説明

MEMSセンサ

【課題】SOI基板を用いずに製造することができ、かつ、分離層を必要としない、MEMSセンサを提供する。
【解決手段】シリコン基板2に凹部4が形成されており、その凹部4内に固定電極5および可動電極6が配置されている。固定電極5および可動電極6は、シリコン基板2の材料であるシリコン材料ではなく、タングステンからなり、シリコン基板2のパターニングにより形成されるものではない。そのため、シリコン基板2が高導電性を有している必要がない。したがって、高導電性のシリコン層を備えるSOI基板を用いなくても、低導電性のシリコン基板2を用いて、加速度センサ1を製造することができる。シリコン基板2が高導電性を有していないので、固定電極5および可動電極6が形成される領域をその周囲から絶縁分離する必要がない。そのため、その絶縁分離のための分離層を必要としない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により製造されるセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、MEMSセンサの注目度が急激に高まっている。MEMSセンサの代表的なものとして、たとえば、物体の加速度を検出するための加速度センサが知られている。
従来の加速度センサは、SOI(Silicon On Insulator)基板を用いて製造される。SOI基板は、たとえば、シリコン基板上に、SiO(酸化シリコン)からなるBOX(Buried Oxide)層およびシリコン層がこの順に積層された構造を有している。シリコン層には、P型またはN型の不純物が高濃度にドーピングされており、シリコン層は、高導電性(低抵抗)を有している。
【0003】
加速度センサは、固定電極および可動電極を備えている。固定電極および可動電極は、SOI基板のシリコン層のパターニングにより、それぞれシリコン層の厚さ方向およびその直交方向に延びる板状に形成され、互いに微小な間隔を空けて平行に設けられている。固定電極は、BOX層を介して、シリコン基板に支持されている。可動電極は、その下方からBOX層が除去されることにより、シリコン基板から浮いた状態になっている。
【0004】
固定電極および可動電極は、たとえば、それらの対向方向(この項において、単に「対向方向」という。)の加速度を検出するためのコンデンサを構成する。加速度センサ(加速度センサが搭載される物体)に対向方向の加速度が生じると、可動電極が対向方向に変位し、固定電極と可動電極との間隔が変化する。固定電極と可動電極との間隔の変化に伴って、固定電極および可動電極からなるコンデンサの静電容量が変化するので、その静電容量の変化量に基づいて、加速度センサに生じた対向方向の加速度の大きさを検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−336146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、SOI基板が比較的高価であるため、従来の加速度センサは、コストが高くつく。
また、シリコン層が高導電性を有しているので、従来の加速度センサは、固定電極および可動電極が形成される領域を周囲から電気的に分離するための分離層を必要とする。分離層は、たとえば、固定電極および可動電極が形成される領域の周囲を取り囲む環状のトレンチに絶縁材料を埋設した構造を有している。この分離層が不要であれば、加速度センサのサイズを分離層の占有分だけ縮小することができる。しかも、分離層を形成するための工程が省略されるので、加速度センサの製造に用いられるフォトマスクの数(レイヤ数)を減らすことができる。
【0007】
本発明の目的は、SOI基板を用いずに製造することができ、かつ、分離層を必要としない、MEMSセンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するための請求項1記載のMEMSセンサは、シリコン材料からなり、その表面から掘り下がった凹部を有する基板と、金属材料からなり、前記凹部内に配置され、前記基板に対して固定された固定電極と、金属材料からなり、前記凹部内に前記固定電極に対向して配置され、前記固定電極に対して変位可能に設けられた可動電極とを備えている。
【0009】
このMEMSセンサでは、基板に凹部が形成されており、その凹部内に固定電極および可動電極が配置されている。固定電極および可動電極は、基板の材料であるシリコン材料ではなく、金属材料からなり、基板をパターニングすることにより形成されるものではない。そのため、基板が高導電性を有している必要がない。したがって、高導電性のシリコン層を備えるSOI基板を用いなくても、不純物がドーピングされていない低導電性(高抵抗)のシリコン基板を用いて、MEMSセンサを製造することができる。
【0010】
また、基板が高導電性を有していないので、固定電極および可動電極が形成される領域をその周囲から絶縁分離する必要がない。そのため、その絶縁分離のための分離層を必要としない。その結果、MEMSセンサのサイズを分離層の占有分だけ縮小することができる。また、分離層を形成するための工程を省略することができ、MEMSセンサの製造工程を簡素化することができる。さらに、分離層を形成するためのフォトマスクが不要であるので、MEMSセンサの製造に用いられるフォトマスクの数を減らすことができる。
【0011】
請求項2に記載のように、固定電極および可動電極は、凹部の深さ方向およびその直交方向に延びる板状に形成され、基板の表面と平行な方向に互いに対向していてもよい。この場合、基板に固定電極形成用溝および可動電極形成用溝をその表面から掘り下げて形成し、各溝に金属材料を堆積させた後、それらの溝間から基板を除去することにより、金属材料からなる固定電極および可動電極を容易に形成することができる。
