された第一実施形態の運転支援情報提示装置10が運転支援情報の表示を開始するタイミングと、表示中の運転支援情報の内容を切り替えるタイミングについて、図5に記載の説明図160を用いて説明する。
【0068】
説明図160には、支援エリア110の一部と、支援エリア110を通る道路と、支援交差点120とを示している。また、説明図160は、自車両130が支援エリア110に進入する様子を示しており、自車両130を起点とする矢印として示されている自車両予想進路140は、支援エリア110における自車両130の予想進路を示している。
【0069】
自車両予想進路140上のポイントである開始ポイント142aは、運転支援情報の表示を開始するポイントのことである。また、切替ポイント142b、及び切替ポイント142cは、表示中の運転支援情報の内容を変更するポイントのことである。詳細については後述する。
【0070】
(3)運転支援処理について
第一実施形態では、図4に記載の説明図100の状況において、自車両130が進入したポイント付近に設置された路側機20は、自車両130に搭載された運転支援情報提示装置10に対し、自車両130が支援エリア110に進入した旨と、支援エリア110及び支援交差点120の範囲を特定する情報である支援エリア情報とを路車間通信により送信する。第一実施形態の運転支援情報提示装置10が、自車両130が支援エリア110に進入した旨と、支援エリア情報とを路側機20から受信した際に開始される運転支援処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0071】
S205では、運転支援情報提示装置10の制御部13は、支援交差点120に存在する移動体の移動体情報を、路車間通信を介して路側機20から受信する。また、制御部13は、支援エリア110を走行する他車両30の移動体情報、及び移動体進路情報を、車車間通信を介して他車両30から受信する。この移動体進路情報は、説明図100の他車両予想進路150(対向車線を走行する他車両30が、支援交差点120を直進する進路)を示している。また、制御部13は、ナビゲーション装置40から自車両130の位置及び進行方向を示す情報を、車内LANを介して受信すると共に、車速センサ50が検知した自車両130の速度を示す情報を、車内LANを介して受信し、自車両130の位置、進行方向、及び速度を示す自車両情報を取得する。また、制御部13は、レーダセンサ60が検知したレーダ検知領域135を走行する移動体の移動体情報を、車内LANを介して受信する。そして、S210に処理を移行する。
【0072】
S210では、制御部13は、路側機20から受信した支援エリア情報に基づき支援エリア110の範囲を特定し、支援エリア110の地図データを、車内LANを介してナビゲーション装置40から受信する。そして、S215に処理を移行する。
【0073】
S215では、制御部13は、S210にて受信した地図データにおいて、ナビゲーション装置40で行われている経路案内に係る経路を示す自車両進路情報を、車内LANを介してナビゲーション装置40から受信することにより、自車両130の予想進路を特定する。尚、本実施形態では、この自車両進路情報は、説明図100の自車両予想進路140(自車両130が支援交差点120を右折する進路)を示している。そして、S220に処理を移行する。
【0074】
S220では、制御部13は、S205にて取得した移動体情報、移動体進路情報、及び自車両情報と、S215にて受信した自車両進路情報とに基づき、S210にて受信した地図データが示す地図において、自車両130の位置及び進路と、支援エリア110又はレーダ検知領域135に存在する移動体の位置及び進路とを示す位置関係を特定する。そして、S225に処理を移行する。
【0075】
S225では、制御部13は、S220にて特定した位置関係に基づき支援エリア110を走行する移動体の交通量を特定し、特定した交通量に応じて運転支援情報の表示を開始するタイミングである開始タイミングと、表示中の運転支援情報の内容を切り替えるタイミングである切替タイミングとを特定する。開始タイミング、切替タイミングを特定するとは、説明図100の自車両予想進路140上の開始ポイント、及び切替ポイントを決定するということである。制御部13は、図5に記載の説明図160が示すように、自車両予想進路140上の開始ポイント142a、切替ポイント142b、及び切替ポイント142cを決定し、S230に処理を移行する。
【0076】
S230では、制御部13は、運転支援情報を生成し、フロントガラスに運転支援情報を表示させる処理である運転支援情報表示処理を実行する。そして、S235に処理を移行する。
【0077】
S235では、制御部13は、ナビゲーション装置40から自車両130の現在位置を示す情報を、車内LANを介して受信し、S210にて受信した地図データに基づき、自車両130が支援交差点120を通過したか否かを判定する。支援交差点120を通過したと判定された場合(S235:Yes)、運転支援処理を終了する。支援交差点120を通過していないと判定された場合(S235:No)、S230に処理を移行する。
【0078】
(4)運転支援情報表示処理について
