説明

GPS衛星付携帯電話による道案内装置

【課題】 日本の主要市街地の訪問先を携帯電話によって道案内を行う装置に関する。
【解決手段】 現在のGPS衛星の測地性能だけに基づき、他の補助ハードウエア(例えば,加速度センサー等)を用いず、日本の主要市街地での訪問先の道案内を携帯電話の画面のイメージ道路地図によってリアルタイムで案内を行う装置を提供する。図1は、その主要な装置の概観図であり、携帯電話は必要が生じたときに、サーバーにアクセスし、提供されたデータを蓄積し、このデータを補完的に用いて、直接GPS衛星だけを利用して、人ナビゲーションをリアルタイムで行う状態を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日本の主要市街地の訪問先を携帯電話によって道案内を行う装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在のカーナビゲーション システムのメーカは、全て日本の主要都市の3次元地図を所有しており、個別の建物の敷地面積と高さの情報は分かっており、カーナビゲーション
システムのメーカは、日本の主要都市の駅(JR,私鉄,地下鉄)の出入口やバス乗場の位置情報をデータベースとして持っている。更に、日本の3つの携帯電話会社は、GPS機能を持つ携帯電話をサポートしている。
【0003】
人ナビゲーション システムを必要とするのは、主要都市のどこかを尋ねようとする人で、最寄駅から20分位しか歩かない.それ以上時間がかかるなら、より近い最寄駅を探し,そこから目的地へ歩き始める。
【0004】
GPS衛星が最低4つ見えないと位置計算は出来ない.日本の市街地では、GPS衛星が4つ以上見える地点は少ない。日本の都市域の問題は、辛うじて車がすれ違える2車線以下の道路が大半を占め,それらの道は曲がりくねっている事である。
【0005】
現行の携帯電話会社による位置サービスは、(1)計測地点でGPS衛星の確認、(2)緯度軽度の計算、(3)計測地点を中心とする地図画像の送信と表示の3段階からなる。
数分かかる。また、見えるGPS衛星数により精度が大きく異なる.処理時間が長いことと、精度の低さのため実用にならない。
このようにGPS衛星よる詳細な道案内のサービスとそれを提供する装置は存在しないが、本提案する道案内装置は、上記のこれらの機能と上記の問題点を解決することで新たな機能を持った装置を提供する。
【発明の開示】