【0012】
請求項3に記載のように、固定電極における可動電極との対向面および可動電極における固定電極との対向面が絶縁膜で被覆されていることが好ましい。これにより、固定電極と可動電極との接触による短絡を防止することができる。
さらに、請求項4に記載のように、絶縁膜の表面に、波状の凹凸が形成されていることがより好ましい。これにより、可動電極が変位(振動)したときに、絶縁膜の表面の凹凸が可動電極の揺れ止めとして機能し、可動電極が固定電極に貼り付くことを防止できる。基板に固定電極形成用溝および可動電極形成用溝を形成し、これらの溝に絶縁膜を介して金属材料を堆積させることにより、表面に絶縁膜を有する固定電極および可動電極が形成される場合、ボッシュプロセスにより溝を形成することによって、溝の側面にスキャロップが形成されるので、絶縁膜の表面に凹凸が必然的に形成される。
【0013】
請求項5に記載のように、可動電極は、固定電極との対向方向に変位し、当該対向方向の加速度を検出するための第1可動電極を含んでいてもよい。固定電極と第1可動電極とにより、それらの対向方向の加速度を検出するためのコンデンサが構成され、このコンデンサの静電容量の変化量に基づいて、その対向方向の加速度の大きさを検出することができる。
【0014】
また、請求項6に記載のように、可動電極は、凹部の深さ方向に変位し、当該深さ方向の加速度を検出するための第2可動電極を含んでいてもよい。固定電極と第2可動電極とにより、凹部の深さ方向の加速度を検出するためのコンデンサが構成され、このコンデンサの静電容量の変化量に基づいて、その深さ方向の加速度の大きさを検出することができる。
【0015】
さらに、請求項7に記載のように、第2可動電極における凹部の底面と対向する面と反対側の面には、金属材料が付着しており、この金属材料の付着により、第2可動電極が固定電極に対して凹部の深さ方向に位置がずれていてもよい。第2可動電極が固定電極に対して位置ずれしている状態から第2可動電極が変位したときに、固定電極および第2可動電極により構成されるコンデンサの静電容量が増加したか減少したかによって、加速度の向きを検出することができる。
【0016】
また、請求項8に記載のように、可動電極が固定電極との対向方向に変位し、凹部に入射した音波を検出するためのものであってもよい。固定電極と可動電極とにより、音波を検出するためのコンデンサが構成され、このコンデンサの静電容量の変化量に基づいて、音波の強弱および周波数を検出することができる。
この場合、請求項9に記載のように、凹部よりも基板の基層側に、凹部と連通する音波反射用空間が形成されていることが好ましい。音波反射用空間が形成されていることにより、凹部を介して音波反射用空間に入射した音波をその内面で反射させて、その反射波を可動電極に入射させることができる。したがって、音波をより良好に検出することができる。
【0017】
また、請求項10に記載のように、固定電極および可動電極の材料がタングステンであることが好ましい。この場合、基板に固定電極形成用溝および可動電極形成用溝を形成した後、めっき法およびCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法のどちらの方法であっても、各溝にタングステンを堆積させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る加速度センサの平面図であり、電極構造が図解的に示されている。
【図2】図2は、図1に示す加速度センサを切断線II−IIで切断したときの模式的な断面図である。
【図3A】図3Aは、図2に示す加速度センサの製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図3B】図3Bは、図3Aの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図3C】図3Cは、図3Bの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図3D】図3Dは、図3Cの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図3E】図3Eは、図3Dの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図3F】図3Fは、図3Eの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図3G】図3Gは、図3Fの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図3H】図3Hは、図3Gの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図3I】図3Iは、図3Hの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図3J】図3Jは、図3Iの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図3K】図3Kは、図3Jの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図3L】図3Lは、図3Kの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図3M】図3Mは、図3Lの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図3N】図3Nは、図3Mの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図3O】図3Oは、図3Nの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図3P】図3Pは、図3Oの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図3Q】図3Qは、図3Pの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4】図4は、固定電極および可動電極の側面近傍を拡大して示す模式的な断面図である。