次に、第一実施形態の運転支援情報提示装置10がヘッドアップディスプレイ12によりフロントガラスに運転支援情報を表示させる処理である運転支援情報表示処理について、図7に記載のフローチャートを用いて説明する。運転支援情報表示処理は、図6に記載の運転支援処理のS230から呼び出される処理である。
【0079】
S305では、運転支援情報提示装置10の制御部13は、支援交差点120に存在する移動体の移動体情報を、路車間通信を介して路側機20から受信する。また、制御部13は、支援エリア110を走行する他車両30の移動体情報、及び移動体進路情報を、車車間通信を介して他車両30から受信する。この移動体進路情報は、図4に記載の説明図100の他車両予想進路150(対向車線を走行する他車両30が、支援交差点120を直進する進路)を示している。また、制御部13は、ナビゲーション装置40から自車両130の位置及び進行方向を示す情報を、車内LANを介して受信すると共に、車速センサ50が検知した自車両130の速度を示す情報を、車内LANを介して受信し、自車両130の位置、進行方向、及び速度を示す自車両情報を取得する。また、制御部13は、レーダセンサ60が検知したレーダ検知領域135を走行する移動体の移動体情報を、車内LANを介して受信する。そして、S310に処理を移行する。
【0080】
S310では、制御部13は、S305にて取得した移動体情報、移動体進路情報、及び自車両情報と、S215にて受信した自車両進路情報とに基づき、S210にて受信した地図データが示す地図において、自車両130の位置及び進路と、支援エリア110又はレーダ検知領域135に存在する移動体の位置及び進路とを示す位置関係を特定する。そして、S315に処理を移行する。
【0081】
S315では、制御部13は、S310にて特定した位置関係に基づき交通事故場面を予測する。尚、第一実施形態では、制御部13は、自車両が右折時に遭遇する交通事故の場面である右折時衝突場面を予測する。そして、S320に処理を移行する。
【0082】
S320では、制御部13は、運転支援情報を生成する運転支援情報生成処理を実行し、S325に処理を移行する。尚、ここでは、交通事故場面として右折時衝突場面が予測されているため、右折時衝突場面に対応する運転支援情報生成処理が実行される。
【0083】
S325では、制御部13は、運転支援情報生成処理にて生成され、制御部13が備えるRAMの所定の領域に一時的に記憶されている運転支援情報である運転支援情報画面を、ヘッドアップディスプレイ12によりフロントガラスに表示させる。尚、RAMに運転支援情報画面が記憶されていない場合、制御部13は、運転支援情報画面の表示を行わない。そして、運転支援情報表示処理を終了する。
【0084】
(5)運転支援情報生成処理について
次に、第一実施形態の運転支援情報提示装置10が、位置関係等に基づき運転支援情報を生成する処理である運転支援情報生成処理について、図8に記載のフローチャートを用いて説明する。運転支援情報生成処理は、図7に記載の運転支援情報表示処理のS320から呼び出される処理である。尚、ここで説明する運転支援情報生成処理は、右折時衝突場面に応じた運転支援情報を生成する処理である。
【0085】
S405では、運転支援情報提示装置10の制御部13は、ナビゲーション装置40から自車両130の現在位置を示す情報を、車内LANを介して受信することにより、自車両130の現在位置を特定し、S410に処理を移行する。
【0086】
S410では、制御部13は、S405にて特定した自車両130の現在位置と、S215にて特定した自車両予想進路140と、S225にて特定した開始タイミングとに基づき、運転支援情報の表示を開始するタイミングに到達した後であるか否か判定する。具体的には、自車両130が、図5に記載の説明図160の開始ポイント142aから支援交差点120を通過するまでの区間に存在するか否かを判定する。制御部13は、自車両130が、説明図160の開始ポイント142aから支援交差点120を通過するまでの区間に存在すると判定した場合(S410:Yes)、運転支援情報の表示を開始するタイミングに到達した後であると判定し、S415に処理を移行する。また、制御部13は、自車両130が、説明図160の開始ポイント142aから支援交差点120を通過するまでの区間に存在しないと判定した場合(S410:No)、運転支援情報の表示を開始するタイミングに到達する前であると判定し、運転支援情報生成処理を終了する。
【0087】
S415では、制御部13は、自車両130と支援交差点120との距離に応じて、運転支援情報の分類を選択する。具体的には、S405にて特定した自車両130の現在位置が、説明図160の開始ポイント142aから切替ポイント142bの区間に存在する場合、認知支援分類が選択される。また、自車両130の現在位置が、説明図160の切替ポイント142bから切替ポイント142cの区間に存在する場合、判断支援分類が選択される。また、自車両130の現在位置が、説明図160の切替ポイント142cから支援交差点120を通過するまでの区間に存在する場合、操作支援分類が選択される。そして、S420に処理を移行する。
【0088】
