説明

CDR回路

【課題】入力データに対する瞬時応答特性を備えかつジッタが大きな入力データが入力された時にも出力ジッタを低減可能な小型低消費電力のCDR回路を提供する。
【解決手段】CDR回路は、入力データ4のタイミングに合うように出力クロックの位相を調整するVCO11と、VCO11の出力クロックのタイミングに合うように再生クロック7の位相を調整するVCO13と、VCO11,13の発振周波数を制御する制御信号8を発生する周波数制御回路である周波数比較器2およびVCO12と、VCO11の出力端子とVCO13の入力端子との間に挿入された減衰器30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力データに対して位相同期したクロックを再生し、このクロックにより入力データのリタイミングを行うCDR回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
FTTH(Fiber To The Home)を実現する手段として開発が進められているPON(Passive Optical Network)方式等では、バーストデータを扱う必要がある。これらのシステムにおいては、局側で非同期に受信するバーストデータに対して瞬時に位相同期を確立してクロックを抽出し、このクロックに同期してデータをリタイミングするCDR(Clock Data Recovery)回路が必須である。この種の回路は、例えば非特許文献1において参照できる。
【0003】
図5はこのような用途に用いられるCDR回路の構成例を示している。メインVCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発振器)20の入力端子20aに入力データ4が入力されると、メインVCO20は、当該入力データ4のタイミング、つまり電圧値偏移点をトリガとしてその発振位相が入力データ4の位相と合うように調整される。位相を調整された発振信号は、入力データ4との位相が合った再生クロック7としてメインVCO20から出力される。再生クロック7は、フリップフロップ(以下、F/Fとする)3のクロック端子3bに入力され、F/F3のデータ入力端子3aに入力される入力データ4のリタイミングに使用される。これにより、F/F3の出力端子3cから再生データ6が出力される。
【0004】
一方、メインVCO20と同一構成のサブVCO12と、周波数比較器2とは、PLL(Phase-Locked Loop)を形成している。このPLLは、入力データ4のデータレートと等しい周波数の参照クロック5またはその周波数の整数分の1の周波数の参照クロック5と同じ周波数で発振している。周波数比較器2は、サブVCO12の出力端子12cから出力され入力端子2bに入力される信号の周波数と入力端子2aに入力される参照クロック5の周波数とを比較し、サブVCO12の出力信号の周波数が参照クロック5の周波数より高ければ、サブVCO12の発振周波数を下げるように制御する制御信号8を出力し、サブVCO12の出力信号の周波数が参照クロック5の周波数より低ければ、サブVCO12の発振周波数を上げるように制御する制御信号8を出力する。周波数比較器2の出力端子2cから出力される制御信号8は、サブVCO12の周波数制御端子12bに供給されると同時に、メインVCO20の周波数制御端子20bにも供給される。これにより、サブVCO12の出力端子12cから出力される信号の周波数とメインVCO11の出力端子20cから出力される再生クロック7の周波数とが同じになるように制御される。
【0005】
図5に示した従来構成によれば、入力データ4のデータレートとメインVCO20から出力される再生クロック7の周波数とは常に一致しているので、入力データ4が入力された時にはメインVCO20は位相だけ合わせれば良く、瞬時に入力データ4との同期を確立することが可能である。
しかしながら、図5に示した構成では、この瞬時応答特性と引き換えに出力波形品質が入力波形品質に大きく依存することになってしまう。つまり、入力データのジッタが大きい場合には、出力データのジッタも大きくなってしまうという問題点がある。
【0006】
このような問題点を緩和できる手段として、非特許文献2において図6のような回路構成が提案されている。図6に示したCDR回路の構成は、図5に示したメインVCO20を2つのVCO11,13の直列構成に変えて、VCO11の前にゲーティング回路10を追加し、さらにVCO11とVCO13との間にバッファ増幅器14を追加した構成となっている。
【0007】