【図5】図5は、本発明の第2実施形態に係るシリコンマイクの模式的な断面図である。
【図6A】図6Aは、図5に示す加速度センサの製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図6B】図6Bは、図6Aの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図6C】図6Cは、図6Bの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図6D】図6Dは、図6Cの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図6E】図6Eは、図6Dの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図6F】図6Fは、図6Eの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図6G】図6Gは、図6Fの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図6H】図6Hは、図6Gの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図6I】図6Iは、図6Hの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図6J】図6Jは、図6Iの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図6K】図6Kは、図6Jの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図6L】図6Lは、図6Kの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図6M】図6Mは、図6Lの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図6N】図6Nは、図6Mの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図6O】図6Oは、図6Nの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図6P】図6Pは、図6Oの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図6Q】図6Qは、図6Pの次の工程を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る加速度センサの平面図であり、電極構造が図解的に示されている。図2は、図1に示す加速度センサを切断線II−IIで切断したときの模式的な断面図である。
加速度センサ1は、MEMS技術により製造されるセンサ(MEMSセンサ)である。
【0020】
図2に示すように、加速度センサ1は、平面視四角形状のシリコン基板2を備えている。シリコン基板2は、不純物がドーピングされていない高抵抗(低導電性)基板である。
シリコン基板2の表層部には、SiOからなる絶縁層3が形成されている。
シリコン基板2には、平面視四角形状の凹部4が形成されている。凹部4は、絶縁層3の表面から掘り下がっている。
【0021】
凹部4内には、固定電極5および可動電極6が設けられている。固定電極5および可動電極6は、W(タングステン)からなり、それぞれ凹部4の深さ方向およびその直交方向に延びる板状に形成されている。固定電極5と可動電極6とは、シリコン基板2の表面と平行なX軸方向に微小な間隔を空けて対向している。そして、固定電極5および可動電極6は、それぞれ複数設けられ、X軸方向に交互に配置されている。
【0022】
X軸方向の一方側(図1,2における右側)からそれぞれ複数の固定電極5Xおよび可動電極6Xは、X軸方向の加速度を検出するためのコンデンサを構成している。
図1に示すように、X軸方向の加速度を検出するための各固定電極5Xは、シリコン基板2から浮いた状態であるが、シリコン基板2に対して固定的に設けられている。各固定電極5Xの一端部は、固定電極5Xと同じ金属材料からなる連結部7により連結されている。これにより、固定電極5Xおよび連結部7は、各固定電極5Xを櫛歯とする櫛状構造をなしている。連結部7には、シリコン基板2に埋設された引出部8が接続されている。引出部8は、連結部7と一体的に形成されている。そして、引出部8は、絶縁層3上に設けられるパッド9にその下方から接続されている。
【0023】