S420では、制御部13は、運転支援情報表示処理のS310にて特定した位置関係に基づき、支援エリア110を走行する他の車両の有無を判定する。支援エリア110を走行する他の車両が存在しない場合(S420:Yes)、S425に処理を移行する。尚、この時、制御部13は、危険度をレベル1と判定し、危険度に基づきS425に処理を移行しても良い。支援エリア110を走行する他の車両が存在する場合(S420:No)、S430に処理を移行する。
【0089】
S425では、制御部13は、運転支援情報の分類として、知覚機能の拡大分類を選択し、S455に処理を移行する。
S430では、制御部13は、運転支援情報表示処理のS310にて特定した位置関係に基づき、自車両130の前方を走行する車両の有無を判定する。自車両130の前方を走行する車両が存在する場合(S430:Yes)、S435に処理を移行する。尚、この時、制御部13は、危険度をレベル2と判定し、危険度に基づきS435に処理を移行しても良い。自車両130の前方を走行する車両が存在しない場合(S430:No)、S440に処理を移行する。
【0090】
S435では、制御部13は、運転支援情報の分類として情報提供分類を選択し、S455に処理を移行する。
S440では、制御部13は、運転支援情報表示処理のS310にて特定した位置関係に基づき、対向車線を直進する車両の有無を判定する。対向車線を直進する車両が存在する場合(S440:Yes)、S450に処理を移行する。尚、この時、制御部13は、危険度をレベル4と判定し、危険度に基づきS450に処理を移行しても良い。対向車線を直進する車両が存在しない場合(S440:No)、S445に処理を移行する。尚、この時、制御部13は、危険度をレベル3と判定し、危険度に基づきS445に処理を移行しても良い。
【0091】
S445では、制御部13は、運転支援情報の分類として注意喚起分類を選択し、S455に処理を移行する。
S450では、制御部13は、運転支援情報の分類として警告分類を選択し、S455に処理を移行する。
【0092】
S455では、制御部13は、S415にて選択された分類に属すると共に、S425、S435、S445、又はS450のいずれかにて選択された分類に属する運転支援情報である運転支援情報画面を生成し、制御部13が備えるRAMの所定の領域に一時的に記憶する。そして、運転支援情報生成処理を終了する。
【0093】
[効果]
第一実施形態の運転支援情報提示装置10は、支援エリア110を走行する他車両30の移動体情報及び移動体進路情報と、支援交差点120に存在する移動体の移動体情報と、レーダ検知領域135に存在する移動体の移動体情報と、自車両情報及び自車両進路情報とを取得し(S215、S305)、これらの情報に基づき位置関係を特定する(S310)。そして、知覚機能の拡大分類、情報提供分類、注意喚起分類、及び警告分類の中から位置関係に応じた最適な分類を選択し(S420、S430、S440)、選択した分類に属する運転支援情報を提示している。したがって、支援エリア110や自車両130の周辺に存在する移動体を考慮して、交通事故を回避するために最適な運転支援情報を提示することができるため、ドライバにとって有用で、受容性の高い運転支援情報を提示することが可能となる。また、自車両130や他車両30の予想進路を加味して位置関係を特定しているため、正確に位置関係を特定することが可能となり、的確な運転支援情報を提示することができる。
【0094】
また、この運転支援情報提示装置10は、交通事故場面を予測し(S315)、交通事故場面に応じた運転支援情報を生成している(S320)。したがって、有用で受容性の高い運転支援情報を得ることができる。
【0095】
また、この運転支援情報提示装置10は、位置関係に基づき運転支援情報の表示を開始する開始タイミングと、表示中の運転支援情報の内容を切り替える切替タイミングを特定する(S225)。そして、開始タイミングに到達後、運転支援情報の表示を開始する(S410)。また、自車両130が切替タイミングに到達した際には、認知支援分類、判断支援分類、及び操作支援分類の中から支援交差点120までの距離に応じた最適な分類を選択し、表示中の運転支援情報に替えて、新たに選択した分類に属する運転支援情報を表示している(S415)。したがって、位置関係を考慮した最適なタイミングで、運転支援情報の表示の開始することや、表示中の運転支援情報の内容を切り替えることが可能となるため、有用で受容性の高い運転支援情報を提示することが可能となる。また、支援交差点120までの距離に応じた最適な対処方法をドライバに提示することや、支援交差点120までの距離に基づく緊急度に応じた態様で運転支援情報を提示することができる。
【0096】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態の運転支援情報提示装置10が搭載された自車両が、運転支援情報の提示のために用いる移動体情報を取得可能なエリアである支援エリアを走行する際に行われる処理について説明する。また、第二実施形態の運転支援情報提示装置10にて行われる処理は、第一実施形態の運転支援情報提示装置10にて行われる処理をほぼ同様である。したがって、ここでは、第一実施形態の運転支援情報提示装置10にて行われる処理と異なる部分についてのみ説明を行う。