ゲーティング回路10は、排他的論理和(XOR)ゲートや論理積(AND)ゲートなどで構成され、入力端子10aに入力される入力データ4が「0」から「1」に立ち上がったときに立ち下がり、例えばT/2(Tは入力データ4の周期)後に立ち上がるパルスを出力する。ゲーティング回路10の出力パルスは、出力端子10cから出力され、VCO11の入力端子11aに入力される。
【0008】
VCO11は、図5に示したメインVCO20と同様に、周波数制御端子11bに制御信号8が供給されることにより、参照クロック5と等しい周波数のクロックを出力する。このクロックの位相は、ゲーティング回路10の出力パルスにより制御される。すなわち、VCO11は、ゲーティング回路10の出力パルスが「0」のときはリセットされ「0」を出力し、ゲーティング回路10の出力パルスが「1」になった途端に発振を始め、ゲーティング回路10の出力パルスが「1」の間は発振を続ける。こうして、VCO11においては、出力クロックの位相が入力データ4の位相と合うように調整される。
【0009】
VCO13は、VCO11と同様に、周波数制御端子13bに制御信号8が供給されることにより、参照クロック5と等しい周波数のクロックを出力する。VCO11の出力端子11cから出力されたクロックがバッファ増幅器14を介してVCO13の入力端子13aに入力されるため、VCO13から出力される再生クロック7の位相は、VCO11の出力クロックの位相と合うように(すなわち、入力データ4の位相と合うように)調整されるが、VCO11の影響が小さいことから、VCO11の出力クロックの位相に瞬時に追従することはない。したがって、入力データ4にジッタが存在する場合でも、このジッタの影響を受け難くなるので、再生クロック7のジッタを低減することができる。さらに、VCO11とVCO13との間に、駆動力の弱いバッファ増幅器14が挿入されているため、再生クロック7の位相に与えるVCO11の影響がより小さくなっている。
【0010】
その他の構成は、図5に示したCDR回路と同じである。図6に示した構成では、ジッタが大きな入力データ4が入力された場合においても、VCO13がクロック周波数近傍のみの周波数の信号を選択的に増幅する機能を有していることと、バッファ増幅器14の利得を適当に設定することによりジッタの影響を低減できることから、入力データ4との位相同期を確保した上で再生クロック7のジッタをある程度低減することができる。その理由は、バッファ増幅器の利得14を低減するに従い、VCO13の自走発振スペクトラム成分が支配的になっていき、入力データ4のジッタの影響を低減できるようになるためである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Y.Ota,et al.,“High-speed,burst mode,packet-capable optical receiver and instantaneous clock recovery for optical bus operation”,J.Lightwave Technol.,vol.12,no.2,p.325-331,Feb.1994
【非特許文献2】J.Terada,et al.,“Jitter-reduction and pulse-width-distortion compensation circuits for a 10Gb/s burst-mode CDR circuit”,in 2009 IEEE International Solid-State Circuits Conference Digest,p.104-106,Feb.2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
以上のように、図5に示した構成では、入力データのジッタが大きい場合に、出力データのジッタも大きくなってしまうという問題点があった。
これに対して、図6に示した構成では、図5に示した構成と比較して入力データのジッタの影響を低減することができる。ただし、バッファ増幅器14の動作が電源電圧変動や環境温度変動などの外乱の影響を受けて不安定になることがあるので、電源電圧変動や環境温度変動があった場合でも安定的に位相同期を確保しようとすると、バッファ増幅器14のみでジッタを大幅に低減することは難しくなる。その理由は、ジッタを抑圧するためにバッファ増幅器14の駆動力を弱めすぎると、VCO13がフリーラン状態になり、入力データの位相情報がVCO13に伝達されないためである。また、図6に示した構成では、バッファ増幅器14を追加することにより、回路規模や消費電力が増大してしまうという問題点があった。
【0013】