X軸方向の加速度を検出するための各可動電極6Xは、シリコン基板2から浮いた状態で、X軸方向に振動可能に設けられている。各可動電極6Xの一端部は、可動電極6Xと同じ金属材料からなる連結部10により連結されている。連結部10は、可動電極6Xに対して連結部7と反対側に設けられている。これにより、可動電極6Xおよび連結部10は、各可動電極6Xを櫛歯とし、固定電極5Xおよび連結部7がなす櫛状構造と互いの櫛歯が接触せずに噛み合うような櫛状構造をなしている。連結部10には、シリコン基板2に埋設された引出部11が接続されている。引出部11は、連結部10と一体的に形成されている。そして、引出部11は、絶縁層3上に設けられるパッド12にその下方から接続されている。
【0024】
残りの固定電極5Zおよび可動電極6Zは、シリコン基板2の表面に垂直なZ軸方向の加速度を検出するためのコンデンサを構成している。
Z軸方向の加速度を検出するための各固定電極5Zは、シリコン基板2(凹部4の底面)から浮いた状態であるが、シリコン基板2に対して固定的に設けられている。各固定電極5Zの一端部は、固定電極5Zと同じ金属材料からなる連結部13により連結されている。これにより、固定電極5Zおよび連結部13は、各固定電極5Zを櫛歯とする櫛状構造をなしている。連結部13には、シリコン基板2に埋設された引出部14が接続されている。引出部14は、連結部13と一体的に形成されている。そして、引出部14は、絶縁層3上に設けられるパッド15にその下方から接続されている。
【0025】
Z軸方向の加速度を検出するための各可動電極6Zは、シリコン基板2から浮いた状態で、Z軸方向に振動可能に設けられている。各可動電極6Zの一端部は、可動電極6Zと同じ金属材料からなる連結部10により連結されている。連結部16は、可動電極6Zに対して連結部13と反対側に設けられている。これにより、可動電極6Zおよび連結部16は、各可動電極6Zを櫛歯とし、固定電極5および連結部13がなす櫛状構造と互いの櫛歯が接触せずに噛み合うような櫛状構造をなしている。連結部16には、シリコン基板2に埋設された引出部17が接続されている。引出部17は、連結部16と一体的に形成されている。そして、引出部17は、絶縁層3上に設けられるパッド18にその下方から接続されている。
【0026】
各パッド9,12,15,18は、金属材料(たとえば、Al(アルミニウム))からなり、平面視四角形状をなしている。
図2に示すように、各可動電極6Z上には、パッド9,12,15,18と同じ金属材料19が付着している。金属材料19と可動電極6Zとの張力差により、図2には現れていないが、可動電極6Zは、シリコン基板2側に凸となるように反り変形し、固定電極5Zに対してZ軸方向の上側(シリコン基板2から離れる方向)に位置が若干ずれている。
【0027】
各固定電極5、各可動電極6、各連結部7,10,13,16および各引出部8,11,14,17の側面および下面は、バリア膜20により被覆されている。バリア膜20は、たとえば、Ti(チタン)/TiN(窒化チタン)の積層膜またはTi/Wの積層膜である。さらに、バリア膜20の外側は、絶縁膜21により被覆されている。絶縁膜21は、たとえば、SiOからなる。
【0028】
シリコン基板2上には、表面保護膜22が積層されている。表面保護膜22は、たとえば、SiN(窒化シリコン)からなる。表面保護膜22には、各パッド9,12,15,18を個別に露出させるための開口23が形成されており、各開口23を介して、各パッド9,12,15,18に外部配線(図示せず)を接続することができるようになっている。
【0029】
加速度センサ1(加速度センサ1が搭載される物体)にX軸方向の加速度が生じ、各可動電極6XがX軸方向に変位すると、固定電極5Xと可動電極6Xとの間隔が変化し、固定電極5Xおよび可動電極6Xにより構成されるコンデンサの静電容量が変化する。この静電容量の変化により、パッド9,12にそれぞれ接続された外部配線に、静電容量の変化量に応じた電流が流れる。したがって、その電流値に基づいて、加速度センサ1に生じたX軸方向の加速度の大きさを検出することができる。
【0030】
また、加速度センサ1にZ軸方向の加速度が生じ、可動電極6ZがZ軸方向に変位すると、固定電極5Zと可動電極6Zとの対向面積が変化し、固定電極5Zおよび可動電極6Zにより構成されるコンデンサの静電容量が変化する。加速度が生じる前の状態で、可動電極6Zの位置が固定電極5Zに対してZ軸方向の上側に若干ずれているので、可動電極6ZがZ軸方向の下側に変位すると、固定電極5Zと可動電極6Zとの対向面積が増すので、コンデンサの静電容量が増す。逆に、可動電極6ZがZ軸方向の上側に変位すると、固定電極5Zと可動電極6Zとの対向面積が減るので、コンデンサの静電容量が減る。そして、静電容量の変化により、パッド15,18にそれぞれ接続された外部配線に、静電容量の変化量に応じた電流が流れる。したがって、その電流の向きおよび値に基づいて、加速度センサ1に生じたZ軸方向の加速度の向きおよび大きさを検出することができる。
【0031】
なお、X軸方向およびZ軸方向と直交するY軸方向に対向する固定電極および可動電極が追加して設けられ、それらの固定電極および可動電極からなるコンデンサの静電容量の変化に基づいて、加速度センサ1に生じたY軸方向の加速度の向きおよび大きさが検出可能とされてもよい。
図3A〜3Qは、図2に示す加速度センサの製造工程を順に示す模式的な断面図である。
【0032】
加速度センサ1の製造工程では、まず、図3Aに示すように、熱酸化法により、シリコン基板2の表面全域が酸化され、シリコン基板2の表層部として、シリコン酸化層31が形成される。
次に、図3Bに示すように、フォトリソグラフィにより、シリコン酸化層31上に、レジストパターン32が形成される。
【0033】
そして、図3Cに示すように、レジストパターン32をマスクとするエッチングにより、シリコン酸化層31が選択的に除去される。その結果、シリコン酸化層31は、絶縁層3となる。