【0097】
(1)支援エリアについて
第二実施形態の運転支援情報提示装置10が支援エリアに進入した際の状況は、第一実施形態の運転支援情報提示装置10と同様であるであるため、説明を省略する。
【0098】
(2)運転支援処理について
第二実施形態においても、図4に記載の説明図100の状況において、自車両130が進入したポイント付近に設置された路側機20は、自車両130に搭載された運転支援情報提示装置10に対し、自車両130が支援エリア110に進入した旨と、支援エリア110及び支援交差点120の範囲を特定する情報である支援エリア情報とを路車間通信により送信する。第二実施形態の運転支援情報提示装置10が、自車両130が支援エリア110に進入した旨と、支援エリア情報とを路側機20から受信した際に開始される運転支援処理について説明する。
【0099】
第二実施形態の運転支援情報提示装置10においても、第一実施形態とほぼ同様の運転支援処理が行われる。したがって、ここでは、第一実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0100】
第一実施形態の運転支援処理のS225では、運転支援情報提示装置10の制御部13は、S220にて特定した位置関係に基づき支援エリア110を走行する移動体の交通量を特定し、特定した交通量に応じて運転支援情報の表示を開始するタイミングである開始タイミングと、表示中の運転支援情報の内容を切り替えるタイミングである切替タイミングとを特定する。開始タイミング、切替タイミングを特定するとは、図4に記載の説明図100の自車両予想進路140上の開始ポイント、及び切替ポイントを決定するということである。制御部13は、図5に記載の説明図160が示すように、自車両予想進路140上の開始ポイント142a、切替ポイント142b、及び切替ポイント142cを決定し、S230に処理を移行する。
【0101】
一方、第二実施形態の運転支援処理のS225では、制御部13は、S220にて特定した位置関係に基づき支援エリア110を走行する移動体の交通量を特定し、特定した交通量に応じて運転支援情報の表示を開始するタイミングである開始タイミングと、表示中の運転支援情報の内容を切り替えるタイミングである切替タイミングとを特定する。開始タイミング、切替タイミングを特定するとは、自車両130が支援交差点120に到達するまでの残り時間についての閾値を設定するということである。制御部13は、S205にて取得した自車両情報が示す自車両130の位置及び速度と、S210にて受信した地図データとに基づき、現時点における、自車両130が支援交差点120に到達するまでの残り時間を算出する。そして、制御部13は、現時点における残り時間に基づき、運転支援情報の表示を開始する際の残り時間の閾値T0と、表示中の運転支援情報の内容を切り替える際の残り時間の閾値T1、T2、及びT3を算出し、S230に処理を移行する。尚、T0、T1、T2、及びT3の大小関係は、T0>T1>T2>T3となっている。
【0102】
(3)運転支援情報表示処理について
次に、第二実施形態の運転支援情報提示装置10がヘッドアップディスプレイ12によりフロントガラスに運転支援情報を表示させる処理である運転支援情報表示処理について、図7に記載のフローチャートを用いて説明する。運転支援情報表示処理は、図6に記載の運転支援処理のS230から呼び出される処理である。
【0103】
第二実施形態の運転支援情報提示装置10においても、第一実施形態と同様の運転支援情報表示処理が行われるため、説明を省略する。
(4)運転支援情報生成処理について
第二実施形態の運転支援情報提示装置10が、位置関係等に基づき運転支援情報を生成させる処理である運転支援情報生成処理について、図9に記載のフローチャートを用いて説明する。運転支援情報生成処理は、第二実施形態の運転支援情報表示処理のS320から呼び出される処理である。尚、ここで説明する運転支援情報生成処理は、右折時衝突場面に応じた運転支援情報を生成する処理である。
【0104】
S505では、運転支援情報提示装置10の制御部13は、運転支援情報表示処理のS305にて取得した自車両情報が示す自車両130の位置及び速度と、S210にて受信した地図データとに基づき、現時点における、自車両130が支援交差点120に到達するまでの残り時間を算出する。そして、S510に処理を移行する。
【0105】
S510では、制御部13は、S505にて算出した残り時間と、運転支援処理のS225にて算出した閾値T0を比較し、運転支援情報の表示を開始するタイミングに到達したか後であるか否か判定する。具体的には、S505にて算出した残り時間が、閾値T0よりも小さい場合、運転支援情報の提示を開始するタイミングに到達した後であると判定し(S510:Yes)、S515に処理を移行する。また、S505にて算出した残り時間が、閾値T0以上である場合、運転支援情報の提示を開始するタイミングに到達する前であると判定し(S510:No)、運転支援情報生成処理を終了する。
【0106】