本発明の目的は、上記従来の問題点を解決し、入力データに対する瞬時応答特性を備えかつジッタが大きな入力データが入力された時にも出力ジッタを低減可能な小型低消費電力のCDR回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のCDR回路は、入力データのタイミングに合うように第1のクロックの位相を調整して、前記入力データとタイミングの合った第1のクロックを出力する第1の電圧制御発振器と、前記第1のクロックのタイミングに合うように第2のクロックの位相を調整して、前記第1のクロックとタイミングの合った第2のクロックを出力する第2の電圧制御発振器と、前記第1、第2の電圧制御発振器の発振周波数を制御する周波数制御信号を発生する周波数制御回路と、前記第1の電圧制御発振器の出力端子と前記第2の電圧制御発振器の入力端子との間に挿入された減衰器とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明のCDR回路の1構成例において、前記減衰器は、可変減衰器である。
また、本発明のCDR回路の1構成例は、前記第1、第2の電圧制御発振器を同一構成としたことを特徴とするものである。
また、本発明のCDR回路の1構成例において、前記第1、第2の電圧制御発振器は、ゲーティッド電圧制御発振器である。
また、本発明のCDR回路の1構成例は、さらに、前記入力データのデータ識別を前記第2のクロックに基づいて行うデータ識別回路を備えることを特徴とするものである。
また、本発明のCDR回路の1構成例は、さらに、前記入力データが遷移したときにパルスを出力するゲーティング回路を備え、前記第1の電圧制御発振器は、前記ゲーティング回路の出力パルスのタイミングに合うように前記第1のクロックの位相を調整することにより、前記入力データのタイミングに合うように前記第1のクロックの位相を調整することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、第1、第2の電圧制御発振器を設け、第1の電圧制御発振器の出力端子と第2の電圧制御発振器の入力端子との間に減衰器を挿入することにより、入力データに対する瞬時応答特性を備え、かつジッタの多いデータが入力された場合でも、出力ジッタを低減可能なCDR回路を実現することができる。また、本発明では、受動素子で構成できる減衰器を用いることにより、バッファ増幅器を用いる従来のCDR回路と比較して回路規模および消費電力を低減することができ、さらにCDR回路の高安定動作を実現することができる。その結果、本発明では、CDR回路を用いるPONシステムのデータ転送効率の向上およびダイナミックレンジの向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るCDR回路におけるゲーティング回路の構成の1例を示す回路図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るCDR回路におけるVCOの構成の1例を示す回路図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図である。
【図5】従来のCDR回路の構成を示すブロック図である。
【図6】従来の別のCDR回路の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図である。本実施の形態のCDR回路は、周波数比較器2と、F/F3と、ゲーティング回路10と、VCO11,12,13と、減衰器30とから構成される。図6に示した従来のCDR回路との相違は、バッファ増幅器14の代わりに減衰器30を用いたことである。
【0018】
図2はゲーティング回路10の構成の1例を示す回路図である。ゲーティング回路10は、一方の入力端子がゲーティング回路10の入力端子10aに接続され、他方の入力端子がプルアップされたNAND100と、NAND100の出力を入力とするインバータ101と、インバータ101の出力を入力とするインバータ102と、一方の入力端子がゲーティング回路10の入力端子10aに接続され、他方の入力端子にインバータ102の出力が入力され、出力端子がゲーティング回路10の出力端子10cに接続されたNAND103とから構成される。
【0019】
ゲーティング回路10は、入力データ4が「0」から「1」に立ち上がったときに立ち下がり、例えばT/2(Tは入力データ4の周期)後に立ち上がる幅がT/2のパルスを出力する。こうして、ゲーティング回路10は、入力データ4のエッジを検出し、エッジパルスを生成する。ゲーティング回路10の出力パルスは、VCO11の入力端子11aに入力される。
【0020】