つづいて、図3Dに示すように、レジストパターン32をマスクとするディープRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)により、具体的にはボッシュプロセスにより、シリコン基板2にトレンチ33が形成される。ボッシュプロセスでは、SF(六フッ化硫黄)を使用してシリコン基板2をエッチングする工程と、C(パーフルオロシクロブタン)を使用してエッチング面に保護膜を形成する工程とが交互に繰り返される。これにより、高いアスペクト比でシリコン基板2をエッチングすることができるが、エッチング面(トレンチ33の側面)にスキャロップと呼ばれる波状の凹凸が形成される。
【0034】
その後、図3Eに示すように、アッシングにより、レジストパターン32が除去される。
次いで、図3Fに示すように、熱酸化法またはPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法により、トレンチ33の内面を含むシリコン基板2の表面全域に、絶縁膜21が形成される。
【0035】
その後、図3Gに示すように、スパッタ法により、絶縁膜21上に、バリア膜20が形成される。
バリア膜20の形成後、図3Hに示すように、めっき法またはCVD法により、そのバリア膜20上に、固定電極5および可動電極6の材料であるWの堆積層34が形成される。この堆積層34は、トレンチ33内を完全に埋め尽くすような厚さに形成される。
【0036】
そして、図3Iに示すように、エッチバックにより、堆積層34のトレンチ33外の部分が除去される。その結果、トレンチ33内にW(堆積層34)が埋設された状態となり、そのWからなる固定電極5、可動電極6、連結部7,10,13,16および引出部8,11,14,17が得られる。また、エッチバックにより、バリア膜20のトレンチ33外の部分も堆積層34とともに除去される。したがって、固定電極5、可動電極6、連結部7,10,13,16および引出部8,11,14,17の各上面は、トレンチ33外で露出した絶縁膜21の表面とほぼ面一をなす。
【0037】
その後、図3Jに示すように、スパッタ法により、シリコン基板2上の全域に、パッド9,12,15,18の材料からなる金属膜35が形成される。
そして、図3Kに示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、金属膜35がパターニングされて、パッド9,12,15,18が形成されるとともに、各可動電極6Z上に金属材料19(金属膜35)が残される。
【0038】
その後、図3Lに示すように、PECVD法により、シリコン基板2上の全域に、表面保護膜22が形成される。
次いで、図3Mに示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、表面保護膜22に、各パッド9,12,15,18を露出させるための開口23が形成される。
開口23の形成後、図3Nに示すように、フォトリソグラフィにより、表面保護膜22上に、レジストパターン36が形成される。レジストパターン36は、固定電極5と可動電極6との各間に対向する開口37を有している。
【0039】
レジストパターン36の形成後、図3Oに示すように、エッチングにより、表面保護膜22における開口37を介して露出する部分が除去される。この表面保護膜22の選択的な除去により、絶縁層3が開口37を介して部分的に露出する。つづいて、エッチングにより、その絶縁層3における開口37を介して露出する部分が除去される。その結果、シリコン基板2の表面が開口37を介して部分的に露出する。
【0040】
その後、図3Pに示すように、異方性のディープRIEにより、シリコン基板2における開口37を介して露出する部分が厚さ方向に掘り下げられる。これにより、固定電極5および可動電極6の各間からシリコン基板2が除去され、固定電極5および可動電極6の各間に、トレンチ38が形成される。トレンチ38は、その底部が固定電極5および可動電極6よりも下方に位置するような深さに形成される。
【0041】
つづいて、図3Qに示すように、等方性のディープRIEにより、トレンチ38を介して、シリコン基板2における固定電極5および可動電極6の下方の部分が除去される。これにより、シリコン基板2に凹部4が形成され、固定電極5および可動電極6がシリコン基板2から浮いた状態となる。そして、凹部4の形成後、アッシングにより、レジストパターン36が除去されて、図2に示す加速度センサ1が得られる。
【0042】
以上のように、加速度センサ1では、シリコン基板2に凹部4が形成されており、その凹部4内に固定電極5および可動電極6が配置されている。固定電極5および可動電極6は、シリコン基板2の材料であるシリコン材料ではなく、タングステンからなり、シリコン基板2をパターニングすることにより形成されるものではない。そのため、シリコン基板2が高導電性を有している必要がない。したがって、高導電性のシリコン層を備えるSOI基板を用いなくても、不純物がドーピングされていない低導電性(高抵抗)のシリコン基板2を用いて、加速度センサ1を製造することができる。
【0043】
また、シリコン基板2が高導電性を有していないので、固定電極5および可動電極6が形成される領域をその周囲から絶縁分離する必要がない。そのため、その絶縁分離のための分離層を必要としない。その結果、加速度センサ1のサイズを分離層の占有分だけ縮小することができる。また、分離層を形成するための工程を省略することができ、加速度センサ1の製造工程を簡素化することができる。さらに、分離層を形成するためのフォトマスクが不要であるので、加速度センサ1の製造に用いられるフォトマスクの数を減らすことができる。