S515では、制御部13は、S505にて算出した残り時間に応じて、運転支援情報の分類を選択する。具体的には、残り時間が閾値T1以上である場合、知覚機能の拡大分類が選択される。また、残り時間が閾値T2以上である場合、情報提供分類が選択される。また、残り時間が閾値T3以上である場合、注意喚起分類が選択される。また、残り時間が閾値T3未満である場合、警告分類が選択される。そして、S520に処理を移行する。
【0107】
S520では、制御部13は、運転支援情報表示処理のS310にて特定した位置関係に基づき、自車両130の前方を走行する車両の有無を判定する。自車両130の前方を走行する車両が存在する場合(S520:Yes)、危険度をレベル1とし、S525に処理を移行する。自車両130の前方を走行する車両が存在しない場合(S520:No)、S530に処理を移行する。
【0108】
S525では、制御部13は、運転支援情報の分類として認知支援分類を選択し、S545に処理を移行する。
S530では、制御部13は、運転支援情報表示処理のS310にて特定した位置関係に基づき、対向車線を直進する車両の有無を判定する。対向車線を直進する車両が存在する場合(S530:Yes)、危険度をレベル3とし、S540に処理を移行する。対向車線を直進する車両が存在しない場合(S530:No)、危険度をレベル2とし、S535に処理を移行する。
【0109】
S535では、制御部13は、運転支援情報の分類として判断支援分類を選択し、S545に処理を移行する。
S540では、制御部13は、運転支援情報の分類として操作支援分類を選択し、S545に処理を移行する。
【0110】
S545では、制御部13は、S515にて選択された分類に属すると共に、S525、S535、又はS540のいずれかにて選択された分類に属する運転支援情報である運転支援情報画面を生成し、制御部13が備えるRAMの所定の領域に一時的に記憶する。そして、運転支援情報生成処理を終了する。
【0111】
[効果]
第二実施形態の運転支援情報提示装置10は、支援エリア110を走行する他車両30の移動体情報及び移動体進路情報と、支援交差点120に存在する移動体の移動体情報と、レーダ検知領域135に存在する移動体の移動体情報と、自車両情報及び自車両進路情報とを取得し(S215、S305)、これらの情報に基づき位置関係を特定する(S310)。そして、位置関係に基づき危険度を算出し、認知支援分類、判断支援分類、及び操作支援分類の中から危険度に応じた最適な分類を選択し(S520、S530)、選択した分類に属する運転支援情報を提示している。したがって、自車両130が支援エリア110を走行する際の危険度に応じた運転支援情報を提示することができるため、ドライバにとって有用で、受容性の高い運転支援情報を提示することが可能となる。
【0112】
また、この運転支援情報提示装置10は、位置関係に基づき運転支援情報の表示を開始する開始タイミングと、表示中の運転支援情報の内容を切り替える切替タイミングを特定する(S225)。そして、開始タイミングに到達後、運転支援情報の表示を開始する(S510)。また、自車両130が切替タイミングに到達した際には、知覚機能の拡大分類、情報提供分類、注意喚起分類、及び警告分類の中から、自車両130が支援交差点120に到達するまでの残り時間に応じた最適な分類を選択し、表示中の運転支援情報に替えて、新たに選択した分類に属する運転支援情報を表示している(S515)。したがって、位置関係を考慮した最適なタイミングで、運転支援情報の表示の開始することや、表示中の運転支援情報の内容を切り替えることが可能となるため、有用で受容性の高い運転支援情報を提示することが可能となる。また、残り時間に応じた最適な対処方法をドライバに提示することや、残り時間に基づく緊急度に応じた態様で運転支援情報を提示することができる。
【0113】
[他の実施形態]
(1)運転支援情報提示装置10は、自車両130に発生する交通事故場面として、自車両130が右折時に遭遇する交通事故の場面である右折時衝突場面を予測している。しかし、この交通事故場面以外に、自車両130が左折時に遭遇する交通事故の場面である左折時衝突場面や、支援交差点120を走行する自車両130が、交差道路から交差点に進入する車両と衝突する交通事故の場面である出会い頭衝突場面や、自車両130が、道路を横断する歩行者と衝突する交通事故の場面である歩行者衝突場面を予測すると良い。また、自車両130が、対向する車両と正面衝突する交通事故の場面である正面衝突場面や、自車両130が、前方に存在する車両に追突する交通事故の場面である追突場面や、自車両130が、車線変更を行った際に車両と衝突する交通事故の場面である車線変更時衝突場面を予測すると良い。そして、それぞれの交通事故を回避するための運転支援情報を表示すると良い。こうすることにより、運転支援情報提示装置10は、より有用で受容性の高い運転支援情報をドライバに提示することが可能となる。
【0114】
(2)運転支援情報提示装置10は、経路案内を行っているナビゲーション装置40から経路案内に係る経路を示す自車両進路情報を受信することにより、自車両130の予想進路(支援交差点120を右折)を特定している。しかし、例えば、自車両130が走行中の走行レーンや、自車両130の方向指示器の動作状態に基づき、自車両130の予想進路を特定しても良い。こうすることにより、ナビゲーション装置40が自車両130に搭載されていない場合や、ナビゲーション装置40にて経路案内が行われていない場合であっても、自車両130の予想進路を特定することができる。