VCO11の出力クロックの位相は、ゲーティング回路10の出力パルスにより制御される。すなわち、VCO11は、ゲーティング回路10の出力パルスが「0」のときはリセットされ「0」を出力し、ゲーティング回路10の出力パルスが「1」になった途端に発振を始め、ゲーティング回路10の出力パルスが「1」の間は発振を続ける。こうして、VCO11においては、出力クロックの位相が入力データ4の位相と合うように調整される。
【0021】
VCO11の出力クロックは、出力端子11cから出力され、減衰器30の入力端子30aに入力される。そして、このクロックは、減衰器30で減衰されて出力端子30cに出力され、VCO13の入力端子13aに入力される。
VCO13は、VCO11と同様に、周波数制御端子13bに制御信号8が供給されることにより、参照クロック5と等しい周波数のクロックを出力する。VCO11の出力端子11cから出力されたクロックが減衰器30を介してVCO13の入力端子13aに入力されるため、VCO13から出力される再生クロック7の位相は、VCO11の出力クロックの位相と合うように(すなわち、入力データ4の位相と合うように)調整されるが、VCO11の影響が小さいことから、VCO11の出力クロックの位相に瞬時に追従することはない。したがって、入力データ4にジッタが存在する場合でも、このジッタの影響を受け難くなるので、再生クロック7のジッタを低減することができる。さらに、VCO11とVCO13との間に、減衰器30が挿入されているため、再生クロック7の位相に与えるVCO11の影響がより小さくなっている。
【0022】
データ識別回路となるF/F3は、入力データ4を再生クロック7の所定のタイミング(例えば再生クロック7の立ち上がり)でリタイミングして、再生データ6を出力する。
一方、VCO12と周波数比較器2とは、周波数制御回路を構成しており、入力データ4のデータレートと等しい周波数の参照クロック5と同じ周波数で発振している。
【0023】
周波数比較器2の出力端子2cから出力される制御信号8は、VCO12の周波数制御端子12bに供給されると同時に、VCO11,13の周波数制御端子11b,13bにも供給される。VCO11、VCO13およびVCO12は同じ回路構成であるため、同一の制御信号8が供給されると同一の周波数で発振する。したがって、VCO12の発振周波数と再生クロック7の周波数とが同じになるように制御される。このようなVCO11,12,13は、好ましくは非特許文献2に開示されたゲーティッドVCOで構成される。VCO11,12,13は、例えば多段の可変遅延インバータで構成される通常のリング発振回路中に、発振開始のタイミングを制御できるゲート回路を備えて構成される。
【0024】
図3はVCO11,13の構成の1例を示す回路図である。VCO11は、一方の入力端子がVCO11の入力端子11aに接続され、他方の入力端子にVCO11の出力が入力されるNAND110と、NAND110の出力を入力とするインバータ111と、インバータ111の出力を入力とし、出力端子がVCO11の出力端子11cに接続されたインバータ112と、一端がインバータ111の出力端子およびインバータ112の入力端子に接続され、容量制御端子(図示せず)がVCO11の周波数制御端子11bに接続された可変容量113とから構成される。
【0025】
VCO13は、一方の入力端子がプルアップされ、他方の入力端子がVCO13の入力端子13aおよび出力端子13cに接続されたNAND130と、NAND130の出力を入力とするインバータ131と、インバータ131の出力を入力とし、出力端子がVCO13の出力端子13cに接続されたインバータ132と、一端がインバータ131の出力端子およびインバータ132の入力端子に接続され、容量制御端子(図示せず)がVCO13の周波数制御端子13bに接続された可変容量133とから構成される。VCO13は、このようにNAND130の入力の一方にVCO11から出力されるクロックとVCO13自身の再生クロックが同時に入力されるように構成される。さらにNAND130からこの合成された信号が常時VCO13のコア(図3ではインバータ131とインバータ132)に入力されるように構成されている。この構成により、VCO13からはVCO11の出力クロックに同期した再生クロック7、つまり入力データ4の位相と同期した再生クロック7が出力される。
【0026】
VCO12もVCO11,13と同じ回路構成で実現できる。ただし、VCO12の場合、入力段のNANDの一方の入力端子がプルアップされ、NANDの他方の入力端子にはVCO12の出力クロックのみが入力されるようにしておけばよい。
【0027】
減衰器30は、VCO11とVCO13との間に挿入され、VCO11の出力クロックを減衰させてVCO13に入力する機能を有する。本実施の形態では、減衰器30を設けたことにより、ジッタの多い入力データ4が入力された場合においても、VCO13の自走発振周波数スペクトラムの純度を大幅に劣化させることなく、入力データ4に対して位相同期した再生クロック7を出力することができる。