【0044】
また、固定電極5および可動電極6の側面が絶縁膜21で被覆されているので、固定電極5と可動電極6との接触による短絡を防止することができる。
さらに、加速度センサ1の製造工程では、ボッシュプロセスにより、シリコン基板2にトレンチ33が形成され、このトレンチ33内に絶縁膜21を介して固定電極5および可動電極6が埋設される。ボッシュプロセスでは、トレンチ33の側面に、スキャロップと呼ばれる波状の凹凸が形成される。そのため、図4に示すように、固定電極5および可動電極6を被覆する絶縁膜21の側面には、スキャロップに対応した波状の凹凸が必然的に形成される。絶縁膜21の側面の凹凸は、可動電極6が変位(振動)したときに、可動電極6の揺れ止めとして機能する。その結果、可動電極6が固定電極5に貼り付くことを防止できる。
【0045】
図5は、本発明の第2実施形態に係るシリコンマイクの模式的な断面図である。
シリコンマイク51は、MEMS技術により製造されるセンサ(MEMSセンサ)である。
シリコンマイク51は、平面視四角形状のシリコン基板52を備えている。シリコン基板52は、不純物がドーピングされていない高抵抗(低導電性)基板である。
【0046】
シリコン基板52の表層部には、SiOからなる絶縁層53が形成されている。
シリコン基板52には、平面視四角形状の凹部54が形成されている。凹部54は、絶縁層53の表面から掘り下がっている。
凹部54内には、固定電極55(バックプレート)および可動電極56(ダイヤフラム)が設けられている。固定電極55および可動電極56は、W(タングステン)からなり、それぞれ凹部54の深さ方向およびその直交方向に延びる板状に形成されている。固定電極55と可動電極56とは、シリコン基板52の表面と平行なX軸方向に微小な間隔を空けて対向している。
【0047】
また、シリコン基板52には、2つのトレンチ57が形成されている。各トレンチ57には、固定電極55および可動電極56と同じ金属材料からなる引出部58が埋設されている。引出部58は、それぞれ固定電極55および可動電極56と一体的に形成され、絶縁層53上に設けられるパッド59にその下方から接続されている。各パッド59は、金属材料(たとえば、Al)からなり、平面視四角形状をなしている。なお、図5では、1つの引出部58およびこれと接続されたパッド59のみが示されている。
【0048】
固定電極55、可動電極56および各引出部58の側面および下面は、バリア膜60により被覆されている。バリア膜60は、たとえば、Ti(チタン)/TiN(窒化チタン)の積層膜またはTi/Wの積層膜である。さらに、バリア膜60の外側は、絶縁膜61により被覆されている。絶縁膜61は、たとえば、SiOからなる。
また、シリコン基板52には、凹部54の下方(シリコン基板52の基層側)に、凹部54と連通する断面楕円形状の音波反射用空間62が形成されている。
【0049】
シリコン基板52上には、表面保護膜63が積層されている。表面保護膜63は、たとえば、SiN(窒化シリコン)からなる。表面保護膜63には、各パッド59を個別に露出させるための開口64が形成されており、各開口64を介して、各パッド59に外部配線(図示せず)を接続することができるようになっている。
シリコンマイク51では、凹部54を介して、音波反射用空間62に音波が入射する。音波反射用空間62に入射した音波は、音波反射用空間62の内面で反射し、可動電極56に入射する。これにより、可動電極56が固定電極55との対向方向に振動し、固定電極55と可動電極56との間隔が変化することにより、固定電極55および可動電極56により構成されるコンデンサの静電容量が変化する。この静電容量の変化により、パッド59にそれぞれ接続された外部配線に、静電容量の変化量に応じた電流が流れる。したがって、その電流値に基づいて、音波の強弱および周波数を検出することができる。
【0050】
図6A〜6Qは、図5に示す加速度センサの製造工程を順に示す模式的な断面図である。
シリコンマイク51の製造工程では、まず、図6Aに示すように、熱酸化法により、シリコン基板52の表面全域が酸化され、シリコン基板52の表層部として、シリコン酸化層71が形成される。
【0051】
次に、図6Bに示すように、フォトリソグラフィにより、シリコン酸化層31上に、レジストパターン72が形成される。
そして、図6Cに示すように、レジストパターン72をマスクとするエッチングにより、シリコン酸化層71が選択的に除去される。その結果、シリコン酸化層71は、絶縁層53となる。
【0052】
つづいて、図6Dに示すように、レジストパターン72をマスクとするディープRIEにより、具体的にはボッシュプロセスにより、シリコン基板52にトレンチ57,73が形成される。ボッシュプロセスでは、SFを使用してシリコン基板52をエッチングする工程と、Cを使用してエッチング面に保護膜を形成する工程とが交互に繰り返される。これにより、高いアスペクト比でシリコン基板52をエッチングすることができるが、エッチング面(トレンチ57,73の側面)にスキャロップと呼ばれる波状の凹凸が形成される。
【0053】
その後、図6Eに示すように、アッシングにより、レジストパターン72が除去される。
次いで、図6Fに示すように、熱酸化法またはPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法により、トレンチ57,73の内面を含むシリコン基板52の表面全域に、絶縁膜61が形成される。
【0054】
その後、図6Gに示すように、スパッタ法により、絶縁膜61上に、バリア膜60が形成される。