【0115】
(3)運転支援情報提示装置10は、支援エリアに設置された装置が検知した自車両の位置及び進行方向を、無線通信を介して受信しても良い。そして、受信した自車両の位置及び進行方向と、車速センサ50が検知した自車両130の速度とに基づき自車両情報を生成しても良い。こうすることにより、自車両130にナビゲーション装置40が搭載されていなくても、自車両情報を取得することが可能となる。
【0116】
(4)第二実施形態の運転支援情報提示装置10の制御部13は、運転支援情報生成処理において、移動体情報が示す移動体の速度、自車両情報が示す自車両の速度、及び、運転支援処理のS210にて受信した地図データが示す道路形状を加味して危険度を判定しても良い。具体的には、自車両130の速度に応じて危険度のレベルを上げても良いし、支援エリア110を通る道路の道幅に応じて、危険度のレベルを変化させても良い。こうすることにより、より正確な危険度を算出することが可能となり、より有用で、より受容性の高い運転支援情報を提示することが可能となる。
【0117】
(5)運転支援情報提示装置10は、音声の出力を行うスピーカを更に備え、スピーカにより運転支援情報をドライバに報知しても良い。こうすることにより、より効果的に、ドライバに運転支援情報を認知させることが可能となる。
【0118】
(6)運転支援情報提示装置10は、支援エリア110以外にも、見通しの悪いカーブや、T字路といった交通事故が多発している場所を自車両が走行する場合に類似の運転支援情報を提示しても良い。こうすることにより、状況に応じてより効果的にドライバに運転支援情報を提示することが可能となる。
【0119】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0120】
外部通信機11が移動体情報受信手段、及び移動体進路情報取得手段に、ヘッドアップディスプレイ12が提示手段に、制御部13が制御手段に、車内LAN通信部14が自車両情報取得手段、及び移動体情報取得手段に相当する。
【0121】
また、制御部13、及び車内LAN通信部14が、予想進路特定手段、及び到達間隔特定手段に相当し、支援交差点120が所定の場所に相当する。
また、S220とS310とが位置関係特定処理に、S320とS325とからなる処理が運転支援情報提示処理に、S520とS530とからなる処理が危険度算出処理に、S225がタイミング特定処理に、S315が交通事故場面予測処理に相当する。
【0122】
また、S415における自車両130と支援交差点120との距離と、S515における残り時間とが、到達間隔に相当し、切替ポイント142b、及び切替ポイント142cと、閾値T1、T2、及びT3とが、切替タイミングに相当する。
【0123】
また、S205とS305とが、運転支援情報提示方法の移動体情報受信ステップ、及び自車両情報取得ステップに、S220とS310とが、運転支援情報提示方法の位置関係特定ステップに、S320とS325とからなる処理が、運転支援情報提示方法の運転支援情報提示ステップに相当する。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】運転支援情報提示装置10の構成を示すブロック図である。
【図2】運転支援情報である画像の説明図である。
【図3】運転支援情報である画像の説明図である。
【図4】支援エリアの説明図である。
【図5】運転支援情報表示の開始タイミングと、表示中の運転支援情報の切替タイミングについての説明図である。
【図6】自車両130が支援エリア110を走行中に行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】運転支援情報提示装置10が、運転支援情報を表示する処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】第一実施形態の運転支援情報提示装置10が、運転支援情報を生成する処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】第二実施形態の運転支援情報提示装置10が、運転支援情報を生成する処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0125】
10…運転支援情報提示装置、11…外部通信機、12…ヘッドアップディスプレイ、13…制御部、14…車内LAN通信部、20…路側機、30…他車両、40…ナビゲーション装置、50…車速センサ、60…レーダセンサ、70…検知装置、80…運転支援情報画面、82…運転支援情報画面、84…運転支援情報画面、86…運転支援情報画面、100…説明図、110…支援エリア、120…支援交差点、130…自車両、135…レーダ検知領域、140…自車両予想進路、142a…開始ポイント、142b…切替ポイント、142c…切替ポイント、144a…開始ポイント、144b…切替ポイント、144c…切替ポイント、144d…切替ポイント、150…他車両予想進路、160…説明図、170…説明図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の位置及び進行方向を示す情報を含む移動体情報に基づき、所定の場所を走行する際に自車両に発生する交通事故を回避するための情報である運転支援情報を生成し、ドライバに提示する運転支援情報提示装置において、