【0028】
本実施の形態では、減衰器30として、抵抗素子などの受動素子を用いている。受動素子で構成できる減衰器30は、消費電力がゼロでかつ非常に小型に構成できるという利点がある。また、減衰器30は減衰量を高精度に設定できるとともにバッファ増幅器と比較して高歩留まりであり、電源電圧や環境温度に対する減衰量の変動も小さいため、CDR回路の高安定動作を実現することができる。
【0029】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4は本発明の第2の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態のCDR回路は、周波数比較器2と、F/F3と、ゲーティング回路10と、VCO11,12,13と、可変減衰器31とから構成される。
【0030】
図1に示した第1の実施の形態との相違は、減衰器30の代わりに、例えば可変抵抗素子などの可変減衰器31を用いたことである。本実施の形態によれば、可変減衰器31の減衰量を調整することにより、入力データ4の位相情報に対するCDR回路の応答時間とジッタの抑圧度とを個別に調整することができる。
【0031】
なお、第1、第2の実施の形態では、参照クロック5として入力データ4のデータレートと等しい周波数のクロックを使用したが、これに限るものではなく、VCO12の出力端子12cと周波数比較器2の入力端子2bとの間にVCO12の出力クロックを1/n(nは正の整数)に分周する分周器を挿入し、周波数比較器2の入力端子2aに入力データ4のデータレートの1/nの周波数の参照クロック5を入力するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、入力データに対して位相同期したクロックを再生し、このクロックにより入力データのリタイミングを行う技術に適用することができる。
【符号の説明】
【0033】
2…周波数比較器、3…フリップフロップ、4…入力データ、5…参照クロック、6…再生データ、7…再生クロック、8…制御信号、10…ゲーティング回路、11,12,13…VCO、30…減衰器、31…可変減衰器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力データのタイミングに合うように第1のクロックの位相を調整して、前記入力データとタイミングの合った第1のクロックを出力する第1の電圧制御発振器と、
前記第1のクロックのタイミングに合うように第2のクロックの位相を調整して、前記第1のクロックとタイミングの合った第2のクロックを出力する第2の電圧制御発振器と、
前記第1、第2の電圧制御発振器の発振周波数を制御する周波数制御信号を発生する周波数制御回路と、
前記第1の電圧制御発振器の出力端子と前記第2の電圧制御発振器の入力端子との間に挿入された減衰器とを備えることを特徴とするCDR回路。
【請求項2】
請求項1に記載のCDR回路において、
前記減衰器は、可変減衰器であることを特徴とするCDR回路。
【請求項3】
請求項1または2に記載のCDR回路において、
前記第1、第2の電圧制御発振器を同一構成としたことを特徴とするCDR回路。
【請求項4】
請求項3に記載のCDR回路において、
前記第1、第2の電圧制御発振器は、ゲーティッド電圧制御発振器であることを特徴とするCDR回路。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のCDR回路において、
さらに、前記入力データのデータ識別を前記第2のクロックに基づいて行うデータ識別回路を備えることを特徴とするCDR回路。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のCDR回路において、
さらに、前記入力データが遷移したときにパルスを出力するゲーティング回路を備え、
前記第1の電圧制御発振器は、前記ゲーティング回路の出力パルスのタイミングに合うように前記第1のクロックの位相を調整することにより、前記入力データのタイミングに合うように前記第1のクロックの位相を調整することを特徴とするCDR回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−155561(P2011−155561A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16502(P2010−16502)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】