バリア膜60の形成後、図6Hに示すように、めっき法またはCVD法により、そのバリア膜60上に、固定電極5および可動電極6の材料であるWの堆積層74が形成される。この堆積層74は、トレンチ57,73内を完全に埋め尽くすような厚さに形成される。
【0055】
そして、図6Iに示すように、エッチバックにより、堆積層74のトレンチ57,73外の部分が除去される。その結果、トレンチ73内にW(堆積層74)が埋設された状態となり、そのWからなる固定電極55、可動電極56および引出部58が得られる。固定電極55、可動電極56および引出部58の各上面は、トレンチ57,73外で露出したバリア膜60の表面とほぼ面一をなす。
【0056】
その後、図6Jに示すように、スパッタ法により、シリコン基板52上の全域に、パッド59の材料からなる金属膜75が形成される。
そして、図6Kに示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、金属膜75がパターニングされて、パッド59が形成される。このとき、バリア膜60および絶縁膜61のトレンチ57,73外の部分も除去される。
【0057】
その後、図6Lに示すように、PECVD法により、シリコン基板52上の全域に、表面保護膜63が形成される。
次いで、図6Mに示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、表面保護膜63に、各パッド59を露出させるための開口64が形成される。
開口64の形成後、図6Nに示すように、フォトリソグラフィにより、表面保護膜63上に、レジストパターン76が形成される。レジストパターン76は、固定電極55と可動電極56との間およびその反対側の所定幅の領域にそれぞれ対向する開口77を有している。すなわち、開口77は、可動電極56のX軸方向の両側の領域にそれぞれ対向している。
【0058】
レジストパターン76の形成後、図6Oに示すように、エッチングにより、表面保護膜63における開口77を介して露出する部分が除去される。この表面保護膜63の選択的な除去により、絶縁層53が開口77を介して部分的に露出する。つづいて、エッチングにより、その絶縁層53における開口77を介して露出する部分が除去される。その結果、シリコン基板52の表面が開口77を介して部分的に露出する。
【0059】
その後、図6Pに示すように、異方性のディープRIEにより、シリコン基板52における開口77を介して露出する部分が厚さ方向に掘り下げられる。これにより、固定電極55および可動電極56の各間からシリコン基板52が除去され、固定電極55および可動電極56の各間に、トレンチ78が形成される。トレンチ78は、その底部が固定電極55および可動電極56よりも下方に位置するような深さに形成される。
【0060】
つづいて、図6Qに示すように、等方性のディープRIEにより、トレンチ78を介して、シリコン基板52における固定電極55および可動電極56の下方の部分が除去される。これにより、固定電極55および可動電極56が配置される凹部54が形成されるとともに、その凹部54と連通する音波反射用空間62が形成される。そして、凹部54および音波反射用空間62の形成後、アッシングにより、レジストパターン76が除去されて、図5に示すシリコンマイク51が得られる。
【0061】
以上のように、シリコンマイク51では、シリコン基板52に凹部54が形成されており、その凹部54内に固定電極55および可動電極56が配置されている。固定電極55および可動電極56は、シリコン基板52の材料であるシリコン材料ではなく、タングステンからなり、シリコン基板52をパターニングすることにより形成されるものではない。そのため、シリコン基板52が高導電性を有している必要がない。したがって、高導電性のシリコン層を備えるSOI基板を用いなくても、不純物がドーピングされていない低導電性(高抵抗)のシリコン基板52を用いて、シリコンマイク51を製造することができる。
【0062】
また、シリコン基板52が高導電性を有していないので、固定電極55および可動電極56が形成される領域をその周囲から絶縁分離する必要がない。そのため、その絶縁分離のための分離層を必要としない。その結果、シリコンマイク51のサイズを分離層の占有分だけ縮小することができる。また、分離層を形成するための工程を省略することができ、シリコンマイク51の製造工程を簡素化することができる。さらに、分離層を形成するためのフォトマスクが不要であるので、シリコンマイク51の製造に用いられるフォトマスクの数を減らすことができる。
【0063】
また、固定電極55および可動電極56の側面が絶縁膜61で被覆されているので、固定電極55と可動電極56との接触による短絡を防止することができる。
さらに、シリコンマイク51の製造工程では、ボッシュプロセスにより、シリコン基板52にトレンチ73が形成され、このトレンチ73内に絶縁膜61を介して固定電極55および可動電極56が埋設される。ボッシュプロセスでは、トレンチ73の側面に、スキャロップと呼ばれる波状の凹凸が形成される。そのため、図4に示すように、固定電極55および可動電極56を被覆する絶縁膜61の側面には、スキャロップに対応した波状の凹凸が必然的に形成される。絶縁膜61の側面の凹凸は、可動電極56が変位(振動)したときに、可動電極56の揺れ止めとして機能する。その結果、可動電極56が固定電極55に貼り付くことを防止できる。
【0064】
また、シリコンマイク51では、凹部54の下方に、凹部54と連通する音波反射用空間62が形成されているので、凹部54を介して音波反射用空間62に入射した音波をその内面で反射させて、その反射波を可動電極56に良好に入射させることができる。したがって、音波を良好に検出することができる。