自車両周辺に存在する移動体の前記移動体情報を、自車両の外部から無線通信により受信する移動体情報受信手段と、
自車両の位置及び進行方向を示す情報を含む自車両情報を、自車両の外部、又は自車両に搭載された機器から取得する自車両情報取得手段と、
ユーザに対し種々の情報を提示する提示手段と、
前記移動体情報受信手段が受信した前記移動体情報と、前記自車両情報取得手段が取得した前記自車両情報とに基づき、自車両周辺における移動体と自車両との相対的位置及び相対的進路を示す位置関係を特定する位置関係特定処理と、前記位置関係特定処理において特定された前記位置関係に応じた前記運転支援情報を生成し、生成した前記運転支援情報を、前記提示手段を介してドライバに提示する運転支援情報提示処理とを実行する制御手段と、
を備えることを特徴とする運転支援情報提示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運転支援情報提示装置において、
前記運転支援情報提示装置は、自車両付近における移動体の前記移動体情報を、自車両に搭載された機器から取得する移動体情報取得手段を更に備え、
前記制御手段は、前記位置関係特定処理において、前記移動体情報取得手段が取得した前記移動体情報を加味して、自車両周辺における移動体と自車両との前記位置関係を特定すること、
を特徴とする運転支援情報提示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の運転支援情報提示装置において、
前記運転支援情報提示装置は、自車両の予想進路を特定する予想進路特定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記位置関係特定処理において、前記予想進路特定手段が特定した自車両の予想進路を加味して前記位置関係を特定すること、
を特徴とする運転支援情報提示装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の運転支援情報提示装置において、
前記運転支援情報提示装置は、移動体の予想進路を示す移動体進路情報を取得する移動体進路情報取得手段を更に備え、
前記制御手段は、前記位置関係特定処理において、前記移動体進路情報取得手段が取得した前記移動体進路情報を加味して、前記位置関係を特定すること、
を特徴とする運転支援情報提示装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の運転支援情報提示装置において、
前記制御手段は、前記位置関係特定処理にて特定した前記位置関係に基づき、自車両が前記所定の場所を走行する際に交通事故が発生する危険度を算出する危険度算出処理を実行し、前記運転支援情報提示処理において、前記位置関係特定処理にて特定した前記位置関係に替えて、前記危険度算出処理にて算出された前記危険度に応じた前記運転支援情報を生成し、前記所定の場所に近づいた際に、生成した前記運転支援情報を、前記提示手段を介してドライバに提示すること、
を特徴とする運転支援情報提示装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の運転支援情報提示装置において、
前記運転支援情報提示装置は、自車両が前記所定の場所に到達するまでの間隔である到達間隔を特定する到達間隔特定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記運転支援情報提示処理において、前記到達間隔特定手段が特定した前記到達間隔を加味して前記運転支援情報を生成すること、
を特徴とする運転支援情報提示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の運転支援情報提示装置において、
前記制御手段は、
前記到達間隔特定手段が特定した前記到達間隔に応じて、前記提示手段を介して提示している前記運転支援情報を新たな前記運転支援情報に切り替えるタイミングである切替タイミングを、前記位置関係特定処理にて特定した前記位置関係に基づき特定するタイミング特定処理を更に実行し、
前記運転支援情報提示処理において、前記到達間隔特定手段が特定した前記到達間隔が、前記タイミング特定処理にて特定した前記切替タイミングに達した際に、前記到達間隔に応じた前記運転支援情報を、前記提示手段を介して提示すること、
を特徴とする運転支援情報提示装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の運転支援情報提示装置において、
前記制御手段は、前記位置関係特定処理において特定した前記位置関係に基づき、前記所定の場所において最も発生する可能性の高い交通事故場面を予測する交通事故場面予測処理を更に実行し、前記運転支援情報提示処理において、前記交通事故場面予測処理にて予測した交通事故場面を加味して前記運転支援情報を生成すること、