【課題を解決するための課題】
【0006】
現在のGPS衛星の測地性能だけに基づき、他の補助ハードウエア(例えば,加速度センサー等)を用いず、日本の主要市街地での訪問先の道案内を携帯電話の画面のイメージ道路地図によってリアルタイムで案内を行う装置の提案に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
現在の日本の人口20万以上の都市は、1階平屋の建物から,10数階のビルが混在した状態である。地点により、見えるGPS衛星の数は0から6まで変化する。例えば20mメッシュで都市域を碁盤目に区切った時そのメッシュに存在する建物の高さと占有面積により、GPS衛星が幾つ見えるかは推定できる。 推定方法は、特定メッシュの中の道路中央部で、上空を見上げる70度の空間角度で定義される逆円錐形が、どの程度周囲の建物に遮られているか。その結果として,理想的には360度上空が見えるはずが、現実には何度しか見えないかで、見えるGPS衛星の数が決定される。この見えるGPS衛星数をメッシュ地図上に示す。
メッシュ地図の作成は、仮に20mメッシュで都市域を碁盤目に区切る。特定のメッシュで見える平均的なGPS衛星の数をGとする。メッシュの左上隅の座標は、その都市の主要な駅の主要な出口の緯度軽度に対して相対的な座標で指定される。1つのメッシュは,左上隅の座標値x、y,衛星の数Gという3つの値でユニークなものになる。この3つの値で定義される複数のメッシュで、ある都市域は定義される。また、その都市域の主要な駅出口とバス乗場周辺は,より細かいメッシュで定義される(例えば5mメッシュ)。このメッシュ地図を,各携帯電話会社のサーバーに置くことで、地図データのサイズは小さなものになる。
【0008】
主要駅バス停の名称と、訪問先の地名の2つが与えられたら駅と目的地の間に存在する歩行できる2車線以上の大きさの道路網を示す地図イメージを、サーバーが計算して、駅と目的地の間の主要道路地図を利用者の携帯電話に送付する。その概略図を図1(a)示す。
【0009】
予め,利用者の歩く速度として、平地を普通の速度で歩く場合の速度、坂道を登る場合の速度など3ー4種類の歩行速度を計測しておき、それらをデータベースとして携帯電話のメモリに常在させることで、利用者の都市の中を歩き回る速度データに利用する機能を持たせる。
【0010】
全国の住所から目的地を迅速に検索して必要なメッシュ地図を選択して、携帯電話のメモリにデータ転送し常在させる機能を有する。
【0011】
予備入力として、本道案内システムの利用者は、何々会社とか何々オフィス(東京都新宿区四谷3丁目で地下鉄四谷三丁目駅付近)というように予め目的地が大体分かっている。それで、訪問予定が決まれば,前日でも,当日の乗り物の中ででも、予め東京都新宿区四谷3丁目周辺10キロ四方位のデータを読み込んでおく。このメッシュデータは小さいので、携帯電話のメモリに目的地に到達するまで、置いておける。
【0012】
特定の駅出口またはバス停留所で、第2段階目のプログラムを起動し、今現在の位置を確認する機能を有する。
【0013】
第2段階目のプログラムで、「計測スタート」ボタンを押して歩き始める。交差点で1分位停止する場合,「一時歩行停止」ボタンを押す。再び歩き始めるとき、「一時歩行停止」ボタンを押すと、計測が再開され、GPS衛星を利用して、人ナビゲーションをリアルタイムで行う機能を有する。その概略図を図1(b)示す。また、その稼動部の具体的な処理方法は、図2に示す。
【発明の効果】
【0014】
本提供する装置は、複雑な都市構造の中で、軽帯電話を持っている人々に手軽で正確な道案内を提供するものであり、現代ある携帯電話に新たな機能を追加することができ、其の効果は大きい。
【発明の実施するための最良の形態】
【0015】
本システムは、プログラムを2段階に分けて作動させる。すなわち、このプログラムの第1段階にあたるエージェントプログラムを起動して、目的地周辺のメッシュ地図データを読み込む。
【0015】
目的地と最寄りの駅またはバス停を含む2車線以上の大きさの道路は、細い線分として表示されるように、携帯の表示画面のサイズの画像を準備して、携帯のメモリに常在する。すると、道路にそって,衛星が幾つ見えるかというメッシュ情報が予め準備される。いくつかの可能な道筋の内,利用者は,どれか1つの道筋にそって歩き始める事が,予想される。日本の都市域の問題は、辛うじて車がすれ違える2車線以下の道路が大半を占め,それらの道は曲がりくねっている事である。
【0016】
駅出口またはバス停留所周辺は、小さな広場であり、GPS衛星は5つ以上見える。特定の駅出口またはバス停留所で、第2段階目のプログラムを起動する。今現在の位置を確認する.このデータと、予め携帯電話メモリに読み込んでおいたメッシュ地図データから、主発点(駅出口)と目的地の間の道路網地図を計算する。第2段階目のプログラムは、今GPS衛星が幾つ見えるかを測定する関数だけが、作動し続ける。現在のGPS衛星の数の数列と、第1段階のプログラムで予めメモリに常在させておいたメッシュ情報とのマッチングを行い続ける。
【0017】
情報出力としては、出発地点と目的地の間の,今どのあたりにいるかを示すマークを携帯電話の画面上に表示する、ただし、道路網画像は変化させない。エラー警告として、例えば,間違った角で折れてしまったら,マッチング計算から「1筋手前の道を曲がってしまった!」という警告メッセージがビープ音と共に表示する。いよいよ目的地の近く20m位になれば、「目的地はこの付近です」というメッセージが,異る音と共に目的地到着の合図として表示する。
【0018】
携帯電話会社は、サーバー上に、上記の機能を実現するサーバー上のデータベースの管理と、エージェント機能による特定地図の計算と送信を行う。また、利用者の携帯電話上での必要なメモリ管理と計算プログラムの常在管理(第1段階のプログラム「情報入力と処理」がコールされた時に、第2段階で必要なデータと処理プログラムを送信する。このデータと処理プログラムは,一定時間後携帯電話会社のサーバーからの送信で消去される)は、カーナビゲーション メーカのとの連携によって行われる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本提案するシステムの概観図であり、携帯電話は、そのメモリに、サーバーから提供されたデータを蓄積し、このデータを補完的に用いて、直接GPS衛星を利用して、人ナビゲーションをリアルタイムで行う状態の概観図を示す。
【図2】図2は、そのためのシステムの稼動部の処理手順を示す。
【符号の説明】
【0020】
(1)携帯電話
(2)サーバー
(3)GPS衛星
(4)市街地建物
(5)道路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在のGPS衛星の測地性能だけに基づき他の補助ハードウエア(例えば,加速度センサー等)を用いず,日本の主要市街地での携帯電話による道案内(人ナビゲーション)装置
【請求項2】
訪問先の地名の主要駅バス停の名称の2つ情報を携帯電話から与えると、駅と目的地の間に存在する歩行できる道路イメージ地図を作成する機能を有し、都市の構造物によって訪れる人からは衛星が殆んど見えない場所でも、メッシュ地図上に見える衛星数を計算推定し、それをもちいて道案内可能な歩行道路探し出し示す機能を有する請求項1に記載の道案内装置
【請求項3】
利用者の歩く速度データを利用、予め、利用者の様々な状態の歩く速度は計測しておき、それらを帯電話のメモリの常在させる機能を有し、それをもちいて利用者の携帯電話に送付し、訪問到達時間を推定しながら、訪問地まで携帯電話により道案内を行う機能を有する請求項1に記載の道案内装置
【請求項4】
全国の住所から、訪問地のメッシュ地図データを敏速に検索し、そのデータを携帯電話に転送し、その中から必要なメッシュ地図を選択して、携帯電話のメモリに常在させる機能を有する請求項1に記載の道案内装置

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−40947(P2007−40947A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−250231(P2005−250231)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(597150496)
【Fターム(参考)】