なお、固定電極5,55および可動電極6,56の材料は、Au(金)、Cu(銅)、Ni(ニッケル)などのめっき金属や、TiN(窒化チタン)などのCVD金属など、W以外の金属材料であってもよい。
【0065】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 加速度センサ(MEMSセンサ)
2 シリコン基板(基板)
4 凹部
5 固定電極
5X 固定電極
5Z 固定電極
6 可動電極
6X 可動電極(第1可動電極)
6Z 可動電極(第2可動電極)
19 金属材料
21 絶縁膜
51 シリコンマイク(MEMSセンサ)
52 シリコン基板(基板)
54 凹部
55 固定電極
56 可動電極
61 絶縁膜
62 音波反射用空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン材料からなり、その表面から掘り下がった凹部を有する基板と、
金属材料からなり、前記凹部内に配置され、前記基板に対して固定された固定電極と、
金属材料からなり、前記凹部内に前記固定電極に対向して配置され、前記固定電極に対して変位可能に設けられた可動電極とを含む、MEMSセンサ。
【請求項2】
前記固定電極および前記可動電極は、前記凹部の深さ方向およびその直交方向に延びる板状に形成され、前記基板の表面と平行な方向に互いに対向している、請求項1に記載のMEMSセンサ。
【請求項3】
前記固定電極における前記可動電極との対向面および前記可動電極における前記固定電極との対向面が、絶縁膜で被覆されている、請求項1または2に記載のMEMSセンサ。
【請求項4】
前記絶縁膜の表面には、波状の凹凸が形成されている、請求項3に記載のMEMSセンサ。
【請求項5】
前記可動電極は、前記固定電極との対向方向に変位し、当該対向方向の加速度を検出するための第1可動電極を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。
【請求項6】
前記可動電極は、前記凹部の深さ方向に変位し、当該深さ方向の加速度を検出するための第2可動電極を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。
【請求項7】
前記第2可動電極における前記凹部の底面と対向する面と反対側の面には、金属材料が付着しており、
前記第2可動電極は、前記固定電極に対して前記深さ方向に位置がずれている、請求項6に記載のMEMSセンサ。
【請求項8】
前記可動電極は、前記固定電極との対向方向に変位し、前記凹部に入射した音波を検出するためのものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。
【請求項9】
前記凹部よりも前記基板の基層側に、前記凹部と連通する音波反射用空間が形成されている、請求項8に記載のMEMSセンサ。
【請求項10】
前記固定電極および前記可動電極の材料が、タングステンである、請求項1〜9のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【図3J】
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【図3K】
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【図3L】
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【図3M】
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【図3N】
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【図3O】
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【図3P】
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【図3Q】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【図6J】
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【図6K】
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【図6L】
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【図6M】
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【図6N】
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【図6O】
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【図6P】
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【図6Q】
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【公開番号】特開2010−175482(P2010−175482A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−20990(P2009−20990)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】