を特徴とする運転支援情報提示装置。
【請求項9】
請求項5を引用する請求項8に記載の運転支援情報提示装置において、
前記運転支援情報は、自車両の状態又は自車両周辺の状態を示す情報が属する知覚機能の拡大分類と、ドライバが運転を円滑に行うための情報が属する情報提供分類と、前記交通事故場面予測処理において予測された交通事故場面に係る交通事故を回避するための注意を促す情報が属する注意喚起分類と、交通事故場面に係る交通事故が発生する危険性が非常に高いことを示す情報が属する警告分類とに分類されており、
前記制御手段は、前記運転支援情報提示処理において、前記危険度算出処理にて算出した前記危険度に応じて前記運転支援情報の分類を特定し、特定した分類に属する前記運転支援情報をドライバに提示すること、
を特徴とする運転支援情報提示装置。
【請求項10】
請求項6を引用する請求項8に記載の運転支援情報提示装置において、
前記運転支援情報は、自車両の状態又は自車両周辺の状態を示す情報が属する知覚機能の拡大分類と、ドライバが運転を円滑に行うための情報が属する情報提供分類と、前記交通事故場面予測処理において予測された交通事故場面に係る交通事故を回避するための注意を促す情報が属する注意喚起分類と、交通事故場面に係る交通事故が発生する危険性が非常に高いことを示す情報が属する警告分類とに分類されており、
前記制御手段は、前記運転支援情報提示処理において、前記到達間隔特定手段が特定した前記到達間隔に応じて前記運転支援情報の分類を特定し、特定した分類に属する前記運転支援情報をドライバに提示すること、
を特徴とする運転支援情報提示装置。
【請求項11】
請求項5、又は請求項5を引用する請求項6から請求項8のいずれかに記載の運転支援情報提示装置において、
前記運転支援情報は、自車両の状態又は自車両周辺の状態を示す情報が属する認知支援情報分類と、交通事故を回避するための情報が属する判断支援情報分類と、自車両のドライバが交通事故を回避するために行うべき操作を示す情報が属する操作支援情報分類とに分類されており、
前記制御手段は、前記運転支援情報提示処理において、前記危険度算出処理にて算出した前記危険度に応じて前記運転支援情報の分類を特定し、特定した分類に属する前記運転支援情報をドライバに提示すること、
を特徴とする運転支援情報提示装置。
【請求項12】
請求項6、又は請求項6を引用する請求項7若しくは請求項8のいずれかに記載の運転支援情報提示装置において、
前記運転支援情報は、自車両の状態又は自車両周辺の状態を示す情報が属する認知支援情報分類と、交通事故を回避するための情報が属する判断支援情報分類と、自車両のドライバが交通事故を回避するために行うべき操作を示す情報が属する操作支援情報分類とに分類されており、
前記制御手段は、前記運転支援情報提示処理において、前記到達間隔特定手段が特定した前記到達間隔に応じて前記運転支援情報の分類を特定し、特定した分類に属する前記運転支援情報をドライバに提示すること、
を特徴とする運転支援情報提示装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれかに記載の運転支援情報提示装置において、
前記提示手段は、ヘッドアップディスプレイを用いて情報を表示することにより、ユーザに対し種々の情報を提示すること、
を特徴とする運転支援情報提示装置。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1から請求項13のいずれかに記載の運転支援情報提示装置が備える前記制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
移動体の位置及び進行方向を示す情報を含む移動体情報に基づき、所定の場所を走行する際に自車両に発生する交通事故を回避するための情報である運転支援情報を生成し、ドライバに提示する運転支援情報提示方法において、
自車両周辺に存在する移動体の前記移動体情報を、自車両の外部から無線通信により受信する移動体情報受信ステップと、
自車両の位置及び進行方向を示す情報を含む自車両情報を、自車両の外部、又は自車両に搭載された機器から取得する自車両情報取得ステップと、
前記移動体情報受信ステップにて受信した前記移動体情報と、前記自車両情報取得ステップにて取得した前記自車両情報とに基づき、自車両周辺における移動体と自車両との相対的位置及び相対的進路を示す位置関係を特定する位置関係特定ステップと、
前記位置関係特定ステップにおいて算出された前記位置関係に応じた前記運転支援情報を生成し、生成した前記運転支援情報をドライバに提示する運転支援情報提示ステップと、
を有することを特徴とする運転支援情報提示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−93343(P2009−93343A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262205(P2007−262205)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】